JP7841333B2 - 画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成装置の制御プログラム - Google Patents

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成装置の制御プログラム

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Description

本開示は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成装置の制御プログラムに関する。
従来、インクジェットヘッドを用いて、記録媒体上にインク滴を吐出し、これにより、記録媒体上に画像を形成するインクジェット式の画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2016-064632号公報
近年、この種の画像形成装置においては、インクジェットヘッドの機械的構造を変更することなく、高速印刷を実行可能とする要請がある。
本願の発明者らは、かかる高速印刷を実現する手法として、印刷対象の入力画像データを、搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換すると共に、当該変換後の画像データを用いて、記録媒体の搬送速度を上げた状態で印刷を実行する手法を検討している。以下、記録媒体の搬送速度を標準速度で印刷を実行する手法を「標準印刷モード」と称し、記録媒体の搬送速度を標準速度よりも高速化した状態で印刷を実行する手法を「高速印刷モード」と称する。
図1は、高速印刷モード時の画像データの変換処理(以下、「低解像度化処理」と称する)の一例を示す図である。図1の左図は、印刷対象の元の画像データを表し、図1の右図は、図1の元の画像データから搬送方向の解像度を下げた変換後の画像データを表している。図1では、例えば、高速印刷モード時には、標準印刷モードの2倍の搬送速度で搬送しながら、印刷処理を実行する場合の低解像度化処理を示している。尚、図中の○印は、画像データにて設定されている画素マトリクス上におけるインク吐出予定位置を表しており、図1に示す画像データでは、y方向を記録媒体の搬送方向とし、x方向を搬送方向に直交する方向とするxy座標系で画素マトリクス中の画素位置が特定されている。
高速印刷モード時の低解像度化処理は、典型的には、印刷対象の元の画像から、搬送方向に直交する方向に並ぶ画素列の一部を間引く処理である。当該低解像度化処理では、例えば、高速印刷モード時には、標準印刷モードの2倍の搬送速度で搬送しながら、印刷処理を実行する対象を示している。この場合、図1のように、印刷対象の元の画像データ(図1の左図)は、y2列、y4列、y6列及びy8列の画素データが間引かれた画像データ(図1の右図)に変換され、当該変換後の画像データが、インクの吐出位置を決定する用に供される。かかる低解像度化処理によって、記録媒体上の搬送方向におけるインク吐出予定位置が半減するため、画素データの搬送方向における画素サイズが拡張し、インクジェットヘッドからの吐出速度を高速化することなく(即ち、インク吐出周期を変更すること無く)、記録媒体の搬送速度を上げた状態で印刷を実行することが可能となる。
しかしながら、高速印刷モード時には、インクの吐出位置が半減することになるため、搬送速度を上げるほど搬送方向のドット間隔が広がってしまうとともに、単位面積あたりのインク付量も減ることになるため、画質が低下する。例えば、高速印刷モード時にインク吐出周期を変更すること無く搬送速度を2倍にした場合、標準印刷モードに対して搬送方向におけるドット間隔は2倍になり、インク付量も半減するため、記録媒体上に形成される画像の濃度が大幅に低下する。その結果、記録媒体上に形成される画像の画質の低下(例えば、色域の低下)を引き起こすことになる。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたもので、画質の悪化を最小限に抑えながら、高速印刷を実現可能な画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本開示は、
標準印刷モードと、記録媒体の搬送速度を前記標準印刷モードのときよりも上昇させた状態で印刷を実行する高速印刷モードとから、印刷ジョブを実行する際の印刷モードの選択を受け付ける動作モード設定部と、
前記高速印刷モード時、印刷対象の画像データを、搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する画像データ変換部と、
前記高速印刷モード時、前記画像データの画素データの濃度に対応する前記インクの吐出量を、前記搬送速度に応じて増加させるように、変換後の前記画像データに基づいて、インクジェットヘッドから前記記録媒体の各画素位置に吐出させるインクの吐出量を決定するインク吐出量決定部と、
を備えるインクジェット式の画像形成装置である。
又、他の局面では、
標準印刷モードと、記録媒体の搬送速度を前記標準印刷モードのときよりも上昇させた状態で印刷を実行する高速印刷モードとから、印刷ジョブを実行する際の印刷モードの選択を受け付ける処理と、
前記高速印刷モード時、印刷対象の画像データを、搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する処理と、
前記高速印刷モード時、前記画像データの画素データの濃度に対応する前記インクの吐出量を、前記搬送速度に応じて増加させるように、変換後の前記画像データに基づいて、インクジェットヘッドから前記記録媒体の各画素位置に吐出させるインクの吐出量を決定する処理と、
を有するインクジェット式の画像形成装置の制御方法である。
又、他の局面では、
標準印刷モードと、記録媒体の搬送速度を前記標準印刷モードのときよりも上昇させた状態で印刷を実行する高速印刷モードとから、印刷ジョブを実行する際の印刷モードの選択を受け付ける処理と、
前記高速印刷モード時、印刷対象の画像データを、搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する処理と、
前記高速印刷モード時、前記画像データの画素データの濃度に対応する前記インクの吐出量を、前記搬送速度に応じて増加させるように、変換後の前記画像データに基づいて、インクジェットヘッドから前記記録媒体の各画素位置に吐出させるインクの吐出量を決定する処理と、
を有するインクジェット式の画像形成装置の制御プログラムである。
本開示に係る画像形成装置によれば、画質の悪化を最小限に抑えながら、高速印刷を実現可能することができる。
高速印刷モード時の低解像度化処理の一例を示す図 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図 本発明の一実施形態に係るヘッドユニットの構成を示す模式図 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の主要な機能構成を示すブロック図 本発明の一実施形態に係る制御部の有する機能ブロックを示す図 本発明の一実施形態に係るインク吐出量決定部が、インクジェットヘッドから記録媒体の各画素位置に吐出させるインクの吐出量を決定する際に参照する制御マップの一例を示す図 本発明の一実施形態に係るUV光調整部が、記録媒体に対して照射するUV光の照射強度を決定する際に参照する制御マップの一例を示す図 本発明の一実施形態に係る制御部の印刷ジョブデータの生成処理のフローの一例を示す図 本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、高速印刷モード時に実現し得る色域に関する検証実験の結果を示す図 本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、高速印刷モード時に実現し得る色域に関する検証実験の他の結果を示す図 高速印刷モードにおける記録媒体上に形成する画像の濃度基準の設定を受け付けるためのユーザーインタフェースの一例を示す図 高速印刷モードにおける記録媒体上に形成する画像の濃度基準の設定を受け付けるためのユーザーインタフェースの他の一例を示す図 高速印刷モードにおける記録媒体上に形成する画像の濃度基準の設定を受け付けるためのユーザーインタフェースの更なる他の一例を示す図
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を示す図である。
画像形成装置1は、記録媒体Pに対する画像の記録を行うインクジェット式の画像形成装置である。画像形成装置1は、給紙部10と、画像形成部20と、排紙部30と、制御部40とを備える。
画像形成装置1は、制御部40による制御下で、給紙部10に格納された記録媒体Pを画像形成部20に搬送し、画像形成部20で記録媒体P上にインクを吐出して画像を記録し、画像が記録された記録媒体Pを排紙部30に搬送する。
詳しくは、画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色についてそれぞれ所定の記録階調数で記録媒体P上に色を重ねて出力することで当該記録媒体P上にカラー画像を記録する。画像形成装置1は、上記した高速印刷モードにて、記録媒体P上にカラー画像を記憶することが可能に構成されている。尚、以下では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各インク色を、Y、M、C、Kと略称して記載する。
記録媒体Pとしては、普通紙や塗工紙といった紙のほか、布帛又はシート状の樹脂等、表面に着弾したインクを定着させることが可能な種々の媒体を用いることができる。
給紙部10は、記録媒体Pを格納する給紙トレー11と、給紙トレー11から画像形成部20に記録媒体Pを搬送して供給する媒体供給部12とを有する。媒体供給部12は、内側が2本のローラーにより支持された輪状のベルトを備え、このベルト上に記録媒体Pを載置した状態でローラーを回転させることで記録媒体Pを給紙トレー11から画像形成部20へ搬送する。
画像形成部20は、搬送部21と、受け渡しユニット22と、加熱部23と、ヘッドユニット24と、定着部25と、デリバリー部27などを有する。
搬送部21は、円筒状の搬送ドラム211の搬送面上に載置された記録媒体Pを保持し、搬送ドラム211が図2におけるT方向(搬送方向に直交する方向を表す。以下同じ)に延びた回転軸(円筒軸)を中心に回転して周回移動することで搬送ドラム211上の記録媒体Pを搬送面に沿った搬送方向に搬送する。
搬送ドラム211は、その搬送面上で記録媒体Pを保持するための図示しない爪部及び吸気部を備える。記録媒体Pは、爪部により端部が押さえられ、かつ吸気部により搬送面に吸い寄せられることで搬送面に保持される。
受け渡しユニット22は、給紙部10の媒体供給部12と搬送部21との間の位置に設けられ、媒体供給部12から搬送された記録媒体Pの一端をスイングアーム部221で保持して取り上げ、受け渡しドラム222を介して搬送部21に引き渡す。
加熱部23は、受け渡しドラム222の配置位置とヘッドユニット24の配置位置との間に設けられ、搬送部21により搬送される記録媒体Pが所定の温度範囲内の温度となるように当該記録媒体Pを加熱する。加熱部23は、例えば、赤外線ヒーター等を有し、制御部40から供給される制御信号に基づいて赤外線ヒーターに通電して当該赤外線ヒーターを発熱させる。
ヘッドユニット24は、記録媒体Pが保持された搬送ドラム211の回転に応じた適切なタイミングで、搬送ドラム211の搬送面に対向するインク吐出面に設けられたノズル開口部から記録媒体Pに対してインクを吐出することにより画像を記録する。
ヘッドユニット24は、インク吐出面と搬送面とが所定の距離だけ離隔されるように配置される。本実施の形態の画像形成装置1では、Y,M,C,Kの4色のインクにそれぞれ対応する4つのヘッドユニット24が記録媒体Pの搬送方向上流側からY,M,C,Kの色の順に所定の間隔で並ぶように配列されている。
ヘッドユニット24は、画像の記録時には位置が固定されて用いられ、記録媒体Pの搬送に応じて搬送方向の異なる位置に所定の間隔(搬送方向間隔)で順次インクを吐出していくことで、シングルパス方式で画像を記録する。
図3は、本実施形態に係るヘッドユニット24の構成を示す模式図である。図3には、ヘッドユニット24のうち搬送ドラム211の外周面と対向する面を示している。
ここでは、ヘッドユニット24は、取り付け部材244に取り付けられた4つのインクジェットヘッド240(本発明の「インク吐出部」に相当)を備える。インクジェットヘッド240の各々には、インクを貯留する圧力室(図示せず)と、圧力室の壁面に設けられた圧電素子(図示せず)と、ノズル243とを各々有する複数の画像形成素子が設けられている。この画像形成素子は、圧電素子を変形動作させる駆動信号が入力されると、圧電素子の変形により圧力室が変形して圧力室内の圧力が変化し、圧力室に連通するノズル243からインクを吐出する。
4つのインクジェットヘッド240は、ノズル列のT方向についての配置範囲が切れ目なく繋がるように千鳥格子状に配置されている。ヘッドユニット24に含まれるノズル243のT方向についての配置範囲は、搬送ドラム211により搬送される記録媒体Pのうち画像が形成される領域のT方向の幅をカバーしており、ヘッドユニット24は、画像の形成時には搬送ドラム211の回転軸に対して固定されて用いられる。すなわち、ヘッドユニット24は、記録媒体Pに対するT方向についての画像形成可能幅に亘ってインクを吐出可能なラインヘッドを構成する。
インクジェットヘッド240は、インクジェットヘッド240内に貯留されるインクを加熱するインク加熱部(図示せず)を備え、加熱されてゾル状となったインクを吐出する。このゾル状のインクが記録媒体Pに吐出されると、インク滴が記録媒体Pに着弾した後、自然冷却されることで速やかにインクがゲル状となって記録媒体P上で凝固する。
尚、ヘッドユニット24の構成は、複数の記録素子がT方向について互いに異なる位置に設けられていれば上記の構成に限られない。
定着部25は、搬送部21のT方向の幅に亘って配置されたUV光照射部を有し、搬送部21に載置された記録媒体Pに対して当該UV光照射部から紫外線等のUV光を照射して記録媒体P上に吐出されたインクを硬化させて定着させる。定着部25のUV光照射部は、搬送方向についてヘッドユニット24の配置位置からデリバリー部27の受け渡しドラム271の配置位置までの間において搬送面と対向して配置される。
デリバリー部27は、内側が2本のローラーにより支持された輪状のベルトを有するベルトループ272と、記録媒体Pを搬送部21からベルトループ272に受け渡す円筒状の受け渡しドラム271とを有し、受け渡しドラム271により搬送部21からベルトループ272上に受け渡された記録媒体Pをベルトループ272により搬送して排紙部30に送出する。
排紙部30は、デリバリー部27により画像形成部20から送り出された記録媒体Pが載置される板状の排紙トレー31を有する。
図4は、画像形成装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、制御部40と、ヘッド駆動部50と、搬送駆動部60と、画像処理部70と、入出力インターフェース80と、操作受付部90と、表示部100とを備える。
制御部40は、CPU41(Central Processing Unit)、RAM42(Random Access Memory)、ROM43(Read Only Memory)および記憶部44を有し、画像形成装置1の全体動作を統括制御する。制御部40は、入出力インターフェース80を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)から送信された画像データを受信し、ヘッド駆動部50、搬送駆動部60、及び画像処理部70等に、この画像データ(入力画像データ)に基づいて記録媒体P上に画像を形成させる動作を実施させる。
CPU41は、ROM43に記憶された各種制御用のプログラムや設定データを読み出してRAM42に記憶させ、当該プログラムを実行して各種演算処理を行う。
RAM42は、CPU41に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。RAM42は、不揮発性メモリーを含んでいてもよい。
ROM43は、CPU41により実行される各種制御用のプログラムや設定データ等を格納する。尚、ROM43に代えてEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられてもよい。
記憶部44には、入出力インターフェース80を介して図示しない外部装置から入力された印刷対象の画像の画像データ等が記憶される。記憶部44としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)が用いられ、また、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などが併用されてもよい。
ヘッド駆動部50は、制御部40の制御に基づいてヘッドユニット24の記録素子に対して適切なタイミングで画像データに応じた駆動信号を供給することにより、ヘッドユニット24のノズルから画像データの画素値に応じた量のインクを吐出させる。
搬送駆動部60は、制御部40から供給される制御信号に基づいて、搬送ドラム211に設けられた搬送ドラムモーターに駆動信号を供給して搬送ドラム211を所定の速度およびタイミングで回転させる。また、搬送駆動部60は、制御部40から供給される制御信号に基づいて媒体供給部12、受け渡しユニット22、及びデリバリー部27を動作させるためのモーターに駆動信号を供給して、記録媒体Pの搬送部21への供給及び搬送部21からの排出を行わせる。
画像処理部70は、記憶部44に記憶された画像データに対して所定の画像処理を行って、得られた画像データを記憶部44に記憶させる。この画像処理には、画像データに図示しない補正テーブル等を適用して画像データを補正する補正処理の他、色変換処理、階調補正処理、擬似中間調処理などが含まれる。
入出力インターフェース80は、外部装置(例えば、パーソナルコンピューター)の入出力インターフェースと接続され、制御部40と外部装置との間のデータの送受信を媒介する。入出力インターフェース80は、例えば、制御部40の制御に基づいて外部装置から、印刷ジョブデータ(印刷対象の画像データや画像記録に係る設定データ)を取得したり、また、外部装置に対してステータス情報を送信したりする。入出力インターフェース80は、例えば、LANカードなど、各種通信プロトコルに対応した入出力インターフェースを一又は複数含む。
操作受付部90は、ユーザーの入力操作を受け付けて制御部40に出力する。操作受付部90は、例えば、表示部100の表示画面と重ねて設けられるタッチセンサー、押しボタンスイッチ及びテンキー等によって構成される。
表示部100は、制御部40からの制御信号に応じて表示画面に画像形成装置1のステータスや操作メニューなどの表示を行う。表示部100には、エラーなどの警告を行うLEDランプなどが含まれてもよい。
[高速印刷モード時の印刷ジョブデータの生成処理について]
以下、図5~図10を参照して、本実施形態に係る画像形成装置1が行う高速印刷モード時の印刷ジョブデータの生成処理について説明する。かかる印刷ジョブデータ生成処理の機能は、例えば、制御部40が備えている。
図5は、本実施形態に係る制御部40の有する機能ブロックを示す図である。制御部40は、動作モード設定部40a、画像データ変換部40b、インク吐出量決定部40c、及びUV光調整部40dの機能を有している。
動作モード設定部40aは、標準印刷モードと、記録媒体Pの搬送速度を標準速度よりも上昇させた状態で印刷を実行する高速印刷モードとから、印刷ジョブを実行する際の印刷モードの選択を受け付ける。高速印刷モードとは、上記したように、印刷対象の画像データを搬送方向に沿って低解像度化することで、インク吐出周期については、標準印刷モードと同一又は近似した周期に維持した状態で、記録媒体Pの搬送速度を上昇させ、高速で印刷を実行するモードである。
尚、「高速印刷モード」は、「標準印刷モード」よりも形成対象の画像を低解像度化して、記録媒体Pの搬送速度を上昇させるため、「低解像度モード」と称してもよい。
画像データ変換部40bは、高速印刷モード時、印刷対象の入力画像データを、搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する。
尚、高速印刷モードは、搬送速度が標準速度の所定倍(例えば、2倍)に固定されたものであってもよいが、搬送速度を標準速度の2倍、3倍及び4倍等、ユーザーによって設定変更可能に構成されていてもよい。
具体的には、画像データ変換部40bは、図1を参照して説明した低解像度化処理と同様の処理を行う。画像データ変換部40bは、例えば、入力画像データに指定された元画像から、搬送方向に直交する方向に並ぶ画素列(例えば、図1のy2列、y4列、y6列、y8列)の一部を間引いた画像に変換する。ここで、画像データ変換部40bが、入力画像データを、低解像度化する程度は、搬送速度に応じた程度であって、例えば、高速印刷モードの搬送速度が標準印刷モードの搬送速度の2倍の場合には、画像データ変換部40bは、変換後の画像データの搬送方向に沿った画素数が元の画像データの搬送方向に沿った画素数の1/2となるように、入力画像データを、低解像度化する。
但し、かかる低解像度化処理としては、単純に画素データを間引く手法に代えて、隣接する画素データの画素値を平均化する手法等が用いられてもよい。又、かかる低解像度化処理としては、モアレやジャギの発生をさけるために、単純に画素データを間引く前に、入力画像データの搬送方向に沿った平滑化処理(1/2なら2pxずつ平滑化)やローパスフィルター処理を行っても良い。またバイリニア法、バイキュービック法等、周辺画素の画素値を元に補間計算によって縮小後の画素値を決める手法を用いてもよい。
尚、画像データ変換部40bの低解像度化処理により、二次元画素マトリクスで表現された画像の各画素は、搬送方向の画素サイズが拡張された画素となる。例えば、搬送速度が標準速度の2倍の場合には、図1のように、入力画像データから、搬送方向に直交する方向に並ぶ偶数アドレスの画素列が間引かれ、各画素は、搬送方向に2倍の画素サイズに拡張される。
インク吐出量決定部40cは、高速印刷モード時、画像データの画素データの濃度に対応するインクの吐出量を、高速印刷モード時の搬送速度に応じて増加させるように、変換後の画像データに基づいて、インクジェットヘッド240から記録媒体Pの各画素位置に吐出させるインクの吐出量を決定する。インク吐出量決定部40cは、高速印刷モード時の搬送速度が大きいほど、同一濃度の画素データの一つの画素領域に対するインクの吐出量が大きくなるように、インクジェットヘッド240から記録媒体Pの各画素位置に吐出させるインクの吐出量を決定する。
図6は、インク吐出量決定部40cが、インクジェットヘッド240から記録媒体Pの各画素位置に吐出させるインクの吐出量を決定する際に参照する制御マップ(ここでは、Y色用制御マップ)の一例を示す図である。図6の横軸は高速印刷モード時の搬送速度を表し、縦軸は印刷対象の画素データ(画像データの任意の画素位置における画素データ)の濃度を表している。
かかる制御マップは、例えば、高速印刷モード時の搬送速度と、画像データ変換部40bによって低解像度化処理が施された後の画像データの画素データに指定されるY色の濃度とから、各画素位置に吐出させるインクの吐出量が導出されるように、設定されている。かかる制御マップは、例えば、図6に示すように、画素データに指定されるY色の濃度が同一の場合、高速印刷モード時の搬送速度が大きいほど、各画素位置に吐出させるインクの吐出量が大きくなるように設定されている。尚、かかる制御マップは、例えば、標準印刷モードにおける画像データの画素データの濃度とインクの吐出量とを基準として、当該インクの吐出量を、高速印刷モード時の搬送速度の大きさに応じて増加させるようにして設定されている。
尚、図6では、Y色のインク吐出量制御マップを示すが、かかるインク吐出量制御マップは、例えば、YMCK4色についてそれぞれ予め準備される。
高速印刷モード時には、上記したように、画像データを低解像度化したことに伴って、記録媒体P上におけるインク吐出位置が低密度化する。そのため、仮に、高速印刷モード時に、標準印刷モードと同一のインク吐出量で画像形成を行った場合、記録媒体P上に形成される画像の濃度が低下してしまい、画質が悪化する。
かかる観点から、インク吐出量決定部40cは、例えば、高速印刷モード時の搬送速度を、標準印刷モード時の搬送速度の2倍とする場合には、同一濃度の画素データの一つの画素領域に対しては、高速印刷モード時のインク吐出量を、標準印刷モード時のインク吐出量の2倍とする。即ち、インク吐出量決定部40cは、高速印刷モード時の搬送速度の標準速度に対する倍率に応じた比率で、同一濃度の画素データの一つの画素領域に対するインクの吐出量が標準印刷モードにおけるインクの吐出量よりも大きくなるように、インクジェットヘッド240から記録媒体Pの各画素位置に吐出させる各インク色のインクの吐出量を決定する。これによって、記録媒体P上における単位面積当たりのインク付量(記録媒体P上に載置されたインクの量を表す。以下同じ)自体は、高速印刷モード時と標準印刷モード時とで略同一とすることができる。これによって、高速印刷モード時に記録媒体P上に形成される画像の濃度を、標準印刷モード時と近似させることが可能であり、画質を向上させることができる。
但し、インク吐出量決定部40cは、必ずしも、記録媒体P上の単位面積当たりのインク付量が高速印刷モード時と標準印刷モード時とで同一になるように、記録媒体Pの各画素位置に吐出させるインクの吐出量を決定する必要はない。インク吐出量決定部40cは、例えば、多少の画質の劣化を許容してでもインクを節約したい場合等、ユーザーの要望に応じて、高速印刷モード時の記録媒体P上の単位面積当たりのインク付量が、標準印刷モード時の記録媒体P上の単位面積当たりのインク付量よりも、低くなっていてもよい(後述する変形例1を参照)。
尚、インク吐出量決定部40cにおいて、記録媒体Pの各画素位置に吐出させるインクの吐出量を決定する際に参照される、各画素位置に吐出させる4色分のインクの吐出量総量の最大許容値(以下、「インクの吐出量総量の最大許容値」と略称する)は、高速印刷モード時には、標準印刷モード時よりも大きく設定される。これによって、インク吐出量決定部40cは、高速印刷モード時には、インクジェットヘッド240から記録媒体Pの各画素位置に吐出させるインクの吐出量を、標準印刷モード時よりも大きな値に決定することが可能となっている。
4色分のインクの吐出量総量の最大許容値は、高速印刷モード時の搬送速度に応じた値に設定される。一般に、記録媒体Pのインク吸収性及びインク自体の硬化性能等の制約から、記録媒体Pの各画素領域上に載せる各色のインク付量の総量を制限することが行われており、その制限値に対応して、4色分のインクの吐出量総量の最大許容値は、設定されている。例えば、インクジェットヘッド240の各ノズル243自体には、最大YMCK総インク吐出量40[cc/m](各インク色で10[cc/m]ずつ)の吐出能力があるとしても、総インク吐出量を16[cc/m]に制限する。
しかしながら、高速印刷モードでは、低解像度化処理によって、搬送方向に沿った画素サイズは、標準印刷モードにおける画素サイズよりも大きくなる(例えば、2倍)ため、インクの硬化性能等の制約についても、標準印刷モードよりも緩和されたものとなる。即ち、この場合、高速印刷モード時における4色分のインクの吐出量総量の最大許容値は、標準印刷モード時における4色分のインクの吐出量総量の最大許容値の2倍に設定できる。これは、記録媒体Pに対して照射するUV光の積算光量を標準印刷モードと同一にすれば、インクの硬化を起こさせるための記録媒体P上における単位面積当たりのインク付量の許容値自体は、高速印刷モード時と標準印刷モード時とで同一と設定できるためである。
尚、4色分のインクの吐出量総量の最大許容値の各色の比率については特に制約はない。例えば、標準印刷モードにおけるインクの吐出量総量の最大許容値の各色の比率がK/C/M/Y=10/2/2/2のとき、高速印刷モードにおいては、K/C/M/Y=10/2/2/2にしてもよいし、4/4/4/4にしてもよいし、1/5/5/5にしてもよい。尚、インクの吐出量総量の最大許容値の各色の比率は、グレースケール画像の各輝度値における各色の比率に対応する。
UV光調整部10dは、定着部25の動作を制御することで、記録媒体Pに対するインク硬化用UV光の照射状態(即ち、UV光の照射強度及びUV光の照射時間)を調整する。ここで、UV光調整部10dは、高速印刷モード時、記録媒体Pの単位面積当たりに照射するUV光の積算光量が基準値(インクを記録媒体Pに定着させるために必要な積算光量を表す。以下同じ)となるように、高速印刷モード時の搬送速度を考慮して、UV光の照射状態を調整する。
記録媒体P上に吐出されたインクの硬化度合(即ち、定着度合)は、典型的には、インクに対して照射したUV光の積算光量に依拠する。かかる観点から、UV光調整部10dは、例えば、高速印刷モード時には、記録媒体Pの搬送速度の上昇に伴いUV光の照射時間が短くなることを考慮して、UV光の照射強度を、標準印刷モード時よりも大きくする。例えば、標準印刷モードにおいて、UV光の照射強度を2mW/cmとしていた場合、高速印刷モードにおいては、4mW/cmと設定して、高速化によって照射時間が短くなった分の積算光量を照射強度で補う。但し、UV光の積算光量は、UV光の照射強度とUV光の照射時間との積(=照射時間×照射強度)で決まるため、UV光調整部10dは、UV光の照射強度の調整に代えて/又はこれとともに、UV光の照射時間の調整を行ってもよい。
図7は、UV光調整部40dが、記録媒体Pに対して照射するUV光の照射強度を決定する際に参照する制御マップの一例を示す図である。図7の横軸は高速印刷モード時の搬送速度を表し、縦軸はUV光の照射強度を表している。
図7に示す制御マップでは、高速印刷モード時の搬送速度を上昇させるほど(即ち、インクの吐出量総量の最大許容値を増加させるほど)、記録媒体Pに対して照射するUV光の照射強度を増大させる態様を示している。これによって、記録媒体Pの単位面積当たりに照射するUV光の積算光量が基準値となった状態を確保することができる。
本実施形態に係る画像形成装置1では、インク吐出量決定部40cの処理により、例えば、同一の画像データの印刷を実行したときに、記録媒体P上の単位面積当たりのインク付量を、標準印刷モードの場合と高速印刷モードの場合とで略同一とすることができる。かかる場合には、記録媒体P上に吐出されたインクを硬化させるために必要となるUV光の積算光量は、標準印刷モードの場合と高速印刷モードの場合とで略同一となる。
但し、UV光の照射強度を強くしても、高速化によって、記録媒体P上に載置されたインクのプライマー層(インクの記録媒体Pとの界面付近の層)までUVが十分に届かず密着性が悪くなる可能性がある。そのため、高速印刷モードにおける積算光量は、標準印刷モードにおける積算光量以上であるのが好ましい。一方、積算光量が大きすぎても、インク層表面がひび割れる現象が生じたり、インクのあるところと無いところの熱膨張の差により記録媒体Pに皺が発生したりする懸念もある。
かかる観点から、UV光調整部40dは、例えば、下記式(1)を満たすように、UV光の照射状態を調整し、高速印刷モードの積算光量に多少マージンを持たせることが好ましい。尚、標準印刷モードにおける記録媒体P上の単位面積当たりの積算光量は、例えば、350mJ/cm程度に設定される。
L1×1.0≦L2≦L1×1.5 …式(1)
(但し、L1は標準印刷モードにおける記録媒体Pの各画素位置に照射するUV光の積算光量を表し、L2は高速印刷モードにおける記録媒体Pの各画素位置に照射するUV光の積算光量を表す。L1とL2は記録媒体P上の単位面積当たりインクの付量が同一の場合におけるUV光の積算光量を表す。)
図8は、本実施形態に係る制御部40の印刷ジョブデータの生成処理のフローの一例を示す図である。
ステップS101において、制御部40は、ユーザーからの印刷ジョブの実行指令を受け付ける。尚、ここでは、印刷ジョブ中に、高速印刷モードでの印刷を行う旨の指令が設定されていた場合について、述べる。
ステップS102において、制御部40は、入力画像データに対する低解像度化処理(高速印刷モードの搬送速度に応じた画像データに変換)を実行する。
ステップS103において、制御部40は、低解像度化処理後の画像データの画素データと、高速印刷モードにおける搬送速度と、に基づいて、インクジェットヘッド240から吐出させるべき記録媒体Pの各画素位置におけるインク吐出量を決定する。
ステップS104において、制御部40は、記録媒体Pの単位面積当たりに照射するUV積算光量が基準値となるように、UV照射強度を決定する。
以上のようなフローにて、本実施形態に係る制御部40は、インクジェットヘッド240から記録媒体Pの各画素位置に吐出させるインクの吐出量、及び、記録媒体Pに対して照射するUV光の照射状態を決定した印刷ジョブデータを生成する。そして、制御部40は、かかる印刷ジョブデータを用いて画像形成部20を制御し、記録媒体Pに対する印刷を実行する。
[検証実験]
図9は、本実施形態に係る画像形成装置1において、高速印刷モード時に実現し得る色域に関する検証実験の結果を示す図である。この検証実験の結果は、インクの吐出量に係るパラメータを変化させながら、高速印刷モードで実際に記録媒体Pに印刷を行った際に、定着部25の後段に設けたインラインセンサ(図示せず)によって読み取られた画像から得られたものである。
図9Aは、Lab色空間のL=20における色域を示し、図9Bは、Lab色空間のL=25における色域を示している。尚、Lab色空間のab平面では、極座標形式の角度は色相に相当し、極座標形式の距離は彩度を表し、ab平面内で取り囲んだ範囲が、画像形成装置1が表現可能な色域を表す。
図9A及び図9B内で表された各領域は、以下の態様における色域を表す。
領域B:搬送速度を標準速度の2倍にした高速印刷モードにおける色域
(インクの吐出量を標準印刷モードの1.00倍とした場合)
領域C:搬送速度を標準速度の2倍にした高速印刷モードにおける色域
(インクの吐出量を標準印刷モードの1.25倍とした場合)
領域M:搬送速度を標準速度の2倍にした高速印刷モードにおける色域
(インクの吐出量を標準印刷モードの1.50倍とした場合)
領域R:搬送速度を標準速度の2倍にした高速印刷モードにおける色域
(インクの吐出量を標準印刷モードの1.75倍とした場合)
領域Y:搬送速度を標準速度の2倍にした高速印刷モードにおける色域
(インクの吐出量を標準印刷モードの2.00倍とした場合)
領域V:標準印刷モードにおける色域
領域W:基準色域
尚、ここでのインクの吐出量とは、一つの画素領域に吐出させるインクの吐出量を意味する。又、基準色域とは、高画質画像を希望する場合に目標とされる色域を意味する。
図9A及び図9Bから分かるように、高速印刷モードでは、一つの画素領域に吐出させるインクの吐出量を標準印刷モードと同程度の場合には、十分な色域を確保することができないが、一つの画素領域に吐出させるインクの吐出量を増加させるにつれて、表現可能な色域は、広がっていく。そして、一つの画素領域に吐出させるインクの吐出量を、標準印刷モードにおけるインクの吐出量の2倍まで増加させた場合には、高速印刷モード時においても、基準色域(高画質画像を希望する場合に目標とされる色域)まで、表現可能な色域を確保することが可能であることが分かる。
図10は、本実施形態に係る画像形成装置1において、高速印刷モード時に実現し得る色域に関する検証実験の他の結果を示す図である。図10では、標準印刷モードにおける搬送速度、最大インク付量(即ち、インク吐出量総量の最大許容値)、UV光の積算光量、UV光の照射強度、及びUV光の照射パス長を基準として、これらの値を変更した場合の高速印刷モード時に実現し得る色域及びその際のインクの密着性を表している。
図10では、サンプル1が、標準印刷モードで印刷された場合のサンプルを表し、サンプル2~12が、高速印刷モードで印刷された場合のサンプルを表している。この検証実験では、「色域」は、標準印刷モードのGamutの体積(Lab色空間で取り囲んだ3次元領域の体積)を100とした時の値で表されている。又、「密着性」は、JIS規格で規定されたクロスカット法で評価した結果で表されており、「0」の場合には、密着性良好な状態を表し、「1」の場合には、密着性不良な状態(即ち、インクの剥離あり)を表している。
図10から分かるように、高速印刷モードでは、搬送速度を大きくしたときに、最大インク付量を当該搬送速度に応じた値としない場合には、表現可能な色域が大きく低下する。一方、最大インク付量を大きくした場合には、その分、UV光の照射強度を大きくするか又はUV光を照射するパス長を長くしなければ、インクの密着性に問題が生じる。
即ち、高速印刷モードにおいて高画質な画像を形成するためには、搬送速度に応じて、最大インク付量を標準印刷モードよりも大きくすること、及び、UV光の照射強度を標準印刷モードよりも大きくするか又はUV光を照射するパス長を標準印刷モードよりも長くして、UV光の積算光量を基準値となるようにすること、が重要であることが分かる。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1は、
標準印刷モードと、記録媒体Pの搬送速度を標準印刷モードのときよりも上昇させた状態で印刷を実行する高速印刷モードとから、印刷ジョブを実行する際の印刷モードの選択を受け付ける動作モード設定部40aと、
高速印刷モード時、印刷対象の画像データを、搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する画像データ変換部40bと、
高速印刷モード時、画像データの画素データの濃度に対応するインクの吐出量を、搬送速度に応じて増加させるように、変換後の画像データに基づいて、インクジェットヘッド240から記録媒体Pの各画素位置に吐出させるインクの吐出量を決定するインク吐出量決定部40cと、
を備える。
本実施形態に係る画像形成装置1によれば、高速印刷モード時、画像データを低解像度化したことに伴って、記録媒体P上におけるインク吐出位置が低密度化し、画質が悪化する事態を抑制することができる。
換言すると、これによって、高速印刷モード時には、記録媒体Pの各画素位置に吐出するインクの吐出量を標準印刷モード時よりも増大させることで、記録媒体P上に形成される画像の濃度を実質的に標準印刷モード時と同程度にし、これにより、画質の悪化の程度を小さくすることができる。本実施形態に係る画像形成装置1は、特に、高速印刷モード時に、色域が大幅に低下してしまう事態を抑制することができる点で有用である。
(変形例1)
上記実施形態では、UV光調整部10dは、UV光の照射強度を制御することによって、UV光の積算光量を調整する態様を示したが、UV光調整部10dは、UV光の照射パス長を制御することによって、UV光の積算光量を調整してもよい。
UV光の積算光量は、UV光の照射強度とUV光の照射時間との積(=照射時間×照射強度)で決まる。かかる観点から、本変形例では、UV光調整部10dは、UV光の照射パス長を制御することによって、UV光の照射時間の調整を行い、これによって、記録媒体Pの単位面積当たりに照射するUV光の積算光量が基準値(インクを記録媒体Pに定着させるために必要な積算光量)となるようにする。
UV光の照射パス長の調整方法としては、例えば、画像形成装置1の定着部25に複数の記録媒体Pの搬送経路を設け、標準印刷モード時と高速印刷モード時とで当該搬送経路を切り替える等の手法がある。この場合、例えば、標準印刷モード時の照射パス長が20cmであるとすると、倍速の高速印刷モード時の照射パス長を40cmとして、高速化によって照射時間が短くなった分を照射領域の長さで補えばよい。
(変形例2)
本変形例に係る画像形成装置1においては、高速印刷モードが、ユーザーの入力操作により、記録媒体P上に形成する画像の濃度基準を可変に構成されている点で、上記実施形態に係る画像形成装置1と相違する。
上記実施形態では、高速印刷モードの一例として、記録媒体P上における単位面積当たりのインク付量(即ち、記録媒体P上に形成する画像の濃度基準)が高速印刷モード時と標準印刷モード時とで略同一となるように、インク吐出量決定部40cにて記録媒体Pの各画素位置におけるインク吐出量が自動的に決定される態様を示した。かかる態様によれば、記録媒体P上に形成する画像の濃度を一定に維持することが可能であり、画像の品質を一定に維持することが可能である。
しかしながら、ユーザーによっては、インク消費量の節約等の観点から、高速印刷モード時の画像の濃度を、低濃度にした状態のままであることを望む場合がある。かかる観点から、本変形例に係る画像形成装置1では、ユーザーの入力操作により設定された濃度基準の高速印刷モードを実施可能としている。
具体的には、本変形例に係る動作モード設定部40aは、ユーザーの入力操作により設定された濃度基準の高速印刷モードを受け付け可能に構成されている。
又、本変形例に係るインク吐出量決定部40cは、ユーザーの入力操作により設定された濃度基準に対応するインク吐出量となるように、記録媒体Pの各画素位置に吐出するインク吐出量を決定する。インク吐出量決定部40cは、例えば、高速印刷モード時の搬送速度を、標準印刷モード時の搬送速度の2倍とする場合には、同一濃度の画素データの一つの画素領域に対しては、高速印刷モード時のインク吐出量を、標準印刷モード時のインク吐出量の2倍とする態様の他、標準印刷モード時のインク吐出量の1.00倍とする態様、標準印刷モード時のインク吐出量の1.25倍とする態様、及び標準印刷モード時のインク吐出量の1.50倍とする態様の4態様から、ユーザーに選択可能とする。
図11は、高速印刷モードにおける記録媒体P上に形成する画像の濃度基準の設定を受け付けるためのユーザーインタフェースの一例を示す図である。図11において、アイコンR11、アイコンR12、アイコンR13、アイコンR14は、それぞれ、高速印刷モードにおける画像の濃度基準を選択するためのアイコンであり、例えば、動作モード設定部40aが、高速印刷モードに係る印刷ジョブを受け付けた際に表示部100に表示する画像である。
図12は、高速印刷モードにおける記録媒体P上に形成する画像の濃度基準の設定を受け付けるためのユーザーインタフェースの他の一例を示す図である。図12に示すユーザーインタフェースは、上下方向に沿って延在するバー画像R21上に、操作レバー画像R22が表示されたものとなっている。バー画像R21上の上下方向の位置は、上側から下側に向かって画像の濃度基準の濃い値から薄い値へ向かうように、画像の濃度基準に対応づけられている。操作レバー画像R22は、バー画像R21上を上下方向に移動操作可能な操作要素である。そして、操作レバー画像R22が、バー画像R21上を移動操作されることで、操作レバー画像R22の位置に対応する画像の濃度基準が選択されようになっている。
図13は、高速印刷モードにおける記録媒体P上に形成する画像の濃度基準の設定を受け付けるためのユーザーインタフェースの更なる他の一例を示す図である。図13に示すユーザーインタフェースは、画像の濃度基準を選択可能に表示するチェックボックス画像R31である。ユーザーは、チェックボックス画像R31に表示された複数(ここでは、4つ)のボックスのいずれか一つを選択することで、記録媒体P上に形成する画像の濃度基準の設定を行うことができるようになっている。
以上のように、本変形例に係る画像形成装置1は、高速印刷モード時、ユーザーが、状況に応じて、入力操作により記録媒体P上に形成する画像の濃度基準の設定変更し、インク消費量の節約等をできるようになっている点で有用である。
(変形例3)
本変形例に係る画像形成装置1においては、高速印刷モードが、ユーザーの入力操作により、搬送速度を可変に構成されている点で、上記実施形態に係る画像形成装置1と相違する。
上記したように、高速印刷モードにおいては、搬送速度を上昇させるほど、画像データを低解像度化する必要があるため、画質のある程度の劣化は避けられない。但し、本開示に係る画像形成装置1によれば、高速印刷モードにて印刷を実行する場合でも、その画質の劣化の度合い(色域の低下や濃度の低下)は、最小限に止めることが可能である。
かかる観点から、本変形例に係る画像形成装置1においては、ユーザーが、印刷対象の画像データに対する画質に関する要求と、印刷時間に関する要求とを考慮して、所望の搬送速度の高速印刷モードにて、印刷を実施可能とすることができるようになっている。
具体的には、本変形例に係る動作モード設定部40aは、ユーザーの入力操作により設定された搬送速度の高速印刷モードを受け付け可能に構成されている。
又、本変形例に係るインク吐出量決定部40cは、ユーザーの入力操作により設定された搬送速度に対応するインク吐出量となるように、記録媒体Pの各画素位置に吐出するインク吐出量を決定する。インク吐出量決定部40cは、例えば、高速印刷モード時の搬送速度を、標準印刷モード時の搬送速度の2倍とする場合には、同一濃度の画素データの一つの画素領域に対しては、高速印刷モード時のインク吐出量を、標準印刷モード時のインク吐出量の2倍とする。又、インク吐出量決定部40cは、例えば、高速印刷モード時の搬送速度を、標準印刷モード時の搬送速度の1.5倍とする場合には、同一濃度の画素データの一つの画素領域に対しては、高速印刷モード時のインク吐出量を、標準印刷モード時のインク吐出量の1.5倍とする。
尚、ユーザーが入力操作により搬送速度を設定するためのユーザーインターフェイスは、任意であり、例えば、上記した図11、図12、及び図13と同様に、アイコンや、操作ノブ、又はチェックボックス等を利用したものであってよい。
以上のように、本変形例に係る画像形成装置1は、高速印刷モード時、ユーザーが、利用シーンに応じて、入力操作により高速印刷モード時の搬送速度を設定変更し、インク消費量の節約等をできるようになっている点で有用である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 画像形成装置
10 給紙部
11 給紙トレー
12 媒体供給部
20 画像形成部
21 搬送部
22 受け渡しユニット
23 加熱部
24 ヘッドユニット
25 定着部
27 デリバリー部
30 排紙部
31 排紙トレー
40 制御部
40a 動作モード設定部
40b 画像データ変換部
40c インク吐出量決定部
40d UV光調整部
50 ヘッド駆動部
60 搬送駆動部
70 画像処理部
80 入出力インターフェース
90 操作受付部
100 表示部

Claims (10)

  1. 標準印刷モードと、記録媒体の搬送速度を前記標準印刷モードのときよりも上昇させた状態で印刷を実行する高速印刷モードとから、印刷ジョブを実行する際の印刷モードの選択を受け付ける動作モード設定部と、
    前記高速印刷モード時、前記搬送速度に基づいて、印刷対象の画像データを、前記搬送速度に応じた度合いで搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する画像データ変換部と、
    前記高速印刷モード時、前記画像データの画素データの濃度に対応するインクの吐出量を、前記搬送速度に応じて増加させるように、変換後の前記画像データに基づいて、インクジェットヘッドから前記記録媒体の各画素位置に吐出させるインクの吐出量を決定するインク吐出量決定部と、
    前記記録媒体に対するインク硬化用UV光の照射状態を調整するUV光調整部と、
    を備え
    前記インク吐出量決定部は、前記印刷対象の前記画像データを印刷した際における、前記記録媒体上の単位面積当たりの前記インクの付量が、前記高速印刷モード時と前記標準印刷モード時とで略同一となるように、前記インクジェットヘッドから前記記録媒体の各画素位置に吐出させる前記インクの吐出量を決定し、
    前記UV光調整部は、前記高速印刷モード時、前記搬送速度及び各画素位置に吐出させる前記インクの吐出量に基づいて、下記式(1)を満たすように、前記UV光の前記照射状態を調整する、
    インクジェット式の画像形成装置。
    L1×1.0≦L2≦L1×1.5 …式(1)
    (但し、L1は標準印刷モードにおける記録媒体の各画素位置に照射するUV光の積算光量を表し、L2は高速印刷モードにおける記録媒体の各画素位置に照射するUV光の積算光量を表す。L1とL2は記録媒体上の単位面積当たりのインクの付量が同一の場合におけるUV光の積算光量を表す。)
  2. 前記インク吐出量決定部は、前記搬送速度が大きいほど、同一濃度の前記画素データの一つの画素領域に対する前記インクの吐出量が大きくなるように、前記インクジェットヘッドから前記記録媒体の各画素位置に吐出させる前記インクの吐出量を決定する、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記インク吐出量決定部は、前記搬送速度の標準速度に対する倍率に応じた比率で、同一濃度の前記画素データの一つの画素領域に対する前記インクの吐出量が前記標準印刷モードにおける前記インクの吐出量よりも大きくなるように、前記インクジェットヘッドから前記記録媒体の各画素位置に吐出させる各インク色の前記インクの吐出量を決定する、
    請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記高速印刷モード時に前記インクジェットヘッドから前記記録媒体の各画素位置に吐出させる前記インクの吐出量の最大許容値は、前記標準印刷モード時に前記インクジェットヘッドから前記記録媒体の各画素位置に吐出させる前記インクの吐出量の最大許容値よりも大きく設定される、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記UV光調整部が調整対象とする前記UV光の前記照射状態は、前記UV光の照射強度である、
    請求項に記載の画像形成装置。
  6. 前記UV光調整部が調整対象とする前記UV光の前記照射状態は、前記UV光の照射パス長である、
    請求項に記載の画像形成装置。
  7. 前記高速印刷モードは、ユーザーの入力操作により、前記搬送速度を可変に構成されている、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  8. 前記高速印刷モードは、ユーザーの入力操作により、前記記録媒体上に形成する画像の濃度基準を可変に構成されている、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  9. 標準印刷モードと、記録媒体の搬送速度を前記標準印刷モードのときよりも上昇させた状態で印刷を実行する高速印刷モードとから、印刷ジョブを実行する際の印刷モードの選択を受け付ける第1処理と、
    前記高速印刷モード時、前記搬送速度に基づいて、印刷対象の画像データを、前記搬送速度に応じた度合いで搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する第2処理と、
    前記高速印刷モード時、前記画像データの画素データの濃度に対応するインクの吐出量を、前記搬送速度に応じて増加させるように、変換後の前記画像データに基づいて、インクジェットヘッドから前記記録媒体の各画素位置に吐出させるインクの吐出量を決定する第3処理と、
    前記記録媒体に対するインク硬化用UV光の照射状態を調整する第4処理と、
    を有し、
    前記第3処理では、前記印刷対象の前記画像データを印刷した際における、前記記録媒体上の単位面積当たりの前記インクの付量が、前記高速印刷モード時と前記標準印刷モード時とで略同一となるように、前記インクジェットヘッドから前記記録媒体の各画素位置に吐出させる前記インクの吐出量を決定し、
    前記第4処理では、前記高速印刷モード時、前記搬送速度及び各画素位置に吐出させる前記インクの吐出量に基づいて、下記式(1)を満たすように、前記UV光の前記照射状態を調整する、
    インクジェット式の画像形成装置の制御方法。
    L1×1.0≦L2≦L1×1.5 …式(1)
    (但し、L1は標準印刷モードにおける記録媒体の各画素位置に照射するUV光の積算光量を表し、L2は高速印刷モードにおける記録媒体の各画素位置に照射するUV光の積算光量を表す。L1とL2は記録媒体上の単位面積当たりのインクの付量が同一の場合におけるUV光の積算光量を表す。)
  10. 標準印刷モードと、記録媒体の搬送速度を前記標準印刷モードのときよりも上昇させた状態で印刷を実行する高速印刷モードとから、印刷ジョブを実行する際の印刷モードの選択を受け付ける第1処理と、
    前記高速印刷モード時、前記搬送速度に基づいて、印刷対象の画像データを、前記搬送速度に応じた度合いで搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する第2処理と、
    前記高速印刷モード時、前記画像データの画素データの濃度に対応するインクの吐出量を、前記搬送速度に応じて増加させるように、変換後の前記画像データに基づいて、インクジェットヘッドから前記記録媒体の各画素位置に吐出させるインクの吐出量を決定する第3処理と、
    前記記録媒体に対するインク硬化用UV光の照射状態を調整する第4処理と、
    を有し、
    前記第3処理では、前記印刷対象の前記画像データを印刷した際における、前記記録媒体上の単位面積当たりの前記インクの付量が、前記高速印刷モード時と前記標準印刷モード時とで略同一となるように、前記インクジェットヘッドから前記記録媒体の各画素位置に吐出させる前記インクの吐出量を決定し、
    前記第4処理では、前記高速印刷モード時、前記搬送速度及び各画素位置に吐出させる前記インクの吐出量に基づいて、下記式(1)を満たすように、前記UV光の前記照射状態を調整する、
    インクジェット式の画像形成装置の制御プログラム。
    L1×1.0≦L2≦L1×1.5 …式(1)
    (但し、L1は標準印刷モードにおける記録媒体の各画素位置に照射するUV光の積算光量を表し、L2は高速印刷モードにおける記録媒体の各画素位置に照射するUV光の積算光量を表す。L1とL2は記録媒体上の単位面積当たりのインクの付量が同一の場合におけるUV光の積算光量を表す。)
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