JP7635154B2 - 糖修飾タンパク質 - Google Patents

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Description

本発明は、糖修飾タンパク質に関する。より詳細には、タンパク質中の特定の位置のリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質に関する。また、本発明はコク味付与剤に関する。本発明はさらに、飲食品にコク味を付与する方法等に関する。
近年の消費者の嗜好の多様化にともなって、様々な香味特徴をもつビールテイストアルコール飲料やノンアルコールビールテイスト飲料等の開発が望まれている。
例えば、特許文献1にはビール様飲料のコク感等を増強するために、アルコール成分、甘味系成分、アルデヒド系成分などをビール様飲料用風味改善剤とすることなどが開示されている。
特開2016-214262号公報
本発明は、飲食品にコク味を付与するために有用な物質を提供することを目的とする。また、本発明は、飲食品にコク味を付与する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、飲食品にコク味を付与することができる物質について検討した結果、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなり、当該アミノ酸配列の160番目のリジン及び/又は189番目のリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質等が、コク味と相関がある物質であることを見出した。また、本発明者らは、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなり、当該アミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされているタンパク質も、コク味と相関がある物質であることを見出した。
すなわち、これに限定されるものではないが、本発明は、以下の糖修飾タンパク質、コク味付与剤、飲食品にコク味を付与する方法等に関する。
〔1〕リジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質であって、下記(a1)~(a3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるリジン及び/又は189番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質。
(a1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(a2)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、160番目及び/又は189番目のリジン以外の領域中に1~9個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質
(a3)配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して98%以上の同一性を有し、かつ、配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置及び/又は189番目に相当する位置にあるアミノ酸がリジンであるアミノ酸配列からなるタンパク質
〔2〕上記(a1)~(a3)に記載のタンパク質が、大麦由来のタンパク質である上記〔1〕に記載の糖修飾タンパク質。
〔3〕リジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質であって、下記(b1)~(b3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質。
(b1)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b2)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、117番目のリジン以外の領域中に1~9個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質
(b3)配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して98%以上の同一性を有し、かつ、配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるアミノ酸がリジンであるアミノ酸配列からなるタンパク質
〔4〕上記(b1)~(b3)に記載のタンパク質が、大麦由来のタンパク質である上記〔3〕に記載の糖修飾タンパク質。
〔5〕下記糖修飾タンパク質(A)及び/又は下記糖修飾タンパク質(B)を含む、コク味付与剤。
糖修飾タンパク質(A):リジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質であって、下記(a1)~(a3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるリジン及び/又は189番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質
(a1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(a2)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、160番目及び/又は189番目のリジン以外の領域中に1~9個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質
(a3)配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して98%以上の同一性を有し、かつ、配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置及び/又は189番目に相当する位置にあるアミノ酸がリジンであるアミノ酸配列からなるタンパク質
糖修飾タンパク質(B):リジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質であって、下記(b1)~(b3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質
(b1)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b2)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、117番目のリジン以外の領域中に1~9個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質
(b3)配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して98%以上の同一性を有し、かつ、配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるアミノ酸がリジンであるアミノ酸配列からなるタンパク質
〔6〕ビールテイストアルコール飲料又はノンアルコールビールテイスト飲料にコク味を付与するために使用される上記〔5〕に記載のコク味付与剤。
〔7〕飲食品にコク味を付与するための、上記糖修飾タンパク質(A)及び/又は上記糖修飾タンパク質(B)の使用。
〔8〕飲食品がビールテイストアルコール飲料又はノンアルコールビールテイスト飲料である上記〔7〕に記載の使用。
〔9〕上記糖修飾タンパク質(A)及び/又は上記糖修飾タンパク質(B)を飲食品に添加する、飲食品にコク味を付与する方法。
〔10〕飲食品がビールテイストアルコール飲料又はノンアルコールビールテイスト飲料である上記〔9〕に記載の方法。
本発明によれば、飲食品にコク味を付与するために有用な糖修飾タンパク質を提供することができる。また、本発明によれば、飲食品にコク味を付与する方法を提供することができる。
図1は、異なるビール3種(B、C、D)より精製した糖修飾タンパク質中の、Serpin Z4(配列番号1)のアミノ酸配列の142~174番目のアミノ酸からなり、糖修飾がされていないペプチド断片(未修飾Z4(142-174)ペプチド)のLC-MSイオンの面積値(未修飾Z4(142-174)ペプチドのイオン面積値)に対する、当該ペプチド中のK160に1個のヘキソース又は2個のヘキソース(ジヘキソース)が結合している糖修飾Z4(142-174)ペプチドのLC-MSイオンの合計面積値の比((糖修飾Z4(142-174)ペプチドのイオン面積値合算)/(未修飾Z4(142-174)ペプチドのイオン面積値))を示すグラフである。 図2は、異なるビール3種(B、C、D)より精製した糖修飾タンパク質中の、Serpin Z4(配列番号1)のアミノ酸配列の182~200番目のアミノ酸からなり、糖修飾がされていないペプチド断片(未修飾Z4(182-200)ペプチド)のLC-MSイオンの面積値(未修飾Z4(182-200)ペプチドのイオン面積値)に対する、当該ペプチド中の189番目のリジン(K189)に1個のヘキソース又は2個のヘキソース(ジヘキソース)が結合している糖修飾Z4(182-200)ペプチドのLC-MSイオンの合計面積値の比((糖修飾Z4(182-200)ペプチドのイオン面積値合算)/(未修飾Z4(182-200)ペプチド)のイオン面積値))を示すグラフである。
本発明の第一の態様は、リジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質であって、下記(a1)~(a3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるリジン及び/又は189番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質である。
(a1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(a2)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、160番目及び/又は189番目のリジン以外の領域中に1~9個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質
(a3)配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して98%以上の同一性を有し、かつ、配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置及び/又は189番目に相当する位置にあるアミノ酸がリジンであるアミノ酸配列からなるタンパク質
上記糖修飾タンパク質を、本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質ともいう。
本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質は、そのアミノ酸配列の、配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置及び/又は189番目に相当する位置のアミノ酸がリジンである。本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質は、配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるリジン及び/又は189番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質である。
本明細書中、配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置とは、比較対象のタンパク質(ポリペプチド)のアミノ酸配列(一次構造)について、配列番号1のアミノ酸配列(基準のアミノ酸配列)とアミノ酸配列の相同性に基づくアラインメントを行った場合に、配列番号1のアミノ酸配列中の160番目(160位)に相当する位置を意味する。従って、配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるアミノ酸は、配列番号1では160番目のリジンであるが、配列番号1に示すアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列のポリペプチドにおいては、160番目とはならない場合がある。配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目以外のアミノ酸、例えば、配列番号1に示されるアミノ酸配列の189番目のリジンに相当する位置にあるリジンについても、同様である。後記する配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目のリジンに相当する位置にあるリジンについても同様である。本明細書中、アミノ酸の番号は、N末端からのアミノ酸の番号である。本明細書中、アミノ酸配列における配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目のリジンに相当する位置を、「配列番号1の160番目に相当する位置」ともいう。同様に、アミノ酸配列における配列番号1に示されるアミノ酸配列の189番目のリジンに相当する位置を、「配列番号1の189番目に相当する位置」ともいう。
配列番号1の160番目に相当する位置にあるリジン及び/又は189番目に相当する位置のリジンを、上記(a1)、(a2)又は(a3)の任意のタンパク質(ポリペプチド)において特定することは、容易である。
配列番号1の160番目に相当する位置のリジン及び/又は189番目に相当する位置のリジンの特定は、例えば、ClustalW、NCBIのProtein Blastのような既知の配列比較プログラムを用いて行うことができる。ClustalWは、通常、デフォルトパラメーターを用いることができる。ClustalWは、日本DNAデータバンク(Data Bank of Japan:DDBJ)、欧州バイオインフォマティクス研究所(European Bioinformatics Institute:EBI)等のウェブサイトから利用することができる。比較を行いたい2つのポリペプチドのアミノ酸配列を入力してプログラムを実行することによって、アミノ酸配列の相同性に基づくアラインメントを行うことができる。ここで、配列番号1のアミノ酸配列を、2つのポリペプチドの1つとして入力することによって、任意のポリペプチドの特定位置の残基が、配列番号1のポリペプチドにおいてどの位置に相当するかを容易に特定することができる。
例えば、配列番号2に示されるアミノ酸配列において、配列番号1の189番目に相当する位置にあるアミノ酸は、190番目のリジンである。
本発明において、「リジンの側鎖アミノ基がグリケーションされた」とは、リジンの側鎖アミノ基に糖が結合していることを意味する。
糖は、単糖、二糖、三糖以上のオリゴ糖、多糖のいずれであってもよい。好ましくは、単糖、二糖又は三糖であり、より好ましくは、単糖又は二糖である。
単糖としては、還元糖が挙げられ、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ラムノース、アラビノース、キシロースを含む全ての単糖が挙げられる。単糖は、D型であることが好ましい。
二糖としては、還元糖が挙げられ、例えば、マルトース、イソマルトース、ラクトース等のマルトース型二糖が挙げられる。
三糖としては、マルトトリオース、イソマルトトリオース、セルトリオース、フコシルラクトース、シアリルラクトース等が挙げられる。
一態様において、上記糖として、ビールに含有される糖が好ましい。一態様において、リジンの側鎖アミノ基に結合している単糖として、例えば、グルコース、アラビノース、キシロース等が好ましい。二糖として、マルトース、イソマルトース等が好ましい。三糖として、マルトトリオース、イソマルトトリオース等が好ましい。
配列番号1に示すアミノ酸配列は、大麦(学名:Hordeum vulgare)由来のSerpinZ4(別名:BSZ4、HorvuZ4、Major endosperm albumin、Serpin Z4、Serpin-Z4、Protein Z又はProtein Z4)のアミノ酸配列である。
上記(a1)に記載のタンパク質において、配列番号1の160番目に相当する位置は、そのアミノ酸配列の160番目であり、189番目に相当する位置は、そのアミノ酸配列の189番目である。
本明細書中、タンパク質のアミノ酸配列において、1~9個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加されたとは、同一配列中の任意かつ1~9のアミノ酸配列中の位置において、1~9のアミノ酸の欠失、置換、挿入及び/又は付加があることを意味し、欠失、置換、挿入及び付加のうち2種以上が同時に生じていてもよい。
上記(a2)に記載のタンパク質のアミノ酸配列において、欠失、置換、挿入及び/又は付加されたアミノ酸の数は、好ましくは1~8個、1~7個又は1~6個、より好ましくは1~5個、さらに好ましくは1~4個、特に好ましくは1~3個、最も好ましくは1又は2個である。
上記(a3)のタンパク質において、配列番号1に示されるアミノ酸配列に対するアミノ酸配列の同一性(配列同一性)は、好ましくは99%以上である。
アミノ酸配列の同一性は、例えば、BLAST等の解析ソフトウェアを用いて、デフォルトのパラメータにより算出することができる。
一態様において、本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質は、上記(a1)に記載のタンパク質(配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質)の、配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるリジン及び/又は189番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質であることが好ましい。この糖修飾タンパク質は、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなり、当該アミノ酸配列の160番目のリジン及び/又は189番目のリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質ということもできる。
一態様において、本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質は、上記(a1)~(a3)のいずれかに記載のタンパク質(好ましくは(a1)のタンパク質)において、配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質であることが好ましい。
本発明の糖修飾タンパク質では、上記(a1)、(a2)及び(a3)のタンパク質において、配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるリジン及び/又は189番目に相当する位置にあるリジン以外のリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされていてもよい。
本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質は、その製造方法や由来に特に限定されない。一態様において、本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質は、穀類由来のタンパク質において、配列番号1のアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるリジン及び/又は189番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされたタンパク質であることが好ましい。穀類としては、大麦、小麦、トウモロコシ、イネ等が挙げられる。中でも、大麦が好ましい。上記(a1)~(a3)のタンパク質は、大麦由来のタンパク質であることが好ましい。
本発明の第二の態様は、リジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質であって、下記(b1)~(b3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質である。
(b1)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b2)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、117番目のリジン以外の領域中に1~9個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質
(b3)配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して98%以上の同一性を有し、かつ、配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるアミノ酸がリジンであるアミノ酸配列からなるタンパク質
上記(b1)~(b3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質を、本発明の第二の態様の糖修飾タンパク質ともいう。
本発明の第二の態様の糖修飾タンパク質は、そのアミノ酸配列の、配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置のアミノ酸がリジンである。本発明の第二の態様の糖修飾タンパク質は、配列番号2に示されるアミノ酸配列の117に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質である。
本発明の第二の態様の糖修飾タンパク質において、リジンの側鎖アミノ基に結合している糖及びその好ましい態様は、上記の第一の態様の糖修飾タンパク質と同じである。
アミノ酸配列における配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目のリジンに相当する位置を、「配列番号2の117番目に相当する位置」ともいう。
配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置のリジンを、上記(b1)、(b2)又は(b3)の任意のタンパク質(ポリペプチド)において特定することは、容易である。配列番号2の117番目に相当する位置のリジンを、上記(b1)、(b2)又は(b3)のタンパク質(ポリペプチド)において特定する場合、既知の配列比較プログラムを用いて上記の本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質の場合と同じ方法で特定することができる。
配列番号2に示すアミノ酸配列は、大麦由来のタンパク質SerpinZ7(別名:BSZ7、Serpin Z7又はHorvuZ7)のアミノ酸配列である。
上記(b1)に記載のタンパク質において、配列番号2の117番目に相当する位置は、そのアミノ酸配列の117番目である。
上記(b2)に記載のタンパク質のアミノ酸配列において、欠失、置換、挿入及び/又は付加されたアミノ酸の数は、好ましくは1~8個、1~7個又は1~6個、より好ましくは1~5個、さらに好ましくは1~4個、特に好ましくは1~3個、最も好ましくは1又は2個である。
一態様において、(b2)のタンパク質として、下記(b21)~(b24)のいずれかに記載のタンパク質が好ましい。(b21)~(b24)に記載のタンパク質は、大麦(学名:Hordeum vulgare)由来のSerpinZ7である。
(b21)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、173番目がアラニンであるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b22)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、292番目がトレオニンであるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b23)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、303番目がグルタミン酸であるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b24)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、325番目がロイシンであるアミノ酸配列からなるタンパク質
上記(b3)のタンパク質において、配列番号2に示されるアミノ酸配列に対するアミノ酸配列の同一性は、好ましくは99%以上である。
一態様において、本発明の第二の態様の糖修飾タンパク質は、上記(b1)に記載のタンパク質(配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質)の配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質であることが好ましい。この糖修飾タンパク質は、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなり、当該アミノ酸配列の117番目のリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質ということもできる。
(b1)、(b2)及び(b3)のタンパク質は、配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるリジン以外のリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされていてもよい。
本発明の第二の態様の糖修飾タンパク質は、その製造方法や由来に特に限定されない。一態様において、本発明の第二の態様の糖修飾タンパク質は、穀類由来のタンパク質において、配列番号2のアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされたタンパク質であることが好ましい。穀類としては、大麦、小麦、トウモロコシ、イネ等が挙げられる。中でも、大麦が好ましい。上記(b1)~(b3)のタンパク質は、大麦由来のタンパク質であることが好ましい。
以下では、本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質及び本発明の第二の態様の糖修飾タンパク質を、まとめて本発明の糖修飾タンパク質ともいう。
本発明の糖修飾タンパク質の製造方法は特に制限されない。本発明の糖修飾タンパク質は、例えば、穀類又はこれを原料にして醸造したビール等から精製することができる。穀類は、好ましくは大麦であり、より好ましくは大麦麦芽である。一態様において、麦芽は、北米産麦芽を使用することが好ましい。
ビールから糖修飾タンパク質を得る方法は特に限定されず、通常の分離・精製方法に従って行うことができる。分離・精製方法としては、例えば、硫酸アンモニウム沈殿、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、透析法、限外ろ過法などを単独で、または適宜組み合わせて用いることができる。例えば、実施例に記載の方法で、ビールを陽イオン交換樹脂を用いたカラムクロマトグラフィーに供して、40kDaのタンパク質を含む画分を回収し、当該画分に硫酸アンモニウムを添加して塩析を行い、上澄を回収することにより、糖修飾タンパク質を含む溶液(上澄)を得ることができる。当該溶液を公知の方法で濃縮することにより、本発明の糖修飾タンパク質の精製品を得ることができる。
得られたタンパク質のリジンのアミノ基がグリケーションされていることの確認は、NBT(Nitroblue tetrazolium)法により、グリケーションされたリジンを比色定量することにより行うことができる。
本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質において、配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるリジン及び/又は189番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされていることの確認は、精製したタンパク質を公知の方法で断片化し、得られたペプチド断片をLC-MS/MSで分析することによって確認することができる。
本発明の第二の態様の糖修飾タンパク質において、配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされていることの確認は、精製したタンパク質を公知の方法で断片化し、得られたペプチド断片をLC-MS/MSで分析することによって確認することができる。
後記の実施例に示されるように、配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるリジン及び/又は189番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質は、優れたコク味付与効果を有した。配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質は、優れたコク味付与効果を有した。
本発明の糖修飾タンパク質は、飲食品にコク味を付与するために有用である。本発明の糖修飾タンパク質を飲食品に含有させると、当該タンパク質の比率が高いほど、よりコク味を付与することができる。
本発明において、「コク味」とは、5基本味、すなわち、甘味、塩味、酸味、苦味及びうま味では表せない感覚であり、味の強さ(飲み応え)、味の広がり、味の厚み、味の経時変化(余韻又は持続性)等によって表される感覚である。本発明においてコク味を付与するとは、例えば、コク味を有しない飲食品に、コク味を付与すること、コク味を有する飲食品のコク味を増強することを含む。コク味の有無や程度は、官能評価によって評価することができる。
本発明の糖修飾タンパク質は、飲食品に含有させて使用することができる。本発明の糖修飾タンパク質の飲食品中の含有量は特に限定されず、飲食品の種類や、所望するコク味の程度などに応じて適宜設定することができる。一態様において、本発明の糖修飾タンパク質は、ビールテイストアルコール飲料、ノンアルコールビールテイスト飲料等にコク味を付与するために好適に使用される。ビールテイストアルコール飲料とは、通常の方法で醸造してビールを製造した場合に得られるビール特有の香味を有するアルコール飲料を意味する。ノンアルコールビールテイスト飲料とは、ビール様の風味をもつ炭酸飲料を意味し、アルコールを実質的に含まないノンアルコールタイプのものである。本発明の糖修飾タンパク質は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明の糖修飾タンパク質は、精製されたタンパク質であってよい。
本発明の糖修飾タンパク質は、飲食品等にコク味を付与するために使用されるコク味付与剤の有効成分として使用することができる。
本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質(糖修飾タンパク質(A))、及び/又は、本発明の第二の態様の糖修飾タンパク質(糖修飾タンパク質(B))を含むコク味付与剤も、本発明に包含される。
本発明のコク味付与剤は、上記(a1)~(a3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるリジン及び/又は189番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質、及び/又は、上記(b1)~(b3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質を含む。
本発明のコク味付与剤は、本発明の糖修飾タンパク質の少なくとも1種を含むものであり、通常、当該糖修飾タンパク質の少なくとも1種を有効成分として含む。一態様において、コク味付与剤は、本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質及び第二の態様の糖修飾タンパク質を含むことが好ましい。コク味付与剤は、本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質又は第二の態様の糖修飾タンパク質を含むものであってよい。本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明の第二の態様の糖修飾タンパク質は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質、第二の態様の糖修飾タンパク質、これらの好ましい態様は、上述したものと同じである。
コク味付与剤は、上記(a1)に記載のタンパク質の配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるリジン及び/又は189番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質(糖修飾タンパク質(a1)ともいう)、及び/又は、上記(b1)に記載のタンパク質の配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質(糖修飾タンパク質(b1)ともいう)を含むことが好ましく、糖修飾タンパク質(a1)及び糖修飾タンパク質(b1)を含むことがより好ましい。
本発明のコク味付与剤は、例えば、飲食品にコク味を付与するために使用することができる。本発明のコク味付与剤は、例えば、ビールテイストアルコール飲料又はノンアルコールビールテイスト飲料にコク味を付与するために好適に使用することができる。ビールテイストアルコール飲料は、好ましくはビールである。本発明のコク味付与剤により飲食品にコク味を付与する場合、コク味付与剤を飲食品に含有させればよい。コク味付与剤を飲食品に含有させる方法は特に限定されず、予め製造に用いる原料に混合しておく方法、飲食品の製造工程において、任意の工程で添加する方法等が挙げられる。
飲食品にコク味を付与するための、本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質(糖修飾タンパク質(A))、及び/又は、本発明の第二の態様の糖修飾タンパク質(糖修飾タンパク質(B))の使用も本発明に包含される。
本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質(糖修飾タンパク質(A))、及び/又は、本発明の第二の態様の糖修飾タンパク質(糖修飾タンパク質(B))を飲食品に含有させると、当該飲食品にコク味を付与することができる。
第一の態様の糖修飾タンパク質、及び/又は、本発明の第二の態様の糖修飾タンパク質を飲食品に添加する、飲食品にコク味を付与する方法も本発明に包含される。
上記使用及び方法においては、上記(a1)~(a3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるリジン及び/又は189番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質、及び/又は、上記(b1)~(b3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質を使用する。
本発明の糖修飾タンパク質を飲食品に添加する方法は特に限定されず、予め製造に用いる原料に混合しておく方法、飲食品の製造工程において、任意の工程で添加する方法等が挙げられる。飲食品にコク味を付与する方法においては、上記コク味付与剤を飲食品に添加することができる。飲食品は、好ましくはビールテイストアルコール飲料又はノンアルコールビールテイスト飲料である。上記使用及び方法においては、本発明の糖修飾タンパク質の少なくとも1種を使用する。本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明の第二の態様の糖修飾タンパク質は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
一態様において、上記使用及び方法においては、本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質及び本発明の第二の態様の糖修飾タンパク質を使用することが好ましい。上記使用及び方法においては、本発明の第一の態様の糖修飾タンパク質又は本発明の第二の態様の糖修飾タンパク質を使用してもよい。一態様において、上記使用及び方法においては、上記糖修飾タンパク質(a1)及び/又は糖修飾タンパク質(b1)を使用することが好ましく、糖修飾タンパク質(a1)及び糖修飾タンパク質(b1)を使用することがより好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
北米産麦芽を適当な粒度に粉砕し仕込み槽に入れた後温水と混ぜ合わせた。麦芽酵素に適した温度で、糖化に充分な時間保持し、麦芽の酵素の働きででんぷん質を糖分に変換させ、糖化液を製造した。その後、糖化液をろ過してホップを加え、煮沸し、熱麦汁を製造し、発酵に備えた。熱麦汁を冷却し、これにビール酵母を加えた。数日の間に酵母の働きにより、麦汁中の糖分をアルコールと炭酸ガスに分解させ若ビールを製造した。若ビールを貯酒タンクに移し、低温で数十日間貯蔵した。この間にビールを熟成させ、ビールの味と香りを調和させた。熟成終了後、ビールをろ過し瓶詰を行った。
上記の方法で北米産麦芽から醸造したビール(以下、ビール(I)ともいう)から下記に従い糖修飾タンパク質の精製を行った。
(1)陽イオン交換樹脂による分画
陽イオン交換樹脂SP Sepharose50mLを空きカラムに入れた。
ビール(I)を樹脂に吸着させた。その後、吸着させた樹脂をカラムに移し替え、20mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)で洗浄、次いで20mM酢酸ナトリウム(pH4.5)+0.5M-NaClで溶出し、画分を集めた。得られた画分をSDS-PAGEで評価し、40kDaの糖修飾タンパク質(40kDaタンパク質)が含まれる画分を集め陽イオン交換樹脂結合画分とした。
(2)限外濾過(バッファー交換)
水洗浄した限外ろ過ユニット(Merck社製 Amicon Ultra-15 30K)に(1)で得られた陽イオン交換樹脂結合画分を添加し、遠心(3500rpm、10分間、室温)し限外ろ過し濃縮液を得た。
(3)硫安分画
20mMリン酸バッファー(pH7.0)+2M硫酸アンモニウムをビーカーに入れ、これに(2)で得た濃縮液を滴下、攪拌した。次に懸濁液を遠心(2330g、10分間、室温)した。上清を別容器に集めた。集めた溶液は限外ろ過ユニットを用いて濃縮した。濃縮液に20mM酢酸ナトリウム(pH4.5)を加え遠心(2330g、10分間、室温)し、濃縮を行い、40kDaタンパク質の精製品(Bradford定量(ウシ血清アルブミン(BSA)換算)、20.4mg/mL、2.21mL)を得た。得られた40kDaタンパク質の精製品の純度をSDS-PAGEで確認した。
40kDaタンパク質およびその修飾解析
40kDaタンパク質の解析を下記に従い行った。
(1)ゲル片の調製
精製した40kDaタンパク質溶液(濃度1mg/mL、20mM酢酸ナトリウムバッファー(pH4.5))10μLをSDS-PAGEで泳動しCBB(クマシーブリリアントブルー)で染色後、40kDaタンパク質のゲルを切り出した。
(2)タンパク質の酵素消化
切り出したゲル片を細切し、ジチオスレイトールによる還元(56℃、1時間)、ヨードアセトアミドによるカルバミドメチル化(遮光下,室温,45分間)を行った。次いで0.01%ProteaseMax含有10ng/μLキモトリプシン溶液(5mM塩化カルシウム,50mM炭酸水素アンモニウム溶液)15μL、5mM塩化カルシウム、50mM炭酸水素アンモニウム溶液15μLを添加し一晩インキュベートした後、酵素消化液を回収した。回収した溶液を減圧乾固し、0.1%ギ酸溶液に再溶解した。
これをLC-MS/MS分析に使用した。
(3)LC-MS/MSによる測定
LC-MS/MSの測定は下記の条件で行った。
使用装置:ダイレクトフローnanoLCシステムEasy-nLC 1000TM (Thermo Scientific)
トラップカラム:Acclaim PepMap(登録商標)(Thermo Scientific)
分析カラム:NANO HPLC CAPILLARY COLUMN(日京テクノス(株))
液体クロマトグラフ質量分析計:Q Exactive Plus(Thermo Scientific)
移動相:A液:0.1%ギ酸/水、B液:0.1%ギ酸/アセトニトリル
流速:300nL/min
グラジエント:0-40%B/0-30min、40-60%B/30-35min、60-90%B/35-37min、90%B/37-45min
注入量:10μL
イオン化モード:ESI Positive
測定範囲:MS1(m/z 350-1750)
Data Dependent Scanモード
(4)タンパク質および修飾解析
タンパク質同定および修飾検索は下記の条件で行った。
検索ソフト:Proteome Discoverer 2.2.0.388(ThermoFisher社製)
生物種:大麦(Hordeum vulgare)、ホップ(Humulus)、酵母(Saccharomyces cerevisiae)
検索条件:消化酵素:Chymotrypsin
修飾(Static):Carbamidomethyl (Cysteine)
修飾(Dynamic):Oxidation(Methionine), Hex(K, R, Protein N-term)、 Hex(2)(K, R, Protein N-term)、Hex(3)(K, R, Protein N-term)、Acetyl(Protein N-term)
プリカーサーイオン質量誤差範囲:Monoisotopic、±10ppm
プロダクトイオン質量誤差範囲:±0.02Da
最大ミスクリベージ数:5
コンフィデンスレベル(Percolator):High(確からしさ3段階のうち最も確率が高いレベル)
データベース:SwissProt
その結果、40kDaの糖修飾タンパク質は、糖修飾された大麦由来Serpin Z4(配列カバー率:77.2%)及び糖修飾された大麦由来Serpin Z7(配列カバー率:72.8%)であることがわかった。大麦由来Serpin Z4のアミノ酸配列を配列番号1に、大麦由来Serpin Z7のアミノ酸配列を配列番号2に示す。
LC-MS/MSによる大麦由来Serpin Z4の修飾解析の結果を表1~8に示す。
表1~4に、ビールから精製した大麦由来Serpin Z4のアミノ酸配列(配列番号1に示すアミノ酸配列)の142~174番目のアミノ酸からなるペプチド断片
(EAVGQVNSWVEQVTTGLIKQILPPGSVDNTTKL(配列番号3))(Z4(142-174)ペプチドとも記載する)をLC-MS/MSで分析した結果を示す。
表1には、LC-MSによるペプチド断片のプリカーサーイオンのm/z値を示す。表2~4に、表1に示すLC-MS/MSによるペプチド断片のフラグメントイオンのm/z値を示す。
表2は、表1に示すMH3521.885Daのペプチドのフラグメントイオンの分析結果である。MH3521.885Daのペプチドのフラグメントイオンは、糖修飾がないZ4(142-174)ペプチドのフラグメントイオンである。表3は、表1に示すMH3683.935Daのペプチドのフラグメントイオンの分析結果である。表4は、表1に示すMH3845.980Daのペプチドのフラグメントイオンの分析結果である。
表5~8に、ビールから精製した大麦由来のSerpin Z4のアミノ酸配列の182~200番目のアミノ酸からなるペプチド断片(FKGAWDQKFDESNTKCDSF(配列番号4))(Z4(182-200)ペプチドとも記載する)をLC-MS/MSで分析した結果を示す。表5には、LC-MSによるペプチド断片のプリカーサーイオンのm/z値を示す。表6~8には、LC-MS/MSによるペプチド断片のフラグメントイオンのm/z値を示す。表6は、表5に示すMH2310.012Daのペプチドのフラグメントイオンの分析結果である。MH2310.012Daのペプチドのフラグメントイオンは、糖修飾がないZ4(182-200)ペプチドのフラグメントイオンである。表7は、表5に示すMH2472.064Daのペプチドのフラグメントイオンの分析結果である。表8は、表5に示すMH2634.118Daのペプチドのフラグメントイオンの分析結果である。
表2~4及び6~8中、No.は、配列番号1に示すアミノ酸配列におけるアミノ酸の番号である。太枠で囲った太字が、検出したフラグメントイオンである。表1に示すペプチド中の修飾について、K19は、Z4(142-174)ペプチドにおける19番目のリジンの修飾が検出されたことを示す。表5に示すペプチド中の修飾について、K8は、Z4(182-200)ペプチドにおける8番目のリジンの修飾が検出されたことを示す。
Figure 0007635154000001
Figure 0007635154000002
Figure 0007635154000003
Figure 0007635154000004
Figure 0007635154000005
Figure 0007635154000006
Figure 0007635154000007
Figure 0007635154000008
表1~8に示す結果から、糖修飾されたSerpin Z4には、160番目のリジン(K160)、189番目のリジン(K189)の1以上のリジンのアミノ基がヘキソースで修飾された(グリケーション)構造をもつものが含まれることがわかった。Z4(142-174)ペプチドには、Serpin Z4の160番目のリジン(K160)が含まれる。
表2のb+、b2+及びy+の欄の検出されたNo.160~173のm/z値と、表3のb+、b2+及びy+の欄のNo.160~173のm/z値とから、MH3683.935DaのペプチドのフラグメントイオンのNo.160のリジン(K160)には、ヘキソースに相当する162Daが付加していることが分かった。このことから、MH3683.935Daのペプチドには、K160にヘキソース1個が付加した修飾配列構造を有するペプチドが含まれることが分かった。表2のb+、b2+及びy+の欄のNo.160~173のm/z値と、表4のb+、b2+及びy+の欄のNo.160~173のm/z値とから、MH3845.980DaのペプチドのフラグメントイオンのNo.160のリジン(K160)には、ジヘキソースに相当する324Daが付加していることが分かった。よって、MH3845.980Daのペプチドのフラグメントイオンには、K160にジヘキソースが付加した修飾配列構造を持つペプチドが含まれることがわかった。
表6~8は、Z4(182-200)ペプチドの分析結果である。Z4(182-200)ペプチドには、Serpin Z4の189番目のリジン(K189)が含まれる。
表6のb+及びy+の欄のNo.189~199のm/z値と、表7のb+、b2+及びy+の欄のNo.189~199のm/z値とから、MH2472.064DaのペプチドのフラグメントイオンのNo.189のリジン(K189)には、ヘキソースに相当する162Daが付加していることが分かった。よって、MH2472.064Daのペプチドのフラグメントイオンには、K189にヘキソース1個が付加した修飾配列構造を有するペプチドが含まれることが分かった。
表6のb+、b2+及びy+の欄のNo.189~199のm/z値と、表8のb+、b2+及びy+の欄のNo.189~199のm/z値とから、MH2634.118DaのペプチドのフラグメントイオンのNo.189のリジン(K189)には、ジヘキソースに相当する324Daが付加していることが分かった。このことから、MH2634.118Daのペプチドのフラグメントイオンには、K189にヘキソース2個が付加した修飾配列構造を持つペプチドが含まれることがわかった。配列番号1に示すアミノ酸配列の160番目のリジン(K160)、189番目のリジン(K189)の1以上のリジンのアミノ基がグリケーションされたSerpin Z4は、これまで報告されていないものである。
糖修飾Serpin Z4のリジンに付加しているヘキソースは、グルコース又はキシロースであると推定された。ジヘキソースは、マルトース又はイソマルトースであると推定された。
<実施例2>
異なるビール3種より糖修飾タンパクを精製し、精製糖修飾タンパク質をビールに添加して官能評価を行った。大麦由来Serpin Z4における160番目及び/又は189番目のリジンのグリケーションと、コク味付与効果との関連性を調べた。
(ビール3種から糖修飾タンパク40kDaの精製)
実施例1のビール(I)からのタンパク精製と同様にして、ビール3種(ビールB、C、D)より40kDaの糖修飾タンパクを精製し、糖修飾タンパク質を含む溶液を得た。
(ビール3種より精製した糖修飾タンパク質溶液のタンパク質濃度と糖修飾タンパク質の分析)
下記の方法により、ビール3種(B、C又はD)より精製した糖修飾タンパクを含む溶液のタンパク質濃度及びグリケーションしたリジンの濃度を求めた。
(グリケーションされたリジンの濃度)
側鎖アミノ基がグリケーションされたリジンの濃度は、Fructosamine Assay kit(abcam社製品、ab228558)を用いてNBT(Nitroblue tetrazolium)法にて比色定量した。
サンプル及びブランクにつき試験数はn=2として、平均値を採用した。
各ビールから精製した糖修飾タンパクを含む溶液中のグリケーションされたリジンのアミノ基の量(nmol/mL)を求めた。また、各ビールから精製した糖修飾タンパクを含む溶液中のタンパク質濃度(mg/mL)を、Bradford法(BSA換算)で測定した。
糖修飾タンパクを含む溶液中のグリケーションされたリジンのアミノ基の量(nmol/mL)を、タンパク質濃度(mg/mL)で除して、精製糖修飾タンパク質の重量あたりのグリケーションされたリジンのアミノ基の濃度(nmol/mg-protein)を求めた。
(精製糖修飾タンパク質の分析結果)
ビール3種(B、C、D)より精製した糖修飾タンパクを含む溶液中のグリケーションされたリジンのアミノ基の濃度およびタンパク質濃度(Bradford法(BSA換算)で測定)の分析結果を表9に示した。なお表9に示すグリケーションされたリジンのアミノ基の濃度は、精製糖修飾タンパク質の重量あたりのグリケーションされたリジンのアミノ基の濃度である。
Figure 0007635154000009
(ビール3種より精製した糖修飾タンパク質のビールへのコクの付与評価)
ビール3種(B、C、D)から精製した糖修飾タンパク質を含む溶液を市販のビールAに添加して官能評価を行った。この際に、官能評価サンプル中のグリケーションされたリジンの濃度が同じになるように、ビールB、C又はDから精製した糖修飾タンパク質溶液をビールAに添加し、サンプルB、サンプルC及びサンプルDを得た。サンプルBは、ビールBから精製した糖修飾タンパク質溶液を添加したサンプルであり、サンプルCは、ビールCから精製した糖修飾タンパク質溶液を添加したサンプルであり、サンプルDは、ビールDから精製した糖修飾タンパク質溶液を添加したサンプルである。市販ビールAの総プリン体濃度は10.39mg/100mLであった。総プリン体濃度は、日本食品分析センターで分解法にて実施した。
(官能評価)
市販のビールA(コントロール(添加なし))並びにサンプルB、C及びDの官能評価を行った。官能評価は、糖修飾タンパク質の添加をしていない市販ビールAのコク味を基準点の1.5点とし、専門パネル4名により0.1点刻みでスコア化した。そのスコア値を平均化した。
コク味は以下の基準とした。
0点:全く感じられない
1点:やや感じられる
2点:明確に感じる
3点:非常に強く感じる
スコアの平均点を表10に示す。表10のコントロール(添加なし)は、糖修飾タンパク質を添加していないビールAである。その結果、表10に示すようにコク味の強度は、サンプルCが一番強く、次いでサンプルD、サンプルBであった。
Figure 0007635154000010
(ビール3種より精製した糖修飾タンパク質の側鎖アミノ基に糖が結合している160番目および189番目のリジンの量の解析)
ビール3種(B、C、D)より精製した糖修飾タンパク質の修飾解析を実施例1と同様の方法で行った。Serpin Z4(配列番号1)のアミノ酸配列の142~174番目のアミノ酸からなり、糖修飾がされていないペプチド断片(EAVGQVNSWVEQVTTGLIKQILPPGSVDNTTKL(配列番号3)、未修飾Z4(142-174)ペプチド)のLC-MSイオンの面積値および側鎖アミノ基に糖が付加している160番目のリジン(K160)を含む当該ペプチド断片(糖修飾Z4(142-174)ペプチド)のLC-MSイオン面積値を算出した。さらにこれらの面積値をもとに、ビール3種から精製した糖修飾タンパクについて、(糖修飾Z4(142-174)ペプチドのイオン面積値合算)/(未修飾Z4(142-174)ペプチドのイオン面積値)を求め、未修飾のZ4(142-174)ペプチドに対する、K160の側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾Z4(142-174)ペプチドの割合の比較を行った(図1)。(未修飾体、修飾体のペプチドによってLC-MSのイオン化効率が同じでない可能性も考慮し、ビール3種の各サンプルを横並びで面積比を比較した。)
図1は、異なるビール3種(B、C、D)より精製した糖修飾タンパク質中の、Serpin Z4(配列番号1)のアミノ酸配列の142~174番目のアミノ酸からなり、糖修飾がされていないペプチド断片(未修飾Z4(142-174)ペプチド)のLC-MSイオンの面積値(未修飾Z4(142-174)ペプチドのイオン面積値)に対する、当該ペプチド中のK160に1個のヘキソース又は2個のヘキソース(ジヘキソース)が結合している糖修飾Z4(142-174)ペプチドのLC-MSイオンの合計面積値の比((糖修飾Z4(142-174)ペプチドのイオン面積値合算)/(未修飾Z4(142-174)ペプチドのイオン面積値))を示すグラフである。図1の縦軸の面積比は、上記の面積値の比(糖修飾Z4(142-174)ペプチドのイオン面積値合算)/(未修飾Z4(142-174)ペプチドのイオン面積値)である。
「糖修飾Z4(142-174)ペプチドのイオン面積値合算」は、160番目のリジンの側鎖に単糖(Hex)が結合しているZ4(142-174)ペプチドのイオン面積及び160番目のリジンの側鎖に二糖(diHex)が結合しているZ4(142-174)ペプチドのイオン面積の合計である。「未修飾Z4(142-174)ペプチドのイオン面積値」は、160番目のリジンの側鎖に糖が結合していない(K160の側鎖が未修飾)Z4(142-174)ペプチドのイオン面積である。
さらにSerpin Z4(配列番号1)のアミノ酸配列の182~200番目のアミノ酸からなり、糖修飾がされていないペプチド断片(FKGAWDQKFDESNTKc(Carbamidomethyl)DSF、未修飾Z4(182-200)ペプチド)のLC-MSイオンおよび側鎖アミノ基に糖が付加している189番目のリジン(K189)を含む当該ペプチド断片(糖修飾Z4(182-200)ペプチド)のLC-MSイオン面積値を算出した。さらにこられの面積値をもとに、ビール3種から精製した糖修飾タンパクについて、(糖修飾Z4(182-200)ペプチドのイオン面積値合算)/(未修飾Z4(182-200)ペプチドのイオン面積値)を求め、未修飾のZ4(182-200)ペプチドに対するK189の側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾Z4(182-200)ペプチドの割合の比較を行った(図2)。(未修飾体、修飾体のペプチドによってLC-MSのイオン化効率が同じでない可能性も考慮し、ビール3種の各サンプルを横並びで面積比を比較した。)
図2は、異なるビール3種(B、C、D)より精製した糖修飾タンパク質中の、Serpin Z4(配列番号1)のアミノ酸配列の182-200番目のアミノ酸からなり、糖修飾がされていないペプチド断片(未修飾Z4(182-200)ペプチド)のLC-MSイオンの面積値(未修飾Z4(182-200)ペプチドのイオン面積値)に対する、当該ペプチド中の189番目のリジン(K189)に1又は2個のヘキソースが結合している糖修飾Z4(182-200)ペプチドのLC-MSイオンの合計面積値の比((糖修飾Z4(182-200)ペプチドのイオン面積値合算)/(未修飾Z4(182-200)ペプチドのイオン面積値))を示すグラフである。図2の縦軸の面積比は、上記の面積値の比(糖修飾Z4(182-200)ペプチドのイオン面積値合算)/(未修飾Z4(182-200)ペプチドのイオン面積値)である。
「糖修飾Z4(182-200)ペプチドのイオン面積値合算」は、189番目のリジンの側鎖に単糖(Hex)が結合しているZ4(182-200)ペプチドのイオン面積及び当該リジンの側鎖に二糖(diHex)が結合しているZ4(182-200)ペプチドのイオン面積の合計である。「未修飾Z4(182-200)ペプチドのイオン面積値」は、189番目のリジンの側鎖に糖が結合していない(K189の側鎖が未修飾)であるZ4(182-200)ペプチドのイオン面積である。
その結果、側鎖アミノ基に糖が結合している160番目のリジン(K160)を含むペプチド断片(糖修飾Z4(142-174)ペプチド)について未修飾ペプチド断片(未修飾Z4(142-174)ペプチド)に対する修飾されているペプチド断片(糖修飾Z4(142-174)ペプチド)の比は、ビールCが一番多く、次いでビールD、ビールBであった。189番目のリジン(K189)を含むペプチド断片についても、未修飾ペプチド断片(未修飾Z4(182-200)ペプチド)に対する修飾しているペプチド断片(糖修飾Z4(182-200)ペプチド)の比は、ビールCが一番多く、次いでビールD、ビールBであった。これらの結果は、官能評価でサンプルCが、最もコク味が高かったことと一致した。160番目のリジン及び189番目のリジンの側鎖アミノ基に糖が結合した糖修飾タンパク質の含有量とコクに関連性があることがわかった。
図1及び図2に示す通り、配列番号1のアミノ酸配列のタンパク質の160番目及び/又は189番目のリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされた糖修飾タンパク質の比率が高いと、よりコクが向上することが明らかとなった。当該160番目及び/又は189番目に相当する位置にあるリジンのアミノ基がグリケーションされているタンパク質は、優れたコク味付与効果を有することが明らかとなった。
<実施例3>
糖修飾Serpin Z7の詳細な修飾解析には、LC-MS/MSによるターゲットモニタリングを実施した。
実施例1と同じ方法で、LC-MS/MS分析のためのサンプルを調製した。Data Dependent Scanモードをターゲットイオンモニタリングに変更した以外は、実施例1と同様の方法でLC-MS/MS測定を行った。ターゲットイオンはm/z524.788、m/z605.814、m/z686.840、m/z767.868を用いた。
LC-MS/MSによる大麦由来Serpin Z7の修飾解析の結果を表11~15に示す。表11~15は、ビールから精製した大麦由来Serpin Z7のアミノ酸配列(配列番号2に示すアミノ酸配列)の115~123番目のアミノ酸からなるペプチド断片(SLKPSFQEL(配列番号5))(Z7(115-123)ペプチドとも記載する)をLC-MS/MSで分析した結果である。
表11には、LC-MSによるペプチド断片のプリカーサーイオンのm/z値を示す。表12~15に、表11に示すLC-MS/MSによるペプチド断片のフラグメントイオンのm/z値を示す。
表12は、表11に示すMH1048.566Daのペプチドのフラグメントイオンの分析結果である。MH1048.566Daのペプチドのフラグメントイオンは、糖修飾がないZ7(115-123)ペプチドのフラグメントイオンである。表13は、表11に示すMH1210.619Daのペプチドのフラグメントイオンの分析結果である。表14は、表11に示すMH1372.670Daのペプチドのフラグメントイオンの分析結果である。表15は、表11に示すMH1534.729Daのペプチドのフラグメントイオンの分析結果である。
Figure 0007635154000011
表12~14中、No.は、配列番号2に示すアミノ酸配列におけるアミノ酸の番号である。太枠で囲った太字が、検出したフラグメントイオンである。表11に示すペプチド中の修飾について、K3は、Z7(115-123)ペプチドにおける3番目のリジンの修飾が検出されたことを示す。
Figure 0007635154000012
Figure 0007635154000013
Figure 0007635154000014
Figure 0007635154000015
表11~15に示す結果から、糖修飾されたSerpin Z7には、117番目のリジン(K117)のアミノ基がヘキソースで修飾された(グリケーション)構造をもつものが含まれることがわかった。Z7(115-123)ペプチドには、Serpin Z7の117番目のリジン(K117)が含まれる。
表12及び表13のb+、b2+及びy+欄の検出されたm/z値から、MH1210.619DaのペプチドのフラグメントイオンのNo.117のリジン(K117)には、ヘキソースに相当する162Daが付加していることが分かった。このことから、MH1210.619Daのペプチドのフラグメントイオンには、K117にヘキソース1個が付加した修飾配列構造を有するペプチドが含まれることが分かった。表12及び表13のb+、b2+及びy+欄の検出されたm/z値から、MH1372.670DaのペプチドのフラグメントイオンのNo.117のリジン(K117)には、ジヘキソースに相当する324Daが付加していることが分かった。よって、MH1372.670Daのペプチドのフラグメントイオンには、K117にジヘキソースが付加した修飾配列構造を持つペプチドが含まれることがわかった。表12及び表13のb+、b2+及びy+欄の検出されたm/z値から、MH1534.729DaのペプチドのフラグメントイオンのNo.117のリジン(K117)には、トリヘキソースに相当する486Daが付加していることが分かった。よって、MH1534.729Daのペプチドのフラグメントイオンには、K117にトリヘキソースが付加した修飾配列構造を持つペプチドが含まれることがわかった。
配列番号2に示すアミノ酸配列の117番目のリジン(K117)のアミノ基がグリケーションされたSerpin Z7は、これまで報告されていないものである。
糖修飾Serpin Z7のリジンに付加しているヘキソースは、グルコース又はキシロースであると推定された。ジヘキソースは、マルトース又はイソマルトースであると推定された。トリヘキソースは、マルトトリオース又はイソマルトトリオースであると推定された。
<実施例4>
(ビール3種から糖修飾タンパク40kDaの精製)
実施例1のビール(I)からのタンパク精製と同様にして、ビール3種(ビールE、F、G)より40kDaの糖修飾タンパクを精製し、糖修飾タンパク質を含む溶液を得た。
(ビール3種より精製した糖修飾タンパク質溶液のタンパク質濃度と糖修飾タンパク質の分析)
実施例2と同じ方法で、ビール3種(E、F又はG)より精製した糖修飾タンパクを含む溶液のタンパク質濃度(mg/mL)及び精製糖修飾タンパク質の重量あたりのグリケーションされたリジンのアミノ基の濃度(nmol/mg-protein)を求めた。
(精製糖修飾タンパク質の分析結果)
ビール3種(E、F又はG)より精製した糖修飾タンパクを含む溶液中のグリケーションされたリジンのアミノ基の濃度およびタンパク質濃度(Bradford法(BSA換算)で測定)の分析結果を表16に示した。なお表16に示すグリケーションされたリジンのアミノ基の濃度は、精製糖修飾タンパク質の重量あたりのグリケーションされたリジンのアミノ基の濃度である。
Figure 0007635154000016
(ビール3種より精製した糖修飾タンパク質のビールへのコクの付与評価)
ビール3種(E、F又はG)から精製した糖修飾タンパク質を含む溶液を市販のビールAに添加して官能評価を行った。この際に、官能評価サンプル中のグリケーションされたリジンの濃度が同じになるように、ビールE、F又はGから精製した糖修飾タンパク質溶液をビールAに添加し、サンプルE、サンプルF及びサンプルGを得た。サンプルEは、ビールEから精製した糖修飾タンパク質溶液を添加したサンプルであり、サンプルFは、ビールFから精製した糖修飾タンパク質溶液を添加したサンプルであり、サンプルGは、ビールGから精製した糖修飾タンパク質溶液を添加したサンプルである。
(官能評価)
0.05点刻みでスコア付けをした以外は、実施例2の官能評価と同じ方法で、専門パネル4名により、市販のビールA(コントロール(添加なし))並びにサンプルE、F及びGの官能評価を行い、コク味を評価した。
スコアの平均点を表17に示す。表17のコントロール(添加なし)は、糖修飾タンパク質を添加していないビールAである。その結果、表17に示すようにコク味の強度は、サンプルFが一番強く、次いでサンプルG、サンプルEであった。
Figure 0007635154000017
(側鎖アミノ基に糖が結合しているリジンの量の解析)
ビール3種(E、F、G)より精製した糖修飾タンパク質の修飾解析を実施例1と同様の方法で行った。Serpin Z7(配列番号2)のアミノ酸配列の115~123番目のアミノ酸からなり、糖修飾がされていないペプチド断片(SLKPSFQEL(配列番号5)、未修飾Z7(115-123)ペプチド)のLC-MSイオンの面積値および側鎖アミノ基に糖が付加している117番目のリジン(K117)を含む当該ペプチド断片(糖修飾Z7(115-123)ペプチド)のLC-MSイオン面積値を算出した。さらにこられの面積値をもとに、ビール3種から精製した糖修飾タンパクについて、未修飾Z7(115-123)ペプチドのイオン面積値に対する、糖修飾Z7(115-123)ペプチドのイオン面積値合算の比(糖修飾Z7(115-123)ペプチドのイオン面積値合算)/(未修飾Z7(115-123)ペプチドのイオン面積値)を求め、未修飾のZ7(115-123)ペプチドに対する、K117の側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾Z7(115-123)ペプチドの割合の比較を行った。(未修飾体、修飾体のペプチドによってLC-MSのイオン化効率が同じでない可能性も考慮し、ビール3種の各サンプルを横並びで面積比を比較した。)
表18に、上記の未修飾Z7(115-123)ペプチドのイオン面積値に対する、糖修飾Z7(115-123)ペプチドのイオン面積値合算の比(糖修飾Z7(115-123)ペプチドのLC-MSイオンの合計面積値の比)を示す。
「糖修飾Z7(115-123)ペプチドのイオン面積値合算」は、117番目のリジンの側鎖に単糖(Hex)が結合しているZ7(115-123)ペプチドのイオン面積、当該リジンの側鎖に二糖(diHex)が結合しているZ7(115-123)ペプチドのイオン面積及び当該リジンの側鎖に三糖(triHex)が結合しているZ7(115-123)ペプチドのイオン面積の合計である。「未修飾Z7(115-123)ペプチドのイオン面積値」は、117番目のリジンの側鎖に糖が結合していない(K117の側鎖が未修飾)Z7(115-123)ペプチドのイオン面積である。
Figure 0007635154000018
未修飾ペプチド断片(未修飾Z7(115-123)ペプチド)に対する糖修飾されているペプチド断片(糖修飾Z7(115-123)ペプチド)の比は、ビールFが一番多く、次いでビールG、ビールEであった。この結果は、官能評価でサンプルFが、最もコク味が高かったことと一致した。ビールE、F又はGから精製した糖修飾タンパク質溶液のいずれにも、配列番号1のアミノ酸配列のタンパク質の160番目及び/又は189番目のリジンの側鎖アミノ基がグリケーションされた糖修飾タンパク質も含まれていた。
本発明の糖修飾タンパク質を用いると、飲食品にコク味を付与することができる。

Claims (10)

  1. リジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質であって、下記(a1)~(a3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるリジン及び/又は189番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基に、グルコースマルトース又はイソマルトース結合している糖修飾タンパク質。
    (a1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
    (a2)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、160番目及び/又は189番目のリジン以外の領域中に1~9個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質
    (a3)配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して98%以上の同一性を有し、かつ、配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置及び/又は189番目に相当する位置にあるアミノ酸がリジンであるアミノ酸配列からなるタンパク質
  2. 前記(a1)~(a3)に記載のタンパク質が、大麦由来のタンパク質である請求項1に記載の糖修飾タンパク質。
  3. リジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質であって、下記(b1)~(b3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基に、グルコースマルトース、イソマルトース、マルトトリオース又はイソマルトトリオースが結合している糖修飾タンパク質。
    (b1)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
    (b2)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、117番目のリジン以外の領域中に1~9個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質
    (b3)配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して98%以上の同一性を有し、かつ、配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるアミノ酸がリジンであるアミノ酸配列からなるタンパク質
  4. 前記(b1)~(b3)に記載のタンパク質が、大麦由来のタンパク質である請求項3に記載の糖修飾タンパク質。
  5. 下記糖修飾タンパク質(A)及び/又は下記糖修飾タンパク質(B)を含む、コク味付与剤。
    糖修飾タンパク質(A):リジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質であって、下記(a1)~(a3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるリジン及び/又は189番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基に、グルコースマルトース又はイソマルトース結合している糖修飾タンパク質
    (a1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
    (a2)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、160番目及び/又は189番目のリジン以外の領域中に1~9個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質
    (a3)配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して98%以上の同一性を有し、かつ、配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置及び/又は189番目に相当する位置にあるアミノ酸がリジンであるアミノ酸配列からなるタンパク質
    糖修飾タンパク質(B):リジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質であって、下記(b1)~(b3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基に、グルコースマルトース、イソマルトース、マルトトリオース又はイソマルトトリオースが結合している糖修飾タンパク質
    (b1)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
    (b2)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、117番目のリジン以外の領域中に1~9個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質
    (b3)配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して98%以上の同一性を有し、かつ、配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるアミノ酸がリジンであるアミノ酸配列からなるタンパク質
  6. ビールテイストアルコール飲料又はノンアルコールビールテイスト飲料にコク味を付与するために使用される、請求項5に記載のコク味付与剤。
  7. 飲食品にコク味を付与するための、下記糖修飾タンパク質(A)及び/又は下記糖修飾タンパク質(B)の使用。
    糖修飾タンパク質(A):リジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質であって、下記(a1)~(a3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるリジン及び/又は189番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基に、グルコースマルトース又はイソマルトース結合している糖修飾タンパク質
    (a1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
    (a2)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、160番目及び/又は189番目のリジン以外の領域中に1~9個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質
    (a3)配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して98%以上の同一性を有し、かつ、配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置及び/又は189番目に相当する位置にあるアミノ酸がリジンであるアミノ酸配列からなるタンパク質
    糖修飾タンパク質(B):リジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質であって、下記(b1)~(b3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基に、グルコースマルトース、イソマルトース、マルトトリオース又はイソマルトトリオースが結合している糖修飾タンパク質
    (b1)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
    (b2)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、117番目のリジン以外の領域中に1~9個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質
    (b3)配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して98%以上の同一性を有し、かつ、配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるアミノ酸がリジンであるアミノ酸配列からなるタンパク質
  8. 飲食品がビールテイストアルコール飲料又はノンアルコールビールテイスト飲料である請求項7に記載の使用。
  9. 下記糖修飾タンパク質(A)及び/又は下記糖修飾タンパク質(B)を飲食品に添加する、飲食品にコク味を付与する方法。
    糖修飾タンパク質(A):リジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質であって、下記(a1)~(a3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置にあるリジン及び/又は189番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基に、グルコースマルトース又はイソマルトース結合している糖修飾タンパク質
    (a1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
    (a2)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、160番目及び/又は189番目のリジン以外の領域中に1~9個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質
    (a3)配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して98%以上の同一性を有し、かつ、配列番号1に示されるアミノ酸配列の160番目に相当する位置及び/又は189番目に相当する位置にあるアミノ酸がリジンであるアミノ酸配列からなるタンパク質
    糖修飾タンパク質(B):リジンの側鎖アミノ基がグリケーションされている糖修飾タンパク質であって、下記(b1)~(b3)のいずれかに記載のタンパク質の配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるリジンの側鎖アミノ基に、グルコースマルトース、イソマルトース、マルトトリオース又はイソマルトトリオースが結合している糖修飾タンパク質
    (b1)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
    (b2)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、117番目のリジン以外の領域中に1~9個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質
    (b3)配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して98%以上の同一性を有し、かつ、配列番号2に示されるアミノ酸配列の117番目に相当する位置にあるアミノ酸がリジンであるアミノ酸配列からなるタンパク質
  10. 飲食品がビールテイストアルコール飲料又はノンアルコールビールテイスト飲料である請求項9に記載の方法。
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