JP7720177B2 - 骨代謝改善用組成物 - Google Patents

骨代謝改善用組成物

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本発明は、骨代謝改善用組成物に関する。
ショウガには、ジンゲロール、ショウガオール等の成分が含まれており、殺菌作用、抗酸化作用、血行促進等の様々な効能があることが知られている。特許文献1は、ショウガのノルマルヘキサンによる抽出物が、骨代謝改善効果を有することを開示している。特許文献2は、骨疾患の予防及び治療に有効な化合物が開示されており、この化合物の原料としてショウガ科植物の根が挙げられている。しかし、近年、高齢化の進展にともない、より優れた骨代謝改善能を有する成分が求められている。
ショウガ科植物に関しては、特許文献1のように抽出物を用いる他、発酵物についても検討が進められている。特許文献3は、ショウガ科植物原料を酢酸菌または乳酸菌で発酵させることにより、ショウガを含む組成物の風味を向上することを開示している。しかし、ショウガ科植物原料の発酵物による骨代謝改善作用は検討されていなかった。
特開2014-043416号公報 国際公開WO2007/091707 特開2018-057377号公報
本発明の課題は、ショウガ科植物を利用して、優れた骨代謝改善作用を有する組成物を提供することである。
本発明者は、ショウガ科植物の処理条件について種々検討を行った結果、麹菌による発酵物が、優れた骨代謝改善作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ショウガ科植物原料の麹菌による発酵物を含む、骨代謝改善用組成物に関する。
前記骨代謝改善用組成物は、前駆細胞の破骨細胞への分化を抑制するためのものであることが好ましい。
前記麹菌がAspergillus属の微生物であることが好ましい。
本発明の骨代謝改善用組成物は、麹菌による発酵物を含むため、未発酵のショウガ科植物原料を使用した場合と比較して優れた骨代謝改善作用を有する。
ショウガ麹の細胞毒性を示す。 ショウガの細胞毒性を示す。 米麹の細胞毒性を示す。 米の細胞毒性を示す。 ショウガ麹の抗炎症作用を示す。 ショウガの抗炎症作用を示す。 米麹の抗炎症作用を示す。 米の抗炎症作用を示す。 ショウガ麹の破骨細胞分化抑制作用(RANKL刺激によるNF-AT活性化の阻害)を示す。 ショウガ麹の破骨細胞分化抑制作用(TRAP染色陽性の破骨細胞数)を示す。 ショウガ麹の破骨細胞分化抑制作用(TRAP染色陽性の破骨細胞数)を示す。 ショウガ麹の破骨細胞分化抑制作用(TRAP発現量)を示す。 ショウガ麹の破骨細胞分化抑制作用(CTSK発現量)を示す。 ショウガ麹の破骨細胞分化抑制作用(DC-STAMP発現量)を示す。 ショウガ麹の破骨細胞分化抑制作用(OC-STAMP発現量)を示す。 ショウガ麹の破骨細胞分化抑制作用(RANK発現量)を示す。 ショウガ麹の破骨細胞分化抑制作用(c-Fos発現量)を示す。
本発明の骨代謝改善用組成物は、ショウガ科植物原料の麹菌による発酵物を含むことを特徴とする。
<ショウガ科植物原料>
ショウガ科植物としては、たとえば、黄金生姜、三州生姜、黄生姜、金時生姜、谷中生姜などが挙げられる。これらの根茎を用いることが好ましい。
発酵に供するショウガ科植物原料の形態は特に限定されず、根茎をそのまま用いる他、粉砕物、搾汁、抽出物、スライスなどとして用いることができる。粉砕物としては、たとえば、粉末、顆粒などが挙げられるが、粉末が好ましく、乾燥粉末が特に好ましい。搾汁や抽出物は液状であってもよいが、ペースト状や粉末であってもよい。抽出物は、適当な溶媒を用いて得ることができ、溶媒としては、たとえば、水、エタノール、含水エタノールなどが挙げられる。
<麹菌>
発酵に用いる麹菌は特に限定されないが、例えばAspergillus属の微生物が挙げられる。Aspergillus属の微生物としては、Aspergillus oryzae、Aspergillus sojae、Aspergillus luchuensis、Aspergillus awamori、Aspergillus niger、Aspergillus glaucusが挙げられる。これらの中でも、発酵の効率性の観点からAspergillus oryzaeが好ましい。
<発酵条件>
発酵方法は特に限定されず、固体培養、液体培養のいずれでもよいが、発酵物全体の体積を抑えることができ、また、麹菌で多種の酵素を発現して効率的に発酵させられるため、固体培養が好ましい。
固体培養では、固体のショウガ科植物原料に麹菌を種付けし、温度管理しながら発酵させる。麹菌の種付け前には、ショウガ科植物原料を100~120℃で30~90分間蒸煮することが好ましい。均一な発酵のために、途中で発酵物の切り返しを行うことが好ましい。発酵後は、40~50℃で温風乾燥させることにより、固体状の発酵物を得ることができる。
液体培養では、ショウガ科植物原料を含む培地に麹菌を種付けし、温度管理しながら発酵させる。種付け方法としては、ショウガ科植物原料を含む培地に麹菌またはその培養液を添加する方法が挙げられる。具体的には、ショウガ科植物原料を溶媒で溶解または分散してショウガ溶解液または分散液を作製し、この溶解液または分散液を含む培地を作製し、この培地に、麹菌またはその培養液を添加する方法が挙げられる。また、ショウガ科植物原料を麹菌の培養液に添加する方法が挙げられる。
液体培養に用いる培地は、ショウガ科植物原料を含むほか、必要に応じて、糖類、澱粉、デキストリンなどの炭素源、酵母エキス、ペプトンなどの窒素源、ビタミン類、ミネラル類などを含んでいてもよい。糖類としては、たとえばグルコース、アラビノース、ショ糖、乳糖、ソルビトール、フラクトース、トレハロースが挙げられる。糖類を使用する場合、使用量は培地中に0.1~10重量%が好ましく、0.2~5重量%がより好ましい。
液体培養時の手段は特に限定されず、静置培養、pHを一定にした中和培養や、回分培養、連続培養などが挙げられる。
液体培養による発酵後は、40~50℃で温風乾燥させることにより、液体成分を除去して固体状の発酵物を得ることができる。或いは、ろ過や遠心分離により固液分離を行い、得られた固体成分または液体成分を乾燥して、固体状の発酵物を得ることもできる。
固体培養、液体培養のいずれにおいても、発酵温度は、20~50℃が好ましく、30~40℃がより好ましい。発酵時間は、5~120時間が好ましく、10~72時間がより好ましい。発酵時の雰囲気は限定されないが、好気条件下であることが好ましい。
<発酵物>
固体培養または液体培養で得られた固体状の発酵物には、必要に応じて粉砕や粉末化を行ってもよい。また、固体状の発酵物から、有効成分を抽出して用いてもよい。抽出物を得る場合、抽出溶媒としては、たとえば、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができ、これらを混合して用いることもできる。例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。このうち、メタノール、エタノール等のアルコール類が好ましい。抽出温度は室温が好ましい。抽出液はそのまま使用してもよいが、ろ過して固形分を除いた抽出エキスを乾固して使用してもよい。
骨代謝改善用組成物中の、ショウガ科植物原料の麹菌による発酵物の含有量は、骨代謝改善用組成物の形態により適宜決定でき、特に限定されないが、たとえば1回の服用あたりの発酵物の摂取量は100mg~2gが好ましく、200mg~800mgがより好ましい。服用回数も、骨代謝改善組成物の形態により適宜決定できるが、例えば1日あたり1~3回が挙げられる。
<骨代謝改善>
一般に、骨密度は、骨芽細胞による骨の形成と、破骨細胞による骨吸収(骨からのカルシウム溶出)のバランスにより成立している。このバランスは骨代謝と呼ばれ、加齢、閉経、カルシウム不足、ビタミンD不足などにより骨代謝のバランスが崩れると、破骨細胞による骨吸収が優勢となり、骨密度が低下し、骨粗しょう症に至る。破骨細胞が分化し活性化すると骨吸収が促進されため、骨粗しょう症を予防、または治療するためには、破骨細胞の分化と活性化を抑制することが求められる。また、骨形成を促進するために、骨芽細胞の分化と活性化を促進することが求められる。
本発明の組成物は、骨代謝改善に有用である。骨代謝改善は、破骨細胞の分化もしくは活性化を抑制すること、または骨芽細胞の分化もしくは活性化を促進することをいう。
破骨細胞の分化又は活性化としては次の経路が知られている。すなわち、TNF-α、IL-1、IL-6、IL-17等の炎症性サイトカインが線維芽細胞、T細胞、骨芽細胞等を刺激する。刺激されたこれらの細胞は、破骨細胞分化因子であるRANKL(Receptor Activator of NF-κB Ligand)を産生する。RANKLがマクロファージ上に存在する受容体であるRANK(Receptor Activator of NF-κB)に結合すると、マクロファージ内での転写因子NFAT(Nuclar Factor of Activated T cells)の活性化を経て、破骨細胞への分化と、分化された破骨細胞の活性化が促進される。本発明の組成物の作用機序は特に限定されないが、例えば炎症性サイトカインの発現抑制、NFATの活性化抑制が挙げられる。
破骨細胞の分化又は活性化の抑制能をインビトロで測定する場合、試験細胞としてはマウス由来のRAW264.7等のマクロファージが挙げられる。これらの試験細胞を炎症性サイトカインで刺激し、本発明の組成物の存在下で、破骨細胞の分化又は活性化のマーカー遺伝子の発現量を測定する。マーカー遺伝子としては、TRAP(酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ)、Cathepsin K、DC-STAMP(樹状細胞特異的膜貫通タンパク質)、OC-STAMP(破骨細胞刺激性膜貫通タンパク質)、RANKが挙げられる。これらのマーカー遺伝子の発現量を低下させられた場合に、破骨細胞の分化又は活性化の抑制能を有すると判断できる。
骨芽細胞の分化または活性化の促進能を測定する場合、試験細胞としてはマウス由来のMC3T3-E1等の前駆骨芽様細胞が挙げられる。これらの細胞を、本発明の組成物の存在下で培養し、石灰化の進行を評価する。石灰化はアリザリンレッド(AR)染色により評価できる。石灰化の進行を促進できた場合に、骨芽細胞の分化または活性化の促進能を有すると判断できる。
本発明の発酵組成物は、ショウガ由来成分を含むため、骨代謝改善作用に加えて、殺菌作用、抗酸化作用、血行促進作用、食欲増進作用、体温上昇作用、抗炎症作用、エネルギー代謝を活性化する作用、メタボリックシンドローム予防作用等の様々な効果を有する。また、ショウガの風味を合わせ持つものであってもよい。
<剤形>
本発明の組成物は、骨代謝改善のための医薬品、食品等として使用できる。
医薬品として用いる場合の投与形態は、経口投与、経皮投与などが挙げられる。経口投与の剤型は、例えば、液剤;錠剤、顆粒剤、細粒剤、粉剤、タブレット等の固形剤;或いは当該液剤又は固形剤を封入したカプセル剤、口腔用スプレー、トローチ等の様々な形態が挙げられる。経皮投与の剤型は、ローション、クリームが挙げられる。このような投与形態の組成物を調製する際には、骨代謝改善作用を妨げない範囲で、他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を適宜組み合わせて用いることができる。
医薬品とする場合の組成物中の、ショウガ科植物原料の麹菌による発酵物又はこれらの抽出物の含有量は、全組成中の0.5質量%~50質量%が好ましく、1質量%~20質量%がより好ましい。
本発明の組成物を食品として用いる場合の形態としては、果汁又は野菜汁飲料、炭酸飲料、茶系飲料、乳飲料、発酵乳、発酵果汁、発酵野菜汁、アルコール飲料、清涼飲料等の飲料や、ゼリー状食品や各種スナック類、焼き菓子、ケーキ類、チョコレート、ジャム、パン、ガム、飴、スープ類、漬物、佃煮等の各種食品の他、錠剤、カプセル剤、シロップ等のサプリメントが挙げられる。
(製造例1)ショウガ麹の調製
温風にて乾燥させたショウガのチップを原料として用い、麹菌Aspergillus oryzaeを用いて製麹した。具体的には、乾燥ショウガチップ30kgを水道水に1時間浸漬させた後、121℃で60分蒸煮した。30~35℃に放冷後、種麹を30g混合し種付け(品温35~36℃)を行い、製麹管理最高温度を40±2℃に設定し製麹した。12時間後に一度切り返しをおこない、44時間後に出麹したものを45℃にて24時間温風乾燥させ、粉砕、粉末化(50メッシュ通過)したものをショウガ麹とした。
(製造例2)米麹の調製
製造例1と同様の方法でAspergillus oryzaeを用いて製麹し、製麹後、45℃にて乾燥し、殺菌・粉末化したものを用いた。
(製造例3)抽出物の調製
製造例1~2のショウガ麹、米麹、および原料のショウガ、米をそれぞれ10g測り、1%TFA含有のメタノールを10倍量加え、室温で1時間抽出した。抽出後、濾過し、得られた抽出エキスをエバポレーターに乾固した。乾固した抽出物に100μg/mlとなるようにDMSOを添加し、溶解した。溶解した抽出物を細胞試験に供した。
(参考例1)毒性試験
[材料]
細胞:マウスマクロファージ(RAW264.7)
培地:MEM Alpha(10%(v/v) FBS、1%(v/v) Penicillin-Streptomycin)、Gibco
[方法]
製造例3で得られた各抽出物の、細胞に対する毒性の有無を評価するため、所定の濃度に調製した培地での細胞の生存率を確認した。培地に各抽出物を濃度調整して添加したものを試験液とした。任意の継代数のRAW264.7細胞を96ウェルプレートに播種し培養した。細胞の接着を確認後、培地を取り除き試験液に置換した。抗炎症作用試験及び破骨細胞分化試験と同条件にするため、試験液に置換した後24時間もしくは4日間培養した。試験液での培養後、Cell Counting Kit-8(同人科学研究所)を用い、抽出物を含まない培地で培養した細胞の生存率を100%として試験液群における細胞の生存率を算出した。
[結果]
ショウガ麹抽出物を添加した培地でRAW264.7細胞を培養したところ、200μg/mLの濃度ではじめて生存率の低下が認められた(図1)。また、原料であるショウガの抽出物では50μg/mlの濃度で生存率の低下が認められた。米および米麹では毒性は確認されなかった(図2~4)。したがって、ショウガ麹は原料であるショウガと比較して細胞毒性が低いことが確認された。なお、図2中の値は平均値±標準誤差を表し、有意差は*:p<0.05、**:p<0.01を示す。
(実施例1)抗炎症試験
[材料]
参考例1と同じ細胞と培地を用いた。
[方法]
免疫応答において、炎症シグナルにより核内への移行量が増加し、炎症性サイトカインの発現量を調節する転写調節因子としてNF-κBが知られている。NF-κBが結合する応答配列の下流にルシフェラーゼタンパク質の遺伝子を導入したベクターを有するRAW264.7(RAW/NFκB-luc)細胞を用い、ルシフェラーゼタンパク質による発光強度を指標として抗炎症作用を確認した。
培地に製造例3で得られた各素材の抽出物を濃度調整して添加したものを試験液とした。 任意の継代数のRAW/NFκB-luc細胞を96ウェルプレートに播種し培養した。細胞の接着を確認後、培地を取り除き試験液に置換した。試験液で処理する群以外に、試験液を用いず培地の交換のみを行うもの、NF-κBの阻害剤であるBAY11-7082を終濃度15μMになるように添加した培地で処理したものを準備した。24時間後、炎症誘導刺激となるLipopolysaccharide(LPS)を終濃度100ng/mLになるよう添加した試験液で処理した。この際、前日に試験液で処理せず培地の交換のみを行なった群はLPSで処理するもの(LPS処理群)と処理しないものを作成した。また、BAY11-7082で処理した群は前日と同様の濃度でBAY11-7082も添加した上でLPSを添加した。LPS添加処理後3時間培養した。3時間後、ルシフェラーゼアッセイキット(Promega社)を用いてルシフェラーゼ活性を測定した。得られた結果に対し、一元配置分散分析処理の後Tukey-Kramer法を用いて多重比較を行いLPS処理群に対してp<0.01を有意とした。また、エラーバーは平均値±標準誤差で表した。
[結果]
LPS刺激によるNF-κB活性化は、ショウガ麹抽出物30~100μg/mLの範囲での添加で有意に抑制されたため、この濃度範囲でショウガ麹にはNF-κB活性化阻害作用があることが示され、NF-κB活性化による炎症反応を抑える抗炎症作用があることが示唆された(図5)。一方で、ショウガ、米、米麹の抽出物では抑制効果がみられず、抗炎症作用は認められなかった(図6~8)。
(実施例2)破骨細胞分化抑制試験1
[材料]
参考例1と同じ細胞と培地を用いた。
破骨細胞分化においてRANKLのシグナルにより核内への移行量が増加し、破骨細胞分化に必要な転写因子を活性化する転写調節因子の一つにNFATが存在する。NFATが結合する応答配列の下流にルシフェラーゼタンパク質の遺伝子を導入したベクターを有するRAW264.7(RAW/NFAT-luc)細胞を用い、ルシフェラーゼタンパク質による発光強度を指標として破骨細胞分化抑制作用を確認した。
培地にショウガ麹抽出物を各濃度となるよう添加したものを試験液とした。任意の継代数のRAW/NFAT-luc細胞を96ウェルプレートに播種し培養した。細胞の接着を確認後、培地を取り除き、RANKLを終濃度100ng/mLになるよう添加した試験液で処理した。試験液で処理する群以外に、試験液を用いず培地の交換のみを行うもの、RANKLを終濃度100ng/mLになるよう添加した培地で処理したものを準備した。
24時間培養後、ルシフェラーゼアッセイキット(Promega社)を用いてルシフェラーゼ活性を測定した。得られた結果に対し、一元配置分散分析処理の後Tukey-Kramer法を用いて多重比較を行いRANKLのみで処理した群に対してp<0.01を有意とした。また、エラーバーは平均値±標準誤差で表した。
(結果)
RAW264.7細胞はRANKL刺激により破骨細胞に分化するが、この破骨細胞分化の過程で転写調節因子NF-AT1cが活性化され、この転写調節因子の活性化により破骨細胞分化関連遺伝子の発現が誘導される。したがって、NF-κB活性化が炎症反応の指標となったように、NF-AT活性化は破骨細胞分化の指標となり得る。そこで、NF-κBレポーターアッセイと同様に、NF-AT応答配列により発現が誘導されるようデザインされたルシフェラーゼ遺伝子をレポーターとして用いたNF-ATレポーターアッセイ系により、破骨細胞分化に対するショウガ麹の作用を検討した。RAW264.7細胞をRANKLで6日間培養すると、NF-AT活性は有意に上昇した。RANKLとともにショウガ麹を抗炎症作用が観察された30~100μg/mLの範囲で添加しておくと、RANKL刺激で誘導されたNF-AT活性化が有意に抑制された(図9)。このことから、ショウガ麹には、RANKL刺激によるNF-AT活性化を阻害する作用があることが示され、そのNF-AT活性化による破骨細胞分化を抑制することが示唆された。
(実施例3)破骨細胞分化抑制試験2
RAW264.7細胞における破骨細胞分化促進について、破骨細胞の分化マーカーである酒石酸耐性酸性フォスファターゼ(TRAP)活性を指標として確認した。
上記の培地にショウガ麹抽出物を各濃度となるよう添加したものを試験液とした。任意の継代数のRAW264.7細胞を1×10cells/0.5mL/wellとなる様に培地で調整し24ウェルプレートに播種した。翌日、試験液にNF-κB活性化受容体リガンド(RANKL)を添加した培地に置換し37℃、5%CO下の条件で4日間培養した。4日間、培地の交換は行わなかった。培地のみの条件及び培地にRANKLを添加した条件についても同様に試験を行なった。
4日間の培養後、培地を取り除き0.5mL/wellのPBSを用いて細胞を洗浄した。洗浄操作は2回繰り返し行なった。細胞を洗浄後、Formalin in PBS(1:9)を0.3mL/wellで添加し、10分間静置した。10分間の静置後、ウェル内の溶液を捨て、EtOH Acetone Solutionを0.3mL/well添加し1分間静置した。1分間の静置後、ウェル内の溶液を捨て、プレートの蓋を外し室温で細胞を乾燥させた。
乾燥させた細胞にTRAP染色液を0.3mL/wellずつ添加し、37℃で15分間静置した後、滅菌水を用いて3回洗浄を行なった。洗浄後、細胞を室温で乾燥させ、光学顕微鏡を用いて破骨細胞の数をカウントした。TRAP陽性細胞のうち、3核以上の細胞を破骨細胞と判定した。
(結果)
抗炎症作用が認められた30~100μg/mLの範囲で検討したところ、いずれの濃度においても強く破骨細胞分化を抑制したため、より低濃度で同様の実験を行った。その結果、ショウガ麹は3~30μg/mLという抗炎症作用が認められるよりも低濃度でTRAP染色陽性の破骨細胞の数を有意に低下させた(図10~11)。
(実施例4)破骨細胞分化抑制試験3
破骨細胞分化の指標となる遺伝子の解析し、破骨細胞分化抑制作用の詳細について確認を行なった。破骨細胞分化マーカー遺伝子として、TRAP、cathepsin K(CTSK)、DC-STAMP、OC-STAMP、RANKについて解析を行なった。
上記の培地にショウガ麹抽出物を各濃度となるよう添加したものを試験液とした。任意の継代数のRAW264.7細胞を6ウェルプレートに播種し、90%コンフルエントになるまで培養した。90%コンフルエントの状態を確認した後、試験液にRANKLを添加した培地に置換し37℃、5%CO下の条件で4日間培養した。4日間、培地の交換は行わなかった。培地のみの条件及び培地にRANKLを添加した条件についても同様に試験を行なった。
4日間の培養後、試験液及び培地を取り除き、1mL/wellのPBSを用いて細胞を洗浄した。洗浄操作は2回繰り返し行なった。洗浄後、0.5mL/wellのセパゾールを添加し、セルスクレーパーを用いて細胞をかき取り1.5mLチューブに回収した。
回収したそれぞれの細胞溶液に200μLずつクロロホルムを加え15秒間撹拌した後、室温で3分間静置した。静置後、12,000rpm、4℃の条件で15分間遠心分離を行った。分離された上層をそれぞれ新しい1.5mLチューブに移した。上層の入ったチューブに200μLずつクロロホルムを添加し15秒間撹拌した後、12,000rpm、4℃の条件で15分間遠心分離を行なった。分離された上層を1.5mLチューブに移し、上層と等量のイソプロパノールを添加した。転倒混和した後5分間室温で静置し、12,000rpm、4℃の条件で10分間遠心分離した。チューブ内の溶液を捨て、70%エタノールを1mLずつ添加し転倒混和した後、再度12,000rpm、4℃の条件で10分間遠心分離した。チューブ内のエタノールを捨て、室温で風乾することでチューブ内に残ったエタノールを揮発させた。乾燥させて得られたRNAに超純水を添加し-80℃で凍結した。
凍結したRNA溶液を氷上で解凍し、濃度を75ng/μLに調整した。PrimeScript RT regent Kit(TAKARA)を用い、サーマルサイクラーにて逆転写反応を行い、cDNAを合成した。反応時間と温度は以下の通りである。
〈逆転写反応〉
Repeats:1、37℃/15min、85℃/5sec、4℃/∞
作成したcDNAを鋳型とし、qPCRを行なった。PCR反応にはTHUNDERBIRD SYBR qPCR Mix(TOYOBO)とTRAP、CTSK、DC-STAMP、OC-STAMP、RANKそれぞれのプライマーを用いた。反応時間と温度は以下の通りである。
〈Stage1:初期変性〉Repeats:1、95℃/30sec
〈Stage2:PCR反応〉Repeats:40、95℃/5sec、60℃/1min〈Stage3:Melt Curve〉Repeats:1、95℃/15sec、60℃/1min、95℃/15sec
(結果)
ショウガ麹の破骨細胞分化抑制作用について詳細に検討するため、破骨細胞分化の指標である破骨細胞分化マーカー遺伝子の発現を定量的PCR法により定量した。その結果、TRAP、カテプシンK(CTSK)、DC-STAMP、OC-STAMP、RANKいずれもショウガ麹添加によって濃度依存的に遺伝子発現が抑制された。破骨細胞分化マーカー遺伝子であるc-Fosについては、統計的有意な抑制は認められなかった(図12A~F)。
なお、図12中の値は平均値±標準誤差を表し、各アルファベットは有意差p<0.05を示す。以上のことから、ショウガ麹は破骨細胞分化を抑制する作用を持つことが示された。


Claims (6)

  1. ショウガを麹菌によ発酵させる工程を含む、骨代謝改善用組成物の製造方法
  2. 前記骨代謝改善用組成物が前駆細胞の破骨細胞への分化を抑制するためのものである、請求項1に記載の骨代謝改善用組成物の製造方法
  3. 麹菌がAspergillus属の微生物である、請求項1または2に記載の骨代謝改善用組成物の製造方法
  4. 麹菌がAspergillus oryzaeである、請求項3に記載の骨代謝改善用組成物の製造方法
  5. 前記発が固体培養による発である、
    請求項1または2に記載の骨代謝改善用組成物の製造方法
  6. 前記発が20~40℃での固体培養による発である、
    請求項5に記載の骨代謝改善用組成物の製造方法
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