JP7556644B2 - キュービット周波数同調構造およびフリップ・チップ量子コンピューティング・デバイスのための製造方法 - Google Patents

キュービット周波数同調構造およびフリップ・チップ量子コンピューティング・デバイスのための製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、一般に、超伝導デバイス、超伝導量子デバイスにおいてキュービット周波数を同調させるための製造方法、および製造システムに関する。より詳細には、本発明は、キュービット周波数同調構造(qubit frequency tuning structure)のためのデバイス、方法、およびシステム、ならびにフリップ・チップ量子コンピューティング・デバイス(flip chip quantum computing device)のための製造方法に関する。
以下、単語または語句中の「Q」という接頭語は、使用される際に明示的に区別されない限り、量子コンピューティングの文脈におけるその単語または語句の参照を示している。
分子および素粒子は、物質界が基礎的なレベルでどのように動作するかを探究する物理学の一分野である量子力学の法則に従う。このレベルでは、粒子が奇妙な挙動を示し、同時に1つより多くの状態をとり、非常に遠くの他の粒子と相互作用する。量子コンピューティングは、これらの量子現象を利用して情報を処理する。
我々が今日使用するコンピュータは、古典コンピュータ(本明細書では「従来型」コンピュータまたは従来型ノード、即ち「CN」とも呼ばれる)といわれる。従来型コンピュータは、いわゆるフォン・ノイマン式アーキテクチャにおいて、半導体材料および技術を用いて製造される従来型プロセッサ、半導体メモリ、および磁気記憶デバイスまたはソリッド・ステート記憶デバイスを使用する。特に、従来型コンピュータにおけるプロセッサは、バイナリ・プロセッサであり、即ち、1および0で表されるバイナリ・データに対して動作する。
量子プロセッサ(qプロセッサ)は、量子もつれ状態のキュービット・デバイス(本明細書では簡潔に「キュービット」、複数の「キュービット」と呼ばれる)の変わった性質を用いて計算タスクを実行する。量子力学が作用する特定の領域では、問題の粒子が、「オン」状態、「オフ」状態、ならびに同時に「オン」および「オフ」両方の状態などの、複数の状態で存在し得る。半導体プロセッサを用いたバイナリ計算が、単にオンおよびオフ状態(バイナリ・コードの1および0に相当する)を用いることに限定されるところ、量子プロセッサは、これらの量子状態の有様を利用して、データ計算において使用可能な信号を出力する。
従来型コンピュータは、ビットで情報を符号化する。各ビットは、1または0の値をとり得る。これらの1および0は、コンピュータ機能を最終的に駆動するオン/オフ・スイッチとして機能する。一方、量子コンピュータは、キュービットに基づき、キュービットは、量子物理学の2つの重要な原理である重ね合わせおよびもつれに従って動作する。重ね合わせは、各キュービットが、1および0の両方を同時に表し得ることを意味する。
もつれは、重ね合わせ状態の複数のキュービットが、非古典的なやり方で相互に関連付けられ得ること、即ち、1つの状態(それが1もしくは0または両方のいずれにせよ)が、別の状態に依存し得ること、および2つのキュービットが個々に扱われるときよりもそれらがもつれているときに、2つのキュービットについて確認され得る情報がより多く存在することを意味する。
これらの2つの原理を用いて、キュービットは、より高度な情報のプロセッサとして動作して、従来型コンピュータを用いて処理し難い難問を量子コンピュータが解くことができるように、量子コンピュータが機能することを可能にする。IBM(登録商標)は、超伝導キュービットを用いた量子プロセッサの操作性の構築および実証に成功した(IBMは、米国および他の国々におけるインターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションの登録商標である)。
超伝導キュービットは、ジョセフソン接合(Josephson junction)を含む。ジョセフソン接合は、超伝導トンネル接合であり、超伝導トンネル接合は、2つの薄膜超伝導金属層を非超伝導材料によって分離することによって形成される。超伝導層内の金属が、例えば金属の温度を指定された極低温まで低下させることによって、超伝導にされるとき、一対の電子が、1つの超伝導層から非超伝導層を通って他の超伝導層へトンネルし得る。キュービットにおいて、ジョセフソン接合は、分散型非線形インダクタとして機能し、非線形マイクロ波発振器を形成する1つまたは複数の容量性デバイスと並列で電気的に結合される。発振器は、キュービット回路におけるインダクタンスおよび静電容量の値によって決定される共振周波数(resonance frequency)/遷移周波数を有する。「キュービット」という用語に対するいかなる参照も、使用される場合が明示的に区別されない限り、ジョセフソン接合を利用する超伝導キュービット回路への参照である。
超伝導状態では、材料は、第1に、電流の通路に対して抵抗を示さない。抵抗がゼロに下がるとき、電流は、エネルギーを散逸することなく材料の内側で循環し得る。第2に、材料は、マイスナー効果(Meissner effect)を示し、即ち、それらが十分に弱いという条件で、外部磁場は、超伝導体を貫通しないが、その表面に残る。これらの特性の1つまたは両方が、材料によってもはや示されないとき、材料は、もはや超伝導ではなく通常状態にあるといわれる。
超伝導材料の臨界温度は、材料が超伝導の特徴を示し始める温度である。超伝導材料は、電流の流れに対して非常に低い抵抗またはゼロ抵抗を示す。臨界場は、所与の温度について最高磁場であり、その温度では材料は超伝導のままである。
超伝導体は、概して、2つのタイプのうちの1つに分類される。タイプIの超伝導体は、臨界場において単一遷移を示す。臨界場に達するときに、タイプIの超伝導体は、非超伝導状態から超伝導状態に遷移する。タイプIIの超伝導体は、2つの臨界場および2つの遷移を含む。下方臨界場において、または下方臨界場より下で、タイプIIの超伝導体は、超伝導状態を示す。上方臨界場より上で、タイプIIの超伝導体は、超伝導の特性を示さない。上方臨界場と下方臨界場との間では、タイプIIの超伝導体は、混合状態を示す。混合状態では、タイプIIの超伝導体は、不完全なマイスナー効果、即ち、特定の場所で量子化されたパケットにおいて外部磁場が超伝導材料を貫通することを示す。
キュービットによって処理される情報は、マイクロ波周波数の範囲でのマイクロ波信号/光子の形式で伝達され、または送信される。マイクロ波信号は、そこで符号化される量子情報を解読するためにキャプチャされ、処理され、分析される。読み出し回路は、キュービットの量子状態をキャプチャし、読み出し、測定するためにキュービットと連結される回路である。読み出し回路の出力は、計算を実行するためにqプロセッサによって使用可能な情報である。
超伝導キュービットは、2つの量子状態、|0>および|1>を有する。これらの2つの状態は、原子の2つのエネルギー状態、例えば、超伝導人工原子(超伝導キュービット)の基底状態(|g>)および第1の励起状態(|e>)であり得る。他の例は、核スピンまたは電子スピンのスピンアップおよびスピンダウン、結晶欠陥の2つの配置、および量子ドットの2つの状態を含む。システムが量子性質のものであるため、2つの状態の任意の組み合わせが可能であり、有効である。
キュービットなどの超伝導デバイスは、超伝導材料および半導体材料を用いて既知の半導体製造技術で製造される。超伝導デバイスは、概して、異なる材料の1つまたは複数の層を用いて、デバイス特性および機能を実装する。材料の層は、超伝導性、導電性、半導電性、絶縁性、抵抗性、誘導性、容量性であってもよく、または任意の数の他の特性を有してもよい。材料の性質、材料の形状、サイズ、または配置、材料に隣接する他の材料、および多くの他の考慮事項を考慮すると、材料の異なる層は、異なる方法を用いて形成されなければならない場合がある。
超伝導デバイスは、平面であることが多く、即ち、超伝導体構造が、1つの平面上に製造される。非平面デバイスは、3次元(3D)デバイスであり、その場合、構造のいくつかは、所与の製造面より上または下に形成される。
いくつかのキュービットは、フリップ・チップ・ジオメトリを用いて製造される。フリップ・チップ・ジオメトリでは、キュービット・チップ(「Qチップ」とも呼ばれる)は、基板上にいくつかの個々のキュービットを有して製造され、1つまたは複数の接続を有するインターポーザ・チップが、別の基板上に製造される。半田バンプは、キュービット・チップまたはインターポーザ・チップあるいはその両方の第1の面上のチップ・パッド上に付着され、キュービット・チップまたはインターポーザ・チップは、その第1の面が下に向くように裏返しにされる。キュービット・チップおよびインターポーザ・チップは、整列され、バンプ結合され、それによって、半田バンプの半田が、キュービット・チップおよびインターポーザ・チップの電気接続を完成させる。
読み出し回路は、概して、共振器を用いて電磁共振(通常、マイクロ波または無線周波数共振)によってキュービットと結合される。読み出し回路内の共振器は、誘導性および容量性素子を含む。いくつかのキュービットが、固定周波数キュービット(fixed-frequency qubit)であり、即ち、それらの共振周波数は、変更可能ではない。他のキュービットは、周波数可変キュービット(frequency-tunable qubit)である。qプロセッサは、固定周波数キュービット、周波数可変キュービット、またはそれらの組み合わせを利用し得る。
例示的実施形態は、固定周波数キュービットが、ノイズに対する耐性を改善するために周波数が固定されるように設計されることを認識する。例示的実施形態は、チップ上の2つの結合したキュービットの共振周波数が、同一であるか、もしくは周波数の閾値帯の範囲内にあるとき、またはそれらのより高い遷移周波数が、共振しているか、もしくは共振に近いときに、クロストーク、量子デコヒーレンス、エネルギー崩壊、混合状態の生成、意図しない情報転送、量子状態漏出などの、負の影響が起こり得ることを認識する。例示的実施形態は、そのようなキュービットが、ゲートが動作しているキュービットの共振周波数のスペクトルについて厳重な要件を有する、交差共振ゲートなどのある量子ゲートの性能または効用にも負の影響を及ぼし得ることをさらに認識する。例示的実施形態は、固定周波数キュービットに基づく量子プロセッサにおける1つの課題が、隣接キュービット間の周波数密集または周波数衝突(frequency collision)であることをさらに認識する。
例示的実施形態は、固定周波数キュービットに基づく量子プロセッサにおける別の課題が、マイクロ波信号がオンになるときのインタラクション(オン・インタラクション強度)と、これらの信号が無効であるときの連結されたキュービット間のインタラクション(オフ・インタラクション強度)との間のオン/オフ比率が低いことであることを認識する。例示的実施形態は、固定周波数キュービットに基づく量子プロセッサにおけるさらに別の課題が、求められていないインタラクションを他の場所で作り出すことなく対象のゲートを有効にすることであることをさらに認識する。例示的実施形態は、固定周波数キュービットのための現在利用可能な製造方法において使用される製造および材料の欠陥が、所期の共振周波数からの逸脱につながることをさらに認識する。
したがって、当技術分野において前述した問題に対処する必要がある。
第1の態様から見ると、本発明は、量子コンピューティング・デバイスであって、第1の基板および第1の基板上に配置された1つまたは複数のキュービットを有する第1のチップであって、1つまたは複数のキュービットのそれぞれが、それぞれに関連する共振周波数を有する、第1のチップと、第2の基板および1つまたは複数のキュービットに対向する第2の基板上に配置された少なくとも1つの導電面(conductive surface)を有する第2のチップであって、少なくとも1つの導電面が、1つまたは複数のキュービットのうちの少なくとも1つに関連付けられた共振周波数を、判断された周波数調整値に調整するように構成される少なくとも1つの寸法を有する、第2のチップと、を備える、量子コンピューティング・デバイスを提供する。
さらなる態様から見ると、本発明は、量子コンピューティング・デバイスを提供する方法であって、第1の基板および第1の基板上に配置された1つまたは複数のキュービットを有する第1のチップを形成することであって、1つまたは複数のキュービットのそれぞれが、それぞれに関連する共振周波数を有する、第1のチップを形成することと、第2の基板および1つまたは複数のキュービットに対向する第2の基板上に配置された少なくとも1つの導電面を有する第2のチップを形成することであって、少なくとも1つの導電面が、1つまたは複数のキュービットのうちの少なくとも1つに関連付けられた共振周波数を、判断された周波数調整値に調整するように構成される少なくとも1つの寸法を有する、第2のチップを形成することと、を含む方法を提供する。
さらなる態様から見ると、本発明は、量子コンピューティング・デバイスであって、第1の基板および第1の基板上に配置された1つまたは複数のキュービットを有する第1のチップであって、1つまたは複数のキュービットのそれぞれが、それぞれに関連する共振周波数を有する、第1のチップと、第2の基板を有する第2のチップであって、第2の基板が、形成された凹部を有し、凹部の深さが、1つまたは複数のキュービットのうちの少なくとも1つに関連付けられた所望の共振周波数に対応する、第2のチップと、を備える、量子コンピューティング・デバイスを提供する。
さらなる態様から見ると、本発明は、リソグラフィ・コンポーネントを備える半導体製造システムであって、半導体製造システムが、量子コンピューティング・デバイスを製造するために少なくとも1つのダイ上で動作されるときに、第1の基板および第1の基板上に配置された1つまたは複数のキュービットを有する第1のチップを形成することであって、1つまたは複数のキュービットのそれぞれが、それぞれに関連する共振周波数を有する、第1のチップを形成することと、第2の基板および1つまたは複数のキュービットに対向する第2の基板上に配置された少なくとも1つの導電面を有する第2のチップを形成することであって、少なくとも1つの導電面が、1つまたは複数のキュービットのうちの少なくとも1つに関連付けられた共振周波数を、判断された周波数調整値に調整するように構成される少なくとも1つの寸法を有する、第2のチップを形成することと、を含む動作を実行する、半導体製造システムを提供する。
例示的実施形態は、超伝導デバイス、ならびにそのための製造方法およびシステムを提供する。量子コンピューティング・デバイスの実施形態は、第1の基板および第1の基板上に配置された1つまたは複数のキュービットを有する第1のチップを含む。実施形態では、1つまたは複数のキュービットのそれぞれが、それぞれに関連する共振周波数を有する。実施形態は、第2の基板および1つまたは複数のキュービットに対向する第2の基板上に配置された少なくとも1つの導電面を有する第2のチップをさらに含む。実施形態では、少なくとも1つの導電面が、1つまたは複数のキュービットのうちの少なくとも1つに関連付けられた共振周波数を、判断された周波数調整値に調整するように構成される少なくとも1つの寸法を有する。
別の実施形態では、導電面の少なくとも1つの寸法が、1つまたは複数のキュービットのそれぞれに関連付けられたパラメータの測定に基づく。
別の実施形態では、特定のキュービットに関連付けられた共振周波数が、測定されたパラメータに基づいて計算される予測共振周波数である。
別の実施形態では、パラメータは、1つまたは複数のキュービットに関連付けられた抵抗を含む。別の実施形態では、抵抗は、キュービットの接合の通常状態抵抗(normal-state resistance)である。別の実施形態では、接合は、キュービットのジョセフソン接合である。
別の実施形態では、少なくとも1つの寸法は、周波数調整値を達成するための静電容量変化に基づいて判断される。別の実施形態では、少なくとも1つの寸法は、導電面の形状または領域のうちの少なくとも1つを含む。
別の実施形態では、周波数調整値は、1つまたは複数のキュービットに関連付けられた共振周波数の間の周波数衝突を緩和するように判断される。
別の実施形態では、少なくとも1つの導電面は、接地面(ground plane)を含む。別の実施形態では、少なくとも1つの導電面は、超伝導材料または金属材料のうちの少なくとも1つから形成される。
別の実施形態では、第1のチップおよび第2のチップは、フリップ・チップ配列で配置される。別の実施形態では、第1のチップおよび第2のチップは、周波数同調範囲または同調感度のうちの少なくとも1つに基づいて所定の距離で結合される。
別の実施形態では、導電面は、アルミニウム、ニオブ、チタン、窒化チタン、パラジウム、銀、銅、白金、および金を含むセットから選択される少なくとも1つの構成要素からできている。別の実施形態では、第1の基板は、サファイア、シリコン、石英、砒化ガリウム、溶融シリカ、アモルファス・シリコン、およびダイヤモンドを含むセットから選択される少なくとも1つの構成要素からできている。
別の実施形態では、第2の基板は、サファイア、シリコン、石英、砒化ガリウム、溶融シリカ、アモルファス・シリコン、およびダイヤモンドを含むセットから選択される少なくとも1つの構成要素からできている。別の実施形態では、導電面は、超伝導材料である。別の実施形態では、少なくとも1つの寸法は、第2の基板に形成された凹部の深さを含む。
別の実施形態では、量子コンピューティング・デバイスは、第1の基板および第1の基板上に配置された1つまたは複数のキュービットを有する第1のチップであって、1つまたは複数のキュービットのそれぞれが、それぞれに関連する共振周波数を有する、第1のチップを含む。実施形態では、量子コンピューティング・デバイスは、第2の基板を有する第2のチップであって、第2の基板が、形成された凹部を有し、凹部の深さが、1つまたは複数のキュービットのうちの少なくとも1つに関連付けられた所望の共振周波数に対応する、第2のチップを含む。別の実施形態では、第1の基板は、サファイア、シリコン、石英、砒化ガリウム、溶融シリカ、アモルファス・シリコン、およびダイヤモンドを含むセットから選択される少なくとも1つのメンバからできている。
実施形態は、量子コンピューティング・デバイスを製造するための製造方法を含む。実施形態では、方法は、第1の層を付着することであって、少なくとも1つの導電面が、第1の層を含む、第1の層を付着することを含む。実施形態では、方法は、第1の層の一部を除去することを含む。
実施形態では、方法は、第2の基板上に第2の層を付着することであって、少なくとも1つの導電面が、第2の層を含む、第2の層を付着することを含む。実施形態では、第1の層および第2の層が接続される。実施形態では、第2の基板上の空間は、第1の層と第2の層との間に配置される。実施形態では、第2の基板の凹部は、第1の層と第2の層との間に配置される。
実施形態では、方法は、第2の基板の一部を除去することを含む。実施形態では、少なくとも1つの寸法は、第2の基板に形成された凹部の深さである。実施形態では、方法は、第2の基板において凹部をエッチングすることを含む。
実施形態は、量子コンピューティング・デバイスを製造するための製造システムを含む。
本発明に特有であると信じられる新規な特徴が、添付の特許請求の範囲において述べられている。しかしながら、発明自体は、使用の好適なモード、さらなる目的、およびその利点と同様に、添付図面と併せて読まれるときに、以下の例示的実施形態の詳細な説明に対する参照によって最もよく理解されるであろう。
例示的実施形態を用いて解決され得る問題を示す、例としてのフリップ・チップ量子コンピューティング・デバイスの断面図である。 例示的実施形態による、フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイスのための例としてのキュービット周波数同調構造の断面図である。 例示的実施形態による、フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイスのための別の例としてのキュービット周波数同調構造の断面図である。 例示的実施形態による、フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイスのためのキュービット周波数同調構造についての例としての接地面設計を示す図である。 例示的実施形態による、測定された接合抵抗に基づいてキュービットの予測周波数を計算するための例としてのグラフである。 例示的実施形態による、例としてのインターポーザ・チップ製造プロセス・ステップのブロック図である。 例示的実施形態による、別の例としてのインターポーザ・チップ製造プロセス・ステップのブロック図である。 例示的実施形態による、別の例としてのインターポーザ・チップ製造プロセス・ステップのブロック図である。 例示的実施形態による、別の例としてのインターポーザ・チップ製造プロセス・ステップのブロック図である。 例示的実施形態による、フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイスのためのキュービット周波数同調構造についての例としての可変接地面設計を示す図である。 例示的実施形態による、フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイスのためのキュービット周波数同調構造を製造する例としてのプロセスのフローチャートである。 例示的形態による、マルチ・キュービット・フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイスのための例としてのキュービット周波数同調構造の断面図である。
本発明を説明するために使用される例示的実施形態は、概して、フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイスのためのキュービット周波数同調構造を提供することによって、上述した問題および他の関連する問題に対処し、解決する。例示的実施形態は、また、フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイスのためのキュービット周波数同調構造を製造するための製造方法およびシステムを提供する。
図1は、例示的実施形態を用いて解決され得る問題を示す、フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイス100の例としての断面図を示す。フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイス100は、キュービット基板103を有するキュービット・チップ102を含む。キュービット基板103は、キュービット基板103の第1の面上に形成されるキュービット104を含む。キュービット基板103は、極低温範囲において(閾値を超える)高熱伝導性を有する材料を含む。例えば、キュービット基板103は、77Kから0.01Kの温度範囲内での動作のために、サファイア、シリコン、石英、砒化ガリウム、溶融シリカ、アモルファス・シリコン、またはダイヤモンドを用いて形成され得る。基板材料のこれらの例は、限定することを意図するものではない。本開示から、当業者は、基板を形成するのに適当な多くの他の材料に想到することが可能であり、同じことが、例示的実施形態の範囲内で考慮される。
フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイス100は、インターポーザ基板(interposer substrate)107を含む、インターポーザ・チップ106をさらに含む。インターポーザ基板107は、極低温範囲において(閾値を超える)高熱伝導性を有する材料を含む。例えば、インターポーザ基板107は、77Kから0.01Kの温度範囲内での動作のために、サファイア、シリコン、石英、砒化ガリウム、溶融シリカ、アモルファス・シリコン、またはダイヤモンドを用いて形成され得る。基板材料のこれらの例は、限定することを意図するものではない。本開示から、当業者は、基板を形成するのに適当な多くの他の材料に想到することが可能であり、同じことが、例示的実施形態の範囲内で考慮される。
インターポーザ・チップ106は、インターポーザ基板107の第1の面上に形成される従来の接地面108を含む。特定の実施形態では、キュービット基板103およびインターポーザ基板107のうちの1つまたは複数が、シリコンまたは他の適当な基板材料から形成される。特定の実施形態では、接地面108は、超伝導材料、複数の超伝導材料、金属材料、またはそれらの組み合わせから形成される。実施形態では、キュービット104は、関連するキュービット共振周波数を有する。インターポーザ・チップ106の接地面108は、第1のバンプ・ボンド110Aおよび第2のバンプ・ボンド110Bによってキュービット・チップ102に結合される。結合は、インターポーザ・チップ106とキュービット・チップ102との間に電気接続を形成する。実施形態では、接地面108は、77Kから0.01Kの温度範囲での動作のために、アルミニウム、ニオブ、チタン、窒化チタン、パラジウム、金、銀、銅、または白金のうちの少なくとも1つを用いて形成される。実施形態では、バンプ・ボンド110A、110Bは、77Kから0.01Kの温度範囲での動作のために、インジウム、スズ、およびビスマスの合金を用いて形成される。接地面およびバンプ・ボンドの材料のこれらの例は、限定することを意図するものではない。本開示から、当業者は、第1の層を形成するのに適当な多くの他の材料に想到することが可能であり、同じことが、例示的実施形態の範囲内で考慮される。
キュービット共振周波数は、製造中の、ジョセフソン接合(JJ)インダクタンスにおける変動によって、制御が困難である。シャドー・エバポレーション(shadow evaporation)、例えば、ドーラン・ブリッジ技術(Dolan bridge technique)によって作られたジョセフソン接合は、本来、それらのジョセフソン・インダクタンスにおける変動を示す。理想的に設計され、および製造/処理される単一接合トランズモン・キュービットについて、各キュービットは、本来(例えば、100MHz~2000MHzの変動を有する)異なる共振周波数を有し得る。そのような状態は、キュービット104と第2の連結されたキュービットとの間の周波数衝突など、交差共鳴もつれゲートを用いた固定周波数キュービットについての周波数衝突につながり得る。
例示的実施形態は、周波数衝突を防止することが、固定周波数超伝導キュービットについての困難な問題であり、チップ製造後にキュービット周波数を変更すること、または修正することが、従来の方法を用いては困難であることを認識する。キュービットの周波数は、ジョセフソン・インダクタンスとジョセフソン接合にわたる総静電容量との積の平方根に反比例する。したがって、周波数衝突に対処するための手法は、接合インダクタンスまたは接合にわたる(例えば接合に平行な)総静電容量を修正することによって、単一接合トランズモン・キュービット周波数を変更することを含む。
共振周波数を調整するために接合インダクタンスを調整する複数の手法が提案されているが、それぞれが制限および欠点を有する。例えば、インダクタンスを変更することは、精密に実行することが難しい。代替的には、周波数調整は、静電容量を変更することによって、例えば、有効誘電率を変更するように平面キャパシタの間隙において基板(例えば、シリコン(Si)基板)をエッチングすることによって、実行され得る。しかしながら、そのようなエッチングは、非常に多くの製造プロセスにジョセフソン接合を露出する。さらに、エッチングおよび関連する処理は、追加の損失メカニズムを招き得る。さらに、エッチングおよび関連する処理は、典型的には、静電容量を減少させ、キュービット周波数を増加させるためにのみ使用されるが、静電容量を増加させ、対応してキュービット周波数を減少させるためには使用され得ない。
実施形態は、キュービット・チップおよびインターポーザ・チップを含むフリップ・チップ・ジオメトリにおける量子プロセッサのために提供される。キュービット・チップは、基板上に画定された1つまたは複数のキュービットを含む。インターポーザ・チップは、キュービットに対向して位置する導電材料(例えば、超伝導材料または金属材料あるいはその両方)から形成される導電領域を含み、導電領域は、1つまたは複数のキュービットの共振周波数を変更するために様々な形状および導電領域カバレッジを有することが可能である。実施形態では、各キュービットに対向する導電領域の寸法(例えば、導電領域または形状あるいはその両方)は、特定キュービットの共振周波数を変更して周波数を所望の値に同調させるように(例えば、周波数衝突を回避するために)、ジョセフソン接合抵抗の電気プロービングなどのキュービットの1つまたは複数の測定に基づいて、特定のキュービットについて具体的に設計される。
1つまたは複数の実施形態では、インターポーザ・チップの導電領域は、キュービットの周波数を所望の値に調整するために、寸法(dimension)、例えばサイズ、ジオメトリ、スタイル、またはグランドへの接続、あるいはそれらの組み合わせを変化させ得る。1つまたは複数の実施形態では、インターポーザ・チップの周波数調整の同調範囲および感度は、キュービット・チップとインターポーザ・チップとの間の分離距離に依存する。
実施形態は、静電容量調整によってフリップ・チップ・ジオメトリにおけるキュービットの単一接合キュービット周波数を修正するための新規な設計および製造方法を提供する。実施形態では、設計/製造システムは、従来プロセスを用いて1つまたは複数のキュービットを有するキュービット・チップを設計および製造し、キュービットの上に空の空間を有するインターポーザ・チップ設計テンプレートを生成する。
実施形態では、設計/製造システムは、例えば、超伝導遷移温度を超える各キュービットのジョセフソン接合(JJ)抵抗を電気的にプロービングすることによって、キュービットのそれぞれのJJの通常状態抵抗を測定する。実施形態では、設計/製造システムは、測定されたJJ抵抗に基づいてキュービットの予測周波数を計算する。特定の実施形態では、設計/製造システムは、周波数に対するJJ抵抗に関連する近似曲線を用いて各キュービットの予測周波数を計算する。様々な実施形態が、キュービットの抵抗の測定について説明しているが、他の実施形態では、静電容量またはインダクタンスなどの1つまたは複数の他の適当なパラメータの測定が、使用され得る。
実施形態では、設計/製造システムは、各キュービットの予測周波数に基づいて起こり得る周波数衝突を判断し、起こり得る周波数衝突を回避または緩和するために各キュービットについての周波数調整を計算する。実施形態では、設計/製造システムは、計算された周波数調整を達成するために各キュービットに必要な静電容量変化を、本明細書で説明される等式を用いて計算し、計算された静電容量変化に対応する特定の接地面設計を判断する。実施形態では、設計/製造システムは、インターポーザ基板を製造し、インターポーザ基板上の設計に対応する接地面を製造する。
実施形態では、設計/製造システムは、所望の周波数調整、周波数同調範囲、および感度に基づいて、インターポーザ・チップとキュービット・チップとの間の分離間隙距離を判断する。実施形態では、設計/製造システムは、フリップ・チップ配列で所望のキュービット周波数を達成するための分離間隙距離においてインターポーザ・チップおよびキュービット・チップを結合する。特定の実施形態では、設計/製造システムは、インターポーザ・チップおよびキュービット・チップを結合する。一実施形態では、結合は、バンプ・ボンド・プロセスを用いて行われる。他の特定の実施形態では、インターポーザ・チップおよびキュービット・チップを結合する他の適当な方法が使用されてもよい。
別の実施形態は、方法がソフトウェア・アプリケーションとして実施され得るように、フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイスについてのキュービット周波数同調構造のための製造方法を提供する。製造方法の実施形態を実施するアプリケーションは、リソグラフィ・システムなどの、既存の超伝導製造システムと併せて動作するように構成され得る。
説明を明確にするために、かつそれに対するいかなる限定も示唆することなく、例示的実施形態は、基板上に配列されるキュービットの例としての数を用いて説明される。実施形態は、例示的実施形態の範囲内で、異なる数のキュービット、異なる配列、キュービット以外の超伝導デバイス、超伝導体に基づかないキュービットの種類、またはそれらの何らかの組み合わせで実施され得る。実施形態は、量子コンピューティング・デバイスまたは超伝導素子のための周波数同調構造が所望される他の超伝導製造を同様に改善するために実施され得る。
さらに、例としての周波数同調構造の簡略化された図が、図面および例示的実施形態において用いられる。周波数同調構造の実際の製造において、図示されない、もしくは本明細書で説明されない追加の構造、または図示され本明細書に説明されるものとは異なる構造が、例示的実施形態の範囲から逸脱することなく存在し得る。同様に、例示的実施形態の範囲内で、例としての周波数同調構造において図示される、または説明される構造が、本明細書で説明されるのと類似の動作または結果をもたらすために、異なるように製造され得る。
例としての構造、層、および形態の2次元図面における異なる陰影部分は、本明細書で説明されるように、例としての製造において異なる構造、層、材料、および形態を表すように意図される。異なる構造、層、材料、および形態は、当業者に既知の適当な材料を用いて製造され得る。
本明細書で示される形状の特定の形状、場所、位置、または寸法は、そのような特徴が実施形態の特徴として明示的に説明されない限り、例示的実施形態に限定することを意図するものではない。形状、場所、位置、寸法、またはそれらの何らかの組み合わせは、図面および説明を明確にするためにのみ選択されており、例示的実施形態による目的を達成するために実際のリソグラフィにおいて使用され得る実際の形状、場所、位置、または寸法から誇張され、最小化され、または変更されている場合がある。
さらに、例示的実施形態は、単に例として、特定の実際の、または仮想の超伝導デバイス、例えばキュービットに関して説明される。様々な例示的実施形態によって説明されるステップは、多様な周波数同調構造を類似のやり方で製造するために適合されてもよく、そのような適合は、例示的実施形態の範囲内で考慮される。
実施形態は、ある用途において実施されるときに、製造プロセスに本明細書で説明されるあるステップを実行させる。製造プロセスのステップは、複数の図面に示されている。必ずしも全てのステップが、特定の製造プロセスになくてもよい。いくつかの製造プロセスは、例示的実施形態の範囲から逸脱することなく、ステップを異なる順序で実施し、あるステップを結合し、あるステップを除去もしくは置換し、またはステップのこれらのおよび他の操作の何らかの組み合わせを実行し得る。
例示的実施形態は、単なる例として、ある種類の材料、電気特性、構造、形態、層方位、方向、ステップ、動作、平面、寸法、大きな数、データ処理システム、環境、コンポーネント、およびアプリケーションに関して説明される。これらのおよび他の類似の人工物のいかなる特定の明示も、本発明に限定することを意図するものではない。これらのおよび他の類似の人工物のいかなる適当な明示も、例示的実施形態の範囲内で選択され得る。
例示的実施形態は、単なる例として特定の設計、アーキテクチャ、レイアウト、回路図、およびツールを用いて説明され、例示的実施形態に限定されない。例示的実施形態は、他の同等のまたは類似の目的の設計、アーキテクチャ、レイアウト、回路図、およびツールと併せて使用され得る。
実施形態によってもたらされ得る利点は、キュービット周波数同調構造が、キュービット共振周波数の増加および減少の両方を可能にするということである。実施形態によってもたらされ得る別の利点は、製造後、キュービット・チップ上で追加のプロセスが必要なく、それが接合損傷または故障のリスクをもたらさないということである。実施形態によってもたらされ得る別の利点は、キュービットにおける周波数変化の正確な制御を提供することである。
本開示における例は、説明を明確にするためにのみ使用され、例示的実施形態に限定されない。本明細書に列挙される任意の利点は、単なる例であり、例示的実施形態に限定することを意図するものではない。追加の利点または異なる利点は、特定の例示的実施形態によって実現され得る。さらに、特定の例示的実施形態は、上記に列挙された利点のうちのいくつかを有していてもよく、全てを有していてもよく、またはどれも有していなくてもよい。
図2を参照すると、この図は、例示的実施形態による、フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイス200のための例としてのキュービット周波数同調構造の断面図を示す。フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイス200は、キュービット基板203を有するキュービット・チップ202を含む。キュービット基板203は、キュービット基板203の第1の面上に形成されるキュービット204を含む。実施形態では、キュービット204は、関連するキュービット共振周波数を有する。キュービット基板203は、極低温範囲において(閾値を超える)高熱伝導性を有する材料を含む。例えば、キュービット基板203は、77Kから0.01Kの温度範囲内での動作のために、サファイア、シリコン、石英、砒化ガリウム、溶融シリカ、アモルファス・シリコン、またはダイヤモンドを用いて形成され得る
フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイス200は、インターポーザ基板207を含むインターポーザ・チップ206をさらに含む。インターポーザ基板207は、極低温範囲において(閾値を超える)高熱伝導性を有する材料を含む。例えば、インターポーザ基板207は、77Kから0.01Kの温度範囲内での動作のために、サファイア、シリコン、石英、砒化ガリウム、溶融シリカ、アモルファス・シリコン、またはダイヤモンドを用いて形成され得る。キュービットおよびインターポーザ基板材料のこれらの例は、限定することを意図するものではない。本開示から、当業者は、基板を形成するのに適当な多くの他の材料に想到することが可能であり、同じことが、例示的実施形態の範囲内で考慮される。
インターポーザ・チップ206は、インターポーザ基板207の表面上に形成され、かつキュービット204を覆う開領域(例えば、非金属領域)を取り囲む、接地面部分208Aおよび208Bを含む接地面を含むキュービット周波数同調構造を含む。開領域、形状、および超伝導金属カバレッジを変化させることによって、キュービット204の共振周波数は、キュービット204と別のキュービットとの間の周波数衝突を回避または緩和するように調整され得る。
インターポーザ・チップ206の接地面部分208A、208Bは、所望の周波数調整、周波数同調範囲、および感度に基づいて、判断された分離間隙距離D1において第1のバンプ・ボンド210Aおよび第2のバンプ・ボンド210Bによってキュービット・チップ202に結合される。特定の実施形態では、キュービット基板203およびインターポーザ基板207のうちの1つまたは複数が、シリコン材料から形成される。特定の実施形態では、接地面208Aおよび208Bは、超伝導材料または金属材料から形成される。
実施形態では、接地面208A、208Bは、77Kから0.01Kの温度範囲での動作のために、アルミニウム、ニオブ、チタン、窒化チタン、パラジウム、金、銀、銅、または白金のうちの少なくとも1つを用いて形成される。実施形態では、バンプ・ボンド210A、210Bは、77Kから0.01Kの温度範囲での動作のために、インジウム、スズ、およびビスマスの合金を用いて形成される。接地面およびバンプ・ボンドの材料のこれらの例は、限定することを意図するものではない。本開示から、当業者は、第1の層を形成するのに適当な多くの他の材料に想到することが可能であり、同じことが、例示的実施形態の範囲内で考慮される。
実施形態では、第1のキュービット204の共振周波数は、キュービット204のJJ抵抗の測定(例えば、プローブ測定)に基づいて予測され、キュービット204と他のキュービットとの間で起こり得る周波数衝突が判断される。実施形態では、起こり得る周波数衝突を回避するためにキュービット204に必要な周波数調整、および周波数調整を達成するためにキュービット204に必要な静電容量変化が、計算される。1つまたは複数の実施形態では、キュービット回路の各キュービットは、所望の量によってキュービットのそれぞれの周波数を調整するように構築されている、キュービット自体に関連付けられた接地面を有し得る。
図3を参照すると、この図は、例示的実施形態による、フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイス300のための別の例としてのキュービット周波数同調構造の断面図を示す。フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイス300は、キュービット基板303を有するキュービット・チップ302を含む。キュービット基板303は、キュービット基板303の第1の面上に形成されたキュービット304を含む。実施形態では、キュービット304は、関連するキュービット共振周波数を有する。
フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイス300は、インターポーザ基板307を含むインターポーザ・チップ306をさらに含む。図3の実施形態では、インターポーザ基板307の一部が、インターポーザ基板307の誘電物質を除去するために深さD3および幅wでエッチングされる。インターポーザ・チップ306は、インターポーザ基板307の表面上に形成され、かつキュービット304を影にする開領域(例えば、非金属領域)を取り囲む、接地面部分308Aおよび308Bを含む接地面を含むキュービット周波数同調構造を含む。開領域、形状、および超伝導金属カバレッジを変化させることによって、キュービット304の共振周波数は、キュービット304と別のキュービットとの間の周波数衝突を回避または緩和するように調整され得る。
インターポーザ・チップ306の接地面部分308は、所望の周波数調整、周波数同調範囲、および感度に基づいて、判断された分離間隙距離D2で第1のバンプ・ボンド310Aおよび第2のバンプ・ボンド310Bによってキュービット・チップ302に結合される。特定の実施形態では、キュービット基板303およびインターポーザ基板307のうちの1つまたは複数が、シリコン材料から形成される。特定の実施形態では、接地面308Aおよび308Bは、超伝導材料または金属材料から形成される。
実施形態では、キュービット304および別のキュービットのそれぞれの共振周波数が、キュービット304および他のキュービットのそれぞれのJJ抵抗の測定に基づいて予測され、キュービット304と他のキュービットとの間で起こり得る周波数衝突が判断される。実施形態では、起こり得る周波数衝突を回避するためのキュービット304および他のキュービットのそれぞれについての周波数調整、ならびに周波数調整を達成するために必要とされる、キュービット304および他のキュービットのそれぞれに必要な静電容量変化が計算される。1つまたは複数の実施形態では、キュービット回路の各キュービットは、所望の量によってキュービットのそれぞれの周波数を調整するように構築されている、キュービット自体に関連付けられた接地面を有し得る。
図4を参照すると、この図は、例示的実施形態によるフリップ・チップ量子コンピューティング・デバイスについてのキュービット周波数同調構造のための例としての接地面設計を示す。斜視図400は、第1のキュービット周波数同調構造402Aおよび第2のキュービット周波数同調構造402Bを含む。第1のキュービット周波数同調構造402Aは、キュービット・チップのキュービット基板上に形成するための第1のキュービット404と、インターポーザ・チップのインターポーザ基板上に形成するための第1の接地面設計406と、を含む。第1の接地面設計406は、超伝導材料または金属材料あるいはその両方などの導電材料の導電面として形成され、第1の接地面設計406の中の空所408を含む。例示された実施形態では、第1の接地面設計406および空所408は、矩形形状でできている。
第2のキュービット周波数同調構造402Bは、キュービット・チップのキュービット基板上に形成するための第2のキュービット410と、インターポーザ・チップのインターポーザ基板上に形成するための第2の接地面設計412と、を含む。第2の接地面設計412は、超伝導材料または金属材料あるいはその両方などの導電材料の導電面として形成され、矩形形状でできている。
例示された実施形態では、第1のキュービット周波数同調構造402Aの第1の接地面設計406は、より少ない導電材料を含んで静電容量の減少をもたらし、第2のキュービット周波数同調構造402Bの第2の接地面設計412とは異なる形状でできている。それに応じて、第1の接地面設計406は、第2の接地面設計412によって第2のキュービット410に提供されるものとは異なる、第1のキュービット404の共振周波数に対する周波数同調を提供する。
図5を参照すると、この図は、例示的実施形態による、測定された接合抵抗に基づいてキュービットの予測周波数を計算するための例としてのグラフ500を示す。図5は、予測キュービット周波数f01対キュービットのジョセフソン接合抵抗Rのグラフが、第1の曲線502および第2の曲線504を含むことを示す。実施形態によれば、キュービットのジョセフソン接合の抵抗が、(例えば、電気プロービングによって)測定されて、抵抗Rを取得する。測定された抵抗Rに基づいて、キュービットの予測共振周波数が、グラフ500を用いて判断され得る。
図6を参照すると、この図は、例示的実施形態による、例としてのインターポーザ・チップ製造プロセス・ステップのブロック図を示す。製造システムは、本明細書で説明されるようなインターポーザ・チップ構成600を作り出し、または操作する。実施形態は、製造システムに材料604を付着させ、それによって、インターポーザ基板602の第1の面上に接地面608を形成する。実施形態では、材料604は、粒子606の薄膜付着である。別の実施形態では、材料604は、スパッタリングによって付着される。付着方法のこれらの例は、限定することを意図するものではない。本開示から、当業者は、接地面を形成するのに適当な多くの他の方法およびプロセスに想到することが可能であり、同じことが、例示的実施形態の範囲内で考慮される。
図7を参照すると、この図は、例示的実施形態による、例としてのインターポーザ・チップ製造プロセス・ステップのブロック図を示す。実施形態は、製造システムに、インターポーザ基板702の第1の面上の接地面704から接地面部分704A、704Bを形成させる。例えば、ミリング・デバイス706は、接地面704の一部を除去して接地面部分704A、704Bを形成するように構成され得る。別の例として、反応性イオン・エッチングまたはウェット・エッチングなどのエッチングが、接地面部分704A、704Bを形成するために使用され得る。接地面材料を除去することによって、インターポーザ・チップ構成700のキャパシタ領域が減少し、それによって、対応するキュービットの有効な静電容量および共振周波数が変更される。
実施形態において、ミリング・デバイス706は、ダイヤモンド・ミリング・ビットを有するマイクロミリング・デバイスまたはレーザ・ミルである。ミリング・デバイスのこれらの例は、限定することを意図するものではない。本開示から、当業者は、インターポーザ基板上の接地面材料の一部を除去するのに適当な多くの他のミリング・デバイスに想到することが可能であり、同じことが、例示的実施形態の範囲内で考慮される。さらに、本開示から、当業者は、インターポーザ基板上の接地面材料の一部を除去するのに適当な多くの他のデバイスおよび方法に想到することが可能であり、同じことが、例示的実施形態の範囲内で考慮される。
図8を参照すると、この図は、例示的実施形態による、例としてのインターポーザ・チップ製造プロセス・ステップのブロック図を示す。実施形態は、製造システムに、インターポーザ基板802の第1の面において凹部808を形成させる。例えば、ミリング・デバイス804は、インターポーザ基板802の一部を除去して凹部808を形成するように構成され得る。別の例として、反応性イオン・エッチングまたはウェット・エッチングなどのエッチングが、凹部808を形成するために使用され得る。基板材料を除去することによって、インターポーザ・チップ構成800の有効誘電率が減少し、それによって、対応するキュービットの有効な静電容量が減少し、共振周波数が増加する。
実施形態では、凹部808は、矩形断面を含む。実施形態では、凹部808は、接地面部分806A、806Bの間に形成される。実施形態では、ミリング・デバイス804は、ダイヤモンド・ミリング・ビットを有するマイクロミリング・デバイスまたはレーザ・ミルである。ミリング・デバイスのこれらの例は、限定することを意図するものではない。本開示から、当業者は、インターポーザ基板の第1の面に凹部を形成するのに適当な多くの他のミリング・デバイスに想到することが可能であり、同じことが、例示的実施形態の範囲内で考慮される。さらに、本開示から、当業者は、インターポーザ基板の第1の面に凹部を形成するのに適当な多くの他のデバイスおよび方法に想到することが可能であり、同じことが、例示的実施形態の範囲内で考慮される。
図9を参照すると、この図は、例示的実施形態による、例としてのインターポーザ・チップ製造プロセス・ステップのブロック図を示す。製造システムは、本明細書で説明されるインターポーザ・チップ構成900を作り出し、または操作する。実施形態は、製造システムに材料906を付着させ、したがって、インターポーザ基板902の第1の面上に接地面910を形成する。実施形態では、接地面910は、接地面部分904A、904Bを接続する。接地面材料を付着することによって、インターポーザ・チップ構成900のキャパシタ領域が変化し、それによって、対応するキュービットの有効な静電容量および共振周波数が変化する。
実施形態では、材料906は、粒子908の薄膜付着である。別の実施形態では、材料906は、スパッタリングによって成膜される。成膜方法のこれらの例は、限定することを意図するものではない。本開示から、当業者は、接地面を形成するのに適当な多くの他の方法およびプロセスに想到することが可能であり、同じことが、例示的実施形態の範囲内で考慮される。
図10を参照すると、この図は、例示的実施形態によるフリップ・チップ量子コンピューティング・デバイスについてのキュービット周波数同調構造のための例としての可変接地面設計を示す。斜視図1000は、第1のキュービット周波数同調構造1002A、第2のキュービット周波数同調構造1002B、第3のキュービット周波数同調構造1002C、第4のキュービット周波数同調構造1004A、第5のキュービット周波数同調構造1004B、第6のキュービット周波数同調構造1004C、第7のキュービット周波数同調構造1006A、第8のキュービット周波数同調構造1006B、および第9のキュービット周波数同調構造1006Cを含む。キュービット周波数同調構造は、図6~9のプロセス・ステップを用いて形成され得る。
キュービット周波数同調構造1002A~1002C、1004~1004C、および1006A~1006Cのそれぞれが、キュービット・チップ上に形成するためのキュービットと、インターポーザ・チップ上に形成するための関連する接地面設計と、を含む。キュービット周波数同調構造1002A~1002C、1004A~1004C、および1006A~1006Cのそれぞれが、異なる静電容量値を有し、関連するキュービットの共振周波数への対応する異なる周波数調整量を提供するように構成される、異なる接地面サイズおよび形状を有する。
キュービット周波数同調構造1002A~1002Cは、その中に中央矩形空所を有する矩形接地面設計を有する。1002A~1002Cのそれぞれの中の矩形空所は、異なるサイズおよび異なる導電材料領域でできており、異なる静電容量および関連するキュービットの周波数調整をもたらす。
キュービット周波数同調構造1004A~1004Cは、外側矩形接地面と、外側矩形接地面の空所とともに配置され、外側矩形接地面に接続されていない内側矩形接地面とを有する。1004A~1004Cのそれぞれの内側接地面は、異なるサイズおよび異なる導電材料領域でできており、異なる静電容量および関連するキュービットの周波数調整をもたらす。
キュービット周波数同調構造1006A~1006Cは、外側矩形接地面と、外側矩形接地面の空所とともに配置され、外側矩形接地面の各縁に接続された内側矩形接地面とを有する。1006A~1006Cのそれぞれの内側接地面は、異なるサイズおよび異なる導電材料領域でできており、異なる静電容量および関連するキュービットの周波数調整をもたらす。
図11を参照すると、この図は、例示的実施形態による、フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイスのためのキュービット周波数同調構造を製造する例としてのプロセス1100のフローチャートを示す。1つまたは複数の実施形態において、プロセス1100は、製造システムによって一部実施される。
ブロック1102において、ユーザは、既知のプロセスを用いて1つまたは複数のキュービットを有するキュービット・チップを設計する。ブロック1104において、ユーザは、キュービットの上に空の空間を有するインターポーザ・チップ・テンプレートを設計する。ブロック1106において、製造システムは、キュービット基板上に1つまたは複数のキュービットを含むキュービット・チップを製造する。
ブロック1108において、製造システムは、例えば、各キュービットのJJ抵抗を電気的にプロービングすることによって、キュービットのそれぞれのジョセフソン接合(JJ)の抵抗を測定する。ブロック1110において、製造システムは、測定されたJJ抵抗に基づいて各キュービットの予測周波数を計算する。特定の実施形態において、設計/製造システムは、図5のグラフ500などの、周波数に対するJJ抵抗に関連する近似曲線を用いて各キュービットの予測周波数を計算する。
ブロック1112において、製造システムは、各キュービットの予測周波数に基づいて、起こり得る周波数衝突を判断する。ブロック1114において、製造システムは、起こり得る周波数衝突を回避または緩和するために各キュービットについての周波数調整を計算する。ブロック1116において、製造システムは、計算された周波数調整を達成するために各キュービットに必要な静電容量変化を計算する。ブロック1118において、製造システムは、計算された静電容量変化に対応する特定のインターポーザ接地面設計を判断する。特定の実施形態では、製造システムは、図10に示される接地面設計のうちの1つまたは複数などの、所望の静電容量変化を達成するように構成される予め定義された接地面設計を選択する。
ブロック1120において、製造システムは、インターポーザ・チップのためのインターポーザ基板を製造する。ブロック1122において、製造システムは、インターポーザ基板上の判断された接地面設計に対応する接地面を製造する。ブロック1124において、製造システムは、所望の周波数調整、周波数同調範囲、および感度に基づいて、インターポーザ・チップとキュービット・チップとの間の分離間隙距離を判断する。
ブロック1126において、製造システムは、フリップ・チップ配列で所望のキュービット周波数を達成するための、判断された分離間隙距離においてインターポーザ・チップおよびキュービット・チップを結合する。特定の実施形態において、製造システムは、バンプ・ボンド・プロセスを用いてインターポーザ・チップおよびキュービット・チップを結合する。他の特定の実施形態では、インターポーザ・チップおよびキュービット・チップを結合する他の適当な方法が使用されてもよい。その後、プロセス1100は終了する。
図12を参照すると、この図は、例示的形態による、マルチ・キュービット・フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイス1200のための例としてのキュービット周波数同調構造の断面図を示す。フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイス1200は、キュービット基板1202を有するキュービット・チップを含む。キュービット基板1202は、キュービット基板1202の第1の面上に形成される第1のキュービット1204Aおよび第2のキュービット1204Bを含む。実施形態では、第1のキュービット1204Aおよび第2のキュービット1204Bのそれぞれが、関連するキュービット共振周波数を有する。第1のキュービット・コンタクト1208A、第2のキュービット・コンタクト1208B、および第3のキュービット・コンタクト1208Cは、キュービット基板1202の表面上に形成される。第1のキュービット1204Aは、第1のキュービット・コンタクト1208Aと第2のキュービット・コンタクト1208Bとの間に配置され、第2のキュービット1204Bは、第2のキュービット・コンタクト1208Bと第3のキュービット・コンタクト1208Cとの間に配置される。
フリップ・チップ量子コンピューティング・デバイス1200は、インターポーザ基板1207を含むインターポーザ・チップ1206をさらに含む。インターポーザ・チップ1206は、インターポーザ基板1207の表面上に形成された接地面部分1210A、1210B、および1210Cを含む、キュービット周波数同調構造を含む。第1の接地面部分1210Aおよび第2の接地面部分1210Bは、部分的に第1のキュービット1204Aの一部に重なり、第1の接地面部分1210Aと第2の接地面部分1210Bとの間の開領域(例えば、非金属領域)が、第1のキュービット1204Aを影にする。同様に、第2の接地面部分1210Bおよび第3の接地面部分1210Cは、部分的に第2のキュービット1204Bの一部に重なり、第2の接地面部分1210Bと第3の接地面部分1210Cとの間の開領域(例えば、非金属領域)が、第2のキュービット1204Bを影にする。接地面部分1210A~1210Cのそれぞれの開領域、形状、および超伝導金属カバレッジを変化させることによって、第1のキュービット1204Aおよび第2のキュービット1204Bのそれぞれの共振周波数は、第1のキュービット1204Aと第2のキュービット1204Bとの間の周波数衝突を回避または緩和するように調整され得る。
インターポーザ・チップ1206の第1の接地面部分1210Aは、第1のバンプ・ボンド1212Aによって第1のキュービット・コンタクト1208Aに結合され、第2の接地面部分1210Bは、第2のバンプ・ボンド1212Bおよび第3のバンプ・ボンド1212Cによって第2のキュービット・コンタクト1208Bに結合される。第3の接地面部分1210Cは、第4のバンプ・ボンド1212Dによって第3のキュービット・コンタクト1208Cに結合される。特定の実施形態では、キュービット基板1202およびインターポーザ基板1207のうちの1つまたは複数が、シリコン材料から形成される。特定の実施形態では、接地面部分1210A~1210Cは、超伝導材料または金属材料から形成される。
実施形態では、第1のキュービット1204Aおよび第2のキュービット1204Bのそれぞれの共振周波数が、第1のキュービット1204Aおよび第2のキュービット1204BのそれぞれのJJ抵抗の測定に基づいて予測され、第1のキュービット1204Aと第2のキュービット1204Bとの間で起こり得る周波数衝突が判断される。実施形態では、起こり得る周波数衝突を回避するための第1のキュービット1204Aおよび第2のキュービット1204Bのそれぞれについての周波数調整、ならびに周波数調整を達成するために必要な第1のキュービット1204Aおよび第2のキュービット1204Bのそれぞれに必要な静電容量変化が計算される。1つまたは複数の実施形態では、キュービット回路の各キュービット(例えば、第1のキュービット1204Aおよび第2のキュービット1204B)は、所望の量によってキュービットのそれぞれの周波数を調整するように構築されている、キュービット自体に関連付けられた接地面を有し得る。
本発明の様々な実施形態は、関連する図面を参照して本明細書で説明される。代替的実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく考案され得る。様々な接続および位置関係(例えば、上部、底部、上方、下方、隣接など)が、以下の説明および図面内の要素間において述べられているが、当業者は、向きが変更されても説明される機能性が維持されるときに、本明細書で説明される位置関係の多くが方向に依存しないことを認識する。これらの接続または位置関係あるいはその両方が、特段の指定がない限り、直接または間接であってもよく、本発明は、この点に関して限定であることを意図するものではない。したがって、要素の連結は、直接連結または間接連結のいずれかを指してもよく、要素間の位置関係は、直接または間接の位置関係であってもよい。間接的な位置関係の例として、「B」層の上に「A」層を形成することに対する本説明における参照は、「A」層および「B」層の関連特性および機能性が中間層によって実質的に変更されない限り、1つまたは複数の中間層(例えば「C」層)が「A」層と「B」層との間にある状況を含む。
以下の定義および略称は、特許請求の範囲および明細書の解釈のために使用されるものとする。本明細書において使用される、「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、「包含する」、もしくは「包含している」という用語、またはそれらの任意の他の変形は、非排他的包含を含むことを意図するものとする。例えば、要素のリストを含む合成物、混合物、プロセス、方法、製品、または装置は、必ずしもそれらの要素だけに限定されず、明示的に列挙されない他の要素、またはそのような合成物、混合物、プロセス、方法、製品、もしくは装置に固有の他の要素を含み得る。
追加的に、「例示的」という用語は、「例、事例、または例示として機能すること」を意味するように、本明細書において使用される。本明細書において「例示的」と説明されるいかなる実施形態または設計も、必ずしも他の実施形態または設計よりも好適または有利であると解釈されるべきではない。「少なくとも1つの」および「1つまたは複数の」という用語は、1以上の任意の整数、即ち、1、2、3、4などを含むように理解される。「複数の」という用語は、2以上の任意の整数、即ち、2、3、4、5などを含むように理解される。「接続」という用語は、間接「接続」および直接「接続」を含み得る。
「一実施形態」、「実施形態」、「例としての実施形態」などに対する明細書中の参照は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含み得るが、あらゆる実施形態がその特定の特徴、構造、または特性を含んでも含まなくてもよいことを示している。さらに、そのような語句は、必ずしも同一の実施形態を指していない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、実施形態に関連して説明されるとき、それは、明示的に説明されるか否かに関わらず、他の実施形態に関連するそのような特徴、構造、または特性に影響を及ぼす当業者の知識の範囲内にあると考えられる。
「約」、「実質的に」、「おおよそ」という用語およびそれらの変形は、本出願の出願時点に入手可能な機器に基づく特定の数量の測定値に関連する誤差の程度を含むことを意図するものとする。例えば、「約」は、所与の値の±8%、または5%、または2%の範囲を含み得る。
本発明の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されているが、網羅的であること、または開示された実施形態に限定することを意図するものではない。多くの変更および変形が、説明される実施形態の範囲から逸脱することなく当業者に明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、実際の用途、もしくは市場で見いだされる技術を超える技術的改善を最もよく説明するため、または他の当業者が本明細書で説明された実施形態を理解することを可能にするために、選択された。

Claims (20)

  1. 量子コンピューティング・デバイスであって、
    第1の基板および前記第1の基板上に配置された1つまたは複数のキュービットを有する第1のチップであって、前記1つまたは複数のキュービットのそれぞれが、それぞれに関連する共振周波数を有する、前記第1のチップと、
    第2の基板および前記1つまたは複数のキュービットに対向する前記第2の基板上に配置された少なくとも1つの導電面を有する第2のチップであって、前記第2のチップは、前記少なくとも1つの導電面の開口部を通って少なくとも前記第2の基板まで延びる凹部を有し、前記少なくとも1つの導電面が、前記1つまたは複数のキュービットのうちの少なくとも1つに関連付けられた前記共振周波数を、判断された周波数調整値に調整するように構成される少なくとも1つの寸法を有する、前記第2のチップと、
    を備える、量子コンピューティング・デバイス。
  2. 前記導電面の前記少なくとも1つの寸法が、前記1つまたは複数のキュービットのそれぞれに関連付けられたパラメータの測定に基づく、請求項1に記載の量子コンピューティング・デバイス。
  3. 特定のキュービットに関連付けられた前記共振周波数が、測定された前記パラメータに基づいて計算される予測共振周波数である、請求項2に記載の量子コンピューティング・デバイス。
  4. 前記パラメータが、前記1つまたは複数のキュービットに関連付けられた抵抗を含む、請求項2または3に記載の量子コンピューティング・デバイス。
  5. 前記抵抗が、前記キュービットの接合の通常状態抵抗である、請求項4に記載の量子コンピューティング・デバイス。
  6. 前記接合が、前記キュービットのジョセフソン接合である、請求項5に記載の量子コンピューティング・デバイス。
  7. 前記少なくとも1つの寸法が、前記周波数調整値を達成するための静電容量変化に基づいて判断される、請求項1ないし6のいずれかに記載の量子コンピューティング・デバイス。
  8. 前記少なくとも1つの寸法が、前記導電面の形状または領域のうちの少なくとも1つを含む、請求項1ないし7のいずれかに記載の量子コンピューティング・デバイス。
  9. 前記周波数調整値が、前記1つまたは複数のキュービットに関連付けられた前記共振周波数の間の周波数衝突を緩和するように判断される、請求項1ないし8のいずれかに記載の量子コンピューティング・デバイス。
  10. 前記少なくとも1つの導電面が、接地面を含む、請求項1ないし9のいずれかに記載の量子コンピューティング・デバイス。
  11. 前記少なくとも1つの導電面が、超伝導材料または金属材料のうちの少なくとも1つから形成される、請求項1ないし10のいずれかに記載の量子コンピューティング・デバイス。
  12. 前記第1のチップおよび前記第2のチップが、フリップ・チップ配列で配置される、請求項1ないし11のいずれかに記載の量子コンピューティング・デバイス。
  13. 前記第1のチップおよび前記第2のチップが、周波数同調範囲または同調感度のうちの少なくとも1つに基づいて所定の距離で連結される、請求項1ないし12のいずれかに記載の量子コンピューティング・デバイス。
  14. 前記導電面が、アルミニウム、ニオブ、チタン、窒化チタン、パラジウム、銀、銅、白金、および金を含むセットから選択される少なくとも1つの構成要素からできている、請求項1ないし13のいずれかに記載の量子コンピューティング・デバイス。
  15. 前記第1の基板が、サファイア、シリコン、石英、砒化ガリウム、溶融シリカ、アモルファス・シリコン、およびダイヤモンドを含むセットから選択される少なくとも1つの構成要素からできている、請求項1ないし14のいずれかに記載の量子コンピューティング・デバイス。
  16. 前記第2の基板が、サファイア、シリコン、石英、砒化ガリウム、溶融シリカ、アモルファス・シリコン、およびダイヤモンドを含むセットから選択される少なくとも1つの構成要素からできている、請求項1ないし15のいずれかに記載の量子コンピューティング・デバイス。
  17. 前記導電面が、超伝導材料である、請求項1ないし16のいずれかに記載の量子コンピューティング・デバイス。
  18. 前記少なくとも1つの寸法が、前記第2の基板に形成された凹部の深さを含む、請求項1ないし17のいずれかに記載の量子コンピューティング・デバイス。
  19. 量子コンピューティング・デバイスを提供する方法であって、
    第1の基板および前記第1の基板上に配置された1つまたは複数のキュービットを有する第1のチップを形成することと、
    前記1つまたは複数のキュービットのそれぞれに関連付けられたパラメータに基づいて、前記1つまたは複数のキュービットのそれぞれに関連する共振周波数を計算することと、
    前記1つまたは複数のキュービットに関連付けられた前記共振周波数の間の周波数衝突を緩和するように周波数調整値を判断することと、
    第2の基板および前記1つまたは複数のキュービットに対向する前記第2の基板上に配置された少なくとも1つの導電面を有する第2のチップを形成することであって、前記第2のチップは、前記少なくとも1つの導電面の開口部を通って少なくとも前記第2の基板まで延びる凹部を有し、前記少なくとも1つの導電面は、前記周波数調整値を達成するように構成される少なくとも1つの寸法を備える、第2のチップを形成することと
    を含む、方法。
  20. リソグラフィ・コンポーネントを備える半導体製造システムであって、前記半導体製造システムが、量子コンピューティング・デバイスを製造するために少なくとも1つのダイ上で動作されるときに、
    第1の基板および前記第1の基板上に配置された1つまたは複数のキュービットを有する第1のチップを形成することと、
    前記1つまたは複数のキュービットのそれぞれに関連付けられたパラメータに基づいて、前記1つまたは複数のキュービットのそれぞれに関連する共振周波数を計算することと、
    前記1つまたは複数のキュービットに関連付けられた前記共振周波数の間の周波数衝突を緩和するように周波数調整値を判断することと、
    第2の基板および前記1つまたは複数のキュービットに対向する前記第2の基板上に配置された少なくとも1つの導電面を有する第2のチップを形成することであって、前記第2のチップは、前記少なくとも1つの導電面の開口部を通って少なくとも前記第2の基板まで延びる凹部を有し、前記少なくとも1つの導電面は、前記周波数調整値を達成するように構成される少なくとも1つの寸法を備える、第2のチップを形成することと
    を含む動作を実行する、半導体製造システム。
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