以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は、上記態様の何れかをより具体化したものである。以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化した例を示すものであって、本発明の技術的思想を、以下に記載する構成要素の材質、形状、構造、及び配置等に限定するものではない。本発明の技術的思想には、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
以下の説明において参照する図面では、同様又は類似した機能を有する構成要素に、同一の参照符号を付している。ここで、図面は模式的なものであり、厚さ方向の寸法と厚さ方向に垂直な方向、即ち面内方向の寸法との関係や、複数の層の厚さ方向における寸法の関係等は、現実のものとは異なり得ることに留意すべきである。従って、具体的な寸法は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、2以上の構成要素の寸法の関係が、複数の図面の間で異なっている可能性があることにも留意すべきである。更に、幾つかの図面では、同一の構造を、他の図面とは天地を逆にして描いていることにも留意すべきである。
なお、本開示において、「上面」及び「下面」は、板状部材又はそれに含まれる層の2つの主面、即ち、厚さ方向に垂直であり且つ最も広い面積を有する面及びその裏面であって、図面において上方に示された面と下方に示された面とをそれぞれ意味している。また、「側面」とは、上記主面に対して垂直であるか又は傾いた面を意味している。
また、本開示において、「AAをBBの上に」という記載は、重力方向とは無関係に使用している。「AAをBBの上に」という記載によって特定される状態は、AAがBBと接触した状態を包含する。「AAをBBの上に」という記載は、AAとBBとの間に他の1以上の構成要素を介在させることを除外するものではない。
<構造>
図1は、本発明の一実施形態に係るパッケージ化デバイスを概略的に示す断面図である。
図1に示すパッケージ化デバイス1は、複合配線基板10と、機能デバイス20と、封止樹脂層30と、接合電極40とを含んでいる。
機能デバイス20は、例えば、半導体チップ、又は、ガラス基板などの半導体以外の材料からなる基板上に回路や素子が形成されたチップである。ここでは、一例として、機能デバイス20は半導体チップであるとする。即ち、ここでは、パッケージ化デバイス1は、半導体パッケージである。
パッケージ化デバイス1は、複数の機能デバイス20を含んでいる。パッケージ化デバイス1は、機能デバイス20を1つのみ含んでいてもよい。
機能デバイス20は、接合電極40を介して、複合配線基板10へ接合されている。ここでは、機能デバイス20は、フリップチップボンディングによって、複合配線基板10へ接合されている。機能デバイス20の1以上は、ワイヤボンディングなどの他のボンディング法によって複合配線基板10へ接合されていてもよい。
接合電極40は、機能デバイス20と複合配線基板10との間で、狭いピッチで配列している。接合電極40は、例えば、はんだからなる。機能デバイス20をワイヤボンディングによって複合配線基板10へ接合する場合、例えば、金ワイヤを用いて機能デバイス20と複合配線基板とを電気的に接続することができる。
封止樹脂層30は、機能デバイス20と複合配線基板10との間に介在した部分と、機能デバイス20の側面を少なくとも部分的に被覆した部分とを含んでいる。封止樹脂層30は、機能デバイス20を複合配線基板10へ固定している。
複合配線基板10は、FC-BGA基板11と、多層配線基板12と、封止樹脂層13と、接合電極14とを含んでいる。
FC-BGA基板11は、第1配線基板の一例である。FC-BGA基板11は、例えば、図示しないマザーボードへ接合される。
FC-BGA基板11は、コア層111と、絶縁層112と、導体層113と、絶縁層114と、接合用導体115とを含んでいる。
コア層111は、絶縁層である。コア層111は、例えば、織布又は不織布に熱硬化性の絶縁樹脂を含浸させた繊維強化基板である。織布又は不織布としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、又はアラミド繊維を使用することができる。絶縁樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂を使用することができる。
コア層111には、貫通孔が設けられている。導体層113の一部は、貫通孔の側壁を被覆している。ここでは、導体層113の一部は、側壁が導体からなる貫通孔を生じるように、コア層111に設けられた貫通孔の側壁を被覆している。これら側壁が導体からなる貫通孔は、絶縁体で埋め込んでもよい。
導体層113の残りと絶縁層112とは、コア層111の両主面上で多層配線構造を形成している。各多層配線構造は、交互に積層された導体層113及び絶縁層112を含んでいる。
多層配線構造が含む各絶縁層112は、例えば、絶縁樹脂層である。絶縁層112には、貫通孔が設けられている。
導体層113は、銅などの金属又は合金からなる。導体層113は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
多層配線構造が含む各導体層113は、配線部とランド部とを含んでいる。絶縁層112を間に挟んでコア層111と向き合った導体層113は、絶縁層112に設けられた貫通孔の側壁を被覆したビア部を更に含んでいる。
絶縁層114は、上記の多層配線構造上に設けられている。絶縁層114は、例えば、ソルダーレジストなどの絶縁樹脂層である。絶縁層114には、上記多層配線構造の最表面に位置した導体層113へ連通する貫通孔が設けられている。
接合用導体115は、導体層113のうち絶縁層114の貫通孔の位置で露出した部分に設けられた金属バンプである。なお、接合用導体は、接合端子ともいう。接合用導体115は、例えば、はんだからなる。
多層配線基板12は、第2配線基板である。多層配線基板12は、接合電極40を介して機能デバイス20に接合されるとともに、接合電極14を介してFC-BGA基板11に接合されている。即ち、多層配線基板12は、機能デバイス20とFC-BGA基板11との接合を媒介するインターポーザである。多層配線基板12の厚さは、例えば、10μm以上300μm以下の範囲内にある。多層配線基板12については、後で詳述する。
接合電極14は、多層配線基板12と機能デバイス20との間で配列している。接合電極14のピッチは、接合電極40のピッチと比較してより広く且つFC-BGA基板11の下面に位置した接合用導体115のピッチと比較してより狭い。接合電極14は、例えば、はんだからなる。
封止樹脂層13は、FC-BGA基板11と多層配線基板12との間に介在した部分を含んでいる。なお、封止樹脂層は、アンダーフィル層ともいう。封止樹脂層13は、多層配線基板12をFC-BGA基板11へ固定している。
多層配線基板12について、図2乃至図4を参照しながら、更に詳しく説明する。
図2は、図1に示すパッケージ化デバイスが含んでいる多層配線基板を概略的に示す断面図である。図3は、図2に示す多層配線基板の一部を拡大して示す断面図である。図4は、図2に示す多層配線基板の他の一部を拡大して示す断面図である。
図2乃至図4に示す多層配線基板12は、図2に示すように、2以上の層120と、絶縁樹脂層124と、絶縁樹脂層121と、導体層123と、導体層126と、密着層125aと、シード層125bと、表面処理層127と、絶縁樹脂層128とを含んでいる。
2以上の層120は、互いに積層されている。ここでは、2つの層120が積層されている。層120の数は、3以上であってもよい。
これら層120の各々は、絶縁樹脂層1201と、無機絶縁層1202と、導体層1203と、第1金属含有層1204aと、第2金属含有層1204bとを含んでいる。
絶縁樹脂層1201は、厚さ方向に一体に形成されている。絶縁樹脂層1201は、好ましくは、フィラーを含んでいない絶縁樹脂からなる。
絶縁樹脂層1201は、図2乃至図4に示すように、第1面S1と、その裏面である第2面S2とを有している。絶縁樹脂層1201には、複数の第1凹部R1、複数の溝部G、及び、複数の第2凹部R2が設けられている。
第1凹部R1は、第1面S1で開口している。第1凹部R1は、後述するランド部1203Lで埋め込まれたランド用凹部である。
第1凹部R1は、深さが互いに等しい。第1凹部R1の深さは、絶縁樹脂層1201の厚さよりも小さい。
第1凹部R1の1以上は、溝部Gの1つと連通している。また、第1凹部R1の1以上は、この第1凹部R1が設けられた絶縁樹脂層1201が有している第2凹部R2と連通している。
第1凹部R1は、開口と側壁と底面とを有している。第1凹部R1の底面は、厚さ方向に対して垂直な平面である。一例によれば、第1凹部R1は円形状の底面を有しており、第2凹部R2と連通した第1凹部R1の底面は円形に開口している。
第1凹部R1は、ここでは、厚さ方向に対して垂直な方向の寸法が開口から底面に向かって漸次大きくなる形状を有している。即ち、第1凹部R1は、ここでは、厚さ方向に対して垂直な断面が逆テーパ状である。一例によれば、第1凹部R1は、円錐台形状を有している。第1凹部R1は、厚さ方向に平行な断面が矩形状であってもよい。即ち、第1凹部R1は、高さ方向が厚さ方向に平行な角柱又は円柱形状を有していてもよい。
溝部Gは、第1面S1で開口している。溝部は、後述する配線部1203Wで埋め込まれている。溝部Gの深さは、第1凹部R1の深さと等しい。
溝部Gは、開口と側壁と底面とを有している。溝部Gの底面は、厚さ方向に対して垂直な平面である。
溝部Gは、開口から底面に向かって幅が漸次広くなる形状を有している。即ち、溝部Gは、ここでは、長さ方向に対して垂直な断面が逆テーパ状である。溝部Gは、長さ方向に対して垂直な断面が矩形状であってもよい。
第2凹部R2は、第2面S2で開口している。第2凹部R2は、後述するビア部1203Vで埋め込まれたビア用凹部である。
第2凹部R2は、第1凹部R1の1以上と連通している。具体的には、第2凹部R2の各々は、第1凹部R1の何れかと連通している。
第2凹部R2は、開口と側壁とを有している。第2凹部R2は、その底部の位置で、第1凹部R1と連通している。厚さ方向に垂直な平面への第2凹部R2の正射影は、この第2凹部R2と連通した第1凹部R1の底面の先の平面への正射影の輪郭によって取り囲まれている。
第2凹部R2は、厚さ方向に対して垂直な方向の寸法が開口から底部へ向かって漸次大きくなる形状を有している。即ち、第2凹部R2は、厚さ方向に対して垂直な断面が逆テーパ状である。一例によれば、第2凹部R2は、円錐台形状を有している。第2凹部R2は、厚さ方向に平行な断面が矩形状であってもよい。即ち、第2凹部R2は、高さ方向が厚さ方向に平行な角柱又は円柱形状を有していてもよい。
なお、第1凹部R1、溝部G及び第2凹部R2については、後で更に詳しく説明する。
無機絶縁層1202は、絶縁樹脂層1201の第1面S1を被覆している。各絶縁樹脂層1201の第1面S1を被覆している無機絶縁層1202は、この無機絶縁層1202を間に挟んで先の絶縁樹脂層1201と隣接した絶縁樹脂層に設けられた第2凹部R2の位置に、貫通孔を有している。また、無機絶縁層1202は、これが第1面S1を被覆している絶縁樹脂層1201に設けられた溝部Gの位置に、スリットを有している。
導体層1203は、絶縁樹脂層1201の第1凹部R1及び溝部Gをそれぞれ埋め込んだランド部1203L及び配線部1203Wと、ランド部1203Lの位置で第1面S1から突出したビア部1203Vとを含んでいる。各導体層1203において、ビア部1203Vの各々は、その導体層1203が含んでいるランド部1203Lの1つと一体に形成されている。各導体層1203のビア部1203Vは、その導体層1203のランド部1203L及び配線部1203Wによって第1凹部R1及び溝部Gがそれぞれ埋め込まれた絶縁樹脂層1201とその第1面S1側で隣接した他の絶縁樹脂層の第2凹部R2を埋め込んでいる。
導体層1203は、銅などの金属又は合金からなる。導体層1203は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。一例によれば、導体層1203は銅からなる。
第1金属含有層1204aは、図2乃至図4に示すように、ランド部1203Lの側面及び上面の周縁部を被覆した部分と、配線部1203Wの側面及び上面を被覆した部分と、ビア部1203Vの側面及び上面を被覆した部分とを含んでいる。即ち、第1金属含有層1204aは、第1凹部R1、第2凹部R2及び溝部Gの底面及び側壁上に設けられている。
第1金属含有層1204aは、後述するダミー層2201への第2金属含有層1204bの密着性を向上させて、第2金属含有層1204bの剥離を生じ難くする密着層又はシード密着層である。一例によれば、第1金属含有層1204aは、チタン層などのチタンを含有した層である。
第2金属含有層1204bは、第1金属含有層1204aと導体層1203との間に介在している。第2金属含有層1204bは、導体層1203の電解めっきによる成膜において、給電層としての役割を果たすシード層である。第2金属含有層1204bは、例えば、導体層1203と同じ材料からなるか又は導体層1203の材料と比較してイオン化傾向が小さい金属材料からなる。一例によれば、第2金属含有層1204bは銅からなる。なお、互いに積層された2つの層が同じ材料からなる場合であっても、積層方向に平行な断面を、例えば、走査電子顕微鏡で観察することにより、それら層間の界面を確認することができる。
絶縁樹脂層124は、図2に示すように、層120からなる多層配線構造の一方の主面上に設けられている。絶縁樹脂層124の材料は、絶縁樹脂層1201の材料と同じであってもよく、異なっていてもよい。
絶縁樹脂層124には、それと隣接した層120が含む絶縁樹脂層1201のビア部1203Vの位置に、貫通孔が設けられている。絶縁樹脂層124の貫通孔は、それと隣接した層120が含む絶縁樹脂層1201のビア部1203Vによって埋め込まれている。
絶縁樹脂層124の貫通孔は、層120側で開口した凹部である。これら凹部は、ここでは、厚さ方向に対して垂直な方向の寸法が下方から上方に向かって漸次小さくなる形状を有している。即ち、絶縁樹脂層124の凹部は、ここでは、厚さ方向に対して垂直な断面が順テーパ状である。一例によれば、これら貫通孔は、円錐台形状を有している。これら貫通孔(又は凹部)は、厚さ方向に平行な断面が矩形状であってもよい。即ち、これら貫通孔は、高さ方向が厚さ方向に平行な角柱又は円柱形状を有していてもよい。
絶縁樹脂層121は、絶縁樹脂層124上に設けられている。絶縁樹脂層121の材料は、絶縁樹脂層124及び1201の材料と同じであってもよく、異なっていてもよい。絶縁樹脂層121には、絶縁樹脂層124の貫通孔の位置に貫通孔が設けられている。
導体層123は、絶縁樹脂層121の貫通孔を埋め込んでいる。導体層123は、多層配線基板12と機能デバイス20との接合のための電極である。導体層123は、例えば、銅からなる。
導体層126は、下方に位置した層120が含んでいる絶縁樹脂層1201の第2凹部R2を埋め込むとともに、その絶縁樹脂層1201の第2面S2のうち第2凹部R2の開口及びその周囲の領域を被覆している。導体層126は、銅などの金属又は合金からなる。
密着層125aは、下方に位置した層120が含んでいる絶縁樹脂層1201の第2凹部R2の内面を被覆した部分と、その絶縁樹脂層1201の第2面S2のうち第2凹部R2の開口の周囲の領域を被覆した部分とを含んでいる。密着層125aは、絶縁樹脂層1201へのシード層125bの密着性を向上させて、シード層125bの剥離を生じ難くする層である。
シード層125bは、密着層125a上に設けられている。シード層125bは、導体層126の電解めっきによる成膜において、給電層としての役割を果たす。
絶縁樹脂層128は、下方に位置した層120が含んでいる絶縁樹脂層1201及び導体層126上に設けられている。絶縁樹脂層128には、導体層126の位置に貫通孔が設けられている。
表面処理層127は、導体層126のうち、絶縁樹脂層128の貫通孔内で露出した部分の上に設けられている。表面処理層127は、導体層126の表面の酸化防止及びはんだに対する濡れ性向上のために設ける。
<製造方法>
このパッケージ化デバイス1が含む多層配線基板12は、例えば、以下の方法により製造することができる。
図5乃至図35は、本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
この方法では、先ず、図5に示すように、支持体2の一方の面に剥離層3を形成する。
支持体2は、支持体2を通じて剥離層3に光を照射する場合もあるため、透光性を有していることが有利である。支持体2としては、例えば、ガラス板を用いることができる。矩形のガラス板は、大型化に適している。また、ガラス板は、優れた平坦性及び高い剛性を実現可能である。そのため、支持体2としてのガラス板は、その上に微細なパターンを形成するのに適している。
また、ガラス板はCTE(coefficient of thermal expansion;熱膨張率)が小さく歪みにくいことから、パターン配置精度及び平坦性の確保に優れている。支持体2としてガラス板を用いる場合、ガラス板の厚さは、製造プロセスにおける反りの発生を抑制する観点から厚い方が望ましく、例えば0.5mm以上、好ましくは1.2mm以上である。
ガラス板のCTEは、3ppm以上15ppm以下であることが好ましく、FC-BGA基板11及び機能デバイス20のCTEとの整合性の観点から10ppm程度がより好ましい。
ガラス板としては、例えば、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、ソーダガラス、又は、サファイヤガラスからなるものを用いることができる。
一方、剥離層3に熱によって発泡する樹脂を用いる等、支持体2を剥離する際に支持体2に光の透過性が要求されない場合は、支持体2には、歪みの少ない材料、例えばメタルやセラミックスなどを用いることができる。
以下、一例として、剥離層3の材料は紫外光(UV光)を吸収して剥離可能となる樹脂であり、支持体2はガラス板であるとする。
剥離層3は、例えば、UV光などの光を吸収することにより発熱若しくは変質して剥離可能となる樹脂でもよく、又は、熱によって発泡して剥離可能となる樹脂でもよい。剥離層3の材料は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、オキセタン樹脂、マレイミド樹脂、及び、アクリル樹脂などの有機樹脂、並びに、アモルファスシリコン、ガリウムナイトライド、及び金属酸化物などの無機物から選ぶことができる。剥離層3は、光分解促進剤、光吸収剤、増感剤、及びフィラー等の添加剤を更に含有していてもよい。
剥離層3は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。また、例えば、支持体2上に形成される多層配線構造の保護を目的として、剥離層3上に保護層を設けてもよく、支持体2と剥離層3との間にそれらの密着性を向上させる層を更に設けてもよい。また、剥離層3と多層配線構造との間に、レーザー光反射層や金属層を更に設けてもよい。
なお、剥離層3の材料として、UV光などの光、例えばレーザー光によって剥離可能となる樹脂を用いる場合、支持体2が透光性であれば、剥離層3へは、支持体2を介して光を照射してもよい。
次に、真空中で、図6に示す密着層122a及びシード層122bを形成する。密着層122aは、剥離層3へのシード層122bの密着性を向上させて、これ以降の工程においてシード層122bの剥離を防止する層である。また、シード層122bは、導体層123を形成するための電解めっきにおいて、給電層としての役割を果たす。
密着層122a及びシード層122bは、例えば、スパッタリング法又は蒸着法により形成することができる。密着層122a及びシード層122bの材料としては、例えば、Cu、Ni、Al、Ti、Cr、Mo、W、Ta、Au、Ir、Ru、Pd、Pt、AlSi、AlSiCu、AlCu、NiFe、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(Aluminum-doped Zinc Oxide)、ZnO、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、TiN、Cu3N4、Cu合金、又はこれらを複数組み合わせたものを使用することができる。ここでは、一例として、電気特性及び製造の容易性の観点並びにコスト面を考慮して、密着層122a及びシード層122bにそれぞれにチタン層及び銅層を採用し、それらはスパッタリング法で形成することとする。
密着層122a及びシード層122bの合計膜厚は、1μm以下とすることが好ましい。ここでは、一例として、密着層122aとして厚さが50nmのチタン層を形成するとともに、シード層122bとして厚さが300nmの銅層を形成することとする。
次に、図7に示すように、シード層122b上にレジスト層221を設ける。レジスト層221は、感光性樹脂からなる。感光性樹脂としては、例えば、感光性ポリイミド樹脂、感光性ベンゾシクロブテン樹脂、感光性エポキシ樹脂又はそれらの変性物を用いることが可能である。感光性樹脂は、液状であってもよく、フィルム状であってもよい。
レジスト層221の材料として液状の感光性樹脂を用いる場合は、レジスト層221は、例えば、スリットコート、カーテンコート、ダイコート、スプレーコート、静電塗布法、インクジェットコート、グラビアコート、スクリーン印刷、グラビアオフセット印刷、スピンコート、及びドクターコートの何れかの方法でシード層122b上に形成することができる。レジスト層221にフィルム状の感光性樹脂を用いる場合は、レジスト層221は、例えば、ラミネート、真空ラミネート、及び真空プレスの何れかの方法でシード層122b上に設けることができる。
次に、フォトリソグラフィにより、レジスト層221に貫通孔を形成する。貫通孔の平面視の形状は、機能デバイス20の接合電極のピッチや形状に応じて設定する。ここでは、一例として、貫通孔は、開口が直径25μmの円形状を有し、ピッチが55μmであるとする。ここで、平面視とは、対象物を厚さ方向に観察すること、即ち、厚さ方向に垂直な平面への対象物の正射影を観察することをいう。
レジスト層221の厚さは、次に形成する導体層123の厚さに応じて設定する。ここでは、一例として、レジスト層221の厚さは8μmとする。
なお、これら貫通孔を形成した後、現像時の残渣除去を目的として、プラズマ処理を行ってもよい。
次に、図8に示すように、シード層122b上に、電解めっきにより導体層123を形成する。導体層123は、機能デバイス20との接合用の電極を構成する。導体層123を形成するための電解めっきとしては、例えば、電解ニッケルめっき、電解銅めっき、電解クロムめっき、電解Pdめっき、電解金めっき、電解ロジウムめっき、及び電解イリジウムめっき等が挙げられる。これらの中でも、電解銅めっきは、簡便且つ安価で、良好な電気伝導性を達成できることから望ましい。
導体層123は、上記の通り、機能デバイス20との接合用の電極となる。そのため、導体層123の厚さは、はんだ接合の観点から1μm以上であることが望ましく、生産性の観点から30μm以下であることが望ましい。
次に、図9に示すように、レジスト層221を除去する。レジスト層221は、例えば、ドライエッチング法によって除去するか、又は、アルカリ性の溶液や溶剤に浸漬させることにより溶解させるか又は剥離する。
次に、図10に示すように、導体層123を包埋するように、絶縁樹脂層121を形成する。絶縁樹脂層121の材料は、感光性の樹脂であってもよく、非感光性の樹脂であってもよい。また、絶縁樹脂層121の材料は、後述する絶縁樹脂層124、128及び1201の材料と同一であってもよく、異なっていてもよい。
次に、図11に示すように、物理研磨、又は、物理研磨とCMP処理等の表面研磨とにより、導体層123の上面を露出させる。なお、このようにして得られる構造は、ダマシン工法で得ることもできる。
次に、図12に示すように、導体層123及び絶縁樹脂層121上に、導体層123の位置に貫通孔を有する絶縁樹脂層124を設ける。なお、絶縁樹脂層124の貫通孔は、絶縁樹脂層124の第2面、ここでは、絶縁樹脂層124の上面で開口した第2凹部R2である。第2凹部R2は、断面が矩形形状を有するように形成してもよいが、順テーパ形状に形成することが好ましい。順テーパ形状に形成すると、第2凹部R2内で不連続部を生じさせることなく、第1金属含有層1204a及び第2金属含有層1204bを形成することが容易になる。
絶縁樹脂層124は、例えば、感光性樹脂からなる。この感光性樹脂としては、例えば、レジスト層221について上述したのと同様の材料を使用することができる。また、貫通孔を有する絶縁樹脂層124は、例えば、レジスト層221について上述したのと同様の方法により形成することができる。
或いは、絶縁樹脂層124は、非感光性樹脂からなる。非感光性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、エポキシ樹脂又はそれらの変性物を用いることが可能である。ポリイミドなどの非感光性樹脂は、絶縁性及び機械特性に優れているのに加え、高い耐熱性を達成し得る。また、非感光性樹脂は、シリカ、アルミナ、ジルコニア等の無機粒子が充填剤(フィラー)として加えられてもよい。ここでは、一例として、非感光性樹脂として、非感光性のポリイミド樹脂を用いる。
非感光性樹脂は、液状であってもよく、フィルム状であってもよい。
液状の非感光性樹脂を用いる場合、絶縁樹脂層124は、例えば、スリットコート、カーテンコート、ダイコート、スプレーコート、静電塗布法、インクジェットコート、グラビアコート、スクリーン印刷、グラビアオフセット印刷、スピンコート、及びドクターコートから選ばれる方法により形成することができる。
絶縁樹脂層124として、フィルム状の非感光性樹脂を設ける場合は、ラミネート、真空ラミネート、真空プレスなどが適用できる。
ここでは、一例として、感光性のエポキシ樹脂をスピンコート法により導体層123及び絶縁樹脂層121上へ塗布する。感光性のエポキシ樹脂は、比較的低温で硬化させることができ、硬化に伴う収縮が少ないため、その後の微細パターン形成に有利である。また、ここでは、一例として、絶縁樹脂層124は、2μmの厚さに形成することとする。
なお、絶縁樹脂層124を形成した後、表面を平坦化するために、物理研磨に供するか、又は、物理研磨と及びCMP等の研磨とに供してもよい。
次に、図13に示すように、絶縁樹脂層124及び導体層123上に、無機絶縁層1202を形成する。無機絶縁層1202は、絶縁樹脂層124の上面と、第2凹部R2の内面とを被覆するように形成する。
無機絶縁層1202は、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)により形成する。無機絶縁層1202は、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素、フッ素を添加した酸化ケイ素、及び、炭素を添加した酸化ケイ素からなる群より選ばれる1以上の絶縁体からなる。
無機絶縁層1202の厚さは、50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましい。無機絶縁層1202を薄くすると、ピンホール等の不連続部を生じ易くなる。無機絶縁層1202の厚さは、1000nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましい。無機絶縁層1202を厚くすると、例えば、その成膜やエッチングによるその部分的な除去に、より長い時間が必要となる。
次に、図14に示すように、無機絶縁層1202上に、溝G’と、1以上が第2凹部R2と連通した貫通孔R1’とを有するダミー層2201を形成する。ダミー層2201の溝G’及び貫通孔R1’は、それぞれ、絶縁樹脂層1201の溝部G及び第1凹部R1に相当する。
ダミー層2201は、感光性樹脂からなる。この感光性樹脂としては、例えば、レジスト層221について上述したのと同様の材料を使用することができる。また、溝G’及び貫通孔R1’を有するダミー層2201は、例えば、レジスト層221について上述したのと同様の方法により形成することができる。
ダミー層2201が有する貫通孔R1’は、その上面における開口径が、絶縁樹脂層124の貫通孔のその上面における開口径と比較してより大きくなるように形成する。また、貫通孔R1’は、順テーパ形状に形成する。そして、溝G’も、長さ方向に垂直な断面が順テーパ形状を有するように形成する。
溝G’及び貫通孔R1’は、断面が矩形形状を有するように形成してもよいが、順テーパ形状に形成すると、溝G’及び貫通孔R1’内で不連続部を生じさせることなく、第1金属含有層1204a及び第2金属含有層1204bを形成することが容易になる。
また、溝G’及び貫通孔R1’を、断面が順テーパ形状を有するように形成した場合、それらの断面積を変更することなしに、断面を矩形状とした場合と比較して、絶縁樹脂層1201と無機絶縁層1202との接触面積が大きくなる。それ故、絶縁樹脂層1201と無機絶縁層1202との密着性を向上させることができる。同様に、絶縁樹脂層1201と導体層1203との密着性も向上させることができる。従って、層間剥離を生じ難くすることができる。
次いで、図15に示すように、無機絶縁層1202のうち、第2凹部R2内で露出した部分と、溝G’ 内で露出した部分と、貫通孔R1’内で露出した部分とを除去する。この除去は、例えば、ダミー層2201をマスクとして用いたドライエッチングによって行う。
次に、図16に示すように、ダミー層2201の上面と、第2凹部R2の内面と、溝G’ の内面と、貫通孔R1’の内面とを被覆した第1金属含有層1204aを形成する。続いて、第1金属含有層1204a上に、導体層1203と同じ材料からなるか又は導体層1203の材料と比較してイオン化傾向が小さい金属材料からなる第2金属含有層1204bを形成する。
第1金属含有層1204a及び第2金属含有層1204bは、それぞれ、シード密着層(又は密着層)及びシード層である。第1金属含有層1204a及び第2金属含有層1204bには、それぞれ、密着層122a及びシード層122bについて上述したのと同様の材料を使用することができる。また、第1金属含有層1204a及び第2金属含有層1204bは、それぞれ、密着層122a及びシード層122bについて上述したのと同様の方法により形成することができる。
ここでは、一例として、第1金属含有層1204aとして厚さが50nmのチタン層を形成するとともに、第2金属含有層1204bとして厚さが300nmの銅層を形成することとする。なお、チタン層と銅層との間には、別の金属を含んだ層を介在させてもよい。また、チタン層は、酸化されていてもよい。即ち、第1金属含有層1204aは酸化チタン層であってもよい。
次に、図17に示すように、第2金属含有層1204b上に導体層1203を形成する。導体層1203は、第2凹部R2と溝G’及び貫通孔R1’とを埋め込むように形成する。導体層1203は、導体層123について上述したのと同様の方法により形成することができる。ここでは、一例として、導体層1203は、電解めっきによって形成した銅層であるとする。
次に、図18に示すように、導体層1203、第2金属含有層1204b、及び第1金属含有層1204aを、物理研磨及びCMP等の研磨に供して、導体層1203、第2金属含有層1204b、及び第1金属含有層1204aのうち、第2凹部R2、溝G’又は貫通孔R1’外に位置した部分を除去する。なお、この研磨に伴い、ダミー層2201の上面近傍の部分も除去され得る。
以上のようにして、導体層1203のうち、第2凹部R2を埋め込んだ部分、貫通孔R1’を埋め込んだ部分、及び溝G’を埋め込んだ部分を、それぞれ、ビア部1203V、ランド部1203L及び配線部1203Wとして得る。
次に、図19に示すように、ダミー層2201を除去する。ダミー層2201は、ドライエッチング法やアルカリ性の溶液や溶剤に浸漬することで除去できる。
次いで、図20に示すように、導体層1203を被覆するとともに、ランド部1203L及び配線部1203Wの間の隙間を埋め込んだ絶縁樹脂層1201を設ける。絶縁樹脂層1201には、第2凹部R2としての貫通孔を形成する。なお、絶縁樹脂層1201のうち、絶縁樹脂層1201の下面及び上面は、それぞれ、第1面S1及び第2面S2である。また、絶縁樹脂層1201のうちランド部1203Lで埋め込まれた凹部は、上述した第1凹部R1である。そして、絶縁樹脂層1201のうち配線部1203Wで埋め込まれた凹部は、上述した溝部Gである。
絶縁樹脂層1201は、感光性樹脂又は非感光性樹脂からなる。この感光性樹脂又は非感光性樹脂としては、例えば、レジスト層221及び絶縁樹脂層124について上述したのと同様の材料を使用することができる。また、第1凹部R1、第2凹部R2及び溝部Gを有する絶縁樹脂層1201は、例えば、レジスト層221及び絶縁樹脂層124について上述したのと同様の方法により形成することができる。
なお、絶縁樹脂層1201を形成するのに先立ち、無機絶縁層1202及び第1金属含有層1204a上にシランカップリング剤からなる層を形成してもよい。シランカップリング剤からなる層を設けることで、絶縁樹脂層1201と無機絶縁層1202及び第1金属含有層1204aとの密着性が向上する。それらの密着性が向上すると、多層配線基板12が、例えば熱により反りを生じた場合であっても、導体層1203と絶縁樹脂層1201との間での層間剥離や、無機絶縁層1202と絶縁樹脂層1201との間での層間剥離を生じ難くなる。
以上のようにして、絶縁樹脂層1201と、無機絶縁層1202と、導体層1203と、第1金属含有層1204aと、第2金属含有層1204bとを含んだ層120を得る。
その後、図13乃至図20を参照しながら説明した工程からなるシーケンスを繰り返す。これにより、図21乃至図28に示す構造を順次得る。即ち、2つの層120を含んだ多層配線構造を得る。なお、上記のシーケンスを更に1回以上繰り返すと、多層配線構造が含む層120の数を3以上とすることができる。
次に、図29に示すように、上方の層120が含んでいる絶縁樹脂層1201の上面と、その第1凹部R1の内面とを被覆した密着層125aを形成する。続いて、密着層125a上に、導体層126と同じ材料からなるか又は導体層126の材料と比較してイオン化傾向が小さい金属材料からなるシード層125bを形成する。
密着層125a及びシード層125bには、それぞれ、密着層122a及びシード層122bについて上述したのと同様の材料を使用することができる。また、密着層125a及びシード層125bは、それぞれ、密着層122a及びシード層122bについて上述したのと同様の方法により形成することができる。
次いで、図30に示すように、シード層125b上に、貫通孔を有しているレジスト層228を形成する。レジスト層228の貫通孔の各々は、上方の層120が含んでいる絶縁樹脂層1201に設けられた第1凹部R1と連通している。
レジスト層228は、感光性樹脂からなる。この感光性樹脂としては、例えば、レジスト層221について上述したのと同様の材料を使用することができる。また、貫通孔を有するレジスト層228は、例えば、レジスト層221について上述したのと同様の方法により形成することができる。
次に、図31に示すように、シード層125b上に導体層126を形成する。導体層126は、例えば、導体層123について上述したのと同様の方法により形成することができる。
その後、図32に示すように、レジスト層228を除去する。レジスト層228は、例えば、レジスト層221について上述したのと同様の方法により除去することができる。
次に、図33に示すように、密着層125a及びシード層125bの露出部を除去する。密着層125a及びシード層125bの露出部は、例えば、導体層126をエッチングマスクとして用いたエッチングにより除去する。
次に、図34に示すように、絶縁樹脂層1201及び導体層126上に絶縁樹脂層128を形成する。絶縁樹脂層128は、導体層126の位置に貫通孔を有している。絶縁樹脂層は、例えば、絶縁樹脂層1201及び導体層126上にソルダーレジストを設け、これに露光及び現像を施すことにより形成することができる。なお、ソルダーレジストから得られる絶縁層は、ソルダーレジスト層ともいう。
ソルダーレジストの材料としては、例えば、エポキシ樹脂やアクリル樹脂などの絶縁樹脂を用いることができる。ここでは、一例として、ソルダーレジストとして、フィラーを含有した感光性エポキシ樹脂を使用することとする。
次に、図35に示すように、導体層126上に表面処理層127を設ける。表面処理層127は、導体層126の表面の酸化防止及びはんだに対する濡れ性向上の目的で設ける。ここでは、一例として、表面処理層127として無電解Ni/Pd/Auめっき層を形成することとする。
表面処理層127としては、OSP(Organic Solderability Preservative)膜、即ち、水溶性プレフラックスによる表面処理層を形成してもよい。或いは、表面処理層127として、無電解スズめっき又は無電解Ni/Auめっき層を形成してもよい。
次いで、表面処理層127上に、接合用導体129を形成する。接合用導体129は、例えば、はんだバンプなどの金属バンプである。接合用導体129は、例えば、はんだボールなどのはんだ材料を表面処理層127上へ配置し、これらを溶融させ、その後、冷却して表面処理層127に固着させることにより形成することができる。
以上のようにして、支持体2によって支持された多層配線基板12、即ち、支持体付き多層配線基板を得る。
このようにして得られる支持体付き多層配線基板を使用すると、図1に示すパッケージ化デバイス1は、例えば、以下の方法により製造することができる。
図36は、本発明の一実施形態に係るパッケージ化デバイスの製造方法における一工程を概略的に示す断面図である。図37は、本発明の一実施形態に係るパッケージ化デバイスの製造方法における他の工程を概略的に示す断面図である。図38は、本発明の一実施形態に係るパッケージ化デバイスの製造方法における更に他の工程を概略的に示す断面図である。
先ず、図36に示すように、支持体2によって支持された多層配線基板12とFC-BGA基板11とを接合する。次いで、それらの接合部を、図1に示す封止樹脂層13で封止する。
封止樹脂層13の材料としては、例えば、樹脂とフィラーとの混合物を使用することができる。樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、オキセタン樹脂、及びマレイミド樹脂の1種又はこれらの樹脂の2種以上の混合物を使用することができる。フィラーとしては、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、及び酸化亜鉛の1種又はこれらの2種以上を使用することができる。封止樹脂層13は、例えば、液状の材料をFC-BGA基板11と多層配線基板12との間に充填させることにより形成することができる。
以上のようにして、FC-BGA基板11と多層配線基板12とを含んだ複合配線基板10を得る。なお、この時点では、多層配線基板12上には、支持体2が設けられたままである。
次いで、図37に示すように、支持体2側から剥離層3にレーザー光LBを照射して、図38に示すように、支持体2と複合配線基板10とを互いから剥離する。剥離層3が複合配線基板10上に残留した場合には、例えば、エッチングによって除去する。また、密着層122a及びシード層122bも、例えば、エッチングにより除去する。
その後、複合配線基板10へ、図1に示す機能デバイス20を接合する。
機能デバイス20の接合に先立って、表面に露出した導体層123上に、酸化防止及びはんだに対する濡れ性向上の目的で、無電解Ni/Pd/Auめっき層、OSP膜、無電解スズめっき層、及び無電解Ni/Auめっき層などの表面処理層を設けてよい。
次いで、それらの接合部を、封止樹脂層30で封止する。
封止樹脂層30の材料としては、例えば、封止樹脂層13の材料として例示したものを使用することができる。封止樹脂層30は、例えば、封止樹脂層13について上述したのと同様の方法により形成することができる。
以上のようにして、図1に示すパッケージ化デバイス1が完成する。
上記の方法では、多層配線基板12をFC-BGA基板11へ接合した後に、機能デバイス20を多層配線基板12へ接合している。その代わりに、機能デバイス20を多層配線基板12へ接合した後に、多層配線基板12をFC-BGA基板11へ接合してもよい。
<効果>
シリコンインターポーザ技術によって得られるインターポーザ、所謂シリコンインターポーザは、シリコンウェハと半導体前工程用の設備とを用いて製造されている。シリコンウェハは、形状及びサイズに制限があり、1枚のウェハから製造できるインターポーザの数は、必ずしも多くはない。そして、その製造設備も高価である。それ故、シリコンインターポーザは高価である。また、シリコンウェハは半導体であることから、シリコンインターポーザを使用すると、伝送特性が劣化するという問題もある。
上記の多層配線基板12の製造に、シリコンウェハは不要である。また、多層配線基板12では、絶縁層の多くを絶縁樹脂層とすることができる。それ故、上記の多層配線基板12は、安価な材料及び設備で製造することができ、低コスト化が可能であり、また、優れた伝送特性も達成し得る。
微細な配線パターンを有する導体層を含んだ多層配線構造をFC-BGA基板に直接作り込む手法は、シリコンインターポーザに見られる伝送特性の劣化は小さい。しかしながら、この手法には、FC-BGA基板自体の製造歩留まりの問題や、ガラスエポキシ基板などのコア層上に、微細な配線パターンを有する導体層を含んだ多層配線構造を形成する難易度が高いため、全体的に製造歩留まりが低いという課題がある。更に、このFC-BGA基板では、その厚さを二等分する平面に対して高い対称性を実現することは難しい。それ故、そのようなFC-BGA基板は、加熱時に反りや歪みを生じ易い。
上記の複合配線基板10及びパッケージ化デバイス1の製造においては、FC-BGA基板11とは別に、多層配線基板12を製造し、それらを互いに接合する。微細な配線パターンを有する導体層1203を含んだ多層配線構造は、FC-BGA基板11には作り込まず、多層配線基板12に作り込む。それ故、上記の複合配線基板10及びパッケージ化デバイス1は、高い歩留まりで製造可能である。
また、複合配線基板10の製造において、微細な配線パターンを有する導体層1203を含んだ多層配線構造は、ガラスエポキシ基板などのコア層上に形成するのではなく、支持体2上に形成する。支持体2として平滑性に優れたものを使用することができるため、その上に形成する微細パターン等は高い形状精度で形成可能である。このような理由でも、上記の複合配線基板10及びパッケージ化デバイス1は、高い歩留まりで製造可能である。
また、上記の複合配線基板10及びパッケージ化デバイス1では、FC-BGA基板11において、その厚さを二等分する平面に対して高い対称性を実現することは容易であり、また、多層配線基板12においても、その厚さを二等分する平面に対して高い対称性を実現することは容易である。それ故、上記の複合配線基板10及びパッケージ化デバイス1は、加熱時に反りや歪みを生じ難い。
また、セミアディティブ法では、ランド部1203L及び配線部1203Wをマスクとして用いたエッチングにより、第1金属含有層1204a及び第2金属含有層1204bをパターニングする。それ故、セミアディティブ法では、ランド部1203L及び配線部1203Wの表面は、このエッチングによってダメージを受ける。即ち、表面粗さが大きくなる。ランド部1203L及び配線部1203Wの表面、特には配線部1203Wの表面粗さが大きくなると、伝送特性が低下する。
これに対し、上記の多層配線基板12の製造では、ダミー層や絶縁樹脂層からなる下地層に凹部や溝を設けておき、下地層の上面並びに凹部や溝の内面に第1金属含有層1204a、第2金属含有層1204b及び導体層1203を順次形成し、その後、これら層のうち凹部や溝の外側に位置した部分を研磨によって除去することにより、ビア部1203V、ランド部1203L及び配線部1203Wを形成する。即ち、上記の多層配線基板12の製造では、第1金属含有層1204a及び第2金属含有層1204bをパターニングするためのエッチングは行わない。それ故、このエッチングによって、ビア部1203V、ランド部1203L及び配線部1203Wの表面がダメージを受けることはなく、それらは滑らかな表面を有している。従って、上記の多層配線基板12は、優れた伝送特性を達成し得る。
また、上記の多層配線基板12では、層120の各々は、無機絶縁層1202を含んでいる。無機絶縁層1202を設けると、ダミー層2201を除去するためのエッチングによる絶縁樹脂層124のダメージを小さくすることができる。また、無機絶縁層1202を設けると、多層配線基板12の剛性が高まり、その反りや撓みが生じ難くなる。
そして、無機絶縁層1202は、絶縁樹脂層間での金属の拡散を生じ難くする。それ故、上記の多層配線基板12は、優れた絶縁信頼性を達成し得る。
更に、上記の多層配線基板12では、ビア部1203V、ランド部1203L及び配線部1203Wの側面及び下面は、第1金属含有層1204a及び第2金属含有層1204bで覆われている。第1金属含有層1204a及び第2金属含有層1204bは、導体層1203から絶縁樹脂層1201等への金属の拡散を抑制する。それ故、このような理由でも、上記の多層配線基板12は、優れた絶縁信頼性を達成し得る。
<効果の検証>
上記の多層配線基板12が奏する効果を、以下に説明する方法で検証した。
(実施例)
図2乃至図4を参照しながら説明した多層配線基板12を、図5乃至図35を参照しながら説明した方法により製造した。ここでは、配線ルールはL/S=2μm/2μmとした。
(比較例)
図39は、比較例に係る多層配線基板を概略的に示す断面図である。図40は、図39に示す多層配線基板の一部を拡大して示す断面図である。図41は、図39に示す多層配線基板の他の一部を拡大して示す断面図である。
図39乃至図41に示す多層配線基板12’は、以下の点を除き、実施例に係る多層配線基板12と同様である。
即ち、多層配線基板12’は、層120の代わりに層120’を含んでいる。各層120’は、絶縁樹脂層1201と、第1金属含有層1204aと、第2金属含有層1204bとを含んでいるが、無機絶縁層1202を含んでいない。そして、第1金属含有層1204aと、第2金属含有層1204b及び導体層1203の形成に、従来のセミアディティブ法を利用したため、ランド部1203L及び配線部1203Wの側面は、第1金属含有層1204a及び第2金属含有層1204bによって覆われていない。また、ランド部1203L及び配線部1203Wの断面は、略矩形形状を有している。これらの点を除けば、比較例に係る多層配線基板12’は、実施例に係る多層配線基板12と同様である。
(試験)
バイアス:3.3V、130℃/85%RHの環境下で評価を実施した。このバイアス及び環境下で192時間経過した時点で、抵抗値が106Ω以上であることを合格条件とした。実施例及び比較例の各々について、評価数はN=10とした。
その結果、比較例に係る多層配線基板12’は、何れも96時間時点で絶縁不良が確認された。一方、実施例に係る多層配線基板12の何れも、192時間経過後における抵抗値は106Ω以上を示し、良好な絶縁信頼性を示した。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
互いに積層された2以上の層を備え、前記2以上の層の各々は、
第1面とその裏面である第2面とを有した絶縁樹脂層であって、前記第1面で開口した第1凹部、前記第1面で開口した溝部、及び、前記第2面で開口し、前記第1凹部の1以上と連通した第2凹部が設けられ、厚さ方向に一体に形成された絶縁樹脂層と、
前記第1面を被覆した無機絶縁層と、
前記絶縁樹脂層の前記第1凹部及び前記溝部をそれぞれ埋め込んだランド部及び配線部と、前記ランド部の位置で前記第1面から突出したビア部とを含み、前記ビア部は、前記第1面側で隣接した他の絶縁樹脂層の凹部を埋め込んだ導体層と
を含んだ多層配線基板。
[2]
前記無機絶縁層は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素、フッ素を添加した酸化ケイ素、及び、炭素を添加した酸化ケイ素からなる群より選ばれる1以上の絶縁体を含んだ項1に記載の多層配線基板。
[3]
前記2以上の層の各々は、前記ランド部、前記配線部及び前記ビア部の側面、前記配線部のうち前記溝部の開口側の面、並びに、前記ランド部のうち前記第1面側の面の周縁部を被覆した第1金属含有層を更に含んだ項1又は2に記載の多層配線基板。
[4]
前記第1金属含有層はチタンを含有した項3に記載の多層配線基板。
[5]
前記2以上の層の各々は、前記第1金属含有層と前記導体層との間に介在し、前記導体層と同じ材料からなるか又は前記導体層の材料と比較してイオン化傾向が小さい金属材料からなる第2金属含有層を更に含んだ項3又は4に記載の多層配線基板。
[6]
前記第1凹部及び前記溝部の断面は逆テーパ形状を有し、前記第2凹部の断面は順テーパ形状を有している項1乃至5の何れか1項に記載の多層配線基板。
[7]
第1配線基板と、前記第1配線基板に接合された第2配線基板とを備え、前記第1及び第2配線基板は、それらの間に介在した接合電極を介して互いに電気的に接続され、第2配線基板は、項1乃至6の何れか1項に記載の多層配線基板である複合配線基板。
[8]
前記第1配線基板はフリップチップボールグリッドアレイ用配線基板であり、前記第2配線基板はインターポーザである項7に記載の複合配線基板。
[9]
項7又は8に記載の複合配線基板と、
前記第2配線基板の前記第1配線基板とは反対側の面に実装された機能デバイスと
を備えたパッケージ化デバイス。
[10]
積層された2以上の層を形成することを含み、前記2以上の層の各々の形成は、
絶縁樹脂層に凹部を形成することと、
前記絶縁樹脂層の上面と前記凹部の内面とを被覆した無機絶縁層を形成することと、 前記無機絶縁層上に、溝と、1以上が前記凹部と連通した貫通孔とを有するダミー層を形成することと、
前記無機絶縁層のうち、前記凹部、前記溝及び前記貫通孔内で露出した部分を除去することと、
前記ダミー層上に、前記凹部と前記溝と前記貫通孔とを埋め込むように、導体層を形成することと、
前記凹部、前記溝、又は前記貫通孔外に位置した部分が除去されるように前記導体層を研磨して、前記導体層のうち、前記凹部を埋め込んだ部分、前記貫通孔を埋め込んだ部分、及び、前記溝を埋め込んだ部分を、それぞれ、ビア部、ランド部及び配線部として得ることと、
その後、前記ダミー層を除去することと、
前記導体層を被覆するとともに、前記ランド部及び前記配線部の間の隙間を埋め込んだ絶縁樹脂層を設けることと
を含んだ多層配線基板の製造方法。
[11]
前記無機絶縁層は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素、フッ素を添加した酸化ケイ素、及び、炭素を添加した酸化ケイ素からなる群より選ばれる1以上の絶縁体を含んだ項10に記載の多層配線基板の製造方法。
[12]
前記凹部、前記溝及び前記貫通孔は、順テーパ形状の断面を有するように形成する項10又は11に記載の多層配線基板の製造方法。
[13]
前記2以上の層の各々の形成は、前記導体層を形成する前に、前記ダミー層の上面と、前記凹部、前記溝、及び前記貫通孔の内面とを被覆した第1金属含有層を形成することを更に含んだ項10乃至12の何れか1項に記載の多層配線基板の製造方法。
[14]
前記第1金属含有層はチタンを含有した項13に記載の多層配線基板の製造方法。
[15]
前記2以上の層の各々の形成は、前記導体層を形成する前に、前記第1金属含有層上に、前記導体層と同じ材料からなるか又は前記導体層の材料と比較してイオン化傾向が小さい金属材料からなる第2金属含有層を形成することを更に含んだ項13又は14に記載の多層配線基板の製造方法。