JP7698554B2 - 基板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、凹部を有した基板表面を加工する基板の製造方法に関するものである。
発光装置においては、平板状の基板表面に複数の発光素子を実装したものや、一方の面に凹部が形成された基板の凹部内に発光素子を実装し、凹部開口を蓋体により封止したものが提案されている。このような発光素子が実装される基板では、基板の一方の面に実装された発光素子と基板の他方の面に形成された配線パターンとを電極ビアによって電気的に接続した構成が採用されることがある。
発光素子と基板の他方の面に形成した配線パターンとの電気的接続に用いられるビアは、例えば、基板にその表裏面を接続する貫通孔を形成し、この貫通孔内に金属を充填する等して導電体層を形成した構造を有している。基板に貫通孔を形成する場合、基板等の加工対象物にレーザビームを照射し、貫通孔や溝等を形成する加工方法が知られている。このレーザビーム照射による加工方法は、レーザビームの照射により加工対象物の材料表面が飛散した飛散物(デブリ)や、溶けた材料物質の溶融凝固物(ドロス)が発生し、それらが加工部位や加工部位周辺へ付着することが避けられないという問題を有している。加工対象物へのデブリやドロスの付着は、外観を損ねるのみならず、加工部位周囲に配線パターン等の被膜を形成する場合において、加工対象物とそれを被覆する被膜との間に異物としてデブリやドロスが介在して加工対象物と被膜との密着性を低下させる要因となる。
このような点に対し、特許文献1では、加工対象物へのデブリの付着を防止するため、加工対象物である基板の表面に樹脂保護テープを形成し、レーザビーム照射による加工後に、デブリが付着した樹脂保護テープを剥離して基板上からデブリを除去する方法が提案されている。
特開2007-80968号公報
しかしながら、前述した特許文献1に記載される加工方法では、凹部を備えた基板の凹部内に貫通孔を形成する場合、貫通孔の周囲に位置する凹部の表面や側面への樹脂保護テープの形成は容易ではなく、特に非常に小型な照明装置等においては樹脂保護テープを凹部内に形成することは実質的に不可能である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、凹部を有し、当該凹部内を加工する基板において、基板へのデブリやドロス等の基板加工によって発生する副次物の付着を抑制した基板の製造方法を提供することにある。
基板の製造方法であって、凹部を有する基板の表面に前記凹部に架橋した保護膜を形成する保護膜形成工程と、前記凹部に架橋した前記保護膜を前記凹部の底面に向かい垂下させる保護膜垂下工程と、前記凹部の表面を加工する基板加工工程と、前記保護膜を剥離する保護膜剥離工程と、を備える基板の製造方法とする。
前記保護膜は、垂下することで空隙を介して前記凹部の底面及び側面の少なくとも一部を覆う構成としてもよい。
また、前記保護膜垂下工程は、前記凹部の表面にレーザビームを照射することによって前記保護膜を垂下させる工程であり、前記基板加工工程は、前記保護膜を通過した前記レーザビームによって前記凹部の表面を加工する工程としてもよい。
さらにまた、前記基板加工工程は、前記凹部の底面に貫通孔を形成する工程であってもよい。
また、前記保護膜は樹脂保護テープであってもよい。
本発明の基板の製造方法によれば、凹部を有する基板へのデブリやドロス等の加工によって発生する副次物の付着を抑制し、高品質な基板を製造することが可能となる。
本発明の一実施例による基板の製造方法を示す模式図である。 本発明の基板の製造方法によって製造された配線基板の断面図である。
以下に本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。本実施例では、凹部を有する基板にビアを備えた配線基板を例とし、本発明の基板の製造方法を説明する。なお、図面においては各構成をわかりやすくするために実際の形状や実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
図2は本発明の基板の製造方法によって製造された配線基板の断面図である。配線基板10は、一方の面に凹部2が形成された基板1と、基板1の他方の面及び凹部2の底面2aとに形成された配線パターン3及び回路パターン9を備える。基板1は凹部2の底面2aから他方の面へ貫通した貫通孔6と、貫通孔6内に金属ペースト8が充填されることで形成されたビア20とを備え、このビア20と配線パターン3及び回路パターン9とは電気的に接続されている。このように構成された配線基板10には、例えば図示しない発光素子などの電子機器が実装される。具体的には、発光素子などの電子部品は基板1の凹部2内に収容されるとともに回路パターン9と電気的に接続して配線基板10に実装される。ここで配線パターン3は、配線基板10を外部機器へと実装し、配線基板10に実装された電子部品と外部機器との電気的接続をとるために利用される。
次に、配線基板10の製造方法を説明する。図1は本発明の基板の製造方法を示す模式図である。配線基板10は以下の方法により製造される。
[保護膜形成工程:図1(a)]
まず、凹部2を有する基板1を準備する。本実施例における基板1は直径4インチ、厚み0.3mmのシリコン基板であり、基板1の一方の面に形成された凹部2は、底面2aと側面2bとを備え、開口が略0.4mmの正方形であり、基板1の一方の面であり凹部2が形成されない面から底面2aまでの距離である深さが略0.1mmの断面矩形状である。この基板1の凹部2が形成された面(一方の面)の表面全体に保護膜4aを形成する。このとき保護膜4aは、凹部2を除く基板1の一方の面の表面に接触して形成するとともに、凹部2の開口を架橋した状態となるよう形成する。なお、ここでは保護膜4aのうち凹部2に架橋する部位を保護膜4a´とする。また、基板1の他方の面の表面全体にも保護膜4bを形成する。本実施例では、保護膜4a、4bとしてテープ基材とその一方の面に設けられた粘着層とからなる厚み略0.15mmの樹脂製保護テープを利用し、その粘着層を基板1に接着することで基板1に保護膜4a、4bを形成した。
[保護膜垂下工程及び基板加工工程:図1(b)及び図1(c)]
次に、基板1の凹部2の底面2aであり、配線基板10の貫通孔6に対応する位置に向かい、保護膜4aの上部、より具体的には凹部2に架橋した保護膜4a´の上部よりレーザビーム5を照射する。このとき照射するレーザビーム5は、保護膜4a´を加工するとともに凹部2の底面2aから基板1の他方の面までを溶融加工することができるエネルギー強度を有する。レーザビーム5は、基板1の材質、厚み等により適宜選択され、例えばCOレーザやYAGレーザなどを用いることができる。
この保護膜垂下工程及び基板加工工程では、まず、レーザビーム5の照射によって保護膜4a´に貫通孔4a1が形成される。また、保護膜4a´は、貫通孔4a1が形成されるとともにレーザビーム5の照射領域の周縁部(貫通孔4a1の周縁部)がレーザビーム5の照射により発生した熱エネルギーによって軟化し、凹部2の底面2aに向かい垂下する(保護膜垂下工程)。このように保護膜4a´が垂下することで、凹部2の底面2a及び側面2bの少なくとも一部は垂下した保護膜4a´に空隙をもって覆われた状態、換言すれば、垂下した保護膜4a´によって底面2a及び側面2bの少なくとも一部が遮蔽され外部に露出していない状態となる。本実施例では、保護膜4a´は垂下することによってその端部、具体的には貫通孔4a1の縁部が底面2aに接触し、底面2a及び側面2bは垂下した保護膜4a´によってほぼ完全に外部に露出しない状態となっている。本実施例のように保護膜4aの一部である保護膜4a´を凹部2の底面2aに垂下させることで、困難である凹部2の底面2aや側面2bを覆う膜の直接形成をせずに、容易に底面2aや側面2bを覆う膜を形成することが可能である。
続いてこの工程では、保護膜4a´に貫通孔4a1を形成し保護膜4a´を通過したレーザビーム5は、凹部2の底面2aに照射され、底面2aから基板1の他方の面及び保護膜4bを貫通した貫通孔6を形成する(基板加工工程)。基板1にレーザビーム5が照射されると、基板1からはデブリやドロス(以下、デブリ等7、とする。)が発生する。発生したデブリ等7は貫通孔6の周囲に飛散するが、基板1の一方の面における貫通孔6の周囲である凹部2の底面2aや側面2bは垂下した保護膜4a´により覆われているため、デブリ等7の多くは垂下した保護膜4a´へ付着することとなる。また、基板1の他方の面における貫通孔6の周囲は保護膜4bに被覆されているため、デブリ等7は保護膜4b上へ付着する。
なお、本実施例では、前述したように保護膜4a´は垂下することによってその端部が底面2aに接触した状態としている。保護膜4a´が垂下することで底面2aに接触するかどうかは、凹部2の開口の大きさと深さ、レーザビーム5の照射領域の径(貫通孔4a1の直径)、レーザビーム5の光強度、保護膜4a´の材質によって決定されるが、保護膜4a´が垂下したとき凹部2の底面2aへ接触する構成とすることで底面2aや側面2bの大部分を覆うことができ、底面2aや側面2bへのデブリ等7の付着を確実に防ぐことができる。なお、保護膜4a´は垂下したときに底面2aへ接触しない構成としてもよい。保護膜4a´は底面2aへ接触しない構成とした場合、接触した場合と比較して底面2a及び側面2bを覆う範囲が小さくなり、底面2aや側面2bの一部が外部へ露出した状態となることが考えられる。しかし、この場合においても、保護膜4a´が底面2a及び側面2bを全く覆っていない状態と比較するとデブリ等7の基板1への付着を大きく抑制することができる。
また、本実施例では、保護膜4aの一部を垂下させる保護膜垂下工程と、基板1に貫通孔6を形成する基板加工工程とをレーザビーム5による一度の照射により行っている。このような工程とすることで製造工程を短縮することができ、かつ保護膜垂下工程における保護膜4a´の垂下位置と基板加工工程における加工位置の位置出しを一度で済ますことができ、精度の高い加工が可能となる。
[保護膜剥離工程:図1(d)]
次に、保護膜4a、4bを基板1から剥離する。保護膜4aは前工程で垂下した保護膜4a´と一体であるため、保護膜4aを基板1から剥離すると保護膜4a´に付着したデブリ等7は基板1上に残存しない。また、保護膜4bに付着したデブリ等7もまた保護膜4bを剥離することで基板1上に残存しない。保護膜4a、4bの剥離は、例えば、保護膜4a、4bに紫外線を照射し接着層を硬化させて粘着力を低下させ、その後、基板1から剥離する。このように保護膜4a、4bの接着層の粘着力を低下することによって保護膜4a、4bを基板1から容易に剥離することができる。
[ビア及び配線パターン形成工程:図1(e)]
次に、基板1の貫通孔6に金属ペースト8を充填し、基板1を焼成することで基板1にビア20を形成する。次に、公知のフォトリソグラフィ技術を用いて基板1の凹部2の表面に配線パターン3及び回路パターン9を形成する。以上の工程により、配線基板10が得られる。
以上、本発明の基板の製造方法について、実施例に基づき説明してきたが、本発明の範囲は前述の実施例に限定されるものではなく本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。例えば、本実施例では貫通孔6を備えた配線基板10を例として本発明の実施例を説明したが、本発明の基板の製造方法はこの例に限定されず、基板(基材)を加工する種々の物品に適応可能である。また、実施例においては、基板の加工方法をレーザビーム5の照射によって行う例で説明したが、例えばレーザビーム5の照射の代わりに加工によって副次物が発生する切削等の機械加工等にも適用することができる。また、基板1の基材はシリコンとしたが、シリコンに限定されず窒化アルミニウム等の他の材料により構成されていて構わない。また、基板1は円形基板に限定されず矩形の基板でも構わない。また、保護膜4a、4bは樹脂製保護テープに限定されず、凹部2に架橋でき、かつ凹部2の底面2aに向かって垂下できる材質であればよい。
さらにまた、保護膜垂下工程と基板加工工程とをそれぞれ別の工程で行ってもよい。本実施例では、レーザビーム5の照射により保護膜4aに貫通孔4a1を形成するとともに保護膜4a´を垂下させ、さらに保護膜4aを通過したレーザビーム5によって基板1を加工したが、例えば保護膜4a´をピンなどで押圧することで垂下させ、その後、基板1を加工してもよい。
さらにまた、本実施例では、保護膜形成工程の後に保護膜垂下工程を行ったが、例えば、予め凹部2に対応する位置が垂下した(凹部2に向かい撓んだ)部位を備えた保護膜4aを用意し、その保護膜4aを基板1上に形成するようにしてもよい。
1 基板
2 凹部
2a 底面
2b 側面
3 配線パターン
4a 保護膜
4a´ 保護膜
4a1 貫通孔
4b 保護膜
5 レーザビーム
6 貫通孔
7 デブリ等
9 回路パターン
10 配線基板
20 ビア

Claims (5)

  1. 基板の製造方法であって、
    凹部を有する基板の表面に前記凹部に架橋した保護膜を形成する保護膜形成工程と、
    前記凹部に架橋した前記保護膜を前記凹部の底面に向かい垂下させる保護膜垂下工程と、
    前記凹部の表面を加工する基板加工工程と、
    前記保護膜を剥離する保護膜剥離工程と、を備えることを特徴とする基板の製造方法。
  2. 前記保護膜は、垂下することで空隙を介して前記凹部の底面及び側面の少なくとも一部を覆うことを特徴とする請求項1に記載の基板の製造方法。
  3. 前記保護膜垂下工程は、前記凹部に架橋した前記保護膜にレーザビームを照射することによって前記保護膜を垂下させる工程であり、前記基板加工工程は、前記保護膜を通過した前記レーザビームによって前記凹部の表面を加工する工程であることを特徴する請求項1または2に記載の基板の製造方法。
  4. 前記基板加工工程は、前記凹部の底面に貫通孔を形成する工程であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
  5. 前記保護膜は樹脂保護テープであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
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