JP7835807B2 - 回転検出装置 - Google Patents
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Description
この発明は、誘導検出部と磁気検出部とを備える回転検出装置に関する。
特許文献1は、誘導式回転検出器を開示している。この誘導式回転検出機器は、プリント配線基板上の導体パターンで励磁コイルおよび検知コイルを形成し、検知コイルに対向する軌道を通って検出対象となる導電性スクリーンが移動する構成を有している。検知コイルは、軌道に沿って2つのループを並べた形態の8の字状に形成されており、2つのループは巻方向の異なる1ターンずつの2つのコイルをそれぞれ構成している。励磁コイルは、検知コイルを取り囲むように配置されている。
励磁コイルに交流電流を流すと交番磁界が発生し、それによって、検知コイルの2つのループ(コイル)に互いに逆方向の起電圧が誘導され、導電性スクリーンには、渦電流が流れる。2つのループのいずれにも導電性スクリーンが対向していないとき、2つのループの起電圧は釣り合い、検知コイルの出力は零となる。一方、導電性スクリーンに流れる渦電流は、励磁コイルが発生する交番磁界を弱める方向に働くので、検知コイルに導電性スクリーンが対向しているときには、その導電性スクリーンと検知コイルとの相対位置に応じて、2つのループの起電圧に不均衡が生じる。それにより、検知コイルから、導電性スクリーンの位置に対応した出力を得ることができる。
特許文献2および特許文献3は、誘導式検出器および磁気検出器を有する回転検出装置を開示している。検出方式の異なる2つの検出器を併用することによって、冗長性を確保できる利益がある。また、2つの検出器の検出周期を異ならせることにより、適切な信号処理によって、検出周期を拡張することができる。それにより、アブソリュート角度や多回転アブソリュート角度を高精度に測定することができる。
特許文献2は、互いに対向するステータおよびロータを備えたセンサ装置を開示している。ステータを構成する印刷基板には、導体トラックで円環状のゾーンにアンテナが形成されており、そのアンテナから内側に分離した中央ゾーンに磁気抵抗素子またはホールセンサが配置される。一方、ロータは、シャフトと、シャフトの軸端に取り付けられたマグネットと、マグネットの周囲に配置されてシャフトに固定されたモジュレーターとを含む。マグネットが磁気抵抗素子またはホールセンサに対向し、モジュレーターがアンテナに対向する。これにより、アンテナおよびモジュレーターが第1回転角度センサを構成し、磁気抵抗素子またはホールセンサとマグネットとが第2回転角度センサを構成している。
特許文献3は、誘導式測定原理に基づく誘導式検出部と、磁石を用いた磁気検出部とを備えるロータリーエンコーダを開示している。ロータリーエンコーダは、軸線のまわりに互いに相対回転可能な固定子および回転子を有する。固定子は、リング状の走査回路基板を有し、回転子は、走査回路基板に対向するコード板を有する。一つの例では、走査回路基板は、励磁巻線を構成する励磁ランドパターンと、2つの受信器巻線をそれぞれ構成する内側および外側の2つの受信器ランドパターンとを有する。2つの受信器ランドパターンに対応するように、コード板には、内側および外側の目盛りトラックが備えられている。これにより、誘導式検出部が構成されている。磁気検出部は、固定子に設けられたパルスワイヤと、回転子の外縁に固定された磁石とを備える。パルスワイヤは磁石が接近するとパルス電圧を発生する。
特許文献2の構造は、マグネットがロータシャフトの軸端に配置されるため、両軸型や中空型の回転検出装置には適用できない。また、ロータの回転軸線に沿う軸方向に見るときに、第1回転角度センサの検出エリア(環状のゾーン)と第2回転角度センサの検出エリア(中央ゾーン)とを径方向に分離して相互干渉を防止する必要があるので、径方向の小型化が難しい。
特許文献3の構造は、回転軸線上に磁石や角度検出器が配置されていないので、両軸型や中空型の回転検出装置にも適用できる。しかし、誘導式検出部と磁気検出部との検出領域は、径方向に分離されているので、径方向の小型化は難しい。
この発明の一実施形態は、誘導検出部および磁気検出部を併用しながら、径方向の小型化に有利な構造の回転検出装置を提供する。
この発明の実施形態は、以下のような特徴を有する回転検出装置を提供する。
1.回転軸線まわりに回転する第1の支持体と、
前記第1の支持体に対して前記回転軸線に平行な軸方向に空隙を空けて対向する第2の支持体と、
前記第1の支持体の前記回転軸線まわりの回転情報を検出する誘導検出部と、
前記第1の支持体の前記回転軸線まわりの回転情報を検出する磁気検出部と、を含み、
前記誘導検出部は、
前記第1の支持体に保持された検出対象導体と、
前記検出対象導体に対して前記軸方向に対向する配置で前記第2の支持体に保持され、前記軸方向に見るときに前記回転軸線を中心とする環状領域に配置された受信コイルと、
前記第2の支持体に保持され、前記受信コイルに電圧を誘導するための磁界を発生する励磁コイルと、を含み、
前記磁気検出部は、
前記検出対象導体に対して前記第2の支持体とは前記軸方向の反対側に配置され、かつ前記軸方向に見るときに前記環状領域に少なくとも一部が重なるように配置されて前記第1の支持体に保持された検出対象磁石と、
前記受信コイルおよび前記励磁コイルに対して前記第1の支持体とは前記軸方向の反対側に配置され、かつ前記軸方向に見るときに前記環状領域に少なくとも一部が重なるように配置されて前記第2の支持体に保持され、前記検出対象磁石が発生する磁界を検出する磁気センサと、を含む、
回転検出装置。
前記第1の支持体に対して前記回転軸線に平行な軸方向に空隙を空けて対向する第2の支持体と、
前記第1の支持体の前記回転軸線まわりの回転情報を検出する誘導検出部と、
前記第1の支持体の前記回転軸線まわりの回転情報を検出する磁気検出部と、を含み、
前記誘導検出部は、
前記第1の支持体に保持された検出対象導体と、
前記検出対象導体に対して前記軸方向に対向する配置で前記第2の支持体に保持され、前記軸方向に見るときに前記回転軸線を中心とする環状領域に配置された受信コイルと、
前記第2の支持体に保持され、前記受信コイルに電圧を誘導するための磁界を発生する励磁コイルと、を含み、
前記磁気検出部は、
前記検出対象導体に対して前記第2の支持体とは前記軸方向の反対側に配置され、かつ前記軸方向に見るときに前記環状領域に少なくとも一部が重なるように配置されて前記第1の支持体に保持された検出対象磁石と、
前記受信コイルおよび前記励磁コイルに対して前記第1の支持体とは前記軸方向の反対側に配置され、かつ前記軸方向に見るときに前記環状領域に少なくとも一部が重なるように配置されて前記第2の支持体に保持され、前記検出対象磁石が発生する磁界を検出する磁気センサと、を含む、
回転検出装置。
誘導検出部、磁気検出部、検出対象導体、検出対象磁石、磁気センサ、励磁コイル、受信コイルは、それぞれ、単数でもよく、複数個設けられてもよい。
2.前記検出対象導体は、スクリーン状導体を含む、項1に記載の回転検出装置。
3.前記検出対象磁石は、前記回転軸線上に中心を有するリング形状を有し、前記軸方向に磁化されている、項1または2に記載の回転検出装置。
4.前記検出対象磁石は、前記軸方向に磁化され、前記回転軸線上に中心を有する円周に沿って配列された複数の個別磁石を含む、項1または2に記載の回転検出装置。
5.前記複数の個別磁石は、前記軸方向に見るときに、前記スクリーン状導体と全体が重なる配置で前記第1の支持体に保持されている、項4に記載の回転検出装置。
6.前記検出対象導体は、前記回転軸線上に中心を有する円周に沿って環状に形成され、かつ当該円周に対して径方向の凹凸を有する周期的な凹凸パターンの環状コイルパターンである、項1に記載の回転検出装置。
7.前記検出対象磁石は、前記回転軸線上に中心を有するリング形状を有し、前記軸方向に磁化されている、項6に記載の回転検出装置。
8.前記検出対象磁石は、前記軸方向に磁化され、前記回転軸線上に中心を有する円周に沿って配列された複数の個別磁石を含む、項6に記載の回転検出装置。
9.各前記個別磁石の周方向中心位置と、前記凹凸パターンの周方向に隣接する凹部および凸部の中間点の周方向位置とが整合(一致)している、項8に記載の回転検出装置。
10.各前記個別磁石の周方向の幅(角度幅:同じ円周上における長さ)は、前記環状コイルパターンの前記凹凸パターンの周期幅(角度幅:同じ円周上における長さ)の自然数倍である、項8または9に記載の回転検出装置。
11.偶数個の前記個別磁石が、前記回転軸線上に中心を有する前記円周に沿って等間隔で配置されており、前記環状コイルパターンの前記凹凸パターンの前記回転軸線まわりの周期数は奇数である、項8~10のいずれか一項に記載の回転検出装置。
12.前記環状コイルパターンは、
内周環状コイルパターンと、
前記内周環状コイルパターンよりも、径方向の外側に配置された外周環状コイルパターンと、を含む、項8に記載の回転検出装置。
内周環状コイルパターンと、
前記内周環状コイルパターンよりも、径方向の外側に配置された外周環状コイルパターンと、を含む、項8に記載の回転検出装置。
13.各前記個別磁石の周方向中心位置と、前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンのうちの一方の前記凹凸パターンの周方向に隣接する凹部および凸部の中間点の周方向位置とが整合(一致)しており、
各前記個別磁石の周方向の幅(角度幅:同じ円周上における長さ)は、前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンうちの他方の前記凹凸パターンの周期幅(角度幅:同じ円周上における長さ)の自然数倍である、項12に記載の回転検出装置。
各前記個別磁石の周方向の幅(角度幅:同じ円周上における長さ)は、前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンうちの他方の前記凹凸パターンの周期幅(角度幅:同じ円周上における長さ)の自然数倍である、項12に記載の回転検出装置。
14.偶数個の前記個別磁石が、前記回転軸線上に中心を有する前記円周に沿って等間隔で配置されており、
各前記個別磁石の周方向中心位置と、前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンのうち一方の前記凹凸パターンの周方向に隣接する凹部および凸部の中間点の周方向位置とが整合(一致)しており、
前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンのうち他方の前記凹凸パターンの前記回転軸線まわりの周期数は奇数である、項12に記載の回転検出装置。
各前記個別磁石の周方向中心位置と、前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンのうち一方の前記凹凸パターンの周方向に隣接する凹部および凸部の中間点の周方向位置とが整合(一致)しており、
前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンのうち他方の前記凹凸パターンの前記回転軸線まわりの周期数は奇数である、項12に記載の回転検出装置。
15.偶数個の前記個別磁石が、前記回転軸線上に中心を有する前記円周に沿って等間隔で配置されており、
各前記個別磁石の周方向中心位置と、前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンのうち一方の前記凹凸パターンの周方向に隣接する凹部および凸部の中間点の周方向位置とが整合(一致)しており、
各前記個別磁石の周方向の幅(角度幅:同じ円周上における長さ)は、前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンうちの他方の前記凹凸パターンの周期幅(角度幅:同じ円周上における長さ)の自然数倍であり、
前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンのうち前記他方の前記凹凸パターンの前記回転軸線まわりの周期数は奇数である、項12に記載の回転検出装置。
各前記個別磁石の周方向中心位置と、前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンのうち一方の前記凹凸パターンの周方向に隣接する凹部および凸部の中間点の周方向位置とが整合(一致)しており、
各前記個別磁石の周方向の幅(角度幅:同じ円周上における長さ)は、前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンうちの他方の前記凹凸パターンの周期幅(角度幅:同じ円周上における長さ)の自然数倍であり、
前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンのうち前記他方の前記凹凸パターンの前記回転軸線まわりの周期数は奇数である、項12に記載の回転検出装置。
16.前記磁気センサは、ホール素子または磁気抵抗素子を含む、項1~13のいずれか一項に記載の回転検出装置。
17.前記磁気センサは、発電センサを含み、前記発電センサは、大バルクハウゼン効果を発現する磁性ワイヤと、前記磁性ワイヤに巻回されたコイルとを含む、項1~13のいずれか一項に記載の回転検出装置。
18.前記磁気センサは、発電センサを含む第1の磁気センサと、ホール素子または磁気抵抗素子を含む第2磁気センサとを含み、前記発電センサは、大バルクハウゼン効果を発現する磁性ワイヤと、前記磁性ワイヤに巻回されたコイルとを含む、項1~13のいずれか一項に記載の回転検出装置。
19.前記発電センサが、前記回転軸線上に中心を有する円周上の接線と平行に前記磁性ワイヤを向けて当該円周上に配置される、項17または18に記載の回転検出装置。
20.アブソリュート角度を検出する、項1~17のいずれか一項に記載の回転検出装置。
21.多回転アブソリュート角度を検出する、項1~18のいずれか一項に記載の回転検出装置。
この発明によれば、誘導検出部および磁気検出部を併用しながら、径方向の小型化に有利な構造の回転検出装置を提供できる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1Aおよび図1Bは、この発明の一実施形態に係る回転検出装置の構成例を説明するための分解斜視図であり、図2は、その断面図である。図1Aは、図2の構成を分解して斜め上方から見た斜視図であり、図1Bは、図2の構成を分解して斜め下方から見た斜視図である。この場合の上方および下方は、図2に表された姿勢を基準としており、実際の使用状態における上下とは無関係である。
回転検出装置100は、回転軸線3まわりに回転する第1の支持体としての回転子1と、回転子1に対して回転軸線3に平行な軸方向Aに空隙7を空けて対向する第2の支持体としての固定子2とを含み、誘導検出部5および磁気検出部6を備えている。誘導検出部5および磁気検出部6は、いずれも、回転子1の回転軸線3まわりの回転情報を検出する。
回転子1は、この例では、回転軸線3まわりに回転する回転軸4に結合され、回転軸4とともに回転する。回転子1は、たとえばプリント配線基板で構成されている。固定子2は、非回転状態で設置される。固定子2は、たとえばプリント配線基板で構成されている。固定子2には、回転軸4が挿通される開口2cが形成されている。回転子1および固定子2は、回転軸線3に直交する平面に平行な姿勢で、軸方向Aに空隙7を空けて、互いに平行に対向している。回転子1と固定子2とは近接して配置されており、たとえば、空隙7の軸方向Aの距離は0.5mmである。
回転子1および固定子2を構成するプリント配線基板は、複数(たとえば4つ)の配線層を積層した多層プリント配線基板であってもよい。各配線層は典型的には銅箔パターンで構成されており、配線層と別の配線層との間には絶縁層が介在している。銅箔の厚みはたとえば約20μmである。たとえば、プリント配線基板の2つの主面のうちの一方に第1配線層が配置され、0.2mmの絶縁層を挟んで第2配線層が配置され、さらに1.2mmの絶縁層を挟んで第3配線層が配置され、さらに0.2mmの絶縁層を挟んで第4配線層が配置されている。第4配線層は、プリント配線基板の2つの主面のうちの他方に配置されている。むろん、回転子1および固定子2をそれぞれ構成する2枚のプリント配線基板が同じ構造を有している必要はない。
回転子1には、検出対象導体10が保持されている。より具体的には、回転子1を構成するプリント配線基板の固定子2に対向する主面1aの配線層(第1配線層)に検出対象導体10が形成されている。また、回転子1には、検出対象磁石Mが保持されている。より具体的には、回転子1を構成するプリント配線基板の固定子2とは反対側の主面1bに検出対象磁石Mが固定されている。検出対象磁石Mは、たとえば、回転軸線3に平行な軸方向Aに磁化(着磁)されている。
検出対象磁石Mは、図示の例では、回転軸線3上に中心を有する円周150上に間隔(典型的には等間隔)を空けて配置された複数個(具体的には2個)の個別磁石M1,M2,…である。複数の磁石は、円周方向に順に異なる極性の磁極が交互に並ぶように回転子1に固定されている。つまり、図示の例では、回転軸線3まわりに180度の位相で配置された2つの個別磁石M1,M2は、異なる極性の磁極が固定子2に対向するように磁極方向が定められている。回転子1が回転軸線3まわりに回転するとき、検出対象磁石M(個別磁石M1,M2,…)は円周151に沿う円周軌道を通って移動する。個別磁石M1,M2,…は、ネオジウム磁石であってもよく、表面にニッケルメッキが施されていてもよい。
図3Aは回転子1とは反対側から回転軸線3に沿って固定子2を見た平面図であり、図3Bは回転子1の側から回転軸線3に沿って固定子2を見た底面図である。
固定子2には、検出対象磁石Mが発生する磁界を検出する磁気センサ61,62が保持されている。磁気検出部6は、磁気センサ61,62と検出対象磁石Mとを含む。この実施形態では、第1の磁気センサ61および第2の磁気センサ62が固定子2に保持されている。
第1の磁気センサ61は、たとえば発電センサである。発電センサは、大バルクハウゼン効果を発現する磁性ワイヤFEと、磁性ワイヤFEに巻回された巻線SPとを含む。磁性ワイヤFEは、パルスワイヤまたはウィガンドワイヤとも呼ばれ、発電センサはウィガンドセンサとも呼ばれている。発電センサは磁界の変化によって磁性ワイヤFEの磁化方向が反転するときに巻線SPからパルス電圧を発生する。第1の磁気センサ61を構成する発電センサは、回転軸線3上に中心を有する円周151上の接線と平行に磁性ワイヤFEの軸長方向を向けて当該円周上(より具体的には、当該接線の接点)に配置されている。
典型的には、円周151は、軸方向Aに見るとき、検出対象磁石Mの円周軌道(円周150)に重なる。したがって、検出対象磁石Mの円周軌道(円周150)は、第1の磁気センサ61(発電センサ)に最も接近した位置において、第1の磁気センサ61(発電センサ)に対して軸方向Aに対向している。円周軌道(円周150)に沿って検出対象磁石Mが通過するとき、大バルクハウゼン効果が発現して、第1の磁気センサ61はパルス電圧を発生する。
第2の磁気センサ62は、たとえば、ホール素子または磁気抵抗素子であってもよい。第2の磁気センサ62も、検出対象磁石Mの円周軌道(円周150)に対して軸方向Aに対向するように配置されている。
第1の磁気センサ61および第2の磁気センサ62は、たとえば、固定子2を構成するプリント配線基板の回転子1とは反対側の主面2aに実装され、この主面2aに形成された第1配線層に接合されていてもよい。
固定子2には、さらに、誘導検出部5および磁気検出部6のための信号処理を行う信号処理回路8が保持されている。より具体的には、固定子2を構成するプリント配線基板の回転子1とは反対側の主面2a、すなわち、第1の磁気センサ61および第2の磁気センサ62が実装された主面2aに実装されている。信号処理回路8は、たとえば、プリント配線基板の第1配線層に接合されて電気的に接続されている。
固定子2には、回転子1に保持された検出対象導体10と対向するように受信コイル20が保持されている。より具体的には、固定子2を構成するプリント配線基板の回転子1に対向する主面2bに形成された第4配線層と、この第4配線層の隣の配線層である第3配線層とによって、受信コイル20が形成されている。受信コイル20は、軸方向Aに見るときに回転軸線3を中心とする環状領域30(この例では円環状領域。図3A参照)に配置されている。
また、固定子2には、受信コイル20に電圧を誘導するための磁界を発生する励磁コイル40が保持されている。励磁コイル40は、この例では、受信コイル20を取り囲むように環状(この例では円環状)に配置されている。励磁コイル40は、固定子2を構成するプリント配線基板の配線層で構成されている。励磁コイル40を構成する配線層は、受信コイル20と同じ配線層を含んでいてもよいし、異なる配線層を含んでいてもよい。
励磁コイル40に交流電流を流すことにより、励磁コイル40に囲まれた空間には軸方向Aの交番磁界が発生する。この交番磁界により、受信コイル20に電圧が誘導される。交番磁界は、回転子1に形成された検出対象導体10の影響を受ける。それにより、受信コイル20に誘導される電圧が変化する。
誘導検出部5は、検出対象導体10、受信コイル20および励磁コイル40を含む。回転子1と固定子2との空隙7はたとえば0.5mmであり、この場合、検出対象導体10と受信コイル20との距離は約0.5mmである。回転子1を構成するプリント配線基板の厚さが1.6mmである場合、受信コイル20から検出対象磁石Mまでの距離は約2.1mmである。
磁気検出部6を構成する検出対象磁石Mは、軸方向Aに見るときに、受信コイル20が配置された環状領域30に少なくとも一部、この実施形態では全部が重なるように配置されて、回転子1に保持されている。したがって、回転子1とともに検出対象磁石Mが回転するとき、軸方向Aに見ると、受信コイル20が配置された環状領域30内で検出対象磁石Mが回転軸線3まわりに回転する。また、第1の磁気センサ61および第2の磁気センサ62は、軸方向Aに見るときに、受信コイル20が配置された環状領域30に少なくとも一部、この実施形態では全部が重なるように配置されて固定子2に保持されている。
このように、誘導検出部5の検出領域および磁気検出部6の検出領域が軸方向Aに重なっていることにより、回転検出装置100のサイズ、とくに径方向のサイズを小さくすることができる。
図4Aおよび図4Bは、受信コイル20の構成例を説明するための図である。受信コイル20は、固定子2を構成する多層プリント配線基板の第3配線層および第4配線層を構成する銅箔パターンで構成されている。受信コイル20は、この実施形態では、回転軸線3まわりに1/4周期ずれたA相受信コイル20AおよびB相受信コイル20Bを含む。
図4Aに示すA相受信コイル20Aは、第4配線層に形成された第1コイル部23(実線で示す)と、第3配線層に形成された第2コイル部24(破線で示す)とを含む。
第1コイル部23は、始点25から回転軸線3まわりの周方向の一方(図4Aの時計回り方向)に沿って1周し、回転軸線3からの距離が4周期変化するように凹部および凸部が繰り返し現れる周期的な波形パターンを有する。第1コイル部23は、始点25の近傍の折り返し点26で第3配線層の第2コイル部24の一端に接続されている。第2コイル部24は、折り返し点26から回転軸線3まわりの周方向の他方(図4Aの反時計回り方向)に沿って1周し、回転軸線3からの距離が4周期変化するように凹部および凸部が繰り返し現れる周期的な波形パターンを有し、始点25の近傍の終点27で終端している。
第1コイル部23および第2コイル部24の波形パターンは、回転軸線3まわりに1/2周期ずれており、したがって、第1コイル部23の凹部/凸部と第2コイル部24の凸部/凹部とは、互いに整合する角度位置に配置されている。それによって、第1コイル部23の凹部/凸部と第2コイル部24の凸部/凹部とがそれぞれ形成するループが1ターンのコイル部分28を構成し、合計で8個のコイル部分28を形成している。この8個のコイル部分28は、周方向に沿って順に交互に巻き方向の異なるコイルである。したがって、A相受信コイル20Aは、交互に巻き方向の異なる8個のコイル部分28が直列に接続された形態を有している。
図4Bに示すB相受信コイル20Bの構成も実質的に同様であり、図4Bの各部には図4Aの対応部分と同じ参照符号を付してある。ただし、先に説明したとおり、A相コイルとB相コイルとは、回転軸線3まわりに1/4周期ずれた配置となっている。
回転子1が回転軸線3まわりに回転すると、回転子1上の検出対象導体10と、固定子2上の受信コイル20との対向位置関係が変化し、それに応じて、受信コイル20に誘導される電圧が変化する。したがって、受信コイル20に誘導される電圧に基づいて回転子1の回転位置情報を取得できる。また、回転子1が回転軸線3まわりに回転すると、回転子1に保持された検出対象磁石Mと、固定子2に保持された磁気センサ61,62との対向位置関係が変化し、それに応じて、磁気センサ61,62によって検出される磁界が変化する。したがって、磁気センサ61,62の出力信号に基づいて、回転子1の回転位置情報を取得できる。
図12に示すように、信号処理回路8は、誘導検出部5に関する信号処理を行う第1信号処理部81(誘導検出処理部)と、磁気検出部6に関する信号処理を行う第2信号処理部82(磁気検出処理部)とを含む。第1信号処理部81は、励磁コイル40に交流電流を供給し、受信コイル20に誘導される電圧を検出して信号処理を行うことにより、回転子1の回転位置を表す第1回転位置情報を演算する第1回転位置演算処理を行う。第2信号処理部82は、磁気センサ61,62の出力信号に基づいて、回転子1の回転位置を表す第2回転位置情報を演算する第2回転位置演算処理を行う。信号処理回路8は、さらに、第1回転位置情報および第2回転位置情報の一方または両方を用いて、回転子1の回転位置を表す回転位置情報を求めて出力する演算処理部83を含む。たとえば、第1回転位置情報は、回転子1の回転軸線3まわりの1回転内の精密な(高分解能の)回転角を表す精密角度情報であってもよい。また、第2回転位置情報は、回転子1の回転軸線3まわりの回転数を表す回転数情報であってもよい。この場合、演算処理部83は、誘導検出部5を精密角度検出器として用い、磁気検出部6は誘導検出部5の検出範囲拡大のための周期判別に利用して、角度情報を求めてもよい。
次に、誘導検出部5および磁気検出部6の相互の影響、とくにそれらの検出領域が軸方向Aに重なっていることによる影響について考える。まず、磁気検出部6が受ける影響について説明し、次に誘導検出部5が受ける影響について説明する。
磁気検出部6は、検出対象磁石Mと、磁気センサ61,62とを含み、これらの間には、回転子1を構成するプリント配線基板と、固定子2を構成するプリント配線基板とが介在している。プリント配線基板は、ガラスエポキシ樹脂やフェノール樹脂などで構成される絶縁層と、銅箔パターンなどで構成される配線層とを交互に積層して構成されている。絶縁層および配線層はいずれも非磁性材料であるので、磁界に影響を与えない。したがって、回転子1および固定子2による磁気検出部6に対する影響はない。
誘導検出部5の励磁コイル40に交流電流を流すことにより、交番磁界が発生する。しかし、発生する交番磁界は、磁気検出部6の検出対象磁石Mが発生する磁界に比較すると微弱であるため、磁気検出部6での検出に対する影響はほとんどない。また、誘導検出部5の励磁コイル40の励磁周波数は、たとえば約3MHz程度の高周波であるのに対して、磁気検出部6で検出される信号周波数は、1kHzにも満たない低周波である。したがって、必要であれば、ローパスフィルタ等を用いて高周波成分を分離して除去することにより、励磁コイル40が発生する高周波交番磁界の影響を排除できる。
また、前述のように、誘導検出部5を高精度な角度検出器として用い、磁気検出部6は誘導検出部5の検出範囲拡大のための周期判別に利用する場合には、磁気検出部6の検出精度は最終的な回転位置情報の精度には影響しない。したがって、磁気検出部6が誘導検出部5からの多少の影響を受けることは、実際上、問題とはならない。
このように、誘導検出部5と磁気検出部6との検出領域が軸方向Aに重なることによって磁気検出部6が受ける影響はほとんど問題とならない。
一方、誘導検出部5は、磁界の変化によって誘導される電圧を検出する。より具体的には、励磁コイル40を励磁するときの励磁周波数(搬送周波数)で変化する成分を受信コイル20の出力信号から抽出して検出する。前述のとおり、励磁周波数は、約3MHz程度の高周波であるのに対して、磁気検出部6の検出対象磁石Mが発生する磁界は、回転子1が停止している状態では変化せず、回転状態であっても1kHzにも満たない低周波である。よって、磁気検出部6の検出対象磁石Mが発生する磁界の影響はない。
また、誘導検出部5の励磁コイル40および受信コイル20は、いずれもコアレスの空芯コイルである。コイルのコアに磁性体を使っている場合には、外部磁界による磁性体の磁気飽和等による特性変化が生じる場合があるが、この実施形態では、このような特性変化は生じない。この観点からも、検出対象磁石Mからの誘導検出部5への影響はない。
検出対象磁石Mが導体である場合には、励磁コイル40が発生する交番磁界によって渦電流が誘導され、この渦電流が受信コイル20に鎖交する磁界を弱める働きをするので、誘導検出部5による検出に対して影響を与えるおそれがある。たとえば、ネオジウム磁石は導体であり、その表面にメッキされるニッケルも導体である。したがって、検出対象磁石Mが導体である場合には、その影響を少なくするための工夫が必要となることがある。
図5~図7は、検出対象導体10がスクリーン状導体Sで構成されるときの検出対象磁石Mの配置例を示す。スクリーン状導体Sとは、面状に広がった導体である。回転子1を軸方向Aに見るときに、スクリーン状導体Sが配置された領域は導体部を構成し、スクリーン状導体Sが配置されていない領域は不導体部を構成する。スクリーン状導体Sは、回転子1が回転軸線3まわりに回転するときに、受信コイル20が備える複数のコイル部分28(図4Aおよび図4Bの例では8個のコイル部分28)のそれぞれと重なる導体部および不導体部の比率が周期的に変化するパターンで回転子1に形成される。
図5~図7の例では、回転軸線3まわりに間隔(この例では等間隔)を空けて複数個(この例では4個)のスクリーン状導体Sが配置されている。複数個のスクリーン状導体Sの形状は、この例では、実質的に合同であり、中心角付近を部分的に切り取った扇形である。扇形の中心角は約45度であり、隣り合うスクリーン状導体Sの間には、回転軸線3まわりに約45度の角度間隔が空けられている。複数のスクリーン状導体Sは、回転軸線3まわりに回転対称(図示の例では4回対称)となるように配置されている。
検出対象磁石Mは、図5および図7の例では、複数個(この例では2個)の個別磁石M1,M2,…であり、図6の例では回転軸線3を中心としたリング形状(具体的には円環状)の一つのリング磁石Mrである。リング磁石Mrは、軸方向Aに磁化(着磁)されており、軸方向Aから見るときに、円周150に沿って周方向にN極とS極とが交互に並ぶように着磁された多極着磁磁石(たとえば4極着磁磁石)である。回転子1が回転軸線3まわりに回転するとき、リング磁石Mrの磁極は、円周150に沿う円周軌道上を移動する。
図5および図6の例では、検出対象磁石Mは、軸方向Aに見るときに、スクリーン状導体Sから一部がはみ出す位置で回転子1に保持されている。図7の例は、検出対象磁石Mの全部がスクリーン状導体Sと重なる配置を示す。
励磁コイル40が発生する交番磁界によってスクリーン状導体Sに渦電流が誘導される。この渦電流は交番磁界を弱める方向の磁界を生じ、それによって、対向する受信コイル20のコイル部分28(図4Aおよび図4B参照)に誘導される電圧を弱める。
検出対象磁石Mが導体であるときには、検出対象磁石Mの受信コイル20側の表面にも同様に渦電流が誘導され、この渦電流により生じる磁界は、対向する受信コイル20のコイル部分28に誘導される電圧を弱める。
誘導検出部5の検出対象であるスクリーン状導体Sと、誘導検出部5の検出対象ではない検出対象磁石Mの導体とは、同様の働きをするので、検出対象磁石Mの表面の渦電流に起因するノイズ成分を信号処理によって除去することは難しい。検出対象磁石Mは、スクリーン状導体Sよりも受信コイル20から遠いが、受信コイル20に誘導される電圧に影響を与え、したがって、誘導検出部5による回転検出の精度に影響を与えるおそれがある。
磁力は距離の2乗に反比例する。受信コイル20と検出対象導体10との距離は回転子1と固定子2の距離にほぼ等しく、たとえば約0.5mmである。これに回転子1を構成するプリント配線基板の厚さ、たとえば1.6mmを加えると、受信コイル20と検出対象磁石Mの表面との距離は、たとえば約2.1mmである。受信コイル20から比較的遠くに配置されている検出対象磁石Mの表面に流れる渦電流の影響は、受信コイル20から比較的近くに配置されているスクリーン状導体Sに流れる渦電流の影響に比べて小さい。
したがって、この実施形態の構造においては、検出対象磁石Mの表面の渦電流の影響による多少の精度低下はあるとしても、誘導検出部5は、スクリーン状導体Sの位置を必要充分な精度で検出することができる。
回転子1を構成するプリント配線基板の厚みを増やし、検出対象磁石Mを更に遠ざければ影響は一層軽減できる。ただし、磁気センサ61,62と検出対象磁石Mとの間の距離が長くなるので、磁気検出部6の検出精度とのトレードオフを考慮することが好ましい。
図5、図6および図7の配置例のなかでは、図6および図7の配置が比較的好ましい。
図5および図6の配置例においては、スクリーン状導体Sに対して検出対象磁石Mが部分的に重なり、検出対象磁石Mの一部がスクリーン状導体Sを介在することなく受信コイル20に対向する。図6の配置例においては、リング磁石Mrの表面に誘導される渦電流に起因する磁界は、受信コイル20に誘導される電圧を少し下げるが、回転軸線3まわりの全周にわたって影響は均一であるので検出精度の低下を招かない。一方、図5の配置例においては、検出対象磁石Mによる影響は全周にわたって均一であるとは言えず、図6の配置例に比較すると不利である。リング磁石Mrは、検出対象導体10を後述する環状コイルパターンC(図8参照)で構成する場合にも有効である。
図7の配置例においては、スクリーン状導体Sに対して検出対象磁石Mの全体が重なっており、受信コイル20から見ると、検出対象磁石Mの全体がスクリーン状導体Sの背後に位置している。スクリーン状導体Sの遮蔽効果により、励磁コイル40により誘導される磁界が遮蔽されるので、検出対象磁石Mに到達する磁束が大幅に減少し、それに応じて、検出対象磁石Mの表面に誘導される渦電流が減少する。また、検出対象磁石Mの表面の渦電流によって発生する磁界も、スクリーン状導体Sによって遮蔽され、受信コイル20に届き難い。したがって、検出対象磁石Mが誘導検出部5の検出精度に与える影響を小さくすることができる。
図8は、検出対象導体10の他の例である環状コイルパターンCの一例を示す。
環状コイルパターンCは、回転軸線3上に中心を有する円周13に沿って環状に形成され、かつ当該円周13に対して径方向の凹凸を有する周期的な凹凸パターンである。環状コイルパターンCは、線状の導体パターンで構成された無端状のパターンである。すなわち、環状コイルパターンCは、回転軸線3からの距離が周方向位置に応じて周期的に変わる線状導体パターンである。
環状コイルパターンCは、径方向に(回転軸線3から離れるように)突出する凸部11と、径方向に(回転軸線3に近づくように)窪む凹部12とを回転軸線3まわりの周方向に交互に配置して構成されている。図8の例では、環状コイルパターンCは、複数個(具体的には4個)の凸部11と複数個(具体的には4個)の凹部12とを有し、回転軸線3まわりに回転対称(図示の例では4回対称)となるように形成されている。この例では、4個の凸部11および4個の凹部12は、回転軸線3まわりにそれぞれ45度の角度範囲の領域に形成されている。
環状コイルパターンCは、回転軸線3上に中心を有する外側円周14に沿って形成された4個の外側円弧部16と、回転軸線3上に中心を有する内側円周15に沿って形成された4個の内側円弧部17と、外側円弧部16の端部と内側円弧部17とを繋ぐように形成された8個の直線部18とを有している。図示の例では、直線部18は、径方向に沿っているが、径方向に対して傾斜していてもよい。外側円弧部16とその両端に結合された2つの直線部18が凸部11を形成しており、内側円弧部17とその両端に結合された2つの直線部18が凹部12を形成している。
励磁コイル40が発生する交番磁界によって環状コイルパターンCに誘導電流i(図8には回転軸線3まわりの時計回り方向に流れる誘導電流を示す。)が流れると、この誘導電流iによって凸部11および凹部12において、回転軸線3に平行な方向の磁界Bが発生する。磁界Bの方向は、凸部11と凹部12とで反対方向(回転軸線3に平行な一方向と他方向)となり、凸部11および凹部12は、正の磁束領域B+および負の磁束領域B-を形成する。凸部11および凹部12と正および負の磁束領域B+,B-との関係は、誘導電流iの方向に応じて反転する。よって、凸部11および凹部12の一方は、励磁コイル40が発生する磁界を強め、それらのうちの他方は励磁コイル40が発生する磁界を弱める。
回転子1とともに環状コイルパターンCが回転軸線3まわりに回転することにより、受信コイル20の各コイル部分28(図4Aおよび図4B参照)に対する正の磁束領域B+と負の磁束領域B-との対向面積比率が変化し、それに応じて、受信コイル20には、回転子1の回転位置に応じた電圧が誘起される。
回転軸線3からの距離が回転軸線3まわりの周方向位置に応じて周期的に変化する形状の環状コイルパターンCは、円周13に対して、内側の領域と外側の領域を有する。回転軸線3からの距離の変化はなだらかでもよい。ただし、図8のように2つの距離(外側円弧部16までの距離と内側円弧部17までの距離)を急峻に切り替えるパターンの方が、受信コイル20のコイル部分28(図4Aおよび図4B参照)に対向する正の磁束領域B+および負の磁束領域B-の面積の変化を大きくできるので信号電圧を大きくできる。
スクリーン状導体Sが渦電流により磁束変化を妨げ、受信コイル20に誘導される電圧を減少させる方向にのみに作用するのに対して、環状コイルパターンCには正負両方向の磁束が発生し、それらを受信コイル20に作用させることができる。それにより、受信コイル20から出力される信号電圧を大きくできるので、検出対象磁石Mの影響を相対的に小さくできる。したがって、環状コイルパターンCを検出対象導体10として用いることにより、スクリーン状導体Sを用いる場合に比較して、検出対象磁石Mの影響を小さくできる。
図9~図11は、検出対象導体10が環状コイルパターンCで構成されるときの検出対象磁石Mの配置例を示す。いずれの配置例においても、軸方向Aから見るとき、環状コイルパターンCが形成されている環状の領域(図8の外側円周14および内側円周15により区画される環状の領域)内に検出対象磁石Mの全体が配置されている。
図9の配置例では、検出対象磁石Mは、回転軸線3まわりの周方向に間隔を空けて配置された複数個(この例では2個)の個別磁石M1,M2,…を含む。個別磁石M1,M2,…は、この例では、円筒形(円柱状)の磁石であり、磁化方向(着磁方向)は回転軸線3に平行である。
軸方向Aに見るときに、各個別磁石M1,M2,…は、周方向中心位置を通るように回転軸線3から延ばした半径に対して線対称の形状を有している。そして、各個別磁石M1,M2,…の周方向中心位置161と、環状コイルパターンCの凹凸パターンの周方向に隣接する凸部11および凹部12の中間点(直線部18の中点)の周方向位置とが整合(一致)している。すなわち、環状コイルの、回転軸線3からの距離の切り替わり部の中心位置と検出対象磁石Mの周方向中心位置161とが整合(一致)している。これにより、各個別磁石M1,M2,…は、周方向の幅に関わらず、正の磁束領域と負の磁束領域とに等しい面積で対向する(重なる)ように配置されている。したがって、個別磁石M1,M2,…は、正の磁束と負の磁束とに均等に影響を与えるので、誘導検出部5の検出精度に与える影響が少ない。
図10の配置例では、検出対象磁石Mは、回転軸線3まわりの周方向に間隔を空けて配置された複数個(この例では2個)の個別磁石M1,M2,…を含む。個別磁石M1,M2,…は、この例では回転軸線3上に中心を有する円弧状である。複数の個別磁石M1,M2,…は回転軸線3上に中心を有する円周150に沿って配置されており、円周150に沿う円弧状である。軸方向Aに見るときに、円周13,150はほぼ重なり合っていてもよい。
軸方向Aに見るときに、各個別磁石M1,M2,…は、周方向中心位置162を通るように回転軸線3から延ばした半径に対して線対称の形状を有している。個別磁石M1,M2,…の周方向の幅163(角度幅または円周13,150上における長さ)は、環状コイルパターンCの凹凸パターンの周期幅164(角度幅または円周13,150上における長さ)の自然数倍である。
図示の例では、個別磁石M1,M2,…の周方向の幅163は環状コイルパターンCの凹凸パターンの周期幅164の1倍であるが、たとえば、個別磁石M1,M2,…の周方向の幅163はそのままで、環状コイルパターンCの凹凸パターンの1回転内の周期数を2倍、3倍、…などとして、個別磁石M1,M2,…の周方向の幅163が凹凸パターンの周期幅164の2倍、3倍、…などとなる配置としてもよい。このような配置により、個別磁石M1,M2,…は、周方向の配置に関わらず、正の磁束領域と負の磁束領域とに等しい面積で対向する(重なる)。したがって、正の磁束と負の磁束とに均等に影響を与えるので、誘導検出部5の検出精度に与える影響が少ない。
図11の配置例では、検出対象磁石Mは、回転軸線3上に中心を有する円周150に沿って等間隔で配置された偶数個(図示の例では2個)の個別磁石M1,M2,…を含む。そして、環状コイルパターンCの凹凸パターンの周期数(1回転内の周期数)は奇数(図示の例では3)である。
この場合、回転軸線3を挟んで反対側(180度の位相差の位置)に配置された2つの個別磁石M1,M2は、環状コイルパターンCの凹凸パターンに対して逆位相の相対配置となる。そのため、複数の個別磁石M1,M2,…の全体では、正の磁束領域に対向する面積と負の磁束領域に対向する面積とが等しい。したがって、個別磁石M1,M2,…正の磁束と負の磁束とに均等に影響を与えるので、誘導検出部5の検出精度に与える影響が少ない。
前述のとおり、リング磁石Mr(図6参照)を環状コイルパターンCと組み合わせた配置も、誘導検出部5の検出精度に与える影響が少ない。
図13、図14Aおよび図14Bは、この発明の他の実施形態に係る回転検出装置101の構成を説明するための図であり、図13は図2と同様な断面図、図14Aは固定子2の底面図、図14Bは回転子1の平面図である。図13、図14Aおよび図14Bにおいて、図1~図3Bに示した各部に対応する部分は同一参照符号を付して示す。また、図4A~図12を必要に応じて参照する。
この回転検出装置101は、回転軸線3まわりに回転する第1の支持体としての回転子1と、回転子1に対して回転軸線3に平行な軸方向Aに空隙7を空けて対向する第2の支持体としての固定子2とを含み、誘導検出部5および磁気検出部6を備えている。誘導検出部5および磁気検出部6は、いずれも、回転子1の回転軸線3まわりの回転情報を検出する。この実施形態では、誘導検出部5は、回転子1の回転軸線3まわりの1回転内の精密なアブソリュート角度を検出する精密アブソリュート角度検出器である。そして、磁気検出部6は、回転子1の回転軸線3まわりの回転数に対応する多回転情報を検出する多回転検出器である。
固定子2は、プリント配線基板、より具体的には4層プリント配線基板で構成されている。固定子2を構成するプリント配線基板の回転子1とは反対側の表面には、検出対象磁石Mが発生する磁界を検出する第1の磁気センサ61および第2の磁気センサ62が実装されている。第1の磁気センサ61は、たとえば発電センサである。第2の磁気センサ62は、たとえば、ホール素子または磁気抵抗素子であり、回転軸線3に平行な軸方向Aの磁界を検出する。第1の磁気センサ61(発電センサ)および第2の磁気センサ62は、固定子2を構成するプリント配線基板の回転子1とは反対側に位置する第1配線層を構成する銅箔パターンに接合(たとえば半田付け)されている。第1の磁気センサ61および第2の磁気センサ62の構成および配置は前述の実施形態と同様である。
固定子2には、さらに、誘導検出部5および磁気検出部6のための信号処理を行う信号処理回路8が保持されている。より具体的には、固定子2を構成するプリント配線基板の回転子1とは反対側の主面2a、すなわち、第1の磁気センサ61および第2の磁気センサ62が実装された主面2aに実装されている。信号処理回路8は、たとえば、プリント配線基板の第1配線層に接合されて電気的に接続されている。
固定子2を構成するプリント配線基板には、励磁コイル40が形成されている。励磁コイル40は、具体的には、プリント配線基板の回転子1に対向する表面の配線層、すなわち第4配線層の銅箔パターンによって構成されている。図14Aに示すように、励磁コイル40は、回転軸線3上を中心とした同心円状の外周側励磁コイル41および内周側励磁コイル42を有し、それらは反対向きに直列に接続されていて、外周側励磁コイル41および内周側励磁コイル42の直列回路の両端43,44に交流電圧が印加される。図示の例では、外周側励磁コイル41および内周側励磁コイル42はそれぞれ1ターンのコイルであるが、巻き数は複数であってもよい。
図14Aの紙面において外周側励磁コイル41に時計回り方向(右まわり)の電流が流れているときには内周側励磁コイル42には反時計回り方向(左まわり)の電流が流れ、2つのコイルに挟まれた環状の領域には、図14Aの紙面の奥側に向かう方向の磁束が発生する。図14Aの紙面において外周側励磁コイル41に反時計回り方向(左まわり)の電流が流れているときには内周側励磁コイル42には時計回り方向(右まわり)の電流が流れ、2つのコイルに挟まれた環状の領域には、図14Aの紙面の手前に向かう方向の磁束が発生する。
外周側励磁コイル41と内周側励磁コイル42とに挟まれた環状の領域に、2組の受信コイル、すなわち外周受信コイル21および内周受信コイル22が配置されている。外周受信コイル21および内周受信コイル22は、回転軸線3上に中心を有する同心円状に配置された2つの環状領域、すなわち、外周受信コイル領域31および内周受信コイル領域32に形成されている。外周受信コイル21および内周受信コイル22は、固定子2を構成するプリント配線基板の回転子1に対向する主面2bに形成された第4配線層(銅箔パターン)と、この第4配線層の隣の配線層である第3配線層(銅箔パターン)とによって形成されている。
外周受信コイル21および内周受信コイル22は、それぞれ、図4Aおよび図4Bの受信コイル20と同様に、A相受信コイルおよびB相受信コイルの組で構成されている。ただし、周期数は、図4Aおよび図4Bの例とは異なり、たとえば、外周受信コイル21は1周で16周期変化する波形パターンで構成されており、内周受信コイル22は1周で15周期変化する波形パターンで構成されている。
回転子1を構成するプリント配線基板には、固定子2に対向する主面1aに検出対象導体10が保持され、固定子2とは反対の主面1bに検出対象磁石Mが保持されている。検出対象導体10は、環状コイルパターンC1,C2で構成されている。より具体的には、回転軸線3上に中心を有する同心円状に2つの環状コイルパターン、すなわち、外周環状コイルパターンC1および内周環状コイルパターンC2が設けられている。これらの2つの環状コイルパターンC1,C2は、プリント配線基板の回転子1に対向する表面に形成された配線層(銅箔パターン)で構成されている。回転子1の固定子2とは反対側にはコイルパターンは設けられないので、回転子1を構成するプリント配線基板は片面プリント配線基板で足りるが、むろん、多層プリント配線基板や両面プリント配線基板を用いても差し支えない。
外周環状コイルパターンC1は、軸方向Aに見るときに、外周受信コイル領域31と重なるように、すなわち外周受信コイル21と重なるように配置されている。同様に、内周環状コイルパターンC2は、軸方向Aに見るときに、内周受信コイル領域32と重なるように、すなわち内周受信コイル22と重なるように配置されている。
環状コイルパターンC1,C2は、図8の場合と同様に、回転軸線3からの距離が周方向位置に応じて周期的に変化する波形(この例では矩形波形)の線状導体パターンで構成されている。ただし、周期数は、図8の例とは異なり、たとえば、外周環状コイルパターンC1は1周で16周期変化する波形(矩形波形)パターンで構成されており、内周環状コイルパターンC2は1周で15周期変化する波形(矩形波形)パターンで構成されている。
検出対象磁石Mは、この実施形態では、扇形(より正確には中心角付近の部分を切除した扇形、すなわち円弧状)の個別磁石M1,M2,…である。個別磁石M1,M2,…の着磁方向は回転軸線3と平行である。複数(より具体的には4個)の個別磁石M1,M2,M3,M4が、回転軸線3まわりの周方向に間隔を空けて配置されている。すなわち、回転軸線3まわりに90度ずつの角度間隔を空けて、換言すれば、回転軸線3上に中心を有する円周150上に等しい間隔を空けて、4つの個別磁石M1,M2,M3,M4が配置されている。4つの個別磁石M1,M2,M3,M4は、固定子2に対向する磁極が、N極とS極とで交互に入れ替わる周方向配列となるように回転子1に固定されている。それにより、1回転で2周期の交番磁界が発生し、この交番磁界が第1の磁気センサ61および第2の磁気センサ62によって検出される。
第1の磁気センサ61および第2の磁気センサ62は、回転軸線3まわりに回転子1が回転するときに個別磁石M1,M2,…が通る円周軌道(円周150に沿う軌道)に対して軸方向Aに対向する位置において、固定子2に固定されている。
個別磁石M1,M2,…は、軸方向Aに見るときに、環状領域30、すなわち、それぞれ環状の外周受信コイル領域31および内周受信コイル領域32に重なるように配置されている。すなわち、軸方向Aに見るときに、個別磁石M1,M2,…は、外周受信コイル領域31および内周受信コイル領域32の両方と重なっている。よって、軸方向Aに見るとき、個別磁石M1,M2,…の配置は、外周環状コイルパターンC1および内周環状コイルパターンC2と重なる配置となっている。
個別磁石M1,M2,…は、外周環状コイルパターンC1に対しては図9の場合と同様の配置となっており、内周環状コイルパターンC2に対しては図10の場合と同様の配置となっている。
すなわち、複数の個別磁石M1,M2,…は回転軸線3上に中心を有する円周に沿って配置されている。軸方向Aに見るときに、各個別磁石M1,M2,…は、周方向中心位置を通るように回転軸線3から延ばした半径に対して線対称の形状を有している。個別磁石M1,M2,…の周方向中心位置161は、外周環状コイルパターンC1の半径の切り換わり位置の周方向位置と一致している。そのため、軸方向Aに見るときに、個別磁石M1,M2,…は、外周環状コイルパターンC1の正の磁束領域に重なる部分の面積と負の磁束領域に重なる部分の面積とが等しい。したがって、個別磁石M1,M2,…は、正方向磁束および負方向磁束に対して均等に影響を与えるので、外周受信コイル21の出力信号に基づく検出精度への影響が少ない。
一方、個別磁石M1,M2,…の周方向の幅163は、内周環状コイルパターンC2の凹凸パターンの周期幅164の自然数倍であり、図示の例では内周環状コイルパターンC2の凹凸パターンの周期幅164に等しい。そのため、個別磁石M1,M2,…は、周方向位置に関係なく、内周環状コイルパターンC2の正の磁束領域および負の磁束領域に等しい面積で対向する。それにより、個別磁石M1,M2,…は、正方向磁束および負方向磁束に対して均等に影響を与えるので、内周受信コイル22の出力信号に基づく検出精度への影響が少ない。
また、図示の例では、個別磁石M1,M2,…の数は4個で偶数であり、内周環状コイルパターンC2の周期数は15で奇数であるので、図11の配置と同様となっている。そのため、回転軸線3を挟んで反対側(180度の位相差の位置)に位置する2つの個別磁石M1,M3;M2,M4は内周環状コイルパターンC2に対して逆位相となる。したがって、全ての個別磁石M1,M2,…が正の磁束領域に対向する総面積と、全ての個別磁石M1,M2,…が負の磁束領域に対向する総面積とが等しい。よって、複数の個別磁石M1,M2,…は、正方向磁束および負方向磁束に対して均等に影響を与えるので、内周受信コイル22の出力信号に基づく検出精度への影響が少ない。
なお、個別磁石M1,M2,…は、外周環状コイルパターンC1に対して図10の場合と同様の配置とし、内周環状コイルパターンC2に対して図9の場合と同様の配置としてもよい。この場合、個別磁石M1,M2,…は、外周環状コイルパターンC1に対して、図11の場合と同様の配置としてもよい。
回転子1が回転軸線3まわりに回転するとき、外周受信コイル21からは1回転あたり16周期の角度信号が得られ、内周受信コイル22からは1回転あたり15周期の角度信号が得られる。そして、16周期/回転の角度信号と15周期/回転の角度信号と信号処理回路8の第1信号処理部81(誘導検出処理部)で適切に信号処理することにより、1周期/回転のアブソリュート角度情報を得ることができる。
第1の磁気センサ61を構成する発電センサは、回転軸線3上に中心を有する円周151上の接線と平行に磁性ワイヤFEの軸長方向を向けて当該円周151上(より具体的には、当該接線の接点)に配置されている。回転子1が回転軸線3まわりに回転するとき、検出対象磁石Mは、回転軸線3まわりの円周軌道(円周150に沿う軌道)に沿って移動する。その円周軌道は、第1の磁気センサ61(発電センサ)に最も接近した位置において、第1の磁気センサ61(発電センサ)に対して軸方向Aに対向している。円周軌道に沿って第1の磁気センサ61の近傍を個別磁石M1,M2,…が通過するとき、大バルクハウゼン効果が発現して、第1の磁気センサ61はパルス電圧を発生する。4個の個別磁石M1,M2,M3,M4が円周軌道に沿って回転することにより、たとえば、1回転あたり、4個のパルス電圧が発生する。
回転子1が時計回り方向に回転するときには、N極が第1の磁気センサ61の近傍を通過するときに正極性のパルス電圧が発生し、S極が第1の磁気センサ61の近傍を通過するときに負極性のパルス電圧が発生する。一方、回転子1が反時計回り方向に回転するときには、N極が第1の磁気センサ61の近傍を通過するときに負極性のパルス電圧が発生し、S極が第1の磁気センサ61の近傍を通過するときに正極性のパルス電圧が発生する。
第2の磁気センサ62は、第1の磁気センサ61がパルス電圧を発生するときに、第1の磁気センサ61の近傍を通過する磁極の極性(第1の磁気センサ61に対向している磁極の極性)を判別する。4個の個別磁石M1,M2,M3,M4の磁極の配列は予め分かっているので、第1の磁気センサ61に一つの個別磁石M1,M2,…が対向するときに、4個の個別磁石M1,M2,M3,M4のいずれかの磁極に対向するように第2の磁気センサ62が配置されれば、第1の磁気センサ61の近傍を通過する磁極の極性を判別できる。図示の例では、第1の磁気センサ61と180度位相をずらして第2の磁気センサ62が配置されており、したがって、第1の磁気センサ61の近傍に位置する磁極と同じ極性の磁極が第2の磁気センサ62によって検出される。
信号処理回路8は、図12に示すように、誘導検出部5に関する信号処理を行う第1信号処理部81(誘導検出処理部)と、磁気検出部6に関する信号処理を行う第2信号処理部82(磁気検出処理部)とを含む。第1信号処理部81は、励磁コイル40に交流電流を供給し、受信コイル21,22に誘導される電圧を検出して信号処理を行うことにより、回転子1の回転位置を表す第1回転位置情報を演算する第1回転位置演算処理を行う。第2信号処理部82は、磁気センサ61,62の出力信号に基づいて、回転子1の回転位置を表す第2回転位置情報を演算する第2回転位置演算処理を行う。第1回転位置情報は、1回転内の精密なアブソリュート角度情報、すなわち1回転アブソリュート角度情報である。第2回転位置情報は、回転子1の回転軸線3まわりの回転数に対応する多回転情報、すなわち回転数情報である。信号処理回路8は、さらに、第1回転位置情報および第2回転位置情報を統合して多回転アブソリュート角度情報を演算する演算処理部83を備えている。こうして、この実施形態の回転検出装置101は、アブソリュート角度検出装置、より具体的には多回転アブソリュート角度検出装置を構成している。
たとえば、信号処理回路8の第2信号処理部82(磁気検出処理部)は、第1の磁気センサ61(発電センサ)が発生するパルス電圧の極性と、第2の磁気センサ62(ホール素子等)の出力信号とに基づいて、回転子1の回転方向を判別する。そして、その回転方向の判別結果に基づき、第1の磁気センサ61がパルス電圧を発生するごとに回転量のカウントを行う。カウント値は、パルス電圧が発生するごとに更新され、第2信号処理部82に備えられる不揮発性メモリ(図示せず)に保存される。
第2の磁気センサ62(ホール素子)および第2信号処理部82(磁気検出処理部)は、外部電源から供給される電力によって動作でき、かつ第1の磁気センサ61(発電センサ)が発生するパルス電圧の電力によっても動作可能である。したがって、第1の磁気センサ61のパルス電圧に基づくカウント動作は、外部電源の遮断中も継続され、更新されたカウント値はパルス電圧のエネルギーが残存している間に不揮発性メモリに保存される。つまり、磁気検出部6(多回転検出部)による回転情報の検出は、電源遮断中にも継続される。
信号処理回路8の第1信号処理部81(誘導検出処理部)および演算処理部83は、外部電源の供給時にのみ回転情報検出動作が可能である。そこで、第1信号処理部81は、外部電源が供給されているときに、2つの受信コイル21,22の出力信号に基づいて、1回転内の精密なアブソリュート角度を検出する。この1回転精密アブソリュート角度と磁気検出部6(多回転検出部)のカウント値とが演算処理部83によって統合されることによって、多回転に渡る精密なアブソリュート角度を求めることができる。
このように、この実施形態によれば、誘導検出部5および磁気検出部6を備えるアブソリュート角度検出装置、より具体的には多回転アブソリュート角度検出装置を実現できる。そして、軸方向Aから見ると、誘導検出部5および磁気検出部6の検出領域が重なり合って共有されている。それにより、小型化、とくに径方向の小型化を実現でき、しかも検出精度が損なわれることもない。
以上、この発明の実施形態について説明してきたが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、検出対象導体10を構成するスクリーン状導体Sの例について、受信コイル20,21,22との対向関係が1回転あたり複数周期の変化を示すパターンの例を示したが(図5、図6および図7参照)、1回転あたり1周期の変化を示すパターンであってもよい。たとえば、回転軸線3まわりの180度の角度範囲に渡る扇形の一つのスクリーン状導体を検出対象導体10として用いたり、回転軸線3に対して偏心配置された円形や楕円形の一つのスクリーン状導体を検出対象導体10として用いたりしてもよい。すなわち、スクリーン状導体Sは、受信コイル20,21,22のコイル部分28に対する導体部/非導体部の対向面積が回転子の回転に伴って周期変化するように設計されたパターンであればよい。
また、図13等に示した実施形態においては、検出対象導体10として外周環状コイルパターンC1および内周環状コイルパターンC2を用いた例を示したが、これらのうちの一方または両方をスクリーン状導体と置き換えてもよい。さらに、回転軸線3を中心とする同心円状に3重以上の環状コイルパターンまたはスクリーン状導体を配置して検出対象導体10を構成してもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 :回転子
2 :固定子
3 :回転軸線
5 :誘導検出部
6 :磁気検出部
7 :空隙
8 :信号処理回路
10 :検出対象導体
11 :凸部
12 :凹部
20 :受信コイル
21 :外周受信コイル
22 :内周受信コイル
30 :環状領域
31 :外周受信コイル領域
32 :内周受信コイル領域
40 :励磁コイル
61 :第1の磁気センサ
62 :第2の磁気センサ
100 :回転検出装置
101 :回転検出装置
161 :周方向中心位置
162 :周方向中心位置
163 :周方向の幅
164 :周期幅
A :軸方向
C :環状コイルパターン
C1 :外周環状コイルパターン
C2 :内周環状コイルパターン
FE :磁性ワイヤ
M :検出対象磁石
M1,M2,… :個別磁石
Mr :リング磁石
S :スクリーン状導体
SP :巻線
2 :固定子
3 :回転軸線
5 :誘導検出部
6 :磁気検出部
7 :空隙
8 :信号処理回路
10 :検出対象導体
11 :凸部
12 :凹部
20 :受信コイル
21 :外周受信コイル
22 :内周受信コイル
30 :環状領域
31 :外周受信コイル領域
32 :内周受信コイル領域
40 :励磁コイル
61 :第1の磁気センサ
62 :第2の磁気センサ
100 :回転検出装置
101 :回転検出装置
161 :周方向中心位置
162 :周方向中心位置
163 :周方向の幅
164 :周期幅
A :軸方向
C :環状コイルパターン
C1 :外周環状コイルパターン
C2 :内周環状コイルパターン
FE :磁性ワイヤ
M :検出対象磁石
M1,M2,… :個別磁石
Mr :リング磁石
S :スクリーン状導体
SP :巻線
Claims (21)
- 回転軸線まわりに回転する第1の支持体と、
前記第1の支持体に対して前記回転軸線に平行な軸方向に空隙を空けて対向する第2の支持体と、
前記第1の支持体の前記回転軸線まわりの回転情報を検出する誘導検出部と、
前記第1の支持体の前記回転軸線まわりの回転情報を検出する磁気検出部と、を含み、
前記誘導検出部は、
前記第1の支持体に保持された検出対象導体と、
前記検出対象導体に対して前記軸方向に対向する配置で前記第2の支持体に保持され、前記軸方向に見るときに前記回転軸線を中心とする環状領域に配置された受信コイルと、
前記第2の支持体に保持され、前記受信コイルに電圧を誘導するための磁界を発生する励磁コイルと、を含み、
前記磁気検出部は、
前記検出対象導体に対して前記第2の支持体とは前記軸方向の反対側に配置され、かつ前記軸方向に見るときに前記環状領域に少なくとも一部が重なるように配置されて前記第1の支持体に保持された検出対象磁石と、
前記受信コイルおよび前記励磁コイルに対して前記第1の支持体とは前記軸方向の反対側に配置され、かつ前記軸方向に見るときに前記環状領域に少なくとも一部が重なるように配置されて前記第2の支持体に保持され、前記検出対象磁石が発生する磁界を検出する磁気センサと、を含む、
回転検出装置。 - 前記検出対象導体は、スクリーン状導体を含む、請求項1に記載の回転検出装置。
- 前記検出対象磁石は、前記回転軸線上に中心を有するリング形状を有し、前記軸方向に磁化されている、請求項2に記載の回転検出装置。
- 前記検出対象磁石は、前記軸方向に磁化され、前記回転軸線上に中心を有する円周に沿って配列された複数の個別磁石を含む、請求項2に記載の回転検出装置。
- 前記複数の個別磁石は、前記軸方向に見るときに、前記スクリーン状導体と全体が重なる配置で前記第1の支持体に保持されている、請求項4に記載の回転検出装置。
- 前記検出対象導体は、前記回転軸線上に中心を有する円周に沿って環状に形成され、かつ当該円周に対して径方向の凹凸を有する周期的な凹凸パターンの環状コイルパターンである、請求項1に記載の回転検出装置。
- 前記検出対象磁石は、前記回転軸線上に中心を有するリング形状を有し、前記軸方向に磁化されている、請求項6に記載の回転検出装置。
- 前記検出対象磁石は、前記軸方向に磁化され、前記回転軸線上に中心を有する円周に沿って配列された複数の個別磁石を含む、請求項6に記載の回転検出装置。
- 各前記個別磁石の周方向中心位置と、前記凹凸パターンの周方向に隣接する凹部および凸部の中間点の周方向位置とが整合している、請求項8に記載の回転検出装置。
- 各前記個別磁石の周方向の幅は、前記環状コイルパターンの前記凹凸パターンの周期幅の自然数倍である、請求項8に記載の回転検出装置。
- 偶数個の前記個別磁石が、前記回転軸線上に中心を有する前記円周に沿って等間隔で配置されており、
前記環状コイルパターンの前記凹凸パターンの前記回転軸線まわりの周期数は奇数である、請求項8に記載の回転検出装置。 - 前記環状コイルパターンは、
内周環状コイルパターンと、
前記内周環状コイルパターンよりも、径方向の外側に配置された外周環状コイルパターンと、を含む、請求項8に記載の回転検出装置。 - 各前記個別磁石の周方向中心位置と、前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンのうちの一方の前記凹凸パターンの周方向に隣接する凹部および凸部の中間点の周方向位置とが整合しており、
各前記個別磁石の周方向の幅は、前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンうちの他方の前記凹凸パターンの周期幅の自然数倍である、請求項12に記載の回転検出装置。 - 偶数個の前記個別磁石が、前記回転軸線上に中心を有する前記円周に沿って等間隔で配置されており、
各前記個別磁石の周方向中心位置と、前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンのうち一方の前記凹凸パターンの周方向に隣接する凹部および凸部の中間点の周方向位置とが整合しており、
前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンのうち他方の前記凹凸パターンの前記回転軸線まわりの周期数は奇数である、請求項12に記載の回転検出装置。 - 偶数個の前記個別磁石が、前記回転軸線上に中心を有する前記円周に沿って等間隔で配置されており、
各前記個別磁石の周方向中心位置と、前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンのうち一方の前記凹凸パターンの周方向に隣接する凹部および凸部の中間点の周方向位置とが整合しており、
各前記個別磁石の周方向の幅は、前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンうちの他方の前記凹凸パターンの周期幅の自然数倍であり、
前記内周環状コイルパターンおよび前記外周環状コイルパターンのうち前記他方の前記凹凸パターンの前記回転軸線まわりの周期数は奇数である、請求項12に記載の回転検出装置。 - 前記磁気センサは、ホール素子または磁気抵抗素子を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の回転検出装置。
- 前記磁気センサは、発電センサを含み、
前記発電センサは、大バルクハウゼン効果を発現する磁性ワイヤと、前記磁性ワイヤに巻回されたコイルとを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の回転検出装置。 - 前記磁気センサは、発電センサを含む第1の磁気センサと、ホール素子または磁気抵抗素子を含む第2磁気センサとを含み、
前記発電センサは、大バルクハウゼン効果を発現する磁性ワイヤと、前記磁性ワイヤに巻回されたコイルとを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の回転検出装置。 - 前記発電センサが、前記回転軸線上に中心を有する円周上の接線と平行に前記磁性ワイヤを向けて当該円周上に配置される、請求項17に記載の回転検出装置。
- アブソリュート角度を検出する、請求項1~13のいずれか一項に記載の回転検出装置。
- 多回転アブソリュート角度を検出する、請求項1~13のいずれか一項に記載の回転検出装置。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2024138448A JP7835807B2 (ja) | 2024-08-20 | 回転検出装置 | |
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Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2024138448A JP7835807B2 (ja) | 2024-08-20 | 回転検出装置 |
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|---|---|---|---|---|
| US20210018309A1 (en) | 2019-07-19 | 2021-01-21 | Infineon Technologies AG Neubiberg | Sensing of a rotational angle |
| US20240019273A1 (en) | 2022-07-18 | 2024-01-18 | Robert Bosch Gmbh | Sensor arrangement for redundant determination of an angle of rotation of a body which is rotatable about an axis of rotation |
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