以下、図面を参照しながら本開示の実施形態について詳細に説明する。以下の説明中の同一または類似の符号は、同一または類似の要素を示すものとし、重複する説明を省略する場合がある。
本開示の実施形態を説明する前に、本開示の実施形態の理解に役立つ光伝送システムの参考形態を説明する。
(光周波数伝送方式のための伝送システムの参考構成)
(参考構成1)
図1は、A局からB局へ周波数ν1の光周波数基準をファイバ伝送するための手法として、非特許文献1で考案された構成例を示す図である。
図1に示すように、A局は、基準光源110と、周波数シフタ111と、光干渉計112と、可変RF発振器115と、分周器116と、光検出器117と、位相比較器118と、位相同期回路119と、を備える。光干渉計112は、部分反射ミラー113と、ミラー114と、を備えている。
また、B局は、周波数シフタ150と、部分反射ミラー151と、RF発振器152とを備えている。B局の周波数シフタ150は、光ファイバ130を介してA局の光干渉計112と接続されている。
A局では、周波数ν1の基準光源110の出力を周波数シフタ150に通してから光干渉計112に入力する。光干渉計112では、光を部分反射ミラー113で2つに分割し、一方はミラー114で反射して参照光として光検出器117へ入力する。もう一方は光ファイバ130へ入力し、B局へ伝送する。B局では、伝送された光を周波数シフタ150に通してから部分反射ミラー151によって一部を反射し、同じ経路で反対方向に再び周波数シフタ150に通してから光ファイバ130へ入力し、A局へ返送する。
ここで、周波数シフタ111は、周波数2f1の可変RF発振器115の出力を分周器116で1/2の周波数にした信号で駆動し、通過した光に-f1の周波数シフトを与える。周波数シフタ150は、周波数f2のRF発振器152で駆動し、通過した光に+f2の周波数シフトを与える。また、光が光ファイバ130を片道分伝送することで、光周波数に+δのファイバ雑音が付加されるものとする。
A局において、返送光を光干渉計112に入力し、部分反射ミラー113によって反射した光を光検出器117へ入力する。光検出器117では、周波数ν1-f1の参照光と、周波数ν1-f1+2f2+2δの返送光が干渉することにより、周波数2f2+2δの干渉信号が検出される。位相比較器118は、光検出器117からの干渉信号と可変RF発振器115の出力(2f1)を入力とし、これらの周波数の差分を示す信号を出力する。位相同期回路119は、位相比較器118からの信号を用いることで、可変RF発振器115の周波数を干渉信号に一致させるように(2f1=2f2+2δとなるように)制御して、可変RF発振器115を駆動する。
このときB局において、部分反射ミラー151を通過した光の周波数はν1-f1+f2+δ=ν1となり、ファイバ雑音が補償された基準光源の周波数が再生される。
(参考構成2)
図2は、A局の構成は参考構成1と同じで、B局にリピータ光源を用いた構成例である。
図2に示すように、B局は、リピータ光源250と、光干渉計251と、光検出器254と、位相比較器255と、位相同期回路256と、RF発振器257と、を備えている。リピータ光源250は、通信波長帯の光を出力する波長可変光源である。位相同期回路256は、A局から伝送された光とリピータ光源250から出力する光とを位相同期させる信号をリピータ光源250へ供給する。これにより、リピータ光源250は、位相同期回路256からの信号に基づいて、周波数揺らぎを除去し、A局から伝送された光周波数とRF発振器257の周波数との和または差の周波数となる。光干渉計251は、部分反射ミラー252と、ミラー253と、を備えている。B局の光干渉計251は、光ファイバ130を介してA局の光干渉計112と接続されている。
B局において、A局からの伝送光を光干渉計251へ入力し、部分反射ミラー252によって一部反射した光を光検出器254へ入力する。また、周波数ν2のリピータ光源250の出力を光干渉計251に入力し、部分反射ミラー252で2つに分割し、一方はミラー253で反射して参照光として光検出器254へ入力する。もう一方は伝送光と同じ経路で反対方向にA局へ返送する。
光検出器254では、周波数ν2の参照光と、周波数ν1-f1+δのA局からの伝送光が干渉することにより、周波数ν2-(ν1-f1+δ)の干渉信号が検出される。位相比較器255は、光検出器254からの干渉信号と周波数2f2のRF発振器257の出力を入力とし、これらの周波数の差分を示す信号を出力する。位相同期回路256は、位相比較器255からの信号を用いることで、光検出器254で検出される干渉信号の周波数をRF発振器257の周波数に一致させるように[ν2-(ν1-f1+δ)=2f2となるように]、リピータ光源250の周波数を制御する。これにより、リピータ光源250の周波数はν2=ν1-f1+2f2+δとなり、参考構成1のB局において周波数シフタ1501を2回通ってA局へ返送される光の周波数と同じになる。
A局において、参考構成1と同様に、B局から光ファイバ130を介して返送された光を使って光検出器117で干渉信号の検出を行い、可変RF発振器115の周波数を制御して2f1=2f2+2δとする。
このときB局において、リピータ光源250の周波数はν2=ν1-(f2+δ)+2f2+δ=ν1+f2となり、ファイバ雑音が補償された基準光源の周波数が再生される(ν2の中に、雑音補償されたν1が再生される)。
(参考構成3)
図3は、B局の構成は参考構成2と同じで、A局の周波数シフタ111と光干渉計112の配置を入れ替えた構成例である。
図3に示すように、A局は、周波数ν1の基準光源110と、光干渉計112と、周波数シフタ111と、光検出器117と、RF発振器300と、位相比較器118と、位相同期回路119と、可変RF発振器115と、を備える。光干渉計112は、部分反射ミラー113と、ミラー114と、を備える。周波数シフタ111は、可変RF発振器115の出力で駆動する。A局の周波数シフタ111は、光ファイバ130を介してB局の光干渉計251と接続されている。
A局では、周波数ν1の基準光源110の出力を光干渉計112に入力し、部分反射ミラー113で2つに分割し、一方はミラー114で反射して参照光として光検出器117へ入力する。もう一方は周波数シフタ111を通して-f1の周波数シフトを与えてから光ファイバ130へ入力し、B局へ伝送する。
B局では、参考構成2と同様に、光検出器254において、リピータ光源250からの参照光とA局からの伝送光との干渉することによる、干渉信号の検出を行い、RF発振器257、位相比較器255および位相同期回路256を用いて、リピータ光源250の周波数をν2=ν1-f1+2f2+δとなるように制御して、周波数を制御したリピータ光源250からの光をA局へ返送する。
A局において、B局から返送された光を周波数シフタ111に通し、再び-f1の周波数シフトを与えてから光干渉計112へ入力し、部分反射ミラー113によって一部反射した光を光検出器117へ入力する。光検出器117では、周波数ν1の参照光と、周波数ν2-f1+δ=ν1-2f1+2f2+2δの返送光との干渉信号が検出される。ここで、f1<f2と設定した場合、この干渉信号の周波数は-2f1+2f2+2δとなる。
位相比較器118は、光検出器117からの干渉信号と周波数2f3のRF発振器300の出力を入力とし、これらの周波数の差分を示す信号を出力する。位相同期回路119は、位相比較器118からの信号を用いることで、可変RF発振器115の周波数を、干渉信号の周波数をRF発振器300の周波数に一致させるように(-2f1+2f2+2δ=2f3となるように)制御して、可変RF発振器115を駆動する。したがって、f1=f2-f3+δとなる。
このときB局において、リピータ光源250の周波数はν2=ν1-f1+2f2+δ=ν1-(f2-f3+δ)+2f2+δ=ν1+f2+f3となり、ファイバ雑音が補償された基準光源の周波数が再生される。
以上が、参考となる基本的な光周波数伝送方式であるが、他にも、参考構成3のA局と参考構成1のB局の組み合わせや、参考構成2および3においてB局に周波数シフタを置く方式もある。また、参考構成3では、B局で再生される光周波数にA局のRF発振器300の周波数が付加されるが、A局とB局間でのRF発振器の精度のずれをキャンセルする方式も考案されている(たとえば非特許文献2参照)。
(光干渉計の構成)
光干渉計の構成としては、種々の構成を用いることができる。図4(a)は、参考構成1~3における光干渉計112(または、光干渉計251)の構成である。光干渉計112は、部分反射ミラー113と、ミラー114とを備える。図4(a)の空間光学系の他に、図4(b)のファイバ光学系や、図4(c)の平面光波回路を用いた構成がある。図4(b)は、図4(a)の部分反射ミラー113の代替としてカプラ400を用いた構成である。図4(c)は、図4(a)の部分反射ミラー113およびミラー114の機能を2つカプラ401および402を組み合わせて実装し、さらに光検出器117を差動光検出器403で実装した構成である。図4(c)の平面光波回路の干渉計は、マッハ・ツェンダー型などいくつかの構成が考案されている。また、長距離のファイバ伝送の場合は、伝送光と返送光の偏波を直交させる方式が多く用いられ、光干渉計の部分反射ミラー113の代わりに偏光ビームスプリッタが、ミラー114の代わりにファラデーミラーが利用される。また、一般に光ファイバ130はシングルーモードファイバが用いられるため、光干渉計を動作させるために偏波制御器(不図示)がさらに用いられる。(たとえば、非特許文献2参照)
上述した参考構成は、光干渉計および光検出器により検出したファイバ雑音を、周波数シフタにより補償する方式である。光周波数に付加されたファイバ雑音を電気的な干渉信号によって取り出し、電気回路によってフィードバック信号へ変換し、ファイバ雑音の逆位相成分を伝送光に付加する、という一連の制御を行うため、光検出器、位相比較器、位相同期回路といった装置の複雑なパラメータ調整が必要であり、また、電気回路が発生する雑音が光周波数に影響を与えるという課題もある。さらに、従来技術では電気回路によってフィードバックを行うため、用いる電気回路により補償できる周波数帯域に制限があった。
また、光時計が出力する光周波数基準は可視光帯が多く、一方で遠距離のファイバ伝送に用いる光は通信波長帯であるため、光周波数変換が必要である。一般には光周波数コムが用いられるが、ストロンチウム光格子時計では、時計光波長698nmの2倍波長1397nmの伝送光を用いることで、時計系と伝送系を第二高調波発生のみで接続する方式もある(たとえば非特許文献2参照)。このような技術では、光時計の装置とファイバ伝送の装置を独立に構築し、さらに周波数変換の装置を使って接続するため、全体の実験装置が大きくなるという課題がある。
さらに、光通信システムでは、EDFA等のファイバドープ型の光増幅器を併用することが難しいという課題もあった。EDFA等の光増幅器は、反射光を抑制する必要があることから通常では増幅器内に光アイソレータが組み込まれており、入力から出力への一方向のみである。一方、周波数シフタでの周波数の離調量は、電気回路の応答する周波数範囲で行う必要があることから、大きくても数百MHz程度~数GHz程度である。このため、往路と復路での光の周波数はほぼ同じであり、EDFA等のファイバドープ型の光増幅器を用いると、同じ光路に反射光やリピータ光を返送することができない。このため、双方向型のEDFAといった特殊な光増幅器を用いる方法が検討されている(たとえば非特許文献3参照)。しかしながら、光アイソレータを増幅器内に配置することができないため、システム全体として反射光に対して脆弱になってしまうという課題があった。
さらに、再生中継を繰り返す数珠つなぎでの配信となるため、一つの光周波数基準を別の複数拠点に配信(マルチキャスト)することが困難であった。従来方式ではマルチキャストする場合、基準光を複数に光分岐し、分岐した各基準光に周波数シフタを設け、各拠点からの返送光を用い周波数シフタへのフィードバックを行う必要がある。しかしながら、周波数シフタでシフトできる周波数は限られているため、各周波数シフタでの周波数シフト量はほぼ同じ帯域になってしまう。このため、フィードバック信号の干渉による相互影響が課題となる。また、基準光を複数に光分岐する必要があるため、マルチキャストする拠点数が多くなると十分な光強度を得ることができなくなるという課題があった。
以下、本開示の種々の実施形態を説明する。本開示一実施形態に係る光伝送システムは、電気信号を用いた光の位相・周波数雑音の補償とは異なり、光の位相共役変換を利用して雑音を補償し、簡便な装置で高精度な光周波数基準のファイバ伝送を実現する光伝送システムに関する。一実施形態にかかる光伝送システムは、通信波長帯でのファイバ伝送の機能と、通信波長帯と可視光帯の波長変換の機能を同時に行い得るものであり、可視光帯の光時計をファイバネットワーク化するのに好適である。さらに、一実施形態にかかる光伝送システムは、複数の波長の光に対する一括位相共役変換を用いることで、複数の拠点に高精度な光周波数基準を伝送することを可能にし得る。このような光伝送システムは、複数拠点への光周波数基準配信網と、複数拠点間の信号伝送網とを独立に運用でき、光時計をファイバネットワーク化するのに好適である。
(位相共役変換器の構成)
図5に、位相共役変換器の構成を示す。図5の位相共役変換器500は、分極反転ニオブ酸リチウム(Periodically Poled Lithium Niobate:PPLN)導波路501と、ダイクロイックミラー502とを備える。位相共役変換器500は、以下に説明する本開示の種々の実施形態の光伝送システムに、位相共役変換器510として含まれる。位相共役変換器500は、周波数νsのシグナル光と周波数νpのポンプ光を入力すると、これらの2つの光はダイクロイックミラー502で合波されてからPPLN導波路501に入力され、差周波発生によりνi=νp-νsの位相共役光が出力されるように構成されている。シグナル光とポンプ光の周波数関係がνp≒2νsの(近似的に等しい関係)場合、位相共役光とシグナル光は周波数が近く(νi≒νs)、位相が共役関係となる。ここでシグナル光と周波数の異なる周波数νs2の第二のシグナル光をポンプ光と同時にPPLN導波路501に入力すると差周波発生によりνi2=νp-νs2の第二の位相共役光が出力される。同様に、第三、第四と複数の周波数の異なるシグナル光を入力すると、それに応じた複数の位相共役光を出力させることができる。
以下の実施形態では、位相共役変換光は、PPLNに代表される二次の非線形光学媒質を用いた形態として記述するが、位相共役変換光の生成は二次の非線形光学媒質に限らず、高非線形光ファイバやSi、SiN、半導体などの三次の非線形光学媒質を用いてもよい。
これまで、光情報通信において位相共役変換を利用した例としては、波長分散の補償を行うことでパルス信号の再生や、変調信号の雑音補償などが考案されている(たとえば非特許文献3参照)が、光周波数基準の雑音補償に利用された例はない。
また、光情報通信において、光ファイバでの信号を伝送した後、ホモダイン検出や位相感応光増幅(Phase Sensitive Amplifier:PSA)を行うために、伝送された信号光と位相同期した局発光が必要となる場合がある。しかしながら、従来方式では、光位相同期回路(たとえば非特許文献4参照)や光注入同期(たとえば非特許文献5参照)を用いて、伝送されてきた信号光と局発光とを同期させる手法が用いられてきた。伝送されてきた信号光には、光ファイバ中の雑音を含むため、ホモダイン検出や位相感応光増幅の性能を最大限引き出すことはできなかった。また、光ファイバ中の雑音を含む信号の一部から位相同期を行う必要があり、伝送路中の光ファイバに生じる瞬時的な雑音も補償する必要があり、構成が複雑で高い周波数帯域が必要なため、安定的に動作させることは困難であった。
(第1の実施形態)
図6Aは、本開示の第1の実施形態にかかる光伝送システムを示す図である。本実施形態の光伝送システムは、A局において位相共役変換器を用い、B局において参考構成2および3と同様にリピータ光源を用いた構成であり、A局からB局へ通信波長帯の周波数ν1の光周波数基準を伝送する構成である。
図6Aに示すように、A局は、周波数ν1の基準光源110と、第二高調波発生器610と、位相共役変換器510と、ミラー611と、を備える。位相共役変換器510は、PPLN導波路511と、ダイクロイックミラー512と、を備えている。B局は、リピータ光源250と、光干渉計251と、光検出器254と、位相比較器255と、位相同期回路256と、RF発振器257と、を備えている。光干渉計251は、部分反射ミラー252と、ミラー253と、を備えている。B局の光干渉計251は、光ファイバ130を介してA局の位相共役変換器510と接続されている。
B局では、周波数ν2のリピータ光源250の出力を光干渉計251へ入力し、光を部分反射ミラー252で2つに分割し、一方はミラー253で反射して参照光として光検出器254へ入力する。もう一方は光ファイバ130へ入力し、A局へ伝送する。A局に伝送された光には、ファイバ雑音+δが付加される。
A局において、B局から光ファイバ130を介して伝送された光を位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数ν1の基準光源110からの光を第二高調波発生器610に入力し、周波数2ν1に変換した光を、位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510からは、周波数2ν1-(ν2+δ)の位相共役光が出力される。位相共役変換器510からの光をミラー611で反射し、同じ経路で位相共役変換器510を通して光ファイバ130へ入力し、B局へ返送する。ミラー611から位相共役変換器510へ向かう反射光はポンプ光と向きが逆であるため、位相共役変換されずに位相共役変換器510を通過する。光ファイバ130を介してB局へ返送された光には、再びファイバ雑音+δが付加されるため、ファイバ雑音が補償された周波数2ν1-ν2の光がB局に届く。なお、位相共役変換器510から出力される光に関する光パスについて、本実施形態では、位相共役変換器510により発生された位相共役光をA局からB局へ返送するために、A局において位相共役変換器510から出力された位相共役光をミラー611で反射して位相共役変換器510へ再び入射する光パスを説明した。しかし、図13Aを参照して後述するように、位相共役変換器510から出力された位相共役光が位相共役変換器510に再び入射することなく(位相共役変換器510を迂回して)光ファイバ130に入射する光パスを構成することもできる。光パスは、空間光学系、ファイバ光学系、平面光波回路、またはこれらのうちの複数の組み合わせにより構成することができる。
B局において、A局から光ファイバ130を介して返送された光を光干渉計251へ入力し、部分反射ミラー252によって一部反射した光を光検出器254へ入力する。リピータ光源250の周波数をν2>ν1と設定した場合、光検出器254では、周波数ν2の参照光と、周波数2ν1-ν2の返送光とが干渉することにより、周波数2ν2-2ν1の干渉信号が検出される。
位相比較器255は、光検出器254からの干渉信号と、周波数2fのRF発振器257の出力を入力とし、これらの周波数の差分を示す信号を出力する。位相同期回路256は、位相比較器255からの信号を用いることで、光検出器254で検出される干渉信号の周波数をRF発振器257の周波数に一致させるように(2f=2ν2-2ν1となるように)、リピータ光源250の周波数を制御する。
したがって、リピータ光源250の周波数はν2=ν1+fとなり、B局において、ファイバ雑音が補償された基準光源110の周波数が再生される。
(変形例1)
図6Bは、図6Aに示した光伝送システムの構成の変形例を示す図である。図6Aに示した光伝送システムの構成では、B局から伝送したリピータ光自身が光ファイバ130を往復した戻り光が、A局から光ファイバ130を介して返送された光に混入していると、B局での干渉信号に不要な成分が重畳してしまう可能性がある。そこで、図6Bに示すように、B局の構成を変更している。B局は、周波数ν2のリピータ光源250と光干渉計251との間に、周波数シフタ651および部分反射ミラー652を備える。部分反射ミラー652により分岐したリピータ光源250の出力の一方を光干渉計251へ入力する。部分反射ミラー652により分岐したリピータ光源250の出力の他方を周波数シフタ651へ入力する。周波数ν2+αにシフトした周波数シフタ651の出力を光干渉計251へ入力する。部分反射ミラー652から光干渉計251へ入力された周波数ν2の光を、部分反射ミラー252を透過して光ファイバ130へ入力し、A局へ伝送する。周波数シフタ651から光干渉計251へ入力した周波数ν2+αの光を参照光として光検出器254へ入力する。A局から光ファイバ130を介して返送された光を光干渉計251へ入力し、部分反射ミラー252で反射して光検出器254へ入力する。光検出器254では、周波数ν2+αの参照光と、周波数2ν1-ν2の返送光との干渉信号が検出される。この干渉の信号の周波数は、2ν2-2ν1+αとなることから、光ファイバ130を往復したリピータ光の既知の周波数αを干渉信号の周波数から電気領域でのフィルタ等(不図示)により分離できる。このようにして、図6Aの構成と同様に、位相比較器255は、周波数2ν2-2ν1の干渉信号と、周波数2fのRF発振器257の出力を入力とし、これらの周波数の差分を示す信号を出力することになる。
(変形例2)
図6Cは、図6Aに示した光伝送システムの構成の変形例を示す図である。図6Cに示すように、A局の構成を変更している。A局は、光ファイバ130と位相共役変換器510との間にダイクロイックミラー613と、位相共役変換器510の出力側に周波数シフタ612とを備える。A局において、B局から光ファイバ130を介して伝送された光をダイクロイックミラー613に入力する。位相共役変換器510からは、周波数2ν1-(ν2+δ)の位相共役光が出力される。位相共役変換器510からの光を周波数シフタ612へ入力する。周波数2ν1-(ν2+δ)+αにシフトした周波数シフタ612の出力をダイクロイックミラー613に入力し、光ファイバ130を介してB局へ返送する。B局において、光検出器254では、リピータ光源250からの周波数ν2の参照光と、周波数2ν1-ν2+αの返送光とが干渉することにより、周波数2ν2-2ν1-αの干渉信号が検出される。変形例1と同様に、リピータ光自身が光ファイバ130を往復した戻り光が、A局から光ファイバ130を介して返送された光に混入しても、光ファイバ130を往復したリピータ光の既知の周波数αを干渉信号の周波数から電気領域でのフィルタ等(不図示)により分離できる。このようにして、図6Bの構成と同様に、位相比較器255は、周波数2ν2-2ν1の干渉信号と、周波数2fのRF発振器257の出力を入力とし、これらの周波数の差分を示す信号を出力することになる。
(変形例3)
図6Dは、図6Aに示した光伝送システムの構成の変形例を示す図である。図6Dに示すように、B局の構成を変更している。B局は、周波数ν2のリピータ光源250と光干渉計251との間に部分反射ミラー263と、部分反射ミラー252と光検出器254との間に和周波発生器655およびダイクロイックミラー656と、部分反射ミラー653とダイクロイックミラー656との間に第二高調波発生器654とを備える。部分反射ミラー653により2分岐したリピータ光源250の出力の一方を光干渉計251へ入力し、他方を第二高調波発生器654へ入力する。光干渉計251へ入力された周波数ν2の光を部分反射ミラー252で2つに分割し、一方はミラー253で反射して和周波発生器655へ入力し、もう一方は光ファイバ130へ入力し、A局へ伝送する。A局から光ファイバ130を介して届く周波数2ν1-ν2の返送光を光干渉計251へ入力し、部分反射ミラー252によって一部反射した光を和周波発生器655へ入力する。和周波発生器655から周波数2ν1-ν2の返送光と周波数ν2の光との和周波が出力される。周波数2ν1の和周波発生器655の出力をダイクロイックミラー656へ入力する。また、周波数2ν2の第二高調波発生器654の出力をダイクロイックミラー656へ入力する。ダイクロイックミラー656を通して光検出器254へ入力された周波数2ν1の和周波発生器655の出力と、ダイクロイックミラー656により反射されて光検出器254へ参照光として入力された第二高調波発生器654の出力とを光検出器254に入力する。光検出器254では、周波数2ν2の参照光と周波数2ν1の光とが干渉することにより、周波数2ν2-2ν1の干渉信号が検出される。位相比較器255は、光検出器254からの干渉信号と、周波数2fのRF発振器257の出力を入力とし、これらの周波数の差分を示す信号を出力する。位相同期回路256は、位相比較器255からの信号を用いることで、光検出器254で検出される干渉信号の周波数をRF発振器257の周波数に一致させるように(2f=2ν2-2ν1となるように)、リピータ光源250の周波数を制御する。このようにして、リピータ光源250の周波数はν2=ν1+fとなり、B局において、ファイバ雑音が補償された基準光源110の周波数が再生される。
(変形例4)
図6Eは、図6Aに示した光伝送システムの構成の変形例を示す図である。図6Eに示すように、B局の構成を変更している。B局は、部分反射ミラー252と光検出器254との間に和周波発生器655およびダイクロイックミラー656と、位相同期回路256に出力を入力とする局発光源657と、局発光源657とダイクロイックミラー656との間に部分反射ミラー658とを備える。B局では、周波数ν2のリピータ光源250の出力を光干渉計251へ入力し、光を部分反射ミラー252で2つに分割し、一方はミラー253で反射して参照光として光検出器254へ入力する。もう一方は光ファイバ130へ入力し、A局へ伝送する。A局から光ファイバ130を介して届く周波数2ν1-ν2の返送光を光干渉計251へ入力し、部分反射ミラー252によって一部反射した光を和周波発生器655へ入力する。和周波発生器655から周波数2ν1-ν2の返送光と周波数ν2の光との和周波が出力される。周波数2ν3の局発光源657の出力を、部分反射ミラー658により2つに分割し、一方をダイクロイックミラー656へ入力し、もう一方を基準光源110の周波数を再生した光として出力する。ダイクロイックミラー656を通して光検出器254へ入力された周波数2ν1の和周波発生器655の出力と、ダイクロイックミラー656により反射されて光検出器254へ参照光として入力された局発光源657の出力とを光検出器254に入力する。光検出器254では、周波数2ν3の参照光と周波数2ν1の光とが干渉することにより、周波数2ν3-2ν1の干渉信号が検出される。位相比較器255は、光検出器254からの干渉信号と、周波数2fのRF発振器257の出力を入力とし、これらの周波数の差分を示す信号を出力する。位相同期回路256は、位相比較器255からの信号を用いることで、光検出器254で検出される干渉信号の周波数をRF発振器257の周波数に一致させるように(2f=2ν3-2ν1となるように)、局発光源657の周波数ν3を制御する。このようにして、局発光源657の周波数はν3=ν1+fとなり、B局において、ファイバ雑音が補償された基準光源110の周波数が再生される。なお、図6EのB局の構成におけるリピータ光源250は、A局から伝送された光との位相同期する波長可変光源である必要はない。したがって、リピータ光源250の代わりに後述するようなピックアップ光源が用いられてもよい。
(変形例5)
図6Fは、図6Aに示した光伝送システムの構成の変形例を示す図である。図6Eに示すように、図6Eに示した光伝送システムのB局の構成において、部分反射ミラー658とダイクロイックミラー656との間に周波数ν3の第二高調波発生器654を追加した構成である。周波数ν3の局発光源657の出力を、部分反射ミラー658により2つに分割し、一方を第二高調波発生器654へ入力し、もう一方を基準光源110の周波数を再生した光として出力する。周波数2ν3の第二高調波発生器654の出力を、ダイクロイックミラー656を介して、光検出器254へ参照光として入力する。光検出器254では、周波数2ν3の参照光と周波数2ν1の光とが干渉することにより、周波数2ν3-2ν1の干渉信号が検出される。このようにして、図6Eの示した光伝送システムと同様に、図6Fの図6Eの示した光伝送システムのB局において、ファイバ雑音が補償された基準光源110の周波数が再生される。なお、図6Eの構成と同様に、図6FのB局の構成におけるリピータ光源250の代わりに後述するようなピックアップ光源が用いられてもよい。
(第2の実施形態)
図7は、本開示の第2の実施形態にかかる光伝送システムを示す図である。本実施形態の光伝送システムは、A局の基準光源を可視光帯として、B局ではリピータ光源と電気回路を使わずに基準光源を再生する構成である。
図7に示すように、A局は、周波数2ν1の基準光源710と、位相共役変換器510と、ミラー611と、を備えている。位相共役変換器510は、PPLN導波路511と、ダイクロイックミラー512と、を備えている。B局は、ピックアップ光源750と、光干渉計251と、和周波発生器751と、を備えている。光干渉計251は、部分反射ミラー252と、ミラー253と、を備えている。ピックアップ光源750は、通信波長帯の光(ピックアップ光ともいう)を出力する光源である。B局の光干渉計251は、光ファイバ130を介してA局の位相共役変換器510と接続されている。図2を参照して上述した参考構成2の構成と異なり、本実施形態のB局は、B局からA局へ伝送する光とA局から伝送された光との位相同期のための機構を有さない。和周波発生器751は、ピックアップ光源750の周波数揺らぎを含む光と、A局から伝送された光に含まれるピックアップ光源750の周波数揺らぎと逆位相の光との和周波を発生させることで、ピックアップ光源750の周波数揺らぎを除去することができる。
B局では、周波数ν2のピックアップ光源750の出力を光干渉計251へ入力し、光を部分反射ミラー252で2つに分割し、一方はミラー253で反射して和周波発生器751へ入力する。もう一方は光ファイバ130へ入力し、A局へ伝送する。A局に伝送された光には、ファイバ雑音+δが付加される。
A局において、B局から光ファイバ130を介して伝送された光を位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の基準光源710からの光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510からは、周波数2ν1-(ν2+δ)の位相共役光が出力される。位相共役変換器510からの光をミラー611で反射し、同じ経路で位相共役変換器510を通して光ファイバ130へ入力し、B局へ返送する。ミラー611から位相共役変換器510へ向かう反射光はポンプ光と向きが逆であるため、位相共役変換されずに位相共役変換器510を通過する。光ファイバ130を介してB局へ返送された光には、再びファイバ雑音+δが付加されるため、ファイバ雑音が補償された周波数2ν1-ν2の光がB局に届く。
B局において、A局から光ファイバ130を介して返送された光を光干渉計251へ入力し、部分反射ミラー252によって一部反射した光を和周波発生器751へ入力する。和周波発生器751では、部分反射ミラー252により分割されたピックアップ光源750からのピックアップ光とA局からの返送光との和周波である周波数2ν1の光が出力されるため、ファイバ雑音の補償と同時にピックアップ光の雑音も補償された、基準光源710の周波数が再生される。
(第3の実施形態)
図8は、本開示の第3の実施形態にかかる光伝送システムを示す図である。本実施形態の光伝送システムは、図7を参照して説明した第2の実施形態にかかる光伝送システムにおいて、ピックアップ光と返送光の偏波を直交させることで、反射光の影響を抑制し、より高精度に光周波数基準を再生する構成ある。
図8に示すように、A局は、周波数2ν1の基準光源710と、位相共役変換器510と、λ/4位相板811と、ミラー611と、を備えている。位相共役変換器510は、PPLN導波路511と、ダイクロイックミラー512と、を備えている。B局は、ピックアップ光源750と、光干渉計251と、和周波発生器751と、を備えている。光干渉計251は、偏光ビームスプリッタ852と、λ/4位相板851と、ミラー253と、を備えている。ピックアップ光源750は、通信波長帯の光(ピックアップ光ともいう)を出力する光源である。B局の光干渉計251は、光ファイバ130を介してA局の位相共役変換器510と接続されている。
B局では、周波数ν2のピックアップ光源750の出力を光干渉計251へ入力し、光を偏光ビームスプリッタ852で偏光分離し、一方はλ/4位相板851を通過させた後にミラー253で反射して再度λ/4位相板851を通過させて和周波発生器751へ入力する。もう一方は光ファイバ130へ入力し、A局へ伝送する。A局に伝送された光には、ファイバ雑音+δが付加される。ミラー253で反射して和周波発生器751へ入力するピックアップ光は、λ/4位相板851を2回通過することで光の偏光状態が90°回転している。
A局において、B局から光ファイバ130を介して伝送された光を位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の基準光源710からの光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510からは、周波数2ν1-(ν2+δ)の位相共役光が出力される。位相共役変換器510からの光の偏光状態を90°回転させた後、同じ経路で位相共役変換器510を通して光ファイバ130へ入力し、B局へ返送する。具体的には、位相共役変換器510からの位相共役光をλ/4位相板811を通過させた後、ミラー611で反射し再度λ/4位相板811を通過させることで光の偏光状態を90°回転させることができる。λ/4位相板811とミラー611との組み合わせの代わりに、ファラデーローテータと反射ミラーを組み合わせたファラデーミラーを用いても良い。λ/4位相板811から位相共役変換器510へ向かう反射光は、ポンプ光と向きが逆であることに加え、光の偏光状態が90°回転しているため、位相共役変換されずに位相共役変換器510を通過する。PPLN導波路に代表される非線形光学媒質は、偏波依存性を有し、「ある特定の偏波」に対してのみ位相共役光を発生させるからである。一方、PPLN導波路の端面やPPLN導波路の後段の要素(レンズ、ミラー、光ファイバ等の光導波路の端面)からの反射光が、「ある特定の偏波」である場合には、位相共役変換器510の中で不要な位相共役変換を生じさせる可能性がある。図7に示した構成においては、例えば位相共役変換器510の中でポンプ光の反射光があると、B局へ返送される返送光と相互作用することで不要な位相共役光が生じる可能性があるが、本実施形態では返送光との光の偏光状態が90°回転しているため、もしポンプ光の反射光があったとしても、不要な変換光を抑制することができる。光ファイバ130を介してB局へ返送された光には、再びファイバ雑音+δが付加されるため、ファイバ雑音が補償された周波数2ν1-ν2の光がB局に届く。
B局において、A局から光ファイバ130を介して返送された光を光干渉計251へ入力し、偏光ビームスプリッタ852によって一部反射した光を和周波発生器751へ入力する。ただし、本実施形態においては、A局から返送された光(位相共役光とピックアップ光の反射光)を、偏光ビームスプリッタ852へ入力し、ピックアップ光源750からのピックアップ光と偏波分離した後、和周波発生器751へ入力する。光ファイバ130を伝送中にノイズが付加されるピックアップ光の反射光は、ピックアップ光源750からのピックアップ光と分離される。和周波発生器751において、A局から返送された位相共役光とピックアップ光源750からのピックアップ光との和周波が生じる。第2の実施形態においては、例えばピックアップ光の反射光が存在すると、返送光に対しての雑音となる可能性があるが、本実施形態ではピックアップ光と返送光とは光の偏光状態が90°回転しているため、もしピックアップ光の反射光があったとしても、不要な雑音を抑制することができる。和周波発生器751では、部分反射ミラー252により分割されたピックアップ光源750からの光ピックアップ光とA局からの返送光の和周波である周波数2ν1の光が出力されるため、ファイバ雑音の補償と同時にピックアップ光の雑音も補償され、基準光源の周波数が再生される。
(第4の実施形態)
図9は、本開示の第4の実施形態にかかる光伝送システムを示す図である。本実施形態の光伝送システムは、図7を参照して説明した第2の実施形態にかかる光伝送システムにおいて、双方向の光増幅器を適用することで、光ファイバ等の伝送媒質の損失に伴う光強度の補償を行い、より高精度に光周波数基準を再生する構成である。
図9に示すように、A局は、周波数2ν1の基準光源710と、位相共役変換器510と、ミラー611と、を備えている。位相共役変換器510は、PPLN導波路511と、ダイクロイックミラー512と、を備えている。B局は、ピックアップ光源750と、光干渉計251と、和周波発生器751と、を備えている。光干渉計251は、部分反射ミラー252と、ミラー253と、を備えている。ピックアップ光源750は、通信波長帯の光(ピックアップ光ともいう)を出力する光源である。B局の光干渉計251は、光ファイバ130を介してA局の位相共役変換器510と接続されている。光ファイバ130には、双方向光増幅器930が挿入されている。
B局では、周波数ν2のピックアップ光源750の出力を光干渉計251へ入力し、光を部分反射ミラー252で2つに分割し、一方はミラー253で反射して和周波発生器751へ入力する。もう一方は光ファイバ130へ入力し、A局へ伝送する。A局への伝送路の途中で、双方向光増幅器930によりピックアップ光を増幅する。A局に伝送された光にはファイバ雑音+δと、双方向光増幅器930で生じるファイバ雑音+Δが付加される。
A局において、B局から光ファイバ130を介して伝送された光を位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の基準光源710からの光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510からは、周波数2ν1-(ν2+δ+Δ)の位相共役光が出力される。位相共役変換器510からの光をミラー611で反射し、同じ経路で位相共役変換器510を通して光ファイバ130へ入力し、B局へ返送する。ミラー611から位相共役変換器510へ向かう反射光はポンプ光と向きが逆であるため、位相共役変換されずに位相共役変換器510を通過する。光ファイバ130を介してB局へ返送された光には、再びファイバ雑音+δと双方向光増幅器930で生じるファイバ雑音+Δとが付加されるため、ファイバ雑音が補償された周波数2ν1-ν2の光がB局に届く。
B局において、A局から光ファイバ130を介して返送された光を光干渉計251へ入力し、部分反射ミラー252によって一部反射した光を和周波発生器751へ入力する。和周波発生器751では、部分反射ミラー252により分割されたピックアップ光源750からのピックアップ光とA局からの返送光との和周波である周波数2ν1の光が出力されるため、ファイバ雑音の補償と同時にピックアップ光の雑音も補償された、基準光源710の周波数が再生される。
ここで、図10を参照して、双方向光増幅器930の構成例を説明する。図10Aは、エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)等のファイバドープ型の光増幅器を用いた双方向光増幅器の構成例を示す。図10Bは双方向光増幅器930を構成するEDFAの構成例を示す。図10Aに示すように、双方向光増幅器930は、双方向ポート1001および1002と、波長多重(WDM)カプラ1003、1004、1005および1006と、EDFA1007とを備えている。WDMカプラ1003は、双方向ポート1001からの光をWDMカプラ1004へ向けて出力し、およびWDMカプラ1005からの光を双方向ポート1001へ向けて出力するように構成されている。WDMカプラ1004は、WDMカプラ1003からの光をEDFA1007へ向けて出力し、およびWDMカプラ1006からの光をEDFA1007へ向けて出力するように構成されている。WDMカプラ1005は、WDMカプラ1006からWDMカプラ1004を介してEDFA1007へ入力され増幅された光をWDMカプラ1003へ向けて出力し、およびWDMカプラ1003からWDMカプラ1004を介してEDFA1007へ入力され増幅された光をWDMカプラ1006へ向けて出力するように構成されている。WDMカプラ1006は、双方向ポート1002からの光をWDMカプラ1004へ向けて出力し、およびWDMカプラ1005からの光を双方向ポート1002へ向けて出力するように構成されている。
図10Bに示すように、EDFA1007は、EDF1013と、WDMカプラ1011および1012と、WDMカプラ1011および1012を介してEDF1013とそれぞれ接続されたポンプ光源1009および1010と、WDMカプラ1011を介してEDF1013と接続された光アイソレータ1008と、を備える。WDMカプラ1011は、光アイソレータ1008を介して入力される信号(信号光)およびポンプ光源1009からのポンプ光をEDF1013へ向けて出力するように構成されている。WDMカプラ1012は、ポンプ光源1010からのポンプ光をEDF1013へ向けて出力し、EDF1013からの光を増幅された信号光として出力するように構成されている。光アイソレータ1008の代替としてまたは追加して、光アイソレータ(不図示)をWDMカプラ1012に接続して、EDF1013からの光が、増幅された信号光として、光アイソレータを介して出力されるように構成してもよい。
双方向光増幅器は、入力信号光を、WDMカプラ1003および1004(1006および1004)を通過させた後、EDFA等のファイバドープ型の光増幅器1007を用いて光強度を増幅し、さらに増幅後の光をWDMカプラ1005および1006(1005および1003)を通過させた後に出力する。双方向ポート1001から入力される入力信号光と、双方向ポート1002から入力される入力信号光(逆入力信号光という)は、互いに波長が異なる。このため、双方向ポート1002からの逆入力信号光は、WDMカプラを通過後は、双方向ポート1001から入力信号光とは異なる経路を通過した後、ファイバドープ型の光増幅器であるEDFA1007に、双方向ポート1001から入力信号光と同じ方向(WDMカプラ1004からWDMカプラ1005に向かう方向)から入力することができる。さらに、増幅された逆入力信号光は、WDMカプラにより入力信号光が入力された同じ場所である双方向ポート1001から出力される。これにより、光増幅器内に光アイソレータを内蔵した形での双方光増幅器を930用いることができる。本構成で生じるファイバ雑音は、ファイバドープ型の光増幅器であるファイバ長の長いEDFA1007が支配的であり、往路と復路でほぼ同じファイバ雑音+Δが付加される。WDMでの波長合分波に光路の違いによる雑音量の違いを抑制するために、WDMカプラは、空間系や光導波路回路を用いて振動等による雑音が生じにくい形態にすることもできる。
(第5の実施形態)
図11は、本開示の第5の実施形態にかかる光伝送システムを示す図である。本実施形態の光伝送システムは、A局の光周波数基準を、再生中継することなく複数の拠点に配信する構成である。本実施形態では、A局の光周波数基準をB局、C局およびD局の3つの拠点に配信する例を示すが、4つ以上の拠点に配信することもできる。
図11に示すように、実施形態にかかる光伝送システムのA局およびB局の構成はそれぞれ、図7および8の光伝送システムのA局およびB局の構成と同じである。B局、C局およびのD局の構成は、ピックアップ光源750の周波数が互いに異なる点を除き、同じである。B局、C局およびのD局の光干渉計251は、WDMカプラ11301、11302および11303を介してA局の位相共役変換器510とそれぞれ接続されている。位相共役変換器510は、光ファイバ1301を介してWDMカプラ11301と、光ファイバ1302を介してWDMカプラ11302と、光ファイバ1303を介してWDMカプラ11303とそれぞれ接続されている。光ファイバ1301を伝送する光にはファイバ雑音+δ1が付加され、光ファイバ1302を伝送する光にはファイバ雑音+δ2が付加され、光ファイバ1303を伝送する光にはファイバ雑音+δ3が付加される。
B局では、周波数ν2のピックアップ光源750の出力を光干渉計251へ入力し、光を部分反射ミラー252で2つに分割し、一方はミラー253で反射して和周波発生器751へ入力する。もう一方はWDMカプラ11301を介して光ファイバ1301へ入力し、A局へ伝送する。A局に伝送された光には、ファイバ雑音+δ1が付加される。A局において、B局から光ファイバ1301を介して伝送された光を位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の基準光源710からの光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510からは、周波数2ν1-(ν2+δ1)の位相共役光が出力される。位相共役変換器510からの光をミラー611で反射し、同じ経路で位相共役変換器510を通して光ファイバ1301へ入力し、B局へ返送する。ミラー611から位相共役変換器510へ向かう反射光はポンプ光と向きが逆であるため、位相共役変換されずに位相共役変換器510を通過する。光ファイバ1301を介してB局へ返送された光には、再びファイバ雑音+δ1が付加されるため、ファイバ雑音が補償された周波数2ν1-ν2の光がWDMカプラ11301で波長分離されてB局に届く。B局において、A局から光ファイバ1301を介して返送された光を光干渉計251へ入力し、部分反射ミラー252によって一部反射した光を和周波発生器751へ入力する。和周波発生器751では、部分反射ミラー252により分割されたピックアップ光源750からのピックアップ光とA局からの返送光との和周波である周波数2ν1の光が出力されるため、ファイバ雑音の補償と同時にピックアップ光の雑音も補償され、基準光源の周波数が再生される。
C局では、周波数ν3のピックアップ光源750の出力を光干渉計251へ入力し、光を部分反射ミラー252で2つに分割し、一方はミラー253で反射して和周波発生器751へ入力する。もう一方はWDMカプラ11302を介して光ファイバ1302へ入力し、A局へ伝送する。A局に伝送された光には、ファイバ雑音+δ1+δ2が付加される。A局において、C局から光ファイバ1301および1302を介して伝送された光を位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の基準光源710からの光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510からは、周波数2ν1-(ν3+δ1+δ2)の位相共役光が出力される。位相共役変換器510からの光をミラー611で反射し、同じ経路で位相共役変換器510を通して光ファイバ1301へ入力し、C局へ返送する。ミラー611から位相共役変換器510へ向かう反射光はポンプ光と向きが逆であるため、位相共役変換されずに位相共役変換器510を通過する。光ファイバ1301および1302を介してC局へ返送された光には、再びファイバ雑音+δ1+δ2が付加されるため、ファイバ雑音が補償された周波数2ν1-ν3の光がWDMカプラ11302で波長分離されてC局に届く。C局において、A局から光ファイバ1301および1302を介して返送された光を光干渉計251へ入力し、部分反射ミラー252によって一部反射した光を和周波発生器751へ入力する。和周波発生器751では、部分反射ミラー252により分割されたピックアップ光源750からのピックアップ光とA局からの返送光との和周波である周波数2ν1の光が出力されるため、ファイバ雑音の補償と同時にピックアップ光の雑音も補償され、基準光源の周波数が再生される。
D局では、周波数ν4のピックアップ光源750の出力を光干渉計251へ入力し、光を部分反射ミラー252で2つに分割し、一方はミラー253で反射して和周波発生器751へ入力する。もう一方はWDMカプラ11303を介して光ファイバ1303へ入力し、A局へ伝送する。A局に伝送された光には、ファイバ雑音+δ1+δ2+δ3が付加される。A局において、D局から光ファイバ1301、1302および1303を介して伝送された光を位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の基準光源710からの光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510からは、周波数2ν1-(ν4+δ1+δ2+δ3)の位相共役光が出力される。位相共役変換器510からの光をミラー611で反射し、同じ経路で位相共役変換器を510通して光ファイバ1301へ入力し、D局へ返送する。ミラー611から位相共役変換器510へ向かう反射光はポンプ光と向きが逆であるため、位相共役変換されずに位相共役変換器510を通過する。光ファイバ1301、1302および1302を介してD局へ返送された光には、再びファイバ雑音+δ1+δ2+δ3が付加されるため、ファイバ雑音が補償された周波数2ν1-ν4の光がWDMカプラ11303で波長分離されてD局に届く。D局において、A局から光ファイバ1301、1302および1303を介して返送された光を光干渉計251へ入力し、部分反射ミラー252によって一部反射した光を和周波発生器751へ入力する。和周波発生器751では、部分反射ミラー252により分割されたピックアップ光源750からのピックアップ光とA局からの返送光との和周波である周波数2ν1の光が出力されるため、ファイバ雑音の補償と同時にピックアップ光の雑音も補償され、基準光源の周波数が再生される。
(第6の実施形態)
図12は、本開示の第5の実施形態にかかる光伝送システムを示す図である。本実施形態の光伝送システムは、A局の光周波数基準を、個別の光ファイバを用いて複数の拠点に配信する構成である。本実施形態では、A局の光周波数基準をB局、C局およびD局の3つの拠点に配信する例を示すが、4つ以上の拠点に配信することもできる。
図12に示すように、実施形態にかかる光伝送システムのA局の構成は、波長合分波器1210を備えている点を除き、図11の光伝送システムのA局の構成と同じである。B局、C局およびD局の構成はそれぞれ、図11の光伝送システムのB局、C局およびD局の構成と同じである。B局、C局およびのD局の光干渉計251は、互いに独立した光ファイバ1301、1302および1303を介してA局の波長合分波器1210とそれぞれ接続されている。光ファイバ1301を伝送する光にはファイバ雑音+δ1が付加され、光ファイバ1302を伝送する光にはファイバ雑音+δ2が付加され、光ファイバ1303を伝送する光にはファイバ雑音+δ3が付加される。
B局では、周波数ν2のピックアップ光源750の出力を光干渉計251へ入力し、光を部分反射ミラー252で2つに分割し、一方はミラー253で反射して和周波発生器751へ入力する。もう一方は光ファイバ1301へ入力し、A局へ伝送する。A局に伝送された光には、ファイバ雑音+δ1が付加される。A局において、波長合分波器1210を介して、B局から光ファイバ1301を介して伝送された光を位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の基準光源710からの光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510からは、周波数2ν1-(ν2+δ1)の位相共役光が出力される。位相共役変換器510からの光をミラー611で反射し、同じ経路で位相共役変換器510を通して、波長合分波器1210を介して光ファイバ1301へ入力し、B局へ返送する。ミラー611から位相共役変換器510へ向かう反射光はポンプ光と向きが逆であるため、位相共役変換されずに位相共役変換器510を通過する。光ファイバ1301を介してB局へ返送された光には、再びファイバ雑音+δ1が付加されるため、ファイバ雑音が補償された周波数2ν1-ν2の光が届く。B局において、A局から光ファイバ1301を介して返送された光を光干渉計251へ入力し、部分反射ミラー252によって一部反射した光を和周波発生器751へ入力する。和周波発生器751では、部分反射ミラー252により分割されたピックアップ光源750からのピックアップ光とA局からの返送光との和周波である周波数2ν1の光が出力されるため、ファイバ雑音の補償と同時にピックアップ光の雑音も補償され、基準光源の周波数が再生される。
C局では、周波数ν3のピックアップ光源750の出力を光干渉計251へ入力し、光を部分反射ミラー252で2つに分割し、一方はミラー253で反射して和周波発生器751へ入力する。もう一方は光ファイバ1302へ入力し、A局へ伝送する。A局に伝送された光には、ファイバ雑音+δ2が付加される。A局において、波長合分波器1210を介して、C局から光ファイバ1302を介して伝送された光を位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の基準光源710からの光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510からは、周波数2ν1-(ν3+δ2)の位相共役光が出力される。位相共役変換器510からの光をミラー611で反射し、同じ経路で位相共役変換器510を通して、波長合分波器1210を介して光ファイバ1302へ入力し、C局へ返送する。ミラー611から位相共役変換器510へ向かう反射光はポンプ光と向きが逆であるため、位相共役変換されずに位相共役変換器510を通過する。光ファイバ1302を介してC局へ返送された光には、再びファイバ雑音+δ2が付加されるため、ファイバ雑音が補償された周波数2ν1-ν3の光が届く。C局において、A局から光ファイバ1302を介して返送された光を光干渉計251へ入力し、部分反射ミラー252によって一部反射した光を和周波発生器751へ入力する。和周波発生器751では、部分反射ミラー252により分割されたピックアップ光源750からのピックアップ光とA局からの返送光との和周波である周波数2ν1の光が出力されるため、ファイバ雑音の補償と同時にピックアップ光の雑音も補償され、基準光源の周波数が再生される。
D局では、周波数ν4のピックアップ光源750の出力を光干渉計251へ入力し、光を部分反射ミラー252で2つに分割し、一方はミラー253で反射して和周波発生器751へ入力する。もう一方は光ファイバ1303へ入力し、A局へ伝送する。A局に伝送された光には、ファイバ雑音+δ3が付加される。A局において、波長合分波器1210を介して、D局から光ファイバ1303を介して伝送された光を位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の基準光源710からの光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510からは、周波数2ν1-(ν4+δ3)の位相共役光が出力される。位相共役変換器510からの光をミラー611で反射し、同じ経路で位相共役変換器510を通して、波長合分波器1210を介して光ファイバ1303へ入力し、D局へ返送する。ミラー611から位相共役変換器510へ向かう反射光はポンプ光と向きが逆であるため、位相共役変換されずに位相共役変換器510を通過する。光ファイバ1303を介してD局へ返送された光には、再びファイバ雑音+δ3が付加されるため、ファイバ雑音が補償された周波数2ν1-ν4の光が届く。D局において、A局から光ファイバ1303を介して返送された光を光干渉計251へ入力し、部分反射ミラー252によって一部反射した光を和周波発生器751へ入力する。和周波発生器751では、部分反射ミラー252により分割されたピックアップ光源750からのピックアップ光とA局からの返送光との和周波である周波数2ν1の光が出力されるため、ファイバ雑音の補償と同時にピックアップ光の雑音も補償され、基準光源の周波数が再生される。
(変形形態)
上述した種々の実施形態における光伝送システムにおける光干渉計251は、空間光学系の構成に限定されず、図4(b)に示したファイバ光学系の構成としてもよく、図4(c)平面光波回路を用いた構成としてもよい。
また、上述した種々の実施形態における光伝送システムにおける位相共役変換器510の向きは、反対向きでもよい。この場合、B局からA局へ伝送された光は、位相共役変換器510を通過し、ミラー611で反射された後に位相共役変換器510へシグナル光として入力する。
さらに、上述した種々の実施形態における光伝送システムにおいて、B局からA局へ伝送した光を返送する方法は、ミラー611で反射させる方法に限らない。位相共役変換器510の出力を再び位相共役変換器510を通らないように迂回させて、部分反射ミラーやファイバカプラで伝送光と合波させて光ファイバ130へ入力してもよい。さらに、ピックアップ光と返送光は波長が異なるため、波長合分波器を用いて位相共役変換器510の出力を迂回させて、光ファイバ130へ入力してもよい。
図13Aは、位相共役変換器510の出力が再び位相共役変換器510を通らないように迂回させるループにより、位相共役変換器510の出力光を光ファイバ130へ入力する構成を示す図である。図13A(a)は、部分反射ミラー1302と光アイソレータ1301を用いて位相共役変換器510からの位相共役光と伝送光を合波させて光ファイバ130へ入力する構成を示す図である。図13A(a)に示すように、B局から光ファイバ130を介して伝送された光を部分反射ミラー1302へ入力する。部分反射ミラー1302を透過した光ファイバ130からの光の一部を、位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510から出力されるシグナル光とポンプ光の一部との位相共役光およびシグナル光の残りを、ミラー(不図示)等を用いて、光アイソレータ1301へ入力する。光アイソレータ1301を透過した位相共役光および残存したポンプ光を、ミラー(不図示)等を用いて部分反射ミラー1302に入力して、部分反射ミラー1302により反射されて再び光ファイバ130へ入力されるようする。つまり複数のミラー(不図示)と、光アイソレータ1301と、部分反射ミラー1302とを用いることで、位相共役変換器510から出力された位相共役光が位相共役変換器510を迂回する空間光学系の光パスを構成する。このようにして、図7等の構成においてミラー611によってポンプ光が位相共役変換器510に向かって反射されることを防止できる。したがって、位相共役変換器510の中におけるポンプ光の反射光と位相共役光との相互作用による不要な位相共役光の発生が防止される。なお、光アイソレータ1301により、光ファイバ130からの光のうちの部分反射ミラー1302により反射された一部が位相共役変換器510へ逆向きに入力されることも防止される。
図13A(b)は、λ/2位相板1303および偏波ビームスプリッタ1304を用いて位相共役変換器510からの位相共役光と伝送光とを合波させて光ファイバ130へ入力する構成を示す図である。図13A(b)に示すように、B局から光ファイバ130を介して伝送された光を偏波ビームスプリッタ1304へ入力する。偏波ビームスプリッタ1304を透過した光ファイバ130からの光の一部(B局において光ファイバ130へ入力された偏光、たとえばs偏光)を、位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510から出力されるシグナル光とポンプ光の一部との位相共役光およびシグナル光の残りを、λ/2位相板1303に入力する。λ/2位相板1303により光の偏光状態を90°回転させた位相共役光およびシグナル光の残りを、ミラー(不図示)等を用いて偏波ビームスプリッタ1304に入力して、光ファイバ130へ入力されるようする。つまり複数のミラー(不図示)と、λ/2位相板1303と、偏波ビームスプリッタ1304とを用いることで、位相共役変換器510から出力された位相共役光が位相共役変換器510を迂回する空間光学系の光パスを構成する。このようにして、図7等の構成においてミラー611によってポンプ光が位相共役変換器510に向かって反射されることを防止できる。また位相共役光の偏光状態が90°回転しているため、もし位相共役変換器510中にポンプ光の反射光があったとしても、位相共役光とポンプ光の反射光との不要な変換光を抑制することができる。なお、λ/2位相板1303の代替として、入力された光の偏光状態を90°回転させて出力するように捻った光ファイバを用いてもよい。
図13A(c)は、波長合分波器1305を用いて位相共役変換器510からの位相共役光および伝送光のうちの位相共役光のみを分離して光ファイバ130へ入力する構成を示す図である。波長合分波器1305は、入力される光の波長のうち、B局から光ファイバ130を介して伝送される光の波長および波長合分波器1305が出力する位相共役光の波長をそれぞれ分離して出力するように構成されている。図13A(c)に示すように、B局から光ファイバ130を介して伝送された光を波長合分波器1305へ入力する。波長合分波器1305により波長分離された光ファイバ130からの光の一部(たとえばν2+δ)を、位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510から出力されるシグナル光とポンプ光の一部との位相共役光およびシグナル光の残りを、ミラー(不図示)等を用いて波長合分波器1305に入力して、波長合分波器1305により波長分離された位相共役光のみが光ファイバ130へ入力されるようする。つまり複数のミラー(不図示)と、波長合分波器1305とを用いることで、位相共役変換器510から出力された位相共役光が位相共役変換器510を迂回する空間光学系の光パスを構成する。このようにして、図7等の構成においてミラー611によってポンプ光が位相共役変換器510に向かって反射されることを防止できるとともに、シグナル光の残り(B局から光ファイバ130を介して伝送された光の一部)をA局からB局へ返送することを防止できる。
図13Bは、位相共役変換器の出力を光ファイバへ入力する構成例を示す図である。図13B(a)は、図6Aを参照して説明したミラー611を用いて位相共役変換器510の出力(位相共役光および伝送光)を反射して再び位相共役変換器510へ入力する構成を示す図である。つまりミラー611を用いることで、位相共役変換器510から出力された位相共役光が再び位相共役変換器510へ入射する空間光学系の光パスを構成した例である。図13B(a)に示すように、B局から光ファイバ130を介して伝送された光を位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510から出力されるシグナル光とポンプ光の一部との位相共役光およびシグナル光の残りを、ミラー611で反射し、同じ経路で位相共役変換器510を通して光ファイバ130へ入力し、B局へ返送する。
図13B(b)は、ファラデーローテータと反射ミラーを組み合わせたファラデーミラーを用いて位相共役変換器510の出力を反射して再び位相共役変換器510へ入力する構成を示す図である。つまりファラデーミラー1306を用いることで、位相共役変換器510から出力された位相共役光が再び位相共役変換器510へ入射する空間光学系の光パスを構成した例である。図8を参照して説明したλ/4位相板811とミラー611との組み合わせの代わりに、反射ミラー1306aとファラデーローテータ1306bとを組み合わせたファラデーミラー1306を用いる構成である。図13B(b)に示すように、B局から光ファイバ130を介して伝送された光を位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510から出力されるシグナル光とポンプ光の一部との位相共役光およびシグナル光の残りを、ファラデーミラー1306で反射し、同じ経路で位相共役変換器510を通して光ファイバ130へ入力し、B局へ返送する。図13B(b)の構成においても、ファラデーミラー1306から位相共役変換器510へ向かう位相共役光およびシグナル光の残りは、ポンプ光と向きが逆であることに加え、光の偏光状態が90°回転しているため、位相共役変換されずに位相共役変換器510を通過する。したがって、位相共役変換器510の中におけるポンプ光の反射光と位相共役光との相互作用による不要な位相共役光の発生が防止される。
図13B(c)は、回折格子1307を用いて位相共役変換器510からの位相共役光および伝送光のうちの位相共役光のみフィルタして再び位相共役変換器510へ入力する構成を示す図である。つまり回折格子1307を用いることで、位相共役変換器510から出力された位相共役光が再び位相共役変換器510へ入射する空間光学系の光パスを構成した例である。図13B(c)に示すように、B局から光ファイバ130を介して伝送された光を位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510から出力されるシグナル光とポンプ光の一部との位相共役光およびシグナル光の残りを回折格子1307へ入力する。回折格子1307は、位相共役光の周波数のみを位相共役変換器510に向けて反射するように構成されている。位相共役光のみが光ファイバ130へ入力されるようする。このようにして、図13A(c)と同様に、ポンプ光が位相共役変換器510に向かって反射されることを防止できるとともに、シグナル光の残り(B局から光ファイバ130を介して伝送された光の一部)をA局からB局へ返送することを防止できる。
位相共役変換器510からの位相共役光およびシグナル光の残りのうちの位相共役光のみを分離して光ファイバ130へ入力する構成は、上述した構成に限られない。
図14A(a)は、図13B(c)に示した回折格子1307の代替として、ミラー611と波長合分波器1401との組み合わせを用いた構成である。つまりミラー611と波長合分波器1401を用いることで、位相共役変換器510から出力された位相共役光が再び位相共役変換器510へ入射する空間光学系の光パスを構成した例である。波長合分波器1401は、波長合分離フィルタまたはWDMフィルタとして機能する。図14A(a)に示すように、B局から光ファイバ130を介して伝送された光を位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510から出力されるシグナル光とポンプ光の一部との位相共役光およびシグナル光の残りを、波長合分波器1401に入力して、位相共役光とシグナル光の残りと波長分離する。位相共役光のみをミラー611で反射して、同じ経路で位相共役変換器510を通して光ファイバ130へ入力し、B局へ返送する。
14A(b)は、図13B(c)に示した回折格子1307の代替として、ミラー611とバンドパスフィルタ1402との組み合わせを用いた構成である。つまりミラー611とバンドパスフィルタ1402を用いることで、位相共役変換器510から出力された位相共役光が再び位相共役変換器510へ入射する空間光学系の光パスを構成した例である。図14A(b)に示すように、B局から光ファイバ130を介して伝送された光を位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。位相共役変換器510から出力されるシグナル光とポンプ光の一部との位相共役光およびシグナル光の残りを、バンドパスフィルタ1402に入力する。バンドパスフィルタ1402を通過した位相共役光のみをミラー611で反射し、同じ経路で位相共役変換器510を通して光ファイバ130へ入力し、B局へ返送する。
また、B局から光ファイバ130を介して伝送される光の偏光状態が90°回転してA局からB局へ返送する方法は、図8を参照して説明したミラー611とλ/4位相板811との組み合わせた構成に限られない。A局において、ミラー611とλ/4位相板811との組み合わせの代替として、ミラー611と偏波ビームスプリッタと組み合わせを用いてもよい。若しくはB局において、B局からA局へ伝送される光に対して位相状態が90°異なるA局からB局へ返送された光を選択的に和周波発生器751へ入力してもよい。
図14B(a)は、B局からA局へ伝送される光に対して位相状態が90°異なる光をA局からB局へ返送する構成を示す図である。
図14B(a)は、A局において、λ/4位相板811およびミラー611の組み合わせ(図8)または偏波ビームスプリッタ1403を用いて位相共役変換器510の出力のうちから、B局からA局へ伝送される光に対して位相状態が90°異なる光のみを分離してミラー611で反射して位相共役変換器510へ再び入射する構成である。つまりミラー611とλ/4位相板811または偏波ビームスプリッタ1403とを用いることで、位相共役変換器510から出力された位相共役光が再び位相共役変換器510へ入射する空間光学系の光パスを構成した例である。図14B(a)に示すように、B局から光ファイバ130を介して伝送された光(B局において光ファイバ130へ入力された偏光、たとえばs偏光)を、位相共役変換器510へシグナル光として入力する。また、周波数2ν1の光を位相共役変換器510へポンプ光として入力する。第二次高調波を発生させるタイプIIの位相整合条件を満たす位相共役変換器510から出力されるシグナル光の一部とポンプ光との位相共役光およびシグナル光の残りを、偏波ビームスプリッタ1403に入力する。第二次高調波を発生させるタイプIIの位相整合条件を満たす位相共役変換器510の偏波依存性により位相共役光の偏光状態は、シグナル光に対して90°回転させられている(たとえば、p偏光となっている)。偏波ビームスプリッタ1403により、位相共役光(p偏光)とシグナル光の残り(s偏光)とを偏波分離して、位相共役光のみをミラー611反射して、同じ経路で偏波ビームスプリッタ1403および位相共役変換器510を通して光ファイバ130へ入力し、B局へ返送する。
図14B(b)は、B局からA局へ伝送される光(たとえばs偏光)に対して位相状態が90°異なる光(たとえばp偏光)をA局からB局が受信する構成を示す図である。図8を参照して説明したように、A局にいて、位相共役変換器510の出力側にλ/4位相板811とミラー611との組み合わせ(またはファラデーミラー)を配置して、ポンプ光とシグナル光の一部から生じた位相共役光の偏光状態を90°回転させて、A局からB局へ送信することができる。また、シグナル光の残りも、偏光状態を90°回転させられてA局からB局へ送信される。図14B(b)に示すように、A局から光ファイバ130を介して送信された位相共役光(p偏光)およびシグナル光の残り(p偏光)が受信される。A局から受信した光は、部分反射ミラー252により反射されて、ミラー253により反射されたピックアップ光(s波)とともに、和周波発生器751へ入力する。このとき、第二次高調波を発生させるタイプIIの位相整合条件を満たす位相状態の光(位相共役光(p偏光)とピックアップ光(s波))の和周波を発生させることで、ピックアップ光源750の周波数揺らぎを除去することができる。したがって、図7を参照して説明した光B局の構成においても、図8を参照して説明した光B局の構成と同様に、ピックアップ光源750の周波数揺らぎを除去することができる。
また、上述した種々の実施形態における光伝送システムにおいて、光を伝送する媒体は光ファイバ130に限らない。自由空間中を伝送する場合でも、伝送媒体となる空気の揺らぎ等で伝送光に付加される位相・周波数雑音を補償するために実施できる。
さらに、伝送光は通信波長帯に限らない。位相共役変換や和周波発生が可能な波長帯であれば実施できる。
柔術した本開示の一実施形態に係るによれば、従来技術で必要であった光検出器、位相比較器、位相同期回路といった電気的な装置の複雑なパラメータ調整が必要なくなり、光伝送システムにおける装置の簡便化、コスト低減とともに、電気的な装置が発生する雑音が光周波数に与える影響を低減することができる。
また、本開示の一実施形態に係る光伝送システムは、通信波長帯でのファイバ伝送の機能と、通信波長帯と可視光帯の波長変換の機能を同時に実現することが可能となり、可視光帯の光時計をファイバネットワーク化する際に装置全体を簡便化することが可能となる。