JP7658563B2 - 移動体通過判定システム及び判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、所定の通過判定対象領域を所定方向に向かって通過する移動体、例えばバ ス等の公共交通機関及び公共施設等の乗降者・利用者数を計測することができる移動体通過判定システム及び判定方法に関する。
公共交通機関、公共施設、商業施設等において、利用者の正確な人数把握は重要な要件となっている。公共交通機関、特にバスの乗降に論点を絞ると、一般的に利用者把握については、昇降口に設置された赤外線等のセンサの信号を基に集計を行うことが通常である。センサの前を人物が通過すると、集計装置内のカウントが1つ上がるので、乗車口及び降車口に設置すれば、乗車(降車)人数が把握できる仕組みである。バスで多く利用されているこのシステムは、センサを設置した点の通過情報のみが入手可能であり、その点からの引き返しや停留に対応できない。また、装置の導入においては、赤外線センサのコストや駆動電力も考慮に入れる必要がある。さらに、多くの場合システム自体がインターネット等に繋がれていないことが多く、集計結果は運行終了後に利用可能となる場合が多い。よって、運行中に人数を把握するには他のIoT機器と同様にインターネットに接続できることが望まれている。
また、別の方法として、乗降口にカメラを設置し、カメラから得られた画像によって人物判定を行う手法も存在する。入力画像を処理し、人物判定を行い、乗車人数を割り当てる。この方法を用いた場合、上述した赤外線センサを用いる場合での引き返しや停留に対する問題点を克服することができるが、画像処理による正確な人物判定には多くの計算資源(データ処理能力)が必要であり、これは設置機器のコスト増につながることや、人物撮影に対するプライバシー保護といった問題が新たに発生する。なお、人物判定処理をインターネット上のサーバにて行う場合には画像転送に対するネットワークトラフィックの増大が問題となる。したがって、設置機器内で人物判定処理が可能となる仕組みが必要である。
また、乗降人数を正確に把握し、その情報をサーバへ転送してバスの混雑状況の表示や効率的な運行計画の立案には、センサからの信号又はカメラ画像の処理をバス内の設置機器のみで行い、得られた乗車人数に関する情報をインターネットを通じてサーバへアップロードする仕組みが必要とされている。
近年、公共交通機関における乗降者管理するシステムとして、車内改札支援システムが提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1が開示している車内改札支援システムは、鉄道及び軌道ならびにバス車両の乗降口に対応して配置される乗車処理用改札装置と降車処理用改札装置と通過センサと撮影装置とこれらを制御する制御装置と、この制御装置に接続される映像蓄積サーバと、映像蓄積サーバに接続される車内用無線装置と、車内用無線装置との通信を行う車内改札係員が携帯する映像表示端末と、制御装置に接続される改札対象人数管理装置と、この改札対象人数管理装置に接続される改札対象人数表示装置とを備えている。
また、バスにおける乗降計測のため、路線バス乗降計測システムも提案されている(例えば、非特許文献1)。この路線バス乗降計測システムは、レーザースキャナーとシングルボードコンピュータを組み合わせてバスの乗降判定を行うものであり、背景差分法を用いて物体表面に相当する点群を抽出すると共に、その点群から人体表面に相当する点群を検出する。それに基づき各乗降客の点群を追跡し、扉通過を検知することで乗降者数の計測を実現している。
特開2009-217322号公報
山田遊馬, 外3名,"測域センサを利用した高精度な路線バス乗降計測システム", 情報処理学会論文誌,2019年3月,Vol.60,No.3,p p.934-944
しかしながら、特許文献1に開示されている車内改札支援システムは、通過センサを取り付けて乗降の際に運賃支払いを同時に行うものであるため、機器やシステムの構成が大規摸になり、さらに、ICカードやキャッシュレス決済等の支払いシステムの構築が必要となる問題点があった。
また、非特許文献1に開示されている路線バス乗降計測システムは、検知にレーザースキャナーを使用するため、機器導入に特殊性があり、比較的に高価なシステム構成となるという問題点があった。
従って、本発明の目的は、簡単な構成で、かつ低コストで実現できる移動体通過判定システム及び判定方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、移動体が通過判定対象領域から引き返しや停留に対応可能で、正確に通過判定を行うことができる移動体通過判定システム及び判定方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、複数の移動体が通過判定対象領域を通過する場合に対応可能であり、正確に通過判定を行うことができる移動体通過判定システム及び判定方法を提供することにある。
本発明によれば、移動体通過判定システムは、所定の通過判定対象領域を所定方向に向かって通過する移動体の計数を行う移動体通過判定システムであって、通過判定対象領域の移動体の通過方向を横切る方向の片側の少なくとも通過方向に沿って配置され、異なるパターンを有する複数のARマーカーと、通過判定対象領域の複数のARマーカーと対向する側に配置され、通過判定対象領域を通過する移動体及び複数のARマーカーを撮影する撮影手段と、撮影手段により撮影した画像の画像信号に基づいて移動体の通過を判定する通過判定手段と、通過判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備え、通過判定手段は、移動体が通過判定対象領域を通過する際に、撮影手段で撮影された複数のARマーカーが隠された数に基づいて、移動体の通過を判定するように構成されている。
2次元バーコードであるAR(Augmented Reality、拡張現実)マーカーと、撮影手段とを用い、移動体(人物又は物体)が通過判定対象領域を通過する際に、撮影手段で撮影された複数のARマーカーが隠された数に基づいて、移動体の通過(方向及び計数)を判定するように構成されていることにより、簡単な構成で、かつ低コストで実現できる。また、移動体の通過判定対象領域での停留は判定には直接に影響しない。
通過判定手段は、移動体が通過判定対象領域を通過する際に、撮影手段で撮影された複数のARマーカーの隠れ順に基づいて移動体の通過方向を判定することが好ましい。
通過判定対象領域の通過方向と垂直する縦方向に沿って、異なるパターンを有する複数のARマーカーがさらに配置され、通過判定手段は、移動体が通過判定対象領域を通過する際に、撮影手段で撮影された縦方向の複数のARマーカーが隠された数に基づいて、移動体の通過を判定するように構成されていることが好ましい。これにより、移動体Pの縦方向の大きさの差異に対応可能となる。
通過判定手段は、移動体が通過判定対象領域から引き返した際に、この移動体の通過判定の処理をキャンセルするように構成されていることも好ましい。これにより、移動体が通過判定対象領域から引き返しに対応可能で、正確に通過判定を行うことができる。
複数のARマーカーは、複数の移動体が通過判定対象領域を通過する場合、隣接する2つの移動体の間に少なくとも1つのARマーカーが隠されていない状態を確保するように、移動体の通過方向に所定間隔を設けて配置され、通過判定手段は、複数の移動体が通過判定対象領域を通過する際に、隠される複数のARマーカーのパターンが連続するよう各々をスレッドに分離し、予め定義された禁止遷移及び同一のスレッドに辿り着く複数のスレッドの優先順位に基づいて、複数の移動体の通過を判定するように構成されていることも好ましい。これにより、複数の移動体が通過判定対象領域に通過する際に、正確に通過判定を行うことができる。
本発明によれば、移動体通過判定方法は、所定の通過判定対象領域を所定方向に向かって通過する移動体の計数を行う移動体通過判定方法であって、通過判定対象領域の移動体の通過方向を横切る方向の片側の少なくとも通過方向に沿って配置され、異なるパターンを有する複数のARマーカー及び通過判定対象領域を通過する移動体を撮影し、移動体が通過判定対象領域を通過する際に、撮影手段で撮影された複数のARマーカーが隠された数に基づいて、移動体の通過を判定する。これにより、簡単な構成で、かつ低コストで実現できる。また、移動体の通過判定対象領域での停留は判定には直接に影響しない。
移動体が通過判定対象領域を通過する際に、撮影された複数のARマーカーの隠れ順に基づいて移動体の通過方向を判定することも好ましい。
通過判定対象領域の通過方向と垂直する縦方向に沿って、異なるパターンを有する複数のARマーカーをさらに配置し、移動体が通過判定対象領域を通過する際に、撮影された縦方向の複数のARマーカーが隠された数に基づいて、移動体の通過を判定することも好ましい。
移動体が通過判定対象領域から引き返した際に、この移動体の通過判定の処理をキャンセルすることも好ましい。これにより、移動体が通過判定対象領域から引き返しに対応可能で、正確に通過判定を行うことができる。
複数のARマーカーを、複数の移動体が通過判定対象領域を通過する場合、隣接する2つの移動体の間に少なくとも1つのARマーカーが隠されていない状態を確保するように、移動体の通過方向に所定間隔を設けて配置し、複数の移動体が通過判定対象領域を通過する際に、隠される複数のARマーカーのパターンが連続するよう各々をスレッドに分離し、予め定義された禁止遷移及び同一のスレッドに辿り着く複数のスレッドの優先順位に基づいて、複数の移動体の通過を判定することも好ましい。これにより、複数の移動体が通過判定対象領域に通過する際に、正確に通過判定を行うことができる。
本発明によれば、ARマーカーと、撮影手段とを用い、移動体(人物又は物体)が通過判定対象領域を通過する際に、撮影手段で撮影された複数のARマーカーが隠された数に基づいて、移動体の通過(方向及び計数)を判定するように構成されていることで、従来のように赤外線センサのような専用センサを用いることなく、非常に小型のカメラモジュール及びPCの機能を持つ小型基板(シングルボードコンピュータ)を用いることが可能なため、簡単な構成で、かつ低コストで実現できる。また、通過判定には、複数のARマーカーの隠れるパターンを用いているため、通過途中の引き返しや停留に対して、それを除外するあるいは余分にカウントしない処理の導入が可能となっている。そのため、移動体が通過判定対象領域から引き返しや停留に対応可能で、正確な通過判定が容易に実現できる。さらに、携帯電話回線を利用したモバイルルータを介してインターネットへの接続が可能である。
即ち、本発明は、通過判定に2次元バーコードであるARマーカーを用い、ARマーカーを判定に必要な規則に従って配置し、撮影動画内のマーカーの隠れるパターンにより移動体(人物又は物体)が通過したことを判定するものである。ARマーカーの配置は対象となる乗降口の規模により延長可能であり、通過パターンの定義により正確な通過判定が行える。ARマーカーは通常のPCプリンタで印刷可能であり、シール等に印刷すれば必要箇所への貼り付けが容易となる。撮影に用いるカメラに必要とされる機能は動画をある程度の解像度と周期(fps)で撮影可能な性能であり、これを満たすために汎用のカメラモジュール又はスマートフォン内蔵のカメラ等で代用が可能である。よって、本発明は、撮影した動画内の画像がどのように変化しているかを処理するものではなく、複数のARマーカーの隠れるパターンのみを認識するアルゴリズムによって通過判定処理を行うため、必要とされる処理能力が圧倒的に抑えられる利点がある。そのためカメラを接続する想定のシングルボードコンピュータでの通過判定処理が十分な余裕を持って行えるものである。
また、設置状況に汎用性を持たせるため、複数のARマーカーの配置については、通過方向に沿って拡張が可能なように定義してあり、ARマーカーの数が増加した際にもその通過判定パターンは一般化されたものとしてプログラムコードの作成が可能である。これらのことから、本発明は低コストかつ容易な設置条件でバスの乗降口へ設置することができ、その判定処理についても引き返しや停留に対応可能な広い適用範囲を持つものである。さらに、システムを構築することが想定される機器構成から他のIoT機器と同様、容易にインターネットへ接続し、得られた乗降人数の情報に即時性を持たせることが可能となっている。
本発明の一実施形態における移動体通過判定システムの構成を概略的に示すイメージ図である。 図1の移動体通過判定システムの電気的構成を概略的に示すブロック図である。 図1の実施形態における移動体通過判定方法を説明するための概念図である。 移動体の大きさがマーカー1個分の場合の通過状態とARマーカー隠れの関係を示す図である。 移動体の大きさがマーカー2個分の場合の通過状態とARマーカー隠れの関係を示す図である。 移動体の大きさがマーカー3個分の場合の通過状態とARマーカー隠れの関係を示す図である。 図1の移動体通過判定システムの動作を説明するフローチャートである。 本発明の他の実施形態における移動体通過判定方法を説明するための概念図である。 本発明の他の実施形態における移動体通過判定方法を説明するための概念図である。 複数の移動体の通過パターンをスレッドに分解する例を説明するための概念図である。 複数の移動体の通過における各々のパターンのとりうる遷移の組み合わせを説明するための概念図である。
以下、本発明に係る移動体通過判定システム及び判定方法の実施形態を、図を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態における移動体通過判定システム100の構成を概略的に示しており、図2は移動体通過判定システム100の電気的構成を概略的に示している。
図1及び図2に示すように、本実施形態における移動体通過判定システム100は、複数のARマーカー10と、通過判定対象領域Fの複数のARマーカー10と対向する側に配置され、通過判定対象領域Fを通過する移動体(人物又は物体)P及び複数のARマーカー10を撮影する撮影手段20と、撮影手段20により撮影した画像の画像信号に基づいて移動体Pの通過(方向及ぶ計数)を判定する通過判定手段30と、通過判定手段30による判定結果を出力する出力手段40とを備えている。この移動体通過判定システム100は、設置形態として、例えば、バスの乗降口や公共施設の入場ゲート等、1メートル前後の間口の出入り口を想定の対象とし、通過する移動体Pは基本的に一度に1つだけとする。この出入り口の通路の片側に複数のARマーカー10を配置し、通路の反対側に撮影手段20を設置し、そして通路の反対側から複数のARマーカー10の撮影を行う。
複数のARマーカー10は、例えば、3つの2次元バーコードから構成されている。この3つのARマーカー10は、それぞれ異なるパターンを有するように形成されている。3つのARマーカーは判定に必要な規則に従って配置されている。即ち、通過判定対象領域Fの移動体Pの通過方向を横切る方向の片側の側壁W1に通過方向に沿って配置されている。また、3つのARマーカー10には、それぞれID(例えば、左側から「1」、[2]、[3])が付与されている。これらのARマーカー10は通常のパソコン用プリンタで印刷可能であり、シール等に印刷すれば必要箇所に簡単に貼り付けることができる。
撮影手段20は、通過判定対象領域Fの複数のARマーカー10と対向する側の側壁W2に配置され、通過判定対象領域Fを通過する移動体P及び複数のARマーカー10を撮影するものである。この撮影手段20は、動画をある程度の解像度と周期(fps)で撮影可能な小型のカメラモジュール、又はスマートフォン内蔵のカメラ等を用いることができる。また、撮影手段20は、撮影して得たデジタル画像信号を有線又は無線通信手段を介して通過判定手段30に転送するように構成されている。
通過判定手段30は、図2に示すように、表示部31と、送信部32と、受信部33と、入力部34と、データバス35と、格納部36と、処理部37とを備えたコンピュータから構成されている。通過判定手段30には、例えば、シングルボードコンピュータを用いることができる。
表示部31は、LCD(Liquid Crystal Display)又はELディスプレイ(Electroluminescence Display)等からなり、文字又は画像から構成されたメッセージ情報等を表示するように構成されている。なお、表示部31を設けなくても良い。
送信部32は、本実施形態の出力手段40を構成しており、処理部37において処理された判定結果等の出力信号を有線又は無線の通信ネットワークを介して外部へ送信するように構成されている。
受信部33は、撮影手段20から送信されたデジタル画像信号等の情報を受信するように構成されている。この受信部33により取得したデジタル画像信号(画像データ)は、格納部36に記憶される。また、受信部33は、有線又は無線の通信ネットワークを介して外部から制御信号を受信可能に構成されている。
入力部34は、キーボード又はタッチパネル等からなり、複数のARマーカー10のID等の登録情報、送受信アドレス、処理動作開始指令、その他必要な情報等を入力するためのものである。なお、入力部34は、必要なときのみ接続して設置しても良い。
データバス35は、表示部31、送信部32、受信部33、入力部34、格納部36、及び処理部37間に接続され、制御プログラムに従ってこれらの間でデータ転送可能にするために設けられている。
格納部36は、例えば、ハードデスク(HDD)、並びにRAM及びROMのメモリから主として構成される。この格納部36は、制御用プログラム格納部36a、画像データ格納部36b、ARマーカーID格納部36c、通過パターン格納部36d及び通過数格納部36eが設けられている。制御用プログラム格納部36aには、通過判定手段30の動作を制御するためのプログラムが格納されている。画像データ格納部36bには、撮影手段20により撮影された画像データが一時的に格納されている。ARマーカーID格納部36cは、予め複数のARマーカー10にそれぞれ付与されたIDが格納されている。通過パターン格納部36dは、予め登録された通過パターン、例えば、移動体Pの大きさがマーカー1個分の場合の通過パターン、移動体Pの大きさがマーカー2個分の場合の通過パターン及び移動体Pの大きさがマーカー3個分の場合の通過パターンが格納されている。また、通過判定するために、予め設定された隠れるマーカーの増加数の閾値が格納されている。通過数格納部36eは、通過数をカウントした結果が格納されている。
処理部37は、CPU(Central Processing Unit)を備え、制御用プログラムに従って移動体通過判定システム100の全体動作を制御すると共に、この制御プログラムによって、撮影手段20により撮影した画像から移動体Pにより隠れたARマーカーの数をカウントするマーカー隠れ数カウント手段37aと、マーカー隠れ数カウント手段37aのカウント結果に基づいて移動体Pの通過を判断する通過判断手段37bと、通過数をカウントする通過数カウント手段37cと、引き返し判断手段37dと、移動体Pが通過判定対象領域Fから引き返した際に、当該移動体Pの通過判定のカウント処理をキャンセルするキャンセル手段37eとを構築するように構成されている。処理部37において、画像内におけるARマーカーの判定は、周知の高速に行える画像演算ライブラリーを用いることができる。また、引き返し判断手段37dは、例えば、移動体Pが通過する際に複数のARマーカー10が隠れされる順番(即ち、通過パターン)を照合することで、引き返しを判断する。
以下、本実施形態における移動体通過判定システム100を用いて、移動体Pが通過判定対象領域Fを通過する際に通過判定を行う実施例について、図3から図7を参照して説明する。図3は本発明における移動体通過判定方法の概念図である。図4は移動体Pの大きさがマーカー幅1個分の場合の通過状態とARマーカー隠れの関係例を示しており、図5は移動体Pの大きさがマーカー幅2個分の場合の通過状態とARマーカー隠れの関係例を示しており、図6は移動体Pの大きさがマーカー幅3個分の場合の通過状態とARマーカー隠れの関係例を示している。図7は移動体通過判定システム100の動作を示している。
図3から図6に示すように、通過判定は、移動体Pが通過判定対象領域Fを通過する際に、移動体Pにより隠れるARマーカー10の数の増加とその閾値から行うようになっている。移動体Pが通過判定対象領域Fを通過する際に、移動体Pにより隠れるARマーカー10の数の増加は、例えば、図4から図6に示すように変化する。図4に示すように、移動体Pの大きさがマーカー幅1個分の場合の通過パターンは、(0,0,0)→(0,0,1)→(0,1,0)→(1,0,0)→(0,0,0)であり、図5に示すように、移動体Pの大きさがマーカー幅2個分の場合の通過パターンは、(0,0,0)→(0,0,1)→(0,1,1)→(1,1,0)→(1,0,0)であり、図6に示すように、移動体Pの大きさがマーカー幅3個分の場合の通過パターンは、(0,0,0)→(0,0,1)→(0,1,1)→(1,1,1)→(1,1,0)→(1,0,0)→(0,0,0)である。なお、上記の通過パターンは両端の(0,0,0)、(0,0,1)と(1,0,0)→(0,0,0)の部分は共通しており、通過する移動体Pの大きさに依存して中間状態のみが変化する。例えば、移動体Pの大きさがマーカー幅3個分の場合の通過パターンを(0,1,1)→(1,1,1)→(1,1,0)のように遷移するので、これに従って通過判定のための数値カウンタを加算していき、予め設定した閾値になった場合、「通過」として取り扱い、通過数を計測するようにしても良い。
図7に示すように、移動体通過判定システム100を用いて通過判定を行う場合、予め異なるパターンを有する複数のARマーカー10(例えば、3つのARマーカー)を通過判定対象領域Fの移動体Pの通過方向を横切る方向の片側壁面W1の通過方向に沿って配置する。移動体Pが通過判定対象領域Fを通過する際に、まず、撮影手段20によりARマーカー10を撮影する(ステップS1)。次いで、移動体Pが通過判定対象領域Fを通過する際に移動体Pにより隠れるARマーカー10の数をカウントする(ステップS2) 。例えば、左側から右へ通過する際に、一つ目のマーカーが隠れる際に、1をカウントし、2つ目のマーカーが隠れる際に、1をプラスしてカウントし、3つ目のマーカーが隠れる際に、さらに1をプラスしてカウントする。次いで、カウント数が予め設定された閾値(例えば、3とする)になったか否かを判断する(ステップS3)。ここで、カウント数が閾値になっていないと判断された場合は、ステップS2に戻り、上述した処理を繰り返し行う。一方、カウント数が閾値になったと判断された場合は、「通過」として取り扱い、通過数をカウントする処理を行う(ステップS4)。次いで、移動体Pが通過判定対象領域Fからの引き返しがあったか否かを判断する(ステップS5)。ここで、例えば、通過パターンの照合を行い、ARマーカー10の移動体Pによる隠れの逆方向(右から左へ、図4~図6の通過パターンと逆になる)変化があったか否かを判断し、引き返しの有無を判断する。引き返しがなかったと判断された場合は、ステップS6で通過数の計数結果を出力する。
一方、ステップS5で、移動体Pが通過判定対象領域Fからの引き返しがあったと判断された場合は、ステップS7で該移動体Pの通過に関するカウント処理をキャンセルし、ステップS6に進む。ここでのキャンセル処理は、例えば「-1」を加算し、カウント数を1つ減らす。
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、移動体通過判定システム100は、複数のARマーカー10と、通過判定対象領域Fの複数のARマーカー10と対向する側に配置され、通過判定対象領域Fを通過する移動体P及び複数のARマーカー10を撮影する撮影手段20と、撮影手段20により撮影した画像の画像信号に基づいて移動体Pの通過(方向及び計数)を判定する通過判定手段30と、通過判定手段30による判定結果を出力する出力手段40とを備えている。
これにより、従来のように赤外線センサのような専用センサを用いることなく、非常に小型のカメラモジュール及びPCの機能を持つ小型基板(シングルボードコンピュータ)を用いることが可能なため、簡単な構成で、かつ低コストで実現できる。また、通過判定には、複数のARマーカー10の隠れるパターンを用いているため、通過途中の引き返しや停留に対して、それを除外するあるいは余分にカウントしない処理の導入が可能となっている。そのため、移動体Pが通過判定対象領域Fからの引き返しや停留に対応可能で、正確な通過判定が容易に実現できる。さらに、携帯電話回線を利用したモバイルルータを介してインターネットへの接続が可能である。
なお、上述した実施形態において、複数のARマーカー10は、通過判定対象領域Fの移動体Pの通過方向を横切る方向の片側の少なくとも通過方向に沿って配置される構成例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図8に示すように、通過判定対象領域Fの通過方向と垂直する縦方向に沿って、異なるパターンを有する複数のARマーカー10及び10Aも配置され、通過判定手段30は、移動体Pが通過判定対象領域Fを通過する際に、撮影手段20で撮影された縦方向の複数のARマーカー10及び10Aが隠された数に基づいて、移動体Pの通過を判定するように構成されても良い。この場合、縦方向に2つ異なるパターンを有する複数のARマーカー10及び10Aを配置し、同じIDを割り当てることで、移動体Pの縦方向の大きさの差異に対応可能となる。例えば、バスの乗降口に設置した場合に、成人と子供の身長差に対応可能となり、それぞれの通過判定を行うことができる。また、縦方向に2つ異なるパターンを有する複数のARマーカー10及び10Aを配置する場合、通過判定の際に、ARマーカーの読み取りミスを防ぐことが可能である。
また、上述した実施形態において、通過方向に沿って配置され、それぞれ異なるパターンを有する3つのARマーカー10を用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。2つ、又は4つ以上のARマーカーを用いても良い。
また、上述した実施形態において、移動体Pが通過判定対象領域Fからの引き返しがあったか否かを判断する処理を有する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、必要に応じて移動体Pが通過判定対象領域Fからの引き返しを考慮しなくても良い。
また、上述した実施形態において、撮影手段20と通過判定手段30とがそれぞれ別体構成された例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カメラ等の撮影手段20と演算処理機能を有する通過判定手段30が一体となった機材を用いるようにしても良い。これにより、システムの導入形態の幅が拡がる。
以下、本実施形態における移動体通過判定システム100を用いて、複数の移動体(人物)Pが通過判定対象領域Fを通過する際に通過判定を行う実施例について、図9から図11を参照して説明する。
図9は本発明における複数の人物Pが通過判定対象領域Fに通過する際に、移動体通過判定方法の概念図である。図10は複数の人物Pの通過パターンをスレッドに分解する例を説明するための概念図である。図11は複数の人物Pの通過における各々の通過パターンのとりうる遷移の組み合わせを説明するための概念図である。
本実施形態において、複数のARマーカー10は、複数の人物Pが通過判定対象領域Sに存在し通過する場合、隣接する2つの人物の間に少なくとも1つのARマーカーが隠されていない状態を確保するように、通過方向に所定間隔を設けて配置されている。複数の人物Pの通過において、ARマーカーが隠れていない状態(0)が間に入ると仮定する(図9参照)。これを起点として隠れたマーカーが連続するようスレッドに分離し、各々のスレッドが別の人物の通過を判定するよう対応づける。スレッド間の通過パターンの変化について、ARマーカーの数及び想定する通過速度を含む条件で禁止遷移を設定すると共に、遷移後に同一のスレッドに辿り着く複数のスレッドがある場合における優先順位を定義したうえで、許容される遷移間でパターン変化を関連させることで、複数の人物Pの通過を判定する。
即ち、複数の人物Pの通過に対応するため、判定したい人数分のスレッドを用意する。例えば、2人の通過に対応するにはスレッドを2つ用意する。ここで、複数の人物Pが通過する際には必ず間にARマーカーが隠れていない状態が挟まると仮定してARマーカーの隠れる通過パターンが連続するように2つのスレッドに分解する(図10参照)。このような状態への遷移について、例えば、図11のように(1,1,0)→(1,0,1)と隠れる通過パターンが変化する場合を考える。
この場合、遷移前の(1,1,0)を1つ目のスレッドとし、2つ目のスレッドとして(0,0,0)というブランクのスレッドを用意する(図10参照)。ここで、通過判定のための数値カウンタ Nを1つ目のスレッドに割り当て、2つ目のスレッドにはN(=0)を割り当てる。遷移後のパターンは(1,0,1)であるから間の0を起点として(1,0,0)と(0,0,1)という2つのスレッドに分解する。この状態において、とりうるスレッドの遷移の組み合わせは以下の4通りとなる。
(a)[N](1,1,0)→[N’](1,0,0)
(b)[N](1,1,0)→[N’](0,0,1)
(c)[N](0,0,0)→[N’](1,0,0)
(d)[N](0,0,0)→[N’](0,0,1)
各々のスレッドは別々の人物の通過に対応していることから、遷移前から遷移後のスレッドへの関連づけには重複があってはいけない。そこでスレッドの遷移について2つ規則を導入する。
1つ目の規則は、判定エラーをなくすために有効な、極端なパターンの変化を除外する「禁止遷移」の設定である。ここで、ARマーカーの数、想定する通過速度等でこの禁止遷移を適宜に設定する。この例の場合、(1,1,0)→(1,0,0)はパターン変化の度合いが大きいため、禁止遷移とする。これにより上記(a)の遷移は除外される。
即ち、(a)[N](1,1,0)→[N’](1,0,0)「禁止遷移」
2つ目の規則は、遷移後に同一のスレッドに辿り着く複数のスレッドがある場合における優先順位を定義することである。上記の例では(b)と(d)が同じ(0,0,1)というスレッドに遷移している。即ち、
(b)[N](1,1,0)→[N’](0,0,1)「優先」(|N| > |N|)
(d)[N](0,0,0)→[N’](0,0,1)×
このとき、数値カウンタN及びNの絶対値の大きい方の遷移が優先されるようにすることで、スレッド別の通過判定と各人物の通過判定とが対応する。最終的に残った遷移は以下の2つとなり、各々のスレッドが別の人物の通過判定として割り当てられ、通過判定パターンに添って数値カウンタに値が付加される(α及びβ)。
(b)[N](1,1,0)→[N+α](0,0,1)
(d)[N](0,0,0)→[N+β](1,0,0)
このように、(1,0,1)→(1,1,0)という遷移においても、同様に2つのスレッドに分解することで通過判定ができる。
以上説明したように、移動体通過判定システム100を用いて、複数の人物Pが通過判定対象領域Fを通過する際に、通過判定を行う場合、通過判定手段30は、複数の人物Pが通過判定対象領域Fを通過する際に、隠される複数のARマーカー10の通過パターンが連続するよう各々をスレッドに分離し、予め定義された禁止遷移及び同一のスレッドに辿り着く複数のスレッドの優先順位に基づいて、複数人数の通過を判定する。これにより、複数の移動体(人物)Pが通過判定対象領域Fを通過する場合に対応可能であり、正確に通過判定を行うことができる。
本実施形態の移動体通過判定システム100を用いて、学校の食堂入口において、複数の人物Pが通過判定対象領域Fを通過する場合の通過判定実験を行った。実験結果を表1に示している。ここで、比較例は禁止遷移及び同一のスレッドに辿り着く複数のスレッドの優先順位の定義を行っていない場合の判定結果である。
Figure 0007658563000001
表1に示すように、本実施形態では、複数の人物Pが通過判定対象領域Fを通過する場合の誤判定率を低く抑えることができる。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
10、10A 複数のARマーカー
20 撮影手段
30 通過判定手段
31 表示部
32 送信部
33 受信部
34 入力部
35 データバス
36 格納部
36a 制御用プログラム格納部
36b 画像データ格納部
36c ARマーカーID格納部
36d 通過パターン格納部
36e 通過数格納部
37 処理部
37a マーカー隠れ数カウント手段
37b 通過判断手段
37c 通過数カウント手段
37d 引き返し判断手段
37e キャンセル手段
40 出力手段
100 移動体通過判定システム
F 通過判定対象領域
P 移動体(人物)
W1、W2 側壁

Claims (10)

  1. 所定の通過判定対象領域を所定方向に向かって通過する移動体の計数を行う移動体通過判定システムであって、
    前記通過判定対象領域の前記移動体の通過方向を横切る方向の片側の少なくとも通過方向に沿って配置され、異なるパターンを有する複数のARマーカーと、
    前記通過判定対象領域の前記複数のARマーカーと対向する側に配置され、前記通過判定対象領域を通過する移動体及び前記複数のARマーカーを撮影する撮影手段と、
    前記撮影手段により撮影した画像の画像信号に基づいて前記移動体の通過を判定する通過判定手段と、
    前記通過判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備え、
    前記通過判定手段は、前記移動体が前記通過判定対象領域を通過する際に、前記撮影手段で撮影された前記複数のARマーカーが隠された数に基づいて、前記移動体の通過を判定するように構成されていることを特徴とする移動体通過判定システム。
  2. 前記通過判定手段は、前記移動体が前記通過判定対象領域を通過する際に、前記撮影手段で撮影された前記複数のARマーカーの隠れ順に基づいて前記移動体の通過方向を判定することを特徴とする請求項1に記載の移動体通過判定システム。
  3. 前記通過判定対象領域の通過方向と垂直する縦方向に沿って、異なるパターンを有する複数のARマーカーがさらに配置され、
    前記通過判定手段は、前記移動体が前記通過判定対象領域を通過する際に、前記撮影手段で撮影された縦方向の前記複数のARマーカーが隠された数に基づいて、前記移動体の通過を判定するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の移動体通過判定システム。
  4. 前記通過判定手段は、前記移動体が前記通過判定対象領域から引き返した際に、当該移動体の通過判定の処理をキャンセルするように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の移動体通過判定システム。
  5. 前記複数のARマーカーは、複数の前記移動体が前記通過判定対象領域を通過する場合、隣接する2つの前記移動体の間に少なくとも1つのARマーカーが隠されていない状態を確保するように、前記移動体の通過方向に所定間隔を設けて配置され、
    前記通過判定手段は、複数の前記移動体が前記通過判定対象領域を通過する際に、隠される前記複数のARマーカーのパターンが連続するよう各々をスレッドに分離し、予め定義された禁止遷移及び同一のスレッドに辿り着く複数のスレッドの優先順位に基づいて、複数の前記移動体の通過を判定するように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の移動体通過判定システム。
  6. 所定の通過判定対象領域を所定方向に向かって通過する移動体の計数を行う移動体通過判定方法であって、
    前記通過判定対象領域の前記移動体の通過方向を横切る方向の片側の少なくとも通過方向に沿って配置され、異なるパターンを有する複数のARマーカー及び前記通過判定対象領域を通過する移動体を撮影し、
    前記移動体が前記通過判定対象領域を通過する際に、撮影された前記複数のARマーカーが隠された数に基づいて、前記移動体の通過を判定することを特徴とする移動体通過判定方法。
  7. 前記移動体が前記通過判定対象領域を通過する際に、撮影された前記複数のARマーカーの隠れ順に基づいて前記移動体の通過方向を判定することを特徴とする請求項6に記載の移動体通過判定方法。
  8. 前記通過判定対象領域の通過方向と垂直する縦方向に沿って、異なるパターンを有する複数のARマーカーをさらに配置し、前記移動体が前記通過判定対象領域を通過する際に、撮影された縦方向の前記複数のARマーカーが隠された数に基づいて、前記移動体の通過を判定することを特徴とする請求項6又は7に記載の移動体通過判定方法。
  9. 前記移動体が前記通過判定対象領域から引き返した際に、当該移動体の通過判定の処理をキャンセルすることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の移動体通過判定方法。
  10. 前記複数のARマーカーを、複数の前記移動体が前記通過判定対象領域を通過する場合、隣接する2つの前記移動体の間に少なくとも1つのARマーカーが隠されていない状態を確保するように、前記移動体の通過方向に所定間隔を設けて配置し、
    複数の前記移動体が前記通過判定対象領域を通過する際に、隠される前記複数のARマーカーのパターンが連続するよう各々をスレッドに分離し、予め定義された禁止遷移と、同一のスレッドに辿り着く複数のスレッドの優先順位とに基づいて、複数の前記移動体の通過を判定することを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の移動体通過判定方法。
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