JP7622734B2 - 結晶化ガラス、高周波用基板および結晶化ガラスの製造方法 - Google Patents
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Description
以上の背景を踏まえ、本発明では低温焼成可能な結晶化ガラスを提供することを目的とする。
BaO及びSiO2を含有する原料を溶融成形して非晶質ガラスを得て、前記非晶質ガラスを600℃以上1000℃未満の処理温度で保持することで結晶化させる、Ba-Si-Oのみからなる結晶相を有する結晶化ガラスの製造方法、を提供する。
まず、本発明における結晶化ガラスについて説明する。
本発明の結晶化ガラスは、Ba-Si-Oのみからなる結晶相を有することを特徴とする。本発明の結晶化ガラスは、BaO、SiO2を含有する非晶質ガラスを溶融成形し、徐冷後の非晶質ガラスブロックを用いて、1000℃未満の低温で加熱処理しBa-Si-Oのみからなる結晶を析出させることにより製造できる。
上記解析の結果、本発明における結晶化ガラスの高周波誘電特性は、結晶相の含有割合を示す結晶化度と関係することが分かった。結晶化度は、特定の結晶の、結晶化ガラス全体に対する割合で定義される。すなわち、BaSi2O5の結晶化度であれば、BaSi2O5の結晶の結晶化ガラス全体に対する割合を意味する。BaSi2O5の結晶化度とBa2Si4O10の結晶化度の合計は15wt%以上であることが好ましい。より好ましくは、17wt%以上、更に好ましくは18wt%以上、より更に好ましくは19wt%以上、こと更に好ましくは20wt%以上である。BaSi2O5の結晶化度と、Ba2Si4O10の結晶化度の合計が上記範囲であると、結晶を十分に析出でき、誘電正接を小さくでき、誘電損失を抑制できるため好ましい。
具体的に、BaSi2O5の結晶化度と、Ba2Si4O10の結晶化度の合計の好ましい範囲としては、15wt%以上50wt%以下である。
従って、上記特性を反映した指標として、以下の2つの指標を用いることができる。以下の2つの指標のうち、少なくとも1つを満たすことにより、10GHzにおける誘電正接tanδを0.0030以下にでき、高周波における誘電損失を抑制することができ好ましい。
(格子定数の差分の二乗総和)=(ABS2-A’BS2)2+(BBS2-B’BS2)2+(CBS2-C’BS2)2+(AB2S4-A’B2S4)2+(BB2S4-B’B2S4)2+(CB2S4-C’B2S4)2
指標1では、上記したように、下記式で表される格子定数の差分の二乗総和が0.050以下であることが好ましい。
(格子定数の差分の二乗総和)=(ABS2-A’BS2)2+(BBS2-B’BS2)2+(CBS2-C’BS2)2+(AB2S4-A’B2S4)2+(BB2S4-B’B2S4)2+(CB2S4-C’B2S4)2
ここで、前述のリートベルト解析の結果、結晶相中のBaSi2O5の格子定数をABS2、BBS2、CBS2とし、Ba2Si4O10の格子定数をAB2S4、BB2S4、CB2S4と表す。
一方、理想的な結晶状態におけるBaSi2O5の格子定数をA’BS2、B’BS2、C’BS2とし、Ba2Si4O10の格子定数A’B2S4、B’B2S4、C’B2S4とする。A’BS2、B’BS2、C’BS2の値はICSD Collection Code:15486に記載の値を、A’B2S4、B’B2S4、C’B2S4の値は、ICSD Collection Code:9339に記載の値を用いることとする。
そして、特に、BaSi2O5の結晶化度と、Ba2Si4O10の結晶化度の合計値が15wt%以上31wt%以下であり、Li系結晶の結晶化度が20wt%以下であり、かつ格子定数の差分の二乗総和が0.025以下であると、誘電正接tanδを0.0010以下に抑制しやすく、好ましい。
指標2では、上記したように、BaSi2O5の結晶化度とBaSi2O5の{400}面、{020}面および{002}面の各面における歪みの積との合計値と、Ba2Si4O10の結晶化度とBa2Si4O10の{400}面、{020}面および{002}面の各面における歪みの積との合計値の和(以下、「結晶化度×歪みの合計」と称することがある)とが、0.030以下であることが好ましい。
また、本発明の結晶化ガラスの誘電特性は、結晶子径とも関係がある。結晶子径が大きいと、ガラスと結晶の界面や結晶粒界の割合を小さくできるため、誘電正接を抑制できる。本発明の結晶化ガラスの誘電特性は、特に、Ba2Si4O10結晶相の平均結晶子径とよい相関を示す。Ba2Si4O10の平均結晶子径は、好ましくは20nm以上であり、より好ましくは32nm以上であると、10GHzにおける誘電正接tanδが0.0010以下になりやすい。より好ましくは40nm以上、更に好ましくは45nm以上、特に好ましくは50nm以上である。平均結晶子径は、好ましくは100nm以下であると、結晶粒が偏在し特性にばらつきが生じる現象や、局所的に強度が低下する現象を抑制できる。
また、本発明の結晶化ガラスの母組成は、後述する製造方法における結晶化前の非晶質ガラスの組成と同一になる。ここで、本願における結晶化ガラスの母組成とは、結晶化ガラスの結晶部と非晶質部の組成を合計した組成を指す。また、結晶化ガラスの母組成は、結晶化ガラスを融点以上の温度で熱処理を行い、ガラス化したものを分析することで求められる。分析の手法としては例えば蛍光X線分析法やレーザーアブレーションICP質量分析法などが挙げられる。
成形や熱処理の過程で、電場や磁場、温度場を与える方法や応力を負荷する方法により、析出結晶に配向性を持たせることができる場合がある。また特定の結晶種については、均一な場で熱処理することによっても、非晶質ガラスの表面に対して配向性を持つ結晶が析出する場合がある。ただし、配向性を持たせる手段としては、これらの手段に限定されない。
以上のような結晶化ガラスは、高周波での誘電正接を小さくできるため、高周波用基板に用いることができる。本発明の結晶化ガラスを用いた高周波用基板は、好ましくは10GHzの誘電正接が0.0030以下であり、より好ましくは0.0020以下、更に好ましくは0.0010以下であり、より更に好ましくは0.0008以下であり、特に好ましくは0.0005以下である。10GHzの誘電正接が上記を満たせば例えば28GHzや79GHzなどの10GHzよりも高周波数の帯域でも好適に使用できる。28GHzにおける誘電正接は好ましくは0.0080以下であり、より好ましくは0.0060以下、更に好ましくは0.0040以下、より更に好ましくは0.0020以下、特に好ましくは0.0010以下である。79GHzにおける誘電正接は好ましくは0.0100以下であり、より好ましくは0.0080以下、更に好ましくは0.0060以下、より更に好ましくは0.0040以下、特に好ましくは0.0030以下、最も好ましくは0.0020以下である。
次に、本発明のBa-Si-Oのみからなる結晶相を有する結晶化ガラスの製造方法について説明する。以下では、板状ガラスの製造方法について説明するが、ガラスの形状は目的に応じて適宜調整できる。本発明の製造方法は、
BaO及びSiO2を含有する原料を溶融成形して非晶質ガラスを得て(以下、「非晶質ガラス成形工程」という。)、
前記非晶質ガラスを600℃以上1000℃未満の処理温度で保持することで結晶化させる(以下、「結晶化工程」という。)、
ことを含む。以下で、各工程の詳細を説明する。
本工程では、BaO及びSiO2を含有する原料を溶融成形して非晶質ガラスとする。溶融成形の方法は特に限られないが、例えば、以下で示すガラス組成となるようにガラス原料を調合したガラス原料を白金るつぼに入れ、1300℃~1700℃の電気炉に投入して溶融し、脱泡し、均質化する。得られた溶融ガラスを室温の金属型(例えばSUS定盤)に流し込み、ガラス転移点の温度において3時間程度保持した後、室温まで冷却してガラスブロックを得る。
SiO2:68~78%
Al2O3:0~5%
BaO:24~35%
Li2O:0~6%
Na2O:0~3%
K2O:0~3%
ZrO2:0~4%
TiO2:0~4%
を含有し、
(Li2O+Na2O+K2O):0~6%を満たす。
また、本発明の結晶化ガラスの組成は、下記の試験方法により特定される組成αを有してもよい。組成αを有する結晶化ガラスは、下記試験方法により求められる格子定数の差分の二乗総和と10GHzにおける誘電正接とが線形関係になることが好ましい。
(i)組成αを有する複数の非晶質ガラスを準備し、結晶化条件を変えた複数サンプルを作製する。
(ii)前記各サンプルの、10GHzにおける誘電正接を測定する。
(iii)各サンプルにおいて、結晶相中のBaSi2O5の格子定数ABS2、BBS2、CBS2と、前記結晶相中のBa2Si4O10の格子定数AB2S4、BB2S4、CB2S4についてリートベルト解析を用いて測定する。
(iv)下記式により、前記各サンプルにおいて格子定数の差分の二乗総和を求める。
ICSD Collection Code:15486に記載の、理想的な結晶状態におけるBaSi2O5の格子定数をA’BS2、B’BS2、C’BS2とし、ICSD Collection Code:9339に記載の、理想的な結晶状態におけるBa2Si4O10の格子定数をA’B2S4、B’B2S4、C’B2S4とすると、
(格子定数の差分の二乗総和)=(ABS2-A’BS2)2+(BBS2-B’BS2)2+(CBS2-C’BS2)2+(AB2S4-A’B2S4)2+(BB2S4-B’B2S4)2+(CB2S4-C’B2S4)2
(v)前記複数サンプルの前記格子定数の差分の二乗総和と、前記複数サンプルの10GHzにおける誘電正接との相関関係を求める。
Y=aX+b かつ
a>0 かつ
b<0.0030
次に非晶質ガラス成形工程で得られた非晶質ガラスを600℃以上1000℃未満の処理温度で保持することで加熱処理し、Ba-Si-Oのみからなる結晶を析出させることにより、結晶化ガラスにできる。処理温度は、600℃以上であると結晶化が進行する。処理温度は、より好ましくは630℃以上、更に好ましくは660℃以上、より更に好ましくは690℃以上、特に好ましくは710℃以上である。処理温度が上記範囲であると、結晶化が十分に進み、また結晶化速度が速くなり、析出結晶の歪みを抑制し、結晶子径を大きくできるため好ましい。
粉砕した非晶質ガラス粉末に対して示差走査熱量計(DSC)による測定を行い、得られた発熱ピーク温度にて熱処理したサンプルのPXRD測定を行い、結晶化を確認した温度を結晶化温度と決定する。DSC測定時は非晶質ガラス粉末の粒子径は106~180μm、昇温速度は10℃/minにて室温から1200℃まで測定を行う。
上記結晶化ガラスからなる高周波用基板を製造してもよい。この場合、結晶化ガラスは相互に対向する主面を有する板状に成形されることが好ましい。
表1のFで示したガラス組成となるようにガラス原料を調合し、500gのガラスが得られるように秤量した。ついで、混合したガラス原料を白金るつぼに入れ、1600℃の電気炉に投入して3時間程度溶融し、脱泡し、均質化した。得られた溶融ガラスを室温の金属型(例えばSUS定盤)に流し込み、金属型を炉内に設置してガラス転移点の温度において3時間保持した後、0.5℃/分の速度で室温まで冷却して非晶質ガラスブロックを得た。
得られた非晶質ガラスおよび結晶化ガラスを長さ30.0mm、幅30.0mm、厚さ0.5mmの直方体に加工し、30.0mm×30.0mmの面を鏡面に研磨した。ネットワークアナライザを用いて、スリップポスト誘電体共振法(SPDR法)により、10GHzにおける比誘電率εrおよび誘電正接tanδを測定した。
得られた結晶化ガラスを下記手順でPXRD測定を行い、結晶種の同定を行った。その後、リートベルト解析を行い、得られた結果より結晶化度、{400}、{020}および{002}面での平均結晶子径、並びに、{400}、{020}および{002}面での歪みを算出した。
SPDR法に供した結晶化ガラスをメノウ乳鉢およびメノウ乳棒を用いて粉砕し、PXRD測定用粉末を得た。
得られたPXRD測定用粉末について、以下の条件で粉末X線回折を行い、析出結晶を同定した。
結晶種の同定にはICSD無機結晶構造データベースおよびICDD粉末回折データベースに収録されている回折ピークパターンを用いた。
測定装置:リガク社製 SmartLab
測定方法:集中法
管電圧:45kV
管電流:200mA
使用X線:CuKα線
測定範囲:2θ=10°~80°
スピード:10°/分
ステップ:0.02°
PXRD測定に用いた結晶化ガラス粉末(PXRD測定用粉末)を500μmのメッシュに通した後、標準物質としてZnOを10wt%添加し、リートベルト解析測定用粉末を得た。
得られたリートベルト解析測定用粉末について、以下の条件で粉末X線回折を行い、得られた結果を用いてリートベルト解析を行った。
測定装置:リガク社製 SmartLab
測定方法:集中法
管電圧:45kV
管電流:200mA
使用X線:CuKα線
測定範囲:2θ=10°~90°
スピード:5°/分
ステップ:0.01°
リートベルト解析より得られた結晶相および残ガラス相の重量比率に対して、添加した10wt%のZnOを差し引き、残りの相で合計100wt%になるように計算を行った。
リートベルト解析より得られたBaSi2O5およびBa2Si4O10の{400}、{020}、{002}面のピークに関する2θ、半値全幅(FWHM):β、測定に用いたCu-Kα線の波長λCu-Kα:1.540593Åを用いてScherrerの式より結晶子サイズを算出した。その際のScherrer定数:Kは0.9を使用した。
結晶子径 = K×λCu-Kα/(β×cosθ)
リートベルト解析より得られる歪み度:Dd/dを用いた。
実験例2~22では、実験例1と同様の組成・方法で非晶質ガラスを形成し、加熱処理方法を変更して結晶化させた。実験例1からの加熱処理方法の変更点および実験結果は下記表3~6に記載した。
実験例23~47では、硝材および加熱処理の方法を変更して実験を行った。実験例1からの変更点および結果を表7~10にまとめた。
以上の実験の条件と結果を下記表7~10にまとめた。
Claims (22)
- Liを含有し、結晶相はBa-Si-Oのみからなる結晶相及びLi系結晶相を有し、前記Li系結晶相の結晶化度は重量%表示で20%以下である、結晶化ガラス。
- 前記Ba-Si-Oのみからなる結晶相は、BaSi2O5及びBa2Si4O10の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の結晶化ガラス。
- 前記BaSi2O5の結晶化度とBa2Si4O10の結晶化度の合計値が重量%表示で15%以上50%以下である、請求項2に記載の結晶化ガラス。
- 下記式で表される格子定数の差分の二乗総和が0.050以下である、請求項2又は3に記載の結晶化ガラス。
(格子定数の差分の二乗総和)=(ABS2-A’BS2)2+(BBS2-B’BS2)2+(CBS2-C’BS2)2+(AB2S4-A’B2S4)2+(BB2S4-B’B2S4)2+(CB2S4-C’B2S4)2
ここで、前記結晶相中で測定されるBaSi2O5の格子定数をABS2、BBS2、CBS2とし、Ba2Si4O10の格子定数をAB2S4、BB2S4、CB2S4とし、ICSD Collection Code:15486に記載の、理想的な結晶状態におけるBaSi2O5の格子定数をA’BS2、B’BS2、C’BS2とし、ICSD Collection Code:9339に記載の、理想的な結晶状態におけるBa2Si4O10の格子定数をA’B2S4、B’B2S4、C’B2S4とする。 - 前記BaSi2O5の結晶化度と前記BaSi2O5の{400}面、{020}面、および{002}面の各面における歪みの積との合計値と、前記Ba2Si4O10の結晶化度と前記Ba2Si4O10の{400}面、{020}面、および{002}面の各面における歪みの積との合計値の和が、0.030以下である、請求項2から4のいずれか1項に記載の結晶化ガラス。
- 下記試験方法により求められる、格子定数の差分の二乗総和と10GHzにおける誘電正接とが線形関係となる組成αを有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の結晶化ガラス。
試験方法:
(i)組成αを有する複数の非晶質ガラスを準備し、結晶化条件を変えた複数サンプルを作製する。
(ii)前記各サンプルの、10GHzにおける誘電正接を測定する。
(iii)各サンプルにおいて、結晶相中のBaSi2O5の格子定数ABS2、BBS2、CBS2と、前記結晶相中のBa2Si4O10の格子定数AB2S4、BB2S4、CB2S4を測定する。
(iv)下記式により、前記各サンプルにおいて格子定数の差分の二乗総和を求める。:
ICSD Collection Code:15486に記載の、理想的な結晶状態におけるBaSi2O5の格子定数をA’BS2、B’BS2、C’BS2とし、ICSD Collection Code:9339に記載の、理想的な結晶状態におけるBa2Si4O10の格子定数をA’B2S4、B’B2S4、C’B2S4とすると、
(格子定数の差分の二乗総和)=(ABS2-A’BS2)2+(BBS2-B’BS2)2+(CBS2-C’BS2)2+(AB2S4-A’B2S4)2+(BB2S4-B’B2S4)2+(CB2S4-C’B2S4)2
(v)前記複数サンプルの前記格子定数の差分の二乗総和と、前記複数サンプルの10GHzにおける誘電正接との相関関係を求める。 - 前記線形関係は、前記格子定数の差分の二乗総和をX、前記10GHzにおける誘電正接をYとしたとき、任意の傾きa、切片bを用い、下記式で表される、請求項6に記載の結晶化ガラス。
Y=ax+b かつ
a>0 かつ
b<0.0030 - 酸化物基準のモル%表示で、
SiO2:68~78%
Al2O3:0~5%
BaO:24~35%
Li2O:0~6%
Na2O:0~3%
K2O:0~3%
ZrO2:0~4%
TiO2:0~4%
を含有し、
(Li2O+Na2O+K2O):0~6%を満たす、
請求項1から7のいずれか1項に記載の結晶化ガラス。 - Li2Oの含有量が0超~5%である、請求項6から8のいずれか1項に記載の結晶化ガラス。
- ZrO2およびTiO2の合計含有量が0超~5%である、請求項6から9のいずれか1項に記載の結晶化ガラス。
- 請求項1から10のいずれか1項に記載の結晶化ガラスを用いた高周波用基板。
- 10GHzにおける誘電正接が0.0030以下である、請求項11に記載の高周波用基板。
- 10GHzにおける比誘電率が6.0以上、8.0以下である、請求項11または12に記載の高周波用基板。
- 板厚が0.05mm以上、1mm以下である、請求項11から13のいずれか1項に記載の高周波用基板。
- 相互に対向する2つの主面を備え、前記主面の面積は75cm2以上である、請求項11から14のいずれか1項に記載の高周波用基板。
- 相互に対向する2つの主面を備え、前記主面の少なくとも一方に開口部を有する孔を備えた、請求項11から15のいずれか1項に記載の高周波用基板。
- BaO、SiO2 及びLi 2 Oを含有する原料を溶融成形して非晶質ガラスを得て、
前記非晶質ガラスを600℃以上1000℃未満の処理温度で保持することで結晶化させる、
結晶相はBa-Si-Oのみからなる結晶相及びLi系結晶相を有し、且つ前記Li系結晶相の結晶化度は重量%表示で20%以下である、結晶化ガラスの製造方法。 - 前記非晶質ガラスを、前記処理温度で0.5時間以上保持する、請求項17に記載の製造方法。
- 前記処理温度は、前記非晶質ガラスの示差走査熱量計(DSC)により測定されるガラス転移点Tg以上である、請求項17または18に記載の製造方法。
- 前記非晶質ガラスの結晶化は、前記非晶質ガラスを第一の処理温度で保持し、続けて、前記非晶質ガラスを前記第一の処理温度より高温の第二の処理温度で保持する、二段階の加熱処理を含む、請求項17から19のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記第一の処理温度は、前記非晶質ガラスの示差走査熱量計(DSC)により測定されるガラス転移点Tg以上、結晶化開始温度Tx以下である、請求項20に記載の製造方法。
- 前記第二の処理温度は、前記非晶質ガラスの示差走査熱量計(DSC)により測定される結晶化開始温度Tx以上である、請求項20または21に記載の製造方法。
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