JP4974732B2 - 環状オレフィンの製造方法 - Google Patents

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本発明は、脂環式ジカルボン酸無水物の脱カルボニル、脱炭酸反応により環状オレフィンを製造する方法に関するものである。本発明によって提供される環状オレフィンは、環状オレフィンコポリマー(COC)などのポリオレフィンの原料として有用である。
αオレフィンと環状オレフィンの共重合によって得られるαオレフィン−環状オレフィン共重合体は透明性、耐熱性、防湿性、耐薬品性、耐溶剤性、誘電特性、及び種々の機械的性質にも優れた合成樹脂であり、様々な分野で広く用いられている。この環状オレフィンの製造法としては多くの方法が知られているが、例えば(1)脂環式ジカルボン酸無水物の脱カルボニル、脱炭酸反応、あるいは(2)脂環式ジカルボン酸無水物の加水分解によって得られるジカルボン酸誘導体の酸化的脱炭酸反応などがある。
(1)の方法としては、例えば非特許文献1記載のニッケルカルボニル錯体を用いる方法が挙げられるが、高価なニッケルカルボニル錯体を1当量以上必要とするという問題がある。触媒量のニッケルカルボニル錯体を用いた例もあるが、触媒量は原料酸無水物に対して20mol%と多く、また溶媒を厳密に精製し、触媒も使用前に新たに調製したものを使用しなければならないなど満足し得るものではない。
本発明者らは先にゼロ価ニッケル錯体を触媒として脱カルボニル、脱炭酸し環状オレフィンを製造する方法を見出した(特許文献1)。この方法によれば触媒であるニッケル錯体の使用量を大幅に低減することが可能であり、高価な原料を多量に必要とするためコストがかかる、生成物の収率が低い、生成物の分離精製が煩雑である、多量の廃棄物を排出する、などの公知の方法における問題点を解決できることを明らかにした。
特願2006−312579号公報 J.Org.Chem.,74,4370(1952)
しかしながら前述の方法において反応系内に存在するホスフィン及び/または原料である脂環式ジカルボン酸無水物が生成物に同伴して反応器外へ流出し、凝縮して固化し配管等を閉塞させる課題があることを見出した。また、生成する一酸化炭素は毒性ガスであるため何らかの手段で無害化することが必要となるが、同伴するホスフィン及び/または原料が除害設備に付着し閉塞させることも見出した。
さらには一酸化炭素除害装置として燃焼触媒に用いられる貴金属がリン化合物により被毒され、触媒寿命が著しく低下することも分かった。
本発明者らは、上記の従来技術に鑑み鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明の第一は分離機構を反応器出口に備えた反応器を用いた環状オレフィンの製造方法であって、一般式(1)で表される脂環式ジカルボン酸無水物を、ホスフィン配位子の共存下でゼロ価ニッケルを触媒として脱カルボニル、脱炭酸し、生成物である一般式(2)で表される環状オレフィン化合物を製造する工程を有し、環状オレフィン化合物を製造する工程において、分離機構によって、生成物と同伴するホスフィン及び/または脂環式ジカルボン酸無水物を分離する工程含みホスフィン配位子の使用量は、前記触媒1モルあたり10モル以上500モル以下の範囲であることを特徴とする環状オレフィンの製造方法に関するものである。
Figure 0004974732
(式中、Xは環を形成するのに必要な非金属原子群を、RおよびR’は水素原子または置換基を有することのある炭化水素基を表す。)
Figure 0004974732
(式中、Xは環を形成するのに必要な非金属原子群を、RおよびR’は水素原子または置換基を有することのある炭化水素基を表す。)
本発明の第2は分離機構が塔内に配した邪魔板、金網、デミスター、充填物のいずれか1つまたはこれら2つ以上の組み合わせであることを特徴とする環状オレフィンの製造方法に関するものである。
本発明の第3は環状オレフィン化合物を製造する前記工程において、発生する一酸化炭素を、反応系外または反応設備外に排出される前に吸収、吸着、拡散、燃焼のいずれか1つまたはこれら2つ以上の組み合わせにより処理する工程をさらに含むことを特徴とする環状オレフィンの製造方法に関するものである。
本発明によれば、脂環式ジカルボン酸無水物の脱カルボニル、脱炭酸反応によりエチレンなどの低級オレフィンとの共重合や開環メタセシス重合により得られるCOCなどのポリオレフィンの原料として有用な環状オレフィン化合物を提供することができる。
以下、本発明について具体例を挙げつつ詳細に説明する。
本発明において原料として使用する脂環式ジカルボン酸無水物は一般式(1)で表される。Xは環を形成するのに必要な非金属原子群を表しており、好ましいものとしては、炭素、水素、酸素、窒素、硫黄が挙げられる。Xで構成される環は飽和環でも不飽和環でもよく、例えばシクロヘキサン、ノルボルナン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカン等の飽和環、ノルボルネン、テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−8−ドデセン、ベンゾノルボルネン等の不飽和環、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタン等の非プロトン性ヘテロ環が挙げられる。RおよびR’は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8までの炭化水素基を表すが、炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル等のアルキル基;ビニル、アリル等のアルケニル基;エチニル、プロピニル等のアルキニル基;フェニル、トリル等のアリール基;ベンジル、フェネチル等のアラルキル基が挙げられる。RおよびR’としては、好ましくは水素原子、アルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、エチル基である。RおよびR’はお互いと、あるいはXで構成される環と架橋して、炭素原子2〜8個のアルキレン基を形成してもよい。また、Xで構成される環、RおよびR’は反応に不活性な置換基を有していてもよく、例えばハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アシル基、アルキルアミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アルキルチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、シリル基などが挙げられる。また、これらの置換基のうち、隣接する置換基が架橋されて、その結合炭素原子を含む環を形成しても良い。
本発明において触媒として使用するゼロ価ニッケルカルボニル錯体は下記の一般式(5)で表される。
Figure 0004974732
ただし、式中、Lはそれぞれ独立に、一般式(6)で表される単座のホスフィン配位子を表し、L’はそれぞれ独立に、一般式(7)で表される二座のホスフィン配位子を表す。また、式中、lは0〜3の整数、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を表わし、l+m+2nが2〜4の整数となるような条件を満たすものとする。
Figure 0004974732
(式中、X、XおよびXは、それぞれ独立に、置換基を有することのある炭化水素基を表す。)
Figure 0004974732
(式中、X4、X5、X6およびX7は、それぞれ独立に、置換基を有することのある炭化水素基を表す。また、Zは炭素数1〜8までのアルキレン基、アリーレン基、フェロセニレン基を表す。)
前記一般式(6)で表される配位子としては、例えば、トリシクロヘキシルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリベンジルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン類や、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン(オルト、メタ、およびパラの各種置換異性体を含む)、トリス(メトキシフェニル)ホスフィン(オルト、メタ、およびパラの各種置換異性体を含む)、トリス(フルオロフェニル)ホスフィン(オルト、メタ、およびパラの各種置換異性体を含む)、トリ(α−ナフチル)ホスフィンなどのトリアリールホスフィン類、ジフェニルシクロヘキシルホスフィンなどのジアリールアルキルホスフィン類、ジシクロヘキシルフェニルホスフィンなどのジアルキルアリールホスフィン類などが挙げられるが、好ましくはトリアリールホスフィン類であり、さらに好ましくはトリフェニルホスフィンである。また、X1、X2およびX3は二つの基の間で架橋されてリン原子を含む環を構成してもよく、そのようなホスフィンとしては、フェニルビフェニレンホスフィンなどが挙げられる。
前記一般式(7)で表される配位子としては、例えば、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンなどが挙げられる。
本発明に係わる前記一般式(5)で表されるゼロ価ニッケル錯体は、典型的にはニッケルテトラカルボニルと第三級ホスフィン配位子との反応によって得られるニッケルカルボニル類、あるいはテトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケルなどのような、一酸化炭素の存在下でニッケルカルボニル錯体に変換しうるニッケル錯体であり、市販されているものをそのまま使用できるが、例えば米国特許弟4012399号、J.Am.Chem.Soc.,81,4800(1959)、J.Am.Chem.Soc.,94,2669(1972)、J.Am.Chem.Soc.,96,53(1974)、Inorg.Chim.Acta,12,167(1975)、Inorg.Chim.Acta,37,L455(1979)、Chem.Lett.,831(1974)、Chem.Lett.,1119(1972)、J.Chem.Soc.,2099(1962)などに記載されている方法で合成し、使用してもよい。また上記のゼロ価ニッケル錯体は、ニッケルテトラカルボニルや、あるいはビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、ビス(π−アリル)ニッケル、ニッケロセン、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケルなどのようなニッケル錯体を、ホスフィン配位子を含む反応溶液に添加することによりin situで形成されてもよい。ゼロ価ニッケル錯体触媒の使用量は、一般的には原料である脂環式ジカルボン酸無水物1モルあたり0.0001〜0.2モルであり、好ましくは0.001〜0.05モルである。
本発明においては、ニッケル錯体触媒の安定性を向上させるため、前記一般式(6)または前記一般式(7)で表されるホスフィン配位子を過剰に共存させることが重要である。配位子の量が少なすぎると触媒の安定性が低下するが、逆に多すぎても触媒の安定性が使用量に比例して向上するわけではなく、むしろ反応速度が低下する、不経済であるなどの不利益を生ずる。したがって、ホスフィン配位子の使用量はその種類によって必ずしも一定ではないが、通常、ニッケル錯体触媒1モルあたり10〜500モルであり、好ましくは20〜200モルである。これらの配位子は単独で用いてもよいが、いずれか二種以上の混合物として用いてもよい。これらの配位子の混合物を用いる場合、それらを任意の割合で混合してもよいが、ホスフィン配位子の総使用量がニッケル1モルに対して上記の範囲内になることが好ましい。
反応温度は高いほうが反応速度の点では有利であるが、高すぎると触媒の分解や生成物である環状オレフィンの転位、重合などの好ましくない副反応を引き起こして選択率の低下を招く恐れがある。したがって通常100〜300℃、とくに150〜250℃で反応を行なうのが好ましい。
本発明においては、ニッケル錯体触媒の活性低下を抑制するため、さらには生成する環状オレフィン化合物の熱履歴を少なくすることによって選択率を高めるため、生成物をできるだけ速やかに連続的に反応系外に除去することが重要である。したがって反応蒸留方式を採用することが望ましい。反応圧力は生成するオレフィンの沸点に大きく依存するが、生成物の反応系外からの速やかな除去が達成される限りにおいては特に制限はない。生成物の沸点が低い場合は、常圧で反応させることができる。一方、生成物の沸点が高い場合は、減圧下で反応を行なうことが好ましい。
生成する環状オレフィン化合物は、気体の形で取り出された後、凝縮によりCOとCOを含むガスから分離される。このようにして得られる粗製の環状オレフィン化合物は、必要に応じて蒸留などによりさらに精製してもよい。
反応に際しては、配位子自身が溶媒の役割を担うことができる場合、それ以外の溶媒を用いることなく反応を行ってもよいが、必要に応じて新たに溶媒を用いても差し支えない。その際、溶媒としては、原料、触媒、および配位子に対して不活性な溶媒であれば、任意のものを使用することができるが、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、ベラトロール等のエーテル類、テトラリン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。この際、溶媒(または配位子)は、生成物である環状オレフィンと容易に分離できるものが好ましく、一般には生成する環状オレフィンよりも高沸点のものが使用される。上記のような溶媒を使用すれば、反応混合物から目的物である環状オレフィンを含む生成物を反応蒸留によって分離する際、触媒と配位子を溶解している反応液中からの溶媒(または配位子)の留出を抑制することができるため、これらの溶媒(または配位子)を新たに供給する必要がなく、また、生成物の煩雑な分離精製を回避できるという点からも有利である。
反応は酸素や水分を除いた状態で行なうことが好ましく、通常、窒素あるいはアルゴンのような不活性雰囲気下で行なわれる。
反応はバッチ方式、あるいは、ニッケル錯体触媒、ホスフィン配位子、原料であるジカルボン酸無水物、および溶媒を反応器に連続的に供給する連続式の何れの方式においても実施することができる。
反応蒸留方式においては反応器出口において、気体と液体が効率的に接触し分離できる装置を導入することを特徴とする。すなわち蒸留塔の充填物として通常用いられるようなラシヒリング、レッシングリング、テラレット、ポールリング、ディクソンリング、マクマホンパッキングなどのような不規則充填物やMellapak CY及びBX(Sulzer AG製)、Montz B1及びBSH(Montz GmbH製)に代表される金属シート、エキスパンデットメタル(網状延伸金属)、ワイアーファブリックのような充填要素の個々の層の多数からなる規則充填物、及び/又はワイヤメッシュなどからなるデミスター(ミストセパレーター)、または邪魔板などのような構造体を反応生成物が気体及びまたは液体として上昇する反応器出口の塔内部に設置することが望ましい。
これらの1つまたは2つ以上の組み合わせにより、生成物と同伴する溶媒や配位子及び/または原料である脂環式ジカルボン酸無水物のような高融点物が飛沫として同伴し、管壁や熱交換器などの細管部に固体として付着し管を閉塞させるようなことを防止することができる。また、本反応では生成物である環状オレフィンとともに、CO、COの気体が生成するため、同伴する高融点物が増加する傾向にある。すなわちそのような高融点物の飛沫同伴により、管の閉塞による反応器内外の圧力差の上昇や生成物の留出障害などのため、たびたび洗浄のために運転停止を余儀なくされるようなことがなく、長期間安定して運転することが可能となる。
本発明では反応器から留出した生成物を冷却、凝縮した後の排ガスとして一酸化炭素が含まれるため、その除害装置が必要となる。除害装置は吸収、吸着、拡散、燃焼のいずれか1つまたはこれら2つ以上の組み合わせにより処理することを特徴とする。吸収としては塩化銅のアンモニア水溶液等が挙げられ、装置としてはスクラバーや吸収塔などが挙げられる。吸着としてはホプカライトのような二酸化マンガン-酸化銅とパラジウムを担持した触媒などが挙げられる。拡散とは煙突等の高所からの排気により着地濃度が許容濃度以下に希釈されるようにする処置であり、燃焼とは800℃以上の高温にして無触媒下で燃焼させることや、白金、パラジウムなどの周知の貴金属系触媒、酸化物系卑金属触媒など任意の触媒を用いることができる。金属酸化触媒は金属やその化合物としてそのまま用いることもできるし、必要に応じて適宜の担体に担持させて用いることもできる。これらの除害処理の一つまたは2つ以上の組み合わせにより一酸化炭素を無害化して排気することを特徴とする。本発明で使用する配位子であるホスフィン系化合物は貴金属触媒などに被毒作用が知られており、前述の充填物等による飛沫同伴防止対策は特に重要となる。
以下、実施例により本発明の内容をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定を受けるものではない。なお、実施例中において特に断らない限り「部」は「重量部」を示す。
本実施例において、分析は、ガスクロマトグラフィー/質量分析計で行った。
(装置)ガスクロマトグラフィー:島津製作所製 GC−17A
(条件)カラム TC−1 内径 0.53mm、長さ30m
[実施例1]
ベンゾノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物257.7部、トリフェニルホスフィン131.2部、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)11.1部を0.5Lフラスコに仕込み、フラスコに内径0.025m、高さ0.2mの塔を設置した。塔内にはディクソンパッキング(φ1/4インチ、メッシュ#38×60)を充填した。充填高さは0.18m(理論段数3段)であった。
フラスコを215℃に昇温するとともに、圧力を30torrに減圧したところ、反応が始まり、ガスの発生と液体の留出が見られた。2時間後液体の留出はほぼ収まった。留出液の組成はベンゾノルボルナジエンが95%、トリフェニルホスフィンとベンゾノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物が0.5%以下であった。また反応残液の分析の結果ベンゾノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物の転化率は98%であった。
[実施例2]
実施例1の充填物をSulzer DXパッキングに変える以外は同様にして行った。
フラスコを215℃に昇温するとともに、圧力を30torrに減圧したところ、反応が始まり、ガスの発生と液体の留出が見られた。2時間後液体の留出はほぼ収まった。留出液の組成はベンゾノルボルナジエンが96%、トリフェニルホスフィンとベンゾノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物が0.5%以下であった。また反応残液の分析の結果ベンゾノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物の転化率は99%であった。
[比較例]
実施例1の充填物を何も入れない空塔で行う以外は同様にして行った。
フラスコを215℃に昇温するとともに、圧力を30torrに減圧したところ、反応が始まり、ガスの発生と液体の留出が見られた。20分で冷却管の入り口が閉塞し反応器内の圧力は100torr以上に上昇しそれ以上に減圧することが不能となった。付着物を分析したところベンゾノルボルナジエンが35%、トリフェニルホスフィン10%、ベンゾノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物55%であった。また反応残液の分析の結果ベンゾノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物の転化率は20%であった。
本発明によれば、脂環式ジカルボン酸無水物の脱カルボニル、脱炭酸反応によりエチレンなどの低級オレフィンとの共重合や開環メタセシス重合により得られるCOCなどのポリオレフィンの原料として有用な環状オレフィン化合物を提供することができる。

Claims (3)

  1. 分離機構を反応器出口に備えた反応器を用いた環状オレフィンの製造方法であって、
    一般式(1)で表される脂環式ジカルボン酸無水物を、ホスフィン配位子の共存下でゼロ価ニッケルを触媒として脱カルボニル、脱炭酸し、生成物である一般式(2)で表される環状オレフィン化合物を製造する工程を有し、
    前記環状オレフィン化合物を製造する工程において、前記分離機構によって、生成物と同伴するホスフィン及び/または脂環式ジカルボン酸無水物を分離する工程含み
    前記ホスフィン配位子の使用量は、前記触媒1モルあたり10モル以上500モル以下の範囲であることを特徴とする環状オレフィンの製造方法。
    Figure 0004974732
    (式中、Xは環を形成するのに必要な非金属原子群を、RおよびR'は水素原子または置
    換基を有することのある炭化水素基を表す。)
    Figure 0004974732
    (式中、Xは環を形成するのに必要な非金属原子群を、RおよびR'は水素原子または置
    換基を有することのある炭化水素基を表す。)
  2. 前記分離機構が塔内に配した邪魔板、金網、デミスター、充填物のいずれか1つまたはこれら2つ以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の環状オレフィンの製造方法。
  3. 前記環状オレフィン化合物を製造する前記工程において、発生する一酸化炭素を、反応系外または反応設備外に排出される前に吸収、吸着、拡散、燃焼のいずれか1つまたはこれら2つ以上の組み合わせにより処理する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の環状オレフィンの製造方法。
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