JP7843569B1 - スピネル型アルミニウム酸化物およびその製造方法 - Google Patents

スピネル型アルミニウム酸化物およびその製造方法

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Abstract

【課題】油中水型ピッカリングエマルションを活用したスピネル型アルミニウム酸化物の製造方法の提供。
【解決手段】(1)結晶系がベーマイトの水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液とを混合する工程、(2)工程(1)の水溶液に水に不溶性の有機溶剤を混合し、水相と有機溶剤相の相分離状態を形成する工程、(3)工程(2)の相分離状態の液全体にせん断をかけることにより、油中水型(W/O)のピッカリングエマルションを形成し、有機溶媒相にスピネル前駆体を作製する工程、(4)せん断をかけた液を静置して、水相と有機溶剤相に相分離させる工程、(5)工程(4)の相分離液から有機溶剤相を取り出す工程、(6)工程(5)の有機溶剤相を乾燥することで、ケーキを得る工程、(7)工程(6)のケーキを700~1200℃で2~8時間焼成する工程、(8)工程(7)で得た焼成物を粉砕する工程を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、比表面積の高いスピネル型アルミニウム酸化物およびその製造方法に関する。
スピネル化合物は各種方法で作製されている。例えば、特許4622010号公報(特許文献1)には、水酸化アルミニウムを酸に溶解させて調整したアルミニウム塩と水酸化マグネシウムを酸に溶解させ、調整したマグネシウム塩を混合し、共沈させた共沈物を乾燥し、焼成してスピネル粉末を合成し、焼成後に粉砕する方法が開示されている。この方法では、水酸化アルミニウムを酸に高濃度溶解するには高温で長時間溶解する必要があり、また共沈法で作製するため、スピネル前駆体が沈降するまで長時間を要し、仕込み量が多量になった場合、沈降物の上部と下部で組成バラツキを生む課題がある。併せて多量の水分を含むため、長時間の乾燥が必要であり、生産性が悪い。
特許文献2(特許6976642号公報)には、ベーマイトアルミナの水性スラリーに熱水熟成を100~210℃の温度で1~6時間実施した後、マグネシウム前駆体含有水性組成物と混合することで、水性スピネル前駆体を生じさせ、水を除去し、無水スピネル前駆体を生じさせ、焼成することによってアルミン酸マグネシウムスピネルを合成する方法が示されている。この方法では、熱水熟成を行うために高温高圧にするための大型のバッチ処理反応設備が必要になり生産性が悪くなる。
特許文献3(特許6254150号公報)には、アルミニウムアルコキサイドに加水分解をおこさせ生成させたベーマイトアルミナとマグネシウム前駆体の混合物、アルミニウム-マグネシウム混合アルコキサイドに共加水分解をおこさせることで得られた酸化物、水酸化物及びこれらの混合物からなるスピネル前駆体の水性スラリーに熱水熟成を行い、スピネル前駆体の熱水熟成スラリーを作製し、熱水熟成スラリーを乾燥させた後、焼成することによりアルミン酸マグネシウムスピネルを得る方法が開示されている。特許文献2と同様に、熱水熟成を行うためには高温高圧にするための大型のバッチ処理反応設備が必要になり、生産性が悪くなる。
特許文献4(特開昭59-232915号公報)には、水溶性のMg化合物及び水溶性Al化合物の水溶液をアルコール存在下においてアルカリでpH調整し、得られた沈殿物を焼成することにより微粒状マグネシウム・アルミニウムスピネル用原料粉体を合成する方法が示されている。この方法では、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物と水と低級アルコールを混合したものにアンモニア水や苛性ソーダ等のアルカリ剤を入れてpHを10~13に調整して、共沈させてスピネル前駆体を得ることになり、特許文献1と同様に、スピネル前駆体が沈降するまで長時間を要し、仕込み量が多量になった場合、沈降物の上部と下部で組成バラツキを生む課題がある。
特許文献5(特開2019-64915号公報)には、ベーマイトアルミナとマグネシウム前駆体の混合物、アルミニウムとマグネシウムの酸化物もしくは水酸化物等からなるスピネル前駆体の水性スラリーに熱水熟成を行い、熟成スピネル前駆体スラリーを作製する。その熟成スピネル前駆体スラリーを乾燥させ、焼成することでアルミン酸マグネシウムスピネルを合成する方法が開示されている。この方法でも、特許文献2と同様に、熱水熟成を行うために高温高圧にするための大型のバッチ処理反応設備が必要になり、生産性が悪くなる。
特許4622010号公報 特許6976642号公報 特許6254150号公報 昭59-232915号公報 特開2019-64915号公報
上記の問題点を鑑みて、本発明の目的は熱水熟成等を実施せずに油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを活用し、前駆体を作製し、焼成することによって比表面積の大きな特定のスピネル型アルミニウム酸化物の効率的な製造方法を提供するものである。
即ち、本発明は以下の態様を提供する:
[1]
化学式:MAl24(式中、MはNi、Co、Mgのいずれか一つを表す。)を有するスピネル構造をとる化合物を主成分とするスピネル型アルミニウム酸化物であって、前記スピネル型アルミニウム酸化物が、レーザー回折粒度分布計で測定した粒子径のD50が5~500μm、比表面積が10~120m/gを有することを特徴とするスピネル型アルミニウム酸化物。
[2]
(1)結晶系がベーマイトの水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液とを混合する工程、
(2)工程(1)で得られた水溶液に水に不溶性の有機溶剤を混合し、水相と有機溶剤相の相分離状態を形成する工程、
(3)工程(2)で得られた相分離状態の液全体にせん断をかけることにより、油中水型(W/O)のピッカリングエマルションを形成し、有機溶媒相にスピネル前駆体を作製する工程、
(4)工程(3)でせん断をかけた液を静置して、水相と有機溶剤相に相分離させる工程、
(5)工程(4)の相分離液から有機溶剤相を取り出す工程、
(6)工程(5)で取り出した有機溶剤相を乾燥することで、ケーキを得る工程、
(7)工程(6)で得たケーキを700~1200℃で2~8時間焼成する工程、
(8)工程(7)で得た焼成物を粉砕する工程を含み、
前記工程(1)のNi、Co、Mgのいずれか金属種を含有する水溶液は、Ni、Co、Mgの硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物塩のうちの1つ以上を水に溶解したものを用い、その水溶液の添加量は水分散アルミナゾルとNi、Co,Mgいずれかの金属種を含有する水溶液との質量の0.7~20質量%であり、
前記工程(1)の水分散アルミナゾルのAl換算濃度が1~12質量%であり、水分散アルミナゾルの動的光散乱粒度分布計で測定した粒子径のD50が0.005~0.5μmのものを使用し、
前記工程(3)の油中水型のピッカリングエマルションを形成するために有機溶媒相に用いる有機溶媒は、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒またはエステル系溶媒であり、沸点が85~200℃のものを使用し、
前記結晶系がベーマイトの水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比率(B)/(A)=0.2~0.8であり、
得られた粉砕物の主成分が、化学式:MAl24(式中、MはNi、Co、Mgのいずれか一つを表す。)を有するスピネル構造をとる化合物であることを特徴とする[1]記載のスピネル型アルミニウム酸化物の製造方法。
[3]
工程(1)における水分散アルミナゾルにおけるアルミナの結晶系は、ベーマイトであり、保護分子がグリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ベタイン、NNアミノベタイン、アルギン酸、グルタミン酸、ギ酸、酢酸から選ばれる1種類以上であることを特徴とする[2]記載のスピネル型アルミニウム酸化物の製造方法。
[4]
工程(3)で油中水型のピッカリングエマルションを形成するためにせん断をかける装置としては、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、プロペラミキサー、ホモミキサーまたはディスパ―のいずれかであることを特徴とする[2]または[3」記載のスピネル型アルミニウム酸化物の製造方法。
[5]
工程(7)の焼成が、ケーキをアルミナ製るつぼまたはアルミナ製匣鉢に入れて700~1200℃で2~8時間焼成し、焼成環境が大気中、窒素中、真空中で行われる、[2]または[3」記載のスピネル型アルミニウム酸化物の製造方法。
[6]
前記工程(3)の油中水型のピッカリングエマルションを形成するために有機溶媒相に用いる有機溶媒は、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒またはエステル系溶媒であり、且つ有機溶媒中の炭素数が4~12の範囲で構成されていることを特徴とする[2]または[3」記載のスピネル型アルミニウム酸化物の製造方法。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物およびその製造方法は、熱水熟成等の高温高圧プロセスを使用せずに共沈法のように成分が沈降することを長時間待つ必要がなく、成分バラツキをきわめて小さく抑えることができる製造方法を提供することが可能である。また、本発明の化学式:MAl24(式中、MはNi、Co、Mgのいずれか一つを表す。)を有するスピネル構造をとる化合物を主成分とするスピネル型アルミニウム酸化物は、高い比表面積を持つことが確認できた。本発明のスピネル型アルミニウム酸化物は、アルミナゾルを使用した油中水型(W/O)ピッカリングエマルション作製工程を活用し、エマルション作製工程、乾燥工程、焼成工程、粉砕工程の最適化を図ることにより、製造することが可能である。
実施例1で得られたスピネル型アルミニウム酸化物のX線回折図である。 比較例4でられたスピネル型アルミニウム酸化物のX線回折図である。 実施例1で得られたスピネル型アルミニウム酸化物の電界放出型分析走査電子顕微鏡で撮影した像(×50,000倍)である。 実施例4で得られたスピネル型アルミニウム酸化物の電界放出型分析走査電子顕微鏡で撮影した像(×50,000倍)である。 実施例8で得られたスピネル型アルミニウム酸化物の電界放出型分析走査電子顕微鏡で撮影した像(×50,000倍)である。
(定義)
本明細書中において、数値範囲、具体的には「x~y」はx以上y以下(xおよびyは共に数値を表す。)を表現している。
(スピネル型アルミニウム酸化物の説明)
本発明では、化学式:MAl24(式中、MはNi、Co、Mgのいずれか一つを表す。)を有するスピネル構造をとる化合物を主成分とするスピネル型アルミニウム酸化物を提供する。本発明のスピネル型アルミニウム酸化物は比表面積10~120m/gを示すことを特徴としている。
(ピッカリングエマルションの説明)
ピッカリングエマルションとは、水と油の界面に界面活性剤ではなく固体微粒子を吸着させることで乳化する方法、またはその乳化液を指す。界面活性剤不使用で、高い乳化安定性、多様なエマルション形成が可能である特徴を有する。
(スピネル構造の説明)
スピネルは酸化鉱物の一種で、その化学組成はMgAlで結晶系は等軸晶系である。このスピネルの結晶構造をスピネル型構造と呼び、ABの組成を持つ三元系物質(式中、AもBも金属元素を表す。)でよく見られる構造をいう。酸化物だけではなく、硫化物や窒化物でもスピネル構造をとる物質がある。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物は、化学式:MAl24(式中、MはNi、Co、Mgのいずれか一つを表す。)を有するスピネル構造をとる化合物を主成分とするものであり、レーザー回折粒度分布計で測定した粒子径のD50が5~500、比表面積が10~120m/gを有する。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物は、レーザー回折粒度分布計で測定した粒子径のD50が5~500μm、好ましくは7~450μm、より好ましくは10~400μmである。粒子径はレーザー回折式粒度分布計(マルバーン・パナリティカル製マスターサイザー3000)を用いて、水溶媒で湿式測定したものを用いることとする。粒子径のD50が5μm未満になると粉体の流動性が悪くなり、加工時の取り扱いが難しくなる課題があり、粒子径のD50が500μmを超えるとコーティング等の加工時に粒子径が大きすぎて塗膜に入らないことや耐火物への焼結フィラーとして使用した際に焼結時の欠陥となることが予測され、用途が限定される。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積は10~120m/g、好ましくは12~115m/g、より好ましくは15~110m/gである。本発明では、比表面積は比表面積測定装置(株式会社島津製作所製のGeminiVII2390a)で測定した値を使用する。比表面積が5m/g未満になると触媒担持体等として使用する際に比表面積が小さすぎて、触媒担持力が低く、触媒担持体として使用できない。一方で比表面積が120m/gよりも大きくなると、比表面積が大きくなりすぎて、無機顔料として使用する際に樹脂に配合する油分や水分、染料を吸着することで材料系を不安定にしてしまい、加工が不安定になる。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物の合成に用いる水分散アルミナゾルの保護分子はグリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ベタイン、NNアミノベタイン、アルギン酸、グルタミン酸、ギ酸、酢酸から選ばれる1種類以上であれば、単独でも組み合わせでも問題ない。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物の合成に用いる水分散アルミナゾルの結晶系はベーマイトであることが必要である。αアルミナ、γアルミナ、θアルミナであると既にアルミナの結晶構造を持っている為、スピネル型アルミニウム酸化物を形成しにくいと考えられる。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物の合成に用いる水分散アルミナゾルの粒子径のD50=0.005~0.5μm、好ましくは0.01~0.4μm、より好ましくは0.015~0.3μmである。アルミナゾルの粒度分布は動的光散乱粒度分布計(マルバーン・パナリティカル製ゼータサイザープロ)で測定を実施している。D50が0.005μm未満になると粒子径が小さすぎて、ピッカリングエマルションを形成するのが難しくなる。一方でD50が0.5μmを超えると粒子径が大きすぎて水分散アルミナゾルの保管安定性が悪くなる。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物の合成に用いる水分散アルミナゾルのAl換算濃度が1~12質量%、好ましくは1.5~11質量%、より好ましくは2~10.5質量%である。水分散アルミナゾルのAl換算濃度が1質量%未満になると水分散アルミナゾル中のアルミナ濃度が低すぎて、ピッカリングエマルションを形成するのが難しくなる。一方でAl換算濃度が12質量%を超えると水分散アルミナゾルの粘度が高くなり、ピッカリングエマルション形成が難しくなる。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物を合成用に油中水型(W/O)のピッカリングエマルションを形成するために有機溶媒相に用いる有機溶媒は非水溶性且つ油中水型(W/O)のピッカリングエマルションを形成可能な溶媒であり、具体的には炭化水素系溶媒、例えばノナン、デカン等;ケトン系溶媒、例えばメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等;アルコール系溶媒、例えばペンタノール、オクタノール等;エステル系溶媒、例えば酢酸ブチル、乳酸ブチル等の1つ以上が選択可能である。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物を合成用に油中水型(W/O)のピッカリングエマルションを形成するために有機溶媒相に用いる有機溶媒は、好ましくは沸点が85~200℃を有するものである。沸点が85℃未満になるとピッカリングエマルションを形成するために水相と有機溶媒相にせん断をかけた際に発熱し、有機溶媒相の揮発が進んでしまい、狙いの油中水型(W/O)のピッカリングエマルションが形成できなくなり、一方で沸点が200℃を超えると有機溶媒相を分離した後、乾燥する際に設定温度を高くすることや乾燥に長時間かかることにより、生産性を悪化させる。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物を合成用に油中水型(W/O)のピッカリングエマルションを形成するために有機溶媒相に用いる有機溶媒は、好ましくは有機溶媒の炭素数が4~12の範囲で構成されていることが必要である。有機溶媒の炭素数が4未満になると沸点が低くなり、ピッカリングエマルションを形成するために水相と有機溶媒相にせん断をかけた際に発熱し、有機溶媒相の揮発が進んでしまい、狙いの油中水型(W/O)のピッカリングエマルションが形成できなくなり、一方で有機溶媒中のCの数が12を超えると沸点が高くなり、有機溶媒相を分離した後、乾燥する際に設定温度を高くすることや乾燥に長時間かかることにより、生産性を悪化させる。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物を合成するために使用するNi、Co、Mgのいずれかの水溶液は、Ni、Co、Mgの硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物塩のうちの1つ以上を水に溶解したものを用い、その水溶液は水分散アルミナゾル水溶液とNi、Co、Mgのいずれかの水溶液の合計の水溶液質量に対してNi、Co、Mgのいずれかの水溶液の量が0.7~20質量%、好ましくは1~19質量%、より好ましくは2~18質量%で使用できる。Ni、Co、Mgのいずれかの水溶液が0.7質量%未満である場合、液が希薄であるため、MAlの化学量論比にするために多量の水分散アルミナゾルが必要になり、生産性が悪化する課題がある。一方で20質量%を超える場合、MAlの化学量論比にするために水分散アルミナゾルのAl2O3換算濃度の高いものを使用する必要があり、水分散アルミナゾルの使用時の粘度等が生産時の課題になる。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物を合成するために使用する結晶系がベーマイトの水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比率(B)/(A)=0.2~0.8、好ましくは(B)/(A)=0.25~0.75、より好ましくは(B)/(A)=0.3~0.7である。(B)/(A)=0.3未満になると油中水型ピッカリングエマルションを形成する有機溶媒相の体積が少なすぎて、油中水型ピッカリングエマルションを十分保持できなくなり、生産性が悪化する。一方で(B)/(A)=0.7を超えると有機溶媒相の量が多すぎて、水相と有機溶剤の分離及び乾燥に時間を要する為、生産性が悪化する。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物を合成するために油中水型(W/O)のピッカリングエマルションを形成するためにせん断をかける装置としては水溶液にせん断力をかけられるものであればよく、具体的にはホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、プロペラミキサー、ホモミキサー、ディスパ―のいずれかから選択される。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物を合成するために油中水型(W/O)のピッカリングエマルションを形成したのち、水相と有機溶剤相を分離し、有機溶剤相を取り出す工程においては、分液ロート、液-液抽出装置、釜下抜きでの液分離のいずれかから選択される。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物を合成するために実施する焼成工程において乾燥物をアルミナ製るつぼ、アルミナ製匣鉢に入れて700~1200℃、好ましくは750~1170℃、より好ましくは800~1150℃で2~8時間、好ましくは2.5~7.5時間、より好ましくは3~7時間焼成し、焼成環境が大気中、窒素中、真空中で行うことが必要である。温度が700℃未満になると焼成温度が不足し、MAlのスピネル構造が形成されなくなる課題がある。一方で1200℃を超えると専用の炉が必要になり、昇温及び降温に時間を要する為、生産性が悪化する課題がある。焼成時間が1時間未満になると焼成時間が不足し、MAlのスピネル構造が形成されなくなる課題がある。一方で8時間を超えると焼成時間が非常に長くなり、生産が悪化する課題がある。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物の製造方法における乾燥工程は有機溶媒を乾燥しきれればよく、熱風循環式乾燥機、棚段乾燥機、振動乾燥機、真空乾燥機で乾燥してもよい。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物を合成するために使用する焼成炉はバッチ炉、昇降炉、プッシャー炉、コンベア炉から選ばれる炉が望ましい。
本発明のスピネル型アルミニウム酸化物の製造方法における粉砕は、種々の粉砕機、具体的には乳鉢、自動乳鉢、ポットミル、ボールミル、石臼式粉砕機、ピンミルまたはハンマーミルで行われるのが好ましい。本発明では、粉砕時に金属などのコンタミ(不純物金属元素)を防止するために、粉砕機の接粉部がSUS、樹脂、アルミナ、アルミナ溶射でアルミナコーティングを施した材料等を利用していることが望ましい。
本発明を実施例により更に詳細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものと解釈してはならない。実施例中、部や%は全て指示しない限り質量に基づく。
(実施例1)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:4質量%の保護分子がグリシンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を30mlに7.3質量%の硝酸ニッケル水溶液を30ml混合し、シクロヘキサノン40mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけることにより、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成する。300mlのセパラブルフラスコ内の液を200mlの分液ロートに移し替え、下層の水相を取り除き、上層のシクロヘキサノン相を100mlのアルミナ製坩堝に移し替え、150℃設定の熱風循環式乾燥機で30分乾燥を行う。乾燥後のアルミナ製坩堝をバッチ式焼成炉にて大気中1000℃で5時間焼成を行う。焼結粉をアルミナ乳鉢で10分すり潰して、酸化物を得た。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.4である。
後述する表1に、実施例1のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)を記載した。
更に、表1には、実施例1で得られたスピネル型アルミニウム酸化物について、粒度分布を下記のように測定してD50を記載する。粒度分布はレーザー回折式粒度分布計(マスターサイザー3000;マルバーン・パナリティカル製)で水溶媒にて湿式測定したD50を示す。
また、実施例1で得られたスピネル型アルミニウム酸化物について、比表面積を下記のように測定してD50を表1に記載する。比表面積は比表面積測定装置(GeminiVII2360a;株式会社島津製作所製)でNを用いて測定を実施した。
実施例1で得られたスピネル型アルミニウム酸化物について、結晶相はX線回折装置を用いて測定し、結晶系を表1に記載する。X線回折装置はデスクトップX線回折装置(Miniflex;株式会社リガク製)で測定を実施した。
(実施例2)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:4質量%の保護分子がグリシンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を30mlに9.1質量%の硝酸ニッケル水溶液を30ml混合し、シクロヘキサノン40mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけることにより、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成する。300mlのセパラブルフラスコ内の液を200mlの分液ロートに移し替え、下層の水相を取り除き、上層のシクロヘキサノン相を100mlのアルミナ製坩堝に移し替え、150℃設定の熱風循環式乾燥機で30分乾燥を行う。乾燥後のアルミナ製坩堝をバッチ式焼成炉にて大気中1000℃で5時間焼成を行う。焼結粉をアルミナ乳鉢で10分すり潰して、酸化物を得た。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.4である。
実施例1と同様に、表1に実施例2のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
(実施例3)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:4質量%の保護分子がグリシンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を30mlに9.1質量%の硝酸コバルト水溶液を30ml混合し、シクロヘキサノン40mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけることにより、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成する。300mlのセパラブルフラスコ内の液を200mlの分液ロートに移し替え、下層の水相を取り除き、上層のシクロヘキサノン相を100mlのアルミナ製坩堝に移し替え、150℃設定の熱風循環式乾燥機で30分乾燥を行う。乾燥後のアルミナ製坩堝をバッチ式焼成炉にて大気中1000℃で5時間焼成を行う。焼結粉をアルミナ乳鉢で10分すり潰して、酸化物を得た。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.4である。
実施例1と同様に、表1に実施例3のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
(実施例4)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:4質量%の保護分子がグリシンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を30mlに3.0質量%の硝酸マグネシウム水溶液を30ml混合し、シクロヘキサノン40mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけることにより、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成する。300mlのセパラブルフラスコ内の液を200mlの分液ロートに移し替え、下層の水相を取り除き、上層のシクロヘキサノン相を100mlのアルミナ製坩堝に移し替え、150℃設定の熱風循環式乾燥機で30分乾燥を行う。乾燥後のアルミナ製坩堝をバッチ式焼成炉にて大気中1000℃で5時間焼成を行う。焼結粉をアルミナ乳鉢で10分すり潰して、酸化物を得た。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.4である。
実施例1と同様に、表1に実施例4のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
(実施例5)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:6質量%の保護分子がグリシンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を30mlに9.1質量%の硝酸ニッケル水溶液30ml混合し、シクロヘキサノン40mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけることにより、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成する。300mlのセパラブルフラスコ内の液を200mlの分液ロートに移し替え、下層の水相を取り除き、上層のシクロヘキサノン相を100mlのアルミナ製坩堝に移し替え、150℃設定の熱風循環式乾燥機で30分乾燥を行う。乾燥後のアルミナ製坩堝をバッチ式焼成炉にて大気中1000℃で5時間焼成を行う。焼結粉をアルミナ乳鉢で10分すり潰して、酸化物を得た。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.4である。
実施例1と同様に、表1に実施例5のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
(実施例6)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:4質量%の保護分子がグリシンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を30mlに7.3質量%の硝酸ニッケル水溶液を30ml混合し、乳酸ブチル40mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけることにより、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成する。300mlのセパラブルフラスコ内の液を200mlの分液ロートに移し替え、下層の水相を取り除き、上層の乳酸ブチル相を100mlのアルミナ製坩堝に移し替え、150℃設定の熱風循環式乾燥機で30分乾燥を行う。乾燥後のアルミナ製坩堝をバッチ式焼成炉にて大気中1000℃で5時間焼成を行う。焼結粉をアルミナ乳鉢で10分すり潰して、酸化物を得た。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.4である。
実施例1と同様に、表2に実施例6のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
(実施例7)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:4質量%の保護分子がバリンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を30mlに7.3質量%の硝酸ニッケル水溶液を30ml混合し、乳酸ブチル40mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけることにより、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成する。300mlのセパラブルフラスコ内の液を200mlの分液ロートに移し替え、下層の水相を取り除き、上層のシクロヘキサノン相を100mlのアルミナ製坩堝に移し替え、150℃設定の熱風循環式乾燥機で30分乾燥を行う。乾燥後のアルミナ製坩堝をバッチ式焼成炉にて大気中1000℃で5時間焼成を行う。焼結粉をアルミナ乳鉢で10分すり潰して、酸化物を得た。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.4である。
実施例1と同様に、表2に実施例7のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
(実施例8)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:4質量%の保護分子がグリシンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を30mlに7.3質量%の硝酸ニッケル水溶液を30ml混合し、乳酸ブチル40mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけることにより、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成する。300mlのセパラブルフラスコ内の液を200mlの分液ロートに移し替え、下層の水相を取り除き、上層のシクロヘキサノン相を100mlのアルミナ製坩堝に移し替え、150℃設定の熱風循環式乾燥機で30分乾燥を行う。乾燥後のアルミナ製坩堝をバッチ式焼成炉にて大気中800℃で5時間焼成を行う。焼結粉をアルミナ乳鉢で10分すり潰して、酸化物を得た。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.4である。
実施例1と同様に、表2に実施例8のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
(実施例9)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:4質量%の保護分子がグリシンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を20mlに7.3質量%の硝酸ニッケル水溶液を20ml混合し、シクロヘキサノン60mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけることにより、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成する。300mlのセパラブルフラスコ内の液を200mlの分液ロートに移し替え、下層の水相を取り除き、上層のシクロヘキサノン相を100mlのアルミナ製坩堝に移し替え、150℃設定の熱風循環式乾燥機で30分乾燥を行う。乾燥後のアルミナ製坩堝をバッチ式焼成炉にて大気中1000℃で5時間焼成を行う。焼結粉をアルミナ乳鉢で10分すり潰して、酸化物を得た。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.6である。
実施例1と同様に、表2に実施例9のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
(実施例10)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:4質量%の保護分子がグリシンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を30mlに8.8質量%の酢酸ニッケル水溶液を30ml混合し、シクロヘキサノン40mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけることにより、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成する。300mlのセパラブルフラスコ内の液を200mlの分液ロートに移し替え、下層の水相を取り除き、上層のシクロヘキサノン相を100mlのアルミナ製坩堝に移し替え、150℃設定の熱風循環式乾燥機で30分乾燥を行う。乾燥後のアルミナ製坩堝をバッチ式焼成炉にて大気中1000℃で5時間焼成を行う。焼結粉をアルミナ乳鉢で10分すり潰して、酸化物を得た。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.4である。
実施例1と同様に、表2に実施例10のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
(比較例1)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:4質量%の保護分子がグリシンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を45mlに7.3質量%の硝酸ニッケル水溶液を45ml混合し、シクロヘキサノン10mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけることにより、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成する。300mlのセパラブルフラスコ内の液を200mlの分液ロートに移し替え、下層の水相を取り除き、上層のシクロヘキサノン相を100mlのアルミナ製坩堝に移し替え、150℃設定の熱風循環式乾燥機で30分乾燥を行う。乾燥後のアルミナ製坩堝をバッチ式焼成炉にて大気中1000℃で5時間焼成を行う。焼結粉をアルミナ乳鉢で10分すり潰して、酸化物を得た。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.1である。
実施例1と同様に、表3に比較例1のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
(比較例2)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:0.5質量%の保護分子がグリシンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を30mlに7.3質量%の硝酸ニッケル水溶液を30ml混合し、シクロヘキサノン40mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけることにより、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成する。300mlのセパラブルフラスコ内の液を200mlの分液ロートに移し替え、下層の水相を取り除き、上層のシクロヘキサノン相を100mlのアルミナ製坩堝に移し替え、150℃設定の熱風循環式乾燥機で30分乾燥を行う。乾燥後のアルミナ製坩堝をバッチ式焼成炉にて大気中1000℃で5時間焼成を行う。焼結粉をアルミナ乳鉢で10分すり潰して、酸化物を得た。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.4である。
実施例1と同様に、表3に比較例2のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
(比較例3)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:4質量%の保護分子がグリシンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を30mlに0.07質量%の硝酸マグネシウム水溶液を30ml混合し、シクロヘキサノン40mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけることにより、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成する。300mlのセパラブルフラスコ内の液を200mlの分液ロートに移し替え、下層の水相を取り除き、上層のシクロヘキサノン相を100mlのアルミナ製坩堝に移し替え、150℃設定の熱風循環式乾燥機で30分乾燥を行う。乾燥後のアルミナ製坩堝をバッチ式焼成炉にて大気中1000℃で5時間焼成を行う。焼結粉をアルミナ乳鉢で10分すり潰して、酸化物を得た。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.4である。
実施例1と同様に、表3に比較例3のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
(比較例4)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:4質量%の保護分子がグリシンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を30mlに0.5質量%の硝酸ニッケル水溶液を30ml混合し、シクロヘキサノン40mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけることにより、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成する。300mlのセパラブルフラスコ内の液を200mlの分液ロートに移し替え、下層の水相を取り除き、上層のシクロヘキサノン相を100mlのアルミナ製坩堝に移し替え、150℃設定の熱風循環式乾燥機で30分乾燥を行う。乾燥後のアルミナ製坩堝をバッチ式焼成炉にて大気中1000℃で5時間焼成を行う。焼結粉をアルミナ乳鉢で10分すり潰して、酸化物を得た。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.4である。
実施例1と同様に、表3に比較例4のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
(比較例5)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:4質量%の保護分子がグリシンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を30mlに7.4質量%の硝酸ニッケル水溶液を30ml混合し、ヘキサン40mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけることにより、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成する。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.4である。
実施例1と同様に、表3に比較例5のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
(比較例6)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:4質量%の保護分子がグリシンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を30mlに7.3質量%の硝酸ニッケル水溶液を30ml混合し、シクロヘキサノン40mlを加える。得られた溶液にはせん断をかけなかった。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.4である。
実施例1と同様に、表4に比較例6のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
(比較例7)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:4質量%の保護分子がグリシンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を30mlに7.3質量%の硝酸ニッケル水溶液を30ml混合し、シクロヘキサノン40mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけることにより、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成する。300mlのセパラブルフラスコ内の液を200mlの分液ロートに移し替え、下層の水相を取り除き、上層のシクロヘキサノン相を100mlのアルミナ製坩堝に移し替え、150℃設定の熱風循環式乾燥機で30分乾燥を行う。乾燥後のアルミナ製坩堝をバッチ式焼成炉にて大気中600℃で5時間焼成を行う。焼結粉をアルミナ乳鉢で10分すり潰して、酸化物を得た。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.4である。
実施例1と同様に、表4に比較例7のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
(比較例8)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:4質量%の保護分子がグリシンの水性アルミナゾル(浅田化学工業株式会社製)を30mlに7.3質量%の硝酸ニッケル水溶液を30ml混合し、流動パラフィン40mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけることにより、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成する。300mlのセパラブルフラスコ内の液を200mlの分液ロートに移し替え、下層の水相を取り除き、上層の流動パラフィン相を100mlのアルミナ製坩堝に移し替え、150℃設定の熱風循環式乾燥機で30分乾燥を行う。乾燥後のアルミナ製坩堝をバッチ式焼成炉にて大気中1000℃で5時間焼成を行う。焼結粉をアルミナ乳鉢で10分すり潰して、酸化物を得た。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.4である。
実施例1と同様に、表4に比較例8のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
(比較例9)
300mlのセパラブルフラスコにAl換算濃度:8.1質量%の硫酸アルミニウム30mlに7.3質量%の硝酸ニッケル水溶液30mlを混合し、シクロヘキサノン40mlを加える。そこにホモジナイザーT10(IKA製)を投入し、18000rpmで1分せん断をかけた。なお当該品を合成するにあたり、水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比(B)/(A)=0.4である。
実施例1と同様に、表4に比較例9のアルミナゾルの結晶系、アルミナゾルの粒子径D50(μm)、有機溶媒種、有機溶媒沸点(℃)、得られたスピネル型アルミニウム酸化物の結晶系、得られたスピネル型アルミニウム酸化物粒子径D50(μm)および得られたスピネル型アルミニウム酸化物の比表面積を記載した。
表1、表2に示すように実施例1~10はいずれもニッケルアルミネート、コバルトアルミネート、マグネシウムアルミネートのスピネル型アルミニウム酸化物が合成できることが確認された。実施例1~10ともにレーザー回折粒度分布計で測定した。
実施例1~10で得られたアルミナゾルは、レーザー回折粒度分布計で測定した粒子径のD50が5~500μm、比表面積10~120m/gの範囲にあり、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを経由する方法で生産性よく、容易に所望のスピネル型アルミニウム酸化物ができていることが確認された。
表3に示すように比較例1は有機溶媒相のシクロヘキサノンの量が少なすぎて、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションの形成が十分ではなく、焼成時に焼結が進んでしまい、比表面積が狙いよりも小さくなった。比較例2はアルミナゾルの濃度が低く、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションの形成が形成できなかった。
表3に示すように比較例3、比較例4はそれぞれ硝酸マグネシウム、硝酸ニッケルの濃度が低すぎて、油中水型(W/O)のピッカリングエマルションは形成でき、乾燥後、焼成まで進められるが、アルミナゾル部分が多い為、スピネル型アルミニウム酸化物以外にαアルミナ相が形成されてしまう。
表3に示すように比較例5は有機溶媒相としてヘキサンを用いたため、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成するためにせん断をかけた際にヘキサンの揮発が進んでしまい、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションが十分に得られない。
表4に示すように比較例6はせん断をかけなかった為、油中水型(W/O)ピッカリングエマルションを形成できない。比較例7は焼成温度が低い為、スピネル型アルミニウム酸化物を形成する温度まで未達でありアルミナだけの焼結が進み、γアルミナ相を呈するのみであった。比較例8は有機溶媒相として流動パラフィンを用いたため150℃乾燥では乾燥せず、焼成プロセスに進めることができなかった。
表4に示すように比較例9は、アルミナゾルではなく、硫酸アルミニウムの水溶液を用いたため、せん断をかけてもピッカリングエマルションを形成することができず、乾燥、焼成プロセスに進めることができなかった。
図1および図2は実施例1、比較例4のX線回折測定を実施した結果を示す。図3~5には、実施例1、実施例4および実施例5の走査電子顕微鏡(SEM)の画像(×50,000倍)を掲載する。X線回折測定はX線回折装置(具体的には、(株)リガク製MiniFlex)にて、Cuターゲットにてθ/2θ法で測定したものを主として用いる。図3~5の走査電子顕微鏡の画像は、電界放出型分析走査電子顕微鏡(JSM-7610F;日本電子株式会社製)を用いて観察を実施した。
図1、図2にみられるように実施例1はニッケルアルミネートのX線回折パターンを示すが、比較例4はニッケルアルミネートのピークとともに矢印で示すようなαアルミナのピークが検出される。比較例4はアルミナゾルがピッカリングエマルション内で過剰になっている為、スピネル型アルミニウム酸化物を作らずにαアルミナ単体で結晶化したと予測される。
図3、図5にみられるように実施例1、実施例8はニッケルアルミネートのSEM像(×550,000倍)を示すが、長さが0.1~0.3μmの細長い結晶のニッケルアルミネートの集合体になっていることが確認される。また、図4は実施例4のマグネシウムアルミネートのSEM像(×50,000倍)を示すが、0.1μm以下の結晶の集合体としてマグネシウムアルミネートが形成されていることが確認された。このような形状が、比表面積が大きくなる因子であると考える。
本発明によれば、
(1)結晶系がベーマイトの水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液とを混合する工程、
(2)工程(1)で得られた水溶液に水に不溶性の有機溶剤を混合し、水相と有機溶剤相の相分離状態を形成する工程、
(3)工程(2)で得られた相分離状態の液全体にせん断をかけることにより、油中水型(W/O)のピッカリングエマルションを形成し、有機溶媒相にスピネル前駆体を作製する工程、
(4)工程(3)でせん断をかけた液を静置して、水相と有機溶剤相に相分離させる工程、
(5)工程(4)の相分離液から有機溶剤相を取り出す工程、
(6)工程(5)で取り出した有機溶剤相を乾燥することで、ケーキを得る工程、
(7)工程(6)で得たケーキを700~1200℃で2~8時間焼成する工程、
(8)工程(7)で得た焼成物を粉砕する工程を含み、
前記工程(1)のNi、Co、Mgのいずれか金属種を含有する水溶液は、Ni、Co、Mgの硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物塩のうちの1つ以上を水に溶解したものを用い、その水溶液の添加量は水分散アルミナゾルとNi、Co,Mgいずれかの金属種を含有する水溶液との質量の0.7~20質量%であり、
前記工程(1)の水分散アルミナゾルのAl換算濃度が1~12質量%であり、水分散アルミナゾルの動的光散乱粒度分布計で測定した粒子径のD50が0.005~0.5μmのものを使用し、
前記工程(3)の油中水型のピッカリングエマルションを形成するために有機溶媒相に用いる有機溶媒は、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒またはエステル系溶媒であり、沸点が85~200℃のものを使用し、
前記結晶系がベーマイトの水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比率(B)/(A)=0.2~0.8であり、
得られた粉砕物の主成分が、化学式:MAl24(式中、MはNi、Co、Mgのいずれか一つを表す。)を有するスピネル構造をとる化合物であるスピネル型アルミニウム酸化物を提供できることが確認できた。
また、そのスピネル型アルミニウム酸化物が、レーザー回折粒度分布計で測定した粒子径のD50が5~500μm、比表面積10~120m/gの特徴を有することが確認できた。
本発明は、更に以下の態様も記載に含まれる:
工程(1)における水分散アルミナゾルにおけるアルミナの結晶系は、ベーマイトであり、保護分子がグリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ベタイン、NNアミノベタイン、アルギン酸、グルタミン酸、ギ酸、酢酸から選ばれる1種類以上であることを特徴とする上記のスピネル型アルミニウム酸化物の製造方法。
工程(3)で油中水型のピッカリングエマルションを形成するためにせん断をかける装置としては、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、プロペラミキサー、ホモミキサーまたはディスパ―のいずれかであることを特徴とする上記のスピネル型アルミニウム酸化物の製造方法。
工程(7)の焼成が、ケーキをアルミナ製るつぼまたはアルミナ製匣鉢に入れて700~1200℃で2~8時間焼成し、焼成環境が大気中、窒素中、真空中で行われる、上記のスピネル型アルミニウム酸化物の製造方法。
前記工程(3)の油中水型のピッカリングエマルションを形成するために有機溶媒相に用いる有機溶媒は、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒またはエステル系溶媒であり、且つ有機溶媒中の炭素数が4~12の範囲で構成されていることを特徴とする上記のスピネル型アルミニウム酸化物の製造方法。
本発明によるスピネル型アルミニウム酸化物の合成方法によって得られるスピネル型アルミニウム酸化物であるニッケルアルミネート、コバルトアルミネート、マグネシウムアルミネートは耐久性、耐熱性があり、比表面性が大きく、ニッケルアルミネートやコバルトアルミネートは青緑~青色を呈する為、耐熱無機顔料としての利用、マグネシウムアルミネートはセラミックや耐火物等の配合材料としての利用が期待される。また各種耐熱性を要求される触媒担体、センサーなどとして重要な材料であり、具体的には釉薬、耐火物、セラミックス、化学プラントや排ガス向け触媒担体等としての利用が可能である。

Claims (5)

  1. (1)結晶系がベーマイトの水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液とを混合する工程、
    (2)工程(1)で得られた水溶液に水に不溶性の有機溶剤を混合し、水相と有機溶剤相の相分離状態を形成する工程、
    (3)工程(2)で得られた相分離状態の液全体にせん断をかけることにより、油中水型(W/O)のピッカリングエマルションを形成し、有機溶媒相にスピネル前駆体を作製する工程、
    (4)工程(3)でせん断をかけた液を静置して、水相と有機溶剤相に相分離させる工程、
    (5)工程(4)の相分離液から有機溶剤相を取り出す工程、
    (6)工程(5)で取り出した有機溶剤相を乾燥することで、ケーキを得る工程、
    (7)工程(6)で得たケーキを700~1200℃で2~8時間焼成する工程、
    (8)工程(7)で得た焼成物を粉砕する工程を含み、
    前記工程(1)のNi、Co、Mgのいずれか金属種を含有する水溶液は、Ni、Co、Mgの硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物塩のうちの1つ以上を水に溶解したものを用い、その水溶液の添加量は水分散アルミナゾルとNi、Co,Mgいずれかの金属種を含有する水溶液との質量の0.7~20質量%であり、
    前記工程(1)の水分散アルミナゾルのAl換算濃度が1~12質量%であり、水分散アルミナゾルの動的光散乱粒度分布計で測定した粒子径のD50が0.005~0.5μmのものを使用し、
    前記工程(3)の油中水型のピッカリングエマルションを形成するために有機溶媒相に用いる有機溶媒は、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒またはエステル系溶媒であり、沸点が85~200℃のものを使用し、
    前記結晶系がベーマイトの水分散アルミナゾルとNi、Co、Mgいずれかの金属種を含有する水溶液を混合した液の体積と有機溶剤の体積の和(A)と有機溶剤の体積(B)の比率(B)/(A)=0.2~0.8であり、
    得られた粉砕物の主成分が、化学式:MAl24(式中、MはNi、Co、Mgのいずれか一つを表す。)を有するスピネル型アルミニウム酸化物であって、前記スピネル型アルミニウム酸化物が、レーザー回折粒度分布計で測定した粒子径のD50が5~500μm、比表面積が10~120m /gを有する
    ことを特徴とするスピネル型アルミニウム酸化物の製造方法。
  2. 工程(1)における水分散アルミナゾルにおけるアルミナの結晶系は、ベーマイトであり、保護分子がグリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ベタイン、NNアミノベタイン、アルギン酸、グルタミン酸、ギ酸、酢酸から選ばれる1種類以上であることを特徴とする請求項記載のスピネル型アルミニウム酸化物の製造方法。
  3. 工程(3)で油中水型のピッカリングエマルションを形成するためにせん断をかける装置としては、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、プロペラミキサー、ホモミキサーまたはディスパ―のいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載のスピネル型アルミニウム酸化物の製造方法。
  4. 工程(7)の焼成が、ケーキをアルミナ製るつぼまたはアルミナ製匣鉢に入れて700~1200℃で2~8時間焼成し、焼成環境が大気中、窒素中、真空中で行われる、請求項1または2記載のスピネル型アルミニウム酸化物の製造方法。
  5. 前記工程(3)の油中水型のピッカリングエマルションを形成するために有機溶媒相に用いる有機溶媒は、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒またはエステル系溶媒であり、且つ有機溶媒中の炭素数が4~12の範囲で構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のスピネル型アルミニウム酸化物の製造方法。
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