本開示のコイル部品およびコイル内蔵基板の好ましい実施の形態について、図面を参照して、以下に説明する。以下の説明において、同一あるいは類似の構成要素について、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
第1実施形態にかかるコイル部品A1について、図1~図14を参照して、説明する。コイル部品A1は、たとえばトランスであり、一次巻線1および二次巻線2を備えている。コイル部品A1は、磁性体コアを備えていてもよいが、磁性体コアを備えない空芯の形態であることが望ましい。コイル部品A1は、外観上、たとえばトロイダル形状である。コイル部品A1の平面形状は、実質的に一巡する環状であって、たとえば、円環状、楕円環状または多角形環状であることが望ましい。なお、コイル部品A1の平面形状は、必ずしも一巡する必要はない。コイル部品A1の断面形状は、実質的に一巡する環状であって、たとえば、円環状、楕円環状または多角形環状であることが望ましい。コイル部品A1の全体形状は、上記平面形状と上記断面形状との様々な組み合わせによって構成されるが、第1実施形態においては、平面形状が円環状であるとともに、断面形状が矩形環状である場合を例に説明する。説明の便宜上、コイル部品A1の平面視において、中心軸が延びる方向を軸方向s、中心軸回りの方向を周方向t、中心軸から放射状に延びる方向を径方向uとする。軸方向sは、コイル部品A1の厚さ方向に相当する。周方向tは、コイル部品A1のトロイダル方向に一致する。また、上記断面形状は、軸方向sと径方向uとによって定義される平面における断面に相当する。周方向tが、「第1方向」に相当し、軸方向sが、「厚さ方向」に相当する。
図1は、コイル部品A1を示す斜視図である。図2は、図1の一部を拡大した部分拡大図である。図3は、コイル部品A1を示す平面図である。図4は、図3のIV-IV線に沿う切断部端面図である。図5は、図1に示す斜視図において、図4の切断面(図3のIV-IV線に沿う断面)で切断した図である。なお、図5において、切断された部分を、想像線(二点鎖線)で示している。図6は、コイル部品A1を示す底面図である。図7は、図1に示す斜視図において、一部(後述の第1筒状部5Aの一部)を省略した図である。図8は、コイル部品A1のうちの一次巻線1を示す斜視図である。図9は、コイル部品A1のうちの一次巻線1を示す平面図である。図10は、図8および図9に示す一次巻線1を周方向tに沿って見たときの模式図である。図11は、コイル部品A1のうちの二次巻線2を示す斜視図である。図12は、コイル部品A1のうちの二次巻線2を示す平面図である。図13は、図11および図12の二次巻線2を周方向tに沿って見たときの模式図である。図14は、一次巻線1および二次巻線2の一部を示す模式図であって、接続部13(後述)および接続部23(後述)の接続例を示している。なお、図1~図13においては、各接続部13,23を省略する。図14(a)は、径方向u外側から径方向u内側を見た図、図14(b)および図14(c)は、周方向t両側からそれぞれ見た図、および、図14(d)および図14(e)は、軸方向s両側からそれぞれ見た図である。
コイル部品A1は、一次巻線1と二次巻線2とが交互かつ二重に巻回されている。コイル部品A1は、一次巻線1と二次巻線2とがそれぞれ二重に巻回されたことにより、第1筒状部5Aおよび第2筒状部5Bを含む。第1筒状部5Aおよび第2筒状部5Bは、各々がトロイダル形状である。第2筒状部5Bは、図7に示すように、第1筒状部5Aの内方に位置する。第1筒状部5Aは、コイル部品A1の外観をなす。第1筒状部5Aおよび第2筒状部5Bはそれぞれ、平面形状がたとえば円環状であり、中心軸を共通する。つまり、第1筒状部5Aにおける平面視の中心軸と第2筒状部5Bにおける平面視の中心軸とが略一致する。この中心軸の延びる方向が、軸方向sに相当する。また、第1筒状部5Aおよび第2筒状部5Bはそれぞれ、断面形状がたとえば矩形環状である。
一次巻線1は、外部からの入力電流により磁場を発生させる。一次巻線1は、図8~図10および図14に示すように、複数の第1周回部11、複数の第2周回部12および接続部13を含む。第1周回部11が、「一次側第1周回部」に相当し、第2周回部12が、「一次側第2周回部」に相当し、接続部13が、「一次側接続部」に相当する。
複数の第1周回部11はそれぞれ、図10に示すように、周方向tに沿って見たときの形状が、たとえば矩形環状である。複数の第1周回部11は、図9に示すように、軸方向sに見て、周方向tに並んでいる。複数の第1周回部11は、第1筒状部5Aの一部である。複数の第1周回部11はそれぞれ、図10に示すように、第1上方導体部111、第1下方導体部112および一対の第1接続導体部113,114を含む。第1上方導体部111が、「一次側第1上方導体部」に相当し、第1下方導体部112が、「一次側第1下方導体部」に相当し、一対の第1接続導体部113,114が、「一対の一次側第1接続導体部」に相当する。
各第1周回部11において、第1上方導体部111および第1下方導体部112は、図10に示すように、軸方向sに離間する。第1上方導体部111および第1下方導体部112はそれぞれ、図9に示すように、軸方向sに見て、第1筒状部5Aの内周縁51Aから第1筒状部5Aの外周縁52Aに向かって延びている。第1上方導体部111および第1下方導体部112はそれぞれ、軸方向sに見て、帯状である。一対の第1接続導体部113,114はそれぞれ、図10に示すように、第1上方導体部111から軸方向sに沿って延びている。第1接続導体部113は、同じ第1周回部11の第1下方導体部112に繋がる。第1接続導体部114は、周方向tに隣接する第1周回部11の第1下方導体部112に繋がっている。一対の第1接続導体部113,114はそれぞれ、第1上方導体部111および第1下方導体部112に略直交する。第1接続導体部113は、軸方向sに見て、第1筒状部5Aの内周縁51Aに重なり、第1接続導体部114は、軸方向sに見て、第1筒状部5Aの外周縁52Aに重なる。一対の第1接続導体部113,114はそれぞれ、径方向uに沿って見たとき、軸方向sに延びる帯状である。
本実施形態では、各第1上方導体部111は、径方向uに対して、周方向tの一方に傾き、各第1下方導体部112は、径方向uに対して、周方向tの他方に傾く。図9に示す例において、各第1接続導体部113に重なる径方向uを径方向u11として、当該第1接続導体部113に繋がる第1上方導体部111は、径方向u11に対して、周方向tの時計回りに傾く。また、当該第1接続導体部113に繋がる第1下方導体部112は、径方向u11に対して、周方向tの反時計回りに傾く。このように、第1上方導体部111と第1下方導体部112とが、径方向uに対して周方向tの反対側に傾くことで、一対の第1接続導体部113,114をそれぞれ、軸方向sに沿って形成できる。
また、本実施形態では、周方向tに隣接する2つの第1上方導体部111同士および周方向tに隣接する2つの第1下方導体部112同士はそれぞれ、所定の間隔を空けて配置されている。当該間隔は、たとえば第1筒状部5Aの内周縁51A側と外周縁52A側とで略同じである。この構成により、軸方向sに見て、第1接続導体部114の周方向tに沿う寸法は、第1接続導体部113の周方向tに沿う寸法よりも大きい。
複数の第1周回部11は、周方向tに隣接する2つの第1周回部11同士が直接繋がっており、一次巻線1に流れる入力電流は、複数の第1周回部11を順に流れる。このとき、各第1周回部11の第1接続導体部114は、周方向tの一方に隣接する第1周回部11の第1下方導体部112から入力電流を伝達される。そして、この入力電流は、第1接続導体部114から第1上方導体部111および第1接続導体部113を介して、第1下方導体部112に流れる。つまり、図10に示す例では、各第1周回部11に流れる入力電流は、反時計回りに流れる。そして、周方向tの他方に隣接する第1周回部11に伝達される。このように、一次巻線1の入力電流は、複数の第1周回部11をそれぞれ一巡する。なお、第1周回部11に流れる入力電流の向きは、上記例とは反対であってもよい。つまり、各第1周回部11の第1下方導体部112は、周方向tの他方に隣接する第1周回部11の第1接続導体部114から入力電流を伝達される。そして、この入力電流は、第1下方導体部112から第1接続導体部113および第1上方導体部111を介して、第1接続導体部114に流れる。つまり、図10に示す例では、各第1周回部11に流れる入力電流は、時計回りに流れる構成であってもよい。
複数の第2周回部12はそれぞれ、図10に示すように、周方向tに沿って見たときの形状が、たとえば矩形環状である。各第2周回部12は、図10に示すように、周方向tに沿って見たとき、各第1周回部11の内方に位置する。複数の第2周回部12は、図9に示すように、軸方向sに見て、周方向tに並んでいる。第2周回部12は、第2筒状部5Bの一部である。複数の第1周回部11と複数の第2周回部12とは、図8および図9に示すように、軸方向sに見て、周方向tに交互に配列されている。複数の第2周回部12はそれぞれ、図10に示すように、第2上方導体部121、第2下方導体部122、一対の第2接続導体部123,124を含む。第2上方導体部121が、「一次側第2上方導体部」に相当し、第2下方導体部122が、「一次側第2下方導体部」に相当し、一対の第2接続導体部123,124が、「一対の一次側第2接続導体部」に相当する。
各第2周回部12において、第2上方導体部121および第2下方導体部122は、図10に示すように、軸方向sに離間する。第2上方導体部121および第2下方導体部122はそれぞれ、図9に示すように、軸方向sに見て、第2筒状部5Bの内周縁51Bから第2筒状部5Bの外周縁52Bに向かって延びている。第2上方導体部121および第2下方導体部122はそれぞれ、軸方向sに見て、帯状である。一対の第2接続導体部123,124はそれぞれ、図10に示すように、第2上方導体部121から軸方向sに沿って延びている。第2接続導体部123は、同じ第2周回部12の第2下方導体部122に繋がる。第2接続導体部124は、周方向tに隣接する第2周回部12の第2下方導体部122に繋がっている。一対の第2接続導体部123,124はそれぞれ、第2上方導体部121および第2下方導体部122に略直交する。第2接続導体部123は、軸方向sに見て、第2筒状部5Bの内周縁51Bに重なり、第2接続導体部124は、軸方向sに見て、第2筒状部5Bの外周縁52Bに重なる。一対の第2接続導体部123,124はそれぞれ、径方向uに沿って見たとき、軸方向sに延びる帯状である。
本実施形態では、各第2上方導体部121は、径方向uに対して、周方向tの一方に傾き、各第2下方導体部122は、径方向uに対して、周方向tの他方に傾く。図9に示す例において、各第2接続導体部123に重なる径方向uを径方向u12として、当該第2接続導体部123に繋がる第2上方導体部121は、径方向u12に対して、周方向tの時計回りに傾く。また、当該第2接続導体部123に繋がる第2下方導体部122は、径方向u12に対して、周方向tの反時計回りに傾く。このように、第2上方導体部121と第2下方導体部122とが、径方向uに対して周方向tの反対側に傾くことで、一対の第2接続導体部123,124をそれぞれ、軸方向sに沿って形成できる。
また、本実施形態では、周方向tに隣接する2つの第2上方導体部121同士および周方向tに隣接する2つの第2下方導体部122同士はそれぞれ、所定の間隔を空けて配置されている。当該間隔は、たとえば第2筒状部5Bの内周縁51B側と外周縁52B側とで略同じである。この構成により、軸方向sに見て、第2接続導体部124の周方向tに沿う寸法は、第2接続導体部123の周方向tに沿う寸法よりも大きい。
複数の第2周回部12は、周方向tに隣接する2つの第2周回部12同士が直接繋がっており、一次巻線1に流れる入力電流は、複数の第2周回部12を順に流れる。このとき、各第2周回部12の第2接続導体部124は、周方向tの一方に隣接する第2周回部12の第2下方導体部122から入力電流を伝達される。そして、この入力電流は、第2接続導体部124から第2上方導体部121および第2接続導体部123を介して、第2下方導体部122に流れる。つまり、図10に示す例では、各第2周回部12に流れる入力電流は、反時計回りに流れる。よって、各第1周回部11に流れる入力電流の向きと、各第2周回部12に流れる入力電流の向きとは、周方向tに沿って見て、同じ方向となる。このように、一次巻線1への入力電流は、複数の第2周回部12をそれぞれ一巡する。なお、第2周回部12に流れる入力電流の向きは、上記例とは反対であってもよい。つまり、各第2周回部12の第2下方導体部122は、周方向tの他方に隣接する第2周回部12の第2接続導体部124から入力電流を伝達される。そして、この入力電流は、第2下方導体部122から第2接続導体部123および第2上方導体部121を介して、第2接続導体部124に流れる。つまり、図10に示す例では、各第2周回部12に流れる入力電流は、時計回りに流れる構成であってもよい。ただし、各第1周回部11に流れる入力電流の向きと、各第2周回部12に流れる入力電流の向きとは、周方向tに沿って見て、同じ方向にする。
接続部13は、複数の第1周回部11のうちの1つと、複数の第2周回部12のうちの1つとを接続する。たとえば、接続部13は、図14に示すように、複数の第1周回部11のうちの1つの第1下方導体部112と複数の第2周回部12のうちの1つの第2上方導体部121とに接続され、これらを導通させている。
一次巻線1は、複数の第1周回部11が、周方向tに沿って連続して接続されており、複数の第2周回部12が、周方向tに沿って連続して接続されている。そして、接続部13によって、これらが接続されている。よって、一次巻線1の入力電流は、複数の第1周回部11を一巡した後、接続部13を介して、複数の第2周回部12に入力され、複数の第2周回部12を一巡する。
二次巻線2は、一次巻線1によって発生された磁場の影響により、誘導電流が流れる。二次巻線2は、図11~図14に示すように、複数の第1周回部21、複数の第2周回部22および接続部23を含む。第1周回部21が、「二次側第1周回部」に相当し、第2周回部22が、「二次側第2周回部」に相当し、接続部23が、「二次側接続部」に相当する。
複数の第1周回部21はそれぞれ、図13に示すように、周方向tに沿って見たときの形状が、たとえば矩形環状である。複数の第1周回部21は、図12に示すように、軸方向sに見て、周方向tに並んでいる。複数の第1周回部21は、第1筒状部5Aの一部である。複数の第1周回部21はそれぞれ、第1上方導体部211、第1下方導体部212および一対の第1接続導体部213,214を含む。第1上方導体部211が、「二次側第1上方導体部」に相当し、第1下方導体部212が、「二次側第1下方導体部」に相当し、一対の第1接続導体部213,214が、「一対の二次側第1接続導体部」に相当する。
各第1周回部21において、第1上方導体部211および第1下方導体部212は、図13に示すように、軸方向sに離間する。第1上方導体部211および第1下方導体部212はそれぞれ、図12に示すように、軸方向sに見て、第1筒状部5Aの内周縁51Aから第1筒状部5Aの外周縁52Aに向かって延びている。第1上方導体部211および第1下方導体部212はそれぞれ、軸方向sに見て、帯状である。一対の第1接続導体部213,214はそれぞれ、図13に示すように、第1上方導体部211から軸方向sに沿って延びている。第1接続導体部213は、同じ第1周回部21の第1下方導体部212に繋がる。第1接続導体部214は、周方向tに隣接する第1周回部21の第1下方導体部212に繋がっている。一対の第1接続導体部213,214はそれぞれ、第1上方導体部211および第1下方導体部212に略直交する。第1接続導体部213は、軸方向sに見て、第1筒状部5Aの内周縁51Aに重なり、第1接続導体部214は、軸方向sに見て、第1筒状部5Aの外周縁52Aに重なる。一対の第1接続導体部213,214はそれぞれ、径方向uに沿って見たとき、軸方向sに延びる帯状である。
本実施形態では、各第1上方導体部211は、径方向uに対して、周方向tの一方に傾き、各第1下方導体部212は、径方向uに対して、周方向tの他方に傾く。図12に示す例において、各第1接続導体部213に重なる径方向uを径方向u21として、当該第1接続導体部213に繋がる第1上方導体部211は、径方向u21に対して、周方向tの時計回りに傾く。また、当該第1接続導体部213に繋がる第1下方導体部212は、径方向u21に対して、周方向tの反時計回りに傾く。このように、第1上方導体部211と第1下方導体部212とが、径方向uに対して周方向tの反対側に傾くことで、一対の第1接続導体部213,214をそれぞれ、軸方向sに沿って形成できる。
また、本実施形態では、周方向tに隣接する2つの第1上方導体部211同士および周方向tに隣接する2つの第1下方導体部212同士はそれぞれ、所定の間隔を空けて配置されている。当該間隔は、たとえば内周縁51A側と外周縁52A側とで略同じである。この構成により、軸方向sに見て、第1接続導体部214の周方向tに沿う寸法は、第1接続導体部213の周方向tに沿う寸法よりも大きい。
複数の第1周回部21は、周方向tに隣接する2つの第1周回部21同士が直接繋がっており、二次巻線2に流れる誘導電流は、複数の第1周回部21を順に流れる。このとき、各第1周回部21の第1接続導体部214は、周方向tの一方に隣接する第1周回部21の第1下方導体部212から誘導電流を伝達される。そして、この誘導電流は、第1接続導体部214から第1上方導体部211および第1接続導体部213を介して、第1下方導体部212に流れる。つまり、図13に示す例では、各第1周回部21に流れる誘導電流は、反時計回りに流れる。そして、周方向tの他方に隣接する第1周回部21に伝達される。このように、二次巻線2の誘導電流は、複数の第1周回部21をそれぞれ一巡する。なお、第1周回部21に流れる誘導電流の向きは、上記例とは反対であってもよい。つまり、各第1周回部21の第1下方導体部212は、周方向tの他方に隣接する第1周回部21の第1接続導体部214から誘導電流を伝達される。そして、この誘導電流は、第1下方導体部212から第1接続導体部213および第1上方導体部211を介して、第1接続導体部214に流れる。つまり、図13に示す例では、各第1周回部21に流れる誘導電流は、時計回りに流れる構成であってもよい。なお、各第1周回部21に流れる誘導電流の向きは、一次巻線1によって生じる磁場により決定される。
複数の第2周回部22はそれぞれ、図13に示すように、周方向tに沿って見たときの形状が、たとえば矩形環状である。各第2周回部22は、図13に示すように、周方向tに沿って見たとき、各第1周回部21の内方に位置する。複数の第2周回部22は、図12に示すように、軸方向sに見て、周方向tに並んでいる。第2周回部22は、第2筒状部5Bの一部である。複数の第1周回部21と複数の第2周回部22とは、図11および図12に示すように、軸方向sに見て、周方向tに交互に配列されている。複数の第2周回部22はそれぞれ、図13に示すように、第2上方導体部221、第2下方導体部222、一対の第2接続導体部223,224を含む。第2上方導体部221が、「二次側第2上方導体部」に相当し、第2下方導体部222が、「二次側第2下方導体部」に相当し、一対の第2接続導体部223,224が、「一対の二次側第2接続導体部」に相当する。
各第2周回部22において、第2上方導体部221および第2下方導体部222は、図13に示すように、軸方向sに離間する。第2上方導体部221および第2下方導体部222はそれぞれ、図12に示すように、軸方向sに見て、第2筒状部5Bの内周縁51Bから第2筒状部5Bの外周縁52Bに向かって延びている。第2上方導体部221および第2下方導体部222はそれぞれ、軸方向sに見て、帯状である。一対の第2接続導体部223,224はそれぞれ、図13に示すように、第2上方導体部221から軸方向sに沿って延びている。第2接続導体部223は、同じ第2周回部22の第2下方導体部222に繋がる。第2接続導体部224は、周方向tに隣接する第2周回部22の第2下方導体部222に繋がっている。一対の第2接続導体部223,224はそれぞれ、第2上方導体部221および第2下方導体部222に略直交する。第2接続導体部223は、軸方向sに見て、第2筒状部5Bの内周縁51Bに重なり、第2接続導体部224は、軸方向sに見て、第2筒状部5Bの外周縁52Bに重なる。一対の第2接続導体部223,224はそれぞれ、径方向uに沿って見たとき、軸方向sに延びる帯状である。
本実施形態では、各第2上方導体部221は、径方向uに対して、周方向tの一方に傾き、各第2下方導体部222は、径方向uに対して、周方向tの他方に傾く。図12に示す例において、各第2接続導体部223に重なる径方向uを径方向u22として、当該第2接続導体部223に繋がる第2上方導体部221は、径方向u22に対して、周方向tの時計回りに傾く。また、当該第2接続導体部223に繋がる第2下方導体部222は、径方向u22に対して、周方向tの反時計回りに傾く。このように、第2上方導体部221と第2下方導体部222とが、径方向uに対して周方向tの反対側に傾くことで、一対の第2接続導体部223,224をそれぞれ、軸方向sに沿って形成できる。
また、本実施形態では、周方向tに隣接する2つの第2上方導体部221同士および周方向tに隣接する2つの第2下方導体部222同士はそれぞれ、所定の間隔を空けて配置されている。当該間隔は、たとえば内周縁51B側と外周縁52B側とで略同じである。この構成により、軸方向sに見て、第2接続導体部224の周方向tに沿う寸法は、第2接続導体部223の周方向tに沿う寸法よりも大きい。
複数の第2周回部22は、周方向tに隣接する2つの第2周回部22同士が直接繋がっており、二次巻線2に流れる誘導電流は、複数の第2周回部22を順に流れる。このとき、各第2周回部22の第2接続導体部224は、周方向tの一方に隣接する第2周回部22の第2下方導体部222から誘導電流を伝達される。そして、この誘導電流は、第2接続導体部224から第2上方導体部221および第2接続導体部223を介して、第2下方導体部222に流れる。つまり、図13に示す例では、各第2周回部22に流れる誘導電流は、反時計回りに流れる。よって、各第1周回部21に流れる誘導電流の向きと、各第2周回部22に流れる誘導電流の向きとは、周方向tに沿って見て、同じ方向となる。このように、二次巻線2の誘導電流は、複数の第2周回部22をそれぞれ一巡する。なお、第2周回部22に流れる誘導電流の向きは、上記例とは反対であってもよい。つまり、各第2周回部22の第2下方導体部222は、周方向tの他方に隣接する第2周回部22の第2接続導体部224から誘導電流を伝達される。そして、この誘導電流は、第2下方導体部222から第2接続導体部223および第2上方導体部221を介して、第2接続導体部224に流れる。つまり、図13に示す例では、各第2周回部22に流れる誘導電流は、時計回りに流れる構成であってもよい。ただし、各第1周回部21に流れる誘導電流の向きと、各第2周回部22に流れる誘導電流の向きとは、周方向tに沿って見て、同じ方向にする。
接続部23は、複数の第1周回部21のうちの1つと、複数の第2周回部22のうちの1つとを接続する。たとえば、接続部23は、図14に示すように、複数の第1周回部21のうちの1つの第1上方導体部211と複数の第2周回部22のうちの1つの第2下方導体部222とに接続され、これらを導通させている。
二次巻線2は、複数の第1周回部21が、周方向tに沿って連続して接続されており、複数の第2周回部22が、周方向tに沿って連続して接続されている。そして、接続部23によって、これらが接続されている。よって、二次巻線2の誘導電流は、複数の第1周回部21を一巡した後、接続部23を介して、複数の第2周回部22に入力され、複数の第2周回部22を一巡する。
コイル部品A1では、複数の第1周回部11(一次巻線1)と複数の第1周回部21(二次巻線2)とが、周方向tに交互に配列され、第1筒状部5Aを構成する。また、複数の第2周回部12(一次巻線1)と複数の第2周回部22(二次巻線2)とが、周方向tに交互に配列され、第2筒状部5Bを構成する。第2筒状部5Bは、第1筒状部5Aの内方に位置している。
コイル部品A1では、図3~図7に示すように、一次巻線1の各第1周回部11と二次巻線2の各第1周回部21とは、周方向tに沿って見て、互いに重なる。つまり、周方向tに沿って見て、各第1上方導体部111と各第1上方導体部211とが互いに重なり、各第1下方導体部112と各第1下方導体部212とが互いに重なり、各第1接続導体部113と各第1接続導体部213とが互いに重なり、各第1接続導体部114と各第1接続導体部214とが互いに重なる。また、図3~図7に示すように、一次巻線1の各第2周回部12と二次巻線2の各第2周回部22とは周方向tに沿って見て、互いに重なる。つまり、周方向tに沿って見て、各第2上方導体部121と各第2上方導体部221とが互いに重なり、各第2下方導体部122と各第2下方導体部222とが互いに重なり、各第2接続導体部123と各第2接続導体部223とが互いに重なり、各第2接続導体部124と各第2接続導体部224とが互いに重なる。
コイル部品A1では、図3~図7に示すように、一次巻線1の各第1周回部11と二次巻線2の各第2周回部22とは、軸方向sに見て一部が重なるとともに、径方向uに見て一部が重なる。つまり、軸方向sに見て、各第1上方導体部111と各第2上方導体部221とが互いに重なり、各第1下方導体部112と各第2下方導体部222とが互いに重なる。径方向uに見て、各第1接続導体部113と各第2接続導体部223とが互いに重なり、各第1接続導体部114と各第2接続導体部224とが互いに重なる。また、図3~図7に示すように、一次巻線1の各第2周回部12と二次巻線2の各第1周回部21とは、軸方向sに見て一部が重なるとともに、径方向uに見て一部が重なる。つまり、軸方向sに見て、各第2上方導体部121と各第1上方導体部211とが互いに重なり、各第2下方導体部122と各第1下方導体部212とが互いに重なる。径方向uに見て、各第2接続導体部123と各第1接続導体部213とが互いに重なり、各第2接続導体部124と各第1接続導体部214とが互いに重なる。
次に、コイル部品A1を内蔵したコイル内蔵基板B1について、図15~図17を参照して、説明する。図15は、コイル内蔵基板B1を示す斜視図である。図16は、コイル内蔵基板B1を示す平面図である。図17は、図16のXVII-XVII線に沿う断面図である。
コイル内蔵基板B1は、たとえばプリント基板である。コイル内蔵基板B1は、プリント基板に限定されず、半導体基板あるいはセラミック基板であってもよい。コイル内蔵基板B1は、コイル部品A1を内蔵する。コイル内蔵基板B1は、たとえば平面視において矩形状である。コイル内蔵基板B1は、複数の配線層7、複数の貫通電極79、絶縁部材8および複数の端子9A,9Bを備えている。
複数の配線層7はそれぞれ、たとえば金属からなる。各配線層7の構成材料は、たとえば、Cu(銅)あるいはCu合金である。当該構成材料は、CuあるいはCu合金に限定されない。複数の配線層7は、第1配線層71、第2配線層72、第3配線層73および第4配線層74を含む。
第1配線層71、第2配線層72、第3配線層73および第4配線層74は、軸方向sの一方(図17の上方)から他方(図17の下方)に向かって積層されており、互いに離間している。第1配線層71、第2配線層72、第3配線層73および第4配線層74にはそれぞれ、配線パターンが形成されている。
第1配線層71における配線パターンにより、複数の第1上方導体部111(一次巻線1の第1周回部11)および複数の第1上方導体部211(二次巻線2の第1周回部21)が構成されている。
第2配線層72における配線パターンにより、複数の第2上方導体部121(一次巻線1の第2周回部12)および複数の第2上方導体部221(二次巻線2の第2周回部22)が構成されている。
第3配線層73における配線パターンにより、複数の第2下方導体部122(一次巻線1の第2周回部12)および複数の第2下方導体部222(二次巻線2の第2周回部22)が構成されている。
第4配線層74における配線パターンにより、複数の第1下方導体部112(一次巻線1の第1周回部11)および複数の第1下方導体部212(二次巻線2の第1周回部21)が構成されている。
図17に示すように、第1配線層71と第2配線層72との軸方向sにおける離間距離は、第3配線層73と第4配線層74との軸方向sにおける離間距離と、略同じである。また、第2配線層72と第3配線層73との軸方向sにおける離間距離は、第1配線層71と第2配線層72との軸方向sにおける離間距離、および、第3配線層73と第4配線層74との軸方向sにおける離間距離のそれぞれよりも大きい。これにより、コイル部品A1の一次巻線1において、第1上方導体部111と第2上方導体部121との軸方向sにおける離間距離は、第2下方導体部122と第1下方導体部112との軸方向sにおける離間距離と、略同じである。また、第2上方導体部121と第2下方導体部122との軸方向sにおける離間距離は、第1上方導体部111と第2上方導体部121との軸方向sにおける離間距離、および、第2下方導体部122と第1下方導体部112との軸方向sにおける離間距離のそれぞれよりも大きい。コイル部品A1の二次巻線2においても、同様である。
複数の貫通電極79は、絶縁部材8を部分的に軸方向sに貫通する。本実施形態における各貫通電極79は、たとえば柱状である。複数の貫通電極79は、第1配線層71と第4配線層74とを導通させるものと、第2配線層72と第3配線層73とを導通させるものとを含む。第1配線層71と第4配線層74とを導通させる貫通電極79により、一対の第1接続導体部113,114(一次巻線1の第1周回部11)および一対の第1接続導体部213,214(二次巻線2の第1周回部21)が構成されている。また、第2配線層72と第3配線層73とを導通させる貫通電極79により、一対の第2接続導体部123,124(一次巻線1の第2周回部12)および一対の第2接続導体部223,224(二次巻線2の第2周回部22)が構成されている。
コイル内蔵基板B1において、複数の配線層7(第1配線層71、第2配線層72、第3配線層73、第4配線層74)の各配線パターン、および、複数の貫通電極79により、コイル部品A1が構成される。
絶縁部材8は、図15~図17に示すように、コイル部品A1を覆う。絶縁部材8の構成材料は、たとえばガラスエポキシ樹脂などの絶縁性樹脂である。絶縁部材8の材料は、絶縁性樹脂に限定されず、絶縁処理がされた半導体材料(たとえばSi(シリコン))、あるいは、セラミックなどが採用される。上記絶縁処理としては、絶縁性不純物のドープや絶縁性の酸化膜の形成などが挙げられる。
絶縁部材8は、図17に示すように、複数の絶縁層81を含む。図17に示すように、複数の絶縁層81は、軸方向sにおいて、第1配線層71と第2配線層72との間に介在するもの、軸方向sにおいて、第2配線層72と第3配線層73との間に介在するもの、および、軸方向sにおいて、第3配線層73と第4配線層74との間に介在するものを含む。また、複数の絶縁層81には、第1配線層71の上方(軸方向sの一方)に形成されたものと、第4配線層74の下方(軸方向sの他方)に形成されたものとを含む。
一対の端子9Aは、一次巻線1に導通し、一次巻線1への入力電流の入力端子である。一対の端子9Aはそれぞれ、絶縁部材8の外部に形成された部分、および、この部分と一次巻線1とに接続される端子配線部90Aとを含む。一方の端子9Aの端子配線部90Aは、たとえば図14の想像線で示すように、第1上方導体部111(一次巻線1の第1周回部11)に接続される。他方の端子9Aの端子配線部90Aは、たとえば図14の想像線で示すように、第2下方導体部122(一次巻線1の第2周回部12)に接続される。一対の端子9A間に電圧を印加すると、一方の端子9Aから一次巻線1を介して他方の端子9Aに入力電流が流れる。これにより、一次巻線1から磁場が生じる。
一対の端子9Bは、二次巻線2に導通し、二次巻線2の誘導電流の出力端子である。一対の端子9Bはそれぞれ、絶縁部材8の外部に形成された部分、および、この部分と二次巻線2とに接続される端子配線部90Bを含む。一方の端子9Bの端子配線部90Bは、たとえば図14の想像線で示すように、第1下方導体部212(二次巻線2の第1周回部21)に接続される。他方の端子9Bの端子配線部90Bは、たとえば図14の想像線で示すように、第2上方導体部221(二次巻線2の第2周回部22)に接続される。一次巻線1によって生じる磁場により、二次巻線2に誘導電流が生じ、一対の端子9B間に電位差が生じる。
図15および図16に示す例では、一対の端子9Aおよび一対の端子9Bがすべて、絶縁部材8の上面(軸方向sの一方を向く面)から露出するように形成されているが、これに限定されない。一対の端子9Aおよび一対の端子9Bはそれぞれ、絶縁部材8の上面から露出するか、絶縁部材8の下面(軸方向sの他方を向く面)から露出するかを、コイル内蔵基板B1の仕様に応じて、適宜変更されうる。この場合、各端子9Aの端子配線部90Aおよび各端子9Bの端子配線部90Bは、図14に示す例から適宜変更される。
第1実施形態にかかるコイル部品A1およびコイル内蔵基板B1の作用効果は、次の通りである。
コイル部品A1は、外部からの入力電流が流れる一次巻線1を備えている。一次巻線1は、各々が第1方向(周方向t)に見て環状である複数の第1周回部11を含む。この構成によると、各第1周回部11において、たとえば、軸方向sに相対する部分に流れる入力電流は、逆向きになる。したがって、これらの部分により生じる各磁束は、各第1周回部11の外方で互いに反対側を向き、互いに打ち消し合う。複数の第1周回部11は、コイル部品A1の外観をなす第1筒状部5Aの一部である。したがって、コイル部品A1は、各第1周回部11(第1筒状部5A)の外方における磁束が減少するため、外部への磁束漏れを抑制できる。
コイル部品A1では、一次巻線1は、複数の第1周回部11および複数の第2周回部12を含む。複数の第1周回部11の各々に流れる入力電流の向きと、複数の第2周回部12の各々に流れる入力電流の向きとは、第1方向(周方向t)に見て、同じ方向を向く。この構成によると、各第1周回部11に流れる入力電流により生じる磁束と、各第2周回部12に流れる入力電流により生じる磁束とは、複数の第2周回部12の内方、つまり、第2筒状部5Bの内方で、上記2つの磁束が互いに同じ方向を向き、互いに強め合う。したがって、コイル部品A1は、第2筒状部5Bの内方における磁束が増加するため、インダクタンス値を向上できる。
コイル部品A1は、一次巻線1および二次巻線2に対して、磁性体コアを備えておらず、空芯の形態である。磁性体コアを備えたコイル部品においては、一次巻線1に入力する入力電流が高周波帯であると、磁性体コアがエネルギー損失の原因となる。したがって、コイル部品A1は、一次巻線1への入力電流が高周波帯であっても、磁性体コアを備えないため磁性体コアによるエネルギー損失を抑制できる。
コイル部品A1では、周方向tにおいて、一次巻線1の複数の第1周回部11と、二次巻線2の複数の第1周回部21とが交互に配列されている。また、一次巻線1の各第1周回部11の内方には、二次巻線2の各第2周回部22が配置され、二次巻線2の各第1周回部21の内方には、一次巻線1の各第2周回部12が配置されている。この構成によると、一次巻線1と二次巻線2との結合が良好となる。これにより、一次巻線1と二次巻線2との結合不良による磁束漏れを抑制することができる。
コイル内蔵基板B1は、複数の配線層7を備えている。複数の配線層7は、軸方向sに積層された第1配線層71、第2配線層72、第3配線層73および第4配線層74を含んでいる。第1配線層71、第2配線層72、第3配線層73および第4配線層74のそれぞれには配線パターンが形成されており、これらの配線パターンによってコイル部品A1が構成されている。この構成によると、たとえばプリント基板(あるいは半導体基板やセラミック基板)の製造プロセスにより、コイル部品A1が形成される。したがって、コイル内蔵基板B1は、複雑な配線構造であるコイル部品A1の製造を容易にする。また、コイル内蔵基板B1は、複数の配線層7における配線パターンによりコイル部品A1を構成するため、コイル部品A1の低背化が可能となる。
第1実施形態では、一次巻線1の各第1周回部11と二次巻線2の各第2周回部22とは、軸方向sに見て一部が重なるとともに、径方向uに見て一部が重なる例を示したが、これに限定されない。たとえば、一次巻線1の各第1周回部11は、二次巻線2の各第2周回部22ではなく、一次巻線1の各第2周回部12に対して、軸方向sに見て一部が重なり、径方向uに見て一部が重なっていてもよい。このとき、二次巻線2の各第1周回部21と二次巻線2の各第2周回部22とは、軸方向sに見て一部が重なり、径方向uに見て一部が重なっている。ただし、当該変形例にかかるコイル部品よりも、コイル部品A1の方が、一次巻線1と二次巻線2との結合係数を高める上で好ましい。
第1実施形態では、周方向tに沿って連続に接続された複数の第1周回部11と、周方向tに沿って連続に接続された複数の第2周回部12とが、接続部13によって接続された例を示したが、これに限定されない。たとえば、周方向tに隣接する各第1周回部11と各第2周回部12とが接続されていてもよい。つまり、一次巻線1において、各第1周回部11と各第2周回部12とを交互に入力電流が流れる構成であってもよい。二次巻線2においても、同様に、二次巻線2において、各第1周回部21と各第2周回部22とを交互に誘導電流が流れる構成であってもよい。
第1実施形態では、各第1周回部11(一次巻線1)において、第1上方導体部111が、径方向uに対して、周方向tの一方に傾き、第1下方導体部112が、径方向uに対して、周方向tの他方に傾いた例を示したが、これに限定されない。各第1周回部11において、第1上方導体部111が、周方向tの一方に傾いていなくてもよい。この場合、一対の第1接続導体部113,114が軸方向sに沿う形状にするため、第1下方導体部112の、径方向uに対する周方向tへの傾き角度が大きくなる。反対に、第1下方導体部112が、周方向tの他方に傾いていなくてもよい。この場合、一対の第1接続導体部113,114が軸方向sに沿う形状にするため、第1上方導体部111の、径方向uに対する周方向tへの傾き角度が大きくなる。また、第1上方導体部111および第1下方導体部112がともに、周方向tに傾いていなくてもよい。この場合、一対の第1接続導体部113,114が軸方向sに対して傾斜する。このような変形例は、各第2周回部12(一次巻線1)における第2上方導体部121および第2下方導体部122、各第1周回部21(二次巻線2)における第1上方導体部211および第1下方導体部212、各第2周回部22(二次巻線2)における第2上方導体部221および第2下方導体部222においても同様である。
第1実施形態では、各第1周回部11(一次巻線1)において、軸方向sに見て、第1接続導体部114の周方向tに沿う寸法が、第1接続導体部113の周方向tに沿う寸法よりも大きい例を示したが、これに限定されない。これらの寸法が略同じであってもよい。この場合、周方向tに隣接する2つの第1上方導体部111の間、および、周方向tに隣接する2つの第1下方導体部112の間にそれぞれ設けられた所定の間隔は、径方向uにおいて、外周縁52Aに近い側が相対的に大きく、内周縁51Aに近い側が相対的に小さい。このような変形例は、各第2周回部12(一次巻線1)における一対の第2接続導体部123,124、各第1周回部21(二次巻線2)における一対の第1接続導体部213,214、各第2周回部22(二次巻線2)における一対の第2接続導体部223,224においても同様である。
第2実施形態にかかるコイル部品A2において、図18~図24を参照して、説明する。コイル部品A2は、たとえばインダクタであり、巻線3を備えている。コイル部品A2は、磁性体コアを備えていてもよいが、磁性体コアを有していない空芯の形態であることが望ましい。コイル部品A2は、コイル部品A1と同様に、外観上、たとえばトロイダル形状である。コイル部品A2の全体形状は、コイル部品A1の全体形状と同様に、上記平面形状と上記断面形状との様々な組み合わせによって構成されるが、第2実施形態においては、平面形状が円環状であるとともに、断面形状が矩形環状である場合を例に説明する。説明の便宜上、コイル部品A2の平面視において、中心軸が延びる方向を軸方向s、中心軸回りの方向を周方向t、中心軸から放射状に延びる方向を径方向uとする。軸方向sは、コイル部品A2の厚さ方向に相当する。周方向tは、コイル部品A2のトロイダル方向に一致する。また、上記断面形状は、軸方向sと径方向uとによって定義される平面における断面に相当する。
図18は、コイル部品A2を示す斜視図である。図19は、図18の一部を拡大した部分拡大図である。図20は、コイル部品A2を示す平面図である。図21は、図20のXXI-XXI線に沿う切断部端面図である。図22は、コイル部品A2を示す底面図である。図23は、図18に示す斜視図において、一部(後述の第1筒状部5Aの一部)を省略した図である。図23においては、接続部33(後述)を省略している。図24は、巻線3を周方向tに沿って見たときの模式図である。
コイル部品A2は、巻線3が二重に巻回されている。コイル部品A2は、巻線3が二重に巻回されていることにより、第1筒状部5Aおよび第2筒状部5Bを含む。第1筒状部5Aおよび第2筒状部5Bは、第1実施形態と同様に、各々がトロイダル形状である。図23に示すように、第2筒状部5Bは、第1筒状部5Aの内方に位置する。第1筒状部5Aは、コイル部品A1の外観をなす。第1筒状部5Aおよび第2筒状部5Bはそれぞれ、平面形状がたとえば円環状であり、中心軸を共通する。つまり、第1筒状部5Aにおける平面視の中心軸と第2筒状部5Bにおける平面視の中心軸とが略一致する。この中心軸の延びる方向が、軸方向sに相当する。また、第1筒状部5Aおよび第2筒状部5Bはそれぞれ、断面形状がたとえば矩形環状である。
巻線3は、外部からの入力電流により磁場を発生させる。巻線3は、第1実施形態にかかる一次巻線1と同様に構成されている。巻線3は、図18~図24に示すように、複数の第1周回部31、複数の第2周回部32および接続部33を含む。
複数の第1周回部31はそれぞれ、図24に示すように、周方向tに沿って見たときの形状が、たとえば矩形環状である。複数の第1周回部31は、図18~図20,図22および図23に示すように、軸方向sに見て、周方向tに並んでいる。複数の第1周回部31はそれぞれ、図24に示すように、第1上方導体部311,第1下方導体部312および一対の第1接続導体部313,314を含む。
各第1周回部31において、第1上方導体部311および第1下方導体部312は、図24に示すように、軸方向sに離間する。第1上方導体部311および第1下方導体部312はそれぞれ、図20および図22に示すように、軸方向sに見て、第1筒状部5Aの内周縁51Aから第1筒状部5Aの外周縁52Aに向かって延びている。第1上方導体部311および第1下方導体部312はそれぞれ、軸方向sに見て、帯状である。一対の第1接続導体部313,314はそれぞれ、図24に示すように、第1上方導体部311から軸方向sに沿って延びている。第1接続導体部313は、同じ第1周回部31の第1下方導体部312に繋がる。第1接続導体部314は、周方向tに隣接する第1周回部31の第1下方導体部312に繋がっている。一対の第1接続導体部313,314はそれぞれ、第1上方導体部311および第1下方導体部312に略直交する。第1接続導体部313は、軸方向sに見て、第1筒状部5Aの内周縁51Aに重なり、第1接続導体部314は、軸方向sに見て、第1筒状部5Aの外周縁52Aに重なる。一対の第1接続導体部313,314はそれぞれ、径方向uに沿って見たとき、軸方向sに延びる帯状である。
本実施形態では、各第1上方導体部311は、径方向uに対して、周方向tの一方に傾き、各第1下方導体部312は、径方向uに対して、周方向tの他方に傾く。図20に示す例において、各第1接続導体部313に重なる径方向uを径方向u3として、当該第1接続導体部313に繋がる第1上方導体部311は、径方向u3に対して、周方向tの時計回りに傾く。また、当該第1接続導体部313に繋がる第1下方導体部312は、径方向u3に対して、周方向tの反時計回りに傾く。このように、第1上方導体部311と第1下方導体部312とが、径方向uに対して周方向tの反対側に傾くことで、一対の第1接続導体部313,314をそれぞれ、軸方向sに沿って形成できる。
また、本実施形態では、周方向tに隣接する2つの第1上方導体部311同士および周方向tに隣接する2つの第1下方導体部312同士はそれぞれ、所定の間隔を空けて配置されている。当該間隔は、たとえば内周縁51A側と外周縁52A側とで略同じである。この構成により、軸方向sに見て、第1接続導体部314の周方向tに沿う寸法は、第1接続導体部313の周方向tに沿う寸法よりも大きい。
複数の第1周回部31は、周方向tに隣接する2つの第1周回部31同士が直接繋がっており、巻線3に流れる入力電流は、複数の第1周回部31を順に流れる。このとき、各第1周回部31の第1接続導体部314は、周方向tの一方に隣接する第1周回部31の第1下方導体部312から入力電流を伝達される。そして、この入力電流は、第1接続導体部314から第1上方導体部311および第1接続導体部313を介して、第1下方導体部312に流れる。つまり、図24に示す例では、各第1周回部31に流れる入力電流は、反時計回りに流れる。そして、周方向tの他方に隣接する第1周回部11に伝達される。このように、巻線3の入力電流は、複数の第1周回部31をそれぞれ一巡する。なお、第1周回部31に流れる入力電流の向きは、上記例とは反対であってもよい。つまり、各第1周回部31の第1下方導体部312は、周方向tの他方に隣接する第1周回部31の第1接続導体部314から入力電流を伝達される。そして、この入力電流は、第1下方導体部312から第1接続導体部313および第1上方導体部311を介して、第1接続導体部314に流れる。つまり、図24に示す例では、各第1周回部31に流れる入力電流は、時計回りに流れる構成であってもよい。
複数の第2周回部32はそれぞれ、図24に示すように、周方向tに沿って見たときの形状が、たとえば矩形環状である。各第2周回部32は、図24に示すように、周方向tに沿って見たとき、各第1周回部31の内方に位置する。複数の第2周回部32は、図20および図22に示すように、軸方向sに見て、周方向tに並んでいる。複数の第1周回部31と複数の第2周回部32とは、図20および図22に示すように、軸方向sに見て、周方向tに交互に配列されている。複数の第2周回部32はそれぞれ、図24に示すように、第2上方導体部321、第2下方導体部322、一対の第2接続導体部323,324を含む。
各第2周回部32において、第2上方導体部321および第2下方導体部322は、図24に示すように、軸方向sに離間する。第2上方導体部321および第2下方導体部322はそれぞれ、図20および図22に示すように、軸方向sに見て、第2筒状部5Bの内周縁51Bから第2筒状部5Bの外周縁52Bに向かって延びている。第2上方導体部321および第2下方導体部322はそれぞれ、軸方向sに見て、帯状である。一対の第2接続導体部323,324はそれぞれ、図24に示すように、第2上方導体部321から軸方向sに沿って延びている。第2接続導体部323は、同じ第2周回部32の第2下方導体部322に繋がる。第2接続導体部324は、周方向tに隣接する第2周回部32の第2下方導体部322に繋がっている。一対の第2接続導体部323,324はそれぞれ、第2上方導体部321および第2下方導体部322に略直交する。第2接続導体部323は、軸方向sに見て、第2筒状部5Bの内周縁51Bに重なり、第2接続導体部324は、軸方向sに見て、第2筒状部5Bの外周縁52Bに重なる。一対の第2接続導体部323,324はそれぞれ、径方向uに沿って見たとき、軸方向sに延びる帯状である。
本実施形態では、各第2上方導体部321は、径方向uに対して、周方向tの一方に傾き、各第2下方導体部322は、径方向uに対して、周方向tの他方に傾く。図20に示す例において、各第2接続導体部323に重なる径方向uを径方向u3として、当該第2接続導体部323に繋がる第2上方導体部321は、径方向u3に対して、周方向tの時計回りに傾く。また、当該第2接続導体部323に繋がる第2下方導体部322は、径方向u3に対して、周方向tの反時計回りに傾く。このように、第2上方導体部321と第2下方導体部322とが、径方向uに対して周方向tの反対側に傾くことで、一対の第2接続導体部323,324をそれぞれ、軸方向sに沿って形成できる。
また、本実施形態では、周方向tに隣接する2つの第2上方導体部321同士および周方向tに隣接する2つの第2下方導体部322同士はそれぞれ、所定の間隔を空けて配置されている。当該間隔は、たとえば内周縁51B側と外周縁52B側とで略同じである。この構成により、軸方向sに見て、第2接続導体部324の周方向tに沿う寸法は、第2接続導体部323の周方向tに沿う寸法よりも大きい。
複数の第2周回部32は、周方向tに隣接する2つの第2周回部32同士が直接繋がっており、巻線3に流れる入力電流は、複数の第2周回部32を順に流れる。このとき、各第2周回部32の第2接続導体部324は、周方向tの一方に隣接する第2周回部32の第2下方導体部322から入力電流を伝達される。そして、この入力電流は、第2接続導体部324から第2上方導体部321および第2接続導体部323を介して、第2下方導体部322に流れる。つまり、図24に示す例では、各第2周回部32に流れる入力電流は、反時計回りに流れる。よって、各第1周回部31に流れる入力電流の向きと、各第2周回部32に流れる入力電流の向きとは、周方向tに沿って見て、同じ方向となる。このように、巻線3への入力電流は、複数の第2周回部32をそれぞれ一巡する。なお、第2周回部32に流れる入力電流の向きは、上記例とは反対であってもよい。つまり、各第2周回部32の第2下方導体部322は、周方向tの他方に隣接する第2周回部32の第2接続導体部324から入力電流を伝達される。そして、この入力電流は、第2下方導体部322から第2接続導体部323および第2上方導体部321を介して、第2接続導体部324に流れる。つまり、図24に示す例では、各第2周回部32に流れる入力電流は、時計回りに流れる構成であってもよい。ただし、各第1周回部31に流れる入力電流の向きと、各第2周回部32に流れる入力電流の向きとは、周方向tに沿って見て、同じ方向にする。
接続部33は、図19に示すように、複数の第1周回部31のうちの1つと、複数の第2周回部32のうちの1つとを接続する。たとえば、接続部33は、複数の第1周回部31のうちの1つの第1下方導体部312と複数の第2周回部32のうちの1つの第2上方導体部321とに接続され、これらを導通させている。
巻線3は、複数の第1周回部31が、周方向tに沿って連続して接続されており、複数の第2周回部32が、周方向tに沿って連続して接続されている。そして、接続部33によって、これらが接続されている。よって、巻線3の入力電流は、複数の第1周回部31を一巡した後、接続部33を介して、複数の第2周回部32に入力され、複数の第2周回部32を一巡する。
コイル部品A2では、複数の第1周回部31が周方向tに配列され、第1筒状部5Aを構成する。また、複数の第2周回部32が周方向tに配列され、第2筒状部5Bを構成する。第2筒状部5Bは、第1筒状部5Aの内方に位置する。
コイル部品A2では、図18~図24に示すように、各第1周回部31と各第2周回部32とは、軸方向sに見て一部が重なるとともに、径方向uに見て一部が重なる。つまり、軸方向sに見て、各第1上方導体部311と各第2上方導体部321とが互いに重なり、各第1下方導体部312と各第2下方導体部322とが互いに重なる。径方向uに見て、各第1接続導体部313と各第2接続導体部323とが互いに重なり、各第1接続導体部314と各第2接続導体部324とが互いに重なる。
次に、コイル部品A2を内蔵したコイル内蔵基板B2について、図25~図27を参照して、説明する。図25は、コイル内蔵基板B2を示す斜視図である。図26は、コイル内蔵基板B2を示す平面図である。図27は、図26のXXVII-XXVII線に沿う断面図である。
コイル内蔵基板B2は、コイル内蔵基板B1と同様に、プリント基板である。コイル内蔵基板B2もまた、プリント基板に限定されず、半導体基板あるいはセラミック基板であってもよい。コイル内蔵基板B2は、コイル部品A2を内蔵する。コイル内蔵基板B2は、たとえば平面視において矩形状である。コイル内蔵基板B2は、複数の配線層7、複数の貫通電極79、絶縁部材8および一対の端子9Cを備えている。
コイル内蔵基板B2においても、複数の配線層7は、図27に示すように、各々に配線パターンが形成された第1配線層71、第2配線層72、第3配線層73および第4配線層74を含む。
図27に示すように、第1配線層71における配線パターンにより、複数の第1上方導体部311が構成される。第2配線層72における配線パターンにより、複数の第2上方導体部321が構成される。第3配線層73における配線パターンにより、複数の第2下方導体部322が構成される。第4配線層74における配線パターンにより、複数の第1下方導体部312が構成される。
図27に示すように、本実施形態においても、第1配線層71と第2配線層72との軸方向sにおける離間距離は、第3配線層73と第4配線層74との軸方向sにおける離間距離と、略同じである。また、第2配線層72と第3配線層73との軸方向sにおける離間距離は、第1配線層71と第2配線層72との軸方向sにおける離間距離、および、第3配線層73と第4配線層74との軸方向sにおける離間距離のそれぞれよりも大きい。これにより、コイル部品A2の巻線3において、第1上方導体部311と第2上方導体部321との軸方向sにおける離間距離は、第2下方導体部322と第1下方導体部312との軸方向sにおける離間距離と、略同じである。また、第2上方導体部321と第2下方導体部322との軸方向sにおける離間距離は、第1上方導体部311と第2上方導体部321との軸方向sにおける離間距離、および、第2下方導体部322と第1下方導体部312との軸方向sにおける離間距離のそれぞれよりも大きい。
また、第1配線層71と第4配線層74とを導通させる貫通電極79により、一対の第1接続導体部313,314(第1周回部31)が構成されている。また、第2配線層72と第3配線層73とを導通させる貫通電極79により、一対の第2接続導体部323,324(第2周回部32)が構成されている。
コイル内蔵基板B2において、複数の配線層7(第1配線層71、第2配線層72、第3配線層73、第4配線層74)の各配線パターン、および、複数の貫通電極79により、コイル部品A2が構成される。
一対の端子9Cは、巻線3に導通し、巻線3への入力電流の入力端子である。一対の端子9Cはそれぞれ、絶縁部材8の外部に形成された部分、および、この部分と巻線3とに接続される端子配線部90Cとを含む。図25に示すように、一方の端子9Cの端子配線部90Cは、たとえば第1上方導体部311(第1周回部31)に接続される。他方の端子9Cの端子配線部90Cは、たとえば第2下方導体部322(第2周回部32)に接続される。一対の端子9C間に電圧を印加すると、一方の端子9Cから巻線3を介して他方の端子9Cに入力電流が流れる。これにより、巻線3から磁場が生じる。
図25に示す例では、一対の端子9Cはそれぞれ、絶縁部材8の上面(軸方向sの一方を向く面)から露出するように形成されているが、これに限定されない。一対の端子9Cはそれぞれ、絶縁部材8の上面から露出するか、絶縁部材8の下面(軸方向sの他方を向く面)から露出するかを、コイル内蔵基板B2の仕様に応じて、適宜変更されうる。
第2実施形態にかかるコイル部品A2およびコイル内蔵基板B2の作用効果は、次の通りである。
コイル部品A2は、外部からの入力電流が流れる巻線3を備えている。巻線3は、各々が第1方向(周方向t)に見て環状である複数の第1周回部31を含む。この構成によると、各第1周回部31において、たとえば、軸方向sに相対する部分に流れる入力電流は逆向きになる。したがって、これらの部分により生じる各磁束は、各第1周回部31の外方で互いに反対側を向き、互いに打ち消し合う。複数の第1周回部31は、コイル部品A2の外観をなす第1筒状部5Aである。したがって、コイル部品A2は、各第1周回部31(第1筒状部5A)の外方における磁束が減少するため、外部への磁束漏れを抑制できる。
コイル部品A2では、巻線3は、複数の第1周回部31および複数の第2周回部32を含む、複数の第1周回部31の各々に流れる入力電流の向きと、複数の第2周回部32の各々に流れる入力電流の向きとは、第1方向(周方向t)に見て、同じ方向を向く。この構成によると、各第1周回部31に流れる入力電流により生じる磁束と、各第2周回部32に流れる入力電流により生じる磁束とは、複数の第2周回部32の内方、つまり、第2筒状部5Bの内方で、上記2つの磁束が互いに同じ方向を向き、互いに強め合う。したがって、コイル部品A2は、第2筒状部5Bの内方における磁束が増加するため、インダクタンス値を向上できる。
コイル部品A1は、巻線3に対して、磁性体コアを備えておらず、空芯の形態である。磁性体コアを備えたコイル部品においては、巻線3に入力する入力電流が高周波帯であると、磁性体コアがエネルギー損失の原因となる。したがって、コイル部品A2は、巻線3の入力電流が高周波帯であっても、磁性体コアを備えないため磁性体コアによるエネルギー損失を抑制できる。
コイル内蔵基板B2では、第1配線層71、第2配線層72、第3配線層73および第4配線層74のそれぞれに配線パターンが形成されており、これらの配線パターンによってコイル部品A2が構成されている。この構成によると、たとえばプリント基板(あるいは半導体基板やセラミック基板)の製造プロセスにより、コイル部品A2が形成される。したがって、コイル内蔵基板B2は、複雑な配線構造であるコイル部品A2の製造を容易にする。また、コイル内蔵基板B2は、複数の配線層7における配線パターンによりコイル部品A2を構成するため、コイル部品A2の低背化が可能となる。
第2実施形態では、各第1周回部31と各第2周回部32とは、軸方向sに見て重なる例を示したが、これに限定されない。たとえば、各第1周回部31と各第2周回部32とは、軸方向sに見て、一部が重なるあるいは重ならなくてもよい。ただし、当該変形例にかかるコイル部品よりも、コイル部品A2の方が、インダクタンス値を向上させる上で好ましい。
第2実施形態では、各第1周回部31において、第1上方導体部311が、径方向uに対して、周方向tの一方に傾き、第1下方導体部312が、径方向uに対して、周方向tの他方に傾いた例を示したが、これに限定されない。各第1周回部31において、第1上方導体部311が、周方向tの一方に傾いていなくてもよい。この場合、一対の第1接続導体部313,314が軸方向sに沿う形状にするため、第1下方導体部312の、径方向uに対する周方向tへの傾き角度が大きくなる。反対に、第1下方導体部312が、周方向tの他方に傾いていなくてもよい。この場合、一対の第1接続導体部313,314が軸方向sに沿う形状にするため、第1上方導体部311の、径方向uに対する周方向tへの傾き角度が大きくなる。また、第1上方導体部311および第1下方導体部312がともに、周方向tに傾いていなくてもよい。この場合、一対の第1接続導体部313,314が軸方向sに対して傾斜する。このような変形例は、各第2周回部32における第2上方導体部321および第2下方導体部322においても同様である。
第2実施形態では、各第1周回部31において、軸方向sに見て、第1接続導体部314の周方向tに沿う寸法が、第1接続導体部313の周方向tに沿う寸法よりも大きい例を示したが、これに限定されない。これらの寸法が略同じであってもよい。この場合、周方向tに隣接する2つの第1上方導体部311の間、および、周方向tに隣接する2つの第1下方導体部312の間にそれぞれ設けられた所定の間隔は、径方向uにおいて、外周縁52Aに近い側が相対的に大きく、内周縁51Aに近い側が相対的に小さい。このような変形例は、各第2周回部32における一対の第2接続導体部323,324においても同様である。
第1実施形態および第2実施形態では、各コイル内蔵基板B1,B2において、複数の貫通電極79がそれぞれ、柱状に構成された例を示したが、これに限定されない。たとえば、各貫通電極79は、いわゆる貫通ビアで構成されていてもよい。当該貫通ビアは、たとえば平面視円形状である。また、各貫通電極79に対して複数の貫通ビアを設けてもよい。
第1実施形態および第2実施形態では、各コイル部品A1,A2は、外観上、トロイダル形状である例を示したが、これに限定されない。たとえば、各コイル部品A1は、ソレノイド形状であってもよい。本開示において、ソレノイド形状とは、平面形状が、トロイダル形状のように環状になっていないものであり、直線状に巻回されたものだけでなく、曲線状に巻回されたものも含む。本変形例では、一次巻線1の複数の第1周回部11および複数の第2周回部12と二次巻線2の複数の第1周回部21および複数の第2周回部22とが、または、巻線3の複数の第1周回部31および第2周回部32が、直線状にあるいは曲線状に配列される。ただし、ソレノイド形状の場合、平面形状が環状でないことから、各コイル部品A1,A2のようにトロイダル形状で構成された方が、磁束漏れの抑制が効果的である。
第1実施形態および第2実施形態では、各コイル部品A1,A2が、コイル内蔵基板B1の複数の配線層7における配線パターンで構成された例を示したが、これに限定されない。たとえば、線状あるいは板状のリード線を巻回して、一次巻線1および二次巻線2(あるいは巻線3)を形成してもよい。
本開示にかかるコイル部品およびコイル内蔵基板は、上記した実施形態に限定されるものではない。本開示のコイル部品およびコイル内蔵基板の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。本開示、以下の付記に記載された実施形態を含む。
付記1.
外部からの入力電流により磁場を発生させる一次巻線と、
前記磁場により生じる誘導電流が流れる二次巻線と、
を備えており、
前記一次巻線は、各々が第1方向に見て環状の複数の一次側第1周回部および複数の一次側第2周回部を含み、
前記二次巻線は、各々が前記第1方向に見て環状の複数の二次側第1周回部および複数の二次側第2周回部を含み、
前記複数の一次側第1周回部と前記複数の二次側第1周回部とは、前記第1方向に交互に配列されて、第1筒状部を構成し、
前記複数の一次側第2周回部と前記複数の二次側第2周回部とは、前記第1方向に交互に配列されて、第2筒状部を構成し、
前記第2筒状部は、前記第1方向に見て、前記第1筒状部の内方に位置し、
前記複数の一次側第1周回部の各々に流れる前記入力電流の向きと、前記複数の一次側第2周回部の各々に流れる前記入力電流の向きとは、同じ方向を向く、コイル部品。
付記2.
前記複数の一次側第1周回部の各々は、前記第1方向に直交する厚さ方向に離間する一次側第1上方導体部および一次側第1下方導体部を含み、
前記複数の一次側第2周回部の各々は、前記厚さ方向に離間する一次側第2上方導体部および一次側第2下方導体部を含み、
前記複数の二次側第1周回部の各々は、前記厚さ方向に離間する二次側第1上方導体部および二次側第1下方導体部を含み、
前記複数の二次側第2周回部の各々は、前記厚さ方向に離間する二次側第2上方導体部および二次側第2下方導体部を含む、付記1に記載のコイル部品。
付記3.
前記一次側第1上方導体部と前記二次側第1上方導体部とは、前記第1方向に見て重なり、
前記一次側第1下方導体部と前記二次側第1下方導体部とは、前記第1方向に見て重なる、付記2に記載のコイル部品。
付記4.
前記一次側第2上方導体部と前記二次側第2上方導体部とは、前記第1方向に見て重なり、
前記一次側第2下方導体部と前記二次側第2下方導体部とは、前記第1方向に見て重なる、付記3に記載のコイル部品。
付記5.
前記厚さ方向において、前記一次側第2上方導体部と前記一次側第2下方導体部との離間距離は、前記一次側第1上方導体部と前記一次側第2上方導体部との離間距離、および、前記一次側第2下方導体部と前記一次側第1下方導体部との離間距離のそれぞれよりも大きい、付記4に記載のコイル部品。
付記6.
前記一次側第1上方導体部と前記二次側第2上方導体部とは、前記厚さ方向に見て重なり、
前記一次側第1下方導体部と前記二次側第2下方導体部とは、前記厚さ方向に見て重なる、付記3ないし付記5のいずれかに記載のコイル部品。
付記7.
前記一次側第2上方導体部と前記二次側第1上方導体部とは、前記厚さ方向に見て重なり、
前記一次側第2下方導体部と前記二次側第1下方導体部とは、前記厚さ方向に見て重なる、付記6に記載のコイル部品。
付記8.
前記複数の一次側第1周回部の各々は、各々が前記一次側第1上方導体部から前記厚さ方向に延びる一対の一次側第1接続導体部を含み、
前記一対の一次側第1接続導体部の一方は、前記一次側第1下方導体部に繋がり、
前記複数の一次側第2周回部の各々は、各々が前記一次側第2上方導体部から前記厚さ方向に延びる一対の一次側第2接続導体部を含み、
前記一対の一次側第2接続導体部の一方は、前記一次側第2下方導体部に繋がる、付記3ないし付記7のいずれかに記載のコイル部品。
付記9.
前記一対の一次側第1接続導体部の他方は、隣接する前記一次側第1周回部の前記一次側第1下方導体部に繋がり、
前記一対の一次側第2接続導体部の他方は、隣接する前記一次側第2周回部の前記一次側第2下方導体部に繋がる、付記8に記載のコイル部品。
付記10.
前記一次巻線は、前記複数の一次側第1周回部のうちの1つと前記複数の一次側第2周回部のうちの1つとを導通させる一次側接続部をさらに含む、付記9に記載のコイル部品。
付記11.
前記複数の二次側第1周回部の各々は、各々が前記二次側第1上方導体部から前記厚さ方向に延びる一対の二次側第1接続導体部を含み、
前記一対の二次側第1接続導体部の一方は、前記二次側第1下方導体部に繋がり、
前記複数の二次側第2周回部の各々は、各々が前記二次側第2上方導体部から前記厚さ方向に延びる一対の二次側第2接続導体部を含み、
前記一対の二次側第2接続導体部の一方は、前記二次側第2下方導体部に繋がる、付記9または付記10に記載のコイル部品。
付記12.
前記一対の二次側第1接続導体部の他方は、隣接する前記二次側第1周回部の前記二次側第1下方導体部に繋がり、
前記一対の二次側第2接続導体部の他方は、隣接する前記二次側第2周回部の前記二次側第2下方導体部に繋がる、付記11に記載のコイル部品。
付記13.
前記二次巻線は、前記複数の二次側第1周回部のうちの1つと前記複数の二次側第2周回部のうちの1つとを導通させる二次側接続部をさらに含む、付記12に記載のコイル部品。
付記14.
前記第1筒状部および前記第2筒状部はそれぞれ、前記厚さ方向に見て、前記第1方向を周方向とする円環状である、付記2ないし付記13のいずれかに記載のコイル部品。
付記15.
前記一次側第1上方導体部、前記一次側第1下方導体部、前記二次側第1上方導体部および前記二次側第1下方導体部はそれぞれ、前記厚さ方向に見て、前記第1筒状部の内周側から外周側に延びている、付記14に記載のコイル部品。
付記16.
前記一次側第1上方導体部、前記一次側第1下方導体部、前記二次側第1上方導体部および前記二次側第1下方導体部はそれぞれ、前記厚さ方向に見て帯状である、付記15に記載のコイル部品。
付記17.
前記一次側第1上方導体部および前記二次側第1上方導体部はそれぞれ、前記厚さ方向に見て、前記第1筒状部の径方向に対して前記第1筒状部の周方向の一方に傾いており、
前記一次側第1下方導体部および前記二次側第1下方導体部はそれぞれ、前記厚さ方向に見て、前記第1筒状部の径方向に対して前記第1筒状部の周方向の他方に傾いている、付記15または付記16に記載のコイル部品。
付記18.
前記一次側第2上方導体部、前記一次側第2下方導体部、前記二次側第2上方導体部および前記二次側第2下方導体部はそれぞれ、前記厚さ方向に見て、前記第2筒状部の内周縁から外周縁に延びている、付記14ないし付記17のいずれかに記載のコイル部品。
付記19.
前記一次側第2上方導体部、前記一次側第2下方導体部、前記二次側第2上方導体部および前記二次側第2下方導体部はそれぞれ、前記厚さ方向に見て帯状である、付記18に記載のコイル部品。
付記20.
前記一次側第2上方導体部および前記二次側第2上方導体部はそれぞれ、前記厚さ方向に見て、前記第2筒状部の径方向に対して前記第2筒状部の周方向の一方に傾いており、
前記一次側第2下方導体部および前記二次側第2下方導体部はそれぞれ、前記厚さ方向に見て、前記第2筒状部の径方向に対して前記第2筒状部の周方向の他方に傾いている、付記18または付記19のいずれかに記載のコイル部品。
付記21.
外部からの入力電流により磁場を発生させる巻線を備えており、
前記巻線は、各々が第1方向に見て環状の複数の第1周回部および複数の第2周回部を含み、
前記複数の第1周回部は、前記第1方向に配列され、第1筒状部を構成し、
前記複数の第2周回部は、前記第1方向に配列され、第2筒状部を構成し、
前記第2筒状部は、前記第1方向に見て、前記第1筒状部の内方に位置し、
前記第1筒状部および前記第2筒状部はそれぞれ、前記第1方向に直交する厚さ方向に見て、円環状であり、
前記複数の第1周回部の各々に流れる前記入力電流の向きと、前記複数の第2周回部の各々に流れる前記入力電流の向きとは、同じ方向を向く、コイル部品。
付記22.
付記2ないし付記21のいずれかに記載のコイル部品を内蔵するコイル内蔵基板であって、
前記厚さ方向に積層された複数の配線層と、
前記厚さ方向において前記複数の配線層の間に介在する複数の絶縁層と、
を備えており、
前記コイル部品は、前記複数の配線層における配線パターンにより構成されている、コイル内蔵基板。
付記23.
前記コイル部品は、トランスである、付記22に記載のコイル内蔵基板。