JP7828653B2 - 金属調画像印刷物及び金属調画像印刷物の印刷方法 - Google Patents

金属調画像印刷物及び金属調画像印刷物の印刷方法

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本発明は、金属調画像印刷物に関する。詳しくは、該金属調画像印刷物は金属に写真のような画像が印刷されたように見える金属調画像印刷物であって、しかも、表面に凹凸があるように見え、エンボス加工された金属の画像のように見える金属調画像印刷物である。
アクリルやガラス等の基材に思い出の写真等が刻まれている置物等がある。
これらは、レザーやサンドプラスト加工により基材に傷を付けるという方法で写真を再現している。
また、写真等の傷を付けた面に真鍮板のような金属板を積層して、一色からなる金属調の写真を再現したものもある。
文字や線からなる単純な絵であればサンドプラスト加工等で傷を付けることによって再現できるが、細かな色の変化がある写真をサンドプラスト加工等による傷で再現しようとすると、細かな色の変化が再現できず、同じ色にべた塗りしたような写真になるという問題がある。
また、サンドプラスト加工であると基材に傷を付けるため、傷の部分にゴミが付着したり、傷の部分が酸化したりするため、ゴミを除いたり、酸化防止処理を施したりしなければならないという問題がある。
また、金属板を積層すれば全体的に重くなり、壁に掛け難くなるため、飾る場所が限られるという問題がある。
金属板の代わりに金属蒸着フィルムを積層すれば、全体的に軽くはなるが、傷がある部分は凹んでいるので蒸着フィルムの積層時に気泡が入ったり、粘着剤が入り込んだりして、写真の再現性が更に悪くなる虞がある。
本発明は、写真の細かな色の変化も再現でき、かつ、意匠性の高い金属調の写真等の画像を印刷によって再現すると共に、印刷された金属調画像は凹凸があり、エンボス加工されたように見える金属調画像印刷物を作製すること目的とする発明である。
特開平7-179016
出願人は特許文献1に記載の通り、基材上に透明又は着色インキによる図柄を印刷によって積層し、その上に光輝インキを印刷することで、凹凸状にエンボス加工されたように見える金属光沢を有する光輝印刷物を開発している。
特許文献1記載の印刷物は、文字や単純な図柄であると平滑でありながら凹凸状にエンボス加工されたような画像に見えるが、写真や、イラストのような細かな色の変化のある画像では写真やイラストが鮮明に見えず、べた塗りしたような画像しか再現できないという問題がある。
本発明者らは、前記諸問題点を解決することを技術的課題とし、試行錯誤的な数多くの試作・実験を重ねた結果、透明基材上に画像層と鏡面インキ層をこの順で印刷してなる印刷物であって、前記画像層はグレースケール画像をネガポジ反転した画像を透明インキでインクジェット印刷した画像層である金属調画像印刷物であれば、グレースケール画像の細かな色の変化を再現した再現性の高い金属調画像になると共に、凹凸があるように見えるため、エンボス加工されたかのような金属調画像になるという知見を得て前記技術的課題を達成したものである。
前記技術的課題は、次のとおりの本発明によって解決できる。
本発明は、透明基材上に画像層と鏡面インキ層をこの順で印刷してなる金属調画像印刷物であって、前記画像層はグレースケール画像をネガポジ反転した画像を透明インキでインクジェット印刷した画像層である金属調画像印刷物である。
また本発明は、前記ネガポジ反転した画像が、濃度が0%以上、かつ、85%以下の範囲の画像である前記の金属調画像印刷物である。
また本発明は、透明基材と画像層との間に着色層を備える及び/又は透明基材の画像層を印刷した面と反対側の面に着色層を備える前記の金属調画像印刷物である。
また本発明は、前記インクジェット印刷の吐出された透明インキのドット一つの直径が20μm以上である前記の金属調画像印刷物である。
また本発明は、グレースケール画像をネガポジ反転する工程と、ネガポジ反転した画像を透明基材の一方の面に透明インキでインクジェット印刷する工程と、前記透明インキで印刷した画像上に鏡面インキで印刷する工程をこの順で含む金属調画像印刷物の印刷方法である。
本発明は、ネガポジ反転したグレースケール画像を透明基材上に透明インキでインクジェット印刷した後、画像層の表面を鏡面インキで印刷するので、写真の細かな色の変化も再現できる、原画の再現性が高い金属調画像印刷物である。
また、金属板を積層したり、金属蒸着フィルムを積層したりせず、鏡面インキを印刷するという簡便な方法で金属調の画像を作製することができる。
また、ネガポジ反転したグレースケール画像は透明インキを用いてインクジェット印刷した後、鏡面インキで印刷するため、透明インキが厚く重なっているところと重なっていないところに凹凸差が現れ、エンボス加工されたかのように見える意匠性の高い金属調画像印刷物である。
また、ネガポジ反転した画像の濃度が0%~85%の範囲の画像であれば細かな色の変化を再現できるので意匠性がさらに向上する。
また、透明基材と画像層の間及び/又は、透明基材の画像層を印刷した面と反対側の面に着色層を設ければ、透明な画像層が着色されたように見えるためさらに意匠性に優れる金属調画像印刷物になる。
また、インクジェット印刷機で吐出された透明インキのドット一つの直径が20μm以上であると、さらにはっきりと凹凸があるように見えるため、意匠性が向上する。
透明基材上に透明インキで画像が形成されていることを表す図である。 本発明の一形態の金属調画像印刷物を表す図である。 本発明の一形態の金属調画像印刷物を表す図である。 本発明の一形態の金属調画像印刷物を表す図である。 本発明の一形態の金属調画像印刷物を表す図である。 実施例1のグレースケール画像とネガポジ反転した画像及び各画像の明暗濃度分布を表す図である。 画像層がネガポジ反転画像であるとき(実施例1)とグレースケール画像である時(比較例1)を比較したものである。 実施例2のグレースケール画像とネガポジ反転画像及び各画像の明暗濃度分布を表す図である。 画像層がネガポジ反転画像であるとき(実施例2)とグレースケール画像である時(比較例2)を比較したものである。 実施例3のグレースケール画像とネガポジ反転画像及び各画像の明暗濃度分布を表す図である。 画像層がネガポジ反転画像であるとき(実施例3)とグレースケール画像である時(比較例3)を比較したものである。
本発明は、透明基材1上に画像層2上に鏡面インキ3を印刷してなる金属調画像印刷物10(図1)であり、透明基材1の方向から見れば、金属調画像でエンボス加工されたような金属調画像を見ることができる。
透明基材1は特に限定されず、光を通せば着色されていてもよく、厚みも所望により変化させることができる。
透明基材として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、アクリル、ポリ塩化ビニル(PVC)のフィルムや板を例示する。
透明基材1上に透明層5を積層し、透明層5上に画像層2を形成させてもよい(図4C)。
また、透明基材1の画像層を印刷する側と反対側に透明層5を形成させてもよい(図4D)
透明層5は光を通せばよく、着色されていてもよい。
また、透明基材1と画像層2との間に着色層6を形成させてもよい(図5A)し、画像層2と反対側の透明基材1の面に着色層6を形成させてもよい(図5B)。
着色層6を形成させれば、透明インキで形成している画像層は透明であるから、着色層の色が透けて見えるため、金属調画像印刷物の画像が着色されているかのように見えるようにすることができる。
着色層6は透明基材1の全面に形成してもよいし、画像にあわせて一部に形成してもよい。
着色層の形成方法は特に限定されないが、インクジェットプリンターにて印刷して形成することが好ましい。
本発明における画像層2はグレースケール画像をネガポジ反転した画像を透明インキでインクジェット印刷して形成する。
グレースケール画像は白と黒とグレーの濃淡で表された画像であれば特に限定されず、カラー写真をグレースケール画像に変換した画像でもよいし、カラーイラストをグレースケール画像に変換した画像でもよい。
グレースケール画像はネガポジ反転した後に印刷する。
ネガポジ反転しなければ比較例1~3(図7、図9、図11)に示す通り、色の差がなくなってべた塗りのようになって、原画の再現性が著しく低下するからである。
ネガポジ反転は市販の画像処理ソフトを使用して反転させればよい。
本発明におけるネガポジ反転した画像の濃度は0%~85%の範囲であることが好ましい。
濃度が85%を超えると細かな差が見え難くなるため、作製した金属調画像がべた塗りのような印象になり再現性が低くなる虞があるからである。
したがって、グレースケール画像をネガポジ反転した後、濃度が0%~85%の範囲を超える場合は、市販の画像処理ソフトで0%~85%の範囲に調整することが好ましい。
濃度は、0%が白で100%が黒でその間がグレーであり、市販の画像処理ソフトで測定することができる。
また、ネガポジ反転した画像に含まれる隣り合う図の色の濃淡の差は1%以上あることが好ましく、さらに好ましくは2%以上である。
隣り合う図の濃淡の差が1%以上あると図と図の境界線が見やすくなるからである。
図と図の境界線が見やすいと、作製した金属調画像がべた塗りのような印象になり難く、原画のグレースケール画像の再現性が高くなるからである。
濃淡は市販の画像処理ソフトで測定することができる。
画像処理を行う画像処理ソフトは特に限定されないが)アドビ インコーポレイテッド社製のPHOTOSHOP(登録商標)を例示する。
ネガポジ反転したグレースケール画像は透明インキを用いて透明基材上にインクジェット印刷を行う。
透明インキは特に限定されず、透明であれば着色されていてもよい。
インクジェットプリンターは透明インキを使用できれば特に限定されない。
インクジェットプリンターから吐出された透明インキのドット一つの直径は20μm以上が好ましく、より好ましくは、20μm~35μmである。
インクジェットプリンターから吐出された透明インキは、吐出面にドット形状で連続して付着し、付着したドット同士が絡まって大きな塊になるのだか、吐出面に付着したドット一つの直径が20μm以下であると、大きな塊になり難く、エンボス加工されたように見えない虞があるからである。
透明インキとインクジェットプリンターの組み合わせとして、プリンター:SC-V7000/透明インキ:SC24VR100(セイコーエプソン株式会社製)を例示する。
本発明は印刷した画像層2上に鏡面インキで印刷を行う。
鏡面インキは印刷した透明インキで形成した画像層2上に行えばよく、透明基材1全体に印刷しなくてもよい。
また、通常のカラーインキ4による印刷で装飾してもよい(図3)。
鏡面インキは金属光沢のあるインキであればよい。
鏡面インキとして鏡面インキNo.2シルバー(株式会社セイコーアドバンス製)を例示する。
鏡面インキの印刷方法は特に限定されないが、スクリーン印刷、フレキソ印刷、パット印刷を例示する。
スクリーン印刷で印刷する場合は、250メッシュ~300メッシュのスクリーンを使用することが好ましい。
鏡面インキを印刷した後、乾燥させることで金属調画像印刷物を作製することができる。
実施例及び比較例における画像処理はアドビ インコーポレイテッド社製のPHOTOSHOP(登録商標)を使用した。
(実施例1):人物
グレースケールの人物画像を使用してネガポジ反転した画像及び、グレースケール画像とネガポジ反転した画像の明暗濃度分布を図6に示す。
ネガポジ反転した画像の濃度は85%以上の範囲が多かったため、0%~85%の範囲に入るよう画像処理を行った。
ネガポジ反転した画像とネガポジ反転を行わなかった画像(原画のグレースケール画像)をSC-V7000(セイコーエプソン株式会社製)で透明インキSC24VR100(セイコーエプソン株式会社製)を使用してインクジェット印刷を行った。
吐出面に付着したドット一つの直径は20μm以上であった。
透明インキで印刷した画像層の表面に鏡面インキNo.2シルバー(株式会社セイコーアドバンス製)、スクリーン版250メッシュでスクリーン印刷を行った。
鏡面インキをスクリーン印刷した後、60℃・30分温風乾燥して金属調画像印刷物を得た。
画像層がネガポジ反転した画像であるもの(実施例1)とネガポジ反転しない画像(原画のグレースケール画像)であるもの(比較例1)を図7に示す。
(実施例2):風景1
グレースケールの風景写真(図8)を使用し、実施例1と同様にして金属調画像印刷物を得た。
ネガポジ反転画像の濃度は0%~85%の範囲外がわずかであったため、画像処理を行わなかった。
画像層がネガポジ反転した画像であるもの(実施例2)とネガポジ反転しない画像(原画のグレースケール画像)であるもの(比較例2)を図9に示す。
(実施例3):風景2
グレースケールの風景写真(図10)を使用し、実施例1と同様にして金属調画像印刷物を得た。
ネガポジ反転画像の濃度は0%~85%の範囲外がわずかであったため、画像処理を行わなかった。
画像層がネガポジ反転した画像であるもの(実施例3)とネガポジ反転しない画像(原画のグレースケール画像)であるもの(比較例3)を図11に示す。
実施例と比較例の比較から、画像層が、グレースケール画像をネガポジ反転して得られた画像であれば画像の細かな色の変化が再現され、金属調の写真画像のように見える印刷物になるのに対し、ネガポジ反転を行わずグレースケール画像をそのまま使用すれば、金属調の写真画像のようにならないことが証明された。
本発明における金属調画像印刷物は、写真の細かな色の変化を再現できるので金属調写真のように見え、また、エンボス加工したかのような凹凸もあるように見える意匠性の高い金属調画像印刷物である。
よって、本発明の産業上の利用可能性は高い。
1 透明基材
2 画像層
3 鏡面インキ
4 通常のカラーインキ
5 透明層
6 着色層
10 本発明の金属調画像印刷物

Claims (5)

  1. 透明基材上に画像層と鏡面インキ層をこの順で印刷してなる金属調画像印刷物であって、前記画像層はグレースケール画像をネガポジ反転した画像を透明インキでインクジェット印刷した画像層である金属調画像印刷物。
  2. 前記ネガポジ反転した画像が、濃度が0%以上、かつ、85%以下の範囲の画像である請求項1記載の金属調画像印刷物。
  3. 透明基材と画像層との間に着色層を備える及び/又は透明基材の画像層を印刷した面と反対側の面に着色層を備える請求項1又は2記載の金属調画像印刷物。
  4. 前記インクジェット印刷の吐出された透明インキのドット一つの直径が20μm以上である請求項1又は2記載の金属調画像印刷物。
  5. グレースケール画像をネガポジ反転する工程と、ネガポジ反転した画像を透明基材の一方の面に透明インキでインクジェット印刷する工程と、前記透明インキで印刷した画像上に鏡面インキで印刷する工程をこの順で含む金属調画像印刷物の印刷方法。
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