JP7720177B2 - 骨代謝改善用組成物 - Google Patents
骨代謝改善用組成物Info
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Description
ショウガ科植物としては、たとえば、黄金生姜、三州生姜、黄生姜、金時生姜、谷中生姜などが挙げられる。これらの根茎を用いることが好ましい。
発酵に用いる麹菌は特に限定されないが、例えばAspergillus属の微生物が挙げられる。Aspergillus属の微生物としては、Aspergillus oryzae、Aspergillus sojae、Aspergillus luchuensis、Aspergillus awamori、Aspergillus niger、Aspergillus glaucusが挙げられる。これらの中でも、発酵の効率性の観点からAspergillus oryzaeが好ましい。
発酵方法は特に限定されず、固体培養、液体培養のいずれでもよいが、発酵物全体の体積を抑えることができ、また、麹菌で多種の酵素を発現して効率的に発酵させられるため、固体培養が好ましい。
固体培養または液体培養で得られた固体状の発酵物には、必要に応じて粉砕や粉末化を行ってもよい。また、固体状の発酵物から、有効成分を抽出して用いてもよい。抽出物を得る場合、抽出溶媒としては、たとえば、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができ、これらを混合して用いることもできる。例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。このうち、メタノール、エタノール等のアルコール類が好ましい。抽出温度は室温が好ましい。抽出液はそのまま使用してもよいが、ろ過して固形分を除いた抽出エキスを乾固して使用してもよい。
一般に、骨密度は、骨芽細胞による骨の形成と、破骨細胞による骨吸収(骨からのカルシウム溶出)のバランスにより成立している。このバランスは骨代謝と呼ばれ、加齢、閉経、カルシウム不足、ビタミンD不足などにより骨代謝のバランスが崩れると、破骨細胞による骨吸収が優勢となり、骨密度が低下し、骨粗しょう症に至る。破骨細胞が分化し活性化すると骨吸収が促進されため、骨粗しょう症を予防、または治療するためには、破骨細胞の分化と活性化を抑制することが求められる。また、骨形成を促進するために、骨芽細胞の分化と活性化を促進することが求められる。
本発明の組成物は、骨代謝改善のための医薬品、食品等として使用できる。
温風にて乾燥させたショウガのチップを原料として用い、麹菌Aspergillus oryzaeを用いて製麹した。具体的には、乾燥ショウガチップ30kgを水道水に1時間浸漬させた後、121℃で60分蒸煮した。30~35℃に放冷後、種麹を30g混合し種付け(品温35~36℃)を行い、製麹管理最高温度を40±2℃に設定し製麹した。12時間後に一度切り返しをおこない、44時間後に出麹したものを45℃にて24時間温風乾燥させ、粉砕、粉末化(50メッシュ通過)したものをショウガ麹とした。
製造例1と同様の方法でAspergillus oryzaeを用いて製麹し、製麹後、45℃にて乾燥し、殺菌・粉末化したものを用いた。
製造例1~2のショウガ麹、米麹、および原料のショウガ、米をそれぞれ10g測り、1%TFA含有のメタノールを10倍量加え、室温で1時間抽出した。抽出後、濾過し、得られた抽出エキスをエバポレーターに乾固した。乾固した抽出物に100μg/mlとなるようにDMSOを添加し、溶解した。溶解した抽出物を細胞試験に供した。
[材料]
細胞:マウスマクロファージ(RAW264.7)
培地:MEM Alpha(10%(v/v) FBS、1%(v/v) Penicillin-Streptomycin)、Gibco
製造例3で得られた各抽出物の、細胞に対する毒性の有無を評価するため、所定の濃度に調製した培地での細胞の生存率を確認した。培地に各抽出物を濃度調整して添加したものを試験液とした。任意の継代数のRAW264.7細胞を96ウェルプレートに播種し培養した。細胞の接着を確認後、培地を取り除き試験液に置換した。抗炎症作用試験及び破骨細胞分化試験と同条件にするため、試験液に置換した後24時間もしくは4日間培養した。試験液での培養後、Cell Counting Kit-8(同人科学研究所)を用い、抽出物を含まない培地で培養した細胞の生存率を100%として試験液群における細胞の生存率を算出した。
ショウガ麹抽出物を添加した培地でRAW264.7細胞を培養したところ、200μg/mLの濃度ではじめて生存率の低下が認められた(図1)。また、原料であるショウガの抽出物では50μg/mlの濃度で生存率の低下が認められた。米および米麹では毒性は確認されなかった(図2~4)。したがって、ショウガ麹は原料であるショウガと比較して細胞毒性が低いことが確認された。なお、図2中の値は平均値±標準誤差を表し、有意差は*:p<0.05、**:p<0.01を示す。
[材料]
参考例1と同じ細胞と培地を用いた。
免疫応答において、炎症シグナルにより核内への移行量が増加し、炎症性サイトカインの発現量を調節する転写調節因子としてNF-κBが知られている。NF-κBが結合する応答配列の下流にルシフェラーゼタンパク質の遺伝子を導入したベクターを有するRAW264.7(RAW/NFκB-luc)細胞を用い、ルシフェラーゼタンパク質による発光強度を指標として抗炎症作用を確認した。
LPS刺激によるNF-κB活性化は、ショウガ麹抽出物30~100μg/mLの範囲での添加で有意に抑制されたため、この濃度範囲でショウガ麹にはNF-κB活性化阻害作用があることが示され、NF-κB活性化による炎症反応を抑える抗炎症作用があることが示唆された(図5)。一方で、ショウガ、米、米麹の抽出物では抑制効果がみられず、抗炎症作用は認められなかった(図6~8)。
[材料]
参考例1と同じ細胞と培地を用いた。
RAW264.7細胞はRANKL刺激により破骨細胞に分化するが、この破骨細胞分化の過程で転写調節因子NF-AT1cが活性化され、この転写調節因子の活性化により破骨細胞分化関連遺伝子の発現が誘導される。したがって、NF-κB活性化が炎症反応の指標となったように、NF-AT活性化は破骨細胞分化の指標となり得る。そこで、NF-κBレポーターアッセイと同様に、NF-AT応答配列により発現が誘導されるようデザインされたルシフェラーゼ遺伝子をレポーターとして用いたNF-ATレポーターアッセイ系により、破骨細胞分化に対するショウガ麹の作用を検討した。RAW264.7細胞をRANKLで6日間培養すると、NF-AT活性は有意に上昇した。RANKLとともにショウガ麹を抗炎症作用が観察された30~100μg/mLの範囲で添加しておくと、RANKL刺激で誘導されたNF-AT活性化が有意に抑制された(図9)。このことから、ショウガ麹には、RANKL刺激によるNF-AT活性化を阻害する作用があることが示され、そのNF-AT活性化による破骨細胞分化を抑制することが示唆された。
RAW264.7細胞における破骨細胞分化促進について、破骨細胞の分化マーカーである酒石酸耐性酸性フォスファターゼ(TRAP)活性を指標として確認した。
抗炎症作用が認められた30~100μg/mLの範囲で検討したところ、いずれの濃度においても強く破骨細胞分化を抑制したため、より低濃度で同様の実験を行った。その結果、ショウガ麹は3~30μg/mLという抗炎症作用が認められるよりも低濃度でTRAP染色陽性の破骨細胞の数を有意に低下させた(図10~11)。
破骨細胞分化の指標となる遺伝子の解析し、破骨細胞分化抑制作用の詳細について確認を行なった。破骨細胞分化マーカー遺伝子として、TRAP、cathepsin K(CTSK)、DC-STAMP、OC-STAMP、RANKについて解析を行なった。
〈逆転写反応〉
Repeats:1、37℃/15min、85℃/5sec、4℃/∞
作成したcDNAを鋳型とし、qPCRを行なった。PCR反応にはTHUNDERBIRD SYBR qPCR Mix(TOYOBO)とTRAP、CTSK、DC-STAMP、OC-STAMP、RANKそれぞれのプライマーを用いた。反応時間と温度は以下の通りである。
〈Stage1:初期変性〉Repeats:1、95℃/30sec
〈Stage2:PCR反応〉Repeats:40、95℃/5sec、60℃/1min〈Stage3:Melt Curve〉Repeats:1、95℃/15sec、60℃/1min、95℃/15sec
ショウガ麹の破骨細胞分化抑制作用について詳細に検討するため、破骨細胞分化の指標である破骨細胞分化マーカー遺伝子の発現を定量的PCR法により定量した。その結果、TRAP、カテプシンK(CTSK)、DC-STAMP、OC-STAMP、RANKいずれもショウガ麹添加によって濃度依存的に遺伝子発現が抑制された。破骨細胞分化マーカー遺伝子であるc-Fosについては、統計的有意な抑制は認められなかった(図12A~F)。
なお、図12中の値は平均値±標準誤差を表し、各アルファベットは有意差p<0.05を示す。以上のことから、ショウガ麹は破骨細胞分化を抑制する作用を持つことが示された。
Claims (6)
- ショウガを麹菌により発酵させる工程を含む、骨代謝改善用組成物の製造方法。
- 前記骨代謝改善用組成物が前駆細胞の破骨細胞への分化を抑制するためのものである、請求項1に記載の骨代謝改善用組成物の製造方法。
- 麹菌がAspergillus属の微生物である、請求項1または2に記載の骨代謝改善用組成物の製造方法。
- 麹菌がAspergillus oryzaeである、請求項3に記載の骨代謝改善用組成物の製造方法。
- 前記発酵が固体培養による発酵である、
請求項1または2に記載の骨代謝改善用組成物の製造方法。 - 前記発酵が20~40℃での固体培養による発酵である、
請求項5に記載の骨代謝改善用組成物の製造方法。
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| JP2021101053A JP7720177B2 (ja) | 2021-06-17 | 2021-06-17 | 骨代謝改善用組成物 |
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| JP2021101053A JP7720177B2 (ja) | 2021-06-17 | 2021-06-17 | 骨代謝改善用組成物 |
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| JP (1) | JP7720177B2 (ja) |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017145235A (ja) | 2016-02-12 | 2017-08-24 | 株式会社東洋新薬 | コラゲナーゼ阻害剤 |
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2021
- 2021-06-17 JP JP2021101053A patent/JP7720177B2/ja active Active
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2017145235A (ja) | 2016-02-12 | 2017-08-24 | 株式会社東洋新薬 | コラゲナーゼ阻害剤 |
Non-Patent Citations (2)
| Title |
|---|
| Braz J Biol Res.,2015年,48(7),637-643 |
| Front Cell Dev Biol.,2021年03月03日,9, Article 588093,p.1-13 |
Also Published As
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|---|---|
| JP2023000308A (ja) | 2023-01-04 |
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