JP7689416B2 - かご状シロキサン含有高分子、かご状シロキサン及びその製造方法 - Google Patents

かご状シロキサン含有高分子、かご状シロキサン及びその製造方法 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 北里大学理学部化学科2019年度卒業論文要旨集 発行日 令和2年2月1日
本発明は、かご状シロキサン含有高分子、かご状シロキサン及びその製造方法に関する。
ケイ素-酸素-ケイ素結合を主骨格とするポリシロキサンは、高い耐熱性、光線透過性、優れた機械的特性と良好な加工性を兼ね備え、様々に利用される有機-無機ハイブリッド化合物である。その中でも(RSiO1.5の組成式で表されるポリシルセスキオキサンは、特に優れた耐熱性、透明性及び加工性を示すことから、近年積極的に研究開発が進められている。とりわけ、有機溶剤や溶解性や有機高分子の分散安定性、屈折率の制御及び光硬化性付与などの特性が良好なダブルデッカー型シルセスキオキサン構造を含む高分子化合物が注目されている。高分子化合物の一次構造はその高次構造に強い影響を与え、高分子化合物の溶解性、ガラス転移点及び結晶性などの諸物性を大きく変化させる。そのため、ダブルデッカー型シルセスキオキサン構造を含む高分子化合物においても、その一次構造の制御は良物性を得る上で重要である。
非特許文献1では、ダブルデッカー型シルセスキオキサン-メチル置換直鎖シロキサン交互高分子において、その合成及び直鎖シロキサン部位のケイ素数が与える物性への影響を報告している。非特許文献1では、メチル置換直鎖シロキサン部位の鎖長の制御の報告がなされているが、ダブルデッカー骨格上のケイ素原子の立体異性の制御はなされていない。また、直鎖シロキサン部位はメチル置換ケイ素以外のものは報告されていない。
特許文献1では、イソブチル基の置換したケイ素原子で閉環されたダブルデッカー型シルセスキオキサン構造のジオールのシス型及びトランス型の立体異性体を非極性溶媒からの再結晶により分離し、それを原料として立体構造を制御したダブルデッカー型シルセスキオキサン-直鎖シロキサン交互高分子の合成と熱的物性が開示されている。特許文献1ではかご状シロキサンジオール分子におけるダブルデッカー型シルセスキオキサン構造を閉環するケイ素上の有機基は炭素数4のアルキル基に限られている。また、この高分子の機械的特性に関しては記述がない。
特許文献2では耐熱性向上及びコストの点で有利なメチル基及びフェニル基の置換したケイ素原子で閉環された、ダブルデッカー型シルセスキオキサン構造のかご状シロキサンジオールの製造法が開示されているが、これらの立体異性体を分離する方法は開示されていない。さらに、メチル基やフェニル基の置換したかご状シロキサンジオールはヘキサンやトルエン等の炭化水素溶媒に対する溶解性に乏しく、特許文献1で採用されている炭化水素溶媒中における酸触媒を用いた重合反応を行う上で、溶解性の低さが問題となりやすい。
特開2010-120901号公報 特許4379120号公報
Polymer、127巻、8-14頁、2017年。
本発明の課題は、極めて高い耐熱性及び良好な機械的特性を有するシルセスキオキサン構造含有高分子化合物及びそれを含んでなる膜を製造開発することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、トランス型又はシス型の立体異性体を富化させたかご状シロキサン化合物と直鎖シロキサン化合物との重合反応により、高い熱安定性と機械的特性を兼ね備えたかご状シロキサン含有高分子を製造可能であること、該かご状シロキサン化合物はトランス型又はシス型の立体異性体を富化させたかご状シロキサンジオールより製造可能であること、さらに、該かご状シロキサンジオールの立体異性体の富化は、晶析により達成可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、以下の構成よりなる。
[1]
一般式(1)
Figure 0007689416000001
(式中、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。R及びRはそれぞれ独立にハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1から3のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を表す。aは1から0.7の範囲をとる実数、又は0から0.3の範囲をとる実数を表す。nは0から20の範囲をとる実数を表す。ranは、不規則共重合体であることを表す。)で示される
かご状シロキサン含有高分子。
なお、本明細書中で「ハロゲン原子で置換されていてもよい」とは、当該アルキル基またはフェニル基の任意の水素原子がハロゲン原子で置換されても良いことを意味し、置換される水素原子の数は複数であってもよい。
[2]
[1]に記載のかご状シロキサン含有高分子、架橋剤、及び架橋触媒を含んでなる硬化膜。
[3]
一般式(2a)
Figure 0007689416000002

(式中、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるトランス型かご状シロキサン化合物、および、一般式(2b)
Figure 0007689416000003

(式中、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるシス型かご状シロキサン化合物、の一方または両方を含むかご状シロキサン化合物であって、前記シス型かご状シロキサン化合物または前記トランス型かご状シロキサン化合物のいずれかを70モル%以上含むかご状シロキサン化合物と、
一般式(3)
Figure 0007689416000004

(式中、R及びRは、それぞれ独立にハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1から3のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を表す。Xは水素原子、メチル基又はエチル基を表す。mは2から10の整数を表す。)で示される直鎖
シロキサン化合物、または
一般式(3’)
Figure 0007689416000005

(式中、R及びRは、それぞれ独立にハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1から3のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を表す。)で示される環状シロキサン化合物、
とを、酸触媒存在下で反応させることを特徴とする、一般式(1)で示されるかご状シロキサン含有高分子の製造方法。
[4]
一般式(1)で示されるかご状シロキサン含有高分子を製造する方法であって、一般式(4)
Figure 0007689416000006

(式中、Rは炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるかご状シロキサンジオールを晶析し、一般式(4a)
Figure 0007689416000007

(式中、Rは炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるトランス型かご状シロキサンジオール、又は一般式(4b)
Figure 0007689416000008

(式中、Rは炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるシス型かご状シロキサンジオールのいずれかを70モル%以上に富化する工程、
得られた一般式(4a)又は(4b)で示されるかご状シロキサンジオールのいずれかを70モル%以上含むかご状シロキサンジオールと、クロロヒドロシランRHSiCl(式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)とを反応させ、一般式(2a)
Figure 0007689416000009

(式中、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるトランス型かご状シロキサン化合物、又は、一般式(2b)
Figure 0007689416000010

(式中、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるシス型かご状シロキサン化合物のいずれかを70モル%以上含むかご状シロキサン化合物を得る工程、および
得られた一般式(2a)又は(2b)で示されるかご状シロキサン化合物のいずれかを70モル%以上含むかご状シロキサン化合物と、一般式(3)
Figure 0007689416000011

(式中、R及びRは、それぞれ独立にハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1から3のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を表す。Xは水素原子、メチル基又はエチル基を表す。mは2から10の整数を表す。)で示される直鎖シロキサン化合物、または
一般式(3’)
Figure 0007689416000012

(式中、R及びRは、それぞれ独立にハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1から3のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を表す。)で示される環状シロキサン化合物、
とを酸触媒存在下で反応させる工程、
を含むことを特徴とする、製造方法。
[5]
一般式(4)
Figure 0007689416000013

(式中、Rは炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるかご状シロキサンジオールを極性有機溶媒から晶析し、一般式(4a)
Figure 0007689416000014

(式中、Rは炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるトランス型かご状シロキサンジオール、又は一般式(4b)
Figure 0007689416000015

(式中、Rは炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるシス型かご状シロキサンジオールのいずれかを70モル%以上に富化する方法。
[6]
極性有機溶媒が、テトラヒドロフラン、アセトン及びシクロペンチルメチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする、[5]に記載のかご状シロキサンジオールのいずれかを70モル%以上に富化する方法。
[7]
一般式(4a)
Figure 0007689416000016

(式中、Rは炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるトランス型かご状シロキサンジオール、および一般式(4b)
Figure 0007689416000017

(式中、Rは炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるシス型かご状シロキサンジオール、の一方または両方を含むかご状シロキサンジオールであって、前記シス型かご状シロキサンジオールまたは前記トランス型かご状シロキサンジオールのいずれかを70モル%以上含有することを特徴とするかご状シロキサンジオール。
本発明は、極めて高い熱安定性と良好な可視光透過性及び高い機械的強度を有するシロキサン高分子材料を提供可能である。また、その原料となる立体異性体制御モノマーを、コスト的に優れる方法で製造可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本明細書における一般式(1)、(2)、(2a)、(2b)、(3)、(4)、(4a)、(4b)中のR、R、R、R、R及びXの定義について説明する。
、R及びRで示される基は、それぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基である。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基を例示することができ、本発明のかご状シロキサン含有高分子の耐熱性、加工性及び経済性の点から、メチル基が好ましい。R、R及びRで示される基はフェニル基が好ましい。
及びRで示される基は、それぞれ独立にハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1から3のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基である。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等を例示することができ、本発明のかご状シロキサン含有高分子の耐熱性、加工性、及び経済性の点から、メチル基が好ましい。R及びRとしてはフェニル基が好ましい。
Xは水素原子、メチル基又はエチル基である。本発明のかご状シロキサン含有高分子の収率の点から、水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
次に、本発明のかご状シロキサン含有高分子(1)について説明する。本発明のかご状シロキサン高分子(1)としては、下記(1a-1)~(1b-16)を例示出来る。式中、Phはフェニル基を、Meはメチル基を表し、ranは表記左右の構造単位が高分子中にランダムに存在している不規則共重合体であることを表す。
Figure 0007689416000018

Figure 0007689416000019

Figure 0007689416000020

Figure 0007689416000021

これらのかご状シロキサン含有高分子のうち、経済性、透明性の高さ及び耐熱性の点から、(1a-1)、(1b-1)、(1a-2)、(1b-2)、(1a-3)、(1b-3)、(1a-5)、(1b-5)、(1a-6)、(1b-6)、(1a-13)、(1b-13)、(1a-14)又は(1b-14)が好ましく、(1a-1)、(1b-1)、(1a-2)、(1b-2)、(1a-5)、(1b-5)、(1a-13)又は(1b-13)が更に好ましい。
次に、本発明のかご状シロキサン含有高分子の硬化膜について説明する。かご状シロキサン含有高分子(1)に対し、架橋剤、及び架橋触媒を含有させ成膜すると、硬化膜が得られる。該かご状シロキサン含有高分子(1)としては、(1a-1)、(1b-1)、(1a-2)、(1b-2)、(1a-3)、(1b-3)、(1a-5)、(1b-5)、(1a-6)、(1b-6)、(1a-13)、(1b-13)、(1a-14)又は(1b-14)が好ましく、(1a-1)、(1b-1)、(1a-2)、(1b-2)、(1a-5)、(1b-5)、(1a-13)又は(1b-13)が更に好ましい。該架橋剤としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン等のアルコキシ置換モノシラン類、パーメトキシオリゴシロキサン又はパーエトキシオリゴシロキサン等のパーアルコキシオリゴシロキサン類が例示できる。これらのうち、経済性及び硬化膜の耐熱性及び機械的強度の点から、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン又はパーメトキシオリゴシロキサンが好ましく、パーメトキシオリゴシロキサンが更に好ましい。架橋剤の含有率は、かご状シロキサン含有高分子(1)に対して0.01重量%から20重量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.1重量%から10重量%である。
架橋触媒としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート等の有機スズ系架橋触媒、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラエチルチタネート等のチタンアルコキシド系架橋触媒、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)等のアルミニウム系架橋触媒が例示できる。架橋触媒の含有率は、かご状シロキサン含有高分子(1)に対して0.005重量%から20重量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.01重量%から10重量%である。
本発明のかご状シロキサン含有高分子の硬化膜の成膜方法としては、成膜溶剤、かご状シロキサン含有高分子(1)、架橋剤及び架橋触媒を含んでなる組成物を調製し、該組成物を基板上に塗布成膜後、熱硬化することにより行う。成膜方法としては、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、フローコーティング法、ロールコーティング法、アプリケーター法、スクリーン印刷法、バーコーター法、刷毛塗り法、スポンジ塗り法等の方法を挙げることができるが、膜厚を制御できる点で、スピンコーティング法又はアプリケーター法が好ましい。該成膜溶剤としては、かご状シロキサン含有高分子(1)が溶解すれば特に溶剤の制限はないが、安全性及び硬化膜の耐熱性の点から、トルエン、キシレン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素溶剤が好ましく、トルエンが更に好ましい。成膜におけるかご状シロキサン含有高分子(1)の濃度は、溶解すれば任意の濃度で実施できるが、膜厚及び操作性の点から、0.1重量%から80重量%の範囲にあることが好ましく、20重量%から70重量%の範囲にあることが更に好ましい。熱硬化の温度は特に制限はなく、成膜溶剤を揮発させ、かつ架橋を円滑に行わせることが出来る点で、50℃から350℃の範囲から選ばれる温度で行うことが好ましい。
次に、本発明のかご状シロキサン含有高分子(1)の製造方法について説明する。本発明のかご状シロキサン含有高分子(1)は、トランス型かご状シロキサン化合物(2a)およびシス型かご状シロキサン化合物(2b)、の一方または両方を含むかご状シロキサン化合物であって、前記シス型かご状シロキサン化合物または前記トランス型かご状シロキサン化合物のいずれかを70モル%以上含むかご状シロキサン化合物と、直鎖シロキサン化合物(3)とを反応させることにより、重合体であるかご状シロキサン含有高分子(1)を製造する工程(以下、重合工程ともいう)により製造実施する。
<重合工程>
Figure 0007689416000022


(式中、Phはフェニル基を表す。R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。R及びRは、それぞれ独立にハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1から3のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を表す。Xは水素原子、メチル基又はエチル基を表す。nは0から20の範囲をとる実数を表し、0から6の範囲をとる実数であることが好ましい。nは整数でもよいが、平衡重合の場合は複数の整数の平均数となるので、整数でなくともよい。mは2から10の整数を表す。)
重合工程に用いるかご状シロキサン化合物(2)としては、トランス型かご状シロキサン化合物(2a)の割合が70モル%以上であるかご状シロキサン化合物(2)、又はシス型かご状シロキサン化合物(2b)の割合が70モル%以上であるかご状シロキサン化合物(2)を用いることを特徴とする。該かご状シロキサンとしては、以下が例示できる。
Figure 0007689416000023


(式中、Phはフェニル基を、Meはメチル基を表す。)
これらのうち、かご状シロキサン含有高分子(1)の耐熱性の点から、(2a-1)、(2b-1)、(2a-2)、(2b-2)、(2a-4)又は(2b-4)が好ましく
、(2a-1)、(2b-1)、(2a-2)又は(2b-2)が更に好ましい。
トランス型かご状シロキサン化合物(2a)の割合が70モル%以上であるかご状シロキサン化合物(2a)、又はシス型かご状シロキサン化合物(2b)の割合が70モル%以上であるかご状シロキサン化合物(2)は、原料として、トランス型かご状シロキサンジオール(4a)の割合が70モル%以上であるかご状シロキサンジオール(4)、又はシス型かご状シロキサンジオール(4b)の割合が70モル%以上であるかご状シロキサンジオール(4)と、クロロヒドロシランRHSiClとを反応させる工程(以下、シリル化工程ともいう)により製造することが出来る。シリル化工程については後述する。
重合工程に用いる直鎖シロキサン化合物(3)として、以下の化合物が例示できる。式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を表す。
Figure 0007689416000024

これらの直鎖シロキサン化合物は、固定鎖長であってもよく、分子量分散を有していてもよい。重合工程に用いる直鎖シロキサン化合物(3)は、安定性、経済性、収率及びかご状シロキサン含有高分子(1)の耐熱性の点から、(3-1)、(3-2)、(3-7)、(3-8)、(3-10)、(3-11)、(3-13)、(3-14)、(3-17)、(3-18)、(3-20)又は(3-21)が好ましく、(3-2)、(3-7)、(3-8)、(3-10)、(3-14)、(3-18)又は(3-21)がより好
ましく、(3-2)又は(3-8)が殊更好ましい。これらの直鎖シロキサン化合物は、市販品を用いることも、既知の製造方法に従って合成して用いることも出来る。
重合工程に用いる直鎖シロキサン化合物(3’)として、以下の化合物が例示できる。式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を表す。
Figure 0007689416000025

重合工程は、酸触媒存在下で行うことを特徴とする。該酸触媒としては、ルイス酸触媒が好ましく、塩化アルミニウム(III)、臭化アルミニウム(III)、ヨウ化アルミニウム(III)等のハロゲン化アルミニウム;フッ化ホウ素(III)、塩化ホウ素(III)、臭化ホウ素(III)、ヨウ化ホウ素(III)等のハロゲン化ホウ素;トリフェニルボラン、トリス(4-フルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等のトリアリールボランが例示できる。これらのうち、収率及び経済性の点から、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランが好ましい。酸触媒の当量については特に制限はなく、かご状シロキサン化合物(2a)又は(2b)に対し、0.0001重量%から5重量%の範囲より選ばれる任意の当量において実施することが出来る。
重合工程は、有機溶媒中で行うことが好ましい。該有機溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はなく、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカリン等の飽和炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1,2,2-テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒等が例示できる。これらのうち、収率、沸点、安全性及び経済性の点から、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、シクロペンチルメチルエーテル、ジクロロメタン又はクロロホルムが好ましく、ヘプタン、トルエン、シクロペンチルメチルエーテル、ジクロロメタン又はクロロホルムが更に好ましく、ヘプタン、トルエン又はジクロロメタンが殊更好ましい。また、これらの有機溶媒は1種単独のみならず、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いることもできる。重合工程におけるかご状シロキサン化合物(2)(トランス型とシス型の合計)の濃度は特に限定されないが、反応性、経済性及び溶解度の点から、かご状シロキサン化合物(2)の濃度が1~50重量%の範囲とすることが好ましく、1~20重量%の範囲とすることがより好ましい。反応温度は、反応の進行に従って決定されるが、安全性及び操作性の点から-20℃から200℃の範囲で重合を実施することが好ましい。更に好ましくは0℃から120℃であり、殊更好ましくは10℃から80℃である。反応時間は、反応の進行に従って決定されるが、安全性及び操作性の点から1分から180時間の範囲で重合を実施することが好ましい。更に好ましくは10分から48時間であり、殊更好ましくは20分から24時間である。
重合工程において、原料としてトランス型かご状シロキサン化合物(2a)の割合が70モル%以上であるかご状シロキサン化合物(2)を用いることによって、トランス型かご状シロキサン含有高分子(1a)を70%以上含むかご状シロキサン含有高分子(1)を製造することが出来る。
また原料としてシス型かご状シロキサン化合物一般式(2b)の割合が70モル%以上であるかご状シロキサン化合物(2)を用いることによって、シス型かご状シロキサン含有高分子(1b)を70%以上含むかご状シロキサン含有高分子(1)を製造することが出来る。
重合工程後には、必要に応じてかご状シロキサン含有高分子(1)の精製工程を含んでもよい。該精製工程としては、当業者が有機ケイ素高分子化合物や有機高分子化合物の精製に通常用いる方法を適用することが出来、良溶媒に溶解させ貧溶媒中に加える再沈殿法、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー等のクロマトグラフィー法を用いたクロマトグラフィー分取等が例示できる。経済性及び操作性の点から、再沈殿法による精製工程が好ましい。
次に、かご状シロキサン含有高分子(1)の製造原料である、かご状シロキサン化合物(2a)又は(2b)の割合が70%以上であるかご状シロキサン化合物(2)の製造方法について説明する。かご状シロキサン化合物(2a)又は(2b)の割合が70%以上であるかご状シロキサン化合物(2)は、トランス型かご状シロキサンジオール(4a)又はシス型かご状シロキサンジオール(4b)のいずれかを70モル%以上含むかご状シロキサンジオール(4)と、クロロヒドロシランRHSiClとを反応させる工程(以下、シリル化工程ともいう)により製造することが出来る。以下、シリル化工程について説明する。
<シリル化工程>
Figure 0007689416000026

Figure 0007689416000027


(式中、Phはフェニル基を表す。R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)
シリル化工程により製造できるかご状シロキサン化合物(2)は、以下が例示できる。
Figure 0007689416000028


(式中、Phはフェニル基を、Meはメチル基を表す。)
これらのうち、収率及びかご状シロキサン含有高分子(1)の耐熱性の点から、(2a-1)、(2b-1)、(2a-2)、(2b-2)、(2a-4)又は(2b-4)が
好ましく、(2a-1)、(2b-1)、(2a-2)又は(2b-2)が更に好ましい。
シリル化工程の原料である一般式(4)で示されるかご状シロキサンジオールのシス・トランス混合物は、公知文献(特許4379120号公報)に記載の方法に準じて製造し用いることが出来る。すなわち、フェニルトリエトキシシランをイソプロピルアルコール-水中で水酸化ナトリウムにより縮合させ、得られたテトラナトリウム塩に対しトリクロロオルガノシランを作用させ、これをさらに加水分解する方法である。かご状シロキサンジオール(4)はシス型かご状シロキサンジオール(4b)及びトランス型かご状シロキサンジオール(4a)の両異性体を含む。特許4379120号公報に記載の方法では、含まれる立体異性体のトランス型かご状シロキサンジオール(4a)/シス型かご状シロキサンジオール(4b)比は5/5~6/4の範囲にある。この異性体比の決定は、ケイ素NMRにおけるシルセスキオキサンの骨格中央に相当するケイ素由来のシグナルが、トランス異性体の場合は1重線で出現するのに対し、シス異性体の場合は2重線に分裂するため、このシグナル強度比から計算することが出来る。
本発明では、トランス型かご状シロキサンジオール(4a)及びシス型かご状シロキサンジオール(4b)の混合物に対し、晶析により(4a)又は(4b)のいずれか一方を70モル%以上含む異性体の富化を行う工程(以下、異性体富化工程ともいう)を行い、これを製造原料としてシリル化工程を行い、かご状シロキサン化合物(2a)又は(2b)を70%以上含むかご状シロキサン化合物(2)を得る工程を含むことを特徴とする。異性体富化工程については後述する。
シリル化工程に用いるクロロヒドロシランとしては、クロロジメチルシラン、クロロメチルフェニルシラン、クロロジフェニルシラン、クロロエチルメチルシラン、クロロジエチルシラン、クロロメチルプロピルシラン、クロロイソプロピルメチルシラン等を例示できる。経済性及びかご状シロキサン含有高分子(1)の耐熱性の点から、クロロジメチルシラン、クロロメチルフェニルシラン又はクロロジフェニルシランが好ましく、クロロジメチルシラン又はクロロメチルフェニルシランが更に好ましい。これらは市販品を用いてもよいし、公知の合成法により合成して用いてもよい。
シリル化工程は、有機溶媒中で行うことが好ましい。該有機溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル溶媒を例示することが出来る。溶解度、操作の安全性及び経済性の点から、テトラヒドロフラン又はシクロペンチルメチルエーテルが好ましく、テトラヒドロフランがより好ましい。また、これらの溶媒は1種単独のみならず、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いることもできる。シリル化工程における原料濃度は特に限定されないが、収率及び生産効率を高くするため、かご状シロキサン化合物の濃度が5重量%以上の濃度でシリル化工程を行うことが好ましい。反応温度、反応圧力は特に限定されないが、操作性及び安全性の点から反応温度としては-80℃~100℃、反応圧力は常圧~1MPaの範囲で行われることが好ましい。より好ましくは-20~80℃、かつ常圧である。
シリル化工程は、副生する塩化水素を捕捉する塩基を存在させて実施してもよい。該塩基としてはアンモニアの他、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン等の脂肪族第二級アミン、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン等の脂肪族第三級アミン、アニリン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、キノリン等の芳香族アミンを例示することが出来る。収率、操作性及び安全性の点から、ジエチルアミン、トリエチルアミン、アニリン又はピリジンが好ましく、トリエチルアミン又はピリジンが更に好ましい。
シリル化工程後には、必要に応じて精製工程を含んでもよい。該精製工程としては、濃縮、抽出、順相又は逆相カラムクロマトグラフィー、再結晶等の当業者が通常用いる一般的な操作を適宜組み合わせることにより達成される。
次に、異性体富化工程について説明する。異性体富化工程では、かご状シロキサン化合物(2a)又は(2b)の原料であるかご状シロキサンジオール(4)を極性有機溶媒中で晶析させ、トランス型かご状シロキサンジオール(4a)又はシス型かご状シロキサンジオール(4b)のいずれかの異性体を含有率70モル%以上へ異性体富化工程を行うことを特徴とする。トランス型かご状シロキサンジオール(4a)及びシス型かご状シロキサンジオール(4b)の混合物は極性有機溶媒から晶析することでトランス型かご状シロキサンジオール(4a)を優先的に晶析可能であり、晶析後の溶液中はシス型かご状シロキサンジオール(4b)の割合が増加する。該極性溶媒としては、水酸基に対し配位可能な極性有機溶媒であればよく、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジブロモエタンなどの含ハロゲン系溶媒が例示できる。これらの極性有機溶媒のうち、溶解度、晶析の異性体比、及び次反応を阻害しないという点において、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、又はシクロペンチルメチルエーテルが好ましく、アセトン又はテトラヒドロフランがより好ましい。
異性体富化工程によって富化できるトランス型かご状シロキサンジオール(4a)又はシス型かご状シロキサンジオール(4b)としては、以下が例示できる。
Figure 0007689416000029

これらのうち、収率及び経済性の点から、(4a-1)、(4b-1)、(4a-2)又は(4b-2)が好ましく、(4a-1)又は(4b-1)が更に好ましい。
異性体富化工程では、かご状シロキサンジオール(4)異性体混合物(トランス型かご状シロキサンジオール(4a)/シス型かご状シロキサンジオール(4b)のモル比が70/30モル比以下。)の過飽和の極性有機溶媒溶液を調製し、該溶液からトランス型かご状シロキサンジオール(4a)の優先的な晶析を行う。過飽和溶液の調製法としては、
当業者が有機ケイ素化合物や有機化合物の晶析に通常用いる方法を適用することが出来、溶媒の沸点以下の温度に加熱後冷却して過飽和とする熱結晶化法、かご状シロキサンジオール(4)の極性有機溶媒溶液に貧溶媒を加える方法、又はゆっくりと溶媒を蒸発させる蒸発法等が例示できる。該貧溶媒としては、極性有機溶媒に混和しかご状シロキサンジオール化合物(4)の溶解度が低いものであれば特に制約はなく、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の炭化水素溶媒;メタノール、エタノール等のアルコール溶媒が例示できる。晶析温度は特に限定されないが、通常は-80℃から80℃の範囲が好ましく、0℃から50℃がより好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
化合物の機器分析では、H-NMR(プロトン核磁気共鳴スペクトル)、13C-NMR(炭素13核磁気共鳴スペクトル)及び29Si-NMR(ケイ素29核磁気共鳴スペクトル)測定はBruker-Avance社のAscend400核磁気共鳴分光計を用い、溶媒には重クロロホルムを用い、テトラメチルシランを標準物質とした。IR(赤外吸収)スペクトルは(株)堀場製作所のFT-720分光光度計を用い、SensIRtechnologies社のDuraSamplIRII(反射型)測定セルを用いて測定を行った。
(実施例1)かご状シロキサン含有高分子(1a-1)の合成
アルゴン雰囲気下、25mgのトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランをジクロロメタン54.2gに溶解し、ここにトランス型かご状シロキサン化合物(2a-1)/シス型かご状シロキサン化合物(2b-1)比が9/1のかご状シロキサン化合物7.0g、1,3-ジメトキシ-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン0.91gのジクロロメタン24.1g溶液をゆっくり滴下した。滴下終了30分後、溶液は発泡した。3時間半後、トリエチルアミン少量を加え反応を停止した。反応混合物を多量のメタノールにゆっくりと加え、沈殿をろ取して粗高分子を得た。これを再度THFに溶解し、多量のメタノール中にゆっくりと加え、再沈殿した高分子をろ取し、減圧下で乾燥させることによりかご状シロキサン含有高分子(1a-1)を白色粉末として6.6g得た。PMMA換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定では、かご状シロキサン含有高分子(1a-1)(1a-1/1b-1=9/1)は重量平均分子量 161000
、数平均分子量53000であった。
熱重量分析(空気気流中)におけるかご状シロキサン含有高分子(1a-1)の1%重量減少温度は426℃、5%重量減少温度は486℃であった。
このかご状シロキサン含有高分子(1a-1)を少量のトルエンに溶かし、架橋剤MS51(メチルシリケートオリゴマー、三菱ケミカル社製)および架橋触媒としてジブチルジラウリルスズ少量を加え、アプリケーターを用いてテフロンコートしたステンレス板上に塗布製膜した。これを、40℃で30分、70℃で30分、100℃で1時間、200℃で2時間加熱乾燥させ、ステンレス板から剥がし透明薄膜を調製した。この薄膜の熱重量分析(空気気流中)における1%重量減少温度は454℃、5%重量減少温度は504℃であった。薄膜のガラス転移点を動的粘弾性測定により求めたところ、51℃であった。この薄膜を切り出し、室温で引張強度試験を行ったところ、明白な弾性変形を示し、降伏点における強度22MPaを示した。
トランス型の割合の高いかご状シロキサン化合物を原料に使用することで、熱安定性および機械的強度に優れたかご状シロキサン含有高分子を得ることができた。
(実施例2)かご状シロキサン含有高分子(1b-1)の合成
アルゴン雰囲気下、25mgのトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランをジクロロメタン54.2gに溶解し、ここにトランス異性体(2a-1)/シス異性体(2b-1)比が2/8のかご状シロキサン化合物7.0g、1,3-ジメトキシ-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン0.91gのジクロロメタン24.1g溶液をゆっくり滴下した。滴下終了30分後、溶液は発泡した。3時間半後、トリエチルアミン少量を加え反応を停止した。反応混合物を多量のメタノールにゆっくりと加え、沈殿をろ取して粗高分子を得た。これを再度THFに溶解し、多量のメタノール中にゆっくりと加え、再沈殿した高分子をろ取し、減圧下で乾燥させることによりかご状シロキサン含有高分子(1b-1)(1a-1/1b-1=2/8)を白色粉末として6.6gを得た。PMMA換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定では、かご状シロキサン含有高分子(1b-1)は重量平均分子量 345000、数平均分子量175000であった
かご状シロキサン含有高分子(1b-1)の熱重量分析(空気気流中)における1%重量減少温度は431℃、5%重量減少温度は491℃であった。
この重合体を少量のトルエンに溶かし、架橋剤MS51(メチルシリケートオリゴマー、三菱ケミカル社製)および架橋触媒としてジブチルジラウリルスズ少量を加え、アプリケーターを用いてテフロンコートしたステンレス板上に塗布製膜した。これを、40℃で30分、70℃で30分、100℃で1時間、200℃で2時間加熱乾燥させ、ステンレス板から剥がし透明薄膜を調製した。この薄膜の熱重量分析(空気気流中)における1%重量減少温度は454℃、5%重量減少温度は510℃であった。薄膜のガラス転移点を動的粘弾性測定により求めたところ50℃であった。この薄膜を切り出し、室温で引張強度試験を行ったところ、明白な弾性変形を示し、降伏点における強度17MPaを示した。
シス型の割合の高いかご状シロキサン化合物を原料に使用することでも、熱安定性および機械的強度に優れたかご状シロキサン含有高分子を得ることができた。
(比較例1)かご状シロキサン含有高分子(1c)の合成
アルゴン雰囲気下、25mgのトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランをジクロロメタン54.2gに溶解し、ここにトランス異性体(2a-1)/シス異性体(2b-1)比が5/5のかご状シロキサン化合物(2-1)7.0g、1,3-ジメトキシ-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン0.91gのジクロロメタン24.1g溶液をゆっくり滴下した。滴下終了30分後、溶液は発泡した。3時間半後、トリエチルアミン少量を加え反応を停止した。反応混合物を多量のメタノールにゆっくりと加え、沈殿をろ取して粗高分子を得た。これを再度THFに溶解し、多量のメタノール中にゆっくりと加え、再沈殿した高分子をろ取し、減圧下で乾燥させることによりかご状シロキサン含有高分子(1c)(1a-1/1b-1=5/5)を白色粉末として6.6g得た。PMMA換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定では、この高分子は重量平均分子量 188000、数平均分子量66000であった。
この高分子の1%重量減少温度は405℃、5%重量減少温度は451℃と、実施例1および2のかご状シロキサン含有高分子(1a-1)及び(1b-1)に比べ低い値を示した。
この重合体を少量のトルエンに溶かし、架橋剤MS51(メチルシリケートオリゴマー、三菱ケミカル社製)および架橋触媒としてジブチルジラウリルスズ少量を加え、アプリ
ケーターを用いてテフロンコートしたステンレス板上に塗布製膜した。これを、40℃で30分、70℃で30分、100℃で1時間、200℃で2時間加熱乾燥させ、ステンレス板から剥がし透明薄膜を調製した。この薄膜の1%重量減少温度は438℃、5%重量減少温度は485℃であった。薄膜のガラス転移点をDMAにより求めたところ32℃であった。この薄膜を切り出し、室温で引張強度試験を行ったところ、塑性変形による応力伸びを示し、破断点での応力は13MPaであった。
トランス型とシス型の割合が同程度のかご状シロキサン化合物を原料に使用した場合、熱安定性および機械的強度は実施例1や2に比べて劣っていた。
(実施例3)かご状シロキサン含有高分子(1a-5)の合成
アルゴン雰囲気下、25mgのトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランをジクロロメタン54.2gに溶解し、ここにトランス異性体(2a-2)/シス異性体(2b-2)比が9/1のかご状シロキサン化合物7.0g、1,3-ジメトキシ-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン0.91gのジクロロメタン24.1g溶液をゆっくり滴下した。滴下終了30分後、溶液は発泡した。3時間半後、トリエチルアミン少量を加え反応を停止した。反応混合物を多量のメタノールにゆっくりと加え、沈殿をろ取して粗高分子を得た。これを再度THFに溶解し、多量のメタノール中にゆっくりと加え、再沈殿した高分子をろ取し、減圧下で乾燥させることによりかご状シロキサン含有高分子(1a-5)(1a-5/1b-5=9/1)を白色粉末として6.6g得た。PMMA換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定では、この高分子は重量平均分子量32000、数平均分子量18000であった。
(実施例4)かご状シロキサンジオール(4a-1)および(4b-1)の異性体富化
特許4379120号公報記載の方法に従い調製したかご状シロキサンジオール(4-1)((4a-1)および(4b-1)の1:1比の異性体混合物)20.0gを177mLの沸騰THFに完全溶解させた。これを室温まで降温し、14時間静置し、晶析させた。析出した結晶をろ取することにより、トランス型かご状シロキサンジオールを6.8g得た。これは、トランス異性体(4a-1)/シス異性体(4b-1)比が9.5/0.5であることがケイ素NMRにより決定された。
溶液を濃縮後、さらに同様の操作を繰り返し、トランス異性体(4a-1)/シス異性体(4b-1)比が9/1のトランス型かご状シロキサンジオール(2a-1)1.1gを白色結晶性粉末として得た。
この母液を濃縮することにより、トランス異性体(4a-1)/シス異性体(4b-1)比が2/8のシス型かご状シロキサンジオールを結晶性粉末として11.5g得た。
(実施例5)かご状シロキサン化合物(2a-1)の合成
磁気撹拌子、ジムロート冷却器および三方コックを備えた200mL三口フラスコに、トランス型かご状シロキサンジオール(4a-1)/シス型かご状シロキサンジオール(4b-1)比が9/1のかご状シロキサンジオール42.6g(35.9mmol)を収め、装置をアルゴンで置換した。このフラスコにピリジン11.36g(143.7mmol)および脱水THF360mLを収め、クロロジメチルシラン13.6g(144mmol)を注射器より30分かけて滴下した。滴下後、1時間加熱還流させた。反応混合物を分液ロートに移し、ヘキサン300mLで抽出し、蒸留水200mLで3回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過により硫酸マグネシウムを除いた。ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮し、減圧乾燥することによりかご状シロキサン化合物(2a-1)(2a-1/2b-1=9/1)を白色固体として46.0g(収率98%)得た。
H-NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):0.1017(d,J=2
.8Hz,12H),0.2706(s,6H),4.7056(sep,J=2.8Hz,2H),7.1780(t,J=7.54Hz,9H),7.2534(t,J=7.5Hz,オーバーラップ),7.30-7.45(18H、オーバーラップ),7.52-7.58(m,9H、オーバーラップ).13C-NMR(101MHz,CDCl),δ(ppm):-3.53,-0.41,127.17,127.35,129.
90,129.97,130.55,131.42,133.58,133.68.29
Si-NMR(79MHz,CDCl),δ(ppm):-79.52,-79.21,-63.39,-4.48.IRスペクトル(固体,cm-1):3072,3053,3006,2960,2133,1595,1429,1275,1250,1109,1065,1053,1030,997,904,833,814,783,737,729,719,694,671,627,619,613.
(実施例6)かご状シロキサン化合物(2a-2)の合成
磁気撹拌子、ジムロート冷却器および三方コックを備えた200mL三口フラスコに、トランス型かご状シロキサンジオール(4a-1)/シス型かご状シロキサンジオール(4b-1)比が9/1のかご状シロキサンジオール10.0g(8.43mmol)を収め、装置をアルゴンで置換した。このフラスコにピリジン2.68g(33.9mmol)および脱水THF80mLを収め、クロロフェニルメチルシラン3.15 g(20.
1 mmol)を注射器より10分かけて滴下した。滴下後、1時間加熱還流させた。反
応混合物を分液ロートに移し、クロロホルム100mLで抽出し、蒸留水150mLで3回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過により硫酸マグネシウムを除いた。ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮し、減圧乾燥して結晶性固体を13.4g得た。これを最少量のTHFに溶解し、メタノールをゆっくりとTHF量の三倍加え、トランス型かご状シロキサン化合物(2a-2)(2a-2/2b-2=9/1)を粉末状白色固体として11.1g(収率92.7%)得た。
IRスペクトル(固体,cm-1):3072,3051,3006,2131,1593,1429,1115,1107,1059,1028,997,891,868,814,783,727,694;H-NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):0.27(s,6H),0.34(d,J=2.80Hz),5.12(q,2H,J=2.84Hz),7.08‐7.55(m,50H);13C-NMR(101MHz,CDCl),δ(ppm):-3.11,-0.73,127.51,127.60,127.69,127.75,127.79,129.74,130.25,130.33,130.37,130.85,130.88,130.92,131.68,133.34,133.99,134.00,134.10,134.18,136.77;29Si-NMR(79MHz,CDCl),δ(ppm):-79.44,-79.12,-63.22,-13.08.
(実施例7)かご状シロキサン化合物(2a-3)の合成
磁気撹拌子、10mL滴下ロート、ジムロート冷却器および三方コックを備えた100mL三口フラスコに、トランス型かご状シロキサンジオール(4a-1)/シス型かご状シロキサンジオール(4b-1)比が9/1のかご状シロキサンジオール5.00g(3.84mmol)を収め、アルゴンで置換した。三口フラスコにトリエチルアミン1.54g(15.2mmol)および脱水THF40mLを収めた。滴下ロートにクロロジフェニルシラン2.83g(9.22mmol)を収め、10分かけて滴下した。滴下後、1時間加熱還流させた。反応混合物を分液ロートに移し、ジエチルエーテル150mLを加え、蒸留水100mLで3回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過により硫酸マグネシウムを除いた。ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮することで淡黄色の固体を得た。これをヘキサンで洗い、吸引ろ過し、減圧乾燥することで白色固体を5.57g得た。得られた白色固体を最少量のTHFに溶解し、5倍量のメタノールを加え
再結晶することでトランス型かご状シロキサン化合物(2a-3)(2a-3/2b-3=9/1)を無色の結晶として3.71g(収率62.2%)得た。
29Si-NMR(79MHz,CDCl),δ(ppm):-79.34,-78.98,-63.05,-21.87.
(実施例8)かご状シロキサン化合物(2b-1)の合成
磁気撹拌子、ジムロート冷却器および三方コックを備えた500mL三口フラスコに、トランス型かご状シロキサンジオール(4a-1)/シス型かご状シロキサンジオール(4b-1)比が2/8のかご状シロキサンジオール30.0g(25.3mmol)を収め、装置をアルゴンで置換した。このフラスコにピリジン8.03g(102mmol)および脱水THF250mLを収め、クロロジメチルシラン9.61g(102mmol)を注射器より30分かけて滴下した。滴下後、1時間加熱還流させた。反応混合物を分液ロートに移し、ヘキサン300mLで抽出し、蒸留水200mLで3回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過により硫酸マグネシウムを除いた。ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮し、減圧乾燥してシス型かご状シロキサン化合物(2b-1)(2a-1/2b-1=2/8)を粉末状白色固体として31.1g(収率94.4%)得た。
IRスペクトル(固体,cm-1):3072,3053,3028,3006,2121,2017,1431,1273,1252,1105,1065,1030,997,904,827,812,785,735,717,694,640,627,619.H-NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):0.1033(d,J=2.8Hz,12.0H),0.2705(s,6.0H),4.7073(sep,J=2.8,1.9H),7.13‐7.22(m,10.0H),7.23-7.29(
m),7.30‐7.46(m,19.6H),7.53‐7.58(m,9.7H).
13C-NMR(101MHz,CDCl),δ(ppm):-3.5291(SiMe2),-0.4094(SiMe),127.0726(ortho),127.2616(ortho),127.3486(ortho),129.8418(para),129.9634(para,overlap),130.5359(ipso),130.5777(ipso),131.4261(ipso),133.5760(meta),133.6049(meta),133.7439(meta).29Si-NMR(79MHz,CDCl),δ(ppm):-79.67,-79.38,-79.21,-63.41,-4.46.
(実施例9)かご状シロキサン含有高分子(1a-2)の合成
かご状シロキサンジオール異性体混合物((4a-1)/ (4b-1) = 92/ 8) を10 g、 オクタメチルシクロテトラシロキサン(D)を2.3 g, トルエン(16.8
g)を100 mLの4つ口丸底フラスコに加え、還流管、マグネチックスターラー、オイルバスをセットし、窒素をフローした。撹拌しながら、硫酸 0.31 g、トルエン2.0 gを加え、1時間還流させた。その後80℃で5時間熟成した。加熱を停止し、水を
加え、分液後、水層を除去した。さらに数回水洗後、有機層を濃縮し、ヘプタンで再沈殿させ、沈殿をヘプタンで数回洗浄後、80℃で減圧乾燥し、白色固体8.6gを得た。PMMA換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定では、かご状シロキサン含有高分子(1a-2)((1a-2/1b-2=11.5/1))は重量平均分子量 142000、数平均分子量57000であった。1H-NMRよりnは平均3.0であった。
Figure 0007689416000030

この重合体を少量のトルエンに溶かし、架橋剤MS51(メチルシリケートオリゴマー、三菱ケミカル社製)および架橋触媒としてジブチルジラウリルスズ少量を加え、アプリケーターを用いてテフロンコートしたステンレス板上に塗布製膜した。これを、40℃で30分、70℃で30分、100℃で1時間、200℃で2時間加熱乾燥させ、ステンレス板から剥がし透明薄膜を調製した。この薄膜の1%重量減少温度は436℃、5%重量減少温度は484℃であった。薄膜のガラス転移点をDMAにより求めたところ81℃であった。この薄膜を切り出し、室温で引張強度試験を行ったところ、塑性変形による応力伸びを示し、破断点での応力は20MPaであった。このように、シス型の割合の高いかご状シロキサン化合物を原料に使用することでも、熱安定性および機械的強度に優れたかご状シロキサン含有高分子を得ることができた。
(実施例10)かご状シロキサン含有高分子(1b-2)の合成
かご状シロキサンジオール異性体混合物((4a-1)/ (4b-1) = 25/ 75) を1
0 g、 オクタメチルシクロテトラシロキサン(D)を2.3 g, トルエン(18.
8 g)を100 mLの4つ口丸底フラスコに加え、還流管、マグネチックスターラー、
オイルバスをセットし、窒素をフローした。撹拌しながら、硫酸 0.31 g、トルエン2.0 gを加え、1時間還流させた。その後80℃で5時間熟成した。加熱を停止し、
水を加え、分液後、水層を除去した。さらに数回水洗後、有機層を濃縮し、ヘプタンで再沈殿させ、沈殿をヘプタンで数回洗浄後、80℃で減圧乾燥し、白色固体8.6gを得た。PMMA換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定では、かご状シロキサン含有高分子(1b-2)((1a-2/1b-2=1/3))は重量平均分子量 146000、数平均分子量45000であった。1H-NMRよりnは平均3.2であった。
Figure 0007689416000031

この重合体を少量のトルエンに溶かし、架橋剤MS51(メチルシリケートオリゴマー、三菱ケミカル社製)および架橋触媒としてジブチルジラウリルスズ少量を加え、アプリケーターを用いてテフロンコートしたステンレス板上に塗布製膜した。これを、40℃で30分、70℃で30分、100℃で1時間、200℃で2時間加熱乾燥させ、ステンレス板から剥がし透明薄膜を調製した。この薄膜の1%重量減少温度は411℃、5%重量減少温度は466℃であった。薄膜のガラス転移点をDMAにより求めたところ78℃であった。この薄膜を切り出し、室温で引張強度試験を行ったところ、塑性変形による応力伸びを示し、破断点での応力は20MPaであった。このように、トランス型の割合の高いかご状シロキサン化合物を原料に使用することでも、熱安定性および機械的強度に優れたかご状シロキサン含有高分子を得ることができた。
(比較例2)かご状シロキサン含有高分子(1C’)の合成
かご状シロキサンジオール異性体混合物((4a-1)/ (4b-1) = 50/ 50) を1
0 g、 オクタメチルシクロテトラシロキサン(D)を2.3 g, トルエン(16.
8 g)を100 mLの4つ口丸底フラスコに加え、還流管、マグネチックスターラー、
オイルバスをセットし、窒素をフローした。撹拌しながら、硫酸 0.31 g、トルエン2.0 gを加え、1時間還流させた。その後80℃で7時間熟成した。加熱を停止し、
水を加え、分液後、水層を除去した。さらに数回水洗後、有機層を濃縮し、ヘプタンで再沈殿させ、沈殿をヘプタンで数回洗浄後、80℃で減圧乾燥し、白色固体8.3gを得た。PMMA換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定では、かご状シロキサン含有高分子(1C’)は重量平均分子量 73000、数平均分子量310
00であった。1H-NMRよりnは平均3.2であった。
Figure 0007689416000032

この重合体を少量のトルエンに溶かし、架橋剤MS51(メチルシリケートオリゴマー、三菱ケミカル社製)および架橋触媒としてジブチルジラウリルスズ少量を加え、アプリケーターを用いてテフロン(商標)コートしたステンレス板上に塗布製膜した。これを、40℃で30分、70℃で30分、100℃で1時間、200℃で2時間加熱乾燥させ、ステンレス板から剥がし透明薄膜を調製した。この薄膜の1%重量減少温度は397℃、5%重量減少温度は465℃であった。薄膜のガラス転移点をDMAにより求めたところ66℃であった。この薄膜を切り出し、室温で引張強度試験を行ったところ、塑性変形による応力伸びを示し、破断点での応力は17MPaであった。トランス型とシス型の割合が同程度のかご状シロキサン化合物を原料に使用した場合、熱安定性および機械的強度は実施例9や10に比べて劣っていた。
本発明のかご状シロキサン含有高分子は、極めて高い耐熱性などの熱物性、加工性、耐溶剤性、機械的・力学的特性がトランス又はシスの異性体含有比率によって制御可能になると予測でき、耐熱性光学材料、セラミックス・金属表面被覆耐熱性材料、レジスト及びパターン形成材料、絶縁材料等の用途へ適用可能な材料として期待できる。また、かご状シロキサン化合物は、末端に反応活性なケイ素原子上の水素原子を有しており、かつ溶解性に優れるため、全シロキサン型高分子のみならず、ヒドロシリル化等の反応を用いることにより、種々の有機分子との交互重合体を製造する上での有用な原料となることが期待できる。さらに、トランス型又はシス型の異性体比率を70%以上に高めたかご状シロキサンジオールは、種々のシロキサン構造含有高分子を製造する上での有用な原料となることが期待できる。

Claims (6)

  1. 一般式(1)
    Figure 0007689416000033

    (式中、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。R及びRはそれぞれ独立にハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1から3のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を表す。aは1から0.7の範囲をとる実数、又は0から0.3の範囲をとる実数を表す。nは2から20の範囲をとる実数を表す。ranは、不規則共重合体であることを表す。)で示される
    かご状シロキサン含有高分子。
  2. 請求項1に記載のかご状シロキサン含有高分子、架橋剤、及び架橋触媒を含んでなる組成物を熱硬化してなる硬化膜であって、
    前記架橋剤が、アルコキシ置換モノシラン又はパーアルコキシオリゴシロキサンである、硬化膜。
  3. 一般式(2a)
    Figure 0007689416000034

    (式中、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるトランス型かご状シロキサン化合物、および、一般式(2b)
    Figure 0007689416000035

    (式中、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるシス型かご状シロキサン化合物、の一方または両方を含むかご状シロキサン化合物であって、前記シス型かご状シロキサン化合物または前記トランス型かご状シロキサン化合物のいずれかを70モル%以上含むかご状シロキサン化合物と、一般式(3)
    Figure 0007689416000036

    (式中、R及びRは、それぞれ独立にハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1から3のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を表す。Xは水素原子、メチル基又はエチル基を表す。mは2から10の整数を表す。)で示される直鎖シロキサン化合物、または一般式(3’)
    Figure 0007689416000037

    (式中、R及びRは、それぞれ独立にハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1から3のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を表す。)で示される環状シロキサン化合物、
    とを、酸触媒存在下で反応させることを特徴とする、一般式(1)
    Figure 0007689416000038

    (式中、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。R及びRはそれぞれ独立にハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1から3のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を表す。aは1から0.7の範囲をとる実数、又は0から0.3の範囲をとる実数を表す。nは2から20の範囲をとる実数を表す。ranは、不規則共重合体であることを表す。)で示される
    かご状シロキサン含有高分子の製造方法。
  4. 一般式(1)
    Figure 0007689416000039

    (式中、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。R及びRはそれぞれ独立にハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1
    から3のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を表す。aは1から0.7の範囲をとる実数、又は0から0.3の範囲をとる実数を表す。nは2から20の範囲をとる実数を表す。ranは、不規則共重合体であることを表す。)で示される
    かご状シロキサン含有高分子を製造する方法であって、一般式(4)
    Figure 0007689416000040

    (式中、Rは炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるかご状シロキサンジオールを晶析し、一般式(4a)
    Figure 0007689416000041

    (式中、Rは炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるトランス型かご状シロキサンジオール、又は一般式(4b)
    Figure 0007689416000042

    (式中、Rは炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるシス型かご状シロキサンジオールのいずれかを70モル%以上に富化する工程、
    前記工程で得られた一般式(4a)又は(4b)で示されるかご状シロキサンジオールのいずれかを70モル%以上含むかご状シロキサンジオールと、クロロヒドロシランRHSiCl(式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)とを反応させ、一般式(2a)
    Figure 0007689416000043

    (式中、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるトランス型かご状シロキサン化合物、又は、一般式(2b)
    Figure 0007689416000044

    (式中、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるシス型かご状シロキサン化合物のいずれかを70モル%以上含むかご状シロキサン化合物を得る工程、および
    前記工程で得られた一般式(2a)又は(2b)で示されるかご状シロキサン化合物のいずれかを70モル%以上含むかご状シロキサン化合物と、一般式(3)
    Figure 0007689416000045

    (式中、R及びRは、それぞれ独立にハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1から3のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を表す。Xは水素原子、メチル基又はエチル基を表す。mは2から10の整数を表す。)で示される直鎖シロキサン化合物、または
    一般式(3’)
    Figure 0007689416000046
    (式中、R及びRは、それぞれ独立にハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1から3のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を表す。)で示される環状シロキサン化合物、
    とを酸触媒存在下で反応させる工程、
    を含むことを特徴とする、方法。
  5. 一般式(4)
    Figure 0007689416000047

    (式中、Rは炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるかご状シロキサンジオールをケトン又はエーテル溶媒から晶析し、一般式(4a)
    Figure 0007689416000048

    (式中、Rは炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるトランス型かご状シロキサンジオール、又は一般式(4b)
    Figure 0007689416000049

    (式中、Rは炭素数1から3のアルキル基又はフェニル基を表す。)で示されるシス型かご状シロキサンジオールのいずれかを70モル%以上に富化する方法。
  6. 前記ケトンが、アセトンであり、前記エーテル溶媒が、テトラヒドロフラン又はシクロペンチルメチルエーテルであることを特徴とする、請求項5に記載のかご状シロキサンジオールのいずれかを70モル%以上に富化する方法。
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