JP7727439B2 - 不織布の製造方法および製造装置 - Google Patents
不織布の製造方法および製造装置Info
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Description
これに関しては従来、湿式抄紙法を流用し紙力剤を添加してパルプ繊維ウエブを製造することが容易に着想される。しかしながら、エアレイド方式を採用した場合と比較して、湿式抄紙法によってパルプ繊維ウエブを製造すると製造設備が大型化するので製造コストが増加し、しかも抄紙工程では白水中を循環する異物を完全に除去することができないので、製造される複合型不織布にも異物が混入し易いという問題がある。
また湿式抄紙法によって紙力剤を含んだパルプ繊維ウエブを製造する際、パルプに定着できず白水に流れ出てしまう紙力剤が多くなり、紙力剤の歩留まりが悪くなる(コストアップする)という点でも問題となる。
そこで、エアレイド方式によるパルプ繊維ウエブを用いて不織布を製造することが強く望まれるが、加工時及び使用時にはパルプ繊維の脱落が生じ易いという問題がある。薬剤を添加してこの問題に対処することが考えられるが、単なる薬剤添加では装置の目詰まりや汚染など生産性について支障が生じることがあり、有効な技術が望まれている。
前記カルボキシメチルセルロースはエーテル化度(D.S)が0.75以下であるのが好ましい。
そして、前記添加工程では、前記個別添加剤の一方である前記湿潤紙力剤をスプレー塗布した後、2秒以内に前記個別添加剤の他方である前記アニオン系水溶性高分子をスプレー塗布するようにしてもよい。
ここで、前記噴霧液状となった前記添加剤が両端部で互いに重なり、前記幅方向に沿って複数の前記スプレーノズルを直線状に配置してスプレー塗布する、不織布の製造装置または複合型不織布の製造装置としてもよい。
本発明者等は、パルプ繊維ウエブが湿潤紙力剤およびアニオン系水溶性高分子を含有すると繊維脱落(紙粉)を抑制できることを確認した。そして、このような不織布を製造するのに好適な条件、そして装置を設計することにより本発明に至った。
本発明の製造方法や装置によってパルプ繊維ウエブを含んで形成されている不織布は、パルプ繊維ウエブのみで形成されている不織布とすることもできるし、パルプ繊維ウエブと共にスパンボンド不織布を含んで複合型にされて複合型不織布とすることができる。
そして、前記アニオン系水溶性高分子はカルボキシメチルセルロース(CMC)又はポリアクリルアミド(PAM)とするのが好ましい。
また、前記カルボキシメチルセルロースはエーテル化度(D.S)が0.75以下である、ことが好ましい。
また、前記添加工程で、前記湿潤紙力剤と前記アニオン系水溶性高分子とを個別にした個別添加剤を前記パルプ繊維ウエブにスプレー塗布するようにしてもよい。そして、前記添加工程で、前記個別添加剤の一方である前記湿潤紙力剤をスプレー塗布した後、2秒以内、より好ましくは0.3秒~1.50秒以内、に前記個別添加剤の他方である前記アニオン系水溶性高分子をスプレー塗布するのが好ましい。
そして、このカルボキシメチルセルロースは1%水溶液調整時の粘度が20mPa・s以下に設定しておくのが好ましい。粘度が20mPa・sを超えると、例えばスプレーにて噴霧する際にノズルから適切な圧力と濃度で添加量をコントロールできず、不織布に均一に付与することが困難となる。また、粘性の高い液体は操業時に堆積しやすく固着した汚れとなる、という不都合が生じ易くなるからである。
複合型の不織布を製造するのに好適な製造装置を、図1を参照して説明する。
ウエブの搬送方向TDで、これらの装置2、3、4より下流には、上流側から順に、水流交絡処理を行うためのウォータジェットを噴射する水流交絡装置5、脱水処理を行うためのサクション装置6、乾燥装置7が配置されている。上記乾燥装置7の下流には連続して製造される複合型の不織布(以下、複合型不織布WPとも称する)を巻き取るための巻取装置8が設けてある。
なお、図1は、スパンボンド不織布供給装置3が配置してあり、スパンボンド不織布上にエアレイド式で製造したパルプ繊維ウエブを載置して複合型不織布を製造できる複合型不織布の製造装置を例示している。スパンボンド不織布を用いず搬送ワイヤ上に直接にエアレイド式によるパルプ繊維ウエブを供給する製造装置に変更すれば、パルプ繊維ウエブのみによる不織布の製造装置とすることができる。
上記のように、エアレイド装置2は乾式でパルプ繊維ウエブを供給できる装置設備であり、湿式抄紙法を応用し湿式でパルプ繊維ウエブを製造する装置よりも設備コストを抑制できる。また、エアレイド装置2ではパルプの解繊から分散、降下まで閉鎖系空間となっており異物の混入が防止されているので、湿式抄紙法でパルプ繊維ウエブを供給する場合と比較して、異物の混入を圧倒的に低く抑えることができる。
なお、図1では、エアレイドホッパ23とサクション装置本体41とを1つずつ一段での配置として、パルプ繊維ウエブPFWを形成する場合を例示している。しかし、これに限らず、上記パルプ繊維ウエブPFWの目付(坪量)や製造速度に応じて、上記エアレイドホッパ23とサクション装置本体41を2つ以上の多段とする配置に変更してもよい。
搬送ワイヤ43はサクション部42の吸引力が、反対側(上側)に及ぶような目開き形態(メッシュ)で形成されている。
上記のように予備的積層体PWebが形成されるときに、スパンボンド不織布SW上へのパルプ繊維ウエブPFWの供給量を制御することで、本装置で製造される複合型不織布に含まれるパルプ繊維ウエブPFWの坪量は例えば30.0~125.0g/m2であり、従来の一般的な複合型不織布よりもパルプ繊維ウエブの比率が高くなるように設計するのが望ましい。そして、スパンボンド不織布SWの坪量は例えば10.0~40.0g/m2であり、製造される複合型不織布(スパンボンド不織布SW+パルプ繊維ウエブPFW)は例えば40.0~165.0g/m2とするのが好ましい。パルプ繊維ウエブの搬送速度やパルプ繊維ウエブPFWの時間当たりの供給量などを適宜に調整し、製造された複合型不織布のパルプ繊維ウエブPFWの坪量を確認することで、坪量が所望の範囲となるように設定すればよい。パルプ繊維ウエブの搬送速度は例えば150~300m/minとするのが好ましい。
そこで、本製造装置1では、予備的積層体PWebを上下から挟んでスパンボンド不織布SW上でのパルプ繊維ウエブPFWの載置状態を安定化させる為の挟持ローラ28、そして水流交絡装置5の上流側に繊維飛散防止用に水分を付与するプレウエット装置30が配備してある。プレウエット装置30は、好適には、予備的積層体PWebの上方からウォータミストを吹き付ける噴霧ノズル31と予備的積層体PWebの下側(すなわち、パルプ繊維ウエブPFWの下面)から吸引力を印加するサクション装置32とを含んで構成されている。
水流交絡処理を行うのに十分な、ウォータジェットヘッド51とサクション装置52とのセット数が確保されている水流交絡装置5の場合、上記のように先頭のウォータジェットヘッド51とサクション装置52をプレウエット装置として活用することは、装置設備コストの抑制に効果的である。
図1で例示的に示している水流交絡装置5は、搬送方向TDに沿って多段(図1では例示しているのは4段)にウォータジェットヘッド51が配置されている。
なお、図1では、搬送方向TDに対して直角な方向(ウエブの幅方向CD)において延在しているウォータジェットヘッド51に設けたノズルの様子は図示していないが、幅方向において複数のウォータジェットノズルが適宜の位置に配置してある。このウォータジェットノズルの穴直径φは、好ましくは0.06~0.15mmである。また、ウォータジェットノズルの間隔は0.4~1.0mmとするのが好ましい。
よって、搬送ワイヤ55上を搬送される予備的積層体PWebは、搬送方向TDで下流に向かう程に、より多くの水流交絡処理を受けることになり、水流交絡装置5を出るときには上側のパルプ繊維ウエブPFW層と下側のスパンボンド不織布SW層との十分な交絡処理が実現される。
水流交絡装置5を出た直後の複合型不織布にあっては、ウエット状態にあり、パルプ繊維同士などの結合は十分に確立されてはいない。
しかしながら、先に指摘したように、複合型不織布WP上のパルプ繊維ウエブから離脱する微細なパルプ繊維(紙粉)を確実に抑止できる複合型不織布とする必要がある。そのため、本製造装置1には、パルプ繊維の脱落を抑止するための薬剤を添加するための添加装置9が配置されている。
上記添加装置9は、水流交絡装置5で複合化された後の複合型不織布WPの上側、すなわちパルプ繊維ウエブPWFから湿潤紙力剤とアニオン系水溶性高分子とを混合した混合添加剤を添加する(添加工程)。複合化が完了した複合型不織布のパルプ繊維ウエブ表面に混合添加剤を外側から添加するので、混合添加剤が効率的に作用してパルプ繊維同士を接続する機能を果たす。添加装置9より下流では乾燥処理されるので、添加された混合添加剤が洗い流されて流出するなどの無駄もない。
また、下側にはサクション装置があるので、混合添加剤がパルプ繊維ウエブ内に浸透するのに優位であり、これによってパルプ繊維の脱落を更に確実に抑止することができる。添加は、スプレー塗布とすることにより、噴霧液状となった混合添加剤がパルプ繊維ウエブ内に浸透するのにより一層優位となる。そして、添加装置9では、製造される複合型不織布WPの状態を確認して、混合添加剤の量をコントロールすることも容易に行える。
なお、上記添加装置9で混合添加剤がスプレー塗布される際のパルプ繊維ウエブPWF部分の水分(添加装置9に進入する直前の入口水分%)は120~400%となるように調整しておくのが好ましい。その理由は、水分が低すぎる場合はスプレー塗工時に均一に塗布されずムラが生じる可能性があるからであり、その逆に水分が高すぎる場合は、後工程への持ち込み水分量が多くなることによる乾燥負荷の増加や汚れ発生の可能性が生じるからである。
上記添加装置9としては、スプレー塗布、サイズプレス、ロールコーティング、グラビアコーティング、ロッドバーコーティング、エアナイフコーティング等、公知の装置を用いて混合添加剤を添加することできる。ここで特に限定はされないが、スプレー塗布が好ましい。
なお、上述した添加装置9は湿潤紙力剤とアニオン系水溶性高分子とを予め混合した混合添加剤をパルプ繊維ウエブPWFに塗布する場合を好適な一例として説明したものであるが塗布の形態はこれに限らない。
前後にずらして塗布する場合、個別添加剤の一方である湿潤紙力剤をスプレー塗布した後、2秒以内、より好ましくは0.3秒~1.50秒以内に、個別添加剤の他方であるアニオン系水溶性高分子をスプレー塗布するようにするのが好ましい。両者の噴霧までの時間を適正化することで、より効果的に湿潤紙力剤とアニオン系水溶性高分子との架橋構造を構築できるという技術的な効果を期待できるからである。
そして、湿潤紙力剤に対するアニオン系水溶性高分子の重量割合、すなわち(アニオン系水溶性高分子/湿潤紙力剤)は10~100重量%としてあるのが好ましい。
上記、湿潤紙力剤およびアニオン系水溶性高分子の添加量が少なすぎると繊維脱落抑止の効果が低下し、逆に多すぎると添加率に対する効果は横ばいになるのに対し、過剰となった薬剤が装置周囲に堆積し汚れが悪化する、という不都合が懸念される。
そして、上記湿潤紙力剤としては、上記したとおり、製紙工程において湿潤紙力剤として知られているポリアミドエピクロロヒドリン(PAE)を用いることが好ましい。この湿潤紙力剤のポリアミドエピクロロヒドリン(PAE)の固形分濃度は、10~40wt%であり、より好ましくは20~30wt%である。湿潤紙力剤として他にメラミン樹脂等を用いることができる。
また上記アニオン系水溶性高分子としては、上記したとおりカルボキシメチルセルロース(CMC)或いはポリアクリルアミド(PAM)を用いるのが好ましい。
上記2種類を所定の割合で使用することによって、製造時における添加装置のノズルの詰まりや周辺の設備装置への汚れを抑制して連続的に効率良く複合型不織布を製造することができ、しかも製造された複合型不織布は繊維脱落が抑止され、十分な吸水性を備えたものとすることができる。
このように添加装置のノズルの詰まりや周辺の設備装置への汚れを抑制して連続的に製造される複合型不織布WPは乾燥後に巻取装置8のロール81に巻取られる。
以上で説明したように、本発明に係る製造装置1によって製造される複合型の不織布はパルプ繊維の脱落が抑制されたものとなっている。
図2(a)で示すように、噴霧液の形状が猫の目形状CSとなるように、猫の目型の吐出口を有するスプレーノズルを用いてスプレー塗布するのが好ましい。
図2(b)はパルプ繊維ウエブの搬送方向TDに対して直角な幅方向CDに沿って、噴霧液がパルプ繊維ウエブPWFに均一塗布されるように、横長である猫の目形状CSがその両端部で互いに重なるように設定した場合を例示している。この場合、噴霧液形状に対応して、猫の目型の吐出口を有するスプレーノズルを複数、所定間隔をもって幅方向CDに直線状に配置した添加装置9を採用することになる。
以下、本発明に係る製造装置を用いて製造方法を実施して、スパンボンド不織布を含む複合型の不織布を製造した場合の実施例および比較例について説明する。
複合型の不織布のパルプ繊維ウエブに添加する、湿潤紙力剤をポリアミドエピクロロヒドリン(PAE)およびアニオン系水溶性高分子をボキシメチルセルロース(CMC)或いはポリアクリルアミド(PAM)とし、それぞれの添加量および混合割合を、表1に示す通りとして製造した場合の実施例1~7の複合型の不織布、並びに、表2に示す通りとした比較例1~4について、製造した複合型不織布の脱落紙粉量、製造時に発生する問題としてノズル詰まりの発生、操業時の汚れの程度を確認して、総合評価した。
なお、この実施例では添加装置による噴霧形態を湿潤紙力剤とアニオン系水溶性高分子とを混合した混合添加剤とした場合と湿潤紙力剤とアニオン系水溶性高分子とを個別にした個別添加剤とした場合について製造しており、下記表1、2では「混合」、「個別」として示している。混合添加剤の場合の吐出圧力、薬剤濃度、ノズルの配置(ここでは2列互い違いを採用、図2(d)参照)について示してある。そして、個別添加剤の場合は第1の塗布装置(スプレー(1))と第2の塗布装置(スプレー(2))のそれぞれによる吐出圧力、薬剤濃度、ノズルの配置及びスプレー(1)とスプレー(2)との間の時間(sec)も示してある。
乾燥状態で不織布を黒い紙上で10回振った際に脱落した紙粉量を目視評価した。
残留紙粉量が少なく良好である(優◎)
残留紙粉量は優の状態よりも劣るが概ね使用可能なレベル(可〇)
残留紙粉量が目立ち使用するのが不適である(不可×)
2)拭取り後の紙粉量(目視)
乾燥状態および湿潤状態での紙粉の発生をモニター10人により評価した。
残留紙粉量が少なく良好である(優◎)
残留紙粉量は優の状態よりも劣り、使用不可と判断するユーザが現れるレベル(可〇)
残留紙粉量が目立ち使用するのが不適である(不可×)
各実施例と比較例の水準を採取時、噴霧ノズルの状況を目視で評価した。
ノズル詰まりの発生なし(優◎)
軽微なノズル詰まりの発生(可○)
ノズル詰まりの発生(不可×)
各実施例と比較例の水準を採取時、設備の汚れの程度を目視で評価した。
装置の汚れが通常の操業の範囲内のレベル(優◎)
装置の汚れが通常より劣るレベル(可〇)
装置の著しい汚れの発生のため操業継続が困難なレベル(不可×)
全ての評価項目に対し、下記の項目に基づいてスコアリングした。総合評価は、3以上で、良好な材質でかつ連続操業可能なレベルで合格ラインとした。
操業時の状況が×であり、不織布の供給自体が困難である(1点)
紙粉の改善に×項目があるが、操業状況は〇以上である(2点)
すべての評価が〇以上で、◎が3つある(3点)
すべての評価が〇以上で、◎が4つある(4点)
すべての評価が◎である(5点)
なお、実施例1はスプレー(1)とスプレー(2)との塗布間隔が若干、長いため、やや紙粉抑制効果が落ちているが製造工程には問題はない。
実施例2は混合添加剤であり、個別の場合と比較するとノズル詰まりや装置周辺の汚れの傾向があるが連続生産に障害はなく、得られた不織布は紙粉抑制されている。
実施例3の条件によるものは全ての評価が◎でベストモードとなっている。
実施例4はスプレー(1)とスプレー(2)との塗布間隔が若干、短いため、やや紙粉抑制効果が落ちているが製造工程には問題はない。
実施例5では、アニオン系水溶性高分子をCMCからPAMに変更したもので紙粉抑制効果はやや落ちるが不織布は紙粉抑制の効果は十分ある。混合添加剤を採用しているのでノズル詰まりや装置周辺の汚れの傾向があるが連続生産に障害はない。
実施例6は、アニオン系水溶性高分子をCMCからPAMに変更したもので紙粉抑制効果はやや落ちるが不織布は紙粉抑制の効果は十分ある。装置周辺の汚れの傾向があるが連続生産に障害はない。
実施例7ではCMCエーテル化度が高めであるので、紙粉抑制効果はやや落ちるが不織布は紙粉抑制の効果は十分ある。混合添加剤を採用しているのでノズル詰まりや装置周辺の汚れの傾向があるが連続生産に障害はない。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができることは言うまでもない。
2 エアレイド装置
3 スパンボンド不織布供給装置
4 サクション装置
5 水流交絡装置
6 サクション装置
7 乾燥装置
8 巻取装置
9 添加装置
21 解繊機
22 ダクト
23 エアレイドホッパ
24 積層位置
28 挟持ローラ
30 プレウエット装置
31 噴霧ノズル
32 サクション装置
41 サクション装置本体
42 サクション部
43 搬送ワイヤ
51 ウォータジェットヘッド
52 サクション装置
55 搬送ワイヤ
SW スパンボンド不織布
PF パルプ繊維
PFW パルプ繊維ウエブ
PWeb 予備的積層体(積層ウエブ)
WP 複合型不織布
TD 搬送方向
CD 幅方向
CS 猫の目形状
Claims (11)
- エアレイド方式で製造されたパルプ繊維ウエブを必須に含んで形成されている不織布の製造方法であって、
前記パルプ繊維ウエブを水流交絡処理する水流交絡工程と、
前記水流交絡工程の後に、湿潤紙力剤およびアニオン系水溶性高分子を混合した混合添加剤、又は、前記湿潤紙力剤と前記アニオン系水溶性高分子とを個別にした個別添加剤を、スプレー塗布により前記パルプ繊維ウエブに添加する添加工程とを含み、前記湿潤紙力剤はポリアミドエピクロロヒドリン(PAE)であり、
前記添加工程では、前記パルプ繊維ウエブのパルプ繊維絶乾重量に対して、前記湿潤紙力剤の添加量が0.35~2.00重量%であり、且つ、前記アニオン系水溶性高分子の添加量が0.1~1.0重量%であるように添加すると共に、前記湿潤紙力剤に対する前記アニオン系水溶性高分子の重量割合が10~100重量%となるように添加し、
前記混合添加剤または前記個別添加剤の吐出圧力を0.1~1.5MPaとし、吐出口の形状が猫の目型であるスプレーノズルを用い、スプレーされて噴霧液状となった前記混合添加剤または前記個別添加剤が前記パルプ繊維ウエブに均一に塗布されるように、前記パルプ繊維ウエブの幅方向に前記スプレーノズルを複数配置してスプレー塗布する、ことを特徴とする不織布の製造方法。 - 前記アニオン系水溶性高分子はカルボキシメチルセルロース(CMC)である、ことを特徴とする請求項1に記載の不織布の製造方法。
- 前記カルボキシメチルセルロースはエーテル化度(D.S)が0.75以下である、ことを特徴とする請求項2に記載の不織布の製造方法。
- 前記添加工程で、前記個別添加剤の一方である前記湿潤紙力剤をスプレー塗布した後、2秒以内に前記個別添加剤の他方である前記アニオン系水溶性高分子をスプレー塗布する、ことを特徴とする請求項1に記載の不織布の製造方法。
- 請求項1から4のいずれかに記載の不織布の製造方法を、スパンボンド不織布の上に載置した前記エアレイド方式で製造されたパルプ繊維ウエブに対して実施して、複合型の不織布を製造する複合型不織布の製造方法。
- パルプ繊維ウエブを供給するエアレイド装置と、
前記パルプ繊維ウエブに水流交絡処理を施す水流交絡装置と、
前記水流交絡装置の下流に、前記パルプ繊維ウエブを下側から脱水処理する脱水装置を備えると共に、前記脱水装置の上方には、前記パルプ繊維ウエブに湿潤紙力剤とアニオン系水溶性高分子とを混合した混合添加剤を添加する、又は湿潤紙力剤とアニオン系水溶性高分子を個別にした個別添加剤を添加する、添加装置とを備え、
前記添加装置は、前記パルプ繊維ウエブのパルプ繊維絶乾重量に対して、前記湿潤紙力剤の添加量が0.35~2.00重量%であり、且つ、前記アニオン系水溶性高分子の添加量が0.1~1.0重量%となるように添加すると共に、前記湿潤紙力剤に対する前記アニオン系水溶性高分子の重量割合が10~100重量%となるように添加し、
前記混合添加剤または前記個別添加剤の吐出圧力を0.1~1.5MPaとし、吐出口の形状が猫の目型であるスプレーノズルを用い、スプレーされて噴霧液状となった前記混合添加剤または前記個別添加剤が前記パルプ繊維ウエブに均一に塗布されるように、前記パルプ繊維ウエブの幅方向に前記スプレーノズルを複数配置してスプレー塗布する、ことを特徴とする複合型不織布の製造装置。 - スパンボンド不織布を供給するスパンボンド不織布供給装置と、
パルプ繊維ウエブを供給するエアレイド装置と、
前記スパンボンド不織布上に載置された前記パルプ繊維ウエブに、上側から水流交絡処理を施して複合型不織布を形成する水流交絡装置と、
前記水流交絡装置の下流に、前記複合型不織布を下側から脱水処理する脱水装置を備えると共に、前記脱水装置の上方には、前記複合型不織布の前記パルプ繊維ウエブに湿潤紙力剤とアニオン系水溶性高分子とを混合した混合添加剤を添加する、又は湿潤紙力剤とアニオン系水溶性高分子を個別にした個別添加剤を添加する、添加装置とを備え、
前記添加装置は、前記パルプ繊維ウエブのパルプ繊維絶乾重量に対して、前記湿潤紙力剤の添加量が0.35~2.00重量%であり、且つ、前記アニオン系水溶性高分子の添加量が0.1~1.0重量%となるように添加すると共に、前記湿潤紙力剤に対する前記アニオン系水溶性高分子の重量割合が10~100重量%となるように添加し、
前記混合添加剤または前記個別添加剤の吐出圧力を0.1~1.5MPaとし、吐出口の形状が猫の目型であるスプレーノズルを用い、スプレーされて噴霧液状となった前記混合添加剤または前記個別添加剤が前記パルプ繊維ウエブに均一に塗布されるように、前記パルプ繊維ウエブの幅方向に前記スプレーノズルを複数配置してスプレー塗布する、ことを特徴とする複合型不織布の製造装置。 - 前記噴霧液状となった前記混合添加剤または前記個別添加剤が両端部で互いに重なり、前記幅方向に沿って複数の前記スプレーノズルを直線状に配置してスプレー塗布する、ことを特徴とする請求項7に記載の不織布の製造装置または複合型不織布の製造装置。
- 複数の前記スプレーノズルを、所定間隔をもって前記幅方向に対して傾けて配置し、前記噴霧液状となった前記混合添加剤または前記個別添加剤が互いに干渉しないようにしてスプレー塗布する、ことを特徴とする請求項7に記載の不織布の製造装置または複合型不織布の製造装置。
- 複数の前記スプレーノズルを、前記幅方向に対して平行な複数列で、前後で互い違いとなるようにして所定間隔をもって配置し、前記噴霧液状となった前記混合添加剤または前記個別添加剤が互いに干渉しないようにしてスプレー塗布する、ことを特徴とする請求項7に記載の不織布の製造装置または複合型不織布の製造装置。
- 前記添加工程において、前記アニオン系水溶性高分子に替えてポリアクリルアミド(PAM)が用いられる、請求項1記載の不織布の製造方法。
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