JP7842435B2 - 組成物、医薬品、食品、化粧品 - Google Patents

組成物、医薬品、食品、化粧品

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Description

本発明は、組成物、医薬品、食品、及び、化粧品に関するものである。
本願は、2024年3月5日に日本に出願された、特願2024-033410号に基づき優先権主張し、その内容をここに援用する。
自然界に広く存在するキサントフィル類は強力な抗酸化作用及び様々な優れた効果を有することから、健康食品や化粧品、食用色素など幅広い用途で利用されている。
キサントフィルとはカロテノイドの一種であり、例えば、ルテイン、ゼアキサンチン、β―クリプトキサンチン、α-クリプトキサンチン、カプサンチン、カプソルビン、アスタキサンチンなどの多くの化合物が知られている。
キサントフィルは、複数の炭素が連続する共役二重結合からなるポリエン部分とその両端が修飾されたエンドグループ及び分子内にアルコール、ケトン、エポキシ及びカルボン酸などの酸素原子を含む構造を有する。
キサントフィルは、一般に天然では二重結合が全てトランス体のトランス型が主体として存在する。近年、トランス型キサントフィルよりもシス型キサントフィルの方が体内吸収性や蓄積性に加え、生理活性(抗酸化作用、眼精疲労、抗がん作用、抗肥満作用、肌質改善作用など)が高いことが明らかとなり、その摂取が注目されている。
例えば特許文献1には、シス型アスタキサンチンの眼精疲労効果等を有する機能性食品に関する発明が記載されている。
また、特許文献2には、シス型カロテノイドを、抗酸化剤、有機酸塩又は植物油若しくはサメ肝油の存在下で保管することを特徴とする、シス型カロテノイドの保管方法が開示されている。
国際公開第2022/91995号 特開2022-80682号公報
自然界では、一部、シス異性体としても存在し、生体内ではシス異性体比率は一定で安定だが、一旦抽出すると、シス型キサントフィルは容易に変化し、不安定である。すなわち、産業化するにあたって、抽出・保管時に熱などの影響により容易にシス型からトランス型へ異性化し、特に流通に好ましい室温や低温でシス型とトランス型が共存する場合には顕著にトランス型への異性化及び分解が進行することから、立体をシス型に安定に維持・保存することは困難である。
特許文献2のような従来のシス型カロテノイドの保管方法では、安定性が十分とは言えず、より安定で効率的にシス型キサントフィルを摂取可能な組成物が望まれている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、トランス型への異性化が抑制され保存安定性に優れ、シス型キサントフィルを効率的に摂取可能なシス型キサントフィル誘導体を含む組成物を提供することを目的とする。
本願発明者は、上記課題に対し鋭意検討を行った結果、シス型キサントフィルを、シス型キサントフィルの一部を他の置換基と置き換えたシス型キサントフィル誘導体とした場合、トランス体への異性化が起こりにくく安定であるということを見出し、本発明を完成するに至った。
また、特定のシス型キサントフィル誘導体を含む組成物を用いることにより、より安定かつ効率的にシス型キサントフィルを摂取することができることを見出した。
さらに、単独では不安定なシス型キサントフィルに、特定量のシス型キサントフィル誘導体を共存させることにより、シス型キサントフィルのトランス体への異性化が抑制され、保管安定性向上効果を有することを見出した。
本発明は以下の態様を有する。
[1]シス型キサントフィル誘導体を含有する、組成物。
[2]さらに、シス型キサントフィルを含有し、前記シス型キサントフィルと前記シス型キサントフィル誘導体のモル重量比は、0.05~1000である、[1]記載の組成物。
[3]前記シス型キサントフィル誘導体は、シス型キサントフィルの脂質エステル体、シス型キサントフィルの配糖体、シス型キサントフィルの脂肪酸配糖体、シス型キサントフィルの脂肪族エーテル、及び、シス型キサントフィルの硫酸エステルからなる群から選択される一種以上のシス型キサントフィル誘導体を含む、[1]又は[2]記載の組成物。[4]前記シス型キサントフィル誘導体は、シス型キサントフィルの脂質エステル体を含む、[1]~[3]のいずれか一項記載の組成物。
[5]前記シス型キサントフィル誘導体は、シス型キサントフィルと、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、エイコサペンタエン酸、アラキドン酸、及びドコサヘキサエン酸からなる群より選択される1種以上の脂肪酸との脂質エステル体を含む、[1]~[4]のいずれか一項記載の組成物。
[6]前記シス型キサントフィル誘導体は、シス型ルテイン誘導体、シス型ゼアキサンチン誘導体、及び、シス型アスタキサンチン誘導体からなる群より選択される1種以上のシス型キサントフィル誘導体を含む、[1]~[5]のいずれか一項記載の組成物。
[7]前記シス型キサントフィル誘導体は、シス型ルテイン誘導体を含む、[1]~[5]のいずれか一項記載の組成物。
[8]前記シス型キサントフィル誘導体は、シス型ゼアキサンチン誘導体を含む、[1]~[5]のいずれか一項記載の組成物。
[9]前記シス型キサントフィル誘導体は、シス型アスタキサンチン誘導体を含む、[1]~[5]のいずれか一項の組成物。
[10][1]~[9]のいずれか一項の組成物を含有する、医薬品。
[11][1]~[9]のいずれか一項の組成物を含有する、食品。
[12][1]~[9]のいずれか一項の組成物を含有する、化粧品。
本発明によれば、トランス型への異性化が抑制され保存安定性に優れ、シス型キサントフィルを効率的に摂取可能なシス型キサントフィル誘導体を含む組成物を提供することができる。
M抽出物のクロマトグラムである。 Mコントロールのクロマトグラムである。 M抽出物及びMコントロールのクロマトグラムである。 オレンジパプリカ抽出物のクロマトグラムである。 赤色パプリカ抽出物のクロマトグラムである。 柿抽出物のクロマトグラムである。 サフラン抽出物のクロマトグラムである。
(組成物)
本実施形態の組成物は、シス型キサントフィル誘導体を含有する。
<シス型キサントフィル誘導体>
シス型キサントフィル誘導体は、シス型キサントフィルの一部を他の原子や置換基と置き換えた化合物である。
シス型キサントフィル誘導体におけるキサントフィルとしては、例えば、ルテイン、ゼアキサンチン、ノストキサンチン、カロキサンチン、β―クリプトキサンチン、α-クリプトキサンチン、ゼイノキサンチン、アスタキサンチン、アドニキサンチン、アドニルビン、3-ヒドロキシエキネノン、3’-ヒドロキシエキネノン、カプサンチン、カプソルビン、ククルビタキサンチンA、ビオラキサンチン、アンテラキサンチン、ネオキサンチン、フコキサンチン、フコキサンチノール、アマロウシアキサンチンA、ジアトキサンチン、ジアジノキサンチン、ルビキサンチン、フラボキサンチン、ペリジンン、シフォナキサンチン、ミクソール、4-ケトミクソールおよびそれらのアポカロテノイドであるβ-アポ-8’-カロテノール、β-アポ-8’-カロテン酸、パラセントロン、アブシシン酸、ザキシノン、クロセチン、クロシン、ビキシン、レチノール、及びレチノイン酸が挙げられる。その中でも、ルテイン、ゼアキサンチン又はアスタキサンチンが好ましい。 すなわち、本実施形態の組成物は、シス型ルテイン誘導体、シス型ゼアキサンチン誘導体、及び、シス型アスタキサンチン誘導体からなる群より選択される1種以上のシス型キサントフィル誘導体を含むことが好ましい。
シス型ルテインは、10個の共役二重結合からなるポリエン鎖とその両端に付くエンドグループ(末端基)から構成されている。
本明細書においては、ポリエン鎖の10個の共役二重結合のうち1個でもシス型を含む異性体をシス型ルテインと称し、すべてがトランス型である異性体をトランス型ルテインと称する。
シス型ゼアキサンチンは、11個の共役二重結合からなるポリエン鎖とその両端に付くエンドグループ(末端基)から構成されている。
本明細書においては、ポリエン鎖の11個の共役二重結合のうち1個でもシス型を含む異性体をシス型ゼアキサンチンと称し、すべてがトランス型である異性体をトランス型ゼアキサンチンと称する。
シス型アスタキサンチンは、11個の共役二重結合からなるポリエン鎖とその両端に付くケト基を含むエンドグループ(末端基)を含んだ共役系から構成されている。
本明細書においては、炭素ポリエン鎖の11個の共役二重結合のうち1個でもシス型を含む異性体をシス型アスタキサンチンと称し、すべてがトランス型である異性体をトランス型アスタキサンチンと称する。
シス型キサントフィルは、文献公知の方法によりトランス型キサントフィルを異性化することにより製造することができ、例えば、特許文献3又は文献1(日本食品工学会誌, Vol.21, No. 1, pp. 1-10, Mar. 2020)記載の方法により製造することができる。具体的には、有機溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、酢酸エチル等)や植物油(ごま油、からし油等)、超臨界二酸化炭素等にトランス型キサントフィルを溶解させ熱処理する方法や、イソチオシアネート類、ポリスルフィド類、ヨウ素等のシス型異性化触媒を用いる方法などが挙げられる。
シス型キサントフィル誘導体として、具体的には、シス型キサントフィルの脂質エステル体、シス型キサントフィルの配糖体、シス型キサントフィルの脂肪酸配糖体、シス型キサントフィルの脂肪族エーテル、及び、シス型キサントフィルの硫酸エステル等が挙げられる。
・シス型キサントフィルの脂質エステル体
シス型キサントフィルの脂質エステル体における脂質(脂肪酸)としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、クロトン酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラゴルン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、サピエン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ピノレン酸、ステアリン酸、セバレイン酸、オレイン酸、リノール酸、エレオステアリン酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、ステアリドン酸、カレンジン酸、バクセン酸、パウリン酸、エライジン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、アラキジン酸、ミード酸、ジホモーγ-リノレン酸、エイコサトリエン酸、エイコサペンタエン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、テトラコサペンタエン酸、テトラコサヘキサエン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられ、好ましくはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、ステアリドン酸、カレンジン酸、バクセン酸、パウリン酸、エライジン酸、エイコセン酸、アラキジン酸、ジホモーγ-リノレン酸、エイコサトリエン酸、エイコサペンタエン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、エライジン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等が挙げられ、より好ましくはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、ジホモーγ-リノレン酸、エライジン酸、エイコサペンタエン酸、アラキドン酸、及びドコサヘキサエン酸が挙げられ、さらに好ましくはパルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、エイコサペンタエン酸、アラキドン酸、エライジン酸及びドコサヘキサエン酸が挙げられる。
シス型キサントフィルの脂質エステル体は複数の脂質エステル体の混合物から構成されていてもよい。当該混合物において、シス型キサントフィルに対する脂質のモル比は、好ましくは0.0001~4、より好ましくは0.001~4、さらに好ましくは0.01~4、特に好ましくは0.02~4である。
例えば、シス型キサントフィルの脂質エステル体混合物において、シス型キサントフィルに対するパルミチン酸、ステアリン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸及びドコサヘキサエン酸のモル比は、好ましくは0.0001~4、より好ましくは0.001~4、さらに好ましくは0.01~4、特に好ましくは0.02~4である。
・シス型キサントフィルの配糖体
シス型キサントフィルの配糖体における配糖体としては、グルコース、キシロース、アラビノース、マンノース、フコース、フルクトース、ガラクトースおよびそれらを含む多糖が挙げられ、好ましくはフコース、キシロース、より好ましくはグルコースが挙げられる。
シス型キサントフィル配糖体は複数の配糖体の混合物であるが、その全重量中の配糖体である、フコース、キシロース、ラクトース及びグルコースのシス型キサントフィルに対するモル比は、好ましくは0.001~600、より好ましくは0.01~400、さらに好ましくは0.01~100、特に好ましくは0.01~10である。
・シス型キサントフィルの脂肪酸配糖体
シス型キサントフィルの脂肪酸配糖体における脂肪酸配糖体としては、グルコース脂肪酸エステル等が挙げられる。
シス型キサントフィル脂肪酸配糖体は複数の脂肪酸配糖体の混合物を用いることができる。
・シス型キサントフィルの脂肪族エーテル
シス型キサントフィルの脂肪族エーテルとしては一般公知のものが挙げられる。
シス型キサントフィルの脂肪族エーテルは複数の脂肪族エーテルの混合物を用いることができる。
・シス型キサントフィルの硫酸エステル
シス型キサントフィルの硫酸エステルとしては、一般公知のものが挙げられる。
シス型キサントフィルの硫酸エステルは複数のシス型キサントフィルの硫酸エステルの混合物を用いることができる。
シス型キサントフィル誘導体は共役二重結合からなるポリエン鎖の両末端のいずれかに1個のヒドロキシ基を有する環状基を有するため、分子全体として1~2個の水酸基を有する。そのため、モノ-体、ジ-体及びその混合物として、モノエステル体及びジエステル体及びその混合物、モノ配糖体、ジ配糖体及びその混合物、モノ脂質配糖体、ジ脂質配糖体及びその混合物、モノ脂肪族エーテル、ジ脂肪族エーテル及びその混合物、硫酸モノエステル、硫酸ジエステル及びその混合物が存在し得る。本発明では、モノ-体、ジ-体及びその混合物のいずれも用いることができる。モノ-体とジ-体の混合物の場合、その混合比(モノ-体:ジ-体)は、好ましくは1:100~100:1のものが用いられ、より好ましくは1:50~50:1、さらに好ましくは1:25~25:1、特に好ましくは1:16~16:1、最も好ましくは1:10~10:1の範囲のものが用いられる。モノ-体、ジ-体及びその混合物については、高速液体クロマトグラフ法(HPLC)や薄層クロマトグラフ法(TLC)によりその存在比を確認することができる。
シス型キサントフィル誘導体は、トランス型キサントフィルと一般公知の方法により脂質エステル、配糖体、脂肪酸配糖体、脂肪族エーテル又は硫酸エステルとした後、例えば、上記文献1記載の方法で異性化することにより製造することができる。トランス型からシス型への異性化の確認はHPLCにより行うことができる。
また、トランス型キサントフィルは、市販品を用いることができ、化学合成品又は天然物由来のキサントフィル及びこれらを混合したものを用いることができる。
例えば、シス型キサントフィル脂質エステルは、トランス型キサントフィルと脂質との反応によりトランス型キサントフィル脂質エステルとし、上記文献1記載の方法により異性化することで製造することができる。トランス型キサントフィルは、一般公知の合成方法により製造するか、緑藻ヘマトコッカスなどの微細藻類、赤色酵母ファフィアなどの酵母類、エビ、オキアミ、カニ、ミジンコなどの節足動物類の甲殻等の生体原料及びその抽出物を用いることができる。
例えば、シス型キサントフィル配糖体は、トランス型キサントフィルと配糖体との反応によりトランス型キサントフィル配糖体とし、上記文献1記載の方法により異性化することにより製造することができる。
例えば、シス型キサントフィル脂肪酸配糖体は、トランス型キサントフィルと脂肪酸配糖体との反応によりトランス型キサントフィル脂肪酸配糖体とし、上記文献1記載の方法により異性化することにより製造することができる。
例えば、シス型キサントフィル脂肪族エーテルは、トランス型キサントフィルを一般公知の反応によりトランス型キサントフィル脂肪族エーテルとし、上記文献1記載の方法により異性化することにより製造することができる。
例えば、シス型キサントフィル硫酸エステルは、トランス型キサントフィルと硫酸配糖体との反応によりトランス型キサントフィル硫酸エステルとし、上記文献1記載の方法により異性化することにより製造することができる。
本実施形態の組成物は、トランス型キサントフィル誘導体を含有してもよいが、本実施形態の組成物の全キサントフィル誘導体中のシス型キサントフィル誘導体の割合は、30%以上であることが好ましく、35%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましく、45%以上であることが特に好ましい。
<任意成分>
本実施形態の組成物は、上述したシス型キサントフィル誘導体以外の任意成分を含有してもよい。任意成分としては、シス型キサントフィル、抗酸化剤、添加剤等が挙げられる。
≪シス型キサントフィル≫
シス型キサントフィルは、キサントフィル中のすべての水酸基およびカルボン酸がエステル化等の誘導体化がされていないフリー体である。
単独では不安定なシス型キサントフィルに、シス型キサントフィル誘導体を共存させることにより、シス型キサントフィルのトランス体への異性化が抑制され、保管安定性を向上させることができる。
本実施形態の組成物において、シス型キサントフィルの含有量に対するシス型キサントフィル誘導体の含有量(モル比)は、0.05~1000が好ましく、0.1~100がより好ましく、1~10がさらに好ましい。
本実施形態の組成物は、トランス型キサントフィルを含有してもよい。
本実施形態の組成物がトランス型キサントフィルを含有する場合、シス型キサントフィルの含有量に対するトランス型キサントフィルの含有量(モル比)は、0.05~60が好ましく、0.05~40がより好ましく、0.1~20がさらに好ましい。
≪抗酸化剤≫
抗酸化剤としては、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物;ジフェニル-p-フェニレンジアミンや4-アミノ-p-ジフェニルアミンといったフェニレンジアミンなどのアミン系化合物;アスコルビン酸;エリソルビン酸の油溶化誘導体が挙げられる。
具体的にフェノール性水酸基を有する化合物として、グアヤク脂;ノルジヒドログアヤレチック酸(NDGA);没食子酸プロピル、没食子酸ブチル、没食子酸オクチルなどの没食子酸エステル類;BHT(ブチルヒドロキシトルエン);BHA(ブチルヒドロキシアニソール);ミックストコフェロールなどのトコフェロール(ビタミンE;以下、VE)類;トコトリエノール類及びビスフェノール類などが挙げられる。
抗酸化剤としては、上記の中でもトコフェロール類が好ましい。
≪添加剤≫
添加剤としては、溶剤、溶解補助剤、滑沢剤、乳化剤、等張化剤、保存剤、界面活性剤、pH調整剤、緩衝剤、賦形剤、甘味料または香料等が挙げられる。
・溶剤
溶剤としては、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドが挙げられ、具多的には、オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アボガド油、月見草油、タートル油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルチミン酸グリセリン、サラダ油、サフラワー油(ベニバナ油)、パーム油、ココナッツ油、ピーナッツ油、アーモンド油、ヘーゼルナッツ油、ウォルナッツ油、グレープシード油などが挙げられる。
・滑沢剤
滑沢剤としては、例えば、アラビアゴム末、カカオ脂、カルナウバロウ、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カロペプタイド、含水二酸化ケイ素、乾燥水酸化アルミニウムゲル、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質流動パラフィン、結晶セルロース、硬化油、合成ケイ酸アルミニウム、ゴマ油、コムギデンプン、サラシミツロウ、酸化マグネシウム、ジメチルポリシロキサン、酒石酸カリウムナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、シリコーン樹脂、水酸化アルミニウムゲル、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、ステアリン酸マグネシウム、セタノール、ゼラチン、タルク、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、トウモロコシデンプン(コーンスターチ)、乳糖、ハードファット、白糖、バレイショテンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、フマル酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリソルベート、ミツロウ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、モクロウ、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、流動パラフィン、リン酸等が挙げられる。
・溶解補助剤
溶解補助剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(ポリソルベート80)、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
・乳化剤
乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン等が挙げられる。
・等張化剤
等張化剤としては、ソルビトール、グルコース、マンニトール等の糖類、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコール類、塩化ナトリウム等が挙げられる。
・保存剤
保存剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の第四級アンモニウム塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル類、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ソルビン酸及びそれらの塩、チメロサール、クロロブタノール、デヒドロ酢酸ナトリウム等が挙げられる。
・界面活性剤
界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコールエステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、デキストリン、還元デキストリン等が挙げられる。
・pH調整剤
pH調整剤としては、塩酸、リン酸、酢酸、酒石酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
・緩衝剤
緩衝剤としては、リン酸塩緩衝剤、酒石酸塩緩衝剤、アミノ酸等が挙げられる。
・賦形剤
賦形剤としては、乳糖、白糖、マンニトール、コーンスターチ、結晶セルロース等が挙げられる。
[用途]
本実施形態の組成物は、食品、飲料、機能性食品、栄養補助食品、医薬品、医薬部外品、化粧品、動物用医薬品、ペットフード、飼料または餌料等の用途に用いることができる。
シス型キサントフィル誘導体及びシス型キサントフィルの含有量は、製品全体に対し、好ましくは0.5~40質量%、より好ましくは1~30質量%、さらに好ましくは5~20質量%である。
本実施形態の組成物は、その目的に合わせ一般公知の添加物を配合し、油状、粉末および乳化物等の形態にすることができる。
以下に実施例、比較例及び試験例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.アスタキサンチン誘導体のシス異性化(バッチ式)
以下の手順でトランス型アスタキサンチンの脂肪酸エステル体を加熱し、急冷することで、シス型アスタキサンチンの脂肪酸エステル体を製造した。
原料としては、フリー体アスタキサンチン換算で10質量%のトランス型アスタキサンチンの脂肪酸エステル体を含有するヘマトコッカス藻色素A(以下、単に「ヘマトコッカス藻色素A」ともいう)を用いた。
ヘマトコッカス藻色素Aの残りの90質量%は、トリグリセリドやジグリセリド等の中性脂肪である。
ヘマトコッカス藻色素Aにおけるトランス型アスタキサンチンの脂肪酸エステル体は、ヘマトコッカス藻由来のトランス型アスタキサンチンと、脂肪酸混合物(パルミチン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、及び、エイコサペンタエン酸等の混合物)とから構成される。トランス型アスタキサンチンの脂肪酸エステル体は、分析の結果、99.9%以上がエステル体であることが確認できた。 当該トランス型アスタキサンチンの脂肪酸エステル体は、下記非特許文献Aの各規格を満たすトランス型アスタキサンチンの脂肪酸エステル体である。
トランス型アスタキサンチンの脂肪酸エステル体を構成する各脂肪酸の比率の分析は行っていない。一方で、下記非特許文献B及びCには、同様のトランス型アスタキサンチン及び脂肪酸を用いて製造したトランス型アスタキサンチンの脂肪酸エステル体中の各脂肪酸の比率が開示されている。したがって、本トランス型アスタキサンチンの脂肪酸エステル体中の各脂肪酸の比率も、非特許文献B及びCのトランス型アスタキサンチンの脂肪酸エステル体中の各脂肪酸の比率と同様であると推定される。
非特許文献B及びCのトランス型アスタキサンチンの脂肪酸エステル体中の各脂肪酸の比率は、パルミチン酸(15-35%)、エライジン酸(10-20%)、オレイン酸(10-20%)リノール酸(15-35%)、リノレン酸(0.1~10%)、アラキドン酸(~1%)、及びエイコサペンタエン酸(~1%)と開示されている。
非特許文献A:According to the Union list of novel foods (Commission Implementing Regulation (EU) 2017/2470).
非特許文献B:Ruiz-Dominguez MC, Espinosa C, Paredes A, Palma J, Jaime C, Vilchez C, Cerezal P. Determining the Potential of Haematococcus pluvialis Oleoresin as a Rich Source of Antioxidants. Molecules. 2019 Nov 11;24(22):4073. doi: 10.3390/molecules24224073. PMID: 31717936; PMCID: PMC6891815.
非特許文献C:Mahadi, R.; Vahisan, L.P.S.; Ilhamsyah, D.P.A.; Kim, S.; Kim, B.; Lee, N.; Oh, Y.-K. Enhancement of Astaxanthin and Fatty Acid Production in Haematococcus pluvialis Using Strigolactone. Appl. Sci. 2022, 12, 1791.
ヘマトコッカス藻色素Aを9mL容量のキャップ付きのガラス容器(NWT-18;株式会社マルエム製)に2g量り取り、ヘッドスペースを窒素で置換した後、キャップをした。その後、オイルバス(SOS-183D;株式会社三商)を用いて100-200℃の範囲で、ヘマトコッカス藻色素Aを5-60分間加熱した。反応後は氷で急冷し異性化検体とし、異性化効率を確認した。結果を以下の表1に示す。
アスタキサンチンの量ならびに異性体は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析し、そのピーク面積から算出した。
・シス型アスタキサンチン含有組成物の順相HPLC分析の条件
装置:高速液体クロマトグラフProminence システム(SPD-M20A、株式会社島津製作所社製)
カラム:Penomenex silica gel luna(2)(長さ:150mm×2本、内径:4.6mm、粒子径:5μm、Penomenex社製)
移動相:ヘキサン/酢酸エチル/アセトン(体積比 70:20:10)
流速:1.2mL/min
検出波長:470nm
カラム温度:40℃
表1に示す通り、温度依存的に異性化効率が向上したが、分解も促進された。
しかし、適切な温度条件では短時間で分解を抑制しながら異性化することが可能であった。例えば、140℃で30-60分、160℃で10-30分、180℃で5-15分の範囲では、アスタキサンチンエステルの分解を抑制しながら(分解率15%以下)、シス体の比率を50%以上まで向上することができた。
2.アスタキサンチンのシス異性化(連続式)
ヘマトコッカス藻色素Aを中鎖脂肪酸グリセリドを用いて2%濃度に調製し、サンプルとして使用した。サンプルを、内径0.2cmのチューブを用いて、160、200、240℃に設定した乾燥機内を通して異性化反応を行った。乾燥機内のチューブの長さは79.62cm、液量としては2.5mLとした。流速は0.5、1.0、2.5、5.0、10.0mL/minの5条件を検討した(検体の異性化反応時間は5.0、2.5、1.0、0.5、0.25分となる)。反応後は氷で急冷し異性化検体とし、異性化効率を確認した。結果を以下の表2に示す。
表2に示す通り、本装置を用いて異性化反応を行うことが可能であった。
3.シス異性化のスケールアップ試験
加熱による異性化技術の工業的親和性を検討するため、試験スケールが異性化効率に及ぼす影響を調査した。ヘマトコッカス藻色素Aを9mL容量のキャップ付きのガラス容器(NWT-18;株式会社マルエム製)と110mL容量のキャップ付きのガラス容器(9-852-10;アズワン株式会社製)にそれぞれ2gと25g量り取り、ヘッドスペースを窒素で置換した後、キャップをした。これらのガラス容器を、オイルバス(SOS-183D;株式会社三商)を用いて180℃で15分加熱し、その後直ちに氷水中で急冷した。処理後のアスタキサンチンエステルのシス体の比率は、仕込み量2gと25gでそれぞれ57.7%と59.1%であり、スケールアップによる異性化効率の低下は見られなかった。
4.アスタキサンチンエステルとフリー体を混合した製造検討
4-1 アスタキサンチンエステルとフリー体を混合後に異性化
ヘマトコッカス藻色素A2gと中鎖脂肪酸グリセリド38gを混合し、エステル体溶液を調製した。フリー体アスタキサンチン 0.2g、ミックストコフェロール0.03g、中鎖脂肪酸グリセリド39.77gをジクロロメタン20mLで溶解し、数秒超音波処理して完溶させ、フリー体溶液を調製した。エステル体溶液:フリー体溶液を、10:0、8:2、5:5、2:8、1:9、0:10の比率で混合し、ガラス反応管に3.0gずつ添加し、180℃のオイルバス中で5分間異性化反応を行った。反応後、氷で急冷し、30℃、40℃で1週間保管し、シス体の比率とアスタキサンチン残存率を測定した。結果を以下の表3に示す。
フリー体のみだと、アスタキサンチン残存率が大きく減少する結果となった。一方で、エステル体の割合が大きいほど、シス体の安定性が高くなる傾向がみられた。
4-2 シス型アスタキサンチンエステルとフリー体シス型アスタキサンチン混合した場合
ヘマトコッカス藻色素Aを2つのガラス反応管に3.0gずつ添加し、窒素を封入後、180℃のオイルバス中で5分間異性化反応を行った。反応後、氷で急冷し、反応物を1つにまとめてよく混合し、AX0.5%となるように中鎖脂肪酸グリセリドで希釈し、エステル体溶液を調製した。フリー体アスタキサンチンをシス異性化反応後、先に調製したエステル体溶液とシス体含量が同等となるように異性化前のフリー体アスタキサンチンを添加し、混合した。混合したものを28.80mg、ミックストコフェロール5.75mg、
中鎖脂肪酸グリセリド5715.45mgをよく混合し、超音波処理して分散させ、フリー体溶液を調製した。エステル体溶液:フリー体溶液を、10:0、8:2、5:5、2:8、1:9、0:10の比率で混合し、30℃、40℃で1週間保管し、シス体の比率とアスタキサンチン残存率を測定した。結果を以下の表4に示す。
表4に示す通り、エステル体の割合が大きいほど、シス体の安定性が高くなる傾向がみられた。
5.粉体の製造と安定性試験
シス型アスタキサンチン誘導体をより食品用途に利用しやすくするために、粉末加工の検討を行った。粉末化の製法として、クローズドスプレードライヤ(ADL311S;ヤマト科学製)を用いた有機溶媒系のスプレードライを実施した。溶媒はエタノールを使用し、賦形剤としてポリビニルピロリドン(PVP)またはヒドロキシプロピル-β‐シクロデキストリン(HP-BC)を使用した。
賦形剤をエタノールに溶解させた溶液に、シス型アスタキサンチン誘導体(ヘマトコッカス藻色素Aを140℃で30分加熱し、急冷して得た表1に示すシス型アスタキサンチン誘導体(total cis:51.66%))を0.1mg/mLになるように添加し、完溶させた。この溶液を、流速5mL/minでスプレードライし、粉体を得た。 スプレードライの検討として、以下の条件で入口温度、賦形剤の濃度を検討した。
入口温度検討:100℃、120℃、140℃ (賦形剤濃度10 mg/mL)
賦形剤濃度検討:5、10、20mg/mL (温度120℃)
結果を以下の表5及び6に示す。どちらの賦形剤を用いても、スプレードライ噴霧工程でシス型からトランス型へ異性化せず安定であることが分かった。
入口温度120℃、賦形剤濃度10mg/mLの噴霧条件で得られた粉末を、5℃、30℃、40℃で1、3、6週間保管し、シス体の比率とアスタキサンチン残存率を測定した。結果を以下の表7及び8に示す。
表7及び8に示す通り、アスタキサンチン残存率はいずれも良好な結果が得られた。
6.乳化物の製造と安定性試験
シス型アスタキサンチン誘導体(ヘマトコッカス藻色素Aを140℃で30分加熱し、急冷して得た表1に示すシス型アスタキサンチン誘導体(total cis:51.66%))のさらなる用途拡大のため、乳化物の検討を実施した。
シス型アスタキサンチン誘導体(ヘマトコッカス藻色素Aを140℃で30分加熱し、急冷して得た表1に示すシス型アスタキサンチン誘導体(total cis:51.66%))1.0g、ミックストコフェロール0.15g、中鎖脂肪酸グリセリド3.85g、ショ糖脂肪酸エステル5.0gを混合し、乳化物を調製した。ショ糖脂肪酸エステルには、DKエステル-SSまたはデカグリン1-Lを使用した。得られた乳化物を、30℃で1週間保管し、シス体の比率とアスタキサンチン残存率を測定した。結果は以下に示す。いずれの乳化物においてもシス体は良好な安定性を示した。
7.ルテインおよびゼアキサンチン誘導体のシス異性化検討
以下の手順でトランス型ルテインおよびゼアキサンチンの脂肪酸エステル体を加熱し、急冷することで、シス型ルテインおよびゼアキサンチン混合物の脂肪酸エステル体を製造した。なお、シス化効率を検討するために、比較対照として、フリー体のトランス型ルテインおよびゼアキサンチンも用いた。
原料として市販のマリーゴールド抽出物サプリメント(ルテイン、キリン協和発酵バイオ株式会社、以下、「M抽出物」という)を用いた。M抽出物には、フリー体換算で製剤2粒あたり8~13mgトランス型ルテインを主成分として脂肪酸エステル体として含有し、さらに少量のトランス型ゼアキサンチンも含有する。また、β-カロテン 2000μg、ビルベリー(ブルーベリー)エキス 120mgも配合されているとの表記がある。残りは食用オリーブ油、ビタミンE含有植物油から構成される。比較対照としてフリー体のルテイン、ゼアキサンチンを含有するマリーゴールド由来オレオレジン(Katra Phytochem Pvt Ltd., インド、以下、「Mコントロール」という)を用いた。Mコントロールにはフリー体換算でトランス型ルテインとして20%を主成分として含有し、さらにフリー体換算で2%程度のトランス型ゼアキサンチンも含有することが示されている。残りはトリグリセリドやジグリセリド等の中性脂肪から構成される。マリーゴールドのルテインおよびゼアキサンチンの脂肪酸エステル体を構成する脂肪酸組成は参考文献Aよりパルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウリル酸と推定される。
M抽出物としてカプセル2粒およびMコントロールとしてマリーゴールド由来オレオレジン52.6mgをそれぞれ取り、抗酸化剤として0.05% ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を含む100mLのMethyl-tert-butyl ether(MTBE)に溶解させた。その後、飽和硫酸ナトリウム水溶液で数回洗浄した。特に、M抽出物は水層に色が完全になくなるまで洗浄した。そのうち一部を取り、窒素気流下で乾固後、MTBEに再溶解し、HPLCにて分析を供した。HPLCのグラジエント条件など諸条件は参考文献Bを参考に以下の記載および表10のように設定した。なお、以後の実施例では,断りのない限り同様のHPLC条件を採用した。
(HPLC条件)
HPLCシステム:LC-2030(島津製作所製)
検出器:フォトダイオードアレイ検出器(300-700nm)
カラム:YMC Carotenoid, 長さ:250mm、内径:4.6mm、粒子径:5μm、YMC社製)
移動相A:メタノール
移動相B:MTBE
移動相C:1%リン酸:
流速:1.0mL/min
検出波長:450nm
カラム温度:25℃
本条件では一番ピーク高さが高いものを基準としてクロマトグラムの補正を行った。
前記マリーゴールド抽出物のクロマトグラムを図1及び図2に示す。
サンプルの帰属は、保持時間並びにフリー体のトランス型ルテイン(極大吸収445nm)およびトランス型ゼアキサンチン(極大吸収450nm)の吸収スペクトルから行った。M抽出物中のカロテノイドの大部分は、参考文献Bのごとく、ごく少量フリー体のトランス型ルテインおよびトランス型ゼアキサンチンが検出されたが、大部分は両者(キサントフィル類)の脂肪酸エステルと配合されたβ―カロテンが合わさったと考えられる混合物として複雑なピーク形状を示した。一方、Mコントロール中では主要成分としてフリー体のトランス型ルテインを含有し、一部フリー体のトランス型ゼアキサンチンも含有した。また、ごく僅かのシス型のルテインおよびゼアキサンチン(キサントフィル類)のピークが観察された。
参考文献A Cantrill,ら、82nd JECFA - Chemical and Technical Assessment (CTA), FAO 2016、
URL: https://openknowledge.fao.org/server/api/core/bitstreams/6faebb16-6ba5-4791-9574-25690e11521d/content
参考文献B: Prado-Cabrero、Eur Food Res Technol (2016) 242:599-608
(アルカリ鹸化処理)
先に示したM抽出物およびMコントロール由来のMTBE溶液を褐色のガラス製スクリュー遠心管に1mLを取り、1mLの60% KOH/EtOHを加え、激しく攪拌した。攪拌後、50℃で1時間鹸化処理を行った。処理後、直ちに3mLのMTBEと3mLの飽和硫酸ナトリウム水溶液を加え、激しく攪拌後、3000rpm、10分間の条件で遠心分離し、2層に分離を確認後、上層3mLをとり、窒素気流下で適宜濃縮し、HPLCに供した。M抽出物をおよびMコントロールのHPLCの結果を図1及び2に示した。図1及び2よりサプリメント錠剤に配合されたと考えられるβ―カロテン等のカロテン類を除くと、ルテインを主成分とし、次いでゼアキサンチンやそれらの異性体を含有する類似したクロマトグラムを示した。M抽出物はよりキサントフィル類のシス異性体が多く、全キサントフィル類に対するシス型キサントフィル類のシス異性体比は17.5%であった。M抽出分のエステル化比率は99%以上と推定された。Mコントロールのシス化前後のクロマトグラムには顕著な差は認められなかった。しかしながら、わずかではあるがシス異性体の増加(0.1%程度増)が認められた。
シス異性化処理:M抽出物をおよびMコントロール由来のMTBE抽出液全量を減圧乾固し、約15mLの市販のMCTオイル(株式会社朝日、日本)に溶解した。得られたオイルの一部をガラス管に移し、窒素気流下(30L/h)で165℃、30分加温した。加温した試料は反応後、すぐに氷冷水で冷却し、褐色サンプル管に窒素で充填後保管した。この加熱後のM抽出物およびMコントロールをそれぞれ1mL測り取り、9mLのMTBEで希釈後、段落[0087]で示したアルカリ鹸化処理を行った。得られた試料を窒素気流下で適宜濃縮し、HPLCに供した。M抽出物をおよびMコントロールのHPLCの結果を図3に、並びに一連の比較結果を表11に示した。
表11中、総F型キサントフィルは、総フリー型キサントフィル類を意味する。
図3より、アルカリ鹸化処理を行わなかったM抽出物のエステル体はシス化の前後で大きな変化は認められなかった。アルカリ鹸化処理後のM抽出物(エステル誘導体)およびMコントロール(フリー体)も類似したクロマトグラムを示し、図1及び2と比較するとシス異性化処理前では、ごくわずかにしか認められなかった多数ピークの増加が認められた。また、主成分であるトランス型ルテインのピークの減少が顕著であった。出現した新たなピークはUV/VISの吸収極大が全トランス型のルテイン及びゼアキサンチンより5~10nm低波長側へシフトし、315~330nm付近にシス異性体に依存した極大吸収が出現したため、これらのピークはシス型ルテインおよびシス型ゼアキサンチンと考えられた。これらピークの合計面積値から算出したものは、表11においてシス型キサントフィルと明記した。表11から両者とも由来は異なるが、M抽出物(エステル誘導体)およびMコントロール(フリー体)の全キサントフィルに対するシス型キサントフィルシス異性体比はそれぞれ53%、55%であった。本検討の結果をまとめると、フリー体およびエステル誘導体と原料形態が異なるにも関わらず、当シス化処理法を実施することにより、高効率でシス型ルテイン、シス型ゼアキサンチンを得ることが可能であることが示された。
8.オレンジパプリカ由来ゼアキサンチン誘導体のシス異性化検討
オレンジ色のパプリカはゼアキサンチンを豊富に含む。そのため、オレンジ色のパプリカを原料として、ゼアキサンチンを中心とするシス型キサントフィル誘導体の合成を試みた。市販のパプリカ(オレンジ色、日本産)を凍結させ、種子および白色部とヘタを取り除いた果肉部分を約100gを測り取り、細断後、ジューサーでピューレにした。その後、ピューレ全量を40mLのEtOHを加えよく攪拌後、40mLの塩化メチレンを添加し、さらに激しく攪拌し、一晩、冷蔵庫で保管した。その後、40mLの塩化メチレンを加え、再度攪拌後、へキサン150mLを加え、激しく攪拌後、茶漉しでろ過した。残渣を数回ヘキサンで洗浄し溶液を集めた。しばらく静置すると、濾液は2層に分かれた。上層をろ紙を用いてろ過後、分液漏斗に移し、飽和食塩水で数回洗浄し、エバポレーターで減圧乾固させた。乾固したものを50mLのMTBEに溶解させた。そのうち一部を取り、窒素気流下で乾固後、未鹸化試料とアルカリ鹸化後試料をHPLCにて分析を供した。また、シス異性化として、MTBE抽出液を減圧乾固後、約15mLのMCTに溶解し、実施例7と同様の方法で過熱によるシス異性化を実施した。アルカリ鹸化およびHPLCのグラジエント条件など諸条件は実施例7と同様にした。結果を図4に示した。
図4に示したHPLCクロマトグラムの結果より、含有される色素成分の約58%が、各種キサントフィルの脂肪酸エステル誘導体およびカロテン類であることが示された。すなわち、未鹸化試料ではフリーのキサントフィルとして、トランス型ゼアキサンチン(極大吸収波長:451nm)が主成分として存在し、次いでトランス型ルテイン(極大吸収波長:445nm、471nm)が存在し、少量のトランス型β-クリプトキサンチン(極大吸収波長452nm)やシス型のゼアキサンチン(極大吸収波長;446nm、339nm)が存在した。また、後半部分に溶出される複雑なピークが検出された。これら複雑なピークはアルカリ鹸化処理の結果、一部はカロテン類とキサントフィル類のエステル(主にいずれもトランス体のゼアキサンチン、ルテインおよびβ-クリプトキサンチンからなる)であることが分かった。シス化処理後、アルカリ鹸化処理を実施するとフリー体のゼアキサンチン、フリー体のルテインおよびフリー体のβ-クリプトキサンチンのピーク周辺に多数のピークが確認された。これらピークはいずれも極大吸収が5~10nm低波長側へシフトし、330nm付近にシス異性体に依存した極大が出現したため、シス型ゼアキサンチン、シス型ルテインおよびシス型βークリプトキサンチンと考えられた。また、カロテンの各分にも同様のピークの変動が認められた。これらをまとめるとトランス型キサントフィル類に対するシス異性他の比率は0.6%程度であったが、シス異性化処理によって48.6%程度に増加した。なお、通常シス型ピークは低波長側に極大吸収がシフトするため、本数字より高比率でシス型キサントフィルは含有されていると考えられる。
9.赤色パプリカ由来カプサンチンおよびゼアキサンチンを主体とするキサントフィル誘導体のシス異性化検討
赤色のパプリカは特有なキサントフィル類であるカプサンチン、カプソルビンおよびゼアキサンチンを豊富に含む。そのため、赤色のパプリカを原料として、これらキサントフィル類を中心とするシス型キサントフィル誘導体の合成を試みた。
市販のパプリカ(赤色、日本産)を凍結させ、種子および白色部とヘタを取り除いた果肉部分を約100gを測り取り、細断後、ジューサーでピューレにした。その後、ピューレ全量を40mLのEtOHを加えよく攪拌後、40mLの塩化メチレンを添加し、さらに激しく攪拌し、一晩、冷蔵庫で保管した。その後、40mLの塩化メチレンを加え、再度攪拌後、へキサン150mLを加え、攪拌後、茶漉しでろ過した。残渣を数回ヘキサンで洗浄したところ、濾液は2層に分かれた。上層をろ紙を用いてろ過後、分液漏斗に移し、飽和食塩水で数回洗浄し、エバポレーターで減圧乾固させた。乾固したものを50mLのMTBEに溶解させた。そのうち一部を取り、窒素気流下で乾固後、未鹸化試料とアルカリ鹸化後試料をHPLCにて分析を供した。また、シス異性化として、MTBE抽出液を減圧乾固後、約15mLのMCTに溶解し、実施例7と同様の方法で過熱によるシス異性化を実施した。
アルカリ鹸化およびHPLCのグラジエント条件など諸条件は実施例7と同様にした。結果を図5に示した。
図5に示したHPLCクロマトグラムの結果より、約90%が各種キサントフィルの脂肪酸エステル誘導体およびカロテン類であることが示された。すなわち、未鹸化試料ではフリーのキサントフィルとして、トランス型カプサンチン(極大吸収波長:474nm)が主成分であり、それ以外にもいずれもトランス型のゼアキサンチン(極大吸収波長:451nm)、ビオラキサンチン(極大吸収波長:428nm、478nm)、カプソルビン(極大吸収波長:480nm)およびネオキサンチン(極大吸収波長:423nm、447nm)が含まれ、それ以外にもそれぞれのシス型カロテノイドと想定されるものが若干量含まれていた。また、後半部分に溶出される成分が大部分を占め、複雑な形状のピークが検出された。これら複雑なピークはアルカリ鹸化処理の結果、一部はカロテン類と前述したキサントフィル類のエステルであることが分かった。シス化処理後、アルカリ鹸化処理を実施するといずれもトランス型のネオキサンチン、ビオラキサンチン、カプサンチン、ゼアキサンチンおよびβ-クリプトキサンチンのピークが出現しそれら以外にも未同定の多数のピークが確認された。抽出物にシス化処理を行い鹸化処理による変換効率を評価すると、ネオキサンチン、ビオラキサンチン、カプサンチン、ゼアキサンチンおよびβ-クリプトキサンチンの周囲に分離不可能なスメアなピークが検出されこれらピークはいずれも極大吸収が5~10nm低波長側へシフトし、330nm付近にシス異性体に依存した極大が出現するものもあったため、シス型のカプサンチン、ゼアキサンチンおよびβ-クリプトキサンチンなどの混合物と考えられた。また、カロテンの各分にも同様のピークの変動が認められた。これらをまとめると組成物中の全キサントフィル類のうち68%以上がシス型キサントフィル類となったと考えられた。なお、通常シス型ピークは低波長側に極大吸収がシフトするため、本数字より高比率でシス型キサントフィルは含有されていると考えられる。
9.柿由来β-クリプトキサンチンおよびゼアキサンチン誘導体のシス異性化検討
柿は、温州ミカンと同様におよびβ-クリプトキサンチンおよびゼアキサンチンを豊富に含む。そのため、柿を原料として、β-クリプトキサンチンを中心とするシス型キサントフィル誘導体の合成を試みた。市販の柿(富有柿、日本産)を凍結させ、果皮部分を約25gを測り取り、細断後、ジューサーでピューレにした。
その後、ピューレ全量を40mLのEtOHを加えよく攪拌後、40mLの塩化メチレンを添加し、さらに激しく攪拌し、一晩、冷蔵庫で保管した。その後、20mLの飽和硫酸ナトリウム水溶液と40mLの塩化メチレンを加え、再度攪拌後、へキサン150mLを加え、激しく攪拌後、茶漉しでろ過した。残渣を数回ヘキサンで洗浄し溶液を集めた。しばらく静置すると、濾液は2層に分かれた。上層をろ紙を用いてろ過後、分液漏斗に移し、飽和食塩水で数回洗浄し、エバポレーターで減圧乾固させた。乾固したものを50mLのMTBEに溶解させた。そのうち一部を取り、窒素気流下で乾固後、未鹸化試料とアルカリ鹸化後試料をHPLCにて分析した。また、シス異性化として、MTBE抽出液を減圧乾固後、約15mLのMCTに溶解し、実施例7と同様の方法で過熱によるシス異性化を実施した。アルカリ鹸化およびHPLCのグラジエント条件など諸条件は実施例7と同様にした。結果を図6に示した。
図6に示したHPLCクロマトグラムの結果より、含有される色素成分の87%程度が、各種キサントフィルの脂肪酸エステル誘導体およびカロテン類であることが示された。すなわち、未鹸化試料ではフリーのキサントフィルとして、トランス型ゼアキサンチン(極大吸収波長:451nm)が主成分として存在し、次いでトランス型ルテイン(極大吸収波長:445nm)が存在し、少量のトランス型β-クリプトキサンチン(極大吸収波長:452nm)や少量のシス型のゼアキサンチンと想定されるピークが存在した。また、後半部分に溶出される複雑なピークが検出された。これら複雑なピークはアルカリ鹸化処理の結果、一部はカロテン類とキサントフィル類のエステル(主にいずれもトランス体のゼアキサンチン、ルテインおよびβ-クリプトキサンチンからなる)であることが分かった。シス化処理後、アルカリ鹸化処理を実施するとフリー体のゼアキサンチン、フリー体のルテインおよびフリー体のβ―クリプトキサンチンのピーク周辺に多数のピークが確認された。これらピークはいずれも極大吸収が5~10nm低波長側へシフトし、330nm付近にシス異性体に依存した極大が出現したため、シス型ゼアキサンチン、シス型ルテインおよびシス型βークリプトキサンチンと考えられた。また、カロテンの各分にも同様のピークの変動が認められた。これらをまとめると組成物中のキサントフィル類のうち57%程度がシス型キサントフィルとなったと考えられた。なお、通常シス型ピークは低波長側に極大吸収がシフトするため、本数字より高比率でシス型キサントフィルは含有されていると考えられる。
11.サフラン由来のクロシン類(クロセチン配糖体)のシス異性化検討
市販のサフラン(スペイン産、ハウス食品、日本)を約1g測り取り、50mLのMeOHを加えよく攪拌後、100mLのクロロホルムを添加し、さらに激しく攪拌した。これをサフラン抽出物と呼ぶ。そのうち一部を取り、窒素気流下で乾固し、MTBE/MeOH(1:2)溶解し、HPLCで分析を供した。また、同様に一部をアルカリ鹸化した。方法として、上記の抽出液をガラス製スクリュー遠心管に1mL取り、1mLの60% KOH/EtOHを加え、激しく攪拌した。攪拌後、50℃で1時間処理を行った。処理後、直ちに3mLのMTBEと3mLの飽和硫酸ナトリウム水溶液と0.3mLのリン酸を加え、激しく攪拌後、3000rpm、10分間の条件で遠心分離し、2層に分離を確認後、色素が完全に移行した上層3mLをとり、窒素気流下で適宜濃縮し、HPLCに供した。また、残りのMTBE/MeOH(1:2)溶解液を減圧乾固し、約15mLのMCTに溶解させ、実施例7と同様の方法で過熱によるシス異性化を実施した。反応後は未反応物と同様の方法でアルカリ鹸化を実施した。なお、HPLCのグラジエント条件など諸条件は、以下、表12に従った。HPLCの結果を図7に示した。
(HPLC条件)
HPLCシステム:LC-2030(島津製作所製)
検出器:フォトダイオードアレイ検出器(300-700nm)
カラム:YMC Carotenoid, 長さ:150mm、内径:4.6mm、粒子径:3μm、YMC社製)
移動相A:1%リン酸
移動相B:アセトニトリル(AcN)
流速:1.0mL/min
検出波長:420nm**
カラム温度:30℃
本条件では一番ピーク高さが高いものを基準としてクロマトグラムの補正を行っている。
図7に示したHPLCクロマトグラムの結果より、未鹸化試料では複数のピークが認められたが、これらはアルカリ鹸化処理により、トランス型のクロセチンに変換された。したがって含有される色素成分のほぼすべてがクロセチンの配糖体であるトランス型のクロシン類であることが示唆された。すなわち、鹸化試料ではフリーのキサントフィルとして、トランス型クロセチン(極大吸収波長:427nm,451nm)が主成分として存在した。シス化処理後、アルカリ鹸化処理を実施するとトランス型のクロセチンの周囲に多数のピークが確認された。これらピークはいずれも極大吸収がトランス型のクロセチンから5~20nm低波長側へシフトしたため、シス型クロセチンと考えられた。特に、全トランス型クロセチンの直後のピークは極大吸収が約5nm低波長側シフトし、316nmにシス型カロテノイドに特有なピークが観察されたため、13-cis-クロセチンであることが示唆された。したがって、配糖体(クロシン類)でこれらはシス型で存在すると考えられた。これらをまとめると組成物中のクロシン類のうち49%程度がシス型クロシン類となったと考えられた。なお、通常シス型ピークは低波長側に極大吸収がシフトするため、本数字より高比率でシス型クロシンは含有されていると考えられる。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。

Claims (5)

  1. シス型アスタキサンチンの脂質エステル体、及び、シス型アスタキサンチンを含有し、
    前記シス型アスタキサンチンの含有量に対する前記シス型アスタキサンチンの脂質エステル体の含有量(モル比)は、0.05~1000であ、組成物。
  2. 前記シス型アスタキサンチンの脂質エステル体は、シス型アスタキサンチンと、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、エイコサペンタエン酸、アラキドン酸、及びドコサヘキサエン酸からなる群より選択される1種以上の脂肪酸との脂質エステル体を含む、請求項1記載の組成物。
  3. 請求項1記載の組成物を含有する、医薬品。
  4. 請求項1記載の組成物を含有する、食品。
  5. 請求項1記載の組成物を含有する、化粧品。
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