JP7705342B2 - アクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の製造方法ならびに該触媒を用いたアクロレインおよびアクリル酸の製造方法 - Google Patents

アクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の製造方法ならびに該触媒を用いたアクロレインおよびアクリル酸の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7705342B2
JP7705342B2 JP2021207846A JP2021207846A JP7705342B2 JP 7705342 B2 JP7705342 B2 JP 7705342B2 JP 2021207846 A JP2021207846 A JP 2021207846A JP 2021207846 A JP2021207846 A JP 2021207846A JP 7705342 B2 JP7705342 B2 JP 7705342B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
mass
nitrate hexahydrate
raw material
loss rate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021207846A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022155470A (ja
Inventor
友厚 河野
秀夫 小野寺
晃行 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to CN202210216207.7A priority Critical patent/CN115141089B/zh
Publication of JP2022155470A publication Critical patent/JP2022155470A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7705342B2 publication Critical patent/JP7705342B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

本発明は、アクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の製造方法ならびに該触媒を用いたアクロレインおよびアクリル酸の製造方法に関する。
プロピレンを分子状酸素により接触気相酸化して、アクロレインおよびアクリル酸を工業的に製造する際に用いられる触媒に関しては数多くの提案がなされている。例えば、特許文献1には、不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸の製造用触媒として、モリブデン、ビスマスおよび鉄を必須の触媒活性成分とし、モリブデン原料として吸熱ピーク温度が所定の温度範囲内であるモリブデン酸アンモニウム四水和物を使用することを規定する複合金属酸化物触媒が開示されている。
特開2018-153773号公報
しかしながら、上記文献1に記載の触媒によりアクロレインおよびアクリル酸の収率は向上するものの、工業的規模でアクロレインおよびアクリル酸を製造した際の触媒活性、収率などの触媒性能面において触媒の更なる改良が望まれている。
したがって、本発明は、プロピレンを接触気相酸化してアクロレインおよびアクリル酸を製造する方法において用いられる、触媒活性および収率が優れた触媒の製造方法を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、その製造方法で製造された触媒活性および収率が優れた触媒の存在下で、プロピレンを分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して、アクロレインおよびアクリル酸を高収率で製造する方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、特に触媒の製造に用いる原料化合物の性状に着目して鋭意検討を積み重ねた。その結果、プロピレンを接触気相酸化してアクロレインおよびアクリル酸を製造するための触媒の製造方法であって、モリブデンの原料化合物、ビスマスの原料化合物およびコバルトの原料化合物を含む原料混合物を混合する工程を含み、前記コバルトの原料化合物が、硝酸コバルト六水和物であり、前記硝酸コバルト六水和物の熱重量測定における25℃から105℃までの質量減量率Lが、11~16質量%である、触媒の製造方法により、上記課題が解決することを見出した。
本発明によれば、工業的規模において、触媒活性および収率が優れたアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒を製造することができる。また、得られた触媒を用いてプロピレンを接触気相酸化することにより、アクロレインおよびアクリル酸を高収率で製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。なお、本明細書において、範囲を示す「X~Y」は、「X以上Y以下」を意味する。
本発明の一実施形態は、プロピレンを接触気相酸化してアクロレインおよびアクリル酸を製造するための触媒(以下、「アクロレインおよびアクリル酸製造用触媒」と称する場合がある)の製造方法であって、モリブデンの原料化合物、ビスマスの原料化合物およびコバルトの原料化合物を含む原料混合物を混合する工程を含み、前記コバルトの原料化合物が、硝酸コバルト六水和物であり、下記式(a)で示される、前記硝酸コバルト六水和物の熱重量測定(TG)における25℃から105℃までの質量減量率Lが、11~16質量%である。
(質量%)=(W-W)/W×100 (a)
ここで、
=25℃での硝酸コバルト六水和物質量(mg)
=105℃到達時の硝酸コバルト六水和物質量(mg)。
本発明に係るアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の製造方法は、モリブデンの原料化合物、ビスマスの原料化合物およびコバルトの原料化合物を含む原料混合物を混合する工程を含む。よって、本発明に係るアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒は、モリブデン、ビスマスおよびコバルトを含み、すなわち、本発明に係るアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒は、モリブデン、ビスマスおよびコバルトを必須の触媒活性成分として含む。
本発明に係るアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒は、モリブデン、ビスマスおよびコバルトを必須成分として含むが、さらに鉄および/またはニッケルを含むことが好ましい。また、本発明に係るアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒は、下記一般式(1)で表わされる複合酸化物(ただし、一般式(1)は、酸化状態を表す酸素を除く)を含むことが好ましい。すなわち、本発明に係るアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の触媒活性成分は、下記一般式(1)で表わされる複合酸化物(ただし、一般式(1)は、酸化状態を表す酸素を除く)を含むことが好ましい。
Mo12BiCo (1)
式(1)中、Moはモリブデンであり、Biはビスマスであり、Coはコバルトであり、Aは鉄およびニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、Bはアルカリ金属、アルカリ土類金属およびタリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、Cはタングステン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびチタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、Dはリン、テルル、アンチモン、スズ、セリウム、鉛、ニオブ、マンガン、砒素、ホウ素および亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、a、b、c、d、eおよびfはBi、Co、A、B、CおよびDの原子数を表し、0<a≦10、0<b≦20、0<c≦20、0≦d≦10、0≦e≦30、0≦f≦4である。
本発明に係るアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒は、触媒成分として元素A(鉄およびニッケルから選ばれる少なくとも1種の元素)を含むことで、触媒活性および収率が向上するため好ましい。
式(1)において、aは、好ましくは0<a≦10であり、より好ましくは0.2≦a≦8であり、さらに好ましくは0.4≦a≦6である。式(1)において、bは、好ましくは0<b≦20であり、より好ましくは0.5≦b≦15であり、さらに好ましくは1≦b≦12である。一実施形態において、式(1)のbは、好ましくは1.5<b≦20であり、より好ましくは2≦b≦15であり、さらに好ましくは2.5≦b≦12である。式(1)において、cは、好ましくは0<c≦20であり、より好ましくは0.2≦c≦15であり、さらに好ましくは0.4≦c≦12である。式(1)において、dは、好ましくは0≦d≦10であり、より好ましくは0≦d≦6であり、さらに好ましくは0≦d≦4である。式(1)において、eは、好ましくは0≦e≦30であり、より好ましくは0≦e≦20であり、さらに好ましくは0≦e≦15である。式(1)において、fは、好ましくは0≦f≦4であり、より好ましくは0≦f≦3であり、さらに好ましくは0≦f≦2である。
ここで、本発明に係るアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の製造方法において、用いられるコバルトの原料化合物は、硝酸コバルト六水和物である。すなわち、本発明に係るアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒において、必須の触媒活性成分として含まれるコバルトの原料化合物は、硝酸コバルト六水和物である。この硝酸コバルト六水和物の熱重量測定における25℃から105℃までの質量減量率L(以下、「硝酸コバルト六水和物の質量減量率L」)は、11~16質量%である。なお、この質量減量率Lは、上記式(a)で表される。このような硝酸コバルト六水和物をアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の原料として用いることで、得られるアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の触媒活性および収率を有意に向上させることができる。
ここで、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは、熱重量測定における25℃から105℃までの温度変化(加熱)により生じる吸湿水および結晶水の脱水や熱分解に伴う質量変化を表す数値である。このうち、硝酸コバルト六水和物の25℃から105℃までの温度変化における、結晶水の脱水による質量変化、および熱分解に伴う質量変化は、硝酸コバルト六水和物固有の値であると考えられる。そのため、熱重量測定において、硝酸コバルト六水和物の測定サンプルごとに硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lの数値に変動が生じる場合、その数値の変動分(違い)は主として硝酸コバルト六水和物が吸湿した水分の量に由来するものであると考えられる。結晶水の脱水による質量変化から理論的に検討すると、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは6~37%程度となり、これに吸湿水の脱水による質量変化を考慮すると、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lはさらに広範囲の値をとりうる。なお、上記した硝酸コバルト六水和物の25℃から105℃までの質量減量についてのメカニズムは推測に過ぎず、本発明の技術的範囲を制限しない。本発明に係るアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒は、質量減量率Lが特定の範囲である硝酸コバルト六水和物を原料として用いて製造されることで効果を奏する。
触媒の原料化合物として通常使用される硝酸コバルト六水和物などの硝酸塩は吸湿し易いことで知られており、その保管状況によって硝酸コバルト六水和物の水分含有量が広範囲で変化するため、その結果、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lも広範囲で変化してしまう。しかしながら、これまで、アクロレインおよびアクリル酸製造用触媒に用いられる原料としての硝酸コバルト六水和物について、水分含有量や保管方法は詳細に検討されていなかった。
本発明者らは、硝酸コバルト六水和物の水分含有量が多くなるとその質量減量率Lが高くなり、質量減量率Lが高い硝酸コバルト六水和物を用いてアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒を製造した場合、そのアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒を用いてプロピレンを接触気相酸化すると、アクロレインおよびアクリル酸の収率が低くなることを見出した。また、硝酸コバルト六水和物の水分含有量が少なくなるとその質量減量率Lが低くなり、質量減量率Lが低い硝酸コバルト六水和物を用いてアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒を製造した場合も、同様に、そのアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒を用いてプロピレンを接触気相酸化すると、アクロレインおよびアクリル酸の収率が低くなることを見出した。
各種検討の結果、原料として用いる硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが11~16質量%であることで、得られるアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の触媒活性および収率が有意に向上できることを見出した。すなわち、本発明は、これまでは、硝酸コバルト六水和物の保管状況により、硝酸コバルト六水和物の水分含有量が変化することによって硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが広範囲で変化すると、得られるアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の触媒活性および収率などの性能が広範囲で変動してしまうので、高性能のアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒が安定して製造できない要因となっていたことを見出したものである。本発明によれば、特定の質量減量率Lの硝酸コバルト六水和物を用いることで、触媒活性および収率に優れたアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒を工業的に安定して製造することができる。これにより、当該触媒を用いて、工業的に安定して高収率で、アクロレインおよびアクリル酸を製造できる。本発明の構成により、上記効果を奏する理由は必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。
硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが触媒活性および収率に影響を与える要因は定かではないが、質量減量率Lの違いによって、硝酸コバルト六水和物を水に溶解した際に生じるCo2+、Co2+とOHとの結合種(例えば、CoOH、Co(OH)、CoOH3+等)の濃度や割合が変わることで、他の元素、特に主原料であるモリブデンとコバルトとの反応性が変化していることが考えられる。
硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが低い場合(例えば、熱重量測定で得られる25℃から105℃までの硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが11質量%未満の場合)、硝酸コバルト六水和物を水に溶解した際に生じる化学種のうち、Co2+に比べてCoOHやCo(OH)、CoOH3+といったCo2+以外の溶存種の存在割合が増加することでCo2+の存在割合が下がり、モリブデンとコバルトとの反応性が低下してしまうと推測される。また、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが高い場合(例えば、熱重量測定で得られる25℃から105℃までの硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが16質量%を超える場合)、硝酸コバルト六水和物を水に溶解した際に生じる化学種のうち、Co2+の濃度が下がり、モリブデンとコバルトとの反応性が低下してしまうと推測される。ただし、かかるメカニズムは推測に過ぎず、本発明の技術的範囲を制限しないことはいうまでもない。
なお、一般的に硝酸塩は吸湿性が高いことが知られているが、コバルト以外の硝酸塩(例えば、ビスマス、鉄およびニッケルの硝酸塩)では、質量減量率Lを制御したとしても触媒の性能を向上させる効果は発揮されないことが後述の実施例(実施例6~8)で裏付けされている。この理由は不明であるが、硝酸コバルト六水和物のみが、質量減量率Lと相関して、顕著に触媒性能に対して作用するといえる。
以上のように、アクロレインおよびアクリル酸製造用触媒を製造する際において、コバルト原料として、11~16質量%の質量減量率Lを有する硝酸コバルト六水和物を用いることにより、得られるアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の触媒活性および収率を有意に向上させることができる。
硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは、11質量%を超えるのが好ましく、11.1質量%以上であるのがより好ましく、11.1質量%を超えるのがさらに好ましく、11.3質量%以上であるのがさらにより好ましく、11.5質量%以上であるのが特に好ましく、12質量%以上であるのが最も好ましい。また、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは、好ましくは16質量%未満であり、より好ましくは15.5質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下であり、さらにより好ましくは14.5質量%以下であり、特に好ましくは14.3質量%以下であり、最も好ましくは14.1質量%未満である。好ましい一実施形態において、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは、14.0質量%以下である。
ここで、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lの測定方法について説明する。測定サンプルとして、アルミパンに硝酸コバルト六水和物20mgを精秤したものを準備する。測定サンプルを熱重量分析(TG)装置のサンプルホルダに設置した後、25℃以下から300℃まで、昇温速度2℃/分で測定を行い、25℃から105℃までの質量減量率Lを算出する。なお、分析に使用する熱重量分析(TG)装置は一般的な仕様のものでよく、熱重量分析(TG)と示差熱分析(DTA)とが同時に測定できるように構成された熱重量示差熱分析装置(TG-DTA)であってもよい。
また、上記熱重量分析の結果から、105℃から300℃までの質量減量率L(以下、「硝酸コバルト六水和物の質量減量率L」)、および、25℃から300℃までの硝酸コバルト六水和物の質量減量率L(以下、「硝酸コバルト六水和物の質量減量率L」)が算出される。本発明において、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは、好ましくは62~75質量%であり、より好ましくは65~73質量%であり、さらに好ましくは66~72質量%であり、さらにより好ましくは66.3~71.0質量%であり、特に好ましくは66.5~70.5質量%であり、最も好ましくは66.8~70.0質量%である。アクロレインおよびアクリル酸製造用触媒を製造する際において、コバルト原料として、上記範囲の質量減量率Lを有する硝酸コバルト六水和物を用いることにより、得られるアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の触媒活性および収率を有意に向上させることができる。
また、上記熱重量分析の結果から、25℃から300℃までの硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lに対する、25℃から105℃までの硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lの割合R(以下、「硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lの割合R」)も算出される。
本発明の一実施形態おいて、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lの割合Rは、0.147~0.258である。また、本発明において、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lの割合Rは、好ましくは0.163~0.225であり、より好ましくは0.164~0.210であり、さらに好ましくは0.165~0.205、さらにより好ましくは0.165~0.202、特に好ましくは0.166~0.201であり、最も好ましくは0.166以上0.201未満である。一実施形態において、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lの割合Rは、0.170以上0.201未満である。アクロレインおよびアクリル酸製造用触媒を製造する際において、コバルトの原料化合物として、上記範囲の質量減量率Lの割合Rを有する硝酸コバルト六水和物を用いることにより、得られるアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の触媒活性および収率を有意に向上させることができる。
本発明に係るアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の製造方法としては、モリブデンの原料化合物、ビスマスの原料化合物およびコバルトの原料化合物を含む原料混合物を混合する工程を含む。モリブデンの原料化合物はモリブデンを含む化合物であり、ビスマスの原料化合物はビスマスを含む化合物であり、コバルトの原料化合物はコバルトを含む化合物である。よって、本発明に係るアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の製造方法は、原料としてモリブデンを含む化合物、ビスマスを含む化合物およびコバルトを含む化合物を必須に使用し、コバルトの原料化合物が、質量減量率Lが特定の範囲である硝酸コバルト六水和物であること以外は、公知のアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の製造に一般に用いられている方法に準じて製造することができる。以下に、本発明に係るアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の製造方法の好ましい形態について説明する。
例えば、本発明に係るアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の製造方法は、(1)触媒活性成分を構成する元素(以下、「触媒成分元素」)を含有する原料化合物を混合して原料混合物を得る原料混合工程;(2)原料混合物を加熱処理して乾燥物を得る乾燥工程;(3)乾燥物を粉砕して粉砕物を得る粉砕工程;(4)粉砕物を成形して成形体を得る成形工程;(5)粉砕物を不活性担体に担持する担持工程;および(6)成形体または担持体を焼成する焼成工程;のうち、(1)と、(2)~(6)の少なくともひとつと、を含む。また、(2)乾燥工程、もしくは(3)粉砕工程の後に1度目の焼成工程を入れ、(6)と併せて2度焼成を行ってもよい。なお、「モリブデンの原料化合物、ビスマスの原料化合物およびコバルトの原料化合物を含む原料混合物を混合する工程」は、「(1)触媒成分元素を含有する原料化合物を混合して原料混合物を得る原料混合工程」に相当する。
さらに、本発明に係るアクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の製造方法は、好ましい実施形態において、原料混合工程の前に、以下の工程を含む;(A1)硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lを、TGまたはTG-DTAにより測定するチェック工程;(B1)チェック工程において、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが11質量%未満または16質量%を超える場合、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが11~16質量%となるように、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lを調整する調整工程。
(A1)チェック工程
チェック工程は、原料として使用する硝酸コバルト六水和物についてTGまたはTG-DTA測定を行い、質量減量率Lを確認する工程であり、原料混合工程の10~3時間前に行うことが好ましい。また、チェック工程において、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが11~16質量%であることが確認された場合は、原料混合工程まで、原料として使用する硝酸コバルト六水和物を、質量減量率Lが変化しないように保管するのが好ましい。保管方法としては、質量減量率Lが変化しない方法であれば公知の方法でよく、特に制限されない。例えば、保管方法としては、原料として使用する硝酸コバルト六水和物の必要量または必要量以上の量を、ホッパーに充填し、窒素置換後、密封して保管したり、原料として必要量または必要量以上の量の硝酸コバルト六水和物を水溶液に溶解させ、水溶液として密封して保管する方法であってもよい。
(B1)調整工程
調整工程は、チェック工程において、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが11質量%未満または16質量%を超えることが確認された場合に、質量減量率Lに応じて、原料として使用する硝酸コバルト六水和物に対して処理を行う工程である。
調整工程で行なわれる処理としては、例えば、硝酸コバルト六水和物を保管する際に、保管場所の湿度、保管量(容器に充填される量)、および保管期間の調整を適宜行う等の処理が挙げられる。これらの処理は、単独で行っても、組み合わせてもよい。ここで、調整工程においては、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが11質量%未満の場合と硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが16質量%を超える場合とでは、それぞれ異なる条件で上記処理が行われることとなる。
例えば、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが11質量%未満の場合、硝酸コバルト六水和物に対して吸湿させる処理を行うことが好ましい。吸湿させる処理方法としては、上記処理において、吸湿させる条件で処理を行う。例えば、吸湿させる処理方法としては、原料として使用する硝酸コバルト六水和物の必要量または必要量以上の量を、温度-10~50℃、相対湿度40~100%RHの屋根付き倉庫で1~24時間保管したり、ホッパーに充填した後、1~24時間大気中に放置する方法であってもよい。保管期間は、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lに応じて適宜調整すればよい。また、保管量(容器に充填される量)を増減することにより処理に要する時間を任意に変更できる。
また例えば、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが16質量%を超える場合、硝酸コバルト六水和物に対して乾燥させる処理を行うことが好ましい。乾燥させる処理方法としては、上記処理において、乾燥させる条件で処理を行う。例えば、乾燥させる処理方法としては、原料として使用する硝酸コバルト六水和物の必要量または必要量以上の量を、温度-10~40℃、相対湿度0~60%RHの屋根付き倉庫で1~24時間保管したり、ホッパーに充填した後、1~24時間真空乾燥を行う方法であってもよい。保管期間は、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lに応じて適宜調整すればよい。また、保管量(容器に充填される量)を増減することにより処理に要する時間を任意に変更できる。
チェック工程において確認した質量減量率Lに応じて、調整工程で硝酸コバルト六水和物に対して処理を行った後、再度、(A1)硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lを、TGまたはTG-DTAにより測定するチェック工程を行うことが好ましい。すなわち、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが11~16質量%となるまで、(A1)チェック工程および(B1)調整工程を繰り返すことが好ましい。なお、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが11~16質量%となるように調整する場合は、ある程度、調整時のデータを取得収集することにより、そのデータに基づき、調整により得られる質量減量率Lの数値を推測することが可能である。
チェック工程またはチェック工程および調整工程を経て、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lが11~16質量%であることが確認された場合、その硝酸コバルト六水和物を用いて、(1)原料混合工程;(2)乾燥工程;(3)粉砕工程;(4)成形工程;(5)担持工程;および(6)焼成工程;のうち、(1)と(2)~(6)の少なくともひとつとが行われる。以下に各工程を説明する。
(1)原料混合工程
本発明において原料混合工程とは、アクロレインおよびアクリル酸製造用触媒を構成する各触媒成分元素を単独あるいは複数含む原料化合物(例えば、モリブデンの原料化合物、ビスマスの原料化合物、コバルトの原料化合物、鉄の原料化合物およびニッケルの原料化合物)を混合し、全ての触媒成分元素を含む原料混合物を得る工程である。本発明における原料混合工程では、少なくとも、モリブデンの原料化合物、ビスマスの原料化合物、コバルトの原料化合物を混合して原料混合物を得るが、これらの混合順序に特に制限はなく、また、原料混合物にはモリブデンの原料化合物、ビスマスの原料化合物およびコバルトの原料化合物以外の触媒成分元素を含む原料化合物が含まれていてもよい。
本発明で使用することができる触媒成分元素の原料化合物については、モリブデンの原料化合物、ビスマスの原料化合物およびコバルトの原料化合物を必須とし、かつ、コバルトの原料化合物が、質量減量率Lが特定の範囲である硝酸コバルト六水和物であること以外は特段の制限はなく、一般にこの種の触媒に使用される金属元素の酸化物、水酸化物、アンモニウム塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、塩化物、有機酸塩などの塩類や、それらの水溶液、ゾルなど、あるいは、これらの混合物を組み合わせて用いることができる。中でも、アンモニウム塩や硝酸塩が各触媒成分元素の原料として好適に用いられる。
モリブデンの原料化合物としては、例えば、パラモリブデン酸アンモニウム、ジモリブデン酸アンモニウム、テトラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン等が挙げられ、このうちパラモリブデン酸アンモニウムが好ましい。また、ビスマスの原料化合物としては、例えば、塩化ビスマス、硝酸ビスマス、硫酸ビスマス、酢酸ビスマス、酸化ビスマス、次炭酸ビスマス等が挙げられ、このうち硝酸ビスマスが好ましい。また、鉄の原料化合物としては、例えば、塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、酢酸鉄、酸化鉄、炭酸鉄等が挙げられ、このうち硝酸鉄が好ましい。また、ニッケルの原料化合物としては、例えば、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケル、酸化ニッケル、塩基性炭酸ニッケル等が挙げられ、このうち硝酸ニッケルが好ましい。
原料混合物は、この種の触媒に一般に用いられている方法により調製すればよく、上記原料化合物の各々を水などの溶媒に溶解あるいは懸濁させて溶液あるいはスラリーとし、これらを順次混合すればよい。また、一つの原料化合物を複数の溶液あるいはスラリーとし分割して混合することもできる。さらには、各原料化合物を溶解させずに溶液あるいはスラリーへ直接添加し、混合することもできる。原料化合物の混合条件(混合順序、温度、圧力、pH等)については特に制限はない。続く乾燥工程における乾燥方法に適用させるように、得られた溶液あるいはスラリーを必要に応じ濃縮しケーキ状としてもよい。
本発明の製造方法においては、コバルトの原料化合物として、熱重量測定における25℃から105℃までの質量減量率Lが11~16質量%である硝酸コバルト六水和物を用いる。ここで上述のとおり、硝酸コバルト六水和物は吸湿性を有するため、通常の保管状態においては質量減量率Lが経時で微妙に増減変動する。そのため、原料混合工程において所望の触媒成分組成となるように各原料化合物を混合する際、硝酸コバルト六水和物に関しては、質量減量率Lの値を考慮して秤量し使用することが好ましい。なお、工業的規模で触媒を製造する際には、原料混合工程を複数回行って、各回の触媒成分組成が同一となるように調整する必要があるが、質量減量率Lの値を考慮すると各回で硝酸コバルト六水和物の使用量が若干変動することがある。その場合、硝酸コバルト六水和物の使用量およびその質量減量率Lの値を考慮して、原料混合物の系内の総水分量が同じになるように、溶液あるいはスラリーの調製時に使用する水の量を調整してもよいが、質量減量率Lが11~16質量%である硝酸コバルト六水和物を用いる限り、系内の総水分量を毎回同じになるように調整しなくてもよい。
本発明の製造方法において、ビスマス、鉄、またはニッケルの原料化合物として、それぞれの硝酸塩を用いる場合、上述したようにこれらの硝酸塩の質量減量率Lが触媒の性能に影響を与えることはほとんどないため、これらの硝酸塩の質量減量率Lに基づいて系内の総水分量を調整する必要は特に無いが、これらの質量減量率Lを考慮して適宜調整してもよい。
(2)乾燥工程
本発明における乾燥工程とは、原料混合工程で得られた原料混合物、後述の粉砕工程で得られた粉砕物または後述の成形工程で得られた成形物もしくは後述の担持工程で得られた担持物の少なくとも一つを、好ましくは100~300℃で、より好ましくは150~200℃の範囲の温度で加熱処理する工程である。
乾燥工程において、原料混合工程で得られた原料混合物を加熱処理して乾燥物を得る場合、乾燥物を得るための加熱処理方法には特に限定はなく、原料混合物の形態に適用させるように適宜選択できる。例えば、原料混合物が溶液状またはスラリー状の場合、スプレードライヤー、ドラムドライヤー等を用いて顆粒状あるいは粉末状の乾燥物を得てもよいし、溶液やスラリーをバットなどに入れて箱型乾燥機で乾燥してもよい。原料混合物が溶液またはスラリーを濃縮して得られるケーキ状の場合は、箱型乾燥機、トンネル型乾燥機等を用いて、空気気流中や、窒素などの不活性ガス気流中など気体流通下あるいは雰囲気下で加熱処理してブロック状またはフレーク状の乾燥物を得てもよい。例えば箱型乾燥機、トンネル型乾燥機を用いる場合は、乾燥時間は好ましくは3~30時間、より好ましくは5~20時間である。なお、原料混合物の溶液やスラリーをバットなどに入れて乾燥する場合や、ケーキ状の原料混合物を乾燥する場合は、必要に応じて続く粉砕工程において粉砕可能な乾燥物が得られる方法であればよい。
また、後述の粉砕工程で得られた粉砕物または後述の成形工程で得られた成形物もしくは後述の担持工程で得られた担持物を加熱処理する場合には、箱型乾燥機、トンネル型乾燥機等を用いて、空気気流中や、窒素などの不活性ガス気流中など気体流通下あるいは雰囲気下で加熱処理して乾燥物とすることができる。
(3)粉砕工程
本発明における粉砕工程とは、原料混合物の加熱処理により得られた乾燥物を必要に応じて粉砕する工程である。本発明の製造方法においては、上述の乾燥工程で得られた乾燥物を所望の粒度になるように粉砕することが好ましい。
粉砕工程においては、粉砕方法に特に限定はなく、乾燥物の形態に適用させるように選べばよい。例えば各種ハンマーミル、ジェットミル、ボールミル等を用いて乾燥物を粉砕し、続く成形工程または担持工程において使用可能な所望の粒子径を有する粉砕物を得ればよい。この粉砕物を触媒前駆体とする。さらに粉砕後に乾燥または焼成してもよく、この場合は、粉砕後に乾燥または焼成したものを触媒前駆体とする。
粉砕工程を経て得られた粉砕物(触媒前駆体)の粒度は、特に限定されないが、後述の成形工程または担持工程において良好な成形性または担持性を維持するために0.1~500μmの範囲、好ましくは10~300μmの範囲である。
(4)成形工程または(5)担持工程
本発明における成形工程とは、触媒前駆体として粉砕工程で得られた粉砕物、粉砕物を再度乾燥した乾燥物あるいはこれらの焼成物を、一定の形状に成形する工程である。また、本発明における担持工程とは、触媒前駆体として粉砕工程で得られた粉砕物、粉砕物を再度乾燥した乾燥物あるいはこれらの焼成物を、一定の形状を有する不活性担体に担持する工程である。
触媒の成形方法としては、触媒前駆体を押し出し成形法や打錠成形法などにより一定の形状に成形する方法が挙げられる。これらの方法は適宜選択し、組み合わせて使用することもできる。また、触媒前駆体は粉体状の不活性物質と混合して成形工程に使用することもできる。
また、触媒の担持方法としては、例えば、特開平6-381号公報、特開平10-28877号公報などに記載の方法に準じて、不活性担体に触媒前駆体を担持させることができる。
触媒前駆体を担持させる不活性担体としては、アルミナ、シリカ、シリカ-アルミナ、チタニア、マグネシア、ステアタイト、コージェライト、シリカ-マグネシア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ゼオライト等が挙げられる。その形状についても特に制限はなく、球状、リング状、ペレット状、不定形など公知の形状のものが使用できる。担体が球状の場合、直径は2~10mmの範囲が好ましく、不活性担体に対する触媒活性成分の担持量は、20~300質量%の範囲が好ましい。
触媒形状に特に制限はなく、球状、円柱状、リング状、不定形などのいずれの形状でもよく、触媒の形状が球状の場合、直径は4~12mmの範囲が好ましい。もちろん球状の場合、真球である必要はなく実質的に球状であればよく、円柱状およびリング状についても同様に断面形状は真円である必要は無く、実質的に円形であればよい。
成形工程および担持工程においては、成形性を向上させるための成形助剤、担持状態を向上させるための担持補助剤、バインダーなどを用いることができる。具体例としては、エチレングリコール、グリセリン、プロピオン酸、マレイン酸、ベンジルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールまたはフェノール類の有機化合物や硝酸、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。
また、触媒には機械的強度を向上させる目的で、補強材として一般に知られているガラス繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維、炭素繊維、シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭化珪素、窒化珪素などの無機質繊維を添加してもよい。
これらの無機質繊維の添加方法については、特に制限はなく、触媒中に無機質繊維が均一に分散、含有されるようにし得るものであれば、いずれの方法も用いることができる。たとえば、触媒成分元素を含む原料混合物に無機質繊維を添加しても、あるいは触媒成分元素を含む原料混合物を乾燥、粉砕した後に得られる触媒前駆体に無機質繊維を添加してもよい。
また、触媒に適度な細孔を形成させる目的で気孔形成剤を添加してもよい。気孔形成剤としては、特に制限はなく、でんぷん、セルロース、尿素、ポリビニルアルコール、メラミンシアヌレートなどを使用することができる。
(6)焼成工程
本発明において焼成工程とは、成形工程で得られた成形体または担持工程で得られた担持体を高温で加熱処理する工程である。
焼成工程で用いる焼成炉には特に制限はなく、一般的に使用される箱型焼成炉あるいはトンネル型焼成炉等を用いればよい。焼成温度としては350~600℃、好ましくは400~550℃、更に好ましくは420~500℃、焼成時間としては1~15時間、好ましくは2~10時間である。焼成雰囲気としては、酸化雰囲気であれば良いが、分子状酸素含有ガス雰囲気が好ましい。分子状酸素含有ガスとしては空気が好適に用いられる。
次に、本発明のアクロレインおよびアクリル酸の製造方法について述べる。本発明のアクロレインおよびアクリル酸の製造方法は、本発明の製造方法により得られた触媒を用いて、プロピレンを接触気相酸化する方法であり、すなわち、本発明の製造方法により触媒を得る工程と、前記触媒を用いてプロピレンを接触気相酸化する工程と、を含む方法である。本発明におけるアクロレインおよびアクリル酸の製造方法では、本発明の製造方法により得られた触媒を反応器内の反応管に充填し、前記反応管内にプロピレンおよび分子状酸素を含有する原料ガスを導入することで、接触気相酸化反応を行うことが好ましい。
本発明におけるプロピレンを接触気相酸化してアクロレインおよびアクリル酸を製造するのに用いられる反応器については、固定床反応器である限り特に制限はないが、一般的に用いられる固定床多管式反応器やプレート式反応器などを使用することができ、固定床多管式反応器が好ましい。固定床多管式反応器内の反応管の内径は通常15~50mm、より好ましくは20~40mm、さらに好ましくは22~38mmである。
固定床多管式反応器の各反応管には、必ずしも単一の触媒を充填する必要はなく、公知である複数種の触媒をそれぞれ層(以下、「反応帯」と記することがある)をなすように充填することも可能である。例えば、担持率の異なる触媒を原料ガス入口側から出口側に向かって担持率が高くなるように充填する方法や、触媒の一部を不活性担体等で希釈する方法、あるいはこれらを組み合わせる方法を採用してもよい。この時、反応帯の数は、反応条件や反応器の規模により適宜決定されるが、反応帯の数が多すぎると触媒の充填作業が煩雑になるなどの問題が発生するため、工業的には2~6程度までが望ましい。
本発明における反応条件には特に制限はなく、この種の反応に一般に用いられている条件であればいずれも実施することが可能である。例えば、原料ガスとして、好ましくは1~15容量%、より好ましくは4~12容量%のプロピレン;好ましくは0.5~25容量%、より好ましくは2~20容量%の分子状酸素;好ましくは0~30容量%、より好ましくは0~25容量%の水蒸気;および残部が窒素などの不活性ガス;からなる混合ガスを用い、250~450℃の温度範囲で0.1~1.0MPaの圧力下、300~5,000Hr-1(標準状態)の空間速度で触媒に接触させればよい。
反応原料ガスとしてのプロピレンのグレードについては特に制限はなく、ポリマーグレードやケミカルグレードのプロピレンなどを用いることができる。また、プロパンの酸化脱水素反応によって得られるプロピレン含有の混合ガスも使用可能であり、この混合ガスに必要に応じ、空気または酸素などを添加して使用することもできる。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「質量%」および「質量部」を意味する。また、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(20~25℃)の条件下で行われた。また、実施例および比較例における転化率および収率は、次式によって求めた。
転化率[mol%]
=(反応したプロピレンのmol数)/(供給したプロピレンのmol数)×100
収率[mol%]
=(生成したアクロレインおよび生成したアクリル酸の合計mol数)/(供給したプロピレンのmol数)×100。
[実験1 コバルトの原料化合物に関する実験]
[硝酸コバルト六水和物の準備]
硝酸コバルト六水和物を、上述の調整工程の処理(保管場所の湿度、保管量(容器に充填される量)、保管期間)を、適宜組み合わせて行うことによって、表1に示される質量減量率Lの硝酸コバルト六水和物を準備した。
[質量減量率の測定]
質量減量率の測定のための試料として、アルミパンに熱重量分析に要する量(約20mg)の硝酸コバルト六水和物を精秤し(W:室温での硝酸コバルト六水和物質量)測定サンプルを準備した。その後、測定サンプルを熱重量分析(TG)装置(装置名:2000S、マックサイエンス社製)のサンプルホルダに設置した後、25℃以下の室温より毎分2℃の速度で300℃まで昇温し、試料の質量を温度の関数として測定した。測定された試料の質量変化から、硝酸コバルト六水和物の質量減量率L、および硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは下記式(a)、(b)により算出される。また、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lの割合Rは、下記式(c)により算出される。なお、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lと硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lとの和である。
(質量%)=(W-W)/W×100 (a)
(質量%)=(W-W)/W×100 (b)
R=L/(L+L)=L/L (c)
ここで、W=25℃での硝酸コバルト六水和物質量(mg)
=105℃到達時の硝酸コバルト六水和物質量(mg)
=300℃到達時の硝酸コバルト六水和物質量(mg)。
[触媒製造例1:触媒(1)の調製]
イオン交換水400部に硝酸コバルト(II)六水和物340部および硝酸ニッケル(II)六水和物82部を溶解し、CoおよびNi水溶液を調製した。このとき使用した硝酸コバルト六水和物の熱重量分析によって算出された硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは11.2質量%、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは66.9質量%であり、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lの割合Rは0.167であった。また、使用した硝酸ニッケル六水和物の熱重量分析によって算出された25℃から105℃までの硝酸ニッケル六水和物の質量減量率Lは14.7質量%、25℃から300℃までの硝酸ニッケル六水和物の質量減量率Lは41.4質量%であり、25℃から300℃までの硝酸ニッケル六水和物の質量減量率Lに対する、25℃から105℃までの硝酸ニッケル六水和物の質量減量率Lの割合Rは0.355であった。なお、硝酸コバルト六水和物以外の硝酸塩においても、同様の熱重量測定を行うことで、W=25℃での硝酸塩の質量(mg)、W=105℃到達時の硝酸塩の質量(mg)、W=300℃到達時の硝酸塩の質量(mg)を測定し、各式(a)~(c)により、25℃から105℃までの硝酸塩の質量減量率L、105℃から300℃までの硝酸塩の質量減量率L2、および、25℃から300℃までの硝酸塩の質量減量率Lに対する、25℃から105℃までの硝酸塩の質量減量率Lの割合Rがそれぞれ算出できる。
次に、硝酸第二鉄(硝酸鉄(III)九水和物)99部および硝酸ビスマス(III)五水和物119部を、65質量%の硝酸65部とイオン交換水300部とからなる硝酸水溶液に溶解し、FeおよびBi水溶液を調製した。このとき使用した硝酸第二鉄の熱重量分析によって算出された25℃から105℃までの硝酸第二鉄の質量減量率Lは28.5質量%、25℃から300℃までの硝酸第二鉄の質量減量率Lは63.5質量%であり、25℃から300℃までの硝酸第二鉄の質量減量率Lに対する、25℃から105℃までの硝酸第二鉄の質量減量率Lの割合Rは0.449であった。また、使用した硝酸ビスマス(III)五水和物の熱重量分析によって算出された25℃から105℃までの硝酸ビスマス(III)五水和物の質量減量率Lは13.0質量%、25℃から300℃までの硝酸ビスマス(III)五水和物の質量減量率Lは53.2質量%であり、25℃から300℃までの硝酸ビスマス(III)五水和物の質量減量率Lに対する、25℃から105℃までの硝酸ビスマス(III)五水和物の質量減量率Lの割合Rは0.244であった。別に、イオン交換水1500部にパラモリブデン(VI)酸アンモニウム四水和物400部を添加し、攪拌しながら溶解し、Mo水溶液を調製した。CoおよびNi水溶液に上記別途調製したFeおよびBi水溶液とMo水溶液とを滴下、混合し、次いで酸化チタン3部を混合し、次いで硝酸カリウム1.9部をイオン交換水30部に溶解した水溶液を添加し、懸濁液(原料混合物)を得た。得られた懸濁液を加熱、ケーキ状になるまで攪拌した後、自然冷却し、塊状の固形物を得た。
塊状の固形物をトンネル型乾燥器に搬入し、170℃で14時間乾燥後に、500μm以下に粉砕し、触媒前駆体の粉体を得た。転動造粒機に平均粒径5.0mmのアルミナ球状担体300部を投入し、次いで結合剤として20質量%の硝酸アンモニウム水溶液とともに触媒前駆体の粉体を徐々に投入して、触媒前駆体を担体に担持させた後、空気雰囲気下470℃で6時間焼成して触媒(1)を得た。この触媒(1)の酸素および担体を除く金属元素組成は「Mo12Bi1.3Co6.1Ni1.5Fe1.3Ti0.20.1」であった。
また、下記式(d)により算出した触媒(1)の担持率は130質量%であった。
担持率(質量%)=(触媒の質量-担体の質量)/(担体の質量)×100
式(d)。
[触媒製造例2:触媒(2)の調製]
触媒製造例2において、使用した硝酸コバルト六水和物の熱重量分析によって算出された硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは13.0質量%、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは68.8質量%であり、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lの割合Rは0.189であった。
触媒製造例2においては、得られる触媒中のコバルト組成が触媒(1)と同じになるよう、Lの値を考慮して硝酸コバルト六水和物を346部とし、CoおよびNi水溶液調製中の系内の総水分量が同じになるよう、硝酸コバルト六水和物の量およびそのLの値を考慮して、CoおよびNi水溶液の調製時に使用する水の量を394部としたこと以外は触媒製造例1と同様に触媒を調製し、触媒(2)を得た。
[触媒製造例3:触媒(3)の調製]
触媒製造例3において、使用した硝酸コバルト六水和物の熱重量分析によって算出された硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは14.0質量%、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは69.9質量%であり、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lの割合Rは0.200であった。
触媒製造例3においては、得られる触媒中のコバルト組成が触媒(1)と同じになるよう、Lの値を考慮して硝酸コバルト六水和物を349部とし、CoおよびNi水溶液調製中の系内の総水分量が同じになるよう、硝酸コバルト六水和物の量およびそのLの値を考慮して、CoおよびNi水溶液の調製時に使用する水の量を391部としたこと以外は触媒製造例1と同様に触媒を調製し、触媒(3)を得た。
[触媒製造例4:触媒(4)の調製]
触媒製造例4において、使用した硝酸コバルト六水和物の熱重量分析によって算出された硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは14.2質量%、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは70.1質量%であり、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lの割合Rは0.203であった。
触媒製造例4においては、得られる触媒中のコバルト組成が触媒(1)と同じになるよう、Lの値を考慮して硝酸コバルト六水和物を350部とし、CoおよびNi水溶液調製中の系内の総水分量が同じになるよう、硝酸コバルト六水和物の量およびそのLの値を考慮して、CoおよびNi水溶液の調製時に使用する水の量を390部としたこと以外は触媒製造例1と同様に触媒を調製し、触媒(4)を得た。
[触媒製造例5:触媒(5)の調製]
触媒製造例5において、使用した硝酸コバルト六水和物の熱重量分析によって算出された硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは15.8質量%、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは70.9質量%であり、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lの割合Rは0.223であった。
触媒製造例5においては、得られる触媒中のコバルト組成が触媒(1)と同じになるよう、Lの値を考慮して硝酸コバルト六水和物を355部とし、CoおよびNi水溶液調製中の系内の総水分量が同じになるよう、硝酸コバルト六水和物の量およびそのLの値を考慮して、CoおよびNi水溶液の調製時に使用する水の量を385部としたこと以外は触媒製造例1と同様に触媒を調製し、触媒(5)を得た。
[触媒製造例6:触媒(6)の調製]
触媒製造例6において、使用した硝酸コバルト六水和物の熱重量分析によって算出された硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは10.7質量%、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは66.2質量%であり、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lの割合Rは0.162であった。
触媒製造例6においては、得られる触媒中のコバルト組成が触媒(1)と同じになるよう、Lの値を考慮して硝酸コバルト六水和物を338部とし、CoおよびNi水溶液調製中の系内の総水分量が同じになるよう、硝酸コバルト六水和物の量およびそのLの値を考慮して、CoおよびNi水溶液の調製時に使用する水の量を402部としたこと以外は触媒製造例1と同様に触媒を調製し、触媒(6)を得た。
[触媒製造例7:触媒(7)の調製]
触媒製造例7において、使用した硝酸コバルト六水和物の熱重量分析によって算出された硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは16.5質量%、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lは72.1質量%であり、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lの割合Rは0.229であった。
触媒製造例7においては、得られる触媒中のコバルト組成が同じになるよう、Lの値を考慮して硝酸コバルト六水和物を358部とし、CoおよびNi水溶液調製中の系内の総水分量が同じになるよう、硝酸コバルト六水和物の量およびそのLの値を考慮して、CoおよびNi水溶液の調製時に使用する水の量を382部としたこと以外は触媒製造例1と同様に触媒を調製し、触媒(7)を得た。
[実験2 鉄、ビスマスおよびニッケルの原料化合物に関する実験]
次に、鉄、ビスマスおよびニッケルの原料について、実験1のコバルトの原料と同様にして、質量減量率Lに基づいて、各元素の原料の使用量を調整した触媒(8)~(10)を製造した。各元素の原料は、実験1の硝酸コバルト六水和物と同様にして、保管場所の湿度、保管量(容器に充填される量)、および保管期間の調整を、適宜組み合わせて行うことによって、表2に示される質量減量率Lの各原料(硝酸鉄九水和物、硝酸ビスマス(III)五水和物および硝酸ニッケル六水和物)を準備した。
[触媒製造例8:触媒(8)の調製]
触媒製造例8において、使用した硝酸鉄九水和物の熱重量分析によって算出された25℃から105℃までの硝酸鉄九水和物の質量減量率Lは38.2質量%、25℃から300℃までの硝酸鉄九水和物の質量減量率Lは81.0質量%であり、25℃から300℃までの硝酸鉄九水和物の質量減量率Lに対する、25℃から105℃までの硝酸鉄九水和物の質量減量率Lの割合Rは0.472であった。
触媒製造例8においては、得られる触媒中のFe組成が触媒(1)と同じになるよう、Lの値を考慮して硝酸鉄九水和物を109部とし、系内の総水分量が同じになるよう、硝酸鉄九水和物の量およびそのLの値を考慮して、FeおよびBi水溶液の調製時に使用する水の量を291部としたこと以外は触媒製造例1と同様に触媒を調製し、触媒(8)を得た。
[触媒製造例9:触媒(9)の調製]
触媒製造例9において、使用した硝酸ビスマス(III)五水和物の熱重量分析によって算出された25℃から105℃までの硝酸ビスマス(III)五水和物の質量減量率Lは18.6質量%、25℃から300℃までの硝酸ビスマス(III)五水和物の質量減量率Lは59.4質量%であり、25℃から300℃までの硝酸ビスマス(III)五水和物の質量減量率Lに対する、25℃から105℃までの硝酸ビスマス(III)五水和物の質量減量率Lの割合Rは0.313であった。
触媒製造例9においては、得られる触媒中のBi組成が触媒(1)と同じになるよう、Lの値を考慮して硝酸ビスマス(III)五水和物を126部とし、系内の総水分量が同じになるよう、硝酸ビスマス(III)五水和物の量およびそのLの値を考慮して、FeおよびBi水溶液の調製時に使用する水の量を294部としたこと以外は触媒製造例1と同様に触媒を調製し、触媒(9)を得た。
[触媒製造例10:触媒(10)の調製]
触媒製造例10において、使用した硝酸ニッケル六水和物の熱重量分析によって算出された25℃から105℃までの硝酸ニッケル六水和物の質量減量率Lは19.9質量%、25℃から300℃までの硝酸ニッケル六水和物の質量減量率Lは47.6質量%であり、25℃から300℃までの硝酸ニッケル六水和物の質量減量率Lに対する、25℃から105℃までの硝酸ニッケル六水和物の質量減量率Lの割合Rは0.418であった。
触媒製造例10においては、得られる触媒中のNi組成が触媒(1)と同じになるよう、Lの値を考慮して硝酸ニッケル六水和物を86部とし、系内の総水分量が同じになるよう、硝酸ニッケル六水和物の量およびそのLの値を考慮して、CoおよびNi水溶液の調製時に使用する水の量を397部としたこと以外は触媒製造例1と同様に触媒を調製し、触媒(10)を得た。
[反応器]
全長3000mm、内径25mmのステンレス製反応管およびこれを覆う熱媒体を流すためのシェルからなる反応器を鉛直方向に用意し、反応管の上部から得られた各触媒(1)~(10)を落下させ、層長が2500mmとなるように充填した。
[酸化反応]
実施例1~5および比較例1、2においては、それぞれ各触媒(1)~(7)を充填した反応器の下部より、プロピレン7.0容量%、酸素13容量%、水蒸気8.5容量%、残部が窒素からなる混合ガスを空間速度1600hr-1(標準状態)で導入し、熱媒体温度310℃にてプロピレン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。また、実施例6~8では、それぞれ触媒(8)~(10)を充填して同様の条件でプロピレン酸化反応を行った。その結果を表2に示す。
実験1(表1)の結果より、質量減量率Lが、11~16質量%である触媒(1)~(5)を用いた実施例1~5では、プロピレン転化率が97.0mol%以上、アクロレインおよびアクリル酸の収率が91.5mol%以上であることが示されている。一方、質量減量率Lが、11質量%未満または16質量%超である触媒(6)、(7)を用いた比較例1、2では、プロピレン転化率が97.0mol%未満、アクロレインおよびアクリル酸の収率が91.5mol%未満であることが示されている。よって、質量減量率Lが11~16質量%の硝酸コバルト六水和物を用いて製造した触媒(1)~(5)は、アクロレインおよびアクリル酸の製造において触媒活性および収率に優れており、当該触媒を用いることにより、アクロレインおよびアクリル酸が高収率で製造できることがわかった。
実験2(表2)の結果より、コバルト以外の原料の硝酸塩の質量減量率Lは、プロピレン転化率、並びにアクロレインおよびアクリル酸の収率に影響を及ぼさないか、硝酸コバルト六水和物の質量減量率Lに比べて影響が小さいことがわかった。
本出願は、2021年3月30日に出願された日本特許出願番号第2021-057249号に基づいており、その開示内容は、その全体が参照により本明細書に組みこまれる。

Claims (3)

  1. プロピレンを接触気相酸化してアクロレインおよびアクリル酸を製造するための触媒の製造方法であって、
    モリブデンの原料化合物、ビスマスの原料化合物およびコバルトの原料化合物を含む原料混合物を混合する工程を含み、
    前記コバルトの原料化合物が、硝酸コバルト六水和物であり、
    下記式(a)で示される、前記硝酸コバルト六水和物の熱重量測定における25℃から105℃までの質量減量率Lが、11~16質量%である、触媒の製造方法。
    (質量%)=(W-W)/W×100 (a)
    ここで、
    =25℃での硝酸コバルト六水和物質量(mg)
    =105℃到達時の硝酸コバルト六水和物質量(mg)
  2. 前記触媒が、下記一般式(1):
    Mo12BiCo (1)
    (式(1)中、Moはモリブデンであり、Biはビスマスであり、Coはコバルトであり、Aは鉄およびニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、Bはアルカリ金属、アルカリ土類金属およびタリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、Cはタングステン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびチタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、Dはリン、テルル、アンチモン、スズ、セリウム、鉛、ニオブ、マンガン、砒素、ホウ素および亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、a、b、c、d、eおよびfはBi、Co、A、B、CおよびDの原子数を表し、0<a≦10、0<b≦20、0<c≦20、0≦d≦10、0≦e≦30、0≦f≦4である(ただし、式(1)は酸化状態を表す酸素を除く)。)
    で表される複合酸化物を含む、請求項1に記載の触媒の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法により得られた触媒を用いて、プロピレンを接触気相酸化する、アクロレインおよびアクリル酸の製造方法。
JP2021207846A 2021-03-30 2021-12-22 アクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の製造方法ならびに該触媒を用いたアクロレインおよびアクリル酸の製造方法 Active JP7705342B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN202210216207.7A CN115141089B (zh) 2021-03-30 2022-03-07 丙烯醛和丙烯酸制造用催化剂的制造方法以及使用该催化剂的丙烯醛和丙烯酸的制造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021057249 2021-03-30
JP2021057249 2021-03-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022155470A JP2022155470A (ja) 2022-10-13
JP7705342B2 true JP7705342B2 (ja) 2025-07-09

Family

ID=83557664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021207846A Active JP7705342B2 (ja) 2021-03-30 2021-12-22 アクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の製造方法ならびに該触媒を用いたアクロレインおよびアクリル酸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7705342B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN118416906A (zh) * 2024-03-26 2024-08-02 宝鸡铭泰华科技开发有限公司 一种用于制备丙烯醛的催化剂及其制备方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001096162A (ja) 1999-10-01 2001-04-10 Sumitomo Chem Co Ltd 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法
JP2008207161A (ja) 2007-01-31 2008-09-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空気浄化材製造方法および空気浄化材および空気浄化装置および空気浄化方法
WO2013161703A1 (ja) 2012-04-23 2013-10-31 日本化薬株式会社 成型触媒の製造方法および該成型触媒を用いるジエンまたは不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸の製造方法
JP2018153773A (ja) 2017-03-21 2018-10-04 三菱ケミカル株式会社 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸製造用複合金属酸化物触媒並びそれを用いた不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001096162A (ja) 1999-10-01 2001-04-10 Sumitomo Chem Co Ltd 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法
JP2008207161A (ja) 2007-01-31 2008-09-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空気浄化材製造方法および空気浄化材および空気浄化装置および空気浄化方法
WO2013161703A1 (ja) 2012-04-23 2013-10-31 日本化薬株式会社 成型触媒の製造方法および該成型触媒を用いるジエンまたは不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸の製造方法
JP2018153773A (ja) 2017-03-21 2018-10-04 三菱ケミカル株式会社 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸製造用複合金属酸化物触媒並びそれを用いた不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022155470A (ja) 2022-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101642163B1 (ko) 기하학적 촉매 성형체의 제조 방법
EP2832718B1 (en) Process for producing acrylic acid using fixed-bed multitubular reactor
JP6294883B2 (ja) 不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸の製造方法
JP5628936B2 (ja) 不飽和カルボン酸製造用触媒および該触媒を用いる不飽和カルボン酸の製造方法
JP5628930B2 (ja) 不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸製造用触媒および該触媒を用いる不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸の製造方法
EP3263213B1 (en) Catalyst for manufacturing unsaturated aldehyde and/or unsaturated carboxylic acid and manufacturing method of same, and manufacturing method of unsaturated aldehyde and/or unsaturated carboxylic acid
US11254634B2 (en) Method for producing at least one of unsaturated aldehyde and unsaturated carboxylic acid and catalyst for producing at least one of unsaturated aldehyde and unsaturated carboxylic acid
JP4242597B2 (ja) 不飽和アルデヒド合成用触媒とその製造方法、およびその触媒を用いた不飽和アルデヒドの製造方法
US20160059220A1 (en) Catalyst For Producing Unsaturated Aldehyde And/or Unsaturated Carboxylic Acid, Method For Producing The Catalyst, And Method For Producing Unsaturated Aldehyde and/or Unsaturated Carboxylic Acid Using The Catalyst
JP2008264766A (ja) 酸化物触媒および該触媒を用いたアクロレインまたはアクリル酸の製造方法ならびに当該アクリル酸を用いた吸水性樹脂の製造方法
JP5548132B2 (ja) アクリル酸製造用の触媒および該触媒を用いたアクリル酸の製造方法
JP5420556B2 (ja) アクロレインおよび/またはアクリル酸製造用の触媒および該触媒を用いたアクロレインおよび/またはアクリル酸の製造方法
KR101558941B1 (ko) 메타크롤레인 및/또는 메타크릴산의 제조 방법
EP1350784A1 (en) Process for production of unsaturated aldehyde or acid using Mo-Bi-Fe catalyst
JP3939187B2 (ja) 不飽和アルデヒドの製造方法
JP7705342B2 (ja) アクロレインおよびアクリル酸製造用触媒の製造方法ならびに該触媒を用いたアクロレインおよびアクリル酸の製造方法
JP2020015043A (ja) メタクリル酸製造用触媒の製造方法
US9073845B2 (en) Method for producing acrolein and acrylic acid with a fixed-bed multitubular reactor
JP5542557B2 (ja) 不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造用触媒とその製造方法、および不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸の製造方法
JP6504774B2 (ja) アクリル酸製造用の触媒および該触媒を用いたアクリル酸の製造方法
JP2022067425A (ja) 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法
CN116033968B (zh) 丙烯酸制造用催化剂及其制造方法、以及丙烯酸的制造方法
CN115141089B (zh) 丙烯醛和丙烯酸制造用催化剂的制造方法以及使用该催化剂的丙烯醛和丙烯酸的制造方法
JP6033027B2 (ja) 不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸製造用触媒の製造方法とその触媒、ならびに不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸の製造方法
WO2007119607A1 (ja) メタクロレイン及び/又はメタクリル酸の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240905

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20250521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20250617

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20250627

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7705342

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150