JP7032260B2 - 油性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、食品、医薬品、医薬部外品等に利用できる油性組成物及びそれを内包するソフトカプセル製剤に関する。
アスタキサンチン、ルテイン、β-カロテンなどのカロテノイド類は、水に難溶性でかつ脂溶性が高く、そのため経口摂取したとき、体内吸収性が低いことが知られている。医薬品や一般的にカロテノイド類を高濃度に含有する油分を含む組成物を、ソフトカプセルに内包させたソフトカプセル剤が一般的に採用されている。
特許文献1には、アスタキサンチン及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種、油性成分、水、グリセリン及び還元水飴からなる群より選ばれる少なくとも1種の多価アルコール、及び酵素分解レシチンを含有する乳化組成物、並びに、ソフトカプセル製剤が記載されている。
特許文献2には、アスタキサンチンおよびポリグリセリンオレイン酸エステルを含有する組成物と、この該組成物を水性液体に分散してなる水中油型乳化物とこれを内包するソフトカプセル剤が記載されている。
特許文献3には、結晶性カロテノイドを含み、結晶性カロテノイドの少なくとも90質量%が非結晶であるカロテノイド成分と、グリセリン単位の数が1~6であり脂肪酸単位の数が1~6であって、グリセリン単位の水酸基を少なくとも1つ有する(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルと、芳香族カルボン酸類、ケイ皮酸類及びエラグ酸類からなる群より選択される少なくとも1種のフェノール系酸化防止剤と、を含むカロテノイド含有組成物が記載されている。この組成物は、非結晶カロテノイドを安定に含有する。
また、脂溶性が高く体内吸収性の低い成分の体内効率を高める手段として、カロテノイド類と同様の特性を持つコエンザイムQ10の場合には、O/W(D)製剤(OD乳化製剤)とすることが知られている(特許文献4)。コエンザイムQ10のO/W(D)製剤(別名D相乳化製剤)は、コエンザイムQ10、リゾレシチン、グリセリン、水を含有し、実質的に油脂を含有しない液状の組成物である。しかし、従来のO/W(D)形式の乳化製剤は、水を一定量含有するため、ソフトカプセルが品質劣化しやすく、不安定化しやすいアスタキサンチン、ルテイン、β-カロテンなどのカロテノイド類を内包するソフトカプセル剤には適用しにくかった。
特許文献5には、水に難溶性で脂溶性の高いスクワレンを1~60質量%、乳化剤として1種又は2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを40~99質量%含有するスクワレン含有油性組成物が開示されている。このスクワレン含有油性組成物中の乳化剤のHLB値は、6~15に調整されており、安定な乳化組成物となることが記載されている。
特許文献6には、乳化剤としてポリグリセリンラウリン酸エステルとポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを組み合わせ、これに脂溶性物質を溶解分散させた組成物及びこれを内包するソフトカプセル剤が開示されている。この組成物は安定で、かつ水中で自己ミセルを形成するため、水に難溶性の物質のソフトカプセル剤として有用であることが記載されている。
このように近年、アスタキサンチン、ルテイン、β-カロテンなどのカロテノイド類などの水に対して難溶性の生理活性成分を含む機能性食品、医薬品、化粧品等において、生理活性成分の体内への利用率又は吸収率の改善のため様々な技術が試みられている。
特開2017-186320号公報 特開2008-179619号公報 特開2012-184221号公報 特開2013-159556号公報 国際公開第2008/004509号 特開2016-037479号公報
機能性食品、医薬品、医薬部外品等において、生理活性成分の体内への利用率及び/又は吸収率が改善された乳化組成物及びそれを含むソフトカプセル製剤が望まれている。
本発明は、水に難溶性の生理活性成分であるアスタキサンチン、ルテイン、β-カロテンなどのカロテノイドを含有し、分散性に優れ、且つカロテノイド類の体内吸収性に優れた組成物を提供することを課題とする。また本発明は、水に難溶性の生理活性成分であるアスタキサンチン、ルテイン、β-カロテンなどのカロテノイド類を含有し、分散性に優れ且つカロテノイド類の体内吸収性に優れたソフトカプセル製剤を提供することを課題とする。
本発明の主な構成は次の通りである。
(1)アスタキサンチン、ルテイン、β-カロテンから選ばれる1以上のカロテノイドを含有する油性組成物であって
(A)グリセリン単位の数が1~2であるグリセリンまたはポリグリセリンに、カプリル酸がエステル結合したグリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン脂肪酸エステル、
(B)ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、
(C)グリセリン単位の数が5~10であるポリグリセリンにオレイン酸がエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル
を含有する油性組成物。
(2)油性組成物の質量あたり(A)2~25質量%、(B)1~4質量%、(C)3質量%以上を含有し、(A)+(B)+(C)=6~60質量%である(1)に記載の油性組成物。
(3)油性組成物の質量あたり0.5~15質量%のカロテノイドを含有する(1)又は(2)に記載の油性組成物。
(4)(1)~(3)のいずれかに記載の油性組成物を含むソフトカプセル製剤。
本発明により、水に難溶性のカロテノイド類を含有する分散性の高い油性組成物が提供される。本発明の油性組成物は、経口で摂取したときにカロテノイド類の吸収性が向上される。このため、1回あたりの経口摂取するカロテノイド類の量を減量することができる。
また、本発明のソフトカプセル剤は、経口で摂取したときのカロテノイド類の吸収性が向上された製剤となるため、1錠あたりの内包するカロテノイド類を含む製剤を小型化することができる。このため、本発明の製剤は、嚥下能力の低下した高齢者や、小児でも楽に嚥下することが可能である。
本発明組成物を投与したラットの血中アスタキサンチンのAUC0-48の測定結果に基づくグラフである。 本発明組成物を投与したラットの血中ルテインのAUC0-24の測定結果に基づくグラフである。
本発明は、アスタキサンチン、ルテイン、β-カロテンから選ばれる1以上のカロテノイドを含有する油性組成物であって(A)グリセリン単位の数が1~2であるグリセリンまたはポリグリセリンに、カプリル酸がエステル結合したグリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン脂肪酸エステル、(B)ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、(C)グリセリン単位の数が5~10であるポリグリセリンにオレイン酸がエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する油性組成物に関する。
また本発明は、上記の組成物を含むソフトカプセル製剤に関する。
本発明の油性組成物は、水に難溶性の生理活性成分であるアスタキサンチン、ルテイン、β-カロテンから選ばれる1以上のカロテノイドを油相成分の一つとして含有し、乳化剤としてグリセリン単位の数が1~2であるグリセリンまたはポリグリセリンに、カプリル酸がエステル結合したグリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、グリセリン単位の数が5~10であるオレイン酸がエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することによって、水系液体中への分散性が高まり、体内への吸収性が向上される。
本発明の組成物の分散性とは組成物をピペットで採取してその1滴(約0.1mL)を100mLの水に滴下した後3分間撹拌したときの分散粒子の平均粒子径が20μm以下を示す場合を、組成物が分散性を有すると評価する。水中で油相粒子が20μm以下の粒子サイズを維持することでアスタキサンチン、ルテイン、β-カロテンなどのカロテノイド類が、速やかに吸収される。なお分散性の測定の詳細は実施例において具体的に説明する。
また、本発明の組成物は、アスタキサンチン、ルテイン、β-カロテンなどのカロテノイド類の経口摂取のための組成物として、ゼラチンソフトカプセルに内包して経口剤として摂取できる。
<アスタキサンチン>
本発明に用いるアスタキサンチンは、アスタキサンチンのエステル等が含まれる。本明細書においては、アスタキサンチン及びその誘導体を総称して「アスタキサンチン」とする。
アスタキサンチンとしては、植物類、藻類、甲殻類及びバクテリア等の天然物に由来するものの他、常法に従って得られるものであれば、いずれのものも使用することができる。
天然物であるアスタキサンチンとしては、例えば、赤色酵母ファフィア、ヘマトコッカス藻、海洋性細菌(例えば、パラコッカス)、オキアミ、アドニス(福寿草)等が挙げられる。また、その培養物からの抽出物を挙げることができる。
アスタキサンチンは、更に、これらの天然物から分離又は抽出したものを必要に応じて適宜精製したものでもよく、又は、合成品であってもよい。
アスタキサンチンとしては、ヘマトコッカス藻から抽出されるもの(ヘマトコッカス藻抽出物ともいう。)、及び、オキアミ由来の色素(オキアミ抽出物ともいう。)が、品質又は生産性の点から好ましい。
アスタキサンチンとしては、市販されている、ヘマトコッカス藻抽出物、及びオキアミ抽出物を用いることができる。
ヘマトコッカス藻抽出物の市販品としては、例えば、ASTOTS-S(アスタキサンチン10~22%含有オイル:富士フイルム株式会社)、ASTOTS-SS(アスタキサンチン33~37%含有オイルペースト:富士フイルム株式会社)、アスタリールオイル50F(アスタキサンチン5%含有オイルペースト:富士化学工業株式会社)、アスタリールオイル5F(アスタキサンチン0.5%含有オイル:富士化学工業株式会社)等が例示できる。
オキアミ抽出物の市販品としては、Astax-ST(株式会社マリン大王)が例示できる。これらの食用油混濁液を用いることが好ましい。
<ルテイン>
ルテインはカロテノイドの一種である。ルテイン脂肪酸エステルの形で、オレンジ、桃、パパイヤ、プルーン、マンゴーなどの果実に含まれている。また、多くの花や野菜中にも存在する。特にマリーゴールドの花弁に多く含まれていることがわかっている。これらの植物抽出物を本発明に使用することができる。マリーゴールドの抽出物は、乾燥・粉砕されたマリーゴールドの花をヘキサンや石油エーテル等の炭化水素、またはジクロロメタン等の塩素化炭化水素溶剤で抽出し、抽出液から溶剤を除去することにより、ルテインを高濃度に含有するマリーゴールドオレオレジンが得られる。大部分のマリーゴールドオレオレジンの性状は、常温で固状または高粘度のペースト状で、オレオレジン中の精製ルテイン脂肪酸エステル含量は、エステルとして通常14~20%である。
通常マリーゴールドオレオレジンは、キク科マリーゴールド(Tagetes erecta WILLD.)の花を乾燥、粉砕し必要ならペレット状に加工した後、有機溶剤、通常ヘキサンで抽出し、抽出液から溶剤を除去することにより得られたものである。その性状は、常温で固状またはペースト状で、特有の臭気を有する。その主成分は、ルテイン脂肪酸エステルであるが、通常ゼアキサンチン及びクリプトキサンチンの脂肪酸エステルを含む。本発明でいうルテインは、これら全てを含む総カロチノイドエステルをいう。
マリーゴールドから抽出した市販のルテインとしてはマリーゴールドオレオレジン(ルテイン20%含有品:バイオアクティブズ株式会社)、マリーゴールドオレオレジンビーズ(ルテイン15%含有品、粒子径300μm:理研ビタミン株式会社)、ザンマックス2004(ルテイン20%含有懸濁液:カトラフィトケム株式会社)などを例示できる。
β-カロテンはビタミンAの前躯体として知られる公知の物質である。植物由来或いは化学合成法で調製されたものであって、食品添加物として使用される規格の製品であればどのようなものであっても使用可能である。市販のβ-カロテンとして、ルカロチン 30 SUN オイル(30% ベータカロテン含有、 ひまわり油懸濁液:BASFジャパン株式会社)を例示できる。
本発明の組成物にあっては、アスタキサンチン、ルテイン、β-カロテンから選ばれる1以上のカロテノイドを含有する。好ましくは、本発明の油性組成物質量あたり、アスタキサンチン、ルテイン、β-カロテンから選ばれる1以上のカロテノイドを0.5~15質量%含有する。またカロテノイド類は、上述したように食用油に分散溶解したものを使用するか、あるいは精製・濃縮したカロテノイド類は、食用油などの油性成分に溶解・分散させた油懸濁液を配合する。
<油性成分>
本発明の組成物は、油性成分を含有する。
本発明の組成物に含まれる、油性成分は、上記の通りアスタキサンチン、ルテイン、β-カロテンなどのカロテノイドを溶解分散させるための食用油由来である。油性成分は、食品用の中鎖脂肪酸トリグリセライド及び動植物性油脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
中鎖脂肪酸トリグリセライドの例としては、トリグリセライドを構成する脂肪酸の炭素数が8~10である中鎖脂肪酸トリグリセライドが挙げられる。
動植物性油脂としては、例えば、大豆油、菜種油、綿実油、ひまわり油、サフラワー油、やし油、小麦胚芽油、コーン胚芽油、オリーブ油、米ぬか油等の植物性油脂、肝油、魚油、鯨油等の動物性油脂が挙げられる。
これらの油性成分のなかでも、中鎖脂肪酸トリグリセライドが好ましい。
本発明の組成物にあっては、組成物質量あたり油性成分を30~95質量%好ましくは40~90質量%を含有する。
<乳化剤>
本発明の油性組成物は、(A)グリセリン単位の数が1~2であるグリセリンまたはポリグリセリンに、カプリル酸がエステル結合したグリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン脂肪酸エステル、(B)ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、(C)グリセリン単位の数が5~10であるポリグリセリンにオレイン酸がエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルを乳化剤として含有する。
(A)グリセリン単位の数が1~2であるグリセリンまたはポリグリセリンに、カプリル酸がエステル結合したグリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン脂肪酸エステル グリセリン単位が1であるグリセリンにカプリル酸がエステル結合したグリセリン脂肪酸エステルは、モノカプリル酸グリセリルが好ましい。モノカプリル酸グリセリルとしては、サンソフトNo.700P-2(太陽化学株式会社)やポエムM-100(理研ビタミン株式会社)を例示できる。
グリセリン単位が2であるポリグリセリンにカプリル酸がエステル結合したグリセリン脂肪酸エステルは、モノカプリル酸ポリグリセリル-2が好ましい。モノカプリル酸ポリグリセリル-2は別名ジグリセリンモノカプリレートともいう。モノカプリル酸ポリグリセリル-2としては、SYグリスターMCA-150(阪本薬品工業株式会社)を例示できる。本発明の組成物にあっては、モノカプリル酸グリセリル又はモノカプリル酸ポリグリセリル-2のいずれか或いは両方を含有する。
(A)グリセリン単位の数が1~2であるグリセリンまたはポリグリセリンに、カプリル酸がエステル結合したグリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン脂肪酸エステルの本発明組成物における質量あたり含有量は、1~30質量%好ましくは2~25%質量である。
(B)ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸は、リシノレイン酸同士がエステル結合した縮合物とポリグリセリンをさらにエステル結合したものが食品に広く利用されている。本発明にあっては、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸のグリセリン単位については特に制限はないが、好ましくは3~5である。本発明に使用するポリグリセリン縮合リシノレイン酸としては、グリセリン単位が5である縮合リシノレイン酸ポリグリセリル-5が特に好ましい。
本発明に適した市販されている縮合リシノレイン酸ポリグリセリル-5として、サンソフトNo.818R(太陽化学株式会社)を例示できる。
本発明の組成物にあっては、組成物の質量あたり(B)ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを0.5~10質量%、好ましくは1~4質量%含有する。
(C)グリセリン単位の数が5~10であるポリグリセリンにオレイン酸がエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル
グリセリン単位の数が5~10であるポリグリセリンにオレイン酸がエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノオレイン酸ポリグリセリル-5、モノオレイン酸ポリグリセリル-6、モノオレイン酸ポリグリセリル-8、モノオレイン酸ポリグリセリル-10が好ましい。本発明にあっては、各モノオレイン酸ポリグリセリルの混合物であっても良い。市販されているモノオレイン酸ポリグリセリルであって、本発明に使用可能なものとしてサンソフトA-171E(グリセリン単位5:太陽化学株式会社)、NIKKOL Decaglyn1-OV(グリセリン単位10:日光ケミカルズ株式会社)NIKKOL Decaglyn1-OVEX(グリセリン単位10:日光ケミカルズ株式会社)やポエムJ-0381V(グリセリン単位10:理研ビタミン株式会社)を例示できる。
本発明の組成物にあっては、組成物の質量あたり(C)グリセリン単位の数が5~10であるポリグリセリンにオレイン酸がエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルを3質量%以上、好ましくは5~40質量%含有する。
本発明の組成物にあっては、さらに上記の(A)、(B)、(C)の合計含有量を組成物質量あたり(A)+(B)+(C)=6~60質量%とすることで、組成物の分散性をより確実にすることができる。
<その他の成分>
本実施形態の油性組成物は、前記した各成分の他に、必要に応じて任意の他の成分(例えば、栄養成分、有効成分、薬理成分など生理活性成分、色素酸化防止剤、糖類を含有していてもよい。このような成分としては、飲食品、医薬品に使用可能なものであれば、特に制限されない。
本発明の組成物は、その特性から、抗酸化剤を含有することが好ましい。
抗酸化剤としては、特に限定されず、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物、トコフェロール等のビタミンE及びその誘導体、ビタミンA、レチノイン酸、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、レチニルアセテート、レチニルパルミテート、レチノイン酸トコフェリルなどを例示できる。
<油性組成物の製造方法>
本実施形態の組成物は、組成物中には、アスタキサンチン、ルテイン、β-カロテンから選ばれる1以上のカロテノイドと、グリセリン単位の数が1~2であるグリセリンまたはポリグリセリンに、カプリル酸がエステル結合したグリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、グリセリン単位の数が5~10であるポリグリセリンにオレイン酸がエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルを秤量後、50~70℃、好ましくは60℃で加温しながら撹拌し、各成分を溶解混合することで容易に調製することができる。また、必要に応じて増粘剤を添加して増粘してもよい。増粘剤として、室温で固体のグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。溶解液が気泡を含む場合は、減圧脱気などの方法で気泡を除去することが好ましい。
<ソフトカプセル製剤の製造方法>
調製した油性組成物は、加温状態で公知のソフトカプセル成型機を用いてソフトカプセル製剤とする。ソフトカプセル製剤製造に当たっては、特段の制限はなく、ソフトカプセル封入装置の製造条件にしたがって製造可能である。
なお、ソフトカプセル皮膜(以下、単に皮膜とも称する。)を形成する基材としては、デンプン、加工デンプン、寒天、ゼラチン、ジェランガム、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等の物質を皮膜成分として使用することが可能である。
以下、本発明を実施例、比較例を示し具体的に説明する。
1.油性組成物の調製
下記表1~表4に示す各成分を用いて、60℃で加温混合し、室温に冷却して実施例及び比較例の油性組成物とした。
2.水への分散性の評価
水への分散性の評価は、調製した油性組成物を採取し、これをピペットで採取し、ビーカー中の室温の水100mLに1滴(約0.1mL)を滴下し、マグネチックスターラーで3分間撹拌後目視観察した。
滴下した油性組成物が水に均一に分散したことが観察された場合を「〇」、わずかに分散するが一部分離が観察された場合を「△」、全く分散が観察されない場合(油滴が浮上)を「×」と評価した。評価結果を表1~4の下段に分散性として記載した。また「〇」及び「△」の評価を数値化するため、分散液をレーザー回折式粒子径分布測定装置(堀場製作所製、LA-960)を用いて平均粒子径を測定した。その結果を表5に記載した。
3.(C)成分と類似の親水性乳化剤の評価
(A)成分としてカプリル酸モノグリセリル、カプリル酸ポリグリセリル-2、(B)成分として縮合リシノレイン酸ポリグリセリル-5を配合し、さらに(C)成分グリセリン単位の数が5~10であるオレイン酸がエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルとしてオレイン酸ポリグリセリル-5、オレイン酸ポリグリセリル-10(実施例1~8、比較例26~33)、及び比較例1~8の親水性乳化剤としてラウリン酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸ポリグリセリル-5、ミリスチン酸ポリグリセリル-5、ジオレイン酸ポリグリセリル-5、トリオレイン酸ポリグリセリル-5、オレイン酸ポリグリセリル-4を配合した組成物の分散性を評価した(表1)。比較例9~25の親油性乳化剤として、デカオレイン酸ポリグリセリル-10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10、ヘキサステアリン酸ポリグリセリル-5、モノオレイン酸グリセリル、ソルビタンオレイン酸エステル、トリオレイン酸ポリグリセリル-5、自己乳化型ステアリン酸モノ・ジグリセリド、オレイン酸モノ・ジグリセリド、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10、ショ糖オレイン酸エステル、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-4、オクタエルカ酸ポリグリセリル-10、デカステアリン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-2、ステアリン酸ポリグリセリル-2、カプリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリルを配合した組成物の分散性を評価した。
Figure 0007032260000001
Figure 0007032260000002
Figure 0007032260000003
Figure 0007032260000004
実施例1~8、比較例1~33の分散性評価結果から、好ましい分散性を得るためには(A)カプリル酸がエステル結合したグリセリン単位の数が1~2であるグリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン脂肪酸エステル、(B)ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、(C)オレイン酸がエステル結合したグリセリン単位の数が5~10であるポリグリセリン脂肪酸エステルの3成分を含有することが必須であり、最適範囲も存在することが明らかとなった。
なお、比較例1~33の組成物はいずれも分散性に劣っていた。
4.粒子径の測定
目視評価と分散液中の粒子径の関係を確認するため、実施例1~5、比較例8、比較例10の各分散液を、レーザー回折式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所、LA-960)を使用して、平均粒径を測定した。測定結果を下記の表5に示す。
Figure 0007032260000005
粒子径の実測値と目視評価は良く一致していた。本発明の組成物は比較例に比べ粒子径が小さく、分散性が極めて高いことが判明した。
5.参考試験例
従来技術の項に記載の特許文献2、特許文献5、特許文献6に開示された技術情報を元に油性組成物を調製した。この組成物について本発明の実施例と同様の条件で分散性を評価した。組成及び評価結果を下記の表5に示した。
Figure 0007032260000006
表6に示すとおり、従来技術から調製した油性組成物は、本発明の分散性には劣るものであった。
また実施例、比較例の評価結果から乳化剤の組成物あたりの総含有量は、(A)+(B)+(C)=6~60質量%が好ましかった。
6.実施例1の組成物を用いた動物試験
<アスタキサンチンの動物吸収性試験>
(1)試験条件
6匹のラット(SD、雄性)に絶食条件下で、実施例1の組成物を、アスタキサンチンとして50mg/kgになるよう強制経口投与した。投与前、投与後0.5、1、2、4、8、24、48時間後に尾静脈より採血し、血漿を分取して処理を行なった後、血漿中のアスタキサンチン濃度をLCクロマトグラフ質量計(LC/MS)により測定した。
また、コントロールとしてアスタキサンチンを中鎖脂肪酸で希釈したものをアスタキサンチンとして同用量になるよう強制経口投与し、同様に採血、血漿中のアスタキサンチン濃度の測定を行なった。
<LC/MS条件>
●LC条件
カラム:Capcell CORE C18 2.1×75mm 2.7μm
カラム温度:35℃
移動相 A液:水、 B液:アセトニトリル:メタノール=1:1
グラジエント B液:0分(90%) → 5分(100%) → 5.1分(90%)
流速:0.5mL/分
●MS条件
Source (APCI+)
Capillary(kV) 4.0
Source Temp 120℃
Desolvation Temp 450℃
Parent(m/z) Daughter(m/z) Dwell(s) Cone(v) Collision(v)
アスタキサンチン 597.16 147.0 0.1 30 23"
(2)結果
表7にアスタキサンチンの最高血中濃度(Cmax)、投与開始から48時間までの血中濃度曲線下面積(AUC0-48)を示す。また図1にアスタキサンチンのAUC0-48のグラフを示す。なお表の測定結果は動物ごとの測定結果の平均値、グラフは平均値と標準誤差を示す。
Figure 0007032260000007
本発明の組成物はきわめて高いアスタキサンチンの吸収性を示した。
<ルテインの動物吸収性試験>
(1)試験条件
6匹のラット(SD、雄性)に絶食条件下で、実施例1の組成物を、ルテインとして50mg/kgになるよう強制経口投与した。投与前、投与後0.5、1、2、4、6、8、24時間後に尾静脈より採血し、血漿を分取して処理を行なった後、血漿中のルテイン濃度をLC/UV-VISにより測定した。また、コントロールとしてルテインを中鎖脂肪酸で希釈したものをルテインとして同用量になるよう強制経口投与し、同様に採血、血漿の測定を行なった。表には試験結果より算出した最高血中濃度(Cmax)、投与0から24時間までの血中濃度曲線下面積(AUC0-24)を示す。
<LC/UV-VIS条件>
カラム:InertSustain C18 3.0×100mm 3μm
カラム温度:40℃
移動相 A液:水、 B液:アセトニトリル:メタノール=1:1
グラジエント B液: 0分(90%) → 5分(100%) → 5.1分(90%)
流速:1.0mL/分
波長:445nm"
(2)結果
表8にルテイン最高血中濃度(Cmax)、投与開始から24時間までの血中濃度曲線下面積(AUC0-24)を示す。また図2にルテインのAUC0-24のグラフを示す。なお表の測定結果は動物ごとの測定結果の平均値、グラフは平均値と標準誤差を示す。
Figure 0007032260000008
本発明の組成物はきわめて高いルテインの吸収性を示した。
以上の動物試験の結果から、本発明の組成物は、アスタキサンチンやルテイン、或いはβ-カロテンのような水に難溶性のカロテノイドの生体吸収を高めることが明らかとなった。
7.ソフトカプセル製造
実施例1の組成物を、常法に従い4オーバルのゼラチンを主成分とするソフトカプセルを200mg/粒になるよう充填し、8kgを製造した。製造に際して特段の問題は発生しなかった。

Claims (4)

  1. アスタキサンチン、ルテイン、β-カロテンから選ばれる1以上のカロテノイドを含有する油性組成物であって
    (A)グリセリン単位の数が1~2であるグリセリンまたはポリグリセリンに、1個のカプリル酸がエステル結合したグリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン脂肪酸エステル、
    (B)ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、
    (C)グリセリン単位の数が5~10であるポリグリセリンに1個のオレイン酸がエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル
    を含有し、水100mLに対し0.1mLを加え撹拌したときに均一に分散する油性組成物。
  2. 油性組成物の質量あたり(A)2~25質量%、(B)1~4質量%、(C)3質量%以上を含有し、(A)+(B)+(C)=6~60質量%である請求項1に記載の油性組成物。
  3. 油性組成物の質量あたり0.5~15質量%のカロテノイドを含有する請求項1又は2に記載の油性組成物。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の油性組成物を含むソフトカプセル製剤。
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