JP7841118B2 - 環状オレフィン化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
これらの反応の原料となる脂環式ジカルボン酸無水物は、共役ジエン化合物と無水マレイン酸類とのDiels-Alder反応によって得ることができる。一般にDiels-Alder反応において無水マレイン酸類は高い反応性を示すことから、付加体が良好な収率で得られる場合が多い。したがってこれらの脂環式ジカルボン酸無水物あるいはそれらの加水分解によって得られるジカルボン酸誘導体から効率良く脱カルボニルあるいは脱炭酸を行なうことができれば、種々のジエン化合物と無水マレイン酸類との組み合わせにより多様な構造をもつ環状オレフィン化合物を高収率で合成することが期待できる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、環状オレフィン化合物の生産効率が向上した環状オレフィン化合物の製造方法を提供するものである。
下記式(1)で表されるニッケル錯体と、金属系助触媒と、の存在下で脂環式ジカルボン酸無水物を脱カルボニルおよび脱炭酸して環状オレフィン化合物を得る、脱カルボニルおよび脱炭酸工程を含み、
前記金属系助触媒が金属単体および金属化合物からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
Ni(Y)m(L)n (1)
式(1)において、
Niは0価または2価のニッケルであり、
Yはアニオン性の単座もしくは多座配位子であり、かつ少なくとも一つのNi-E共有結合を有し、Eはヘテロ原子またはπ-結合性基であり、
mは0~2の実数であり、
Lは中性配位子であり、
nは0~6の実数である。
[2]
上記[1]に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記金属系助触媒が長周期型周期表の第1族から第14族までの元素から選択される一種または二種以上の元素を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[3]
上記[1]または[2]に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記金属単体がLi、Cs、Rb、K、Ba、Sr、Ca、Na、Mg、Th、Be、Al、Ti、Zr、Mn、Ta、Zn、Cr、Fe、CdおよびCoからなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[4]
上記[1]~[3]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記金属単体がMnおよびZnからなる群から選択される一種または二種を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[5]
上記[1]~[4]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記金属化合物が長周期型周期表の第7族から第12族までの元素から選択される一種または二種以上の元素を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[6]
上記[1]~[5]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記金属化合物がMnおよびZnからなる群から選択される一種または二種を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[7]
上記[1]~[6]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記金属化合物がMn(OAc)2およびZnOからなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[8]
上記[1]~[7]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記式(1)において、
Niが2価のニッケルであり、
前記Yが下記式(2)で表される配位子、下記式(3)で表される配位子、下記式(4)で表される配位子、下記式(5)で表される配位子、下記式(6)で表される配位子、下記式(7)で表される配位子、下記式(X1)で表される配位子および下記式(Y1)で表される配位子からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[9]
上記[1]~[8]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記式(1)において、
前記Yが下記式(8)で表される配位子、下記式(9)で表される配位子、下記式(10)で表される配位子、下記式(11)で表される配位子、下記式(12)で表される配位子、下記式(13)で表される配位子および下記式(Z1)で表される配位子からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
上記[1]~[9]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程において、前記ニッケル錯体に対して配位子となりうる化合物がさらに存在する、環状オレフィン化合物の製造方法。
[11]
上記[10]に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程において、前記ニッケル錯体1molに対する前記配位子となりうる化合物の装入量が1mol以上500mol以下である、環状オレフィン化合物の製造方法。
[12]
上記[10]または[11]に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記配位子となりうる化合物が含リン化合物を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[13]
上記[10]~[12]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記配位子となりうる化合物が下記式(14)で表される化合物および下記式(15)で表される化合物からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[14]
上記[10]~[13]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記配位子となりうる化合物がトリフェニルホスフィンを含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[15]
上記[1]~[14]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脂環式ジカルボン酸無水物が下記式(16)で表される化合物および下記式(17)で表される化合物からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[16]
上記[1]~[15]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脂環式ジカルボン酸無水物が下記式(18)で表される化合物を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[17]
上記[16]に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記式(18)において、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17がすべて水素である、環状オレフィン化合物の製造方法。
[18]
上記[1]~[17]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脂環式ジカルボン酸無水物が下記式(19)で表される化合物を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
[19]
上記[1]~[18]のいずれかに記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程において、生成した前記環状オレフィン化合物を反応系外に除去しながら脱カルボニルおよび脱炭酸を行う、環状オレフィン化合物の製造方法。
下記式(1)で表されるニッケル錯体と、金属系助触媒と、の存在下で脂環式ジカルボン酸無水物を脱カルボニルおよび脱炭酸して環状オレフィン化合物を得る、脱カルボニルおよび脱炭酸工程を含み、
前記金属系助触媒が金属単体および金属化合物からなる群から選択される一種または二種以上を含む。
Ni(Y)m(L)n (1)
式(1)において、
Niは0価または2価のニッケルであり、
Yはアニオン性の単座もしくは多座配位子であり、かつ少なくとも一つのNi-E共有結合を有し、Eはヘテロ原子またはπ-結合性基であり、
mは0~2の実数であり、
Lは中性配位子であり、
nは0~6の実数である。
本発明の製造方法により環状オレフィン化合物の生産効率が向上するメカニズムは明らかでないが、金属系助触媒が還元剤として機能し、ニッケル錯体の酸化が抑制されること、あるいは酸化され活性を失ったニッケル錯体が還元されることにより再活性化されることにより、触媒使用量が抑えられつつも脱カルボニルおよび脱炭酸工程の効率が向上し、これにより環状オレフィン化合物の生産効率が向上するというメカニズムが推測される。
以下、前記金属系助触媒について説明する。
前記金属化合物は、上記の通り無水物であっても水和物であってもよいが、生産効率をより一層向上できる観点から、好ましくは無水物である。
なお、金属系助触媒および配位子となりうる化合物を予め反応系内に仕込んでおき、そこにニッケル錯体および原料をそれぞれ連続的に供給するセミバッチ方式の場合、前記金属系助触媒の量は、前記ニッケル錯体1molに対して、好ましくは0.10mol以上、より好ましくは0.50mol以上、さらに好ましくは1.00mol以上、さらに好ましくは2.00mol以上であり、そして、好ましくは100.00mol以下、より好ましくは90.00mol以下、さらに好ましくは80.00mol以下、さらに好ましくは70.00mol以下、さらに好ましくは60.00mol以下、さらに好ましくは50.00mol以下、さらに好ましくは45.00mol以下、さらに好ましくは41.00mol以下、さらに好ましくは30.00mol以下、さらに好ましくは20.00mol以下、さらに好ましくは10.00mol以下、さらに好ましくは5.00mol以下、さらに好ましくは4.00mol以下である。
以下、前記ニッケル錯体について説明する。
Ni(Y)m(L)n (1)
式(1)において、
Niは0価または2価のニッケルであり、
Yはアニオン性の単座もしくは多座配位子であり、かつ少なくとも一つのNi-E共有結合を有し、Eはヘテロ原子またはπ-結合性基であり、
mは0~2の実数であり、
Lは中性配位子であり、
nは0~6の実数である。
以下、Niが0価のニッケルであるニッケル錯体(0価ニッケル錯体)について説明する。
また、前記式(14)において、X1、X2およびX3は二つの基の間で架橋されてリン原子を含む環を構成してもよく、そのようなホスフィンとしては、フェニルビフェニレンホスフィンを例示できる。
以下、Niが2価のニッケルであるニッケル錯体(2価ニッケル錯体)について説明する。
炭化水素基としては、例えば、炭素数1~30までの基を挙げることができ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等のアルキニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;ラウリル基、ステアリル基等の長鎖アルキル基が挙げられる。これらの中でもR1としては、好ましくは水素原子、アルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、エチル基である。
置換基としては、例えばハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アシル基、アルキルアミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アルキルチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、シリル基などが挙げられる。また、これらの置換基のうち、隣接する置換基が架橋されて、その結合炭素原子を含む環を形成してもよい。
2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、ビニレン、1,2-フェニレン、2,3-ナフタレン、1,2-シクロへキシレン、1,2-ビシクロ[2,2,1]ヘプタレン、1,4-ジヒドロー1,4-メタノ-2,3-ナフタレン、等が挙げられる。これらの中でも、R2は1,4-ジヒドロー1,4-メタノ-2,3-ナフタレンが好ましい。
炭化水素基としては、例えば、炭素数1~8までの基を挙げることができ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等のアルキニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。これらの中でもR3、R4およびR5としては、好ましくは水素原子、アルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、エチル基である。
置換基としては、例えばハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アシル基、アルキルアミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アルキルチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、シリル基などが挙げられる。また、これらの置換基のうち、隣接する置換基が架橋されて、その結合炭素原子を含む環を形成してもよい。
R6の2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン基が挙げられる。また、R7-C-R6を合わせて、ビニレン、1,2-フェニレン、2,3-ナフタレン、1,2-シクロへキシレン、1,2-ビシクロ[2,2,1]ヘプタレン、1,4-ジヒドロー1,4-メタノ-2,3-ナフタレン等の2重結合あるいは環状構造を形成してもよい。これらの中でも、エチレン、1,2-ビシクロ[2,2,1]ヘプタレン、1,4-ジヒドロー1,4-メタノ-2,3-ナフタレンが好ましい。
R7の炭化水素基としては、例えば、炭素数1~8までの基を挙げることができ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等のアルキニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。これらの中でもR7としては、好ましくは水素原子、アルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、エチル基である。
置換基としては、例えばハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アシル基、アルキルアミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アルキルチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、シリル基などが挙げられる。また、これらの置換基のうち、隣接する置換基が架橋されて、その結合炭素原子を含む環を形成してもよい。
また、Xは式(3)におけるR 2 の一部をなす環を構成するのに必要な非金属原子群である。
置換基としては、例えばハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アシル基、アルキルアミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アルキルチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、シリル基などが挙げられる。また、これらの置換基のうち、隣接する置換基が架橋されて、その結合炭素原子を含む環を形成してもよい。
前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程において、前記ニッケル錯体に対して配位し得る配位子がさらに存在することが好ましい。
以下、ニッケル錯体に対して配位子となりうる化合物について説明する。
また、前記式(14)において、X1、X2およびX3は二つの基の間で架橋されてリン原子を含む環を構成してもよく、そのようなホスフィンとしては、フェニルビフェニレンホスフィンを例示できる。
以下、本実施形態に係る環状オレフィン化合物の製造方法の原料である脂環式ジカルボン酸無水物について説明する。
RおよびR’は、それぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基を表す。炭化水素基としては、炭素数1~8までの基を挙げることができ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等のアルキニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。
RおよびR’は、好ましくは水素原子およびアルキル基からなる群から選択される一種または二種以上であり、より好ましくは水素原子、メチル基およびエチル基からなる群から選択される一種または二種以上である。
RおよびR’はお互いと、あるいはXで構成される環と架橋して、炭素原子2~8個のアルキレン基を形成してもよい。また、Xで構成される環、RおよびR’は反応に不活性な置換基を有していてもよい。置換基としては、例えばハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アシル基、アルキルアミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アルキルチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、シリル基などが挙げられる。また、これらの置換基のうち、隣接する置換基が架橋されて、その結合炭素原子を含む環を形成してもよい。
[製造条件等]
以下、本実施形態にかかる環状オレフィン化合物の製造の条件等について説明する。
溶媒としては、原料、触媒、および配位子となりうる化合物に対して不活性な溶媒であれば、任意のものを使用することができる。例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、ベラトロール等のエーテル類、テトラリン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、N-メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。
生成した前記環状オレフィン化合物を反応系外に除去しながら脱カルボニルおよび脱炭酸を行う方式としては、反応蒸留方式を挙げることができる。
ここで、アルコール化合物を添加する工程は、前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程とは別におこなってもよいし、前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程と同時におこなってもよい。すなわち、不純物を含む脂環式ジカルボン酸無水物をアルコール化合物で処理してから、脂環式ジカルボン酸無水物に2価のニッケル錯体や配位子となりうる化合物を混合し、次いで、前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程をおこなってもよい。あるいは、不純物を含む脂環式ジカルボン酸無水物、2価のニッケル錯体、配位子となりうる化合物を混合する際に、さらにアルコール化合物を添加してもよい。この場合、不純物を含む脂環式ジカルボン酸無水物、2価のニッケル錯体、配位子となりうる化合物、アルコール化合物を添加する順番は特に限定されない。しかし、脂環式ジカルボン酸無水物の脱カルボニルおよび脱炭酸反応が始まる前にアルコール化合物を添加し、脂環式ジカルボン酸無水物の脱カルボニルおよび脱炭酸反応が始まる前にアルコール化合物を除去することが好ましい。
アルコール化合物としては、製造する環状オレフィン化合物がベンゾノルボルナジエンの場合、例えば、1-ブタノール、3-ペンタノール、2-メトキシエタノール、イソアミルアルコール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、シクロヘキサノール、1-オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール、1-ウンデカノール、1-ドデカノールから選択される一種または二種以上を含むことが好ましい。
これらの不純物が2価のニッケル錯体の種類によっては、その活性化を阻害することがある。本実施形態に係る環状オレフィン化合物の製造方法において、アルコール化合物を添加する工程をさらに含む場合、不純物中のカルボン酸化合物または酸無水物は、アルコール化合物と反応し、無害化される。
これにより、アルコールによる環状オレフィン化合物の合成反応の阻害が抑制されるため、環状オレフィン化合物の生産速度を向上させることができる。
<分析条件>
装置:島津製作所製、型式:GC-2014s
カラム:Phenomenex社製、ZB-1(内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μm)
キャリアガス:He、0.33mL/min
注入条件:250℃、スプリット比10/1
打込み量:1μL
検出条件:FID方式、300℃
カラム温度条件:まず60℃で1分間保持し、次いで8℃/分の速度で300℃まで昇温し、次いで300℃で20分間保持した。
内部標準物質:留出した液体を分析する際はトルエンを内部標準物質とした。また、50mlガラス製フラスコ内の反応残渣を分析する際は1,2-ジクロロベンゼンを内部標準物質とした。
[BNBDの選択率]=[BNBDの収率]/(100-[BNDCAの回収率])×100
次いで、別の2口フラスコ(2)に、表2に記載のとおりの種類と量の原料および原料の約1.5倍の重量のテトラエチレングリコールジメチルエーテルを仕込み、攪拌し、スラリー化した。
次いで、フラスコ(1)を、30torrの減圧下でオイルバスにより220℃に加熱した。
次いで、下記(I)および(II)の操作を20分おきに繰り返し、フラスコ(2)内のスラリーをフラスコ(1)に装入し、スラリーとフラスコ(1)の内容物を反応させた。
(II)滴下漏斗の均圧管バルブをゆっくりと開けて滴下漏斗内とフラスコ(1)内を等圧にした後、滴下漏斗からフラスコ(1)へスラリーを装入し、反応を開始させた。
これらのことから、本実施形態の製造方法によると環状オレフィン化合物の生産効率が向上することがわかる。
次いで、別の2口フラスコ(2)に、表3に記載のとおりの種類と量の原料および原料の約1.5倍の重量のテトラエチレングリコールジメチルエーテルを仕込み、攪拌し、スラリー化した。
次いで、さらに別のシュレンク管に表3に記載のとおりの種類と量のニッケル錯体およびニッケル錯体の約20倍の重量のテトラエチレングリコールジメチルエーテルを仕込み、攪拌し、スラリー化した。
次いで、フラスコ(1)を、30torrの減圧下でオイルバスにより220℃に加熱した。
次いで、下記(I)~(III)の操作を20分おきに繰り返し、フラスコ(2)内およびシュレンク管内のスラリーをフラスコ(1)に装入し、スラリーとフラスコ(1)の内容物を反応させた。
(II)シュレンク管内のシリンジで一定量(約0.50g)スラリーを抜き取り、抜き取ったスラリーを、フラスコ(1)に備えられた滴下漏斗のもう一方に装入した。
(III)2つの滴下漏斗の均圧管バルブをそれぞれゆっくりと開けて、2つの滴下漏斗内とフラスコ(1)内を等圧にした後、2つの滴下漏斗からフラスコ(1)へスラリーを装入し、反応を開始させた。
このことから、本実施形態の製造方法によると、環状オレフィン化合物の生産効率が向上することがわかる。
Claims (13)
- 下記式(1)で表されるニッケル錯体と、金属系助触媒と、の存在下で脂環式ジカルボン酸無水物を脱カルボニルおよび脱炭酸して環状オレフィン化合物を得る、脱カルボニルおよび脱炭酸工程を含み、
前記金属系助触媒がMn、Zn、Mn(OAc) 2 、Mn(OAc) 2 ・4H 2 OおよびZnOからなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
Ni(Y)m(L)n (1)
式(1)において、
Niは0価または2価のニッケルであり、
Yは下記式(2)で表される配位子、下記式(3)で表される配位子、下記式(4)で表される配位子、下記式(5)で表される配位子、下記式(6)で表される配位子、下記式(7)で表される配位子、下記式(X1)で表される配位子および下記式(Y1)で表される配位子からなる群から選択される一種または二種以上を含み、
mは0~2の実数であり、
Lは中性配位子であり、
nは0~6の実数である。
式(2)において、R 1 は水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。
式(3)において、R 2 は置換基を有してもよい2価の炭化水素基である。
式(4)において、R 3 、R 4 およびR 5 は置換基を有してもよい炭化水素基であり、R 3 とR 5 またはR 4 とR 5 は互いに結合して環を形成してもよい。また、R 3 、R 4 およびR 5 は水素原子でもよい。
式(5)において、R 6 は置換基を有してもよい2価の炭化水素基であり、R 7 は水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基、またはオキソ基である。R 7 が炭化水素基である場合は、R 6 と結合して環を形成してもよい。
式(6)において、Z’はハロゲンまたはOHである。
式(7)において、OxはNO 3 - 、CO 3 2- およびPO 4 3- から選択されるオキソ酸である。
式(X1)において、R 1 ’、R 2 ’、R 3 ’、R 4 ’およびR 5 ’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。
式(Y1)において、R 6 ’、R 7 ’およびR 8 ’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。 - 請求項1に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記式(1)において、
Niが2価のニッケルであり、
前記Yが前記式(2)で表される配位子、前記式(3)で表される配位子、前記式(4)で表される配位子、前記式(5)で表される配位子、前記式(6)で表される配位子、前記式(X1)で表される配位子および前記式(Y1)で表される配位子からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。 - 請求項1または2に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記式(1)において、
前記Yが下記式(8)で表される配位子、下記式(9)で表される配位子、下記式(10)で表される配位子、下記式(11)で表される配位子、下記式(12)で表される配位子、下記式(13)で表される配位子および下記式(Z1)で表される配位子からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
式(9)において、Xは環を形成するのに必要な非金属原子群であり、RおよびR’は各々独立して水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。
式(11)において、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基であり、R7とR8は互いに結合して環を形成してもよい。
式(12)において、R9およびR10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基であり、R9とR10は互いに結合して環を形成してもよい。
式(13)において、Z’’はClまたはBrである。
- 請求項1または2に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程において、前記ニッケル錯体に対して配位子となりうる化合物がさらに存在する、環状オレフィン化合物の製造方法。 - 請求項4に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程において、前記ニッケル錯体1molに対する前記配位子となりうる化合物の装入量が1mol以上500mol以下である、環状オレフィン化合物の製造方法。 - 請求項4に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記配位子となりうる化合物が含リン化合物を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。 - 請求項4に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記配位子となりうる化合物が下記式(14)で表される化合物および下記式(15)で表される化合物からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
式(14)において、X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基である。
式(15)において、X4、X5、X6およびX7は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基であり、Zは炭素数1~20のアルキレン基、炭素数6~20のアリーレン基、フェロセニレン基またはビナフチレン基である。 - 請求項4に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記配位子となりうる化合物がトリフェニルホスフィンを含む、環状オレフィン化合物の製造方法。 - 請求項1または2に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脂環式ジカルボン酸無水物が下記式(16)で表される化合物および下記式(17)で表される化合物からなる群から選択される一種または二種以上を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
式(16)において、Xは環を形成するのに必要な非金属原子群であり、RおよびR’は各々独立して水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。
式(17)において、Xは環を形成するのに必要な非金属原子群であり、RおよびR’は各々独立して水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基である。 - 請求項1または2に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脂環式ジカルボン酸無水物が下記式(18)で表される化合物を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
式(18)において、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17は各々独立して水素原子またはヘテロ原子を有してもよい置換基である。 - 請求項10に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記式(18)において、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17がすべて水素である、環状オレフィン化合物の製造方法。 - 請求項1または2に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脂環式ジカルボン酸無水物が下記式(19)で表される化合物を含む、環状オレフィン化合物の製造方法。
式(19)において、nは0または1であり、X’はOまたはCH2である。 - 請求項1または2に記載の環状オレフィン化合物の製造方法において、
前記脱カルボニルおよび脱炭酸工程において、生成した前記環状オレフィン化合物を反応系外に除去しながら脱カルボニルおよび脱炭酸を行う、環状オレフィン化合物の製造方法。
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