JP7779445B1 - ポリオレフィン微多孔膜、電池用セパレータおよびリチウムイオン二次電池 - Google Patents
ポリオレフィン微多孔膜、電池用セパレータおよびリチウムイオン二次電池Info
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Abstract
Description
[I]目付換算突刺強度が1.18N/(g/m2)以上1.96N/(g/m2)以下であり、示差走査熱量(DSC)測定における一回目の昇温で検出されるDSC曲線において、以下の条件で求められる第一ピーク高さH(T1)と第二ピーク高さH(T2)の比H(T1)/H(T2)が0.8以上、2.0未満であるポリオレフィン微多孔膜。
[第一ピーク高さH(T1)、第二ピーク高さH(T2)の測定条件]
走査型示差熱量計(PARKING ELMER製 PYRIS DIAMOND DSC)において、30℃から230℃まで10℃/分の速度で昇温させて得られるDSC曲線において、以下の手順により第一ピーク高さH(T1)、第二ピーク高さH(T2)を求める。
ここでY(Ti)とH(Ti)はそれぞれ温度Tiにおける生データおよび近似した値を表し、添え字のiは生データの各温度を表す。
(ii)各温度における曲率C(T)を次式により求める。
C(T)=(d2H/dT2)/(1+(dH/dT)2)3/2
(iii)130~155℃の範囲において、曲率の極小値が負の値を示す温度の内、熱流の値が一番高い温度をT1、T1より高い温度で一番温度が高い温度をT2とし、それぞれの温度におけるDSC曲線の値を第一ピーク高さH(T1)、第二ピーク高さH(T2)とする。
[II]7.8Mpa/70℃/10Sec加圧加熱後空孔率が37%以上である[I]に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[III]目付換算フィルム長手方向(MD方向)最大収縮応力が0以上10mN/(g/m2)以下である[I]または[II]に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[IV]
以下の条件で測定されるラマン配向パラメータの合計値が75以上であり、ラマン配向パラメータのMD/TD比が0.75以上、0.92未満である[I]~[III]のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜。
[ラマン配向パラメータの測定条件]
〔装置〕
・測定装置:顕微ラマン分光システムinVia(Renishaw社製)
・集光条件:180°後方散乱配置
・分光長:250mm
・回折格子:3000本/mm
・励起レーザー:532nm
・レンズ:50倍対物レンズ(N.A.=0.75)
・スポットサイズ(空間分解能):5μm
〔偏光条件〕
レーザーはフィルム面(XY平面)法線方向から垂直入射し、偏光子を用いて偏光とした。測定試料を回転し、MDを0°として15°刻みで345°までの24方向について各方向のラマンスペクトルを得る。
〔ピーク強度の算出〕
得られたラマンスペクトルについて1020cm-1以上1160cm-1以下の領域で直線近似によりベースラインを取得し、1060cm-1と1130cm-1のラマンバンドの最大値をピーク強度I1130、I1160としてそれぞれ求める。
〔配向パラメータ〕
1130cm-1と1060cm-1のピーク強度比(I1130/I1060)を配向パラメータとし、0°の配向パラメータ(MD配向パラメータ)と90°の配向パラメータ(TD配向パラメータ)から、MD配向パラメータ/TD配向パラメータを求める。またMDを0°として15°刻みで345°までの24方向について測定したときの各方向(15°×n(1≦n≦24(nは整数)))の配向パラメータの合計をラマン配向パラメータの合計値として求める。
[V]昇温透気抵抗度法測定におけるシャットダウン温度が146℃未満である[I]~[III]のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜。
[VI]バブルポイント径が20nm以上である[I]~[V]のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜。
[VII]ゲルパーエミーションクロマトグラフィー(GPC)法により得られる微分分子量分布曲線において、以下の方法で求められるピークの個数が1つのみであり、重量平均分子量Mwが5.0×105以上2.0×106以下であり、分子量が2.0×106以上の割合が全体の5%以上20%以下である[I]~[VI]のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜。
[GPCの測定条件およびピークの個数の検出方法]
・測定装置:Agilent製高温GPC装置PL-GPC220
・カラム:Agilent製PL1110-6200(20μm MIXED-A)×2本
・カラム温度:160℃
・溶媒(移動相):1,2,4-トリクロロベンゼン
・溶媒流速:1.0mL/分
・試料濃度:0.1重量%(溶解条件:160℃/3.5H)
・インジェクション量:500μL
・検出器:Agilent製示差屈折率検出器(RI検出器)
・粘度計:Agilent製粘度検出器
・検量線:単分散ポリスチレン標準試料(EASIVIAL PS-H、PL2014-9001、PL2013-6001)を用いたユニバーサル検量線法にて作成する。またピークの個数は上記GPC法により得られた微分分子量分布に対して以下の手順により求める。
(i)縦軸に濃度分率を分子量の対数値で微分した値dw/dlogM、横軸に分子量の対数logMをプロットし、プロット点に対して平滑化スプラインによる近似を行い、dw/dlogMをlogMの関数として表すG(logM)を得る。近似計算にはPythonのUnivariateSplineモジュールを用い、平滑化スプラインの関数は4次関数、平滑化パラメータは1とする。なお計算方法、平滑化スプラインの関数、平滑化パラメータは上記に限られるものではないが、下記するようにG(logM)を2階微分して曲率を評価することから上記関数は4次以上の関数を用いることが好ましい。また各温度におけるデータ点と近似値との誤差を次式で評価し、次式より得られる値が0~5.0の範囲となるようにG(logM)を決定する。
式:((Y(Mi)-G(logMi))2)1/2)×100
ここでY(Mi)とG(logMi)はそれぞれ分子量Miにおける生データおよび近似した値を表し、添え字のiは生データの各分子量を表す。なおwは濃度分率、Mは分子量である。
(ii)各logMにおける曲率D(logM)を次式により求める。
D(T)=(d2G/dlogM2)/(1+(dG/dlogM)2)3/2
(iii)logMが3以上7以下の範囲において、曲率D(T)の極小値が負の値を示すlogMの内、曲率D(T)が-0.2以下であるlogMの個数を数えピークの個数とする。
また分子量が2.0×106以上の成分の割合は以下の手順により求める。
(i)GPC測定より得られたデータに対し、log(M)、dw/dlog(M)をプロットすることで微分分子量分布曲線を得る。
(ii)得られた微分分子量分布曲線とベースライン(通常は、横軸である)とで囲まれた領域の面積を100%としたときの分子量2.0×106以上の成分の面積の割合を算出する。なお、各領域の面積は微分分子量分布曲線グラフからの実面積として求める。
[VIII]ポリオレフィン微多孔膜の少なくとも片面に多孔質層を有する、[I]~[VII]のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜。
[IX][I]~[VIII]のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜を含む電池用セパレータ。
[X][I]~[VIII]のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜を含むリチウムイオン二次電池。
[目付換算突刺強度]
本発明のポリオレフィン微多孔膜は、目付換算突刺強度が1.18N/(g/m2)以上であり、より好ましくは1.27N/(g/m2)以上であり、さらに好ましくは1.37N/(g/m2)以上である。目付換算突刺強度が1.96N/(g/m2)以下であり、より好ましくは1.86N/(g/m2)以下であり、さらに好ましくは1.76N(g/m2)以下である。
本発明のポリオレフィン微多孔膜は、後述する条件で測定される示差走査熱量(DSC)測定における一回目の昇温で検出されるDSC曲線において、以下の条件で求められる第一ピーク高さH(T1)と第二ピーク高さH(T2)の比H(T1)/H(T2)が0.8以上であり、より好ましくは0.9以上であり、さらに好ましくは1.0以上である。また、本発明のポリオレフィン微多孔膜は、第一ピーク高さH(T1)と第二ピーク高さH(T2)の比H(T1)/H(T2)が2.0未満であり、より好ましくは1.6以下であり、さらに好ましくは1.5以下であり、特に好ましくは1.18以下である。
微多孔膜の融解吸熱ピーク高さ比を上記範囲内とするためには、例えば、後述の超高ポリエチレンの分子量と含有率、延伸温度や延伸倍率などの製造条件を設定する手法がある。
本発明のポリオレフィン微多孔膜は、7.8MPa/70℃/10Sec加圧加熱後の空孔率が37%以上であることが好ましい。より好ましくは38%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。上限は、好ましくは60%以下であり、より好ましくは50%以下である。
加圧加熱後空孔率、加圧加熱後膜厚変化率を上記範囲内とするためには、微多孔膜に使用する原料やその組成および製膜条件を適宜設定することで達成できる。
本発明のポリオレフィン微多孔膜は、後述する条件で測定される熱機械分析装置(TMA)測定における目付換算MD方向最大収縮応力0mN/(g/m2)以上10mN/(g/m2)以下であることが好ましい。より好ましくは0mN/(g/m2)以上9mN/(g/m2)以下であり、さらに好ましくは0mN/(g/m2)以上8mN/(g/m2)以下である。
本発明のポリオレフィン微多孔膜は、後述する方法で測定されるラマン配向パラメータの合計値が、75以上であることが好ましく、より好ましくは78以上であり、さらに好ましくは80以上である。上限は特に限られるものではないが、製膜性の観点から120以下、より好ましくは100以下とすることが挙げられる。またラマン配向パラメータの長手方向(MD)と幅方向(TD)の比は0.75以上であることが好ましく、より好ましくは0.80以上であり、さらに好ましくは0.83以上である。ラマン配向パラメータのMDとTDの比の上限は0.92以下であることが好ましく、0.87以下であることがさらに好ましい。
上記ラマン配向パラメータは、製造工程においてポリオレフィンの分子量や配合比や延伸温度、延伸倍率などの製膜条件を組み合わせて調整することにより所定の範囲内とすることが可能である。
本発明のポリオレフィン微多孔膜は、昇温透気抵抗度法測定におけるシャットダウン温度が146℃未満であることが好ましい。前記シャットダウン温度が上記の好ましい範囲であると、ポリオレフィン微多孔膜を電池用セパレータとして使用したとき、電池が高温下に置かれた際に素早く電流を遮断するため耐熱性に優れる。前記シャットダウン温度は、製造工程においてポリオレフィンの分子量や配合比や延伸温度、延伸倍率などの製膜条件を組み合わせて調整することにより所定の範囲内とすることが可能である。下限は特に限られるものでは無いが、製膜性の観点からは、100℃以上とすること好ましく、140℃以上とすることがより好ましい。
本発明のポリオレフィン微多孔膜は、後述する方法で測定されるバブルポイント径が20nm以上であることが好ましく、より好ましくは25nm以上である。上限は特に限られるものではないが、製膜性の観点から70nm以下とすること、より好ましくは50nm以下とすることが挙げられる。バブルポイント径の値が上記範囲内であると、イオン透過性に優れるため電池用セパレータとして使用した際に十分な出力特性を得ることができる。
本発明のポリオレフィン微多孔膜を構成するポリオレフィンは、目付換算突刺強度、H(T1)/H(T2)の値、加圧加熱後空孔率、加圧加熱後膜厚変化率、目付換算MD最大収縮応力、ラマン配向パラメータ、シャットダウン温度、バブルポイント径を制御しやすくする観点から、ゲルパーエミーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求められる重量平均分子量(Mw)が5.0×105~2.0×106の範囲であることが好ましく、5.6×105~1.0×106の範囲であることがより好ましい。また、GPC法により得られる微分分子量分布曲線において、ピークが1つのみであり、分子量2.0×106以上の割合が全体の5%以上20%以下であることが好ましく、7%以上15%以下であることがより好ましい。
本発明のポリオレフィン微多孔膜は、単層の微多孔膜であっても、複数の層からなる多層微多孔膜であってもよい。単層でのポリオレフィン樹脂組成物を以下に説明する。
ポリオレフィン樹脂組成物はポリエチレンを含んでもよい。
(ポリエチレン)
ポリエチレンは、微多孔膜の強度や延伸性を制御しやすくする観点から、重量平均分子量(Mw)が5.0×105以上2.0×106未満であることが好ましく、またポリエチレンの融点は128℃以上137℃以下が好ましい。ポリエチレンは、エチレン以外の他のα-オレフィン共重合体を少量含有する共重合体であってもよい。エチレン以外のα-オレフィン共重合体としては、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペンテン-1、オクテン-1、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル及びスチレンが好ましい。エチレン以外のα-オレフィンの含有率は、α-オレフィン共重合体を100mol%として5mol%以下が好ましい。
シウム、炭酸マグネシウム、ケイ素などが挙げられる。
本発明のポリオレフィン微多孔膜の製造方法は特に限られるものではないが、以下の工程を含むことが好ましい。各工程について詳細を説明する。
(a)溶液の調整
(b)ゲル状シートの成形
(c)第一の延伸
(d)第二の延伸
(e)可塑剤の除去、乾燥
(f)第三の延伸
(g)熱処理
(a)溶液の調整
二軸押出し機中にてポリオレフィン樹脂組成物に可塑剤を添加し、溶融混練し、溶液を調整する。樹脂溶液の全体に対して、ポリオレフィン樹脂組成物は10質量%以上30重量%以下を含有することが好ましい。ポリオレフィン樹脂組成物の濃度を上記の範囲内にすることで、ポリオレフィン溶液を押出す際に、ダイ出口でのメルトフラクチャやネックインが防止でき、押出し成形体の成形性及び外観が良好になる。上記溶液を押出機からダイに送給し、シート状に押し出すことで押出成形体を得る。押出方法はフラットダイ法及びインフレーション法のいずれでもよい。フラットダイのギャップは0.1mm以上5m
m以下に設定できる。押出し温度は140℃以上240℃未満が好ましく、押出速度は0.2~15m/分が好ましい。
(b)ゲル状シートの成形
得られた押出し成形体を冷却することによりゲル状シートを成形する。冷却方法としては冷風、冷却水等の冷媒に接触させる方法、冷却ロールに接触させる方法等を用いることができるが、冷媒で冷却したロールに接触させて冷却させることが好ましい。冷却は少なくともゲル化温度までは50℃/分以上の速度で行うのが好ましい。冷却は25℃以下まで行うのが好ましい。冷却速度が上記範囲内であると結晶度が適度な範囲に保たれ、延伸に適したゲル状シートとなる。
次いで、ゲル状シートを延伸する。ゲル状シートは予熱後、テンター法、ロール法、インフレーション法、又はこれらの組合せにより所定の倍率で延伸するのが好ましい。延伸は一軸延伸でも二軸延伸でもよい。延伸倍率(面延伸倍率)は、9倍以上が好ましく、16倍以上がより好ましく、25倍以上が特に好ましい。MDおよびTDでの延伸倍率は同じでも異なってもよく、MD及びTDのいずれも延伸倍率は3倍以上が好ましい。第一の延伸温度は、110℃以上130℃以下であることが好ましい。
第二の延伸は予熱後、テンター法、ロール法、インフレーション法、又はこれらの組合せにより所定の倍率で延伸するのが好ましい。延伸は一軸延伸でも二軸延伸でもよい。予熱および延伸温度は110℃以上130℃以下であることが好ましい。延伸倍率は5倍以上が好ましく、6倍以上がより好ましく、7倍以上がさらに好ましい。MDおよびTDでの延伸倍率は同じでも異なってもよい。
次いで洗浄溶媒を用いて、ゲル状シートに含まれる可塑剤の除去と乾燥を行う。洗浄溶媒およびこれを用いた可塑剤の除去方法は公知であるので説明を省略する。例えば日本国特許第2132327号明細書や特開2002-256099号公報に開示の方法を利用することができる。可塑剤を除去したあと、加熱乾燥法又は風乾法により乾燥する。加熱乾燥、風乾(空気を動かすこと)等の従来の方法を含む、洗浄溶媒を除去することが可能ないずれの方法を用いてもよい。
(f)第三の延伸
次いで可塑剤を除去したフィルムに対して第三の延伸を行ってもよい。第三の延伸は一軸延伸でも二軸延伸でもよく、二軸延伸は同時二軸延伸と逐次二軸延伸のどちらでもよい。延伸倍率は1倍以上10倍以下が好ましく、1.2倍以上7倍以下がより好ましく、さらに好ましくは1.2倍以上5倍以下である。MDおよびTDでの延伸倍率は同じでも異なってもよい。第二の延伸の予熱および延伸温度は100℃以上145℃以下であることが好ましく、より好ましくは105℃以上140℃以下であり、逐次延伸の場合はMDとTDの延伸温度が異なっていてもよい。
可塑剤の除去後、クリップで把持した状態で幅を固定したまま熱処理を施す。熱処理は115.0℃以上140℃以下とすることが好ましい。熱処理温度を上記の範囲とすることでポリオレフィン微多孔膜の熱収縮率を抑えることができる。
本発明の積層ポリオレフィン微多孔膜は、本発明のポリオレフィン微多孔膜の少なくとも一方の表面に、さらに1層以上の多孔質層を備えるものであることが好ましい。
定されず、公知の材料を用いることができ、例えば、アルミナ、ベーマイト、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ素などを用いることができる。
(i)バインダー樹脂、無機粒子、溶媒を用いて多孔質層用塗工分散液を作製する工程。
(ii)ポリオレフィン微多孔膜の少なくとも片面、又は両面に前記多孔質層用塗工分散液をコーティングする工程。
(iii)溶媒を乾燥させ、多孔質層を形成する工程。
(1)膜厚
ポリオレフィン微多孔膜の95mm×95mmの範囲内における左上、右上、中央、左下、右下の5点の膜厚を接触厚み計(株式会社ミツトヨ製ライトマチック、接触圧0.01N、10.5mmφプローブを用いた)により測定し、平均値を膜厚(μm)とした。なおサンプルサイズが95mm×95mmにできない場合は任意の大きさで切り出し、その左上、右上、中央、左下、右下の5点を測定してもよい。
5cm角にカットしたポリオレフィン微多孔膜を用意し、精密天秤(有効数字5桁(0.0000g))にて各々重量を測定し、その重量を25cm2で除すことで算出した。なおサンプルサイズが5cm×5cmにできない場合は任意の大きさで切り出し、測定した重量をその面積で除して算出してもよい。
ポリオレフィン微多孔膜を95mm×95mmの大きさに切り出し、その体積(cm3)と重量(g)を求め、それらと膜密度(g/cm3)より、空孔率(%)を次式により計算した。なおサンプルサイズが95mm×95mmにできない場合は任意の大きさで切り出し、その体積と重量を求めてもよい。
式:空孔率=((体積(cm3)-重量(g)/膜密度(g/cm3))/体積(cm3))×100
ここで、膜密度は0.99g/cm3とした。また、体積の算出には、前述の(1)で測定した膜厚を使用した。
ポリオレフィン微多孔膜について、JIS P-8117:2009に準拠して、透気抵抗度計(旭精工株式会社製、EGO-1T)を用いて透気抵抗度(sec/100cm3)を測定した。
式:9μm換算透気抵抗度=透気抵抗度(sec/100cm3)×9/膜厚(μm) 。
(5)目付換算突刺強度
直径1mm(先端は0.5mmR)の針を用い、速度2mm/秒で目付W(g/m2)のポリオレフィン微多孔膜を突刺したときの最大荷重値S(N)を測定し、次式により目付換算突刺強度を算出した。
式:目付換算突刺強度=S(N)/W(g/m2)。
ポリオレフィン樹脂またはポリオレフィン微多孔膜のDSC測定における吸熱ピーク温度と高さは走査型示差熱量計(PARKING ELMER製 PYRIS DIAMOND DSC)により求めた。リファレンスパンとポリオレフィン樹脂またはポリオレフィン微多孔膜を入れたパンを左右のホルダー内にそれぞれ静置し、30℃から230℃まで10℃/分の速度で昇温させた後、230℃で3分間保持し、10℃/分の速度で30℃まで降温させた。ポリオレフィン樹脂については前記の昇降温の後、30℃から230℃まで10℃/分の速度で再度昇温させた。サンプルのDSC曲線はサンプル入りパンのリファレンスパンの熱量曲線の差から求めた。その後、以下の手順によりポリオレフィン樹脂の融点、ポリオレフィン微多孔膜の吸熱ピーク温度および吸熱ピーク高さを以下の手順により求めた。
ポリオレフィン樹脂の融点は、二回目の昇温時の吸熱DSC曲線が最大値を取る温度とした。
以下の手順により第一ピーク高さH(T1)、第二ピーク高さH(T2)を求めた。
ここでY(Ti)とH(Ti)はそれぞれ温度Tiにおける生データおよび近似した値を表し、添え字のiは生データの各温度を表す。
式:C(T)=(d2H/dT2)/(1+(dH/dT)2)3/2
(iii)130~155℃の範囲において、曲率の極小値が負の値を示す温度の内、熱流の値が一番高い温度をT1、T1より高い温度で一番温度が高い温度をT2とし、それぞれの温度におけるDSC曲線の値を第一ピーク高さH(T1)、第二ピーク高さH(T2)とする。(130~155℃の範囲において、曲率の極小値が負の値を示す温度が1つしかない場合は、T2、H(T2)の値はなしとし、表中には「-」と記載した。)
(7)耐圧縮性評価(加圧加熱後の膜厚変化率(%)、加圧加熱後空孔率(%)
微多孔膜から50mm×50mm(MD×TD)サイズのサンプルを1枚切り出す。切り出したサンプルを膜厚50μmのPETフィルムで上下から挟み、2枚に重ねたA4用紙の上に置き試験片とする。圧縮装置(新東工業株式会社製、CYPT-20特)により縦40mm、横40mm、厚さ10mmのベーク板を70℃で30分以上予熱する。その後、前記試験片を前記圧縮装置に挿入し、予熱したベーク板を微多孔膜の上に来るように試験片に重ね、70℃で7.8MPaの圧力下で10秒間加熱圧縮した。加熱圧縮を解放してサンプルを取りだし、室温で3時間放置した後のポリオレフィン多層微多孔膜について、ベーク板が置かれていた部分の四辺8箇所角部付近4か所及び中央の1か所の合計9点(縦3点×横3点)の膜厚を測定して加圧加熱解放後の平均膜厚を算出し、下記式1により加熱圧縮後の膜厚変化率、下記式2により加熱圧縮後空孔率を算出した。
ここで、圧縮前の平均膜厚には、前述の(1)で測定した膜厚を使用した。
式2:加圧加熱後空孔率(%)=((加熱圧縮後体積(cm3)-加熱圧縮後重量(g)/膜密度(g/cm3))/加熱圧縮後体積(cm3))×100
ここで、膜密度は0.99g/cm3とした。また、体積の算出には、前述測定した加圧加熱解放後の平均膜厚を使用した。
得られた加圧加熱後空孔率から、以下のとおりに耐圧縮性評価を行った。
加圧加熱後空孔率が40%以上:A
加圧加熱後空孔率がAに含まれず、38%以上、40%未満:B
加圧加熱後空孔率がA、Bに含まれず、37%以上、38%未満:C
加圧加熱後空孔率がA、B、Cに含まれない:D。
試料を、MD及びTDのそれぞれ測定する方向に合わせて、測定する方向に15mm×3mmの矩形に切り出して評価用サンプルを作製した。日立ハイテクノロジー社製「TMA7100」を用いて、チャック間距離が10mmになるように評価用サンプルをチャックに固定し、定長モードで30℃から200℃まで5℃/分の速度で昇温させた。200℃まで昇温させた際の温度と収縮応力を1秒間隔で測定し、その収縮応力の最大値を最大熱収縮応力O(mN)とした。下記の式により、目付換算MD方向最大収縮応力を算出した。
式:目付換算MD方向最大収縮応力=O(mN)/W(g/m2)。
得られた目付換算MD方向最大収縮応力値から、以下のとおりに耐収縮応力評価を行った。
目付換算MD方向最大収縮応力が8(mN)/(g/m2)以下:A
目付換算MD方向最大収縮応力が8(mN)/W(g/m2)を超えて9(mN)/(g/m2)以下:B
目付換算MD方向最大収縮応力が9(mN)/W(g/m2)を超えて10(mN)/(g/m2)以下:C。
目付換算MD方向最大収縮応力が10(mN)/(g/m2)を超える:D。
〔装置〕
・測定装置:顕微ラマン分光システムinVia(Renishaw社製)
・集光条件:180°後方散乱配置・分光長:250mm
・回折格子:3000本/mm
・励起レーザー:532nm
・レンズ:50倍対物レンズ(N.A.=0.75)
・スポットサイズ(空間分解能):5μm〔偏光条件〕
レーザーはフィルム面(XY平面)法線方向から垂直入射し、偏光子を用いて偏光とした。測定試料を回転し、MDを0°として15°刻みで345°までの24方向について各方向のラマンスペクトルを得た。
〔ピーク強度の算出〕
得られたラマンスペクトルについて1020cm-1以上1160cm-1
以下の領域で直線近似によりベースラインを取得し、1060cm-1と1130cm-1のラマンバンドの最大値をピーク強度I1130、I1160としてそれぞれ求めた。
〔配向パラメータ〕
1130cm-1と1060cm-1のピーク強度比(I1130/I1060)を配向パラメータとし、0°の配向パラメータ(MD配向パラメータ)と90°の配向パラメータ(TD配向パラメータ)から、MD配向パラメータ/TD配向パラメータを求めた。またMDを0°として15°刻みで345°までの24方向について測定したときの各方向(15°×n(1≦n≦24(nは整数)))の配向パラメータの合計をラマン配向パラメータの合計値として求めた。
直径45mmの円形に打ち抜いたポリオレフィン微多孔膜を20℃の雰囲気中にさらし、5℃/分の速度で昇温しながら透気抵抗度を測定し、透気抵抗度が100,000秒/100cm3に到達した時の温度をシャットダウン温度と定義し、2回の測定の平均値を用いた。透気抵抗度は、JIS P8117:2009に準拠して、透気抵抗度計(旭精工株式会社製、EGO-1T)を用いて測定した。
直径45mmの円形に打ち抜いたポリオレフィン微多孔膜を20℃の雰囲気中にさらして、5℃/分の速度で昇温しながら透気抵抗度を測定し、透気抵抗度が100,000秒/100cm3に到達した後もさらに昇温を継続し、透気抵抗度が100,000秒/100cm3未満となる温度をメルトダウン温度と定義した。透気抵抗度は、JIS P8117:2009に準拠して、透気抵抗度計(旭精工株式会社製、EGO-1T)を用いて測定した。
平均流量径パームポロメーター(PMI社製CFP-1500A)を用いて、ポリオレフィン微多孔膜の平均流量径、バブルポイント径を求めた。ポリオレフィン微多孔膜への含浸液体としてGALWICK(表面張力:15.9dynes/cm)を用い、Dry-up、Wet-upの順で測定した。平均流量径(nm)については、ASTME1294-89(1999)(ハーフドライ法)に基づき測定を行い、Dry-up測定で圧力、流量曲線の1/2の傾きを示す曲線と、Wet-up測定の曲線が交わる点の圧力(kPa)から孔径を換算した。バブルポイント径(nm)については、バブルポイント法(JISK3832(1990))に基づき測定されるバブルポイント圧力(kPa)から最大孔径を算出した。平均流量径、バブルポイント径いずれも、圧力と孔径の換算には次式を用いた。
式:d=C・γ/P
(上記式中、「d(nm)」は微多孔膜の平均流量径またはバブルポイント径、「γ(dynes/cm)」は含浸液体の表面張力、「P(kPa)」はハーフドライ法またはバブルポイント法によって求めた圧力、「C」は定数であり2860とした。)
(13)微分分子量分布における重量平均分子量(Mw)、ピーク個数、分子量が2.0×106以上の成分の割合
ポリオレフィン樹脂又は、ポリオレフィン微多孔膜の重量平均分子量(Mw)は以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求めた。
・測定装置:AMR製高温GPC装置PL-GPC220
・カラム:PL1110-6200、PLgel 20um MIXED-A 7.5×7300mm
・カラム温度:160℃(昇温速度0.5℃/min)
・溶媒(移動相):1,2,4-Trichlorobenzene(TCB)シグマアルドリッチ256412-2L HPLC用
・添加剤(酸化防止剤):4,4‘-Thiobis(6-tert-butyl-methyl-cresol)、TCB(2L)に対し添加剤250mgを添加する。
・溶媒流速:1ml/min
・試料濃度: 0.067mg/ml(溶解条件:160℃/30min)
・インジェクション量:500μl
・検出器:アジレント社製「1260 Infinity 2 Multi-Detector GPC/SEC System」 (RI検出器)
・検量線:単分散ポリスチレン標準試料を用いて得られた検量線から、ポリエチレン換算係数(0.46)を用いて作成した。
[ピーク個数]
ピークの個数は上記GPC法により得られた微分分子量分布に対して以下の手順により求める。
(i)縦軸に濃度分率を分子量の対数値で微分した値dw/dlogM、横軸に分子量の対数logMをプロットし、プロット点に対して平滑化スプラインによる近似を行い、dw/dlogMをlogMの関数として表すG(logM)を得る。近似計算にはPythonのUnivariateSplineモジュールを用い、平滑化スプラインの関数は4次関数、平滑化パラメータは1とする。なお計算方法、平滑化スプラインの関数、平滑化パラメータは上記に限られるものではないが、下記するようにG(logM)を2階微分して曲率を評価することから上記関数は4次以上の関数を用いることが好ましい。また各温度におけるデータ点と近似値との誤差を次式で評価し、次式より得られる値が0~5.0の範囲となるようにG(logM)を決定する。
式:((Y(Mi)-G(logMi))2)1/2)×100
ここでY(Mi)とG(logMi)はそれぞれ分子量Miにおける生データおよび近似した値を表し、添え字のiは生データの各分子量を表す。なおwは濃度分率、Mは分子量である。
(ii)各logMにおける曲率D(logM)を次式により求める。
式:D(T)=(d2G/dlogM2)/(1+(dG/dlogM)2)3/2
(iii)logMが3以上7以下の範囲において、曲率D(T)の極小値が負の値を示すlogMの内、曲率D(T)が-0.2以下であるlogMの個数を数えピークの個数とする。
(i)GPC測定より得られたデータに対し、log(M)、dw/dlog(M)をプロットすることで微分分子量分布曲線を得る。
(ii)得られた微分分子量分布曲線とベースライン(通常は、横軸である)とで囲まれた領域の面積を100%としたときの分子量2.0×106以上の成分の面積の割合を算出する。なお、各領域の面積は微分分子量分布曲線グラフからの実面積として求める。
(1)ポリオレフィン溶液の調整
重量平均分子量Mwが1.0×106、融点135.0℃のポリエチレンを樹脂濃度20質量%となるように流動パラフィンと二軸押出機にて溶融混練し、ポリオレフィン溶液を調製した。
(2)ゲル状シートの成形
ポリオレフィン溶液を、二軸押出機からTダイに供給し押し出した。押し出した成形体を、15℃で温調した冷却ロールで引き取りながら冷却し、ゲル状シートを形成した。
(3)第一の延伸
ゲル状シートを、クリップ延伸機により115℃でMDに5.0倍、TDに5.0倍(面倍率25倍)に同時延伸した。
(4)第二の延伸、製膜溶剤の除去、乾燥
第一の延伸後フィルムを、クリップ延伸機により115℃でMDに2.45倍、TDに2.45倍(面倍率6倍)、に同時延伸した(第一の延伸と合わせて総延伸面倍率150倍)。延伸後シートを塩化メチレン浴中に浸漬し、流動パラフィンを除去した後、乾燥させ、乾燥後の微多孔膜を得た。
(5)熱処理
乾燥後の微多孔膜を127℃で熱固定しポリオレフィン微多孔膜を得た。上記(1)~(5)までの条件を表1に示す。
原料・延伸・熱固定条件を表に記載のとおりとしたこと以外は実施例1と同様に延伸し、ポリオレフィン微多孔膜を得た。
第一の延伸は、ゲル状シートを、クリップ延伸機により115℃でMDに10倍、TDに10倍(面倍率100倍)に同時延伸し、原料・延伸・熱固定条件を表に記載のとおりとしたこと以外は実施例1と同様に延伸し、ポリオレフィン微多孔膜を得た。
(1)ポリオレフィン溶液の調整
重量平均分子量Mwが2.4×106、融点133.0℃のポリエチレンを樹脂濃度10質量%となるように流動パラフィンと二軸押出機にて溶融混練し、ポリオレフィン溶液を調製した。
(2)ゲル状シートの成形
ポリオレフィン溶液を、二軸押出機からTダイに供給し押し出した。押し出した成形体を、15℃で温調した冷却ロールで引き取りながら冷却し、ゲル状シートを形成した。
(3)第一の延伸
ゲル状シートを、クリップ延伸機により115℃でMDに5.0倍、TDに5.0倍(面倍率25倍)に同時延伸した。
(4)第二の延伸、製膜溶剤の除去、乾燥
第一の延伸後フィルムを第二の延伸は行わずに塩化メチレン浴中に浸漬し、流動パラフィンを除去した後、乾燥させ、乾燥後の微多孔膜を得た。
(5)第三の延伸
乾燥後の微多孔膜をクリップ延伸機により130℃でMDに2.0倍、TDに3.0倍(面倍率6.0倍)に逐次延伸した。
(6)熱処理
第三の延伸後の微多孔膜を130℃で熱固定しポリオレフィン微多孔膜を得た。
第三の延伸をMDに1.75倍、TDに1.75倍(面倍率3.06倍)に逐次延伸したこと以外は比較例9と同様に延伸し、ポリオレフィン微多孔膜を得た。
得られたポリオレフィン微多孔膜の物性測定結果を表2に示す。実施例で得られたポリオレフィン微多孔膜は比較例に比べて目付換算突刺強度が高く、DSC測定で得られる第一ピーク高さH(T1)と第二ピーク高さH(T2)の比H(T1)/H(T2)も所定の範囲に抑えられている。
Claims (10)
- 目付換算突刺強度が1.18N/(g/m2)以上1.96N/(g/m2)以下であり、示差走査熱量(DSC)測定における一回目の昇温で検出されるDSC曲線において、以下の条件で求められる第一ピーク高さH(T1)と第二ピーク高さH(T2)の比H(T1)/H(T2)が0.8以上、2.0未満であるポリオレフィン微多孔膜。
[第一ピーク高さH(T1)、第二ピーク高さH(T2)の測定条件]
走査型示差熱量計(PARKING ELMER製 PYRIS DIAMOND DSC)において、30℃から230℃まで10℃/分の速度で昇温させて得られるDSC曲線において、以下の手順により第一ピーク高さH(T1)、第二ピーク高さH(T2)を求める。
(i)1回目の昇温時のDSC曲線に対して熱流(mW)を温度(℃)に対してプロットし、70℃と170℃を結ぶ直線をベースラインとしてもともとのデータからベースラインを差引く。ベースラインを差し引いたデータに対して70℃~170℃の温度範囲において平滑化スプラインによる近似を行い、DSC曲線を温度Tの関数として表すH(T)を得る。近似計算にはPythonのUnivariateSplineモジュールを用い、平滑化スプラインの関数は4次関数、平滑化パラメータは1とする。なお計算方法、平滑化スプラインの関数、平滑化パラメータは上記に限られるものではないが、下記するようにH(T)を2階微分して曲率を評価することから上記関数は4次以上の関数を用いることが好ましい。また各温度におけるデータ点と近似値との誤差を次式で評価し、次式より得られる値が0~1.5の範囲となるようにH(T)を決定する。
式:((Y(Ti)-H(Ti))2)1/2)×100
ここでY(Ti)とH(Ti)はそれぞれ温度Tiにおける生データおよび近似した値を表し、添え字のiは生データの各温度を表す。
(ii)各温度における曲率C(T)を次式により求める。
C(T)=(d2H/dT2)/(1+(dH/dT)2)3/2
(iii)130~155℃の範囲において、曲率の極小値が負の値を示す温度の内、熱流の値が一番高い温度をT1、T1より高い温度で一番温度が高い温度をT2とし、それぞれの温度におけるDSC曲線の値を第一ピーク高さH(T1)、第二ピーク高さH(T2)とする。 - 7.8Mpa/70℃/10Sec加圧加熱後空孔率が37%以上である請求項1に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 目付換算フィルム長手方向(MD方向)最大収縮応力が0以上10mN/(g/m2)以下である請求項1または2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 以下の条件で測定されるラマン配向パラメータの合計値が75以上であり、ラマン配向パラメータのMD/TD比が0.75以上、0.92未満である請求項1または2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[ラマン配向パラメータの測定条件]
〔装置〕
・測定装置:顕微ラマン分光システムinVia(Renishaw社製)
・集光条件:180°後方散乱配置
・分光長:250mm
・回折格子:3000本/mm
・励起レーザー:532nm
・レンズ:50倍対物レンズ(N.A.=0.75)
・スポットサイズ(空間分解能):5μm
〔偏光条件〕
レーザーはフィルム面(XY平面)法線方向から垂直入射し、偏光子を用いて偏光とした。測定試料を回転し、MDを0°として15°刻みで345°までの24方向について各方向のラマンスペクトルを得る。
〔ピーク強度の算出〕
得られたラマンスペクトルについて1020cm-1以上1160cm-1以下の領域で直線近似によりベースラインを取得し、1060cm-1と1130cm-1のラマンバンドの最大値をピーク強度I1130、I1160としてそれぞれ求める。
〔配向パラメータ〕
1130cm-1と1060cm-1のピーク強度比(I1130/I1060)を配向パラメータとし、0°の配向パラメータ(MD配向パラメータ)と90°の配向パラメータ(TD配向パラメータ)から、MD配向パラメータ/TD配向パラメータを求める。またMDを0°として15°刻みで345°までの24方向について測定したときの各方向(15°×n(1≦n≦24(nは整数)))の配向パラメータの合計をラマン配向パラメータの合計値として求める。 - 昇温透気抵抗度法測定におけるシャットダウン温度が146℃未満である請求項1または2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- バブルポイント径が20nm以上である請求項1または2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- ゲルパーエミーションクロマトグラフィー(GPC)法により得られる微分分子量分布曲線において、以下の方法で求められるピークの個数が1つのみであり、重量平均分子量Mwが5.0×105以上2.0×106以下であり、分子量が2.0×106以上の割合が全体の5%以上20%以下である請求項1または2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[GPCの測定条件およびピークの個数の検出方法]
・測定装置:Agilent製高温GPC装置PL-GPC220
・カラム:Agilent製PL1110-6200(20μm MIXED-A)×2本
・カラム温度:160℃
・溶媒(移動相):1,2,4-トリクロロベンゼン
・溶媒流速:1.0mL/分
・試料濃度:0.1重量%(溶解条件:160℃/3.5H)
・インジェクション量:500μL
・検出器:Agilent製示差屈折率検出器(RI検出器)
・粘度計:Agilent製粘度検出器
・検量線:単分散ポリスチレン標準試料(EASIVIAL PS-H、PL2014-9001、PL2013-6001)を用いたユニバーサル検量線法にて作成する。またピークの個数は上記GPC法により得られた微分分子量分布に対して以下の手順により求める。
(i)縦軸に濃度分率を分子量の対数値で微分した値dw/dlogM、横軸に分子量の対数logMをプロットし、プロット点に対して平滑化スプラインによる近似を行い、dw/dlogMをlogMの関数として表すG(logM)を得る。近似計算にはPythonのUnivariateSplineモジュールを用い、平滑化スプラインの関数は4次関数、平滑化パラメータは1とする。なお計算方法、平滑化スプラインの関数、平滑化パラメータは上記に限られるものではないが、下記するようにG(logM)を2階微分して曲率を評価することから上記関数は4次以上の関数を用いることが好ましい。また各温度におけるデータ点と近似値との誤差を次式で評価し、次式より得られる値が0~5.0の範囲となるようにG(logM)を決定する。
式:((Y(Mi)-G(logMi))2)1/2)×100
ここでY(Mi)とG(logMi)はそれぞれ分子量Miにおける生データおよび近似した値を表し、添え字のiは生データの各分子量を表す。なおwは濃度分率、Mは分子量である。
(ii)各logMにおける曲率D(logM)を次式により求める。
D(T)=(d2G/dlogM2)/(1+(dG/dlogM)2)3/2
(iii)logMが3以上7以下の範囲において、曲率D(T)の極小値が負の値を示すlogMの内、曲率D(T)が-0.2以下であるlogMの個数を数えピークの個数とする。
また分子量が2.0×106以上の成分の割合は以下の手順により求める。
(i)GPC測定より得られたデータに対し、log(M)、dw/dlog(M)をプロットすることで微分分子量分布曲線を得る。
(ii)得られた微分分子量分布曲線とベースライン(通常は、横軸である)とで囲まれた領域の面積を100%としたときの分子量2.0×106以上の成分の面積の割合を算出する。なお、各領域の面積は微分分子量分布曲線グラフからの実面積として求める。 - ポリオレフィン微多孔膜の少なくとも片面に多孔質層を有する、請求項1または2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 請求項1または2に記載のポリオレフィン微多孔膜を含む電池用セパレータ。
- 請求項1または2に記載のポリオレフィン微多孔膜を含むリチウムイオン二次電池。
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