JPH0110123Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は走行中の鋼板から製品又はサンプル等
を自動的に打抜き、かつ所定の個所への搬送をな
すサンプル等自動打抜き及び搬送装置に関するも
のである。

周知のように圧延中の帯状鋼板の硬度及び材質
試験等のサンプル採取作業においては、従来その
殆んどが通板稼動中のラインを停止した後、人為
作業で手持ちの打抜器具により行なつているが、
ライン停止時間の長短が直接生産高へ大きな影響
を与えると共に、人力による作業は重労働であ
り、能率上及び安全衛生上非常に問題となつてい
る。

そこで本考案ではかかる問題点を全て解消し、
サンプル等の打抜きから所定個所への搬送に致る
までの工程を自動化し、生産性の向上を図り得る
走行鋼板からのサンプル等自動打抜き及び搬送装
置を提供せんとするものであり、その要旨とする
ところは、走行鋼板の上下に、上下対称的に回動
するクランクアームによつて運動する上下刃物ホ
ルダーを架設し、同上下刃物ホルダーにポンチ及
びダイスを対設し、該ポンチにはそれを貫通する
エヤージエツト噴出孔を設けると共に、上記ダイ
スの下方にサンプル等搬送用コンベヤーを配設
し、かつ同コンベヤーの周囲で前記ダイスとの間
にサンプル等案内用のエヤーシユーターを具備し
て成ることを特徴とする走行鋼板からのサンプル
等自動打抜き及び搬送装置に係るものである。

以下本考案の実施例を図面に基いて詳細に説明
する。

第１図は本考案の実施例を示す全体斜視図、第
２図は同要部拡大断面図、第３図及び第４図は作
動説明図を示し、図においてＡは鋼板、１，１′
は上下刃物ホルダー、２は上部刃物ホルダー１に
取り付けたポンチ、３は下部刃物ホルダー１′に
取り付けたダイス、４…は上部刃物ホルダー１を
常に鋼板Ａと平行状態にて回動すべく軸支するク
ランクアーム、４′…は下部刃物ホルダー１′を常
に鋼板Ａと平行状態にて回動すべく軸支するクラ
ンクアーム、５…及び５′…は上記のクランクア
ームを上下対称的に回動すべく同期させる同期歯
車、６，６′は案内縦軸であり、その下部を下部
刃物ホルダー１′に固定すると共に、その中途部
を上部刃物ホルダー１に対し上下摺動自在に連結
せしめることによつて上下両刃物ホルダー１，
１′相互間を走行鋼板Ａと平行する方向において
同期させ、ポンチ２とダイス３との位置関係のず
れ防止を図つている。７，７′は押えローラーで
あり、これはスプリング８，８′の押圧力によつ
て打抜後におけるポンチ２を鋼板Ａより即時かつ
スムースに離脱せしめる役目をなす。９はポンチ
２の中央部を貫通する状態に設けられたエヤージ
エツト噴出孔であり、これは打抜かれたサンプル
等を確実に下方に落下せしめる役目をなす。１０
は打抜かれたサンプル等ａを受け止めて搬送する
第一搬送用コンベヤーであり、ダイス３の下方に
おいて鋼板Ａの走行方向と平行する状態に配設さ
れる。１１はエヤーシユーターであり、この実施
例図面においては上方に行くに従つて外方へ開口
すべくそれぞれ傾斜状をなした４枚の中空状シユ
ーターブロツク１２…により構成され、各シユー
ターブロツク１２…の内面に多数のエヤー噴出孔
１３を開設している。１４…は各シユーターブロ
ツク１２…にエヤーを導入するエヤーパイプ、１
５はシユーターブロツク１２の傾斜角度調整機構
であり、これはシユーターブロツク１２傾斜角度
即ちエヤーの噴出角度を適度に調整することによ
りサンプル等がうまく第一搬送用コンベヤー１０
上に案内される様調整をなす役目をなす。１０は
第二搬送コンベヤー、１６は強度等測定機であ
る。

本考案では以上の如き構成である為、鋼板Ａの
走行中において打抜き指令等の伝達により、又な
手動操作によつて所要の駆動モーター（図示せ
ず）を作動させ、各クランクアーム４…，４′…
を回動させると、上方クランクアーム４…の下死
点及び下方クランクアーム４′…の上死点の合致
点において、ポンチ２とダイス３による鋼板Ａの
打抜きが行なわれ、この打抜かれたサンプル等ａ
はポンチ２に設けられたエヤージエツト噴出孔９
より噴出するジエツトエヤーにより下方に強制的
に吹き落される。即ち打抜かれたサンプル等ａは
通常その自重により自然落下するが、鋼板Ａ若し
くはポンチ２、ダイス３等に付着した油により落
下がスムースに行なわれなかつたり、ポンチ２、
ダイス３の摩耗や位置ずれ等が原因で切れ味が悪
くなつた場合でもジエツトエアーによつて確実に
下方へ落下させ、これにより走行鋼板Ａ自体の損
傷を有効に防止すると共に、サンプリングの確実
性を担保するものである。

以上の様にジエツトエアーにより強制的に下方
へ吹き落されたサンプル等ａはエヤーシユーター
１１の多数の噴出孔１３…より噴出するエヤーの
クツシヨン作用によりその落下速度が弱められて
第一搬送用コンベヤー１０上に緩やかに案内さ
れ、同第一搬送用コンベヤー１０及び第二搬送用
コンベヤー１０′を経由して強度等測定機１６等
の目的の個所に確実に搬送されるものである。

以上詳細に説明した如く本考案によれば、ライ
ンを停止することなく走行中の鋼板から製品又は
サンプル等を能率的に打抜き採取することがで
き、打抜きから所定の個所への搬送に致るまでの
工程を自動化し、生産性の向上を図り得ると共
に、エヤージエツト噴出孔より噴出するジエツト
エアーと、エヤーシユーターより噴出するエヤー
の有機的作用によつて、サンプリングの確実性を
担保し、かつ鋼板自体の損傷をも有効に防止し得
るという極めて優れた作用効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す全体斜視図、第
２図は同要部の拡大断面図、第３図及び第４図は
要部の作動説明図である。 図中、Ａ……鋼板、１，１′……刃物ホルダー、
２……ポンチ、３……ダイス、４，４′……クラ
ンクアーム、９……エヤージエツト噴出孔、１０
……第一搬送用コンベヤー、１０′……第二搬送
用コンベヤー、１１……エヤーシユーター、ａ…
…サンプル等。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行鋼板の上下に、上下対称的に回動するクラ
   ンクアームによつて運動する上下刃物ホルダーを
   架設し、同上下刃物ホルダーにポンチ及びダイス
   を対設し、該ポンチにはそれを貫通するエヤージ
   エツト噴出孔を設けると共に、上記ダイスの下方
   にサンプル等搬送用コンベヤーを配設し、かつ同
   コンベヤーの周囲で前記ダイスとの間にサンプル
   等案内用のエヤーシユーターを具備して成ること
   を特徴とする走行鋼板からのサンプル等自動打抜
   き及び搬送装置。