JP7685394B2 - 不織布の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Description
これに関しては従来、湿式抄紙法を流用し紙力剤を添加してパルプ繊維ウエブを製造することが容易に着想される。しかしながら、エアレイド方式を採用した場合と比較して、湿式抄紙法によってパルプ繊維ウエブを製造すると製造設備が大型化するので製造コストが増加し、しかも抄紙工程では白水中を循環する異物を完全に除去することができないので、製造される複合型不織布にも異物が混入し易いという問題がある。
また湿式抄紙法によって紙力剤を含んだパルプ繊維ウエブを製造する際、パルプに定着できず白水に流れ出てしまう紙力剤が多くなり、紙力剤の歩留まりが悪くなる(コストアップする)という点でも問題となる。
そこで、エアレイド方式によるパルプ繊維ウエブを用いて不織布を製造することが強く望まれるが、加工時及び使用時にはパルプ繊維の脱落が生じ易いという問題がある。薬剤を添加してこの問題に対処することが考えられるが、薬剤が装置の汚れなど新たな問題を誘発する懸念もあって、この問題に対処する有効な技術の確立が望まれている。
前記カルボキシメチルセルロースはエーテル化度(D.S)が0.75以下であるのが好ましい。
また、前記洗浄工程で、1.0~5.0MPaの圧力かつ、10L/min以上の水量にて前記塗布用ワイヤを洗浄するようにしてもよい。
本発明者等は、パルプ繊維ウエブが湿潤紙力剤およびアニオン系水溶性高分子を含有すると繊維脱落(紙粉)を抑制できることを確認した。しかし、製造の際に、湿潤紙力剤およびアニオン系水溶性高分子の薬剤が周囲を汚染することも確認された。この汚染に対処しなければ、不織布の連続的な生産も困難となる。そこで、本発明者等は、この薬剤の汚染の問題にも対処して、不織布を連続的に効率良く製造できる好適な条件、そして装置を設計して本発明に至ったものである。
本発明の製造方法や装置によってパルプ繊維ウエブを含んで形成されている不織布は、パルプ繊維ウエブのみで形成されている不織布とすることもできるし、パルプ繊維ウエブと共にスパンボンド不織布を含んで複合型にされて複合型不織布とすることもできる。
なお、湿潤紙力剤とアニオン系水溶性高分子とによる2成分による前記添加剤の添加については、前記湿潤紙力剤と前記アニオン系水溶性高分子とを混合した混合添加剤を前記パルプ繊維ウエブにスプレー塗布する形態、或いは、前記湿潤紙力剤と前記アニオン系水溶性高分子とを個別にした個別添加剤を前記パルプ繊維ウエブにスプレー塗布する形態のいずれも採用することができる。
上記から理解されるように、所定の通気度を有する塗布用ワイヤを用いることで、乾燥状態、湿潤状態いずれでも繊維脱落が抑止される不織布を製造でき、しかも添加した薬剤による汚れを抑えて連続的な生産が可能となる。
また、前記カルボキシメチルセルロースはエーテル化度(D.S)が0.75以下である、ことが好ましい。
そして、このカルボキシメチルセルロースは1%水溶液調整時の粘度が20mPa・s以下に設定しておくのが好ましい。粘度が20mPa・sを超えると、例えばスプレーにて噴霧する際にノズルから適切な圧力と濃度で添加量をコントロールできず、不織布に均一に付与することが困難となる。また、粘性の高い液体は操業時に堆積しやすく固着した汚れとなる、という不都合が生じ易くなるからである。
複合型の不織布を製造するのに好適な製造装置を、図1を参照して説明する。
ウエブの搬送方向TDで、これらの装置2、3、4より下流には、上流側から順に、水流交絡処理を行うためのウォータジェットを噴射する水流交絡装置5、脱水処理を行うためのサクション装置6、乾燥装置7が配置されている。上記乾燥装置7の下流には連続して製造される複合型の不織布(以下、複合型不織布WPとも称する)を巻き取るための巻取装置8が設けてある。
なお、図1は、スパンボンド不織布供給装置3が配置してあり、スパンボンド不織布上にエアレイド式で製造したパルプ繊維ウエブを載置して複合型不織布を製造できる複合型不織布の製造装置を例示している。スパンボンド不織布を用いず搬送ワイヤ上に直接にエアレイド式によるパルプ繊維ウエブを供給する製造装置に変更すれば、パルプ繊維ウエブのみによる不織布の製造装置とすることができる。
上記のように、エアレイド装置2は乾式でパルプ繊維ウエブを供給できる装置設備であり、湿式抄紙法を応用し湿式でパルプ繊維ウエブを製造する装置よりも設備コストを抑制できる。また、エアレイド装置2ではパルプの解繊から分散、降下まで閉鎖系空間となっており異物の混入が防止されているので、湿式抄紙法でパルプ繊維ウエブを供給する場合と比較して、異物の混入を圧倒的に低く抑えることができる。
なお、図1では、エアレイドホッパ23とサクション装置本体41とを1つずつ一段での配置として、パルプ繊維ウエブPFWを形成する場合を例示している。しかし、これに限らず、上記パルプ繊維ウエブPFWの目付(坪量)や製造速度に応じて、上記エアレイドホッパ23とサクション装置本体41を2つ以上の多段とする配置に変更してもよい。
搬送ワイヤ43はサクション部42の吸引力が、反対側(上側)に及ぶような目開き形態(メッシュ)で形成されている。
上記のように予備的積層体PWebが形成されるときに、スパンボンド不織布SW上へのパルプ繊維ウエブPFWの供給量を制御することで、本装置で製造される複合型不織布に含まれるパルプ繊維ウエブPFWの坪量は例えば30.0~125.0g/m2であり、従来の一般的な複合型不織布よりもパルプ繊維ウエブの比率が高くなるように設計するのが望ましい。そして、スパンボンド不織布SWの坪量は例えば10.0~40.0g/m2であり、製造される複合型不織布(スパンボンド不織布SW+パルプ繊維ウエブPFW)は例えば40.0~165.0g/m2とするのが好ましい。パルプ繊維ウエブの搬送速度やパルプ繊維ウエブPFWの時間当たりの供給量などを適宜に調整し、製造された複合型不織布のパルプ繊維ウエブPFWの坪量を確認することで、坪量が所望の範囲となるように設定すればよい。パルプ繊維ウエブの搬送速度は例えば150~300m/minとするのが好ましい。
そこで、本製造装置1では、予備的積層体PWebを上下から挟んでスパンボンド不織布SW上でのパルプ繊維ウエブPFWの載置状態を安定化させる為の挟持ローラ28、そして水流交絡装置5の上流側に繊維飛散防止用に水分を付与するプレウエット装置30が配備してある。プレウエット装置30は、好適には、予備的積層体PWebの上方からウォータミストを吹き付ける噴霧ノズル31と予備的積層体PWebの下側(すなわち、パルプ繊維ウエブPFWの下面)から吸引力を印加するサクション装置32とを含んで構成されている。
水流交絡処理を行うのに十分な、ウォータジェットヘッド51とサクション装置52とのセット数が確保されている水流交絡装置5の場合、上記のように先頭のウォータジェットヘッド51とサクション装置52をプレウエット装置として活用することは、装置設備コストの抑制に効果的である。
図1で例示的に示している水流交絡装置5は、搬送方向TDに沿って多段(図1では例示しているのは4段)にウォータジェットヘッド51が配置されている。
なお、図1では、搬送方向TDに対して直角な方向(ウエブの幅方向CD)において延在しているウォータジェットヘッド51に設けたノズルの様子は図示していないが、幅方向において複数のウォータジェットノズルが適宜の位置に配置してある。このウォータジェットノズルの穴直径φは、好ましくは0.06~0.15mmである。また、ウォータジェットノズルの間隔は0.4~1.0mmとするのが好ましい。
よって、搬送ワイヤ55上を搬送される予備的積層体PWebは、搬送方向TDで下流に向かう程に、より多くの水流交絡処理を受けることになり、水流交絡装置5を出るときには上側のパルプ繊維ウエブPFW層と下側のスパンボンド不織布SW層との十分な交絡処理が実現される。
水流交絡装置5を出た直後の複合型不織布にあっては、ウエット状態にあり、パルプ繊維同士などの結合は十分に確立されてはいない。
しかしながら、先に指摘したように、複合型不織布WP上のパルプ繊維ウエブから離脱する微細なパルプ繊維(紙粉)を確実に抑止できる複合型不織布とする必要がある。そのため、本製造装置1には、パルプ繊維の脱落を抑止するための薬剤を添加するための添加装置9が配置されている。
より詳細には、水流交絡後の複合型不織布に薬剤を均一に添加できるようにするため、下側のサクション装置6と上側の添加装置9との間には塗布用ワイヤ90が配設してある。この塗布用ワイヤ90は、水流交絡後の複合型不織布を受けて、搬送中において、複合型不織布に下から脱水しつつ上から薬剤を添加でき、しかも周囲への薬剤飛散を抑制できるように通気度が上述したように300~400cm3/cm2/secの範囲に設計されている。このような塗布用ワイヤ90を用いることで、複合型不織布への効果的な薬剤塗布と周囲への汚染を抑制しつつ効率良く製造できる。
上記のような2成分で構成される添加剤は混合した混合添加剤の形態と個別に添加する個別添加剤の形態のいずれも採用可能である。先ず、混合添加剤を添加する場合を説明すると、複合化が完了した複合型不織布のパルプ繊維ウエブ表面に混合添加剤を外側から添加するので、混合添加剤が効率的に作用してパルプ繊維同士を接続する機能を果たす。添加装置9より下流では乾燥処理されるので、添加された混合添加剤が洗い流されて流出するなどの無駄もない。
また、下側にはサクション装置6があるので、混合添加剤がパルプ繊維ウエブ内に浸透するのに優位であり、これによってパルプ繊維の脱落を更に確実に抑止することができる。添加は、スプレー塗布とすることにより、噴霧液状となった混合添加剤がパルプ繊維ウエブ内に浸透するのにより一層優位となる。そして、添加装置9では、製造される複合型不織布WPの状態を確認して、混合添加剤の量をコントロールすることも容易に行える。
なお、上記添加装置9で混合添加剤がスプレー塗布される際のパルプ繊維ウエブPWF部分の水分(添加装置9に進入する直前の入口水分%)は120~400%となるように調整しておくのが好ましい。その理由は、水分が低すぎる場合はスプレー塗工時に均一に塗布されずムラが生じる可能性があるからであり、その逆に水分が高すぎる場合は、後工程への持ち込み水分量が多くなることによる乾燥負荷の増加や汚れ発生の可能性が生じるからである。
上記添加装置9としては、スプレー塗布、サイズプレス、ロールコーティング、グラビアコーティング、ロッドバーコーティング、エアナイフコーティング等、公知の装置を用いて混合添加剤を添加することできる。ここで特に限定はされないが、スプレー塗布が好ましい。
前後にずらして塗布する場合、個別添加剤の一方である湿潤紙力剤をスプレー塗布した後、2秒以内、より好ましくは0.3秒~1.50秒以内に、個別添加剤の他方であるアニオン系水溶性高分子をスプレー塗布するようにするのが好ましい。両者の噴霧までの時間を適正化することで、より効果的に湿潤紙力剤とアニオン系水溶性高分子との架橋構造を構築できるという技術的な効果を期待できるからである。
そして、湿潤紙力剤に対するアニオン系水溶性高分子の重量割合、すなわち(アニオン系水溶性高分子/湿潤紙力剤)は10~100重量%としてあるのが好ましい。
上記、湿潤紙力剤およびアニオン系水溶性高分子の添加量が少なすぎると繊維脱落抑止の効果が低下し、逆に多すぎると添加率に対する効果は横ばいになるのに対し、過剰となった薬剤が装置周囲に堆積し汚れが悪化する、という不都合が懸念される。
そして、上記湿潤紙力剤としては、上記したとおり、製紙工程において湿潤紙力剤として知られているポリアミドエピクロロヒドリン(PAE)を用いることが好ましい。この湿潤紙力剤のポリアミドエピクロロヒドリン(PAE)の固形分濃度は、10~40wt%であり、より好ましくは20~30wt%である。湿潤紙力剤として他にメラミン樹脂等を用いることができる。
また上記アニオン系水溶性高分子としては、上記したとおりカルボキシメチルセルロース(CMC)或いはポリアクリルアミド(PAM)を用いるのが好ましい。
上記2種類を所定の割合で使用することによって、製造時における添加装置のノズルの詰まりや周辺の設備装置への汚れを抑制して連続的に効率良く複合型不織布を製造することができ、しかも製造された複合型不織布は繊維脱落が抑止され、十分な吸水性を備えたものとすることができる。
そして、図1に示した製造装置1は、塗布用ワイヤ90を洗浄するための洗浄装置95がさらに配設してある。洗浄装置を備えていれば、塗布用ワイヤ90に許容できない汚れが生じたときに洗浄することができる。
図1で例示した洗浄装置95は、サクション(脱水)装置6の右下に配置されている。洗浄装置95は、洗浄水を噴射するシャワーノズル97と、塗布用ワイヤ90を間にして、シャワーノズル97と対向するように配置されて洗浄水をサクションするサクション装置99とを含んで構成してある。
塗布用ワイヤ90はプラスチック材料で形成することができ、例えばポリエステル、ポリアミドを用いることができるが、ポリエステルは強度が高く、伸度が低い等の特徴があるため、塗布用ワイヤ90はポリエステルで形成するのが好ましい。
塗布用ワイヤ90の通気度は、織構造、目数、線径によって規定することができる。具体的には、例えば重織数を増加した場合、単位面積当たりの目数を増加した場合、また線径を太くした場合には、通気度は低下する。
上述したように、本製造装置1で用いる塗布用ワイヤ90は、織数、目数、線径を調整して通気度を設計しており、この通気度を300~400cm3/cm2/secとすることで薬剤を効率的に塗布しつつ、周囲への汚染も抑制できる。
なお、上述したワイヤの通気度は1気圧の空気が単位時間内にワイヤを通過した量であり、JIS L1096 8.26.1A(フラジール形法)に準拠して測定することができる。通気度の数字が大きい程、通気度が高く脱水し易いことを示すことになる。
このように添加装置周辺の設備装置への汚れを抑制して連続的に製造される複合型不織布WPは乾燥後に巻取装置8のロール81に巻取られる。
以上で説明したように、本発明に係る製造装置1によって製造される複合型の不織布はパルプ繊維の脱落が抑制されたものとなっている。
以下、本発明に係る製造装置を用いて製造方法を実施して、スパンボンド不織布を含む複合型の不織布を製造した場合の実施例および比較例について説明する。
複合型の不織布のパルプ繊維ウエブに添加する、湿潤紙力剤としてポリアミドエピクロロヒドリン(PAE)、そしてアニオン系水溶性高分子としてボキシメチルセルロース(CMC)或いはポリアクリルアミド(PAM)とし、それぞれの添加量および混合割合を、表1に示す通りとして製造した場合の実施例1~8の複合型の不織布、並びに、表2に示す通りとした比較例1~7について、乾燥時での脱落紙粉量、乾燥状態での拭取り後の脱落紙粉量、湿潤状態での拭取り後の脱落紙粉量、装置全体の汚れ状況、ワイヤ汚れの状況を確認して、総合評価した。
なお、この実施例では添加装置による噴霧形態を湿潤紙力剤とアニオン系水溶性高分子とを個別にした個別添加剤とした場合で製造しており、下記表1、2で「個別」として示している。そして、第1の塗布装置(スプレー(1))と第2の塗布装置(スプレー(2))のそれぞれによる吐出圧力、薬剤濃度、ノズルの配置及びスプレー(1)とスプレー(2)との間の時間(sec)も示してある。
乾燥状態で不織布を黒い紙上で10回振った際に脱落した紙粉量を目視評価した。
残留紙粉量が少なく良好である(優◎)
残留紙粉量は優の状態よりも劣るが概ね使用可能なレベル(可〇)
残留紙粉量が目立ち使用するのが不適である(不可×)
2)拭取り後の紙粉量(目視)
乾燥状態および湿潤状態での紙粉の発生をモニター10人により評価した。
残留紙粉量が少なく良好である(優◎)
残留紙粉量は優の状態よりも劣り、使用不可と判断するユーザが現れるレベル(可〇)
残留紙粉量が目立ち使用するのが不適である(不可×)
各実施例と比較例の水準を採取時、設備の汚れの程度を目視で評価した。
装置の汚れが通常の操業の範囲内のレベル(優◎)
装置の汚れが通常より劣るレベル(可〇)
装置の著しい汚れの発生のため操業継続が困難なレベル(不可×)
各実施例と比較例の水準を採取時、塗布用ワイヤ汚れの状況を目視で評価した。
塗布用ワイヤの汚れがアニオン性高分子無添加時と同等レベルで良好(優◎)
塗布用ワイヤの汚れが発生するものの連続操業可(可○)
塗布用ワイヤの汚れが過度に発生(不可×)
全ての評価項目に対し、下記の項目に基づいてスコアリングした。総合評価は、3以上で、良好な材質でかつ連続操業可能なレベルで合格ラインとした。
設備汚れの状況が×であり、不織布の製造に困難がある(1点)
紙粉の改善に×項目があるが、操業状況は〇以上である(2点)
すべての評価が〇以上で、◎が2つある(3点)
すべての評価が〇以上で、◎が3つある(3.5点)
すべての評価が〇以上で、◎が4つある(4点)
すべての評価が◎である(5点)
なお、実施例1はスプレー(1)とスプレー(2)との塗布間隔が若干、長いため脱水量が多く、やや紙粉抑制効果が落ちているが問題はなく、製造工程にも問題はない。
実施例2は装置及びノズルの汚れが殆ど無く、連続生産に好適であり、得られた不織布は紙粉抑制されている。全ての評価が◎でベストモードとなっている。
実施例3は塗布用ワイヤを洗浄するシャワーの水量がやや少ないため、ワイヤに若干の汚れがあるが製造工程には問題はない。
実施例4は塗布用ワイヤを洗浄するシャワーの圧力がやや弱いため、ワイヤに若干の汚れがあるが製造工程には問題はない。
実施例5は、塗布用ワイヤを洗浄する水量が必要な量よりも少なめであったのでワイヤに若干の汚れがあるが製造工程には問題はない。
実施例6は、スプレー(1)とスプレー(2)との塗布間隔が若干、短いため、やや紙粉抑制効果が落ちているが問題はなく、製造工程にも問題はない。
実施例7は、アニオン系水溶性高分子としてポリアクリルアミド(PAM)を採用したので紙粉抑制効果が落ちているが問題はなく、製造工程にも問題はない。
実施例8は、CMCエーテル化度が高めであるので、紙粉抑制効果が落ちているが問題はなく、製造工程にも問題はない。
なお、実施例1、6~8から塗布用ワイヤを洗浄するシャワー処理が必須でないことを確認でき、条件を整えれば塗布用ワイヤを洗浄するための洗浄装置を設けなくてもよいことが分かる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができることは言うまでもない。
2 エアレイド装置
3 スパンボンド不織布供給装置
4 サクション装置
5 水流交絡装置
6 サクション装置
7 乾燥装置
8 巻取装置
9 添加装置
21 解繊機
22 ダクト
23 エアレイドホッパ
24 積層位置
28 挟持ローラ
30 プレウエット装置
31 噴霧ノズル
32 サクション装置
41 サクション装置本体
42 サクション部
43 搬送ワイヤ
51 ウォータジェットヘッド
52 サクション装置
55 搬送ワイヤ
90 塗布用ワイヤ
95 洗浄装置
97 シャワーノズル
99 サクション装置
SW スパンボンド不織布
PF パルプ繊維
PFW パルプ繊維ウエブ
PWeb 予備的積層体(積層ウエブ)
WP 複合型不織布
TD 搬送方向
Claims (11)
- エアレイド方式で製造されたパルプ繊維ウエブを必須に含んで形成されている不織布の製造方法であって、
前記パルプ繊維ウエブを水流交絡処理する水流交絡工程と、
前記水流交絡工程の後の、湿潤紙力剤およびアニオン系水溶性高分子による添加剤を前記パルプ繊維ウエブに添加する添加工程とを含み、前記湿潤紙力剤はポリアミドエピクロロヒドリン(PAE)であり、
前記添加工程では、前記パルプ繊維ウエブのパルプ繊維絶乾重量に対して、前記湿潤紙力剤の添加量が0.35~2.00重量%であり、且つ、前記アニオン系水溶性高分子の添加量が0.1~1.0重量%であるようにスプレー塗布するものであって、
前記スプレー塗布は、通気度が300~400cm3/cm2/secである塗布用ワイヤ上に前記不織布を載置して行う、ことを特徴とする不織布の製造方法。 - 前記アニオン系水溶性高分子はカルボキシメチルセルロース(CMC)である、ことを特徴とする請求項1に記載の不織布の製造方法。
- 前記カルボキシメチルセルロースはエーテル化度(D.S)が0.75以下である、ことを特徴とする請求項2に記載の不織布の製造方法。
- 前記添加工程で前記添加剤の2成分を前記パルプ繊維ウエブにスプレー塗布する場合には、前記添加剤の一方である前記湿潤紙力剤をスプレー塗布した後、2秒以内に前記添加剤の他方である前記アニオン系水溶性高分子をスプレー塗布する、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の不織布の製造方法。
- 前記塗布用ワイヤを洗浄する洗浄工程を更に含む、ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の不織布の製造方法。
- 前記洗浄工程で、1.0~5.0MPaの圧力かつ、10L/min以上の水量にて前記塗布用ワイヤを洗浄する、ことを特徴とする請求項5に記載の不織布の製造方法。
- 請求項1から6のいずれかに記載の不織布の製造方法を、スパンボンド不織布の上に載置した前記エアレイド方式で製造されたパルプ繊維ウエブに対して実施して、複合型の不織布を製造する複合型不織布の製造方法。
- パルプ繊維ウエブを供給するエアレイド装置と、
前記パルプ繊維ウエブに水流交絡処理を施す水流交絡装置と、
前記水流交絡装置の下流に設けられた、前記パルプ繊維ウエブを下側から脱水処理する脱水装置と、前記脱水装置の上方に設けられた、前記パルプ繊維ウエブに湿潤紙力剤とアニオン系水溶性高分子とを添加する添加装置とを更に含むと共に、前記脱水装置と前記添加装置との間で前記パルプ繊維ウエブを載置して搬送して、脱水しながら前記湿潤紙力剤と前記アニオン系水溶性高分子とによる添加剤を前記パルプ繊維ウエブにスプレー塗布することを可能にしている塗布用ワイヤを含み、
前記塗布用ワイヤの通気度が300~400cm3/cm2/secである、ことを特徴とする不織布の製造装置。 - スパンボンド不織布を供給するスパンボンド不織布供給装置と、
パルプ繊維ウエブを供給するエアレイド装置と、
前記スパンボンド不織布上に載置された前記パルプ繊維ウエブに、上側から水流交絡処理を施して複合型不織布を形成する水流交絡装置と、
前記水流交絡装置の下流に設けられた、前記複合型不織布を下側から脱水処理する脱水装置と、前記脱水装置の上方に設けられた、前記複合型不織布の前記パルプ繊維ウエブに湿潤紙力剤とアニオン系水溶性高分子とを添加する添加装置とを更に含むと共に、前記脱水装置と前記添加装置との間で前記パルプ繊維ウエブを載置して搬送して、脱水しながら前記湿潤紙力剤と前記アニオン系水溶性高分子とによる添加剤を前記パルプ繊維ウエブにスプレー塗布することを可能にしている塗布用ワイヤを含み、
前記塗布用ワイヤの通気度が300~400cm3/cm2/secである、ことを特徴とする複合型不織布の製造装置。 - 前記塗布用ワイヤを洗浄する洗浄装置を更に含む、ことを特徴とする請求項8に記載の不織布の製造装置または請求項9に記載の複合型不織布の製造装置。
- 前記添加剤は、前記アニオン系水溶性高分子に替えてポリアクリルアミド(PAM)を含む、請求項1に記載の不織布の製造方法。
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