本開示は、概して、多孔性支持基材上に配置された等孔性膜を含む薄フィルム複合物品を提供する。物品は、可撓性、耐久性、親水性である、及び/又は選択的等孔性活性層を有する、1つ以上の有利な特性を呈する。膜の等孔性が均一であるほど、物品を通して溶質を濾過する際の分子量カットオフ曲線はシャープになる。
第1の態様では、物品が提供され、該物品は、多孔質基材上に配置された等孔性膜を含み、該等孔性膜は、トリブロックコポリマー又はペンタブロックコポリマーを含み、該等孔性膜は、厚さを有し、厚さ全体にわたって等孔性である。
第2の態様では、物品を製造する方法であって、該方法が、
a)多孔質基材上に組成物を堆積させ、それによってフィルムを形成することであって、該組成物が、溶媒とトリブロックコポリマー又はペンタブロックコポリマーを含む固形物とを含む、ことと、
b)該フィルムから該溶媒の少なくとも一部を除去し、それによって、複数の細孔を含む等孔性膜を形成することと、
を含む、方法であって、該等孔性膜が厚さを有し、該厚さ全体にわたって等孔性である、方法が提供される。
以下の開示は、第1の態様と第2の態様の両方に関する。
本明細書で使用するとき、用語「等孔性」は、ほぼ同じ細孔径を有することを指す。等孔性膜を多孔質基材上に形成することが可能であり、該等孔性膜が、堆積膜の厚さ全体にわたって等孔性であることが発見された。対照的に、多孔質基材上に形成された従来の等孔性膜は、一方の主表面で、膜の厚さ全体にわたって潜在的に部分的に等孔性を有したが、多孔質基材上に配置された厚さの一部もまた等孔性ではなかった。例えば、Yuらは、「Asymmetric block copolymer membranes with ultrahigh porosity and hierarchical pore structure by plain solvent evaporation」(Chem.Commun.,2016,52,12064-12067)において、「スポンジ状の微多孔層の上部に高度に秩序化された...かつ均一な細孔を有する薄い上部層」を有する柔軟な膜の形成について述べている。同様に、独国特許出願公開第102012207344(A1)号(Volkanら)は、沈殿浴に浸漬させることによって作成されたスポンジ様構造に直接移行する等孔性層を有する膜を形成することを開示している。Hahnらもまた、「Thin Isoporous Block Copolymer Membranes:It is All about the Process」(ACS Appl.Mater.Interfaces,2015,7,21130-21137)において、「ブロックコポリマー膜の表面層において狭い細孔径分布と高多孔性の可能性を十分に活用するためには、サブ構造(substructure)の厚さ及び密度を低減するべきである」と開示している。Hahnらは、1~3マイクロメートルの平均厚さを有する膜の形成について報告している。ジブロックコポリマーから全体にわたってナノ細孔を有するブロックコポリマー(BCP)膜を形成する1つの方法については、Maらが「Block copolymer ultrafiltration membranes by spray coating coupled with selective swelling」(Journal of Membrane Science」(2019),doi:https://doi.org/10.1016/j.memsci.2019.117656)において説明している。Maらは、「BCPコーティングされた支持体を高温のエタノールに浸すと、選択的膨潤誘起細孔生成のメカニズムに従ってBCP層にナノ多孔性が作成された」ことを開示している。
しかしながら、本開示による方法によって、(例えば、スポンジ状)下部構造を有する代わりに、それらの厚さ全体にわたって等孔性を有する等孔性膜が形成されることが予想外に発見された。より具体的には、毛細管作用を利用して、支持多孔質基材上に薄い等孔性膜を形成するのを助けることができ、該等孔性膜は等孔性ではない下部構造を欠いていることが見出された。多孔質基材へのウィッキング(wicking)による溶媒の急速な除去は、多孔質基材の表面でのブロックコポリマー粒子の急速な濃縮を引き起こし、その厚さ全体にわたって等孔性である膜を形成するのに役立つ。この現象は、トリブロック又はペンタブロックコポリマーの組成物(例えば、分散体)の薄いコーティングで起こるが、より厚いコーティングでは起こらないことが見出された。また、ウィッキングが発生しない高密度基材上に同等の溶液をコーティングしても、多孔質基材上にコーティングする際に見られる等孔性構造が得られないことも示された。理論に拘束されることを望むものではないが、各支持基材は、それ自身の流体容量限界を有し、その限界に達すると溶媒のウィッキングが遅くなると考えられ、より厚いコーティング高さでは、毛細管作用が厚いコーティングの上面の溶媒系に影響を与えることができない。一定量の溶媒を組成物からの蒸発を介して除去することもできるが、ウィッキングが急速に起こるために、ウィッキング効果が膜形成に支配的であるように思われる。溶媒の毛細管作用による除去(capillary removal)によって形成される構造の等孔は、低沸点、高蒸気圧(例えば、速い蒸発を呈する)の溶媒の使用、又は高沸点溶媒(例えば、遅い蒸発を呈する)が使用される場合は水に素早く浸漬させることから、放置時間(dwell time)が短いために、支持基材の細孔内に存在する溶媒の存在によって悪影響を受けることはなく、無傷のままであることが見出された。いくつかの実施形態では、方法は、非溶媒(例えば、水)を使用して、高沸点残留溶媒を等孔性膜及び多孔質基材から洗い出すことを更に含み得る。これは、特定の溶媒が、物品中に残された場合に、ブロックコポリマーの配向を再構成し始めたり、及び/又は等孔性膜の構造を劣化させたりする可能性があるため、有用であり得る。
したがって、本開示の方法は、好ましくは、多孔質基材への溶媒のウィッキングによる溶媒の除去を含む。本開示の任意の方法では、多孔質基材上に堆積された組成物から溶媒を除去することは、1秒以上、5秒以上、10秒以上、15秒以上、20秒以上、25秒以上、又は30秒以上の時間にわたって、かつ600秒以下、500秒以下、400秒以下、300秒以下、200秒以下、100秒以下、80秒以下、60秒以下、50秒以下、又は40秒以下の時間にわたる、溶媒の少なくとも一部の、ウィッキング及び任意選択の蒸発も含む。物品からの溶媒の完全な乾燥(例えば、蒸発)は、24時間を超え得ることに留意されたい。
本開示の任意の方法では、組成物の固形物は、全組成物の0.1重量パーセント(重量%)以上、0.2重量%以上、0.3重量%以上、0.4重量%以上、0.5重量%以上、1.0重量%以上、1.5重量%以上、又は2.0重量%以上、かつ全組成物の7重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、又は3重量%以下の量で存在する。
任意選択で、固形物は、ブロックコポリマー溶液中に存在するか、又は組成物に意図的に添加される、少なくとも1つの添加剤を更に含む。例えば、そのような添加剤は、例えば、限定されないが、ホモポリマー、ジブロックポリマー、又はトリブロックポリマーのうちの1種以上を、固形物全体の1~49重量%(両端を含む)の範囲の量で含んでよい。
本開示の任意の方法では、トリブロックコポリマー又はペンタブロックコポリマーを含有する組成物は、1マイクロメートル以上、12.5マイクロメートル以上、15マイクロメートル以上、25マイクロメートル以上、35マイクロメートル以上、50マイクロメートル以上、又は60マイクロメートル以上のバーギャップ高さを使用して、かつ100マイクロメートル以下、88マイクロメートル以下、85マイクロメートル以下、75マイクロメートル以下、又は65マイクロメートル以下のバーギャップ高さを使用して、多孔質基材上にキャストされる。
キャストの代替として、トリブロックコポリマー又はペンタブロックコポリマーを含有する組成物は、エレクトロスプレー堆積又はインクジェット印刷を使用して多孔質基材上に堆積させることができる。エレクトロスプレー堆積及びインクジェット印刷のそれぞれは、組成物を、20ナノメートル~1000ナノメートル(両端を含む)の厚さで独立して堆積させることができる。1つの好適なエレクトロスプレー堆積装置については、Chowdhuryらによって、「3D Printed Polyamide Membranes for Desalination」(Science,2018,361(6403),682-686)に記載されている。典型的には、インクジェット印刷では、360~1200滴/平方インチ(両端を含む)(21.2~70.5滴/平方マイクロメートル)の滴下間隔を提供し、滴下量は1~70ピコリットル(pL)である。1つの好適なインクジェットプリンタは、FUJIFILM Dimatix,Inc.,(Santa Clara,CA)から「DIMATIX MATERIALS PRINTER」の商品名で入手可能である。
上記のように、SIPSを使用した等孔性膜を生成するための従来の方法が報告されている。この方法では、ブロックコポリマー溶液を湿潤フィルムにキャストし、フィルム中のブロックコポリマー濃度を増加させる蒸発工程に供し、水性非溶媒浴中でクエンチすることによりポリマーを沈殿させて多孔質固体フィルムを形成させる。ブロックコポリマーを用いた従来のSIPSプロセスの結果として、得られたフィルムは、同じ材料の非等孔性スポンジ層によって支持される等孔性表面構造を形成する。
従来のSIPS相反転法は、一般に、約10~30重量%がポリマーからなるように、キャスト溶液中で高濃度のポリマーを使用する。キャスト溶液の粘度は、典型的には、ポリマーが高濃度である結果として高い。コーティング溶液は、ほぼ常に、均質な単相溶液を生成するように配合される。「キャスト溶液は、非溶媒に浸漬する瞬間に一体性を維持できる粘性(10^4cps以上)でなければならない。」(Synthetic Polymer Membranes A Structural Perspective,2nd Edition,Robert E Kesting,John Wiley and Sons,1985。)
本開示の方法は、従来のSIPSプロセスとは異なる。薄フィルム複合体は、7重量%未満のブロックコポリマーを含有する組成物を多孔質である基材上に堆積させることから生じる。ブロックコポリマーは、多孔質基材をコンフォーマルコーティングすることとは対照的に、多孔質基材上に堆積した際に、多孔質基材の表面又はその近くでフィルムとして合体する。従来のSIPSと比べてブロックコポリマーの含有量が低いにもかかわらず、コーティング組成物は、好適な分析方法(動的光散乱(DLS)など)によって決定されるように、ブロックコポリマーを用いた従来のSIPSに適したキャスト溶液と比べて、ポリマー遊離鎖の体積が実質的にわずかで、ポリマー粒子の体積が増加する、遊離ポリマー鎖と、ポリマーミセル又はポリマー凝集体など、ほとんどがコロイド状のブロックコポリマー粒子との最少量の混合物を生成するように配合される。本開示による組成物は、全ブロックコポリマーの20体積%以上、例えば、25体積%以上、30体積%以上、35体積%以上、40体積%以上、45体積%以上、50体積%以上、55体積%以上、60体積%以上、65体積%以上、70体積%以上、又は75体積%以上が組成物中の粒子として存在する、かつ全ブロックコポリマーの100体積%以下、99.9体積%以下、99.5体積%以下、99体積%以下、95体積%以下、又は90体積%以下が組成物中の粒子として存在する場合、分散体であるとみなされる。好ましくは、分散体は、全ブロックコポリマーの50体積%超を粒子として含有する(すなわち、過半数)。
これらの方法において有用である堆積(例えば、キャスト)組成物は、多くの場合、可視光を散乱させ、目視では濁った若しくは曇ったように見えるか、又は組成物が透明若しくは透過的に見える場合、赤色レーザーからの光を散乱させる。例えば、「Physical Properties of Colloids and Solutions,General Chemistry Principles and Structure」,5th Edition,John Wiley and Sons,James E.Brady,1990の、チンダル現象を示す411頁、図13.2と、第13章全体を参照のこと。驚くべきことに、1つ以上の親水性ブロックを組み込むトリブロック及びペンタブロックコポリマーは、多孔質基材に適用される低固形分含有量の低粘度組成物として使用される場合、親水性等孔性膜を容易に形成したことが見出された。これは、少なくとも、等孔形成を伴う従来のSIPS膜生成のガイドラインに従っていなかったため、驚くべきことであった。より具体的には、ブロックコポリマーの大部分が溶液に溶解した状態から出発するのではなく、分散体(例えば、溶媒中のミセル又はミセル凝集体)から出発すると、等孔性膜形成が改善することが見出された。いくつかの実施形態における本開示の方法の利点は、非常に希薄な組成物(例えば、分散体)であること、組成物に低沸点溶媒が必要ないこと、溶媒の蒸発が必要ないこと、水洗浄工程前の猶予時間(delay)が必要ないこと、及び従来のSIPSの水浸工程が排除され得ることを含む。
本明細書で使用するとき、「ブロックコポリマー分散体」は、ブロックコポリマーが、溶媒全体に均一に懸濁された不溶性又は部分的に可溶性の粒子として微視的に分散しているポリマー混合物である。特に指定がない限り、用語「溶媒」は、単一の溶媒及び2種以上の溶媒の組み合わせの両方を指すことを理解されたい。ブロックコポリマー分散体は、好ましくは沈降しない。動的光散乱法(DLS)を使用して、ブロックコポリマーが遊離鎖、ミセル、又は凝集体として存在するかどうかを決定することができる。好ましくは、本開示による分散体中の固形物の過半数は、ミセル又はミセルの凝集体の形態で存在する。
分散体は液体中に分散された凝集体及びミセルを含有するため、粒子は、サイズ排除メカニズムのために、粒子寸法よりも小さいサイズの細孔を有する多孔質基材を通過して拡散されない。対照的に、溶液の場合、溶解したコポリマー分子は多孔質膜を通してより拡散しやすくなる。粒子のサイズが大きいほど、支持膜の細孔が大きく、(例えば、キャスト)フィルム中のブロックコポリマーの急速な濃縮を引き起こすことができる。支持基材の毛細管作用によるこの急速な溶媒除去は、コーティングプロセス中の等孔の形成に好ましい。
本明細書で導入されるプロセスは、SIPSには適していない材料からの膜の形成が可能である。例えば、親水性ブロック(ポリエチレンオキシドなど)を含有するブロックコポリマー材料は、ホモポリマーとして水溶性であるが、沈殿ではなくゲル化を受けることがあるため、従来のSIPS法では膜を形成することがない。しかしながら、蒸発を介して容易に除去することができる溶媒から薄フィルム複合体を形成することによって、沈殿は膜構造を組織化するのに必要な工程ではなくなり、等孔性構造を形成することができるようになった。正確なメカニズムは不明ではあるが、ブロックコポリマーの合体及びパッキングは、濃縮、(任意選択で)残留溶媒洗浄、又は乾燥工程のうちの1つ以上の間に起こり、等孔性膜が形成される。
このプロセスが従来のSIPSよりも有益であり得る別の状況は、SIPSによって一体型膜材料の形成に必要な溶液濃度(典型的には10重量%超)でゲル化を開始するポリマー系においてである。本開示によるプロセスは、はるかに低い溶液濃度(7重量%未満)を使用することができるため、この問題を回避する。
ブロックコポリマーと共に(例えば、キャスト)組成物を構成する溶媒の性質及び組成は、遊離ポリマー鎖、ポリマーミセル、及びポリマー凝集体の混合物(該ポリマー遊離鎖の集団は実質的にわずかである)が生じる(例えば、分散体である)限り、特に重要ではない。溶媒は、中性、選択的、及び非溶媒として広く分類され得る。所与のブロックコポリマーの中性溶媒は、ブロックコポリマーを溶解して、遊離鎖の目視可能な透明溶液を生成する。所与のブロックコポリマーのための選択的溶媒は、同様の分子量及び組成物のホモポリマーをブロックコポリマー構成ブロックのうちの少なくとも1つに溶解し、一方で、少なくとも1つの他のブロックコポリマー構成ブロックに限定された溶解性を有するか又は全く溶解しない。所与のブロックコポリマーのためのそのような選択的溶媒は、ブロックコポリマーを膨潤させるか、又はミセル及び/又は凝集体の分散体を形成する傾向がある。所与のブロックコポリマーのための非溶媒は、全てのブロックコポリマー構成ブロックについて同様の分子量及び組成物のホモポリマーに対して限定された溶解性を示す。本開示の方法は、典型的には、少なくとも1つの選択的溶媒が使用される溶媒の組み合わせを使用する。複数の選択的溶媒を組み合わせて、所望の組成物(典型的には分散体)を形成することができる。
溶媒組成物は、中性、選択的、及び非溶媒の慎重な選択によって改質されて、所望の組成物(例えば、分散体)を形成し得る。例えば、ハンセン溶解度パラメーターを使用して、有用な溶媒組成を決定することができる。いくつかの場合では、非溶媒は、細孔形成剤(pore-formers)又は細孔形成剤(pore-forming agents)として特定され得ることが認識されている。プロセスにおいて純粋に蒸発し、毛細管作用によって多孔質基材に入り込んだ残留溶媒を除去するための洗浄浴が不要となるように、揮発性である(例えば、キャスト)溶媒を選択することは有利であり得る。
存在する溶媒の量は、特に限定されず、65重量パーセント(重量%)の溶媒以上、70重量%の溶媒以上、75重量%の溶媒以上、80重量%の溶媒以上、又は85重量%の溶媒以上、かつ99.9重量%の溶媒以下、99.8重量%の溶媒以下、99.7重量%の溶媒以下、99.6重量%の溶媒以下、99.5重量%の溶媒以下、99重量%の溶媒以下、98.5重量%の溶媒以下、98重量%の溶媒以下、97.5重量%の溶媒以下、97重量%の溶媒以下、96重量%の溶媒以下、95重量%の溶媒以下、90重量%の溶媒以下、又は85重量%の溶媒以下を含み得る。溶媒の重量パーセントは、溶液の総重量を基準とする。言い換えれば、溶媒は、溶液全体の65~99.9重量%(両端を含む)の範囲、溶液全体の65~95重量%(両端を含む)の範囲、又は溶液全体の85~99.9重量%(両端を含む)の範囲の量で存在してよい。
この方法で使用するいくつかの例示的な溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、テトラヒドロチオフェン、1,1-ジオキシド、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、スルホラン、アセトン、ヘキサン、メチルTHF、及びこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、溶媒は、N-メチルピロリドンとメチルエチルケトンとのブレンド、又はテトラヒドロフランとジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、アセトン、又はジメチルホルムアミドのうちの1つとのブレンドを含む。特定の実施形態では、2つ以上の溶媒の組み合わせの代わりに単一の溶媒が使用される。
本方法における使用に好適なコーティング組成物は、液体中に分散された粒子からなるため、固体粒子は、サイズ排除メカニズムのために、コロイド寸法よりも小さいサイズの細孔を有する多孔質基材を通過して拡散されない。更に、細孔径よりも小さい粒子は、支持基材の表面での急速な濃縮から、分散粒子が細孔に蓄積し、細孔を閉塞する(例えば、ボトルネックを形成する)ので、細孔を容易に通過して拡散しない場合がある。対照的に、ブロックコポリマー鎖の分子溶液の場合、溶解したコポリマー分子は、多孔質膜をより容易に通過して拡散する。粒子のサイズが大きいほど、ブロックコポリマー粒子の急速な濃縮を引き起こすために使用することができる支持膜の細孔が大きくなる。分散粒子の濃度が高いほど、粒子が支持基材の表面で濃縮するのに役立つ。支持基材の毛細管作用によるこの急速な溶媒除去は、コーティングプロセス中の等孔の形成に好ましい。
多孔質基材の細孔が大きすぎる場合、又は組成物中のトリブロックコポリマー又はペンタブロックコポリマーの(懸濁粒子)ミセル又は遊離鎖が小さすぎる場合、コポリマーは、多孔質基材の細孔を透過することができ、典型的には、望ましくないコンフォーマルコーティングが、支持基材の表面及び細孔壁上に形成される。いくつかの実施形態では、多孔質基材は、多孔質基材の表面に、500nm以下、450nm以下、400nm以下、350nm以下、300nm以下、250nm以下、200nm以下、150nm以下、又は100nm以下、かつ1nm以上、5nm以上、10nm以上、15nm以上、20nm以上、25nm以上、30nm以上、35nm以上、40nm以上、45nm以上、50nm以上、55nm以上、60nm以上、65nm以上、70nm以上、75nm以上、80nm以上、85nm以上、90nm以上、又は95nm以上の平均細孔径を有する細孔を含む。
好適な多孔質支持基材としては、例えば、限定されないが、ポリマー膜、不織布基材、又はそれらの組み合わせが挙げられる。好適なポリマー膜は、例えば所望の用途に応じて、対称又は非対称のいずれでもよい。いくつかの実施形態では、多孔質基材は、精密濾過膜又は限外濾過膜を含む。多孔質支持基材は、1つの層を有してもよく、又は多層であってもよく、それらの厚さ全体にわたって異なる材料で作製されてもよい。好適な不織布基材としては、電界紡糸基材、ブローンマイクロファイバー基材(blown microfiber substrates)、湿式基材、スパンボンド基材、エアレイド基材、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。必要に応じて、多孔質支持基材をカレンダー加工して、その厚さ及び細孔径を低減することができる。好ましくは、多孔質基材は、自発的に、又は210キロパスカル(kPa)以下、180kPa以下、150kPa以下、120kPa以下、又は90kPa以下の圧力にさらされた状態で可湿性(water wettable)であるように十分に親水性である。
いくつかの実施形態では、等孔性膜は、多孔質基材に付着している。「付着している」とは、溶媒が等孔性膜及び多孔質基材を部分的に溶解し、再凝固前に一緒に結合し、複合体表面の絡み合いに加えて、等孔性膜及び多孔質基材がファンデルワールス力、水素結合、及び/又は疎水性結合相互作用、すなわち共有結合以外の任意の相互作用を介して相互作用することができることを指す。共有結合に依存する必要がないことは利点である。等孔性膜が多孔質基材に良好に接着されると、等孔性膜は、剥離及び/又はフレーキングに耐性がある傾向があることに加えて柔軟性がある傾向がある(例えば、ひび割れ無しに支持基材を折り目が付くように曲げることができる)。少なくとも特定の実施形態では、物品は、温度及びpHの変化に対して良好な安定性を有する。
いくつかの実施形態では、等孔性膜は多孔質基材と一体化されており、等孔性膜の厚さの過半は多孔質基材の主表面の上方(又は下方)に位置する。等孔性膜の一部は、2つが一体化されているときに、多孔質基材内に位置する。例えば、図1Bを参照すると、EX77の物品1000の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像が提供されている(以下の実施例を参照)。物品1000は、多孔質基材1100上に一体的に形成された約50nmの厚さを有する等孔性膜1200を有する多孔質基材1100を備える。有利には、多孔質基材に一体的に付着した等孔性膜を有する物品は、等孔性膜及び多孔質基材が互いに一体化されている物品よりも靭性(例えば、脆性の低下)を有する。
典型的には、多孔質基材の主表面からの等孔性膜の厚さ(例えば、多孔質基材の細孔内に位置する等孔性膜を含まない)は、1000ナノメートル(nm)以下、900nm以下、800nm以下、700nm以下、600nm以下、500nm以下、400nm以下、300nm以下、200nm以下、100nm以下、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下、50nm以下、40nm以下、又は30nm以下、かつ20nm以上、25nm以上、30nm以上、40nm以上、55nm以上、65nm以上、75nm以上、85nm以上、95nm以上、又は105nm以上である。特定の実施形態では、等孔性膜の所望の細孔は、ほぼ円筒形状を有し、等孔性膜の表面における平均細孔径の約2倍の深さを有する。
プロセス条件及び特定の溶液配合物を選択して、膜の一方の面(又は両方の主表面)の細孔が1ナノメートル(nm)以上、5nm以上、10nm以上、20nm以上、30nm以上、又は40nm以上、かつ500nm以下、450nm以下、400nm以下、350nm以下、300nm以下、250nm以下、200nm以下、又は150nm以下の平均細孔径を有する等孔性膜を得ることができる。言い換えれば、表面細孔(例えば、少なくとも1つの膜表面上に位置する細孔)は、1nm~500nm(両端を含む)の範囲、又は5nm~50nm(両端を含む)の範囲の平均細孔径を有し得る。更に、等孔性膜は、1平方メートル当たり細孔1×1014個以上の細孔密度を有することができる。
等孔性膜の場合、いくつかの実施形態では、膜の表面の平均細孔径が5~15ナノメートル(nm)の範囲である場合、膜の表面の細孔径(例えば、表面細孔径)の標準偏差は膜の表面の平均細孔径から4nm以下であり、膜の表面の平均細孔径が15nm超~25nmの範囲である場合、膜の表面の細孔径の標準偏差は膜の表面の平均細孔径から6nm以下であり、膜の表面の平均細孔径が25nm超~50nmの範囲である場合、膜の表面の細孔径の標準偏差は膜の表面の平均細孔径の25%以下である。所望の細孔は、ほぼ円形又は楕円形であり、平均細孔径は、走査型電子顕微鏡画像又は原子間力顕微鏡画像から細孔を分析する際に、直径を測定するために理想的な円形形状を用いて決定される。平均表面細孔径は、膜の表面における細孔の平均直径であるが、膜体内の細孔も同じ平均直径である可能性がある。
好ましくは、本開示による等孔性膜は、自発的に可湿性(spontaneously water wettable)(例えば、親水性)である。本明細書で使用するとき、用語「濡れ性」とは、材料による水又は溶媒の自発的吸収を指し、単に圧力を加えて水又は溶媒を材料の細孔に通過させることを指すものではない。
好適なトリブロックコポリマーは、典型的には、ABCブロックコポリマー又はACBブロックコポリマーを含み、好適なペンタブロックコポリマーは、典型的にはABCBAブロックコポリマー又はACBCAブロックコポリマーを含む。A、B、及びCブロックは、以下に詳細に記載される通りである。
コポリマーの「B」ブロックは、重合時に硬質のガラス質ドメインを形成するポリマー単位を含み、Bブロックは、少なくとも50℃、好ましくは少なくとも70℃、より好ましくは少なくとも90℃のTgを有する。Tgは、示差走査熱量計を使用して決定することができる。Bブロックポリマードメインは、合計30~80重量%のブロックコポリマーを含む。
硬質のBブロックは、典型的に、ビニル芳香族モノマーから選択され、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、4-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-エチルスチレン、3,4-ジメチルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン、3-tert-ブチル-スチレン、4-tert-ブチルスチレン、4-メトキシスチレン、4-トリメチルシリルスチレン、2,6-ジクロロスチレン、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセンが挙げられる。
いくつかの実施形態において、Bブロックはポリアルキルメタクリレートを含む。例示的なBブロックとしては、例えば、限定されないが、スチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、ポリ(tert-ブチルスチレン)、及びポリメチルメタクリレートが挙げられる。
個々のCブロックを構成するモノマーの性質及び組成は、重合したモノマーがガラス温度の要件を満たす相をもたらす限り、したがって「非晶質」、「軟性」又は「ゴム状」として記述することができる限り、特に重要ではない。これらの用語は本明細書全体を通じて互換的に使用される。「非晶質」ブロックは、結晶化度の量を全く含まないか、ごくわずかしか含まないと理解される。
特定の実施形態において、各ブロックCは、重合した(i)共役ジエンモノマー、又は(ii)シリコンポリマー、及び(iii)重合共役ジエンモノマーを含有するセグメントが任意に水素化されたモノマーの混合物からなる群から独立して選択される。好適な共役ジエンとしては、例えば、ブタジエン、イソプレンなど、並びに1,3-シクロジエンモノマー、例えば、1,3-シクロヘキサジエン、1,3-シクロヘプタジエン及び1,3-シクロオクタジエン、好ましくは1,3-シクロヘキサジエンが挙げられる。ブタジエン又はそれらの混合物などの共役非環式ジエンのCブロックが任意に水素化される場合、そのようなブロックは水素化後に0~40モル%のビニル含有量を有することが望ましい。水素化から生じるCブロックとしては、限定されないが、ポリ(エチレン-alt-プロピレン)、ポリ(ブチレン)、ポリ(エチレン-co-ブチレン)、及びポリ(エチレン-co-プロピレン-co-ブチレン)が挙げられる。
加えて、Cブロックは、シリコンゴムセグメントのポリマーブロック、すなわち、-[Si(R10)2-O]-(式中、各R10は、有機基、例えば、アルキル、シクロアルキル又はアリールを表す)の繰り返し単位を有するオルガノポリシロキサンのブロックであり得る。そのようなオルガノポリシロキサンのブロックは、一般式-[Si(R10)2-O]r-(式中、下付き文字rは3~7である)の環状シロキサンのアニオン重合によって調製することができる。下付き文字rが3又は4でありR10がメチルである環状シロキサンが好ましい。ヘキサメチルシクロトリシロキサンモノマーのアニオン重合は、一般に、Y.Yamashitaら(例えば、Polymer J.14,913(1982);ACS Polymer Preprints 25 (1),245(1984);Makromol.Chem.185,9(1984))に記載されている。
いくつかの実施形態において、Cブロックはポリアクリレート又はポリシロキサンを含む。例示的なCブロックとしては、例えば、限定されないが、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、ポリ(エチレン-alt-プロピレン)、ポリ(エチレン-co-ブチレン-co-プロピレン)、ポリブチレン、及びポリ(エチレン-stat-ブチレン)が挙げられる。
コポリマーの「C」ブロックは官能基を実質的に含まない。更に、そのようなブロックCのそれぞれは、約1,000~200,000の数平均分子量を有し得、≦20℃、好ましくは≦0℃のガラス転移温度Tgを有し得る。軟性「C」ブロックは、合計10~40重量%のペンタブロックブロックポリマーを含む。組み合わされたBブロックとCブロックは、ペンタブロックポリマー単位の70~95重量%を構成する。
Aブロックは、Bブロック及びCブロックに不混和性のコポリマーブロックを含む。コポリマーの不混和性成分は、例えば、示差走査熱量測定又は動的機械分析を使用したとき複数の非晶質ガラス転移温度の存在により決定されるように、複数の非晶質相を示す。本明細書で使用するとき、「非混和性」とは、制限された溶解度及びゼロではない界面張力を有するポリマー成分、すなわち、混合の自由エネルギーがゼロより大きく、
ΔG≒ΔHmが0より大きいブレンドを指す。
ポリマーの混和性は、熱力学的検討及び速度論的検討の両方によって決定される。非極性ポリマーに関する一般的な混和性予測因子は、溶解度パラメーター又はフローリー-ハギンス相互作用パラメーターの違いである。ポリオレフィンなどの、非特異的相互作用を有するポリマーの場合、フローリー-ハギンス相互作用パラメーターは、溶解度パラメーターの差の2乗に、係数(V/RT)(式中、Vは繰り返し単位の非晶質相のモル体積であり、Rは気体定数であり、Tは絶対温度である)を乗算することで計算できる。結果として、2つの非極性ポリマー間のフローリー-ハギンス相互作用パラメーターは常に正の数になる。
特定の実施形態では、Aブロックは、ポリ(アルキレンオキシド)、重合した置換エポキシド、ポリラクタム、置換ポリカーボネート、又は重合後修飾を通じて親水化された重合ジエンブロックを含む。例示的なAブロックとしては、例えば、限定されないが、ポリ(D-ラクチド)、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(D/L-ラクチド)、ポリエチレンオキシド、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(エチルオキシエチルグリシジルエーテル)、ポリ(4-ビニルピリジン)、ポリ(2-ビニルピリジン)、ポリヒドロキシスチレン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリ(メタクリル酸)、ポリジメチルアクリルアミド、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ-ε-カプロラクトン、及びポリ(プロピレンカーボネート)が挙げられる。親水化されたポリ(ジエン)セグメントの例は、一般に、使用されるシランが、ポリ(エチレンオキシド)及びオリゴマーエチレンオキシドなどの親水性成分を含有するヒドロシリル化ブロックからなる。
特定の実施形態では、Aブロックは、ポリエーテルを製造するためのオキシラン(エポキシド)、ポリチオエーテルを製造するための環状スルフィド、ポリエステルを製造するためのラクトン及びラクチド、ポリカーボネートを製造するための環状カーボネート、ポリアミドを製造するためのラクタム、及びポリアミンを製造するためのアジリジンから選択される環状モノマー又はダイマーの開環アニオン重合から誘導される。ポリカーボネートは、二酸化炭素と上記に列挙したエポキシドとの金属触媒重合によって調製することもできる(Journal of the American Chemical Society,2005,pg.10869に記載されている通り)。
有用なエポキシドとしては、C2~C10、好ましくはC2~C4アルキルエポキシドが挙げられる。特にエチルエトキシ-グリシジルエーテル、エチレン、プロピレン、及びブチレンオキシド。
好適なラクトン及びラクタムは、主環に3~12個の炭素原子を有し、一般式:
により表され、式中、
R20は、1~20個の炭素原子、好ましくは1~12個の炭素原子を有し、任意に鎖状に連結された(鎖内)酸素原子、カルボニル又はカルボキシレートで置換されていてもよい、直鎖又は分岐鎖であり得るアルキレン部分であり、Xは、-O-又はNR1-であり、ここで、R1は、C1-C4アルキルである。環状ラクトンは、3-ヒドロキシブチレート、4-ヒドロキシブチレート、3-ヒドロキシバレレート、乳酸、3-ヒドロキシプロパノエート、4-ヒドロペンタノエート、3-ヒドロキシペンタノエート、3-ヒドロキシヘキサノエート、3-ヒドロキシヘプタノエート、3-ヒドロキシオクタノエート、ジオキサノン、バレロラクトン、カプロラクトン、及びグリコール酸を含む、ヒドロキシ酸から誘導されると理解される。ラクタムは、対応するアミノ酸から誘導される。ラクチドなどのヒドロキシ酸のダイマーが使用され得る。
有用なラクタムとしては、2-ピロリドン、2-ピペリドン、カプロラクタム、ラウリルラクタム及びこれらの混合物が挙げられる。
有用な環状カーボネートとしては、5員~7員の環状カーボネートが挙げられる。いくつかの実施形態において、環式成分は、トリメチレンカーボネート、ネオペンチルグリコールカーボネート、2,2,4-トリメチル(trimethy I)-1,3-ペンタンジオールカーボネート、2,2-ジメチル(dimethy1)-1,3-ブタンジオールカーボネート、1,3-ブタンジオールカーボネート、2-メチル-1,3-プロパンジオールカーボネート、2,4-ペンタンジオールカーボネート、2-メチル-ブタン-1,3-ジオールカーボネート、エチレンカーボネート、及びプロピレンカーボネートを含む。
好適な環式無水物としては、限定されないが、無水コハク酸、グルタル酸無水物、無水マレイン酸及びこれらの組み合わせなどの、脂肪族ジカルボン酸無水物が挙げられる。
アジリジンモノマーの例は、アジリジン及びそのアルキル置換同族体を含む。
好適な環状エーテルとしては、5員~7員の環状エーテルが挙げられる。
好適な開環重合性モノマーに対する言及は、Frisch,Kurt Charles;Reegan,Sidney L;Ring-opening polymerization:Kinetics and mechanisms of polymerization,Dekker Publishing,NY;1969、及びSu,Wei-Fang,Ring-Opening Polymerization in Principles of Polymer Design and Synthesis;Springer Berlin Heidelberg,pp.267-299,2013に見出すことができる。
好適なトリブロック又はペンタブロックコポリマーは、ブロックコポリマーの合成のための当該技術分野において周知の任意の適切な方法によって得ることができるか、又は製造することができる。本明細書に記載のトリブロック又はペンタブロックコポリマーを合成するために単独で又は組み合わせて使用することができるブロックコポリマーを合成するのに好適な当該技術分野で公知の方法は、逐次アニオン重合、開環重合、アニオン開環重合、開環メタセシス重合(ROMP)、及び制御ラジカル重合法、例えば、原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的付加/断片化連鎖移動重合(RAFT)、及びニトロキシド媒介重合(NMP)などが挙げられる。
いくつかの実施形態では、逐次アニオン重合を使用して、トリブロック又はペンタブロックコポリマーを調製する。いくつかの実施形態では、逐次アニオン重合及びアニオン開環重合を使用して、トリブロック又はペンタブロックコポリマーを調製する。
アニオン重合及び共重合は、1種以上の重合開始剤を含む。炭素中心伝播アニオンは、多くの場合、酸素中心伝播アニオンを製造するのに使用されるものとは異なる開始剤を必要とする。
好適な開始剤としては、アルキル又はアリール基中に20個以下、好ましくは8個以下の炭素原子を含有する、アルキル又はアリールリチウム、ナトリウム、又はカリウム化合物などの、アルカリ金属炭化水素が挙げられる。そのような化合物の例は、ベンジルナトリウム、エチルナトリウム、プロピルナトリウム、フェニルナトリウム、ブチルカリウム、オクチルカリウム、ベンジルカリウム、ベンジルリチウム、メチルリチウム、エチルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、フェニルリチウム、及び2-エチルヘキシルリチウムである。リチウム化合物が、開始剤として好ましい。
特定のモノマーと共に使用するのに特に有用な開始剤は、当該技術分野において周知である。本明細書で論じられている例示的なモノマー系と相溶性がある開始剤は、Hsieh et al.,Anionic Polymerization:Principles and Practical Applications,Ch.5,及び23(Marcel Dekker,New York,1996)に要約されている。
例としては、例えば、s-ブチルリチウム、n-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、アミルリチウムなどのアルキルリチウム化合物、並びにm-ジイソプロペニルベンゼンのジ-sec-ブチルリチウム付加物及び1-ビス(フェニル)ビニルベンゼンのtert-ブチルリチウム付加物などのジ開始剤(di-initiators)を含む、他の有機リチウム化合物が挙げられる。更なる好適なジ開始剤は、米国特許第6,492,469号に開示されている。各種重合開始剤の中では、s-ブチルリチウムが好ましい。開始剤は、所望のポリマー鎖当たり1つの開始剤分子に基づいて計算された量で、重合混合物(モノマー及び溶媒を含む)中で使用することができる。リチウム開始剤プロセスは周知であり、例えば、米国特許第4,039,593号及び再発行特許出願第27,145号に記載されている。
分子量は開始剤/モノマー比によって決定され、したがって、開始剤の量は、モノマー1モル当たり有機金属開始剤約0.0001~約0.2モルの範囲で変わり得る。好ましくは、開始剤の量は、モノマー1モル当たり開始剤約0.002~約0.04モルであろう。炭素中心アニオン重合の開始のために、不活性であり、好ましくは非極性である、有機溶媒を利用することができる。酸素中心アニオン及びリチウムカチオンを生成する環状モノマーのアニオン重合は、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、又はヘキサメチルホスホラストリアミドなどの強い極性溶媒、又はそのような極性溶媒と、非極性脂肪族、脂環式、若しくは芳香族炭化水素溶媒、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、又はトルエンとの混合物を必要とする。
一実施形態において、トリブロックポリマーへのモノマーの重合は、ジエンモノマーとビニル芳香族炭化水素との共重合に有用であるとして当技術分野で知られている二価アニオン開始剤の添加によって開始される。そのような開始剤は、下記式:
Li-R30-Li
(式中、R30は二価炭化水素基である)によって表される2個のリチウム基を含む有機化合物から選択することができる。R30は、一般に、R30基1つ当たり4~30個の炭素原子を含有する。有用な二官能性開始剤は、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第7884160(Wang et al.)号及び米国特許第5750055号(Van Der Steen et.al)に記載されている。
他の二官能性アニオン開始剤としては、限定されないが、1,4-ジリチオブタン、1,5-ジリチオペンタン、1,10-ジリチオデカン、1,20-ジリチオエイコサン、1,4-ジリチオベンゼン、1,4-ジリチオナフタレン、1,10-ジリチオアントラセン、1,2-ジリチオ-1,2-ジフェニルエタンなど、及びこれらの混合物が挙げられる。
一般に、重合は、約-78℃~約100℃、好ましくは約0℃~約60℃の範囲の温度で実施することができる。無水条件及び窒素、ヘリウム、又はアルゴンなどの不活性雰囲気が通常必要とされる。
アニオン重合の停止は、一般に、リビングポリマーアニオンとプロトン性溶媒との直接反応を介して行われる。ハロゲン含有停止剤、すなわち官能化クロロシランによる停止は、例えば、ビニル末端ポリマーモノマーを生成し得る。このような停止剤は、一般式X-(Y)n-Si(R)3-mClm(式中、mは1、2、又は3であり、X、Y、n、及びRは上記で定義されている)で表すことができる。好ましい停止剤は、クロロトリメチルシラン又はメタクリロキシプロピルジメチルクロロシランである。停止反応は、重合温度でリビングポリマーに(開始剤の量に対して)わずかにモル過剰の停止剤を添加することによって実施される。
炭素中心の伝播アニオンから酸素中心伝播アニオンへの転移は、ビニル芳香族又は共役ジエンのアニオン重合を停止するための方法として使用できることが認識されている。例えば、スチレン重合中に生成されたスチレンアニオンにエチレンオキシドのようなオキシランを添加すると、ヒドロキシル酸素中心アニオン官能基によるポリマー鎖の末端封止をもたらし得る。酸素中心アニオンの求核性の低下は、存在するビニル芳香族又は共役ジエンの更なる重合を妨げ、したがって、エチレンオキシドはある意味で停止剤として作用し、更なる開環重合の開始剤を形成する(Hsieh et al.,Anionic Polymerization:Principles and Practical Applications,Ch.5,及び23(Marcel Dekker,New York,1996))。
官能性アニオン開始剤もまた、末端官能化ポリマーを得るために使用することができる。これらの開始剤は、典型的に、当業者に知られている技術を用いて記載モノマーを開始するのに適している。アルコール、チオール、カルボン酸、及びアミンを含むこの方法を使用して、各種官能基をポリマー鎖の末端に組み込むことができる。これらの場合のそれぞれにおいて、開始剤は、重合後技術を用いて除去することができる保護された官能基を含有する必要がある。好適な官能性開始剤は当技術分野において公知であり、例えば、米国特許第6197891号(Schwindeman et al.);同第6160054号(Periera et al.);同第6221991号(Letchford et al.);同第6184338号(Schwindeman et al.);及び同第5321148号(Schwindeman et al.)に記載されており;それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
これらの開始剤は、後重合脱保護によって除去することができる第三級アルキル又はトリアルキルシリル保護基を含む。tert-アルキル保護基はまた、ポリマーとp-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、又はトリメチルシリルヨージドとの反応により、アルコール、アミノ、又はチオール官能基を生成することでも、除去することができる。tert-アルキル保護基の脱保護の追加的方法は、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,Second Edition,Wiley,New York,1991,page 41に見出すことができる。tert-ブチルジメチルシリル保護基は、ポリマーを塩酸、酢酸、p-トルエンスルホン酸などの酸で処理することによって除去することができる。あるいは、フッ化イオン源、例えば、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム、フッ化カリウム及び18-クラウン-6、又はピリジン-フッ化水素酸錯体を、tert-ブチルジメチルシリル保護基の脱保護のために使用することができる。tert-ブチルジメチルシリル保護基の脱保護の追加的方法は、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,Second Edition,Wiley,New York,1991,pages 80-83に見出すことができる。
1つの好適なペンタブロックコポリマーの調製方法は、a)官能性開始剤により、Bブロックモノマー(スチレンなど)をアニオン重合する工程、b)Cブロックモノマー(イソプレンなど)を重合する工程、並びにc)工程a)及びb)で形成されたブロックコポリマーをカップリング剤によりカップリングし、脱保護して、工程c)のカップリングされたポリマーと開環重合性モノマー(例えばエチレンオキシド)とを更に重合する工程を含む。
この方法では、RO-BC-Liブロックコポリマーの末端がカップリングされ、カップリング剤によりRO-CBC-ORブロックコポリマーが生成し、実質的にそれぞれのポリマー鎖が、実質的にそれぞれのポリマー鎖末端に存在する開始剤の残基を有するようになる。カップリング剤は、少量のCBCポリマー鎖バックボーン中に存在する。好適なカップリング剤は、溶液中に、ジハロゲン化化合物;二酸クロリド;二酸ブロミド;ジクロロ化合物;ジブロモシラン及びジクロロシラン、並びに二官能性化合物:ビス-エポキシド、ビス-アジリジン、ビス-イソシアネート、ビス無水物及びジエステルを含む。好ましいカップリング剤としては、テレフタロイルクロリド、ジクロロジメチルシラン、ジクロロジフェニルシラン、1,4-ジブロモブテン、α,α’-ジブロモキシレン、及びm-ビス(フェニルエテニル)ベンゼン(m-bis(phenylethenyl)benzene、PEB)が挙げられる。
この方法は、「B」モノマーとしてのスチレン、「C」モノマーとしてのイソプレン、及び官能性開始剤を用いて、以下のように説明することができる。スチレンをアニオン重合し、続いてイソプレンをアニオン重合して、一方の末端に炭素中心リチウムアニオンを有し他方の末端に保護官能基を有する官能性開始剤の残基を有する、RO-BC-Liブロックコポリマー中間体を得た。例えば、官能性開始剤がt-ブチルジメチルシリルプロピルリチウム(t-butyldimethylsilylpropyl lithium、TBDMSPL)である場合、残基はt-ブチルジメチルシリルプロピルである。中間体をα,α’-ジブロモキシレンなどのカップリング剤と反応させて、両末端に保護官能基を有する中間体を生成する。この中間体は、例えばフッ化物イオンとの反応によって、脱保護することができる。TBDMSPL開始剤を使用する場合、脱保護により、コポリマー末端にヒドロキシル基が得られる。このヒドロキシル官能性コポリマーが開環重合を介してAモノマーと反応して、Aブロックが得られる。
別の実施形態において、官能性開始剤をBモノマーと反応させ、続いてCモノマーと反応させて、上記と同じLi-[Cブロック]-[Bブロック]-FG中間体を生成することができる。次いで、この中間体を第2の量のBモノマーと反応させ、続いて、特定の量のエチレンオキシド又は他のオキシランと反応させて、ブロックコポリマーの末端を単官能化して、示された中間体を得る。官能基を脱保護すると、二官能性テレケリックブロックコポリマーが得られ、これを追加のAモノマーと反応させてペンタブロックコポリマーを得ることができる。
別の実施形態では、アニオン重合は、二官能性開始剤を用いて開始し、Cモノマー、Bモノマー及びAモノマーと反応させてペンタブロックコポリマーを得ることができる。
1つの好適なトリブロックコポリマーの調製方法は、a)官能性開始剤により、Bブロックモノマー(スチレンなど)をアニオン重合する工程、b)Cブロックモノマー(イソプレンなど)を重合する工程、並びにc)工程a)及びb)で形成されたブロックコポリマーを停止剤により停止し、脱保護して、工程c)のポリマーと開環重合性モノマー(例えばエチレンオキシド)とを更に重合する工程を含む。
別の実施形態では、リチウム開始剤をCモノマーと反応させ、続いてBモノマーと反応させて、Li-[Bブロック]-[Cブロック]中間体を生成することができる。次いで、この中間体を特定の量のエチレンオキシド又は他のオキシランと反応させて、ブロックコポリマーの末端を単官能化して、モノヒドロキシルHO-[Bブロック]-[Cブロック]中間体を得、これを追加のAモノマーと反応させてトリブロックコポリマーを得ることができる。
別の実施形態では、アニオン重合は、開始剤を用いて開始し、Cモノマー、Bモノマー及びAモノマーと反応させてトリブロックコポリマーを得ることができる。
合成スキームのそれぞれに関して、単離された(コ)ポリマーブレンド中に、若干量のA、B、C、BC、BCB、又はABC(コ)ポリマーもまた存在すると理解される。GPC及び/又はNMRによって決定されるように、一般に、得られたブレンドの50重量%を超える量が意図するトリブロックコポリマー又はペンタブロックコポリマーとなる。
ブロックコポリマーに加えて、多孔質膜はまた、例えば、限定されないが、ホモポリマー、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、及びこれらの組み合わせなどの少なくとも1種の添加剤を含んでもよい。これらの添加剤は、膜中の主成分ではなく、膜の全重量の1重量%~49重量%(両端を含む)の範囲の量で存在する。
いくつかの実施形態では、好ましくは、Bブロック対Cブロックの重量比は、Bブロック対Cブロックが2.3:1~Bブロック対Cブロックが1.7:1の範囲であり、例えばBブロック対Cブロックが約2:1である。
いくつかの実施形態では、Cブロックは、6,000グラム/モル(g/mol)以上、8,000g/モル以上、10,000g/モル以上、15,000g/モル以上、20,000g/モル以上、30,000g/モル以上、40,000g/モル以上、50,000g/モル以上、60,000g/モル以上、70,000g/モル以上、80,000g/モル以上、又は100,000g/モル以上、かつ200,000g/mol以下、190,000g/mol以下、180,000g/mol以下、170,000g/mol以下、160,000g/mol以下、150,000g/mol以下、140,000g/mol以下、130,000g/mol以下、120,000g/mol以下、又は110,000g/mol以下の重量平均分子量を含む。言い換えれば、Cブロックは、任意選択で、6,000~200,000g/mol(両端を含む)の範囲、例えば、60,000~200,000g/mol(両端を含む)の範囲の重量平均分子量を含む。
選択された実施形態では、ブロックコポリマーは、1.0~5.0、1.0~4.0、1.0~3.0、又は1.0~2.0の範囲の分散度を含み、各範囲は両端を含む。
いくつかの実施形態では、等孔性膜は、多孔質基材内に位置する。多孔質基材は、コーティングの前にエンボス加工することができる。例えば、多孔質基材の細孔は、溶媒とトリブロックコポリマー又はペンタブロックコポリマーを含む固形物とを含む組成物で充填されて、多孔質基材の多孔質構造内にフィルムを形成し得る。溶媒のウィッキング(及び任意選択で蒸発も)により、組成物フィルムから溶媒の少なくとも一部が除去され、多孔質基材内に位置する等孔性膜が形成される。
実施形態
第1の実施形態では、本開示は、物品を提供する。物品は、多孔質基材上に配置された等孔性膜を含む。等孔性膜は、トリブロックコポリマー又はペンタブロックコポリマーを含む。等孔性膜は厚さを有し、厚さ全体にわたって等孔性である。
第2の実施形態では、本開示は、多孔質基材の主表面からの等孔性膜の厚さが、1000ナノメートル(nm)以下、900nm以下、800nm以下、700nm以下、600nm以下、500nm以下、400nm以下、300nm以下、200nm以下、100nm以下、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下、50nm以下、40nm以下、又は30nm以下、かつ20nm以上、25nm以上、30nm以上、40nm以上、55nm以上、65nm以上、75nm以上、85nm以上、95nm以上、又は105nm以上である、第1の実施形態に記載の物品を提供する。
第3の実施形態では、本開示は、等孔性膜が多孔質基材内に位置する、第1の実施形態に記載の物品を提供する。
第4の実施形態では、本開示は、トリブロックコポリマー又はペンタブロックコポリマーが、ポリ(アルキレンオキシド)、重合した置換エポキシド、ポリラクタム、又は置換ポリカーボネートを含むAブロックを含む、第1~第3の実施形態のいずれかに記載の物品を提供する。
第5の実施形態では、本開示は、トリブロックコポリマー又はペンタブロックコポリマーが、ポリ(D-ラクチド)、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(D/L-ラクチド)、ポリエチレンオキシド、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(エチルオキシエチルグリシジルエーテル)、ポリ(4-ビニルピリジン)、ポリ(2-ビニルピリジン)、ポリヒドロキシスチレン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリ(メタクリル酸)、ポリジメチルアクリルアミド、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ-e-カプロラクトン、及びポリ(プロピレンカーボネート)からなる群から選択されるAブロックを含む、実施形態1~3のいずれか一つに記載の物品を提供する。
第6の実施形態では、本開示は、トリブロックコポリマー又はペンタブロックコポリマーが、ポリアルキルメタクリレートを含むBブロックを含む、第1~第5の実施形態のいずれかに記載の物品を提供する。
第7の実施形態では、本開示は、トリブロックコポリマー又はペンタブロックコポリマーが、スチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、ポリ(tert-ブチルスチレン)、及びポリメチルメタクリレートからなる群から選択されるBブロックを含む、第1~第5の実施形態のいずれかに記載の物品を提供する。
第8の実施形態では、本開示は、トリブロックコポリマー又はペンタブロックコポリマーが、ポリアクリレート又はポリシロキサンを含むCブロックを含む、第1~第7の実施形態のいずれかに記載の物品を提供する。
第9の実施形態では、本開示は、トリブロックコポリマー又はペンタブロックコポリマーが、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、ポリ(エチレン-alt-プロピレン)、ポリ(エチレン-co-ブチレン-co-プロピレン)、ポリブチレン、及びポリ(エチレン-stat-ブチレン)からなる群から選択されるCブロックを含む、第1~第7の実施形態のいずれかに記載の物品を提供する。
第10の実施形態では、本開示は、Cブロックが、6,000~200,000グラム/モル(両端を含む)の範囲の重量平均分子量を有する、第8又は第9の実施形態に記載の物品を提供する。
第11の実施形態では、本開示は、Bブロック対Cブロックの重量比が、2.3:1~1.7:1の範囲である、第6~第10の実施形態のいずれかに記載の物品を提供する。
第12の実施形態では、本開示は、トリブロックコポリマーが、ABC又はACBブロックコポリマーを含む、第4~第11の実施形態のいずれかに記載の物品を提供する。
第13の実施形態では、本開示は、ペンタブロックコポリマーが、ABCBA又はACBCAブロックコポリマーを含む、第4~第11の実施形態のいずれかに記載の物品を提供する。
第14の実施形態では、本開示は、等孔性膜が多孔質基材に付着している、第1~第13の実施形態のいずれかに記載の物品を提供する。
第15の実施形態では、本開示は、多孔質基材が、多孔質基材の表面に500nm以下~1nm以上の平均細孔径を有する細孔を含む、第1~第14の実施形態のいずれかに記載の物品を提供する。
第16の実施形態では、本開示は、多孔質基材が、膜、不織布基材、又はそれらの組み合わせを含む、第1~第15の実施形態のいずれかに記載の物品を提供する。
第17の実施形態では、本開示は、多孔質基材膜が、精密濾過膜又は限外濾過膜である、第16の実施形態に記載の物品を提供する。
第18の実施形態では、本開示は、等孔性膜の表面の平均細孔径が5~15nmの範囲である場合、等孔性膜の表面の細孔径の標準偏差が、等孔性膜の表面の平均細孔径から4nm以下であり、等孔性膜の表面の平均細孔径が15nm超~25nmの範囲である場合、等孔性膜の表面の細孔径の標準偏差が、等孔性膜の表面の平均細孔径から6nm以下であり、等孔性膜の表面の平均細孔径が25nm超~50nmの範囲である場合、等孔性膜の表面の細孔径の標準偏差が、等孔性膜の表面の平均細孔径の25%以下である、第1~第17の実施形態のいずれかに記載の物品を提供する。
第19の実施形態では、本開示は、等孔性膜の一部が多孔質基材の主表面と一体化されている、第1~第17の実施形態のいずれかに記載の物品を提供する。
第20の実施形態では、本開示は、等孔性膜が、自発的に可湿性である、第1~第19の実施形態のいずれかに記載の物品を提供する。
第21の実施形態では、本開示は、多孔質基材が、自発的に、又は210キロパスカル以下の圧力にさらされた状態で可湿性である、第1~第20の実施形態のいずれかに記載の物品を提供する。
第22の実施形態では、本開示は、第1~第21の実施形態のいずれか1つに記載の物品を製造する方法を提供する。この方法は、多孔質基材上に組成物を堆積させ、それによってフィルムを形成することと、該フィルムから溶媒の少なくとも一部を除去し、それによって多数の細孔を含む等孔性膜を形成することと、を含む。組成物は、溶媒とトリブロックコポリマー又はペンタブロックコポリマーを含む固形物とを含む。等孔性膜は厚さを有し、等孔性膜の厚さ全体にわたって等孔性である。
第23の実施形態では、本開示は、除去することが、1秒以上、5秒以上、10秒以上、15秒以上、20秒以上、25秒以上、又は30秒以上の時間にわたって、かつ600秒以下、500秒以下、400秒以下、300秒以下、200秒以下、100秒以下、80秒以下、60秒以下、50秒以下、又は40秒以下の時間にわたって、溶媒の少なくとも一部の、ウィッキング及び任意選択の蒸発を含む、第22の実施形態に記載の物品を製造する方法を提供する。
第24の実施形態では、本開示は、溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、テトラヒドロチオフェン、1,1-ジオキシド、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、スルホラン、アセトン、ヘキサン、メチルTHF、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、第22の実施形態又は第23の実施形態に記載の物品を製造する方法を提供する。
第25の実施形態では、本開示は、溶媒が細孔形成剤を含む、第22の実施形態又は第23の実施形態に記載の物品を製造する方法を提供する。
第26の実施形態では、本開示は、組成物中の固形物の少なくとも一部がミセル又はミセルの凝集体の形態で存在する、第22~第25の実施形態のいずれかに記載の物品を製造する方法を提供する。
第27の実施形態では、本開示は、単一の溶媒を含む、第22、第23、又は第26の実施形態のいずれかに記載の物品を製造する方法を提供する。
第28の実施形態では、本開示は、溶媒が、N-メチルピロリドンとメチルエチルケトンとのブレンド、又はテトラヒドロフランとジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、アセトン、又はジメチルホルムアミドのうちの1つとのブレンドを含む、第22~第26の実施形態のいずれかに記載の物品を製造する方法を提供する。
第29の実施形態では、本開示は、除去することが、多孔質基材への溶媒のウィッキングを含む、第22~第28の実施形態のいずれかに記載の物品を製造する方法を提供する。
第30の実施形態では、本開示は、固形物が、全組成物の0.5重量パーセント(重量%)以上、1.0重量%以上、1.5重量%以上、又は2.0重量%以上、かつ全組成物の7重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、又は3重量%以下の量で存在する、第22~第29の実施形態のいずれかに記載の物品を製造する方法を提供する。
第31の実施形態では、本開示は、組成物が、1マイクロメートル以上、12.5マイクロメートル以上、15マイクロメートル以上、25マイクロメートル以上、35マイクロメートル以上、50マイクロメートル以上、又は60マイクロメートル以上のバーギャップ高さを使用して、かつ100マイクロメートル以下、88マイクロメートル以下、75マイクロメートル以下、又は65マイクロメートル以下のバーギャップ高さを使用して、キャストされる、第22~第30の実施形態のいずれかに記載の物品を製造する方法を提供する。
第32の実施形態では、本開示は、等孔性膜及び多孔質基材を洗浄して残りの溶媒を除去することを更に含む、第22~第31の実施形態のいずれかに記載の物品を製造する方法を提供する。
第33の実施形態では、本開示は、等孔性膜の細孔が、等孔性膜の表面に1ナノメートル(nm)~500nm(両端を含む)の範囲の平均細孔径を含む、第22~第32の実施形態のいずれかに記載の物品を製造する方法を提供する。
膜調製
ポリマー合成及び膜調製に使用される化学物質を表1にまとめる。
技術
動的光散乱法
動的光散乱(DLS)システム(Malvern Instruments,Malvern,UKから商品名「ZETASIZER NANO ZS」で入手)を使用して、希釈溶液中のブロックコポリマー(遊離鎖、ミセル又は凝集体)の形態を分析した。DLS用の溶液を、溶媒中0.1重量%のポリマーで調製し、40℃超で少なくとも12時間放置して溶解させた。測定のために、透明無色の溶液を0.22マイクロメートル又は0.45マイクロメートルのポリプロピレンシリンジフィルターに通して石英キュベットに濾過した。試料をホルダー内で25℃で2分間平衡させた後、25℃で測定を行った。測定器ソフトウェアは、測定位置及び減衰器を調整することにより、173°での測定設定を自動で最適化した。フィッティングは、単一の溶媒系又は一方の溶媒が少なくとも75%の2溶媒混合物の場合は、純溶媒を分散剤として使用して、一方の溶媒が75%未満の2溶媒混合物の場合は、50/50混合物として行った。遊離鎖、ミセル、及び凝集体の形態の相対強度を報告するために、ある形態が別の形態のプラス又はマイナス20%以内のシグナル強度を有する場合、それぞれの形態は大文字で示される一方、ある形態がその範囲外のシグナル強度を有する場合、より高い強度シグナルを有する形態(例えば、優勢形態)は、大文字(すなわち、F、M、又はA)を使用して示され、より低い強度シグナルを有する形態(非優勢形態)は、小文字(すなわち、f、m、又はa)を使用して示される。
複合薄膜の形成
ブロックコポリマーを1.5~18重量%の濃度で溶媒混合物に溶解し、垂れ防止メータ(Paul N.Gardner Company,Inc.,Pompano Beach,FLから商品名「AP-B5402」で入手)又はマルチクリアランススクエアアプリケータ(Paul N.Gardner Company,Inc.から商品名「AP-B5355」で入手)を使用して、市販の多孔質支持体(「Teslin SP 700」、「PAN350」、及び「PV400」)に、ギャップ高さ0.5~6milでキャストした。いくつかの試料を、単純に空気流下で乾燥させて、溶媒を除去した。他の試料を水浴に導入して、残留溶媒を除去した。残留溶媒を除去した後、試料を周囲条件で乾燥させた。
多孔質基材にコーティングした複合薄膜の流束試験手順
複合薄膜試料を直径44mmのディスクに切り出し、水で予め湿らせた。試料を撹拌セルホルダー(EMD Millipore,Billerica,MAから商品名「AMICON STIRRED CELL MODEL 8050」で入手)内に入れた。200rpm以上の速度で磁気撹拌プレートによって撹拌を適用し、20psi(137.9kPa)の調整器を介して実験室用圧縮空気を用いて圧力を適用した。試料ディスクを、40mLの透過液量に達するまで、又は15分間、どちらか早いほうの時間、安定した膜間流量の水で調整した。この時点で定常状態の流束を測定した。流束測定の単位は、リットル/時間/平方メートル/bar(LMH/bar)である。
流束を試験するための二次的な方法では、膜試料を直径25mmに切断し、圧力ポットに接続したディスクホルダに入れた。圧力ポットに水を充填し、20psi(137.9kPa)まで加圧した。気泡をチューブ及びフィルターホルダーのヘッドスペースから気泡をパージし、流束を5分間隔で測定した。
原子間力顕微鏡法(Atomic Force Microscopy、AFM)イメージング
原子間力顕微鏡法(AFM)は、カンチレバーの自由端に鋭利な先端部を有する可撓性カンチレバーから構成されるイメージング技術である。AFMは、先端部と試料との相互作用の力を利用して、カンチレバーが表面を走査するときに撓ませる。各x-y位置において、カンチレバーの撓みは、カンチレバーの裏側から反射してフォトダイオードによって検出されるレーザービームを介して測定される。z(x、y)データは、表面の三次元トポグラフィーマップを構成するために使用される。タッピングモードAFMにおいて、先端部/カンチレバー組立品は、カンチレバーの共振周波数付近で振動する。垂直振動の振幅は、トポグラフィーマッピングにおいて使用されるフィードバックループの入力パラメーターである。トポグラフィーAFMマップにおいて、「より明るい領域」はピークに対応し、「より暗い領域」は谷部分に対応する。位相信号は、フォトダイオード出力信号と駆動励振力との間の位相差であり、AFMカンチレバー振動の位相が先端-表面相互作用によってどのように影響を受けるかを表すマップである。位相データの物理的意味は複雑であり、位相コントラストは一般に、組成、接着力、粘弾性、散逸性などの材料特性の違い、及びトポグラフィー的要因によって影響を受ける。本明細書に提示されたAFMデータは、コントローラ(Bruker Corp.,Santa Barbara,CAから商品名「NANOSCOPE V」で入手)及びソフトウェア(Bruker Corp.,Santa Barbara,CAから商品名「NANOSCOPE 8.15」で入手)と共に、2つのAFM測定器(Bruker Corp.,Santa Barbara,CAから商品名「DIMENSION ICON」又は「DIMENSION FASTSCAN」で入手)のうちの1つを使用して生成された。「DIMENSION FASTSCAN」測定器は、2つのプローブ(Bruker AFM Probes,Camarillo,CAから商品名「FASTSCAN-A」[f0=1.4MHz,k=18N/m、先端半径(公称値)=5nm]又は「OTESPA R3」[f0=300kHz,k=26N/m、先端半径(公称値)=7nm]で入手)のいずれかを用いて使用した。「DIMENSION ICON」AFM測定器は、「OTESPA R3」プローブのみを用いて使用した。これらの実施例に記載されている試験の目的には、どのAFM測定器及びAFMプローブが用いられたかに関係なく、結果は同等であると考えられている。タッピング設定値は、典型的には、自由空気振幅の85%とした。全てのAFMイメージングは、周囲条件下で実施した。ソフトウェア(Brukerから商品名「NANOSCOPE ANALYSIS 1.80」、及びImage Metrology A/S,Horsholm,Denmarkから「SPIP 6.5.1」で入手)を画像処理及び分析に使用した。全体として、画像は、一次平面フィットで処理して試料の傾きを除去し、0次平坦化で処理してzオフセット又は水平スキップアーティファクトを除去した。いくつかの場合において、特徴の視覚化を向上させるために、三次平面フィットで画像を処理して、傾き及び曲がりを除去するか、又はLフィルタで処理して背景のうねりを除去した。
走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy、SEM)イメージング
表面画像用の試料を導電性カーボンテープのタブに取り付けた。タブをSEMスタブに取り付け、AuPd(20mA/25秒)の薄いコーティングを堆積させ、タブを導電性にした。2kv及び4.0~4.3mmの作動距離(WD)で、二次電子(SE)検出器及び低倍率(Low Mag)モードを用いて、傾斜なしで、30kx又は70kxの倍率でイメージングを実行した。電界放出型走査電子顕微鏡(Hitachi High-Technologies,Tokyo,Japanから「HITACHI SU-8230」の商品名で入手)をイメージングに使用した。液体窒素下で切断することによって、断面画像用の試料の断面を作成し、検査のために取り付けた。金属の薄いコーティングを堆積させ、試料を導電性にした。使用された条件は、2kv、4.3mmのWDであり、SE検出器を用いて、傾斜なしであり、用いた倍率は、10kx、30kx、及び70kxを含んでいた。
試薬の乾燥
ポリマー合成及び試薬操作は、グローブボックス(MBraun Inc.,Stratham,NH,USAから「MBRAUN LABMASTER SP」の商品名で入手)内で、又はアニオン重合(例えば、Ndoni et al.,Laboratory-scale Setup for Anionic Polymerization under Inert Atmosphere,Review of Scientific Instruments,66(2),1090-1095(1995)を参照のこと)を可能にするように設計された特注ガラス製品内で行った。試薬操作に標準的な無空気法を使用した。
ベンゼンは、脱気した1,1-ジフェニルエチレンを含有するストラウスフラスコにカニューレで移す前に、1時間超にわたりアルゴン(Ar)ガスでバブリングすることによって脱気した。次いで、シリンジを介してAr向流下でSec-BuLiを添加したところ、1時間かけて淡黄色から濃いワインレッド色への非常に緩慢な色変化が生じた。
スチレンを水素化カルシウム(CaH2)上で一晩撹拌し、3回の凍結-ポンプ-解凍サイクルで脱気し、次いで、乾燥したジブチルマグネシウムを含有するシュレンクボンベに真空移送した。Ar雰囲気中で一晩撹拌した後、スチレンを再び受けフラスコに真空移送して、最終乾燥モノマーを得た。
THF溶媒を、溶媒精製システム(Pure Process Technology,LLC,Nashua,New Hampshireから入手)を介して精製した。
CaH2及びジブチルマグネシウムからの逐次的な真空移送により、スチレンについて詳述したようにイソプレンを乾燥させた。
液体窒素で冷却したn-ブチルリチウム(溶媒は減圧下で除去)を入れたフラスコ内でブタジエンを凝縮させ、0℃の氷水浴中で解凍し、30分間撹拌し、n-ブチルリチウム(溶媒は減圧下で除去)を入れた第2のフラスコに真空移送し、0℃で更に30分間攪拌し、その後、真空移送によってフラスコ内で精製モノマーを回収した。
エチレンオキシドを液体窒素で冷却したフラスコ内で凝縮させ、0℃の氷水浴中で解凍し、n-ブチルリチウム(溶媒は減圧下で除去)を入れた第2のフラスコに真空移送し、0℃で30分間攪拌し、その後、真空移送によってフラスコ内で精製モノマーを回収した。
1,2-ジピペリジノエタンを、最初にCaH2で精製し、次にナトリウム鏡で精製した(非常に吸湿性であるため)後、各実験に適した濃度に達するまでベンゼンに溶解させた。
他の全ての化学物質は入手したまま使用した。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
GPC装置は、クォータナリポンプ、オートサンプラ、カラムコンパートメント、及びダイオードアレイ検出器を含む、液体クロマトグラフィーシステム(Agilent Technologies,Santa Clara,CAから商品名「1260 INFINITY LC」で入手)を含んでいた。GPC装置を1.0ミリリットル/分(mL/分)の流速で操作した。GPCカラムセットは、2つの300ミリメートル(mm)長×7.5mm内径カラム(商品名「PLGEL MIXED-A」及び「PLGEL MIXED-B」で両方ともAgilent Technologies,Santa Clara,CAから入手)を含んでいた。検出は、18角度光散乱検出器、粘度計、及び示差屈折率検出器(商品名「DAWN HELEOS II」、「VISCOSTAR」、及び「OPTILAB T-REX」で、それぞれWyatt Technology Corporation,Santa Barbara,CAから入手)を含んでいた。データを収集し、市販のソフトウェア(Wyatt Technology Corporationから商品名「ASTRA」(バージョン6)で入手)を使用して分析した。カラムコンパートメント、粘度計、及び示差屈折率検出器を40℃に設定した。溶媒及び溶離液(又は移動相)は、5パーセント(体積/体積)トリエチルアミンで修飾された「OMNISOLV」グレードのテトラヒドロフラン(250パーツ・パー・ミリオンのブチル化ヒドロキシトルエンで安定化)を含んでいた(両方ともEMD Millipore Corporation,Burlington,MAから入手)。重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分散度(D)を計算した。
核磁気共鳴(NMR)
ポリマー試料の一部を、重水素化クロロホルム(CDCl3)中の未知の濃度(一般に約12ミリグラム/ミリリットル(mg/mL))の溶液として分析した。逆極低温プローブを装備したBruker AVANCE 600 MHz NMR分光計(Billerica,MA,USA)でNMRスペクトルを取得した。
PE1:ヒドロキシル末端ポリイソプレン-ポリスチレン(IS-OH)の調製
グローブボックス内で、撹拌棒を備えた1Lシュレンクフラスコに、ベンゼン(約600mL)及びスチレン(43.60g、419mmol)を添加した。激しく撹拌しながら、TBDMSPL(0.63mL、0.63mmol)をシリンジで素早く注入した。反応物の色は15分かけてゆっくりと無色からオレンジ色に変わった。重合反応物をグローブボックス内で室温にて48時間撹拌した。48時間後、イソプレン(21.10g、309mmol)を添加し、反応物を急速に淡黄色に変色させた。重合反応物を更に24時間撹拌したところ、その間に重合反応物はより粘稠になった。イソプレン導入の24時間後に、脱気したイソプロパノールで重合物をクエンチした。
次いで、溶媒を減圧下でポリマー溶液から除去し、ポリマー生成物を約400mLのTHFに再溶解させた。次いで、TBAF(5.0mL、5.0mmol)を添加し、反応物を窒素ブランケット下、室温で8時間撹拌した。次に、約15mLの酢酸を添加し、溶液を更に1時間撹拌した。次いで、反応物をメタノールから沈殿させ、単離した固体をシクロヘキサンに再溶解させた。シリカゲルを通して濾過した後、ポリマーをイソプロパノールから沈殿させ、減圧下で乾燥させた。ポリマー生成物を、1H-NMR及びGPCにより分析した。生成物は、65.5質量パーセントのスチレン及び33.5質量パーセントのイソプレンを含有することが見出された。GPCによって101kg/molのMw及び1.02の分散度を決定した。
PE2:ポリイソプレン-b-ポリスチレン-b-ポリプロピレンオキシド(ISP)の調製
不活性なAr雰囲気中で、PE1(63.1g、0.549mmol-OH)及びトルエン(235mL)を、ガラス撹拌棒を備えた420mLのガラス圧力容器に添加した。ポリマーが完全に溶解したら、Verkade塩基(5mLのトルエン中に165mgが溶解、0.549mmol)を添加したところ、淡黄色へのごくわずかな色変化が生じた。溶液を室温にて1時間撹拌した。1時間後、プロピレンオキシドを添加し(65mL)、溶液を5分間撹拌して、確実に完全に溶解させた。5分後、トリイソブチルアルミニウム(2.1mL、2.1mmol)を添加し、圧力容器に迅速に蓋をした。数分以内に、気泡が溶液に形成され、粘度が増加した。5分後、反応フラスコは、触ると温かい/熱くなっていた。この発熱は数時間続き、その間に粘度は更に上昇したが、アルミニウム添加後最初の10分間の速度には達していなかった。
反応物を3日間撹拌し、その後、濁った、不透明な溶液が生じた。反応生成物をHCl/メタノール(約500mLのMeOH、約30mLの濃HCl)から沈殿させ、濾過により単離し、乾燥させた後、THF(最小量、約200mL)に再溶解させた。THF溶液を酸性メタノール(前回と同じ濃度)から沈殿させ、濾過により単離した。微細な上清を、濾過前に遠心分離(10分3000rpm)によって圧縮した。白色ポリマーを乾燥させ、1H-NMR及びGPCにより分析した。生成物は、57.4質量パーセントのスチレン、27.3質量パーセントのイソプレン、及び15.3質量%のプロピレンオキシドを含有することが見出された。GPCによって143kg/molのMw及び1.02の分散度を決定した。
ヒドロキシル末端ポリスチレン-b-ポリイソプレン(SI-OH)の調製
全体として、SI-OHを、シラン保護開始剤で開始された逐次アニオン重合によって調製した。次いで、生成物ポリマーを脱保護して、ヒドロキシ末端ジブロックコポリマーを得た。代表的な合成手順を以下に概説する。試薬の量を変えることで、より高い又はより低い分子量及び様々な重量分率のポリスチレン又はポリイソプレンを有する対応する生成物を得た。
グローブボックス内で、撹拌棒を備えた1Lシュレンクフラスコに、ベンゼン(約600mL)及びイソプレン(20.23g、297mmol)を添加した。激しく撹拌しながら、保護開始剤(0.38mL、0.38mmol)をシリンジで素早く注入した。重合物を、グローブボックス内で室温にて24時間撹拌した。24時間後、スチレン(44.55g、428mmol)を添加し、反応物を急速に橙色に変色させた。重合を更に24時間撹拌し、その間に重合はより粘稠になった。次いで、脱気したイソプロパノールで重合物をクエンチした。
次いで、溶媒を減圧下でポリマー溶液から除去し、ポリマー生成物を約400mLのTHFに溶解させた。次いで、TBAF(5.0mL、5.0mmol)を添加し、反応物を窒素ブランケット下、室温で8時間撹拌した。次に、約15mLの酢酸を添加し、溶液を更に1時間撹拌した。次いで、反応物をメタノールから沈殿させ、単離した固体をシクロヘキサンに溶解させた。シリカゲルを通して濾過した後、ポリマーをイソプロパノールから沈殿させ、減圧下で乾燥させた。ポリマー生成物を、
1H-NMR及びGPCにより分析した。結果を表3にまとめる。
ポリスチレン-b-ポリイソプレン-b-ポリプロピレンオキシド(SIP)の調製
全体として、SIPを、プロピレンオキシドのアニオン開環重合でSI-OHの鎖延長によって調製した。PE6の代表的な合成手順を以下に概説する。試薬の量を変えることで、より高い又はより低い分子量及び様々な重量分率のポリスチレン、ポリイソプレン、及びポリプロピレンオキシドを有する対応する生成物を得た。
グローブボックス内で、PE4(59.17g、0.392mmol-OH)及びトルエン(235mL)を、ガラス撹拌棒を備えた420mLのガラス圧力容器に添加した。ポリマーが完全に溶解したら、Verkade塩基(5mLのトルエン中に132mgが溶解、0.439mmol)を添加したところ、淡黄色へのごくわずかな色変化が生じた。溶液を室温で1時間撹拌した。1時間後、プロピレンオキシドを添加し(60mL)、溶液を5分間撹拌して、確実に完全に溶解させた。5分後、トリイソブチルアルミニウム(1.7mL、1.7mmol)を添加し、圧力容器に迅速に蓋をした。数分以内に、気泡が溶液に形成され、粘度が増加した。5分後、反応フラスコは、触ると温かい/熱くなっていた。この発熱は数時間続き、その間に粘度は更に上昇したが、アルミニウム添加後最初の10分間の速度には達していなかった。
反応物を3日間撹拌し、その後、濁った、不透明な白色の溶液が生じた。反応生成物をHCl/メタノール(約500mLのMeOH、約30mLの濃HCl)から沈殿させ、濾過により単離し、乾燥させた後、THF(最小量、約200mL)に溶解させた。THF溶液を酸性メタノール(依然と同じ濃度)から沈殿させ、濾過により単離した。微細な上清を、濾過前に遠心分離(10分3000rpm)によって圧縮した。白色ポリマーを乾燥させ、
1H-NMR及びGPCにより分析した。結果を表4にまとめる。
逐次付加及びエチレンオキシド停止反応を用いたヒドロキシル末端ポリ(イソプレン-スチレン-イソプレン)ブロックコポリマー(HO-ISI-OH)の調製
2Lの重合反応装置を構築し、不活性Ar雰囲気を確立し、次いで666gの精製ベンゼンを反応器に添加した。次いで、TBDMSPL保護開始剤(0.45mL)を反応器に添加し、30分間撹拌した。次いで、精製イソプレン(10.1g)を反応器に添加した。室温で約1時間反応させた後、40℃の設定値で水浴を使用して反応器を加熱した。イソプレンを添加した約5時間後、精製スチレン(37.1g)を反応器に添加した。スチレンを添加してから約18時間後、第2の量の精製イソプレン(10.1g)を反応器に添加した。2回目のイソプレン添加から約5時間後、大モル過剰量(2g)のエチレンオキシドを反応器に添加した。次いで、反応器を室温まで冷却させた。エチレンオキシドを添加してから約72時間後、脱気メタノールで反応を停止させて、モノヒドロキシル末端官能性RO-ISI-OHトリブロックコポリマーを得た。
ジヒドロキシル末端ISIトリブロックコポリマー(HO-ISI-OH)を得るために、回転蒸発によってベンゼン溶媒を除去し、得られたポリマーを400mLのテトラヒドロフランに溶解させた。開始剤に対して10倍のモル過剰のTBAFをTHF溶液(THF中4.5mLの1.0MのTBAF)に添加し、溶液を室温にて少なくとも18時間撹拌した。回転蒸発によってTHF溶媒を除去し、得られたポリマーを400mLの塩化メチレンに溶解させた。塩化メチレン溶液を複数の300mLアリコートの蒸留水で洗浄した。塩化メチレンを回転蒸発によって除去し、ポリマーを約400mLのTHFに再溶解し、溶液をイソプロパノール/メタノール混合物(1:3)から沈殿させ、得られた白色固体を濾過により単離し、真空で乾燥させて、55gの乾燥ポリマーを得た。
1H-NMRによってポリマー組成を決定し、GPC分析によってポリマー分子量及び分散度を決定した。結果を表5にまとめる。
ポリ(エチレンオキシド-イソプレン-スチレン-イソプレン-エチレンオキシド)ブロックコポリマー(OISIO)の調製
1L重合反応器装置を構築し、不活性Ar雰囲気を確立した。PE7トリブロックコポリマー(15.0g)を約100mLのベンゼンに溶解して反応器に添加した。反応器を密閉し、液体窒素を使用してベンゼン溶液を凍結し、次いで反応器を動的真空下に置き、約24時間にわたって凍結乾燥によりベンゼン溶媒を除去した。テトラヒドロフラン(614g)を反応器に添加した。反応器を撹拌し、45℃の設定値に設定した油浴で加熱して、ポリマーを溶解した。
10%モル過剰のナフタレン(2.88g)及び乾燥テトラヒドロフラン溶媒(119g)をカリウム金属(0.8g)に添加することによって、カリウムナフタレニド開始剤溶液を調製した。溶液をAr雰囲気下で少なくとも24時間撹拌し、濃緑色の溶液を得た。
淡緑色が少なくとも30分間持続してHO-ISI-OHトリブロックコポリマーを脱プロトン化するための滴定の終点を示すまで、カリウムナフタレニド開始剤溶液を反応器にゆっくりと滴下した。エチレンオキシド(2.5g)を反応器に添加し、約72時間反応を進行させた後、60分間アルゴンでバブリングすることによって脱気したメタノールで反応を停止させた。
固体ポリマーを単離するために、回転蒸発によってテトラヒドロフラン溶媒を除去し、得られたポリマーを300mLの塩化メチレンに溶解させ、複数の300mLアリコートの蒸留水で洗浄した。回転蒸発によって塩化メチレン溶媒を除去し、得られたポリマーを150mLのベンゼンに溶解させ、凍結乾燥させてオフホワイトのポリマーを得た。
1H-NMRによってポリマー組成を決定し、GPC分析によってポリマー分子量及び分散度を決定した。結果を表6にまとめる。
逐次付加及びエチレンオキシド停止反応を用いたヒドロキシル末端ポリ(スチレン-イソプレン-スチレン)ブロックコポリマー(HO-SIS-OH)
全体として、HO-SIS-OHを、保護開始剤を使用して逐次アニオン重合によって調製した。PE9の代表的な合成手順を以下に概説する。試薬の量を変えることで、より高い又はより低い分子量及び様々な重量分率のポリスチレン及びポリイソプレンを有する対応する生成物を得た。
2L重合反応器装置を構築し、不活性Ar雰囲気を確立した。730gの精製ベンゼンを反応器に添加した。次いで、TBDMSPL保護開始剤(0.37mL)を反応器に添加し、30分間撹拌した。次いで、精製スチレン(15.3g)を反応器に添加した。室温にて約1時間反応させた後、反応器を水浴を介して40℃に加熱した。スチレンを添加してから約24時間後に、イソプレン(12.5g)を反応器に添加した。イソプレンを添加してから約24時間後に、15.6gのスチレンを反応器に添加した。2回目のスチレン添加から約24時間後、大モル過剰量(3.5g)のエチレンオキシドを反応器に添加したところ、橙色から無色への色変化が生じた。次いで、反応器を室温まで冷却させた。エチレンオキシドを添加してから約16~96時間後、脱気メタノールで反応を停止させて、モノヒドロキシル末端官能性RO-SIS-OHトリブロックコポリマーを得た。
ジヒドロキシル末端SISトリブロックコポリマー(HO-SIS-OH)を得るために、回転蒸発によってベンゼン溶媒を除去し、得られたポリマーを400mLのテトラヒドロフランに溶解させた。開始剤に対して10倍のモル過剰のTBAFをTHF溶液(THF中3.7mLの1.0MのTBAF)に添加し、溶液を室温で少なくとも18時間撹拌した。回転蒸発によってTHF溶媒を除去し、得られたポリマーを500mLのジクロロメタンに溶解させた。ジクロロメタン溶液を少なくとも3つの300mLアリコートの蒸留水で洗浄した。洗浄したジクロロメタン溶液を冷メタノール中で沈殿させ、得られた白色固体を濾過により単離し、真空下で乾燥させた。
1H-NMRによってポリマー組成を決定し、GPC分析によってポリマー分子量及び分散度を決定した。結果を表7にまとめる。
ポリ(プロピレンオキシド-スチレン-イソプレン-スチレン-プロピレンオキシド)ブロックコポリマー(PSISP)の合成
PSISPブロックコポリマーは、国際公開第2018098023号の実施例4に記載されているように、プロピレンオキシドでHO-SIS-OHの鎖延長によって調製した。試薬の量を変えることで、より高い又はより低い分子量及び様々な重量分率のポリプロピレンオキシドを有する対応する生成物を得た。実施例PE17、PE18、PE19、及びPE20では、P4ホスファゼン塩基(1-tert-ブチル-4,4,4-トリス(ジメチルアミノ)-2,2-ビス[トリス(ジメチルアミノ)-ホスホラニリデンアミノ]-2λ
5,4λ
5-カテナジ(ホスファゼン))の代わりにVerkade塩基を使用した。実施例PE18、PE19、及びPE20では、トリイソブチルアルミニウムの代わりにトリエチルボラン(Sigma-Aldrich Co.,St.LLC.,St.Louis,MOからヘキサン中の1.0M溶液として入手)を使用した。PSISPブロックコポリマー分子量及び組成物を表8にまとめる。
ポリ(エチレンオキシド-スチレン-イソプレン-スチレン-エチレンオキシド)ブロックコポリマー(OSISO)の合成
OSISOブロックコポリマーを、国際公開第2018098023号の実施例2に記載されているように調製し、表9に要約する。
PE25:ポリイソプレン-b-ポリスチレン-b-1,2-ポリブタジエン(ISB)の調製
イソプレンの重合、続いてスチレンの重合、及びブタジエンの重合は、アニオン重合及び高真空技術による最終的な直鎖状トリブロックターポリマーの合成のための3つの基本的な工程であった。
2Lのガラス装置にて、イソプレン9.0g(0.13mol)とsec-BuLi(2x10-4mol)をベンゼン1200mL中、室温にて24時間重合することによりPIリビング鎖[PI(-)Li(+)]を合成した。第1のブロック(PI)の分子量をGPCを使用して測定したところ、Mn(数平均分子量)の値は43,000g/molにほぼ等しく、分散度は1.03であった。ABCトリブロックターポリマーのためのPI(-)Li(+)マクロ開始剤に対するスチレン(第2モノマー)の開始速度を上げるために、少量のTHF(1~2mL)を添加したところ、非常に速い開始工程となり、中間ジブロック生成物の狭い分布を確実にした。その後、18.0gのスチレン(0.17mol)を添加し、室温にて24時間反応させた。ジブロックコポリマー(PI-b-PS)の全分子量をGPCを使用して測定したところ、Mn(数平均分子量)の値は128,000g/molにほぼ等しく、分散度は1.04であった。次いで、PI-b-PS(-)Li(+)溶液にベンゼン中で希釈した1,2-Dipip(4×10-4mol)3mLを添加し、該溶液を1時間撹拌下に放置して極性を変化させた。初期開始剤濃度とDipip濃度との比は約1:2であった。最後に、重合反応物をより良好に制御するために、3.0g(0.055mol)の1,3ブタジエンを添加し、4℃で24時間反応させた。記載された特定の条件下(濃度、温度、溶媒混合液)でのこの手順は、反応速度論をほぼ100%-1,2付加に向けて駆動し、アニオン重合中に極性添加剤なしで得られ得る通常の92%-1,4及び8%-1,2ではなかった。最終トリブロックターポリマー(PI-b-PS-b-PB1,2)の全分子量をGPCを使用して測定したところ、Mn(数平均分子量)の値は142,000g/molにほぼ等しく、分散度は1.07であった。
最終的なトリブロックターポリマーISB(約27g)を過剰のメタノールで沈殿させ、沈殿した最終生成物を50℃の真空オーブンで48時間乾燥させた。各モノマーの重合後、GPCによる特性評価のために、少量(約1g)を常に装置から取り出した。非極性環境でのブタジエンのアニオン重合により合成したPB(1,4含有率92%、1,2含有率8%をもたらす)と比較すると、1H-NMR(プロトン核磁気共鳴)スペクトルで示される特定の化学シフトに現れることから、PBセグメント中の100%-1,2微細構造は明らかであった。
PE26:ISBのClMe2SiHによるヒドロシリル化及び2-メトキシエタノールによる置換
ISB(12.53g、42.6mmolの1,2-ポリブタジエン繰り返し単位)を、撹拌棒を備えた350mLの密封可能なガラス圧力容器内でTHF(70.0mL)に溶解させた。ポリマーが溶解したら、カールシュテット触媒を添加し(0.350mL、7mgのPt、0.036mmolのPt)、続いてクロロジメチルシラン(4.0mL、36mmol)を添加した。圧力容器に蓋をして12時間85℃に加熱した後、室温に冷却した。Ptナノ粒子が形成されたときに、溶液が無色から濃黄色、橙色、又は薄茶色に暗色化することによって開始が示された。潜伏期間は10分から4時間の範囲にわたって大きくばらつきがあることが観察された。
室温まで冷却すると、アニリン(5.0mL、54.9mmol)及び2-メトキシエタノール(4.3mL、54.5mmol)を順次添加した。30分にわたって、微細な白色沈殿物が形成された。更に2時間撹拌した後、反応物をCELITE 545に通して濾過し、蒸発乾固させた。ポリマー残渣をジクロロメタンで抽出し、溶液をCELITE 545に通して濾過した。次いで、メタノールから沈殿させる前に、生成物濾液をTHFに再溶解させた。
ポリマーは、乾燥後のNMR及びGPCによって特性決定した。1H-NMRは、ポリブタジエンペンダントC=Cの変換率が約60%で、ポリイソプレンペンダントC=Cの変換率は10%未満であることを示す。GPCでは、分散度が約1.3までわずかに上昇することが示された。
ポリ(4-ビニルピリジン)-b-ポリスチレン-b-ポリイソプレン-b-ポリスチレン-b-ポリ(4-ビニルピリジン)(VSISV)の調製
全体として、VSISVを、sec-BuLi及び1,3-ビス(1-フェニルビニル)ベンゼンから誘導された二官能性アニオン開始剤を使用して逐次アニオン重合によって調製した。
1,3-ビス(1-フェニルビニル)ベンゼンを、1Lの反応器フラスコに添加し、ベンゼンに溶解させた。溶解したら、sec-ブチルリチウム(1,3-ビス(1-フェニルビニル)ベンゼンに対して2当量)を添加したところ、無色から深いワインレッドへすぐに色変化が生じた。フラスコの内容物を室温にて8時間撹拌した後、イソプレンを添加したところ、深い赤色から淡黄色へすぐに色変化が生じた。イソプレンを添加すると、重合物を室温にて24時間撹拌した。次に、スチレンを添加したところ、淡黄色から橙色への緩慢な色変化が生じた。重合物を、室温にて更に24時間反応させた。
1,1-ジフェニルエチレンを添加し(sec-ブチルリチウムに対して1.2当量)、反応物を1時間撹拌した。次いで、重合物をTHFで希釈し(使用したベンゼンの3倍量)、-78℃まで冷却した。冷却後、4-VPを添加し、重合物を-78℃で2時間撹拌した後、脱気したイソプロパノールでクエンチした。
ポリマーを水から沈殿させることにより単離した。次いで、単離されたポリマーを減圧下で乾燥させ、最小量のTHFに再溶解させ、水から2回目に沈殿させて、白色のゴム固体を得た。生成ポリマーを
1H-NMR及びGPCによって特性評価した。結果を表10にまとめる。
高密度フィルム上にコーティングされた比較例
PETフィルム上にコーティングされたPSISP
PE16からのPSISPブロックコポリマーを、13重量%の濃度で60/40重量/重量のNMP/MEKに溶解させた。溶液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(Toray Plastic America,Inc.,North Kingstown,RIから商標名「LUMIRROR」で入手)上に、垂れ防止メータ(anti-sag meter)を使用して、1~6mil(25.4~152.4マイクロメートル)の範囲のコーティングギャップ高さで、0.5mil(12.7マイクロメートル)ずつコーティングした。15秒間の猶予時間後、コーティングを水に浸漬させて、残留溶媒を除去した。AFM分析によると、全ての厚さでのコーティングで、少なくとも100ナノメートルのサイズの特徴が示された。どのギャップ高さにおいても、等孔性の証拠は観察されなかった。
多孔質膜上にコーティングされた例
ポリアクリロニトリル限外濾過膜上にコーティングされたPSISP
PE16からのPSISPブロックコポリマーを、13重量%の濃度で60/40重量/重量のNMP/MEKに溶解させた。試料をポリアクリロニトリル限外濾過膜(「PAN350」)上に、垂れ防止メータを使用して、1~6mil(25.4~152.4マイクロメートル)の範囲のコーティングギャップ高さで、0.5mil(12.7マイクロメートル)ずつコーティングした。15秒間の猶予時間後、コーティングを水に浸漬させて、残留溶媒を除去した。条件及び結果を表11にまとめる。AFM分析によると、1及び1.5mil(25.4及び38.1マイクロメートル)のギャップ高さを有するコーティングは、等孔を示した。より高いギャップ高さでは、非等孔性構造が見られる。
Teslin多孔質ポリオレフィンフィルム上にコーティングされたPSISP
PE16からのPSISPブロックコポリマーを、13重量%の濃度で60/40重量/重量のNMP/MEKに溶解させた。試料をポリオレフィンフィルム(「TESLIN SP 700」)上に、垂れ防止メータを使用して、1~6mil(25.4~152.4マイクロメートル)の範囲のコーティングギャップ高さで、0.5mil(12.7マイクロメートル)ずつコーティングした。15秒間の猶予時間後、コーティングを水に浸漬させて、残留溶媒を除去した。条件及び結果を表12にまとめる。AFM分析によると、1、1.5、及び2mil(25.4、38.1、及び50.8マイクロメートル)のギャップ高さを有するコーティングは、等孔を示した。より高いギャップ高さでは、非等孔性構造が見られる。
フッ化ポリビニリデン限外濾過膜上にコーティングされたPSISP
PE16からのPSISPブロックコポリマーを、13重量%の濃度で60/40重量/重量のNMP/MEKに溶解させた。試料をフッ化ポリビニリデン限外濾過膜(「PV400」)上に、垂れ防止メータを使用して、1~6mil(25.4~152.4マイクロメートル)の範囲のコーティングギャップ高さで、0.5mil(12.7マイクロメートル)ずつコーティングした。15秒間の猶予時間後、コーティングを水に浸漬させて、残留溶媒を除去した。条件及び結果を、
表13にまとめる。AFM分析によると、1mil(25.4マイクロメートル)のギャップ高さを有するコーティングは、ほぼ等孔性を示した。より高いギャップ高さでは、非等孔性構造が見られる。
DMA/THFのPSISP薄フィルム複合体
PE16からのPSISPブロックコポリマーを、16重量%の濃度で60/40(重量/重量)のDMA/THFの溶液中に溶解させた。試料を「PAN350」上に、垂れ防止メータを使用して、1~6mil(25.4~152.4マイクロメートル)の範囲のコーティングギャップ高さで、0.5mil(12.7マイクロメートル)ずつコーティングした。コーティングされたフィルムを直ちに水に浸漬させて、残留溶媒を除去した。条件及び結果を表14にまとめる。1~3milのギャップ高さでは、コーティングは等孔性又はほぼ等孔性に見える。3.5mil以上のギャップ高さでは、コーティングは、ほぼ等孔性から幅広い細孔径分布を有する範囲で変動する。
異なる溶媒、コーティング濃度、及びギャップ高さからコーティングされたPSISP
PE18からのPSISPブロックコポリマーを、1.5~6重量%で60/40重量/重量のDMA/THFの溶媒混合液中に溶解させた。試料をマルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、ギャップ高さ0.5又は1mil(12.7又は25.4マイクロメートル)で「PAN350」上にコーティングし、直ちに水に浸漬させて、残留溶媒を除去した。条件及び結果を表15にまとめる。4重量%以上の溶解ポリマーの濃度では、流束は観察されなかった。より低い濃度では、流束が観察され、より低いコーティング濃度ではより高い流束が見られた。
PE18からのPSISPブロックコポリマーを、1.5~5重量%で90/10重量/重量のNMP/THFの溶媒混合液中に溶解させた。試料をマルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、ギャップ高さ0.5mil(12.7マイクロメートル)で「PAN350」上にコーティングし、直ちに水に浸漬させて、残留溶媒を除去した。条件及び結果を表16にまとめる。5重量%で非常に低い流束(4LMH/bar)が観察された。より低い濃度では、より高い流束が観察され、1.5重量%で少なくとも70LMH/barが見られた。
PE18からのPSISPブロックコポリマーを、1.5~5.5重量%で90/10重量/重量のアセトン/THFの溶媒混合液中に溶解させた。試料をマルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、ギャップ高さ0.5mil(12.7マイクロメートル)で「PV400」上にコーティングし、直ちに水に浸漬させて、残留溶媒を除去した。結果を表17にまとめる。流束は、5.5重量%での70LMH/barから1.5重量%での280LMH/barまで、全てのコーティング濃度にわたって観察された。
異なるNMP/MEK溶媒比のPSISP複合薄膜
PE18からのPSISPブロックコポリマーを、1.5重量%で40/60~80/20重量/重量の範囲の比率でNMP/MEKの溶媒混合液中に溶解させた。試料をマルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、ギャップ高さ0.5mil(12.7マイクロメートル)で「PAN350」上にコーティングし、直ちに水に浸漬させて、残留溶媒を除去した。条件及び結果を表18にまとめる。40/60~60/40重量/重量のNMP/MEKでは、試料は、非コーティング「PAN350」基材と同じように見られ、コンフォーマルコーティングが示唆された。65~100重量%のNMP含有量の場合、等孔性コーティングが見られた。流束は、非コンフォーマルコーティングに達すると、非コーティングPAN350の流束から著しく低下することが観察された。
DLSは、これらの溶媒比のサブセットでPE18からのPSISPブロックコポリマーの0.1重量%で行った。結果はまた表18に列挙する。50/50及び60/40のNMP/MEKでは、遊離鎖及びミセルが大半を占める集団が観察された。70/30及び80/20のNMP/MEKの場合、粒度分布シグナルの強度は、ミセルサイズ範囲において著しく高く、遊離鎖の強度シグナルは低かった。この遊離鎖の寄与の低下は、コーティングの外観がコンフォーマルから等孔性へシフトしたことと一致する。100%NMPでは、ミセルシグナルのみを見ることができた。
*F及びf:遊離鎖(5~20nmでピーク)、M:ミセル(40~200nmでピーク);ある形態が別の形態のプラス又はマイナス20%以内のシグナル強度を有する場合、それぞれの形態は大文字で示される一方、ある形態がその範囲外のシグナル強度を有する場合、より高い強度シグナルを有する形態は、大文字で示され、より低い強度シグナルを有する形態は、小文字で示される。
異なるDMA/THF溶媒比のPSISP複合薄膜
PE18からのPSISPブロックコポリマーを、1.5重量%で40/60~60/40重量/重量の範囲の比率でDMA/THFの溶媒混合液中に溶解させた。試料をマルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、ギャップ高さ0.5mil(12.7マイクロメートル)で「PAN350」上にコーティングし、直ちに水に浸漬させて、残留溶媒を除去した。条件及び結果を表19にまとめる。40/60重量/重量のDMA/THFでは、試料は、非コーティング「PAN350」基材と同じように見られ、コンフォーマルコーティングが示唆された。60/40重量/重量のDMA/THFでは、等孔性コーティングが見られた。流束は、非コンフォーマルコーティングに達すると、非コーティングPAN350の流束から著しく低下することが観察された。DLSは、60/40重量/重量のDMA/THFでPE18からのPSISPブロックコポリマーの0.1重量%で行った。遊離鎖(5~10nm)及びミセル(200~600nm)が大半を占める集団が観察された。
SEM表面及び断面イメージングは、60/40のDMA/THF試料で行った(それぞれ図1A及び1B)。等孔性特徴が表面で観察された一方、断面画像は、基材の表面に非常に薄い多孔質層(約50nm)が形成されたことを示した。その層の下では、断面は、非コーティング「PAN350」のものと同じように見える。
異なるDMF/THF溶媒比のPSISP複合薄膜
PE18からのPSISPブロックコポリマーを、1.5重量%で40/60~65/35重量/重量の範囲の比率でDMF/THFの溶媒混合液中に溶解させた。試料をマルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、ギャップ高さ0.5mil(12.7マイクロメートル)で「PAN350」上にコーティングし、直ちに水に浸漬させて、残留溶媒を除去した。条件及び結果を表20にまとめる。40/60重量/重量のDMF/THFでは、試料は、非コーティング「PAN350」基材と同じように見られ、コンフォーマルコーティングが示唆された。50/50重量/重量のDMF/THFでは、不規則な自己組織化細孔を有する多孔質コーティングを見ることができた。60重量%超のDMFの場合、等孔性コーティングが見られた。流束は、非コンフォーマルコーティングに達すると、非コーティング「PAN350」の流束から著しく低下することが観察された。
異なるNMP/THF溶媒比のPSISP複合薄膜
PE18からのPSISPブロックコポリマーを、1.5重量%で70/30~100/0重量/重量の範囲の比率でNMP/THFの溶媒混合液中に溶解させた。試料をマルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、ギャップ高さ0.5mil(12.7マイクロメートル)で「PAN350」基材上にコーティングし、直ちに水に浸漬させて、残留溶媒を除去した。条件及び結果を表Nにまとめる。80重量%以下のNMPでは、試料は、非コーティング「PAN350」基材と同じように見られ、コンフォーマルコーティングが示唆された。90重量%超のNMP含有量の場合、等孔性コーティングが見られた。流束は、非コンフォーマルコーティングに達すると、非コーティング「PAN350」の流束から著しく低下することが観察された。
DLSは、これらの溶媒比のサブセットで、PSISP-212の0.1重量%で行った。結果はまた表21に列挙する。70/30重量/重量のNMP/THFでは、粒度分布シグナルの大部分はミセルサイズ範囲にあり、遊離鎖の寄与はわずかであった。80重量%超のNMPでは、ミセルシグナルのみを見ることができた。
*F及びf:遊離鎖(5~20nmでピーク)、M:ミセル(40~200nmでピーク)、大文字及び小文字は、上記の表18に示される通りである。
異なるヘキサン/THF溶媒比のPSISP複合薄膜
PE18からのPSISPブロックコポリマーを、1.5重量%で70/30~100/0重量/重量の範囲の比率でヘキサン/THFの溶媒混合液中に溶解させた。試料をマルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、ギャップ高さ0.5mil(12.7マイクロメートル)で「PAN350」基材上にコーティングし、直ちに水に浸漬させて、残留溶媒を除去した。条件及び結果を表22にまとめる。60/40重量/重量のヘキサン/THFでは、試料は、非コーティング「PAN350」基材と同じように見られ、コンフォーマルコーティングが示唆された。70重量%超のヘキサン含有量の場合、ひも状(wormlike)構造を有するコーティングが見られた。流束は、非コンフォーマルコーティングに達すると、非コーティング「PAN350」の流束から著しく低下することが観察された。
異なるアセトン/THF溶媒比のPSISP複合薄膜
PE18からのPSISPブロックコポリマーを、1.5重量%で60/40~90/10重量/重量の範囲の比率でアセトン/THFの溶媒混合液中に溶解させた。試料をマルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、ギャップ高さ0.5mil(12.7マイクロメートル)で「PAN350」基材上にコーティングし、次いでコーティングをドラフト内で空気乾燥させた。条件及び結果を表Pにまとめる。60/40~70/30重量/重量のアセトン/THFでは、約30nmのひも状特徴を有するコーティングが表面に現れる(例えば、図2Aは、EX90の表面を示す)。80/20重量/重量のアセトン/THFでは、円形及び細長い細孔の混在が見られた。85重量%超のアセトンの場合、ほぼ等孔性のコーティングが見られ、細長い細孔の集団はわずかであった(例えば、図2BはEX93の表面を示す)。流束は、非コーティング「PAN350」の流束よりも著しく低下することが観察された。
DLSは、これらの溶媒比のサブセットでPE18からのPSISPブロックコポリマーの0.1重量%で行った。結果はまた表23に列挙する。70/30重量/重量のアセトン/MEKでは、遊離鎖のみが観察された。80/20重量/重量のアセトン/MEKでは、粒度分布シグナルの大部分はミセルサイズ範囲にあり、遊離鎖の寄与はわずかであった。この遊離鎖の寄与の低下は、コーティングの外観が、細長い細孔が大半を占める集団から円形の細孔が過半数となったことと一致する。85%超のアセトンでは、ミセルシグナルのみを見ることができた。
*F及びf:遊離鎖(10~30nmでピーク)、M:ミセル(40~200nmでピーク)、大文字及び小文字は、上記の表18に示される通りである。
異なるアセトン/THF溶媒比のOSISO複合薄膜
PE21からのOSISOブロックコポリマーを、1.5重量%で60/40~90/10重量/重量の範囲の比率でアセトン/THFの溶媒混合液中に溶解させた。試料をマルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、ギャップ高さ0.5mil(12.7マイクロメートル)で「PAN350」基材上にコーティングし、次いでコーティングをドラフト内で空気乾燥させた。条件及び結果を表24にまとめる。60/40重量/重量のアセトン/THFでは、試料は、非コーティング「PAN350」基材と同じように見られ、コンフォーマルコーティングが示唆された。最大80重量%までアセトン含有量を増加させると、等孔性コーティングが見られた(例えば、図3AはEX96の表面を示す)。アセトン含有量が85重量%以上であると、溶液中のミセルが、乾燥プロセス中では完全に融合しなくなり、コーティング表面に約50~80nmの環状物(annular objects)の外観をもたらすようであった(例えば、図3BはEX100の表面を示す)。流束は、等孔性及び環状物コーティングについては、非コーティング「PAN350」の流束よりもはるかに低かった。
DLSは、これらの溶媒比のサブセットでPE21からのOSISOブロックコポリマーの0.1重量%で行った。結果はまた表24に列挙する。遊離鎖及びミセルの混合物を、50/50重量/重量のアセトン/THFで観察した。75/25重量/重量のアセトン/THFでは、ミセルのみが観察された。この遊離鎖の寄与の低下は、コーティングの外観がコンフォーマルから等孔性へシフトしたことと一致する。90重量%のアセトンでは、溶液中にかなりの凝集成分があった。
*A:凝集体又は未溶解、F:遊離鎖(20~50nmでピーク)、M:ミセル(60~100nmでピーク)、大文字は、上記の表18に示される通りである。
比較例:SIPSを使用したOSISO材料のキャスト
PE21及びPE23からのOSISOブロックコポリマーを、12~18重量%の濃度で様々な溶媒混合液に溶解し、マルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、コーティングギャップ高さ8mil(203.2マイクロメートル)でキャストし、水浴に浸漬させる前に0~60秒の蒸発時間を設けた。条件及び結果を表25にまとめる。分解、透明な乾燥フィルムをもたらすゲル化、及び細孔構造を有する数種の不透明フィルム(例えば、膜)を含む、特定の範囲の結果が見られた。分解しなかった試料はプラスチックコーティング担体に付着したままであった。
OSISO薄フィルム複合体のキャスト
PE22、PE23、及びPE24からのOSISOブロックコポリマーを、1.5%で50/50~90/10重量/重量の範囲の比率でアセトン/THFの溶媒混合液中に溶解した。試料をマルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、ギャップ高さ1mil(25.4マイクロメートル)で「PAN350」基材上にコーティングし、次いでコーティングをドラフト内で空気乾燥させた。条件及び結果を表26にまとめる。全てのシリーズの溶媒において、コンフォーマルコーティングから大部分が等孔性のコーティングへのシフト(例えば、図4Aは試料62の表面を示す)が、AFMによって、アセトン含有量の増加とともに観察された。同じ試料表面のSEMにより、ほとんどが開放等孔構造の存在が確認された(図4B)。
DLSは、同じ溶媒比で0.1重量%のOSISO材料で実施した。結果はまた表26に列挙する。全てのシリーズにわたって、アセトン含有量が高いほど遊離鎖が優勢になり、THF含有量が高いほどミセルが優勢になるという溶液特性のシフトがあった。
*溶液は未溶解であった
**A:凝集体又は未溶解、F:遊離鎖(10~30nmでピーク)、M:ミセル(40~100nmでピーク)。大文字は、上記の表18に示される通りである。
比較例:SIPSを使用したOISIO材料のキャスト
PE8からのOSISOペンタブロックコポリマーを、9~14重量%の濃度で様々なMEK/DMF及びTHF/DMF溶媒混合液中に溶解させた。MEK/DMF系の場合、溶液は相分離(12及び14重量%)又はゲル化(9~11重量%)のいずれかであることが見出された。THF/DMF系の場合、50%以下のTHFを含む溶液がゲル化することが見出された。より高いTHF含有量及びより低い濃度のものは、マルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、コーティングギャップ高さ8mil(203.2マイクロメートル)でキャストし、水浴に浸漬させる前に5~15秒の蒸発時間を設けた。それらは、半透明又は透明な粘着フィルムを形成した。表27は、使用したコーティング条件及び結果の要約を含む。
OISIO薄フィルム複合体のキャスト
PE8からのOSISOブロックコポリマーを、1.5重量%で、NMP又はDMF/THF、DMA/THF及びアセトン/THFの溶媒混合液中に様々な比率で溶解させた。試料をマルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、コーティングギャップ高さ0.5mil(12.7マイクロメートル)で「PAN350」上にコーティングし、コーティングをドラフト内で空気乾燥させる(アセトン/THFの場合)か、又は直ちに水に浸漬させて、残留溶媒を除去した(NMP、DMF/THF、及びDMA/THFの場合)。条件及び結果を表28にまとめる。いくつかの細長い細孔を有する等孔性又はほぼ等孔性構造は、試行されたDMF/THF及びDMA/THF比のAFMによって見られた。試行したNMP及びアセトン/THF比では、ミセル又はラメラ型の構造が見られた。DMF/THF、DMA/THF、及びアセトン/THF系では中程度の流束が観察された一方、NMP系ではより高い流束が見られた。70/30重量/重量のDMF/THF中のOISIO-61のDLS結果では、ミセルピークのみが見られた。70/30のDMF/THF中のOISIO-61の希釈溶液についてのDLS観察もまた、表28に報告される。
*M:ミセル(40~200nmでピーク)。
ISP薄フィルム複合体のキャスト
PE2からのISPブロックコポリマーを、1.5重量%で、NMP又は90/10のアセトン/THF若しくは80/20のNMP/THFの溶媒混合液中に溶解させた。試料をマルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、コーティングギャップ高さ0.5mil(12.7マイクロメートル)で「PAN350」上にコーティングし、コーティングをドラフト内で空気乾燥させる(アセトン/THFの場合)か、又は直ちに水に浸漬させて、残留溶媒を除去した(NMP及び80/20のNMP/THFの場合)。条件及び結果を表29にまとめる。NMP及び90/10のアセトン/THFについては、より多くの不定の細孔形状及び細孔径を有するほぼ等孔性構造が見られた。80/20のNMP/THF系では、等孔性が見られた。非コーティング基材のものよりもはるかに低い中等度の流束が、全ての系において観察された。
比較例:16重量%でSIPSを使用したSIP材料のキャスト
PE5からのSIPブロックコポリマーを、16重量%の濃度で50/50重量/重量のTHF/DMAc及び70/30重量/重量のMEK/NMPの溶媒混合液に溶解し、8mil(203.2マイクロメートル)でキャストし、10~25秒の蒸発時間を設けた。次いで、試料を水に浸漬させて、残留溶媒を除去した。コーティングは、不透明になり、浴中ではプラスチック支持シートに付着したままであった。水浴から取り出して乾燥させた後、表面を評価するためにAFMによって試料を検査した。コーティング条件及び実験結果を表30にまとめる。コーティングにはナノスケールのドットの特徴も等孔も見られなかった。
16重量%でのSIP薄フィルム複合体のキャスト
PE5からのSIPブロックコポリマーを、16重量%の濃度で50/50重量/重量のTHF/DMAc及び70/30重量/重量のMEK/NMPの溶媒混合液に溶解し、マルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、コーティングギャップ高さ2mil(50.8マイクロメートル)で「PAN350」上にキャストし、10秒の蒸発時間を設けた。次いで、試料を水に浸漬させて、残留溶媒を除去した。コーティング条件及び実験結果を表31にまとめる。等孔性又はほぼ等孔性特徴が、コーティングに見られた。
6重量%でのSIP薄フィルム複合体のキャスト
PE6からのSIPブロックコポリマーを、6重量%の濃度で50/50重量/重量のTHF/DMA及び70/30重量/重量のMEK/NMPの溶媒混合液に溶解し、マルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、コーティングギャップ高さ1~6mil(25.4~152.4マイクロメートル)で「PAN350」上にキャストした。10秒間の蒸発後、試料を水に浸漬させて、残留溶媒を除去した。コーティング条件及び実験結果を表32にまとめる。50/50重量/重量のTHF/DMAシリーズの場合、最大3mil(76.2マイクロメートル)までのコーティングにおいて等孔性特徴が見られ、その後、表面はより疎らなナノスケール細孔の特徴へと変化した。70/30重量/重量のMEK/NMPシリーズの場合、約2mil(50.8マイクロメートル)の厚さで等孔性特徴が見られた。より低い厚さでは、コンフォーマルコーティングが観察され、より高い厚さでは、等孔とより大きなドットの混在が見られた。
VSISV薄フィルム複合体のキャスト
PE27、PE28、及びPE29からのVSISVブロックコポリマーを、2重量%でジグリム/ジオキサン/THFの溶媒混合液中に溶解し、マルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、コーティングギャップ高さ0.5mil(12.7マイクロメートル)で「PAN350」上にキャストした。試料を直ちに水に浸漬させて、残留溶媒を除去した。コーティング条件及び実験結果を表33にまとめる。
DLSは、同じ溶媒比でVSISV材料の0.1重量%で行った。全ての溶媒混合液についてのDLS結果では、遊離鎖及びミセルの両方からの著しい寄与が観察された。2つのケース(EX148及びEX150)では、VSISVは38/32/30及び18/32/50重量/重量/重量であり、200~300nmでの凝集体ピークも観察された。ミセルの存在はAFM構造に反映され、多くのコーティングが小さな合体ミセルのようであった。しかしながら、18/32/50(例えば、図5AはEX146の表面を示す)及び8/32/60重量/重量/重量(例えば、図5BはEX147の表面を示す)の2つのVSISVコーティングでは、等孔性構造が見られた。
*F:遊離鎖(10~20nmでピーク)、M:ミセル(50~200nmでピーク)、A:凝集体(200nm超)。大文字は、上記の表18に示される通りである。
ISB薄フィルム複合体のキャスト
PE26からのISBブロックコポリマーを、2重量%で、50/50重量/重量のアセトン/THF及び50/50重量/重量のNMP/MEKの溶媒混合液中に溶解し、マルチクリアランススクエアアプリケータを使用して、コーティングギャップ高さ0.5mil(12.7マイクロメートル)で「PAN350」上にキャストした。アセトン/THF試料を空気乾燥させ、NMP/MEK試料を直ちに水に浸漬させて残留溶媒を除去した。コーティング条件及び実験結果を表34にまとめる。AFM下では、50/50重量/重量のアセトン/THF試料は、コンフォーマルコーティングされているように見えたが、50/50重量/重量のNMP/MEK試料は等孔性に見えた。同じ溶媒比におけるISB-239の希釈溶液のDLS検査は、アセトン/THFの場合では遊離鎖の寄与が過半数を示した一方で、NMP/MEKの場合ではミセルの寄与が過半数であったことが示された。
*F及びf:遊離鎖(10~40nmでピーク)、M及びm:ミセル(60~200nmでピーク)、a:凝集体(400~2000nmでピーク)、大文字及び小文字は、上記の表18に示される通りである。
薄フィルム複合体のスロットダイによる連続堆積
PE22からのOSISOブロックコポリマーを、1重量%で80/20重量/重量のアセトン/THFの溶媒混合液中に溶解させた。PE19からのPSISPブロックコポリマーを、1重量%で90/10のNMP/MEKの溶媒混合液中に溶解させた。スロットダイを備えた実験規模のロールツーロールコーティングラインを使用して、連続堆積を実施した。コーティング速度を5フィート/分(2.5cm/秒)で制御し、コーティング幅は4インチ(10.2cm)とした。コーティング溶液を、シリンジポンプを使用して1.5~3mL/分で計量し、「PAN350」又は「PV400」のいずれか上に適用した。アセトン/THFコーティングをライン上で室温で乾燥させてから巻き取り、NMP/MEKコーティング基材をコーティングラインから除去して水浴に浸漬させた。コーティング条件及び実験結果を表35にまとめる。等孔性形態がEX154(例えば、図6はEX154の表面を示す)及びEX155(例えば、図7はEX155の表面を示す)で観察された。EX156は、厚みが異なることと、異なる基材(「PV400」)であることを除き、EX114と同じコーティングであり、この場合、等孔性は見られないが、部分的に融合した環状物が見られた(例えば、図8はEX156の表面を示す)。
薄フィルム複合体のインクジェット堆積
PE20からのPSISPブロックコポリマーを、1重量%で90/10(重量/重量)のNMP/MEKの溶媒混合液中に溶解させた。流体材料の精密噴射が可能な卓上材料堆積システム(FUJIFILM Dimatix,Inc.,Santa Clara,CAから商品名「DIMATIX MATERIALS PRINTER」で入手)を用いて、ブロックコポリマー溶液を制御された滴下様式で「PAN350」上に堆積させた。10pLの液滴を堆積させる、使い捨てピエゾインクジェットカートリッジ(FUJIFILM Dimatix,Inc.から商品名「DIMATIX MATERIALS CARTRIDGES 11610」で入手)を使用した。25回のパス毎にパージしながら、30マイクロメートルの液滴間隔でコーティングを印刷した(EX157)。印刷後、複合シートを水中に浸漬させて、残留溶媒を除去した。AFMは、等孔性に見える堆積コーティングを示した(例えば、図9はEX157の表面を示す)。
薄フィルム複合体のエレクトロスプレー堆積
PE20からのPSISPブロックコポリマーを、0.1重量%で90/10(重量/重量)のアセトン/THFの溶媒混合液中に溶解させた。特注のエレクトロスプレー堆積装置(Chowdhury et al.「3D Printed Polyamide Membranes for Desalination」Science 2018,361(6403),682-686に記載)を用い、10スキャンレイヤー及び加速電圧11kVを使用して「PAN350」上にブロックコポリマー溶液を堆積させた(EX158)。エレクトロスプレー堆積プロセス後、複合シートを室温にて空気中で乾燥させた。SEM分析は、開放細孔及び閉鎖細孔の組み合わせを有する等孔性に見える堆積コーティングを示した(例えば、図10はEX158の表面を示す)。