JP7739397B2 - 塗料用樹脂組成物、塗料および塗膜 - Google Patents
塗料用樹脂組成物、塗料および塗膜Info
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- JP7739397B2 JP7739397B2 JP2023216922A JP2023216922A JP7739397B2 JP 7739397 B2 JP7739397 B2 JP 7739397B2 JP 2023216922 A JP2023216922 A JP 2023216922A JP 2023216922 A JP2023216922 A JP 2023216922A JP 7739397 B2 JP7739397 B2 JP 7739397B2
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Description
[1]
主剤(A)および硬化剤(B)を含み、
前記主剤(A)は、アミノ基含有アクリル樹脂(a1)とシロキサンオリゴマー(a2)とを含み、
前記硬化剤(B)は、ポリエポキシド(b1)と硬化触媒(b2)とを含み、
前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)は、10mgKOH/g以上88mgKOH/g以下のアミン価を有し、
前記ポリエポキシド(b1)は、100g/eq以上1,500g/eq以下のエポキシ当量を有し、
前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)において、シラノール基と反応し得る反応性基が存在しないか、前記反応性基の数が、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)におけるアミノ基の数の11%未満であり、
前記ポリエポキシド(b1)において、シラノール基と反応し得る前記反応性基が存在しないか、前記反応性基の数が、前記ポリエポキシド(b1)におけるエポキシ基の数の10%未満である
前記シロキサンオリゴマー(a2)は、下記一般式(x):
R3は、各構造単位において独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、または、単結合を表わし、
R4は、各構造単位において独立して、炭素数1~5のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数7~15のアラルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、または、2価の酸素原子を表わし、
mは0~200の整数である。)
で表される構造単位Xと、下記一般式(y):
R5およびR6は、各繰り返し単位においてそれぞれ独立して、炭素数1~5のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、または、炭素数7~15のアラルキル基、を表わし、
nは0~200の整数である。)
で表される構造単位Yと、
末端基として、水素原子、水酸基、炭素数1~5のアルキル基および炭素数1~5のアルコキシ基よりなる群から選択される少なくとも1つと、を有し、
m+nは、2~200であり、
前記硬化触媒(b2)は、有機金属化合物を含み、
前記有機金属化合物の、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、前記シロキサンオリゴマー(a2)および前記ポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合が、0.1質量%以上30質量%以下である、塗料用樹脂組成物であって、
前記塗料用樹脂組成物により形成される塗膜を、JIS K5600-7-6に準じて、宮古島にて、赤道面に向けて水平面に対して20°の角度で屋外暴露試験を1年半行った後のJIS K5659 7.21に準じた光沢保持率が、80%以上である、塗料用樹脂組成物。
[2]
前記有機金属化合物は、配位数2~8の金属の、アルコキシド化合物、キレート化合物およびアシレート化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[1]の塗料用樹脂組成物。
[3]
前記配位数2~8の金属は、チタン、錫、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、鉄およびジルコンよりなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[2]の塗料用樹脂組成物。
[4]
前記硬化触媒(b2)は、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物および有機アルミニウム化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[1]または[2]の塗料用樹脂組成物。
[5]
前記有機チタン化合物は、
下記一般式(Ct1):
Ti(ОRt1)4 (Ct1)
(式中、
ORt1は、それぞれ独立して、炭素数2~4のアルコキシ基、2-エチルヘキソキシ基、ステアロキシ基、イソステアリン酸基またはアセチルアセトネート基を表わす。)、
下記一般式(Ct2):
Ti(ОRt2)mt(Lt1)4-mt (Ct2)
(式中、
ORt2は、それぞれ独立して、炭素数2~4のアルコキシ基、2-エチルヘキソキシ基、ステアロキシ基、イソステアリン酸基またはアセチルアセトネート基を表わし、
Lt1は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基またはプロポニルアセトアセトナト基を表わし、
mtは、1~3の整数である。)、および、
下記一般式(Ct3):
Ti(Lt2)4 (Ct3)
(式中、
Lt2は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基またはプロポニルアセトアセトナト基を表わす。)
で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[4]の塗料用樹脂組成物。
[6]
前記有機ジルコニウム化合物は、
下記一般式(Cz1):
Zr(ORz1)4 (Cz1)
(式中、
ORz1は、それぞれ独立して、炭素数2~4のアルコキシ基、2-エチルヘキソキシ基、ステアリン酸基またはオクチル酸基を表わす。)、
下記一般式(Cz2):
Zr(ORz2)mz(Lz1)4-mz (Cz2)
(式中、
ORz2は、それぞれ独立して、炭素数2~4のアルコキシ基、2-エチルヘキソキシ基、ステアリン酸基またはオクチル酸基を表わし、
Lz1は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基またはプロポニルアセトアセトナト基を表わし、
mzは、1~3の整数である。)、および、
下記一般式(Cz3):
Zr(Lz2)4 (Cz3)
(式中、
Lz2は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基またはプロポニルアセトアセトナト基を表わす。)
で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[4]の塗料用樹脂組成物。
[7]
前記有機アルミニウム化合物は、
下記一般式(Ca1):
Al(ORa1)3
(式中、
ORa1は、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルコキシ基を表わす。)、
下記一般式(Ca2):
Al(ORa2)ma(La1)3-ma (Ca2)
(式中、
ORa2は、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルコキシ基を表わし、
La1は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基、プロポニルアセトアセトナト基またはステアリルアセトアセトナト基を表わし、
maは、1~3の整数である。)、および、
下記一般式(Ca3):
Al(La2)3 (Ca3)
(式中、
La2は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基、プロポニルアセトアセトナト基またはステアリルアセトアセトナト基を表わす。)
で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[4]の塗料用樹脂組成物。
[8]
前記硬化触媒(b2)は、有機チタン化合物および有機ジルコニウム化合物よりなる群から選択される少なくとも1種と、有機アルミニウム化合物とを含む、上記[1]または[2]の塗料用樹脂組成物。
[9]
前記硬化触媒(b2)は、有機チタン化合物および有機アルミニウム化合物を含み、
前記有機チタン化合物の、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、前記シロキサンオリゴマー(a2)および前記ポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合は、0.1質量%以上12質量%以下であり、
前記有機アルミニウム化合物の、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、前記シロキサンオリゴマー(a2)および前記ポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合は、0.1質量%以上20質量%以下である、上記[1]または[2]の塗料用樹脂組成物。
[10]
前記硬化触媒(b2)は、有機ジルコニウム化合物および有機アルミニウム化合物を含み、
前記有機ジルコニウム化合物の、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、前記シロキサンオリゴマー(a2)および前記ポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合は、0.1質量%以上12質量%以下であり、
前記有機アルミニウム化合物の、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、前記シロキサンオリゴマー(a2)および前記ポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合は、0.1質量%以上20質量%以下である、上記[1]または[2]の塗料用樹脂組成物。
[11]
前記反応性基は、水酸基、アルコキシ基、アルコキシシリル基およびシラノール基よりなる群から選択される少なくとも1種である、上記[1]または[2]の塗料用樹脂組成物。
[12]
上記[1]または[2]の塗料用樹脂組成物を含む、塗料。
[13]
さらに、労働安全衛生法に規定された第3種有機溶剤を含む、上記[12]の塗料。
[14]
上記[1]の塗料用樹脂組成物により形成されており、
前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)と前記ポリエポキシド(b1)との反応物により形成される第1ポリマー部分と、
前記有機金属化合物を含む前記硬化触媒(b2)の存在下で重合された前記シロキサンオリゴマー(a2)の重合物により形成され、かつ前記第1ポリマー部分から独立した第2ポリマー部分と、を備え、
前記第1ポリマー部分の少なくとも一部と、前記第2ポリマー部分の少なくとも一部とが絡み合っており、
前記第2ポリマー部分は、前記有機金属化合物由来の金属を含む、塗膜。
上記の塗膜は、以下のような樹脂組成物から形成される。
本開示に係る樹脂組成物は、主剤(A)および硬化剤(B)を含む。主剤(A)は、有機成分としてアミノ基含有アクリル樹脂(a1)を含み、無機成分としてシロキサンオリゴマー(a2)を含む。硬化剤(B)は、ポリエポキシド(b1)と硬化触媒(b2)とを含む。
アミノ基含有アクリル樹脂(a1)は、有機成分の1つであって、1以上のアミノ基を含有する。アミノ基含有アクリル樹脂(a1)は、ポリエポキシド(b1)と反応して、第1ポリマーを形成する。
(1)200ml三角フラスコに、アミノ基含有アクリル樹脂(a1)を500mg精秤する。
(2)テトラヒドロフラン(THF)約50mlを加え、均一に溶解する。
(3)指示薬(メチルバイオレット溶液)を5~6滴加え、均一に攪拌する。
(4)0.2N塩酸-エタノール溶液で滴定していき、明緑色となった点を終点とする。
(上記(3)および(4)は電位差滴定に置き換えてもよい。)
ポリエポキシド(b1)は、有機成分の1つであって、1分子中に少なくとも2つのエポキシ基(オキシラン環)を有する。ポリエポキシド(b1)は、アミノ基含有アクリル樹脂(a1)と反応して、第1ポリマーを形成する。
シロキサンオリゴマー(a2)は、無機成分であって、自己縮合して、第2ポリマーを形成する。
R3は、各構造単位において独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、または、単結合を表わし、
R4は、各構造単位において独立して、炭素数1~5のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数7~15のアラルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、または、-O-を表わし、
mは0~200の整数である。)
で表される構造単位Xと、下記一般式(y):
R5およびR6は、各繰り返し単位においてそれぞれ独立して、炭素数1~5のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、または、炭素数7~15のアラルキル基を表わし、
nは0~200の整数である。)
で表される構造単位Yと、
末端基として、水素原子、水酸基、炭素数1~5のアルキル基および炭素数1~5のアルコキシ基よりなる群から選択される少なくとも1つと、を有する。
硬化触媒(b2)は、シロキサンオリゴマー(a2)および、アミノ基含有アクリル樹脂(a1)とポリエポキシド(b1)との反応の縮合反応を促進する。硬化触媒(b2)は、有機金属化合物を含む。有機金属化合物の、アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、シロキサンオリゴマー(a2)およびポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合は、0.1質量%以上30質量%以下である。これにより、第1ポリマーおよび第2ポリマーを同時に形成することができる。また、塗料用樹脂組成物および塗料のポットライフをより長くすることができる。さらに、有機金属化合物の中心金属は、シロキサンオリゴマー(a2)の縮合物中に組み込まれ、固定化される。これにより、有機金属化合物の触媒作用が低下して、安定化する。その結果、屋外暴露時におけるシロキサンオリゴマー(a2)の縮合物の縮合反応が抑制されて、クラックの発生がさらに抑制される。
下記一般式(Ct1):
Ti(ОRt1)4 (Ct1)
(式中、
ORt1は、それぞれ独立して、炭素数2~4のアルコキシ基、2-エチルヘキソキシ基、ステアロキシ基、イソステアリン酸基またはアセチルアセトネート基を表わす。)、
下記一般式(Ct2):
Ti(ОRt2)mt(Lt1)4-mt (Ct2)
(式中、
ORt2は、それぞれ独立して、炭素数2~4のアルキル基を表わし、
Lt1は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基またはプロポニルアセトアセトナト基を表わし、
mtは、1~3の整数である。)、および、
下記一般式(Ct3):
Ti(Lt2)4 (Ct3)
(式中、
Lt2は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基またはプロポニルアセトアセトナト基を表わす。)
で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。
下記一般式(Cz1):
Zr(ORz1)4 (Cz1)
(式中、
ORz1は、それぞれ独立して、炭素数2~4のアルコキシ基、2-エチルヘキソキシ基、ステアリン酸基またはオクチル酸基を表わす。)、
下記一般式(Cz2):
Zr(ORz2)mz(Lz1)4-mz (Cz2)
(式中、
ORz2は、それぞれ独立して、炭素数2~4のアルコキシ基、2-エチルヘキソキシ基、ステアリン酸基またはオクチル酸基を表わし、
Lz1は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基またはプロポニルアセトアセトナト基を表わし、
mzは、1~3の整数である。)、および、
下記一般式(Cz3):
Zr(Lz2)4 (Cz3)
(式中、
Lz2は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基またはプロポニルアセトアセトナト基を表わす。)
で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。
下記一般式(Ca1):
Al(ORa1)3
(式中、
ORa1は、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルコキシ基を表わす。)、
下記一般式(Ca2):
Al(ORa2)ma(La1)3-ma (Ca2)
(式中、
ORa2は、それぞれ独立して、炭素数2~4のアルコキシ基を表わし、
La1は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基、プロポニルアセトアセトナト基またはステアリルアセトアセトナト基を表わし、
maは、1~3の整数である。)、および、
下記一般式(Ca3):
Al(La2)3 (Ca3)
(式中、
La2は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基、プロポニルアセトアセトナト基またはステアリルアセトアセトナト基を表わす。)
で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。
本開示は、上記の樹脂組成物を含む塗料を包含する。本開示の塗料によれば、屋外環境下でのクラックの発生が抑制される塗膜が得られる。そのため、本開示の塗料は、主に屋外において使用あるいは設置される被塗物の塗装に適している。このような被塗物としては、例えば、橋梁、建築物、タンク、プラント、塔、道路、トンネル、船舶、車両、屋根が挙げられる。被塗物の材質は、例えば、金属(例えば、鋼板などの鋼、亜鉛めっき、ステンレス、アルミニウム)、窯業系材料(例えば、コンクリート、モルタル、スレート、スレート)、プラスチック、ビニルシート、紙、木材、ガラスが挙げられる。
塗料は、労働安全衛生法に規定された第3種有機溶剤を含んでよい。第3種有機溶剤は、弱溶剤とも称され、一般的に溶解力が小さい。第3種有機溶剤によって、塗料は所望の粘度に調整される。塗料の固形分濃度は、用途、塗装方法等に応じて適宜設定される。
塗料は、顔料を含んでいてよい。顔料としては、例えば、着色顔料、防錆顔料、体質顔料が挙げられる。これらは、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
塗料は、必要に応じて種々の添加剤を含み得る。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、粘度調整剤、酸化防止剤、消泡剤、表面調整剤、ピンホール防止剤、シランカップリング剤、顔料分散剤が挙げられる。これらは、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
1分子中に第1反応性基および第2反応性基の双方を含む第2化合物は、樹脂組成物および塗料に含まれないか、その含有量は少ないことが望ましい。第2化合物の、アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、シロキサンオリゴマー(a2)およびポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合は、1質量%以下であってよく、0.8質量%以下であってよく、0.5質量%以下であってよく、0質量%であってよい。
1分子中に第1反応性基および第3反応性基の双方を含む第3化合物は、樹脂組成物および塗料に含まれないか、その含有量は少ないことが望ましい。第3化合物の、アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、シロキサンオリゴマー(a2)およびポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合は、1質量%以下であってよく、0.8質量%以下であってよく、0.5質量%以下であってよく、0質量%であってよい。
樹脂組成物および塗料は、第1、第2、第3反応性基のいずもれを含まず、かつ、アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、シロキサンオリゴマー(a2)およびポリエポキシド(b1)以外の、第4化合物を含んでいてよい。樹脂組成物および塗料は、第4化合物を含まなくてよい。
本開示に係る塗料は、当業者において通常行われる手法によって調製することができる。主剤(A)は、上記のアミノ基含有アクリル樹脂(a1)およびシロキサンオリゴマー(a2)と、必要に応じて他の成分とを混合して調製される。硬化剤(B)は、別途、少なくとも上記のポリエポキシド(b1)および硬化触媒(b2)と、必要に応じて他の成分とを混合して調製される。塗料は、主剤(A)および硬化剤(B)と、必要に応じて他の成分とを混合して調製される。混合には、例えば、ペイントシェーカー、ミキサー等の通常用いられる混合装置が用いられる。
塗料の塗装方法は、被塗物の形状等に応じて、適宜選択される。塗装方法としては、例えば、刷毛塗り、ローラー塗装、スプレー塗装、流し塗りが挙げられる。
本開示の塗膜は、上記の樹脂組成物により形成されており、アミノ基含有アクリル樹脂(a1)とポリエポキシド(b1)との反応物により形成される第1ポリマー部分と、有機金属化合物を含む硬化触媒(b2)の存在下で重合されたシロキサンオリゴマー(a2)の重合物により形成され、かつ第1ポリマー部分から独立した第2ポリマー部分と、を備え、第1ポリマー部分の少なくとも一部と、第2ポリマー部分の少なくとも一部とが絡み合っており、第2ポリマー部分は、有機金属化合物由来の金属を含む。
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器および滴下装置を備えた反応容器に第3種有機溶剤(Aソルベント(商品名)、ENEOS社製)35部を仕込み、窒素ガスを通気しながら、115℃まで昇温した。別途、表1に示す原料モノマーを混合して、モノマー混合液を調製した。また、t-ブチルパ-オキシ-2-エチルヘキサノエート(重合開始剤)1.5部とAソルベント18部とを混合して、開始剤混合液を調製した。上記の反応容器内に、上記のモノマー混合液および開始剤混合液を並行して、3時間かけて滴下した。定法により反応を行った後、Aソルベントにて樹脂固形分を65%に調整した。このようにして、アミノ基含有アクリル樹脂(a1)Ac1を得た。
・DMAEMA:N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート
・MMA:メチルメタクリレート
・NBA:ノルマルブチルメタクリレート
・IBMA:イソブチルメタクリレート
・EHA:2-エチルヘキシルアクリレート
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器にAソルベント94部を仕込み、窒素ガスを通気しながら、攪拌下、130℃まで昇温した。別途、表2に示す原料モノマーを混合して、モノマー混合液を調製した。また、t-ブチルパ-オキシ-2-エチルヘキサノエート6.16部とAソルベント7部とを混合して、開始剤混合液を調製した。上記の反応容器内に、上記のモノマー混合液および開始剤混合液を並行して、3時間かけて滴下した。定法により反応を行った後、Aソルベントにて固形分を50%に調整した。このようにして、ポリエポキシド(b1)Ep2を得た。
・EMA:エチルメタクリレート
・HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート
・EHMA:2-エチルヘキシルメタクリレート
・GMA:グリシジルメタクリレート
・NBA:n-ブチルアクリレート
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器および滴下装置を備えた反応容器に、表2に示すシラン化合物と、メタノール10部とを加え混合した。その後、上記の反応容器に、表2に示す量のイオン交換水と硫酸0.78部とを混合したものを1時間かけて滴下しながら、65℃まで昇温した。65℃に維持したまま、4.5時間反応を行った。反応終了後、減圧(100Torr)下で脱溶剤して、シロキサンオリゴマー(a2)S1を得た。
・シラン化合物1:メチルトリメトキシシラン
・シラン化合物2:ジメチルジメトキシシラン
・シラン化合物3:フェニルトリメトキシシラン
・シラン化合物4:ジフェニルジメトキシシラン
(1)主剤の調製
アミノ基含有アクリル樹脂(a1)Ac1を31.11部の半量、酸化チタン(商品名:CR-95、石原産業株式会社製、顔料)32.06部、およびAソルベント18.51部をブリキ容器に仕込み、約30分間攪拌した。この内容物を分散用ベッセルに移し、ガラスビーズを適量仕込んだ後、サンドグラインドミルにて2000rpmで約1時間混合した。ガラスビーズを除去した後、得られた白色分散ペーストに、アミノ基含有アクリル樹脂(a1)Ac1の残量、およびシロキサンオリゴマー(a2)S1を10.65部添加して、15分混合した。このようにして、主剤を得た。
ポリエポキシド(b1)Ep1(商品名:エポライト70P、共栄社化学株式会社、グリシジルエーテル型、エポキシ当量142、重量平均分子量284、割合R2:0%)0.47部、チタニウムテトライソプロポキシド、およびアルミニウムエトキサイド(硬化触媒(b2))をそれぞれ0.03部、およびAソルベント2.16部をブリキ容器に仕込み、ディスパーで約15分間混合した。このようにして、硬化剤を得た。
各成分の配合量を表4~6に示すように変えたこと以外、実施例1と同様にして、主剤および硬化剤をそれぞれ得た。
酸化チタンを配合しなかったこと以外、実施例5と同様にして、主剤および硬化剤をそれぞれ得た。主剤の調製において、アミノ基含有アクリル樹脂(a1)Ac1を31.11部、シロキサンオリゴマー(a2)S1を10.65部、およびAソルベント18.51部をブリキ容器に仕込み、約30分間攪拌した。
硬化触媒(b2)を配合しなかったこと以外、実施例1と同様にして、主剤および硬化剤をそれぞれ調製し、塗料を得た。
硬化触媒(b2)を配合しなかったこと以外、実施例5と同様にして、主剤および硬化剤をそれぞれ調製し、塗料を得た。
得られた主剤および硬化剤を混合して得られた塗料を用いて試験板を作製し、下記の評価を行った。評価結果を表4~6に示す。
(試験板の作製)
塗料を、アルミ処理板(A1050P アロジン#1200、150mm×70mm×0.8mm)に、ドクターブレード(塗布厚10mil)で塗装し、23℃50RH%の条件下で7日間養生して、試験板を得た。
試験板を、JIS K5600-7-6に準じて、宮古島にて、南面(赤道面)に向けて水平面に対して20°の角度で、1年半架設した。その後、JIS K5659 7.21に準じて、塗膜の光沢保持率を評価した。
上記の屋外暴露試験後の試験板における塗膜の表面を目視により観察し、下記に従って評価した。
良:微小クラックの発生は見られない
不良:微小クラックの発生が見られる
(試験板の作製)
塗料を、ガラス板に3MILドクターブレードで塗装し、5℃80RH%の条件下で所定の時間養生して試験板を作成した。
得られた試験板に対して、指触評価を実施した。
最良:2時間の養生で、塗膜に指跡が残らなかった
良:8時間の養生で、塗膜に指跡が残らなかった
不良:8時間の養生を行っても、塗膜に指跡が残った
(密閉した場合)
塗料を、100g200mlのステンレス容器に入れて蓋をし、23℃50RH%の条件下で5時間静置して試料を作成した。試料の状態を下記に従って評価した。
良:粘度変化がほとんどなく、表面に膜も張っていない
不良:粘度変化が少なく、表面に膜が張っている
最不良:粘度が著しく増粘し、塗料全体が固化している
塗料を、100g200mlのステンレス容器に入れ、蓋をせずに、23℃50RH%の条件下で静置して試料を作成した。この場合、試料は空気中に存在する水分の影響を受ける。試料の状態を下記に従って評価した。
最良:5時間超で皮が張っていない
良:2.5~5時間で膜が張っている
不良:2.5時間未満で膜が張っている
最不良:2.5時間未満で塗料全体が固化している
[1]
主剤(A)および硬化剤(B)を含み、
前記主剤(A)は、アミノ基含有アクリル樹脂(a1)とシロキサンオリゴマー(a2)とを含み、
前記硬化剤(B)は、ポリエポキシド(b1)と硬化触媒(b2)とを含み、
前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)は、10mgKOH/g以上88mgKOH/g以下のアミン価を有し、
前記ポリエポキシド(b1)は、100g/eq以上1,500g/eq以下のエポキシ当量を有し、
前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)において、シラノール基と反応し得る反応性基が存在しないか、前記反応性基の数が、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)におけるアミノ基の数の11%未満であり、
前記ポリエポキシド(b1)において、シラノール基と反応し得る前記反応性基が存在しないか、前記反応性基の数が、前記ポリエポキシド(b1)におけるエポキシ基の数の10%未満である
前記シロキサンオリゴマー(a2)は、下記一般式(x):
R3は、各構造単位において独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、または、単結合を表わし、
R4は、各構造単位において独立して、炭素数1~5のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数7~15のアラルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、または、2価の酸素原子を表わし、
mは0~200の整数である。)
で表される構造単位Xと、下記一般式(y):
R5およびR6は、各繰り返し単位においてそれぞれ独立して、炭素数1~5のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、または、炭素数7~15のアラルキル基を表わし、
nは0~200の整数である。)
で表される構造単位Yと、
末端基として、水素原子、水酸基、炭素数1~5のアルキル基および炭素数1~5のアルコキシ基よりなる群から選択される少なくとも1つと、を有し、
m+nは、2~200であり、
前記硬化触媒(b2)は、有機金属化合物を含み、
前記有機金属化合物の、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、前記シロキサンオリゴマー(a2)および前記ポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合が、0.1質量%以上30質量%以下である、塗料用樹脂組成物であって、
前記塗料用樹脂組成物により形成される塗膜を、JIS K5600-7-6に準じて、宮古島にて、赤道面に向けて水平面に対して20°の角度で屋外暴露試験を1年半行った後のJIS K5659 7.21に準じた光沢保持率が、80%以上である、塗料用樹脂組成物。
[2]
前記有機金属化合物は、配位数2~8の金属の、アルコキシド化合物、キレート化合物およびアシレート化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[1]の塗料用樹脂組成物。
[3]
前記配位数2~8の金属は、チタン、錫、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、鉄およびジルコンよりなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[2]の塗料用樹脂組成物。
[4]
前記硬化触媒(b2)は、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物および有機アルミニウム化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[1]~[3]いずれかの塗料用樹脂組成物。
[5]
前記有機チタン化合物は、
下記一般式(Ct1):
Ti(ОRt1)4 (Ct1)
(式中、
ORt1は、それぞれ独立して、炭素数2~4のアルコキシ基、2-エチルヘキソキシ基、ステアロキシ基、イソステアリン酸基またはアセチルアセトネート基を表わす。)、
下記一般式(Ct2):
Ti(ОRt2)mt(Lt1)4-mt (Ct2)
(式中、
ORt2は、それぞれ独立して、炭素数2~4のアルコキシ基、2-エチルヘキソキシ基、ステアロキシ基、イソステアリン酸基またはアセチルアセトネート基を表わし、
Lt1は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基またはプロポニルアセトアセトナト基を表わし、
mtは、1~3の整数である。)、および、
下記一般式(Ct3):
Ti(Lt2)4 (Ct3)
(式中、
Lt2は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基またはプロポニルアセトアセトナト基を表わす。)
で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[4]の塗料用樹脂組成物。
[6]
前記有機ジルコニウム化合物は、
下記一般式(Cz1):
Zr(ORz1)4 (Cz1)
(式中、
ORz1は、それぞれ独立して、炭素数2~4のアルコキシ基、2-エチルヘキソキシ基、ステアリン酸基またはオクチル酸基を表わす。)、
下記一般式(Cz2):
Zr(ORz2)mz(Lz1)4-mz (Cz2)
(式中、
ORz2は、それぞれ独立して、炭素数2~4のアルコキシ基、2-エチルヘキソキシ基、ステアリン酸基またはオクチル酸基を表わし、
Lz1は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基またはプロポニルアセトアセトナト基を表わし、
mzは、1~3の整数である。)、および、
下記一般式(Cz3):
Zr(Lz2)4 (Cz3)
(式中、
Lz2は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基またはプロポニルアセトアセトナト基を表わす。)
で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[4]の塗料用樹脂組成物。
[7]
前記有機アルミニウム化合物は、
下記一般式(Ca1):
Al(ORa1)3
(式中、
ORa1は、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルコキシ基を表わす。)、
下記一般式(Ca2):
Al(ORa2)ma(La1)3-ma (Ca2)
(式中、
ORa2は、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルコキシ基を表わし、
La1は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基、プロポニルアセトアセトナト基またはステアリルアセトアセトナト基を表わし、
maは、1~3の整数である。)、および、
下記一般式(Ca3):
Al(La2)3 (Ca3)
(式中、
La2は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基、プロポニルアセトアセトナト基またはステアリルアセトアセトナト基を表わす。)
で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[4]または[5]の塗料用樹脂組成物。
[8]
前記硬化触媒(b2)は、有機チタン化合物および有機ジルコニウム化合物よりなる群から選択される少なくとも1種と、有機アルミニウム化合物とを含む、上記[1]~[7]いずれかの塗料用樹脂組成物。
[9]
前記硬化触媒(b2)は、有機チタン化合物および有機アルミニウム化合物を含み、
前記有機チタン化合物の、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、前記シロキサンオリゴマー(a2)および前記ポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合は、0.1質量%以上12質量%以下であり、
前記有機アルミニウム化合物の、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、前記シロキサンオリゴマー(a2)および前記ポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合は、0.1質量%以上20質量%以下である、上記[1]~[8]いずれかの塗料用樹脂組成物。
[10]
前記硬化触媒(b2)は、有機ジルコニウム化合物および有機アルミニウム化合物を含み、
前記有機ジルコニウム化合物の、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、前記シロキサンオリゴマー(a2)および前記ポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合は、0.1質量%以上12質量%以下であり、
前記有機アルミニウム化合物の、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、前記シロキサンオリゴマー(a2)および前記ポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合は、0.1質量%以上20質量%以下である、上記[1]~[8]いずれかの塗料用樹脂組成物。
[11]
前記反応性基は、水酸基、アルコキシ基、アルコキシシリル基およびシラノール基よりなる群から選択される少なくとも1種である、上記[1]~[10]いずれかの塗料用樹脂組成物。
[12]
上記[1]~[11]いずれかの塗料用樹脂組成物を含む、塗料。
[13]
さらに、労働安全衛生法に規定された第3種有機溶剤を含む、上記[12]の塗料。
[14]
上記[1]~[11]いずれかの塗料用樹脂組成物により形成されており、
前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)と前記ポリエポキシド(b1)との反応物により形成される第1ポリマー部分と、
前記有機金属化合物を含む前記硬化触媒(b2)の存在下で重合された前記シロキサンオリゴマー(a2)の重合物により形成され、かつ前記第1ポリマー部分から独立した第2ポリマー部分と、を備え、
前記第1ポリマー部分の少なくとも一部と、前記第2ポリマー部分の少なくとも一部とが絡み合っており、
前記第2ポリマー部分は、前記有機金属化合物由来の金属を含む、塗膜。
Claims (13)
- 主剤(A)および硬化剤(B)を含み、
前記主剤(A)は、アミノ基含有アクリル樹脂(a1)とシロキサンオリゴマー(a2)とを含み、
前記硬化剤(B)は、ポリエポキシド(b1)と硬化触媒(b2)とを含み、
前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)は、10mgKOH/g以上88mgKOH/g以下のアミン価を有し、
前記ポリエポキシド(b1)は、100g/eq以上1,500g/eq以下のエポキシ当量を有し、
前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)において、シラノール基と反応し得る反応性基が存在しないか、前記反応性基の数が、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)におけるアミノ基の数の11%未満であり、
前記ポリエポキシド(b1)において、シラノール基と反応し得る前記反応性基が存在しないか、前記反応性基の数が、前記ポリエポキシド(b1)におけるエポキシ基の数の10%未満であり、
前記シロキサンオリゴマー(a2)は、下記一般式(x):
(式中、
R3は、各構造単位において独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、または、単結合を表わし、
R4は、各構造単位において独立して、炭素数1~5のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数7~15のアラルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、または、2価の酸素原子を表わし、
mは0~200の整数である。)
で表される構造単位Xと、下記一般式(y):
(式中、
R5およびR6は、各繰り返し単位においてそれぞれ独立して、炭素数1~5のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、または、炭素数7~15のアラルキル基を表わし、
nは0~200の整数である。)
で表される構造単位Yと、
末端基として、水素原子、水酸基、炭素数1~5のアルキル基および炭素数1~5のアルコキシ基よりなる群から選択される少なくとも1つと、を有し、
m+nは、2~200であり、
前記硬化触媒(b2)は、有機金属化合物を含み、
前記反応性基は、水酸基、アルコキシ基、アルコキシシリル基およびシラノール基よりなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記有機金属化合物の、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、前記シロキサンオリゴマー(a2)および前記ポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合が、0.1質量%以上30質量%以下である、塗料用樹脂組成物であって、
1分子中に、前記反応性基と、エポキシ基およびハロゲン基の少なくとも一方の第3反応性基と、の双方を含む第3化合物を含まないか、前記第3化合物を前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、前記シロキサンオリゴマー(a2)および前記ポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対して1質量%以下で含み、
前記塗料用樹脂組成物により形成される塗膜を、JIS K5600-7-6に準じて、宮古島にて、赤道面に向けて水平面に対して20°の角度で屋外暴露試験を1年半行った後のJIS K5659 7.21に準じた光沢保持率が、80%以上である、塗料用樹脂組成物。 - 前記有機金属化合物は、配位数2~8の金属の、アルコキシド化合物、キレート化合物およびアシレート化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の塗料用樹脂組成物。
- 前記配位数2~8の金属は、チタン、錫、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、鉄およびジルコンよりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項2に記載の塗料用樹脂組成物。
- 前記硬化触媒(b2)は、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物および有機アルミニウム化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の塗料用樹脂組成物。
- 前記有機チタン化合物は、
下記一般式(Ct1):
Ti(ОRt1)4 (Ct1)
(式中、
ORt1は、それぞれ独立して、炭素数2~4のアルコキシ基、2-エチルヘキソキシ基、ステアロキシ基、イソステアリン酸基またはアセチルアセトネート基を表わす。)、
下記一般式(Ct2):
Ti(ОRt2)mt(Lt1)4-mt (Ct2)
(式中、
ORt2は、それぞれ独立して、炭素数2~4のアルコキシ基、2-エチルヘキソキシ基、ステアロキシ基、イソステアリン酸基またはアセチルアセトネート基を表わし、
Lt1は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基またはプロポニルアセトアセトナト基を表わし、
mtは、1~3の整数である。)、および、
下記一般式(Ct3):
Ti(Lt2)4 (Ct3)
(式中、
Lt2は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基またはプロポニルアセトアセトナト基を表わす。)
で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項4に記載の塗料用樹脂組成物。 - 前記有機ジルコニウム化合物は、
下記一般式(Cz1):
Zr(ORz1)4 (Cz1)
(式中、
ORz1は、それぞれ独立して、炭素数2~4のアルコキシ基、2-エチルヘキソキシ基、ステアリン酸基またはオクチル酸基を表わす。)、
下記一般式(Cz2):
Zr(ORz2)mz(Lz1)4-mz (Cz2)
(式中、
ORz2は、それぞれ独立して、炭素数2~4のアルコキシ基、2-エチルヘキソキシ基、ステアリン酸基またはオクチル酸基を表わし、
Lz1は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基またはプロポニルアセトアセトナト基を表わし、
mzは、1~3の整数である。)、および、
下記一般式(Cz3):
Zr(Lz2)4 (Cz3)
(式中、
Lz2は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基またはプロポニルアセトアセトナト基を表わす。)
で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項4に記載の塗料用樹脂組成物。 - 前記有機アルミニウム化合物は、
下記一般式(Ca1):
Al(ORa1)3
(式中、
ORa1は、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルコキシ基を表わす。)、
下記一般式(Ca2):
Al(ORa2)ma(La1)3-ma (Ca2)
(式中、
ORa2は、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルコキシ基を表わし、
La1は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基、プロポニルアセトアセトナト基またはステアリルアセトアセトナト基を表わし、
maは、1~3の整数である。)、および、
下記一般式(Ca3):
Al(La2)3 (Ca3)
(式中、
La2は、それぞれ独立して、アセチルアセトナト基、エチルアセトアセトナト基、プロピルアセトアセトナト基、イソプロピルアセトアセトナト基、ブチルアセトアセトナト基、プロピオニルアセトアセトナト基、プロポニルアセトアセトナト基またはステアリルアセトアセトナト基を表わす。)
で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項4に記載の塗料用樹脂組成物。 - 前記硬化触媒(b2)は、有機チタン化合物および有機ジルコニウム化合物よりなる群から選択される少なくとも1種と、有機アルミニウム化合物とを含む、請求項1または2に記載の塗料用樹脂組成物。
- 前記硬化触媒(b2)は、有機チタン化合物および有機アルミニウム化合物を含み、
前記有機チタン化合物の、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、前記シロキサンオリゴマー(a2)および前記ポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合は、0.1質量%以上12質量%以下であり、
前記有機アルミニウム化合物の、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、前記シロキサンオリゴマー(a2)および前記ポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合は、0.1質量%以上20質量%以下である、請求項1または2に記載の塗料用樹脂組成物。 - 前記硬化触媒(b2)は、有機ジルコニウム化合物および有機アルミニウム化合物を含み、
前記有機ジルコニウム化合物の、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、前記シロキサンオリゴマー(a2)および前記ポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合は、0.1質量%以上12質量%以下であり、
前記有機アルミニウム化合物の、前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)、前記シロキサンオリゴマー(a2)および前記ポリエポキシド(b1)の合計の固形分量に対する質量割合は、0.1質量%以上20質量%以下である、請求項1または2に記載の塗料用樹脂組成物。 - 請求項1または2に記載の塗料用樹脂組成物を含む、塗料。
- さらに、労働安全衛生法に規定された第3種有機溶剤を含む、請求項11に記載の塗料。
- 請求項1の塗料用樹脂組成物により形成されており、
前記アミノ基含有アクリル樹脂(a1)と前記ポリエポキシド(b1)との反応物により形成される第1ポリマー部分と、
前記有機金属化合物を含む前記硬化触媒(b2)の存在下で重合された前記シロキサンオリゴマー(a2)の重合物により形成され、かつ前記第1ポリマー部分から独立した第2ポリマー部分と、を備え、
前記第1ポリマー部分の少なくとも一部と、前記第2ポリマー部分の少なくとも一部とが絡み合っており、
前記第2ポリマー部分は、前記有機金属化合物由来の金属を含む、塗膜。
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