JP7841118B2 - 環状オレフィン化合物の製造方法 - Google Patents

環状オレフィン化合物の製造方法

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Description

本発明は、環状オレフィン化合物の製造方法に関する。
環状オレフィン化合物は、エチレン等の低級オレフィンとの共重合や開環メタセシス重合により得られる環状オレフィン(コ)ポリマー(COC、COP)の原料として有用である。環状オレフィン化合物の製造方法に関しては多くの方法が知られているが、その中には(1)脂環式ジカルボン酸無水物の脱カルボニル、脱炭酸反応、および(2)脂環式ジカルボン酸無水物の加水分解によって得られるジカルボン酸誘導体の酸化的脱炭酸反応などがある。
これらの反応の原料となる脂環式ジカルボン酸無水物は、共役ジエン化合物と無水マレイン酸類とのDiels-Alder反応によって得ることができる。一般にDiels-Alder反応において無水マレイン酸類は高い反応性を示すことから、付加体が良好な収率で得られる場合が多い。したがってこれらの脂環式ジカルボン酸無水物あるいはそれらの加水分解によって得られるジカルボン酸誘導体から効率良く脱カルボニルあるいは脱炭酸を行なうことができれば、種々のジエン化合物と無水マレイン酸類との組み合わせにより多様な構造をもつ環状オレフィン化合物を高収率で合成することが期待できる。
このような環状オレフィン化合物の製造方法に関する技術としては、例えば、特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1には、特定の化学構造を有する2価のニッケル錯体を作用させて、脂環式ジカルボン酸無水物を脱カルボニルおよび脱炭酸することにより、環状オレフィン化合物を製造する工程を含む環状オレフィン化合物の製造方法が記載されている。特許文献1には、上記の製造方法により、ニッケル錯体が大気に曝されても環状オレフィン化合物を安定的に製造できると記載されている。
国際公開第2021/261264号
本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載の製造方法には環状オレフィン化合物の生産効率の観点から改善の余地があることが明らかとなった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、環状オレフィン化合物の生産効率が向上した環状オレフィン化合物の製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明によれば、以下に示す環状オレフィン化合物の製造方法が提供される。
[1]
下記式(1)で表されるニッケル錯体と、金属系助触媒と、の存在下で脂環式ジカルボン酸無水物を脱カルボニルおよび脱炭酸して環状オレフィン化合物を得る、脱カルボニルおよび脱炭酸工程を含み、
前記金属系助触媒が金属単体および金属化合物からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
Ni(Y)(L) (1)
式(1)において、
Niは0価または2価のニッケルであり、
Yはアニオン性の単座もしくは多座配位子であり、かつ少なくとも一つのNi-E共有結合を有し、Eはヘテロ原子またはπ-結合性基であり、
mは0~2の実数であり、
Lは中性配位子であり、
nは0~6の実数である。
[2]
上記[1]に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記金属系助触媒が長周期型周期表の第1族から第14族までの元素から選択される一種または二種以上の元素を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[3]
上記[1]または[2]に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記金属単体がLi、Cs、Rb、K、Ba、Sr、Ca、Na、Mg、Th、Be、Al、Ti、Zr、Mn、Ta、Zn、Cr、Fe、CdおよびCoからなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[4]
上記[1]~[3]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記金属単体がMnおよびZnからなる群から選択される一種または二種を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[5]
上記[1]~[4]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記金属化合物が長周期型周期表の第7族から第12族までの元素から選択される一種または二種以上の元素を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[6]
上記[1]~[5]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記金属化合物がMnおよびZnからなる群から選択される一種または二種を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[7]
上記[1]~[6]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記金属化合物がMn(OAc)およびZnOからなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[8]
上記[1]~[7]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記式(1)において、
Niが2価のニッケルであり、
前記Yが下記式(2)で表される配位子、下記式(3)で表される配位子、下記式(4)で表される配位子、下記式(5)で表される配位子、下記式(6)で表される配位子、下記式(7)で表される配位子、下記式(X1)で表される配位子および下記式(Y1)で表される配位子からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
式(2)において、Rは水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。
式(3)において、Rは置換基を有してもよい2価の炭化水素基である。
式(4)において、R、RおよびRは置換基を有してもよい炭化水素基であり、RとRまたはRとRは互いに結合して環を形成してもよい。また、R、RおよびRは水素原子でもよい。
式(5)において、Rは置換基を有してもよい2価の炭化水素基であり、Rは水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基、またはオキソ基である。Rが炭化水素基である場合は、Rと結合して環を形成してもよい。
式(6)において、Z’はハロゲンまたはOHである。
式(7)において、OxはNO3-、CO 2-およびPO 3-から選択されるオキソ酸である。
式(X1)において、R’、R’、R’、R’およびR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。
式(Y1)において、R’、R’およびR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。
[9]
上記[1]~[8]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記式(1)において、
前記Yが下記式(8)で表される配位子、下記式(9)で表される配位子、下記式(10)で表される配位子、下記式(11)で表される配位子、下記式(12)で表される配位子、下記式(13)で表される配位子および下記式(Z1)で表される配位子からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
式(9)において、Xは環を形成するのに必要な非金属原子群であり、RおよびR’は各々独立して水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。
式(11)において、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基であり、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。
式(12)において、RおよびR10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基であり、RとR10は互いに結合して環を形成してもよい。
式(13)において、Z’’はClまたはBrである。
[10]
上記[1]~[9]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程において、前記ニッケル錯体に対して配位子となりうる化合物がさらに存在する、環状オレフィン化合物の製造方法。
[11]
上記[10]に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程において、前記ニッケル錯体1molに対する前記配位子となりうる化合物の装入量が1mol以上500mol以下である、環状オレフィン化合物の製造方法。
[12]
上記[10]または[11]に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記配位子となりうる化合物が含リン化合物を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[13]
上記[10]~[12]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記配位子となりうる化合物が下記式(14)で表される化合物および下記式(15)で表される化合物からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
式(14)において、X、XおよびXは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基である。
式(15)において、X、X、XおよびXは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基であり、Zは炭素数1~20のアルキレン基、炭素数6~20のアリーレン基、フェロセニレン基またはビナフチレン基である。
[14]
上記[10]~[13]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記配位子となりうる化合物がトリフェニルホスフィンを含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[15]
上記[1]~[14]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脂環式ジカルボン酸無水物が下記式(16)で表される化合物および下記式(17)で表される化合物からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
式(16)において、Xは環を形成するのに必要な非金属原子群であり、RおよびR’は各々独立して水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。
式(17)において、Xは環を形成するのに必要な非金属原子群であり、RおよびR’は各々独立して水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。
[16]
上記[1]~[15]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脂環式ジカルボン酸無水物が下記式(18)で表される化合物を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
式(18)において、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17は各々独立して水素原子またはヘテロ原子を有してもよい置換基である。
[17]
上記[16]に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記式(18)において、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17がすべて水素である、環状オレフィン化合物の製造方法。
[18]
上記[1]~[17]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脂環式ジカルボン酸無水物が下記式(19)で表される化合物を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
式(19)において、nは0または1であり、X’はOまたはCHである。
[19]
上記[1]~[18]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程において、生成した前記環状オレフィン化合物を反応系外に除去しながら脱カルボニルおよび脱炭酸を行う、環状オレフィン化合物の製造方法。
本発明は、環状オレフィン化合物の生産効率が向上した環状オレフィン化合物の製造方法を提供するものである。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、本実施形態では、数値範囲を示す「A~B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。
本実施形態に係る環状オレフィン化合物の製造方法は、
下記式(1)で表されるニッケル錯体と、金属系助触媒と、の存在下で脂環式ジカルボン酸無水物を脱カルボニルおよび脱炭酸して環状オレフィン化合物を得る、脱カルボニルおよび脱炭酸工程を含み、
前記金属系助触媒が金属単体および金属化合物からなる群から選択される一種または二種以上を含む。
Ni(Y)(L) (1)
式(1)において、
Niは0価または2価のニッケルであり、
Yはアニオン性の単座もしくは多座配位子であり、かつ少なくとも一つのNi-E共有結合を有し、Eはヘテロ原子またはπ-結合性基であり、
mは0~2の実数であり、
Lは中性配位子であり、
nは0~6の実数である。
本発明の製造方法によると、環状オレフィン化合物の生産効率を向上させることができる。
本発明の製造方法により環状オレフィン化合物の生産効率が向上するメカニズムは明らかでないが、金属系助触媒が還元剤として機能し、ニッケル錯体の酸化が抑制されること、あるいは酸化され活性を失ったニッケル錯体が還元されることにより再活性化されることにより、触媒使用量が抑えられつつも脱カルボニルおよび脱炭酸工程の効率が向上し、これにより環状オレフィン化合物の生産効率が向上するというメカニズムが推測される。
本実施形態においては、環状オレフィン化合物の収率、あるいは環状オレフィン化合物の製造においてTPP等の配位子となりうる化合物を用いる場合は配位子となりうる化合物あたりの環状オレフィン化合物の収量が生産効率の指標となりうる。
[金属系助触媒]
以下、前記金属系助触媒について説明する。
前記金属系助触媒は、金属単体および金属化合物からなる群から選択される一種または二種以上を含む。金属単体および金属化合物のどちらかを用いるか、または併用するかは特に制限されず、実施態様に応じて任意に選択することができるが、金属系助触媒(および必要に応じて配位子となり得る化合物)を予め反応系に仕込んでおき、そこに脂環式ジカルボン酸無水物およびニッケル錯体をそれぞれ滴下するセミバッチ方式により環状オレフィン化合物を得る場合は、生産効率をより一層向上できる観点から、金属単体を用いることが好ましい。
生産効率向上の観点から、前記金属系助触媒は、好ましくは長周期型周期表の第1族から第14族までの元素から選択される一種または二種以上の元素を含む。
本実施形態において、前記金属単体とは一種類の金属元素からなる物質のことである。
生産効率向上の観点から、前記金属単体は、好ましくはLi、Cs、Rb、K、Ba、Sr、Ca、Na、Mg、Th、Be、Al、Ti、Zr、Mn、Ta、Zn、Cr、Fe、CdおよびCoからなる群から選択される一種または二種以上の元素を含み、より好ましくはMnおよびZnからなる群から選択される一種または二種以上を含む。
本実施形態において、前記金属化合物とは金属元素を含む化合物のことである。前記金属化合物としては、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩および金属錯体等を例示できる。なお、金属塩としては塩化物、硫酸塩、硝酸塩等の無機酸由来の塩およびギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩等の有機酸由来の塩等を例示できる。また、本実施形態において金属化合物は、金属化合物の無水物および金属化合物の水和物を含む概念である。
生産効率向上の観点から、前記金属化合物は、好ましくは酸化物および酢酸塩から選択される一種または二種以上を含む。
生産効率向上の観点から、前記金属化合物は、好ましくは長周期型周期表の第7族から第12族までの元素から選択される一種または二種以上を含み、より好ましくはCu、Ni、Fe、Co、Zn、Ag、Cd、Sb、Ga、In、Sn、Ge、Pb、Bi、Ru、Ti、Al、Cr、Mn、Ir、V、希土類元素、Zr、Hf、Ta、Nb、Tl、Re、W、As、Si、MoおよびPdからなる群から選択される一種または二種以上の元素を含み、さらに好ましくはCu、Ni、Fe、Co、Zn、Ag、Cd、Sb、Ga、In、Sn、Ge、Pb、Bi、Ru、Al、Cr、Mn、Ir、Tl、Re、W、As、Si、MoおよびPdからなる群から選択される一種または二種以上の元素を含み、さらに好ましくはMnおよびZnからなる群から選択される一種または二種の元素を含む。
生産効率向上の観点から、前記金属化合物は、好ましくはCu(OAc)、(HCOO)Cu、Cu(C)、Cu(acac);Co(OAc)、(HCOO)Co、Co(C)、Co(acac);Ni(OAc)、(HCOO)Ni、Ni(C)、Ni(acac);MnO、(HCOO)Mn、Mn(C)、Mn(acac);ZnO、Zn(OAc)、Zn(OAc)・4HO、(HCOO)Zn、Zn(C)、Zn(acac);Pd(OAc)、(HCOO)Pd、Pd(C)およびPd(acac)からなる群から選択される一種または二種以上を含み、より好ましくはMn(OAc)およびZnOからなる群から選択される一種または二種以上を含む。なお、本実施形態において「Ac」はアセチル基、「acac」はアセチルアセトナートを意味する。
前記金属化合物は、上記の通り無水物であっても水和物であってもよいが、生産効率をより一層向上できる観点から、好ましくは無水物である。
前記金属系助触媒の量は、前記ニッケル錯体1molに対して、好ましくは0.1mol以上、より好ましくは0.5mol以上、さらに好ましくは1mol以上、さらに好ましくは2mol以上であり、そして、好ましくは100mol以下、より好ましくは90mol以下、さらに好ましくは80mol以下、さらに好ましくは70mol以下、さらに好ましくは60mol以下、さらに好ましくは50mol以下、さらに好ましくは45mol以下である。
なお、金属系助触媒および配位子となりうる化合物を予め反応系内に仕込んでおき、そこにニッケル錯体および原料をそれぞれ連続的に供給するセミバッチ方式の場合、前記金属系助触媒の量は、前記ニッケル錯体1molに対して、好ましくは0.10mol以上、より好ましくは0.50mol以上、さらに好ましくは1.00mol以上、さらに好ましくは2.00mol以上であり、そして、好ましくは100.00mol以下、より好ましくは90.00mol以下、さらに好ましくは80.00mol以下、さらに好ましくは70.00mol以下、さらに好ましくは60.00mol以下、さらに好ましくは50.00mol以下、さらに好ましくは45.00mol以下、さらに好ましくは41.00mol以下、さらに好ましくは30.00mol以下、さらに好ましくは20.00mol以下、さらに好ましくは10.00mol以下、さらに好ましくは5.00mol以下、さらに好ましくは4.00mol以下である。
[ニッケル錯体]
以下、前記ニッケル錯体について説明する。
前記ニッケル錯体は下記式(1)で表される。
Ni(Y)(L) (1)
式(1)において、
Niは0価または2価のニッケルであり、
Yはアニオン性の単座もしくは多座配位子であり、かつ少なくとも一つのNi-E共有結合を有し、Eはヘテロ原子またはπ-結合性基であり、
mは0~2の実数であり、
Lは中性配位子であり、
nは0~6の実数である。
<0価ニッケル錯体>
以下、Niが0価のニッケルであるニッケル錯体(0価ニッケル錯体)について説明する。
Niが0価のニッケルである場合、前記式(1)において、中性配位子Lが下記式(14)および(15)で表される配位子からなる群から選択される一種または二種以上を含むことが好ましい。
式(14)において、X、XおよびXは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基である。
前記式(14)で表される配位子は、例えばトリシクロヘキシルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリ-n-ブチルホスフィン、トリ-t-ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン(オルト、メタ、およびパラの各種置換異性体を含む)、トリス(メトキシフェニル)ホスフィン(オルト、メタ、およびパラの各種置換異性体を含む)、トリス(フルオロフェニル)ホスフィン(オルト、メタ、およびパラの各種置換異性体を含む)、トリ(α-ナフチル)ホスフィン等のトリアリールホスフィン類;ジフェニルシクロヘキシルホスフィンなどのジアリールアルキルホスフィン類;ジシクロヘキシルフェニルホスフィンなどのジアルキルアリールホスフィン類からなる群から選択される一種または二種以上を含み、好ましくはトリアリールホスフィン類からなる群から選択される一種または二種以上を含み、より好ましくはトリフェニルホスフィンを含む。
また、前記式(14)において、X、XおよびXは二つの基の間で架橋されてリン原子を含む環を構成してもよく、そのようなホスフィンとしては、フェニルビフェニレンホスフィンを例示できる。
式(15)において、X、X、XおよびXは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基であり、Zは炭素数1~20のアルキレン基、炭素数6~20のアリーレン基、フェロセニレン基またはビナフチレン基である。
前記式(15)で表される配位子は、例えば1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,6-ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンからなる群から選択される一種または二種以上を含む。
本実施形態に係る0価ニッケル錯体は、ニッケルテトラカルボニル、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル等のニッケル錯体を、前記中性配位子Lと反応させることにより得ることができる。
0価ニッケル錯体として具体的には、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル([(CP]Ni)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジカルボニルニッケル([(CP]Ni(CO))等が挙げられる。
本実施形態に係る0価ニッケル錯体は、例えば、米国特許弟4012399号、J.Am.Chem.Soc.,81,4800(1959)、J.Am.Chem.Soc.,94,2669(1972)、J.Am.Chem.Soc.,96,53(1974)、Inorg.Chim.Acta,12,167(1975)、Inorg.Chim.Acta,37,L455(1979)、Chem.Lett.,831(1974)、Chem.Lett.,1119(1972)、J.Chem.Soc.,2099(1962)などに記載されている方法で合成できる。
<2価ニッケル錯体>
以下、Niが2価のニッケルであるニッケル錯体(2価ニッケル錯体)について説明する。
前記式(1)において、Niが2価のニッケルであり、アニオン性配位子Yが下記式(2)で表される配位子、下記式(3)で表される配位子、下記式(4)で表される配位子、下記式(5)で表される配位子、下記式(6)で表される配位子、下記式(7)で表される配位子、下記式(X1)で表される配位子および下記式(Y1)で表される配位子からなる群から選択される一種または二種以上を含むことが好ましい。
式(2)において、Rは水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。
炭化水素基としては、例えば、炭素数1~30までの基を挙げることができ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等のアルキニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;ラウリル基、ステアリル基等の長鎖アルキル基が挙げられる。これらの中でもRとしては、好ましくは水素原子、アルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、エチル基である。
置換基としては、例えばハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アシル基、アルキルアミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アルキルチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、シリル基などが挙げられる。また、これらの置換基のうち、隣接する置換基が架橋されて、その結合炭素原子を含む環を形成してもよい。
式(3)において、Rは置換基を有してもよい2価の炭化水素基である。
2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、ビニレン、1,2-フェニレン、2,3-ナフタレン、1,2-シクロへキシレン、1,2-ビシクロ[2,2,1]ヘプタレン、1,4-ジヒドロー1,4-メタノ-2,3-ナフタレン、等が挙げられる。これらの中でも、Rは1,4-ジヒドロー1,4-メタノ-2,3-ナフタレンが好ましい。
式(4)において、R、RおよびRは置換基を有してもよい炭化水素基であり、RとRまたはRとRは互いに結合して環を形成してもよい。また、R、RおよびRは水素原子でもよい。
炭化水素基としては、例えば、炭素数1~8までの基を挙げることができ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等のアルキニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。これらの中でもR、RおよびRとしては、好ましくは水素原子、アルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、エチル基である。
置換基としては、例えばハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アシル基、アルキルアミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アルキルチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、シリル基などが挙げられる。また、これらの置換基のうち、隣接する置換基が架橋されて、その結合炭素原子を含む環を形成してもよい。
式(5)において、Rは置換基を有してもよい2価の炭化水素基であり、Rは水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基、またはオキソ基である。Rが炭化水素基である場合は、Rと結合して環を形成してもよい。
の2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン基が挙げられる。また、R-C-Rを合わせて、ビニレン、1,2-フェニレン、2,3-ナフタレン、1,2-シクロへキシレン、1,2-ビシクロ[2,2,1]ヘプタレン、1,4-ジヒドロー1,4-メタノ-2,3-ナフタレン等の2重結合あるいは環状構造を形成してもよい。これらの中でも、エチレン、1,2-ビシクロ[2,2,1]ヘプタレン、1,4-ジヒドロー1,4-メタノ-2,3-ナフタレンが好ましい。
の炭化水素基としては、例えば、炭素数1~8までの基を挙げることができ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等のアルキニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。これらの中でもRとしては、好ましくは水素原子、アルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、エチル基である。
置換基としては、例えばハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アシル基、アルキルアミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アルキルチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、シリル基などが挙げられる。また、これらの置換基のうち、隣接する置換基が架橋されて、その結合炭素原子を含む環を形成してもよい。
式(6)において、Z’はハロゲンまたはOHであり、好ましくはClまたはBrである。
式(7)において、OxはNO3-、CO 2-およびPO 3-から選択されるオキソ酸であり、好ましくはCO 2-である。
式(X1)において、R’、R’、R’、R’およびR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基であり、好ましくは水素原子である。
式(Y1)において、R’、R’およびR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基であり、好ましくは水素原子である。
前記式(1)において、Yが下記式(8)で表される配位子、下記式(9)で表される配位子、下記式(10)で表される配位子、下記式(11)で表される配位子、下記式(12)で表される配位子、下記式(13)で表される配位子および下記式(Z1)で表される配位子からなる群から選択される一種または二種以上を含むことが好ましい。
式(9)において、Xは環を形成するのに必要な非金属原子群であり、RおよびR’は各々独立して水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。炭化水素基としては、例えば、炭素数1~8までの基を挙げることができ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等のアルキニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。これらの中でもRおよびR’としては、好ましくは水素原子、アルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、エチル基である。
また、Xは式(3)におけるR の一部をなす環を構成するのに必要な非金属原子群である。
置換基としては、例えばハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アシル基、アルキルアミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アルキルチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、シリル基などが挙げられる。また、これらの置換基のうち、隣接する置換基が架橋されて、その結合炭素原子を含む環を形成してもよい。
式(11)において、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基であり、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。
式(12)において、RおよびR10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基であり、RとR10は互いに結合して環を形成してもよい。
式(13)において、Z’’はClまたはBrである
本実施形態に係るニッケル錯体は、上記で例示したニッケル錯体の水和物であってもよい。
2価ニッケル錯体として具体的には、酢酸ニッケル(Ni(OAc))、塩化ニッケル(NiCl)及び臭化ニッケル(NiBr)等が挙げられる。
本実施形態におけるニッケル錯体の量は、原料である脂環式ジカルボン酸無水物1molに対して、好ましくは0.0001mol以上、より好ましくは0.0005mol以上、さらに好ましくは0.0008mol以上であり、そして、好ましくは0.2mol以下、より好ましくは0.1mol以下、さらに好ましくは0.05mol以下、さらに好ましくは0.02mol以下、さらに好ましくは0.01mol以下、さらに好ましくは0.008mol以下である。
[配位子となりうる化合物]
前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程において、前記ニッケル錯体に対して配位し得る配位子がさらに存在することが好ましい。
以下、ニッケル錯体に対して配位子となりうる化合物について説明する。
前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程において、前記ニッケル錯体1molに対する前記配位子となりうる化合物の装入量が、好ましくは1mol以上、より好ましくは2mol以上、さらに好ましくは4mol以上であり、そして、好ましくは500mol以下、より好ましくは400mol以下、さらに好ましくは300mol以下、さらに好ましくは280mol以下、さらに好ましくは270mol以下である。本実施形態において、配位子となりうる化合物の装入量とは、前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程の完了時における、配位子となりうる化合物の装入量の合計のことである。
前記配位子となりうる化合物は、好ましくは含リン化合物を含む。
前記配位子となりうる化合物は、好ましくは下記式(14)で表される化合物および下記式(15)で表される化合物からなる群から選択される一種または二種以上を含む。
式(14)において、X、XおよびXは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基である。
前記式(14)で表される化合物は、例えばトリシクロヘキシルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリ-n-ブチルホスフィン、トリ-t-ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン(オルト、メタ、およびパラの各種置換異性体を含む)、トリス(メトキシフェニル)ホスフィン(オルト、メタ、およびパラの各種置換異性体を含む)、トリス(フルオロフェニル)ホスフィン(オルト、メタ、およびパラの各種置換異性体を含む)、トリ(α-ナフチル)ホスフィン等のトリアリールホスフィン類;ジフェニルシクロヘキシルホスフィンなどのジアリールアルキルホスフィン類;ジシクロヘキシルフェニルホスフィンなどのジアルキルアリールホスフィン類からなる群から選択される一種または二種以上を含み、好ましくはトリアリールホスフィン類からなる群から選択される一種または二種以上を含み、より好ましくはトリフェニルホスフィンを含む。
また、前記式(14)において、X、XおよびXは二つの基の間で架橋されてリン原子を含む環を構成してもよく、そのようなホスフィンとしては、フェニルビフェニレンホスフィンを例示できる。
式(15)において、X、X、XおよびXは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基であり、Zは炭素数1~20のアルキレン基、炭素数6~20のアリーレン基、フェロセニレン基またはビナフチレン基である。
前記式(15)で表される化合物は、例えば1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,6-ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンからなる群から選択される一種または二種以上を含む。
前記配位子となりうる化合物は、好ましくはトリフェニルホスフィンを含む。
[脂環式ジカルボン酸無水物]
以下、本実施形態に係る環状オレフィン化合物の製造方法の原料である脂環式ジカルボン酸無水物について説明する。
前記脂環式ジカルボン酸無水物は、好ましくは下記式(16)で表される化合物および下記式(17)で表される化合物からなる群から選択される一種または二種以上を含む。
式(16)において、Xは環を形成するのに必要な非金属原子群であり、RおよびR’は各々独立して水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である
式(17)において、Xは、環を形成するのに必要な非金属原子群を示し、これらから構成される環は飽和環でも不飽和環でもよく、例えば、シクロヘキサン、ノルボルナン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカン等の飽和環;ノルボルネン、テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-8-ドデセン、ベンゾノルボルネン等の不飽和環;7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、7-チアビシクロ[2.2.1]ヘプタン等の非プロトン性ヘテロ環が挙げられる。
RおよびR’は、それぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基を表す。炭化水素基としては、炭素数1~8までの基を挙げることができ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等のアルキニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。
RおよびR’は、好ましくは水素原子およびアルキル基からなる群から選択される一種または二種以上であり、より好ましくは水素原子、メチル基およびエチル基からなる群から選択される一種または二種以上である。
RおよびR’はお互いと、あるいはXで構成される環と架橋して、炭素原子2~8個のアルキレン基を形成してもよい。また、Xで構成される環、RおよびR’は反応に不活性な置換基を有していてもよい。置換基としては、例えばハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アシル基、アルキルアミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アルキルチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、シリル基などが挙げられる。また、これらの置換基のうち、隣接する置換基が架橋されて、その結合炭素原子を含む環を形成してもよい。
前記脂環式ジカルボン酸無水物は、好ましくは式(18)で表される化合物を含む。
式(18)において、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17は各々独立して水素原子またはヘテロ原子を有してもよい置換基である。
式(18)において、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17はすべて水素であることが好ましい。式(18)において、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17はすべて水素である場合、式(18)はベンゾノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(BNDCA)となる。
前記脂環式ジカルボン酸無水物は、好ましくは式(19)で表される化合物を含む。
式(19)において、nは0または1であり、X’はOまたはCHである。
[製造条件等]
以下、本実施形態にかかる環状オレフィン化合物の製造の条件等について説明する。
本実施形態に係る環状オレフィン化合物の製造は、無溶媒で行ってもよいし、溶媒を用いて行ってもよい。
溶媒としては、原料、触媒、および配位子となりうる化合物に対して不活性な溶媒であれば、任意のものを使用することができる。例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、ベラトロール等のエーテル類、テトラリン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、N-メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。
本実施形態に係る環状オレフィン化合物の製造は酸素や水分を除いた状態で行なうことが好ましく、例えば、窒素あるいはアルゴンのような不活性雰囲気下で行なわれる。
脱カルボニルおよび脱炭酸工程では、ニッケル錯体の活性低下を抑制するため、さらには生成する環状オレフィン化合物の熱履歴を少なくすることによって選択率を高める観点から、生成した環状オレフィン化合物を反応系外に除去しながら脱カルボニルおよび脱炭酸を行うことが好ましい。
生成した前記環状オレフィン化合物を反応系外に除去しながら脱カルボニルおよび脱炭酸を行う方式としては、反応蒸留方式を挙げることができる。
脱カルボニルおよび脱炭酸工程における温度は高いほうが反応速度の点では有利であるが、高すぎるとニッケル錯体の分解や生成物である環状オレフィンの転位、重合などの好ましくない副反応を引き起こして選択率の低下を招く恐れがある。そのため、脱カルボニルおよび脱炭酸工程における温度は好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、そして、好ましくは300℃以下、より好ましくは280℃以下、さらに好ましくは250℃以下である。
脱カルボニルおよび脱炭酸工程の方式としては、金属系助触媒、配位子となりうる化合物、ニッケル錯体および原料を一度に反応系に仕込むバッチ方式;金属系助触媒、配位子となりうる化合物およびニッケル錯体を予め反応系内に仕込んでおき、そこに原料を滴下するなどして原料を連続的に供給するセミバッチ方式;金属系助触媒および配位子となりうる化合物を予め反応系内に仕込んでおき、そこにニッケル錯体および原料をそれぞれ滴下するなどしてニッケル錯体および原料を連続的に供給するセミバッチ方式;あるいは、金属系助触媒、配位子となりうる化合物、ニッケル錯体および原料を連続的に反応系に供給する連続方式等を例示できる。
前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程の方式は、セミバッチ方式であることが好ましく、金属系助触媒および配位子となり得る化合物を予め反応系に仕込んでおき、そこにニッケル錯体および原料をそれぞれ連続的に供給するセミバッチ方式であることがより好ましい。これにより、反応開始までに要する時間(反応誘導期)を短縮することができ、また、原料及び生成物の滞留時間を短くできるため、熱履歴の短縮により副生成物の発生を抑制することができる。さらに、脱カルボニルおよび脱炭酸工程でニッケル錯体に対して配位子となりうる化合物が存在する場合、セミバッチ方式にて反応を実施することにより、生産効率を向上できる。
本実施形態に係る環状オレフィン化合物の製造方法において、アルコール化合物を添加する工程を含むことができる。これにより、脂環式ジカルボン酸無水物製造時に生成する不純物を無害化することが可能である。脂環式ジカルボン酸無水物に含まれる不純物が存在すると、2価のニッケル錯体の活性化を阻害し、反応開始までに要する時間(反応誘導期)が長くなってしまう。そのため、アルコール化合物を添加し、脂環式ジカルボン酸無水物に含まれる不純物を無害化することにより、反応誘導期を短縮することができ、環状オレフィン化合物の生産速度を向上させることができる。
ここで、アルコール化合物を添加する工程は、前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程とは別におこなってもよいし、前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程と同時におこなってもよい。すなわち、不純物を含む脂環式ジカルボン酸無水物をアルコール化合物で処理してから、脂環式ジカルボン酸無水物に2価のニッケル錯体や配位子となりうる化合物を混合し、次いで、前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程をおこなってもよい。あるいは、不純物を含む脂環式ジカルボン酸無水物、2価のニッケル錯体、配位子となりうる化合物を混合する際に、さらにアルコール化合物を添加してもよい。この場合、不純物を含む脂環式ジカルボン酸無水物、2価のニッケル錯体、配位子となりうる化合物、アルコール化合物を添加する順番は特に限定されない。しかし、脂環式ジカルボン酸無水物の脱カルボニルおよび脱炭酸反応が始まる前にアルコール化合物を添加し、脂環式ジカルボン酸無水物の脱カルボニルおよび脱炭酸反応が始まる前にアルコール化合物を除去することが好ましい。
本実施形態に係る環状オレフィン化合物の製造方法において、上記アルコール化合物の沸点は、脂環式ジカルボン酸無水物の沸点よりも低いことが好ましい。これにより、不純物の無害化が完了した後、環状オレフィン化合物の合成の前に系内からアルコール化合物を選択的に除去することが可能となる。
アルコール化合物としては、製造する環状オレフィン化合物がベンゾノルボルナジエンの場合、例えば、1-ブタノール、3-ペンタノール、2-メトキシエタノール、イソアミルアルコール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、シクロヘキサノール、1-オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール、1-ウンデカノール、1-ドデカノールから選択される一種または二種以上を含むことが好ましい。
本実施形態に係る環状オレフィン化合物の製造方法において、脂環式ジカルボン酸無水物は、例えば、カルボン酸化合物またはカルボン酸無水物の少なくともいずれか(但し、前記脂環式ジカルボン酸無水物を除く)を不純物として含む場合がある。
これらの不純物が2価のニッケル錯体の種類によっては、その活性化を阻害することがある。本実施形態に係る環状オレフィン化合物の製造方法において、アルコール化合物を添加する工程をさらに含む場合、不純物中のカルボン酸化合物または酸無水物は、アルコール化合物と反応し、無害化される。
本実施形態に係る環状オレフィン化合物の製造方法において、上記アルコール化合物を添加する工程では、アルコール化合物と上記不純物とを液相で接触させ、上記アルコール化合物と、上記不純物中の上記カルボン酸化合物または上記カルボン酸無水物とが反応した後、未反応の上記アルコール化合物を除去する工程を含むことが好ましい。
これにより、アルコールによる環状オレフィン化合物の合成反応の阻害が抑制されるため、環状オレフィン化合物の生産速度を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる
以下、実施例により本発明の有用性を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるのもではない。
比較例1、実施例1~3では、原料(脂環式ジカルボン酸無水物)、ニッケル錯体、金属系助触媒および配位子となり得る化合物を一度に反応系に仕込んで反応を行うバッチ方式によりBNBDを得た。詳細な方法は下記の通りである。
蒸留装置を備えた50mLガラス製フラスコに、表1に記載のとおりの種類と量の原料、ニッケル錯体、金属系助触媒および配位子となり得る化合物を仕込み、混合し、30torrの減圧下で220℃に加熱した。220℃に達した時間から60分経過後に液体の留出が始まった。
留出した液体をH‐NMRにより分析した結果、留出した液体の主成分はベンゾノルボルナジエン(BNBD)であった。
留出した液体とフラスコ内の反応残渣をそれぞれ下記の<分析条件>にしたがいGC(ガスクロマトグラフィー)分析し、BNBDの収率と原料であるBNDCAの回収率を算出した。
<分析条件>
装置:島津製作所製、型式:GC-2014s
カラム:Phenomenex社製、ZB-1(内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μm)
キャリアガス:He、0.33mL/min
注入条件:250℃、スプリット比10/1
打込み量:1μL
検出条件:FID方式、300℃
カラム温度条件:まず60℃で1分間保持し、次いで8℃/分の速度で300℃まで昇温し、次いで300℃で20分間保持した。
内部標準物質:留出した液体を分析する際はトルエンを内部標準物質とした。また、50mlガラス製フラスコ内の反応残渣を分析する際は1,2-ジクロロベンゼンを内部標準物質とした。
上記の方法により算出したBNBDの収率を表1に示す。
下記式によりBNBDの選択率を算出した。結果を表1に示す。
[BNBDの選択率]=[BNBDの収率]/(100-[BNDCAの回収率])×100
表1に記載の実施例と比較例を比べると、実施例の方がBNBDの収率が向上していた。このことから、本実施形態の製造方法によると、環状オレフィン化合物の生産効率が向上することがわかる。
比較例2、実施例4、比較例3、実施例5~7では、ニッケル錯体、金属系助触媒および配位子となり得る化合物を予め反応系に仕込んでおき、そこに原料(脂環式ジカルボン酸無水物)を滴下するセミバッチ方式によりBNBDを得た。詳細な方法は下記の通りである。
まず、蒸留装置およびバルブで開閉可能な均圧管付き滴下漏斗を備えた50mLガラス製フラスコ(1)に、表2に記載のとおりの種類と量のニッケル錯体、金属系助触媒および配位子となり得る化合物を仕込み、滴下漏斗の1本をラバーヒータで覆い200℃に保温した。
次いで、別の2口フラスコ(2)に、表2に記載のとおりの種類と量の原料および原料の約1.5倍の重量のテトラエチレングリコールジメチルエーテルを仕込み、攪拌し、スラリー化した。
次いで、フラスコ(1)を、30torrの減圧下でオイルバスにより220℃に加熱した。
次いで、下記(I)および(II)の操作を20分おきに繰り返し、フラスコ(2)内のスラリーをフラスコ(1)に装入し、スラリーとフラスコ(1)の内容物を反応させた。
(I)フラスコ(2)内からシリンジで一定量(約1.8g)スラリーを抜き取り、抜き取ったスラリーをフラスコ(1)に備えられた滴下漏斗に装入した。
(II)滴下漏斗の均圧管バルブをゆっくりと開けて滴下漏斗内とフラスコ(1)内を等圧にした後、滴下漏斗からフラスコ(1)へスラリーを装入し、反応を開始させた。
反応開始直後から、液体の留出が観察された。留出した液体をH‐NMRにより分析した結果、留出した液体はベンゾノルボルナジエン(BNBD)のテトラエチレングリコールジメチルエーテル溶液であった。
留出した液体のGCの分析結果から、生産効率の指標として、BNBDの収率、BNBDの選択率およびTPP1molあたりのBNBDの収量を求めた。結果を表2に示す。
表2に記載の実施例と比較例を比べると、実施例の方がBNBDの収率が向上していた。そして、実施例の方が配位子となりうる化合物であるTPP1molあたりのBNBDの収量が向上していた。
これらのことから、本実施形態の製造方法によると環状オレフィン化合物の生産効率が向上することがわかる。
比較例4および実施例8~9では、金属系助触媒および配位子となり得る化合物を予め反応系に仕込んでおき、そこに原料(脂環式ジカルボン酸無水物)およびニッケル錯体をそれぞれ滴下するセミバッチ方式によりBNBDを得た。詳細な方法は下記の通りである。
まず、蒸留装置およびバルブで開閉可能な均圧管付き滴下漏斗2本を備えた50mLガラス製フラスコ(1)に、表3に記載のとおりの種類と量の金属系助触媒および配位子となり得る化合物を仕込み、滴下漏斗の1本をラバーヒータで覆い200℃に保温した。
次いで、別の2口フラスコ(2)に、表3に記載のとおりの種類と量の原料および原料の約1.5倍の重量のテトラエチレングリコールジメチルエーテルを仕込み、攪拌し、スラリー化した。
次いで、さらに別のシュレンク管に表3に記載のとおりの種類と量のニッケル錯体およびニッケル錯体の約20倍の重量のテトラエチレングリコールジメチルエーテルを仕込み、攪拌し、スラリー化した。
次いで、フラスコ(1)を、30torrの減圧下でオイルバスにより220℃に加熱した。
次いで、下記(I)~(III)の操作を20分おきに繰り返し、フラスコ(2)内およびシュレンク管内のスラリーをフラスコ(1)に装入し、スラリーとフラスコ(1)の内容物を反応させた。
(I)フラスコ(2)内からシリンジで一定量(約4.8g)スラリーを抜き取り、抜き取ったスラリーを、フラスコ(1)に備えられた滴下漏斗のうちのラバーヒータで覆われた一方に装入した。
(II)シュレンク管内のシリンジで一定量(約0.50g)スラリーを抜き取り、抜き取ったスラリーを、フラスコ(1)に備えられた滴下漏斗のもう一方に装入した。
(III)2つの滴下漏斗の均圧管バルブをそれぞれゆっくりと開けて、2つの滴下漏斗内とフラスコ(1)内を等圧にした後、2つの滴下漏斗からフラスコ(1)へスラリーを装入し、反応を開始させた。
反応開始直後から、液体の留出が観察された。留出した液体をH‐NMRにより分析した結果、留出した液体はベンゾノルボルナジエン(BNBD)のテトラエチレングリコールジメチルエーテル溶液であった。
留出した液体のGCの分析結果から、BNBDの選択率およびTPP1molあたりのBNBDの収量を求めた。結果を表3に示す。
表3に記載の実施例と比較例を比べると、実施例の方が配位子となりうる化合物であるTPP1molあたりのBNBDの収量が向上していた。
このことから、本実施形態の製造方法によると、環状オレフィン化合物の生産効率が向上することがわかる。
この出願は、2022年12月14日に出願された日本出願特願2022-199586号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (13)

  1. 下記式(1)で表されるニッケル錯体と、金属系助触媒と、の存在下で脂環式ジカルボン酸無水物を脱カルボニルおよび脱炭酸して環状オレフィン化合物を得る、脱カルボニルおよび脱炭酸工程を含み、
    前記金属系助触媒がMn、Zn、Mn(OAc) 、Mn(OAc) ・4H OおよびZnOからなる群から選択される一種または二種以上を含、環状オレフィン化合物の製造方法。
    Ni(Y)m(L)n (1)
    式(1)において、
    Niは0価または2価のニッケルであり、
    Yは下記式(2)で表される配位子、下記式(3)で表される配位子、下記式(4)で表される配位子、下記式(5)で表される配位子、下記式(6)で表される配位子、下記式(7)で表される配位子、下記式(X1)で表される配位子および下記式(Y1)で表される配位子からなる群から選択される一種または二種以上を含み、
    mは0~2の実数であり、
    Lは中性配位子であり、
    nは0~6の実数である。
    式(2)において、R は水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。
    式(3)において、R は置換基を有してもよい2価の炭化水素基である。
    式(4)において、R 、R およびR は置換基を有してもよい炭化水素基であり、R とR またはR とR は互いに結合して環を形成してもよい。また、R 、R およびR は水素原子でもよい。
    式(5)において、R は置換基を有してもよい2価の炭化水素基であり、R は水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基、またはオキソ基である。R が炭化水素基である場合は、R と結合して環を形成してもよい。
    式(6)において、Z’はハロゲンまたはOHである。
    式(7)において、OxはNO 、CO 2- およびPO 3- から選択されるオキソ酸である。
    式(X1)において、R ’、R ’、R ’、R ’およびR ’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。
    式(Y1)において、R ’、R ’およびR ’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。
  2. 請求項に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
    前記式(1)において、
    Niが2価のニッケルであり、
    前記Yが前記式(2)で表される配位子、前記式(3)で表される配位子、前記式(4)で表される配位子、前記式(5)で表される配位子、前記式(6)で表される配位子、前記式(X1)で表される配位子および前記式(Y1)で表される配位子からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
    前記式(1)において、
    前記Yが下記式(8)で表される配位子、下記式(9)で表される配位子、下記式(10)で表される配位子、下記式(11)で表される配位子、下記式(12)で表される配位子、下記式(13)で表される配位子および下記式(Z1)で表される配位子からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
    式(9)において、Xは環を形成するのに必要な非金属原子群であり、RおよびR’は各々独立して水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。
    式(11)において、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基であり、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。
    式(12)において、RおよびR10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基であり、RとR10は互いに結合して環を形成してもよい。
    式(13)において、Z’’はClまたはBrである。
  4. 請求項1または2に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
    前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程において、前記ニッケル錯体に対して配位子となりうる化合物がさらに存在する、環状オレフィン化合物の製造方法。
  5. 請求項に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
    前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程において、前記ニッケル錯体1molに対する前記配位子となりうる化合物の装入量が1mol以上500mol以下である、環状オレフィン化合物の製造方法。
  6. 請求項に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
    前記配位子となりうる化合物が含リン化合物を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
  7. 請求項に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
    前記配位子となりうる化合物が下記式(14)で表される化合物および下記式(15)で表される化合物からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
    式(14)において、X、XおよびXは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基である。
    式(15)において、X、X、XおよびXは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基であり、Zは炭素数1~20のアルキレン基、炭素数6~20のアリーレン基、フェロセニレン基またはビナフチレン基である。
  8. 請求項に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
    前記配位子となりうる化合物がトリフェニルホスフィンを含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
  9. 請求項1または2に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
    前記脂環式ジカルボン酸無水物が下記式(16)で表される化合物および下記式(17)で表される化合物からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
    式(16)において、Xは環を形成するのに必要な非金属原子群であり、RおよびR’は各々独立して水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。
    式(17)において、Xは環を形成するのに必要な非金属原子群であり、RおよびR’は各々独立して水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。
  10. 請求項1または2に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
    前記脂環式ジカルボン酸無水物が下記式(18)で表される化合物を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
    式(18)において、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17は各々独立して水素原子またはヘテロ原子を有してもよい置換基である。
  11. 請求項10に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
    前記式(18)において、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17がすべて水素である、環状オレフィン化合物の製造方法。
  12. 請求項1または2に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
    前記脂環式ジカルボン酸無水物が下記式(19)で表される化合物を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
    式(19)において、nは0または1であり、X’はOまたはCHである。
  13. 請求項1または2に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
    前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程において、生成した前記環状オレフィン化合物を反応系外に除去しながら脱カルボニルおよび脱炭酸を行う、環状オレフィン化合物の製造方法。
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