以下、実施形態の自動改札機システム、プログラム、乗車券および券売機を、図面を参照して説明する。
各実施形態の自動改札機システムは、表示オブジェクトを表示したコード券を処理する自動改札機(コード券改札機)と、磁気券を処理する自動改札機(磁気券改札機)とが協調して処理を行うことを可能にするものである。
図1は、自動改札機システム1の構成を示す図である。自動改札機システム1は、例えばA駅システム5A、B駅システム5B、およびC駅システム5Cと、サーバ装置400とを備える。A駅システム5AからC駅システム5Cと、サーバ装置400との間では、ネットワークNWを介した通信が行われる。ネットワークNWは、例えばWAN(Wide Area Network)や、VPN(Virtual Private Network)、LAN(Local Area Network)、専用線等を含む。なお、図1では、3つの駅に備えられる駅システムが存在することを例示したが、自動改札機システム1は、2以上の複数の駅に備えられる駅システムを含んでよい。以下、A駅システム5AからC駅システム5Cを区別しない場合は、単に駅システム5と表記する。また、駅システム5が備える同様の名称である機能構成についても同様に、駅を区別する符号「A」、「B」または「C」を省略して説明する。
A駅システム5Aは、コード券改札機と磁気券改札機が混在した駅システムである。A駅システム5Aは、例えば中継装置RLAと、コード券改札機100A−1から100A−n(nは任意の自然数)と、磁気券改札機200A−1から200A−nと、券売機300A−1から300A−nを備える。
B駅システム5Bは、コード券改札機を含み、磁気券改札機を含まない駅システムである。B駅システム5Bは、例えば中継装置RLBと、コード券改札機100B−1から100B−nと、券売機300B−1から300B−1とを備える。
C駅システム5Cは、磁気券改札機を含み、コード券改札機を含まない駅システムである。C駅システム5Cは、例えば中継装置RLCと、磁気券改札機200C−1から200C−nと、券売機300C−1から300C−nとを備える。以下、中継装置RLAからRLCを、特別に区別しない場合は、単位「中継装置RL」と称する。また、以下、コード券改札機100および磁気券改札機200を、特別に区別しない場合は、単位「自動改札機」と称する。
以下、駅システムを区別せずに説明をおこなう。中継装置RLは、コード券改札機100または磁気券改札機200とLAN等のネットワークを介して通信を行う。また、中継装置RLは、コード券改札機100または磁気券改札機200から受信した情報を、ネットワークNWを介してサーバ装置400に送信する。また、中継装置RLは、サーバ装置400から受信した情報をコード券改札機100または磁気券改札機200に送信する。
コード券改札機100または磁気券改札機200は、駅の改札口に設けられる。コード券改札機100は、券売機300により発行される乗車券TIXに表示された表示オブジェクトを認識して利用者の通過を制御する。磁気券改札機200は、券売機300により発行される乗車券TIXの磁気層から情報を読み取って利用者の通過を制御する。
「表示オブジェクト」とは、例えば、情報が符号化された二次元のQRコード(登録商標)である。なお、表示オブジェクトは、一次元のバーコードであってもよい。表示オブジェクトは、機械によって内容が認識可能であると共に、人が視認することによって内容が認識できないものであれば如何なる態様であってもよい。
また、本実施形態では、券売機300により発行された乗車券TIXがコード券改札機100と磁気券改札機200とで共通して用いられる。乗車券TIXは、例えばQRコード等の表示オブジェクトが、紙などの媒体の第1面に印刷されると共に、第2面に磁気券として機能するための磁気層が形成された乗車券である。
このような態様の乗車券TIXは、コード券改札機100と、磁気券改札機200とが混在する環境において、好適に使用される。すなわち、この乗車券TIXを使用して鉄道を利用する利用者は、上記のうち一方の改札機しか設置されていない駅であっても利用することができる。
(コード券改札機100)
図2は、コード券改札機100を上方から見た図である。コード券改札機100は、筐体111と、リーダ112と、通過センサ118−1から118−4と、上面表示部120と、正面表示部122と、扉部124Aおよび124Bと、制御部150とを含んでよいが、これに限られない。
コード券改札機100のリーダ112は、図2のa方向に通過しようとする利用者によって提示された乗車券TIXに表示された表示オジェクトを読み取って、読み取った情報を制御部150に供給する。
図3は、リーダ112を上方から見た図である。リーダ112は、タッチ検出センサStと、光学読取部114と、ライト116とを含んでよいが、これに限られない。タッチ検出センサStは、パネル状に形成され、利用者の体の一部(例えば手)が触れたか否かを検出する検出面を有する。タッチ検出センサStは、利用者が乗車券TIXをリーダ112に提示する際にパネルの検出面に手を触れた場合に、検出面がタッチされている旨を示す検出信号を生成する。これにより、タッチ検出センサStは、利用者によって乗車券TIXがリーダ112に提示されたことを検出する。
タッチ検出センサStは、例えば、抵抗膜型や、表面弾性波型、電磁誘導型、静電容量型等のタッチパネルである。また、タッチ検出センサStは、可視光を透過可能な透明(または半透明)型のパネルであり、これを透過した表示オブジェクトの撮像を可能とする。なお、コード券改札機100は、タッチ検出センサStに代えて、対象物(例えば手)の接近を検出する接近検出センサにより、利用者によって乗車券TIXがリーダ112に提示された(利用者の手が所定距離以内まで接近した)ことを検出する構成を有してもよい。接近検出センサは、例えば、赤外線センサやステレオカメラ等により実現される。
光学読取部114は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を備えたカメラを含む。また、光学読取部114は、バーコードリーダのように受光素子と増幅器、情報解読部(デコード部)等を備えるものであってもよい。
光学読取部114は、利用者によって、リーダ112に表示面を向けて提示された乗車券TIXに表示された表示オブジェクトを撮像する。光学読取部114は、撮像した画像を制御部150に供給する。ライト116は、光学読取部114が乗車券TIXを撮像する際に、乗車券TIXに向けて可視光以外の光(例えば赤外光)を照射する。
通過センサ118−1から18−4は、例えばコード券改札機100の通路側の側面に複数設けられる。複数の通過センサ118は、コード券改札機100により形成された通路内の利用者を検出する。通過センサ118は、例えば赤外線センサや、光センサなどで実現される。通過センサ118は、対向する補機に設けられた通過センサと連携して通路内の利用者を検出するものであってもよい。なお、コード券改札機100は、任意の数の通過センサを備えてよい。以下、通過センサを他の通過センサと区別しない場合は、ハイフン(−)以下の符号を省略し、単に通過センサ118と表記する。
上面表示部120は、リーダ112に乗車券TIXが提示された場合に、制御部150によって処理された結果を表示する。正面表示部122は、図2のa方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部122の表示内容または表示の有無は、制御部150によって決定される。なお、コード券改札機100は、音声や、光で情報を出力する情報出力部(不図示)を備えてもよい。この場合、制御部150は、情報出力部を制御して、情報出力部に音声や光の点灯等によって情報を出力させる。
コード券改札機100の制御部150は、扉部124Aおよび対向する補機の扉部124Bを開放状態または閉止状態に制御することで、図2のa方向に通過しようとしている利用者の通過を許可または禁止する。以下、扉部124Aおよび124Bを区別しない場合は、AまたはBの符号を省略し、単に扉部124と表記する。
なお、図2では、コード券改札機100がコード券専用機であるものとして説明したが、コード券改札機100は、ICカードと、コード券との双方を処理可能な併用機であってもよい。また、コード券改札機100は、利用者の一方向の通過のみ許可するものに限らず、主機と従機を備えることによって、利用者の双方向の通過を許可するものであってもよい。
図4は、コード券改札機100の機能構成を示す図である。コード券改札機100の制御部150は、記憶部152と、画像処理部158と、画像判定部160と、通過制御部170とを含んでよいが、これに限られない。画像処理部158、画像判定部160、および通過制御部170は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラムを実行することで実現されてよい。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアで実現されてもよい。リーダ112と、画像処理部158とを合わせたものが、「第1の取得部」または「第3の取得部」の一例である。画像判定部160は、「第1の処理部」または「第3の処理部」の一例である。
記憶部152は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM(Random Access Memory)、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現される。記憶部152は、プロセッサが実行するプログラムや、各駅間(または利用距離ごと)の料金が記憶された料金テーブル154を格納する他、自機が設置された駅の識別情報や、自機の識別情報、各駅間の距離等を格納する。また、記憶部152は、サーバ装置400から送信された情報を格納する。
画像処理部158は、光学読取部114により撮像された画像から得られる電子情報に対してデコード等の処理を行い、ビット列などで表されるコンピュータが認識可能な情報に変換する。電子情報とは、例えば、画像の画素情報を配列化した情報である。画像処理部158は、乗車券TIXの第1面に表示された第1の表示オブジェクトに符号化された情報の内容を読み取る。画像処理部158は、利用者が利用可能な区間を示す区間情報等を認識する。区間情報とは、乗車券TIXが発券された駅(入場駅)と出場駅や、乗車券TIXが発券された駅から利用できる距離等を示す情報である。なお、このような画像解析の機能を、光学読取部114が備えてもよい。
画像判定部160は、サーバ装置400から取得した情報および画像処理部158により認識された区間情報に基づいて、利用者が入場可能か否か、または出場可能か否かを判定する。
通過制御部170は、画像判定部160の判定結果に基づいて、利用者の通過を許可、または禁止する制御を実行する。また、通過制御部170は、画像処理部158によって表示オブジェクトが認識されない場合、または認識された表示オブジェクトがデコードされない場合、通過センサ118により利用者が検出されると、利用者の通過を禁止する制御を行う。利用者の通過を禁止する制御をする場合、通過制御部170は、扉部124を閉止状態にしたり、上面表示部120に通過を不許可とする表示をさせたりする。利用者の通過を許可する制御をする場合、通過制御部170は、扉部124を開放状態にしたり、上面表示部120に通過を許可とする表示をさせたりする。
また、コード券改札機100は、中継装置RLを介してサーバ装置400と通信するコード券改札機側通信部180を備える。コード券改札機側通信部180は、画像処理部158により読み取られた情報や、画像判定部160の処理結果、自機の識別情報等をサーバ装置400に送信する。コード券改札機側通信部180は、「第1の通信部」または「第3の通信部」の一例である。
(磁気券改札機200)
図5は、磁気券改札機200を上方から見た図である。磁気券改札機200は、例えば、筐体211と、通過センサ218−1から218−4と、上面表示部220と、正面表示部222と、扉部224Aおよび224Bと、挿入口226と、排出口228と、磁気券リーダライタ232と、制御部250とを備える。なお、以下、通過センサ218−1から218−4を、区別しない場合は、ハイフン(−)以下の符号を省略し、単に通過センサ218と表記する。
通過センサ218は、例えば磁気券改札機200の通路側側面に複数設けられる。複数の通過センサ218は、磁気券改札機200により形成された通路内の利用者を検出する。通過センサ218は、例えば赤外線センサや、光センサ等で実現される。
上面表示部220は、挿入口226に乗車券TIXが挿入された場合に、制御部250によって処理された結果を表示する。正面表示部122は、図5のa方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。
挿入口226には、利用者によって乗車券TIXが挿入される。挿入口226に挿入された乗車券TIXは、挿入口226の内部側に設けられた物体検知センサにより検知される。物体検知センサによって物体が検知されると、制御部250は、磁気券改札機200の内部に設けられた搬送機構230(図6参照)を駆動させる。乗車券TIXは、搬送機構230により整列部、磁気券リーダライタ232、パンチ部、印刷部、および排出口(または集札部)に向けて搬送される。整列部は、乗車券TIXを所定の姿勢に整える。磁気券リーダライタ232は、姿勢が整えられた乗車券TIXの磁気層に記憶された情報を読み取る。また、磁気券リーダライタ232は、乗車券TIXの磁気層に制御部250の処理結果を書き込む。パンチ部は、必要に応じて乗車券TIXを穿孔する。印刷部は、必要に応じて磁気券の所定位置に日付や、入場駅などの情報を印刷する。搬送機構230は、情報が読み取られた、および情報が書き込まれた乗車券TIXを排出口228に向けて搬送する。排出口228は、制御部250の制御に従って、乗車券TIXを排出する。また、集札部には、例えば出場処理において、処理された乗車券TIXが搬送される。
磁気券改札機200の制御部250は、磁気券改札機200が図5のa方向に通過しようとする利用者に対して、扉部224Aおよび対向する補機の扉部224Bを開放状態または閉止状態に制御することで、a方向に通過しようとする利用者の通過を許可または禁止する。また、以下、扉部224Aおよび224Bを、区別しない場合は、AまたはBの符号を省略し、単に扉部224と表記する。
なお、図5では、磁気券改札機200が磁気券専用機であるものとして説明するが、磁気券改札機200は、ICカードと、磁気券との双方を処理可能な併用機であってもよい。また、磁気券改札機200は、利用者の一方向の通過のみ許可するものに限らず、主機と従機を備えることによって、利用者の双方向の通過を許可するものであってもよい。
図6は、磁気券改札機200の機能構成を示す図である。磁気券改札機200の制御部250は、記憶部252と、搬送制御部256と、磁気処理部258、磁気判定部260と、通過制御部270とを含んでよいが、これに限られない。磁気処理部258、磁気判定部260、および通過制御部270は、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することで実現されてよい。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA等のハードウェアで実現されてもよい。磁気券リーダライタ232と、磁気券処理部258とを合わせたものが、「第2の取得部」または「第4の取得部」の一例である。磁気券判定部260は、「第2の処理部」または「第4の処理部」の一例である。
記憶部252は、例えば、ROM、フラッシュメモリ、HDD、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現される。記憶部252は、プロセッサが実行するプログラムや、各駅間(または利用距離ごと)の料金が記憶された料金テーブル254を格納する他、自機が設置された駅の識別情報や、自機の識別情報、各駅間の距離等を格納する。また、記憶部252は、サーバ装置400から送信された情報を格納する。
搬送制御部256は、搬送機構230を制御して、挿入口226に挿入された乗車券TIXを磁気処理部258、および排出口228に向けて搬送する。
磁気処理部258は、磁気券リーダライタ232の処理結果に基づいて、搬送機構230により搬送されてくる乗車券TIXの磁気層に記憶された情報の内容を読み取る。磁気処理部258は、利用者が利用可能な区間を示す区間情報等を取得する。磁気処理部258は、磁気券リーダライタ232を制御して、搬送機構230により搬送されてくる乗車券TIXの磁気層に情報を書き込む。
磁気判定部260は、サーバ装置400から取得した情報および磁気処理部258により取得された区間情報に基づいて、入場可能か否か、または利用者が出場可能か否かを判定する。
通過制御部270は、磁気判定部260の判定結果に基づいて、利用者の通過を許可、または禁止する制御を実行する。また、通過制御部270は、磁気判定部260によって乗車券TIXの磁気層に記憶された情報が認識されない場合、または認識された磁気層に記憶された情報がデコードされない場合、通過センサ218により利用者が検出されると、利用者の通過を禁止する制御を行う。利用者の通過を禁止する制御をする場合、通過制御部270は、扉部224を閉止状態にしたり、上面表示部220に通過を不許可とする表示をさせたりする。利用者の通過を許可する制御をする場合、通過制御部270は、扉部224を開放状態にしたり、上面表示部220に通過を許可とする表示をさせたりする。
また、磁気券改札機200は、中継装置RLを介してサーバ装置400と通信する磁気券改札機側通信部280を備える。磁気券改札機側通信部280は、磁気処理部258により読み取られた情報、磁気判定部260の処理結果、自機の識別情報等をサーバ装置400に送信する。磁気券改札機側通信部280は、「第2の通信部」または「第4の通信部」の一例である。
(サーバ装置400)
図7は、サーバ装置400の構成の一例を示す図である。サーバ装置400は、サーバ側通信部410と、制御部412と、記憶部420とを含む。
サーバ側通信部410は、駅システム5の中継装置RL(自動改札機)から送信された情報を取得する。また、サーバ側通信部410は、駅システム5の中継装置RL(自動改札機)に、自装置が保持する情報を送信する。
制御部412は、中継装置RLから送信された情報に基づいて、送信された情報の送信先となる駅システム5を決定する。制御部412は、決定した駅システム5の中継装置RLに送信された自装置が保持する情報の全部または一部を、サーバ側通信部410に送信させる。
記憶部420は、例えば、ROM、フラッシュメモリ、HDD、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現される。記憶部420は、プロセッサが実行するプログラムや、料金テーブル430、自装置が保持する情報を管理する管理テーブル440等を格納する。料金テーブル430は。各駅間(または利用距離ごと)の料金が記憶されている。管理テーブル440の詳細についは後述する。
(乗車券TIX)
図8は、乗車券TIXの一例を示す図である。乗車券TIXは、第1面S1と、第2面S2とを有する。乗車券TIXの第1面S1には、乗車券TIXが発行された駅名「○○駅」や、利用可能な区間を示す金額「200円」、発行日時、乗車券TIXが発行されたときに付与される乗車券識別情報等が印字されている。また、長辺の右側には、表示オブジェクトOB(QRコード)が印字され、表示オブジェクトOBの一部を覆うように着色部CLが設けられている。
「表示オブジェクト」には、乗車券ID(乗車券識別情報)、乗車券TIXの効力を示す効力情報、およびシステム利用情報が符号化されている。乗車券IDは、個々の乗車券TIXを識別するための情報である。乗車券IDは、例えば、乗車券TIXを発券した券売機300の識別情報(券売機識別情報)、乗車券TIXが発行される度にインクリメント(あるいはデクリメント)される一連番号、発行駅を示す情報、および発行日時を示す情報などのうち一部または全部を含む。なお、同じ駅では共通の一連番号が付与される場合、券売機識別情報に代えて、駅識別情報を乗車券IDに含めてもよい。
効力情報とは、例えば乗車券TIXを用いて利用することができる区間を示す区間情報や、乗車券TIXの利用期間を示す利用期間情報等である。なお、効力情報は、乗車券TIXの発行日時を表す情報を含んでもよい。また、区間情報は、乗車券TIXを発行した券売機300が設置された駅の識別情報および出場駅の識別情報を含んでもよいし、券売機が設置された駅(例えばX駅)の識別情報および「X駅からY円区間」といった料金情報を含んでもよい。また、本実施形態の自動改札機システム1を利用する場合、「Y円区間」という利用区間を示す情報を区間情報としてもよい。自動改札機システム1では、入場駅で乗車券TIXが使用されたことを示す情報を、出場駅に伝達することができるためである。
システム利用情報とは、磁気層に乗車券IDおよび区間情報が記憶され、且つ表示オブジェクトに乗車券IDおよび区間情報が符号化された乗車券TIXであって、本実施形態の自動改札機システム1を利用することができる乗車券TIXであるか否かを示す情報である。図9は、表示オブジェクトOBに符号化された情報の一例を示す図である。
図8に戻り、着色部CLは、表示オブジェクトOBの一部を覆うように、乗車券TIXの短辺の方向に設けられた帯状の領域である。着色部CLは、例えば表示オブジェクトOBの色と同一色で全面に亘り印刷された領域である。
着色部CLは、着色部CLと重なり合う表示オブジェクトOBの視覚による識別力を低下させる特性を備える。着色部CLは、表示オブジェクトOBに可視光が照射されたとき、利用者が表示オブジェクトOBを認識できない程度に可視光を吸収する。また、着色部CLは、表示オブジェクトOBに可視光以外の光が照射されたとき、可視光以外の光(例えば赤外光)を透過させる。これによって、表示オブジェクトOBが複製されるのを抑制することができる。
コード券改札機100は、ライト116により光が照射されている状態で表示オブジェクトOBを撮像すれば、表示オブジェクトOBからの反射光に基づいて、表示オブジェクトOBを識別可能な画像を得ることができる。
第2面S2には、磁気層が形成されている。この磁気層には、例えば乗車券TIXの乗車券ID、区間情報およびシステム利用情報が記憶されている。乗車券IDは、表示オブジェクトOBに符号化された乗車券IDと同一の情報、または表示オブジェクトOBに符号化された乗車券IDと同一の情報を導出可能な情報である。
以下、入場駅および出場駅に設置されたコード券改札機100および磁気券改札機200の処理について説明する。
(入場駅に設置されたコード券改札機100(第1の自動改札機)の処理)
図10は、入場駅に設置されたコード券改札機100により実行される処理の流れを示すフローチャートである。
まず、制御部150は、リーダ112に何らかの物体(乗車券TIX)が提示されるまで待機する(ステップS100)。リーダ112に何らかの物体(乗車券TIX)が提示されると、光学読取部114が、ライト116により乗車券TIXに光が照射された状態で、物体を撮像し、画像処理部158が、撮像された画像を解析する(ステップS102)。画像処理部158は、解析結果に基づいて、表示オブジェクトOBを認識し、認識した表示オブジェクトOBから情報(乗車券ID、区間情報および/またはシステム利用情報)を取得することができたか否かを判定する(ステップS104)。表示オブジェクトOBから情報を取得することができなかった場合、通過制御部170は、扉部124を閉止状態に制御する(ステップS118)。
表示オブジェクトOBから情報を取得することができた場合、画像判定部160は、ステップS104で取得された情報にシステム利用情報が含まれるか否かを判定する(ステップS106)。ステップS104で取得された情報にシステム利用情報が含まれていない場合、画像判定部160は、表示オブジェクトOBに符号化された区間情報に基づいて、利用者の入場を許可するか否かを判定する(ステップS108)。例えば、画像判定部160は、例えば当該駅がステップS104で取得した区間情報が示す区間に収まっている場合、利用者の入場を許可する。画像判定部160は、例えば当該駅をステップS104で取得した区間情報が示す区間に収まってない場合、利用者の入場を許可しない。
入場を許可する場合、通過制御部170は、扉部124を開放状態に制御する(ステップS116)。入場を許可しない場合、通過制御部270は、扉部124を閉止状態に制御する(ステップS118)。
ステップS106の処理でシステム利用情報を取得した場合、画像判定部160が、自動改札機システム1に対応する事業者であるか否かを判定する(ステップS110)。自動改札機システム1に対応する事業者とは、自動改札機システム1による処理を適用することを予め表明した事業者である。事業者により管理されているコード券改札機100の記憶部152には、予め自動改札機システム1に対応する事業者であることを示す情報が記憶されている。
自動改札機システム1に対応する事業者でない場合(記憶部152に自動改札機システム1に対応する事業者であることを示す情報が記憶されていない場合)、通過制御部170は、扉部124を閉止状態に制御する(ステップS118)。仮に自動改札機システム1に対応する事業者でない場合に、入場を許可するか否かの判定をしてしまうと、乗車券TIXの磁気層に記憶された情報および自動改札機の判定結果は、入場駅の自動改札機から出場駅に送信されず、出場駅において乗車券TIXの処理を行うことができない。この結果、利用者は、入場駅に入場することはできても、出場駅で出場することができなくなるため、通過制御部170は、扉部124を閉止状態に制御し、入場時点で、当該鉄道を利用できないことを利用者に通知する。
自動改札機システム1に対応する事業者である場合、画像判定部160は、利用者の入場を許可するか否かを判定する(ステップS112)。入場を許可しない場合、通過制御部170は、扉部124を閉止状態に制御する(ステップS118)。
入場を許可する場合、制御部150は、コード券改札機側通信部180を制御して、入場が許可されたことを示す情報(判定結果)、乗車券IDおよび区間情報をサーバ装置400に送信する(ステップS114)。なお、制御部250は、例えば判定結果の送信を省略してもよい。次に、通過制御部170は、扉部124を開放状態に制御する(ステップS116)。これにより本フローチャートの1ルーチンは終了する。
なお、上述した図10のフローチャートの処理において、ステップS106およびS108の処理は省略してもよい。
(入場駅に設置された磁気券改札機200(第2の改札機)の処理)
図11は、入場駅に設置された磁気券改札機200により実行される処理の流れを示すフローチャートである。まず、制御部250は、挿入口226に何らかの物体(乗車券TIX)が挿入口226に挿入されるまで待機する(ステップS200)。
挿入口226に何らかの物体(乗車券TIX)が挿入されると、磁気処理部258が、搬送機構230により搬送されてきた乗車券TIXの磁気層に記憶された情報(乗車券ID、区間情報および/またはシステム利用情報)を取得することができたか否かを判定する(ステップS202)。乗車券TIXの磁気層に記憶された情報を取得することができなかった場合、通過制御部270は、扉部224を閉止状態に制御する(ステップS218)。
乗車券TIXの磁気層に記憶された情報を取得することができた場合、磁気判定部260は、ステップS202で取得された情報にシステム利用情報が含まれるか否かを判定する(ステップS204)。ステップS204でシステム利用情報が含まれていない場合、磁気判定部260は、利用者の入場を許可するか否かを判定する(ステップS206)。例えば、磁気判定部260は、例えば当該駅がステップS202で取得された区間情報が示す区間に収まっている場合、利用者の入場を許可する。磁気判定部260は、例えば当該駅がステップS202で取得された区間情報が示す区間に収まってない場合、利用者の入場を許可しない。ステップS206の処理は、自動改札機システム1を利用した乗車券TIXの処理とは異なり、通常に行われる乗車券TIXに対する改札処理である。
入場を許可する場合、磁気処理部258が、磁気券リーダライタ232を制御して、ステップS206で利用者の入場が許可されたことを示す情報を乗車券TIXの磁気層に書き込む(ステップS208)。次に、通過制御部270は、扉部224を開放状態に制御する(ステップS216)。入場を許可しない場合、通過制御部270は、扉部224を閉止状態に制御する(ステップS218)。
ステップS204の処理でシステム利用情報が含まれている場合、磁気判定部260が、自動改札機システム1に対応する事業者であるか否かを判定する(ステップS210)。
自動改札機システム1に対応する事業者でない場合(記憶部252に自動改札機システム1に対応する事業者であることを示す情報が記憶されていない場合)、通過制御部270は、扉部224を閉止状態に制御する(ステップS218)。
自動改札機システム1に対応する事業者である場合(記憶部252に自動改札機システム1に対応する事業者であることを示す情報が記憶されている場合)、磁気判定部260は、利用者の入場を許可するか否かを判定する(ステップS212)。入場を許可しない場合、通過制御部270は、扉部224を閉止状態に制御する(ステップS218)。
入場を許可する場合、制御部250は、磁気券改札機側通信部280を制御して、入場が許可されたことを示す情報(判定結果)、乗車券ID、および区間情報をサーバ装置400に送信する(ステップS214)。なお、制御部250は、例えば判定結果の送信を省略してもよい。次に、通過制御部270は、扉部224を開放状態に制御する(ステップS216)。これにより本フローチャートの1ルーチンは終了する。
(サーバ装置400により実行される処理)
図12は、サーバ装置400が自動改札機との間で情報を送受信する様子を示す図である。図示する例は、磁気券改札機200から送信された情報をサーバ装置400が処理する様子を示している。サーバ装置400は、乗車券ID、上述したコード券改札機100または磁気券改札機200により送信された入場が許可されたことを示す情報(判定結果)、および効力情報(区間情報)を取得する。以下、サーバ装置400が自動改札機から取得した判定結果、乗車券ID、および区間情報を含む情報を「送受信情報D」という。
サーバ装置400は、取得した送受信情報Dに基づいて、取得した情報の送信先となる駅システム5を決定する。例えば、サーバ装置400は、取得した区間情報の示す区間内に含まれる駅システム5を送信先として決定し、決定した送信先に送受信情報Dを送信(配信)する。図示する例では、利用者が入場した駅を入場駅Aとした場合、区間情報の示す区間がX駅、およびY駅を含み、Z駅を含まないものとする。この場合、サーバ装置400は、X駅システム5およびY駅システム5に送受信情報Dを送信する。これにより、出場駅側の自動改札機は、送受信情報Dを取得する。出場駅側の自動改札機は、送受信情報を自機の記憶部(152、252)に格納する。
また、サーバ装置400は、送受信情報Dを管理するための情報を、管理テーブル440に記憶させる。管理テーブル440は、乗車券IDに対して、乗車券TIXに関する情報が対応付けられたテーブルである。図13は、管理テーブル440の一例を示す図である。乗車券TIXに関する情報には、乗車券IDに加え、更に、システム利用情報、効力情報、入場駅を示す情報、入場駅に入場した時刻、自動改札機が入場を許可したことを示す情報(入場判定結果)、自動改札機から送信された利用者が出場した出場駅を示す情報、出場駅を出場した時刻、自動改札機が出場を許可したことを示す情報(出場判定結果)等が記憶される。
(出場駅に設置されたコード券改札機100(第3の自動改札機)の処理)
図14は、出場駅に設置されたコード券改札機100により実行される処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、入場駅で乗車券TIXがコード券改札機100または磁気券改札機200により処理された後に実行される処理である。
まず、制御部150は、リーダ112に何らかの物体(乗車券TIX)が提示されるまで待機する(ステップS300)。リーダ112に何らかの物体(乗車券TIX)が提示されると、光学読取部114が、ライト116により乗車券に光が照射された状態で、物体を撮像し、画像処理部158が、撮像された画像を解析する(ステップS302)。画像処理部158は、解析結果に基づいて、表示オブジェクトOBを認識し、認識した表示オブジェクトOBから情報(乗車券ID、区間情報および/またはシステム利用情報)を取得することができたか否かを判定する(ステップS304)。表示オブジェクトOBから情報を取得することができなかった場合、通過制御部170は、扉部124を閉止状態に制御する(ステップS320)。
表示オブジェクトOBから情報を取得することができた場合、画像判定部160は、ステップS304で取得された情報にシステム利用情報が含まれるか否かを判定する(ステップS306)。ステップS304で取得された情報にシステム利用情報が含まれていない場合、画像判定部160は、表示オブジェクトOBに符号化された区間情報に基づいて、利用者の出場を許可するか否かを判定する(ステップS308)。例えば、画像判定部160は、例えば当該駅がステップS304で取得された区間情報が示す区間に収まっている場合、利用者の出場を許可する。画像判定部160は、例えば当該駅がステップS304で取得された区間情報が示す区間に収まってない場合、利用者の出場を許可しない。ステップS308の処理は、自動改札機システム1を利用した乗車券TIXの処理とは異なり、通常に行われる乗車券TIXに対する改札処理である。
入場を許可する場合、通過制御部170は、扉部124を開放状態に制御する(ステップS318)。入場を許可しない場合、通過制御部270は、扉部124を閉止状態に制御する(ステップS320)。
ステップS306の処理でシステム利用情報が含まれている場合、画像判定部160が、自動改札機システム1に対応する事業者であるか否かを判定する(ステップS310)。
自動改札機システム1に対応する事業者でない場合、通過制御部170は、扉部124を閉止状態に制御する(ステップS320)。この場合、入場駅の自動改札機から送受信情報D(乗車券IDおよび判定結果)は送信されておらず、画像判定部160は、送受信情報Dと磁気層から取得した情報との比較をすることができないためである。
自動改札機システム1に対応する事業者である場合、画像判定部160は、サーバ装置400から送信された送受信情報Dと、ステップS304で表示オブジェクトOBから取得した情報とを比較する(ステップS312)。画像判定部160は、サーバ装置400から送信され、自機の記憶部152に記憶された送受信情報Dのうちから、ステップS304で取得された乗車券識別情報と一致する乗車券識別情報を検索する。画像判定部160は、検索した一致する乗車券識別情報に対応付けられた情報と、ステップS304で取得された情報とを比較する。
次に、画像判定部160は、出場駅においてリーダ112に提示された乗車券TIXが所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS314)。所定の条件とは、例えば、送受信情報Dに含まれる乗車券IDと、ステップS304で表示オブジェクトOBから取得した乗車券IDとが一致し、且つ送受信情報Dに入場駅で入場が許可された判定結果が含まれていることである。また、所定の条件とは、送受信情報Dに含まれる乗車券識別情報と、ステップS304で表示オブジェクトOBから取得した乗車券識別情報とが一致していることであってもよい。
所定の条件を満たさない場合、通過制御部170は、扉部124を閉止状態に制御する(ステップS320)。所定の条件を満たす場合、画像判定部160は、ステップS304で取得された区間情報に基づいて、利用者の出場を許可するか否かを判定する(ステップS316)。画像判定部160は、当該駅が区間情報の示す区間内に収まっている場合は、利用者の出場を許可し、当該駅が区間情報の示す区間内に収まっていない場合は、利用者の出場を許可しない。
出場を許可する場合、通過制御部270は、扉部124を開放状態に制御する(ステップS318)。利用者の出場を許可しない場合、通過制御部270は、扉部124を閉止状態に制御する(ステップS320)。なお、出場許可の判定後、制御部150は、コード券改札機側通信部180に自機の判定結果および乗車券TIXから取得した情報をサーバ装置400に送信してもよい。これにより本フローチャートの1ルーチンは終了する。
なお、上述した図14のフローチャートの処理において、ステップS306およびS308の処理は省略されてもよい。
(出場駅に設置された磁気券改札機200(第4の自動改札機)の処理)
図15は、出場駅に設置された磁気券改札機200により実行される処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、入場駅で乗車券TIXがコード券改札機100により処理された後、または入場駅で乗車券TIXが磁気券改札機200により処理された後に実行される処理である。
まず、制御部250は、挿入口226に何らかの物体(乗車券TIX)が挿入口226に挿入されるまで待機する(ステップS400)。挿入口226に何らかの物体(乗車券TIX)が挿入されると、磁気処理部258が、搬送機構230により搬送されてきた乗車券TIXの磁気層に記憶された情報(乗車券ID、区間情報および/またはシステム利用情報)を取得することができたか否かを判定する(ステップS402)。乗車券TIXの磁気層に記憶された情報を取得することができなかった場合、通過制御部270は、扉部224を閉止状態に制御する(ステップS418)。
乗車券TIXの磁気層に記憶された情報を取得することができた場合、磁気判定部260は、ステップS402で取得した情報にシステム利用情報が含まれるか否かを判定する(ステップS404)。ステップS404でシステム利用情報が含まれていない場合、磁気判定部260は、利用者の出場を許可するか否かを判定する(ステップS406)。ステップS406の処理は、自動改札機システム1を利用した乗車券TIXの処理とは異なり、通常に行われる乗車券TIXに対する改札処理である。
出場を許可する場合、通過制御部270は、扉部224を開放状態に制御する(ステップS416)。入場を許可しない場合、通過制御部270は、扉部224を閉止状態に制御する(ステップS418)。
ステップS404でシステム利用情報が含まれている場合、磁気判定部260が、自動改札機システム1に対応する事業者であるか否かを判定する(ステップS408)。自動改札機システム1に対応する事業者でない場合、通過制御部270は、扉部224を閉止状態に制御する(ステップS418)。この場合、入場駅の自動改札機から送受信情報D(乗車券IDおよび判定結果)は送信されておらず、送受信情報Dと磁気層から取得した情報との比較をすることができないためである。
自動改札機システム1に対応する事業者である場合、磁気判定部260は、サーバ装置400から送信された送受信情報Dと、ステップS402で磁気層から取得した情報とを比較する(ステップS410)。磁気判定部260は、サーバ装置400から送信され、自機の記憶部252に記憶された送受信情報Dのうちから、ステップS402で取得された乗車券識別情報と一致する乗車券識別情報を検索する。磁気判定部260は、検索した一致する乗車券識別情報に対応付けられた情報と、ステップS402で取得された情報とを比較する。
次に、磁気判定部260は、出場駅において挿入口226に挿入された乗車券TIXが所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS412)。所定の条件とは、例えば、送受信情報Dに含まれる乗車券IDと、ステップS402で磁気層から取得された乗車券IDとが一致し、且つ送受信情報Dに入場駅で入場が許可された判定結果が含まれていることである。また、所定の条件とは、送受信情報Dに含まれる乗車券識別情報と、ステップS402で磁気層から取得した乗車券識別情報とが一致していることであってもよい。
所定の条件を満たさない場合、通過制御部170は、扉部224を閉止状態に制御する(ステップS418)。所定の条件を満たす場合、磁気判定部260は、利用者の出場を許可するか否かを判定する(ステップS414)。利用者の出場を許可する場合、通過制御部270は、扉部224を開放状態に制御する(ステップS416)。利用者の出場を許可しない場合、通過制御部270は、扉部224を閉止状態に制御する(ステップS418)。なお、出場許可の判定後、制御部250は、磁気券改札機側通信部280に自機の判定結果および乗車券TIXから取得した情報をサーバ装置400に送信する。これにより本フローチャートの1ルーチンは終了する。
本実施形態では、サーバ装置400が、送受信情報Dの送信先を決定し、決定した送信先に送受信情報Dを配信するものとしたが、これに代えて、自動改札機は、取得した乗車券識別情報に関する送受信情報Dを送信するようにサーバ装置400に要求してもよい。この場合、サーバ装置400は、自動改札機の要求に応じて、乗車券識別情報に関する情報を自装置の管理テーブル440から取得し、取得した情報を自動改札機に送信する。
図16および図17を参照して、自動改札機システム1の処理過程について説明する。
図16(A)は、入場駅に磁気券改札機200が、出場駅に磁気券改札機200が設置された場合の処理過程の一例である。乗車券TIXは、券売機300により発券される。入場駅の磁気券改札機200は、磁気層に記憶された磁気情報に基づいて、入場処理を実行する。磁気券改札機200は、送受信情報D(乗車券IDおよび入場処理の結果)をサーバ装置400に送信する。サーバ装置400は、入場駅の磁気券改札機200により送信された送受信情報Dを出場駅の磁気券改札機200に送信する。出場駅の磁気券改札機200は、サーバ装置400により送信された乗車券IDと、自機に挿入された乗車券TIXの磁気層に記憶された磁気情報とが一致し、且つ当該駅が磁気情報に含まれる区間情報が示す区間に収まっている場合、利用者の出場を許可する。利用済の乗車券TIXは、出場駅で集札される。出場駅の磁気券改札機200は、出場処理の結果を乗車券TIXの乗車券識別情報に対応付けて、サーバ装置400に送信する。サーバ装置400は、出場駅の磁気券改札機200から送信された情報を、自装置で管理している乗車券TIXの情報に反映させる。これにより、乗車券TIXの再利用が防止される。
図16(B)は、入場駅に磁気券改札機200が、出場駅にコード券改札機100が設置された場合の処理過程の一例である。サーバ装置400は、入場駅の磁気券改札機200により送信された送受信情報Dを出場駅のコード券改札機100に送信する。出場駅のコード券改札機100は、自機に提示された乗車券TIXの表示オブジェクトOBに符号化された乗車券IDと、サーバ装置400により送信された乗車券IDとが一致し、且つ当該駅が表示オブジェクトOBに符号化された情報に含まれる区間情報が示す区間に収まっている場合、利用者の出場を許可する。出場駅のコード券改札機100は、出場処理の結果を乗車券TIXの乗車券識別情報に対応付けて、サーバ装置400に送信する。サーバ装置400は、出場駅のコード券改札機100から送信された情報を、自装置で管理している乗車券TIXの情報に反映させる。これにより、乗車券TIXの再利用が防止される。
図17(A)は、入場駅にコード券改札機100が、出場駅に磁気券改札機200が設置された場合の処理過程の一例である。入場駅のコード券改札機100は、表示オブジェクトOBに符号化された情報に基づいて、入場処理を実行する。コード券改札機100は、送受信情報D(乗車券IDおよび入場処理の結果)をサーバ装置400に送信する。サーバ装置400は、入場駅のコード券改札機100により送信された送受信情報Dを出場駅の磁気券改札機200に送信する。出場駅の磁気券改札機200は、サーバ装置400により送信された乗車券IDと、自機に挿入された乗車券TIXの磁気層に記憶された乗車券IDとが一致し、且つ当該駅が磁気情報に含まれる区間情報が示す区間に収まっている場合、利用者の出場を許可する。出場駅の磁気券改札機200は、出場処理の結果を乗車券TIXの乗車券識別情報に対応付けて、サーバ装置400に送信する。
図17(B)は、入場駅および出場駅にコード券改札機100が設置された場合の処理過程の一例である。サーバ装置400は、入場駅のコード券改札機100により送信された送受信情報Dを出場駅のコード券改札機100に送信する。出場駅のコード券改札機100は、自機に提示された乗車券TIXの表示オブジェクトOBに符号化された乗車券IDと、サーバ装置400により送信された乗車券IDとが一致し、且つ当該駅が表示オブジェクトOBに符号化された情報に含まれる区間情報が示す区間に収まっている場合、利用者の出場を許可する。出場駅のコード券改札機100は、出場処理の結果を乗車券TIXの乗車券識別情報に対応付けて、サーバ装置400に送信する。
ここで、利用者により利用される乗車券の主体を、順次、磁気層を有さない乗車券であって、表示オブジェクトが表示された乗車券に移行させる場合、利用者や事業者に負担が生じないように段階的に改札処理のシステムを移行する場合がある。システムを移行する段階において、コード券改札機と磁気券改札機とが混在する環境では、一方の自動改札機のみが設置された駅が存在する場合がある。この場合、利用者は、入場駅で通過した改札機(例えば磁気改札機)と異なる処理を実行する自動改札機(例えばコード券改札機)を利用することができないため、出場駅で出場できないことがある。
これに対して、本実施形態の自動改札機システム1は、入場駅の自動改札機で取得された情報および判定結果を、サーバ装置400を介して出場駅の自動改札機が取得する。出場駅の改札機は、入場駅で利用された乗車券TIXと、出場駅で利用しようとされている乗車券TIXとの同一性を確認する。これにより、入場駅側で行われた処理と、出場駅側で行われた処理の方式が異なる場合であっても、乗車券TIXに対する入出場処理を行うことができる。この結果、利用者の利便性を向上させることができる。また、自動改札機で乗車券TIXを処理することができるため、係員が窓口で乗車券TIXを処理する負荷が軽減される。
図18は、自動改札機システム1を導入する場合のシステム状態の遷移の一例を示す図である。図18(A)は、1段階目の状態の一例を示す図である。1段階目の状態(A)−(1)では、サーバ装置400を設置する。1段階目の状態(A)−(2)では、サーバ装置400と、C事業者の磁気改札機200とをLAN等で接続し、通信可能な状態にする。また、事業者Cの磁気券改札機200のプログラムを更新する。このプログラムは、乗車券TIXの磁気層に記憶されたシステム利用情報を取得した場合に、自機の判定結果および乗車券IDをサーバ装置400に送信する処理を実行させるプログラムである。1段階目の状態(A)−(3)では、事業者AおよびBの磁気券改札機200のプログラムを更新する。このプログラムは、乗車券TIXの磁気層に記憶されたシステム利用情報を取得した場合に、改札処理を受け付けない処理を実行させるプログラムである。
図18(B)は、2段階目の状態の一例を示す図である。2段階目の状態(B)−(1)では、例えば事業者Cの券売機300のプログラムを更新する。このプログラムは、事業者Cが運営する鉄道路線の駅で入場および出場するための乗車券については、乗車券TIXを発行する処理を行うプログラムである。2段階目の状態(B)−(2)では、乗車券TIXの発行が開始される。2段階目の状態(B)−(3)では、C事業者の磁気券改札機200が、乗車券TIXを処理する運用が開始される。この場合、事業者Cの磁気券改札機200は、サーバ装置400と通信するため、乗車券TIXを処理することができる。事業者AおよびBの磁気券改札機200は、サーバ装置400と通信しないため、乗車券TIXを受け付けることができない。
図18(C)は、3段階目の状態の一例を示す図である。3段階目の状態(C)−(1)では、例えば事業者Cの駅にコード券改札機100が設置される。3段階目の状態(C)−(2)では、C事業者の駅に設置されたコード券改札機100が、乗車券TIXを処理する運用が開始される。A事業者およびB事業者が運営する鉄道の駅システムにおいても、コード券を処理する運用を開始する場合、サーバ装置400を設置し、C事業者に設置されたサーバ装置400と通信させ、上述した各状態を経て乗車券TIXを処理する運用が開始させることができる。この結果、利用される乗車券をコード券に移行させることができる。
上述したように、自動改札機システム1を構築することにより、利用者や事業者に負担が生じないように、利用者により利用される乗車券をコード券に移行させることができる。また、利用者は、磁気券およびコード券をして入出場をすることができるため、利用者の利便性が向上する。
(券売機)
以下、乗車券TIXを発行する券売機300の説明を行う。図19は、券売機300の機能構成の一例を示す図である。券売機300は、例えば、入力部302と、購入画面表示部304と、紙幣投入口308と、硬貨投入口310と、乗車券排出口312と、検銭部318と、ロール紙格納部320と、裁断部322と、乗車券発行部324と、券売機側制御部330と、券売機側記憶部340とを備える。
入力部302は、例えば、ボタン、キーボード、マウス、マイク、タッチパネル等のユーザインターフェースである。なお、購入画面表示部304がタッチパネルの場合、入力部302は、購入画面表示部304の一部機能であってもよい。入力部302は、例えば、利用者から、乗車券である乗車券TIXの購入を指示する入力を受け付ける。
購入画面表示部304は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示装置を含む。購入画面表示部304は、券売機側制御部330によって出力される情報に基づいて、乗車券TIXを購入するための画像を表示する。以下、購入画面表示部304を、上述した入力部302と機能が一体となったタッチパネル部と称して説明する。
検銭部318は、紙幣投入口308または硬貨投入口310に投入された金銭を計数し、計数結果を券売機側制御部330に出力する。
ロール紙格納部320には、ロール紙が格納される。ロール紙は、切断されることで乗車券TIXとなる乗車券用紙である。乗車券用紙の第1面には、乗車券TIXの乗車券IDが符号化された表示オブジェクトOBが印刷される。第1面とは異なる第2面には、乗車券TIXの乗車券IDが書き込まれる磁気層が形成される。
裁断部322は、表示オブジェクトOBが表示されるロール紙Rを所定の大きさ(乗車券TIXの大きさ)に裁断する。
乗車券発行部324は、オブジェクト発行部325(第1付与部)と、磁気発行部326(第2付与部)とを備える。オブジェクト発行部325は、券売機側制御部330による制御によって、裁断部322により裁断されたロール紙Rの第1面に表示オブジェクトOBを画像として形成(印刷)する。また、磁気発行部326は、第2面の磁気層に乗車券TIXの乗車券IDおよび効力情報を書き込む。オブジェクト発行部325により表示オブジェクトOBに符号化される乗車券IDと、磁気発行部326により磁気層に書き込まれる乗車券IDのうち、少なくとも乗車券TIXの識別情報は同一である。乗車券発行部324は、乗車券TIXを乗車券排出口312から排出する。これによって、乗車券発行部324は、乗車券TIXを発行する。
券売機側制御部330は、例えば、券売機側表示制御部334と、発行制御部336とを備える。券売機側表示制御部334は、乗車券TIXの購入画面をタッチパネル部に表示させる。発行制御部336は、タッチパネル部に入力された、利用区間等に基づいて、乗車券TIXの発行に要する購入金額を算出する。なお、このとき券売機側表示制御部334は、発行制御部336によって算出された購入金額をタッチパネル部に表示させる。これによって、紙幣投入口308や硬貨投入口310には、これらに対応する貨幣が投入される。発行制御部336は、検銭部318による計数結果を参照し、算出した購入金額を満たすか否かを判定する。発行制御部336は、計数結果が購入金額を満たす場合、乗車券発行部324に乗車券TIXを発行させる。券売機側記憶部340は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、各駅間の運賃が記憶された券売機側運賃テーブル342を格納する。
以上説明した券売機300は、乗車券TIXの識別情報が符号化された表示オブジェクトOBが表示された第1面と、第1面とは異なる第2面であって、第1面に表示された表示オブジェクトOBに符号化された識別情報と同じ識別情報が符号化された磁気層が形成された第2面とを有する乗車券を発行する。これにより、利用者は、乗車券TIXを用いて自動改札機システム1を利用することができる。この結果、利用者や事業者等の負担を軽減できることができる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、利用者によって自機に提示された乗車券に表示された表示オブジェクトに符号化された識別情報および効力情報を光学的に取得する第1の取得部、第1の取得部により取得された効力情報に基づいて、利用者の入場を許可するか否かを判定する第1の処理部、および第1の取得部により取得された識別情報をサーバ装置に送信する第1の通信部を備える第1の自動改札機と、利用者によって自機の挿入部に挿入された乗車券の磁気層に記憶された識別情報および効力情報を電磁的に取得する第2の取得部、第1の取得部により取得された効力情報に基づいて、利用者の入場を許可するか否かを判定する第2の処理部、および第2の取得部により取得された識別情報をサーバ装置に送信する第2の通信部を備える第2の自動改札機と、第1の自動改札機または第2の自動改札機から受信した識別情報に基づく情報を、第3の自動改札機または第4の自動改札機に送信するサーバ装置と、少なくとも、利用者によって自機に提示された乗車券に表示された表示オブジェクトに符号化された識別情報を光学的に取得する第3の取得部、サーバ装置により送信された識別情報に基づく情報を受信する第3の通信部、および第3の取得部により取得された識別情報と第3の通信部により受信された情報とに基づいて、利用者の出場を許可するか否かを判定する第3の処理部とを備える第3の自動改札機と、少なくとも、利用者によって自機の挿入部に挿入された乗車券の磁気層に記憶された識別情報を電磁的に取得する第4の取得部、サーバ装置により送信された識別情報に基づく情報を受信する第4の通信部、および第4の取得部により取得された識別情報と第4の通信部により受信された情報とに基づいて、利用者の出場を許可するか否かを判定する第4の処理部を備える第4の自動改札機とを持つことにより、利用者の利便性が向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。