JPH0110151Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はプレス装置に係り、パンチホルダーと
シリンダーの落下荷重により、ダイホルダー上の
素材をプレス加工するようにしたものである。

（従来の技術） 従来のプレス装置は、第３図に示すように、シ
リンダー１を架台２に支持させ、シリンダーロツ
ド３の下端部にパンチホルダー４を取り付けて構
成されており、シリンダーロツド３の往動によつ
てパンチホルダー４を下降させて素材を加工し、
シリンダーロツド３の復動によつて上昇させるよ
うになつていた。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら上記従来装置は、プレス時の衝撃
に耐えられるように、シリンダー１を支持する架
台２は大きな強度を要求されるため、鋳鉄などに
より頑丈に形成する必要があり、このため装置は
大型重量なものとなつて、例えば合成樹脂板のか
しめや薄板の孔あけ等の小さな力で十分な軽度の
プレス加工の場合は、設備が過大化する問題点が
あつた。

したがつて本考案は、装置の構成が簡単で、軽
度のプレス加工に有利なプレス装置を提供するこ
とを目的とする。

（課題を解決するための手段） このために本考案は、ダイホルダー８と、この
ダイホルダー８の上方にあつて、ガイド部材１１
に案内されて、このダイホルダー８上を昇降する
パンチホルダー６と、このパンチホルダー６にロ
ツド７を下側にして組み付けられたシリンダー５
とからプレス装置を構成している。そしてロツド
７の下端部を上記ダイホルダー８上に接地させ
て、このロツド７の突没動作により、上記パンチ
ホルダー６とシリンダー５を一体的に昇降させる
ようにしている。

（作用） 上記構成によれば、ロツド７をシリンダー５か
ら突出させると、パンチホルダー６とシリンダー
６はガイド材１１に沿つて上昇し、次にロツド７
の突出力を解除すれば、パンチホルダー６とシリ
ンダー５はこれらの自重により一体的にダイホル
ダー８へ落下し、その衝撃によりダイホルダー８
にセツトされた素材をプレス加工する。

（実施例） 以下、図面を参照しながら本考案の実施例を説
明する。

第１図はプレス装置の斜視図、第２図は同側面
図であつて、８はダイホルダーであり、四隅には
棒状のガイド部材１１が立設されている。６はダ
イホルダー８の上方に配設されたパンチホルダー
であつて、その四隅にはカプラー１２が設けられ
ている。ガイド部材１１はこのカプラー１２に挿
入されており、ダイホルダー６はガイド部材１１
に案内されて昇降する。１０はガイド部材１１の
下端部に設けられたストツパーであつて、ダイホ
ルダー６の下死点を規定する。

パンチホルダー６の上面中央には、シリンダー
５がロツド７を下側にして組み付けられており、
ロツド７の下端部はダイホルダー８の上面に接地
している。９はロツド７の下端部に装着されたフ
ローテイングジヨイントであつて、ロツド７の芯
ブレを吸収する。ダイホルダー８上には、下型１
３がダイホルダー８に立設されたピン１４，１４
に挿着されてセツテイングされており、また下型
１３の両側部はクランプ部材１５により固定され
ている。またパンチホルダー６の下面には、上型
１６が装着されている。１７，１８は送気パイプ
及び排気パイプであつて、送気パイプ１７からシ
リンダー５内にエアを圧入するとロツド７は突出
する方向に移動し、パンチホルダー６とシリンダ
ー５は相対的に押し上げられることになり、この
場合ロツド７はダイホルダー８に接地しているた
め、ガイド部材１１に案内されて上昇する。また
排気パイプ１８からシリンダー５内のエアを抜け
ば、パンチホルダー６とシリンダー５は自重によ
りダイホルダー８上に一体的に落下する。

本プレス装置は上記のような構成より成り、次
に動作を説明する。

送気パイプ１７からシリンダー５内にエアを送
り込むと、ロツドはシリンダー５から突出してパ
ンチホルダー６は上昇する。次に排気パイプ１８
を通じてシリンダー５内のエアを抜けば、パンチ
ホルダー６とシリンダー５はこれらの自重により
一体的に高速にて落下し、その落下荷重により下
型１３上にセツテイングされた素材の孔あけやか
しめなどが行われる。次にシリンダー５内へ再び
エアを送り込めばパンチホルダー６は上昇し、加
工が終了した素材をダイホルダー８上から除去し
て次の素材を下型１３上にセツトし、同様の動作
を繰り返す。したがつてロツド７には、プレス時
の衝撃力が直接加わることはなく、プレス加工後
において、パンチホルダー６およびシリンダー５
の重量をゆつくりと押し上げる程度の力が加わる
だけで、このためロツド７が衝撃により歪んだ
り、変形したりすることも軽減でき、シリンダー
５のエアーシール構造も簡単なもので済むもので
ある。

上記工程において、素材へ加えられる落下荷重
の大きさは、シリンダー５及びパンチホルダー６
の重量や、ロツド７のストロークによつて決定さ
れる。したがつて、装置を大型化して落下荷重や
落下ストロークを大きくすれば、大きな力が要求
される加工を行うことも可能であるが、本装置は
全体を比較的小型に構成して、小さな落下荷重に
よつて遂行できる加工、例えば合成樹脂板のかし
めや薄板の孔あけ等にその長所を発揮する。

（考案の効果） 以上説明したように本考案は、ダイホルダー８
と、このダイホルダー８の上方にあつて、ガイド
部材１１に案内されて、このダイホルダー８上を
昇降するパンチホルダー６と、このパンチホルダ
ー６にロツド７を下側にして組み付けられたシリ
ンダー５とからプレス装置を構成し、このロツド
７の下端部をダイホルダー８上に接地させて、こ
のロツド７の突没動作により、パンチホルダー６
とシリンダー５を一体的に昇降させるようにして
いるので、架台が不要になつて装置を小型軽量化
でき、殊に合成樹脂のかしめや薄板の孔あけ等の
小さな力で十分な軽度の高速プレス加工を有利に
行うことができるものであり、また特にパンチホ
ルダー６とシリンダー５の落下時の衝撃力を素材
に加える加工エネルギーとしてそのまま利用して
いるので、エネルギーの損失は殆どなく、きわめ
て加工効率のよいものとなる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであつて、第１
図はプレス装置の斜視図、第２図は側面図、第３
図は従来のプレス装置の側面図である。 ５……シリンダー、６……パンチホルダー、７
……ロツド、８……ダイホルダー、１１……ガイ
ド部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダイホルダー８と、このダイホルダー８の上方
   にあつて、ガイド部材１１に案内されて、このダ
   イホルダー８上を昇降するパンチホルダー６と、
   このパンチホルダー６にロツド７を下側にして組
   み付けられたシリンダー５とから成り、このロツ
   ド７の下端部を、上記ダイホルダー８上に接地さ
   せて、このロツド７の突没動作により、上記パン
   チホルダー６とシリンダー５を一体的に昇降させ
   るようにしたことを特徴とするプレス装置。