JP7779136B2 - フレキシブル画像表示装置用粘着剤組成物、フレキシブル画像表示装置用粘着剤層、フレキシブル画像表示装置用積層体及び、フレキシブル画像表示装置。 - Google Patents

フレキシブル画像表示装置用粘着剤組成物、フレキシブル画像表示装置用粘着剤層、フレキシブル画像表示装置用積層体及び、フレキシブル画像表示装置。

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Description

本発明は、フレキシブル画像表示装置用粘着剤組成物、フレキシブル画像表示装置用粘着剤層、フレキシブル画像表示装置用積層体及び、フレキシブル画像表示装置に関する。
近年、液晶ディスプレイ(LCD)や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイ(OLED)等の画像表示装置とタッチパネルを組み合わせて用いる入力装置が普及している。タッチパネルに用いる透明導電性フィルムは、支持ガラス等の部材に粘着剤層を介して積層されている。また、画像装置に用いる偏光板フィルムは、液晶モジュールや有機ELモジュールに粘着剤層を介して貼付される。
前記画像表示装置としては、ガラス基板を用いたフラットディスプレイが主流であったが、近年、プラスチック等の可撓性基板を用いたフォルダブルディスプレイ(Foldable display)やローラブルディスプレイ(Rollable display)等の、フレキシブルディスプレイが開発されている。このようなフレキシブルディスプレイは、従来のガラス基板を用いたフラットディスプレイと比較して、軽量性、薄さ、可撓性等に優れており、また意匠性にも優れている等の種々の利点を有する。
前記粘着剤層には、従来から高温環境や高温高湿環境で発泡や剥がれが生じない性質が必要であったが、近年ではさらに、フレキシブル性が必要となってきている。フレキシブル性とは、例えば、フォルダブルディスプレイにおいては、フォルダブルディスプレイに使用することができるよう、ディスプレイの屈曲に対応する適性(屈曲性)である。一般に、屈曲性としては、折り曲げを繰り返した際、発泡、浮きやハガレが生じない特性(動的屈曲性)が必要とされる。
これらの問題を解決すべく、特許文献1は、繰り返し屈曲させても粘着剤層の浮きや剥がれの発生を抑制することを課題とした粘着剤組成物を開示している。特許文献2には、-20℃及び85℃における貯蔵弾性率G’を特定の数値範囲とする屈曲デバイス用粘着剤層が開示されている。
特開2020-513451号公報 特開2020-139034号公報
フォルダブルディスプレイには強度と透明性からカラーレスポリイミドが用いられており粘着剤層とカラーレスポリイミドを貼り合わせた積層体を屈曲すると特に屈曲部で粘着剤に浮きが発生する、或いは粘着剤層中に発泡が生じ白化する問題があった。また、繰り返し屈曲すると端部で粘着剤層のズレが生じ、その粘着剤層が周辺の部材と接触し折り曲げ性が悪化する問題があった。
本発明は、繰り返し屈曲しても屈曲部が白化せず、粘着剤層のズレが生じないフレキシブル画像表示装置用粘着剤層、フレキシブル画像表示装置用積層体及び、フレキシブル画像表示装置の提供を目的とする。
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、以下の態様において、本発明の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、(メタ)アクリル共重合体(R)、及び多官能化合物(T)を含み、多官能化合物(T)は分子量が50~1000かつ、官能基を2つ以上有し、3級アミノ基又はアミド基のいずれかを含む、フレキシブル画像表示装置用粘着剤組成物に関する。
上記構成の本発明によれば曲げ箇所の白化が無く、端部のズレが無い高精度なフレキシブル画像表示装置用粘着剤層を提供できる。これにより、折り曲げても視認性及びコントラストが良好且つ折り曲げ性も良好なフレキシブル画像表示装置を提供できる。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。本明細書において特定する数値は、実施形態又は実施例に開示した方法により求められる値である。なお、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に含まれる。また、本発明のフレキシブル画像表示装置用粘着剤層は粘着剤層と同義である。また、特に言及しない限り、粘着剤層中の各種配合成分は、それぞれ独立に、単独又は2種類以上を併用できる。また、(メタ)アクリルはアクリル或いはメタクリルを、(メタ)アクリレートはアクリレート或いはメタクリレートをそれぞれ意味する。
<フレキシブル画像表示装置用粘着剤組成物>
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル共重合体(R)、多官能化合物(T)を含む。粘着剤組成物は必要に応じて、硬化剤、タッキファイア、溶剤を配合してもよい。
≪(メタ)アクリル共重合体(R)≫
(メタ)アクリル共重合体(R)は、粘着剤層を形成する主成分であって、アクリルモノマーの共重合体である。アクリルモノマーとしてカルボキシ基含有モノマー及び炭素数12~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを含有することが好ましい。
カルボキシ基含有モノマーとは、(メタ)アクリロイル基又はビニル基を有し、且つカルボキシ基を有するモノマーを指す。具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸β-カルボキシエチル、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、p-カルボキシベンジルアクリル酸エステル、エチレンオキサイド変性(エチレンオキサイド付加モル数:(2~18)フタル酸アクリル酸エステル、コハク酸モノヒドロキシエチルアクリル酸エステルが挙げられる。これらの中でもアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
カルボキシ基含有モノマーは、モノマー混合物100質量%中、0.2~2.5質量%含むことが好ましく、0.2~1.5質量%がより好ましい。0.2~2.5質量%含むことで、カルボキシ基同士の水素結合による凝集力が向上しやすくなるため、曲げ部の白化が抑制され、さらに繰り返し曲げた後の変形量も小さくなる。
炭素数12~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとは、エステル基(オキソカルボニル基ともいう)と結合したアルキル基の炭素数が1~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを指し、例えば、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸イコシルなどが挙げられる。
上記炭素数12~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーはモノマー混合物100質量%中、10~50質量%含むことが好ましく、10~40質量%がより好ましい。10~50質量%含むことで、アクリル側鎖の絡み合いによる凝集力が向上し、曲げ部の白化が抑制され、さらに繰り返し曲げた後の変形量が小さくなる。
≪脂環式モノマー≫
(メタ)アクリル共重合体(R)はさらに脂環式モノマーを含むことで、粘着力や復元率が向上するため好ましい。前記脂環式モノマーは、ハードセグメントとして凝集力の向上に寄与するため粘着力の剥離強度や復元率が向上すると考えられる。
前記脂環式モノマーは(メタ)アクリロイル基又はビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつ脂環構造含有基を有するものである。ここで、「脂環構造含有基」とは、少なくとも一つの脂環構造を含む部分をいい、以下、脂環式基と呼ぶことがある。脂環式基としては脂環構造を有する炭化水素基や炭化水素オキシ基が挙げられる。前記脂環式モノマーとしては、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
脂環式モノマーは、モノマー混合物100質量%中に、1~20質量%を含むことが好ましく、5~15質量%がより好ましい。含有量が1質量%以上になると硬さかと柔らかさをより高い水準で両立できる。また、含有量が20質量%以下になると屈曲性がさらに向上する。
(メタ)アクリル共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は50万~150万であることが好ましく、100万~140万がより好ましい。上記範囲とすることで膜の柔軟性と凝集力が向上し、外観不良を起こさずに曲げられる試験回数が向上する。
≪多官能化合物(T)≫
多官能化合物(T)は、官能基を2つ以上有し、官能基の少なくとも1つが3級アミノ基又はアミド基である。もう一方の官能基は、ハロゲン基、ヒドロキシ基、チオール基、エステル基、アミド基、カルボニル基、3級アミノ基、エーテル基、チオエーテル基であって、これら群より選択されるいずれかを含む。上述の官能基を2つ以上含むことで一方の官能基が(メタ)アクリル共重合体(A)の官能基と、もう一方の官能基がカラーレスポリイミド等の被着体表面の官能基と結合し、連結剤(リンカー)として作用し被着体への密着性が向上する。アクリル共重合体(A)及び被着体の官能基は例えばカルボキシ基やヒドロキシ基であって、水素結合や共有結合により多官能化合物(T)と連結する。また多官能化合物(T)は、複数の(メタ)アクリル共重合体(A)の官能基を連結し粘着剤層の凝集力を向上させる効果を奏する。これにより、粘着剤層内の気泡発生による白化や、粘着剤層の端部のズレを抑制できる。
3級アミノ基又はアミド基は官能基の位置は分子末端又は分子内部に位置してもよいが、末端に位置することが好ましい。
3級アミノ基又はアミド基と分子中に並存する官能基としては、カルボニル基、エーテル基、ヒドロキシ基がより好ましい。
尚、多官能化合物(T)はイソシアネート基及びシリル基を有さない。また、2級アミノ基及び1級アミノ基は粘着剤組成物の経時安定性が悪化するため含有しないことが好ましい。
多官能化合物(T)中の3級アミノ基又はアミド基を含む官能基数は連結作用を高める観点から2つ以上が好ましく、3つ以上がより好ましい。また、25℃において液状であることがより好ましい。
多官能化合物(T)は分子量が50~1000であって、100~300が好ましい。上記分子量とすることで、(メタ)アクリル共重合体(A)のカルボキシ基やヒドロキシ基等の官能基と、被着体表面に存在する官能基と連結する上で最適な距離を確保でき、凝集力の向上及び被着体への密着性向上効果が得られる。
官能基を2つ含む多官能化合物(T)としては、
テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチル-1,3-プロパンジアミン、テトラメチル-1,6-ヘキサンジアミン、テトラメチル-1,1-ウンデカンジアミンヘキサメチルトリプロピレンテトラミン、トリエチレンジアミン、1,2-ジメチルイミダゾール、ジメチルアミノエタノール、メチルモルフォリン、エチルモルフォリン、4‐フルオロジメチルアニリン、2-クロロジメチルアセトアミド等が挙げられる。
官能基を3つ含む多官能化合物(T)としては、
ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、1,3-ビス(ジメチルアミノ)-2-プロパノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、(2-ヒドロキシエチル)モルフォリン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、トリメトキシ(2-メトキシエチル)エチレンジアミン等が挙げられる。
官能基を4つ以上含む多官能化合物(T)としては、
エチレングリコールビス(3-ジメチルアミノプロピル)エーテル、ジメチルー4-(トリフルオロメチル)アニリン、ビス(3-ジメチルアミノプロピル)アミノ―2-プロパノール、1‐ベンジル―3,3‐ジフルオロピペリジンー4,4-ジオール、ビス(2-モルホリノエチル)エーテル、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、2,2,2-トリフルオロジメチルアセトアミド、ジエチル-2,2,2-トリフルオロアセトアミド、ジメチルー3-(トリフルオロメチル)アニリン、ジメチルー2-(トリフルオロメチル)アニリン等が挙げられる。
これらの中でも特にメチルモルフォリン、エチルモルフォリン、(ジメチルアミノエチル)モルフォリン、ビス(ジメチルアミノ)-2-プロパノール、テトラメチル(2-ヒドロキシル)エチルトリエチレンジアミン、テトラメチル(2-ヒドロキシル)プロピルトリエチレンジアミン、ビス(3-ジメチルアミノプロピル)アミノエタノール、ビス(3-ジメチルアミノプロピル)アミノ―2-プロパノール、(2-ヒドロキシエチル)モルフォリン、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス(3-ジメチルアミノプロピル)エーテル、トリメトキシ(2-メトキシエチル)エチレンジアミンが好ましい。上述した多官能化合物(T)は単独で使用してもよく、複数を組み合わせ含有させてもよい。
多官能化合物(T)は(メタ)アクリル共重合体(A)100質量部に対し、0.01~10質量%含有することが好ましく、0.01~5質量%がより好ましい。0.01~10質量%含有することで、曲げ箇所の白化と端部のズレが抑制される
[硬化剤]
粘着剤組成物は硬化剤を含むことが好ましい。(メタ)アクリル共重合体(R)の反応性官能基と硬化剤との間で架橋を促すことにより、粘着剤組成物は硬化せしめられ、架橋構造が形成される。硬化剤とは多官能化合物(T)以外の化合物であって、イソシアネート系硬化剤を指す。イソシアネート系硬化剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート及びこれらのアロファネート体、ビウレット体、イソシアヌレート体、プレポリマー体及びアダクト体があげられる。
硬化剤は(メタ)アクリル共重合体(R)100質量%に対して、0.1~80質量%を含むことが好ましい。この範囲とすることにより、凝集力が高く復元率を向上することできる。より好ましい範囲は、0.1~30質量%であり、より好ましくは0.1~10質量%である。
≪タッキファイア≫
粘着剤組成物はタッキファイアを含むことが好ましい。タッキファイアとしては、ロジン及びロジン誘導体、並びに、テルペン樹脂及び変性テルペン樹脂が好ましい。特に、ロジン及びロジン誘導体は、荒川化学工業(株)製であるガムロジン、ロジンエステル(ペンセル)、マレイン酸変性ロジン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂(タマノル)が好ましい。また、テルペン樹脂及び変性テルペン樹脂は、ヤスハラケミカル(株)製テルペンモノマー単独重合樹脂(YSレジンPX及びYSレジンPXN)、芳香族変性テルペン樹脂(YSレジンTO)、及び、テルペンフェノール樹脂(YSポリスターシリーズ)が好ましく用いられる。
<フレキシブル画像表示装置用粘着剤層>
フレキシブル画像表示装置用粘着剤層は粘着剤組成物によって形成する。粘着剤層を形成する方法としては、例えば、粘着剤組成物をセパレータに塗布し、溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を形成する方法が挙げられる。一方、カラーレスポリイミドに前記粘着剤組成物を直接塗布し溶剤等を乾燥して粘着剤層を形成しても良い。
セパレータは紙、プラスチックフィルム、合成紙等の基材に、剥離剤を塗工して形成した剥離層を有する。剥離剤は、例えばシリコーン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。なお、セパレータの厚さは特に制限はないが10~200μm程度である。
上述の溶剤の乾燥温度は、好ましくは40~200℃であり、さらに好ましくは、50~180℃であり、特に好ましくは70~170℃である。乾燥温度を上記の範囲とすることによって、優れた粘着特性を有する粘着剤層を得ることができる。
乾燥時間は、適宜、適切な時間が採用され得る。上記乾燥時間は、好ましくは5秒~20分、さらに好ましくは5秒~10分、特に好ましくは、10秒~5分である。
前記粘着剤組成物の塗布方法としては、各種方法が用いられる。具体的には、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーター等による押出しコート法等の方法が挙げられる。
粘着剤層のゲル分率を調整する観点から必要に応じて乾燥後に養生する。養生は粘着シートを23~60℃の環境で3~14日間静置する。
本発明の粘着剤層の厚みは、好ましくは5~150μmであり、より好ましくは15~100μmである。粘着剤層は、単一層であってもよく、組成の異なる粘着剤を積層してもよい。前記範囲内であれば、屈曲を阻害することなく、また、密着性の点でも、好ましい態様となる。150μmを超える場合、繰り返し屈曲時に、粘着剤層中のポリマー鎖が動きやすなり、劣化が激しくなるため、ハガレが発生する恐れがあり、5μm未満の場合、屈曲時の応力を緩和できず、破断が発生する恐れがある。
本願発明のフレキシブル画像表示装置用粘着剤層は、一方面にセパレータが積層された形態、並びに粘着剤層の両面をセパレータで挟みこむ形態が好ましいが、中でも両面を挟み込む形態がハンドリング性の観点から好ましい。
尚、粘着剤層は単層であることが好ましいが、間に芯材を設ける形態も好ましい。芯材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドを用いることができる。
粘着剤層は後述するゲル分率、ガラス転移温度、各種温度における貯蔵弾性率を満たすことで、カラーレスポリイミド等の光透過性基材と貼り合わせフレキシブル画像表示装置として曲げて使用した際に、曲げ部の白化と端部のズレを抑制することができる。
[ゲル分率]
粘着剤層のゲル分率は50%~70%であることが好ましく、55~65%がより好ましい。ゲル分率を上記範囲とすることで、曲げ箇所の白化が良化する。ゲル分率は粘着剤層の養生時間、養生温度によって調整できる。また(メタ)アクリル共重合体(R)中のカルボキシ基含有モノマー、ヒドロキシ基含有モノマーの割合の調整や、硬化剤の添加量の調整によっても上記範囲に制御できる。
[ガラス転移温度]
粘着剤層のガラス転移温度は-50℃以上-30℃以下であることが好ましく、-50~-37℃がより好ましい。ガラス転移温度を上記範囲とすることで、曲げ箇所の白化と端部のズレが良化する。ガラス転移温度は分子内に炭素数6~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを(メタ)アクリル共重合体(R)中に用いることで調整できる。またタッキファイアの含有量を調整する等によって上記範囲に制御できる。
ガラス転移温度はDSCによって測定した値であり詳細な測定方法は実施例に記載する。
[-20℃の貯蔵弾性率]
粘着剤層の-20℃における貯蔵弾性率は5×10Pa~5×10Paが好ましく、6×10~3×10Paがより好ましい。-20℃における貯蔵弾性率を上記範囲とすることで、低温での柔軟性と復元性が向上し曲げ部の白化と端部のズレを抑制できる。
上記-20℃における貯蔵弾性率はタッキファイアを添加することによって調整できる。また分子内に炭素数6~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーと、分子内に炭素数12~20のアルキル基を有するモノマーを(メタ)アクリル共重合体(R)を用いることによっても調整できる。
[25℃の貯蔵弾性率]
粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率が1×10Pa~5×10Paが好ましく、
2×10~4×10Paがより好ましい。25℃における貯蔵弾性率を上記範囲とすることで、樹脂の応力緩和性を向上しフレキシブル性が向上する。加えて常温での曲げ部の白化と端部のズレを抑制できる。
上記25℃における貯蔵弾性率は(メタ)アクリル共重合体(R)に、分子内に炭素数6~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを用いることによって調整できる。
[80℃の貯蔵弾性率]
粘着剤層の80℃における貯蔵弾性率が5×10Pa~3×10Paが好ましく、6×10Pa~2×10Paがより好ましい。80℃における貯蔵弾性率を上記範囲とすることで、粘着剤層の凝集力が向上しフレキシブル性が向上する。また高温での曲げ部の白化と端部のズレを抑制できる。
上記80℃における貯蔵弾性率は(メタ)アクリル共重合体(R)に、分子内に炭素数1~4のアルキル基を有するモノマーや脂環式モノマーを用いることで調整できる。
上記の各種温度における貯蔵弾性率は粘着剤層をレオメータにより測定した値であり詳細な測定条件は実施例において説明する。
<フレキシブル画像表示装置用積層体>
フレキシブル画像表示装置用積層体とは、フレキシブル画像表示装置用粘着剤層、及び光透過性基材を備える。
光透過性基材とはカラーレスポリイミド、ポリエチレンテレフタレート及び薄膜ガラスであり、400nm~700nmにおける透過率が80%以上の基材である。フレキシブル性を高める観点から厚みは10~200μmが好ましく、20~100μmがより好ましい。
<光透過性基材に対する粘着力>
粘着剤層の光透過性基材に対する粘着力は、15N~35N/25mmであることが好ましく、20~35N/25mmがより好ましく、25~35N/25mmがさらに好ましく、30~35N/25mmがもっとも好ましい。上記範囲とすることで粘着剤層の端部のズレが抑制される。
粘着剤組成物に多官能化合物(T)を含有する、光透過性基材表面にコロナ処理又はプラズマ処理を施すことで粘着力を上記範囲内とすることができる。
フレキシブル画像表示装置用積層体は光透過性基材が積層されたもう一方の粘着剤層面に偏光板やタッチセンサー、透明導電膜、ステンレス等の金属補強板を積層した積層体も好ましい。
フレキシブル画像表示装置用積層体の製造例として、両面をセパレータで挟みこんだ粘着剤層の一方の面のセパレータを剥がし、露出した粘着剤層に光透過性基材を貼り合わせる。次いで対向するもう一方のセパレータを剥がし露出した粘着剤層と偏光板や透明導電膜、ステンレス等の金属補強板を貼り合わせることによりフレキシブル画像表示装置用積層体を形成する。尚、粘着剤層と光透過性基材の積層界面にハードコート層や、易接着用コーティング層が積層されていても良い。
<フレキシブル画像表示装置>
フレキシブル画像表示装置は、フレキシブル性を有することが大きな特徴の1つであり、上記のフレキシブル画像表示装置用積層体と、光学素子を備える。光学素子とは折り曲げ可能に構成された有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示パネルや液晶パネル、マイクロLED等であって、フレキシブルの液晶表示装置、有機EL表示装置、マイクロLED表示装置、PDP(プラズマディスプレイパネル)、電子ペーパーなどの画像表示装置として好適に用いることができる。また、抵抗膜方式や静電容量方式といったタッチパネル等の方式に関係なく使用することができる。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」に基づく値である。
<重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定>
重量平均分子量(Mw)の測定は、島津製作所社製GPC「LC-GPCシステム」を用いた。重量平均分子量(Mw)の決定は、分子量既知のポリスチレンを標準物質とした換算で行った。
装置名:島津製作所社製、LC-GPCシステム「Prominence」
カラム:東ソー社製GMHXL 4本、東ソー社製HXL-H 1本を連結した。
移動相溶媒 : テトラヒドロフラン
流量 : 1.0ml/分
カラム温度 : -30℃
<(メタ)アクリル共重合体(R)の合成>
(メタ)アクリル共重合体(R)の合成に用いたアクリルモノマーの詳細を下記に示す。
≪アクリルモノマー≫
EHA:2-エチルへキシルアクリレート
BA:ブチルアクリレート
DOA:ドデシルアクリレート
IBXA:イソボルニルアクリレート
CHA:シクロヘキシルアクリレート
AA:アクリル酸
HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート
<(メタ)アクリル共重合体R1の合成>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と記述する。)に、2-エチルへキシルアクリレート(EHA)58部、ドデシルアクリレート(DOA)25部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)1.8部、アクリル酸(AA)0.2部、シクロへキシルアクリレート(CHA)5部、n-ブチルアクリレート(BA)10部2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(以下、単に「AIBN」と記述する。)0.2部を仕込み、この反応容器内の雰囲気を窒素ガスで置換した。その後、窒素雰囲気下で撹拌しながら、50℃まで加熱し反応を開始した。その後、反応溶液を50℃で4時間反応させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈して不揮発分30%、粘度3000mPa・sのアクリル系共重合体である、(メタ)アクリル共重合体(R1)を得た。得られた(メタ)アクリル共重合体(R1)の重量平均分子量(Mw)は140万であった。
((メタ)アクリル共重合体R2~R7の合成)
表1記載の組成及び配合量(質量部)に変更した以外は、(メタ)アクリル共重合体(R1)の製造と同様の方法でR2~R7を合成した。得られた粘着剤の重量平均分子量(Mw)を表1に示す。尚、表中の空欄は配合していないことを表す。
<実施例1に係る粘着シートの作成>
(メタ)アクリル共重合体(R1)100部と、多官能低分子化合物(T1)0.01部、硬化剤(C1)0.5部配合し、更に酢酸エチルを加えて不揮発分を20%に調整した粘着剤組成物を得た。
前記粘着剤組成物を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート製セパレータに、乾燥後の厚さが50μmになるように塗工し、100℃で2分間熱風乾燥することで粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート製セパレータを貼り合せ、実施例1の粘着シートを得た。
<ゲル分率の測定>
粘着シートを30mm×100mmの大きさに裁断し、一方面のセパレータを剥離し露出した粘着剤層を、秤量した300メッシュのステンレス製金網(重量W0)に貼り付け、もう一方のセパレータを剥離し、メッシュを折りたたむことで粘着剤層をメッシュに閉じ込めることで試料とした。前記試料を秤量した重量をW1とし、試料を酢酸エチル中で24時間静置後、100℃で1時間乾燥させ秤量した重量をW2とし、下記式で算出した。
ゲル分率(%)={(W2-W0)/(W1-W0)}×100
<ガラス転移温度の測定方法>
粘着シートから粘着剤層を取り出し、メトラー・トレド社製「DSC-1」を使用し、サンプル量約5mgをアルミニウム製標準容器に秤量し、温度変調振幅±1℃、温度変調周期60秒、昇温速度2℃/分の条件にて、-80~300℃まで測定し、可逆成分の示差熱曲線からガラス転移温度を求めた。
<-20℃、25℃、80℃の貯蔵弾性率測定>
粘着シートの一方面のセパレータを剥がしたシートを2組用意し、粘着剤層同士をラミネータで貼り合わせ、セパレータ/粘着剤層/セパレータの積層体を作成した。前記積層体から一方面のセパレータを剥離して貼り合わせを繰り返すことで、厚さ1mmの粘着剤層の積層物を形成した。この積層物に対し、レオメータ(TAインスツルメント社製、DHR-2)にてφ8mmの測定プローブを用いて、歪み0.1%、周波数1Hz、-70℃から200℃まで昇温速度10℃/分の条件で測定し、得られた測定グラフから、-20℃、25℃、80℃での貯蔵弾性率を読み取った。
<カラーレスポリイミドに対する粘着剤層の粘着力>
粘着シートの一方面のセパレータを剥がして50μmのPETフィルムにラミネータを用いて貼り付けた。続いて、もう一方のセパレータを剥がし、一方の面に出力300Wでコロナ処理を施した厚さ50μmのカラーレスポリイミド(KOLON社製)のコロナ処理面にラミネータにより貼り付けた。その後50℃、5気圧のオートクレーブ内に20分保持させて各部材を密着させることで測定試料を得た。前記測定試料を、23℃で1日放置した後に、23℃、相対湿度50%の環境下で、引張試験機(オリエンテック社製「テンシロン」)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で粘着力を測定した。
<曲げ試験による曲げ箇所の白化及び端部のズレの評価>
作製した粘着シートからセパレータを剥がし、露出した粘着剤層を25℃、相対湿度50%雰囲気でカラーレスポリイミド(KOLON社製、50μm)にラミネータを用いて貼着し、もう一方のセパレータを剥がして、厚みが188μmのPETフィルムにラミネータを用いて貼り合わせ、PETフィルム/粘着剤層/カラーレスポリイミドからなる試験用積層体を得た。次いで試験用積層体を、常態試験として25℃、相対湿度50%雰囲気にて折り曲げ試験機(ユアサシステム機器社製)を用いて、折り曲げた時の内径(直径)が6mm条件に設定し、折り曲げと180°開放とを1サイクルとして30万サイクル繰り返し行った。別途、内径(直径)が3mmの条件に変更した試験も行った。試験後の外観を曲げ箇所の白化と端部のズレについて下記基準で評価した。
外観:試験用積層体の気泡の有無及び粘着剤層の浮きや剥がれの有無を以下の条件で目視評価した。
[曲げ箇所の白化]
5:折り曲げた箇所から左右5mmずつの範囲で気泡が見られない。
4:折り曲げた箇所から左右5mmずつの範囲で気泡が10個以下である。
3:折り曲げた箇所から左右5mmずつの範囲で気泡が11個以上50個以下である。
2:折り曲げた箇所から左右5mmずつの範囲で気泡が51個以上100個以下である。1:折り曲げた箇所から左右5mmずつの範囲で気泡が100個以上である。
[端部のズレ]
5:PETフィルムと偏光板のズレが1mm未満である。
4:PETフィルムと偏光板のズレが1mm以上、2mm未満である。
3:PETフィルムと偏光板のズレが2mm以上、3mm未満である。
3:PETフィルムと偏光板のズレが3mm以上、4mm未満である。
1:PETフィルムと偏光板のズレが4mm以上である。
(実施例2~10、比較例1~3)
表2~3記載の配合量(質量部)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施例2~10、比較例1~3の粘着シートを作成し、粘着剤層の評価を行った。
粘着剤層の作成に用いた多官能低分子化合物(T1)、硬化剤(C)、添加剤(A)、の詳細を下記に示す。
≪多官能低分子化合物(T1)≫
T1:ジメチルアミノピリジン(分子量122.17 )
T2:3-メトキシジメチルプロパンアミド(分子量131.18 )
T3:2-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]エタノール(分子量133.19 )
T4:(ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル(分子量160.26)とジプロピレングリコール(分子量134.17)の混合物(商品名:TOYOCAT-ET、東ソー社製)
T5:1-モルホリノ-1-シクロペンテン(分子量153.23)
T6:テトラメチルヘキサメチレンジアミン(分子量172.32)
T7:ジメチルグリシンエチルエステル(分子量131.18)
T8:トリフルオロジメチルアセトアミド(分子量141.09)
T9:ポリオキシプロピレンジアミン(分子量2000)(商品名:JEFFAMINE D-2000、HUNTSUMAN社製)
T10:N-ブチルアミン(分子量73)
≪硬化剤(C)≫
C1:ポリイソシアネート化合物としてキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト体
C2:ポリイソシアネート化合物としてヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト体
≪添加剤(A)≫
A1:FTR6100:スチレン系モノマー/脂肪族系モノマー共重合体(三井化学社製,製品名「FTR6100」)
A2:3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、製品名「KBM-403」)

Claims (8)

  1. (メタ)アクリル共重合体(R)、及び多官能化合物(T)を含む、フレキシブル画像表示装置用粘着剤組成物であって、
    (メタ)アクリル共重合体(R)は、(メタ)アクリルモノマーの共重合体であり、カルボキシ基またはヒドロキシ基を有し、
    (メタ)アクリル共重合体(R)100質量部に対し、多官能化合物(T)の含有量が0.01~10質量%であり、
    多官能化合物(T)が、ジメチルアミノピリジン、3-メトキシジメチルプロパンアミド、2-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]エタノール、(ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、1-モルホリノ-1-シクロペンテン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ジメチルグリシンエチルエステルまたはトリフルオロジメチルアセトアミドである、フレキシブル画像表示装置用粘着剤組成物。
  2. 前記(メタ)アクリルモノマーは、炭素数12~20のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを含有する、請求項1記載のフレキシブル画像表示装置用粘着剤組成物。
  3. 前記(メタ)アクリルモノマーは、カルボキシ基含有モノマー含有する、請求項1又は2記載のフレキシブル画像表示装置用粘着剤組成物。
  4. 前記(メタ)アクリルモノマーは、脂環式モノマーを含有する、請求項1~3いずれか記載のフレキシブル画像表示装置用粘着剤組成物。
  5. 請求項1~4いずれか記載の粘着剤によって形成されてなるフレキシブル画像表示装置用粘着剤層。
  6. ゲル分率が50%~70%であって、
    ガラス転移温度が-50℃以上-30℃以下であって、
    周波数1Hzで測定された貯蔵弾性率は、
    -20℃における貯蔵弾性率が5×104Pa~5×105Paであって、
    25℃における貯蔵弾性率が1×104Pa~5×104Paであって、
    80℃における貯蔵弾性率が5×103Pa~3×104Paである請求項5記載のフレキシブル画像表示装置用粘着剤層。
  7. 請求項5又は6記載のフレキシブル画像表示装置用粘着剤層、及び光透過性基材を備え、前記光透過性基材がカラーレスポリイミド、ポリエチレンテレフタレート及び薄膜ガラスのいずれかであるフレキシブル画像表示装置用積層体。
  8. 請求項7記載のフレキシブル画像表示装置用積層体、及び光学素子を備える、フレキシブル画像表示装置。

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