JPH0110809Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は照明装置に関し、特に天井直付型の
既設の照明器具に、その照明機能を変更する照明
カバーを被せた照明装置において、既設の照明器
具への照明カバーの取付構造に関する。

従来の技術 事務所や工場などの室内照明に使用される一般
的照明器具に、天井直付型の直管形螢光ランプ用
照明器具がある。このような室内照明用照明器具
は室内の作業環境に適合したものが設置されてい
るが、室内の作業環境が変更されると、この新し
い作業環境の照明に既設の照明器具は不適合とな
ることがある。

例えば、最近のOA〔オフイスオートメーシヨ
ン〕機器の著しい普及で、事務所等にOA機器が
導入されるようになつているが、OA機器を導入
した室内の作業環境をOA機器導入前に設置され
た天井直付型照明器具で照明すると、OA機器の
例えばCRT〔ブラウン管〕のデイスプレイ面に既
設照明器具の光源が写り込んだりして、CRTデ
イスプレイ面が見難くなるといつた不都合が生じ
る。

そこで、室内の作業環境が変更されると、天井
の既設の照明器具を取外して、代りに変更された
作業環境に適合した新しい照明器具を取付けるこ
とが行われている。しかし乍ら、この場合、照明
器具の取り替え工事が大変で、照明設備費が高価
になるといつた問題がある。従つて、最近は天井
の既設の照明器具に、その照明形態を変える照明
カバーを装着することが行われている。

例えば、第８図及び第９図に天井直付型の直管
形螢光ランプ２灯用照明器具１を示し、これを説
明する。同図において、２は天井、３は天井２に
ネジ止等で固定された逆樋状の器具本体、４，４
は器具本体３の下面両端部に固定された１対のソ
ケツト取付金具、５は器具本体３の下端開口を塞
いで、ソケツト取付金具４，４に２本ずつの化粧
ネジ６，６…で固定された断面略Ｖ字状の反射
笠、７，７…はソケツト取付金具４，４に固定さ
れて反射笠５より突出する２対の直管形螢光ラン
プ用ソケツト、８，８はソケツト７，７…の対向
する１対ずつに装着された２灯の平行な直管形螢
光ランプである。

上記照明器具１は室内の全体的な照明に適する
が、室内にOA機器などが設置されることによつ
て作業環境が変更されると、既設の照明器具１は
不適合となる。この場合、既設の照明器具１に新
しい作業環境に適応した照明カバーが装着され
る。この照明装置の従来例を、第１０図乃至第１
２図を参照して説明すると、９は矩形箱形の照明
カバー、１０，１０は照明カバー９を既設照明器
具１に取付けるための１対の取付金具である。

照明カバー９は上下開口のカバー本体１１と、
カバー本体１１の下部開口に着脱自在に装着され
た例えば格子状のルーバ１２で構成される。カバ
ー本体１１の上部開口は既設の照明器具１が余裕
をもつて挿通される大きさであり、カバー本体１
１の長尺な対向内壁面の両端部には平面Ｃ字状の
バネ受け１３，１３…が固定配置されている。

１対の取付金具１０，１０は照明器具１の反射
笠５の両端部下に化粧ネジ６，６…にてネジ止め
される。この取付金具１０，１０の両端は反射笠
５の両側方に延びて、その両端部に逆Ｖ字状のバ
ネ材１４，１４…が吊下支持される。各バネ材１
４，１４…は、次の要領でカバー本体１１の対応
するバネ受け１３，１３…に引掛けられて、照明
カバー９を支持する。

既設の照明器具１に照明カバー９は次の順序で
取付けられる。先ず、既設の照明器具１から直管
形螢光ランプ８，８を外し、反射笠５の下面に取
付金具１０，１０を化粧ネジ６，６…を用いてネ
ジ止めする。そして、直管形螢光ランプ８，８を
ソケツト７，７…に装着する。次にルーバ１２を
外したカバー本体１１を持ち上げて、カバー本体
１１の上部開口に照明器具１を挿入し、カバー本
体１１の上端を天井２に押し付けておいて、取付
金具１０，１０のバネ材１４，１４…を１つずつ
圧縮して、対応するバネ受け１３，１３…に引掛
けていく。即ち、逆Ｖ字状のバネ材１４の下端部
を指で押圧してバネ材１４を圧縮し、そのままＣ
字状のバネ受け１３内に挿入して、バネ材１４か
ら手を離すと、バネ材１４は復元力で開いてバネ
受け１３に２点で弾圧接触して、バネ受け１３に
係止される。

４つのバネ材１４，１４…を対応するバネ受け
１３，１３…に順次に引掛けた後、カバー本体１
１の下部開口にルーバ１２を装着する。この状態
で照明カバー９を押し上げると、バネ材１４，１
４…のバネ力によつて照明カバー９は天井２に押
し付けられるように支持され、取付けが完了す
る。照明カバー９は照明器具１を囲い、直管形螢
光ランプ８，８の光はルーバ１２より方向規制さ
れて下方へ放射され、これにより既設の照明器具
１の照明形態が新しい作業環境に適応するように
変更される。

考案が解決しようとする問題点 ところで、既設の照明器具１に照明カバー９を
バネ材１４，１４…を介して取付ける構造では、
照明カバー９の天井２に対する当接状態がバネ材
１４，１４…のバネ力によつて大きく影響され
る。例えばバネ材１４，１４…のバネ力が強けれ
ば、照明カバー９と天井２との隙間をなくし、光
洩れを防止することができる反面、バネ材１４，
１４…の１つ１つを手で圧縮して照明カバー９の
バネ受け１３，１３…に引掛ける作業が面倒で、
照明カバー９の装着性が著しく損なわれる。逆に
バネ材１４，１４…のバネ力を弱くすれば、照明
カバー９の装着性は改善できるものの、照明カバ
ー９の自重或いは何らかの衝撃によつて下降して
天井２との間に隙間が生じ、この隙間から内部の
光が外に洩れて、照明装置の商品価値が下がる。
このようにバネ材をいずれの条件をも満足するよ
うに適正なバネ力に設定することが極めて難しい
という問題がある。

従つて、本考案の目的は、既設の照明器具に照
明カバーを簡単に、且つ常に安定して取付けられ
る構造の照明装置を提供するにある。

問題点を解決するための手段 本考案は上記目的を達成するために、天井に直
付けされた既設の照明器具と、この照明器具下に
ネジ止めされ、両端より下方に延ばした端板に、
山形状の受面を有する取付穴が形成された取付金
具と、箱形のカバー本体の上方に照明器具の挿入
可能な開口部を形成すると共に、この開口部の周
辺部分に弾性を有する光洩れ防止部材を固定し、
かつ内面両側壁にＬ形状の引掛爪を付設した照明
カバーとを具備し、上記照明カバーを取付金具
に、照明カバーの開口部内に照明器具が位置し、
かつ引掛爪が取付穴の一方の受面から他方の受面
への移行状態において光洩れ防止部材を天井に押
圧させると共に引掛爪を取付穴に係止させること
によつて保持させたものである。

作 用 上記本考案による取付金具の取付穴と、照明カ
バーの引掛爪とは、既設の照明器具に照明カバー
を嵌め込むワンタツチ式に近い取付けを可能にす
る。また照明カバーの上部開口周縁の弾性光洩れ
防止部材は、天井に押圧されることにより、照明
カバーと天井との隙間を無くして、照明カバーと
天井間からの光洩れを皆無にする。さらには照明
カバーの厚みを薄くすることができる。

実施例 本考案の一実施例を第１図乃至第７図に基づ
き、以下説明する。

第１図乃び第２図において、１５，１５は照明
器具１の反射笠５の両端部に化粧ネジ６，６…に
てネジ止め固定された１対の取付金具、１６は取
付金具１５，１５を介して照明器具１に取付けら
れた照明カバーである。１対の取付金具１５，１
５は略Ｍ形に形成されており、反射笠５の両側方
に食み出した両端には下方に延びる端板１５ａ，
１５ａ…を有する。この端板１５ａ，１５ａ…に
は多角形の取付穴１７，１７…が形成される。こ
の取付穴１７，１７…の下部には、第４図に示す
ように山形テーパ状の受面１８，１８が形成さ
れ、各受面１８，１８は同一方向の一端側が低い
下段受面１８ａ，１８ａ…から、他端側の高い上
段受面１８ｂ，１８ｂ…へとテーパ状に延びる。

照明カバー１６は照明器具１を囲う上下開口箱
形のカバー本体１９と、カバー本体１９の上部開
口に沿つて固定されたウレタンゴム枠などの弾性
光洩れ防止部材２０と、カバー本体１９の下部開
口に着脱自在に装着されたルーバ２１とで構成さ
れる。枠状の光洩れ防止部材２０で囲まれる開口
は照明器具１が余裕をもつて収納される大きさに
設定される。カバー本体１９の長尺な対向内壁面
の両端部には取付金具１５，１５の取付穴１７，
１７…に挿入されて引掛けられるほぼＬ形状の引
掛爪２２，２２…が突設固定される。引掛爪２
２，２２…は先端部が下方に折曲されたフツク状
のもので、対向する１対のものが、対応する１つ
の取付金具１５の両端の取付穴１７，１７に引掛
けられる。対向する１対の引掛爪２２，２２の先
端部の間隔は、１つの取付金具１５の両端板１５
ａ，１５ａの間隔より若干小さく、引掛爪２２，
２２の根元より先端部までの長さは取付金具１５
の板厚より十分大きく設定され、また引掛爪２
２，２２の幅は取付穴１７，１７の幅より十分小
さくて、取付穴１７，１７内を上下左右に移動す
る。２対の引掛爪２２，２２…はカバー本体１９
内に、カバー本体１９を天井２に押し付けるほぼ
同一の高さ位置に固定配置される。

照明カバー１６の既設の照明器具１への取付け
は、次の要領で行われる。従来同様に照明器具１
から直管形螢光ランプ８，８を外して、反射笠５
に取付金具１５，１５を化粧ネジ６，６…で固定
する。そして、直管形螢光ランプ８，８をソケツ
トに装着する。次に、ルーバ２１を外したカバー
本体１９を天井２まで持ち上げ、光洩れ防止部材
２０内に照明器具１を位置させて、第６図に示す
ように、カバー本体１９を幅方向に傾けて、上位
にある２つの引掛爪２２，２２を、第７図の実線
で示すように、２つの取付金具１５，１５の同一
側の取付穴１７，１７の下段受面１８ａ，１８ａ
の上方空間に挿入して、下段受面１８，１８に引
掛ける。次にカバー本体１９を、第６図の実線矢
印方向に回転させて、残り２つの引掛爪２２，２
２を取付金具１５，１５の残り２つの取付穴１
７，１７の手前近くに位置させて、カバー本体１
９を第６図の破線矢印方向に押し、残りの引掛爪
２２，２２を対応する取付穴１７，１７に挿入し
て、その下段受面１８ａ，１８ａに引掛ける。こ
の状態でカバー本体１９は、４つの引掛爪２２，
２２…が２つの取付金具１５，１５の計４つの取
付穴１７，１７…の下段受面１８ａ，１８ａ…に
引掛けられて支持される。この状態でカバー本体
１９を、第７図の矢印の長手方向に押す。する
と、各引掛爪２２，２２…が取付穴１７，１７…
の下段受面１８ａ，１８ａ…からテーパ状受面１
８，１８…を滑つて上昇移動して、上段受面１８
ｂ，１８ｂ…に係止する。この間にカバー本体１
９も上昇して、光洩れ防止部材２０が天井２に接
触する。このカバー本体１９は外力を加えて引掛
爪２２，２２…を取付穴１７，１７…の上段受面
１８ｂ，１８ｂ…から外さない限り、天井２から
離れず、安定に支持される。その後カバー本体１
９の下部開口にルーバ２１を装着する。尚、ルー
バ２１は予めカバー本体１９に装着しておいたり
することもできる。

このように取付けられた照明カバー１６は、カ
バー本体１９上の光洩れ防止部材２０が天井２に
接触しているので、天井２との間に隙間が生じる
ことが無く、従つて照明カバー１６と天井２との
間から外に光が洩れる心配は皆無である。また、
光洩れ防止部材２０を圧縮変形させて天井２に押
圧して、照明カバー１６を取付ければ、引掛爪２
２，２２…や取付金具１５，１５の寸法や取付位
置の誤差が光洩れ防止部材２０の変形で吸収され
て、照明カバー１６はガタ付き無く安定した状態
で取付けられる。又、引掛爪２２，２２…の一側
エツジが取付金具１５，１５の上段受面１８ｂ，
１８ｂ…側のテーパ面に当接されるように照明カ
バー９を装着すれば、照明カバー９の既設照明器
具１への取付状態の安定性を一層改善できる。

考案の効果 本考案によれば、既設の照明器具への照明カバ
ーの取付けが、嵌め込み式に簡略化され、照明カ
バーの着脱作業の容易なものが提供できる。ま
た、天井の照明器具に照明カバーは、その上部開
口の光洩れ防止部材を天井に接触して取付けられ
るので、天井との間からの光洩れの無い商品価値
に優れた照明装置が提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る照明装置の一実施例を示
す一部断面を含む正面図、第２図は第１図のＡ−
Ａ線に沿う断面図、第３図は第２図のＢ矢視拡大
斜視図、第４図は第３図のＣ−Ｃ線に沿う断面
図、第５図は第１図の照明装置の部分分解斜視
図、第６図及び第７図は第１図の照明装置の組立
動作を説明するための側断面図及び一部拡大正面
図である。第８図は照明器具の正面図、第９図は
第８図のＤ−Ｄ線に沿う断面図、第１０図は第８
図の照明器具に照明カバーを装着した従来の照明
装置の正面図、第１１図は第１０図のＥ−Ｅ線に
沿う断面図、第１２図は第１０図の照明装置の部
分分解斜視図である。 １……照明器具、２……天井、１５……取付金
具、１５ａ……端板、１６……照明カバー、１７
……取付穴、１８……テーパ状受面、２０……光
洩れ防止部材、２２……引掛爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天井に直付けされた既設の照明器具と、この照
   明器具下にネジ止めされ、両端より下方に延ばし
   た端板に、山形状の受面を有する取付穴が形成さ
   れた取付金具と、箱形のカバー本体の上方に照明
   器具の挿入可能な開口部を形成すると共に、この
   開口部の周辺部分に弾性を有する光洩れ防止部材
   を固定し、かつ内面両側壁にＬ形状の引掛爪を付
   設した照明カバーとを具備し、上記照明カバーを
   取付金具に、照明カバーの開口部内に照明器具が
   位置し、かつ引掛爪が取付穴の一方の受面から他
   方の受面への移行状態において光洩れ防止部材を
   天井に押圧させると共に引掛爪を取付穴に係止さ
   せることによつて保持させたことを特徴とする照
   明装置。