JP3476806B2 - 位相共役光学の光システムへの適用 - Google Patents

位相共役光学の光システムへの適用

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JP3476806B2
JP3476806B2 JP2001399221A JP2001399221A JP3476806B2 JP 3476806 B2 JP3476806 B2 JP 3476806B2 JP 2001399221 A JP2001399221 A JP 2001399221A JP 2001399221 A JP2001399221 A JP 2001399221A JP 3476806 B2 JP3476806 B2 JP 3476806B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的には、位相
共役光学の光通信、光計測、光情報処理その他の分野へ
の適用に関し、さらに詳しくは、第1に位相共役光発生
装置並びに該装置を備えた中継光伝送システム、双方向
中継光伝送システム、光分配システム、光スイッチング
システム、光選択システム及び光アンド回路システムに
関し、第2に位相共役光を用いた光通信システムに関
し、第3にこれらのシステムに適用可能な光変調器に関
する。
【0002】
【従来の技術】まず、本発明の第1の適用分野について
説明する。本発明の以下の実施例は、位相共役光発生装
置並びに該装置を備えた中継光伝送システム、双方向中
継光伝送システム、光分配システム、光スイッチングシ
ステム、光選択システム及び光アンド回路システムに関
する。
【0003】非線形光学を用いることにより、従来の光
技術では得られなかった新しい機能の達成や光システム
の特性の改善が可能になる。特に、最近盛んに研究が進
められている位相共役光を用いれば、光伝送路における
位相揺らぎや波長分散の補償、高感度の情報の読み取
り、低雑音の増幅、さらにはスクイズド状態等の量子状
態の生成等への光技術の幅広い応用が可能になる。
【0004】従来、例えば光の増幅、分岐、情報の付加
といった機能を実現するためには、各々の機能だけを持
つ光デバイス(具体的には光増幅器、光分岐器、光カプ
ラ等)を組み合わせてシステムを構成していた。また、
例えば光伝送路中で受ける位相揺らぎや波長分散等に対
しては、主に信号の送受信側、特に受信側において補償
する方法が用いられてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の適用分
野における目的は、種々の光システムに適用可能な新規
な構成を有する位相共役光発生装置を提供することであ
る。
【0006】本発明の第1の適用分野における他の目的
は、この位相共役光発生装置を備えた有用な光システム
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の位相共役光発生
装置は、非線形光学媒質と、励起光を出力する励起光源
と、信号光入力ポートに供給された入力信号光を上記励
起光源からの上記励起光とともに上記非線形光学媒質に
供給する信号光/励起光供給手段と、上記非線形光学媒
質に供給された上記入力信号光及び上記励起光の相互作
用により発生した出力信号光及び位相共役光を抽出して
それぞれ信号光出力ポート及び位相共役光出力ポートか
ら出力する信号光/位相共役光抽出手段とを備える。
【0008】本発明の中継光伝送システムは、送信局
と、受信局と、該送信局及び該受信局間に敷設された光
伝送路と、該光伝送路の途中に挿入された少なくとも一
つの中継局とを備え、該中継局は本発明の位相共役光発
生装置を含み、該位相共役光発生装置は、上記送信局の
側から供給された光を上記入力信号光として受け、上記
位相共役光を上記受信局の側に向けて送出する。
【0009】本発明の双方向中継光伝送システムは、第
1の光送信機及び第1の光受信機を有する第1の送受信
局と、第2の光送信機及び第2の光受信機を有する第2
の送受信局と、該第1及び第2の送受信局間に敷設され
た上り及び下り光伝送路と、該上り及び下り光伝送路の
途中に挿入された少なくとも1つの中継局とを備え、該
中継局は本発明の位相共役光発生装置を含み、該位相共
役光発生装置の上記励起光源は第1及び第2の励起光を
それぞれ出力する第1及び第2の励起光源であり、上記
位相共役光発生装置の上記位相共役光出力ポートは第1
及び第2の位相共役光出力ポートであり、上記位相共役
光発生装置は、上記第1の送受信局の側から上記信号光
入力ポートに供給された光を第1の信号光として受け、
該第1の信号光及び上記第1の励起光に基づき第1の位
相共役光を発生させ、該第1の位相共役光を上記第1の
位相共役光出力ポートから上記第2の送受信局の側に向
けて送出するとともに、上記第2の送受信局の側から上
記信号光出力ポートに供給された光を第2の信号光とし
て受け、該第2の信号光及び上記第2の励起光に基づき
第2の位相共役光を発生させ、該第2の位相共役光を上
記第2の位相共役光出力ポートから上記第1の送受信局
の側に向けて送出する。
【0010】本発明の光分配システムは、本発明の位相
共役光発生装置を複数備え、該複数の位相共役光発生装
置のうちの上位のものの上記信号光出力ポート及び上記
位相共役光出力ポートはそれぞれ該複数の位相共役光発
生装置のうちのすぐ下位のものの上記信号光入力ポート
に接続される。
【0011】本発明の光スイッチングシステムは、本発
明の位相共役光発生装置と、該装置の上記励起光源をオ
ン・オフするスイッチング手段とを備え、該スイッチン
グ手段の動作により上記位相共役光が発生する状態と発
生しない状態とが択一的に切り換えられる。
【0012】本発明の光選択システムは、本発明の位相
共役光発生装置と、該装置における上記励起光の周波数
を掃引する掃引手段とを備え、該装置の上記信号光入力
ポートには周波数分割多重された複数の信号光が供給さ
れ、上記掃引手段の動作により上記複数の信号光から択
一的に選択された信号光に対応する位相共役光が発生す
る。
【0013】本発明の光アンド回路システムは、本発明
の一つの実施態様に係る位相共役光発生装置と、第1及
び第2の入力論理データのハイ及びローに従ってそれぞ
れ上記装置の上記第1及び第2の励起光源の発光強度を
変化させる励起光制御手段とを備え、上記第1及び第2
の入力論理データがともにハイのときにのみ上記位相共
役光が発生する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の適用分野に
おける実施例を図面に沿って詳細に説明する。
【0015】図1は非線形光学効果による位相共役光の
発生原理の説明図である。非線形光学媒質を用いて位相
共役光を発生させる場合、パラメトリック光増幅(光パ
ラメトリックプロセス)又は4光波混合によるのが望ま
しい。パラメトリック光増幅器は2次の非線形光学効果
を用いるのに対し、4光波混合は3次の非線形光学効果
を用いる点で異なるが、物理的には全く同じ現象であ
る。
【0016】いま、図1に示されるように、高強度の励
起光EP(周波数ωP)が非線形光学媒質NOMに入射し
ている状態で、周波数ωSの信号光ESと周波数ωIのア
イドラ光EIとが非線形光学媒質NOMに入射すると、
2次又は3次の非線形光学プロセスにより、周波数ωS
の信号光ES′と周波数ωIのアイドラ光EI′とが非線
形光学媒質NOMから出力される。このとき、エネルギ
ー保存則により以下の関係が成り立つ。
【0017】
【数1】
【0018】特に、4光波混合における信号光、励起光
及びアイドラ光の周波数配置を図2に示す。Ωは信号光
と励起光の離調周波数である。周波数軸上において、信
号光及びアイドラ光は励起光を中心として対称の位置に
あることがわかる。
【0019】図1の原理における非線形光学効果の相互
作用長をLとすれば、生成方程式は以下のように与えら
れる。
【0020】
【数2】
【0021】となる。n及びχ(3)はそれぞれ非線形媒
質NOMの屈折率及び3次の非線形光学定数を表す。ま
た、<χ(3)>は非線形光学定数χ(3)の非線形媒質NO
Mにおける偏波状態についての平均を表す。(3), (4)式
より、信号光及びアイドラ光に対する利得GS及びG
Iは、
【0022】
【数3】
【0023】で与えられることがわかる。通常、ωI
ωS≒1であるから、非線形光学効果による位相共役光
の発生においては、信号の増幅が実現されることがわか
る。また、この場合における利得は、励起光の強度に依
存するので、本発明の位相共役光発生装置において光変
調を行って、位相共役光発生装置から出力される光に新
たな情報を載せることができる。
【0024】図1の原理に基づいて発生する出力アイド
ラ光EI′は入力信号光ESに対する位相共役光になって
いる。このことは、(3), (4)式において、入力アイドラ
光がない場合(EI=0)を考えてみれば明らかである
(EI′はESの複素共役に相当)。
【0025】次に、この位相共役光の大きな特徴である
時間反転の性質について説明する。いま、+z方向に進
行する入力プローブ光(変調されていない入力信号光に
相当)が平面波として次の式で表されるものとする。
【0026】
【数4】
【0027】ここで、AS(r)は電場の複素振幅、r
は空間座標ベクトル、ωSはプローブ光の周波数、tは
時間、kSは波数ベクトルを表し、c.c.はその直前
の項の複素共役をとることを意味する。但し、波数ベク
トルの大きさkSは、光路の屈折率をn、真空中の光速
をcとすると、kS=ωSn/cで与えられる。このと
き、(9) 式で表される光の位相共役光は、次の(10), (1
1)式で表される。
【0028】
【数5】
【0029】ここで、(10)式は+z方向の進行波である
透過型位相共役光を表し、(11)式は−z方向の進行波で
ある反射型位相共役光を表す。(9),(11)式より明らかな
ように、反射型位相共役光については、
【0030】
【数6】
【0031】が成り立ち、位相共役光が時間反転の性質
を持つことがわかる。また、(9),(10)式から、透過型位
相共役光については、横方向の空間座標成分について時
間反転の性質を持つことがわかる。この時間反転の性質
を用いることによって、光伝送路で受ける線形の位相歪
み(例えば波長分散の影響)や偏波変動等の位相揺らぎ
を補償可能である。
【0032】図3は本発明の位相共役光発生装置の基本
構成を示すブロック図である。1は非線形光学媒質、2
は励起光源、3は信号光入力ポート、4は信号光/励起
光供給手段、5は信号光出力ポート、6は位相共役光出
力ポート、7は信号光/位相共役光抽出手段をそれぞれ
表している。
【0033】励起光源2は励起光を出力する。信号光/
励起光供給手段4は、信号光入力ポート3に供給された
入力信号光を励起光源2からの励起光とともに非線形光
学媒質1に供給する。信号光/位相共役光抽出手段7
は、非線形光学媒質1に供給された入力信号光と励起光
との相互作用により発生した出力信号光及び位相共役光
を抽出してそれぞれ信号光出力ポート5及び位相共役光
出力ポート6から出力する。
【0034】この構成によると、信号光と励起光を非線
形光学媒質1に入射させて位相共役光を発生させること
ができる。また、発生した位相共役光を位相共役光出力
ポート6から取り出すことができるので、この装置を種
々の光システムに適用可能である。
【0035】図4は本発明の第1実施例を示す位相共役
光発生装置のブロック図である。この実施例では、図3
の信号光/励起光供給手段4は、少なくとも3つのポー
トを有する光カプラ11を含む。光カプラ11はポート
11A,11B及び11Cを有し、ポート11A及び1
1Bに供給された光をポート11Cから出力するように
機能する。光カプラ11のポート11Aは信号光入力ポ
ート3に接続され、ポート11Bは励起光源2に接続さ
れ、ポート11Cは非線形光学媒質1の第1端に接続さ
れる。尚、本願明細書において「接続」という語は、動
作的な接続を意味し、光学的に直接接続される場合を含
み、さらに、光フィルタ、光アイソレータ及び光増幅器
等の光デバイスを介して接続される場合を含む。光カプ
ラ11としては、ファイバ融着型のもの、ハーフミラ
ー、偏光ビームスプリッタ、光合波器等を使用可能であ
る。また、非線形光学媒質1としては、光ファイバ、半
導体レーザ、半導体光増幅器、その他2次又は3次の非
線形光学効果を呈する光学結晶等を採用可能である。
【0036】この実施例のように光カプラ11を用いて
信号光及び励起光を非線形光学媒質1に供給すると、信
号光及び励起光は非線形光学媒質1の第1端から同一光
路で非線形光学媒質1に入射するので、非線形光学媒質
1内においては信号光及び励起光が同一方向に伝搬し、
例えば非線形光学媒質1が3次の非線形光学効果を呈す
る場合に、片方向励起型の4光波混合を生じさせて、位
相共役光を非線形光学媒質1の第2端から取り出すこと
ができる。
【0037】励起光源2から供給される励起光の強度が
十分に高い場合、前述したように、非線形光学媒質1に
おいては利得が生じ、増幅された信号光及び位相共役光
が非線形光学媒質1から出力される。これら信号光及び
位相共役光を分離して取り出すために、この実施例で
は、図3の信号光/位相共役光抽出手段7は、光デバイ
ダ12と光フィルタ13及び14とを含む。光デバイダ
12はポート12A,12B及び12Cを有し、ポート
12Aに供給された光を2分岐してそれぞれポート12
B及び12Cから出力するように機能する。光デバイダ
12のポート12Aは非線形光学媒質1の第2端に接続
される。光デバイダ12としては、例えば、ファイバ融
着型のもの、ハーフミラー、偏光ビームスプリッタ、光
分波器等が使用される。光フィルタ13は光デバイダ1
2のポート12Bと信号光出力ポート5の間の光路に挿
入され、その通過帯域は出力信号光の周波数を包含す
る。光フィルタ14は光デバイダ12のポート12Cと
位相共役光出力ポート6の間の光路に挿入され、その通
過帯域は位相共役光の周波数を包含する。
【0038】励起光の周波数と信号光の周波数を僅かに
異ならせて非線形光学媒質1において非縮退型の4光波
混合を生じさせる場合には、このようにして出力信号光
及び位相共役光を光学的に分離することができる。励起
光源2として例えばレーザダイオードが用いられている
場合、その駆動電流に情報信号を重畳して励起光の振幅
変調又は強度変調を行うことによって、非線形光学媒質
1における利得を変調して、その結果変調された出力信
号光及び位相共役光を得ることができる。
【0039】図5は本発明の第2及び第3実施例を説明
するための位相共役光発生装置の主要部のブロック図で
ある。これらの実施例は、周波数が等しい2つの励起光
をそれぞれ非線形光学媒質1に互いに逆向きに入射さ
せ、双方向励起型の4光波混合を生じさせている点で特
徴付けられる。図3の励起光源2に対応して2つの励起
光源21及び22が設けられている。励起光源21及び
22からの励起光を非線形光学媒質1にそれぞれ互いに
逆向きで入射させるために、図3の信号光/励起光供給
手段4は、2つの光カプラ23及び24を含む。光カプ
ラ23はポート23A,23B及び23Cを有し、ポー
ト23A及び23Bに供給された光をポート23Cから
出力し、ポート23Cに供給された光をポート23Aか
ら出力するように機能する。光カプラ23のポート23
Bは励起光源21に接続され、ポート23Cは非線形光
学媒質1の第1端に接続される。光カプラ24はポート
24A,24B及び24Cを有し、ポート24Aに供給
された光をポート24Cから出力し、ポート24Bに供
給された光をポート24Aから出力するように機能す
る。光カプラ24のポート24Aは非線形光学媒質1の
第2端に接続され、ポート24Bは励起光源22に接続
される。図示された例では、独立した2つの励起光源2
1及び22を用いているが、出力強度が高い1つの励起
光源からの励起光を2分岐してそれぞれ光カプラ23の
ポート23Bと光カプラ24のポート24Bに供給する
ようにしてもよい。この場合、2つの励起光の周波数を
一致させるための制御が不要になる。
【0040】図6は本発明の第2実施例を示す位相共役
光発生装置のブロック図である。この実施例は、図5の
主要部の非線形光学媒質1において双方向励起型の4光
波混合により後方向に発生した位相共役光を取り出すの
に適している。非線形光学媒質1内を伝搬する信号光と
逆向きに発生した位相共役光を取り出すために、この実
施例では、図3の信号光/位相共役光抽出手段7は、光
デバイダ31と光フィルタ32及び33とを含む。光デ
バイダ31はポート31A,31B及び31Cを有し、
ポート31Aに供給された光をポート31Cから出力
し、ポート31Cに供給された光をポート31Bから出
力するように機能する。光フィルタ32は光カプラ24
のポート24Cと信号光出力ポート5の間の光路に挿入
され、その通過帯域は出力信号光の周波数を包含する。
光フィルタ33は光デバイダ31のポート31Bと位相
共役光出力ポート6の間の光路に挿入され、その通過帯
域は位相共役光の周波数を包含する。
【0041】図7は本発明の第3実施例を示す位相共役
光発生装置のブロック図である。この実施例は、図5の
主要部の非線形光学媒質1において双方向励起型の4光
波混合により前方向及び後方向にそれぞれ発生した位相
共役光を取り出すのに適している。前方向及び後方向に
それぞれ発生した位相共役光を取り出すために、この実
施例では、図3の位相共役光出力ポート6に対応して位
相共役光出力ポート6A及び6Bが設けられており、信
号光/位相共役光抽出手段7は、光デバイダ31及び4
1と光フィルタ33,42及び43とを含む。光デバイ
ダ31及び光フィルタ33は、図6の第2実施例におけ
るのと同じように後方向に発生した位相共役光を抽出す
るためのもので、光フィルタ33には位相共役光出力ポ
ート6Bが接続される。光デバイダ41と光フィルタ4
2及び43は前方向に発生した位相共役光を取り出すた
めのものである。光デバイダ41はポート41A,41
B及び41Cを有し、ポート41Aに供給された光を2
分岐してそれぞれポート41B及び41Cから出力す
る。光デバイダ41のポート41Aは光カプラ24のポ
ート24Cに接続される。光フィルタ42は光デバイダ
41のポート41Bと信号光出力ポート5の間の光路に
挿入され、その通過帯域は出力信号光の周波数を包含す
る。光フィルタ43は光デバイダ41のポート41Cと
位相共役光出力ポート6Aの間の光路に挿入され、その
通過帯域は位相共役光の周波数を包含する。
【0042】図8は本発明の第4実施例を示す位相共役
光発生装置のブロック図である。この実施例は、図3の
基本構成に対比して、入力データに基づき励起光を変調
する変調手段51をさらに備えている点で特徴付けられ
る。変調手段51が励起光の強度又は振幅を変調する場
合、それに伴って非線形光学媒質1における利得が変化
するので、信号光出力ポート5から出力される信号光と
位相共役光出力ポート6から出力される位相共役光の双
方について変調を行うことができる。また、変調手段5
1が励起光の周波数を変調する場合には、信号光の周波
数と励起光の周波数の差が励起光の周波数と位相共役光
の周波数の差に等しいという関係から、位相共役光につ
いての周波数変調が可能になる。尚、変調手段51が励
起光の強度を変調する場合には、変調度を小さくして変
調成分を出力信号光及び/又は位相共役光に重畳するよ
うにしても良いし、変調度を大きくして、位相共役光を
オン・オフ変調するようにしてもよい。変調手段51を
図6の第2実施例又は図7の第3実施例に適用して励起
光源の強度変調を行う場合には、変調手段51により励
起光源21及び22のいずれか一方から出力される励起
光が変調されるようにすればよい。尚、以上の位相共役
光発生装置の実施例では、必要に応じて励起光、出力信
号光、位相共役光について光増幅を行うようにしても良
い。
【0043】図9A,図9B及び図9Cは本発明の第5
実施例を示す中継光伝送システムのブロック図である。
これらのシステムは、それぞれ、送信局61と、受信局
62と、送信局61及び受信局62間に敷設された光伝
送路63と、光伝送路63の途中に挿入された中継局6
4とを備えている。
【0044】図9Aに示された例では、中継局64は位
相共役光発生装置65を含み、この位相共役光発生装置
65は、送信局61から光伝送路63を介して信号光入
力ポート3に供給された光を入力信号光として受け、こ
の入力信号光に基づいて発生した位相共役光を、位相共
役光出力ポート6から光伝送路63を介して受信局62
に向けて送出する。位相共役光発生装置65は例えば図
3に示された基本構成を有する。この構成によると、光
伝送路63の途中に位相共役光発生装置65を設けてい
るので、光伝送路63において生じた波長分散等を補償
することができ、長距離の光伝送が可能になる。また、
位相共役光発生装置65で位相共役光に対する利得が生
じるようにしておくことによって、光伝送路63で減衰
した信号光強度を補償することができる。
【0045】図9Bに示された例では、中継局64は、
位相共役光発生装置65に加えて、入力データに基づき
励起光を変調する変調手段66をさらに含む。この入力
データは例えば中継局64の監視データを含む。この構
成によると、監視データ等の中継局64に固有の情報を
受信局62に伝送することができる。尚、位相共役光発
生装置65の信号光出力ポート5からの出力信号光が受
信局62に伝送されるようにし、位相共役光出力ポート
6から出力された変調された位相共役光が送信局61に
伝送されるように構成を変更しても良い。
【0046】図9Cに示された例では、送信局61が送
出する光は伝送データにより変調されており、中継局6
4は、位相共役光発生装置65に加えて、復調手段67
を含む。復調手段67は、位相共役光発生装置65の信
号光出力ポート5から出力される出力信号光を受け、送
信局61における伝送データに対応した復調データを再
生する。送信局61における変調方式は、例えば、コヒ
ーレントな光若しくはコヒーレントでない光に対する強
度変調又はコヒーレントな光に対する振幅変調若しくは
角度変調である。受信局62における検波方式として
は、送信局61における変調方式が強度変調である場合
には、フォトダイオード等の受光器を用いた直接検波が
適しており、送信局61における変調方式がコヒーレン
ト光に対する振幅変調又は角度変調である場合には、フ
ォトダイオード等の受光器の受光面上に受信光とローカ
ル光とを同一光路で入射させるようにしたヘテロダイン
検波又はホモダイン検波が適している。この構成による
と、送信局61から受信局62に伝送される伝送データ
を中継局64でモニタすることができる。
【0047】図9A,図9B及び図9Cのシステムは周
波数分割多重伝送にも適用可能である。この場合、中継
局64は各周波数毎の励起光源を有していることが望ま
しいが、周波数分割多重間隔が密である場合には、1つ
の励起光源を用いて全てのチャネルの位相共役光を発生
させることもできる。
【0048】図10は本発明の第6実施例を示す中継光
伝送システムのブロック図である。この実施例は、図9
A,図9B又は図9Cに示されたシステムと対比して、
送信局61と受信局62の間にN台(Nは1より大きい
自然数)の中継局64(#1〜#N)が挿入されている
点で特徴付けられる。送信局61の側から数えて1番目
の中継局64(#1)が有する位相共役光発生装置65
の信号光入力ポート3は送信局61に接続される。ま
た、中継局64(#1〜#N)のうち送信局61の側か
ら数えてn番目(nは1よりも大きく且つ(N+1)よ
りも小さい自然数)の中継局が有する位相共役光発生装
置65の信号光入力ポート3は、(n−1)番目の中継
局が有する位相共役光発生装置65の位相共役光出力ポ
ート6に接続される。さらに、受信局62の側から数え
て1番目の中継局64(#N)が有する位相共役光発生
装置65の位相共役光出力ポート6は受信局62に接続
される。この実施例によると、図9A,図9B及び図9
Cのいずれかの実施例に比べてさらに長距離の光伝送が
可能になる。
【0049】図11は本発明の第7実施例を示す双方向
中継光伝送システムのブロック図である。このシステム
は、光送信機71及び光受信機72を有する送受信局7
3と、光送信機74及び光受信機75を有するもう一つ
の送受信局76と、送受信局73及び76間に敷設され
た上り光伝送路77及び下り光伝送路78と、上り及び
下り光伝送路77及び78の途中に挿入された中継局7
9とを備えている。中継局79は、双方向伝送に適用す
るように変更を加えられた位相共役光発生装置65′を
含む。位相共役光発生装置65′は、第1及び第2の励
起光をそれぞれ出力する図示しない第1及び第2の励起
光源を有しており、発生した位相共役光は位相共役光出
力ポート6A及び6Bから出力する。
【0050】図12は図11のシステムにおける各光の
周波数配置の説明図である。ωP1は第1の励起光、ωS1
は光送信機71から上り光伝送路77を介して位相共役
光発生装置65′の信号光入力ポート3に供給される第
1の信号光、ωI1は第1の励起光と第1の信号光に基づ
き位相共役光発生装置65′において発生する第1の位
相共役光、ωP2は第2の励起光、ωS2は光送信機74か
ら下り光伝送路78を介して位相共役光発生装置65′
の信号光出力ポート5に供給される第2の信号光、ωI2
は第2の励起光と第2の信号光に基づき位相共役光発生
装置65′において発生する第2の位相共役光の周波数
をそれぞれ表している。第1の励起光と第2の励起光は
例えば互いに異なる周波数を有しており、第1及び第2
の信号光の周波数はそれぞれ第1及び第2の励起光の周
波数と僅かに異なるように設定される。第1及び第2の
位相共役光は、それぞれ、第1及び第2の励起光を中心
として第1及び第2の信号光に対して対称の周波数軸上
の位置に出現する。尚、第1及び第2の信号光が、これ
らが混信しない程度にわずかに異なる周波数を有してい
る場合には、第1及び第2の信号光が利得帯域に入るよ
うな単一周波数(帯域)の第1及び第2の励起光を用い
てもよい。
【0051】位相共役光発生装置65′は、信号光入力
ポート3に供給された第1の信号光と第1の励起光に基
づき第1の位相共役光を発生し、この第1の位相共役光
は、位相共役光出力ポート6Aから上り光伝送路77を
介して光受信機75に伝送される。また、位相共役光発
生装置65′は、光送信機74から信号光出力ポート5
に供給された第2の信号光と第2の励起光に基づいて第
2の位相共役光を発生させ、この第2の位相共役光は位
相共役光出力ポート6Bから下り光伝送路78を介して
光受信機72に伝送される。尚、位相共役光発生装置6
5′は、図7の第3実施例に準じて構成することができ
る。図7の第3実施例では、信号光出力ポート5は出力
信号光を送出するためのものであるが、図11の第7実
施例では、この信号光出力ポート5を下り方向のための
入力ポートとして用いている。また、図9A〜図9Cの
第5実施例に周波数分割多重を適用可能であるのと同様
に、図11の第7実施例にも周波数分割多重を適用可能
である。
【0052】図13は本発明の第8実施例を示す双方向
中継光伝送システムのブロック図である。この実施例
は、図11の第7実施例と対比して、送受信局73及び
76間にN台(Nは1より大きい自然数)の中継局79
(#1〜#N)を設けている点で特徴付けられる。各中
継局79(#1〜#N)はそれぞれ図11の位相共役光
発生装置65′を有している。送受信局73の側から数
えて1番目の中継局79(#1)が有する位相共役光発
生装置65′の信号光入力ポート3及び位相共役光出力
ポート6Bは、それぞれ光送信機71及び光受信機72
に接続される。また、中継局79(#1〜#N)のうち
送受信局73の側から数えてn番目(nは1より大きく
且つ(N+1)より小さい自然数)の中継局が有する位
相共役光発生装置65′の信号光入力ポート3及び位相
共役光出力ポート6Bは、(n−1)番目の中継局が有
する位相共役光発生装置65′のそれぞれ位相共役光出
力ポート6A及び信号光出力ポート5に接続される。さ
らに、送受信局76の側から数えて1番目の中継局79
(#N)が有する位相共役光発生装置65′の信号光出
力ポート5及び位相共役光出力ポート6Aはそれぞれ光
送信機74及び光受信機75に接続される。この実施例
において、各位相共役光発生装置65′における第1の
励起光を同一周波数にし、各位相共役光発生装置65′
における第2の励起光を同一周波数にするためには、信
号光と位相共役光の周波数配置関係を交互に逆転させれ
ば良い。例えば、中継局79(#1)が有する位相共役
光発生装置65′における周波数配置が図2のように設
定されている場合には、中継局79(#2)が有する位
相共役光発生装置65′における周波数配置が、ω S
ωP−Ω,ωI=ωP+Ωとなるようにすれば良い。
【0053】図14は本発明の第9実施例を示す光分配
システムのブロック図である。このシステムは位相共役
光発生装置65を複数備えており、これら複数の位相共
役光発生装置65のうちの上位のものの信号光出力ポー
ト5及び位相共役光出力ポート6はそれぞれすぐ下位の
ものの信号光入力ポート3に接続される。この実施例に
おいては、位相共役光発生装置65を1台通過する毎の
SN比の劣化は最小で3dB(量子雑音の付加)で済
む。一方、従来の光分配システムにおいては、一つの光
分配部が少なくとも1台の1:1光カプラと光増幅器と
を有しているので、分配による損失を0dBに抑えるた
めには、一つの光分配部で最小でも6dBのSN比の劣
化があった。従って、この実施例によると、極めて低雑
音で且つ分配による損失のない光分配が可能になる。
尚、位相共役光発生装置65のポート5及び6からそれ
ぞれ出力される信号光及び位相共役光に対する利得は、
(7), (8)式に示されたように互いに異なるが、G≫1,
ωI/ωS≒1の条件の下で位相共役光発生装置65を動
作させることによって、この利得差を無視することがで
きる。
【0054】図15は本発明の第10実施例を示す光ス
イッチングシステムのブロック図である。この実施例
は、図3の基本構成に対比して、励起光源2をオン・オ
フするスイッチング手段81をさらに備えている点で特
徴付けられる。励起光源2のオン状態においては、非線
形光学媒質1において位相共役光が発生するように励起
光の強度が制御され、励起光源2のオフ状態において
は、非線形光学媒質1で位相共役光が発生しないように
励起光の強度が制御される。この実施例によると、スイ
ッチング手段81の動作により位相共役光が発生する状
態と発生しない状態とを択一的に切り換えることが可能
になる。
【0055】図16は本発明の第11実施例を示す光選
択システムのブロック図である。この実施例は、図3の
基本構成に対比して、励起光源2から出力される励起光
の周波数を掃引する掃引手段91をさらに備えている点
と、信号光入力ポート3に周波数分割多重された複数の
信号光が供給される点とで特徴付けられる。周波数分割
多重された複数の信号光を供給するために、この実施例
では、周波数が互いに異なる信号光を出力する複数の光
源92(#1,#2,…)が用いられており、これらの
光源92(#1,#2,…)からの信号光はマルチプレ
クサ等の多重化手段93で多重化されて信号光入力ポー
ト3に供給される。この実施例において、励起光の周波
数を掃引手段91により変化させると、それに伴って、
位相共役光を発生する利得帯域も周波数軸上で掃引され
る。従って、複数の信号光のうち利得帯域にある信号光
を択一的に選択して、その信号光に対応する位相共役光
を発生させることができるので、周波数分割多重システ
ムにおけるチャネル選択を容易に行うことができる。
【0056】図17は本発明の第12実施例を示す光ア
ンド回路システムのブロック図である。この実施例で
は、図6の第2実施例における励起光源21及び22と
光カプラ23及び24と光デバイダ31と光フィルタ3
3とが用いられ、さらに励起光制御手段101が設けら
れている。励起光制御手段101は、励起光源21から
光カプラ23のポート23Bに供給される励起光の強度
を入力論理データQ1のハイ及びローに従って変化させ
る駆動回路102と、励起光源22から光カプラ24の
ポート24Bに供給される励起光の強度を入力論理デー
タQ2のハイ及びローに従って変化させる駆動回路10
3とを含む。信号光入力ポート3には光源104からの
例えば変調されていない信号光が供給される。そして、
入力論理データQ1及びQ2がともにハイのときにのみ位
相共役光出力ポート6から位相共役光が出力されるよう
に信号光及び励起光の強度を調整しておく。このときの
入力論理データQ1及びQ2とこれらに対する位相共役光
の論理レベルX1との関係を表に示す。
【0057】
【表1】
【0058】表から明らかなように、この実施例による
と、2つの入力論理データに対する位相共役光の強度レ
ベルがアンド回路の出力として得られていることがわか
る。尚、2つの論理データは電気信号であっても良いし
光信号であっても良い。また、この実施例においては、
非線形光学媒質1における非線形光学効果自体の応答時
間はピコ秒程度であるので、極めて高速な演算の実現が
可能になる。
【0059】ところで、光の波動性を積極的に利用した
光計測や光通信に用いられる光を振動電場と考えると、
この振動電場の振幅や位相は種々の原因で揺らいでい
る。取り分け、場の量子論的揺らぎは避けることができ
ないものである。従って、このような揺らぎが光計測に
おける精度や光通信における受信感度を究極的に律する
ことになる。場のある量の揺らぎはその量と特定の関係
にあるもう1つの量との間の不確定性関係で律せられて
いる。即ち、これら2つの量の揺らぎの大きさの積は所
定値以下にはならない。しかし、一方の量の揺らぎが大
きくなることを許容すれば、他方の量の揺らぎを小さく
することができる可能性は残されている。このような考
えに基づいて、揺らぎの少ない場を作ろうという試みが
なされている。こうして作られた場はスクイズド状態と
称され、この状態における光はスクイズド光と称され
る。
【0060】本発明の位相共役光発生装置を用いてスク
イズド状態を生成することができる。即ち、励起光の強
度が高い場合、出力信号光と位相共役光についての量子
論的取り扱いが可能になり、出力信号光及び位相共役光
が互いにパラメトリックな量子相関を有することを用い
てスクイズド状態の生成が可能になり、光計測における
測定精度や光通信における感度を高めることができる。
【0061】以上説明したように、本発明の第1の適用
態様によると、種々の光システムに適用可能な新規な構
成を有する位相共役光発生装置の提供が可能になるとい
う効果が生じる。また、この位相共役光発生装置を備え
た種々の有用な光システムを提供することができるよう
になるという効果が生じる。
【0062】次に本発明の第2の適用分野について説明
する。本発明の以下の実施例は、位相共役光を用いた光
通信システムに関する。
【0063】本発明の第2の適用分野における目的は、
多機能性を有する位相共役光発生手段を用い、これを光
通信システムに適用することである。
【0064】具体的には、本発明の以下の実施例の目的
は、光伝送路での位相揺らぎを補償した光通信システム
を提供することにある。
【0065】本発明によると、主局と従局の間に光伝送
路を設けてなる光通信システムであって、上記主局は位
相共役光発生手段及び第1の変調手段を有し、上記従局
はプローブ光発生手段及び第1の復調手段を有し、上記
プローブ光発生手段はプローブ光を上記光伝送路の第1
端に供給し、上記位相共役光発生手段は上記光伝送路の
第2端から出力した上記プローブ光に対する位相共役光
を発生して該位相共役光を上記光伝送路の第2端に供給
し、上記第1の変調手段は第1の入力データに従って上
記位相共役光を変調し、上記第1の復調手段は上記光伝
送路の第1端から出力した上記位相共役光に基づいて上
記第1の入力データを復調するシステムが提供される。
【0066】このシステムにおいては、光伝送路を介し
て従局から伝送されたプローブ光に対する位相共役光を
主局で発生させ、この位相共役光を例えばデータ信号に
より変調して光伝送路を介して従局に伝送するようにし
ているので、位相共役光における時間反転の性質によ
り、光伝送路での位相揺らぎが補償される。
【0067】以下、本発明の第2の適用分野における実
施例を添付図面に従って詳細に説明する。
【0068】図18は本発明の光通信システムの基本構
成を示すブロック図である。このシステムは、主局20
1と従局202を光伝送路203により接続して構成さ
れる。主局201は位相共役光発生手段204及び(第
1の)変調手段205を有する。従局202はプローブ
光発生手段206及び(第1の)復調手段207を有す
る。プローブ光発生手段206は、変調された或いは変
調されていないプローブ光を光伝送路203の第1端に
供給する。位相共役光発生手段204は、光伝送路20
3の第2端から出力したプローブ光を受け、そのプロー
ブ光に対する位相共役光を発生して、この位相共役光を
光伝送路203の第2端に供給する。変調手段205
は、入力データに従って位相共役光を変調する。復調手
段207は、光伝送路203の第1端から出力した位相
共役光に基づいて入力データを復調する。変調手段20
5は、位相共役光発生手段204に動作的に接続されて
位相共役光を内部変調するように構成されていても良い
し、位相共役光発生手段204とは独立して位相共役光
発生手段204から光伝送路203の第2端に供給され
る位相共役光を外部変調するように構成されていても良
い。
【0069】図19は図18の主局201の具体的構成
例を示すブロック図である。位相共役光発生手段204
は、非線形光学媒質211と、励起光を発生する励起光
発生手段212と、プローブ光/励起光供給手段213
とを含む。プローブ光/励起光供給手段213は、励起
光発生手段212から供給された励起光を、図18の従
局202から光伝送路203を介して供給されたプロー
ブ光とともに非線形光学媒質211に供給する。非線形
光学媒質211内で発生した位相共役光は、プローブ光
の供給経路と同じ経路を逆向きに経て或いはプローブ光
の供給経路とは異なる経路を経て図18の光伝送路20
3に供給される。
【0070】図19のように構成された位相共役光発生
手段204が用いられている場合、位相共役光を変調す
る変調手段205は、入力データに従って励起光を変調
する励起光変調手段214を含むことができる。励起光
変調手段214は、励起光発生手段212の光源を直接
変調し、或いは励起光発生手段212からプローブ光/
励起光供給手段213を介して非線形光学媒質211に
供給される励起光を間接変調する。非線形光学媒質21
1を用いて位相共役光を発生させる場合、パラメトリッ
ク光増幅(光パラメトリックプロセス)又は4光波混合
によるのが望ましい。パラメトリック光増幅は2次の非
線形光学効果を用いるのに対し、4光波混合は3次の非
線形光学効果を用いる。4光波混合により位相共役光を
発生させる場合、励起光として同一周波数の第1及び第
2の励起光を用い、これら第1及び第2の励起光を非線
形光学媒質に互いに逆向きに供給するのが望ましい。こ
のような双方向励起型の4光波混合による場合には、効
率的に位相共役光を発生させることができる。勿論一つ
の励起光源を用いて4光波混合を発生させても良い。
【0071】図20は、同一周波数の第1及び第2の励
起光を3次の非線形光学効果を呈する非線形光学媒質に
互いに逆向きに供給して4光波混合を生じさせる場合に
おける位相共役光の発生原理の説明図である。3次の非
線形光学効果を呈する非線形光学媒質NOMに第1及び
第2の励起光EP1及びEP2を互いに反対の向きで入射さ
せている状態で、非線形光学媒質NOMに入力信号光
(プローブ光に相当)を供給すると、3次の非線形光学
プロセス(具体的には第1及び第2の励起光のいずれか
一方と入力信号光とにより形成される空間回折格子によ
る第1及び第2の励起光のいずれか他方の回折)によ
り、周波数ωS、波数kSの入力信号光ESから、周波数
ωS、波数kSの出力信号光ES′と周波数ωI、波数kI
の出力アイドラ光EI′とが生成される。出力アイドラ
光EI′が入力信号光ESの位相共役光に相当するもので
あることは後述する。特に、互いに反対の向きで供給さ
れた第1及び第2の励起光が同じ周波数(ωP)である
場合には、波数についてkI=−kSとなるから、アイド
ラ光は入力信号光の入射方向と反対方向に出力され、こ
れにより反射型の位相共役光発生装置(位相共役ミラ
ー)が実現される。このとき、エネルギー保存則により
次の関係が成り立つ。
【0072】
【数7】
【0073】図21は、4光波混合における信号光、励
起光及びアイドラ光の周波数配置を説明するための図で
ある。Ωは信号光と励起光の離調周波数を表す。周波数
軸上において、信号光及びアイドラ光は励起光を中心と
して対称の位置にあることが分かる。
【0074】図20の原理における非線形光学効果の相
互作用長をLとすれば、生成方程式は以下のように与え
られる。
【0075】
【数8】
【0076】となる。n及びχ(3)はそれぞれ非線形媒
質NOMの屈折率及び3次の非線形光学定数を表す。ま
た、<χ(3)>は非線形光学定数χ(3)の全ての偏波状態
についての平均を表す。
【0077】(14),(15) 式より、信号光及びアイドラ光
に対するそれぞれの利得GS及びGIは、
【0078】
【数9】
【0079】で与えられることがわかる。通常、ωI
ωS≒1であるから、非線形光学効果による位相共役光
の発生においては、信号の増幅が実現されることがわか
る。また、この場合における利得は、励起光の強度に依
存するので、励起光の強度を変調することで、アイドラ
光について強度変調を行うことができる。図20の原理
に基づいて発生する出力アイドラ光EI′は入力信号光
Sに対する位相共役光になっている。このことは、(1
4),(15) 式において、入力アイドラ光がない場合(E I
=0)を考えてみれば明らかである(EI′はESの複素
共役に相当)。
【0080】次に、この位相共役光の大きな特徴である
時間反転の性質について説明する。いま、+z方向に進
行する入力信号光(変調されていない入力プローブ光に
相当)が平面波として次の式で表されるものとする。
【0081】
【数10】
【0082】ここで、AS(r)は電場の複素振幅、r
は空間座標ベクトル、ωSはプローブ光の周波数、tは
時間、kSは波数ベクトルを表し、c.c.はその直前
の項の複素共役をとることを意味する。但し、波数ベク
トルの大きさkSは、光路の屈折率をn、真空中の光速
をcとすると、kS=ωSn/cで与えられる。このと
き、(20)式で表される光の位相共役光は、次の(21)式で
表される。
【0083】
【数11】
【0084】(21)式は−z方向の進行波である反射型の
位相共役光を表している。(21)式より明らかなように、
反射型の位相共役光については、
【0085】
【数12】
【0086】が成り立ち、位相共役光が時間反転の性質
を持つことがわかる。この時間反転の性質を用いること
によって、光伝送路で受ける定常的な位相歪み(例えば
波長分散の影響)や偏波変動等の位相揺らぎを補償可能
である。
【0087】図22は図18及び図19の主局204の
実施例を示すブロック図である。この実施例では、図1
9の非線形光学媒質211として光ファイバ221が用
いられている。光ファイバ221は望ましくは石英系の
シングルモードファイバである。また、図19の励起光
発生手段212に対応して2つのレーザダイオード22
2及び223が用いられている。レーザダイオード22
2及び223はそれぞれ第1及び第2の励起光を出力
し、これらの周波数は等しい。非線形光学媒質211と
しては、光ファイバ221の他にBaTiO3等の光誘
起屈折率(フォトリフラクティブ)効果媒質、各種の有
機化合物、各種半導体、特に進行波型の半導体光増幅器
やファブリペロ型の半導体光増幅器を用いることもでき
る。また、LiNbO3等による光導波構造も採用可能
である。いずれにしても、これらの媒質の主にFWMを
用いることにより位相共役光の発生が可能であり、位相
共役光の発生効率が高い非線形光学媒質を用いてその光
路長を短くすることが、位相整合を容易にして広帯域化
を図る上で有効である。レーザダイオード222及び2
23からの第1及び第2の励起光を非線形光学媒質とし
ての光ファイバ221にそれぞれ互いに逆向きで入射さ
せるために、図19のプローブ光/励起光供給手段21
3は、2つの光カプラ224及び225を含む。光カプ
ラ224はポート224A,224B及び224Cを有
し、少なくとも、ポート224Aに供給された光をポー
ト224Bから出力しポート224Bに供給された光を
ポート224Cから出力するように機能する。光カプラ
224のポート224Aはレーザダイオード222に接
続され、ポート224Bは光ファイバ221の第1端に
接続され、ポート224Cは信号光出力用のポート22
6に接続される。光カプラ225はポート225A,2
25B及び225Cを有し、少なくとも、ポート225
Aに供給された光をポート225Bから出力しポート2
25Bに供給された光をポート225Cから出力しポー
ト225Cに供給された光をポート225Bから出力す
るように機能する。光カプラ225のポート225Aは
レーザダイオード223に接続され、ポート225Bは
光ファイバ221の第2端に接続され、ポート225C
はプローブ光入力及び位相共役光出力のためのポート2
27に接続される。光カプラ224及び225として
は、例えば、ファイバ融着型のもの、ハーフミラー、光
合波器、偏光ビームスプリッタ等が使用される。
【0088】この実施例では、図19の励起光変調手段
214は、レーザダイオード222及び223の駆動制
御回路228を含む。駆動制御回路228は、光ファイ
バ221に供給される第1及び第2の励起光によって入
力プローブ光に対する位相共役光が発生するようにレー
ザダイオード222及び223に駆動電流を供給し、ま
た、レーザダイオード222及び/又は223に供給す
る駆動電流を入力データに従って変化させる。位相共役
光について強度変調又は振幅変調を行う場合には、駆動
制御回路228は、入力データに従って第1及び第2の
励起光の少なくともいずれか一方の強度又は振幅が変調
されるように、レーザダイオード222及び223に与
える駆動電流を制御する。また、位相共役光について周
波数変調を行う場合には、駆動制御回路228は、入力
データに従って第1及び第2の励起光の周波数が変調さ
れるように、レーザダイオード222及び223に与え
る駆動電流を制御する。レーザダイオード222及び2
23から光ファイバ221にそれぞれ供給される第1及
び第2の励起光が周波数変調されると、信号光の周波数
と励起光の周波数の差が励起光の周波数と位相共役光の
周波数の差に等しいという関係(図21参照)から、位
相共役光が周波数変調される。
【0089】この実施例によると、レーザダイオード2
22及び223からの第1及び第2の励起光を非線形光
学媒質としての光ファイバ221にそれぞれ互いに逆向
きに供給することができるので、双方向励起型の4光波
混合を生じさせて、入力プローブ光に対する位相共役光
を効率的に発生させることができる。また、ポート22
7から入力プローブ光の供給経路と同一の経路で位相共
役光を取り出すことができるので、ポート227を図1
8の光伝送路203に接続することによって、図18の
システムを容易に実現することができる。尚、図22の
ポート226は、ポート227に供給されるプローブ光
が後述のように変調されている場合に、復調のために用
いることができる。
【0090】図23A及び23Bは、図22の駆動制御
回路228が位相共役光を強度変調すべくレーザダイオ
ード23に与える駆動電流を変化させて第2の励起光を
強度変調する場合についての位相共役光及び第2の励起
光の波形を説明するための図である。図23Aにおい
て、下段は第2の励起光EP2の波形を表し、上段は位相
共役光EI′の波形を表している。第2の励起光EP2
アナログ信号(この例では正弦波信号)により強度変調
されており、第2の励起光EP2が信号利得G=1を満足
する値EP2 (0)よりも高い値のときにのみ位相共役光が
出力される。従って、位相共役光EI′の波形は、正弦
波信号を半波整流した波形と等価になる。図23Bは第
2の励起光がデジタル信号により強度変調されている場
合についてを図23Aに準じて表示した位相共役光及び
第2の励起光の波形図である。この例においても、第2
の励起光EP2がしきい値EP2 (0)よりも高い値のときに
のみ位相共役光が出力される。尚、第2の励起光の強度
又は振幅を常にしきい値EP2 (0)よりも高い領域で変化
させる場合にも、本発明を実施可能である。
【0091】図24は本発明の光通信システムの他の基
本構成を示すブロック図である。この基本構成は、図1
8の基本構成と対比して、主局201の第1の変調手段
205が第1の入力データに従って位相共役光を変調し
ている点と、従局202が第2の入力データに従ってプ
ローブ光を変調する第2の変調手段231をさらに有し
ている点と、主局201が位相共役光発生手段204の
出力光に基づいて第2の入力データを復調する第2の復
調手段32をさらに有する点とで特徴付けられる。この
構成によると、従局202から主局201に向かう方向
にはプローブ光に伝送データをのせ、主局201から従
局202に向かう方向については位相共役光に伝送デー
タをのせることができるので、双方向伝送が可能になる
とともに、主局201から従局202に向かう方向につ
いて光伝送路での位相揺らぎを補償することができる。
【0092】第2の変調手段231がプローブ光の周波
数又は位相を変調する場合には、第1の変調手段205
における位相共役光に対する変調方式としては、強度変
調又は振幅変調を採用可能である。こうすることで、第
1及び第2の復調手段207及び232がそれぞれ容易
に第1及び第2の入力データを復調することができる。
また、第2の変調手段231がプローブ光の強度又は振
幅を比較的低い変調度で変調し、第1の変調手段205
が位相共役光の強度又は振幅を比較的高い変調度で変調
するようにしても、或いはその逆でも良好に復調を行う
ことができる。尚、図24の第2の復調手段232は、
例えば図22のポート226に接続され、図22の光フ
ァイバ221内で増幅された信号光(増幅された変調プ
ローブ光に相当)に基づいて、第2の入力データを復調
する。
【0093】図25は図18又は図24のシステムに適
用可能な従局の第1実施例を示すブロック図である。こ
の実施例では、位相共役光が強度変調されている場合
に、直接検波により伝送データを復調する。光カプラ2
41はポート241A,241B及び241Cを有し、
ポート241Aに供給された光をポート241Bから出
力しポート241Cに供給された光をポート241Aか
ら出力するように機能する。光カプラ241としては例
えば光サーキュレータを用いることができる。光カプラ
241のポート241Aは図18又は図24の光伝送路
203に接続され、ポート241Bはフォトダイオード
等の受光器242に接続され、ポート241Cはプロー
ブ光の光源としてのレーザダイオード244に接続され
る。
【0094】強度変調された位相共役光が光カプラ24
1のポート241A及び241Bをこの順に経て受光器
242に供給されると、受光器242の出力電気信号は
伝送されてきた位相共役光の強度変化に対応して変化す
る。従って、識別器等を用いて通常通り構成される復調
回路243により受光器242の出力電気信号を処理す
ることで、伝送データを再生することができる。プロー
ブ光の光源としてのレーザダイオード244は駆動回路
245により駆動される。この実施例の従局を図18の
システムに適用する場合には、駆動回路245はレーザ
ダイオード244を定常駆動し、レーザダイオード24
4からは一定のプローブ光が出力され、このプローブ光
は光カプラ241のポート241C及び241Aをこの
順に経て図18の光伝送路203に送出される。一方、
この実施例の従局が図24のシステムに適用される場合
には、レーザダイオード244から変調されたプローブ
光が出力されるように、駆動回路245がレーザダイオ
ード244を駆動する。コヒーレントな位相共役光に対
して振幅変調、位相変調又は周波数変調が行われている
場合には、従局では、ローカル光を用いてヘテロダイン
検波により伝送データを再生することができる。この場
合、従局に伝送された位相共役光をローカル光と共に受
光器の受光面に入射させて、ヘテロダイン検波を行うこ
とができる。
【0095】図26は図18又は図24のシステムに適
用可能な従局の第2実施例を示すブロック図である。こ
の実施例は、従局でヘテロダイン検波を行う場合に、一
つの光源からのプローブ光を2分岐し、その一方をロー
カル光として用いている点で特徴付けられる。図18又
は図24の光伝送路203により伝送された位相共役光
は、光カプラ241のポート241A及び241Bをこ
の順に経てさらにハーフミラー251を透過してフォト
ダイオード等の受光器252に入射する。レーザダイオ
ード253から出力されたプローブ光は、ハーフミラー
254で分岐され、分岐プローブ光の一方は光カプラ2
41のポート241C及び241Aをこの順に経て光伝
送路に送出される。分岐プローブ光の他方は、ハーフミ
ラー254で反射してローカル光としてさらにハーフミ
ラー251で反射し、位相共役光と同一光路で受光器2
52の受光面に入射する。
【0096】この場合、ローカル光源と信号光源を共通
化できる上、ローカル光源は受信機の近傍に設置される
ので、高い光パワーレベルでのローカル光の受光が可能
であり、従って、高い受信感度の確保も容易である。位
相共役光及びローカル光が受光器252の受光面に同一
光路で入射すると、位相共役光の周波数とローカル光の
周波数の差に相当する周波数を有する中間周波信号が、
受光器252の出力として得られる。従って、フィルタ
検波方式或いは同期検波方式により通常通り構成される
復調回路256を用いて、受光器252から供給される
中間周波信号に基づいて伝送データを復調することがで
きる。尚、図26において、符号255はレーザダイオ
ード253の駆動回路を表しており、この駆動回路25
5は図25の駆動回路245に対応している。
【0097】図27は図26の受光器252から出力さ
れる中間周波信号のスペクトルの説明図である。図21
で説明したように、非線形光学媒質を用いて4光波混合
により位相共役光を発生させる場合、プローブ光と励起
光の離調周波数をΩとすると、励起光と位相共役光の離
調周波数もΩとなり、その結果、プローブ光の周波数と
位相共役光の周波数の差は2Ωとなる。従って、図26
の実施例において、分岐プローブ光をローカル光として
用いた場合には、中間周波信号の中心周波数は2Ωとな
る。
【0098】ところで、図26の実施例のように、ヘテ
ロダイン検波を行う場合には、受光器252に入射する
位相共役光及びローカル光の偏光面を一致させておくこ
とが、中間周波信号の出力レベルを安定化する上で要求
される。レーザダイオード253の出力光は通常直線偏
光に近い偏光状態を有しているので、レーザダイオード
253からハーフミラー254及び251を介して受光
器252に供給されるローカル光は一定の偏光面を有す
る直線偏光と見なすことができる。一方、光伝送路とし
てよく用いられるシングルモードファイバの伝搬モード
には、偏光面が互いに直交する2つの偏光モードが存在
し、これら2つの偏光モードは各種の外乱の影響により
結合して、結果として、シングルモードファイバの第1
端に供給される光の偏光状態はそのファイバの第2端か
ら出力される光の偏光状態に一致しない。従って、図2
6の光カプラ241のポート241Aに接続される光伝
送路としてシングルモードファイバが用いられている場
合には、光カプラ241のポート241Bからハーフミ
ラー251を介して受光器252に供給される位相共役
光の偏光状態は、環境変化等によって時間とともに変動
する。このような偏光状態の変動があると、受光器25
2から出力される中間周波信号のレベルが変動し、最悪
の場合位相共役光とローカル光が干渉せずに受信不能状
態となる。
【0099】このような問題に対処するために、従来の
コヒーレント光通信システムでは、受光器に供給される
信号光(図26の実施例における位相共役光に相当)及
び/又はローカル光について、これらの偏光状態が一致
するような偏光制御を行っていた。偏光制御に代えて、
光伝送路としての偏波保持ファイバの使用或いは偏波ダ
イバーシティ方式の適用によっても上述の問題に対処す
ることができるが、いずれにしても、システムの構成が
複雑になるという欠点がある。
【0100】図28は偏光制御その他の対策を行うこと
なしに中間周波信号の高いレベルを維持することができ
る実施例を示す光通信システムのブロック図である。従
局202としては例えば図26に示されたものが用いら
れる。主局201と従局202を接続する光伝送路20
3は、この実施例ではシングルモードファイバ261で
ある。主局201は2つの位相共役光発生装置262及
び263と偏光ビームスプリッタ264とを有してい
る。位相共役光発生装置262及び263は、供給され
た直線偏光のプローブ光に対して同じ偏光面を有する直
線偏光の位相共役光を発生してこの位相共役光をプロー
ブ光供給経路と逆向きに送出する。偏光ビームスプリッ
タ264はポート264A,264B及び264Cを有
し、ポート264Aに供給された光を直交2偏光成分に
分離してそれぞれポート264B及び264Cから出力
しポート264B及び264Cにそれぞれ供給された直
交2偏光成分をポート264Aから出力するように機能
する。偏光ビームスプリッタ264のポート264Aは
シングルモードファイバ261に接続され、ポート26
4B及び264Cは、定偏波ファイバ等の偏光状態保持
機能を有する伝送路を介してそれぞれ位相共役光発生装
置262及び263に接続される。
【0101】シングルモードファイバ261により従局
202から主局201に送られたプローブ光は、偏光ビ
ームスプリッタ264で偏光面が互いに直交する2つの
偏光成分に偏光分離される。プローブ光のこれら2偏光
成分はその偏光状態を保ったままそれぞれ位相共役光発
生装置262及び263に供給され、ここでそれぞれ対
応した偏光面を有する位相共役光が発生する。位相共役
光発生装置262及び263から出力した位相共役光
は、偏光ビームスプリッタ264で偏光合成され、シン
グルモードファイバ261により従局202に伝送され
る。位相共役光発生装置262及び263から送出され
る位相共役光の2偏光成分は、プローブ光の偏光状態の
変動を正確にさかのぼって従局202に伝送されるの
で、シングルモードファイバ261における偏光状態の
変動の周期が主局201及び従局202間の光の往復時
間に比べて十分に大きい場合には、シングルモードファ
イバ261の出力端における位相共役光の偏光状態は、
プローブ光としてシングルモードファイバ261に供給
された状態に戻り、従って、常に最適な偏光状態でのヘ
テロダイン検波が可能になる。このように本実施例によ
ると、偏光制御や偏波ダイバーシティ方式の適用が不要
になるので、簡単且つ高性能なシステムの提供が可能に
なる。尚、位相共役光発生装置262及び偏光ビームス
プリッタ264間の光路長と位相共役光発生装置263
及び偏光ビームスプリッタ264間の光路長の差は、光
源のコヒーレント長よりも短く設定されることが望まし
い。
【0102】主局201は、一つの位相共役光発生装置
262のみを有するように構成されても良い。この場
合、図28の主局201の構成要素のうち位相共役光発
生装置263及び偏光ビームスプリッタ264が省略さ
れ、位相共役光発生装置262は偏波能動制御器を介し
てシングルモード光ファイバ261に接続される。そし
て、シングルモードファイバ261から主局201に入
力する任意の偏波状態の光を偏波能動制御器により位相
共役光発生装置262で発生させる位相共役光の偏波状
態(通常は直線偏波)と同じ状態に変換して位相共役光
発生装置262に入力する。こうすると、発生した位相
共役光は偏波能動制御器で再びシングルモードファイバ
261から出力された際の偏波状態に変換される。従っ
て、この位相共役光がシングルモードファイバ261を
逆方向に伝搬して従局202に戻った際には、最初の偏
波状態と等しくなるのである。
【0103】図18又は図24のシステムにおいて、プ
ローブ光発生手段206から光伝送路203に供給され
るプローブ光が周波数分割多重された複数のプローブ光
である場合には、周波数分割多重数と同数の位相共役光
発生手段204を用いるか、或いは、周波数分割多重さ
れた複数のプローブ光に対して位相共役光をそれぞれ発
生し得る広帯域の位相共役光発生手段204を用いるこ
とで、周波数分割多重光伝送が可能になる。
【0104】図29は本発明を光分配系に適用した実施
例を示す光通信システムのブロック図である。この系で
の第1の実施例は、それぞれが主局201に対応する複
数の加入者271と、従局202に対応する分配局27
2とを光マルチ/デマルチプレクサ273を介して接続
している場合である。分配局272からの単一周波数の
或いは周波数分割多重されたプローブ光は、光マルチ/
デマルチプレクサ273で分配されて、各加入者271
に供給される。各加入者271では、各分配プローブ光
に基づき伝送データが再生され、一方、各加入者271
からのリクエスト信号等の伝送データは位相共役光によ
り分配局72に伝送される。この実施例では、各加入者
271では出力信号光及び位相共役光についての増幅を
行わせることができるので、光マルチ/デマルチプレク
サ273における分配損失を補償することができ、簡単
な構成の光加入者システムを実現することができる。各
加入者271は例えば図19の主局の具体的構成例を有
しており、この場合、各励起光発生手段212が発生す
る各励起光の周波数を異ならせておくことによって、分
配局272の側で例えばいずれの加入者からのリクエス
ト信号であるかを検出することが容易になる。
【0105】この系での第2の実施例は、主局に対応す
る分配局272と従局に対応する複数の加入者271を
光マルチ/デマルチプレクサ273を介して接続してい
る場合である。各加入者271の各々に割り当てられた
周波数のプローブ光或いは共通の光源から分配されたプ
ローブ光は、光マルチ/デマルチプレクサ273で合成
されて、分配局272に供給される。分配局272は、
プローブ光を位相共役光に変換し、この位相共役光に伝
送データを載せた後、再び各加入者271に伝送する。
位相共役光の生成においては、各加入者の各々に別々の
周波数のプローブ光が割り当てられている場合には、加
入者の数と同数の位相共役光発生手段を用いるか、或い
は、複数のプローブ光に対して位相共役光を発生し得る
広帯域の位相共役光発生手段が用いられる。また、各加
入者からのプローブ光には各加入者からのリクエスト信
号を載せておくことも可能である。
【0106】以上説明したように、本発明の第2の適用
態様によると、多機能性を有する位相共役光発生手段を
用いてこれを光通信システムに適用することができるの
で、所定の機能を簡単な構成で実現することができるよ
うになるという効果が生じる。また、本発明によると、
光伝送路での位相揺らぎを補償した光通信システムの提
供が可能になるという効果が生じる。
【0107】続いて、本発明の第3の適用分野について
説明する。本発明の以下の実施例は、種々の光システム
に適用可能な光変調器に関する。
【0108】従来、光変調器としては、電気信号により
光デバイスを変調するものが知られている。例えば、レ
ーザダイオードの注入電流の変調による振幅変調や周波
数(位相)変調、LiNbO3光導波路のバイアス電圧
の変調による強度変調や位相変調等が盛んに行われてい
る。光システムの高速化に際し、従来の光変調器の性能
は限界に近づきつつある。その一方で、光システムのさ
らなる高速化への期待もある。また、光増幅中継が盛ん
になるにつれ、伝送速度に依存しない光中継器が求めら
れるようになってきている。こうした要求に応えるため
には、電気的な処理を介さない光による光変調器(所謂
全光変調器)の開発が要求される。
【0109】本発明の第3の適用分野における目的は、
このような光変調器を提供することにある。
【0110】図30は本発明の光変調器の基本構成を示
すブロック図である。この光変調器は、プローブ光源3
01と、励起光源302と、非線形光学媒質303と、
プローブ光源301からのプローブ光を励起光源302
からの励起光とともに非線形光学媒質303に供給する
プローブ光/励起光供給手段304と、励起光源302
に動作的に接続されて励起光を情報信号により変調する
変調手段305とを備える。そして、非線形光学媒質3
03から変調された位相共役光が出力される。
【0111】非線形光学媒質を用いた4光波混合(FW
M)による位相共役光の発生及びその性質については、
例えば第2の適用分野において(13)式乃至(22)式により
説明したので、ここでは出力アイドラ光(位相共役光)
がどのように変調されるかについて、振幅(強度)変
調、周波数変調、位相変調を例にとり説明する。いま、
FWMにおける入力信号光(プローブ光)ES(ωS
t)、励起光EP(ωP,t)及び出力アイドラ光EI
(ωP,t)がそれぞれ次のように表されるものとす
る。AS(ωS,t),AP(ωP,t)及びAI(ωI
t)はそれぞれプローブ光、励起光及び出力アイドラ光
の振幅、ωS,ωP及びωIはそれぞれプローブ光、励起
光及び出力アイドラ光の周波数、tは時間、φ
S(t),φP(t)及びφI(t)はそれぞれプローブ
光、励起光及び出力アイドラ光の位相を表している。
【0112】
【数13】
【0113】ここで、入力アイドラ光がない場合(EI
=0)を考えると、(13)式乃至(16)式より以下の関係が
得られる。
【0114】
【数14】
【0115】(1)振幅(強度)変調 (26)式より、励起光の振幅AP(ωP,t)を変化させる
と、その絶対値の二乗に比例して出力アイドラ光(位相
共役光)の振幅AI(ωI,t)が変化することがわか
る。即ち、(29)式及び(30)式で表されるように励起光に
振幅(強度)変調をかけると、(31)式で与えられるよう
に出力アイドラ光が振幅(強度)変調されるものであ
る。
【0116】
【数15】
【0117】このとき、励起光EP(ωP,t)の消光比
をγとすると、得られるアイドラ光EI′(ωP,t)の
消光比はγ2となる。例えば、γ=−15dBとする
と、γ2=−30dBとなるから、大幅な消光比の改善
が可能になる。
【0118】アイドラ光EI′(ωP,t)は、励起光E
P(ωP,t)が信号利得G=1を満足する値EP (0)より
も高い値のときにのみ出力される。この様子を図31A
に示す。ここでは、励起光を正弦波で変調している。励
起光をデジタル信号によりオン−オフ変調する場合に
は、図31Bに示すような波形になる。ところで、特に
デジタル変調の場合に励起光のパルス形状は実際には図
31Cに示すように矩形からなまった形状であり、アイ
ドラ光の振幅が励起光の振幅の二乗に比例することを考
慮すると、アイドラ光のパルス幅は励起光のパルス幅に
比べて狭くなることがわかる。この様子を図31Cに示
す。従って、このような性質を用いて、任意のデューテ
ィ比及び形状を有するRZパルスを生成することが可能
になる。(2)周波数変調 励起光に(32)式で表されるような周波数変調をかけると
すると、出力アイドラ光は(33)式で与えられるように周
波数変調される。
【0119】
【数16】
【0120】この場合、出力アイドラ光に対する変調度
が励起光に対するそれの二倍になるため、出力アイドラ
光に変調度mの周波数変調を与えるために必要な励起光
の変調度はその半分のm/2でよいことになる。(3)位相変調 励起光に(34)式で示されるように位相変調をかけるとす
ると、出力アイドラ光は(35)式で与えられるように位相
変調される。
【0121】
【数17】
【0122】この場合にも、周波数変調の場合と同様
に、アイドラ光に対する変調度は励起光に対するそれの
二倍になるため、アイドラ光に変調度mの周波数変調を
与えるための励起光の変調度はその半分のm/2でよい
ことになる。(33)式及び(34)式より、出力アイドラ光の
位相雑音は励起光の位相雑音の二倍と信号光の位相雑音
との和になる。従って、光周波数変調或いは光位相変調
を行う場合には、用いる光源の位相雑音が極力小さいこ
とが望ましい。即ち、プローブ光源及び励起光源として
はコヒーレント光源を用いるのが望ましい。
【0123】図30において、FWMによりアイドラ光
を生成するための非線形媒質303の具体例としては、
TiBaO3やLiNbO3等の結晶媒質、各種の有機媒
質、各種の半導体(例えば半導体光増幅器)、さらには
光ファイバ等があげられる。いずれの場合にも、対向励
起配置にすれば位相共役鏡(PCM)型光変調器を構成
することができ、前方励起配置にすれば透過型の位相共
役器型光変調器を構成することができる。本発明を光フ
ァイバ通信に適用する場合には、光伝送路との整合性か
ら、非線形光学媒質としては光ファイバが適している。
以下、非線形光学媒質として光ファイバを用いたいくつ
かの例を説明する。
【0124】図32は本発明の光変調器の第1実施例を
示すブロック図である。図30の非線形光学媒質30
3、励起光源302、プローブ光/励起光供給手段30
4、プローブ光源301及び変調手段305にそれぞれ
対応する光ファイバ321、励起LD(レーザダイオー
ド)322、光カプラ323、プローブLD324及び
変調回路325が用いられる。非線形光学媒質としての
光ファイバ321は望ましくはシングルモードファイバ
である。この場合において、プローブ光の波長と励起光
の波長をわずかに異ならせて非縮退型のFWMを生じさ
せるときには、光ファイバ321の零分散を与える波長
が励起光の波長(励起LD322の発振波長)に一致す
るようにしておく。光カプラ323は4つのポート32
3A,323B,323C及び323Dを有している。
ポート323AにはプローブLD324が接続され、ポ
ート323Bには励起LD322が接続され、ポート3
23Cには光ファイバ321の第1端が接続され、ポー
ト323Dはデッドエンドにされる。光カプラ323
は、少なくとも、ポート323A及び323Bに供給さ
れた光をポート323Cから出力するように機能し、こ
の光カプラ323としては、例えば、ファイバ融着型の
もの、ハーフミラー、光合波器、偏光ビームスプリッタ
等が使用される。
【0125】この構成によると、光カプラ323のポー
ト323Aに供給されたプローブ光とポート323Bに
供給された励起光とを共に非線形光学媒質である光ファ
イバ321に導波させることができるので、FWMによ
り透過型の位相共役光(アイドラ光)を発生することが
できる。そして、励起LD322に接続されている変調
回路325によって励起光が変調されているので、前述
した原理に従って光ファイバ321の第2端からは変調
されたアイドラ光を出力させることができる。この変調
されたアイドラ光は例えば図示しない光ファイバからな
る光伝送路に送出される。
【0126】非線形光学媒質として光ファイバを用いる
場合、光ファイバ内でFWMを効率よく生じさせるため
には、プローブ光とアイドラ光の位相整合をとることが
望ましい。そのための有効な方法としては、励起光とプ
ローブ光の波長を一致させた縮退FWMを用いる方法
や、励起光の波長を光ファイバの零分散波長に一致させ
る方法等がある。特に、後者の方法を採用する場合に
は、プローブ光とアイドラ光が互いに複素共役の関係を
保ちつつこれらの位相速度を等しくすることができ(2
次分散までの近似において)、結果として理想的な位相
整合が可能になる。
【0127】ところで、光ファイバ内のFWMにより光
変調を行う場合には、変調効率を大きくするために励起
光の強度を大きくすると誘導ブリルアン散乱(SBS)
により励起光が光ファイバ内で反射されてしまい、それ
により変換効率が飽和してしまう。特に、振幅(強度)
変調や変調をかけない場合(CW)には、シングルモー
ドファイバにおいては約+7〜8dBm程度の入力パワ
ーでSBSがおきる。このようなSBSの影響を排除し
た実施例を次に説明する。
【0128】図33は本発明の光変調器の第2実施例を
示すブロック図である。この実施例では、比較的低い周
波数ω′の発振器327により周波数変調されている励
起LD322からの励起光を光変調器326を介して光
カプラ323のポート323Bに入力している。光変調
器326は、情報信号が入力する変調回路325により
駆動されて、通過する励起光を振幅(強度)変調する。
こうすると、光ファイバ321内における励起光の単位
周波数当たりのパワー密度を低下させてSBSを抑圧す
ることができる。光変調器326により励起光を間接変
調することに代えて、励起光を直接変調する場合には、
周波数ω′の低周波信号を情報信号に重畳して励起LD
322に供給すれば良い。尚、発振器326の周波数
ω′は変調回路325に供給される情報信号に影響を及
ぼさないために十分に低速であることが望ましい。この
実施例では、変調された位相共役光を得るに際して励起
光の低速な周波数変調を行っているが、前述した実施例
のように変調されていない位相共役光を得る場合におい
ても、励起光を周波数変調することによりSBSを抑圧
することができる。
【0129】図34は本発明の光変調器の第3実施例を
示すブロック図である。この実施例は、図32の第1実
施例と対比して、光ファイバ321内で発生した位相共
役光(出力アイドラ光)を、光バンドパスフィルタ33
1及び光増幅器332をこの順に介して図示しない光伝
送路に送出している点で特徴付けられる。光増幅器33
2は例えば線形光増幅器である。光増幅器332の一つ
の構成例は、Er(エルビウム)等の希土類元素がドー
プされたドープファイバと、ポンプ光を出力するポンプ
光源と、このポンプ光を増幅すべき光(ここでは出力ア
イドラ光)とともにドープファイバに供給する手段とを
含む。光バンドパスフィルタ331は、プローブLD3
24及び励起LD322からの光や雑音光等の不所望な
光を除去するためのものであり、これにより変調された
出力アイドラ光のみをこの光変調器から出力することが
できる。また、このような不要な光を除去することによ
って、例えば、励起LD322からの励起光によって光
増幅器332の動作が飽和することが回避され、光ファ
イバ321内で生じた出力アイドラ光を十分に増幅する
ことができる。また、一般に励起LD322からの励起
光の強度はプローブ光及び出力アイドラ光の強度に比べ
て極めて高いので、光バンドパスフィルタ331を用い
て励起光等の不要な光を除去することによって、高強度
な励起光が後段の光伝送路内でさらに非線形光学効果を
生じさせる恐れがない。さらに、光バンドパスフィルタ
331で不要な光を除去することによって、変調された
出力アイドラ光に基づき受信側で復調信号を再生するに
際して、励起光の存在による復調の困難を排除すること
ができる。尚、励起LD322から供給される励起光の
強度が十分に高い場合には、光ファイバ321に供給さ
れたプローブ光の強度よりも光ファイバ321内で発生
する出力アイドラ光の強度が高くなることがあるので、
このような増幅作用が生じている場合には、光増幅器3
22は用いなくてもよい。
【0130】図35は本発明の光変調器の第4実施例を
示すブロック図である。この実施例は、図32の第1実
施例に対比して、励起LD322と光カプラ323のポ
ート323Bとの間に偏光スクランブラ341を設けて
いる点で特徴付けられる。一般にシングルモードファイ
バの伝搬モードには、偏光面が互いに直交する2つの偏
光モードが存在し、各種の外乱の影響によりこれら2つ
の偏光モードが結合して、結果としてシングルモードフ
ァイバの第1端に供給される光の偏光状態はこのシング
ルモードファイバの第2端から出力される光の偏光状態
に一致しない。従って、本発明の光変調器を光中継器に
内蔵させる場合等のように、プローブLD324からの
プローブ光が比較的長いシングルモードファイバを介し
て光カプラ323に供給されているような場合には、非
線形光学媒質としての光ファイバ321に供給されるプ
ローブ光の偏光状態は、環境変化等によって時間ととも
に変動する。一方、前述した出力アイドラ光(位相共役
光)の発生原理から明らかなように、プローブ光から位
相共役光への変換効率は、非線形光学媒質に供給される
プローブ光の偏光状態と励起光の偏光状態との関係に依
存する。図35の第4実施例によると、励起LD322
からの励起光を偏光スクランブラ341を介してプロー
ブ光と合流させるようにしているので、供給されるプロ
ーブ光の偏光状態が時間とともに変動する場合でも、プ
ローブ光から位相共役光への変換効率を一定にして光変
調器の動作を安定にすることができる。
【0131】偏光スクランブラ341は、1/2波長板
及び1/4波長板等を用いて通常通り構成され、例え
ば、励起LD322から供給される励起光がほぼ直線偏
光である場合にその偏光面を回転するように機能する。
供給されるプローブ光の偏光状態の環境条件の変化等に
起因する変動は比較的ゆっくりであるので、偏光スクラ
ンブラ341の動作周波数(例えば偏光面の回転周期の
逆数)を1〜100KHz程度に設定しておくことによ
って、十分に偏光依存性を排除することができる。この
例では、励起LD322から供給される励起光に対して
偏光スクランブラ341を作用させているが、偏光スク
ランブラをプローブ光に対して作用させるようにしても
よい。
【0132】図36は本発明の光変調器の第5実施例を
示すブロック図である。この実施例では、プローブLD
324から供給されたプローブ光を偏光面が互いに直交
する第1及び第2偏光成分に分離する偏光ビームスプリ
ッタ351と、偏光ビームスプリッタ351からの第1
及び第2偏光成分に基づいてそれぞれ位相共役光(出力
アイドラ光)を発生させる位相共役光発生器352及び
353と、位相共役光発生器352及び353からの各
位相共役光を合流させる偏光合成器354とが用いられ
る。偏光合成器354は例えば偏光ビームスプリッタで
あり、偏光合成器354で合成された位相共役光は図示
しない光伝送路に送出される。位相共役光発生器352
及び353としては、例えば、図32の第1実施例の構
成からプローブLD324及び変調回路325を除いた
ものを用いることができる。位相共役光発生器352及
び353における励起光を変調するために、変調回路3
25′が設けられている。
【0133】この実施例によると、各位相共役光発生器
352及び353に供給されるプローブ光の第1及び第
2偏光成分はともに直線偏光であるから、位相共役光発
生器352及び353において、供給されたプローブ光
(第1又は第2偏光成分)の偏光状態を励起光の偏光状
態に一致させるのが容易であり、偏光依存性を排除する
ことができる。つまり、プローブLD324から供給さ
れるプローブ光の偏光状態の変動にかかわらず、位相共
役光の発生効率を一定にすることができるのである。こ
の実施例では、偏光ビームスプリッタ351から位相共
役光発生器352を経て偏光合成器354に至る光路の
光路長と偏光ビームスプリッタ351から位相共役光発
生器353を経て偏光合成器354に至る光路の光路長
との差を信号の1タイムスロットTにおける光の進行距
離に比べて十分小さくすることが望ましい。例えば、変
調回路325′に供給される情報信号が10Gb/sの
NRZ信号である場合には、その1タイムスロットTに
おける光の進行距離は約2mmとなるから、光路長差はそ
の1/10に相当する0.2mm程度以下に抑えることが
望ましい。
【0134】図37は本発明の光変調器の第6実施例を
示す図である。プローブ光/励起光供給手段としては光
カプラ323が用いられ、非線形光学媒質としては偏波
保持ファイバ355が用いられている。プローブLD3
24からのプローブ光と励起LD322からの励起光
は、光カプラ323で合流されて偏波保持ファイバ35
5に入力する。励起光は予め定められた偏波面を有する
実質的な直線偏光であり、この予め定められた偏波面が
偏波保持ファイバ355の主軸に対してほぼ45°傾斜
するように励起LD322の配置等が設定される。こう
しておくと、励起光パワーの偏波保持ファイバ内での直
交2偏波成分を等しく一定に保つことができるので、任
意の偏光状態のプローブ光に対して出力アイドラ光の生
成効率を安定に保つことができる。
【0135】図37の実施例では、非線形光学媒質とし
て使用される偏波保持ファイバ355の長さが長くなる
のに従って、偏波保持ファイバ355の2つの主軸方向
の偏波に対する屈折率のわずかな違いによる位相ずれが
生じる可能性があるので、励起光パワーを高くするか或
いは偏波保持ファイバ355の非線形定数を大きくする
ことによって、短い偏波保持ファイバ355で足りるよ
うにすることが望ましい。この直交2偏波成分間の位相
ずれの程度は、偏波保持ファイバ355の材料や構造に
より決定される。標準的なファイバにおいては、10m
の長さに対して17psのずれが発生する。従って、ビ
ットレートが60Gb/s程度の信号に対して1ビット
の偏波分散となって現れる。この場合、実際に伝送可能
な信号の伝送速度は10Gb/s程度になる。偏波保持
ファイバ355の長さが長くなればさらに伝送可能な信
号の伝送速度は低下する。次に、非線形光学媒質として
の偏波保持ファイバの長さを短くすることなしに高ビッ
トレートの信号に対応可能な実施例を説明する。
【0136】図38は本発明の光変調器の第7実施例を
示すブロック図である。この実施例は、図37の実施例
と対比して、非線形光学媒質がほぼ同じ長さの2本の偏
波保持ファイバ355A及び355Bからなる点で特徴
付けられる。偏波保持ファイバ355A及び355Bは
これらの主軸同士が互いに直交するように接続される。
励起光は予め定められた偏波面を有する実質的な直線偏
光である。光カプラ323で合流したプローブ光と励起
光は、偏波保持ファイバ355Aの第1端に供給され
る。ここで、励起光の偏波面が偏波保持ファイバ355
Aの主軸に対してほぼ45°傾斜するように、励起LD
322の配置等が設定される。偏波保持ファイバ355
Aの第2端は偏波保持ファイバ355Bの第1端に接続
されている。偏波保持ファイバ355Bの第2端から
は、偏波保持ファイバ355A及び355B内で生じた
変調された位相共役光が出力する。この実施例では、ほ
ぼ同じ特性を有する偏波保持ファイバ355A及び35
5Bの長さを等しく設定しているので、偏波保持ファイ
バ355Aで生じた直交2偏波成分間の位相ずれは偏波
保持ファイバ355Bにおいて生じる直交2偏波成分間
の位相ずれと相殺され、偏波保持ファイバ355A及び
355Bの総長が長い場合でも、これによって信号の伝
送速度が制限されることがない。
【0137】図39は本発明の光変調器の第8実施例を
示すブロック図である。励起光源として励起LD322
が用いられ、非線形光学媒質として光ファイバ321が
用いられている点は前述の図32乃至図35の実施例と
同じである。この実施例では、プローブ光及び励起光を
光ファイバ321に双方向に導波させるために、プロー
ブ光/励起光供給手段は、光カプラ361と偏光ビーム
スプリッタ362とを含む。光カプラ361はポート3
61A,361B及び361Cを有し、ポート361A
及び361Bに供給された光をポート361Cから出力
する。ポート361AにはプローブLD324が接続さ
れ、ポート361Bには励起LD322が接続される。
偏光ビームスプリッタ362はポート362A,362
B,362C及び362Dを有し、ポート362A及び
362Bに供給された光を直交2偏光成分に偏光分離
し、これらの2偏光成分をそれぞれポート362C及び
362Dから出力する。また、偏光ビームスプリッタ3
62は、ポート362C及び362Dに供給された光を
直交2偏光成分に偏光分離し、これらの2偏光成分をそ
れぞれポート362A及び362Bから出力する。ポー
ト362Aには光カプラ361のポート361Cが接続
され、ポート362Bには図示しない光伝送路が接続さ
れ、ポート362C及び362D間には光ファイバ32
1が接続される。光ファイバ321の途中には、1/4
波長板及び1/2波長板等を用いて通常通り構成される
偏光制御器363が設けられており、この偏光制御器3
63は光ファイバ321に供給された光の偏光状態と光
ファイバ321から出力する光の偏光状態とが一致する
ような制御を行う。
【0138】光カプラ361に供給されたプローブ光は
励起LD322からの励起光と合流され、これらプロー
ブ光及び励起光は、偏光ビームスプリッタ362で第1
偏光成分とこの第1偏光成分の偏光面に直交する偏光面
を有する第2偏光成分とに分離される。第1及び第2偏
光成分は、それぞれ光ファイバ321を互いに逆方向に
伝搬して、さらにもう一度偏光ビームスプリッタ362
を通過するときに偏光合成されてポート362Bから出
力される。励起LD322から出力される励起光の偏光
面は、偏光ビームスプリッタ362で分離される第1及
び第2偏光成分への、励起LD322からの励起光の分
配比が1:1になるように、設定される。即ち、偏光ビ
ームスプリッタ362のポート362Aに供給される励
起光の偏光面は、第1及び第2偏光成分の偏光面に対し
てそれぞれほぼ45°傾斜するように、励起LD322
が設定される。こうしておくと、光ファイバ321に互
いに逆方向に導波されるプローブ光の直交2偏光成分に
対して、励起光の直交2偏光成分がそれぞれ一致した偏
光面でもって作用するので、光ファイバ321内で互い
に逆方向に発生した位相共役光を偏光ビームスプリッタ
362で合成してポート362Bから出力したときに、
供給されたプローブ光の偏光状態の変動にかかわらず一
定の変換効率で位相共役光を得ることができる。
【0139】図40は本発明の光変調器の第9実施例を
示すブロック図である。この実施例は、図39の実施例
と対比して、非線形光学媒質として偏波保持ファイバ3
21′を用いている点で特徴付けられる。偏波保持ファ
イバ321′は、偏波保持ファイバ321′に供給され
た光の偏光状態が偏波保持ファイバ321′から出力さ
れる光の偏光状態に一致するように、偏光ビームスプリ
ッタ362に接続される。この場合、偏波保持ファイバ
321′の主軸は、偏光ビームスプリッタ362で偏光
分離される直線偏光の偏光面に平行である。この実施例
によると、図39の偏波制御器363が不要になるの
で、装置の構成を簡単にすることができる。
【0140】図41は本発明の光変調器の第10実施例
を示すブロック図である。非線形光学媒質としての光フ
ァイバ321と、励起LD322と、プローブLD32
4と、偏光ビームスプリッタ362と、偏光制御器36
3とが用いられている点は、図39の実施例と同じであ
る。この実施例では、位相共役光の発生に際して消費さ
れずに残った励起光を発生した位相共役光と分離するた
めに、プローブ光/励起光供給手段は、光カプラ371
と1/2波長板373と偏光ビームスプリッタ362と
を含む。また、励起光を供給するポートと位相共役光を
取り出すポートとを分離するために、プローブ光/励起
光供給手段はさらに光サーキュレータ372を含む。光
サーキュレータ372は3つのポート372A,372
B及び372Cを有し、ポート372Aに供給された光
をポート372Bから出力し、ポート372Bに供給さ
れた光をポート372Cから出力し、ポート372Cに
供給された光をポート372Aから出力するように機能
する。ポート372AにはプローブLD324が接続さ
れ、ポート372Cは図示しない光伝送路に接続され
る。光カプラ371は4つのポート371A,371
B,371C及び371Dを有し、ポート371A及び
371Bに供給された光を等分配してポート371C及
び371Dから出力し、ポート371C及び371Dに
供給された光を等分配してポート371A及び371B
から出力する。光カプラ371としては、例えばハーフ
ミラーやファイバ融着型のものが用いられる。ポート3
71Aには励起LD322が接続され、ポート371B
にはサーキュレータ372のポート372Bが接続さ
れ、ポート371Dは偏光ビームスプリッタ362のポ
ート362Bに接続される。1/2波長板373は光カ
プラ371のポート371Cと偏光ビームスプリッタ3
62のポート362Aの間の光路に挿入され、この1/
2波長板373は供給された光の偏光面を90°回転さ
せる。この実施例では、光カプラ371のポート371
Aに供給される励起光の偏光状態と、プローブLD32
4から光サーキュレータ372を介して光カプラ371
のポート371Bに供給されるプローブ光の偏光状態と
が一致するようにされている。
【0141】いま、これらの励起光及びプローブ光がそ
れぞれ紙面に垂直な偏光面を有する直線偏光であるとし
てこの実施例における動作を説明する。光カプラ371
のポート371A及び371Bにそれぞれ供給された励
起光及びプローブ光は、等分配されてポート371C及
び371Dから出力する。ポート371Cから出力され
たプローブ光及び励起光は、1/2波長板373で偏光
面を90°回転させられ、紙面に平行な偏光面を有する
直線偏光として偏光ビームスプリッタ362のポート3
62Aに供給される。ポート362Aに供給されたプロ
ーブ光及び励起光は、ポート362Dから光ファイバ3
21に供給され、光ファイバ321内で図の反時計回り
に伝搬するときに同方向に位相共役光が発生する。この
位相共役光と残留した励起光は、ポート362Cから偏
光ビームスプリッタ362に供給されポート362Bか
ら出力する。一方、光カプラ371のポート371Dか
ら偏光ビームスプリッタ362のポート362Bに供給
されたプローブ光及び励起光は、紙面に垂直な偏光面を
有しているので、これらプローブ光及び励起光は、ポー
ト362Dから光ファイバ321に供給され、光ファイ
バ321内で図中の反時計回りに伝搬するときに位相共
役光が発生する。この位相共役光と残留した励起光は、
ポート362Cから偏光ビームスプリッタ362に供給
され、ポート362Aから出力される。ポート362A
から1/2波長板373に供給された位相共役光及び励
起光は、偏光面を90°回転させられて紙面に平行な直
線偏光として光カプラ371のポート371Cに供給さ
れる。1/2波長板373からポート371Cに供給さ
れる励起光及び位相共役光と偏光ビームスプリッタ36
2のポート362Bから光カプラ371のポート371
Dに供給される励起光及び位相共役光とは、ともに紙面
に平行な偏光面を有しており、且つ、これらが経てきた
光路の長さは完全に一致する。従って、光カプラ371
においてポート371C及び371Dに供給された励起
光及び位相共役光のうち、励起光は主としてポート37
1Aから出力され、位相共役光は主としてポート371
Bから出力される。光カプラ371のポート371Bか
ら出力された光は、光サーキュレータ372を介して図
示しない光伝送路に送出される。
【0142】本実施例によると、非線形光学媒質として
の光ファイバ321内での位相共役光の発生に際して残
留した励起光と発生した位相共役光とを、光フィルタ
(例えば図34の光バンドパスフィルタ331)を用い
ることなしに分離することができる。位相共役光の発生
に際して用いられる励起光の強度はプローブ光及び発生
した位相共役光の強度に比べて極めて高いので、このよ
うな高強度の励起光を位相共役光と分離する上で、図4
1の実施例は有用である。
【0143】以上説明した実施例では、プローブ光は1
つであるが、周波数分割多重された複数のプローブ光に
対しても本発明を適用可能である。
【0144】図42は本発明の光変調器の第11実施例
を示すブロック図である。シングルモードファイバSM
F−1からのプローブ光は、光カプラ382の第1ポー
トに入力する。光ファイバ382の第2ポートには、情
報信号源384により変調される励起光源386からの
励起光が、偏波制御器388を介して供給される。光カ
プラ382で加え合わされたプローブ光及び励起光が非
線形光学媒質390に入力すると、ここで位相共役光が
発生し、この位相共役光は光カプラ392で2分岐され
る。分岐された一方の位相共役光は、シングルモードフ
ァイバSMF−2に送出され、分岐された他方の位相共
役光は光フィルタ394を通って受光器396で電気信
号に変換される。比較器398は、受光器396の出力
レベルが最大になるように、励起光の偏波状態と励起光
源386の発振波長とを制御する。励起光の波長は、励
起光源386として使用されるレーザダイオードの温度
やバイアス電流により制御される。
【0145】この実施例によると、励起光の偏光状態を
プローブ光の偏光状態に合わせて能動的に制御するよう
にしているので、プローブ光の偏光状態にかかわらず安
定した変換効率で位相共役光を発生させることができ
る。
【0146】以上説明した本発明の光変調器の実施例で
は、プローブ光源を非線形光学媒質の比較的近くに設置
してこの光変調器を送信局に適用しているが、この光変
調器は中継局にも適用可能である。即ち、送信局から送
られてきたプローブ光を中継局で励起光(変調されてい
る)とともに非線形光学媒質に入力することで、非線形
光学媒質において生じる位相共役光に情報の書き込みを
行うことができるのである。
【0147】本発明は以下の付記を含むものである。
【0148】(付記1) 非線形光学媒質(1) と、励起
光を出力する励起光源(2) と、信号光入力ポート(3) に
供給された入力信号光を上記励起光源(2) からの上記励
起光とともに上記非線形光学媒質(1) に供給する信号光
/励起光供給手段(4)と、上記非線形光学媒質(1) に供
給された上記入力信号光及び上記励起光の相互作用によ
り発生した出力信号光及び位相共役光を抽出してそれぞ
れ信号光出力ポート(5) 及び位相共役光出力ポート(6)
から出力する信号光/位相共役光抽出手段(7) とを備え
た位相共役光発生装置。
【0149】(付記2) 上記非線形光学媒質(1) にお
いては2次の非線形光学効果に基づく光パラメトリック
プロセス又は3次の非線形光学効果に基づく4光波混合
プロセスにより上記位相共役光が発生する付記1に記載
の位相共役光発生装置。
【0150】(付記3) 上記信号光/励起光供給手段
(4) は、上記信号光入力ポート(3)と上記励起光源(2)
と上記非線形光学媒質(1) の第1端とにそれぞれ接続さ
れた第1乃至第3ポート(11A,11B,11C) を有し該第1及
び第2ポート(11A,11B) に供給された光を該第3ポート
(11C) から出力する光カプラ(11)を含む付記1に記載の
位相共役光発生装置。
【0151】(付記4) 上記非線形光学媒質(1) にお
いては片方向励起型の4光波混合により上記位相共役光
が発生し、上記信号光/位相共役光抽出手段(7) は、第
1乃至第3ポート(12A,12B,12C) を有し、該第1ポート
(12A) は上記非線形光学媒質(1) の第2端に接続され、
該第1ポート(12A) に供給された光を2分岐してそれぞ
れ該第2及び第3ポート(12B,12C) から出力する光デバ
イダ(12)と、該光デバイダ(12)の第2ポート(12B) と上
記信号光出力ポート(5) の間の光路に挿入されその通過
帯域は上記出力信号光の周波数を包含する第1の光フィ
ルタ(13)と、上記光デバイダ(12)の第3ポート(12C) と
上記位相共役光出力ポート(6) の間の光路に挿入されそ
の通過帯域は上記位相共役光の周波数を包含する第2の
光フィルタ(14)とを含む付記3に記載の位相共役光発生
装置。
【0152】(付記5) 上記励起光源(2) は周波数が
等しい励起光をそれぞれ出力する第1及び第2の励起光
源(21,22) であり、上記信号光/励起光供給手段(4)
は、第1乃至第3ポート(23A,23B,23C) を有し、該第2
ポート(23B) は上記第1の励起光源(21)に接続され、該
第3ポート(23C) は上記非線形光学媒質(1) の第1端に
接続され、該第1及び第2ポート(23A,23B) に供給され
た光を該第3ポート(23C) から出力し、該第3ポート(2
3C) に供給された光を該第1ポート(23A) から出力する
第1の光カプラ(23)と、第1乃至第3ポート(24A,24B,2
4C) を有し、該第1ポート(24A) は上記非線形光学媒質
(1) の第2端に接続され、該第2ポート(24B) は上記第
2の励起光源(22)に接続され、該第1ポート(24A) に供
給された光を該第3ポート(24C) から出力し、該第2ポ
ート(24B) に供給された光を該第1ポート(24A) から出
力する第2の光カプラ(24)とを含む付記1に記載の位相
共役光発生装置。
【0153】(付記6) 上記非線形光学媒質(1) にお
いては双方向励起型の4光波混合により上記位相共役光
が発生し、上記信号光/位相共役光抽出手段(7) は、第
1乃至第3ポート(31A,31B,31C) を有し、該第1ポート
(31A) は上記信号光入力ポート(3) に接続され、該第3
ポート(31C) は上記第1の光カプラ(23)の第1ポート(2
3A) に接続され、その第1ポート(31A) に供給された光
を該第3ポート(31C) から出力し、該第3ポート(31C)
に供給された光を該第2ポート(31B)から出力する光デ
バイダ(31)と、上記第2の光カプラ(24)の第3ポート(2
4C) と上記信号光出力ポート(5) の間の光路に挿入され
その通過帯域は上記出力信号光の周波数を包含する第1
の光フィルタ(32)と、上記光デバイダ(31)の第2ポート
(31B) と上記位相共役光出力ポート(6) の間の光路に挿
入されその通過帯域は上記位相共役光の周波数を包含す
る第2の光フィルタ(33)とを含む付記5に記載の位相共
役光発生装置。
【0154】(付記7) 上記非線形光学媒質(1) にお
いては双方向励起型の4光波混合により上記位相共役光
が発生し、上記位相共役光出力ポート(6) は第1及び第
2の位相共役光出力ポート(6A,6B) であり、上記信号光
/位相共役光抽出手段(7) は、第1乃至第3ポート(41
A,41B,41C) を有し、該第1ポート(41A) は上記第2の
光カプラ(24)の第3ポート(24C) に接続され、該第1ポ
ート(41A) に供給された光を2分岐してそれぞれ該第2
及び第3ポート(41B,41C) から出力する第1の光デバイ
ダ(41)と、該第1の光デバイダ(41)の第2ポート(41B)
と上記信号光出力ポート(5) の間の光路に挿入されその
通過帯域は上記出力信号光の周波数を包含する第1の光
フィルタ(42)と、上記第1の光デバイダ(41)の第3ポー
ト(41C) と上記第1の位相共役光出力ポート(6A)の間の
光路に挿入されその通過帯域は上記位相共役光の周波数
を包含する第2の光フィルタ(43)と、第1乃至第3ポー
ト(31A,31B,31C) を有し、該第1ポート(31A) は上記信
号光入力ポート(3) に接続され、該第3ポート(31C) は
上記第1の光カプラ(23)の第1ポート(23A) に接続さ
れ、その第1ポート(31A) に供給された光を該第3ポー
ト(31C) から出力し、該第3ポート(31C) に供給された
光を該第2ポート(31B)から出力する第2の光デバイダ
(31)と、該第2の光デバイダ(31)の第2ポート(31B) と
上記第2の位相共役光出力ポート(6B)の間の光路に挿入
されその通過帯域は上記位相共役光の周波数を包含する
第3の光フィルタ(33)とを含む付記5に記載の位相共役
光発生装置。
【0155】(付記8) 入力データに基づき上記励起
光を変調する変調手段(51)をさらに備えた付記1に記載
の位相共役光発生装置。
【0156】(付記9) 上記変調手段(51)は上記励起
光の強度又は振幅を変調する付記8に記載の位相共役光
発生装置。
【0157】(付記10) 上記変調手段(51)は上記励
起光の周波数を変調する付記8に記載の位相共役光発生
装置。
【0158】(付記11) 送信局(61)と、受信局(62)
と、該送信局(61)及び該受信局(62)間に敷設された光伝
送路(63)と、該光伝送路(63)の途中に挿入された少なく
とも一つの中継局(64)とを備え、該中継局(64)は請求項
1に記載の位相共役光発生装置(65)を含み、該位相共役
光発生装置(65)は、上記送信局(61)の側から供給された
光を上記入力信号光として受け、上記位相共役光を上記
受信局(62)の側に向けて送出する中継光伝送システム。
【0159】(付記12) 上記中継局(64)は入力デー
タに基づき上記励起光を変調する変調手段(66)をさらに
含み、上記入力データは当該中継局(64)の監視データを
含む付記11に記載の中継光伝送システム。
【0160】(付記13) 上記送信局(61)が送出する
光は伝送データにより変調されており、上記中継局(64)
は、上記位相共役光発生装置(65)から出力される上記出
力信号光を受け上記伝送データに対応した復調データを
再生する復調手段(67)をさらに含む付記11に記載の中
継光伝送システム。
【0161】(付記14) 上記中継局(64)は複数あ
り、該複数の中継局(64)のうち上記送信局(61)の側から
数えて1番目の中継局が有する上記位相共役光発生装置
(65)の上記信号光入力ポート(3) は上記送信局(61)に接
続され、該複数の中継局(64)のうち上記送信局の側から
数えてn(nは1より大きい自然数)番目の中継局が有
する上記位相共役光発生装置(65)の上記信号光入力ポー
ト(3) は(n−1)番目の中継局が有する上記位相共役
光発生装置(65)の上記位相共役光出力ポート(6) に接続
され、該複数の中継局(64)のうち上記受信局(62)の側か
ら数えて1番目の中継局が有する上記位相共役光発生装
置(65)の上記位相共役光出力ポート(6) は上記受信局(6
2)に接続される付記11に記載の中継光伝送システム。
【0162】(付記15) 第1の光送信機(71)及び第
1の光受信機(72)を有する第1の送受信局(73)と、第2
の光送信機(74)及び第2の光受信機(75)を有する第2の
送受信局(76)と、該第1及び第2の送受信局(73,76) 間
に敷設された上り及び下り光伝送路(77,78) と、該上り
及び下り光伝送路(77,78) の途中に挿入された少なくと
も1つの中継局(79)とを備え、該中継局(79)は付記1に
記載の位相共役光発生装置 (65′) を含み、該位相共役
光発生装置 (65′) の上記励起光源(2) は第1及び第2
の励起光をそれぞれ出力する第1及び第2の励起光源で
あり、上記位相共役光発生装置 (65′) の上記位相共役
光出力ポート(6) は第1及び第2の位相共役光出力ポー
ト(6A,6B) であり、上記位相共役光発生装置 (65′)
は、上記第1の送受信局(73)の側から上記信号光入力ポ
ート(3) に供給された光を第1の信号光として受け、該
第1の信号光及び上記第1の励起光に基づき第1の位相
共役光を発生させ、該第1の位相共役光を上記第1の位
相共役光出力ポート(6A)から上記第2の送受信局(76)の
側に向けて送出するとともに、上記第2の送受信局(76)
の側から上記信号光出力ポート(5) に供給された光を第
2の信号光として受け、該第2の信号光及び上記第2の
励起光に基づき第2の位相共役光を発生させ、該第2の
位相共役光を上記第2の位相共役光出力ポート(6B)から
上記第1の送受信局(73)の側に向けて送出する双方向中
継光伝送システム。
【0163】(付記16) 上記中継局(79)は複数あ
り、該複数の中継局(79)のうち上記第1の送受信局(73)
の側から数えて1番目の中継局が有する上記位相共役光
発生装置 (65′) の上記信号光入力ポート(3) 及び上記
第2の位相共役光出力ポート(6B)はそれぞれ上記第1の
光送信機(71)及び上記第1の光受信機(72)に接続され、
該複数の中継局(79)のうち上記第1の送受信局(73)の側
から数えてn(nは1より大きい自然数)番目の中継局
が有する上記位相共役光発生装置 (65′) の上記信号光
入力ポート(3) 及び上記第2の位相共役光出力ポート(6
B)は(n−1)番目の中継局が有する上記位相共役光発
生装置 (65′) のそれぞれ上記第1の位相共役光出力ポ
ート(6A)及び上記信号光出力ポート(5) に接続され、該
複数の中継局(79)のうち上記第2の送受信局(76)の側か
ら数えて1番目の中継局が有する上記位相共役光発生装
置 (65′) の上記信号光出力ポート(5) 及び上記第1の
位相共役光出力ポート(6A)はそれぞれ上記第2の光送信
機(74)及び上記第2の光受信機(75)に接続される付記1
5に記載の双方向中継光伝送システム。
【0164】(付記17) 付記1に記載の位相共役光
発生装置(65)を複数備え、該複数の位相共役光発生装置
(65)のうちの上位のものの上記信号光出力ポート(5) 及
び上記位相共役光出力ポート(6) はそれぞれ該複数の位
相共役光発生装置(65)のうちのすぐ下位のものの上記信
号光入力ポート(3) に接続される光分配システム。
【0165】(付記18) 付記1に記載の位相共役光
発生装置と、該装置の上記励起光源(2) をオン・オフす
るスイッチング手段(81)とを備え、該スイッチング手段
(81)の動作により上記位相共役光が発生する状態と発生
しない状態とを択一的に切り換える光スイッチングシス
テム。
【0166】(付記19) 付記1に記載の位相共役光
発生装置と、該装置における上記励起光の周波数を掃引
する掃引手段(91)とを備え、該装置の上記信号光入力ポ
ート(3) には周波数分割多重された複数の信号光が供給
され、上記掃引手段(91)の動作により上記複数の信号光
から択一的に選択された信号光に対応する位相共役光が
発生する光選択システム。
【0167】(付記20) 付記5に記載の位相共役光
発生装置と、第1及び第2の入力論理データのハイ及び
ローに従ってそれぞれ上記装置の上記第1及び第2の励
起光源の発光強度を変化させる励起光制御手段(101) と
を備え、上記第1及び第2の入力論理データがともにハ
イのときにのみ上記位相共役光が発生する光アンド回路
システム。
【0168】(付記21) 主局(201) と従局(202) の
間に光伝送路(203) を設けてなる光通信システムであっ
て、上記主局(201) は位相共役光発生手段(204) 及び第
1の変調手段(205) を有し、上記従局(202) はプローブ
光発生手段(206) 及び第1の復調手段(207) を有し、上
記プローブ光発生手段(206) はプローブ光を上記光伝送
路(203) の第1端に供給し、上記位相共役光発生手段(2
04) は上記光伝送路(203) の第2端から出力した上記プ
ローブ光に対する位相共役光を発生して該位相共役光を
上記光伝送路(203)の第2端に供給し、上記第1の変調
手段(205) は第1の入力データに従って上記位相共役光
を変調し、上記第1の復調手段(207) は上記光伝送路(2
03) の第1端から出力した上記位相共役光に基づいて上
記第1の入力データを復調する光通信システム。
【0169】(付記22) 上記位相共役光発生手段(2
04) は、非線形光学媒質(211) と、励起光を出力する励
起光発生手段(212) と、該励起光発生手段(212) から供
給された上記励起光を上記プローブ光とともに上記非線
形光学媒質(211) に供給するプローブ光/励起光供給手
段(213) とを含む付記21に記載の光通信システム。
【0170】(付記23) 上記非線形光学媒質(211)
は3次の非線形光学効果を呈し、該非線形光学媒質(21
1) においては4光波混合により上記位相共役光が発生
する付記22に記載の光通信システム。
【0171】(付記24) 上記第1の変調手段(205)
は、上記第1の入力データに従って上記励起光を変調す
る励起光変調手段(214) を含む付記22に記載の光通信
システム。
【0172】(付記25) 上記励起光は上記非線形光
学媒質(211) に互いに逆向きに供給される同一周波数の
第1及び第2の励起光である付記24に記載の光通信シ
ステム。
【0173】(付記26) 上記励起光変調手段(214)
は上記第1及び第2の励起光の少なくともいずれか一方
の強度又は振幅を変調する付記25に記載の光通信シス
テム。
【0174】(付記27) 上記励起光変調手段(214)
は上記第1及び第2の励起光の周波数を変調する付記2
5に記載の光通信システム。
【0175】(付記28) 上記従局(202) は、第2の
入力データに従って上記プローブ光を変調する第2の変
調手段(231) をさらに有し、上記主局(201) は、上記位
相共役光発生手段(204) の出力光に基づいて上記第2の
入力データを復調する第2の復調手段(232) をさらに有
する付記21に記載の光通信システム。
【0176】(付記29) 上記第2の変調手段(231)
は上記プローブ光の周波数又は位相を変調し、上記第1
の変調手段(205) は上記位相共役光の強度又は振幅を変
調する付記28に記載の光通信システム。
【0177】(付記30) 上記第2の変調手段(231)
は上記プローブ光の強度又は振幅を比較的低い変調度で
変調し、上記第1の変調手段(205) は上記位相共役光の
強度又は振幅を比較的高い変調度で変調する付記28に
記載の光通信システム。
【0178】(付記31) 上記第1の変調手段(205)
は上記位相共役光の強度を変調し、上記第1の復調手段
(207) は、上記光伝送路(203) の上記第1端から出力し
た上記位相共役光を電気信号に変換する受光器(242) を
含み、上記第1の復調手段(207) においては直接検波が
行われる付記21に記載の光通信システム。
【0179】(付記32) 上記第1の変調手段(205)
は上記位相共役光の振幅、位相又は周波数を変調し、上
記第1の復調手段(207) は、上記光伝送路(203) の上記
第1端から出力した上記位相共役光をローカル光ととも
に同一受光面で受けて電気信号に変換する受光器(252)
を含み、上記第1の復調手段(207) においてはヘテロダ
イン検波が行われる付記21に記載の光通信システム。
【0180】(付記33) 上記従局(202) は、上記プ
ローブ光発生手段(206) からの上記プローブ光を第1及
び第2のプローブ光に分岐する光分岐手段(254) をさら
に有し、該第1のプローブ光は上記光伝送路(203) の上
記第1端に供給され、該第2のプローブ光は上記ローカ
ル光として上記受光器(252) に供給される付記32に記
載の光通信システム。
【0181】(付記34) 上記光伝送路(203) はシン
グルモードファイバ(261) であり、上記位相共役光発生
手段(204) は第1及び第2の位相共役光発生装置(262,2
63) であり、上記主局(201) は、第1乃至第3ポート(2
64A,264B,264C)を有し該第1ポート(264A)は上記シング
ルモードファイバ(261) に接続され該第2及び第3ポー
ト(264B,264C) はそれぞれ上記第1及び第2の位相共役
光発生装置(262,263) に接続され該第1ポート(264A)に
供給された光を直交2偏光成分に分離してそれぞれ該第
2及び第3ポート(264B,264C) から出力し該第2及び第
3ポート(264B,264C)にそれぞれ供給された直交2偏光
成分を該第1ポート(264A)から出力する偏光ビームスプ
リッタ(264) をさらに有する付記33に記載の光通信シ
ステム。
【0182】(付記35) 上記光伝送路(203) の上記
第1端に供給される上記プローブ光は周波数分割多重さ
れた複数のプローブ光である付記21に記載の光通信シ
ステム。
【0183】(付記36) 上記従局(202) は、第2の
入力データに従って上記プローブ光を変調する第2の変
調手段(231) をさらに有し、上記主局(201) は複数あ
り、該複数の主局(201) は、それぞれ、上記位相共役光
発生手段(204) の出力光に基づいて上記第2の入力デー
タを復調する第2の復調手段(232) をさらに有する付記
21に記載の光通信システム。
【0184】(付記37) 上記複数の主局(201) の各
上記位相共役光発生手段(204) は、それぞれ、非線形光
学媒質(211) と、励起光を発生する励起光発生手段(21
2) と、該励起光発生手段(212) から供給された上記励
起光を上記プローブ光とともに上記非線形光学媒質(21
1) に供給するプローブ光/励起光供給手段(213) とを
含み、各上記励起光発生手段(212) が発生する各上記励
起光の周波数は異なる付記36に記載の光通信システ
ム。
【0185】(付記38) 上記従局(202) は複数ある
付記21に記載の光通信システム。
【0186】(付記39) プローブ光源(301) と、励
起光源(302) と、非線形光学媒質(303) と、上記プロー
ブ光源(301) からのプローブ光を上記励起光源(302) か
らの励起光とともに上記非線形光学媒質(303) に供給す
るプローブ光/励起光供給手段(304) と、上記励起光源
(302) に動作的に接続されて上記励起光を情報信号によ
り変調する変調手段(305) とを備え、上記非線形光学媒
質(303) から変調された位相共役光が出力される光変調
器。
【0187】(付記40) 上記非線形光学媒質(303)
は3次の非線形光学効果を呈し、該非線形光学媒質(30
3) においては4光波混合により上記位相共役光が発生
する付記39に記載の光変調器。
【0188】(付記41) 上記変調手段(305) は上記
励起光の振幅又は強度を変調する付記39に記載の光変
調器。
【0189】(付記42) 上記変調手段(305) は上記
励起光の周波数を変調する付記39に記載の光変調器。
【0190】(付記43) 上記変調手段(305) は上記
励起光の位相を変調する付記39に記載の光変調器。
【0191】(付記44) 上記非線形光学媒質(303)
に動作的に接続され、その通過帯域は上記位相共役光の
波長を包含する光バンドパスフィルタ(331) をさらに備
えた付記39に記載の光変調器。
【0192】(付記45) 上記光バンドパスフィルタ
(331) に動作的に接続され、上記位相共役光を増幅する
光増幅器(332) をさらに備えた付記44に記載の光変調
器。
【0193】(付記46) 上記非線形光学媒質(303)
は光ファイバ(321) である付記39に記載の光変調器。
【0194】(付記47) 上記プローブ光の波長と上
記励起光の波長はわずかに異なり、上記光ファイバ(32
1) の零分散を与える波長は上記励起光の波長にほぼ一
致する付記46に記載の光変調器。
【0195】(付記48) 上記励起光は上記情報信号
よりも十分に低速な信号により周波数変調される付記3
9に記載の光変調器。
【0196】(付記49) 上記プローブ光を偏光面が
互いに直交する第1及び第2偏光成分に分離する偏光分
離手段(351) と、偏光合成手段(354) とをさらに備え、
上記非線形光学媒質は、上記プローブ光の上記第1及び
第2偏光成分を受けて該第1及び第2偏光成分に対する
位相共役光をそれぞれ出力し、該各位相共役光が上記偏
光合成手段(354) で合成される付記39に記載の光変調
器。
【0197】(付記50) 上記非線形光学媒質は偏波
保持ファイバ(355) であり、上記励起光は予め定められ
た偏波面を有する実質的な直線偏波であり、上記予め定
められた偏波面が上記偏波保持ファイバ(355) の主軸に
対してほぼ45°傾斜するように上記励起光源が設定さ
れる付記39に記載の光変調器。
【0198】(付記51) 上記非線形光学媒質はほぼ
同じ長さの第1及び第2の偏波保持ファイバ(355A,355
B) であり、該第1及び第2の偏波保持ファイバ(355A,3
55B)はこれらの主軸同士が互いに直交するように接続さ
れ、上記励起光は予め定められた偏波面を有する実質的
な直線偏波であり、上記励起光は上記第1の偏波保持フ
ァイバ(355A)に供給され、上記予め定められた偏波面が
上記第1の偏波保持ファイバ(355A)の主軸に対してほぼ
45°傾斜するように上記励起光源が設定される付記3
9に記載の光変調器。
【0199】(付記52) 上記プローブ光/励起光供
給手段は、第1乃至第3ポート(361A,361B,361C)を有
し、該第1及び第2ポート(361A,361B) にはそれぞれ上
記プローブ光源及び上記励起光源が接続され、該第1及
び第2ポート(361A,361B) に供給された光を該第3ポー
ト(361C)から出力する光カプラ(361) と、第4乃至第7
ポート(362A,362B,362C,362D) を有し、該第4ポート(3
62A)は上記第3ポート(361C)に接続され、該第5ポート
(362B)から上記変調された位相共役光が出力され、該第
6及び第7ポート(362C,362D) は上記光ファイバ(321)
の第1端及び第2端にそれぞれ接続され、該第4及び第
5ポート(362A,362B) に供給された光の直交2偏光成分
をそれぞれ該第6及び第7ポート(362C,362D) から出力
し、該第6及び第7ポート(362C,362D) に供給された光
の直交2偏光成分をそれぞれ該第4及び第5ポート(362
A,362B) から出力する偏光ビームスプリッタ(362) とを
含み、該第4ポート(362A)に供給される上記励起光の偏
光面が上記直交2偏光成分の偏光面に対してそれぞれほ
ぼ45°傾斜するように上記励起光源が設定される付記
46に記載の光変調器。
【0200】(付記53) 上記光ファイバ(321) に供
給される光の偏光状態と上記光ファイバ(321) から出力
される光の偏光状態とが一致するように制御する偏光制
御器(363) をさらに備えた付記52に記載の光変調器。
【0201】(付記54) 上記光ファイバ(321) は偏
波保持ファイバ(321′) である付記52に記載の光変調
器。
【0202】(付記55) 上記プローブ光/励起光供
給手段は、第1乃至第4ポート(371A,371B,371C,371D)
を有し、該第1ポート(371A)には上記励起光が供給さ
れ、該第2ポート(371B)には上記プローブ光が供給さ
れ、該第1及び第2ポート(371A,371B) に供給された光
を等分配して該第3及び第4ポート(371C,371D) から出
力し、該第3及び第4ポート(371C,371D) に供給された
光を等分配して該第1及び第2ポート(371A,371B) から
出力する光カプラ(371)と、第5乃至第8ポート(362A,3
62B,362C,362D) を有し、該第6ポート(362B)は該第4
ポート(371D)に接続され、該第7及び第8ポート(362C,
362D) は上記光ファイバ(321) の第1端及び第2端にそ
れぞれ接続され、該第5及び第6ポート(362A,362B) に
供給された光の直交2偏光成分を該第7及び第8ポート
(362C,362D)から出力し、該第7及び第8ポート(362C,3
62D) に供給された光の直交2偏光成分を該第5及び第
6ポート(362A,362B) から出力する偏光ビームスプリッ
タ(362) と、該第3ポート(371C)及び該第5ポート(362
A)間の光路に挿入される1/2波長板(373) とを含み、
該第1及び第2ポート(371A,371B) にそれぞれ供給され
る上記励起光及び上記プローブ光の偏光状態は一致する
付記46に記載の光変調器。
【0203】(付記56) 上記プローブ光源に接続さ
れた第9ポート(372A)と上記第2ポート(371B)に接続さ
れた第10ポート(372B)と上記変調された位相共役光が
出力する第11ポート(372C)とを有し、該第9ポート(3
72A)に供給された光を該第10ポート(372B)から出力し
該第10ポート(372B)に供給された光を該第11ポート
(372C)から出力する光サーキュレータ(372) をさらに備
えた付記55に記載の光変調器。
【0204】(付記57) 上記プローブ光/励起光供
給手段は、上記プローブ光が供給される第1ポート(323
A)と上記励起光が供給される第2ポート(323B)と上記光
ファイバ(321) の第1端に接続される第3ポート(323C)
とを有し該第1及び第2ポート(323A,323B) にそれぞれ
供給された上記プローブ光及び上記励起光を該第3ポー
ト(323C)から出力する光カプラ(323) を含み、上記光フ
ァイバ(321) の第2端から上記変調された位相共役光が
出力される付記46に記載の光変調器。
【0205】(付記58) 上記プローブ光源と上記第
1ポート(323A)間の光路に挿入され上記プローブ光の偏
光状態を攪乱する偏光スクランブラをさらに備えた付記
57に記載の光変調器。
【0206】(付記59) 上記励起光源と上記第2ポ
ート(323B)間の光路に挿入され上記励起光の偏光状態を
攪乱する偏光スクランブラ(341) をさらに備えた付記5
7に記載の光変調器。
【0207】
【発明の効果】以上のように、本発明により位相共役光
学を光システムに適用することによって、従来の光技術
では得られなかった新しい機能の達成や光システムの特
性の改善が可能になる。本発明により得られる他の効果
については以上説明したとおりであるのでその説明を省
略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は位相共役光の発生原理の説明図である。
【図2】図2は信号光、励起光及びアイドラ光の周波数
配置の説明図である。
【図3】図3は本発明の基本構成を示す位相共役光発生
装置のブロック図である。
【図4】図4は本発明の第1実施例を示す位相共役光発
生装置のブロック図である。
【図5】図5は本発明の第2及び第3実施例を説明する
ための位相共役光発生装置の主要部のブロック図であ
る。
【図6】図6は本発明の第2実施例を示す位相共役光発
生装置のブロック図である。
【図7】図7は本発明の第3実施例を示す位相共役光発
生装置のブロック図である。
【図8】図8は本発明の第4実施例を示す位相共役光発
生装置のブロック図である。
【図9】図9A,図9B及び図9Cは本発明の第5実施
例を示す中継光伝送システムのブロック図である。
【図10】図10は本発明の第6実施例を示す中継光伝
送システムのブロック図である。
【図11】図11は本発明の第7実施例を示す双方向中
継光伝送システムのブロック図である。
【図12】図12は図11のシステムにおける周波数配
置の説明図である。
【図13】図13は本発明の第8実施例を示す双方向中
継光伝送システムのブロック図である。
【図14】図14は本発明の第9実施例を示す光分配シ
ステムのブロック図である。
【図15】図15は本発明の第10実施例を示す光スイ
ッチングシステムのブロック図である。
【図16】図16は本発明の第11実施例を示す光選択
システムのブロック図である。
【図17】図17は本発明の第12実施例を示す光アン
ド回路システムのブロック図である。
【図18】図18は本発明の光通信システムの基本構成
を示すブロック図である。
【図19】図19は本発明における主局の具体的構成を
示すブロック図である。
【図20】図20は位相共役光の発生原理の説明図であ
る。
【図21】図21は信号光、励起光及びアイドラ光(位
相共役光)の周波数配置の説明図である。
【図22】図22は本発明における主局の実施例を示す
ブロック図である。
【図23】図23A及び図23Bは位相共役光の強度変
調の説明図である。
【図24】図24は本発明の光通信システムの他の基本
構成を示すブロック図である。
【図25】図25は本発明における従局の第1実施例を
示すブロック図である。
【図26】図26は本発明における従局の第2実施例を
示すブロック図である。
【図27】図27は図26の実施例における中間周波信
号のスペクトルの説明図である。
【図28】図28は偏光制御を不要にした実施例を示す
光通信システムのブロック図である。
【図29】図29は本発明を光分配系に適用した実施例
を示す光通信システムのブロック図である。
【図30】図30は本発明の光変調器の基本構成を示す
ブロック図である。
【図31】図31A,図31B及び図31Cは励起光の
変調による出力アイドラ光の変調の説明図である。
【図32】図32は本発明の光変調器の第1実施例を示
すブロック図である。
【図33】図33は本発明の光変調器の第2実施例を示
すブロック図である。
【図34】図34は本発明の光変調器の第3実施例を示
すブロック図である。
【図35】図35は本発明の光変調器の第4実施例を示
すブロック図である。
【図36】図36は本発明の光変調器の第5実施例を示
すブロック図である。
【図37】図37は本発明の光変調器の第6実施例を示
すブロック図である。
【図38】図38は本発明の光変調器の第7実施例を示
すブロック図である。
【図39】図39は本発明の光変調器の第8実施例を示
すブロック図である。
【図40】図40は本発明の光変調器の第9実施例を示
すブロック図である。
【図41】図41は本発明の光変調器の第10実施例を
示すブロック図である。
【図42】図42は本発明の光変調器の第11実施例を
示すブロック図である。
【符号の説明】
1 非線形光学媒質 2 励起光源 3 信号光入力ポート 4 信号光/励起光供給手段 5 信号光出力ポート 6 位相共役光出力ポート 7 信号光/位相共役光抽出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−192222(JP,A) 特開 平4−149526(JP,A) 特開 昭60−18031(JP,A) 特開 昭63−19631(JP,A) 特開 昭61−113036(JP,A) 特開 平5−61078(JP,A) 特開 昭60−107603(JP,A) 特開 平4−229842(JP,A) IEEE Photonics Te chnology Letters, 1992年,Vol.4,No,1,69−72 IEEE Photonics Te chnology Letters, 1993年,Vol.5,No.1,92−95 Electronics Lette rs,1993年,Vol.29,No.7, 576−578 電子情報通信学会春季大会講演論文 集,1993年,第4分冊,B−971 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/35 H04B 10/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の光送信機及び第1の光受信機を有
    する第1の送受信局と、 第2の光送信機及び第2の光受信機を有する第2の送受
    信局と、 該第1及び第2の送受信局間に敷設された上り及び下り
    光伝送路と、 該上り及び下り光伝送路の途中に挿入され位相共役光発
    生装置を有した少なくとも1つの中継局とを備え、 該位相共役光発生装置は、双方向励起型の非線形光学媒
    質と、互いに逆向きに該非線形光学媒質に入射させる第
    1の励起光と第2の励起光とを供給する励起光供給手段
    を備え、該第1の励起光及び該第2の励起光と入力され
    る信号光とにより発生する第1の位相共役光及び第2の
    位相共役光を発生するものであって、 さらに、該位相共役光発生装置は該第1及び第2の位相
    共役光をそれぞれ抽出する通過帯域を有する第1及び第
    2の光フィルタを備え、 該第1の光送信機からの信号光と該第1の励起光とを該
    非線形光学媒質に供給し、発生した第1の位相共役光を
    該第2の光受信機に出力し、 該第2の光送信機からの信号光と該第2の励起光とを該
    非線形光学媒質に供給し、発生した第2の位相共役光を
    該第1の光受信機に出力することを特徴とする双方向中
    継光伝送システム。
  2. 【請求項2】 前記中継局は複数あり、 各中継局のうち前記第1の送受信局の側から数えて1番
    目の中継局が有する位相共役光発生装置の信号光の入力
    ポート及び第2の位相共役光の出力ポートはそれぞれ前
    記第1の光送信機及び第1の光受信機に接続され、 各中継局のうち第1の送受信局の側から数えてn(nは
    1より大きい自然数)番目の中継局が有する位相共役光
    発生装置の信号光の入力ポート及び第2の位相共役光の
    出力ポートは(n−1)番目の中継局が有する位相共役
    光発生装置のそれぞれ第1の位相共役光の出力ポート及
    び信号光の出力ポートに接続され、 各中継局のうち前記第2の送受信局から数えて1番目の
    中継局が有する位相共役光発生装置の信号光の出力ポー
    ト及び第1の位相共役光の出力ポートはそれぞれ前記第
    2の光送信機及び第2の光受信機に接続される請求項
    に記載の双方向中継伝送システム。
  3. 【請求項3】 該第1及び第2の光フィルタは互いに異
    なる通過帯域を有するものである請求項又は請求項
    に記載のシステム。
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