JPH11322708A - キサントフィル結晶の製造方法 - Google Patents

キサントフィル結晶の製造方法

Info

Publication number
JPH11322708A
JPH11322708A JP19616998A JP19616998A JPH11322708A JP H11322708 A JPH11322708 A JP H11322708A JP 19616998 A JP19616998 A JP 19616998A JP 19616998 A JP19616998 A JP 19616998A JP H11322708 A JPH11322708 A JP H11322708A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
xanthophyll
mixture
crystals
oleoresin
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP19616998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4172849B2 (ja
Inventor
Takashi Nagai
俊 長井
Motoichi Nakayama
素一 中山
Iwao Sato
巌 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd filed Critical Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Priority to JP19616998A priority Critical patent/JP4172849B2/ja
Publication of JPH11322708A publication Critical patent/JPH11322708A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4172849B2 publication Critical patent/JP4172849B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品、飼料等に用いられるキサントフィル結
晶を工業的に製造する方法を提供する。 【構成】 (a) キサントフィルエステルを含有するオレ
オレジン、ケン化剤およびエタノールを含有する混合物
を45〜85℃にて混合し、該混合物中にキサントフィル結
晶を形成させる工程、(b) 該混合物に熱水を加え、60〜
90℃にて混合して均質な混合液とする工程、(c) 該混合
液からキサントフィル結晶を回収する工程、を含むこと
を特徴とするキサントフィル結晶の製造方法、ならびに
該製造方法で得られるキサントフィル結晶および食用油
脂を含有してなる製剤に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キサントフィルエ
ステルを含有するオレオレジンからキサントフィル結晶
を製造する方法に関する。キサントフィル結晶は、着色
料、栄養補助食品等の原材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】カロチノイドは、食品、飼料、医薬品、
化粧品等の着色料として用いられている他、一重項酸素
の消去、フリーラジカルの補足、免疫の増強等の作用を
有する生理活性物質であるため栄養補助食品等に用いら
れる。カロチノイドとしては、β−カロチン、α−カロ
チン、リコピン等、炭化水素のみからなるカロチンと、
ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、カンタ
キサンチン等、炭化水素と酸素からなるキサントフィル
とに大別することができる。
【0003】キサントフィルのうち、ルテインおよびゼ
アキサンチンはパイナップル様の黄色を呈し、ルテイン
は加齢性黄斑変性や白内障の発症を低減する効果のある
ことが報告されており、これらのキサントフィルは、着
色料、栄養補助食品等の原材料として注目されつつあ
る。キサントフィル結晶の製造方法として、マリーゴー
ルドオレオレジンをプロピレングリコール、水およびケ
ン化剤と混合してケン化する方法が知られている(USP
5,648,564)。しかし、この方法では、キサントフィル
結晶の生成速度が遅く、かつ得られるキサントフィル結
晶サイズが小さいため、キサントフィル結晶の分離、回
収が難しく、また溶媒として用いるプロピレングリコー
ルは沸点が高いため、蒸留等により回収処分することが
難しい。
【0004】ルテイン結晶の製造方法として、ケン化さ
れたマリーゴールドオレオレジンを用いてルテイン結晶
を分離、精製して回収する方法が知られている(特開平
8−92205号公報)。しかし、この方法では、ルテ
イン結晶を形成させ、冷水とエタノールでルテイン結晶
を洗浄した後、さらにヘキサン等の有機溶媒を用いてル
テイン結晶を再結晶させるという煩雑な工程を必要とす
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、食
品、飼料等に用いられるキサントフィル結晶を工業的に
製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a) キサント
フィルエステルを含有するオレオレジン、ケン化剤およ
びエタノールを含有する混合物を45〜85℃にて混合し、
該混合物中にキサントフィル結晶を形成させる工程、
(b) 該混合物に熱水を加え、60〜90℃にて混合して均質
な混合液とする工程、(c) 該混合液からキサントフィル
結晶を回収する工程、を含むことを特徴とするキサント
フィル結晶の製造方法、ならびに該製造方法で得られる
キサントフィル結晶および食用油脂を含有してなる製剤
に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、キサントフィル
エステルを含有するオレオレジンは、キサントフィルエ
ステルを含有する花、果実、葉、茎、根、樹皮等、植物
体の一部または全部から、ヘキサン等の有機溶媒により
抽出する方法等を用いて調製される、キサントフィルエ
ステルを含有する固体または液体の抽出物をいう。キサ
ントフィルエステルを含有するオレオレジンとしては、
例えばルテインエステルを含有するオレオレジンがあげ
られる。ルテインエステルを含有するオレオレジンは、
マリーゴールドの乾燥花弁からヘキサン等の有機溶媒に
よりルテインエステルを含有する成分を抽出した後、該
抽出成分を含む溶液から有機溶媒を除去することによ
り、マリーゴールドオレオレジンとして取得することが
できる。マリーゴールドオレオレジンに含まれるルテイ
ン、ゼアキサンチン等のキサントフィルは、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等、炭
素数12〜18の脂肪酸とのモノエステル結合物またはジエ
ステル結合物として存在する。
【0008】キサントフィルエステルを含有するオレオ
レジン(以下、単にオレオレジンともいう)、ケン化剤
およびエタノールを含有する混合物を45〜85℃に加熱し
ながら混合することにより、該混合物中にキサントフィ
ル結晶を形成させることができる。以下に該工程を説明
する。オレオレジン、ケン化剤およびエタノールを含有
する混合物は、オレオレジンをケン化してキサントフィ
ル結晶を形成させるため、オレオレジン100重量部に
対して、ケン化剤を2〜100重量部およびエタノール
を30〜1000重量部含むように調製することが好ま
しい。
【0009】ケン化剤としては、エタノールを含む溶液
中でオレオレジンをケン化できる化合物であればいずれ
を用いてもよいが、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリ
ウムを用いることが好ましく、水酸化カリウムを用いる
ことがさらに好ましい。該混合物は、オレオレジンに、
該オレオレジンをケン化させるのに充分量のケン化剤を
エタノール溶液として加え、またはオレオレジンにエタ
ノールを加えて攪拌しながら混合した後に該オレオレジ
ンをケン化させるのに充分量のケン化剤を水溶液として
加え、それぞれ混合することにより調製することができ
る。ケン化剤が水酸化カリウムの場合は、オレオレジン
100重量部に対して水酸化カリウムを1 〜20重量%含
むエタノール溶液を20〜1000重量部加えるか、またはオ
レオレジン100重量部に対してエタノールを30〜1000
重量部加えて混合した後に10〜60重量%水酸化カリウム
水溶液を3 〜1000重量部加えて、それぞれ混合すること
により混合物を調製することができる。
【0010】該混合物中には、オレオレジンのケン化反
応からキサントフィル結晶の回収までの工程を阻害せ
ず、かつ食品製造において用いられるものであれば、例
えば水など、いずれのものを含んでいてもよい。該混合
物を45〜85℃、好ましくは60〜80℃、さらに好ましくは
65〜75℃にて混合すると、混合物中でのオレオレジンの
分散がよく、オレオレジンのケン化反応を速やかに進行
させることができ、かつ短時間に大きなキサントフィル
結晶を形成させることができる。
【0011】混合物中にキサントフィル結晶が形成した
ことは、肉眼により混合物の色調、明度等の変化を観察
するか、混合物から採取した試料を顕微鏡により結晶を
観察することによって確認することができる。なお、結
晶が形成した後、混合物を該温度にて長時間反応させる
か減圧条件下におくことによって、混合物中に含まれる
エタノールを蒸発、除去させてもよい。混合物中に含ま
れるエタノールが30重量%以下、好ましくは20重量%以
下になるまでエタノールを除去することにより、キサン
トフィル結晶の純度を高めることができる。
【0012】上記工程により調製される混合物中にはキ
サントフィル結晶の他、エタノール、ケン化により生成
した脂肪酸に由来する石けん、アントシアニン、水溶性
フラボノイド等の夾雑物が存在する。夾雑物を含有する
該混合物に熱水を加え、60〜90℃で混合して均質な混合
液とし、さらに該混合液からキサントフィル結晶を回収
することにより、該混合物に含まれる夾雑物を分離し、
キサントフィル結晶を回収することができる。
【0013】以下に該工程を説明する。該混合物に、出
発原料のオレオレジンに対して、重量として通常5 〜10
0 倍量、好ましくは5 〜40倍量の熱水を加えて60〜90
℃、好ましくは75〜85℃とし、該温度を保持しながら攪
拌、混合することにより、ケン化反応物の粘度を低下さ
せ、かつケン化反応により生成した脂肪酸に由来する石
けんを溶解させて、均質な混合液を調製する。なお、均
質な混合液とは、全体としてほぼ均質に懸濁または分散
した状態にある混合液をいう。該混合液を調製する際の
温度が低いと、該混合液の粘度が高くなるためキサント
フィル結晶の分離が妨げられること、石けんの水に対す
る溶解度が下がるためキサントフィル結晶に多量の石け
んが夾雑物として残存すること等により、結晶のキサン
トフィル純度が下がるため好ましくない。また、キサン
トフィル結晶のpHを調整するために、均質な混合液を
調製する際に、クエン酸、乳酸、酒石酸、酢酸等の有機
酸、塩酸、硫酸等の無機酸等を加えてもよい。
【0014】均質な混合液を調製した後、減圧濾過、加
圧ろ過、バスケット式遠心ろ過、遠心分離、連続遠心分
離等の方法を用いることにより、該混合液からキサント
フィル結晶を、水溶性のケン化剤、エタノール、石け
ん、アントシアニン、水溶性フラボノイド等から分離し
て、回収することができる。回収されたキサントフィル
結晶は、そのまま用いてもよいが、熱水による洗浄工程
をさらに1回から数回繰り返して得られるものを用いて
もよい。しかし、熱水による洗浄工程を繰返しすぎる
と、該結晶の歩留まりが低下するため好ましくない。
【0015】上記方法により得られたキサントフィル結
晶は、そのまま用いてもよいが、通常は凍結真空乾燥、
真空乾燥、低温常圧乾燥等により乾燥させ、5重量%以下
の水分を含むキサントフィル結晶として用いることが好
ましい。本発明の方法により製造されるキサントフィル
結晶としては、キサントフィルエステルを含有するオレ
オレジンとしてマリーゴールドオレオレジンを用いて製
造されるキサントフィル結晶を例示することができる。
マリーゴールドオレオレジンを用いた場合、キサントフ
ィル純度が60〜90%であるキサントフィル結晶が通常得
られる。なお、該結晶は、キサントフィルのうち、90〜
99重量%がオールトランスルテイン、1 〜10重量%がオ
ールトランスゼアキサンチン、シス型ルテイン等が痕跡
量である組成を有する結晶として得られる。さらに、該
結晶の歩留まりは、分離方法、洗浄回数等にも影響され
るが、通常は60〜85%程度である。
【0016】本発明の方法により、比較的大きなキサン
トフィル結晶が製造される。本発明で得られる結晶は長
方形状のものが多く、長辺の長さが100μm以上の結晶
が多数存在し、200μmを超えるものも存在し、最大約25
0μm程度に達する結晶も認められる。また、本発明の方
法により製造されるキサントフィル結晶中には、洗浄で
きなかった脂肪酸石けんや脂肪酸などの不純物をわずか
に含むが、ヘキサン等の毒性のある有機溶媒を使用して
ないので、食品、飼料の原材料としては安全性は高いも
のである。
【0017】本発明の方法により製造されたキサントフ
ィル結晶は、そのまま着色料、栄養補助剤等の原材料と
して使用できるが、該結晶と食用油脂を含有してなる製
剤(以下、本発明の製剤という)の製造に使用すること
もできる。本発明の製剤は、本発明の方法により製造さ
れたキサントフィル結晶を食用油脂中に分散または懸濁
することにより製造することができる。この際に、コロ
イドミル、ボールミル、ロールミル、ホモジナイザー等
を用いて粉砕処理を行うと、該結晶が食用油脂中で均質
に分散され、低粘度である製剤が製造できるため好まし
い。本発明の製剤は、食品、飼料等に用いられるもので
あれば、例えばトコフェロール等の抗酸化剤等を添加剤
として含んでいてもよい。本発明の製剤中のキサントフ
ィル含有率は、1〜40重量%であることが好ましい。
【0018】食用油脂としては、大豆油、ナタネ油、コ
ーン油、オリーブ油、ヤシ油、ピーナッツ油、サフラワ
ー油、ヒマワリ油、米油等の植物油脂、牛脂、豚脂、魚
油等の動植物油脂、炭素数6 〜12の中鎖飽和脂肪酸トリ
グリセリド(MCT)等の加工食用油脂等を、単独また
は組み合わせて用いることができる。本発明の製剤は、
着色料、栄養補助食品等の原材料として用いられる。以
下に実施例を示す。
【実施例】
【0019】実施例1 マリーゴールドオレオレジン(キサントフィルを約10重
量%含有、エクアドルINEXA 社製)100gに水酸化カリウ
ムを10%(w/v)含むエタノール溶液を200ml 加えて、マグ
ネチックスターラーにて攪拌しながら65〜70℃でケン化
反応を行った。反応開始約20分後、茶色の混合液中に
明るいオレンジ色で光る部分が観察された。この時の混
合液を顕微鏡で観察した結果、キサントフィル結晶が観
察された。
【0020】反応の開始約30分後、75〜80℃に昇温
し、さらに約1時間反応させ、混合物中から大部分のエ
タノールを除去し、混合物を150g得た。反応終了時の結
晶サイズは最大約250 μm であった。反応終了後、混合
物に80℃の熱水を2000ml加え、75〜80℃に保持しながら
混合し、充分に均質化した混合液を調製した。該混合液
をブフナーロートにろ紙(TOYO No.5A、アドバンテック
社製)をしいて、吸引ろ過した。ろ紙上に回収されたキ
サントフィル結晶に、80℃の熱水を2000ml注いで洗浄し
た後、該結晶を常圧下、40℃で一晩乾燥した。この結
果、水分量は1重量%以下であるキサントフィル結晶が
8.7g得られた。該結晶を約50mgとり、これを試料として
精秤した後ジオキサンを加えて100mlの溶液とした。得
られた溶液1ml にエタノールを加えて100ml とした。こ
の溶液の445nm における吸光度を測定し、ルテインのエ
タノール中での分子吸光係数E1%1cm=2550(波長445nm)よ
り次式から結晶中のキサントフィル純度を算出した。 キサントフィル純度=(OD445×100 ×100 )/(2550
×試料重量(g) ) その結果、結晶中のキサントフィル純度は84.7%であっ
た。また、この値からキサントフィルの歩留まりは73.7
%と算出された。また、キサントフィル結晶を高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)により分析した結果、
結晶中のキサントフィルのうち、91.6重量%がオールト
ランスルテイン、6.6 重量%がオールトランスゼアキサ
ンチン、1.8重量%がシス型のルテイン等であった。
【0021】なお、HPLC分析は以下の条件にて行っ
た。 HPLC装置:SHIMADZU LC-10A 流速:1ml/分 移動相:0〜6分はメタノールのみ、6 〜10分は2-プロ
パノール濃度を5%(v/v) になるまで上げる、10〜15分
は2-プロパノール濃度を5%に維持、15〜25分は2-プロ
パノール濃度を25%まで上げる、25〜30分は2-プロパノ
ール濃度を50%まで上げる、30〜40分は2-プロパノール
濃度を75%、ヘキサン濃度を25%まで上げ、メタノール
濃度を0%まで下げる、40〜50分は2-プロパノール濃度
を75%、ヘキサン濃度を25%に維持する、50〜60分はメ
タノールのみ カラム:YMC PACK C30逆相カラム(4.6 ×250mm 、粒
径5 μm ) カラム温度:28℃ 検出器:SHIMADZU SPD-10A (UV DETECTOR) 検出波長:450nm サンプル注入量:10μl キサントフィルの標品:オールトランスルテイン(Sigm
a 社)、オールトランスゼアキサンチン(Apin Chemica
ls社製) 得られた結晶を中鎖飽和脂肪酸トリグリセリド(以下、
MCTと略記する)26.4g と混合し、キサントフィル結
晶MCT懸濁液を35.1g 得た。該結晶懸濁液中のキサン
トフィル含有率は、試料をキサントフィル結晶を約50mg
に代えて結晶懸濁液を約0.1gとする以外はキサントフィ
ル純度と同様の方法を用いて算出した結果、20.2重量%
であった。
【0022】実施例2 ケン化反応の開始30分後、エタノールを除去する工程
なしに、混合物に80℃の熱水を2000ml加える以外は実施
例1と同様の方法を用いて、キサントフィル結晶を製造
した。その結果、キサントフィル結晶が11.1g 得られ
た。キサントフィル純度および歩留まりを、実施例1と
同様の方法を用いて算出した結果、それぞれ66.3%およ
び73.4%であった。
【0023】実施例3 マリーゴールドオレオレジン(キサントフィルを約10重
量%含有、エクアドルINEXA 社製)100gにエタノール10
0ml を加え、75℃でマグネチックスターラーにて撹拌
し、混合、分散させた。混合物に55重量%水酸化カリウ
ム水溶液を40g ゆっくりと添加した後に75℃に保持しな
がら30分間ケン化反応を行った。反応終了時の結晶サイ
ズは最大約250 μm であった。反応終了後、混合物に80
℃の熱水を2000ml加え、75〜80℃に保持しながら混合
し、充分に均質化した混合液を調製した。該混合液を実
施例1記載の方法により減圧ろ過した。ろ紙上に回収さ
れたキサントフィル結晶に80℃の熱水を2000ml注いで洗
浄した後、該結晶を常圧下、40℃で一晩乾燥した。この
結果、キサントフィル結晶が8.9g得られた。キサントフ
ィルの純度および歩留まりを、実施例1と同様の方法を
用いて算出した結果、それぞれ84.1%および75.1%であ
った。
【0024】実施例4 マリーゴールドオレオレジン(キサントフィルを約10重
量%含有、エクアドルINEXA 社製)50kgにエタノール50
L を加えて、撹拌羽根(タイプIK;株式会社東芝製)を
用いて1400rpm、75℃で攪拌して混合した。混合物に55
%(w/v) 水酸化カリウム水溶液20kgをゆっくりと添加
し、75℃に保持しながら攪拌してケン化反応を行った。
反応開始約6分後、茶色の混合液中に明るいオレンジ色
で光る部分が観察された。この時の混合液を顕微鏡で観
察した結果、キサントフィル結晶が確認された。結晶の
形成が確認された後、さらに30分間攪拌しながらケン化
反応を行った。反応終了時の結晶サイズは最大約250 μ
m であった。反応終了後、混合物に80℃の熱水を1250L
加え、さらに加熱して80〜85℃に保持しながら混合し、
さらに25%(w/v) 含むクエン酸水溶液を24kg加え、充分
に均質化した混合液を調製した。該混合液中のキサント
フィル結晶をシャープレス型超遠心機(S型超遠心分離
機:株式会社喜商製)を用いて400L/時の処理速度で結
晶を分離、回収した。回収した結晶ケーキ12.08kg を凍
結真空乾燥機(DE4072型、日本真空技術株式会社製)を
用いて凍結乾燥した。その結果、水分を0.5重量%含む
キサントフィル結晶が4.30kg得られた。キサントフィル
の純度および歩留まりを、実施例1と同様の方法を用い
て算出した結果、それぞれ77.7%および歩留まりは66.8
%であった。また、該結晶を実施例1と同様の方法を用
いてHPLCにより分析した結果、結晶中のキサントフ
ィルのうち、92.0重量%がオールトランスルテイン、5.
6重量%がオールトランスゼアキサンチン、2.4重量%が
シス型のルテイン等であった。
【0025】得られた結晶にMCTを11.46kg 加えてよ
く混合した後、コロイドミル(スーパーマスコロイダ
ー:増幸産業株式会社製)に通して結晶を粉砕し、キサ
ントフィル結晶MCT懸濁液を15.63kg 得た。該結晶懸
濁液中のキサントフィル含有率は、実施例1と同様の方
法を用いて算出した結果、21.0重量%であった。
【0026】比較例1 マリーゴールドオレオレジン(キサントフィルを約10重
量%含有、エクアドルINEXA 社製)100gを65℃に加熱し
て充分に軟化させた後、これに60℃に加熱した10%(w/
v) 水酸化カリウム水溶液2500g をゆっくりと添加した
後に70℃に昇温し、撹拌しながらケン化反応を行った。
反応開始1時間後、混合物中のキサントフィル量を実施
例1と同様の方法を用いてHPLCにより分析したとこ
ろ、ケン化率は6%であった。また、顕微鏡で観察した
結果、オレオレジンの固まりしか確認されず、キサント
フィル結晶の形成は確認できなかった。また、反応開始
5時間後まで、混合物中にキサントフィル結晶の形成は
全く確認できなかった。
【0027】比較例2 マリーゴールドオレオレジン(キサントフィルを約10重
量%含有、エクアドルINEXA 社製)100gにプロピレング
リコールを100g加えてマグネチックスターラーにて攪拌
しながら、55℃で混合した。混合物に45%(w/v) 水酸化
カリウム水溶液95g をゆっくりと添加した後に70℃に昇
温し、撹拌しながら6時間ケン化反応を行った。反応開
始3時間後に結晶が生成し始め、その後徐々に結晶が増
加した。反応終了時の結晶サイズは最大で約50μmと小
さいものであった。反応終了後、混合物に70〜80℃の熱
水を2000ml加え、70〜80℃に保持しながら混合し、充分
に均質化した混合液を調製した。該混合液を実施例1と
同様の方法を用いて減圧ろ過した。ろ紙上に回収された
キサントフィル結晶に80℃の熱水を2000ml注いで洗浄し
た後、該結晶を常圧下、40℃で一晩乾燥した。この結
果、キサントフィル結晶が9.9g得られた。キサントフィ
ル純度および歩留まりを、実施例1と同様の方法を用い
て算出した結果、それぞれ77.8% および77.3% であっ
た。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、食品、飼料等に用いら
れるキサントフィル結晶を工業的に製造する方法を提供
することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) キサントフィルエステルを含有する
    オレオレジン、ケン化剤およびエタノールを含有する混
    合物を45〜85℃にて混合し、該混合物中にキサントフィ
    ル結晶を形成させる工程、(b) 該混合物に熱水を加え、
    60〜90℃にて混合して均質な混合液とする工程、(c) 該
    混合液からキサントフィル結晶を回収する工程、を含む
    ことを特徴とするキサントフィル結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 キサントフィルエステルがルテインエス
    テルである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 キサントフィルエステルを含有するオレ
    オレジンがマリーゴールドオレオレジンである請求項1
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 ケン化剤が水酸化カリウムまたは水酸化
    ナトリウムである請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか記載の方法で得
    られるキサントフィル結晶および食用油脂を含有してな
    る製剤。
  6. 【請求項6】 キサントフィルを1〜40重量%含有す
    る請求項5記載の製剤。
JP19616998A 1998-03-20 1998-07-10 キサントフィル結晶の製造方法 Expired - Fee Related JP4172849B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19616998A JP4172849B2 (ja) 1998-03-20 1998-07-10 キサントフィル結晶の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7252398 1998-03-20
JP10-72523 1998-03-20
JP19616998A JP4172849B2 (ja) 1998-03-20 1998-07-10 キサントフィル結晶の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11322708A true JPH11322708A (ja) 1999-11-24
JP4172849B2 JP4172849B2 (ja) 2008-10-29

Family

ID=26413658

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19616998A Expired - Fee Related JP4172849B2 (ja) 1998-03-20 1998-07-10 キサントフィル結晶の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4172849B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006114794A1 (en) * 2005-04-25 2006-11-02 Katra Phytochem Private Limited Isolation and purification of carotenoids from marigold flowers
CN1332947C (zh) * 2005-08-03 2007-08-22 浙江医药股份有限公司新昌制药厂 一种从植物油树脂中分离提纯叶黄素晶体的方法
JP2008507514A (ja) * 2004-07-22 2008-03-13 バイオ・ラット・エスエー・ディーイー・シーブイ 高純度トランス−ルテインエステル組成物及びその作製方法
JP2010514423A (ja) * 2006-12-22 2010-05-06 ケミン、インダストリーズ、インコーポレーテッド カロテノイドに基づく着色剤
US7815958B2 (en) 2001-06-14 2010-10-19 San-Ei Gen F.F.I., Inc. Carotenoids color emulsion preparation
WO2010125576A2 (en) 2009-04-27 2010-11-04 Katra Phytochem India Private Limited A process for the isolation of carotenoids crystals from different plants
US8481769B2 (en) 2005-04-25 2013-07-09 Katra Phytochem (India) Private Limited Isolation and purification of cartenoids from marigold flowers

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7815958B2 (en) 2001-06-14 2010-10-19 San-Ei Gen F.F.I., Inc. Carotenoids color emulsion preparation
JP2008507514A (ja) * 2004-07-22 2008-03-13 バイオ・ラット・エスエー・ディーイー・シーブイ 高純度トランス−ルテインエステル組成物及びその作製方法
US7351424B2 (en) 2004-07-22 2008-04-01 Bio Lut S.A. De C.V. Enhanced purity trans-lutein-ester compositions and methods of making same
WO2006114794A1 (en) * 2005-04-25 2006-11-02 Katra Phytochem Private Limited Isolation and purification of carotenoids from marigold flowers
US7622599B2 (en) 2005-04-25 2009-11-24 Katra Phytochem Private Limited Isolation and purification of carotenoids from marigold flowers
AU2005331246B2 (en) * 2005-04-25 2011-04-21 Katra Phytochem (India) Private Limited Isolation and purification of carotenoids from Marigold flowers
US8481769B2 (en) 2005-04-25 2013-07-09 Katra Phytochem (India) Private Limited Isolation and purification of cartenoids from marigold flowers
CN1332947C (zh) * 2005-08-03 2007-08-22 浙江医药股份有限公司新昌制药厂 一种从植物油树脂中分离提纯叶黄素晶体的方法
JP2010514423A (ja) * 2006-12-22 2010-05-06 ケミン、インダストリーズ、インコーポレーテッド カロテノイドに基づく着色剤
WO2010125576A2 (en) 2009-04-27 2010-11-04 Katra Phytochem India Private Limited A process for the isolation of carotenoids crystals from different plants
JP2010254687A (ja) * 2009-04-27 2010-11-11 Katra Phytochem Pvt Ltd 植物源からカロテノイドを単離する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4172849B2 (ja) 2008-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7271298B2 (en) Process for isolation and purification of xanthophyll crystals from plant oleoresin
JP4029032B2 (ja) 高レベルのクロロフィルを含有するマリゴールド抽出物からのキサントフィルの精製
US5648564A (en) Process for the formation, isolation and purification of comestible xanthophyll crystals from plants
US6504067B1 (en) Process to obtain xanthophyll concentrates of high purity
US6380442B1 (en) Process for the isolation of mixed carotenoids from plants
JPH10168333A (ja) 油と混合可能な液状カロチノイド調剤
JP2010013457A (ja) カロテノイド抽出法
CA2395319A1 (en) Processes for extracting carotenoids and for preparing feed materials
US20090247633A1 (en) Nutrient extracts derived from green plant materials
JP5795572B2 (ja) 種々の植物からカロテノイド結晶を分離する方法
JP4266924B2 (ja) 新規trans−ルテインに富むキサントフィルエステル濃縮物およびその調製方法
EP2403362B1 (de) Pulverförmige zusammensetzungen von astaxanthin-derivaten ii
CA2326581A1 (en) Process for extracting carotenes from carotene-containing materials
US6909021B2 (en) Method of extracting lutein from green plant materials
JP4172849B2 (ja) キサントフィル結晶の製造方法
WO2013053261A1 (zh) 含叶黄素酯的组合物及其制备方法
JPH0799932A (ja) ファフィア色素油を含有する健康食品
US20040267033A1 (en) Extraction of lutein from marigold meal
CN115349630A (zh) 水分散性叶黄素微囊粉的制备方法
JP2002030068A (ja) ルテイン脂肪酸エステルの精製方法
KR20060085229A (ko) 금잔화에서 추출과 비누화를 동시에 수행하고, 유해한용매를 사용하지 않고 고순도 루테인을 제조하는 방법
JPH0799927A (ja) 食品用濃縮天然赤色色素油の乳化物の製法及び得られた食品用濃縮天然赤色色素油の乳化物
CZ20003557A3 (cs) Způsob extrakce karotenů z materiálů obsahujících karoteny

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Effective date: 20050228

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050228

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20080513

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20080613

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20080723

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080812

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees