JP5759400B2 - 光増幅装置、光信号発生器および信号対雑音比改善装置 - Google Patents

光増幅装置、光信号発生器および信号対雑音比改善装置 Download PDF

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Description

本発明は光増幅装置に関し、具体的には、光通信システムや光計測システムにおいて用いられる光増幅装置、光信号発生器および信号対雑音比改善装置に関する。
従来の光伝送システムでは、光ファイバを伝搬することにより減衰した信号を再生するために、光信号を電気信号に変換し、デジタル信号を識別した後に光信号を再生する識別再生光中継器が用いられていた。しかしながら、この識別再生光中継器では、光信号を電気信号に変換する電子部品の応答速度に制限があることや、伝送する信号のスピードが速くなると、消費電力が大きくなるなどの問題があった。
上述の問題を解決する増幅手段として、エルビウムやプラセオジム等の希土類元素を添加した光ファイバに励起光を入射して信号光を増幅するファイバレーザ増幅器や、半導体レーザ増幅器が知られている。ファイバレーザ増幅器および半導体レーザ増幅器は、いずれも、信号光を光のままで増幅することができる。したがって、識別再生光中継器で問題になっていた電気的な応答速度、処理速度の制限が存在しない。加えて、機器構成も比較的単純であるという利点を持っている。しかし、これらのレーザ増幅器は、劣化した信号光パルス波形を整形する機能を持っていない。また、これらのレーザ増幅器においては、不可避的かつランダムに発生する自然放出光が、信号成分とは全く無関係に混入される。このため、信号光のS/N比が増幅の前後で少なくとも3dB低下する。
上述のエルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)および半導体光増幅器などは、誘導放出の原理に基づいたレーザ増幅器である。これらのレーザ増幅器では、装置内部の光部品の残留反射等が完全に抑圧され、またレーザ媒質に完全な反転分布が得られた理想的な場合であっても、入射光の信号対雑音比(S/N比)を半分に劣化(3dBの低下)させる。この劣化は、光増幅における標準量子限界と呼ばれている。標準量子限界はレーザ増幅だけではなく、ラマン増幅やブリリアン増幅なども含めて、入射光の直交する2つの光位相成分に等しい利得を与える光増幅(Phase Insensitive Amplification:PIA)すべてに共通する限界である。標準量子化限界に基づくS/N比の劣化は、デジタル信号伝送時における伝送符号誤り率の上昇につながり、伝送品質を低下させる要因になっている。
このような従来技術のレーザ増幅器の限界を打開する手段として、位相感応光増幅器(Phase Sensitive Amplifier:PSA)が検討されている。この位相感応光増幅器は、伝送ファイバの分散の影響によって劣化した信号光パルス波形を整形するための機能を持っている。また、信号とは無関係の直交位相を持つ自然放出光を抑圧できるために、原理的に、増幅の前後で信号光のS/N比を劣化させることなく同一に保つことができる。
J. A. Levenson, I. Abram, T. Rivera, and P. Grainger, "Reduction of quantum noise in optical parametric amplification," J. Opt. Soc. Am. B, vol. 10, pp. 2233-2238 (1993). W. Imajuku, and A. Takada, "Gain characteristics of coherent optical amplifiers using a Mach-Zehnder interferometer with Kerr Media," IEEE J. Quantum Electron., vol. 35, no. 11, pp. 1657-1665 (1999). R. Slavik et al., "All-optical phase and amplitude regenerator for next-generation telecommunications system," Nature Photonics., vol.4, pp. 690-695 (2010). T. Umeki, O. Tadanaga, and M. Asobe, "Highly efficient wavelength converter using direct-bonded PPZnLN ridge waveguide," IEEE J. Quantum Electron., vol. 46, no. 8, pp. 1206-1213 (2010). R. Slavik et al., "All-optical phase-regenerative multicasting of 40 Gbit/s DPSK signal in a degenerate phase sensitive amplifier," In Proceedings of the European Conference and Exhibition on Optical Communication (ECOC 2010, Torino, Italy) MO.1.A.2. 諸橋 功,坂本 高秀,外林 秀之,川西 哲也,寳迫 巌, "マッハツェンダ変調器ベース光コム発生器およびソリトン圧縮による100fs 級パルス発生," 第72 回応用物理学会学術講演会 講演予稿 (応用物理学会2011 秋 山形大学) 30a-P3-1 R. Tang et al., "In-line phase-sensitive amplification of multichannel CW signals based on frequency nondegenerate four-wave-mixing in fiber," Optics Express., vol. 16, pp. 9046-9053 (2008).
しかしながら、上述の位相感応光増幅器を含めた従来技術の光増幅器では、以下に述べるような問題が存在していた。
図1は、従来の位相感応光増幅器の基本的な構成を示す図である。この光増幅器は、位相感応光増幅部101と、励起光源102と、励起光位相制御部103と、2つの光分岐部104−1、104−2とから構成される。
この光増幅器は、位相感応光増幅部101における信号光の位相と励起光の位相とが一致すると入力信号光110が増幅され、両者の位相が90度ずれた直交する位相関係になると、入力信号光110が減衰する特性を持っている。この特性を利用して増幅利得が最大となるように励起光―信号光間の位相を一致させると、信号光と直交する位相の自然放出光を発生させずに、つまりS/N比を劣化させずに信号光を増幅することができる。
信号光および励起光の位相同期を実現するために、光分岐部104−1で分岐された入力信号光110の位相に同期するように励起光111の位相が制御される。励起光位相制御部103は、光分岐部104−2で分岐された出力信号光112の一部を狭帯域の検出器によって検波し、出力信号が最大となるように励起光111の位相を制御する。その結果、位相感応光増幅部101では、信号光の位相と、励起光の位相とが同期するように制御され、S/N比の劣化のない光増幅を実現することができる。
励起光位相制御部103は、図1に示したような励起光源102の出力側で励起光の位相を制御する構成の他に、励起光源102自体の位相を直接制御する構成としても良い。また、信号光を発生する光源が位相感応光増幅部の近くに配置されている場合は、信号光用光源の一部を分岐して励起光として用いることもできる。
位相感応光増幅部101には、二次または三次の非線形光学効果を有する媒質が用いられる。従来、これらの位相感応光増幅器は、光の量子状態を制御するスクィージング等の基礎研究分野で主に用いられてきた。初期の位相感応光増幅器の研究では二次非線形光学結晶を用いた研究が報告されている。
二次の非線形光学効果を利用する場合は、非特許文献1に示されるように、光学結晶等を非線形媒質として用い、信号光の第二高調波に相当する波長を励起光として用いる。励起光および信号光を、非線形媒質に入射し、三光波混合を利用した縮退パラメトリック増幅(Optical Parametric Amplifier:OPA)を行うことによって、位相感応光増幅が実現される。
図2は、従来技術の二次非線形光学効果を利用した位相感応光増幅器の構成を説明する図である。図2に示すように、従来技術では、レーザ光源201からの比較的高い強度を持つレーザ光を分岐する。分岐光の一方をSHG(Second Harmonic Generation)結晶202に入射し、他方を信号光210として用いる。第二高調波に変換された励起光211および信号光210を、縮退光パラメトリック増幅の可能な非線形光学結晶203に入射して、位相感応光増幅を行う。
位相感応光増幅器においては、信号と位相の合った光のみを増幅するために、上述のように信号光および励起光の位相が一致するか、または、πラジアンだけずれている必要がある。すなわち二次の非線形光学効果を用いる場合は、第二高調波に相当する波長である励起光の位相φ2ωsと、信号光の位相φωsとが、次式(1)の関係を満たすことが必要となる。
Δφ=φ2ωs/2−φωs=nπ(ただし、nは整数) 式(1)
図3は、従来の二次非線形光学効果を利用した位相感応光増幅器における、入力信号光‐励起光間の位相差Δφと、利得(dB)との関係を示すグラフである。横軸のΔφが−π、0またはπのときに、利得が最大となっていることがわかる。
図2に示した二次非線形光学効果を利用した位相感応光増幅器の構成においても、図1で示したように出力信号光の一部を分岐して狭帯域の検出器で検波し、出力信号が最大となるように励起光の位相を制御して、信号光および励起光の位相同期を実現することができる。
図1および図2で説明した位相感応光増幅器は、近年光通信の高度化が進むにつれて、光通信への応用が注目を集めつつある。光通信の分野では通信用光部品との親和性が高い光ファイバの三次非線形光学効果を利用した構成の報告がある。三次の非線形光学効果を用いる場合は、光ファイバ等を非線形媒質として用い、非特許文献2に示されるように、信号光と同じ波長の1つの励起光を用いる。励起光および信号光を、非線形媒質に入射し、四光波混合を利用した縮退パラメトリック増幅を行うことにより位相感応光増幅を実現することができる。
三次の非線形媒質を用い、信号光と同じ波長の1つの励起光を用いる場合は、励起光の位相φωpと、信号光の位相φωsとが、次式(2)の関係を満たすことが必要となる。
Δφ=φωp−φωs=nπ(ただし、nは整数) 式(2)
信号光と同じ波長の1つの励起光の代わりに、非特許文献3に示されるように、信号光の光周波数をωsとするときに次式(3)を満たす光周波数ωp1,ωp2をそれぞれ有する2つの励起光を用いても良い。
2ωs=ωp1+ωp2 式(3)
三次の非線形媒質を用い、2つの光周波数ωp1,ωp2に相当する波長の2つの励起光を用いる場合は、励起光の位相φωp1,φωp2と信号光の位相φωsとが、次式(4)の関係を満たすことが必要となる。
Δφ=(φωp1+φωp2)/2−φωs=nπ(ただし、nは整数) 式(4)
三次の非線形媒質を用いる場合でも、二次の非線形光学効果を用いる場合と同様に出力信号光の一部を分岐して狭帯域の検出器で検波し、出力信号が最大となるように励起光の位相を制御して、信号光および励起光の位相同期を実現することができる。
前述のように、光ファイバを用いた方式には、信号光と同じ波長の1つの励起光を用いる第1の方式、または、信号光とは異なる2つの波長の励起光を用いる第2の方式がある。1つの励起光を用いる第1の方式の場合は、励起光を信号光から分離する必要がある。このために、非特許文献2に示されるようにループ型のファイバ干渉計を用いて、信号光と励起光とを分離する。しかし、この方式では、光ファイバ中のGAWBS(guided acoustics wave Brillouin scattering)による位相変調がファイバをそれぞれ逆方向へ伝搬する光に相関のない形で加わる。このために、雑音特性が劣化してしまう。この問題を避けるために、近年は非特許文献3に示されるような2つの励起光を用いる第2の方式が良く研究されている。
図4は、従来技術の三次非線形光学効果を利用した位相感応光増幅器の構成を説明する図である。上述の第2の方式による、光ファイバおよび2つの励起光を用いた構成である。非特許文献3に示されるように、まず、光ファイバ中の四光波混合等の手段を用いて、入射する信号410の平均的な位相と同期した第1の励起光411−1および第2の励起光411−2を生成する。次に、2つの励起光(411−1,411−2)および信号光410をエルビウム添加ファイバレーザ増幅器(EDFA)402にて増幅し、高非線形性光ファイバ403に入射する。図4では信号光410および2つの励起光(411−1,411−2)を合波してEDFAで増幅する構成となっているが、2つの励起光だけをEDFAで増幅し、信号光と合波してから光ファイバ403に入射しても同様の効果が得られる。信号光と2つの励起光との間に上述の式(4)で示した関係が成立するように位相を調整することによって、四光波混合による位相感応光増幅を実現することができる。
しかしながら、上述の従来技術の位相感応光増幅器では、依然として以下のような問題点がある。二次非線形光学結晶を用いた従来の位相感応光増幅器では、主にSHGまたはパラメトリック増幅を起こすのに十分な高い出力のパルスレーザ光源を用いて動作させることのできる構成しか示されていない。一般的に微弱な光を扱う光通信システムに適用できるような構成は、未だ提案されていない。
光ファイバを用いた従来の位相感応光増幅では、光通信システムに適用可能な構成は示されているものの、四光波混合を用いるため、信号光の波長と、励起光の波長とが近接する構成となっている。特に図4に示した構成では、光ファイバ中の非線形光学効果を利用できるようにEDFAなどの光ファイバ増幅器によって必要なパワーを得る構成が示されているが、EDFAで光増幅を行う際に増幅自然放出光(ASE光)が雑音として励起光に重畳してしまう。励起光の波長と信号光の波長とが接近しているために、ASE光を取り除くことは困難であって、信号光波長にもEDFAから発生するASE光が重畳してしまう。結果として、信号光のS/N比が劣化し、低雑音での光増幅を行うことができない。また、S/N比の劣化のない位相感応光増幅器は、次の観点からも要請されている。
近年の光通信技術においては、光OFDM(orthogonal Frequency Division Multiplexing)に代表されるように、大容量の信号を高い周波数利用効率で送るために、高速データを複数の光キャリアに分割して変調を行うスーパチャネルと呼ばれるようなデータの送受信方法が検討されている。上述のように複数の搬送波にデータ変調を行うような方式を光領域で行うために、モード同期レーザや光変調器を用いて、等間隔で並んだ光周波数の搬送波からなる光コムを発生させる。発生した光コムは分波器によって分配され、それぞれの搬送波に対して光変調器を用いてデータ変調が行われ、再び合波されて伝送路へ導かれる。
光コムを利用する光通信において使用する場合も、上述の従来技術の位相感応光増幅器には次に述べるような問題点があった。一般に複数の搬送波からなる光コムを分波器によって分波し変調器によって変調して、合波器で合波する場合、それぞれの構成要素の挿入損失が大きい。このため、合波した光信号は、元の光コムに比べて光パワーが著しく減衰してしまう。非特許文献6に示されるように単一波長の光源および変調器によって光コムを発生する方法も提案されているが、そのような構成では光コムを発生するだけでも、変調器の損失や複数搬送波への変換効率の分だけ光パワーが小さくなってしまう。
近年の光通信では周波数利用効率の向上が求められており、シャノンの通信理論で知られるように、高い周波数利用効率を得るためには信号のS/Nが大きいことが求められる。ところが、上述の光コムの変調を行うような送信方法では、光の発生および変調に伴う光パワーの損失が大きい。光信号を発生した後に、通常のレーザ媒質を用いた光増幅器で光ファイバでの伝送に必要なパワーまで増幅を行うと、光増幅器への入力パワーが小さいために信号のS/Nを著しく劣化させてしまう。位相感応光増幅器による低雑音な光増幅の原理は知られているものの、位相感応光増幅器では一般的に縮退パラメトリック増幅を用いる。このために、増幅できる信号波長は1つであり、光コムのような複数の搬送波を同時に増幅することはできない。
複数の波長を同時に増幅できる方法として、非特許文献7に示されるように光ファイバ中の四光波混合を用いた非縮退パラメトリック増幅を用いる位相感応光増幅器の構成が提案されている。
図5は、従来技術の光ファイバ中の四光波混合を用いた複数波長の増幅方法の概略を説明する図である。この増幅方法ではまず、Copierと呼ばれる第1の光ファイバ501に複数の変調光および励起光を入射し、四光波混合を用いた波長変換によって、入力変調光と位相の反転したアイドラ光を生成する。次に、複数の変調光群と、対応するアイドラ光群とを第2の光ファイバ502に入射し、非縮退パラメトリック増幅を行う。この構成を用いれば、複数の波長の信号光を位相感応増幅することができる。
しかしながら、このように光ファイバの四光波混合を用いた光増幅では、励起光および信号光の全てが同じ1.55μm帯の通信波長帯に配置される。励起光の発生および増幅に光ファイバ増幅器503が用いられるが、その光ファイバ増幅器503から発生する増幅された自然放出光(ASE)が混入してしまうために、出力におけるS/N比は入力よりも劣化してしまう。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、S/N比の劣化の少ない高品質な光信号増幅を実現することにある。さらに、複数の波長を有する信号群を一括して増幅できる位相感応光増幅器を提供する。また、位相感応光増幅器と光コム光源とを組み合わせた光信号発生器、および、光信号S/N比の改善装置も提供する。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、位相同期した複数の波長の光から構成される光コムを発生する光源と、非線形光学効果を用いた光混合によって信号光を増幅する位相感応型光増幅装置であって、該光コムを発生する光源から、信号光として、光周波数軸上で基本波光から同じ光周波数差だけ対称に離れ、各々が同一または反転した位相情報を持つ対となる2波長を持つ1つまたは複数の信号光の対が入力され、該光コムの該複数の波長のうちの1つの波長を基本波光とする位相感応型光増幅装置と、該位相感応型光増幅装置の出力に接続され、光コムの各波長を分離する分波器と、各々が、該分波器の各出力に接続された複数の光変調器と、該複数の光変調器からの出力を合波する合波器とを備え、該位相感応型光増幅装置は、該基本波光を増幅する光ファイバレーザ増幅器と、該光ファイバレーザ増幅器に接続され、第二高調波を発生する第1の二次非線形光学素子と、該第1の二次非線形光学素子から出力される該基本波光および該第二高調波から、該第二高調波を分離するフィルタと、信号光の対からなる該信号光と、励起光である該第二高調波とを合波する合波器と、合波された該信号光および該励起光を入射して、該信号光の非縮退パラメトリック増幅を行う第2の二次非線形光学素子と、該第2の二次非線形光学素子から出力される該信号光および該励起光から、増幅された信号光を分離するフィルタと、該位相感応型光増幅装置内の該合波器の前段側で、該基本波光の位相を制御することによって、非縮退パラメトリック増幅を行う該第2の二次非線形光学素子内における該信号光の位相と、励起光の位相とを同期する手段とを有し、該光コムを発生する光源および該第2の二次非線形光学素子の間に、少なくとも1つのレーザ増幅器を備えたことを特徴とする光信号発生器である。
請求項2に記載の発明は、位相同期した複数の波長の光から構成される光コムを発生する光源と、該光コムの各波長を分離し、および、該光コムの該複数の波長の内の1つの波長の光から同じ光周波数差だけ対称に離れた対となる2波長の光の対を同一の光路に出力するよう構成された分波器と、各々が、該光の対の1つに対応する該分波器の出力に接続され、対応する該光の対に変調を加える複数の光変調器と、該複数の光変調器からの出力を合波する合波器と、非線形光学効果を用いた光混合によって信号光を増幅する位相感応型光増幅装置であって、該合波器から、信号光として、光周波数軸上で基本波光から同じ光周波数差だけ対称に離れ、各々が同一または反転した位相情報を持つ対となる2波長を持つ1つまたは複数の信号光の対が入力され、該複数の波長のうちの1つの波長を基本波光とする位相感応型光増幅装置とを備え、該位相感応型光増幅装置は、該基本波光を増幅する光ファイバレーザ増幅器と、該光ファイバレーザ増幅器に接続され、第二高調波を発生する第1の二次非線形光学素子と、該第1の二次非線形光学素子から出力される該基本波光および該第二高調波から、該第二高調波を分離するフィルタと、信号光の対からなる該信号光と、励起光である該第二高調波とを合波する合波器と、合波された該信号光および該励起光を入射して、該信号光の非縮退パラメトリック増幅を行う第2の二次非線形光学素子と、該第2の二次非線形光学素子から出力される該信号光および該励起光から、増幅された信号光を分離するフィルタと、該位相感応型光増幅装置内の該合波器の前段側で、該基本波光の位相を制御することによって、非縮退パラメトリック増幅を行う該第2の二次非線形光学素子内における該信号光の位相と、励起光の位相とを同期する手段とを有し、該光コムを発生する光源および該第2の二次非線形光学素子の間に、少なくとも1つのレーザ増幅器を備えたことを特徴とする光信号発生器である。
請求項3に記載の発明は、位相同期した複数の波長の光から構成される光コムを発生する光源と、該光コムの各波長を分離し、および、該光コムの該複数の波長の内の1つの波長の光から同じ光周波数差だけ対称に離れた対となる2波長の光の対をそれぞれ異なる光路に出力するよう構成された分波器と、各々が、対応する該分波器の各出力に接続され、該光の対に対して同一または反転した位相情報を持つ光変調を加える複数の光変調器と、該複数の光変調器からの出力を合波する合波器と、非線形光学効果を用いた光混合によって信号光を増幅する位相感応型光増幅装置であって、該光合波器から、信号光として、光周波数軸上で基本波光から同じ光周波数差だけ対称に離れ、各々が同一または反転した位相情報を持つ対となる2波長を持つ1つまたは複数の信号光の対が入力され、該複数の波長のうちの1つの波長を基本波光とする位相感応型光増幅装置とを備え、該位相感応型光増幅装置は、該基本波光を増幅する光ファイバレーザ増幅器と、該光ファイバレーザ増幅器に接続され、第二高調波を発生する第1の二次非線形光学素子と、該第1の二次非線形光学素子から出力される該基本波光および該第二高調波から、該第二高調波を分離するフィルタと、信号光の対からなる該信号光と、励起光である該第二高調波とを合波する合波器と、合波された該信号光および該励起光を入射して、該信号光の非縮退パラメトリック増幅を行う第2の二次非線形光学素子と、該第2の二次非線形光学素子から出力される該信号光および該励起光から、増幅された信号光を分離するフィルタと、該位相感応型光増幅装置内の該合波器の前段側で、該基本波光の位相を制御することによって、非縮退パラメトリック増幅を行う該第2の二次非線形光学素子内における該信号光の位相と、励起光の位相とを同期する手段とを有し、該光コムを発生する光源および該第2の二次非線形光学素子の間に、少なくとも1つのレーザ増幅器を備えたことを特徴とする光信号発生器である。
以下、位相感応型光増幅装置は、位相感応光増幅器とも呼ぶ。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3いずれかの光信号発生器であって、前記光コムの複数の波長の内の前記基本波光に用いられる1つの波長は、前記光コムの中心波長であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3いずれかの光信号発生器であって、前記光コムの前記位相同期した複数の波長の光は単一モードのレーザ光源を光変調器により変調することによって発生され、該レーザ光源を分岐した光が前記基本波光として前記位相感応型光増幅装置へ入力されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至3いずれかの光信号発生器であって、前記基本波光および前記第二高調波から前記第二高調波を分離するフィルタ、ならびに、前記信号光と前記第二高調波とを合波する合波器は、誘電体膜を用いたダイクロックミラーであることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至3いずれかの光信号発生器であって、前記第1の二次非線形光学素子および前記第2の二次非線形光学素子は、周期分極反転構造を有する二次非線形光学材料からなる光導波路をそれぞれ有し、該二次非線形光学材料は、LiNbO3、LNbO3、LiTaO3、LiNbxTax-13(0≦x≦1)、KTiOPO4のいずれか、または、これらに、Mg、Zn、Fe、Sc、Inからなる群から選択された少なくとも1種を添加物として含有しているものであることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至3いずれかの光信号発生器であって、前記信号光の内の、対となる2つの波長の光間の位相を調整するための分散補償媒質をさらに備えたことを特徴とする。
本発明によれば、非線形光学効果であるパラメトリック増幅効果を利用して信号光の特定の位相だけを増幅する位相感応光増幅器(または位相感応型光増幅装置)において、複数波長の一括増幅が可能となる。光通信で用いる微弱な光パワーからパラメトリック光増幅を利用するのに十分なパワーを得るために光ファイバ増幅器を用いながらも、光増幅に伴って発生するASE光を信号光に重畳させずに位相感応光増幅器を構成することができる。これによって、S/N比の劣化を防ぎながら高品質な光信号増幅が可能になる。さらには、本発明を用いることで励起光と位相相関のある信号光を選択的に増幅することで、ASE光などの無相関な光に起因した雑音を抑制することができる。
S/N比の劣化を抑える本発明の特徴から、光通信に適用可能で複数の波長を有する信号群を一括して増幅できる位相感応光増幅器を構成できる。低雑音での増幅が可能な位相感応光増幅器によって、従来のレーザ増幅器で増幅する場合に比べ光ファイバ伝送における信号のS/N比を改善できる。従来よりも高速の信号を低いパワーで長距離まで伝送することが可能になる。また、入射される信号光の位相雑音を除去して増幅することができるため、光ファイバの波長分散による信号劣化の影響が小さくなり、増幅後の信号光の伝送距離を伸ばすことができる。
さらに、ASEノイズを抑制することにより、一度劣化した光信号のS/N比を改善させることができる信号対雑音比改善装置を実現することもできる。位相相関のある信号光を選択的に増幅することによって、ASE光および信号光のビート雑音により劣化した信号光のS/N比を改善することができる。
図1は、従来技術の位相感応光増幅器の構成を説明する図である。 図2は、従来技術の二次非線形光学効果を利用した位相感応光増幅器の構成を説明する図である。 図3は、従来技術の二次非線形光学効果を利用した位相感応光増幅器における、入力信号光‐励起光間の位相差Δφと、利得との関係を示すグラフである。 図4は、従来技術の三次非線形光学効果を利用した位相感応光増幅器の構成を説明する図である。 図5は、従来技術の光ファイバ中の四光波混合を用いた複数波長の増幅方法の概略を説明する図である。 図6は、本発明の第1の実施形態の位相感応光増幅器の構成を説明する図である。 図7は、本発明の第1の実施形態の位相感応光増幅器の動作を説明する図である。 図8は、従来技術の構成の位相感応光増幅の動作を説明する図である。 図9は、本発明の第1の実施形態の位相感応光増幅の動作を説明する図である。 図10は、第1の実施形態の位相感応光増幅器における効果を説明する図であり、(a)は意図的にEDFAから発生させたASE光を混入させた信号光群の入力の光スペクトル、(b)は増幅器の出力の光スペクトルをそれぞれ示す。 図11は、第1の実施形態の位相感応光増幅器で増幅したときの入出力における信号光およびASE光のビート雑音のレベルを示す図である。 図12は、光コムにデータ変調を施した信号を用いたS/N比改善効果を調べるための実験構成を示す図である。 図13は、第1の実施形態の位相感応光増幅器において、データ変調を施した光コム信号の受信パワーに対する誤り率のデータを示す図である。 図14は、本発明の第2の実施形態に係る位相感応光増幅器の構成を示す図である。 図15は、本発明の第2の実施形態に係る位相感応光増幅の別の構成例を説明する図である。 図16は、本発明の第2の実施形態に係る位相感応光増幅のさらに別の構成例を説明する図である。 図17は、第2の実施形態による位相感応光増幅器によって増幅された信号の時間波形を説明する図である。 図18は、本発明の第3の実施形態に係る位相感応光増幅の構成を説明する図である。 図19は、位相同期手段として中心波長信号を用いた、本発明の第4の実施形態に係る位相感応光増幅器の構成を示す図である。
本発明は、非線形光学効果であるパラメトリック増幅効果を利用して信号光の特定の位相だけを増幅する位相感応光増幅器(または位相感応型光増幅装置とも呼ぶ)を提供し、複数波長の一括増幅が可能となる。光通信で用いる微弱な光パワーからパラメトリック光増幅を利用するのに十分なパワーを得るために、光ファイバ増幅器を利用する。光増幅に伴って発生するASE光を信号光に重畳させずに位相感応光増幅器を構成することができる。これによって、S/N比の劣化を防ぎながら高品質な光信号増幅が可能になる。さらには、本発明を用いることで励起光と位相相関のある信号光を選択的に増幅することで、ASE光などの無相関な光に起因した雑音を抑制することができる。本発明の位相感応型光増幅装置と、位相同期した複数の波長の光から構成される光コムを発生する光源とを組み合わせれば、光信号発生器を構成できる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
図6および図7は、本発明の第1の実施形態に係る位相感応光増幅器の構成および動作をそれぞれ説明する図である。図6に示すように、本実施形態では、光通信に用いられる微弱なレーザ光から非線形光学効果を得るのに十分なパワーを得るために、ファイバレーザ増幅器(EDFA)601を用いて、基本波光621を増幅する。増幅した基本波光を第1の二次非線形光学素子602−1に入射して第二高調波622を発生させる。第2の二次非線形光学素子602−2に、信号光620および第二高調波622を入射して縮退パラメトリック増幅を行うことで、位相感応増幅を行う。
図6に示した構成の詳細は後述するが、このような構成を採ることによって、以下に述べるような従来技術の位相感応光増幅器には見られない特徴的な効果が得られる。本実施形態では、基本波光として、波長が1.54μmの連続波光(CW光)を用いる。入力信号光としては、図7中に示すように、基本波光波長に相当する光周波数を中心として同じ光周波数差だけ対称に離れた信号光の対(s+1とs-1、s+2とs-2、s+3とs-3、s+4とs-4、以下同様)が入力される。
信号光群および基本波光は互いに位相同期している。このような信号光および基本波光は、たとえば同一の光源を分岐して、一方を光変調器により側帯波を生じさせることによって生成することができる。
図6に示すように、基本波光621は、位相変調器610、PZTを用いたファイバ伸長器611を通過してエルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)601で増幅される。増幅後、基本波光は、バンドパスフィルタ604を用いて、EDFA601から発生する余分な自然放出光を除去したのちに第1の二次非線形光学素子602−1内のPPLN導波路605−1に入射される。PPLN導波路605−1において、基本波光621の第二高調波である波長0.77μmの光622に変換される。
信号光群620と、基本波光の第二高調波622とは、ダイクロイックミラー606−2で合波され、次いで、第2の二次非線形光学素子602−2内のPPLN導波路605−2に入射される。PPLN導波路605−2におけるパラメトリック増幅によって、信号光群620が増幅される。
次に、信号光群の増幅動作について、詳細に説明する。本実施形態では、対となる信号光の2つの波長における位相が同じである光をそれぞれ入射する。例えば信号s+1とs-1は、同じ位相情報を持っているものと仮定する。
二次非線形光学素子に、励起光(本実施形態では基本波光の第二高調波622)、信号光およびアイドラ光の3つの光を入射して三者の非線形相互作用により光増幅を行う、非縮退パラメトリック増幅においては、三者のそれぞれの位相が次式(5)を満たすときに、信号光、アイドラ光の両者のパラメトリック増幅が行われる。
φSH=φS+φi+2nπ(nは整数) 式(5)
ここでφSH、φS、φiはそれぞれ、基本波光の第二高調波、信号光、アイドラ光の位相である。信号およびアイドラが、本実施形態の信号s+1および信号s-1の対のように同じ位相を有していると仮定すると、φi=φSとして、次式(6)が成り立つ。
φS=φSH/2+nπ=φp+nπ(nは整数) 式(6)
ただし、ここでφpは基本波光の位相である。第二高調波の位相φSHが2φpで表されることを用いた。
式(6)から分かるように信号光は、基本波光と位相が同じかπだけずれた場合、直交する2つの位相成分のうち励起光と同相の場合のみ、パラメトリック増幅が起こることがわかる。なお、基本波光と直交する位相を持つ信号対を入射した場合は、信号光は減衰されることになる。
このように、信号として、同じ位相情報をもつ信号光の対を入射すると、位相感応性を持つパラメトリック増幅が行われる。図6に示した本実施形態では、信号光および励起光をファイバ部品で接続しているために、温度変動や振動によるファイバの伸び縮みをPLL技術によって吸収している。本実施形態では、光周波数差だけ対称に離れた信号光の対はすべて位相同期しているため、複数の信号光群を増幅することが可能である。
図8および図9は、位相感応光増幅で用いる複数波長の信号光および励起光のスペクトルをそれぞれ模式的に示した図である。図8は、図5で示した従来技術のファイバレーザ増幅器および非線形媒質として光ファイバを利用した構成を用いた場合を示し、図9は、図6で示した本発明の第1の実施形態による構成を用いた場合を示す図である。
図8で示すように、従来技術の光ファイバを用いた位相感応光増幅器では、四光波混合を利用する。このため、パラメトリック光増幅を行うための励起光および複数波長の信号光の波長が位相整合条件を満たすためには、これらの波長は、近接した波長にならざるを得ない。図8で示すように、複数波長の信号光801および励起光802が同じ1.55μm帯の波長帯を持っており、励起光802を光ファイバ増幅器で増幅する際、励起光波長の近傍に光ファイバ増幅器によりASE光803が発生してしまう。
信号波長域にASE光を発生させないために、複数波長の信号光が光ファイバ増幅器を通らないような構成にすることは可能である。しかしながら、励起光と複数波長の信号光とを合波する際に両者の波長が接近しているために、波長選択性の良い光フィルタを実現することは難しく、ASE光を完全にカットすることができない。この結果、信号波長帯域に発生しているASE光が複数波長の信号波長に重畳してしまう。ASE光の混入によって、複数波長の信号光のS/N比が劣化してしまうこととなる(図8の(c))。
一方、図9で示すように、本実施形態による構成では、光通信で用いる微弱な光パワーからパラメトリック光増幅を利用するのに十分なパワーを得るために、基本波光902を光ファイバ増幅器によって増幅する。このときに基本波光902の波長近傍にASE光903が重畳する(図9の(b))。本実施形態に係る構成においては、光増幅を行ったのちに、ASE光903が重畳された基本波光902を、第1の二次非線形光学素子に入射し第二高調波904を発生させる。このときに励起光として使用される第二高調波904の波長帯域には、わずかにASE光の第二高調波が発生する以外には雑音となる広帯域のASE光は発生しない。第二高調波904の波長は基本波光902の波長の半分であり、両者の波長は十分に離れている。従って、基本波光902と基本波光の第二高調波904とから第二高調波904のみを分離するような高い消光比を持ったフィルタをダイクロイックミラー等で実現することは比較的容易である(図9の(c))。そのようなフィルタを第1の二次非線形光学素子の出力に接続することによって、励起光波長帯域の基本波光とASE光とを完全に取り除くことができる。次いで、複数波長の信号光901と第二高調波904のみとを合波して第2の二次非線形光学素子に入射し、非縮退パラメトリック増幅(PSA)による位相感応増幅を実現することができる(図9の(d))。
さらに、本実施形態による動作を行う中で、以下のような従来技術にはない利点があることも明らかになった。
従来技術の光ファイバ中の四光波混合を利用して複数波長の信号光の位相感応光増幅を行う構成では、非特許文献7に示されるように、励起光波長を中心として複数波長の信号光との間の四光波混合だけが起きるわけではなく、位相整合に対する条件が様々な波長間で満たされてしまう。従って、例えば励起光を中心にして信号光が別の波長へ変換されるような副次的な過程も生じてしまい、図8の(c)に示すように、増幅された信号光がつぎつぎとコピーされて複数の信号804が生成される。
上述の副次的な過程に発生する信号のために増幅信号光のパワーが散逸してしまい、所望の信号光を増幅できるパワーが制限されてしまう。さらに、副次的に生成される信号は複数波長の信号光の波長の間等に生成されることから、副次的に生成された余分な信号を除去することには非常に難しい。分離のために超狭帯域の光フィルタなどを用いる方法も考えられるが、光フィルタの帯域を狭くすればするほどそのフィルタによる信号の損失が増大する。複数波長の信号光の波長多重数が多くなればなるほど、副次的に生成される信号の数量も増加する。この結果、副次的な信号が、元の信号光の帯域内に重畳される場合もある。このような場合は、もはや光フィルタによる分離は不可能であり、光信号のS/N比は劣化する。
これに対し、本実施形態においては、第2のPPLN導波路へは信号光および第二高調波のみが入力されるので、従来技術のような不必要な波長変換過程が生じることがない。本実施形態では出力パワーを+22dBmまで大きくしても出力の飽和はみられず、安定的な増幅を行うことができた。また、四光波混合を用いた場合のように副次的に余計な信号が生成されることもなかった。
ここで再び図6および図7を参照しながら、本実施形態の位相感応光増幅器の構成を詳しく述べる。本実施形態では、基本波光621は、エルビウム添加ファイバレーザ増幅器(EDFA)601を用いて増幅される。増幅された基本波光は、第1の二次非線形光学素子602−1に入力される。本実施形態では、EDFA601から発生する広帯域なASE光が第1の二次非線形光学素子602−1により変換されることを防ぐために、EDFA601と第1の二次非線形光学素子602−1との間にバンドパスフィルタ604を挿入し、不必要なASE光をカットした。
本実施形態の、二次非線形光学素子602−1、602−2は、それぞれ、周期的に分極反転されたニオブ酸リチウム(PPLN)から成る光導波路605−1、605−2を備える。二次非線形光学素子の材料は、これに限られず、例えば、LiNbO3、LNbO3、LiTaO3、LiNbxTax-13(0≦x≦1)、KTiOPO4のいずれかとすることができる。さらに、上記のいずれかの材料に、Mg、Zn、Fe、Sc、Inからなる群から選択された少なくとも1種を添加物として含有しているものであっても良い。
PPLN導波路に高強度のパワーを入射した場合にフォトリフラクティブ効果による光損傷により位相整合波長が変化する場合がある。本実施形態ではそのような問題が生じないように、非特許文献4に示される直接接合により作製された導波路を用いた。
本実施形態では光損傷耐性に優れたZnを添加したニオブ酸リチウムをコアに用いた直接接合導波路を使用することによって、位相整合波長の変動を抑制した。また、ドライエッチング加工によってコア径を4μm程度まで小さくすることにより、高い波長変換効率を実現した。
第1のPPLN導波路605−1から出射した、第二高調波622および基本波光621は、ダイクロイックミラー606−1を用いて分離した。
ダイクロイックミラー606−1で反射された波長0.77μmの第二高調波622は、この波長0.77μmにおいてシングルモード伝搬特性をもつ偏波保持ファイバ607を介して、第2の二次非線形光学素子602−2へと導かれる。このとき、ダイクロイックミラー606−1で完全には取り除けなかった波長1.54μm付近の基本波光およびASE光も偏波保持ファイバ607に入射されることになる。しかし、0.77μmにおいてシングルモードであるこのファイバは波長1.54μmの光に対しては光の閉じ込めが弱いために、1m程度の長さを伝搬させることによって、これらの不要な光を効果的に減衰させることができる。
偏波保持ファイバ607で導かれた第二高調波は、ダイクロイックミラー606−2を用いて波長1.54μmの信号光620と合波される。ダイクロイックミラー606−2は第二高調波のみを反射させるために、第1のPPLN導波路605−1から出射され、ダイクロイックミラー606−1および偏波保持ファイバ607を通ってくる波長1.54μm付近の基本波光およびASE光の残留成分を効果的に取り除くことができる。
信号光620および第二高調波622は、ダイクロイックミラー606−2で合波された後、第2のPPLN導波路605−2に入射される。第2のPPLN導波路605−2は、第1のPPLN導波路605−1と同等の性能および位相整合波長を有しており、非縮退パラメトリック増幅により、信号光を位相感応光増幅することができる。
本実施形態では、2つのPPLN導波路(605−1,605−2)は、それぞれ、個別の温度調節器によって一定の温度となるように制御されている。2つのPPLN導波路の作製誤差のために同一温度において位相整合波長が一致しない場合が考えられるが、そのような場合でも両者を個々に温度制御することにより、両者の位相整合波長を一致させることができる。
第2のPPLN導波路605−2から出射された光は、ダイクロイックミラー606−3により励起光である第二高調波と増幅された信号光とに分離される。このときも第二高調波および増幅された信号光は、波長が全く異なるために、出力において不要な第二高調波成分を効果的に取り除くことができる。
位相感応光増幅では、励起光の位相と信号光の位相とを同期させることが必要である。本実施形態では出力した増幅信号光の一部を光分岐部603で分岐して光検出器608で受光したのちに、位相同期ループ回路(PLL)609により位相同期を行った。EDFA601の前に配置した位相変調器610を用いて、正弦波により微弱な位相変調を基本波光621に施す。光検出器608およびPLL回路609によってその位相変調の位相ずれを検出して、EDFA601の前に配置したPZTによる光ファイバの伸長器611の駆動電圧および位相変調器610のバイアス電圧にフィードバックを行う。これによって、光ファイバ部品の振動や温度変動などによる光位相の変動を吸収して、安定的に位相感応光増幅ができるようにした。
光コムを分波器で信号光を分波し、各信号光を変調器で変調した後に再び合波器で合波する場合、一般的には、変調による損失が大きいためS/N比が劣化する。また、変調器を用いて光コムを発生する場合も、変調器の損失や複数搬送波への変換効率の分だけ光パワーが小さくなり、S/N比が劣化する。さらに、光パワーが減衰した光コムをEDFA等のレーザ光増幅器で増幅すると、自然放出光(ASE光)が混入してしまい、増幅に伴ってますますS/N比が劣化してしまう。
本発明の位相感応光増幅器によって、上述のようなASE光が混入した信号光群を増幅した場合に、従来技術の光増幅器では全く得られなかった特異な振る舞いを見せることが見出された。
図10は、本実施形態に係る位相感応光増幅器を使用したときの効果を説明する図である。図10の(a)は、EDFAから発生させたASE光を意図的に混入させた信号光群の光スペクトルを示す。図10の(b)は、前述のASE光を意図的に混入させた信号光群を、本実施形態に係る構成を用いた位相感応光増幅器で増幅したときの出力の光スペクトルを示す。
図10の(a)および(b)から分かるように、本実施形態に係る位相感応光増幅器によって増幅することにより、出力における増幅された信号光とASE光との差、すなわち光S/N比(OSNR)が、驚くべきことに入力のS/N比に比べて3dBほど向上している。
一例として、中心波長から対称に離れた信号対の内で、中心波長よりも短い波長を持つ1つの信号に着目する。入力光の信号光は0.01nmの分解能で測定したところ、図10の(a)に示すように23dBのOSNRを有していた。一方、図10の(b)に示すように増幅後の出力信号は26dBのOSNRを有しており、光S/N比が入力光に比べて3dBほど改善していることがわかる。なお、本実施形態に係る増幅器は偏波依存性があるため、公平なS/N比の評価を行うために、入力のスペクトルを評価する際に偏光子を挿入して、本来増幅されるはずの偏波成分のみの比較を行っている。
このS/N比の改善という現象が生じる理由については、以下のように、説明することができる。まず、励起光の2倍の波長と信号光の波長とが同じになる縮退点を除外した、非縮退点における動作について考える。本実施形態では、励起光と位相関係の確定した信号光対を入力している。本実施形態のように信号光波長とアイドラ光波長とに相当する波長において同一位相を持つ信号光対を入射した場合、上述のように励起光との位相さえ同期できれば、信号光の全ての成分が増幅される。
また、光ファイバを用いた位相感応光増幅器(PSA)で見られるように、光ファイバやPPLNを用いた何らかの波長変換プロセスにより信号光と共役な逆位相情報φi=−φs+α(αはファイバ等の光学長で決まる位相)を持つアイドラ光を生成し、信号光およびアイドラ光を入力した場合も、SH光、信号光およびアイドラ光間の位相関係が次式(7)を満たすときには、パラメトリック増幅が行われる。
φSH=φS+φi+2nπ
=φS−φS+α+2nπ
=α+2nπ(ただし、nは整数) 式(7)
すなわち共役な信号光およびアイドラ光を入射した場合、ファイバ等の光学長で決まる位相αを励起光と合わせれば、信号光の全ての成分が増幅される。このように位相関係が確定している信号光および励起光を入射した場合は、適切な光学長の調整により信号光の全ての成分が増幅される。
次にASE光の入力に対する増幅を考える。第二高調波の位相φSHからの相対的な位相を考えた場合に、ASEはランダムな位相の光を発生するため、励起光と同位相の成分と直交位相の成分とを同等に含んでいるものと考えられる。
特に信号光およびアイドラ光を入射した場合のそれぞれの信号、アイドラ光と同じ波長におけるASEの増幅を考えると、信号波長に発生するASEの位相φS-ASEとし、アイドラ波長に発生するASEの位相をφi-ASEとしたとき、次式(8)を満たす成分のみがパラメトリック増幅される。
φSH=φS-ASE+φi-ASE+2nπ(ただし、nは整数) 式(8)
ASEの場合、上述の位相関係が確定した信号-アイドラとは異なり、信号波長、アイドラ波長においてそれぞれ発生するASEの位相φS-ASE、φi-ASEはランダムであるので、相互に相関がない。また、φS-ASEおよびφi-ASEは、第二高調波の位相φSHとの間にも相関はない。従って、φS-ASEを固定して考えた場合に、ランダムな値を取りうるφi-ASEのうち、第二高調波の位相φSを基準にしてφS-ASEと共役な位相をもつ成分のみがパラメトリック増幅を受けることになる。
このようなASEの位相のランダム性を考慮すると、上述の相関のある信号光に比べれば、ASEに対する利得は信号光に対する利得の半分になることが分かる。従って、本実施形態に係る光増幅器によって増幅することで、光スペクトルで比較した場合のS/N比を改善することが可能になる。
光ファイバを用いた非縮退パラメトリック増幅では、上述のようなS/N比を改善する効果を得ることは難しい。その理由は、以下の通りである。光ファイバの四光波混合を用いた増幅では、励起光、信号光およびアイドラ光の全てが1.55μm帯にあり、通常EDFAなどを用いて励起光を発生するために、励起光波長に近接した信号光やアイドラ光の波長の帯域にEDFAから発生するASE光が混入してしまう。しかも、励起光のパワーが信号光やアイドラ光に比べて相対的に大きいことが多いので、外部から混入するASE光による雑音の影響が大きいからである。従って、本実施形態の位相感応光増幅器ように、入出力に対してS/N比を改善できるような顕著な効果を得ることができない。
これに対して、本実施形態の位相感応光増幅器では、EDFAで基本波光を増幅したのちに第二高調波に変換して、1.55μm帯のASE光も除去してから、パラメトリック媒質に入射し非縮退パラメトリック増幅を行っている。したがって、励起光の発生に用いるEDFAから発生するASE光の混入を防ぐことができる。本実施形態によって、信号光およびアイドラ光に対する位相感応性を利用したS/N比の改善効果を得ることができる。
次に、上記の説明で除外した、励起光の2倍の波長および信号光の波長が同じになる縮退点における動作について説明する。
図6に示したように、本実施形態では、励起光の2倍の波長と同じ波長の信号光も入射しており、この波長においても図10の(a)および(b)の光スペクトルで見る限りでは、S/N比は改善している。しかし、以下に述べるように、励起光の2倍の波長と信号光の波長とが同じになる縮退パラメトリック増幅を行う場合において、光電変換したのちの入出力を比較してS/N比が向上することはない。縮退パラメトリック増幅においては信号光位相φSと励起光位相φpとの間に次式(9)が成り立つときに増幅が行われる。
φS=φSH/2+nπ=φp+nπ(ただし、nは整数) 式(9)
すなわち、信号光は励起光と同相の成分のみが増幅される。ASE光が入力された場合も同様であり、ASE光の位相がランダムであることを考えると、励起光と位相同期した信号光が入射された場合に比べて、ASEに対する利得は信号光に対する利得の半分になる。従って、光のパワーで見たときのS/N比は3dB改善されることになる。この点は、非縮退点における動作と変わらない。
縮退点における動作では、入力されたASE光のうち信号光と同相の成分は増幅され、直交位相成分は減衰する。この直交位相成分が増幅されないことが光パワーで見たときの利得の違いとして現れることになるのだが、もともと信号光と直交位相をもつ成分は信号光と干渉しても強度雑音を発生することはない。一方、信号光と干渉し強度雑音の原因となる、ASE光のうちの信号光と同相の成分は、信号と同様の利得を受けて増幅される。従って、縮退点における位相感応パラメトリック増幅では、信号光と干渉するASE光の成分が減るわけではなく、光信号を光電変換したあとのS/N比は変わらない。
続いて、本実施形態で採用する非縮退パラメトリック増幅において、光電変換後のS/N比がどのような振る舞いをするかについて述べる。上述のように非縮退パラメトリック増幅において、ASE光の受ける利得は信号光に比べて半分となる。このときの増幅されたASE光の位相に注目すると、上述のように信号光およびアイドラ光の波長にそれぞれ入力されるASE光成分のうち、次式(10)を満たす成分のみが増幅される。
φSH=φS-ASE+φi-ASE+2nπ(ただし、nは整数) 式(10)
縮退点での動作では、入力されたASE光のうち励起光と同相の成分のみが増幅されていたのに対して、非縮退点での動作では、信号光波長およびアイドラ光波長におけるASE光の位相が共役な関係になることのみが増幅に必要な条件になる。増幅されたASE光、信号光およびアイドラ光間の位相関係は、特に規定されない。従って、縮退点での動作とは異なり、非縮退点での動作では、増幅されたASE光は、信号光の直交位相成分と同等に信号光と同相位相の成分を含んでいると考えられる。入出力ともASE光の位相はランダムであり、かつ、ASE光の受ける利得は信号の受ける利得の半分であるので、光電変換後のASE光とのビート雑音によって決まるS/N比は、3dB増幅後に改善することになる。
縮退動作との比較で考えると、非縮退動作では強度雑音に寄与する同相のASE光の強度は、縮退動作における同相のASE光の強度の半分となり、増幅後のASE光全体のパワーは縮退動作時と同じとなる。したがって、増幅されたASE光のうち同相の成分のみが信号との干渉による強度雑音を起こすことを考えれば、非縮退動作では、縮退動作に比べてS/N比が3dB改善することになる。
このことを確認するために、本発明の増幅器に入力した光コム信号と増幅後の光コム信号において、信号光とASE光のビート雑音のレベルを比較した。それぞれ所望の1つの搬送波をバンドパスフィルタで切り出し、光アッテネータで平均パワーを同じくしたのちに、O/Eコンバータを内蔵した電気スペクトラムアナライザを用いて測定した。
図11は、第1の実施形態に係る構成を用いた位相感応光増幅器で増幅したときの入出力における信号光とASE光のビート雑音のレベルを示す図である。図11の(a)に示したように、縮退点のピークを観測した場合は、増幅器の入出力において、雑音レベルに違いが見られない。これに対して、図11の(b)に示したように、非縮退点のピークを観測した場合、増幅により雑音レベルが3dB低くなっている。すなわち、S/N比が3dB改善されていることが確認できた。このように本実施形態の位相感応光増幅器によれば、レーザ増幅器などでS/N比が劣化した信号を増幅することにより、出力のS/N比を入力よりも改善できるという非常に顕著な効果を得ることができる。
本実施形態に係る位相感応光増幅器に、実際にデータ変調を施した信号を入射して、本実施形態によるS/N比の改善効果を調べた。
図12は、光コムにデータ変調を施した信号を用いたS/N比改善効果を調べるための実験構成を示す図である。単一波長光源1201を光変調器1203で変調することにより発生した光コムを、LN変調器1205でBPSK変調を施し、図6に示した本実施形態の位相感応光増幅器に入射する。
実際の光コムの変調では、光コム発生とデータ変調時の損失を補償するために、後にEDFA等のレーザ増幅器を用いて信号を増幅する。この時に、ASE光による信号雑音が付加されてしまう。
本実施形態の位相感応光増幅器を評価するためのこの実験では、S/N比の改善効果を調べるために、データ変調を施した光コム信号に対し、EDFA1206を介して意図的にASE雑音を付加している。
位相感応光増幅器の基本波光は、光コムを発生するのに用いた単一波長光源1201を分岐して用いた。増幅前後の信号から非縮退点のピークを分波器1210で分離し、光減衰器1211で受信パワーを調整して、受信装置1212で受信した。
図13は、測定した受信パワーに対する誤り率のデータを示す図である。光コム発生およびデータ変調時の損失により光パワーが減衰した光コムを、EDFA等のレーザ光増幅器で増幅すると、自然放出光(ASE光)が混入してしまい、増幅に伴ってS/N比が劣化してしまうという問題があった。図13に示した結果から、意図的にASE雑音を付加した場合(プロット○)、ASE雑音を付加しない場合(プロット●)と同じ誤り率を得るためには、必要な受信パワーが非常に大きくなることが分かる。
しかしながら、本実施形態に係る位相感応光増幅器に、意図的にASE雑音を付加した信号を入射して得られた出力信号のデータ誤り率(プロット黒四角)は、元のASE雑音を付加された入力信号に比べ大幅に、必要な受信パワーに対する改善が見られた。10-9の誤り率で比べた場合、本発明の位相感応光増幅器を用いると、ASE雑音によるパワーペナルティを3dB改善するという顕著な効果が見られた。
上述のASE雑音が付加され重畳された光信号のS/N比の改善効果から分かるように、本発明の位相感応光増幅器は、信号対雑音比改善装置としても機能することが分かる。すなわち、自然放出光雑音が重畳された対となる2つの波長を持つ前記信号光が入力される本発明の位相感応型光増幅装置を備えることで、信号光に対する利得と、自然放出光雑音の利得との差異に基づいて、自然放出光雑音が重畳された信号光から、信号光が選択的に増幅されることによって自然放出光雑音が除去される信号対雑音比改善装置が実現できる。
図14は、本発明の第2の実施形態に係る位相感応光増幅器の構成を示す図である。単一波長光源1401には1.54μmのCW光を用いる。変調器1403を用いて、励起光の2倍の波長に相当する光周波数を中心として同じ光周波数差だけ対称に離れた信号光の対(s+1とs-1、s+2とs-2、s+3とs-3、s+4とs-4、以下同様)を持つ光コムを生成する。本発明の位相感応光増幅装器と、位相同期した複数の波長の光から構成される光コムを発生する光源とを組み合わせれば、光信号発生器を構成できる。
本実施形態では単一波長光源1401および光変調器1403から構成された光コム発生器を採用しているが、光源にモード同期レーザを用いる方法や、非線形媒質を用いる方法などの他の方法を用いて光コムを発生させても良い。
発生させた光コム信号の複数波長のうちの1波長から同じ光周波数差だけ対称に離れた対となる2波長が、同じ光路に出力するように設計された分波器1404を用いて光コムの各波長を分離した。分波器には、アレイ導波路格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)に代表される導波路型の合分波器を用いても良いし、MEMSを用いたWSS(Wavelength Selective Switch)に代表される空間光学系を用いた合分波器を用いても良い。
分波器1404の各出力にはそれぞれ光変調器1405が接続されており、各信号光の対にデータ変調を施す。次いで、合波器1406を用いて各信号対を合波した後、EDFA等のレーザ増幅器1407で信号を増幅する。図14に示した構成においては、データ変調信号を合波した後で一括で増幅しているが、この構成に限られない。例えばデータ変調に半導体の変調器を用いSOAなどの半導体増幅器を変調器に集積したデバイスを用いることができる場合は、図15に示した別の構成例のように各信号対をそれぞれレーザ増幅器1507で増幅した後に、合波器1506を用いて合波しても良い。図15に示したの位相感応光増幅装器と、位相同期した複数の波長の光から構成される光コムを発生する光源とを組み合わせれば、光信号発生器を構成できる。
また、図14および図15に示した構成では、光周波数差だけ対称に離れた対となる2波長が同じ光路に出力される分波器を用いてそれぞれの信号対に同じデータ変調を施している。さらに別の構成例として、図16に示したように光コムのそれぞれの波長を分離する分波器1604と、分波器の各出力にそれぞれ接続されたそれぞれ光変調器1605を用いて、光コムのうちの、同じ光周波数差だけ対称に離れた信号対をそれぞれ同じデータData1〜Datanによって変調する構成を用いても良い。尚、図16に示した位相感応光増幅装器と、位相同期した複数の波長の光から構成される光コムを発生する光源とを組み合わせれば、光信号発生器を構成できるのは言うまでもない。
光コムの生成過程では、変調器における損失や複数搬送波への変換効率の分だけ光パワーが小さくなってしまう。また、光コムを分波器で分波し、変調器でデータ変調を施し、合波器で合波する場合、それぞれの構成要素の挿入損失により、元の光コムに比べて光パワーが著しく減衰してしまう。従来技術のレーザ媒質を用いた光増幅器で光ファイバでの伝送に必要なパワーまで増幅を行うと、光増幅器への入力パワーが小さいために信号のS/N比を著しく劣化させてしまう。位相感応光増幅器による低雑音な光増幅の原理は知られていたものの、一般的に位相感応光増幅器では縮退パラメトリック増幅を用いるために、増幅できる信号波長は1つであり、複数の搬送波を同時に増幅することはできなかった。
しかしながら、本実施形態に係る位相感応光増幅器を用いることで、複数波長の光コムを低雑音で増幅することが可能となる。さらに、信号光とASE光とのビート雑音に起因するS/N比に関し、本実施形態に係る位相感応光増幅器を用いて増幅することによって、入力よりもS/N比を改善できるという顕著な効果を持つ。
位相感応光増幅器の基本波光は、光コムを発生するのに用いた単一波長光源を分岐して用いた。光コム信号を本実施形態による位相感応光増幅器に入射した。入出力それぞれの光S/N比(OSNR)と光電変換後のS/N比を調べた結果、入力信号のS/N比に比べて出力信号のS/N比には3dBの改善が見られた。本実施形態に係る位相感応光増幅器の構成を用いることで、強度雑音である信号光とASE光とのビート雑音によるS/N比を改善した。
上述のS/N比改善効果に加えて、本実施形態の構成を用いることで、直交位相を減衰させることによる位相チャープ成分の抑制効果の相乗効果が得られる。増幅特性を確認するために、増幅後の信号光を観測し時間波形を調べた。
図17は、本実施形態による位相感応光増幅器によって増幅された信号の時間波形を説明する図である。図17の(a)に励起光が入射しないときの入射信号光の出力波形を、図17の(b)にPLLにより励起光位相と信号光の位相とが合うように設定したときの出力波形を、図17の(c)にPLLにより励起光位相と信号光の位相とが90度ずれるように設定したときの出力波形を、それぞれ示す。
励起光位相と信号光位相とが90度ずれるように設定したときは、図17の(c)に示すように、信号のONレベルが減衰されている様子から位相感応増幅が実現されていることがわかる。信号のONとOFFレベルの間の過渡的な部分のみが増幅された波形が観測された。これは信号光に位相雑音が重畳されていることを示している。
例えば、データを重畳する光変調器として変調器中の片方のアームのみの位相変調を用いるタイプの変調器を用いると、データ変調器によりチャープが生じる。すなわちONとOFFの間を遷移するときに変調器の出力の位相が変動し、ON状態の時を基準にすると、直交位相成分が生じる。このために信号光位相と励起光位相とを直交させるように設定すると、位相チャープ成分のみが位相感応光増幅される結果となる。このことは、信号光のON状態に位相を合わせた状態では、入力信号に位相チャープが含まれていた場合であっても、そのチャープ成分を除去して、チャープのない信号として整形して増幅できることを示している。
図14に示した第2の実施形態における構成を用いて生成した信号を光ファイバに通して伝送を行った結果、強度雑音である信号光とASE光とのビート雑音の除去効果および位相チャープ成分の抑制効果により、伝送距離を3倍以上にすることができた。
次に、本発明の位相感応光増幅器の第3の実施形態の構成について説明する。
図18は、本発明の第3の実施形態に係る位相感応光増幅器の構成を示す図である。単一波長光源1801および変調器1803を用いて、励起光の2倍の波長に相当する光周波数を中心として同じ光周波数差だけ対称に離れた信号光の対(s+1とs-1、s+2とs-2、s+3とs-3、s+4とs-4、以下同様の)を持つ光コムを生成する。光コムの生成過程における、変調器の損失や複数搬送波への変換による損失を補うために、EDFA等の通常のレーザ増幅器1804を用いて光コム信号を増幅する。位相感応光増幅器の基本波光としては、光コムを発生するのに用いた単一波長光源1801から分岐した信号を用いる。光コム信号を、本発明による位相感応光増幅器に入射して増幅した。図18に示した位相感応光増幅装器と、位相同期した複数の波長の光から構成される光コムを発生する光源とを組み合わせれば、光信号発生器を構成できる。
第1の実施形態で示した手法と同様の手法を用いて、入出力それぞれの光S/N比(OSNR)と、光電変換後のS/N比とを調べた結果、入力信号におけるS/N比に比べて、本実施形態の位相感応光増幅器の出力信号においてS/N比に、3dBの改善が見られた。図18に示すように、通常のレーザ増幅器1804を用いて光コム信号を増幅した後、本発明における位相感応光増幅器を用いることで、S/N比の高い光コム信号を生成できた。
光コムのそれぞれの波長を分離する分波器1806と、分波器1806の各出力に接続されたそれぞれ光変調器1807を用いて、各コムに個別にデータ変調(Data1〜Datan)を施した後、光合波器1808を用いて光コム信号を1本の光ファイバに入射し、信号を伝送した。
本実施形態に係る位相感応光増幅器を用いることにより、S/N比の高い信号を生成可能となり、伝送距離を増大させることができた。
さらに、本発明の位相感応光増幅器の第4の実施形態の構成について説明する
位相感応光増幅器を光信号の送信器直後に用いるように、信号光を発生する光源が位相感応光増幅部の近くに配置されている場合は、信号光用光源の一部を分岐して基本波光として用いることができる。しかしながら、光伝送における中継増幅器や受信端での前置増幅器として位相感応光増幅器を用いる場合には、位相同期手段を用いて位相感応光増幅装置内の励起光位相と信号光位相とを式(1)の関係を満たすように同期させる必要がある。
図19は、位相同期手段として中心波長信号を用いた、本発明の第4の実施形態に係る位相感応光増幅器の構成を示す図である。本実施形態では、複数波長の信号光の中心波長信号をCW光のパイロットトーンとして用いたデータ信号を、入力信号として用いる。光周波数を中心として同じ光周波数差だけ対称に離れた信号光の対(s+1とs-1、s+2とs-2、s+3とs-3、s+4とs-4、以下同様の)には2値の位相変調が加えられ、中心波長の信号は無変調でCW光のパイロットトーンとして用いることが可能な複数波長の信号を、信号光1930として用いている。
中心波長にCW光のパイロットトーンを持つ変調信号光1930が伝送媒体を通って伝送されてくる。伝送媒体としては光ファイバを用いた。光ファイバ中の偏波回転を偏波コントローラ1920で補正した後、中心波長のみを切り出すノッチ型のフィルタ1921を用いてCW光のパイロットトーンのみを分離した。
信号の光強度は伝送光ファイバによる光強度の損失のため、光強度は極めて小さくS/N比は劣化している。分岐させたCW光のパイロットトーンをアッテネータ1911で光強度を調整した後、サーキュレータ1912を通して位相感応光増幅装置内の基本波光源1913に光注入同期を行った。基本波光源1913にはDFB型の半導体レーザを用いた。
アッテネータ1911を用いて基本波光源1913に入力する光強度を変化させ、光スペクトルアナライザで様子を観測したところ、光強度を数十μWとした時に半導体レーザの波長がパイロットトーン波長に引き込まれている様子が観測された。位相感応光増幅装置内の基本波光源がパイロットトーンに位相同期されることが分かった。これにより、S/N比の劣化した信号光のパイロットトーンからS/N比の良い励起光を生成することができた。
光ファイバ中を伝送されてきた複数波長の信号は、光ファイバ中の分散効果により対称に離れた信号光の対の間の位相にずれが生じている。この位相のずれを補償するために分散補償(調整)媒質1922を位相感応光増幅器内に構成した。分散補償(調整)媒質には、LCOSなどの液晶を用いた位相調整器を用いた。逆分散を持つファイバを用いるなどの別の手段を用いて位相を調整しても良い。位相調整器(図示せず)により、信号光の対の間の位相を合わせた。
信号光のパイロットトーンに位相同期した基本波光を用いて、第1の実施形態で説明した位相感応増幅構成を用いて光増幅を試みた所、第1の実施形態と同様の特性結果が得られた。本実施形態の位相感応光増幅器の構成を採ることにより、信号光を発生する光源が位相感応光増幅部の近くに配置されていない中継増幅や受信端での前置増幅器においても、位相同期手段を用いることで位相感応増幅が行うことができた。
以上詳細に述べてきたように、本発明によれば、非線形光学効果であるパラメトリック増幅効果を利用して信号光の特定の位相だけを増幅する位相感応光増幅器において、複数波長の一括増幅が可能となる。さらに光コムを発生する光源と組み合わせて、光信号発生器を構成できる。S/N比の劣化を防ぎながら高品質な光信号増幅が可能になる。さらには、本発明を用いることで励起光と位相相関のある信号光を選択的に増幅することで、ASE光などの無相関な光に起因した雑音を抑制することができる。
従来技術のレーザ増幅器で増幅する場合に比べ、光ファイバ伝送における信号のS/N比を改善できるために、従来よりも高速の信号を低いパワーで長距離まで伝送することができる。入射される信号光の位相雑音を除去して増幅することができるため、光ファイバの波長分散による信号劣化の影響が抑えられ、増幅後の信号光の伝送距離を伸ばすことができる。さらに、ASEノイズを抑制することにより、一度劣化した光信号のSN比を改善させることができる。ASE光および信号光のビート雑音により劣化した信号光のSN比を改善することができる。
本発明は、一般的に通信システムに利用することができる。特に、光通信システムや光計測システムに利用できる。
101 位相感応光増幅部
102 励起光源
103 励起光位相制御部
104−1、104−2、603 光分岐部
110、410 入力信号光
111、211、411−1、411−2 励起光
112、412 出力信号光
201 レーザ光源
202 SHG結晶
203 OPA結晶
210、620 信号光
401 励起光位相同期手段
402、503、601、1206、1407、1607 エルビウム添加ファイバレーザ増幅器(EDFA)
403 光ファイバ
404 信号光フィルタ
602−1、602−2 二次非線形光学素子
605−1、605−2 PPLN導波路
606−1、606−2 ダイクロイックミラー
607 偏波保持ファイバ
621 基本波光
1201、1401、1601、1801 単一波長光源
1404、1504、1604、1806 合波器
1406、1506、1606、1808 分波器

Claims (8)

  1. 位相同期した複数の波長の光から構成される光コムを発生する光源と、
    非線形光学効果を用いた光混合によって信号光を増幅する位相感応型光増幅装置であって、該光コムを発生する光源から、信号光として、光周波数軸上で基本波光から同じ光周波数差だけ対称に離れ、各々が同一または反転した位相情報を持つ対となる2波長を持つ1つまたは複数の信号光の対が入力され、該光コムの該複数の波長のうちの1つの波長を基本波光とする位相感応型光増幅装置と、
    該位相感応型光増幅装置の出力に接続され、光コムの各波長を分離する分波器と、
    各々が、該分波器の各出力に接続された複数の光変調器と、
    該複数の変調器からの出力を合波する合波器と
    を備え、
    該位相感応型光増幅装置は
    該基本波光を増幅する光ファイバレーザ増幅器と、
    該光ファイバレーザ増幅器に接続され、第二高調波を発生する第1の二次非線形光学素子と、
    該第1の二次非線形光学素子から出力される該基本波光および該第二高調波から、該第二高調波を分離するフィルタと、
    信号光の対からなる該信号光と、励起光である該第二高調波とを合波する合波器と、
    合波された該信号光および該励起光を入射して、該信号光の非縮退パラメトリック増幅を行う第2の二次非線形光学素子と、
    該第2の二次非線形光学素子から出力される該信号光および該励起光から、増幅された信号光を分離するフィルタと、
    該位相感応型光増幅装置内の該合波器の前段側で、該基本波光の位相を制御することによって、非縮退パラメトリック増幅を行う該第2の二次非線形光学素子内における該信号光の位相と、励起光の位相とを同期する手段と
    を有し、
    該光コムを発生する光源および該第2の二次非線形光学素子の間に、少なくとも1つのレーザ増幅器を備えたことを特徴とする光信号発生器。
  2. 位相同期した複数の波長の光から構成される光コムを発生する光源と、
    該光コムの各波長を分離し、および、該光コムの該複数の波長の内の1つの波長の光から同じ光周波数差だけ対称に離れた対となる2波長の光の対を同一の光路に出力するよう構成された分波器と、
    各々が、該光の対の1つに対応する該分波器の出力に接続され、対応する該光の対に変調を加える複数の光変調器と、
    該複数の光変調器からの出力を合波する合波器と
    非線形光学効果を用いた光混合によって信号光を増幅する位相感応型光増幅装置であって、該合波器から、信号光として、光周波数軸上で基本波光から同じ光周波数差だけ対称に離れ、各々が同一または反転した位相情報を持つ対となる2波長を持つ1つまたは複数の信号光の対が入力され、該複数の波長のうちの1つの波長を基本波光とする位相感応型光増幅装置と
    を備え、
    該位相感応型光増幅装置は
    該基本波光を増幅する光ファイバレーザ増幅器と、
    該光ファイバレーザ増幅器に接続され、第二高調波を発生する第1の二次非線形光学素子と、
    該第1の二次非線形光学素子から出力される該基本波光および該第二高調波から、該第二高調波を分離するフィルタと、
    信号光の対からなる該信号光と、励起光である該第二高調波とを合波する合波器と、
    合波された該信号光および該励起光を入射して、該信号光の非縮退パラメトリック増幅を行う第2の二次非線形光学素子と、
    該第2の二次非線形光学素子から出力される該信号光および該励起光から、増幅された信号光を分離するフィルタと、
    該位相感応型光増幅装置内の該合波器の前段側で、該基本波光の位相を制御することによって、非縮退パラメトリック増幅を行う該第2の二次非線形光学素子内における該信号光の位相と、励起光の位相とを同期する手段と
    を有し、
    該光コムを発生する光源および該第2の二次非線形光学素子の間に、少なくとも1つのレーザ増幅器を備えたことを特徴とする光信号発生器。
  3. 位相同期した複数の波長の光から構成される光コムを発生する光源と、
    該光コムの各波長を分離し、および、該光コムの該複数の波長の内の1つの波長の光から同じ光周波数差だけ対称に離れた対となる2波長の光の対をそれぞれ異なる光路に出力するよう構成された分波器と、
    各々が、対応する該分波器の各出力に接続され、該光の対に対して同一または反転した位相情報を持つ光変調を加える複数の光変調器と、
    該複数の光変調器からの出力を合波する合波器と
    非線形光学効果を用いた光混合によって信号光を増幅する位相感応型光増幅装置であって、該光合波器から、信号光として、光周波数軸上で基本波光から同じ光周波数差だけ対称に離れ、各々が同一または反転した位相情報を持つ対となる2波長を持つ1つまたは複数の信号光の対が入力され、該複数の波長のうちの1つの波長を基本波光とする位相感応型光増幅装置と
    を備え、
    該位相感応型光増幅装置は
    該基本波光を増幅する光ファイバレーザ増幅器と、
    該光ファイバレーザ増幅器に接続され、第二高調波を発生する第1の二次非線形光学素子と、
    該第1の二次非線形光学素子から出力される該基本波光および該第二高調波から、該第二高調波を分離するフィルタと、
    信号光の対からなる該信号光と、励起光である該第二高調波とを合波する合波器と、
    合波された該信号光および該励起光を入射して、該信号光の非縮退パラメトリック増幅を行う第2の二次非線形光学素子と、
    該第2の二次非線形光学素子から出力される該信号光および該励起光から、増幅された信号光を分離するフィルタと、
    該位相感応型光増幅装置内の該合波器の前段側で、該基本波光の位相を制御することによって、非縮退パラメトリック増幅を行う該第2の二次非線形光学素子内における該信号光の位相と、励起光の位相とを同期する手段と
    を有し、
    該光コムを発生する光源および該第2の二次非線形光学素子の間に、少なくとも1つのレーザ増幅器を備えたことを特徴とする光信号発生器。
  4. 前記光コムの複数の波長の内の前記基本波光に用いられる1つの波長は、前記光コムの中心波長であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の光信号発生器。
  5. 前記光コムの前記位相同期した複数の波長の光は単一モードのレーザ光源を光変調器により変調することによって発生され、該レーザ光源を分岐した光が前記基本波光として前記位相感応型光増幅装置へ入力されることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の光信号発生器。
  6. 前記基本波光および前記第二高調波から前記第二高調波を分離するフィルタ、ならびに、前記信号光と前記第二高調波とを合波する合波器は、誘電体膜を用いたダイクロックミラーであることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の光信号発生器。
  7. 前記第1の二次非線形光学素子および前記第2の二次非線形光学素子は、周期分極反転構造を有する二次非線形光学材料からなる光導波路をそれぞれ有し、
    該二次非線形光学材料は、LiNbO3、LNbO3、LiTaO3、LiNbxTax-13(0≦x≦1)、KTiOPO4のいずれか、または、これらに、Mg、Zn、Fe、Sc、Inからなる群から選択された少なくとも1種を添加物として含有しているものであることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の光信号発生器。
  8. 前記信号光の内の、対となる2つの波長の光間の位相を調整するための分散補償媒質をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の光信号発生器。
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