JP7828781B2 - 自動二輪車の運転支援システム - Google Patents

自動二輪車の運転支援システム

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Description

本発明は、自動二輪車の運転支援システムに関する。より詳しくは、運転者に対し自車の走行車線からの逸脱に関する通知を行う車線逸脱抑制機能を備える自動二輪車の運転支援システムに関する。
近年、交通の安全性を向上させるため、前走車追従制御機能や車線逸脱抑制機能等の運転支援機能の自動二輪車への普及が進められている。車線逸脱抑制機能とは、走行中の車両が自車の走行車線から逸脱する可能性が高まった場合に、運転者に対し逸脱に関する通知(警報)を行う機能をいい、四輪自動車では既に多くの車種に搭載されている。
特許文献1に示された自動二輪車用の車線逸脱警報装置では、運転者が常に把持するハンドルグリップを振動させることによって、運転者に対し逸脱に関する通知を行っている。
特開2007-112316号公報
ところで車線逸脱抑制機能では、車体に対して定められた基準点と走行車線を区画する区画線との関係に基づいて定めたタイミングで逸脱に関する通知を行っている。また四輪自動車では、タイヤの側面が車幅方向外側近くに存在するため、区画線と比較する基準点を前タイヤに定める場合が多い。
しかしながら自動二輪車では、直線走行時とカーブ走行時とで車体の姿勢が異なる。このため自動二輪車に対する車線逸脱抑制機能では、区画線と比較する基準点を車体の所定の位置に一意的に定めることは適切でない。すなわち、自動二輪車では、基準点を一意的に定めてしまうと、車体の姿勢に応じて通知が発せられるタイミングが変わってしまう場合があり、適切でない。
本発明は、走行中の車体の姿勢に応じた適切なタイミングで自車の走行車線からの逸脱に関する通知を行うことができる自動二輪車の運転支援システムを提供することを目的とする。
(1)本発明に係る自動二輪車の運転支援システム(例えば、後述の運転支援システム1)は、自車(例えば、後述の自車7)の前方の状態に関する前方情報を取得する前方情報取得手段(例えば、後述の外部センサユニット2及びナビゲーション装置5)と、前記前方情報に基づいて前記自車の走行車線に対する区画線位置(例えば、後述の対象区画線位置PL0)を取得する区画線位置取得手段(例えば、後述の区画線位置取得部61)と、前記区画線位置と前記自車に定められた設定位置(例えば、後述の第1設定位置P1、第2設定位置P2、及び第3設定位置P3)との関係に基づいて前記自車の前記走行車線からの逸脱に関する通知を行う逸脱通知手段(例えば、後述の逸脱通知部63)と、前記自車がカーブ走行中であること又は車幅方向へ傾斜した傾斜中であることを把握する把握手段(例えば、後述の走行状態把握部62)と、を備え、前記逸脱通知手段は、前記カーブ走行中又は前記傾斜中であると把握されていない場合、前記区画線位置と前記自車のタイヤに定められた第1設定位置(例えば、後述の第1設定位置P1)との関係に基づいて通知を行い、前記カーブ走行中又は前記傾斜中であると把握されている場合、前記区画線位置と前記自車のうち前記第1設定位置よりも鉛直方向上方側に定められた第2設定位置(例えば、後述の第2設定位置P2)との関係に基づいて通知を行うことを特徴とする。
(2)この場合、前記区画線位置取得手段は、前記カーブ走行中の内側又は前記傾斜中の傾斜側の内側区画線の位置を内側区画線位置として取得し、かつ前記自車を挟み前記内側区画線と反対側の外側区画線の位置を外側区画線位置として取得し、前記逸脱通知手段は、前記内側区画線位置と前記第2設定位置との関係に応じて前記内側区画線側への逸脱に関する通知を行い、前記外側区画線位置と前記第1設定位置との関係に応じて前記外側区画線側への逸脱に関する通知を行うことが好ましい。
(3)この場合、前記第2設定位置は、前記自車の後写鏡(例えば、後述の後写鏡72,73)に対して定められることが好ましい。
(4)この場合、前記第2設定位置は、前記自車の車幅方向両側に設けられた2つの後写鏡(例えば、後述の後写鏡72,73)のうち前記内側区画線側の内側後写鏡に対して定められることが好ましい。
(5)この場合、前記逸脱通知手段は、前記カーブ走行中又は前記傾斜中であると把握されている場合でありかつカーブカット走行可能条件を満たさない場合、前記区画線位置に応じて定められる通常時警報設定点(例えば、後述の第1警報設定点PL1、及び第2警報設定点PL2)と前記第2設定位置との関係に基づいて通知を行い、前記カーブ走行中又は前記傾斜中であると把握されている場合でありかつ前記カーブカット走行可能条件を満たす場合、前記通常時警報設定点と前記第2設定位置よりも走行車線中央側に定められた第3設定位置(例えば、後述の第3設定位置P3)との関係又は前記通常時警報設定点よりも走行車線外側に定められたカーブカット走行時警報設定点(例えば、後述の第3警報設定点PL3、及び第4警報設定点PL4)と前記第2設定位置との関係に基づいて通知を行い、前記前方情報取得手段は、前記自車の前方の画像情報を取得する画像取得手段(例えば、後述のカメラユニット21)を含み、前記カーブカット走行可能条件は、前記カーブ走行中の内側又は前記傾斜中の傾斜側の内側区画線の位置を前記自車から所定距離以上先まで取得可能でありかつ前記内側区画線を挟み前記自車と対向する領域に前記自車と接触し得る対象物が存在しないことであることが好ましい。
(1)本発明に係る運転支援システムにおいて、区画線位置取得手段は、前方情報に基づいて区画線位置を取得し、逸脱通知手段は、取得した区画線位置と自車に定められた設定位置との関係に基づいて自車の走行車線からの逸脱に関する通知を行う。逸脱通知手段は、自車がカーブ走行中又は傾斜中であると把握されていない場合、すなわち車体が直立している場合、自車の車幅方向中央に位置するタイヤに定められた第1設定位置と区画線位置との関係に基づいて通知を行う。また逸脱通知手段は、自車がカーブ走行中又は傾斜中であると把握されている場合、すなわち車体が傾斜している場合、自車のうち第1設定位置よりも鉛直方向上方側に定められた第2設定位置と区画線位置との関係に基づいて通知を行う。ここで車体が傾斜している場合、第2設定位置は第1設定位置よりも傾斜側へ、傾斜角に応じた分だけオフセットする。このように本発明では、車体が直立している場合と傾斜している場合とで異なる設定位置と区画線位置との関係に基づいて通知を行うことにより、運転者に対し走行中の車体の姿勢に応じた適切なタイミングで通知を行うことができるので、交通の安全性を向上することができる。
(2)本発明に係る運転支援システムでは、区画線位置取得手段は、カーブ走行中の内側又は傾斜中の傾斜側の内側区画線の位置を内側区画線位置として取得し、自車を挟みこの内側区画線と反対側の外側区画線の位置を外側区画線位置として取得する。また逸脱通知手段は、カーブ走行中又は傾斜中である場合、第1及び第2設定位置のうちより内側区画線に近い第2設定位置と内側区画線位置との関係に応じて内側区画線側への逸脱に関する通知を行い、第1及び第2設定位置のうちより外側区画線に近い第1設定位置と外側区画線位置との関係に応じて外側区画線側への逸脱に関する通知を行う。これにより、カーブ走行中又は傾斜中である場合には、自車の走行車線から内側区画線側又は外側区画線側への逸脱に関する通知を、走行中の車体の姿勢に応じた適切なタイミングで行うことができるので、交通の安全性を向上することができる。
(3)本発明に係る運転支援システムでは、傾斜時における車体のうち傾斜側へ最も外側に位置する可能性が高い後写鏡に第2設定位置を定め、この第2設定位置と区画線位置との関係に基づいて逸脱に関する通知を行う。これにより、走行中の車体の姿勢に応じた適切なタイミングで逸脱に関する通知を行うことができるので、交通の安全性を向上することができる。
(4)本発明に係る運転支援システムでは、自車の車幅方向両側に設けられた2つの後写鏡のうち内側区画線に最も近い内側後写鏡に対して第2設定位置を定め、この第2設定位置と内側区画線位置との関係に応じて内側区画線側への逸脱に関する通知を行うことにより、自車の走行車線から内側区画線側への逸脱に関する通知を、走行中の車体の姿勢に応じた適切なタイミングで行うことができるので、交通の安全性を向上することができる。
(5)自動二輪車の運転者には、カーブ走行中に遠心力によって走行軌跡がカーブ外側へ膨らんでしまうのを嫌い、カーブ内側の区画線側へ一時的に逸脱しながら走行する行為(以下、「カーブカット走行」という)を行う者も存在する。このようなカーブカット走行は、運転者が自車の周囲の状況を確認の上、意図的に行う場合が多い。このため運転者が意図的にカーブカット走行を行う場合やカーブカット走行を行おうとする場合にまで逸脱に関する通知を行うと、運転者が煩わしく感じるおそれがある。そこで逸脱通知手段は、カーブ走行中又は傾斜中であると把握されている場合、所定のカーブカット走行可能条件を満たすかどうかを判定することにより、自動二輪車の運転者が意図的にカーブカット走行を行いうる状況であるかどうかを判定する。そして逸脱通知手段は、カーブカット走行可能条件を満たさず、したがって運転者が意図的にカーブカット走行を行う可能性が低いと判定される場合には、区画線位置に応じて定められる通常時警報設定点と第2設定位置との関係に基づいて通知を行う。また逸脱通知手段は、カーブカット走行可能条件を満たし、したがって運転者が意図的にカーブカット走行を行う可能性が高いと判定される場合には、上記通常時警報設定点と第2設定位置よりも走行車線中央側に定められた第3設定位置との関係又は上記通常時警報設定点よりも走行車線外側に定められたカーブカット走行時警報設定点と第2設定位置との関係に基づいて通知を行う。すなわち逸脱通知手段は、カーブカット走行可能条件を満たす場合、カーブカット走行可能条件を満たさない場合より、自車に対する設定位置と区画線に対する警報設定点との間隔を長くする。これにより、運転者が意図的にカーブカット走行を行う場合にまで運転者に過剰に通知が行われるのを防止することができるので、交通の安全性を向上させながら運転者による利便性も向上することができる。
本発明の一実施形態に係る自動二輪車の運転支援システムの構成を模式的に示す図である。 走行車線を走行する自車の平面図である。 運転支援制御装置による車線逸脱抑制制御の具体的な手順を示すフローチャートである。 第1警報処理の具体的な手順を示すフローチャートである。 直立姿勢の自車を進行方向前方側から視た図である。 左区画線側へ傾斜中の自車を進行方向前方側から視た図である。 カーブカット走行判定処理の具体的な手順を示すフローチャートである。 第2警報処理の具体的な手順を示すフローチャートである。 左区画線側へ傾斜中の自車を進行方向前方側から視た図である。 第3警報処理(第1の例)の具体的な手順を示すフローチャートである。 左区画線側へ傾斜中の自車を進行方向前方側から視た図である。 第3警報処理(第2の例)の具体的な手順を示すフローチャートである。 左区画線側へ傾斜中の自車を進行方向前方側から視た図である。
以下、本発明の一実施形態に係る自動二輪車の運転支援システムの構成について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る運転支援システム1の構成を示す図である。運転支援システム1は、図示しない自動二輪車に搭載される。なおこの自動二輪車の駆動源は、内燃機関でもよいし回転電機でもよいし、これらを組み合わせたものでもよい。また回転電機の電源は、二次電池でもよいし、キャパシタでもよいし、あるいは燃料電池でもよい。
運転支援システム1は、運転者による自動二輪車の安全な運転を支援するものである。以下では、この運転支援システム1によって実現される様々な運転支援機能のうち、自車の走行車線の外への逸脱又は逸脱可能性に関する情報を運転者に通知することにより、自車の走行車線外への逸脱を抑制する車線逸脱抑制機能について主に説明する。
運転支援システム1は、外部センサユニット2と、車両センサユニット3と、マンマシンインターフェース(Human Machine Interface)4(以下、「HMI4」との略称を用いる)と、ナビゲーション装置5と、運転支援制御装置6と、運転操作子81と、走行駆動力出力装置82と、ブレーキ装置83と、を備える。これら装置は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続されている。
外部センサユニット2は、カメラユニット21、ライダユニット22、レーダユニット23、及び外部認識装置24等によって構成される。
カメラユニット21は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Comleementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラを備え、自車の前方の画像情報を取得する。ライダユニット22は、パルス状に発光するレーザー照射に対する対象からの散乱光を測定することにより、対象を検出するライダ(Light Detection and Rangin(LIDAR))を備える。レーダユニット23は、ミリ波照射に対する対象物からの反射波を測定することにより、対象を検出するミリ波レーダを備える。なおこれらカメラユニット21、ライダユニット22、及びレーダユニット23は、それぞれ自車前方側へ向けた状態で自動二輪車の任意の位置、例えばフロントウィンドシールドやミラー等に取り付けられる。
外部認識装置24は、カメラユニット21、ライダユニット22、及びレーダユニット23のうち一部又は全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行うことにより、自車の前方の状態に関する情報、より具体的には自車の前方に存在する道路や物体の位置、形状、種類、速度等の情報(以下、これらをまとめて「前方情報」ともいう)を取得するコンピュータである。外部認識装置24は、取得した前方情報を、例えば運転支援制御装置6へ送信する。
車両センサユニット3は、自車の速度を検出する車速センサや、5軸又は6軸の慣性計測装置等を備える。慣性測定装置は、自車の車体における3軸(ロール軸、ピッチ軸、及びヨー軸)の角度又は角速度及び加速度を検出する。車両センサユニット3の検出信号は、例えば運転支援制御装置6へ送信される。
HMI4は、自車の乗員に対して各種情報を通知したり、乗員による入力操作を受け付けたりする様々な装置によって構成される。HMI4は、各種表示装置、スピーカ、ブザー、タッチパネル、スイッチ、キー、及びハンドルグリップを振動させる振動子等を備える。乗員は、HMI4に設けられたスイッチを操作することにより、運転支援制御装置6による車線逸脱抑制機能をオンにしたりオフにしたりすることが可能となっている。
ナビゲーション装置5は、例えば、GNSS(Global Navigation Satelite System)衛星から受信した信号に基づいて自車の現在位置を特定するGNSS受信機や、地図情報を記憶する記憶装置等を備える。ナビゲーション装置5は、自車の現在位置に関する情報を現在位置の地図情報とともに運転支援制御装置6へ送信する。なおこのナビゲーション装置5によって取得される自車の現在位置や地図情報等にも自車の前方の状態に関する前方情報が含まれる。
運転操作子81は、運転者が加減速時に操作をするアクセルグリップ及びブレーキレバー、運転者がシフト切替時に操作するクラッチレバー及びシフトペダル、運転者が旋回時や車線変更時に操作するステアリングハンドル、運転者が旋回時や車線変更時に操作する方向指示器スイッチ、並びにこれらの操作量や操作の有無を検出する複数の操作子センサ等を備える。これら操作子センサの検出信号は、運転支援制御装置6へ送信される。
走行駆動力出力装置82は、自車が走行するための走行駆動力を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置82は、内燃機関や回転電機等の駆動力源、変速機、及び運転支援制御装置6から送信される指令信号に基づいてこれら駆動力源及び変速機を制御し、指令に応じた加減速度を発生させる電子制御ユニット等を備える。
ブレーキ装置83は、例えば、ブレーキキャリパー、このブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダ、シリンダに油圧を発生させる電動モータ、及び運転支援制御装置6から送信される指令信号に基づいて電動モータを制御し、指令に応じた制動力を発生させる電子制御ユニット等を備える。
運転支援制御装置6は、運転支援機能に関わる制御を担うコンピュータである。運転支援制御装置6は、複数の運転支援機能の中の車線逸脱抑制機能を実現するモジュールとして、区画線位置取得部61と、走行状態把握部62と、逸脱通知部63と、を備える。
区画線位置取得部61は、外部認識装置24やナビゲーション装置5等によって取得される前方情報に基づいて、現在自車が走行している車線である自車走行車線を把握するとともに、この自車走行車線の車幅方向両側を区画する区画線の位置(以下、単に「区画線位置」という)を取得する。ここで区画線とは、車道中央線、車線境界線、及び車道外側線等として道路の表面に記された白色線や黄色線である。なお区画線位置取得部61は、前方情報に基づいて白色線や黄色線等を認識できなかった場合、草、土、及び縁石等の道路境界を区画線として認識し、その位置を取得する。また区画線位置取得部61は、取得した区画線位置に基づいて、自車走行車線のカーブ半径を算出する。区画線位置取得部61は、前方情報に基づいて取得した区画線位置やカーブ半径に関する情報を、走行状態把握部62や逸脱通知部63へ送信する。
図2は、走行車線9を走行する自車7の平面図である。区画線位置取得部61は、自車7が走行する走行車線9の進行方向右側を区画する右区画線91及び進行方向左側を区画する左区画線92の位置を前方情報に基づいて取得する。なお以下では、自車7がカーブ走行中である場合における自車7の内側又は自車7が傾斜している場合における自車7の傾斜側の区画線(図2の例では、右区画線91)を内側区画線といい、また自車7を挟みこの内側区画線と反対側の区画線(図2の例では、左区画線92)を外側区画線という。また以下では、区画線位置取得部61によって取得される内側区画線及び外側区画線の位置を、それぞれ内側区画線位置及び外側区画線位置という。
図1に戻り、走行状態把握部62は、自車の走行状態、より具体的には自車がカーブ走行中であること又は自車が車幅方向へ傾斜した傾斜中であることを把握する。より具体的には、走行状態把握部62は、例えば区画線位置取得部61によって算出されるカーブ半径が所定の半径閾値以下である場合には、自車はカーブ走行中であると把握し、カーブ半径が上記半径閾値より大きい場合には、自車はカーブ走行中でないと把握する。また走行状態把握部62は、例えば車両センサユニット3の検出信号を用いて算出される車体傾き(すなわち、直立姿勢の車体に対する現在の車体の傾き)の絶対値が所定の傾き閾値以上である場合には、自車は傾斜中であると把握し、上記車体傾きの絶対値が上記傾き閾値より小さい場合には、自車は傾斜中でないと把握する。走行状態把握部62による把握結果は、逸脱通知部63へ送信される。
逸脱通知部63は、区画線位置取得部61によって取得される区画線位置や走行状態把握部62による自車の走行状態に関する把握結果等に基づいて定めたタイミングで、運転者に対し、自車の自車走行車線からの逸脱に関する通知を行う。なお以下では、逸脱通知部63が運転者に対して行う逸脱に関する通知を、逸脱警報ともいう。また、この逸脱通知部63によって運転者に対し逸脱警報を発する具体的な手順については、後に図3~図12を参照しながら説明する。
また逸脱通知部63は、HMI4を介して運転者に対し逸脱警報を発する。ここで逸脱通知部63による逸脱警報の具体的な態様は、運転者が認識可能な態様であればどのようなものでもよい。より具体的には、例えば、HMI4の表示装置への警報メッセージの表示、HMI4のスピーカによる警報メッセージの発音、及びハンドルグリップに設けられた振動子の振動等を逸脱警報とすることができる。
図3は、運転支援制御装置6による車線逸脱抑制制御の具体的な手順を示すフローチャートである。図3に示す処理は、HMI4に設けられたスイッチがオンにされている間、すなわち運転者によって車線逸脱抑制機能をオンにする意志が示されている間、運転支援制御装置6によって所定の制御周期の下で繰り返し実行される。なお図3に示す各ステップは、上記スイッチがオンにされている間、図示しない記憶デバイスに格納されたコンピュータプログラムを運転支援制御装置6によって実行することで実現される。
始めにステップST1では、逸脱通知部63は、車両センサユニット3の検出信号を用いることによって、現在の自車の走行速度ベクトル、ヨーレート、及び車体傾き等を取得し、ステップST2に移る。
次にステップST2では、区画線位置取得部61は、前方情報に基づいて、自車走行車線を把握するとともに、この自車走行車線を区画する左区画線及び右区画線の区画線位置を取得し、ステップST3に移る。
次にステップST3では、区画線位置取得部61は、ステップST2において取得した区画線位置に基づいて、自車走行車線のカーブ半径を算出し、ステップST4に移る。
次にステップST4では、逸脱通知部63は、走行状態把握部62による走行状態の把握結果に基づいて、自車はカーブ走行中又は傾斜中であるか否かを判定する。逸脱通知部63は、ステップST4の判定結果がNOである場合、すなわち自車がカーブ走行中でも傾斜中でもないと判定した場合には、ステップST5に移る。また逸脱通知部63は、ステップST4の判定結果がYESである場合、すなわち自車がカーブ走行中であるか傾斜中であると判定した場合には、ステップST6に移る。
ステップST5では、逸脱通知部63は、対象区画線を特定し、ステップST7に移る。ここで対象区画線とは、自車の走行車線に対して定義される左区画線及び右区画線のうち、自車が現に逸脱している方の区画線又は自車が将来逸脱する可能性があると推定される方の区画線をいう。このステップST5では、逸脱通知部63は、ステップST2において取得した左区画線位置及び右区画線位置に基づいて、左区画線及び右区画線のうち自車から車幅方向に沿った距離が近い方を対象区画線として特定する。
ステップST6では、逸脱通知部63は、対象区画線を特定するとともに、この対象区画線は外側区画線であるか否かを判定する。より具体的には、逸脱通知部63は、カーブ走行中又は傾斜中である自車の走行車線に対して定義される外側区画線及び内側区画線のうち、自車が現に逸脱している方の区画線又は自車が近い将来逸脱する可能性があると推定される方の区画線を対象区画線として特定する。ステップST6では、逸脱通知部63は、例えばステップST1において取得した走行速度ベクトル、ヨーレート、及び車体傾き等に基づいて自車の進行方向や進行経路等を算出するとともに、これら進行方向や進行経路とステップST2において取得した外側区画線位置及び内側区画線位置とを比較することによって対象区画線を特定する。
逸脱通知部63は、ステップST6の判定結果がYESである場合、すなわち対象区画線が外側区画線である場合には、ステップST7に移る。また逸脱通知部63は、ステップST6の判定結果がNOである場合、すなわち対象区画線が内側区画線である場合には、ステップST8に移る。
ステップST6では、逸脱通知部63は、対象区画線として特定された区画線の区画線位置と自車に対して定められた第1設定位置との関係に基づいて定められるタイミングで運転者に対し逸脱警報を発する第1警報処理を実行し、図3に示す車線逸脱抑制制御を終了する。
図4は、第1警報処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
始めにステップST21では、逸脱通知部63は、自車の対象区画線に対する逸脱速度を算出し、ステップST22に移る。逸脱通知部63は、例えば、ステップST1において取得した走行速度ベクトルの対象区画線に対し直交する成分を逸脱速度として算出する。
次にステップST22では、逸脱通知部63は、ステップST21で算出した逸脱速度は、所定の速度閾値未満であるか否かを判定する。逸脱通知部63は、ステップST22の判定結果がYESである場合にはステップST23に移り、NOである場合にはステップST24に移る。
ステップST23では、逸脱通知部63は、対象区画線位置と自車に対して定められた第1設定位置との位置関係を距離基準で比較するとともに、この距離基準の下での比較結果に応じて逸脱警報を発する。ここで対象区画線位置と第1設定位置とを距離基準で比較する手順を図5A及び図5Bを参照しながら説明する。
図5Aは、直立姿勢の自車7を進行方向前方側から視た図であり、図5Bは、左区画線92側へ傾斜中の自車7を進行方向前方側から視た図である。なお図5A及び図5Bでは、右区画線91及び左区画線92のうち、右区画線91を対象区画線とした場合を示す。また以下では、対象区画線位置を符号“PL0”で示し、自車に対して定められる第1設定位置を符号“P1”で示す。
逸脱通知部63は、自車7の前タイヤ71のうち正面視で最も対象区画線に近い部分に第1設定位置P1を定め、対象区画線位置PL0から走行車線9の幅方向に沿って所定の第1オフセット距離Δ1だけ走行車線9の中央側へオフセットした位置に第1警報設定点PL1を設定する。また逸脱通知部63は、第1設定位置P1を鉛直方向に沿って路面上に投影して得られる第1投影点P1´は、第1警報設定点PL1よりも走行車線9の外側であるか否かを判定する。逸脱通知部63は、第1投影点P1´が第1警報設定点PL1よりも走行車線9の外側であった場合には、自車7は走行車線9から対象区画線側で逸脱しているか又は近い将来逸脱する可能性があると判断し、逸脱警報を発する。また逸脱通知部63は、第1投影点P1´が第1警報設定点PL1よりも走行車線9の中央側であった場合には、自車7は走行車線9から逸脱しておらずかつ近い将来逸脱する可能性も低いと判断し、逸脱警報を発しない。
図4に戻り、ステップST24では、逸脱通知部63は、対象区画線位置と上述の第1設定位置との位置関係を速度基準で比較するとともに、この速度基準の下での比較結果に応じて逸脱警報を発する。
より具体的には、逸脱通知部63は、ステップST21で算出した逸脱速度と所定の時間閾値との積を第2オフセット距離Δ2として算出するとともに、対象区画線位置PL0から走行車線9の幅方向に沿って第2オフセット距離Δ2だけ走行車線9の中央側へオフセットした位置に第2警報設定点PL2を設定する。また逸脱通知部63は、ステップST23と同じ手順によって算出される第1投影点P1´が第2警報設定点PL2よりも走行車線9の外側であった場合には、自車7は走行車線9から逸脱しているか又は近い将来逸脱する可能性があると判断し、逸脱警報を発する。また逸脱通知部63は、第1投影点P1´が第2警報設定点PL2よりも走行車線9の中央側であった場合には、自車7は走行車線9から逸脱しておらずかつ近い将来逸脱する可能性も低いと判断し、逸脱警報を発しない。
以上のように対象区画線位置と自車7に定められる設定位置との位置関係を速度基準で比較する場合、対象区画線位置を基準として定められる警報設定点の位置を逸脱速度に応じて変化させる点において、距離基準で比較する場合と異なる。このように逸脱速度に応じて警報設定点の位置を変化させることにより、運転者が自車7を走行車線9の中央側へ復帰させるための時間を確保できるように、逸脱速度に応じたタイミングで逸脱警報を発することができる。
図3に戻り、ステップST7では、逸脱通知部63は、所定のカーブカット走行可能条件の成否を判定するカーブカット走行判定処理を実行し、ステップST8に移る。
図6は、カーブカット走行判定処理の具体的な手順を示すフローチャートである。逸脱通知部63は、図6におけるステップST31~ST33に示すカーブカット走行可能条件を満たすか否かを判定することにより、自車の運転者は、対象区画線として特定されている内側区画線に対しカーブカット走行を行うことが可能な状態であるか否かを判定する。
始めにステップST31では、逸脱通知部63は、区画線位置取得部61によって路面上の白色線や黄色線等を内側区画線として認識されているか否かを判定する。逸脱通知部63は、ステップST31の判定結果がNOである場合、すなわち区画線位置取得部61によって草、土、及び縁石等の道路境界を内側区画線として認識されている場合、ステップST34に移る。また逸脱通知部63は、ステップST31の判定結果がYESである場合、ステップST32に移る。
ステップST32では、逸脱通知部63は、区画線位置取得部61によって内側区画線位置を現在の自車の位置から所定距離以上先まで取得可能であるか否かを判定する。逸脱通知部63は、ステップST32の判定結果がNOである場合、すなわち区画線位置取得部61によって内側区画線位置を所定距離以上先まで取得できない場合、ステップST34に移る。また逸脱通知部63は、ステップST32の判定結果がYESである場合、ステップST33に移る。ここで区画線位置取得部61によって内側区画線位置を所定距離以上先まで取得できない場合とは、例えば自車走行車線のカーブ半径が小さく、見通しが悪い場合に相当する。
ステップST33では、逸脱通知部63は、外部認識装置24によって取得される前方情報に基づいて、内側区画線を挟み自車と対向する領域に自車と接触し得る対象物(例えば、対向車両、隣接車両、歩行者、自転車、及びその他の物体等)が存在しないか否かを判定する。逸脱通知部63は、ステップST33の判定結果がNOである場合、すなわち内側区画線を挟み自車と対向する領域に自車と接触し得る物体が存在する場合、ステップST34に移る。また逸脱通知部63は、ステップST33の判定結果がYESである場合、ステップST35に移る。
以上のようにステップST31~ST33の判定のうち少なくとも何れかの判定結果がNOである場合、逸脱通知部63は、カーブカット走行可能条件を満たさないと判定し(ステップST34参照)、図3のステップST9に移る。
またステップST31~ST33の判定の判定結果が全てYESである場合、逸脱通知部63は、カーブカット走行可能条件を満たすと判定し(ステップST35参照)、図3のステップST9に移る。
図3に戻り、ステップST9では、逸脱通知部63は、図6のカーブカット走行判定処理の結果、カーブカット走行可能条件を満たしているか否かを判定する。逸脱通知部63は、ステップST9の判定結果がNOである場合、すなわち、自車の運転者が内側区画線に対しカーブカット走行を行わないと推定される場合、ステップST10に移る。ステップST10では、逸脱通知部63は、対象区画線として特定された内側区画線の内側区画線位置と自車に対して定められた第2設定位置との関係に基づいて定められるタイミングで運転者に対し逸脱警報を発する第2警報処理を実行し、図3に示す車線逸脱抑制制御を終了する。
図7は、第2警報処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
始めにステップST51では、逸脱通知部63は、図4のステップST21と同じ手順によって、対象区画線として特定されている内側区画線に対する逸脱速度を算出し、ステップST52に移る。
次にステップST52では、逸脱通知部63は、ステップST51で算出した逸脱速度は、図4のステップST22で定義される速度閾値未満であるか否かを判定する。逸脱通知部63は、ステップST52の判定結果がYESである場合にはステップST53に移り、NOである場合にはステップST54に移る。
ステップST53では、逸脱通知部63は、対象区画線位置と自車に対して定められた第2設定位置との位置関係を距離基準で比較するとともに、この距離基準の下での比較結果に応じて逸脱警報を発する。ここで対象区画線位置と第2設定位置とを距離基準で比較する手順について、図8を参照しながら説明する。
図8は、左区画線92側へ傾斜中の自車7を進行方向前方側から視た図である。なお図8では、自車7の傾斜側に存在する左区画線92を対象区画線とした場合を示す。また以下では、自車に対して定められる第2設定位置を符号“P2”で示す。
逸脱通知部63は、自車7のうち上述の第1設定位置P1及びこの第1設定位置P1が定められる前タイヤ71よりも鉛直方向上方側に設けられる後写鏡72,73に第2設定位置P2を定める。より具体的には、逸脱通知部63は、自車7の車幅方向両側に設けられた2つの後写鏡72,73のうち内側区画線(図8の例では、左区画線92)側の内側後写鏡(図8の例では、左後写鏡73)のうち最も対象区画線に近い部分に第2設定位置P2を定める。また逸脱通知部63は、図5A及び図5Bに示す例と同様に、対象区画線位置PL0から走行車線9の幅方向に沿って第1オフセット距離Δ1だけ走行車線9の中央側へオフセットした位置に第1警報設定点PL1を設定する。さらに逸脱通知部63は、第2設定位置P2を鉛直方向に沿って路面上に投影して得られる第2投影点P2´は、第1警報設定点PL1よりも走行車線9の外側であるか否かを判定する。逸脱通知部63は、第2投影点P2´が第1警報設定点PL1よりも走行車線9の外側であった場合には、自車7は走行車線9から対象区画線側で逸脱しているか又は近い将来逸脱する可能性が有ると判断し、逸脱警報を発する。また逸脱通知部63は、第2投影点P2´が第1警報設定点PL1よりも走行車線9の中央側であった場合には、自車7は走行車線9から逸脱しておらずかつ近い将来逸脱する可能性も低いと判断し、逸脱警報を発しない。
図7に戻り、ステップST54では、逸脱通知部63は、対象区画線位置と上述の第2設定位置との位置関係を速度基準で比較するとともに、この速度基準の下での比較結果に応じて逸脱警報を発する。
より具体的には、逸脱通知部63は、ステップST51で算出した逸脱速度と所定の時間閾値との積を第2オフセット距離Δ2として算出するとともに、対象区画線位置PL0から走行車線9の幅方向に沿って第2オフセット距離Δ2だけ走行車線9の中央側へオフセットした位置に第2警報設定点PL2を設定する。また逸脱通知部63は、ステップST53と同じ手順によって算出される第2投影点P2´が第2警報設定点PL2よりも走行車線9の外側であった場合には、自車7は走行車線9から逸脱しているか又は近い将来逸脱する可能性があると判断し、逸脱警報を発する。また逸脱通知部63は、第2投影点P2´が第2警報設定点PL2よりも走行車線9の中央側であった場合には、自車7は走行車線9から逸脱しておらずかつ近い将来逸脱する可能性も低いと判断し、逸脱警報を発しない。
以上のように、第1警報処理では、対象区画線位置と第1設定位置との位置関係に応じて定めたタイミングで逸脱警報を発するのに対し、カーブ走行中又は傾斜中でありかつ内側区画線を対象区画線とする第2警報処理では、対象区画線位置と第1設定位置よりも鉛直方向上方に定められた第2設定位置との位置関係に応じて定めたタイミングで逸脱警報を発する点で異なる。このようにカーブ走行中又は傾斜中は、第1設定位置よりも対象区画線に近い第2設定位置と対象区画線位置との位置関係に応じて逸脱警報を発することにより、運転者が自車7を走行車線9の中央側へ復帰させるための時間を確保できるように、自車7の姿勢に応じたタイミングで逸脱警報を発することができる。
図3に戻り、逸脱通知部63は、ステップST9の判定結果がYESである場合、すなわち、自車の運転者が内側区画線に対しカーブカット走行を行う可能性があると推定される場合、ステップST11に移る。ステップST11では、逸脱通知部63は、対象区画線として特定された内側区画線の内側区画線位置と自車に対して定められた第3設定位置との関係に基づいて定められるタイミングで運転者に対し逸脱警報を発する第3警報処理を実行し、図3に示す車線逸脱抑制制御を終了する。
図9は、第3警報処理の第1の例の具体的な手順を示すフローチャートである。
始めにステップST61では、逸脱通知部63は、図4のステップST21と同じ手順によって、対象区画線として特定されている内側区画線に対する逸脱速度を算出し、ステップST62に移る。
次にステップST62では、逸脱通知部63は、ステップST61で算出した逸脱速度は、図4のステップST22で定義される速度閾値未満であるか否かを判定する。逸脱通知部63は、ステップST62の判定結果がYESである場合にはステップST63に移り、NOである場合にはステップST64に移る。
ステップST63では、逸脱通知部63は、対象区画線位置と自車に対して定められた第3設定位置との位置関係を距離基準で比較するとともに、この距離基準の下での比較結果に応じて逸脱警報を発する。ここで対象区画線位置と第3設定位置とを距離基準で比較する手順について、図10を参照しながら説明する。
図10は、左区画線92側へ傾斜中の自車7を進行方向前方側から視た図である。なお図10では、自車7の傾斜側に存在する左区画線92を対象区画線とした場合を示す。また以下では、自車に対して定められる第3設定位置を符号“P3”で示す。
逸脱通知部63は、自車7のうち上述の第2設定位置P2よりも走行車線9の中央側に第3設定位置P3を定める。以下では、自車7の前タイヤ71のうち最も走行車線9の中央側に位置する部分に第3設定位置P3を定める場合について説明するが、本発明はこれに限らない。この第3設定位置P3は、第2設定位置P2よりも走行車線9の中央側であればどのような位置に定めてもよい。また逸脱通知部63は、図5A及び図5Bに示す例と同様に、対象区画線位置PL0から走行車線9の幅方向に沿って第1オフセット距離Δ1だけ走行車線9の中央側へオフセットした位置に第1警報設定点PL1を設定する。さらに逸脱通知部63は、第3設定位置P3を鉛直方向に沿って路面上に投影して得られる第3投影点P3´は、第1警報設定点PL1よりも走行車線9の外側であるか否かを判定する。逸脱通知部63は、第3投影点P3´が第1警報設定点PL1よりも走行車線9の外側であった場合には、自車7は走行車線9から対象区画線側で逸脱しているか又は近い将来逸脱する可能性が有ると判断し、逸脱警報を発する。また逸脱通知部63は、第3投影点P3´が第1警報設定点PL1よりも走行車線9の中央側であった場合には、自車7は走行車線9から逸脱しておらずかつ近い将来逸脱する可能性も低いと判断し、逸脱警報を発しない。
図9に戻り、ステップST64では、逸脱通知部63は、対象区画線位置と上述の第3設定位置との位置関係を速度基準で比較するとともに、この速度基準の下での比較結果に応じて逸脱警報を発する。
より具体的には、逸脱通知部63は、ステップST61で算出した逸脱速度と所定の時間閾値との積を第2オフセット距離Δ2として算出するとともに、対象区画線位置PL0から走行車線9の幅方向に沿って第2オフセット距離Δ2だけ走行車線9の中央側へオフセットした位置に第2警報設定点PL2を設定する。また逸脱通知部63は、ステップST63と同じ手順によって算出される第3投影点P3´が第2警報設定点PL2よりも走行車線9の外側であった場合には、自車7は走行車線9から逸脱しているか又は近い将来逸脱する可能性があると判断し、逸脱警報を発する。また逸脱通知部63は、第3投影点P3´が第2警報設定点PL2よりも走行車線9の中央側であった場合には、自車7は走行車線9から逸脱しておらずかつ近い将来逸脱する可能性も低いと判断し、逸脱警報を発しない。
以上のように、カーブカット走行が行われる可能性が低いと推定される際に実行する第2警報処理では、対象区画線位置と第2設定位置との位置関係に応じて定めたタイミングで逸脱警報を発するのに対し、カーブカット走行が行われる可能性が高いと推定される際に実行する第3警報処理では、対象区画線位置と第2設定位置よりも走行車線9の中央側に定められた第3設定位置との位置関係に応じて定めたタイミングで逸脱警報を発する点で異なる。このようにカーブカット走行が行われる可能性が高い場合には、第2設定位置よりも走行車線9の中央側へオフセットした位置に定められた第3設定位置と対象区画線位置との位置関係に応じて逸脱警報を発することにより、運転者が意図してカーブカット走行を行う場合にまで逸脱警報が発せられるのを抑制し、利便性を向上できる。
図11は、第3警報処理の第2の例の具体的な手順を示すフローチャートである。なお図11に示す処理のうち、ステップST71及びステップST72の処理は、図9のステップST61及びステップST62の処理と同じであるので詳細な説明を省略する。
ステップST73では、逸脱通知部63は、対象区画線位置と自車に対して定められた第2設定位置との位置関係を距離基準で比較するとともに、この距離基準の下での比較結果に応じて逸脱警報を発する。
図12は、左区画線92側へ傾斜中の自車7を進行方向前方側から視た図である。なお図12では、自車7の傾斜側に存在する左区画線92を対象区画線とした場合を示す。また以下では、対象区画線位置を基準として定められる第3警報設定点及び第4警報設定点をそれぞれ符号“PL3”及び“PL4”で示す。
逸脱通知部63は、図8の第2警報処理と同様の手順によって、自車7の車幅方向両側に設けられた2つの後写鏡72,73のうち内側区画線(図12の例では、左区画線92)側の内側後写鏡(図12の例では、左後写鏡73)のうち最も対象区画線に近い部分に第2設定位置P2を定める。また逸脱通知部63は、図8の第2警報処理と同様の手順によって対象区画線位置PL0を基準として第1警報設定点PL1を設定する。また逸脱通知部63は、この第1警報設定点PL1から走行車線9の幅方向に沿って第3オフセット距離Δ3だけ走行車線9の外側へオフセットした位置に第3警報設定点PL3を設定する。さらに逸脱通知部63は、第2設定位置P2を鉛直方向に沿って路面上に投影して得られる第2投影点P2´は、第3警報設定点PL3よりも走行車線9の外側であるか否かを判定する。逸脱通知部63は、第2投影点P2´が第3警報設定点PL3よりも走行車線9の外側であった場合に、逸脱警報を発する。また逸脱通知部63は、第2投影点P2´が第3警報設定点PL3よりも走行車線9の中央側であった場合には、逸脱警報を発しない。
図11に戻り、ステップST74では、逸脱通知部63は、対象区画線位置と上述の第2設定位置との位置関係を速度基準で比較するとともに、この速度基準の下での比較結果に応じて逸脱警報を発する。
より具体的には、逸脱通知部63は、図8の第2警報処理と同様の手順によって対象区画線位置PL0を基準として第2警報設定点PL2を設定する。また逸脱通知部63は、この第2警報設定点PL2から走行車線9の幅方向に沿って第3オフセット距離Δ3だけ走行車線9の外側へオフセットした位置に第4警報設定点PL4を設定する。さらに逸脱通知部63は、第2設定位置P2を鉛直方向に沿って路面上に投影して得られる第2投影点P2´は、第4警報設定点PL4よりも走行車線9の外側であるか否かを判定する。逸脱通知部63は、第2投影点P2´が第4警報設定点PL4よりも走行車線9の外側であった場合に、逸脱警報を発する。また逸脱通知部63は、第2投影点P2´が第4警報設定点PL4よりも走行車線9の中央側であった場合には、逸脱警報を発しない。
本実施形態に係る運転支援システム1によれば、以下の効果を奏する。
(1)運転支援システム1において、区画線位置取得部61は、前方情報に基づいて対象区画線位置PL0を取得し、逸脱通知部63は、取得した対象区画線位置PL0と自車7に定められた設定位置P1~P3との位置関係に基づいて定めたタイミングで、自車7の走行車線9からの逸脱に関する逸脱警報を発する。逸脱通知部63は、自車7がカーブ走行中又は傾斜中であると把握されていない場合、すなわち自車7の車体が直立している場合、自車7の車幅方向中央に位置する前タイヤ71に定められた第1設定位置P1と対象区画線位置PL0との位置関係に基づいて定めたタイミングで逸脱警報を発する。また逸脱通知部63は、自車7がカーブ走行中又は傾斜中であると把握されている場合、すなわち車体が傾斜している場合、自車7のうち第1設定位置P1よりも鉛直方向上方側に定められた第2設定位置P2と対象区画線位置PL0との関係に基づいて逸脱警報を発する。ここで車体が傾斜している場合、第2設定位置P2は第1設定位置P1よりも傾斜側へ、その傾斜角に応じた分だけオフセットする。このように運転支援システム1では、車体が直立している場合と傾斜している場合とで異なる設定位置P1,P2と対象区画線位置PL0との位置関係に基づいて定めたタイミングで逸脱警報を発することにより、運転者に対し走行中の車体の姿勢に応じた適切なタイミングで逸脱警報を発することができるので、交通の安全性を向上することができる。
(2)逸脱通知部63は、カーブ走行中又は傾斜中でありかつ内側区画線を対象区画線として特定している場合、第1及び第2設定位置P1,P2のうちより対象区画線に近い第2設定位置P2と対象区画線位置PL0との位置関係に応じて対象区画線側への逸脱に関する逸脱警報を発する。また逸脱通知部63は、カーブ走行中又は傾斜中でありかつ外側区画線を対象区画線として特定している場合、第1及び第2設定位置P1,P2のうちより対象区画線に近い第1設定位置P1と対象区画線位置PL0との位置関係に応じて対象区画線側への逸脱に関する逸脱警報を発する。これにより、カーブ走行中又は傾斜中である場合には、自車7の走行車線9から内側区画線側又は外側区画線側への逸脱に関する通知を、走行中の車体の姿勢に応じた適切なタイミングで行うことができるので、交通の安全性を向上することができる。
(3)運転支援システム1では、傾斜時における車体のうち傾斜側へ最も外側に位置する可能性が高い後写鏡に第2設定位置P2を定め、この第2設定位置P2と対象区画線位置PL0との位置関係に基づいて定めたタイミングで逸脱警報を発する。これにより、走行中の車体の姿勢に応じた適切なタイミングで逸脱警報を発することができるので、交通の安全性を向上することができる。
(4)運転支援システム1では、自車の車幅方向両側に設けられた2つの後写鏡72,73のうち内側区画線に最も近い内側後写鏡に対して第2設定位置P2を定め、この第2設定位置P2と対象区画線位置PL0との位置関係に応じて定めたタイミングで対象区画線側への逸脱に関する逸脱警報を発することにより、自車7の走行車線9から対象区画線側への逸脱に関する逸脱警報を、走行中の車体の姿勢に応じた適切なタイミングで発することができるので、交通の安全性を向上することができる。
(5)自動二輪車の運転者には、カーブ走行中に遠心力によって走行軌跡がカーブ外側へ膨らんでしまうのを嫌って、カーブカット走行を行う者も存在する。このようなカーブカット走行は、運転者が自車の周囲の状況を確認の上、意図的に行う場合が多い。このため運転者が意図的にカーブカット走行を行う場合やカーブカット走行を行おうとする場合にまで逸脱警報を発すると、運転者が煩わしく感じるおそれがある。そこで逸脱通知部63は、カーブ走行中又は傾斜中でありかつ内側区画線を対象区画線として特定している場合、所定のカーブカット走行可能条件を満たすかどうかを判定することにより、自動二輪車の運転者が意図的にカーブカット走行を行いうる状況であるかどうかを判定する。そして逸脱通知部63は、カーブカット走行可能条件を満たさず、したがって運転者が意図的にカーブカット走行を行う可能性が低いと判定される場合には、対象区画線位置PL0に応じて定められる第1警報設定点PL1又は第2警報設定点PL2と第2設定位置P2との位置関係に基づいて逸脱警報を発する。また逸脱通知部63は、カーブカット走行可能条件を満たし、したがって運転者が意図的にカーブカット走行を行う可能性が高いと判定される場合には、上記第1警報設定点PL1又は第2警報設定点PL2と第2設定位置P2よりも走行車線9の中央側に定められた第3設定位置P3との位置関係、第1警報設定点PL1よりも走行車線9の外側に定められた第3警報設定点PL3と第2設定位置P2との位置関係、又は第2警報設定点PL2よりも走行車線9の外側に定められた第4警報設定点P4と第2設定位置P2との位置関係に基づいて逸脱警報を発する。すなわち逸脱通知部63は、カーブカット走行可能条件を満たす場合、カーブカット走行可能条件を満たさない場合より、自車7に対する設定位置と対象区画線に対する警報設定点との間隔を長くする。これにより、運転者が意図的にカーブカット走行を行う場合にまで運転者に過剰に通知が行われるのを防止することができるので、交通の安全性を向上させながら運転者による利便性も向上することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。
1…運転支援システム
2…外部センサユニット(前方情報取得手段)
21…カメラユニット(画像取得手段)
3…車両センサユニット
5…ナビゲーション装置(前方情報取得手段)
6…運転支援制御装置
61…区画線位置取得部(区画線位置取得手段)
62…走行状態把握部(把握手段)
63…逸脱通知部(逸脱通知手段)
7…自車
9…走行車線
91…右区画線(区画線)
92…左区画線(区画線)
PL0…対象区画線位置
PL1…第1警報設定点(通常時警報設定点)
PL2…第2警報設定点(通常時警報設定点)
PL3…第3警報設定点(カーブカット走行時警報設定点)
PL4…第4警報設定点(カーブカット走行時警報設定点)
P1…第1設定位置
P2…第2設定位置
P3…第3設定位置

Claims (5)

  1. 自車の前方の状態に関する前方情報を取得する前方情報取得手段と、
    前記前方情報に基づいて前記自車の走行車線に対する区画線位置を取得する区画線位置取得手段と、
    前記区画線位置と前記自車に定められた設定位置との関係に基づいて前記自車の前記走行車線からの逸脱に関する通知を行う逸脱通知手段と、
    前記自車がカーブ走行中であること又は車幅方向へ傾斜した傾斜中であることを把握する把握手段と、を備える自動二輪車の運転支援システムであって、
    前記逸脱通知手段は、
    前記自車の走行速度ベクトルの区画線に対し直交する成分である逸脱速度を算出し、
    前記カーブ走行中又は前記傾斜中であると把握されていない場合、前記区画線位置より前記走行車線の中央側へ前記逸脱速度に比例するオフセット距離だけオフセットした位置に定められた警報設定点と前記自車のタイヤに定められた第1設定位置との関係に基づいて通知を行い、
    前記カーブ走行中又は前記傾斜中であると把握されている場合、前記警報設定点と前記自車のうち前記第1設定位置よりも鉛直方向上方側に定められた第2設定位置との関係に基づいて通知を行うことを特徴とする自動二輪車の運転支援システム。
  2. 自車の前方の状態に関する前方情報を取得する前方情報取得手段と、
    前記前方情報に基づいて前記自車の走行車線に対する区画線位置を取得する区画線位置取得手段と、
    前記区画線位置と前記自車に定められた設定位置との関係に基づいて前記自車の前記走行車線からの逸脱に関する通知を行う逸脱通知手段と、
    前記自車がカーブ走行中であること又は車幅方向へ傾斜した傾斜中であることを把握する把握手段と、を備える自動二輪車の運転支援システムであって、
    前記逸脱通知手段は、
    前記カーブ走行中又は前記傾斜中であると把握されていない場合、前記区画線位置と前記自車のタイヤに定められた第1設定位置との関係に基づいて通知を行い、
    前記カーブ走行中又は前記傾斜中であると把握されている場合、前記区画線位置と前記自車のうち前記第1設定位置よりも鉛直方向上方側に定められた第2設定位置との関係に基づいて通知を行い、
    前記区画線位置取得手段は、前記カーブ走行中の内側又は前記傾斜中の傾斜側の内側区画線の位置を内側区画線位置として取得し、かつ前記自車を挟み前記内側区画線と反対側の外側区画線の位置を外側区画線位置として取得し、
    前記逸脱通知手段は、前記内側区画線位置と前記第2設定位置との関係に応じて前記内側区画線側への逸脱に関する通知を行い、前記外側区画線位置と前記第1設定位置との関係に応じて前記外側区画線側への逸脱に関する通知を行うことを特徴とする自動二輪車の運転支援システム。
  3. 自車の前方の状態に関する前方情報を取得する前方情報取得手段と、
    前記前方情報に基づいて前記自車の走行車線に対する区画線位置を取得する区画線位置取得手段と、
    前記区画線位置と前記自車に定められた設定位置との関係に基づいて前記自車の前記走行車線からの逸脱に関する通知を行う逸脱通知手段と、
    前記自車がカーブ走行中であること又は車幅方向へ傾斜した傾斜中であることを把握する把握手段と、を備える自動二輪車の運転支援システムであって、
    前記逸脱通知手段は、
    前記カーブ走行中又は前記傾斜中であると把握されていない場合、前記区画線位置と前記自車のタイヤに定められた第1設定位置との関係に基づいて通知を行い、
    前記カーブ走行中又は前記傾斜中であると把握されている場合、前記区画線位置と前記自車のうち前記第1設定位置よりも鉛直方向上方側に定められた第2設定位置との関係に基づいて通知を行い、
    前記第2設定位置は、前記自車の後写鏡に対して定められることを特徴とする自動二輪車の運転支援システム。
  4. 前記第2設定位置は、前記自車の車幅方向両側に設けられた2つの後写鏡のうち前記内側区画線側の内側後写鏡に対して定められることを特徴とする請求項2に記載の自動二輪車の運転支援システム。
  5. 自車の前方の状態に関する前方情報を取得する前方情報取得手段と、
    前記前方情報に基づいて前記自車の走行車線に対する区画線位置を取得する区画線位置取得手段と、
    前記区画線位置と前記自車に定められた設定位置との関係に基づいて前記自車の前記走行車線からの逸脱に関する通知を行う逸脱通知手段と、
    前記自車がカーブ走行中であること又は車幅方向へ傾斜した傾斜中であることを把握する把握手段と、を備える自動二輪車の運転支援システムであって、
    前記逸脱通知手段は、
    前記カーブ走行中又は前記傾斜中であると把握されていない場合、前記区画線位置と前記自車のタイヤに定められた第1設定位置との関係に基づいて通知を行い、
    前記カーブ走行中又は前記傾斜中であると把握されている場合、前記区画線位置と前記自車のうち前記第1設定位置よりも鉛直方向上方側に定められた第2設定位置との関係に基づいて通知を行い、
    前記逸脱通知手段は、
    前記カーブ走行中又は前記傾斜中であると把握されている場合でありかつカーブカット走行可能条件を満たさない場合、前記区画線位置に応じて定められる通常時警報設定点と前記第2設定位置との関係に基づいて通知を行い、
    前記カーブ走行中又は前記傾斜中であると把握されている場合でありかつ前記カーブカット走行可能条件を満たす場合、前記通常時警報設定点と前記第2設定位置よりも走行車線中央側に定められた第3設定位置との関係又は前記通常時警報設定点よりも走行車線外側に定められたカーブカット走行時警報設定点と前記第2設定位置との関係に基づいて通知を行い、
    前記前方情報取得手段は、前記自車の前方の画像情報を取得する画像取得手段を含み、
    前記カーブカット走行可能条件は、前記カーブ走行中の内側又は前記傾斜中の傾斜側の内側区画線の位置を前記自車から所定距離以上先まで取得可能でありかつ前記内側区画線を挟み前記自車と対向する領域に前記自車と接触し得る対象物が存在しないことであることを特徴とする自動二輪車の運転支援システム。
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