JP7745786B2 - スパッタリングターゲット、及びその製造方法 - Google Patents

スパッタリングターゲット、及びその製造方法

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Description

本発明は、スパッタリングターゲット、及びその製造方法に関する。
スパッタリングとは、薄膜形成技術の1種である。具体的には、スパッタリングは、真空状態としたチャンバ内に、Arなどの不活性ガスを導入し、ターゲット部材にマイナスの電圧を印加してグロー放電を発生させる。その際、不活性ガスはグロー放電によりプラズマ化させてイオン化しガスイオン(例えば、Ar)となる。このガスイオンが高速でターゲット部材の表面(スパッタリング面)に衝突することにより、当該ターゲット部材を構成する成膜材料の粒子が弾き出され、弾き出された粒子が、薄膜を形成する基材表面に付着・堆積し、緻密で強い薄膜を基材表面に形成することができる。
このようなスパッタリングによる薄膜形成技術は、高融点金属、合金、セラミックスなどの真空蒸着法では成膜が困難な材料でも成膜が可能となる。特に、液晶ディスプレイ、タッチパネル、ELディスプレイ等の表示デバイスにおける薄膜形成に用いられている。
スパッタリングによる薄膜形成の際の留意点として、アーク放電が発生することが挙げられる。アーク放電、また異常放電とも呼ばれるが、異常放電が発生すると、局部的に熱膨張が起こり、その部分が弾き飛び、その飛散物が膜上に飛来すると、パーティクルとして体積付着することになる。ここで、異常放電が発生する原因の一つとして、スパッタリングターゲットの表面(スパッタリング面)に存在する突起物が指摘されている。そこで、スパッタリングの表面(スパッタリング面)を平滑する手法が開発されてきた。
例えば、特許文献1には、表面研削工程を経て製造されたスパッタリングターゲットにおいて、ドライアイスの粒子をガス媒体と共に噴出することにより表面処理を施す発明が開示されている。このドライアイスによる表面処理を施すことにより、表面粗さRaを0.8μm~10μmとなる。
特開2005-2364号公報
しかしながら、特許文献1に開示された表面処理を施されたスパッタリングターゲットは、パーティクルを減らすことが可能となるが、当該スパッタリングターゲットの非エロ―ジョン領域(スパッタリングされない領域)の表面粗さRaも同様に低くなるため、非エロ―ジョン領域に蓄積したスパッタ生成物が剥離しやすくなり、ノジュール発生や、パーティクル発生の要因となる。また、スパッタリングターゲットの非エロ―ジョン領域の表面粗さRaを、エロ―ジョン領域(スパッタリングされる領域)の表面粗さRaより高くするために、部分的に番手を変えて研磨することも可能であるが、量産上課題がある。さらに、スパッタリングターゲットにおけるエロ―ジョン領域、又は非エロ―ジョン領域となる領域はバラツキが見られるため、安定した結果を得ることは困難である。
本発明は、上記課題に鑑みて、高い表面粗さRaを確保しつつ、剥離量を抑制したスパッタリングターゲット、及びその製造方法を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明のスパッタリングターゲットは、金属酸化物の焼結体からなり、平均剥離面積率が6.5%以下であり、且つスパッタリング面の算術平均粗さRaが0.20μm以上であるスパッタリングターゲット材を有することを特徴とする。
この構成により、本発明のスパッタリングターゲットは、高い表面粗さRaを確保しつつ、剥離量を抑制することができる。
本発明のスパッタリングターゲットは、金属酸化物の焼結体からなるスパッタリングターゲット材が基材に、はんだ(例えば、Inメタル)により接合、すなわちボンディングされたものである。
本発明のスパッタリングターゲット材を構成する金属酸化物は、In、Sn、Ga、Zn、W、Ta、Nb、Sr、Ti、及びZrなどの金属元素からなる群より選ばれる1種以上の元素を含むものであると好ましく、さらにSiなどの半金属元素、非金属元素を含んでもよい。
例えば、本発明のスパッタリングターゲット材を構成する金属酸化物として、In-Sn-O、In-Ti-O、In-Ga-Zn-O、In-Zn-Sn-O、In-Ga-Zn-Sn-O、Ga-Zn-O、In-Zn-O、I-W-O、I-Zn-W-O、Zn-O、Sn-Ba-O、Sn-Zn-O、Sn-Ti-O、Sn-Ca-O、Sn-Mg-O、Zn-Mg-O、Zn-Ge-O、Zn-Ca-O、Zn-Sn-Ge-O、CuO、CuAlO、CuGaO、CuInOなどの金属酸化物が挙げられる。
また、当該金属酸化物は、In、及びSnを含む複合金属酸化物であると好ましく、In、及びSnを含む複合金属酸化物の焼結体からなるスパッタリングターゲット材を有するスパッタリングターゲットは、ITOターゲット、若しくはITOスパッタリングターゲットと呼ばれる。さらに、当該金属酸化物は、In、Ga、及びZnを含む複合金属酸化物であってもよく、In、Ga、及びZnを含む複合金属酸化物の焼結体からなるスパッタリングターゲット材を有するスパッタリングターゲットは、IGZOターゲット、若しくはIGZOスパッタリングターゲットと呼ばれる。
本発明のスパッタリングターゲット材は、平均剥離面積率が6.5%以下であると、スパッタリングターゲット材の剥離量を抑えることができる観点で好ましい。また、当該平均剥離面積率が6.0%以下であるとより好ましく、5.0%以下であるとさらに好ましく、4.0%以下であると特に好ましく、3.0%以下であるとより特に好ましく、2.0%以下であるとさらに特に好ましく、1.0%以下であるとまた特に好ましく、0.5%以下であると殊更に好ましく、0%であると最も好ましい。当該平均剥離面積率は、典型的には、0.01%~6.5%であってもよく、0.1%~6%であってもよく、1%~5%であってもよく、1.5%~4.5%であってもよく、2%~4%であってもよい。
ここで、平均剥離面積率は、次のようにして求めることができる。先ず、後述する本発明の表面処理が施された本発明のスパッタリングターゲット材の表面(スパッタリング面)の中央部に、幅5.0mmのカーボンテープ(日新EM株式会社製)を付着させた後、当該カーボンテープを素早く剥離する。この際、当該カーボンテープに、剥離されたスパッタリングターゲット材が付着する。そして、当該カーボンテープに付着している剥離されたスパッタリングターゲット材の領域を、走査型電子顕微鏡(SU5000、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、加速電圧:20.0kV、測定倍率:100倍)を用いて、当該カーボンテープを観察し、5視野分のSEM像を撮影する。
次に、各SEM像の最外周部にある境界粒子を除去した後、粒子解析ソフトウェア(日鉄住金テクノロジー株式会社製:粒子解析Version3.5)を用いて、剥離されたスパッタリングターゲット材の領域をカーボンテープの下地と異なる色で描画・色塗りつぶしを行う。そして、当該剥離されたスパッタリングターゲット材の領域を塗りつぶし、二値化する。この際、1画素がμm単位で表示されるように換算値を設定する。
その後、粒子解析ソフトウェアで当該剥離されたスパッタリングターゲット材の領域の面積と当該カーボンテープ面全体の面積をそれぞれ算出し、当該カーボンテープ面全体の面積に対する当該剥離されたスパッタリングターゲット材の領域の面積の百分率を、面積率として求める。そして、5視野分のSEM像毎に得られた面積率の平均値を、本発明のスパッタリングターゲット材における平均剥離面積率とする。
本発明のスパッタリングターゲット材はスパッタリング面の算術平均粗さRaが0.20μm以上であると、非エロ―ジョン領域のパーティクル捕捉能力を高く保つことができる観点で好ましい。
ここで、当該算術平均粗さRaは、JIS B 0601:2013に規定されており、表面粗さ測定器(SJ-210/株式会社ミツトヨ製)を用いて測定する。スパッタリングターゲット材の表面(スパッタリング面)の5個所の算術平均粗さRaを測定し、その相加平均値をそのスパッタリングターゲット材の算術平均粗さRaとする。
また、本発明のスパッタリングターゲットは、金属酸化物の焼結体からなり、画像解析により算出されたダメージ面積率が2.0%以下であり、且つスパッタリング面の算術平均粗さRaが0.20μm以上であるスパッタリングターゲット材を有することを特徴とする。
この構成により、本発明のスパッタリングターゲットは、高い表面粗さRaを確保しつつ、剥離量を抑制することができる。
ここで、金属酸化物の焼結体、及び算術平均粗さRaは、上述した通りであるため、説明は省略する。
本発明のスパッタリングターゲット材は、後述する画像解析により算出されたダメージ面積率が2.0%以下であると、スパッタ中のパーティクルを低減できる観点で好ましい。また、当該ダメージ面積率が1.5%以下であるとより好ましく、1.0%以下であるとさらに好ましく、0.5%以下であると特に好ましく、0.3%以下であるとより特に好ましく、0.2%以下であるとさらに特に好ましく、0.1%以下であるとまた特に好ましく、0%であると最も好ましい。当該ダメージ面積率は、典型的には、0.01%~2.0%であってもよく、0.1%~1.0%であってもよく、0.3%~0.5%であってもよく、0.5%~1.0%であってもよい。
ここで、上述した画像解析とは、スパッタリングターゲット材を側面から光学顕微鏡(株式会社キーエンス製:VK-8700、測定倍率:200倍)で観察し、クラックが入っている部分(以下、マイクロクラックに該当する領域という。)を画像解析ソフトウェア(株式会社キーエンス製:VK-III)で描画・色塗りつぶしを行うことである。なお、マイクロクラックに該当する領域は、後に剥がれ落ちる可能性が高い部分である。
また、ダメージ面積率は、次のようにして求めることができる。先ず、スパッタリングターゲット材を切断した切断面を、エメリー紙#180、#400、#1000を用いて段階的に研磨し、最後にバフ研磨して鏡面に仕上げる。そして、当該切断面をスパッタリングターゲット材の側面とみなし、光学顕微鏡(株式会社キーエンス製:VK-8700、測定倍率:200倍)を用いて、当該切断面を観察することによりスパッタリングターゲット材のスパッタリング面の断面写真を観察する。ここで、当該切断面を横断するように、連続した20視野分の光学顕微鏡写真を撮影し、当該連続した20視野分の光学顕微鏡写真をつなぎ合わせ、長さ寸法9.6mmからなるスパッタリングターゲット材のスパッタリング面の断面写真を作成する(図1(a)を参照)。なお、スパッタリングターゲット材のスパッタリング面からの観察深さを150μm、スパッタリング面の観察長さを9.6mm(9600μm)とし、150μm×9.6mm(9600μm)=1440000μmをダメージ面積率算出の基準面積とする。
次に、作成したスパッタリングターゲット材のスパッタリング面の断面写真から視認できるマイクロクラックに該当する領域を、画像解析ソフトウェア(株式会社キーエンス製:VK-III)を用いて、描画・色塗りつぶしを行う(図1(b)中の斜線部分を参照)。当該マイクロクラックに該当する領域を塗りつぶした光学顕微鏡写真を認識させて、二値化する。この際、1画素がμm単位で表示されるように換算値を設定する。
ここで、図2(a)に示すように、マイクロクラックが、スパッタリングターゲット材のスパッタリング面を貫通しない場合が存在する。その場合、貫通していない方のマイクロクラックの端部から、スパッタリングターゲット材のスパッタリング面に向けて垂線を引き(図2(b)中の破線を参照)、マイクロクラックと当該垂線で囲まれた部分をマイクロクラックに該当する領域とする。
その後、画像解析ソフトウェアで当該マイクロクラックに該当する領域の面積を算出し、基準面積に対する当該マイクロクラックに該当する領域の面積の百分率を、面積率として求める。そして、得られた面積率を、本発明のスパッタリングターゲット材におけるダメージ面積率とする。
また、本発明のスパッタリングターゲットは、前記スパッタリング面の最大高さ粗さRzが2.0μm以上あり、又は最大断面高さRtが3.0μm以上であるスパッタリングターゲット材を有することを特徴とする。
この構成により、本発明のスパッタリングターゲットは、剥離量を抑制することができる。
本発明のスパッタリングターゲット材は、スパッタリング面の最大高さ粗さRzが2.0μm以上あると、パーティクルを捕捉する観点で好ましい。当該最大高さ粗さRzは、典型的には、2.0μm~8.0μmであってもよい。
最大高さ粗さRzは、算術平均粗さRaと同様に、JIS B 0601:2013に規定されており、表面粗さ測定器(SJ-210/株式会社ミツトヨ製)を用いて測定する。スパッタリングターゲット材のスパッタリング面の5箇所の最大高さ粗さRzを測定し、その相加平均値を当該スパッタリングターゲット材の最大断面高さRtとする。
本発明のスパッタリングターゲット材は、スパッタリング面の最大断面高さRtが3.0μm以上であると、パーティクルを捕捉する観点で好ましい。当該最大断面高さRtは、典型的には、3.0μm~12.0μmであってもよい。
最大断面高さRtは、算術平均粗さRaと同様に、JIS B 0601:2013に規定されており、表面粗さ測定器(SJ-210/株式会社ミツトヨ製)を用いて測定する。スパッタリングターゲット材の表面(スパッタリング面)の最大断面高さRtを測定する。
また、本発明のスパッタリングターゲットに用いる、前記スパッタリングターゲット材は、前記金属酸化物の焼結体が100質量%としたとき、InをIn換算で0.2質量%以上98質量%以下含有することを特徴とする。
この構成により、本発明のスパッタリングターゲット材は、前記金属酸化物の焼結体が100質量%としたとき、InをIn換算で0.2質量%以上98質量%以下含有すると、透明導電膜や酸化物半導体用途で広く用いられる特性上好ましい。また、典型的には、InをIn換算で5質量%以上97質量%以下含有してもよく、10質量%以上90質量%以下含有してもよい。
当該スパッタリングターゲット材に、硝酸、過塩素酸、過酸化水素を添加し、加熱分解して溶液化し、ICP発光分光分析装置(アジレント・テクノロジーズ製:720 ICP-OES)を用いることにより、例えばInにおいて、In換算のIn含有量を測定することができる。
また、本発明のスパッタリングターゲット材が、平板状又は円筒形状であることを特徴とする。
この構成により、本発明のスパッタリングターゲット材は、平板状又は円筒形状であってもよいが、平板状又は円筒形状に限定されず、任意の形状とすることができる。
上述した通り、本発明のスパッタリングターゲットは、金属酸化物の焼結体からなるスパッタリングターゲット材が基材に、はんだ(例えば、Inメタルなど)により接合、すなわちボンディングされたものである。ここで、基材は、様々なサイズや、形状であってもよく、特に、平板状の基材はバッキングプレートと呼ばれる。また円筒形状の基材はバッキングチューブと呼ばれる。
また、本発明のスパッタリングターゲットは、後述する画像解析により算出されたノジュール面積率が0.8%以下であると、スパッタ中のパーティクルを低減できる点で好ましい。また、当該ノジュール面積率が0.5%以下であるとより好ましい。
ここで、上述した画像解析により算出されたノジュール面積率は、以下のようにして求めることができる。先ず、スパッタリングターゲットを用いて、下記スパッタリング条件に従い、スパッタリングを48時間連続して行った後、当該スパッタリングターゲットの表面(スパッタリング面)の外観写真を1200万画素以上のデジタルカメラを用いて撮影する。そして、当該外観写真において、そのスパッタリングターゲットの表面(スパッタリング面)上に形成されたノジュールに該当する領域を、画像解析ソフトウェア(日鉄住金テクノロジー社製:粒子解析Version3.5)で描画・色塗りつぶしを行う。
=スパッタリング条件=
・装置:DCマグネトロンスパッタ装置、排気系クライオポンプ、ロータリーポンプ
・到達真空度:3×10-6Pa
・スパッタ圧力:0.4Pa
・酸素分圧:1×10-3Pa
・投入電力量時間:2W/cm
当該ノジュールに該当する領域を塗りつぶした外観写真を認識させて、二値化する。この際、1画素がμm単位で表示されるように換算値を設定する。
その後、画像解析ソフトウェアで当該ノジュールに該当する領域の面積と、スパッタリング面全体の面積とをそれぞれ算出し、スパッタリング面全体の面積に対する当該ノジュールに該当する領域の面積の百分率を、面積率として求める。なお、当該面積率は、当該画像解析ソフトウェア上にて「面積率」と表示された値である。そして、得られた面積率の値を、本発明のスパッタリングターゲットにおけるノジュール面積率とする。
上述した本発明のスパッタリングターゲットの製造方法について、以下説明する。
本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、上述した本発明のスパッタリングターゲットの製造方法であって、酸化物焼結体を研削加工、及び超音波により洗浄する工程と、加工及び洗浄された前記酸化物焼結体と基材とを接合する工程と、前記基板に接合された前記酸化物焼結体に対して、ドライアイスブラスト加工する工程と、を有する。
先ず、原料となる金属酸化物の粉末を、所望の割合で秤量し、それらを粉砕混合し、粉砕混合した混合物をスラリー化する。そして、混合物スラリーを、成形型に流し込み、得られた成形体を焼成することにより、酸化物焼結体が得られる。なお、原料となる金属酸化物の粉末を粉砕混合する方法は、乾式粉砕、又は湿式粉砕のどちらでもよい。
このようにして得られた酸化物焼結体を、研削加工、及び超音波により洗浄する。具体的には、先ず、酸化物焼結体の表面、すなわちスパッタリングされる面を、砥石を装着した表面研削盤を用いて研削加工する。
表面研削盤を用いて行う研削加工における砥石の粒度として、例えば、JIS R 6001:1998により規定されるF4~F220、F230~F1200、#240~#8000が挙げられる。特に、#240~#600が好ましい。
また、表面研削盤を用いて研削加工した酸化物焼結体に対し、さらに例えばファブリック砥石で研削加工する。ファブリック砥石とは、繊維体(ファブリック)に砥石を付着させるなどして立体的に結合させたものである。当該砥石の粒度は比較的不均一であり、砥石間距離も比較的不均一であり、繊維体(ファブリック)に砥石が結合していることから、砥石にかかる圧力を緩和することができる。
ファブリック砥石の繊維体の種類として、例えば、マイクロファイバーからなるもの、不織布からなるもの、綿糸からなるもの、フランネル素材のもの、ポリエステル繊維からなるものなどが挙げられる。
ファブリック砥石における砥石の材質として、例えば、WA(白色アルミナ)、A(褐色アルミナ)、HA(解砕型アルミナ)、PA(淡紅色アルミナ)、GC(緑色炭化ケイ素)、C(黒色炭化ケイ素)、Z(アルミナジルコニア系)などが挙げられる。特に、GC(緑色炭化ケイ素)が好ましい。
ファブリック砥石における砥石の粒度として、例えば、JIS R 6001:1998により規定されるF4~F220、F230~F1200、#240~#8000が挙げられる。特に、#240~#600が好ましい。
上述した研削加工された酸化物焼結体に対し、超音波により洗浄する。具体的には、超音波洗浄機を用いて、研削加工後の酸化物焼結体に対して振動(超音波)を与え、研削加工中に発生、付着した研磨屑を除去する。超音波洗浄に用いられる洗浄水は、純水を用いることができる。そして、洗浄水を取り換えながら、超音波洗浄を繰り返し実施してもよい。超音波洗浄で用いられる超音波の周波数は、1kHz~200kHzであってもよく、28kHz~200kHzであってもよく、28kHz~100kHzであってもよい。超音波洗浄における洗浄時間は、1秒~1時間であってもよく、1秒~10分間でであってもよい。超音波洗浄後は、酸化物焼結体を、エアブロー、乾燥機、熱乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機を用いて、乾燥させる。
次に、加工された酸化物焼結体と基材とを接合する。具体的には、研削加工、及び超音波により洗浄された酸化物焼結体は、はんだ(例えば、Inメタル)により、基材に接合、すなわちボンディングされる。
ここで、本発明の酸化物焼結体と基材との接合に用いられる、はんだの材質は、特に限定されないが、例えばInメタル、In-Snメタル、またはInに微量金属成分を添加したIn合金メタル等の低融点はんだが挙げられる。当該低融点はんだの融点は、150~200℃であるから、はんだを充填する際は、はんだを150~300℃に加熱して溶融させる。
そして、基板に接合された酸化物焼結体に対して、ドライアイスブラスト加工する。具体的には、当該酸化物焼結体の表面(スパッタリング面)に対し、ドライアイス粒子を噴出するドライアイスブラストによる表面処理を、下記ドライアイスブラスト条件に従い、実施する。噴出されたドライアイス粒子は、当該酸化物焼結体の表面(スパッタリング面)に衝突することにより、当該酸化物焼結体の表面(スパッタリング面)に存在するマイクロクラック部分が除去されると共に、当該酸化物焼結体の表面(スパッタリング面)に存在する加工屑や、ちりや、ゴミが除去される。
=ドライアイスブラスト条件=
・ドライアイス粒子の平均粒径:0.1~1mm
・ガス媒体(N)のゲージ圧(圧力):0.1~0.6Mpa
・消耗率:20~100%
・処理速度:0.8~142.9mm/sec
・処理角度:0~20°
・ノズル温度:≧20℃
・ターゲットとブラストノズルとの距離:10~140mm
ここで、ブラストノズルから噴出されるドライアイス粒子は、ドライアイスを破砕・解砕したものであり、その形状は、球状でなくてもよく、不定形であってもよい。また、ドライアイス粒子の大きさは、ガス媒体と共に噴出できる大きさであれば、特に限定されない。ドライアイス粒子の平均粒径は、0.1~1mmであると好ましい。
また、ドライアイス粒子を噴出するために用いられるガス媒体は、本発明のスパッタリングターゲット材の表面に影響を与えないものであれば特に限定されない。例えば、空気、又は窒素、その他の不活性ガスを用いることができる。ガス媒体のゲージ圧(圧力)は、0.1~0.6Mpaであると好ましい。
さらに、ドライアイス粒子及びガス媒体の噴出方法は、所定の圧力で噴出するガス媒体にドライアイス粒子を混合して噴出すればよく、一般的なショットブラストなどと同様に行うことができる。
なお、上記ドライアイスブラスト条件の「消耗率」とは、ドライアイスを押し出す送り速度を示す。また、上記ドライアイスブラスト条件の「処理速度」とは、ブラストノズルを当該酸化物焼結体の上で移動させる速度を示す。さらに、上記ドライアイスブラスト条件の「処理角度」とは、当該酸化物焼結体の表面(スパッタリング面)に対するブラストノズルの角度である。ここで、当該酸化物焼結体の表面(スパッタリング面)に対し、ブラストノズルが垂直な位置にある場合の処理角度は0度であり、当該酸化物焼結体の表面(スパッタリング面)に対し、ブラストノズルが平行な位置にある場合の処理角度は90度である。
このように基板に接合された酸化物焼結体に対して、ドライアイスブラスト加工されることにより、本発明のスパッタリングターゲットが得られる。
また、本発明の酸化物膜は、本発明のスパッタリングターゲットにより形成されたことを特徴とする。
この構成により、本発明の酸化物膜は、均一な酸化物膜である。
また、本発明の酸化物膜の製造方法は、本発明のスパッタリングターゲットをスパッタリングすることにより酸化物膜を形成する工程を有する。
本発明のスパッタリングターゲットをスパッタ装置にセットし、下記スパッタリング条件に従って、スパッタリングすることにより、本発明の酸化物膜を形成する。
=スパッタリング条件=
・装置:DCマグネトロンスパッタ装置、排気系クライオポンプ、ロータリーポンプ
・到達真空度:3×10-6Pa
・スパッタ圧力:0.4Pa
・酸素分圧:1×10-3Pa
・投入電力量時間:2W/cm
なお、本明細書において「X~Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特に断らない限り、「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」旨の意も包含する。また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現する場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
本発明のスパッタリングターゲット、及びその製造方法は、高い表面粗さRaを確保しつつ、剥離量を抑制することができる。
(a)は本発明に係るスパッタリングターゲット材のスパッタリング面の断面写真の一例であり、(b)は(a)中のマイクロクラックに該当する領域を示す模式図である。 (a)は本発明に係るスパッタリングターゲット材のスパッタリング面の断面写真の別例であり、(b)は(a)中のマイクロクラックの端部からスパッタリングターゲット材のスパッタリング面に向けて引いた垂線を示す模式図である。
以下、本発明に係る実施形態のスパッタリングターゲットについて、以下の実施例によりさらに説明する。但し、以下の実施例は、本発明を限定するものではない。
(実施例1)
ITO(In:SnO=90:10(質量%))からなる、密度99.8%の板材を焼成し、この板材から、直径4インチ×厚さ6mmの実施例1に係るスパッタリングターゲット材を作成した。
当該スパッタリングターゲット材の表面(スパッタリング面)を、砥石(砥石の粒度:#200)を装着した表面研削盤を用いて研削加工し、さらにファブリック砥石(繊維体の種類:ナイロン、砥石の材質:GC(緑色炭化ケイ素)、砥石の粒度:#320)を装着した平面研削盤を用いて、表面研削加工を行った。表面研削加工した後、純水を貯めた洗浄槽に当該スパッタリングターゲット材を浸漬し、当該スパッタリングターゲット材の表面(スパッタリング面)を超音波洗浄し、乾燥した。
乾燥後の当該スパッタリングターゲット材を、Inメタルを含むはんだを用いて、基材(銅製バッキングプレート)にボンディングした。ボンディング後、当該スパッタリングターゲット材及び基材の表面や、周面にはみ出したはんだや、基材に付着した、はんだ等を除去するため、当該スパッタリングターゲット材及び基材の表面や、周面を、サンドペーパーを用いて磨き上げた。また、削り屑を除去するために、当該スパッタリングターゲット材及び基材の表面をイソプロピルアルコール(IPA)で拭き上げた。
そして、当該スパッタリングターゲット材の表面(スパッタリング面)に対して、ドライアイス粒子を下記ドライアイスブラスト条件に従い、噴出するドライアイスブラスト加工により、表面処理を行い、さらに当該スパッタリングターゲット材の表面(スパッタリング面)をイソプロピルアルコール(IPA)で拭き上げ、実施例1に係るスパッタリングターゲットを得た。
=ドライアイスブラスト条件=
・ドライアイス粒子の平均粒径:0.3mm
・ガス媒体(N)のゲージ圧(圧力):0.3MPa
・消耗率:70%
・処理速度:20.0mm/sec
・処理角度:0度
・ノズル温度:25℃
・ターゲットとブラストノズルとの距離:30mm
なお、表1中では、ガス媒体(N)のゲージ圧(圧力)は「圧力」として示す。
(実施例2)
実施例2では、表面研削盤の砥石の粒度を#400に変更したこと、及びドライアイスブラスト条件の消耗率を30%に、処理速度を142.9mm/secに変更したこと以外、実施例1と同様な製造方法を実施し、実施例2に係るスパッタリングターゲットを得た。
(実施例3)
実施例3では、ドライアイスブラスト条件のガス媒体(N2)のゲージ圧(圧力)を0.6MPaに変更したこと以外、実施例1と同様な製造方法を実施し、実施例3に係るスパッタリングターゲットを得た。
(実施例4)
実施例4では、表面研削盤の砥石の粒度を#400に変更したこと、及びドライアイスブラスト条件の消耗率を30%に変更し、またその処理速度を0.8mm/secに変更したこと以外、実施例1と同様な製造方法を実施し、実施例4に係るスパッタリングターゲットを得た。
(実施例5)
実施例5では、ドライアイスブラスト条件の処理速度を142.9mm/secに変更したこと以外、実施例1と同様な製造方法を実施し、実施例5に係るスパッタリングターゲットを得た。
(実施例6)
実施例6では、ドライアイスブラスト条件の処理速度を0.8mm/secに変更したこと以外、実施例1と同様な製造方法を実施し、実施例6に係るスパッタリングターゲットを得た。
(比較例1)
比較例1では、ドライアイス加工を行わなかったこと以外、実施例1と同様な製造方法を実施し、比較例1に係るスパッタリングターゲットを得た。
(比較例2)
比較例2では、表面研削盤の砥石の粒度を#400に変更したこと、及びドライアイス加工を行わなかったこと以外、実施例1と同様な製造方法を実施し、比較例2に係るスパッタリングターゲットを得た。
(比較例3)
比較例3では、表面研削盤の砥石の粒度を#1000に変更したこと、ファブリック砥石に代えて#1000のスポンジ砥石で表面研削加工したこと、及びドライアイス加工を行わなかったこと以外、実施例1と同様な製造方法を実施し、比較例3に係るスパッタリングターゲットを得た。
(比較例4)
比較例4では、ドライアイスブラスト条件のガス媒体(N)のゲージ圧(圧力)を0.1MPaに変更したこと以外、実施例1と同様な製造方法を実施し、比較例4に係るスパッタリングターゲットを得た。
(比較例5)
比較例5では、表面研削盤の砥石の粒度を#1000に変更したこと、ファブリック砥石に代えて#1000のスポンジ砥石で表面研削加工したこと、及びドライアイスブラスト条件の消耗率を30%に変更し、またその処理速度を0.8mm/secに変更したこと以外、実施例1と同様な製造方法を実施し、比較例5に係るスパッタリングターゲットを得た。
(比較例6)
比較例6では、表面研削盤の砥石の粒度を#1000に変更したこと、ファブリック砥石に代えて#1000のスポンジ砥石で表面研削加工したこと、及びドライアイスブラスト条件のガス媒体(N)のゲージ圧(圧力)を0.6MPaに変更し、またその消耗率を30%に変更し、さらにその処理速度を142.9mm/secに変更したこと以外、実施例1と同様な製造方法を実施し、比較例6に係るスパッタリングターゲットを得た。
(比較例7)
比較例7では、表面研削盤の砥石の粒度を#1000に変更したこと、ファブリック砥石に代えて#1000のスポンジ砥石で表面研削加工したこと、及びドライアイスブラスト条件のガス媒体(N)のゲージ圧(圧力)を0.6MPaに変更し、またその消耗率を30%に変更し、さらにその処理速度を0.8mm/secに変更したこと以外、実施例1と同様な製造方法を実施し、比較例7に係るスパッタリングターゲットを得た。
実施例1~6、及び比較例1~7に係るスパッタリングターゲットの製造方法をまとめた一覧表として、表1に示す。
そして、実施例1~6、及び比較例1~7において得られたスパッタリングターゲットについて、次のような物性を測定した。以下、測定した物性値、及びその物性値の測定方法を示すとともに、測定結果を表2に示す。
〈元素分析〉
必要に応じて試料に、硝酸、過塩素酸、過酸化水素を添加し、加熱分解して溶液化し、ICP発光分光分析装置(アジレント・テクノロジーズ製:720 ICP-OES)を用いて、各元素含有重量(In、Sn、Ga、Zn、W、Ta、Nb、Sr、Ti、Zrなどの金属元素、Siなどの半金属元素、及び非金属元素の含有重量)を測定した。
〈平均剥離面積率〉
実施例1~6、及び比較例1~7に係るスパッタリングターゲットの表面(スパッタリング面)の中央部に、幅5mmのカーボンテープ(日新EM株式会社製)を付着させた後、当該カーボンテープを素早く剥離した。この際当該カーボンテープに、剥離されたスパッタリングターゲット材が付着した。そして、当該カーボンテープに付着し、剥離されたスパッタリングターゲットの領域を、走査型電子顕微鏡(SU5000、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、加速電圧:20.0kV、測定倍率:100倍)を用いて当該カーボンテープを観察し、5視野分のSEM像を撮影した。
次に、各SEM像の最外周部にある境界粒子を除去した後、粒子解析ソフトウェア(日鉄住金テクノロジー株式会社製:粒子解析Version3.5)を用いて、剥離されたスパッタリングターゲットの領域を、カーボンテープの下地と異なる色で描画・色塗りつぶしを行った。そして、当該剥離されたスパッタリングターゲットの領域を塗りつぶし、二値化した。この際、1画素がμm単位で表示されるように換算値を設定した。
その後、粒子解析ソフトウェアで当該剥離されたスパッタリングターゲットの領域の面積と当該カーボンテープ面全体の面積をそれぞれ算出し、当該カーボンテープ面全体の面積に対する当該剥離されたスパッタリングターゲットの領域の面積の百分率を、面積率として求めた。そして、5視野分のSEM像毎に得られた面積率の平均値を、実施例1~6、及び比較例1~7に係るスパッタリングターゲットにおける平均剥離面積率とし、以下のように評価した。
〇(GOOD):平均剥離面積率≦6.5%
×(BAD):平均剥離面積率>6.5%
〈ダメージ面積率〉
実施例1~6、及び比較例1~7に係るスパッタリングターゲットを切断した切断面を、エメリー紙#180、#400、#1000を用いて段階的に研磨し、最後にバフ研磨して鏡面に仕上げた。そして、当該切断面をスパッタリングターゲット材の側面とみなし、光学顕微鏡(株式会社キーエンス製:VK-8700、測定倍率:200倍)を用いて、当該切断面を観察することにより、スパッタリングターゲット材のスパッタリング面を観察した。具体的には、当該切断面を横断するように、連続した20視野分の光学顕微鏡写真を撮影し、当該連続した20視野分の光学顕微鏡写真をつなぎ合わせ、長さ寸法9.6mmにあたるスパッタリングターゲット材のスパッタリング面の断面写真を作成した(図1(a)を参照)。なお、スパッタリングターゲット材のスパッタリング面からの観察深さを150μm、スパッタリング面の観察長さを9.6mm(9600μm)とし、150μm×9.6mm(9600μm)=1440000μmをダメージ面積率算出の基準面積とした。
次に、作成したスパッタリングターゲット材のスパッタリング面の断面写真から視認できるマイクロクラックに該当する領域を、画像解析ソフトウェア(株式会社キーエンス製:VK-III)を用いて、描画・色塗りつぶしを行った(図1(b)中の斜線部分を参照)。当該マイクロクラックに該当する領域を塗りつぶした光学顕微鏡写真を認識させて、二値化した。この際、1画素がμm単位で表示されるように換算値を設定した。
また、図2(a)に示すように、マイクロクラックが、スパッタリングターゲット材のスパッタリング面を貫通しない場合、貫通していない方のマイクロクラックの端部から、スパッタリングターゲット材のスパッタリング面に向けて垂線を引き(図2(b)中の破線を参照)、マイクロクラックと当該垂線で囲まれた部分をマイクロクラックに該当する領域とした。
その後、画像解析ソフトウェアで当該マイクロクラックに該当する領域の面積を算出し、基準面積に対する当該マイクロクラックに該当する領域の面積の百分率を、面積率として求めた。そして、得られた面積率を、本発明のスパッタリングターゲット材におけるダメージ面積率とし、以下のように評価した。
〇(GOOD):ダメージ面積率≦2.0%
×(BAD):ダメージ面積率>2.0%
〈算術平均粗さRa〉
算術平均粗さRaは、JIS B 0601:2013に規定されており、表面粗さ測定器(SJ-210/株式会社ミツトヨ製)を用いて測定した。実施例1~6、及び比較例1~7に係るスパッタリングターゲットの表面(スパッタリング面)の5個所の算術平均粗さRaを測定し、その相加平均値を、そのスパッタリングターゲットの算術平均粗さRaとし、以下のように評価した。
〇(GOOD):算術平均粗さRa≦0.20
×(BAD):算術平均粗さRa>0.20
〈最大高さ粗さRz〉
最大高さ粗さRzは、算術平均粗さRaと同様に、JIS B 0601:2013に規定されており、表面粗さ測定器(SJ-210/株式会社ミツトヨ製)を用いて測定した。実施例1~6、及び比較例1~7に係るスパッタリングターゲットの表面(スパッタリング面)の5箇所の最大高さ粗さRzを測定し、その相加平均値を、そのスパッタリングターゲットの最大高さ粗さRzとし、以下のように評価した。
〇(GOOD):最大高さ粗さRz≦2.0
×(BAD):最大高さ粗さRz>2.0
〈最大断面高さRt〉
最大断面高さRtは、算術平均粗さRaと同様に、JIS B 0601:2013に規定されており、表面粗さ測定器(SJ-210/株式会社ミツトヨ製)を用いて測定した。実施例1~6、及び比較例1~7に係るスパッタリングターゲットの表面(スパッタリング面)の5箇所の最大断面高さRtを測定し、その相加平均値を、そのスパッタリングターゲットの最大断面高さRtとし、以下のように評価した。
〇(GOOD):最大断面高さRt≦3.0
×(BAD):最大断面高さRt>3.0
〈ノジュール面積率〉
実施例1~6、及び比較例1~7に係るスパッタリングターゲットを用いて、下記スパッタリング条件に従い、スパッタリングを48時間連続して行った後、そのスパッタリングターゲットの表面(スパッタリング面)の外観写真を1200万画素以上のデジタルカメラを用いて撮影した。そして、当該外観写真において、そのスパッタリングターゲットの表面(スパッタリング面)上に形成されたノジュールに該当する領域を、画像解析ソフトウェア(日鉄住金テクノロジー株式会社製:粒子解析Version3.5)で描画・色塗りつぶしを行った。当該ノジュールに該当する領域を塗りつぶした外観写真を認識させて、二値化した。この際、1画素がμm単位で表示されるように換算値を設定した。
=スパッタリング条件=
・装置:DCマグネトロンスパッタ装置、排気系クライオポンプ、ロータリーポンプ
・到達真空度:3×10-6Pa
・スパッタ圧力:0.4Pa
・酸素分圧:1×10-3Pa
・投入電力量時間:2W/cm
その後、画像解析ソフトウェアで当該ノジュールに該当する領域の面積と、スパッタリング面全体の面積とをそれぞれ算出し、スパッタリング面全体の面積に対する当該ノジュールに該当する領域の百分率を、面積率として求めた。そして、得られた面積率の値を、そのスパッタリングターゲット表面(スパッタリング面)上に形成されたノジュールの面積率とし、以下のように評価した。
〇〇(VERY GOOD):0.5%≦ノジュール面積率
〇(GOOD):0.5%<ノジュール面積率≦0.8%
×(BAD):ノジュール面積率>0.8%
〈総合評価〉
上述した平均剥離面積率、ダメージ面積率、算術平均粗さRa、最大高さ粗さRz、最大断面高さRt、及びノジュール面積率のいずれの項目にも「×(BAD)」の評価が一つもないものを、「〇(GOOD)」と評価し、何れか1つの項目でも「×(BAD)」の評価があるものを、「×(BAD)」と評価した。
表2に示す通り、実施例1~6に係るスパッタリングターゲットのスパッタリングターゲット材は、平均剥離面積率が6.5%以下であり、且つスパッタリング面の算術平均粗さRaが0.20μm以上であることから、スパッタリングターゲット材の剥離量を抑えつつ、非エロ―ジョン領域のパーティクル捕捉能力を高く保つことができることから、表面粗さを確保しながら表面(スパッタリング面)が綺麗な状態を確認できた。
実施例1~6に係るスパッタリングターゲットのスパッタリングターゲット材は、ダメージ面積率が2.0%以下であり、且つスパッタリング面の算術平均粗さRaが0.20μm以上であることから、スパッタ中のパーティクルを低減しつつ、非エロ―ジョン領域のパーティクル捕捉能力を高く保つことができることから、表面粗さを確保するために、番手の荒い砥石を使用したが、表面(スパッタリング面)に残るダメージは小さいことが確認できた。
実施例1~6に係るスパッタリングターゲットのスパッタリングターゲット材は、最大高さ粗さRzが2.00μm以上あり、又は最大断面高さRtが3.00μm以上であることから、パーティクルを捕捉する凹凸を有することが確認できた。
本明細書開示の発明は、各発明や実施形態の構成の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものを含む。
本発明に係るスパッタリングターゲットは、高い表面粗さRaを確保しつつ、剥離量を抑制したものであるから、ノジュール発生やパーティクル発生を抑制することができるスパッタリングターゲットとして好適である。また、本発明に係るスパッタリングターゲットを用いることにより、成膜時に不良品の発生を低減させることができる。これは、天然資源の持続可能な管理、効率的な利用、及び脱炭素(カーボンニュートラル)を達成することにつながる。

Claims (9)

  1. 金属酸化物の焼結体からなり、平均剥離面積率が0.27%以上6.49%以下であり、且つスパッタリング面の算術平均粗さRaが0.51μm以上1.17μm以下であるスパッタリングターゲット材を有することを特徴とするスパッタリングターゲット。
  2. 金属酸化物の焼結体からなり、画像解析により算出されたダメージ面積率が0.05%以上1.48%以下であり、且つスパッタリング面の算術平均粗さRaが0.51μm以上1.17μm以下であるスパッタリングターゲット材を有することを特徴とするスパッタリングターゲット。
  3. 前記スパッタリング面の最大高さ粗さRzが3.69μm以上7.98μm以下あり、又は最大断面高さRtが4.37μm以上11.46μm以下であるスパッタリングターゲット材を有することを特徴とする請求項1、又は2に記載のスパッタリングターゲット。
  4. 金属酸化物の焼結体からなり、スパッタリング面の算術平均粗さRaが0.51μm以上1.17μm以下であり、且つ最大高さ粗さRzが3.69μm以上7.98μm以下あり、又は最大断面高さRtが4.37μm以上11.46μm以下であるスパッタリングターゲット材を有することを特徴とするスパッタリングターゲット。
  5. 前記スパッタリングターゲット材が、In、Sn、Ga、Zn、W、Ta、Nb、Sr、Ti、Zrなどの金属元素、及びSiなどの半金属元素、非金属元素からなる群より選ばれる1種以上の元素を含むことを特徴とする請求項1、2、4の何れか1つに記載のスパッタリングターゲット。
  6. 前記スパッタリングターゲット材は、
    前記金属酸化物の焼結体が100質量%としたとき、
    InをIn換算で0.2質量%以上98質量%以下含有することを特徴とする請求項1、2、4の何れか1つに記載のスパッタリングターゲット。
  7. 前記スパッタリングターゲット材が、In、及びSnを含む複合金属酸化物であることを特徴とする請求項1、2、4の何れか1つに記載のスパッタリングターゲット。
  8. 前記スパッタリングターゲット材が、平板状又は円筒形状であることを特徴とする請求項1、2、4の何れか1つに記載のスパッタリングターゲット。
  9. 請求項1、2、4の何れか1つに記載のスパッタリングターゲットをスパッタリングすることにより酸化物膜を形成する工程を有することを特徴とする酸化物膜の製造方法。
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