JP7846495B2 - 乾燥装置 - Google Patents

乾燥装置

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Description

本件発明は、処理液が貯留される貯留槽と、前記処理液を加熱蒸発させるハロゲンランプヒータと、前記貯留槽の上方に配置され前記処理液の蒸気が充満する乾燥室と、を備え、前記乾燥室内において乾燥対象物に前記処理液の蒸気を凝縮させて当該乾燥対象物を洗浄乾燥するように構成された乾燥装置に関するものである。
半導体の製造工場においては、半導体ウエハのような乾燥対象物を洗浄装置によりフッ化水素や純水リンス液などの洗浄液で洗浄した後に、乾燥装置により乾燥させる。
このような乾燥装置として、特許文献1には、半導体ウエハが出し入れ可能な乾燥室と、当該乾燥室の下方に設けられた処理液としてのイソプロピルアルコールが貯留される貯留槽とを備えた乾燥装置が開示されている。
当該乾燥装置は、複数の半導体ウエハを略垂直姿勢に並べて乾燥室に搬入し、この処理室の下部に貯留されたイソプロピルアルコールを加熱蒸発させて半導体ウエハの表面にイソプロピルアルコールの蒸気を接触させる。すると、当該蒸気は半導体ウエハの表面に凝縮する。
半導体ウエハの表面で当該蒸気が凝縮して生ずる液滴が半導体ウエハに付着している洗浄液を取り込みながら半導体ウエハから落下するときに、半導体ウエハの表面から洗浄液が除去される。
このように半導体ウエハの洗浄が行われ、半導体ウエハの温度がイソプロピルアルコールの蒸気の温度に等しくなると凝縮が終了し、半導体ウエハの表面は乾燥状態となる。このように乾燥した半導体ウエハが乾燥装置から搬出される。
特開2008-264690号公報
しかし、上述した従来の乾燥装置は、貯留槽にイソプロピルアルコールを供給してから、当該貯留槽に貯留されたイソプロピルアルコールの全体を加熱して蒸気が発生するまでの待機時間が必要であるため、半導体ウエハの洗浄乾燥の効率に改善の余地があった。
本件発明は、上述の問題に鑑みなされたものであり、乾燥対象物の洗浄乾燥を滞りなく効率的に実施することができる乾燥装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するための、本件発明に係る乾燥装置は、処理液が貯留される貯留槽と、前記処理液を加熱蒸発させるハロゲンランプヒータと、前記貯留槽の上方に配置され前記処理液の蒸気が充満する乾燥室と、を備え、前記乾燥室内において乾燥対象物に前記処理液の蒸気を凝縮させて当該乾燥対象物を洗浄乾燥するように構成された乾燥装置であって、前記貯留槽は当該貯留槽の底面と底面部を共通する流路を備え、前記流路は前記貯留槽を貫通するように設けられた流入口と前記貯留槽内において開放されるように設けられた流出口とを備え、前記ハロゲンランプヒータは前記底面部の下方において前記流路に沿って配置されており、前記底面部は透明石英ガラスから構成され当該ハロゲンランプヒータから放射される近赤外線を透過させることを特徴とする。
上述の構成によると、ハロゲンランプヒータは、流路の底面部の下方において当該底面部に対面するように流路に沿って配置されており、底面部は透明石英ガラスから構成されていることからハロゲンランプヒータの近赤外線を流路内へ透過させるので、流路を通過する処理液は流入口から流出口に到達するまでにハロゲンランプヒータによって効率的に輻射加熱され沸点に至り蒸発する。
このように輻射加熱により沸点に至った処理液は、貯留槽内を滞留しながら蒸気となって乾燥室へと供給され、当該乾燥室の乾燥対象物を洗浄乾燥する。
なお、ハロゲンランプヒータは、オンオフの応答性がよく制御性に優れており、所定温度までの昇温が数秒で可能である。したがって、プロセス速度の向上と省エネルギー化が可能である。
貯留槽に供給される処理液を、流路を通過させる際に直接的に加熱蒸発させる構成であることから、従来のように、貯留槽の処理液の全体を加熱する構成が必要とする蒸気発生までの待機時間が不要であるため、乾燥対象物の洗浄乾燥を滞りなく効率的に実施することができる乾燥装置を提供することができるようになった。
本件発明に係る乾燥装置において、前記流路の天面部は、前記貯留槽に貯留された前記処理液の液面より下方において、前記流入口から前記流出口にかけて前記底面部からの距離が大きくなるように傾斜していることを特徴としてもよい。
上述の構成によると、流路のうち流入口側の流路断面積は、流出口側の流路断面積よりも狭いことから流入口側は流出口側よりも処理液の熱容量が相対的に小さいため、ハロゲンランプヒータによって効率的に輻射加熱されることとなる。
また、天面部は、前記貯留槽に貯留された前記処理液の液面より下方に配置されていることから、貯留槽の内部においては流入口側の天面部上方の処理液の貯留量は、流出口側の天面部上方の処理液の貯留量よりも多く、すなわち熱容量が相対的に大きいこととなる。そのため、流路の流入口に、沸点に対して低い温度の処理液が供給されても、当該処理液が、貯留槽に貯留されている処理液の温度を低下させる虞が少ない。
さらに、天面部は、流入口から前記流出口にかけて前記底面部からの距離が大きくなるように傾斜していることから、流路内に気泡が発生したとしても当該気泡は天面部に沿って流出口側へと流れていくので、当該気泡が流路内に溜まることがない。
本件発明に係る乾燥装置において、前記天面部は透明石英ガラスから構成されていることを特徴としてもよい。
上述の構成によると、流路から出て貯留槽を滞留する処理液も、ハロゲンランプヒータからの輻射により天面部を介して輻射加熱されて液温が維持されるため蒸気の発生が滞ることがない。
本件発明に係る乾燥装置において、前記天面部の厚みは、前記底面部の厚みよりも厚いことを特徴としてもよい。
流路の流入口に沸点よりも低い温度の処理液が供給されると、貯留槽に貯留されている処理液の温度が天面部を介して奪われる。上述の構成によると、流路の流入口に、沸点よりも低い温度の処理液が供給されても、天面部の厚みが底面部よりも厚いことから、貯留槽に貯留されている処理液の温度が天面部を介して奪われることを抑制することができる。また、天面部の厚みは底面部の厚みよりも厚いことから、近赤外線の透過率は、底面部に対して天面部が低く、当該天面部は近赤外線により底面部よりも加熱される。この天面部からの伝熱によっても処理液を加熱することができる。
本件発明に係る乾燥装置において、前記貯留槽は全面が透明石英ガラスから構成されており、前記底面部の厚みは、少なくとも前記貯留槽の底面のうち当該底面部以外の部分の厚みよりも薄いことを特徴としてもよい。
上述の構成によると、前記底面部の厚みは、少なくとも貯留槽の底面のうちその他の部分の厚みよりも薄いため、ハロゲンランプヒータの近赤外線は流路を流れる処理液の輻射加熱に効率的に使用される。
本件発明に係る乾燥装置において、前記流路は、前記流入口の近傍から前記流出口にかけて隔壁により区分されており、前記ハロゲンランプヒータは前記底面部の下方において、区分されたそれぞれの前記流路に沿って複数が配置されていることを特徴としてもよい。
上述の構成によると、流路は隔壁により区分されていることから、各流路あたりの処理液の流路断面積は小さくなることとなる。各流路にハロゲンランプヒータが配置されているので、各流路あたりの単位時間あたりの処理液の流量は減ることとなる。したがって、ハロゲンランプヒータは消費電力の小さいものであっても、各流路を流れる処理液を充分に輻射加熱することができる。
本件発明に係る乾燥装置において、前記ハロゲンランプヒータの下方周囲には、前記ハロゲンランプヒータから下方や側方に照射された近赤外線を前記流路に向けて反射する反射部材が備えられていることを特徴としてもよい。
上述の構成によると、下方に照射された近赤外線を底面部に向けて反射させることができるため、流路を通過する処理液を、より効率的に輻射加熱することができる。反射部材は、例えばステンレス鋼鏡面仕上げ板から構成されていると好ましい。
本件発明に係る乾燥装置において、前記乾燥室と前記貯留槽との間には、前記乾燥対象物から滴下する前記処理液を回収する回収部が備えられ、前記回収部には、前記乾燥対象物から滴下する前記処理液は前記貯留槽には通過させず、前記貯留槽から発生する前記処理液の蒸気は前記乾燥室へと通過させる通気口が備えられていることを特徴としてもよい。
乾燥対象物から滴下し回収される処理液には、処理液以外の物質が混入している虞がある。貯留槽の処理液が汚染されると、乾燥対象物の品質低下の懸念や、当該処理液の入れ替え作業等が必要となってしまう。これに対して、上述の構成であると、乾燥対象物から滴下する処理液を回収することができるため、貯留槽の処理液が汚染される虞がないため、上記懸念や上記作業が不要である。
図1は、本発明に係る乾燥装置の正面図である。 図2は、本発明に係る乾燥装置の側面図である。 図3は、本発明に係る乾燥装置の要部の正面図である。 図4は、本発明に係る乾燥装置の要部の側面図である。 図5は、本発明に係る乾燥装置の要部の平面図であって、図4のA-A線矢視図である。
本件発明に係る乾燥装置の実施形態について図面を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、乾燥装置10の筐体11には、半導体ウエハ1が出し入れ可能な冷却室12及び乾燥室13と、当該乾燥室13の下方に設けられたイソプロピルアルコールが貯留される貯留槽14とが設けられている。乾燥室13の上方には、当該筐体11を開閉するシャッタ(図示せず)が設けられている。また、筐体11の周囲はステンレス鋼製の外装部材(図示せず)により覆われている。
なお、半導体ウエハ1が請求項における「乾燥対象物」の一例である。イソプロピルアルコールが請求項における「処理液」の一例である。イソプロピルアルコールは、融点が-89.5°C、沸点が82.4°Cの常温では無色透明の液体である。
半導体ウエハ1は、ハンドリングマシーン2により複数枚が略垂直姿勢で並べられた状態で乾燥装置10の上部から冷却室12を通って乾燥室13内に搬入されて洗浄乾燥されたあと、当該乾燥室13内から冷却室12を通って乾燥装置10の上部へと搬出される。
筐体11は、透明石英ガラスから構成されている。すなわち、冷却室12、乾燥室13及び貯留槽14は透明石英ガラスから構成されている。当該乾燥装置10は、イソプロピルアルコールを用いるため、透明石英ガラスは、これに対する耐食性がある点で好ましいい。なお、透明石英ガラスは近赤外線の波長であれば透過させやすいがそれより大きな波長は吸収しやすい。
イソプロピルアルコールの加熱には、主に近赤外線を放射するハロゲンランプヒータ16が用いられる。ハロゲンランプヒータ16は、周囲に放射状にほぼ均一に近赤外線を放射する。ハロゲンランプヒータ16の詳細については後で説明する。
冷却室12は、乾燥室13から上がってくる蒸気を凝縮する空間であり、冷却室12には周囲の内壁に沿って、冷却コイル12aが配置されている。冷却コイル12aは、冷却水が通水されるようになっている。冷却コイル12aに冷却水が通水されると、冷却コイル12aの表面温度が下がり、表面の蒸気が凝縮される。
乾燥室13は、半導体ウエハ1が搬入される空間であり、乾燥室13には蒸気温度センサ(図示せず)が配置されている。当該蒸気温度センサによって、乾燥室13の内部の蒸気充満レベルが検出され、制御部(図示せず)へと送られるようになっている。
貯留槽14は、液体のイソプロピルアルコールが貯留される槽であり、貯留槽14には、流路15が配置されている。貯留槽14の寸法は、図5における紙面左右方向×紙面上下方向の寸法が、400mm×300mm程度であり、流路15は上流側から下流側までの距離、すなわち図紙面左右方向の寸法が300mm程度、幅、すなわち紙面上下方向の寸法が150mm程度である。
図3から図5に示すように、流路15は、底面部15aと天面部15bと側面部15cにより、貯留槽14の底面14aに区画されて構成されている。なお、流路15の底面部15aは貯留槽14の底面14aから構成されている。図3から図5に示す白抜きの矢印は、イソプロピルアルコールの流れを示している。
流路15の底面部15a、天面部15b及び側面部15cは透明石英ガラス製の平板から構成されている。本実施形態において、底面部15aの厚みは3mmであり、天面部15b及び側面部15cの厚みは5mmである。
天面部15bは、流入口15dから流出口15eにかけて底面部15aからの距離が大きくなるように傾斜している。本実施形態においては、天面部15bの流入口15d側における内面と底面部15aとの距離が6mm、流出口15e側における内面と底面部15aとの距離が15mmである。
貯留槽14へ貯留されるイソプロピルアルコールの液位は天面部15bのうち最も高い流出口15e側(すなわち15mm)よりも上になるように調整される。本実施形態においては、イソプロピルアルコールの液位は、貯留槽14の底面14aから50mm程度に設定されている。
これにより、天面部15bは、全体的に、貯留槽14に貯留されたイソプロピルアルコールの液面より下方に配置されることとなる。貯留槽14の内部においては流入口15d側の天面部15b上方のイソプロピルアルコールの貯留量は、流出口15e側の天面部15b上方のイソプロピルアルコールの貯留量よりも多いことから熱容量が相対的に大きいこととなる。
そのため、流路15の流入口15dに沸点に対して低い温度のイソプロピルアルコールが供給されても、当該イソプロピルアルコールが、貯留槽14に貯留されているイソプロピルアルコールの温度を低下させる虞が少ない。
流路15の天面部15bは透明石英ガラス製の平板から構成されていることから、流路15から出て貯留槽14を滞留するイソプロピルアルコールも、ハロゲンランプヒータ16からの輻射により天面部15bを介して輻射加熱されて液温が維持されるので、蒸気の発生が滞ることがない。
流路15の天面部15bは斜めに傾斜していることから、貯留槽14内においてイソプロピルアルコールは複雑な流れが発生することにより隅々まで撹拌され、液温は均一なものとなる。
天面部15bは、流入口15dから流出口15eにかけて底面部15aからの距離が遠くなるように傾斜していることから、流路15内に気泡が発生したとしても当該気泡は天面部15bに沿って流出口15e側へと流れていくので、当該気泡が流路15内に溜まることがない。
流路15には、底面部15aを貫通するように設けられた流入口15dと、貯留槽14内において開放されるように設けられた流出口15eとが備えられている。
本実施形態において、流路15には、流入口15dの近傍から流出口15eにかけて、一枚の隔壁15fが設けられている。隔壁15fも透明石英ガラス製の平板から構成されている。本実施形態において、隔壁15fの厚みは5mmである。
当該隔壁15fは底面部15aから天面部15bまでに亘って設けられており、これにより流路15の内部は左右に二区分されている。
ハロゲンランプヒータ16は、貯留槽14の底面14aの下方に備えられている。本実施形態において、底面部15aの下方に、二区分されたそれぞれ流路15(15L、15R)に沿って、二つのハロゲンランプヒータ16(16L、16R)が配置されている。なお、流路15L、15Rやハロゲンランプヒータ16L、16Rを区別して説明する必要がない箇所においては、単に流路15やハロゲンランプヒータ16として説明する。
流路15が、隔壁15fにより区分されており、各流路15L、15Rに各ハロゲンランプヒータ16L、16Rが配置されているので、各流路15L、15Rあたりのイソプロピルアルコールの流路断面積は、隔壁15fがない場合の流路断面積の半分となる。
流入口15dへは毎分数Lのイソプロピルアルコールが供給される。一つの流路15L、15Rあたりの単位時間あたりのイソプロピルアルコールの流量は、隔壁15fがない場合の流量の半分となるため、ハロゲンランプヒータ16L、16Rは消費電力の小さいもの(隔壁15fがない場合に、イソプロピルアルコールを加熱蒸発する温度まで充分に輻射加熱するために必要なハロゲンランプヒータの半分程度の能力のもの)であっても、各流路15L、15Rを流れるイソプロピルアルコールを充分に輻射加熱することができる。
本実施形態において、ハロゲンランプヒータ16は、近赤外線の放射源であるフィラメントが透明石英ガラス製の管内部に封止された構成となっている。また、本実施形態において、ハロゲンランプヒータ16の管は直管である。
ハロゲンランプヒータ16には、電源(図示せず)が接続されており、所望の電力が要求される。本実施形態においては、ハロゲンランプヒータ16は消費電力が6kWである。
なお、当該電源は、制御部(図示せず)により制御される。当該制御部は、前記電源からの電力の供給量を調節することにより、近赤外線の放射量を制御することができるように構成されている。
当該ハロゲンランプヒータ16は、フィラメントが管内部に封止されているため、気流等の外乱の影響を受けにくく、また、前記電源からの電力の供給量に応じた温度の立ち上がり、立ち上がりの応答性が良い。
本実施形態においては、ハロゲンランプヒータ16の下方周囲には反射部材17が備えられている。反射部材17は、底面部17aと当該底面部の両端から斜め上外方に延びる側面部17bとを備えている。反射部材17は、例えばステンレス鋼鏡面仕上げ板から構成されている。
当該構成により、ハロゲンランプヒータ16から下方や側方に照射された近赤外線は流路15に向けて反射させられる。これにより、流路15を通過するイソプロピルアルコールのより効率的な輻射加熱が行われる。
さらに、本実施形態において、ハロゲンランプヒータ16の上方には、当該ハロゲンランプヒータ16の上面を覆う透明石英ガラス製のカバー部材19が備えられている。
底面部15aは、ハロゲンランプヒータ16に対面し当該ハロゲンランプヒータ16から放射される近赤外線を透過させやすいように、透明石英ガラスから構成されている。
ハロゲンランプヒータ16は、流路15の底面部15aの下方において当該底面部15aに対面するように流路15に沿って配置されており、底面部15aはハロゲンランプヒータ16の近赤外線を流路15内へ透過させる領域が透明石英ガラスから構成されていることから、流路15を通過するイソプロピルアルコールは流入口15dから流出口15eに到達するまでにハロゲンランプヒータ16によって効率的に輻射加熱され沸点に至る。
なお、本実施形態においては、底面部15aの厚みは、少なくとも貯留槽14の底面14aのうち、底面部15a以外の部分の厚みよりも薄く構成されている。
上述のとおり、本実施形態においては、底面部15aの厚みは3mmである。しかし、貯留槽14の底面14aのうち底面部15a以外の部分の厚みは5mmである。ハロゲンランプヒータ16の近赤外線は、効率的に流路15を流れるイソプロピルアルコールの輻射加熱に使用される。
上述のように、本実施形態においては、天面部15bの厚み5mmであり、底面部15aの厚みは3mmである。つまり、天面部15bの厚みは、底面部15aよりも厚い。流路15の流入口15dに沸点よりも低い温度のイソプロピルアルコールが供給されると、貯留槽14に貯留されているイソプロピルアルコールの温度が天面部15bを介して奪われる。流路15の流入口15dに、沸点よりも低い温度のイソプロピルアルコールが供給されても、天面部15bの厚みが底面部15aよりも厚いことから、貯留槽14に貯留されているイソプロピルアルコールの温度が天面部15bを介して奪われることを抑制することができる。また、天面部15bの厚みは底面部15aの厚みよりも厚いことから、近赤外線の透過率は、底面部15aに対して天面部15bが低く、当該天面部15bは近赤外線により底面部15aよりも加熱される。この天面部15bからの伝熱によってもイソプロピルアルコールを加熱することができる。
また、天面部15bの厚みは、底面部15aの厚みよりも厚いことから、底面部15aよりもハロゲンランプヒータ16の近赤外線が透過しにくい。つまり、天面部15bは加熱されやすい。当該天面部15bからの伝熱によっても、貯留槽14内のイソプロピルアルコールの加熱が行われる。
ハロゲンランプヒータ16からの近赤外線の放射は、透明石英ガラスを透過して、イソプロピルアルコールに直接作用する。イソプロピルアルコールは、照射された近赤外線により分子間で振動運動を起こし、熱に変換されることで効率的に輻射加熱される。
その際、流路15のうち流入口15d側の流路断面積は、流出口15e側の流路断面積よりも狭いことから、流入口15d側は流出口15e側よりもイソプロピルアルコールの熱容量が相対的に小さいためハロゲンランプヒータ16によって、より効率的に輻射加熱されることとなる。
上記のとおり、流路15を流れるイソプロピルアルコールは、ハロゲンランプヒータ16からの輻射加熱により沸点に至り、貯留槽14内を滞留しながら蒸気となって乾燥室13に充満する。
乾燥室13内の所定位置に搬入される前の半導体ウエハ1の温度は室温に近い。乾燥室13内に搬入直後の半導体ウエハ1の表面の温度は、イソプロピルアルコールの蒸気の温度よりも低いことから、当該蒸気は半導体ウエハ1の表面に凝縮する。
この凝縮したイソプロピルアルコールが半導体ウエハ1の表面を流れ落ちる際に、当該表面に付着している異物(乾燥装置10に搬入される前の洗浄装置において半導体ウエハ1を洗浄するために使用された洗浄液の残留)も流れ落ち、半導体ウエハ1の表面が洗浄される。
このように乾燥室13内のイソプロピルアルコールの蒸気が半導体ウエハ1の表面に凝縮することが繰り返されるなかで、当該表面の温度は次第に上昇する。当該表面の温度が当該蒸気の温度となったときに当該蒸気は凝縮しなくなり、当該表面の洗浄は終了する。このとき、半導体ウエハ1の表面は乾燥状態となる。
その後、半導体ウエハ1はハンドリングマシーン2によって、乾燥室13から冷却室12を通って乾燥装置10外へ搬出される。
乾燥室13内のイソプロピルアルコールの蒸気は、冷却室12において冷却されて、筐体11の内壁や冷却コイル12aの表面に凝集して液化するため、乾燥装置10の外部へ漏れ出ることが抑制される。この液化したイソプロピルアルコールは回収樋12bに回収されたあと送液管(図示せず)を介して流路15に導かれ、貯留槽14に供給される。
貯留槽14には、貯留されたイソプロピルアルコールの液位を測定するレベル計や、温度を測定する温度計等が備えられている。当該レベル計や温度計の測定値は制御部に送られ、当該制御部はこれらの測定値に基づいて、貯留槽14へ供給するイソプロピルアルコールの供給量や、ハロゲンランプヒータ16のオンオフを制御する。
例えば、貯留槽14に貯留されているイソプロピルアルコールの液位が、所定の下限レベルとなると、流路15を介してイソプロピルアルコールが貯留槽14へと供給され、所定の上限レベルとなると当該供給が停止される。
また、貯留槽14に貯留されているイソプロピルアルコールの温度が、所定の下限レベルになると、ハロゲンランプヒータ16がオンにされ流路15のイソプロピルアルコールが加熱され、所定の上限レベルになるとハロゲンランプヒータ16がオフにされる。
乾燥室13と貯留槽14との間には、半導体ウエハ1から滴下するイソプロピルアルコールを回収する回収部18が備えられている。回収部18には排液管18bが接続されている。当該排液管18bは筐体11を貫通して、乾燥装置10の外部に連通している。当該回収部18に回収されたイソプロピルアルコールは、排液管18bを介して乾燥装置10の外部へ排液される。なお、排液管18bには仕切弁(図示せず)が備えられている。
本実施形態において、回収部18には全面的に複数の通気口18aが備えられている、通気口18aはいわゆるルーバであり、半導体ウエハ1から滴下するイソプロピルアルコールは貯留槽14には通過させず、貯留槽14から発生するイソプロピルアルコールの蒸気は乾燥室13へと通過させるように構成されている。イソプロピルアルコールの蒸気を、通気口18aを介して乾燥室13内に素早く安定的に充満させることができる。
半導体ウエハ1から滴下し回収されるイソプロピルアルコールには、イソプロピルアルコール以外の物質が混入している虞がある。貯留槽14のイソプロピルアルコールが汚染されると、半導体ウエハ1の品質低下の懸念や、イソプロピルアルコールの入れ替え作業等が必要となってしまう。
これに対して、上述の構成であると、当該回収部18において回収されたイソプロピルアルコールを貯留槽14に戻すことなく乾燥装置10外へ排液することができる。貯留槽14には流路15から供給された新しいイソプロピルアルコールに、半導体ウエハ1から滴下したイソプロピルアルコールが混入することがないため、半導体ウエハ1の品質低下の懸念や、上記入れ替え作業が不要である。
貯留槽14の底面14aには排液管14bが連通している。当該排液管14bを介して、貯留槽14内のイソプロピルアルコールが排液される。なお、排液管14bには仕切弁(図示せず)が備えられている。
以上のように、半導体ウエハ1の洗浄乾燥処理を滞りなく効率的に実施することができる乾燥装置10を提供することができる。
上述した実施形態においては、乾燥対象物が半導体ウエハ1である場合について説明したが、この限りではない。乾燥対象物は、イソプロピルアルコールの蒸気により洗浄乾燥可能な物であればよく、例えば、半導体基材や精密光学部品等であってもよい。
上述した実施形態においては、処理液がイソプロピルアルコールである場合について説明したが、この限りではない。処理液は、ハロゲンランプヒータ16の輻射加熱により蒸気になるものであればよい。
上述した実施形態においては、貯留槽14の寸法が400mm×300mm程度であり、イソプロピルアルコールの液位が貯留槽14の底面14aから50mm程度に設定されている場合について説明したが、この限りではない。貯留槽14の寸法に応じて適当な液位が設定される。
上述した実施形態においては、天面部15b、側面部15c及び隔壁15fの厚みは5mmである場合について説明したが、この限りではない。例えば、天面部15b、側面部15c及び隔壁15fの厚みは、3mm~8mm程度であればよい。また、天面部15b、側面部15c及び隔壁15fは、一部が他部よりも又はそれぞれ厚みが異なっていてもよい。
上述の実施形態においては、底面部15aの厚みは3mmであり、貯留槽14の底面14aのうち底面部15a以外の部分の厚みは5mmである場合を例に説明したが、この限りではない。例えば、底面14aのうち底面部15a以外の部分の厚みは、3~8mm程度であればよく、また、底面14a及び底面部15aの厚みが均一であってもよい。
上述した実施形態においては、ハロゲンランプヒータ16は管が直管である場合について説明したが、この限りではない。ハロゲンランプヒータ16の管は、例えば曲管であってもよい。
上述の実施形態においては、ハロゲンランプヒータ16は消費電力が6kWであったが、この限りではない。流路15の寸法や流量に応じて、イソプロピルアルコールが流路15を通過するまでに沸点に至るまで輻射加熱可能なものであればよい。
上述した実施形態においては、ハロゲンランプヒータ16からの放射を効率的に使用するために、ハロゲンランプヒータ16の下方周囲には反射部材17が備えられている場合について説明したが、この限りではない。反射部材17を備えずに、例えば、ハロゲンランプヒータ16の透明石英製のガラス管を部分的にアルミニウム、金、銅等を蒸着やスパッタリング等したり、反射膜をコーティングしたりして鏡面処理することで、一定方向へ放射させる構成であってもよい。
上述した実施形態においては、ハロゲンランプヒータ16の上方には、当該ハロゲンランプヒータ16の上面を覆う透明石英ガラス製のカバー部材19が備えられている場合について説明したが、この限りではない。カバー部材19をそなえなくてもよい。また、底面部15aにリブを備えるような構成であってもよい。
上述した実施形態においては、二区分されたそれぞれ流路15(15L、15R)に沿って、二つのハロゲンランプヒータ16(16L、16R)が配置されている場合について説明したが、この限りではない。二区分された流路15(15L、15R)の下方に、一つの大型のハロゲンランプヒータ16が配置される構成であってもよい。
上述した実施形態においては、流路15には、流入口15dの近傍から流出口15eにかけて、一枚の隔壁15fが設けられている場合について説明したが、この限りではない。流路15を区分する二枚以上の隔壁15fが備えられていてもよいし、隔壁15fが備えられていなくてもよい。その際、ハロゲンランプヒータ16の能力は、流路15の流路断面積、イソプロピルアルコールの単位時間あたりの流量に応じて選定される。
上述した実施形態においては、底面部15aの厚みが、少なくとも貯留槽14の底面14aのうち底面部15a以外の部分の厚みよりも薄く構成されている場合について説明したが、この限りではない。底面部15aの厚みと、貯留槽14の底面14aのうち当該底面部15a以外の部分の厚みとが同じであってもよい。この場合は、同じ厚みの石英ガラスを用いることができるため製造が容易である。
上述した実施形態においては、天面部15bの厚みが、底面部15aの厚みよりも厚い場合について説明したが、この限りではない。例えば、天面部15bの厚みと、底面部15aの厚みとが同じであってもよい。この場合は、同じ厚みの石英ガラスを用いることができるため製造が容易である。また、天面部15bの厚みは、底面部15aの厚みよりも薄くてもよい。この場合は、ハロゲンランプヒータ16の近赤外線を貯留槽14内にまでより透過させることができる。
上述した実施形態においては、回収部18には全面的に複数の通気口18aが備えられている場合について説明したが、この限りではない。通気口18aが回収部18の外周部にのみ備えられている構成であってもよい。
上述したいずれかの実行形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実行形態で開示される構成と組み合わせて適用でき、また、本明細書において開示された実行形態は例示であって、本件発明の実行形態はこれに限定されず、本件発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
1 :半導体ウエハ
2 :ハンドリングマシーン
10 :乾燥装置
11 :筐体
12 :冷却室
12a :冷却コイル
13 :乾燥室
14 :貯留槽
14a :底面
14b :排液管
15 :流路
15L :流路
15R :流路
15a :底面部
15b :天面部
15c :側面部
15d :流入口
15e :流出口
15f :隔壁
16 :ハロゲンランプヒータ
16L :ハロゲンランプヒータ
16R :ハロゲンランプヒータ
17 :反射部材
17a :底面部
17b :側面部
18 :回収部
18a :通気口
18b :排液管
19 :カバー部材

Claims (8)

  1. 処理液が貯留される貯留槽と、前記処理液を加熱蒸発させるハロゲンランプヒータと、前記貯留槽の上方に配置され前記処理液の蒸気が充満する乾燥室と、を備え、
    前記乾燥室内において乾燥対象物に前記処理液の蒸気を凝縮させて当該乾燥対象物を洗浄乾燥するように構成された乾燥装置であって、
    前記貯留槽は当該貯留槽の底面と底面部を共通する流路を備え、
    前記流路は前記貯留槽を貫通するように設けられた流入口と前記貯留槽内において開放されるように設けられた流出口とを備え、
    前記ハロゲンランプヒータは前記底面部の下方において前記流路に沿って配置されており、
    前記底面部は透明石英ガラスから構成され当該ハロゲンランプヒータから放射される近赤外線を透過させることを特徴とする乾燥装置。
  2. 前記流路の天面部は、前記貯留槽に貯留された前記処理液の液面より下方において、前記流入口から前記流出口にかけて前記底面部からの距離が大きくなるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
  3. 前記天面部は透明石英ガラスから構成されていることを特徴とする請求項2に記載の乾燥装置。
  4. 前記天面部の厚みは、前記底面部の厚みよりも厚いことを特徴とする請求項3に記載の乾燥装置。
  5. 前記貯留槽は全面が透明石英ガラスから構成されており、
    前記底面部の厚みは、少なくとも前記貯留槽の底面のうち当該底面部以外の部分の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
  6. 前記流路は、前記流入口の近傍から前記流出口にかけて隔壁により区分されており、
    前記ハロゲンランプヒータは前記底面部の下方において、区分されたそれぞれの前記流路に沿って複数が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
  7. 前記ハロゲンランプヒータの下方周囲には、前記ハロゲンランプヒータから下方や側方に照射された近赤外線を前記流路に向けて反射する反射部材が備えられていることを特徴とする請求項1又は6に記載の乾燥装置。
  8. 前記乾燥室と前記貯留槽との間には、前記乾燥対象物から滴下する前記処理液を回収する回収部が備えられ、
    前記回収部には、前記乾燥対象物から滴下する前記処理液は前記貯留槽には通過させず、前記貯留槽から発生する前記処理液の蒸気は前記乾燥室へと通過させる通気口が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。

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