JP7728080B2 - 全固体電池 - Google Patents

全固体電池

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Description

本発明は、全固体電池に関する。
特許文献1では、電解質層の端部を負極層側に突出させた凸状に形成することで当該電解質層の端部を厚くしてその強度を向上させた全固体電池が提案されている。
特許第6608188号
近年では、エネルギー密度を向上させる観点から、負極に金属リチウムを用いる全固体電池が開発されている。この種の全固体電池では、充電時に負極に金属リチウムが析出して負極金属リチウム層を生成する。一方、放電時には、リチウムイオンが正極に移動することで負極金属リチウム層の少なくとも一部が消失する。
このような構成の全固体電池では、金属リチウムが固体電解質の外側に向かって延伸するように析出し、当該延伸に起因して負極金属リチウム層と固体電解質の接触部分において応力集中が生じることがある。特に、特許文献1で提案された全固体電池の構造では、電解質層の端部が負極の端面に接触することとなる。このため、当該構造を負極に金属リチウムを用いる全固体電池に適用すると、負極リチウム金属の延伸にともない負極の端面と電解質層の端部との間において応力集中が生じ、短絡の要因となる固体電解質のクラックをもたらす恐れがある。
したがって、本発明は、短絡の要因となる固体電解質層のクラックの発生を抑制し得る全固体電池を提供することにある。
本発明のある態様によれば、固体電解質層と、固体電解質層の一方の面に積層され金属リチウムが析出する負極リチウム金属層を含む負極層と、固体電解質層の他方の面に積層される正極層と、を含む全固体電池が提供される。この全固体電池において、固体電解質層は、負極層及び正極層に挟持される面領域を構成する電解質基部と、電解質基部の外周に設けられ負極リチウム金属層よりも外側に亘って延在する外縁部と、を有する。そして、固体電解質層の外縁部は、負極層に対向する面が電解質基部から外側に向かうにつれて負極リチウム金属層から離間する凹状に形成され、且つ正極層側に突出するように構成される。
本発明によれば、短絡の要因となる固体電解質層のクラックの発生を抑制することができる。
図1は、本発明の第1実施形態による全固体電池の構成を説明する図である。 図2は、第2実施形態による全固体電池の構成を説明する図である。 図3は、第3実施形態による全固体電池の構成を説明する図である。 図4は、第4実施形態による全固体電池の構成を説明する図である。 図5は、第5実施形態による全固体電池の構成を説明する図である。
以下、本発明の各実施形態について説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかる全固体電池10について説明する。
図1は、本実施形態の全固体電池10の構成を説明する図である。特に、図1(a)は金属リチウムの析出状態(充電時)における全固体電池10の概略構成を示しており、図1(b)は金属リチウムの消失状態(放電時)における全固体電池10の概略構成を示している。なお、図1においては、図面の簡略化のため、本実施形態の構成が適用される要部(各層の外周領域の一部)のみを示す。
全固体電池10は、負極層n及び正極層pの間に固体電解質層15が積層されてなる積層体が一又は複数積層して成るセルユニット10Aを、ラミネート材20により封止することで構成される。なお、図1においては図面の簡略化のため、セルユニット10Aを一つの積層体で構成した例を示している。なお、このセルユニット10Aには、ラミネート材20の外部の電気負荷などに接続するための図示しない電気配線類(正極リード、負極リード、正極集電板、及び負極集電板など)が設けられる。
本実施形態のセルユニット10Aは平面視において略矩形状に形成される。すなわち、負極層n、正極層p、及び固体電解質層15がそれぞれ平面視略矩形状に形成されている。
負極層nは、主として、固体電解質層15に対して積層方向における他方の面(図上上方の面)に積層される負極リチウム金属層14と、負極リチウム金属層14に接続される負極集電体12と、により構成される。
負極リチウム金属層14は、主としてリチウム金属により構成され、負極活物質として機能する層である。特に、図1(a)に示すように、負極リチウム金属層14は、充電時に固体電解質層15と負極集電体12との間の領域(特に、正極活物質層17に対向する部分)金属リチウムが析出することにより形成される。一方、図1(b)に示すように、負極リチウム金属層14の構成する金属リチウムの少なくとも一部は、放電時にリチウムイオンとなって消失する。このため、放電時における負極リチウム金属層14の厚さは充電時と比べて減少する。
特に本実施形態では、負極リチウム金属層14は、その横方向における外周部分を構成する負極外縁部14Aが、電解質外縁部15Bよりも内側に収まるように構成されている。なお、本実施形態において、負極外縁部14Aとは、略矩形状の負極リチウム金属層14の外周に沿った領域であって、電解質外縁部15Bに対して積層方向において対向する領域を意味する。
ここで、金属リチウムの析出は、基本的には、固体電解質層15と負極集電体12との間において正極活物質層17に対向する領域において発生する。一方で、金属リチウムが固体電解質層15上(特に電解質外縁部15B上)の正極活物質層17よりも外側に析出することをより確実に抑制する観点から、全固体電池10の最大放電領域を、負極リチウム金属層14が完全に消失しない程度に制限することが好ましい。これにより、放電時において負極リチウム金属層14の一部が消失せずに残るため(図1(b)参照)、金属リチウムの析出領域を当該負極リチウム金属層14の部分に好適に調節することができる。
さらに、上述した金属リチウムの析出領域の調節方法に代えて又はこれとともに、固体電解質層15と負極集電体12の間に固体電解質層15よりも金属リチウムに対する親和性が高い層を設けても良い。特に、このような層を設けることで、最大放電領域に制限を与えずとも(負極リチウム金属層14を完全に消失させる構成であっても)、金属リチウムの析出領域を好適に調節することができる。
正極層pは、主として、固体電解質層15に対して積層方向における一方の面(図上下方の面)に積層される正極活物質層17と、正極活物質層17に接続される正極集電体18と、により構成される。特に、本実施形態において、正極活物質層17は、その横方向における外周部分を構成する正極外縁部17Aの固体電解質層15の側の表面が、当該固体電解質層15と離間する方向(図上下方)に向かって傾斜する略直線形状に形成されている。なお、本実施形態において、正極外縁部17Aとは、略矩形状の正極活物質層17の外周に沿った領域であって、後述する電解質外縁部15Bに対して積層方向において対向する領域を意味する。
固体電解質層15は、主として、負極層n及び正極層pの間に挟持される基本的な面領域である電解質基部15Aと、この電解質基部15Aの外周、すなわち固体電解質層15の横方向における外周部分を構成する電解質外縁部15Bと、により構成される。
電解質基部15Aは、固体電解質層15において一方の面が負極リチウム金属層14に対向するとともに他方の面が正極活物質層17に対向する面領域である。また、電解質外縁部15Bは、固体電解質層15において電解質基部15Aから外側に向かって伸長する領域である。
そして、本実施形態の電解質外縁部15Bは、負極リチウム金属層14における負極外縁部14Aよりも外側に亘って伸長する。すなわち、電解質基部15Aは、平面視において負極外縁部14Aを包絡する。言い換えると、負極リチウム金属層14の面領域が固体電解質層15の面領域に収まる構成をとっている。
さらに、電解質外縁部15Bにおける負極層n側の面は、電解質基部15Aに連続してこれと面一となる構成をとっている。これにより、電解質外縁部15Bは、側面視において、負極外縁部14Aに対して重なることなく完全に分離する構造となる。一方、固体電解質層15の電解質外縁部15Bにおいて正極層p側の面は、電解質基部15Aよりも正極層p側に突出する構造をとる。これにより、電解質外縁部15Bは電解質基部15Aに比べて厚く構成されることとなる。特に、本実施形態では、電解質外縁部15Bは、電解質基部15Aを基点として負極リチウム金属層14よりも外側までに至る全横方向領域において正極層p側に突出する。このため、電解質外縁部15Bは、横方向において全体的に電解質基部15Aよりも厚く構成される。
次に、本実施形態にかかる全固体電池10を構成する各要素(負極層n、正極層p、及び固体電解質層15)の材料及び当該全固体電池10の製造方法の概要について説明する。
[負極]
上述のように、本実施形態の負極層nは、負極集電体12と、負極リチウム金属層14と、を備える。
負極集電体12を構成する材料は、本発明にかかる技術分野において全固体電池10に適用可能な集電体として機能するものであれば特に制限されない。例えば、金属又は導電性を有する樹脂を採用することができる。
具体的には、負極集電体12に適用可能な金属材料としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン、又は銅などが挙げられる。また、これらの他、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、又は銅とアルミニウムとのクラッド材などが用いられてもよい。さらに、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であっても良い。特に、電子伝導性や電池作動電位、及び集電体へのスパッタリングによる負極活物質の密着性等の観点からは、アルミニウム、ステンレス、銅、又はニッケルを採用することが好ましい。
負極集電体12に適用可能な導電性の樹脂材料としては、非導電性高分子材料に必要に応じて導電性フィラーが添加された樹脂が挙げられる。
特に、非導電性高分子材料としては、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、若しくは低密度ポリエチレン(LDPE)など)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、又はポリスチレン(PS)などが挙げられる。
負極リチウム金属層14は、固体電解質層15と負極集電体12の間に形成され、単体リチウム金属を主成分とする層である。なお、負極リチウム金属層14は、全固体電池10の製造時において予め構成しても良いし、製造時には設けずに初回充電を経て所定のリチウム源(固体電解質層15や正極活物質層17など)から供給されるリチウムが析出することで生成する構成としても良い。
[正極]
正極層pは、正極活物質層17と正極集電体18により構成される。
正極活物質層17は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出することが可能な活物質として構成される。例えば、正極活物質層17に適用可能な材料は、例えばリチウム金属複合酸化物である。より具体的に、リチウム金属複合酸化物としては、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiVO2、若しくはLi(Ni-Mn-Co)O2等の層状岩塩型化合物、LiMn24、若しくはLiNi0.5Mn1.54等のスピネル型化合物、LiFePO4、若しくはLiMnPO4等のオリビン型化合物、又はLi2FeSiO4、若しくはLi2MnSiO4等のSi含有化合物等が挙げられる。また上記以外のリチウム金属複合酸化物としては、例えば、Li4Ti512が挙げられる。
正極集電体18は、負極集電体12と同様の材料で構成することができる。
[固体電解質]
固体電解質層15は、固体電解質を主成分として含有する層である。固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質や酸化物固体電解質が挙げられるが、硫化物固体電解質であることが好ましい。
特に、硫化物固体電解質としては、例えば、LiI-Li2S-SiS2、LiI-Li2S-P2O5、LiI-Li3PO4-P25、Li2S-P25、LiI-Li3PS4、LiI-LiBr-Li3PS4、Li3PS4、Li2S-P25、Li2S-P25-LiI、Li2S-P25-Li2O、Li2S-P25-Li2OLiI、Li2S-SiS2、Li2S-SiS2-LiI、Li2S-SiS2-LiBr、Li2S-SiS2-LiCl、Li2S-SiS2-B23-LiI、Li2S-SiS2-P25-LiI、Li2S-B23、Li2S-P25-Zmn(ただし、mnは正の数であり、Zは、Ge、Zn、Gaのいずれかである)、Li2S-GeS2、Li2S-SiS2-Li3PO4、又はLi2S-SiS2-LixMOy(ただし、xyは正の数であり、Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれかである)等が挙げられる。なお、「Li2S-P25」の記載は、Li2S及びP25を含む原料組成物を用いてなる硫化物固体電解質を意味し、他の記載についても同様である。
また、硫化物固体電解質は、硫化物ガラスであってもよく、結晶化硫化物ガラスであってもよく、固相法により得られる結晶質材料であってもよい。なお、硫化物ガラスは、例えば原料組成物に対してメカニカルミリング(ボールミル等)を行うことにより得ることができる。
[全固体電池の製造]
上記の正極層p、固体電解質層15、及び負極層nを公知の方法で積層して加圧することで本実施形態に係る全固体電池10を製造することができる。
[作用効果]
以上説明した本実施形態の全固体電池10の構成及びその作用効果をまとめて説明する。
本実施形態の全固体電池10は、固体電解質層15と、固体電解質層15の一方の面に積層され金属リチウムが析出する負極リチウム金属層14を含む負極層nと、固体電解質層15の他方の面に積層される正極層pと、を含む。そして、この全固体電池10は、負極層n及び正極層pに挟持される面領域を構成する電解質基部15Aと、電解質基部15Aの外周に設けられ負極リチウム金属層14よりも外側に亘って延在する外縁部としての電解質外縁部15Bと、を有する。そして、電解質外縁部15Bは、負極層nに対向する面が電解質基部15Aに対して面一又は凹状であり且つ正極層p側に突出するように構成される。
これにより、負極リチウム金属層14が外側に延伸するシーン(例えば図1(b)の状態から図1(a)の状態に遷移する場合)においても、当該負極外縁部14Aの延伸軌道上に電解質外縁部15Bが存在しない構成を実現することができる。このため、負極リチウム金属層14と固体電解質層15の間の接触に起因した応力伝達をより確実に防止することができる。その上で、電解質外縁部15Bが正極層p側に突出する形状により、固体電解質層15の外周部分の肉厚が確保されるのでその強度が向上する。すなわち、本実施形態の全固体電池10では、上述した電解質外縁部15Bの構造に対する工夫によって、外側に変位し易い負極外縁部14Aを固体電解質層15の外周部分に接触させないようにして応力集中の発生自体を抑制できることに加え、たとえ応力集中が発生した場合であってもこれに抗する固体電解質層15の周辺部分の強度も確保することができる。結果として、短絡の要因となる固体電解質層15におけるクラックの発生を好適に抑制することができる。
特に、本実施形態では、電解質外縁部15Bは、電解質基部15Aを基点として負極リチウム金属層14よりも外側までに至る全横方向領域に亘って正極層p側に突出する。
これにより、リチウム金属の析出により特に応力集中が生じ易い固体電解質層15の外周部分の強度をより確実に高めることができる。結果として、固体電解質層15におけるクラックの発生をより好適に抑制することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態の全固体電池10について説明する。なお、第1実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図2は、本実施形態による全固体電池10の構成を説明する図である。図示のように、本実施形態の全固体電池10では、電解質外縁部15Bの負極層nに対向する面の形状が、第1実施形態の全固体電池10と相違する。具体的に、電解質外縁部15Bの負極層nに対向する面は、電解質基部15Aから外側に向かうにつれて負極リチウム金属層14から漸次離間する凹状に形成される。より詳細には、電解質外縁部15Bの負極層nに対向する面は、電解質基部15Aを基点として外側に向かうにつれて正極層p側(図上下方)に向かって傾斜する略直線状に形成される。
この構成によれば、第1実施形態で説明した作用効果に加えて、負極リチウム金属層14から固体電解質層15(特に、電解質外縁部15B)に作用する面圧をより減少させることができる。このため、負極リチウム金属層14に延伸に起因して当該固体電解質層15に生じる応力がより緩和される。結果として、短絡の要因となる固体電解質層15のクラックの発生を抑制する効果をより高めることができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態の全固体電池10について説明する。なお、第2実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図3は、本実施形態の全固体電池10の構成を説明する図である。図示のように、本実施形態の全固体電池10は、第2実施形態の構成をベースとしつつ、固体電解質層15の電解質外縁部15Bの正極層pに対向する面及び負極層nに対向する面が、電解質基部15Aに連続する湾曲形状に形成される。
より具体的に、電解質外縁部15Bの負極層nに対向する面は、電解質基部15Aを基点として外側に向かうにつれて負極層nに対して漸次離間する方向の曲線(特に、負極層nに向かって凸となる曲線)状に形成される。
一方、電解質外縁部15Bの正極層pに対向する面は、電解質基部15Aを基点として外側に向かうにつれて正極集電体18に漸次近接する方向の曲線(特に、正極層pに向かって凹となる曲線)状に形成される。
また、正極活物質層17の正極外縁部17A及び負極リチウム金属層14の負極外縁部14Aも、それぞれ、対向する電解質外縁部15Bの面に適合する湾曲形状に形成される。
以上説明したように、本実施形態の全固体電池10では、電解質外縁部15Bは、正極層pに対向する面及び負極層nに対向する面が電解質基部15Aに対して連続する湾曲形状に形成される。このため、これらの面を略直線状に形成した場合(図2に示す場合)に比べ、応力集中の発生し易い固体電解質層15上の屈曲点を減らすことができる。結果として、短絡の要因となる固体電解質層15のクラックの発生をより確実に抑制することができる。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態の全固体電池10について説明する。なお、第1実施形態~第4実施形態の何れかと同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図4は、本実施形態の全固体電池10の構成を説明する図である。図示のように、本実施形態の全固体電池10は、図3に示す第3実施形態の構成をベースとする一方、負極リチウム金属層14が正極層pよりも外側まで延在するように構成される。すなわち、負極外縁部14Aが正極外縁部17Aよりも外側に伸びている。言い換えると、本実施形態の全固体電池10は、正極層pの面方向の存在範囲が負極リチウム金属層14の面方向の存在範囲に収まるように構成されている。
以上説明した本実施形態の全固体電池10の構成によれば、負極リチウム金属層14が正極層pよりも外側まで延在するので、負極外縁部14Aの少なくとも一部の領域を正極層p(特に正極外縁部17A)に対する非対向領域とすることができる。これにより、負極外縁部14Aにおける電流集中に起因した過度なリチウム金属の析出を抑制することができ、当該析出によりもたらされ得る固体電解質層15上の応力集中を緩和することができる。結果として、短絡の要因となる固体電解質層15のクラックの発生をより確実に抑制することができる。
なお、本実施形態では、第3実施形態に係る全固体電池10の構成をベースとして、負極リチウム金属層14が正極層pよりも外側に延在するように構成を採用する例を説明した。しかしながら、これに限られず、第1実施形態に係る全固体電池10の構成(図1参照)、又は第2実施形態に係る全固体電池10の構成(図2参照)をベースとして、負極リチウム金属層14が正極層pよりも外側に延在するように構成を採用しても良い。
(第5実施形態)
以下、第5実施形態の全固体電池10について説明する。なお、第1~第4実施形態の何れかと同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5は、本実施形態の全固体電池10の構成を説明する図である。特に、図5(a)は全固体電池10の要部概略平面図であり、図5(b)は図5(a)のA-A線矢視拡大図であり、図5(c)は図5(b)のB-B線矢視拡大図である。
また、本実施形態では、全固体電池10において、負極リチウム金属層14の周長に対する外側への延伸量の比が相対的に大きい領域を「大延伸領域C1」と称する。さらに、電解質外縁部15Bの内、負極リチウム金属層14の周長に対する外側への延伸量の比が相対的に小さい領域を「小延伸領域C2」と称する。
なお、大延伸領域C1は、所定回数の充放電過程を経た前後の負極リチウム金属層14の延伸量の比が予め実験等により定められる所定閾値を超える領域として定めることができる。一方で、小延伸領域C2は、当該延伸量の比の計測値が上記所定閾値以下となる領域として定めることができる。
特に、本実施形態の大延伸領域C1は、図5(a)に示すように、略矩形状の負極リチウム金属層14の頂点付近の領域(破線の四角で示す)である。一方、小延伸領域C2は、当該頂点付近以外の部分(略矩形状における辺部分)の領域(一点鎖線の四角で示す)である。
そして、小延伸領域C2では、セルユニット10Aの外周部分が図5(b)に示す構造をとる。具体的に、小延伸領域C2では、電解質外縁部15Bにおいて負極外縁部14A及び正極外縁部17Aの間の部分は、電解質基部15Aと略同一形状に形成される。すなわち、小延伸領域C2では、電解質外縁部15Bが、負極外縁部14A及び正極外縁部17Aの間の部分において正極層p側に突出しない構造をとる。
一方で、大延伸領域C1では、セルユニット10Aの外周部分が図5(c)に示す構造をとる。具体的に、大延伸領域C1では、負極外縁部14A、電解質外縁部15B、及び正極外縁部17Aが図4で説明した構造と同一の構造をとる。特に、大延伸領域C1では、電解質外縁部15Bが、負極外縁部14A及び正極外縁部17Aの間の部分において正極層p側に突出する構造をとる。
したがって、本実施形態の全固体電池10では、電解質外縁部15Bにおける正極層p側への突出量は、負極リチウム金属層14の周長に対する外側への延伸量の比が相対的に大きくなる領域(大延伸領域C1)において相対的に小さくなる領域(小延伸領域C2)と比べて大きく構成される。このため、負極外縁部14A及び正極外縁部17Aの間における電解質外縁部15Bの厚さDは、大延伸領域C1(図5(c))において小延伸領域C2(図5(b))よりも大きく構成されることとなる。
これにより、電解質外縁部15Bにおいて特に強い応力集中が発生することが想定される部分(大延伸領域C1)を厚くして局所的に強度を高める一方で、そうでない部分(小延伸領域C2)は薄くすることにより正極活物質層17の厚みを確保することができる。このため、固体電解質層15におけるクラックの発生を抑制する効果を発揮しつつ、正極容量を比較的高く維持することができる。
なお、本実施形態では、図5(b)に示すように、小延伸領域C2において、電解質外縁部15Bが負極外縁部14A及び正極外縁部17Aの間の部分で正極層p側に突出しない構成について説明した。しかしながら、これに限られず、小延伸領域C2においても電解質外縁部15Bが正極層p側に突出するものの、その突出量が大延伸領域C1における突出量よりも小さくなる構成を採用しても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。また、上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
例えば、本実施形態の全固体電池10は、用途に応じて、複数積層されたセルユニット10Aを外装材により封止してなる積層型電池として構成することもできる。また、本実施形態の全固体電池10の外観、及び内部における電気的な接続状態(電極構造)は特に限定されない。全固体電池10の外観は、例えば長方形状の扁平な角形状であってもよいし円あるいは楕円形状であっても良い。或いは、全固体電池10を、一以上のセルユニット10Aを巻き回して収容する円筒形状型に構成しても良い。また、全固体電池10の電極構造は、いわゆる非双極型(内部並列接続タイプ)、及び双極型(内部直列接続タイプ)のいずれが採用されてもよい。
10 全固体電池
14 負極リチウム金属層
14A 負極外縁部
15 固体電解質層
15A 電解質基部
15B 電解質外縁部
17 正極活物質層
17A 正極外縁部
n 負極層
p 正極層

Claims (5)

  1. 固体電解質層と、前記固体電解質層の一方の面に積層され金属リチウムが析出する負極リチウム金属層を含む負極層と、前記固体電解質層の他方の面に積層される正極層と、を含む全固体電池であって、
    前記固体電解質層は、前記負極層及び前記正極層に挟持される面領域を構成する電解質基部と、前記電解質基部の外周に設けられ前記負極リチウム金属層よりも外側に亘って延在する外縁部と、を有し、
    前記固体電解質層の外縁部は、
    前記負極層に対向する面が前記電解質基部から外側に向かうにつれて前記負極リチウム金属層から離間する凹状に形成され、且つ前記正極層側に突出するように構成され
    全固体電池。
  2. 請求項1に記載の全固体電池であって、
    前記固体電解質層の外縁部は、
    前記電解質基部を基点として前記負極リチウム金属層よりも外側までに至る全横方向領域に亘って前記正極層側に突出する、
    全固体電池。
  3. 請求項に記載の全固体電池であって、
    前記固体電解質層の外縁部は、
    前記正極層に対向する面及び前記負極層に対向する面が前記電解質基部に対して連続する湾曲形状に形成される、
    全固体電池。
  4. 請求項1~の何れか1項に記載の全固体電池であって、
    前記負極リチウム金属層が前記正極層よりも外側まで延在する、
    全固体電池。
  5. 請求項1~の何れか1項に記載の全固体電池であって、
    略矩形状の前記負極リチウム金属層の外周に形成される大延伸領域及び小延伸領域を含み、
    前記大延伸領域は、前記略矩形状の前記負極リチウム金属層の頂点付近の領域であり、
    前記小延伸領域は、前記頂点付近以外の領域であり、
    前記固体電解質層の外縁部は、
    前記大延伸領域及び前記小延伸領域において、前記正極層側に突出し、
    前記大延伸領域における前記固体電解質層の外縁部の厚さが、前記小延伸領域における前記固体電解質層の外縁部の厚さよりも大きい、
    全固体電池。
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