JPH11322708A - キサントフィル結晶の製造方法 - Google Patents
キサントフィル結晶の製造方法Info
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- JPH11322708A JPH11322708A JP19616998A JP19616998A JPH11322708A JP H11322708 A JPH11322708 A JP H11322708A JP 19616998 A JP19616998 A JP 19616998A JP 19616998 A JP19616998 A JP 19616998A JP H11322708 A JPH11322708 A JP H11322708A
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Abstract
晶を工業的に製造する方法を提供する。 【構成】 (a) キサントフィルエステルを含有するオレ
オレジン、ケン化剤およびエタノールを含有する混合物
を45〜85℃にて混合し、該混合物中にキサントフィル結
晶を形成させる工程、(b) 該混合物に熱水を加え、60〜
90℃にて混合して均質な混合液とする工程、(c) 該混合
液からキサントフィル結晶を回収する工程、を含むこと
を特徴とするキサントフィル結晶の製造方法、ならびに
該製造方法で得られるキサントフィル結晶および食用油
脂を含有してなる製剤に関する。
Description
ステルを含有するオレオレジンからキサントフィル結晶
を製造する方法に関する。キサントフィル結晶は、着色
料、栄養補助食品等の原材料として有用である。
化粧品等の着色料として用いられている他、一重項酸素
の消去、フリーラジカルの補足、免疫の増強等の作用を
有する生理活性物質であるため栄養補助食品等に用いら
れる。カロチノイドとしては、β−カロチン、α−カロ
チン、リコピン等、炭化水素のみからなるカロチンと、
ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、カンタ
キサンチン等、炭化水素と酸素からなるキサントフィル
とに大別することができる。
アキサンチンはパイナップル様の黄色を呈し、ルテイン
は加齢性黄斑変性や白内障の発症を低減する効果のある
ことが報告されており、これらのキサントフィルは、着
色料、栄養補助食品等の原材料として注目されつつあ
る。キサントフィル結晶の製造方法として、マリーゴー
ルドオレオレジンをプロピレングリコール、水およびケ
ン化剤と混合してケン化する方法が知られている(USP
5,648,564)。しかし、この方法では、キサントフィル
結晶の生成速度が遅く、かつ得られるキサントフィル結
晶サイズが小さいため、キサントフィル結晶の分離、回
収が難しく、また溶媒として用いるプロピレングリコー
ルは沸点が高いため、蒸留等により回収処分することが
難しい。
れたマリーゴールドオレオレジンを用いてルテイン結晶
を分離、精製して回収する方法が知られている(特開平
8−92205号公報)。しかし、この方法では、ルテ
イン結晶を形成させ、冷水とエタノールでルテイン結晶
を洗浄した後、さらにヘキサン等の有機溶媒を用いてル
テイン結晶を再結晶させるという煩雑な工程を必要とす
る。
品、飼料等に用いられるキサントフィル結晶を工業的に
製造する方法を提供することにある。
フィルエステルを含有するオレオレジン、ケン化剤およ
びエタノールを含有する混合物を45〜85℃にて混合し、
該混合物中にキサントフィル結晶を形成させる工程、
(b) 該混合物に熱水を加え、60〜90℃にて混合して均質
な混合液とする工程、(c) 該混合液からキサントフィル
結晶を回収する工程、を含むことを特徴とするキサント
フィル結晶の製造方法、ならびに該製造方法で得られる
キサントフィル結晶および食用油脂を含有してなる製剤
に関する。
エステルを含有するオレオレジンは、キサントフィルエ
ステルを含有する花、果実、葉、茎、根、樹皮等、植物
体の一部または全部から、ヘキサン等の有機溶媒により
抽出する方法等を用いて調製される、キサントフィルエ
ステルを含有する固体または液体の抽出物をいう。キサ
ントフィルエステルを含有するオレオレジンとしては、
例えばルテインエステルを含有するオレオレジンがあげ
られる。ルテインエステルを含有するオレオレジンは、
マリーゴールドの乾燥花弁からヘキサン等の有機溶媒に
よりルテインエステルを含有する成分を抽出した後、該
抽出成分を含む溶液から有機溶媒を除去することによ
り、マリーゴールドオレオレジンとして取得することが
できる。マリーゴールドオレオレジンに含まれるルテイ
ン、ゼアキサンチン等のキサントフィルは、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等、炭
素数12〜18の脂肪酸とのモノエステル結合物またはジエ
ステル結合物として存在する。
レジン(以下、単にオレオレジンともいう)、ケン化剤
およびエタノールを含有する混合物を45〜85℃に加熱し
ながら混合することにより、該混合物中にキサントフィ
ル結晶を形成させることができる。以下に該工程を説明
する。オレオレジン、ケン化剤およびエタノールを含有
する混合物は、オレオレジンをケン化してキサントフィ
ル結晶を形成させるため、オレオレジン100重量部に
対して、ケン化剤を2〜100重量部およびエタノール
を30〜1000重量部含むように調製することが好ま
しい。
中でオレオレジンをケン化できる化合物であればいずれ
を用いてもよいが、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリ
ウムを用いることが好ましく、水酸化カリウムを用いる
ことがさらに好ましい。該混合物は、オレオレジンに、
該オレオレジンをケン化させるのに充分量のケン化剤を
エタノール溶液として加え、またはオレオレジンにエタ
ノールを加えて攪拌しながら混合した後に該オレオレジ
ンをケン化させるのに充分量のケン化剤を水溶液として
加え、それぞれ混合することにより調製することができ
る。ケン化剤が水酸化カリウムの場合は、オレオレジン
100重量部に対して水酸化カリウムを1 〜20重量%含
むエタノール溶液を20〜1000重量部加えるか、またはオ
レオレジン100重量部に対してエタノールを30〜1000
重量部加えて混合した後に10〜60重量%水酸化カリウム
水溶液を3 〜1000重量部加えて、それぞれ混合すること
により混合物を調製することができる。
応からキサントフィル結晶の回収までの工程を阻害せ
ず、かつ食品製造において用いられるものであれば、例
えば水など、いずれのものを含んでいてもよい。該混合
物を45〜85℃、好ましくは60〜80℃、さらに好ましくは
65〜75℃にて混合すると、混合物中でのオレオレジンの
分散がよく、オレオレジンのケン化反応を速やかに進行
させることができ、かつ短時間に大きなキサントフィル
結晶を形成させることができる。
ことは、肉眼により混合物の色調、明度等の変化を観察
するか、混合物から採取した試料を顕微鏡により結晶を
観察することによって確認することができる。なお、結
晶が形成した後、混合物を該温度にて長時間反応させる
か減圧条件下におくことによって、混合物中に含まれる
エタノールを蒸発、除去させてもよい。混合物中に含ま
れるエタノールが30重量%以下、好ましくは20重量%以
下になるまでエタノールを除去することにより、キサン
トフィル結晶の純度を高めることができる。
サントフィル結晶の他、エタノール、ケン化により生成
した脂肪酸に由来する石けん、アントシアニン、水溶性
フラボノイド等の夾雑物が存在する。夾雑物を含有する
該混合物に熱水を加え、60〜90℃で混合して均質な混合
液とし、さらに該混合液からキサントフィル結晶を回収
することにより、該混合物に含まれる夾雑物を分離し、
キサントフィル結晶を回収することができる。
発原料のオレオレジンに対して、重量として通常5 〜10
0 倍量、好ましくは5 〜40倍量の熱水を加えて60〜90
℃、好ましくは75〜85℃とし、該温度を保持しながら攪
拌、混合することにより、ケン化反応物の粘度を低下さ
せ、かつケン化反応により生成した脂肪酸に由来する石
けんを溶解させて、均質な混合液を調製する。なお、均
質な混合液とは、全体としてほぼ均質に懸濁または分散
した状態にある混合液をいう。該混合液を調製する際の
温度が低いと、該混合液の粘度が高くなるためキサント
フィル結晶の分離が妨げられること、石けんの水に対す
る溶解度が下がるためキサントフィル結晶に多量の石け
んが夾雑物として残存すること等により、結晶のキサン
トフィル純度が下がるため好ましくない。また、キサン
トフィル結晶のpHを調整するために、均質な混合液を
調製する際に、クエン酸、乳酸、酒石酸、酢酸等の有機
酸、塩酸、硫酸等の無機酸等を加えてもよい。
圧ろ過、バスケット式遠心ろ過、遠心分離、連続遠心分
離等の方法を用いることにより、該混合液からキサント
フィル結晶を、水溶性のケン化剤、エタノール、石け
ん、アントシアニン、水溶性フラボノイド等から分離し
て、回収することができる。回収されたキサントフィル
結晶は、そのまま用いてもよいが、熱水による洗浄工程
をさらに1回から数回繰り返して得られるものを用いて
もよい。しかし、熱水による洗浄工程を繰返しすぎる
と、該結晶の歩留まりが低下するため好ましくない。
晶は、そのまま用いてもよいが、通常は凍結真空乾燥、
真空乾燥、低温常圧乾燥等により乾燥させ、5重量%以下
の水分を含むキサントフィル結晶として用いることが好
ましい。本発明の方法により製造されるキサントフィル
結晶としては、キサントフィルエステルを含有するオレ
オレジンとしてマリーゴールドオレオレジンを用いて製
造されるキサントフィル結晶を例示することができる。
マリーゴールドオレオレジンを用いた場合、キサントフ
ィル純度が60〜90%であるキサントフィル結晶が通常得
られる。なお、該結晶は、キサントフィルのうち、90〜
99重量%がオールトランスルテイン、1 〜10重量%がオ
ールトランスゼアキサンチン、シス型ルテイン等が痕跡
量である組成を有する結晶として得られる。さらに、該
結晶の歩留まりは、分離方法、洗浄回数等にも影響され
るが、通常は60〜85%程度である。
トフィル結晶が製造される。本発明で得られる結晶は長
方形状のものが多く、長辺の長さが100μm以上の結晶
が多数存在し、200μmを超えるものも存在し、最大約25
0μm程度に達する結晶も認められる。また、本発明の方
法により製造されるキサントフィル結晶中には、洗浄で
きなかった脂肪酸石けんや脂肪酸などの不純物をわずか
に含むが、ヘキサン等の毒性のある有機溶媒を使用して
ないので、食品、飼料の原材料としては安全性は高いも
のである。
ィル結晶は、そのまま着色料、栄養補助剤等の原材料と
して使用できるが、該結晶と食用油脂を含有してなる製
剤(以下、本発明の製剤という)の製造に使用すること
もできる。本発明の製剤は、本発明の方法により製造さ
れたキサントフィル結晶を食用油脂中に分散または懸濁
することにより製造することができる。この際に、コロ
イドミル、ボールミル、ロールミル、ホモジナイザー等
を用いて粉砕処理を行うと、該結晶が食用油脂中で均質
に分散され、低粘度である製剤が製造できるため好まし
い。本発明の製剤は、食品、飼料等に用いられるもので
あれば、例えばトコフェロール等の抗酸化剤等を添加剤
として含んでいてもよい。本発明の製剤中のキサントフ
ィル含有率は、1〜40重量%であることが好ましい。
ーン油、オリーブ油、ヤシ油、ピーナッツ油、サフラワ
ー油、ヒマワリ油、米油等の植物油脂、牛脂、豚脂、魚
油等の動植物油脂、炭素数6 〜12の中鎖飽和脂肪酸トリ
グリセリド(MCT)等の加工食用油脂等を、単独また
は組み合わせて用いることができる。本発明の製剤は、
着色料、栄養補助食品等の原材料として用いられる。以
下に実施例を示す。
量%含有、エクアドルINEXA 社製)100gに水酸化カリウ
ムを10%(w/v)含むエタノール溶液を200ml 加えて、マグ
ネチックスターラーにて攪拌しながら65〜70℃でケン化
反応を行った。反応開始約20分後、茶色の混合液中に
明るいオレンジ色で光る部分が観察された。この時の混
合液を顕微鏡で観察した結果、キサントフィル結晶が観
察された。
し、さらに約1時間反応させ、混合物中から大部分のエ
タノールを除去し、混合物を150g得た。反応終了時の結
晶サイズは最大約250 μm であった。反応終了後、混合
物に80℃の熱水を2000ml加え、75〜80℃に保持しながら
混合し、充分に均質化した混合液を調製した。該混合液
をブフナーロートにろ紙(TOYO No.5A、アドバンテック
社製)をしいて、吸引ろ過した。ろ紙上に回収されたキ
サントフィル結晶に、80℃の熱水を2000ml注いで洗浄し
た後、該結晶を常圧下、40℃で一晩乾燥した。この結
果、水分量は1重量%以下であるキサントフィル結晶が
8.7g得られた。該結晶を約50mgとり、これを試料として
精秤した後ジオキサンを加えて100mlの溶液とした。得
られた溶液1ml にエタノールを加えて100ml とした。こ
の溶液の445nm における吸光度を測定し、ルテインのエ
タノール中での分子吸光係数E1%1cm=2550(波長445nm)よ
り次式から結晶中のキサントフィル純度を算出した。 キサントフィル純度=(OD445×100 ×100 )/(2550
×試料重量(g) ) その結果、結晶中のキサントフィル純度は84.7%であっ
た。また、この値からキサントフィルの歩留まりは73.7
%と算出された。また、キサントフィル結晶を高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)により分析した結果、
結晶中のキサントフィルのうち、91.6重量%がオールト
ランスルテイン、6.6 重量%がオールトランスゼアキサ
ンチン、1.8重量%がシス型のルテイン等であった。
た。 HPLC装置:SHIMADZU LC-10A 流速:1ml/分 移動相:0〜6分はメタノールのみ、6 〜10分は2-プロ
パノール濃度を5%(v/v) になるまで上げる、10〜15分
は2-プロパノール濃度を5%に維持、15〜25分は2-プロ
パノール濃度を25%まで上げる、25〜30分は2-プロパノ
ール濃度を50%まで上げる、30〜40分は2-プロパノール
濃度を75%、ヘキサン濃度を25%まで上げ、メタノール
濃度を0%まで下げる、40〜50分は2-プロパノール濃度
を75%、ヘキサン濃度を25%に維持する、50〜60分はメ
タノールのみ カラム:YMC PACK C30逆相カラム(4.6 ×250mm 、粒
径5 μm ) カラム温度:28℃ 検出器:SHIMADZU SPD-10A (UV DETECTOR) 検出波長:450nm サンプル注入量:10μl キサントフィルの標品:オールトランスルテイン(Sigm
a 社)、オールトランスゼアキサンチン(Apin Chemica
ls社製) 得られた結晶を中鎖飽和脂肪酸トリグリセリド(以下、
MCTと略記する)26.4g と混合し、キサントフィル結
晶MCT懸濁液を35.1g 得た。該結晶懸濁液中のキサン
トフィル含有率は、試料をキサントフィル結晶を約50mg
に代えて結晶懸濁液を約0.1gとする以外はキサントフィ
ル純度と同様の方法を用いて算出した結果、20.2重量%
であった。
なしに、混合物に80℃の熱水を2000ml加える以外は実施
例1と同様の方法を用いて、キサントフィル結晶を製造
した。その結果、キサントフィル結晶が11.1g 得られ
た。キサントフィル純度および歩留まりを、実施例1と
同様の方法を用いて算出した結果、それぞれ66.3%およ
び73.4%であった。
量%含有、エクアドルINEXA 社製)100gにエタノール10
0ml を加え、75℃でマグネチックスターラーにて撹拌
し、混合、分散させた。混合物に55重量%水酸化カリウ
ム水溶液を40g ゆっくりと添加した後に75℃に保持しな
がら30分間ケン化反応を行った。反応終了時の結晶サイ
ズは最大約250 μm であった。反応終了後、混合物に80
℃の熱水を2000ml加え、75〜80℃に保持しながら混合
し、充分に均質化した混合液を調製した。該混合液を実
施例1記載の方法により減圧ろ過した。ろ紙上に回収さ
れたキサントフィル結晶に80℃の熱水を2000ml注いで洗
浄した後、該結晶を常圧下、40℃で一晩乾燥した。この
結果、キサントフィル結晶が8.9g得られた。キサントフ
ィルの純度および歩留まりを、実施例1と同様の方法を
用いて算出した結果、それぞれ84.1%および75.1%であ
った。
量%含有、エクアドルINEXA 社製)50kgにエタノール50
L を加えて、撹拌羽根(タイプIK;株式会社東芝製)を
用いて1400rpm、75℃で攪拌して混合した。混合物に55
%(w/v) 水酸化カリウム水溶液20kgをゆっくりと添加
し、75℃に保持しながら攪拌してケン化反応を行った。
反応開始約6分後、茶色の混合液中に明るいオレンジ色
で光る部分が観察された。この時の混合液を顕微鏡で観
察した結果、キサントフィル結晶が確認された。結晶の
形成が確認された後、さらに30分間攪拌しながらケン化
反応を行った。反応終了時の結晶サイズは最大約250 μ
m であった。反応終了後、混合物に80℃の熱水を1250L
加え、さらに加熱して80〜85℃に保持しながら混合し、
さらに25%(w/v) 含むクエン酸水溶液を24kg加え、充分
に均質化した混合液を調製した。該混合液中のキサント
フィル結晶をシャープレス型超遠心機(S型超遠心分離
機:株式会社喜商製)を用いて400L/時の処理速度で結
晶を分離、回収した。回収した結晶ケーキ12.08kg を凍
結真空乾燥機(DE4072型、日本真空技術株式会社製)を
用いて凍結乾燥した。その結果、水分を0.5重量%含む
キサントフィル結晶が4.30kg得られた。キサントフィル
の純度および歩留まりを、実施例1と同様の方法を用い
て算出した結果、それぞれ77.7%および歩留まりは66.8
%であった。また、該結晶を実施例1と同様の方法を用
いてHPLCにより分析した結果、結晶中のキサントフ
ィルのうち、92.0重量%がオールトランスルテイン、5.
6重量%がオールトランスゼアキサンチン、2.4重量%が
シス型のルテイン等であった。
く混合した後、コロイドミル(スーパーマスコロイダ
ー:増幸産業株式会社製)に通して結晶を粉砕し、キサ
ントフィル結晶MCT懸濁液を15.63kg 得た。該結晶懸
濁液中のキサントフィル含有率は、実施例1と同様の方
法を用いて算出した結果、21.0重量%であった。
量%含有、エクアドルINEXA 社製)100gを65℃に加熱し
て充分に軟化させた後、これに60℃に加熱した10%(w/
v) 水酸化カリウム水溶液2500g をゆっくりと添加した
後に70℃に昇温し、撹拌しながらケン化反応を行った。
反応開始1時間後、混合物中のキサントフィル量を実施
例1と同様の方法を用いてHPLCにより分析したとこ
ろ、ケン化率は6%であった。また、顕微鏡で観察した
結果、オレオレジンの固まりしか確認されず、キサント
フィル結晶の形成は確認できなかった。また、反応開始
5時間後まで、混合物中にキサントフィル結晶の形成は
全く確認できなかった。
量%含有、エクアドルINEXA 社製)100gにプロピレング
リコールを100g加えてマグネチックスターラーにて攪拌
しながら、55℃で混合した。混合物に45%(w/v) 水酸化
カリウム水溶液95g をゆっくりと添加した後に70℃に昇
温し、撹拌しながら6時間ケン化反応を行った。反応開
始3時間後に結晶が生成し始め、その後徐々に結晶が増
加した。反応終了時の結晶サイズは最大で約50μmと小
さいものであった。反応終了後、混合物に70〜80℃の熱
水を2000ml加え、70〜80℃に保持しながら混合し、充分
に均質化した混合液を調製した。該混合液を実施例1と
同様の方法を用いて減圧ろ過した。ろ紙上に回収された
キサントフィル結晶に80℃の熱水を2000ml注いで洗浄し
た後、該結晶を常圧下、40℃で一晩乾燥した。この結
果、キサントフィル結晶が9.9g得られた。キサントフィ
ル純度および歩留まりを、実施例1と同様の方法を用い
て算出した結果、それぞれ77.8% および77.3% であっ
た。
れるキサントフィル結晶を工業的に製造する方法を提供
することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 (a) キサントフィルエステルを含有する
オレオレジン、ケン化剤およびエタノールを含有する混
合物を45〜85℃にて混合し、該混合物中にキサントフィ
ル結晶を形成させる工程、(b) 該混合物に熱水を加え、
60〜90℃にて混合して均質な混合液とする工程、(c) 該
混合液からキサントフィル結晶を回収する工程、を含む
ことを特徴とするキサントフィル結晶の製造方法。 - 【請求項2】 キサントフィルエステルがルテインエス
テルである請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 キサントフィルエステルを含有するオレ
オレジンがマリーゴールドオレオレジンである請求項1
記載の方法。 - 【請求項4】 ケン化剤が水酸化カリウムまたは水酸化
ナトリウムである請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか記載の方法で得
られるキサントフィル結晶および食用油脂を含有してな
る製剤。 - 【請求項6】 キサントフィルを1〜40重量%含有す
る請求項5記載の製剤。
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