JPH01110139A - 温度の変化で表面の色彩が変る合成皮革または皮革 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は衣料、ハンドバッグやカバン、靴、ベルトな
どの合成皮革または皮革製品に加工して使用された時、
該製品の表面が温度の違いで多くの異なった色彩を現出
するという特異な性質を有する合成皮革または皮革に関
するものである。

〈従来の技術とその問題点〉 従来合成皮革製品あるいは皮革製品の表面の色は同一色
によるものが多く、一つの表面で多色の色彩を現出させ
る場合には必要な色を組合わせて用いていた。

また１、近年温度の変化により変色するという液晶の発
達に伴ない、特に」レステリツク液晶を用いることによ
り、皮革の表面の色が温度の差で変色するということも
知られている。（特開昭６２−１３１１００号）。

しかしながら、この技術は単に液晶を皮革の表面に塗る
というだけであって、液晶を適用した皮革の安定性や商
品価値のある製品の提供に関しては全く示唆がなく、実
現性に乏しいものである。

上記のように皮革表面に単に液晶を塗布するだけでは、 （１）液晶のカプセルは屈曲性に弱く、白化現象を引起
しやすい。

（２）液晶は汗や水の雑イオンに弱い。

（３）液晶は皮革との密着力に欠ける。

などの問題があり、衣料、バッグやベルトなどの皮革製
品に加工する段階までで白化現象や密着性の点から発色
性や耐久性が維持できず、実用的価値を云々するまでに
至っていない。

〈問題点を解決するための手段〉 本発明者は上記の点に鑑みて、合成皮革または皮革（以
下、単に皮革という）の温度差による該表面の色彩の変
化を現出させるために、コレステリック液晶のカプセル
を用いながら、かつ屈曲性や白化現象などの欠点を解消
して液晶による発色性や耐久性を維持させるべく検討し
た結果、この発明に至ったものである。

即ち、この発明は皮革生地に下塗塗装を施したのち、こ
の下Ｉ！股上にコレステリック液晶のカプセルを混合し
た水溶性樹脂液を塗布して乾燥し、次いでこの液晶を含
む塗膜表面に溶剤系の樹脂よりなる保護塗膜を施したこ
とを特徴とする温度の変化で表面の色彩が変る皮革を提
供するものである。

〈作用〉 この発明をさらに詳しくすると、この発明ではまず未処
理合成皮革または下地皮の表面に直接液晶を塗布した場
合の密着力の弱さ、および液晶が汗や水の雑イオンに弱
いこと、などの弱点を取除くために、皮革の裏面層から
の通気性、湿気の吹込みを防止すること、また液晶によ
る色の変化を鮮明に現出させるために、液晶カプセルを
混合した樹脂液の塗装に先立って黒または褐色の水溶性
樹脂塗料を塗布するものである。

そして、この下塗塗膜の上に液晶カプセルを混合した水
溶性樹脂液を塗装するならば、下地塗膜と液晶を含む塗
膜とは相互になじみ易いタイプとしたことによって液晶
の皮革への密着性は十分であり、しかも下塗塗膜のため
に皮革の裏面からの湿気や水分の浸入もなく、従ってこ
れらによる液晶の消失のおそれは全くないのである。

また、液晶カプセルの混合水溶性樹脂液を塗布した後は
、その上から硬化型の透明塗料を施すことによって表面
の屈曲性や強靭性を増し、液晶カプセルの破壊、消失を
防止し、かつ白化現象等も防止することができるのであ
る。

次にこの発明で行なう塗装について述べると、下塗塗装
は黒色または黒褐色のペーストを配合した水溶性樹脂塗
料によればよく、なかでも水溶性ウレタンタイプが好ま
しい。

液晶カプセルを混合する水溶性樹脂としてはポリアクリ
ル酸エステル系、ウレタン系などが用いられる。

また、液晶カプセル混合樹脂塗膜の上に施す表面塗装と
しては常温で硬化する溶剤タイプの透明塗料が好ましく
、透明ウレタンの二液硬化タイプ、アクリル系の硬化タ
イプが好ましいが、硝化綿ラッカーでも使用可能である
。ただ液晶がケトン系の溶媒に弱いので、この系統の溶
媒を主とするような塗料は好ましくない。そして、この
表面塗装を溶剤タイプの塗料で行な゛うのは液晶が水分
により破壊されるのを防止するためである。上記したタ
イプの中でも艶がよく発現する塗料を用いるのが発色、
色彩の変化が最もよく表現される点から好ましいことと
、また表面塗装の強靭性の点からウレタンの二液硬化タ
イプが最適である。

液晶カプセルとしては安息香酸コレステロール、酢酸コ
レスチロール、プロピオン酸コレステロールなどのコレ
ステリック液晶のカプセルが用いられる。

かくして得られる温度の変化により表面の色彩が多様に
変化するこの発明の皮革は、衣料、ハンドバッグやカバ
ン、ベルトなどの皮革製品に加工するならば、これら製
品の使用中に表面の部分部分が例えば指圧程度の軽いタ
ッチによる温度の変化にも敏感に反応してそれらの部分
が変色し、その温度の違いによっては黒色−褐色一赤茶
色一線色一青色一紫色と大きく色彩が変化して恰も多色
を混合したようなあざやかな模様のような外観を呈し、
商品価値を一段と向上させるのである。

〈実施例〉 以下、この発明を一実施例により説明する。

黒色カラーペースト１００重量部、水溶性ウレタン樹脂
バインダー（アイニスペイント社製、ウレタンバインダ
ー、ウレコートＷ）１５０重量部、脱イオン水２００重
量部より配合した下塗塗料を未処理の皮革の表面にスプ
レー塗装した。次いでこれを４０〜６０℃の除湿乾燥し
て表面を完全に乾燥したのち、コレステリック液晶カプ
セル（株式会社日本カプセルプロダクツ製、ｗ−３０）
　１００重量部を水溶性ポリアクリル酸エステル樹脂（
アイニスペイント社製、レインボーバインダー）５０重
量部、脱イオン水３０重量部に混合した液晶混合水溶性
樹脂液を下塗塗膜上にスプレー塗装した。そして、この
塗装面を５０℃にて除湿乾燥させた後表面仕上げ塗装と
してポリエーテルポリオール（アイニスペイント社製、
１．Ｓ、ウレタンクリアー）１００重量部、硬化剤（ト
ルエンジイソシアネート）１３０重量部、硬化促進剤２
重量部よりなる透明ウレタン塗料を塗装し、常温で乾燥
してこの発明の温度変化により表面色彩が多様に変化す
る皮革を得た。

かくして得た皮革を用いた衣料、バッグやカバン、ベル
ト等の皮革製品は僅かな温度の差で表面が黒色から茶褐
色−緑色一青色一紫色と各色の色彩を与えるという多彩
な模様のような外観を示した。

そして、これらの色彩は表面全体が同一の温度になると
再び全体が下地の黒色に戻った。

く効果〉 以上説明したように、この発明は僅かな温度差で表面の
色彩が多様に発色して美麗な感じを与える合成皮革また
は皮革を提供するものであり、またこの発明の処理工程
によってコレステリック液晶カプセルがその両面を保護
されていることによって液晶カプセルの消失のおそれも
なく、さらに汗や水分等によって液晶カプセルが破壊さ
れることもなく半永久的に温度差に伴なう表面の色彩の
変化が現出するのである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　合成皮革または皮革生地に下塗塗装を施したのち、こ
   の下塗塗膜上にコレステリック液晶のカプセルを混合し
   た水溶性樹脂液を塗布して乾燥し、次いでこの液晶を含
   む塗膜表面に溶剤系の保護塗膜を施したことを特徴とす
   る温度の変化で表面の色彩が変る合成皮革または皮革。