JP7842494B1 - 蒸留酒の製造方法、蒸留酒への香り付け方法および蒸留酒 - Google Patents
蒸留酒の製造方法、蒸留酒への香り付け方法および蒸留酒Info
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準備工程S1は、ウイスキー製造方法の原料の準備を行う工程である。準備工程S1では、主原料である穀類と、水とを準備する。穀類としては、大麦、とうもろこし、小麦、ライ麦、米、キヌア、そば、キビ、ダイズからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。準備工程S1で準備される穀類は、製造しようとするウイスキーに応じて選択される。例えば、モルトウイスキーを製造する場合、大麦が選択される。コーンウイスキーを製造する場合、とうもろこしが選択される。グレーンウイスキーを製造する場合、麦、ライ麦、とうもろこしが選択される。ホイートウイスキーを製造する場合、小麦が選択される。
糖化工程S2は、粉砕穀類を加温しながら撹拌することで、糖化液を生成する工程である。糖化工程S2では、容器2を有する糖化槽1が用いられる。糖化工程S2は、糖化ステップS21と、ろ過ステップS22と、スパージングステップS23と、を含む。
糖化ステップS21では、糖化槽1に対して、粉砕穀類と湯とを入れ、撹拌することで、マッシュを生成する。湯は、例えば、40℃以上75℃以下であってよく、50℃以上73℃以下であってよく、60℃以上70℃以下であってよい。40℃以上75℃以下の湯を糖化槽1に入れることにより、粉砕穀類を糖化に適切な温度(65℃以上68℃以下程度)に加温できる。粉砕穀物と湯とを入れ撹拌することにより、糖化槽1内において、アミラーゼを含む酵素が、穀類のデンプンを分解して、糖を生成することができる。ここでいう糖は、後の発酵工程S4で発酵可能な糖を意味する。糖化ステップS21によって、マッシュが生成される。
ここで、図2には、糖化槽1の一例の概略断面図を示す。図2を参照して、糖化槽1は、容器2と、容器2の温度を保つジャケット3と、撹拌装置4と、スパージングパイプ5と、を有する。また、糖化槽1は、容器2内に収容された内容物(例えば、粉砕穀類、またはマッシュ)の温度を測定する温度計6と、容器2内の圧力を測定する圧力計とを備えてもよい。
ろ過ステップS22は、マッシュをろ過することで、糖化液を生成する。ろ過ステップS22では、撹拌装置4によって撹拌することで生成されたマッシュをフィルタ23に通すことで、液状のウォート(糖化液)と、固形状のドラフに分離できる。ドラフは、処理空間21に残る。糖化液は、フィルタ23を通過し、流通空間22を通って、吐出口24から排出される。これにより、糖化液を生成できる。ろ過ステップS22では、吐出口24から排出された糖化液を、再び、別のフィルタに通してもよい。これによって、純度の高い糖化液を生成できる。
スパージングステップS23は、ドラフに対して湯を供給することで、スパージングを行う。スパージングは、スパージングパイプ5の注水口から、例えば、40℃以上75℃以下の湯を供給することにより行うことができる。スパージングステップS23を実行することにより、ドラフに含まれた糖分を抽出でき、糖化液に含まれる糖分を増加することができる。
発酵工程S4は、糖化工程S2の後、糖化工程S2によって生成された糖化液に対し、酵母を添加して発酵させることで発酵液(もろみ)を生成する工程である。発酵工程S4は、発酵槽で実行される。発酵槽は、例えば、ステンレス製または木製の容器2が用いられる。発酵工程S4で用いられる容器2は、外気の流入を抑制できればよく、気密性までは必要ではない。
蒸留工程S5は、発酵工程S4の後、発酵工程S4で生成された発酵液を蒸留して、蒸留液を生成する工程である。本実施の形態では、蒸留工程S5によって蒸留液としてのニューポットが生成される。蒸留工程S5では、発酵液を蒸留器に入れ、蒸留することにより、ニューポットを得ることができる。蒸留器としては、単式蒸留器であってもよいし、連続式蒸留器であってもよい。
香り付け工程S3は、容器2に煙を注入し、容器2内の内容物に対して香りを付ける工程である。香り付け工程S3は、少なくとも、蒸留工程S5よりも前において、1回または複数回実行される。本実施の形態に係る香り付け工程S3は、糖化工程S2中に実行される第1の香り付けステップS31および第2の香り付けステップS32と、発酵工程S4中に実行される第3の香り付けステップS33と、を含む。
第1の香り付けステップS31は、糖化槽1において、糖化ステップS21中に実行される。第1の香り付けステップS31によって、糖化槽1におけるマッシュに対して香り付けを行うことができる。第1の香り付けステップS31によって香り付けされたマッシュから、ろ過ステップS22を経て、香り付けされた糖化液を得ることができる。
ウッドチップとしては、例えば、オークチップ(アメリカンオーク、ヨーロピアンオーク、ジャパニーズオーク〔ミズナラ〕)、桜チップ、ヒッコリー、メープル(楓)、チェリー(さくらんぼ)、りんご、くるみ、ナラ、ブナ、ウイスキーオーク、チェスナット(栗)、ビーチ(西洋ブナ)、ペカン、アカシア、オリーブ、スギ(シダー)、ユーカリなどが挙げられる。
ドライボタニカルとしては、例えば、草、果皮、ハーブ、花、樹脂、種子が挙げられる。草としては、例えば、レモングラス、ホップが挙げられる。果皮としては、レモンピール、ライムピール、オレンジピール、ベルガモットピールが挙げられる。ハーブとしては、ジュニパーベリー、タイム、ローズマリー、セージ、バジル、ミントが挙げられる。花としては、ラベンダー、カモミール、ローズペタル(バラの花びら)が挙げられる。樹脂としては、フランキンセンス(乳香)、ミルラ(没薬)が挙げられる。種子としては、アニスシード、コリアンダーシード、フェンネルシードが挙げられる。
スパイスとしては、例えば、シナモン、カルダモン、クローブ、ナツメグ、ジンジャー、オールスパイス、ペッパー、スターアニス、サフランが挙げられる。
第2の香り付けステップS32は、糖化槽1において、スパージングステップS23中に実行される。第2の香り付けステップS32によって、香り付けの対象液である、糖化槽1におけるドラフとスパージングパイプ5から供給された水と、の両方に対して香り付けを行うことができる。第2の香り付けステップS32は、糖化槽1におけるスパージングステップS23の際に、注入口25から煙を供給しながら、撹拌を行うことで、香り付けを行うことができる。第2の香り付けステップS32によって香り付けされたドラフおよび水を、ろ過することにより、香り付けされた抽出液を得ることができる。
第3の香り付けステップS33は、発酵槽において、発酵工程S4中または発酵工程S4終了後に実行される。第3の香り付けステップS33によって、香り付けの対象液である、発酵槽で発酵中の発酵液または発酵完了後の発酵液を、煙に晒すことで、香り付けを行うことができる。具体的には、発酵液が入った容器2に煙を充填し、長期間放置することにより香り付けを行う。
次に、図1のフローチャートを用いて、本実施の形態に係る製造方法を説明する。最初に、準備工程S1を実行する。準備工程S1では、主原料である穀類と、水とを準備したうえで、穀類を粉砕する。
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
以上説明したように、第1の態様に係る蒸留酒の製造方法は、穀類、サトウキビまたは果実を主原料とする蒸留酒の製造方法であって、蒸留して得られた蒸留液を熟成させる熟成工程よりも前に、煙による香り付けを行う香り付け工程S3を備える。この態様によれば、熟成工程の前に、香り付けを行うことができるため、風味に深みと個性を与えた新たなタイプの蒸留酒を製造することができる。
S2 糖化工程
S21 糖化ステップ
S22 ろ過ステップ
S23 スパージングステップ
S3 香り付け工程
S31 第1の香り付けステップ
S32 第2の香り付けステップ
S33 第3の香り付けステップ
S4 発酵工程
S5 蒸留工程
1 糖化槽
2 容器
21 処理空間
22 流通空間
23 フィルタ
24 吐出口
25 注入口
26 排出口
3 ジャケット
4 撹拌装置
41 駆動装置
42 シャフト
43 支持アーム
44 ブレード
5 スパージングパイプ
6 温度計
Claims (12)
- 穀類、サトウキビまたは果実を主原料とする蒸留酒の製造方法であって、
前記主原料を糖化槽で加温しながら撹拌することで、糖化液を生成する糖化工程と、
前記糖化工程の後、発酵槽で前記糖化液に対し酵母を添加して発酵させることで発酵液を生成する発酵工程と、
前記発酵工程の後、前記発酵液を蒸留することでニューポットを生成する蒸留工程と、
蒸留して得られた蒸留液を熟成させる熟成工程よりも前に、煙による香り付けを行う香り付け工程と、を備え、
前記香り付け工程は、前記糖化槽における前記糖化工程と、前記発酵槽における前記発酵工程と、の少なくとも一方の工程と一緒に実行される、
蒸留酒の製造方法。 - 前記香り付け工程は、対象液を、前記糖化槽および前記発酵槽における容器内に収容し、前記容器に対して煙を注入することで前記対象液に香り付けを行う、
請求項1に記載の蒸留酒の製造方法。 - 前記香り付け工程において用いられる前記煙が、ピート、ウッドチップ、藁、ドライボタニカルおよびスパイスから選択される少なくとも1種を燃焼して得られる煙である、
請求項1に記載の蒸留酒の製造方法。 - 前記主原料が穀物であり、
前記香り付け工程は、前記蒸留工程よりも前において、前記穀類、前記糖化液または前記発酵液が収容された容器に煙を注入し、前記穀類、前記糖化液および前記発酵液の少なくとも1つに対して香りを付ける、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の蒸留酒の製造方法。 - 前記香り付け工程は、前記発酵工程中と、前記発酵工程中または前記発酵工程終了後と、の両方で実行される、
請求項1に記載の蒸留酒の製造方法。 - 前記香り付け工程は、前記糖化工程中と、前記発酵工程中と、で異なる種類の煙または異なる濃度の煙を注入する、
請求項5に記載の蒸留酒の製造方法。 - 前記糖化工程は、糖化槽に対して、前記穀類および40℃以上の湯を入れて撹拌する、
請求項1に記載の蒸留酒の製造方法。 - 前記香り付け工程は、前記容器において、前記糖化液および前記発酵液の少なくとも1つに対し、前記煙を所定時間晒すことで香りを付けるものであり、
前記所定時間が、5分以上120分以下である、
請求項2に記載の蒸留酒の製造方法。 - 前記糖化槽または前記発酵槽が、スチームジャケットを有する容器を含む、
請求項1に記載の蒸留酒の製造方法。 - 前記糖化工程は、スパージングを行うステップを含み、
前記香り付け工程は、前記糖化工程における前記スパージングを実行しながら、糖化液に香り付けを行う、
請求項1に記載の蒸留酒の製造方法。 - 前記糖化工程では、前記穀類を加温しながら撹拌可能な糖化槽が用いられ、
前記糖化槽は、レーキ型の撹拌装置を有する、
請求項1に記載の蒸留酒の製造方法。 - 穀類、サトウキビまたは果実を主原料とする蒸留酒への香り付け方法であって、
糖化工程と発酵工程との少なくとも一方の工程と一緒に、煙による香り付けを行う、蒸留酒への香り付け方法。
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| JP2025136667A JP7842494B1 (ja) | 2025-08-20 | 2025-08-20 | 蒸留酒の製造方法、蒸留酒への香り付け方法および蒸留酒 |
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| JP2025136667A JP7842494B1 (ja) | 2025-08-20 | 2025-08-20 | 蒸留酒の製造方法、蒸留酒への香り付け方法および蒸留酒 |
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| JP2025136667A Active JP7842494B1 (ja) | 2025-08-20 | 2025-08-20 | 蒸留酒の製造方法、蒸留酒への香り付け方法および蒸留酒 |
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Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH05137559A (ja) * | 1991-11-22 | 1993-06-01 | Fukumitsuya:Kk | 健康食品蒸留酒様飲料とその製造方法 |
| KR20030026380A (ko) * | 2001-09-06 | 2003-04-03 | 김원진 | 프로폴리스 추출물이 함유된 그레인 위스키의 제조방법 |
| JP2023515372A (ja) * | 2020-02-19 | 2023-04-13 | テオドルス マリア コステル,エーリク | ブランデーの製造方法。 |
-
2025
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Patent Citations (3)
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|---|---|---|---|---|
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