JP7828100B2 - SARS-CoV-2由来ポリヌクレオチド及びその使用 - Google Patents

SARS-CoV-2由来ポリヌクレオチド及びその使用

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Description

本発明は、Severe acute respiratory syndrome coronavirus(SARS-CoV)-2由来ポリヌクレオチド及びその使用に関する。より詳細には、本発明は、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチドの模倣物質、ポリヌクレオチドに対する阻害剤、コロナウイルスの複製促進剤、コロナウイルスの複製促進用組成物、コロナウイルスの複製抑制剤、コロナウイルスの複製抑制用組成物、動物細胞、コロナウイルスの複製抑制方法、コロナウイルスの複製促進方法、コロナウイルスの製造方法に関する。本願は、2022年1月28日に、日本に出願された特願2022-011911号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
マイクロRNA(miRNA)は、遺伝子発現の転写後調節を担う22塩基程度の短いノンコーディングRNAである。miRNAは、哺乳類や植物等の真核生物において普遍的に見られる分子であり、ウイルスの中にも、small viral RNA(svRNA)と呼ばれるRNAをゲノムにコードし、miRNAと同様の機構で宿主やウイルス自身の遺伝子発現を制御するものが存在する。例えば、SARS-CoV-1のゲノムからもsvRNAが複数見つかっており、その中の一つは肺の炎症との関連が示唆されている(非特許文献1を参照。)。
Morales et al., SARS-CoV-Encoded Small RNAs Contribute to Infection-Associated Lung Pathology, Cell Host & Microbe, 21, 344-355, 2017.
ウイルスがどのように自身の遺伝子発現や複製を制御しているか、また、感染後どのようにして発病に至るのかについて、分子機構を解明することは、効果的な治療方法を開発する上で重要である。
しかしながら、SARS-CoV-2が産生するsvRNAの存在はこれまでに報告されていない。本発明は、SARS-CoV-2が産生するsvRNAを明らかにし、コロナウイルスの生活環を制御する技術を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を含む。
[1](i)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列、(ii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列、又は(iii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して60%以上の配列同一性を有する塩基配列、を含み、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有する、ポリヌクレオチド。
[2](i)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列、(ii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列、又は(iii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して60%以上の配列同一性を有する塩基配列、からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有する、[1]に記載のポリヌクレオチド。
[3][1]又は[2]に記載のポリヌクレオチドの模倣物質。
[4][1]又は[2]に記載のポリヌクレオチドに対する阻害剤。
[5][1]若しくは[2]に記載のポリヌクレオチド又は請求項[3]に記載の模倣物質を有効成分とする、コロナウイルスの複製促進剤。
[6][1]又は[2]に記載のポリヌクレオチドの2種以上の組み合わせ、[3]に記載の模倣物質の2種以上の組み合わせ、又は、それらの組み合わせを有効成分として含む、コロナウイルスの複製促進用組成物。
[7][4]に記載の阻害剤を有効成分とする、コロナウイルスの複製抑制剤。
[8][4]に記載の阻害剤の2種以上の組み合わせを有効成分として含む、コロナウイルスの複製抑制用組成物。
[9][7]に記載の複製抑制剤又は[8]に記載の複製抑制用組成物を含む、コロナウイルス感染症の予防及び/又は治療のための医薬組成物。
[10][1]若しくは[2]に記載のポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを含む、動物細胞。
[11][1]若しくは[2]に記載のポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを発現するように改変されている、[10]に記載の動物細胞。
[12]動物細胞を、[7]に記載の複製抑制剤又は[8]に記載の複製抑制用組成物と接触させる工程を含む、前記動物細胞におけるコロナウイルスの複製抑制方法。
[13]動物細胞を、[5]に記載の複製促進剤又は[6]に記載の複製促進用組成物と接触させる工程と、前記工程の前又は後に前記動物細胞にコロナウイルスを感染させる工程と、を含む、前記動物細胞におけるコロナウイルスの複製促進方法。
[14][10]又は[11]に記載の動物細胞にコロナウイルスを感染させる工程と、コロナウイルスを感染させた前記動物細胞を培養する工程と、を含む、コロナウイルスの製造方法。
[15][13]に記載の方法によりコロナウイルスを複製させる工程と、複製したコロナウイルスを前記動物細胞から分離する工程と、を含む、コロナウイルスの製造方法。
本発明によれば、コロナウイルスの生活環を制御する技術を提供することができる。また、本発明によれば、コロナウイルス感染症の予防及び/又は治療薬、又はワクチンを提供することができる。
図1は、実験例1で実施したSmall RNA-seqの結果、SARS-CoV-2ゲノム上にマップされたリードの割合を示すグラフである。 図2は、実験例1で実施したSmall RNA-seqの結果、SARS-CoV-2ゲノム上にマップされたリードを示す図である。 図3は、図2における顕著なピークに着目して、その周辺領域を拡大表示した図である。 図4は、図2における顕著なピークに着目して、その周辺領域を拡大表示した図である。 図5Aは、実験例2における定量的RT-PCRの結果を示すグラフである。 図5Bは、実験例2における定量的RT-PCRの結果を示すグラフである。 図5Cは、実験例2における定量的RT-PCRの結果を示すグラフである。 図5Dは、実験例2における定量的RT-PCRの結果を示すグラフである。 図6は、実験例3において、svRNA ORF1ab、その100nt上流及び100nt下流の領域の2次構造を予測した結果を示す図である。 図7は、実験例3において、svRNA ORF7a-1、svRNA ORF7a-2、それらの100nt上流及び100nt下流の領域の2次構造を予測した結果を示す図である。 図8は、実験例4で作製したsvRNA阻害剤の構造を示す模式図である。 図9左は、実験例4で作製したsvRNA模倣物質の構造を示す模式図である。図9右は、svRNA模倣物質がRISC複合体に取り込まれた状態を示す模式図である。 図10は、実験例5の実験スケジュールを説明する図である。 図11は、実験例5において、svRNA阻害剤を単独で又は組み合わせて導入した場合に、細胞培養上清中に含まれるウイルスゲノムのコピー数を定量した結果を示すグラフである。 図12は、実験例5において、svRNA模倣物質を単独で又は組み合わせて導入した場合に、細胞培養上清中に含まれるウイルスゲノムのコピー数を定量した結果を示すグラフである。 図13は、実験例6の実験スケジュールを説明する図である。 図14は、実験例6において、svRNA阻害剤を単独で又は組み合わせて導入した場合に、細胞培養上清中に含まれるウイルスゲノムのコピー数を定量した結果を示すグラフである。 図15Aは、実験例7における定量的RT-PCRの結果を示すグラフである。 図15Bは、実験例7における定量的RT-PCRの結果を示すグラフである。 図15Cは、実験例7における定量的RT-PCRの結果を示すグラフである。 図16Aは、実験例8における定量的RT-PCRの結果を示すグラフである。 図16Bは、実験例8における定量的RT-PCRの結果を示すグラフである。 図16Cは、実験例8における定量的RT-PCRの結果を示すグラフである。
本明細書において、「有効成分とする」とは、活性成分(後述する、ポリヌクレオチド、模倣物質又は阻害剤)を、これらの物質の効能又は活性を達成するのに十分な量を含むことを意味する。あるいは、後述する、ポリヌクレオチド、模倣物質又は阻害剤を、主要な活性成分として含むことを意味する。
[ポリヌクレオチド]
一実施形態において、本発明は、(i)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列、(ii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列、又は(iii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して60%以上の配列同一性を有する塩基配列、を含み、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有する、ポリヌクレオチドを提供する。
実施例において後述するように、発明者らは、SARS-CoV-2由来のsvRNAとして、配列番号1~3に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドを同定した。発明者らは更に、SARS-CoV-2感染細胞中に、これらのポリヌクレオチドを存在させると、SARS-CoV-2の複製が促進することを明らかにした。また、配列番号1~3に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドは、SARS-CoV-2以外のコロナウイルスにおいても塩基配列が保存されている。
したがって、本実施形態のポリヌクレオチドを用いてコロナウイルスの生活環を制御することができる。具体的には、例えば、細胞中に、コロナウイルス及び本実施形態のポリヌクレオチドを共存させることにより、コロナウイルスの複製を促進することができる。すなわち、本実施形態のポリヌクレオチドを、コロナウイルスに対する弱毒化ワクチン又は不活化ワクチンの原料として、コロナウイルスを大量培養する用途等に利用することができる。
本明細書において、コロナウイルスとしては、SARS-CoV-2、SARS-CoV、MERS-CoV、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1等が挙げられるがこれらに限定されない。
本実施形態のポリヌクレオチドは、RNA-induced silencing complex(RISC)複合体に取り込まれ、RNAi経路又はmiRNA経路により、標的mRNAの分解又は発現抑制を行うと考えられる。
miRNA経路においては、RISC複合体に取り込まれ、標的mRNAの認識に関わるガイド鎖は、標的mRNAに対して塩基のミスマッチを有していてもよいことが知られている。したがって、本実施形態のポリヌクレオチドは、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有する限り、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個、例えば1~2個、例えば1個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列からなるポリヌクレオチドであってもよい。以下、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個程度の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列からなるポリヌクレオチドのことを変異体という場合がある。
同様に、本実施形態のポリヌクレオチドは、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有する限り、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して、60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上の配列同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチドであってもよい。
ここで、基準塩基配列に対する、対象塩基配列の配列同一性は、例えば次のようにして求めることができる。まず、基準塩基配列及び対象塩基配列をアラインメントする。ここで、各塩基配列には、配列同一性が最大となるようにギャップを含めてもよい。続いて、基準塩基配列及び対象塩基配列において、一致した塩基の塩基数を算出し、下記式(1)にしたがって、配列同一性を求めることができる。
配列同一性(%)=一致した塩基数/対象塩基配列の総塩基数×100 (1)
以下、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して、60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上の配列同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチドのことも変異体という場合がある。
変異体は、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有する限り、上記(i)~(iii)のいずれかに記載の塩基配列中の連続する部分配列であってもよい。例えば、変異体は、23塩基からなる配列番号1に記載の塩基配列、28塩基からなる配列番号2に記載の塩基配列、24塩基からなる配列番号3に記載の塩基配列のいずれか又はこれらの変異体の塩基配列に含まれる、連続するより短い塩基配列からなるポリヌクレオチドであってもよい。より短い塩基配列の長さとしては、例えば10~20塩基が挙げられる。
本実施形態のポリヌクレオチドは、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有する限り、上記(i)~(iii)のいずれかに記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドであってもよいし、上記(i)~(iii)のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド、すなわち、上記(i)~(iii)のいずれかに記載の塩基配列の5’側若しくは3’側又はその両方に更に任意の塩基配列からなるポリヌクレオチドが付加されたポリヌクレオチドであってもよい。このように、上記(i)~(iii)のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチドであっても、プロセッシングされてRISC複合体に取り込まれた後に、コロナウイルスの複製を促進する活性を発揮する。上記(i)~(iii)のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチドの長さは特に限定されないが、例えば1000塩基程度であってもよく、例えば500塩基程度であってもよく、例えば100塩基程度であってもよく、例えば50塩基程度であってもよく、例えば20塩基程度であってもよい。ヒト成熟miRNAの長さの最頻値は22塩基である。また、最も短いものは16塩基であり、最も長いものは28塩基とされている。また、miRNA前駆体(pre-miRNA)の長さは70塩基程度である。上記(i)~(iii)のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチドの長さは、これらのmiRNAと同程度の長さであってもよい。
本実施形態のポリヌクレオチドは、1本鎖RNAであってもよいし、相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドと2本鎖RNAを形成していてもよい。
[模倣物質]
一実施形態において、本発明は、上述したポリヌクレオチドの模倣物質を提供する。すなわち、本実施形態の模倣物質は、(i)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列、(ii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列、又は(iii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上の配列同一性を有する塩基配列、を含み、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチドの模倣物質であってもよい。あるいは、本実施形態の模倣物質は上記(i)~(iii)のいずれかの塩基配列からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチドの模倣物質であってもよい。本実施形態において、「コロナウイルス」、「配列同一性」については、上述したものと同様である。
本明細書において、模倣物質とは、上記(i)~(iii)のいずれかの塩基配列からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチドと同様の活性を有する物質を意味する。
実施例において後述するように、本実施形態の模倣物質を用いてコロナウイルスの生活環を制御することができる。具体的には、例えば、細胞中に、コロナウイルス及び本実施形態の模倣物質を共存させることにより、コロナウイルスの複製を促進することができる。すなわち、本実施形態の模倣物質を、コロナウイルスに対する弱毒化ワクチン又は不活化ワクチンの原料としてコロナウイルスを大量培養する用途等に利用することができる。
本実施形態の模倣物質は、上記(i)~(iii)のいずれかの塩基配列からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチドと、その相補鎖のポリヌクレオチドとがハイブリダイズした2本鎖ポリヌクレオチドであってもよい。本実施形態の模倣物質は、1本鎖ポリヌクレオチドであってもよいし、環状型ポリヌクレオチドであってもよい。ポリヌクレオチドはDNAであってもよく、RNAであってもよいが、RNAであることが好ましい。また、本実施形態の模倣物質は、天然型のRNAであってもよいし、化学修飾されたRNAであってもよい。
化学修飾されたRNAとしては、糖修飾リボヌクレオチド、骨格修飾リボヌクレオチド、塩基修飾リボヌクレオチド等が挙げられる。化学修飾により、RNA機能の向上や、ヌクレアーゼ抵抗性が向上する等の効果が得られる。
糖修飾リボヌクレオチドの例としては、糖の2’位のOH基が、水素原子若しくはハロゲン原子、又は、OR、R、SH、SR、NH、NHR、NR、CNからなる群より選択される基で置換されたリボヌクレオチドが挙げられる。上記Rは、C-C10、好ましくはC-Cの、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、又はアルキニル基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基、メトキシエチル基、アミノ基、アミノプロピル基、又はイソプロピル基である。また、上記ハロゲン原子は、好ましくはF、Cl、Br、又はIであり、特に好ましくはFである。
上記のうち、2’-フルオロ、2’-O-メチル、又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボヌクレオチドを特に好適に用いることができる。中でも、2’-O-メチル化RNAは、ヌクレアーゼ抵抗性が高く、2本鎖の熱的安定性が高く、自然免疫応答を回避できる等の特性を有する。
本実施形態の模倣物質は、S化ヌクレオチド(ホスホロチオエート)を含むことで、糖-リン酸間がホスホロチオエート結合で結合していてもよい。DNA/RNAのホスホロチオエート化は、当該塩基対形成に影響を与えずに高いヌクレアーゼ耐性を付与することができる。
本実施形態の模倣物質は、非天然由来の塩基を含有するリボヌクレオチド、例えば5位で修飾されたウリジン又はシチジン(例として、5-(2-アミノ)プロピルウリジン、5-ブロモウリジン)、8位で修飾されたアデノシン又はグアノシン(例として、8-ブロモ-グアノシン)、デアザヌクレオチド(例として、7-デアザアデノシン)、O-又はN-アルキル化ヌクレオチド(例として、N6-メチルアデノシン等を含んでいてもよい。
さらに、糖の2’位の酸素原子と4’位の炭素原子がメチレン結合を介して架橋した2’,4’-BNA(bridge nucleic acid)/LNA(Locked Nucleic Acid)(Koshkin A. A. et al.,LNA (Locked Nucleic Acid): An RNA Mimic Forming Exceedingly Stable LNA:LNA Duplexes, J. Am. Chem. Soc., 120 (50), 13252-13253, 1998.)、ENA(2’-O,4’-C-Ethylene-bridged Nucleic Acids)(国際公開第2000/047599号)、フラノース環の酸素原子を硫黄原子に置換した4’-チオヌクレオチド(Dande P., et al, Improving RNA Interference in Mammalian Cells by 4'-Thio-Modified Small Interfering RNA (siRNA): Effect on siRNA Activity and Nuclease Stability When Used in Combination with 2'-O-Alkyl Modifications, J. Med. Chem., 49 (5), 1624-1634, 2006.、国際公開第2004/18494号)等のヌクレオチド類似体も好適に用いることができる。
上記修飾ヌクレオチドはいずれも公知技術であり、オリゴ核酸の生体内安定性を向上させる方法として汎用されている。本実施形態の模倣物質においては、その一部又は全部を、上記修飾ヌクレオチドから選ばれる1種又は2種以上の修飾ヌクレオチドに置換してもよい。
また、組織特異的なデリバリーや細胞膜透過性の向上を目的として、ペプチド、アプタマー、疎水性分子等を、本実施形態の模倣物質の末端(5’端及び/又は3’端)ヌクレオチドにコンジュゲートしてもよい。この目的に好適な疎水性分子としては、コレステロール、ビタミンE(α-tocopherol)、パルミチン酸等が挙げられる。
上記修飾は組み合わせて用いてもよく、例えば、上記S化されたRNAに上記ペプチド、アプタマー、疎水性分子等をコンジュゲートさせてもよい。また、末端とそれ以外の部位に異なる種類の上記修飾ヌクレオチドを含めてもよい。
本実施形態の模倣物質は、細胞内で発現させるか、あるいは、細胞内に導入すると、RISC複合体に取り込まれ、天然のmiRNAの転写後遺伝子発現調節機能を模倣するものであることが好ましい。
[阻害剤]
一実施形態において、本発明は、上述したポリヌクレオチドに対する阻害剤を提供する。すなわち、一態様において、本実施形態の阻害剤は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドの阻害剤である。また、一態様において、本実施形態の阻害剤は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチドの阻害剤である。また、一態様において、本実施形態の阻害剤は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチドの阻害剤である。本実施形態において、「コロナウイルス」、「配列同一性」については、上述したものと同様である。
本実施形態において、阻害剤とは、上述したポリヌクレオチド又は模倣物質の活性を抑制する物質である。本実施形態の阻害剤は、例えば、上述したポリヌクレオチド又は模倣物質に相補的に結合するポリヌクレオチドからなり、上述したポリヌクレオチド又は模倣物質に結合することにより、その機能を阻害するものであってもよい。あるいは、本実施形態の阻害剤は、例えば、上述したポリヌクレオチドを標的とするsiRNA又はshRNAであってもよい。
実施例において後述するように、本実施形態の阻害剤を用いてコロナウイルスの生活環を制御することができる。例えば、細胞中に、コロナウイルス及び本実施形態の阻害剤を共存させることにより、コロナウイルスの複製を抑制することができる。本実施形態の阻害剤によるウイルス複製阻害効果は、複数のSARS-CoV-2変異株に対しても有効であった。したがって、本実施形態の阻害剤を、COVID-19の治療薬として利用できる可能性がある。
本実施形態の阻害剤は、上述したポリヌクレオチド又は模倣物質に相補的な塩基配列を有する1本鎖又は2本鎖のポリヌクレオチドであってもよいし、環状型ポリヌクレオチドであってもよい。また、本実施形態の阻害剤は、天然型のポリヌクレオチドであってもよいし、化学修飾されたポリヌクレオチドであってもよい。化学修飾されたポリヌクレオチドとしては、上述した化学修飾されたRNA又は上述したヌクレオチド類似体を含むポリヌクレオチド等が挙げられる。
本実施形態の阻害剤は、細胞内で発現させるか、あるいは、細胞内に導入すると、上述したポリヌクレオチド又は模倣物質をトラップし、上述したポリヌクレオチド又は模倣物質がRISC複合体に取り込まれるのを抑制するものであってよい。
配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド(svRNA ORF1ab)に対する具体的な阻害剤としては、実施例において後述する、配列番号13の塩基配列を有するRNA鎖と、配列番号14の塩基配列を有するRNA鎖とをハイブリダイズさせた2本鎖ポリヌクレオチドが挙げられる。
配列番号2の塩基配列からなるポリヌクレオチド(svRNA ORF7a-1)に対する具体的な阻害剤としては、実施例において後述する、配列番号15の塩基配列を有するRNA鎖と、配列番号16の塩基配列を有するRNA鎖とをハイブリダイズさせた2本鎖ポリヌクレオチドが挙げられる。
配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチド(svRNA ORF7a-2)に対する具体的な阻害剤としては、実施例において後述する、配列番号17の塩基配列を有するRNA鎖と、配列番号18の塩基配列を有するRNA鎖とをハイブリダイズさせた2本鎖ポリヌクレオチドが挙げられる。
[コロナウイルスの複製促進剤]
一実施形態において、本発明は、上述したポリヌクレオチド又は模倣物質を有効成分とする、コロナウイルスの複製促進剤を提供する。
すなわち、一態様において、本実施形態の複製促進剤は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドを有効成分とする。また、一態様において、本実施形態の複製促進剤は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチドを有効成分とする。また、一態様において、本実施形態の複製促進剤は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチドを有効成分とする。
また、一態様において、本実施形態の複製促進剤は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドの模倣物質を有効成分とする。また、一態様において、本実施形態の複製促進剤は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチドの模倣物質を有効成分とする。また、一態様において、本実施形態の複製促進剤は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチドの模倣物質を有効成分とする。本実施形態において、「コロナウイルス」、「配列同一性」、「模倣物質」については、上述したものと同様である。
実施例において後述するように、発明者らは、細胞中に、コロナウイルス及び本実施形態の複製促進剤を共存させることにより、コロナウイルスの複製を促進することができることを明らかにした。したがって、本実施形態の複製促進剤は、コロナウイルスに対する弱毒化ワクチン又は不活化ワクチンの原料としてコロナウイルスを大量培養する用途等に利用することができる。
[コロナウイルスの複製促進用組成物]
一実施形態において、本発明は、上述したポリヌクレオチドの2種以上の組み合わせ、上述した模倣物質の2種以上の組み合わせ、又は、それらの組み合わせを有効成分として含む、コロナウイルスの複製促進用組成物を提供する。本実施形態の組成物は、上述したポリヌクレオチドを3種以上含んでいてもよい。また、本実施形態の組成物は、上述した模倣物質を3種以上含んでいてもよい。また、本実施形態の組成物は、上述したポリヌクレオチド及び上述した模倣物質を組み合わせて含んでいてもよい。
上述したポリヌクレオチド又は上述した模倣物質を組み合わせることにより、上述したポリヌクレオチド又は上述した模倣物質を単独で使用する場合と比較して、コロナウイルスの複製を顕著に促進することができる。
実施例において後述するように、発明者らは、配列番号2の塩基配列からなるポリヌクレオチド(svRNA ORF7a-1)の模倣物質、配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチド(svRNA ORF7a-2)の模倣物質、配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド(svRNA ORF1ab)の模倣物質をそれぞれ単独で細胞に導入した場合と比較して、svRNA ORF7a-1の模倣物質及びsvRNA 1abの模倣物質の組み合わせ、svRNA ORF7a-2の模倣物質及びsvRNA 1abの模倣物質の組み合わせ、svRNA ORF7a-1の模倣物質、svRNA ORF7a-2の模倣物質及びsvRNA 1abの模倣物質の組み合わせを細胞に導入した場合に、コロナウイルスの複製が顕著に促進されることを明らかにした。
したがって、本実施形態の組成物において、ポリヌクレオチド又は模倣物質の組み合わせは、(i)配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体若しくはそれらの模倣物質と、配列番号2の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体若しくはそれらの模倣物質との組み合わせ、(ii)配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体若しくはそれらの模倣物質と、配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体若しくはそれらの模倣物質との組み合わせ、(iii)配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体若しくはそれらの模倣物質と、配列番号2の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体若しくはそれらの模倣物質と、配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体若しくはそれらの模倣物質との組み合わせ、のいずれかであることが好ましい。
[コロナウイルスの複製抑制剤]
一実施形態において、本発明は、上述した阻害剤を有効成分とする、コロナウイルスの複製抑制剤を提供する。
すなわち、一態様において、本実施形態の複製抑制剤は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対する阻害剤を有効成分とする。また、一態様において、本実施形態の複製抑制剤は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチドに対する阻害剤を有効成分とする。また、一態様において、本実施形態の複製抑制剤は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチドの阻害剤を有効成分とする。本実施形態において、「コロナウイルス」、「配列同一性」、「阻害剤」については、上述したものと同様である。
実施例において後述するように、発明者らは、細胞中に、SARS-CoV-2及び本実施形態の複製抑制剤を共存させることにより、SARS-CoV-2の複製を抑制することができることを明らかにした。したがって、本実施形態の複製抑制剤を、SARS-CoV-2の複製を抑制する用途に利用することができる。また、本実施形態の複製抑制剤を、COVID-19の治療薬として利用できる可能性がある。
[コロナウイルスの複製抑制用組成物]
一実施形態において、本発明は、上述した阻害剤の2種以上の組み合わせを有効成分として含む、コロナウイルスの複製抑制用組成物を提供する。本実施形態の組成物は、上述した阻害剤を3種以上含んでいてもよい。
すなわち、一態様において、本実施形態の組成物は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対する阻害剤の2種以上の組み合わせを有効成分として含む。また、一態様において、本実施形態の組成物は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチドに対する阻害剤の2種以上の組み合わせを有効成分として含む。また、一態様において、本実施形態の複製抑制用組成物は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチドに対する阻害剤の2種以上の組み合わせを有効成分として含む。本実施形態において、「コロナウイルス」、「配列同一性」、「阻害剤」については、上述したものと同様である。
上述した阻害剤を組み合わせることにより、コロナウイルスの複製を顕著に抑制することができる。
実施例において後述するように、発明者らは、配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド(svRNA ORF1ab)に対する阻害剤及び配列番号2の塩基配列からなるポリヌクレオチド(svRNA ORF7a-1)に対する阻害剤の組み合わせ、配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド(svRNA ORF1ab)に対する阻害剤及び配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチド(svRNA ORF7a-2)に対する阻害剤の組み合わせ、配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド(svRNA ORF1ab)に対する阻害剤、配列番号2の塩基配列からなるポリヌクレオチド(svRNA ORF7a-1)に対する阻害剤及び配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチド(svRNA ORF7a-2)に対する阻害剤の組み合わせを細胞に導入した場合に、ウイルスゲノムのコピー数が減少することを明らかにした。
したがって、本実施形態の組成物において、阻害剤の組み合わせは、(i)配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対する阻害剤及び配列番号2の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対する阻害剤の組み合わせ、(ii)配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対する阻害剤及び配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対する阻害剤の組み合わせ、(iii)配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対する阻害剤、配列番号2の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対する阻害剤及び配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対する阻害剤の組み合わせ、のいずれかであることが好ましい。
[動物細胞]
一実施形態において、本発明は、上述したポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを含む、動物細胞を提供する。
本実施形態の動物細胞にコロナウイルスを感染させてインキュベートすることにより、コロナウイルスの複製を促進し、より大量にコロナウイルスを得ることができる。すなわち、本実施形態の動物細胞は、コロナウイルスの複製促進用動物細胞、コロナウイルスの製造用動物細胞等ということができる。
一態様において、本実施形態の動物細胞は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを含む。また、一態様において、本実施形態の動物細胞は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列を含み、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを含む。また、一態様において、本実施形態の動物細胞は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上の配列同一性を有する塩基配列、を含み、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有する、ポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを含む。
一態様において、本実施形態の動物細胞は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを含む。また、一態様において、本実施形態の動物細胞は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを含む。また、一態様において、本実施形態の動物細胞は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有する、ポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを含む。
本実施形態の動物細胞において、「上述したポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを含む」とは、動物細胞中に、上述したポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせが存在することを意味する。
一態様において、本実施形態の動物細胞は、上述したポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを発現するように改変されていてもよい。例えば、上述したポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせをコードするコンストラクトを、一過性に又は安定的に動物細胞に導入し、動物細胞中で発現させたものであってもよい。コンストラクトは、ゲノム編集により動物細胞のゲノムに導入してもよいし、発現ベクターの形態で、動物細胞のゲノムに、又はエピソーマルに導入してもよい。
一態様において、本実施形態の動物細胞は、上述したポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを直接導入したものであってもよい。
コンストラクト又はポリヌクレオチドの動物細胞への導入方法は特に限定されず、例えば、カチオン性脂質等のトランスフェクション試薬を用いたトランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロキャピラリーを用いたインジェクション等により行うことができる。
本実施形態の動物細胞は、(i)配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体と、配列番号2の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体との組み合わせ、(ii)配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体と、配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体との組み合わせ、(iii)配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体と、配列番号2の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体と、配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体との組み合わせ、のいずれかの組み合わせを発現する細胞であることがより好ましい。上述したように、これらの組み合わせを発現することにより、コロナウイルスの複製が更に促進される。
本実施形態の動物細胞はコロナウイルスが感染する細胞であれば特に制限されないが、例えば上皮細胞が挙げられる。上皮細胞としては、例えば気管支オルガノイド由来上皮細胞、株化された上皮細胞等が挙げられる。株化された上皮細胞としては、例えば、アフリカミドリザル腎臓上皮細胞由来のVero細胞等が挙げられる。Vero細胞にはTransmembrane protease,serine 2(TMPRSS2)遺伝子の発現ベクターが導入されていてもよい。あるいは、上皮細胞の代わりに、iPS細胞を用いることもできる。iPS細胞にはアンジオテンシン変換酵素(ACE)2遺伝子の発現ベクターが導入されていてもよい。
[コロナウイルスの複製抑制方法]
一実施形態において、本発明は、動物細胞を、上述した複製抑制剤又は複製抑制用組成物と接触させる工程を含む、前記動物細胞におけるコロナウイルスの複製抑制方法を提供する。本実施形態の方法において、「コロナウイルス」、「複製抑制剤」、「複製抑制用組成物」については上述したものと同様である。
動物細胞に、上述した複製抑制剤又は複製抑制用組成物を接触させた結果、複製抑制剤又は複製抑制用組成物が動物細胞の細胞質内に導入され、コロナウイルスの複製抑制の機能を発揮する。本実施形態の複製抑制方法において、「動物細胞に接触させる」を「動物細胞に導入する」といいかえてもよい。
本実施形態の複製抑制方法は、ヒト又は非ヒト動物の生体において、インビボで実施されてもよいし、インビトロで実施されてもよい。本実施形態の複製抑制方法がインビボで実施される場合、本実施形態の複製抑制方法はCOVID-19の予防又は治療方法であるということもできる。
本実施形態の複製抑制方法は、コロナウイルス感染前の動物細胞に上述した複製抑制剤又は複製抑制用組成物を接触させる工程を含むものであってもよい。あるいは、本実施形態の複製抑制方法は、コロナウイルス感染後の動物細胞に上述した複製抑制剤又は複製抑制用組成物を接触させる工程を含むものであってもよい。
動物細胞と複製抑制剤又は複製抑制用組成物との接触は、例えば、カチオン性脂質等のトランスフェクション試薬の存在下で行ってもよいし、エレクトロポレーション法の実施と共に行ってもよい。
[コロナウイルス感染症の予防及び/又は治療のための医薬組成物]
一実施形態において、本発明は、上述した複製抑制剤又は複製抑制用組成物を有効成分として含む、コロナウイルス感染症の予防及び/又は治療のための医薬組成物を提供する。本実施形態において、「コロナウイルス」、「複製抑制剤」、「複製抑制用組成物」については上述したものと同様である。
医薬製剤として製剤化された複製抑制剤又は複製抑制用組成物をヒト又は非ヒト動物の生体に投与することにより、コロナウイルス感染症の予防及び/又は治療を行うことができる。
製剤化は、有効成分(複製抑制剤又は複製抑制用組成物)及び薬学的に許容される担体を組み合わせて一般的な製剤技術により行うことができる。医薬製剤は、注射剤、点滴静注剤、吸入剤等の形態で非経口的に投与するものであることが好ましい。
薬学的に許容される担体としては、核酸医薬の製剤化において一般的に用いられるものを特に制限なく用いることができる。具体的な担体としては、例えば、カチオン性リポソーム、非カチオン性リポソーム、ポリエチレングリコール(PEG)修飾リポソーム、脂質ナノ粒子、ブロック共重合体等が挙げられる。
リポソーム又は脂質ナノ粒子の材料としては、例えば、コレステロール、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレン(PEG2000-DMG)等が挙げられるがこれらに限定されない。
医薬製剤は添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、通常医薬製剤に用いられるものを適宜用いることができ、例えば、トロメタモール、トロメタモール塩酸塩等の緩衝剤、氷酢酸、酢酸ナトリウム水和物等のpH調整剤、精製白糖等の等張化剤が挙げられるがこれらに限定されない。
医薬製剤として製剤化された複製抑制剤又は複製抑制用組成物の投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり、一概には決定できないが、例えば、通常成人(体重60kgとして)においては、通常、1日当り約0.1から30mg程度の有効成分(複製抑制剤又は複製抑制用組成物)を、静脈注射、皮下注射、点滴静注、吸入等により投与することが考えられる。
[コロナウイルスの複製促進方法]
一実施形態において、本発明は、動物細胞に、上述した複製促進剤又は複製促進用組成物を接触させる工程と、前記工程の前又は後に前記動物細胞にコロナウイルスを感染させる工程と、を含む、前記動物細胞におけるコロナウイルスの複製促進方法を提供する。本実施形態において、「コロナウイルス」、「複製促進剤」、「複製促進用組成物」については上述したものと同様である。
すなわち、一態様において、本実施形態の方法は、動物細胞に、上述した複製促進剤又は複製促進用組成物を接触させる工程と、前記工程の後に前記動物細胞にコロナウイルス感染させる工程とを含む、複製促進方法であってよい。あるいは、一態様において、本実施形態の方法は、動物細胞にコロナウイルスを感染させる工程と、コロナウイルスを感染後の前記動物細胞に、上述した複製促進剤又は複製促進用組成物を接触させる工程とを含む、複製促進方法であってよい。
動物細胞に、上述した複製促進剤又は複製促進用組成物を接触させた結果、複製促進剤又は複製促進用組成物が動物細胞の細胞質内に導入され、コロナウイルスの複製促進の機能を発揮する。本実施形態の複製促進方法において、「動物細胞に接触させる」を「動物細胞に導入する」といいかえてもよい。
本実施形態の方法により、コロナウイルスの複製を促進し、例えば、コロナウイルスに対する弱毒化ワクチン又は不活化ワクチンの原料として、より大量のコロナウイルスを得ることができる。したがって、本実施形態の方法は、コロナウイルスの製造方法ということもできる。
[コロナウイルスの製造方法]
一実施形態において、本発明は、上述した動物細胞にコロナウイルスを感染させる工程と、コロナウイルスを感染させた前記動物細胞を培養する工程と、を含む、コロナウイルスの製造方法を提供する。
一態様において、本実施形態の製造方法における動物細胞は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを含む。また、一態様において、本実施形態の製造方法における動物細胞は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列を含み、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを含む。また、一態様において、本実施形態の製造方法における動物細胞は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上の配列同一性を有する塩基配列、を含み、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有する、ポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを含む。
一態様において、本実施形態の製造方法における動物細胞は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを含む。また、一態様において、本実施形態の製造方法における動物細胞は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有するポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを含む。また、一態様において、本実施形態の製造方法における動物細胞は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、且つ、コロナウイルス感染細胞中に存在させるとコロナウイルスの複製を促進する活性を有する、ポリヌクレオチド又はその2種以上の組み合わせを含む。
一態様において、本実施形態の製造方法における動物細胞は、(i)配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体と、配列番号2の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体との組み合わせ、(ii)配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体と、配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体との組み合わせ、(iii)配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体と、配列番号2の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体と、配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチド若しくはその変異体との組み合わせ、のいずれかの組み合わせを含む。
上述したように、これらの動物細胞では、コロナウイルスの複製が促進されるため、本実施形態の製造方法により、大量のコロナウイルスを製造することができる。
一態様において、本発明は、動物細胞を、上述した複製促進剤又は複製促進用組成物と接触させる工程と、前記工程の前又は後に前記動物細胞にコロナウイルスを感染させる工程と、前記動物細胞を培養し、その結果コロナウイルスが複製する工程と、を含む、コロナウイルスの製造方法を提供する。本実施形態の製造方法は、動物細胞を、複製促進剤又は複製促進用組成物と接触させる前に、動物細胞にコロナウイルスを感染させる場合を含む点において、上述したコロナウイルスの製造方法と主に異なる。
すなわち、コロナウイルスの製造方法において、動物細胞を、複製促進剤又は複製促進用組成物と接触させた後にコロナウイルスを感染させてもよいし、動物細胞にコロナウイルスを感染させ、その後に複製促進剤又は複製促進用組成物と接触させてもよい。いずれの場合であっても、大量のコロナウイルスを製造することができる。
本実施形態の製造方法は、コロナウイルスを動物細胞から分離する工程を更に含んでいてもよい。コロナウイルスの分離は、例えば動物細胞の培養上清を回収し、超遠心すること等により行うことができる。本実施形態の製造方法により製造したコロナウイルスは、例えば、弱毒化ワクチン又は不活化ワクチンの製造に好適に用いることができる。
[コロナウイルスに対するワクチンの製造方法]
一実施形態において、本発明は、コロナワクチンに対する不活化ワクチンの製造方法であって、上述した方法によりコロナウイルスを製造する工程と、製造したコロナウイルスを不活化する工程と、を含む、方法を提供する。コロナウイルスの不活化方法としては通常行われる方法を適宜使用することができ、例えば、過酢酸処理、加熱処理、有機溶剤処理、界面活性剤処理、紫外線照射、放射線照射等が挙げられる。
一実施形態において、本発明は、コロナワクチンに対する弱毒化ワクチンの製造方法であって、上述した方法により、コロナウイルスを製造する工程と、製造したコロナウイルスを弱毒化する工程と、を含む、方法を提供する。弱毒化したコロナウイルスが弱毒化ワクチンとなる。コロナウイルスの弱毒化方法としては、例えば、紫外線照射、放射線照射等が挙げられる。あるいは、初代培養細胞または培養細胞などで数十代以上にわたり継代培養を繰り返すことにより、病原性を弱毒化することもできる。
一実施形態において、本発明は、コロナワクチンに対する弱毒化ワクチンの製造方法であって、上述した方法により、弱毒化されたコロナウイルスを製造する工程を含む、方法を提供する。コロナウイルスの弱毒化方法としては、通常行われる方法を適宜使用することができ、例えば、コロナウイルスの長期培養(継代培養)により遺伝子変異を蓄積させ、感染性を維持したまま病原性が低下したコロナウイルス株を選別する方法等が挙げられる。あるいは、人為的な操作による遺伝子変異によって、感染性を維持したまま病原性が低下したコロナウイルス株を得ることもできる。
[その他の実施形態]
一実施形態において、本発明は、上述した阻害剤の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、コロナウイルス感染症の予防及び/又は治療方法を提供する。
一実施形態において、本発明は、コロナウイルス感染症の予防及び/又は治療のための上述した阻害剤を提供する。
一実施形態において、本発明は、コロナウイルス感染症の予防剤及び/又は治療剤の製造のための上述した阻害剤の使用を提供する。
一実施形態において、本発明は、上述した阻害剤を含む、コロナウイルス感染症の予防及び/又は治療のための医薬組成物を提供する。
これらの実施形態において、コロナウイルス感染症としては、特にCOVID-19が挙げられる。また、これらの実施形態において、阻害剤は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド又はその変異体に相補的に結合するポリヌクレオチドからなり、ポリヌクレオチドに結合することにより、その機能を阻害するものであってもよい。あるいは、阻害剤は、配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドを標的とするsiRNA又はshRNAであってもよい。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[材料及び方法]
本研究は、京都大学の研究倫理委員会によって承認された。ウイルス感染を含む全ての実験は、規制に厳密にしたがって、京都大学のバイオセーフティーレベル3の施設で行った。
(SARS-CoV-2の調製)
SARS-CoV-2 B.1.1.214株(SARS-CoV-2/CiRA/KP557)は、COVID-19患者の鼻咽頭スワブ試料から単離した。ウイルスは、Vero/TMPRSS2細胞(JCRB1818、JCRB細胞バンク)中で増殖させ、-80℃で保存した。Vero/TMPRSS2細胞は、5%ウシ胎児血清(FBS)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加したMinimum Essential Media(MEM、シグマアルドリッチ)中で培養した。
(気管支オルガノイド)
正常ヒト気管支上皮細胞(normal human bronchial epithelial cells、以下「NHBE」という場合がある、#CC-2540、ロンザ)を用いてヒト気管支オルガノイド(BO)を作製した。
NHBEを10mg/mLの冷やしたマトリゲル(成長因子低減、GFR)に懸濁した。続いて、細胞懸濁液50μLずつの液滴を、予め37℃に温めた24ウェルプレート(Nunc)上で10分間インキュベートし固化した。続いて、500μLの拡大培養培地を各ウェルに添加した。拡大培養培地の組成を下記表1に示す。表1中、「+」は含有していることを示し、「-」は含有していないことを示す。培地は2日ごとに交換した。
BOの継代は次のようにして行った。BOを1mLの0.5mM EDTA/PBS(ナカライテスク)に懸濁し、P1000ピペットチップを用いて機械的にせん断した。続いて、2mLのTrypLE Select(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を懸濁液に加えた。続いて、室温で5分間インキュベートした後に、BOを再びP1000ピペットチップを用いて機械的にせん断した。続いて、7mLの拡大培養培地を加えてチューブに移し、400rpmで遠心した。続いて、オルガノイドの断片を冷やした拡大培養培地で再懸濁し、上述したように播種した。BOは10日ごとに継代した。
BOを成熟させる場合には、拡大培養したBOを分化培地中で5日間培養した。分化培地の組成を下記表1に示す。
(阻害剤/模倣物質のトランスフェクション及びSARS-CoV-2の感染)
ヒト気管支オルガノイド(BO)をTrypLE Select(1×、フェノールレッド不含、サーモフィッシャーサイエンティフィック)で解離させ、BO由来気管支上皮細胞を96ウェルプレート(サーモフィッシャーサイエンティフィック)に播種し、分化培地中で24時間培養した。
続いて、BO由来気管支上皮細胞にsvRNA模倣物質又はsvRNA阻害剤(終濃度300nM)を、Lipofectamine RNAiMAX Transfection Reagent(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を用いて4時間トランスフェクションした。続いて、BO由来気管支上皮細胞に、Multiplicity of infection(MOI)0.01で、SARS-CoV-2を2時間感染させた。
(ウイルスRNAのコピー数の定量)
細胞培養上清を等容量の2×RNA溶解バッファーと混合し、室温で10分間インキュベートした。2×RNA溶解バッファーは、0.4U/μLのSUPERase・In RNase Inhibitor(サーモフィッシャーサイエンティフィック)、2%Triton X-100、50mM KCl、100mM Tris-HCl(pH7.4)、40%グリセロールを含む蒸留水であった。続いて、混合液を蒸留水で10倍に希釈した。
ウイルスRNAは、One Step TB Green PrimeScript PLUS RT-PCR Kit(Perfect Real Time、タカラバイオ)を使用し、StepOnePlusリアルタイムPCRシステム(サーモフィッシャーサイエンティフィック)上で定量した。使用したプライマーの塩基配列は、5'-AGCCTCTTCTCGTTCCTCATCAC-3'(forward、配列番号4)及び5'-CCGCCATTGCCAGCCATTC-3'(reverse、配列番号5)であった。標準曲線は、SARS-CoV-2 RNA(10コピー/μL、日本遺伝子研究所)を用いて作成した。
(small RNA-seqのためのウイルス)
SARS-CoV-2/UT-NCGM02/Human/2020/Tokyo(NCGM02)株をVero/TMPRSS2細胞(JCRB1818、JCRB細胞バンク)中で増殖させ、small RNA-seqに用いた。
(細胞)
Vero/TMPRSS2細胞は、10%FBS(サーモフィッシャーサイエンティフィック)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシン(ナカライテスク)を添加したDulbecco’s Modified Eagle Medium (サーモフィッシャーサイエンティフィック)中で培養した。また、Calu-3細胞は、10%FBS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加したRPMI1640培地中で培養した。細胞は、37℃、5%CO環境下でインキュベートした。
(small RNA-seqのためのウイルスの接種)
Calu-3細胞(HTB-55、ATCC)に、MOI 0.001でSARS-CoV-2 NCGM02株を感染させた。1時間暴露した後、接種材料を洗浄し、細胞を、2%FBS(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を添加したRPMI1640培地(ナカライテスク)中で3日間インキュベートした。
(small RNA-seq)
mirVana miRNA Isolation Kit(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を使用して、説明書にしたがって全RNAを抽出した。続いて、全RNAをRNAseフリー水で溶出した。続いて、RNA濃度をNanoDrop 2000分光光度計(サーモフィッシャーサイエンティフィック)で測定した。また、Agilent 2100 Bioanalyzer(アジレント)で全RNAの質を評価した。
続いて、small RNA-seqのためのライブラリをAQ-seq法(Kim H., et al., Bias-minimized quantification of microRNA reveals widespread alternative processing and 3' end modification, Nucleic Acids Research, 47 (5), 2630-2640, 2019.)を少し改変した方法により作製した。まず、全RNA(5μg)を15%変性ポリアクリルアミドゲルで展開し、17~29ntのsmall RNAを切り出した。続いて、切り出したゲル小片をGel Breaker Tubes(コスモバイオ)で、20,400×gで10分間遠心することにより断片化した。続いて、25℃で1,500rpmで一晩振とうすることにより、ゲル小片から、サイズで分画されたRNAを0.3M NaCl(ナカライテスク)に溶出した。続いて、酢酸ナトリウム(日本ジェネティクス)及びGlycoBlue Coprecipitant(サーモフィッシャーサイエンティフィック)と共に、RNAをエタノール沈殿した。
続いて、サイズで分画されたRNAを、反応液中で、3’ランダム化アダプターと25℃で16時間ライゲーションした。反応液は、0.25μMの3’ランダム化アダプター(5'-App/NNNNTGGAATTCTCGGGTGCCAAGG/ddC-3'、配列番号6、IDT)、200UのT4 RNA Ligase 2, truncated KQ(NEB)、1×T4 RNA ligase reaction buffer(NEB)、20% PEG8000(NEB)、10UのSUPERase・In RNase Inhibitor(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を含んでいた。続いて、アダプターがライゲーションされたRNAを、15%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分画し、ライゲーションしなかったアダプターを除去した。続いて、上述した方法と同様にして、サイズで分画されたRNAをゲル精製した。
続いて、アダプターがライゲーションされたRNAを、0.18μMの5’ランダム化アダプター(5'-GUUCAGAGUUCUACAGUCCGACGAUCNNNN-3'、配列番号7、IDT)、14UのT4 RNA Ligase 1、1×T4 RNA ligase reaction buffer(NEB)、20% PEG8000(NEB)、1mM ATP、14UのSUPERase・In RNase Inhibitor(サーモフィッシャーサイエンティフィック)と37℃で1時間反応させ、その後65℃で15分間反応させて酵素を不活性化した。
続いて、アダプターがライゲーションされたRNAを、200UのSuperScript III 逆転写酵素(サーモフィッシャーサイエンティフィック)、1× first-strand buffer(サーモフィッシャーサイエンティフィック)、0.2μM RTプライマー(RTP、5'-GCCTTGGCACCCGAGAATTCCA-3'、配列番号8)、0.5mM dNTP(TruSeq Small RNA kit(イルミナ)に含まれていたもの)及び5mM DTT(サーモフィッシャーサイエンティフィック)と37℃で1時間反応させた。
続いて、70℃で15分間反応させて、逆転写酵素を熱により不活性化させた。cDNAライブラリを、1UのPhusion High-Fidelity DNA Polymerase(サーモフィッシャーサイエンティフィック)、1X Phusion HF buffer(サーモフィッシャーサイエンティフィック),0.5μMプライマー(RP1 forward prime 及びRPIX reverse primer、TruSeq Small RNA kit、イルミナ)及び0.2mM dNTP(タカラバイオ)と反応させて増幅した。続いて、増幅したcDNAライブラリを、6%非変性ポリアクリルアミドゲルで分画し、アダプターダイマーを除去した。続いて、上述した方法と同様にして、サイズで分画されたcDNAライブラリをゲル精製し沈殿させた。続いて、cDNAライブラリのサイズを、Agilent 2100 Bioanalyzer(アジレント)で評価し、濃度を、KAPA Library Quantification Kits(KAPA Biosystems)で定量した。
続いて、プールされたcDNAライブラリを、NextSeq 500/550 High Output Kit v2.5 (75 cycles、イルミナ)を用いてNextSeq 500 platform(イルミナ)でシーケンスした。
(small RNA-seqのデータ解析)
アダプターのトリミング、クオリティフィルタリング、品質管理を、fastp ver. 0.20.1を用いて行った。5’末端及び3’末端の双方の4ntの縮重配列を、cutadapt ver. 2.10を用いて除去した。
続いて、前処理後のリードを、SARS-CoV-2ゲノム(NCGM02、欠失した配列はSARS-CoV-2ゲノムリファレンス配列(NC_045512、NCBI)で補完した)のインデックスにマッピングした。マッピングにはBWA ver. 0.7.17を使用し、以下のパラメータを使用した:bwa aln -n 1 -k 1 -o 0。
(stem-loopリアルタイム定量的RT-PCRによるsvRNAの定量)
上述したものと同様の方法により、mirVana miRNA Isolation Kitを使用して全RNAを抽出した。
カスタムTaqMan Small RNA assays(Cat#4398987、サーモフィッシャーサイエンティフィック)svRNA ORF1ab(5'-GUGAAAUCAUAGGAUACAAGG-3'、配列番号9)、svRNA ORF7a-1(5'-UUCUUGGCACUGAUAACACUCGCUA-3'、配列番号10)、svRNA ORF7a-2(5'-GUGAGCUUUAUCACUACCAAGAGU-3'、配列番号11)及びneg(5'-GUGCUAUGAGGCCCAAUUUC-3'、配列番号12)を発注して使用した。
TaqMan Small RNA Assay for RNU6B(Cat # 4427975, Assay ID 001093、サーモフィッシャーサイエンティフィック)をヒトRNU6Bの検出に使用し内部コントロールとして使用した。
TaqMan MicroRNA Reverse Transcription Kit(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を用いて、全RNA(10ng)を説明書にしたがって逆転写した。
TaqMan Fast Advanced Master Mix(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を用い、QuantStudio 3 Real-Time PCR System(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を使用して、定量的RT-PCRを行った。
[実験例1]
(SARS-CoV-2-由来small viral RNAsの同定)
SARS-CoV-2-由来small viral RNAs(svRNAs)を同定した。Calu-3細胞をmultiplicity of infection(MOI)0.001でSARS-CoV-2(NCGM02)に感染させた。続いて、感染から3日後に全RNAを抽出した。続いて、AQ-seq法に基づいて、Small RNA-seqライブラリを作製した。
続いて、次世代シーケンサーによる網羅的なmiRNA発現プロファイルの取得を行い、得られたリードをウイルスゲノム上にマップすることでSARS-CoV-2由来svRNAを同定した。
図1は、解析したリードのうち、SARS-CoV-2ゲノム(NCGM02)上にマップされたリードの割合を示すグラフである。図1中、「Mock」はSARS-CoV-2を感染させていないCalu-3細胞の結果であることを示し、「SARS-CoV-2-infected」はSARS-CoV-2を感染させたCalu-3細胞の結果であることを示す。また、「Replicate 1」、「Replicate 2」は、それぞれ2回の独立した実験の結果であることを示す。
図2は、SARS-CoV-2を感染させたCalu-3細胞の解析結果において、SARS-CoV-2ゲノム上にマップされたリードを示す図である。2回の独立した実験の結果を示す。図2中、縦軸はウイルスゲノムの各塩基上にマップされたリードの数を示す。縦軸の値が高いほど発現量が高い。
図2の下部には、ウイルスゲノムの全長を示し、タンパク質をコードする領域(Open reading frame:ORF)を示す。「1ab」はORF1abを示し、「S」はSpike proteinを示し、「3」はORF3を示し、「E」はEnvelope proteinを示し、「M」はMembrane proteinを示し、「6」はORF6を示し、「7a」はORF7aを示し、「7b」はORF7bを示し、「8」はORF8を示し、「N」はNucleocapsid proteinを示し、「10」はORF10を示す。
図3及び図4は、図2における顕著なピークに着目して、その周辺領域を拡大表示した図である。図3は、ORF1ab領域にマップされたリードを示す図である。図3におけるピークに対応するsvRNAを、以下、svRNA ORF1abという。svRNA ORF1abは、塩基配列が5'-AAGUGAAAUCAUAGGAUACAAGG-3'(配列番号1)であり、長さが23ntであり、ウイルスゲノム(+)鎖に由来するものであった。
図4は、ORF7a領域にマップされたリードを示す図である。図4における2つのピークに対応するsvRNAを、以下、それぞれ、svRNA ORF7a-1、ORF7a-2という。svRNA ORF7a-1は、塩基配列が5'-CUUUUCUUGGCACUGAUAACACUCGCUA-3'(配列番号2)であり、長さが28ntであり、ウイルスゲノム(+)鎖に由来するものであった。svRNA ORF7a-2は、塩基配列が5'-GUGAGCUUUAUCACUACCAAGAGU-3'(配列番号3)であり、長さが24ntであり、ウイルスゲノム(+)鎖に由来するものであった。
[実験例2]
(定量的RT-PCRによるSARS-CoV-2由来svRNAの発現の確認1)
成熟svRNAに特異的な逆転写プライマーとTaqMan probeを用いて、SARS-CoV-2を感染させていないCalu-3細胞、及び、SARS-CoV-2を感染させたCalu-3細胞におけるsvRNAの発現量を定量した。MOI 0.001でSARS-CoV-2に感染させ、感染から3日後に、各細胞におけるsvRNAの発現量を定量した。
図5A~図5Dは、定量的RT-PCRの結果を示すグラフである。それぞれ、2回の独立した実験の結果を示す。図5AはsvRNA ORF1abの発現定量結果を示す。図5BはsvRNA ORF7a-1の発現定量結果を示す。図5CはsvRNA ORF7a-2の発現定量結果を示す。図5DはsvRNA Negative control領域(neg)の発現定量結果を示す。miRNA-seqの結果、マップされたリードが最も少ない20塩基の配列をウイルスゲノムから選択し、negative control領域として利用した。図5A~図5D中、黒いバーは2回の実験の平均値を示す。内部標準としてRNU6Bを使用した。縦軸は、RNU6Bの発現量に対する発現量の相対値を示す(標準化された発現量)。40サイクルのPCR後もシグナルの増幅が見られなかった場合は、Not detectedとした。図5A~図5D中、「Mock」はSARS-CoV-2を感染させていないCalu-3細胞の結果であることを示し、「SARS-CoV-2-infected」はSARS-CoV-2を感染させたCalu-3細胞の結果であることを示す。
[実験例3]
(SARS-CoV-2由来svRNAとその周辺領域の2次構造予測)
一般にmiRNAの前駆体はヘアピン様のstem-loop構造を持ち、そこから種々のタンパク質によって成熟miRNAが切り出される。svRNA前駆体が、stem-loop構造を持つか否かを確かめるために、svRNAとその周辺の2次構造をRNAfold(http://rna.tbi.univie.ac.at/cgi-bin/RNAWebSuite/RNAfold.cgi)を使用して予測した。
図6及び図7は予測した2次構造を示す図である。図6は、svRNA ORF1ab、その100nt上流及び100nt下流の領域の2次構造を示す。図7は、svRNA ORF7a-1、svRNA ORF7a-2、それらの100nt上流及び100nt下流の領域の2次構造を示す。その結果、svRNA ORF1ab、svRNA ORF7a-1、svRNA ORF7a-2はstem-loop構造に含まれることが明らかとなった。
[実験例4]
(svRNA阻害剤及びsvRNA模倣物質の作製)
svRNA ORF1ab、svRNA ORF7a-1、及び、svRNA ORF7a-2に対する阻害剤(inhibitor)及び模倣物質(mimic)を、味の素バイオファーマサービス(https://www.ajioligos.com/products/mirna-mimic-inhibitor/)に外注して作製した。
図8は、svRNA阻害剤の構造を示す模式図である。作製したsvRNA阻害剤は、2つのsvRNA結合部位を有する2’-O-メチル化二本鎖RNAであり、細胞内でsvRNAに結合し、その機能を阻害するものであった。
svRNA ORF1abに対する阻害剤は、5'-GACGGCGCUAGGAUCAUCAACCCUUGUAUCCUAUGAUUUCACUUCAAGUAUUCUGGU-3'(配列番号13)の塩基配列を有するRNA鎖と、5'-ACCAGAAUACAACCCUUGUAUCCUAUGAUUUCACUUCAAGAUGAUCCUAGCGCCGUC-3'(配列番号14)の塩基配列を有するRNA鎖とをハイブリダイズさせたものであった。これらのRNA鎖は全長にわたって2’-O-メチル化されていた。
svRNA ORF7a-1に対する阻害剤は、5'-GACGGCGCUAGGAUCAUCAACUAGCGAGUGUUAUCAGUGCCAAGAAAAGCAAGUAUUCUGGU-3'(配列番号15)の塩基配列を有するRNA鎖と、5'-ACCAGAAUACAACUAGCGAGUGUUAUCAGUGCCAAGAAAAGCAAGAUGAUCCUAGCGCCGUC-3'(配列番号16)の塩基配列を有するRNA鎖とをハイブリダイズさせたものであった。これらのRNA鎖は全長にわたって2’-O-メチル化されていた。
svRNA ORF7a-2に対する阻害剤は、5'-GACGGCGCUAGGAUCAUCAACACUCUUGGUAGUGAUAAAGCUCACCAAGUAUUCUGGU-3'(配列番号17)の塩基配列を有するRNA鎖と、5'-ACCAGAAUACAACACUCUUGGUAGUGAUAAAGCUCACCAAGAUGAUCCUAGCGCCGUC-3'(配列番号18)の塩基配列を有するRNA鎖とをハイブリダイズさせたものであった。これらのRNA鎖は全長にわたって2’-O-メチル化されていた。
図9左は、svRNA模倣物質の構造を示す模式図である。作製したsvRNA模倣物質は、化学修飾された二本鎖RNAであり、図9右に示すようにRISC複合体に取り込まれ、天然のmiRNAの転写後遺伝子発現調節機能を模倣するものであった。
svRNA ORF1abの模倣物質、svRNA ORF7a-1の模倣物質、svRNA ORF7a-2の模倣物質は、それぞれ、svRNA ORF1abの塩基配列、svRNA ORF7a-1の塩基配列、svRNA ORF7a-2の塩基配列に基づいて、ジーンデザイン社に設計及び合成を依頼した。
[実験例5]
(svRNA阻害剤及びsvRNA模倣物質がウイルス複製に与える影響の検討)
svRNA阻害剤及びsvRNA模倣物質がウイルス複製に与える影響を検討した。図10は実験スケジュールを説明する図である。まず、気管支オルガノイド由来上皮細胞に、SARS-CoV-2由来svRNA阻害剤又はsvRNA模倣物質を4時間トランスフェクションした。続いて、各細胞にMOI 0.01でSARS-CoV-2を2時間感染させた。続いて、ウイルス感染させた気管支オルガノイド由来上皮細胞を、分化培地中で48時間培養した。図10中、「dpi」はウイルス感染後の日数(days post infection)を示す。続いて、細胞培養上清中のウイルスRNAのコピー数を定量的RT-PCRで測定した。したがって、本実験は、svRNA阻害剤によるSARS-CoV-2複製の予防効果を検討したものであるということができる。
図11は、svRNA阻害剤を単独で又は組み合わせて導入した場合に、細胞培養上清中に含まれるウイルスゲノムのコピー数を定量した結果を示すグラフである。図11中、「N.C.」はネガティブコントロールを示し、「7a-1」はsvRNA ORF7a-1に対する阻害剤を示し、「7a-2」はsvRNA ORF7a-2に対する阻害剤を示し、「1ab」はsvRNA 1abに対する阻害剤を示し、「All」は、svRNA ORF7a-1に対する阻害剤、svRNA ORF7a-2に対する阻害剤及びsvRNA 1abに対する阻害剤の組み合わせを示す。データは平均値±標準偏差(n=3)で示す。
その結果、svRNA ORF7a-1に対する阻害剤及びsvRNA 1abに対する阻害剤の組み合わせ、svRNA ORF7a-2に対する阻害剤及びsvRNA 1abに対する阻害剤の組み合わせ、svRNA ORF7a-1に対する阻害剤、svRNA ORF7a-2に対する阻害剤及びsvRNA 1abに対する阻害剤の組み合わせを細胞に導入した場合に、ウイルスゲノムのコピー数が減少したことが明らかとなった。
続いて、気管支オルガノイド由来上皮細胞の代わりに、アンジオテンシン変換酵素(ACE)2を過剰発現させたiPS細胞(ACE2-iPS)を用いて同様の実験を行った。その結果、ACE2-iPS細胞を用いた場合においても、svRNA阻害剤の導入により細胞培養上清中のウイルスRNAのコピー数が減少したことが明らかとなった。
また、TCID50(Median tissue culture infectious dose、50%感染量)アッセイにより、細胞培養上清中に含まれる感染可能なウイルスの力価を測定した。その結果、svRNA阻害剤を加えた条件では、ネガティブコントロールに比べてウイルスの力価が低下することが確認できた。
また、SARS-CoV-2の複数のバリアント(α、β、γ、δ型)を用いて同様の実験を行った。その結果、いずれのバリアントに対しても、svRNA阻害剤の併用によるウイルス複製阻害効果を確認できた。
これらの結果から、svRNA阻害剤は、ウイルス感染細胞においてウイルス複製を抑制する阻害剤として利用できる可能性が示唆された。
図12は、svRNA模倣物質を単独で又は組み合わせて導入した場合に、細胞培養上清中に含まれるウイルスゲノムのコピー数を定量した結果を示すグラフである。図12中、「N.C.」はネガティブコントロールを示し、「7a-1」はsvRNA ORF7a-1の模倣物質を示し、「7a-2」はsvRNA ORF7a-2の模倣物質を示し、「1ab」はsvRNA 1abの模倣物質を示し、「All」は、svRNA ORF7a-1の模倣物質、svRNA ORF7a-2の模倣物質及びsvRNA 1abの模倣物質の組み合わせを示す。データは平均値±標準偏差(n=3)で示す。
その結果、svRNA ORF7a-1の模倣物質、svRNA ORF7a-2の模倣物質、svRNA 1abの模倣物質をそれぞれ単独で細胞に導入した場合、及び、svRNA ORF7a-1の模倣物質及びsvRNA ORF7a-2の模倣物質の組み合わせを細胞に導入した場合に、ネガティブコントロールよりもウイルスゲノムのコピー数が増加したことが明らかとなった。
更に、svRNA ORF7a-1の模倣物質及びsvRNA 1abの模倣物質の組み合わせ、svRNA ORF7a-2の模倣物質及びsvRNA 1abの模倣物質の組み合わせ、svRNA ORF7a-1の模倣物質、svRNA ORF7a-2の模倣物質及びsvRNA 1abの模倣物質の組み合わせを細胞に導入した場合に、ウイルスゲノムのコピー数がより顕著に増加したことが明らかとなった。
[実験例6]
(svRNA阻害剤によるCOVID-19の治療効果の検討)
svRNA阻害剤によるCOVID-19の治療効果を検討した。図13は実験スケジュールを説明する図である。まず、気管支オルガノイド由来上皮細胞に、MOI 0.1でSARS-CoV-2を感染させた。続いて、ウイルス感染させた気管支オルガノイド由来上皮細胞を、分化培地中で24時間培養した。続いて、SARS-CoV-2由来svRNA阻害剤を4時間トランスフェクションした。svRNA阻害剤の濃度は300nMであった。続いて、SARS-CoV-2由来svRNA阻害剤をトランスフェクションした気管支オルガノイド由来上皮細胞を、分化培地中で48時間培養した。図13中、「dpi」はウイルス感染後の日数(days post infection)を示す。続いて、細胞培養上清中のウイルスRNAのコピー数を定量的RT-PCRで測定した。したがって、本実験は、SARS-CoV-2感染後に、svRNA阻害剤によるSARS-CoV-2複製の抑制効果を検討したものである。すなわち、本実験は、svRNA阻害剤によるCOVID-19の治療効果を検討したものであるということができる。
図14は、svRNA阻害剤を単独で又は組み合わせて導入した場合に、細胞培養上清中に含まれるウイルスゲノムのコピー数を定量した結果を示すグラフである。図14中、「N.C.」はネガティブコントロールを示し、「7a-1」はsvRNA ORF7a-1に対する阻害剤を示し、「7a-2」はsvRNA ORF7a-2に対する阻害剤を示し、「1ab」はsvRNA 1abに対する阻害剤を示し、「All」は、svRNA ORF7a-1に対する阻害剤、svRNA ORF7a-2に対する阻害剤及びsvRNA 1abに対する阻害剤の組み合わせを示す。データは平均値±標準偏差(n=3)で示す。
その結果、svRNA ORF7a-1に対する阻害剤及びsvRNA 1abに対する阻害剤の組み合わせ、svRNA ORF7a-2に対する阻害剤及びsvRNA 1abに対する阻害剤の組み合わせ、svRNA ORF7a-1に対する阻害剤、svRNA ORF7a-2に対する阻害剤及びsvRNA 1abに対する阻害剤の組み合わせを細胞に導入した場合に、ウイルスゲノムのコピー数が減少したことが明らかとなった。
この結果から、svRNA阻害剤は、ウイルス感染細胞においてウイルス複製を抑制する治療剤として利用できることが示された。
[実験例7]
(定量的RT-PCRによるSARS-CoV-2由来svRNAの発現の確認2)
成熟svRNAに特異的な逆転写プライマーとTaqMan probeを用いて、SARS-CoV-2を感染させていない気管支オルガノイド由来上皮細胞、及び、SARS-CoV-2を感染させた気管支オルガノイド由来上皮細胞におけるsvRNAの発現量を定量した。MOI 0.1でSARS-CoV-2に感染させ、感染後4日目まで経時的に各細胞におけるsvRNAの発現量を定量した。
図15A~図15Cは、定量的RT-PCRの結果を示すグラフである。図15AはsvRNA ORF1abの発現定量結果を示す。図15BはsvRNA ORF7a-1の発現定量結果を示す。図15CはsvRNA ORF7a-2の発現定量結果を示す。図15A~図15C中、丸は3つの異なるウェルの平均値を示す。内部標準としてRNU6Bを使用した。縦軸は、RNU6Bの発現量に対する発現量の相対値を示す(標準化された発現量)。また、「Mock」はSARS-CoV-2を感染させていない気管支オルガノイド由来上皮細胞の結果であることを示し、「SARS-CoV-2」はSARS-CoV-2を感染させた気管支オルガノイド由来上皮細胞の結果であることを示す。また、「dpi」はウイルス感染後の日数(days post infection)を示す。
[実験例8]
(定量的RT-PCRによるSARS-CoV-2由来svRNAの発現の確認3)
気管支オルガノイド由来上皮細胞の代わりに、アンジオテンシン変換酵素(ACE)2を過剰発現させたiPS細胞(ACE2-iPS)を用いて実験例7と同様の実験を行った。
成熟svRNAに特異的な逆転写プライマーとTaqMan probeを用いて、SARS-CoV-2を感染させていないACE2-iPS、及び、SARS-CoV-2を感染させたACE2-iPSにおけるsvRNAの発現量を定量した。MOI 0.1でSARS-CoV-2に感染させ、感染後4日目まで経時的に各細胞におけるsvRNAの発現量を定量した。
図16A~図16Cは、定量的RT-PCRの結果を示すグラフである。図16AはsvRNA ORF1abの発現定量結果を示す。図16BはsvRNA ORF7a-1の発現定量結果を示す。図16CはsvRNA ORF7a-2の発現定量結果を示す。図16A~図16C中、丸は3つの異なるウェルの平均値を示す。内部標準としてRNU6Bを使用した。縦軸は、RNU6Bの発現量に対する発現量の相対値を示す(標準化された発現量)。また、「Mock」はSARS-CoV-2を感染させていないACE2-iPSの結果であることを示し、「SARS-CoV-2」はSARS-CoV-2を感染させたACE2-iPSの結果であることを示す。また、「dpi」はウイルス感染後の日数(days post infection)を示す。
本発明によれば、コロナウイルスの生活環を制御する技術を提供することができる。この技術は、コロナウイルスによる感染症の予防や治療に適用することができる。

Claims (9)

  1. (i)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列、
    (ii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列、若しくは
    (iii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して90%以上の配列同一性を有する塩基配列
    を含み、且つ、SARS-CoV-2感染細胞中に存在させるとSARS-CoV-2の複製を促進する活性を有する、ポリヌクレオチド、
    又は、
    (i)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列、
    (ii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列、若しくは
    (iii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して90%以上の配列同一性を有する塩基配列
    からなり、且つ、SARS-CoV-2感染細胞中に存在させるとSARS-CoV-2の複製を促進する活性を有する、ポリヌクレオチド、
    有効成分とする、SARS-CoV-2の複製促進剤。
  2. (i)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列、
    (ii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列、若しくは
    (iii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して90%以上の配列同一性を有する塩基配列
    を含み、且つ、SARS-CoV-2感染細胞中に存在させるとSARS-CoV-2の複製を促進する活性を有する、ポリヌクレオチド、
    又は、
    (i)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列、
    (ii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列、若しくは
    (iii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して90%以上の配列同一性を有する塩基配列
    からなり、且つ、SARS-CoV-2感染細胞中に存在させるとSARS-CoV-2の複製を促進する活性を有する、ポリヌクレオチド、
    2種以上の組み合わせを有効成分として含む、SARS-CoV-2の複製促進用組成物。
  3. (i)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列、
    (ii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列、若しくは
    (iii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して90%以上の配列同一性を有する塩基配列
    を含み、且つ、SARS-CoV-2感染細胞中に存在させるとSARS-CoV-2の複製を促進する活性を有する、ポリヌクレオチド、
    又は、
    (i)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列、
    (ii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列、若しくは
    (iii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して90%以上の配列同一性を有する塩基配列
    からなり、且つ、SARS-CoV-2感染細胞中に存在させるとSARS-CoV-2の複製を促進する活性を有する、ポリヌクレオチド、
    の模倣物質を有効成分とし、
    前記模倣物質は、前記ポリヌクレオチドとその相補鎖のポリヌクレオチドとがハイブリダイズした2本鎖ポリヌクレオチドである、SARS-CoV-2の複製促進剤。
  4. 配列番号1に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対する阻害剤と、配列番号2に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対する阻害剤との組み合わせ、
    配列番号1に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対する阻害剤と、配列番号3に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対する阻害剤との組み合わせ、又は
    配列番号1に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対する阻害剤と、配列番号2に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対する阻害剤と、配列番号3に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対する阻害剤の組み合わせ、
    有効成分とし、
    前記阻害剤は、前記ポリヌクレオチドに相補的に結合するポリヌクレオチド又は前記ポリヌクレオチドを標的とするsiRNA若しくはshRNAである、SARS-CoV-2の複製抑制剤。
  5. 請求項に記載の複製抑制剤を含む、SARS-CoV-2感染症の予防及び/又は治療医薬組成物。
  6. インビトロで、動物細胞を、請求項に記載の複製抑制剤と接触させる工程を含む、前記動物細胞におけるSARS-CoV-2の複製抑制方法。
  7. インビトロで、動物細胞を、請求項に記載の複製促進剤又は請求項2に記載の複製促進用組成物と接触させる工程と、
    前記工程の前又は後に前記動物細胞にSARS-CoV-2を感染させる工程と、
    を含む、前記動物細胞におけるSARS-CoV-2の複製促進方法。
  8. (i)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列、
    (ii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列、若しくは
    (iii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して90%以上の配列同一性を有する塩基配列
    を含み、且つ、SARS-CoV-2感染細胞中に存在させるとSARS-CoV-2の複製を促進する活性を有する、ポリヌクレオチド、
    又は、
    (i)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列、
    (ii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列において、1~3個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加した塩基配列、若しくは
    (iii)配列番号1~3のいずれかに記載の塩基配列に対して90%以上の配列同一性を有する塩基配列
    からなり、且つ、SARS-CoV-2感染細胞中に存在させるとSARS-CoV-2の複製を促進する活性を有する、ポリヌクレオチド、
    又は、前記ポリヌクレオチドの2種以上の組み合わせ、
    を含む動物細胞にSARS-CoV-2を感染させる工程と、
    SARS-CoV-2を感染させた前記動物細胞を培養する工程と、を含む、
    SARS-CoV-2の製造方法。
  9. 請求項に記載の方法によりSARS-CoV-2を複製させる工程と、
    複製したSARS-CoV-2を前記動物細胞から分離する工程と、を含む、
    SARS-CoV-2の製造方法。
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