JP2023142232A - 画像形成装置、画像形成方法、及び画像形成プログラム - Google Patents

画像形成装置、画像形成方法、及び画像形成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】高速印刷モードにおいても、細線領域のジャギを抑制しながら、色再現のロバスト性を向上させることが可能な画像形成装置を提供すること。【解決手段】複数のインク色成分それぞれのインク吐出部を制御して記録媒体P上にカラー画像を形成する画像形成装置であって、高速印刷モード時、印刷対象の画像データを、搬送速度に応じて搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する画像データ変換部40bと、高速印刷モード時、画像データ中の描画対象のオブジェクト毎に、当該オブジェクトの色特性に基づいて、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列における、各インク色のドット列の並び方向を設定するドットパターン特性設定部40dと、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、画像形成装置、画像形成方法、及び画像形成プログラムに関する。
従来、2色以上のインクジェットヘッドを搭載するヘッドユニットを用いて、記録媒体にカラー画像を形成するインクジェット式の画像形成装置が知られている。
特開2008-294609号公報 特開平11-88686号公報
近年、この種の画像形成装置においては、ヘッドユニットの機械的構造を変更することなく、高速印刷を実行可能とする要請がある。
本願の発明者らは、かかる高速印刷を実現する手法として、印刷対象の入力画像データを、搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する(以下、「低解像度化処理」と称する)と共に、当該変換後の画像データを用いて、記録媒体の搬送速度を上げた状態で印刷を実行する手法を検討している。以下、記録媒体の搬送速度を標準速度で印刷を実行する手法を「標準印刷モード」と称し、記録媒体の搬送速度を標準速度よりも高速化した状態で印刷を実行する手法を「高速印刷モード」と称する。
図1は、高速印刷モード時の低解像度化処理の一例を示す図である。図1の左図は、印刷対象の元の画像データを表し、図1の右図は、図1の左図の画像データに対して低解像度化処理を施した画像データを表している。図1では、例えば、高速印刷モード時には、標準印刷モードの2倍の搬送速度で搬送しながら、印刷処理を実行する場合の低解像度化処理を示している。尚、図1中の○印は、画像データにて設定されている画素マトリクス上におけるインク吐出予定位置を表しており、当該画像データでは、y方向を記録媒体の搬送方向とし、T方向を搬送方向に直交する方向とするxy座標系で二次元画素マトリクス中の画素位置が特定されている。
高速印刷モード時の低解像度化処理は、典型的には、印刷対象の元の画像データから、搬送方向に直交する方向に並ぶ画素列の画素データを間引く処理である。その際の画素データを間引く度合いは、高速印刷モード時の搬送速度に依拠する。例えば、高速印刷モード時の搬送速度を2倍にしたい場合には、図1のように、印刷対象の元の画像データの搬送方向に直交する方向に並ぶ画素列の画素データの個数を1/2とするべく、印刷対象の元の画像データ(図1の左図)は、y2列、y4列、y6列及びy8列の画素データが間引かれた画像データ(図1の右図)に変換され、当該変換後の画像データが、インクの吐出位置を決定する用に供される。但し、かかる低解像度化処理としては、単純に画素データを間引く手法に代えて、隣接する画素データの画素値を平均化する手法等が用いられてもよい。
かかる低解像度化処理によって、記録媒体上の搬送方向におけるインク吐出位置が半減するため、インクジェットヘッドからの吐出速度を高速化することなく、記録媒体の搬送速度を上げた状態で印刷を実行することが可能となる。即ち、これによって、高速印刷モードにおけるインク吐出周期を、標準印刷モードにおけるインク吐出周期と同程度とすることが可能であるため、ヘッドユニットの機械的構造を変更することなく、高速印刷を実行することが可能となる。
しかしながら、高速印刷モード時には、インクの吐出位置が半減することになるため、印刷画像の画質劣化が生じやすい。印刷画像の画質劣化の要因としては、主に2つあり、一つは、印刷画像の細線領域(例えば、文字のエッジ領域)に表出するジャギと称される階段状の凹凸であり、かかるジャギが発生した場合、良好な文字細線形状が形成されず、文字がボケて印刷されることになる。もう一つは、目標とする色相からの色ずれ(即ち、色再現性の悪化)である。
この高速印刷モード時の印刷画像の画質向上の難しさは、図1のように、搬送方向における画素サイズのみが、搬送方向に直交する方向における画素サイズよりも大きくなり、印刷画像上、搬送方向において隣接するインク吐出位置間において、隙間が生じたものとなっている点である。即ち、印刷画像上のかかる画素配列に起因して、従来技術として知られているジャギの発生を回避するための印刷技術(例えば、特許文献1を参照)や、色再現のロバスト性を確保するための印刷技術(例えば、特許文献2を参照)を単純に適用することができないという課題がある。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたもので、高速印刷モードにおいても、細線領域のジャギを抑制しながら、色再現のロバスト性を向上させることが可能な画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラムを提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本開示は、
複数のインク色成分それぞれのインク吐出部を制御して記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成装置であって、
標準印刷モードと、前記記録媒体の搬送速度を前記標準印刷モードのときよりも上昇させた状態で印刷を実行する高速印刷モードとのうちから、前記カラー画像を形成する際の印刷モードの選択を受け付ける動作モード設定部と、
前記高速印刷モード時、印刷対象の画像データを、前記搬送速度に応じて搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する画像データ変換部と、
前記高速印刷モード時、前記画像データ中の描画対象のオブジェクト毎に、当該オブジェクトの色特性に基づいて、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列における、各インク色のドット列の並び方向を設定するドットパターン特性設定部と、
を備える画像形成装置である。
又、他の局面では、
複数のインク色成分それぞれのインク吐出部を制御して記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成方法であって、
標準印刷モードと、前記記録媒体の搬送速度を前記標準印刷モードのときよりも上昇させた状態で印刷を実行する高速印刷モードとのうちから、前記カラー画像を形成する際の印刷モードの選択を受け付ける第1処理と、
前記高速印刷モード時、印刷対象の画像データを、前記搬送速度に応じて搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する第2処理と、
前記高速印刷モード時、前記画像データ中の描画対象のオブジェクト毎に、当該オブジェクトの色特性に基づいて、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列における、各インク色のドット列の並び方向を設定する第3処理と、
を有する画像形成方法である。
又、他の局面では、
複数のインク色成分それぞれのインク吐出部を制御して記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成プログラムであって、
標準印刷モードと、前記記録媒体の搬送速度を前記標準印刷モードのときよりも上昇させた状態で印刷を実行する高速印刷モードとのうちから、前記カラー画像を形成する際の印刷モードの選択を受け付ける第1処理と、
前記高速印刷モード時、印刷対象の画像データを、前記搬送速度に応じて搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する第2処理と、
前記高速印刷モード時、前記画像データ中の描画対象のオブジェクト毎に、当該オブジェクトの色特性に基づいて、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列における、各インク色のドット列の並び方向を設定する第3処理と、
を有する画像形成プログラムである。
本開示に係る画像形成装置によれば、高速印刷モードにおいても、細線領域のジャギを抑制しながら、色再現のロバスト性を向上させることができる。
高速印刷モード時の低解像度化処理の一例を示す図 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図 本発明の一実施形態に係るヘッドユニットの構成を示す模式図 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の主要な機能構成を示すブロック図 本発明の一実施形態に係る制御部の有する機能ブロックを示す図 印刷対象の入力画像データ中に含まれる描画対象のオブジェクトの一例を示す図 第1ドットパターン特性(図7A)及び第2ドットパターン特性(図7B)を示す図 オブジェクトにおいて使用されるインク色の数がYMK3色のみの場合、YM2色のみの場合の第2ドットパターン特性の態様を示す図 混色に用いる色間のインク吐出位置の重なり率と、色再現のロバストとの関係について、説明する図 本発明の一実施形態に係る制御部による印刷ジョブデータ生成処理の一例を示すフローチャート 変形例1に係る印刷ジョブデータ生成処理を模式的に示す図 変形例2に係る印刷ジョブデータ生成処理を模式的に示す図
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を示す図である。
画像形成装置1は、記録媒体Pに対する画像の記録を行うインクジェット式の画像形成装置である。画像形成装置1は、給紙部10と、画像形成部20と、排紙部30と、制御部40とを備える。
画像形成装置1は、制御部40による制御下で、給紙部10に格納された記録媒体Pを画像形成部20に搬送し、画像形成部20で記録媒体P上にインクを吐出して画像を記録し、画像が記録された記録媒体Pを排紙部30に搬送する。
詳しくは、画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色についてそれぞれ所定の記録階調数で記録媒体P上に色を重ねて出力することで当該記録媒体P上にカラー画像を記録する。画像形成装置1は、上記した高速印刷モードにて、記録媒体P上にカラー画像を記憶することが可能に構成されている。尚、以下では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各インク色を、Y、M、C、Kと略称して記載する。
記録媒体Pとしては、普通紙や塗工紙といった紙のほか、布帛又はシート状の樹脂等、表面に着弾したインクを定着させることが可能な種々の媒体を用いることができる。
給紙部10は、記録媒体Pを格納する給紙トレー11と、給紙トレー11から画像形成部20に記録媒体Pを搬送して供給する媒体供給部12とを有する。媒体供給部12は、内側が2本のローラーにより支持された輪状のベルトを備え、このベルト上に記録媒体Pを載置した状態でローラーを回転させることで記録媒体Pを給紙トレー11から画像形成部20へ搬送する。
画像形成部20は、搬送部21と、受け渡しユニット22と、加熱部23と、ヘッドユニット24と、定着部25と、デリバリー部27などを有する。
搬送部21は、円筒状の搬送ドラム211の搬送面上に載置された記録媒体Pを保持し、搬送ドラム211が図2におけるT方向(搬送方向に直交する方向を表す。以下同じ)に延びた回転軸(円筒軸)を中心に回転して周回移動することで搬送ドラム211上の記録媒体Pを搬送面に沿った搬送方向に搬送する。
搬送ドラム211は、その搬送面上で記録媒体Pを保持するための図示しない爪部及び吸気部を備える。記録媒体Pは、爪部により端部が押さえられ、かつ吸気部により搬送面に吸い寄せられることで搬送面に保持される。
受け渡しユニット22は、給紙部10の媒体供給部12と搬送部21との間の位置に設けられ、媒体供給部12から搬送された記録媒体Pの一端をスイングアーム部221で保持して取り上げ、受け渡しドラム222を介して搬送部21に引き渡す。
加熱部23は、受け渡しドラム222の配置位置とヘッドユニット24の配置位置との間に設けられ、搬送部21により搬送される記録媒体Pが所定の温度範囲内の温度となるように当該記録媒体Pを加熱する。加熱部23は、例えば、赤外線ヒーター等を有し、制御部40から供給される制御信号に基づいて赤外線ヒーターに通電して当該赤外線ヒーターを発熱させる。
ヘッドユニット24(本発明の「インク吐出部」に相当)は、記録媒体Pが保持された搬送ドラム211の回転に応じた適切なタイミングで、搬送ドラム211の搬送面に対向するインク吐出面に設けられたノズル開口部から記録媒体Pに対してインクを吐出することにより画像を記録する。
ヘッドユニット24は、インク吐出面と搬送面とが所定の距離だけ離隔されるように配置される。本実施の形態の画像形成装置1では、Y,M,C,Kの4色のインクにそれぞれ対応する4つのヘッドユニット24が記録媒体Pの搬送方向上流側からY,M,C,Kの色の順に所定の間隔で並ぶように配列されている。
ヘッドユニット24は、画像の記録時には位置が固定されて用いられ、記録媒体Pの搬送に応じて搬送方向の異なる位置に所定の間隔(搬送方向間隔)で順次インクを吐出していくことで、シングルパス方式で画像を記録する。
図3は、本実施形態に係るヘッドユニット24の構成を示す模式図である。図3には、ヘッドユニット24のうち搬送ドラム211の外周面と対向する面を示している。
ここでは、ヘッドユニット24は、取り付け部材244に取り付けられた4つのインクジェットヘッド240を備える。インクジェットヘッド240の各々には、インクを貯留する圧力室(図示せず)と、圧力室の壁面に設けられた圧電素子(図示せず)と、ノズル243とを各々有する複数の画像形成素子が設けられている。この画像形成素子は、圧電素子を変形動作させる駆動信号が入力されると、圧電素子の変形により圧力室が変形して圧力室内の圧力が変化し、圧力室に連通するノズル243からインクを吐出する。
4つのインクジェットヘッド240は、ノズル列のT方向についての配置範囲が切れ目なく繋がるように千鳥格子状に配置されている。ヘッドユニット24に含まれるノズル243のT方向についての配置範囲は、搬送ドラム211により搬送される記録媒体Pのうち画像が形成される領域のT方向の幅をカバーしており、ヘッドユニット24は、画像の形成時には搬送ドラム211の回転軸に対して固定されて用いられる。すなわち、ヘッドユニット24は、記録媒体Pに対するT方向についての画像形成可能幅に亘ってインクを吐出可能なラインヘッドを構成する。
インクジェットヘッド240は、インクジェットヘッド240内に貯留されるインクを加熱するインク加熱部(図示せず)を備え、加熱されてゾル状となったインクを吐出する。このゾル状のインクが記録媒体Pに吐出されると、インク滴が記録媒体Pに着弾した後、自然冷却されることで速やかにインクがゲル状となって記録媒体P上で凝固する。
尚、ヘッドユニット24の構成は、複数の記録素子がT方向について互いに異なる位置に設けられていれば上記の構成に限られない。
定着部25は、搬送部21のT方向の幅に亘って配置されたエネルギー線照射部を有し、搬送部21に載置された記録媒体Pに対して当該エネルギー線照射部から紫外線等のエネルギー線を照射して記録媒体P上に吐出されたインクを硬化させて定着させる。定着部25のエネルギー線照射部は、搬送方向についてヘッドユニット24の配置位置からデリバリー部27の受け渡しドラム271の配置位置までの間において搬送面と対向して配置される。
デリバリー部27は、内側が2本のローラーにより支持された輪状のベルトを有するベルトループ272と、記録媒体Pを搬送部21からベルトループ272に受け渡す円筒状の受け渡しドラム271とを有し、受け渡しドラム271により搬送部21からベルトループ272上に受け渡された記録媒体Pをベルトループ272により搬送して排紙部30に送出する。
排紙部30は、デリバリー部27により画像形成部20から送り出された記録媒体Pが載置される板状の排紙トレー31を有する。
図4は、画像形成装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、制御部40と、ヘッド駆動部50と、搬送駆動部60と、画像処理部70と、入出力インターフェース80とを備える。
制御部40は、CPU41(Central Processing Unit)、RAM42(Random Access Memory)、ROM43(Read Only Memory)および記憶部44を有し、画像形成装置1の全体動作を統括制御する。制御部40は、入出力インターフェース80を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)から送信された画像データを受信し、ヘッド駆動部50、搬送駆動部60、及び画像処理部70等に、この画像データ(入力画像データ)に基づいて記録媒体P上に画像を形成させる動作を実施させる。
CPU41は、ROM43に記憶された各種制御用のプログラムや設定データを読み出してRAM42に記憶させ、当該プログラムを実行して各種演算処理を行う。
RAM42は、CPU41に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。RAM42は、不揮発性メモリーを含んでいてもよい。
ROM43は、CPU41により実行される各種制御用のプログラムや設定データ等を格納する。尚、ROM43に代えてEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられてもよい。
記憶部44には、入出力インターフェース80を介して図示しない外部装置から入力された印刷対象の画像の画像データ等が記憶される。記憶部44としては、例えばHDD( Hard Disk Drive)が用いられ、また、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などが併用されてもよい。
ヘッド駆動部50は、制御部40の制御に基づいてヘッドユニット24の記録素子に対して適切なタイミングで画像データに応じた駆動信号を供給することにより、ヘッドユニット24のノズルから画像データの画素値に応じた量のインクを吐出させる。
搬送駆動部60は、制御部40から供給される制御信号に基づいて、搬送ドラム211に設けられた搬送ドラムモーターに駆動信号を供給して搬送ドラム211を所定の速度およびタイミングで回転させる。また、搬送駆動部60は、制御部40から供給される制御信号に基づいて媒体供給部12、受け渡しユニット22、及びデリバリー部27を動作させるためのモーターに駆動信号を供給して、記録媒体Pの搬送部21への供給及び搬送部21からの排出を行わせる。
画像処理部70は、記憶部44に記憶された画像データに対して所定の画像処理を行って、得られた画像データを記憶部44に記憶させる。この画像処理には、画像データに図示しない補正テーブル等を適用して画像データを補正する補正処理の他、色変換処理、階調補正処理、擬似中間調処理などが含まれる。
入出力インターフェース80は、外部装置(例えば、パーソナルコンピューター)の入出力インターフェースと接続され、制御部40と外部装置との間のデータの送受信を媒介する。入出力インターフェース80は、例えば各種シリアルインターフェース、各種パラレルインターフェースのいずれか、または、これらの組み合わせで構成される。
[高速印刷モード時の印刷ジョブデータの生成処理について]
以下、図5~図10を参照して、本実施形態に係る画像形成装置1が行う高速印刷モード時の印刷ジョブデータの生成処理について説明する。かかる印刷ジョブデータ生成処理の機能は、例えば、制御部40が備えている。
図5は、本実施形態に係る制御部40の有する機能ブロックを示す図である。制御部40は、動作モード設定部40a、画像データ変換部40b、オブジェクト抽出部40c、ドットパターン特性設定部40d、及び擬似中間調処理実行部40eの機能を有している。本実施形態に係る画像形成装置1は、制御部40のこれらの機能により、高速印刷モード時において、印刷対象の入力画像データに基づいて、印刷ジョブデータを生成する。
図6は、印刷対象の入力画像データ中に含まれる描画対象のオブジェクトの一例を示す図である。図6中のPは、記録媒体(ここでは、1頁分の記録領域を示している)を表し、R1a~R1eは、それぞれ、別個のオブジェクトを表している。尚、R1a~R1cはテキストオブジェクト、R1dはグラフィックオブジェクト、R1eはイメージオブジェクトを表している。
動作モード設定部40aは、標準印刷モードと、搬送速度を標準速度(標準印刷モードにおける搬送速度を意味する。以下同じ)よりも上昇させた状態で、記録媒体Pを搬送しながら印刷を実行する高速印刷モードとのうちから、画像形成装置1にてカラー画像を形成する際の印刷モードの選択を受け付ける。尚、かかる印刷モードは、例えば、ユーザーの入力操作によって選択される。
尚、高速印刷モードは、搬送速度が標準速度の所定倍(例えば、2倍)である1つの動作タイプのみであってもよいが、搬送速度が標準速度の2倍、3倍及び4倍等の複数の動作タイプが準備されていてもよい。即ち、ユーザーが、搬送速度が異なる複数の動作タイプの高速印刷モードのうちから、選択可能となっていてもよい。
画像データ変換部40bは、印刷対象の入力画像データを、搬送速度に応じて搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する。
具体的には、画像データ変換部40bは、図1を参照して説明した低解像度化処理と同様の処理を行う。画像データ変換部40bは、例えば、入力画像データに指定された元画像から、搬送方向に直交する方向に並ぶ画素列の一部を間引いた画像に変換する。但し、かかる低解像度化処理としては、単純に画素データを間引く手法に代えて、隣接する画素データの画素値を平均化する手法等が用いられてもよい。
尚、画像データ変換部40bの低解像度化処理により、二次元画素マトリクスで表現された画像の各画素は、搬送方向の画素サイズが拡張された画素となる。例えば、搬送速度が標準速度の2倍の場合には、図1のように、入力画像データから、搬送方向に直交する方向に並ぶ偶数アドレスの画素列が間引かれ、各画素は、搬送方向に2倍の画素サイズに拡張される。
オブジェクト抽出部40cは、入力画像データ中から、描画対象のオブジェクトの色特性データを抽出する。オブジェクト抽出部40cは、例えば、図6の例では、R1a~R1eそれぞれのオブジェクトの画像データ(即ち、色特性を示すデータ)を抽出する。
外部コンピュータから画像形成装置1に対して入力される入力画像データは、一般に、オブジェクト毎の画像データとして記憶されている。本実施形態では、かかるオブジェクトの画像データは、例えば、二次元画素マトリクスの画素領域毎にアドレス情報と色情報とが関連付けて記憶されたラスタ形式のデータで表現されている。各画素領域の色情報は、例えば、CMYK色空間座標、RGB色空間座標又はLab色空間座標等で表され、YMCK4色それぞれの色(即ち、画像形成装置1が有する複数のヘッドユニットのインク色)の階調値に変換可能な形で記憶されている。
但し、オブジェクトの画像データは、ラスタ形式のデータに代えて、複数の点(アンカー)の位置とそれを繋いだ線、色、及びカーブ等を数値データとして記憶し再現するベクタ形式のデータとして記憶されたものであってもよい。
ドットパターン特性設定部40dは、入力画像データ中のオブジェクト毎に、当該オブジェクトの色特性に基づいて、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列における、各インク色のドット列の並び方向(以下、「ドットパターン特性」とも称する)を設定する。尚、ここで、ドットとは、インクの吐出予定位置を表す。
本実施形態に係る画像形成装置1は、低解像度化処理が施された画像データの一つの画素領域中において、搬送方向に沿う数箇所(例えば、5箇所)のうちのいずれの位置でインクを吐出するかを設定可能となっている。即ち、ここで、印刷ジョブデータ上でドットパターン特性が設定されることによって、低解像度化された画像データ(即ち、搬送方向の画素サイズが拡張された画像データ)上において、各画素中に配されるインクの搬送方向における偏位位置が規定され、ある画素領域に対してインクの吐出を行う際、当該画素領域内のどの位置に対して、インクジェットヘッド240からインクの吐出を行うかが特定されることになる。具体的には、これにより、図1のアドレス(x1、y1)等の画素領域の中で、搬送方向におけるどの位置に対して、インクジェットヘッド240からインクの吐出を行うかが特定される。
具体的には、ドットパターン特性設定部40dは、入力画像データ中のオブジェクト毎に、使用されるインク色が2色以上からなり、且つ、使用されるインク色の各色成分の階調値が閾値以上の要注意オブジェクト(以下、単に「要注意オブジェクト」と称する)に該当するか否かを判定する。そして、ドットパターン特性設定部40dは、入力画像データ中の要注意オブジェクト以外のオブジェクトについては、描画態様として第1ドットパターン特性を設定し、入力画像データ中の要注意オブジェクトについては、描画態様として第2ドットパターン特性を設定する。
図7Aは、入力画像データ中の要注意オブジェクト以外のオブジェクトに対して設定される第1ドットパターン特性を示す図である。又、図7Bは、入力画像データ中の要注意オブジェクトに対して設定される第2ドットパターン特性を示す図である。尚、図7A及び図7Bの各区画は、低解像度化処理が施された画像データの二次元画素マトリクスを表している。
より詳細には、第1ドットパターン特性とは、例えば、図7Aに示すように、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列において、各インク色のドット列の並び方向が、全色、搬送方向に直交する方向となったドットパターン特性である。即ち、第1ドットパターン特性は、各インク色成分のドットが、各画素領域で略完全に重なり合うように同一位置に配置される。尚、図7Aでは、各色成分のドット位置が各画素領域の搬送方向の最上流位置に配置された態様を示している。
尚、オブジェクトにおいて使用されるインク色が1色のみの場合には、第1ドットパターン特性では、当該1色のドット列の並び方向が、搬送方向に直交する方向となる第1ドットパターン特性が設定される。
一方、第2ドットパターン特性とは、例えば、図7Bに示すように、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列において、ドット列の並び方向が、色毎に互いに異なる方向となったドットパターン特性である。尚、図7Bでは、K色(ここでは、最低明度の色成分)のドット列の並び方向が、搬送方向に直交する方向に設定され、C色のドット列の並び方向が、搬送方向に直交する方向に対してマイナス10度の傾き角を有する方向に設定され、M色のドット列の並び方向が、搬送方向に直交する方向に対してプラス10度の傾き角を有する方向に設定され、Y色のドット列の並び方向が、搬送方向に直交する方向に対してプラス20度の傾き角を有する方向に設定された態様を示している。
尚、第2ドットパターン特性においては、図7Bのように、最低明度の色成分については、ドット列の並び方向が、搬送方向に直交する方向となり、最低明度以外の色成分については、ドット列の並び方向が、搬送方向に直交する方向に対して互いに異なる傾き角を有する方向となるように、各色成分のドットが配置される。これは、最低明度の色成分については、後述するように、ジャギが目立ちやすいためである。
尚、図7Bに示す第2ドットパターン特性は、一例であって、各色の搬送方向に直交する方向に対する傾き角は、図7Bに示す角度設定に限定されない。但し、後述するように、色間のインク吐出位置の重なり率を低く設定する観点から、各色の搬送方向に直交する方向に対する傾き角は、互いに5度以上異なるのが好ましい。他方、ドット列の並び方向の搬送方向に直交する方向に対する傾き角が大きくなりすぎると、ドットの折り返し位置が多くなるため、各色の搬送方向に直交する方向に対する傾き角は、搬送方向に直交する方向に対して30度以下であるのが好ましい。
尚、図7A、図7Bでは、ドットが、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列において、連続して配置された状態となっているが、実際のインク吐出位置としては、擬似中間調処理実行部40eにて行われる擬似中間調処理によって、オブジェクトの画像の濃度に応じて、図7A、図7Bに示すドット列から一部のドットが間引かれたものとなる。
図8A、図8Bは、それぞれ、オブジェクトにおいて使用されるインク色の数がYMK3色のみの場合、YM2色のみの場合の第2ドットパターン特性の態様を示す図である。尚、オブジェクトにおいて使用されるインク色がYMK3色の場合には、最低明度の色成分は、K色であり、オブジェクトにおいて使用されるインク色がYM2色の場合には、最低明度の色成分は、M色である。図8A、図8Bに示す第2ドットパターン特性では、これを考慮したドットの配列方向が設定されている。
ここで、本実施形態に係るドットパターン特性設定部40dが、入力画像データ中のオブジェクト毎に、要注意オブジェクトに該当するか否かを判定して、入力画像データ中の要注意オブジェクト以外のオブジェクトについては、描画態様として第1ドットパターン特性を設定し、入力画像データ中の要注意オブジェクトについては、描画態様として第2ドットパターン特性を設定している理由について、説明する。
高速印刷モードでは、図1に示したように、記録媒体P上に形成される画像は、搬送方向においてはドット(即ち、インク吐出位置)間に隙間が生じたものとなる。このようなドット配置にあっては、そのドット列の並び方向を搬送方向に直交する方向に対して傾き角を有するものとすると、隣接するドット間の隙間が非常に大きくなってしまう。その結果、細線領域にジャギ(即ち、凹凸)が発生することになる。即ち、細線領域におけるジャギ抑制の観点からは、第1ドットパターン特性が好ましいと言える。
一方、高速印刷モードでは、インクの吐出位置の位置ずれが生じやすいため、インクの吐出位置の位置ずれに起因した色再現性の低下を考慮する必要がある。この点、一般に、インク吐出位置の位置ズレに対して色再現のロバスト性を持たせるために、混色に用いる色間でインク吐出位置の重なり率を低くする手法が有効である。
図9は、混色に用いる色間のインク吐出位置の重なり率と、色再現のロバストとの関係について、説明する図である。図9では、M色のインクとC色のインクの重ね合わせにより、記録媒体P上に青色の領域を作成する態様を示している。
図9中の各項目は、各色のインクを同じ位置に打つ設計にしていた場合と、各色のインクをずらした位置に打つ設計にしていた場合とで、理想的な位置状態と崩れた位置状態との間における合成色の違いを示している。各色のインクを同じ位置に打つ設計にしていた場合には、C色インクのインク吐出位置が目標位置からずれてしまったときには、合成色の違いは、理想的な位置状態と崩れた位置状態との間で大きく発生しまう。一方、各色のインクをずらした位置に打つ設計にしていた場合には、C色インクのインク吐出位置が目標位置からずれてしまったときにも、合成色の違いは、理想的な位置状態と崩れた位置状態との間で小さくなる。
このように、印刷ジョブに設定する各色のインク吐出予定位置を、混色に用いる色間のインク吐出予定位置の重なり率が低くなるように設定することで、色再現のロバスト性を向上させることが可能である。この点、第2ドットパターン特性は、混色に用いる色間のインク吐出位置の重なり率を低く手法として、有効である。即ち、第2ドットパターン特性では、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列において、各色のドットを配列させつつ、ドット列の並び方向を色毎に互いに異なる方向とすることによって、ジャギの発生を最小限に抑えながら、色再現のロバスト性を向上させる。
ドットパターン特性設定部40dは、上記2つの観点から、オブジェクト毎に、当該オブジェクトの色特性に基づいて、描画態様のドットパターン特性を設定する。
即ち、使用されるインク色が2色以上からなり、且つ、使用されるインク色の各色成分の階調値が閾値以上の要注意オブジェクトについては、異なる色間で、インクの重なり合いが多く発生するため、インクの吐出位置ずれが生じた場合には、混色により視認される色の違いが顕著になりやすい(ここでは、FMスクリーン処理により、色の階調値がドット密度によって表現されている場合を主に想定している)。一方、使用されるインク色が1色のみ、又は、使用されるインク色が2色以上であっても、使用されるインク色の各色成分の階調値が閾値未満のオブジェクト(即ち、要注意オブジェクト以外のオブジェクト)については、異なる色間で、インクの重なり合いが少ないため、インクの吐出位置ずれが生じた場合にも、混色により視認される色の違いは顕著に現れない。
そのため、ドットパターン特性設定部40dは、基本的には、オブジェクトを描画する際には、第1ドットパターン特性にて印刷が実行されるようにし、オブジェクトが要注意オブジェクトに該当する場合に限って、第2ドットパターン特性にて印刷が実行されるように、印刷ジョブを設定する。
尚、ドットパターン特性設定部40dは、例えば、かかるドットパターン特性の情報を、インクジェットヘッド240の各ノズルからインク吐出を行うタイミングに係る情報に変換して、印刷ジョブデータとして記憶してもよい。例えば、ドットパターン特性設定部40dは、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列における、ドット列の並び方向を、搬送方向に直交する方向に対して0度に設定する場合には、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列上で、インクジェットヘッド240の各ノズルからインク吐出を行うタイミングを、同一タイミングと設定する。又、ドットパターン特性設定部40dは、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列における、ドット列の並び方向を、搬送方向に直交する方向に対して所定の傾き角を有するように設定する場合には、インクジェットヘッド240の各ノズルのインク吐出タイミングがずれるように設定する。
擬似中間調処理実行部40eは、印刷対象の画像データ(ここでは、画像データ変換部40bにて低解像度化された画像データ)に対して、オブジェクトの各色の階調値(即ち、濃度)に応じた擬似中間調処理を施す。擬似中間調処理実行部40eは、例えば、公知のFMスクリーン処理により、多階調で表現された原画像(カラー画像)を誤差拡散法によって2値化し、画像の濃淡を網点の密度によって表現する。
図10は、本実施形態に係る制御部40による印刷ジョブデータ生成処理の一例を示すフローチャートである。尚、図10は、高速印刷モードに係る印刷指令がなされたときに、制御部40が行う処理を表している。
ステップS101において、制御部40は、入力画像データに対して低解像度化処理を施す。
ステップS102において、制御部40は、入力画像データ中から描画対象のオブジェクトデータを抽出する。
次に、制御部40は、ステップS103~ステップS106の処理を、入力画像データ中に存在する描画対象の各オブジェクトに対して実行する(図10では、入力画像データ中に存在するn個の描画対象のオブジェクトのうちのi番目のオブジェクトに対して、ステップS103~ステップS106の処理を順次実行することを示している)。
ステップS103において、制御部40は、入力画像データ中に存在するn個の描画対象のオブジェクトのうちのi番目のオブジェクト(以下、「判定対象のオブジェクト」と称する)が2色以上のインク色からなり、且つ、各色の階調値が閾値(例えば、100/255)以上か否かを判定する。そして、制御部40は、判定対象のオブジェクトが2色以上のインク色からなり、且つ、各色の階調値が閾値以上の要注意オブジェクトに該当する場合(ステップS103:YES)、ステップS105に処理を進め、判定対象のオブジェクトが要注意オブジェクトに該当しない場合(ステップS103:NO)、ステップS104に処理を進める。
ステップS104において、制御部40は、判定対象のオブジェクトに対して、第1ドットパターン特性を設定する。即ち、制御部40は、判定対象のオブジェクトを描画する際の、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列における、各インク色のドット列の並び方向を、搬送方向に直交する方向に対して0度に設定する。
ステップS105において、制御部40は、判定対象のオブジェクトに対して、第2ドットパターン特性を設定する。即ち、制御部40は、判定対象のオブジェクトを描画する際の、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列における、各色のドット列の並び方向を、搬送方向に直交する方向に対して互いに異なる傾き角に設定する。例えば、制御部40は、K色のドット列の並び方向を、搬送方向に直交する方向に対して0度に設定し、C色のドット列の並び方向を、搬送方向に直交する方向に対してマイナス10度の傾き角を有する方向に設定し、M色のドット列の並び方向を、搬送方向に直交する方向に対してプラス10度の傾き角を有する方向に設定し、Y色のドット列の並び方向を、搬送方向に直交する方向に対してプラス20度の傾き角を有する方向に設定する。
ステップS106において、制御部40は、判定対象のオブジェクトの画像データに対して、当該オブジェクトの各色の階調値に応じた擬似中間調処理を施す。本実施形態に係る制御部40は、例えば、判定対象のオブジェクトの画像データに対して、当該オブジェクトの各色の階調値に応じたFMスクリーン処理を施す。
制御部40は、このような一連の処理を入力画像データ中に存在する描画対象のすべてのオブジェクトに対して実行する。これによって、印刷ジョブデータが生成され、この後、かかる印刷ジョブデータを用いた印刷処理が実行されることになる。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1は、
標準印刷モードと、記録媒体Pの搬送速度を標準印刷モードのときよりも上昇させた状態で印刷を実行する高速印刷モードとのうちから、カラー画像を形成する際の印刷モードの選択を受け付ける動作モード設定部40aと、
高速印刷モード時、印刷対象の画像データを、搬送速度に応じて搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する画像データ変換部40bと、
高速印刷モード時、画像データ中の描画対象のオブジェクト毎に、当該オブジェクトの色特性に基づいて、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列における、各インク色のドット列の並び方向を設定するドットパターン特性設定部40dと、
を備える。
これによって、高速印刷モードで記録媒体P上にカラー画像を形成する場合であっても、色再現のロバスト性を確保すると共に、細線領域のジャギ(即ち、凹凸)を最小限に抑制することが可能である。
(変形例)
制御部40による印刷ジョブデータ生成処理は、図10で記載した処理手順以外にも種々に変形可能である。ここでは、入力画像データ中のあるオブジェクトに対して、描画態様として、第2ドットパターン特性を設定する際の変形例を示す。
図11は、変形例1に係る印刷ジョブデータ生成処理を模式的に示す図である。図11では、入力画像データ中のC色100%、M100%の三角形オブジェクトに対して、描画態様として、第2ドットパターン特性を設定する際の手順を示す。尚、ここでは、三角形オブジェクトの画像データは、ベクタ方式で表されている。
制御部40は、まず、ベクタ方式で表された三角形オブジェクトの画像データを、搬送方向の画素サイズが拡張された二次元画素マトリクスに適用し、ラスタライス処理を行う。ラスタライス処理では、例えば、制御部40は、二次元画素マトリクス上に三角形オブジェクトの画像を重畳させ、画素領域の半分以上が三角形オブジェクトの内側に存在する画素については、着色領域と決定し、それ以外の画素については、非着色領域と決定する。そして、制御部40は、かかる画像データを、C色成分とM色成分とに分離し、C色成分の画像データについては、二次元画素マトリクスの座標系を変更することなく、そのままの状態として、一方、M色成分の画像データについては、二次元画素マトリクスの座標系を搬送方向に直交する方向に対して所定角度(例えば、10度)だけ傾斜させたものに変換する。そして、制御部40は、C色成分の画像データ及びM色成分の画像データそれぞれの着色画素領域の上端位置にドット(インク吐出予定位置)を設定する。
これによって、印刷ジョブデータのC色成分の画像データ及びM色成分の画像データそれぞれに対して、インク吐出予定位置が設定され、最終的な二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列における、C色のドット列の並び方向が、搬送方向に直交する方向に対して平行となり、M色のドット列の並び方向が、搬送方向に直交する方向に対して傾き角を有する状態となった第2ドットパターン特性が設定されることになる。
図12は、変形例2に係る印刷ジョブデータ生成処理を模式的に示す図である。図12は、図11と同様に、ベクタ方式で表された入力画像データ中のC色100%、M100%の三角形オブジェクトに対して、描画態様として、第2ドットパターン特性を設定する処理手順を表している。
制御部40は、まず、ベクタ方式で表された三角形オブジェクトの画像データを、C色成分とM色成分とに分離する。次に、制御部40は、三角形オブジェクトの画像データを、搬送方向の画素サイズが拡張された二次元画素マトリクスに適用し、ラスタライス処理を行う。この際、C色成分の画像に対して適用する二次元画素マトリクスは、搬送方向と搬送方向に直交する方向とで表される二次元座標系のものであり、M色成分の画像に対して適用する二次元画素マトリクスは、C色成分の画像に対して適用する二次元画素マトリクスの座標系を、搬送方向に直交する方向に対して所定角度(例えば、10度)だけ傾斜させたものである。ラスタライス処理では、例えば、制御部40は、C色成分の画像及びM色成分の画像それぞれについて、二次元画素マトリクス上に三角形オブジェクトの画像を重畳させ、着色領域を決定する。そして、制御部40は、C色成分の画像データ及びM色成分の画像データそれぞれの着色画素領域の上端位置にドット(インク吐出予定位置)を設定する。
これによって、印刷ジョブデータのC色成分の画像データ及びM色成分の画像データそれぞれに対して、インク吐出予定位置が設定され、最終的な二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列における、C色のドット列の並び方向が、搬送方向に直交する方向に対して平行となり、M色のドット列の並び方向が、搬送方向に直交する方向に対して所定角度(例えば、10度)だけ傾き角を有する状態となった第2ドットパターン特性が設定されることになる。
(第2の実施形態)
本実施形態に係るドットパターン特性設定部40dは、ユーザーの操作入力により、要注意オブジェクトに該当するか否かを判定するための基準を設定変更可能とする点で、上記実施形態に係るドットパターン特性設定部40dと相違する。
具体的には、第1の実施形態では、ドットパターン特性設定部40dは、オブジェクト毎に、使用されるインク色が2色以上からなり、且つ、使用されるインク色の各色成分の階調値が閾値以上である要注意オブジェクトに該当するか否かを判定することにより、当該オブジェクトに対して、第1ドットパターン特性を設定するか、あるいは第2ドットパターン特性を設定するかを変更する態様を示した。
本実施形態に係るドットパターン特性設定部40dは、例えば、使用されるインク色の各色成分の階調値の閾値を、ユーザーの操作入力により、設定変更可能とする。例えば、各色成分の階調値の閾値を、標準では40%と設定しておき、この閾値をユーザーの操作入力により、30%に引き下げたり、50%に引き上げたり出来るようにする。又、例えば、各色成分の階調値の閾値を、色毎に異なる値に設定できるようにしてもよい。
本実施形態に係る画像形成装置1は、色再現のロバスト性の要求が高ければ各色成分の階調値の閾値を30%、形状優先で色再現のロバスト性の要求の方が低ければ各色成分の階調値の閾値を50%のように、印刷対象の画像に応じて画像形成態様を変更し得る点で有用である。
(第3の実施形態)
本実施形態に係るドットパターン特性設定部40dは、ユーザー設定により、オブジェクト種別(例えば、テキストオブジェクト、グラフィックオブジェクト又はイメージオブジェクト)毎に、要注意オブジェクトに該当するか否かの基準を変更可能とする点で、上記実施形態に係るドットパターン特性設定部40dと相違する。
一般に、イメージオブジェクトは、色再現のロバスト性の要求が高く、テキストオブジェクトは、形状優先で色再現のロバスト性の要求の方が低い場合が多い。そこで、本実施形態に係るドットパターン特性設定部40dは、例えば、イメージオブジェクトのオブジェクトについては、色再現のロバスト性の要求が高ければ各色成分の階調値の閾値を30%、テキストオブジェクトのオブジェクトについては、各色成分の階調値の閾値を50%、のように、描画対象のオブジェクトの種別に応じて、要注意オブジェクトに該当するか否かの基準を変更可能とする。
尚、入力画像データ中において、オブジェクトのデータは、一般に、当該オブジェクトのオブジェクト種別(即ち、テキストオブジェクト、グラフィックオブジェクト又はイメージオブジェクト)と関連付けて記憶されているため、ドットパターン特性設定部40dは、かかるデータを用いて、オブジェクト種別を識別する。
本実施形態に係る画像形成装置1は、描画対象のオブジェクトの種別毎に、色再現のロバスト性の要求と、ジャギ抑制の要求とのバランスが異なる場合に対応可能である点で有用である。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、オブジェクト抽出部40cは、予めオブジェクト毎に記憶管理された画像データから、個々のオブジェクトのデータを抽出する構成としたが、オブジェクト抽出部40cは、一枚の画像を構成する画像データに対して画像認識処理を施すことによって、個々のオブジェクトのデータを抽出してもよい。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 画像形成装置
10 給紙部
11 給紙トレー
12 媒体供給部
20 画像形成部
21 搬送部
22 受け渡しユニット
23 加熱部
24 ヘッドユニット
25 定着部
27 デリバリー部
30 排紙部
31 排紙トレー
40 制御部
40a 動作モード設定部
40b 画像データ変換部
40c オブジェクト抽出部
40d ドットパターン特性設定部
40e 擬似中間調処理実行部
50 ヘッド駆動部
60 搬送駆動部
70 画像処理部
80 入出力インターフェース

Claims (9)

  1. 複数のインク色成分それぞれのインク吐出部を制御して記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成装置であって、
    標準印刷モードと、前記記録媒体の搬送速度を前記標準印刷モードのときよりも上昇させた状態で印刷を実行する高速印刷モードとのうちから、前記カラー画像を形成する際の印刷モードの選択を受け付ける動作モード設定部と、
    前記高速印刷モード時、印刷対象の画像データを、前記搬送速度に応じて搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する画像データ変換部と、
    前記高速印刷モード時、前記画像データ中の描画対象のオブジェクト毎に、当該オブジェクトの色特性に基づいて、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列における、各インク色のドット列の並び方向を設定するドットパターン特性設定部と、
    を備える画像形成装置。
  2. 前記ドットパターン特性設定部は、
    前記オブジェクト毎に、使用されるインク色が2色以上からなり、且つ、使用されるインク色の各色成分の階調値が閾値以上の要注意オブジェクトに該当するか否かを判定し、
    前記ドットパターン特性設定部は、
    前記画像データ中の前記要注意オブジェクト以外の前記オブジェクトについては、各インク色成分の前記ドット列の並び方向が、前記搬送方向に直交する方向となる第1ドットパターン特性を設定し、
    前記画像データ中の前記要注意オブジェクトについては、各インク色成分の前記ドット列の並び方向が、インク色毎に互いに異なる方向となる第2ドットパターン特性を設定する、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第2ドットパターン特性は、前記オブジェクトに使用される2色以上のインク色成分のうち、最低明度のインク色成分については、前記ドット列の並び方向が、前記搬送方向に直交する方向となっており、前記最低明度以外のインク色成分については、前記ドット列の並び方向が、前記搬送方向に直交する方向に対して傾き角を有する方向となっている、
    請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記ドットパターン特性設定部は、ユーザー設定により、前記要注意オブジェクトに該当するか否かを判定するための基準とする前記閾値を設定変更可能とする、
    請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 前記ドットパターン特性設定部は、ユーザー設定により、オブジェクト種別毎に、前記要注意オブジェクトに該当するか否かの基準を変更可能とする、
    請求項2乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記ドット列の並び方向は、低解像度化された前記画像データにおいて、各画素中に配されるインクの搬送方向における偏位位置を規定する、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記インク吐出部がシングルパス方式で駆動するように構成された、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 複数のインク色成分それぞれのインク吐出部を制御して記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成方法であって、
    標準印刷モードと、前記記録媒体の搬送速度を前記標準印刷モードのときよりも上昇させた状態で印刷を実行する高速印刷モードとのうちから、前記カラー画像を形成する際の印刷モードの選択を受け付ける第1処理と、
    前記高速印刷モード時、印刷対象の画像データを、前記搬送速度に応じて搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する第2処理と、
    前記高速印刷モード時、前記画像データ中の描画対象のオブジェクト毎に、当該オブジェクトの色特性に基づいて、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列における、各インク色のドット列の並び方向を設定する第3処理と、
    を有する画像形成方法。
  9. 複数のインク色成分それぞれのインク吐出部を制御して記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成プログラムであって、
    標準印刷モードと、前記記録媒体の搬送速度を前記標準印刷モードのときよりも上昇させた状態で印刷を実行する高速印刷モードとのうちから、前記カラー画像を形成する際の印刷モードの選択を受け付ける第1処理と、
    前記高速印刷モード時、印刷対象の画像データを、前記搬送速度に応じて搬送方向に沿って低解像度化した画像データに変換する第2処理と、
    前記高速印刷モード時、前記画像データ中の描画対象のオブジェクト毎に、当該オブジェクトの色特性に基づいて、二次元画素マトリクスの搬送方向に直交する方向に沿う画素列における、各インク色のドット列の並び方向を設定する第3処理と、
    を有する画像形成プログラム。
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