以下、一実施形態について図面を参照しながら説明する。また、本実施形態において、構成要素等に付された「第1」、「第2」との語句は、類似した構成要素を単に区別するためのものであり、構成要素間の優劣や時間的要素を意味するものではない。
図1に示す洗濯機10は、回転槽13の回転軸が水平へ向かう横軸型又は後方へ向かって下降傾斜した斜め軸型のドラム式洗濯機である。洗濯機は、ドラム式に限らず、回転槽の回転軸が鉛直方向を向いたいわゆる縦型洗濯機であっても良い。洗濯機10は、図1から図3に示すように、外箱11、水槽12、回転槽13、モータ14、排水機構15、操作パネル16、給水機構20、温風供給機構30、及び洗浄機構40を備えている。なお、図1において、洗濯機10の設置面側つまり鉛直下側を洗濯機10の下側とし、設置面と反対側つまり鉛直上側を洗濯機10の上側とする。また、洗濯機10のユーザから見て手前側つまり図1の紙面左側を洗濯機10の前側とし、ユーザの反対側つまり洗濯機10の背面側を洗濯機10の後側とする。
外箱11は、例えば鋼板などによって略矩形の箱状に形成されている。水槽12及び回転槽13は、いずれも円筒形状の軸方向の一方側つまり前方側が開口し、他方側つまり後方側に底部を有する、いわゆる有底円筒状に形成されている。水槽12は、外箱11内に配置されて図示しないサスペンションによって弾性的に支持されている。
水槽12は、図1から図3に示すように、排気口121、給気口122、及び注水口123を有している。排気口121、給気口122、及び注水口123は、水槽12の内部と外部とを連通している。排気口121は、例えば水槽12の上部前寄りの部分であって、水槽12の左右方向の中心に対して右方向へ離れた位置に設けられている。給気口122は、例えば水槽12の底部であって、底部の上下方向の中心よりやや上寄り部分に設けられている。注水口123は、例えば水槽12の上部後寄りの部分であって、水槽12の左右方向の中心に対して左方向へ離れた位置に設けられている。すなわち、注水口123は、排気口121とは、水槽12の前後方向において相互にずれた位置であって、水槽12の左右方向において異なる方向に位置している。
回転槽13は、水槽12内に回転可能に配置されている。回転槽13は、モータ14によって回転駆動される。回転槽13は、多数の孔132を有している。孔132は、回転槽13の周面のほぼ全域にわたって形成されており、例えば脱水工程時においては水が出入りする通水孔として機能し、乾燥工程時には空気が出入りする通風孔として機能する。また、回転槽13の内周面には図示しない複数のバッフルが設けられている。バッフルは、回転槽13内に収容された洗濯物を撹拌及び掻き上げる機能を有する。
モータ14は、水槽12の底部外側に設けられている。モータ14は、詳細は図示しないが、例えば回転数を変更可能なブラシレスのダイレクトドライブモータで構成されている。モータ14は、回転槽13に接続されており、回転槽13を水槽12に対して相対的に回転駆動させる機能を有する。この場合、モータ14の軸部141、水槽12の中心軸、及び回転槽13の回転軸は、それぞれ重なっている。以下の説明では、回転槽13を回転させたときに、回転槽13の外周面131の進行方向を周方向と称する。回転槽13の回転軸に対して直交する方向を径方向と称する。
排水機構15は、水槽12内に貯留されている水を、洗濯機10の機外へ排出する機能を有する。排水機構15は、図1等に示すように、排水弁151及び排水ホース152を有している。排水弁151は、電磁的に開閉動作が可能な液体用の開閉弁である。排水ホース152は、一方の端部が排水弁151に接続され、他方の端部が洗濯機10の機外に引き出されている。排水弁151が開放されると、水槽12内に貯留されていた水は、排水ホース152を通して洗濯機10の機外へ排出される。つまり、排水弁151は、水槽12内に貯留された水を外部に排水するための排水経路Dを開閉する。
操作パネル16は、図示しない表示部や操作部が設けられており、ユーザが洗濯運転コースを設定するための入力操作等を受け付けるとともに、入力された操作内容及び運転状況等を表示する。操作パネル16は、例えば外箱11の上面の前側部分に設けられている。
給水機構20は、例えば水道等の外部の水源から供給される水を水槽12内に給水する機能を有する。給水機構20は、図2に示すように、給水弁21、注水ケース22、及び注水ホース23を有している。給水弁21は、電磁的に開閉動作可能な液体用の開閉弁であり、図示しない水道の蛇口等の外部の水源に接続されている。
注水ケース22は、内部に洗濯処理剤を収容可能に構成されている。洗濯処理剤とは、例えば粉末洗剤や液体洗剤等の洗剤、及び柔軟剤や香り付け剤等の仕上げ剤を含む。注水ケース22は、接続部221を有する。接続部221は、図3に示すように、注水ケース22を構成する壁面のうち加圧溶解装置50と対向する壁面に設けられ、注水ケース22と加圧溶解装置50とを連通している。この場合、加圧溶解装置50から流出した水は、接続部221を通って注水ケース22内に流入する。
注水ホース23は、例えば可撓性を有するホースで円筒状に構成されている。注水ホース23の一方の端部は注水ケース22に接続され、他方の端部は注水口123に接続されている。つまり、注水ホース23は、注水ケース22と水槽12内とを繋いでいる。注水ホース23は、外部の水源から注水ケース22内に流入した水を水槽12内に注水する機能を有する。この場合、注水ケース22内に洗濯処理剤が貯留されている状態で、注水ケース22内に水が流入すると、注水ケース22内の洗濯処理剤と注水ケース22内を流れる水とが注水ケース22内で混合して、その混合水は、注水ホース23を通過して注水口123から水槽12内に流れる。
温風供給機構30は、水槽12内に温風を循環供給するためのものである。温風供給機構30は、循環風路31、温風供給装置32、及び送風ファン33を有している。循環風路31は、水槽12の外側に位置しており、一方の端部が排気口121に接続され、他方の端部が給気口122に接続されている。循環風路31は、水槽12内の空気を排気口121から取り込み、温風供給装置32を通して温風を生成した後、その温風を給気口122から水槽12内へ供給する機能を有する。
循環風路31は、図1に示すように、排気ダクト311、フィルタ装置312、接続ダクト313、熱交換部314、及び給気ダクト315を有する。排気ダクト311は、例えば可撓性を有するホースで蛇腹状の円筒状に構成されている。排気ダクト311の一方の端部は排気口121に接続され、他方の端部はフィルタ装置312に接続されている。排気ダクト311は、例えば乾燥工程時においては水槽12内の空気を排出する部分として機能し、槽洗浄工程時には水槽12内に水を注水する部分として機能する。フィルタ装置312は、内部に図示しないフィルタが設けられており、そのフィルタによって、循環風路31内を流れる空気に含まれるリントやゴミを捕集する。
接続ダクト313は、フィルタ装置312と熱交換部314との間に設けられ、フィルタ装置312と熱交換部314とを繋いでいる。熱交換部314は、洗濯機10の背面側であって、外箱11内の底部寄りに配置されている。水槽12から循環風路31に取り込まれて接続ダクト313を流れた空気は、熱交換部314を通過する際に除湿及び加熱されて乾燥した温風となる。給気ダクト315は、熱交換部314と水槽12の給気口122との間に設けられ、熱交換部314と水槽12の給気口122とを繋いでいる。給気ダクト315は、水槽12内に空気を供給する部分である。
温風供給装置32は、例えば冷凍サイクルを構成している。温風供給装置32は、図2に示すように、蒸発器321、凝縮器322、圧縮機323、及び絞り弁324を有している。蒸発器321及び凝縮器322は、熱交換部314内に設けられている。蒸発器321は、水槽12と循環風路31との間を循環する空気の流れに対して、凝縮器322よりも上流側に設けられている。温風供給装置32において、蒸発器321は、循環風路31を循環する空気の冷却除湿を行い、凝縮器322は、循環風路31を流れる空気を加熱して温風にする。なお、温風供給装置32は、冷凍サイクルに限らずヒータ式の加熱装置で構成されても良い。
圧縮機323は、熱交換部314の外側に設けられている。絞り弁324は、高圧の液体冷媒を蒸発しやすいように減圧するためのものである。洗濯機10が乾燥工程を行う場合、圧縮機323が駆動されて、圧縮機323から吐出された高温高圧の冷媒が凝縮器322に流入し、凝縮器322で放熱して液体冷媒になる。液化した冷媒は、絞り弁324を通過して減圧されて、蒸発器321に送られる。蒸発器321にて、外気との熱交換により冷媒が気化されて、その後圧縮機323に戻される。そして、再び圧縮機323にて冷媒が圧縮されて高温高圧の気体となり吐出されるといった循環が行われる。
送風ファン33は、図2に示すように、熱交換部314と給気ダクト315との間に設けられている。送風ファン33は、熱交換部314で除湿及び加熱された温風を、給気ダクト315を介して給気口122から水槽12内へ送り出している。
洗浄機構40は、図2等に示すように、給水弁41、洗浄ホース42、及びノズル43を有している。給水弁41は、電磁的に開閉動作可能な液体用の開閉弁であり、外部の水源に接続されている。洗浄ホース42は、一方の端部が給水弁41に接続され、他方の端部がノズル43に接続されている。ノズル43は、排気ダクト311の上部に設けられている。ノズル43は、詳細は図示しないが、排気ダクト311内に向かって水を吐出可能に構成されている。これにより、給水弁41が開放されると、外部の水源から供給された水は、洗浄ホース42を介してノズル43から排気ダクト311内に供給される。このため、洗浄機構40は、排気ダクト311の内周面に付着したリント等の異物を洗い流す機能を有する。
また、洗濯機10は、加圧溶解装置50及び微細気泡発生器60を備えている。加圧溶解装置50は、図3に示すように、注水ケース22の上流側に設けられている。加圧溶解装置50は、外部の水源から供給された水を、その水の圧力で加圧して空気成分を溶解させる。加圧溶解装置50は、図4の黒矢印で示す方向に水が流れる流路を構成する。
加圧溶解装置50は、図4に示すように、加圧タンク51、入口部52、出口部53、導水部54、仕切壁55、及び空気導入部56を有している。加圧タンク51は、給水弁21を通って供給された水が空気とともに一時的に貯留することができる。加圧タンク51は、気密及び水密性を有するとともに耐圧性を有する容器状に構成されている。そして、加圧タンク51は、例えば図示しない複数のネジ部材によって注水ケース22に固定されている。耐圧性とは、外部の水源から流入する水の圧力この場合水道圧によって、加圧タンク51内の内部圧力が上昇した場合でも、加圧タンク51の変形を抑えて気密性及び水密性が維持されることを意味する。
本実施形態では、加圧タンク51は、複数のタンク部材この場合2つのタンク部材511、512を組み合わせて加圧タンク51の内部に空間が形成されるように構成されている。なお、加圧タンク51は、2つのタンク部材を組み合わせた構成に限らず、3つ以上のタンク部材を組み合わせた構成であっても良い。
加圧タンク51は、第1タンク部材511、第2タンク部材512、及びシール部材513を有している。第1タンク部材511及び第2タンク部材512は、例えば合成樹脂製で形成されている。この場合、第1タンク部材511と第2タンク部材512とを突き合せた部分つまり接合部分は、例えば振動溶着や超音波溶着等の溶着によって接合されている。すなわち、第1タンク部材511と第2タンク部材512とは、各タンク部材511、512同士の溶着によって接合されている。このように、複数のタンク部材511、512を溶着により一体化することによって、複数のタンク部材511、512間の気密性及び水密性を確保することができる。なお、複数のタンク部材511、512の接合は溶着に限らず、例えばネジ部材や接着剤によって接合する構成としても良い。
シール部材513は、図4及び図7にも示すように、出口部53の他方の端部の外周面に設けられている。シール部材513は、例えば合成樹脂製のOリングで構成されている。
入口部52は、図5に示すように、例えば合成樹脂製で筒状に構成されており、加圧タンク51の外部から内部に流入する水が通る部分である。また、出口部53は、図6に示すように、例えば合成樹脂製で筒状に構成されており、加圧タンク51の内部から外部に流出する水が通る部分である。本実施形態の場合、入口部52及び出口部53は、複数のタンク部材511、512のうち同一のタンク部材511に設けられている。
更に、入口部52又は出口部53の一方又は両方は、注水ケース22に直接接続することができる。直接接続とは、入口部52又は出口部53と注水ケース22との間に他の部品が介在することなく相互に接続されることを意味する。本実施形態の場合、入口部52は、図5に示すように、第1タンク部材511の上部側に位置して設けられており、耐圧ホース101を介して給水弁21に接続されている。
図4に示すように、出口部53は、一方の端部が第1タンク部材511の底部に接続されて、他方の端部が接続部221に接続されている。つまり、第1タンク部材511は、出口部53を介して接続部221に直接接続されている。この場合、出口部53の他方の端部は、接続部221に挿入可能に構成されている。そして、出口部53の外周面と接続部221の内周面とによってシール部材513が押圧されて、出口部53と接続部221とが水密状態で接続される。このように、本実施形態では、入口部52又は出口部53の一方である出口部53が注水ケース22に直接接続されている。なお、本実施形態においては、出口部53からの排水は加圧タンク51に貯留した水の水圧つまり静水圧のみで行われ、排水のための専用のポンプ等の駆動源を要していない。
また、第1タンク部材511は、導水部54を有している。導水部54は、図4及び図5に示すように、入口部52から繋がって第2タンク部材512側へ延びて、入口部52から加圧タンク51内に供給された水を第2タンク部材512側に導く。導水部54は、例えば筒状に形成されて、一方の端部が第1タンク部材511の内壁に取付けられており、他方の端部つまり先端部541が開放されている。そして、導水部54の先端部541は、図5に示すように、第2タンク部材512の内壁に対して隙間Gを有して配置されている。
この場合、第2タンク部材512の内壁において、導水部54の先端部541と対向した位置には窪み部514が形成されている。窪み部514は、例えば第2タンク部材512の内壁を窪み部514の周辺の内壁に対して円形状に外方へ窪ませて形成されている。窪み部514は、導水部54の先端部541を収容可能に構成されている。窪み部514の内径寸法と先端部541の外径寸法とは、例えば嵌め合い公差の関係とすることができ、例えばいわゆる隙間ばめ又は締まりばめ、若しくは中間ばめの関係とすることができる。
また、導水部54は、導水口542、隔壁543、及び通水部544を有している。導水口542は、導水部54の外周面に形成されており、入口部52に接続されている。入口部52を通った水は、導水口542から導水部54内に流出する。隔壁543は、図5に示すように、導水部54の延伸方向において導水口542よりも第1タンク部材511側に設けられている。隔壁543は、導水部54を閉塞する壁として機能しており、導水部54に流入した水の流れを導水部54の延伸方向に変換するためのものである。
通水部544は、導水部54の底部に導水部54を厚み方向に貫通して形成されている。通水部544は、導水部54を通る水を加圧タンク51内に落下させるためのものである。通水部544から流出し落下した水は、加圧タンク51内部に貯留した水面の上部の空気を引き込みながら、水面に対して激しく衝突する。これにより、通水部544から落下した水の衝突時のエネルギーによって加圧タンク51内に貯留した水が撹拌されて、加圧タンク51内部の空気成分の溶解が促進される。上述したように、導水部54の先端部541と先端部541に対向した第2タンク部材512の内壁との間には隙間Gが形成されているため、隙間Gからの水の流出が生じるが、その流出量は通水部544から流出する水の量に比べて少量である。
仕切壁55は、図4に示すように、加圧タンク51内の底部から立ち上がって設けられ、加圧タンク51内の空間の一部を水平方向に仕切っている。仕切壁55は、複数のタンク部材511、512のうち第2タンク部材512に設けられている。この場合、導水部54は、図4に示すように、平面視において入口部52に対して仕切壁55を越えた位置まで延びており、導水部54内を通る水を入口部52に対して仕切壁55を越えた位置で放水する。すなわち、通水部544は、導水部54の延伸方向において入口部52に対して仕切壁55を超えた位置に配置されている。
これにより、通水部544から注水された水が仕切壁55と第2タンク部材512の内壁との間の空間における水面で撹拌されることで、加圧タンク51内の水と空気とを効率良く接触させることができる。よって、加圧タンク51内の水に対する空気成分の溶解を促進することができる。更に、平面視において、通水部544の位置を出口部53からなるべく離れた位置に配置することによって、加圧タンク51内における水と空気との接触時間を長くすることができる。これにより、より多くの空気成分を水に溶解させることができる。
また、仕切壁55には、図6に示すように、スリット551が形成されている。スリット551は、微細気泡よりも粒径の大きな泡を遮蔽する機能を有している、導水部54を通って通水部544から流出した水のうち仕切壁55の上端よりも下方に位置する水は、仕切壁55のスリット551を通過して出口部53側の空間に流れる。このとき、通水部544から落下した水が水面と衝突することにより発生した例えばミリオーダーの比較的大きな気泡は、スリット551を通過せずに出口部53側の空間に流出することなく消滅する。
空気導入部56は、図4に示すように、第1タンク部材511の上部側に設けられており、加圧タンク51の内部と外部とを開閉可能に連通している。この場合、空気導入部56は、注水ケース22に接続されている。空気導入部56は、空気導入管561及び吸気弁562を有している。吸気弁562が開放されると、空気導入管561を介して加圧タンク51内に外気が補充される。
吸気弁562は、例えば逆止弁で構成することができる。この場合、吸気弁562は、加圧タンク51の外部から加圧タンク51の内部へ向かう空気は通すが、加圧タンク51の内部から加圧タンク51の外部へ向かう空気は遮断する機能を有する。吸気弁562は、加圧タンク51内の圧力が大気圧よりも高くなると閉じ、加圧タンク51内の圧力が大気圧に近い値になると開く構成とすることができる。なお、吸気弁562は、逆止弁の構成に限らず、空気用の電磁弁で構成されていても良い。
次に、加圧溶解装置50における加圧タンク51内の水に空気成分が溶解される状態について説明する。本実施形態では、加圧溶解装置50は、例えば加圧タンク51から流出する水量よりも加圧タンク51内に流入する水量を多くすることで、水道圧のみで加圧タンク51内を加圧することができる。この場合、加圧タンク51内の圧力が大気圧の状態つまり加圧タンク51内に水がほとんど溜まっていない初期の段階で給水弁21が開放されると、導水部54から流入した水のうち出口部53から流出しなかった残りの水が加圧タンク51内に貯留されて加圧タンク51内の水位が上昇する。このとき、加圧タンク51内の空気は上昇する水面に圧縮され、これにより加圧タンク51内の圧力が上昇して吸気弁562が閉鎖する。
その後、導水部54からの水の流入が継続されて加圧タンク51内の水位が所定水位まで上昇すると、加圧タンク51内の圧力と外部の水源から流入する水の圧力この場合水道圧とが均衡する。その結果、導水部54から流入する水の量と出口部53から加圧タンク51外に流出する水の量とが略等しくなり、加圧タンク51内が最大圧力この場合水道圧に近い圧力となる。このように、加圧タンク51内の圧力が大気圧よりも上昇することにより、加圧タンク51内の空気が加圧タンク51内に貯留されている水に溶解し易くなる。つまり、外部の水源から供給された水を加圧溶解装置50に通すことによって、加圧溶解装置50の下流側に供給される水に対して、加圧溶解装置50を通らない通常の水に比べて多量の空気成分を溶存させた水を供給することができる。
そして、加圧タンク51内に給水が開始されて、例えば給水時間が所定時間経過した後に給水弁21を閉じると、加圧タンク51内の水位の低下に伴い加圧タンク51内の圧力も大気圧近くまで低下し、吸気弁562が開いて加圧タンク51内に外気が導入される。このように、給水弁21の開閉を繰り返すことで、加圧溶解装置50は、空気成分を溶解させた水を繰り返し吐出することができる。
微細気泡発生器60は、図4に示すように、加圧溶解装置50の下流に設けられて加圧溶解装置50から流出する水にマイクロバブルを析出させる機能を有する。微細気泡発生器60は、図4及び図7に示すように、出口部53と接続部221との間にて支持された状態で取付けられている。この場合、微細気泡発生器60は、出口部53と接続部221との間で挟み込まれた状態で取付けられている。なお、微細気泡発生器60は、出口部53と接続部221に対して圧入によって固定される構成としても良い。そして、微細気泡発生器60の外周面には、シール部材71が設けられている。シール部材71は、例えば合成樹脂製のOリングで構成されている。そして、微細気泡発生器60の外周面と接続部221の内周面とによってシール部材71が押圧されて、微細気泡発生器60と接続部221との間の水密性が確保される。
本実施形態の微細気泡発生器60は、直径及び全長が例えば数mm~数十mm程度、具体的には直径が最大約15mmで長さが約10mmに設定されている。微細気泡発生器60は、図7に示すように、絞り部61、ストレート部62、及び衝突部63を有している。絞り部61及びストレート部62は、微細気泡発生器60の長手方向へ向かって、図7の黒矢印で示す方向へ水を流す流路を構成する。
絞り部61は、微細気泡発生器60の流入側つまり上流側に設けられている。絞り部61は、微細気泡発生器60の長手方向の上流側端部から途中部分にかけて流路の断面積つまり内径が連続的に徐々に減少するようないわゆる截頭円錐形のテーパ管状に形成されている。ストレート部62は、絞り部61の下流側に設けられている。ストレート部62は、内径が変化しない、すなわち流路の断面積つまり液体の通過可能な面積が変化しない円筒形、いわゆるストレート管状に形成されている。
衝突部63は、ストレート部62の下流端部分に設けられている。衝突部63は、微細気泡発生器60における水の通過可能な断面積を局所的に縮小することで、微細気泡発生器60を通過する液体中に主としてナノオーダーの微細気泡を多量に発生させることができる。
また、本実施形態の場合、衝突部63は、図8に示すように、例えば先端が尖った4本の棒状の部分で構成され、ストレート部62の内周面からこのストレート部62の断面における中心方向へ向かって突出している。4本の衝突部63は、ストレート部62の断面の周方向に向かって相互に等間隔に離間した状態で配置されている。この場合、各衝突部63の下流側の面は、平坦面に形成されている。また、各衝突部63で構成される隙間の面積が、微細気泡発生器60における水の通過可能な最小断面積となる。
微細気泡発生器60の上流側に水が流入すると、截頭円錐テーパ形状に縮小するように形成された絞り部61において流路断面積が絞られることによって、流体力学のいわゆるベルヌーイの定理に基づき流速が高められるとともに減圧によるキャビテーションが発生する。そして、その高速流が衝突部63に衝突することで作用するせん断力によって細分化された微細気泡が生成される。これにより、微細気泡発生器60は、微細気泡発生器60内を通過する水の中に溶存している空気を微細気泡として多量に析出させて、微細気泡発生器60を通過する以前よりも微細気泡を多量に含んだ微細気泡水を供給することができる。
ここで、一般に、微細気泡又はファインバブルは、その気泡の粒子径によって次のように分類されている。例えば、粒子径が数μmから100μm程度つまりマイクロオーダーの気泡は、マイクロバブルと称されている。これに対し、粒子径が50nm~1,000nm未満つまりナノオーダーの気泡は、ウルトラファインバブルと称されている。なお、本実施形態において、ナノオーダーの微細気泡、ウルトラファインバブル及びナノバブルは、いずれも同義であり、粒子径がナノオーダーの気泡を意味する。
マイクロバブルは、電気的特性としてマイナス電荷を帯びており、洗濯物や水槽12等の洗浄対象物に付着したプラス電荷を帯びた皮脂汚れ等の汚れと静電的に吸着しやすい。マイクロバブルとの電気的反応により洗浄対象物から引き剥がされた汚れは、マイクロバブル表面に吸着したままマイクロバブルの浮力により水面に浮上し滞留する。更に、気泡表面がマイナスに帯電したマイクロバブル同士は反発しあい結合することがなく液体中では分散するため、洗浄対象物から取り除いた汚れが洗浄水中で再び洗浄対象物に付着することを抑制することができる。
ウルトラファインバブルは、粒径が細かいため入り組んだ部分まで浸透が可能であり、マイクロバブル等の他の微細気泡では除去しきれない対象物の汚れを除去する洗浄効果を発揮することができる。また、ウルトラファインバブルは、粒子径がナノオーダーであり浮力が小さいこと及びマイクロバブルと比較して疎水性が大きく水に溶けにくいため液体中での滞在時間が長いという性質を有する。以上のように、マイクロバブルとウルトラファインバブルとは、その特性の違いから期待される洗浄能力も異なるため、両者を併用することで洗浄効果をより高めることが可能となる。
さて、本願発明者は、加圧溶解装置50及び微細気泡発生器60による微細気泡の発生量に関する検証試験を行った。この試験では、微細気泡発生器60単体の構成と微細気泡発生器60に加えて加圧溶解装置50を設けた構成すなわち本実施形態の仕様とによる2仕様について比較した。
図9及び図10は、各仕様における発生した微細気泡の粒子径と微細気泡の発生量との関係を示したものであり、縦軸に微細気泡の濃度、横軸に微細気泡の径、を示す。まず、ウルトラファインバブルの発生状況について、図9に示すように、加圧溶解装置50を設けた仕様では、加圧溶解装置50を設けない仕様に比べて、発生する粒子径の幅に特段の変化は見られないものの、微細気泡の濃度の著しい向上を確認した。特に、濃度分布のピークを示す粒径150nm付近では、加圧溶解装置50を設けたことで微細気泡の濃度が4倍程度上昇した。このように、微細気泡発生器60の上流側に加圧溶解装置50を設けると、微細気泡発生器60単体と比較してウルトラファインバブルの発生量を顕著に増加させることに寄与することがわかる。
次に、マイクロバブルの発生状況について、図10に示すように、加圧溶解装置50を設けない仕様では、マイクロバブルの発生は確認されなかった。一方、加圧溶解装置50を設けた仕様では、粒子径が数μmから100μm程度の範囲でマイクロバブルの発生を確認した。これは、水に溶解している空気の量が増えると、微細気泡発生器60を通過した際に生成されるウルトラファインバブルが顕著に増加する結果、生成されたウルトラファインバブルの一部が相互に結合してマイクロバブルに発達するからと推測される。このように、微細気泡発生器60は、単体では主にウルトラファインバブルを析出させる機能を有するが、加圧溶解装置50を用いて微細気泡発生器60を通過する水に溶解している空気の量を増やすことで、マイクロバブルの発生量を飛躍的に向上させることがわかる。
そして、加圧溶解装置50及び微細気泡発生器60を通過した水を用いて、水槽12及び回転槽13の洗浄を行うことで、洗浄効果の向上が期待できる。つまり、マイクロバブルは、例えば水槽12及び回転槽13表面に付着した比較的大きな汚れの除去に寄与し易い。一方で、ウルトラファインバブルは、例えば水槽12及び回転槽13の入り組んだ部分に付着した比較的小さな汚れの除去に寄与し易い。このように、マイクロバブルとウルトラファインバブルとの相互作用により、洗浄効果の大幅な向上を図ることができる。
また、水に溶解している空気の量が増えると、上述したように、微細気泡発生器60を通過した際に生成されるウルトラファインバブルが増大される。多量に生成されたウルトラファインバブルによって、水槽12等の表面に対して衝突が繰り返されると、その衝突点でウルトラファインバブルが相互に結合してマイクロバブルに発達する。このとき、ウルトラファインバブルの追突によってマイクロバブルの急膨張が発生し、水槽12等に付着した汚れが持ち上げて剥離される。これにより、より高い洗浄効果を得ることが期待できる。
本実施形態において、洗濯機10は、微細気泡水経路R1及び通常水経路R2を備えている。微細気泡水経路R1は、例えば給水機構20、加圧溶解装置50、微細気泡発生器60、及び注水口123を含んで構成することができる。微細気泡水経路R1は、外部の水源に接続されて外部の水源から供給される水にマイクロバブルを含ませた微細気泡水を水槽12内に供給する経路である。この場合、微細気泡発生器60は、微細気泡水経路R1を局所的に絞ることで加圧溶解装置50から流出する水にマイクロバブルを析出させる。
微細気泡水経路R2は、例えば洗浄機構40、排気ダクト311、及び排気口121を含んで構成することができる。通常水経路R2は、微細気泡水経路R1とは異なる経路であって、外部の水源から供給される水を加圧溶解装置50及び微細気泡発生器60を通さずに水槽12内に供給する経路である。つまり、通常水経路R2は、加圧溶解装置50等の負荷装置を介さない経路である。また、通常水経路R2は、排気ダクト311内を流れる水によって排気ダクト311を洗浄可能に構成されている。この場合、給水弁21は、微細気泡水経路R1を開閉可能な微細気泡水用給水弁21として機能し、給水弁41は、通常水経路R2を開閉可能な通常水用給水弁41として機能する。また、注水口123は、微細気泡水経路R1の出口123として機能し、排気口121は、通常水経路R2の出口121として機能する。
本実施形態では、図11及び図12に示すように、排気口121は、排気口121から流出した水が回転槽13の外周面131に対して、当該外周面131の接線方向に沿って当たる位置に設けられている。接線方向とは、回転槽13の径方向に対して直交する方向を意味する。この場合、図12に示すように、平面視で排気口121と回転槽13の外周面131の外側端部とが重なっている。そのため、排気口121から流出した水は、回転槽13の外周面131のうち最も外側に位置する部分を含む範囲に対して鉛直下方へ向かって吐出される。
また、注水口123も同様に、注水口123から流出した水が回転槽13の外周面131に対して、当該外周面131の接線方向に沿って当たる位置に設けられている。この場合、図12に示すように、平面視で排気口121と回転槽13の外周面131の外側端部とが重なっている。そのため、注水口123から流出した水は、回転槽13の外周面131のうち最も外側に位置する部分を含む範囲に対して鉛直下方へ向かって吐出される。このように、微細気泡水経路R1及び通常水経路R2は、それぞれの給水経路R1、R2を流れた水を水槽12内でかつ回転槽13の外周面131に当たる位置に供給可能である。
また、排気口121と注水口123とは、図12に示すように、回転槽13の回転軸に沿って相互に方向がずれた位置であってかつ回転槽13の回転軸を挟む位置に設けられている。このため、微細気泡水経路R1からの給水と通常水経路R2からの給水とにおいて、回転槽13の外周面131の複数の箇所に対して水を接触させて、回転槽13の外周面131に付着した汚れ等を効率良く取り除くことができる。
また、排気口121と注水口123とは、図13及び図14に示すように、回転槽13の回転軸に沿って相互にずれた位置であってかつ回転槽13の左右方向において同じ方向に設ける構成にできる。この場合、図13及び図14の例では、排気口121と注水口123とは、回転槽13の左右方向において、右方向に設けられている。これによっても、微細気泡水経路R1及び通常水経路R2から流出した水を、回転槽13の複数の箇所に対して水を接触させることができるため、回転槽13の外周面131に付着した汚れ等を効率良く取り除くことができる。
洗濯機10の運転は、制御装置80によって制御される。制御装置80は、CPU801や、ROM、RAM、及び書き換え可能なフラッシュメモリなどの記憶領域802を有するマイクロコンピュータを主体に構成されており、洗濯機10全体の動作を制御する。
また、洗濯機10は、図15に示すように、水位センサ17及び流量計18を備えている。水位センサ17は、水槽12内の水位を検出可能である。流量計18は、例えば給水経路R1、R2の分岐部分よりも上流側に設けられ、給水経路R1、R2に流れる水の流量を計測する。制御装置80には、水位センサ17や流量計18からの検知信号が入力される。この場合、制御装置80は、流量計18の検知信号の積算により、水槽12に供給した水量を算出することができる。
図15に示すように、モータ14、排水弁151、給水弁21、41、圧縮機323、及び送風ファン33は、制御装置80に電気的に接続されている。そして、制御装置80は、操作パネル16等から入力された信号に基づき、モータ14、排水弁151、給水弁21、41、圧縮機323、及び送風ファン33の駆動制御を行う。
制御装置80の記憶領域802は、制御プログラムを記憶している。制御装置80は、操作パネル16にてユーザにより設定される洗濯コースに応じて、記憶領域802に記憶されている上記制御プログラムをCPU801において実行することにより、洗濯運転、乾燥運転、及び洗濯乾燥運転を選択的に自動で実行する。運転とは、1以上の工程を含む概念であり、ユーザが選択可能な単位である。つまり、ユーザは、例えば操作パネル16を操作することによって、洗濯運転、乾燥運転、及び洗濯乾燥運転のうち所望の運転を選択して実行することができる。
洗濯運転は、主に洗濯物の洗濯を行うための運転内容であり、乾燥工程を含まずに洗い工程を含んでいる。乾燥運転は、主に洗濯物の乾燥を行うための運転内容であり、洗い工程を含まずに乾燥工程を含んでいる。そして、洗濯乾燥運転は、洗濯物の洗濯及び乾燥を行うための運転内容であり、洗い工程及び乾燥工程の両方を含んでいる。なお、各運転の具体的内容は、洗濯物の量や汚れの具合に応じて自動又はユーザの操作パネル16に対する操作に基づいて、適宜変更することができる。
また、制御装置80は、槽洗浄工程を実行可能である。槽洗浄工程は、洗濯運転の場合、脱水工程の前に実行することができ、乾燥運転の場合、乾燥工程の前に実行することができる。また、槽洗浄工程は、洗濯乾燥運転の場合、乾燥工程及び脱水工程の前に実行することができる。なお、各運転において、ユーザが操作パネル16に対する操作によって、槽洗浄工程の実行の有無を選択することができる。
本実施形態の場合、制御装置80は、洗濯乾燥運転が実行されると、図16に示すように、重量検知、洗い工程、すすぎ工程、槽洗浄工程、脱水工程、及び乾燥工程を含む一連の工程を順に実行する。この場合、ユーザは、洗濯乾燥運転を実行する際に、例えば操作パネル16を操作して洗濯乾燥運転を選択する。その後、ユーザが図示しないスタートボタンを操作すると、制御装置80は、図16のフローを開始する(スタート)。まず、制御装置80は、洗濯物重量検知(ステップS11)を行い、例えば回転槽13を低速で回転させ、その際にモータ14のq軸電流を測定することにより洗濯物の重量を検知する。次に、制御装置80は、洗濯物を洗う洗い工程(ステップS12)、洗濯物をすすぐすすぎ工程(ステップS13)、水槽12及び回転槽13を洗浄する槽洗浄工程(ステップS14)、洗濯物を脱水する脱水工程(ステップS15)、及び洗濯物を乾燥させる乾燥工程(ステップS16)を順次実行する。以下では、槽洗浄工程における制御内容について説明する。
槽洗浄工程は、微細気泡水を使って、水槽12内、主に回転槽13の外側や水槽12の内側を洗浄する工程である。槽洗浄工程では、微細気泡水のみならず、水道水を併用して洗浄を行っても良い。槽洗浄工程は、例えば微細気泡水洗浄動作と、通常水洗浄動作と、を含んだものとすることができる。微細気泡水洗浄動作は、給水弁21を開いて、微細気泡水経路R1から供給される微細気泡水を回転槽13の外周面131に当てて、回転槽13の外周面131を洗浄する動作である。
通常水洗浄動作は、給水弁41を開いて、通常水経路R2から供給される水を回転槽13の外周面131に当てて、回転槽13の外周面131を洗浄する動作である。なお、微細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作とは、槽洗浄工程に限らず、洗い工程やすすぎ工程等の一連の洗濯運転における他の工程と並行して又は同時に実行する構成としても良い。また、洗濯物の洗浄を主目的としない洗濯運転コースつまり水槽12や回転槽13等の洗濯機10内部の装置の洗浄を行うための専用の槽洗浄コースにおいて実行する構成としても良い。
微細気泡水洗浄動作つまり微細気泡水経路R1によって水槽12内に供給される水の単位時間当たりの水量は、通常水洗浄動作つまり通常水経路R2によって水槽12内に供給される水の単位時間当たりの水量よりも多く設定することができる。本実施形態の場合、微細気泡水洗浄動作における単位時間当たりの水量は6L/minに設定され、一方、通常水洗浄動作における単位時間当たりの水量は3L/minに設定される。制御装置80は、例えば給水弁21及び給水弁41の開閉量を制御することで、各給水経路R1、R2の水槽12内への単位時間当たりの水量を調整することができる。
また、微細気泡水洗浄動作及び通常水洗浄動作において、モータ14を駆動して、回転槽13を正転方向つまり正面視で時計回りに連続回転させる動作を含めることができる。本実施形態では、微細気泡水経路R1の出口である注水口123は、図11に示すように、正面視で回転槽13の左右方向において左側に位置しており、一方、通常水経路R2の出口である排気口121は、正面視で回転槽13の左右方向において右側に位置している。すなわち、制御装置80は、微細気泡水洗浄動作及び通常水洗浄動作の実行に伴って、排気口121及び注水口123から流出した水に対向する方向へ回転槽13を回転させる処理を実行可能である。
制御装置80は、排水弁151を開いた状態で、微細気泡水洗浄動作を実行可能である。これにより、微細気泡水洗浄動作中に、水槽12及び回転槽13から除去した汚れを含んだ水を円滑に水槽12外へ排水することによって、回転槽13に収容された洗濯物等への汚れの再付着を抑制することができる。
図17から図19を参照して、槽洗浄工程における微細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作との実行時期について説明する。図17に示す例は、微細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作とを異なる時期、すなわち相互に重複しない時期に実行する例である。制御装置80は、予め設定された所定期間内において、微細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作とを異なる時期に実行可能である。所定期間とは、時間で設定しても良く、例えば流量計18の検出値の時間積算による水槽12への給水量の算出に基づく所定の水量を供給するまでの期間としても良い。以下の説明では、槽洗浄工程の期間を槽洗浄期間Tとし、微細気泡水洗浄動作が行われる期間を微細気泡水給水期間Tfとし、通常水洗浄動作が行われる期間を通常水給水期間Tsとする。
図17に示すように、水槽12内への給水量の総量を9Lとした場合、槽洗浄工程が開始されると、制御装置80は、通常水給水期間Tsにおいて、通常水用給水弁41を開いて約60秒間で約3Lの給水をした後に、通常水用給水弁41を閉鎖する。その後、制御装置80は、微細気泡水給水期間Tfにおいて、微細気泡水用給水弁21を開いて約60秒間で約6Lの給水を行い、槽洗浄工程が終了される。このとき、制御装置80は、槽洗浄期間Tにて、排水弁151を開放した状態を維持している。
このように、制御装置80は、通常水洗浄動作を実行した後に、微細気泡水洗浄動作を実行することができる。こうすることで、通常水洗浄動作によって洗浄された水槽12及び回転槽13の上部前寄りの部分に付着した汚れの一部が、水槽12の内側及び回転槽13の外側に沿って水槽12及び回転槽13の下部後寄りの部分に流れた場合に、その後に実行される微細気泡水洗浄動作によって、水槽12及び回転槽13の下部後寄りの部分が洗浄されることで、通常水洗浄動作で落とした汚れを効率良く下方に流すことができる。なお、微細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作との順番は特に限定されるものではなく、制御装置80は、微細気泡水洗浄動作を実行した後に、通常水洗浄動作を実行することもできる。また、微細気泡水洗浄動作の実行時間は、通常水洗浄動作の実行時間よりも短い時間あるいは長い時間に設定しても良い。
次に、図18を参照して槽洗浄工程において、微細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作とが同じ時期に設定されている場合について説明する。制御装置80は、予め設定された所定期間内において、微細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作とを同時に実行可能である。例えば図18の例に示すように、給水に要する時間を2分とした場合、制御装置80は、槽洗浄期間Tにおいて、微細気泡水用給水弁21及び通常水用給水弁41を開いて、例えば2分間で約18Lの給水を一括的に連続して行う。このとき、制御装置80は、槽洗浄期間Tにて、排水弁151を開放した状態を維持している。微細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作とを同時に実行することで、水槽12内に供給する水量を最大化することで槽洗浄期間Tを極力短くしつつ、効率的に洗浄効果を得ることができる。
また、図19を参照して槽洗浄工程において、微細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作とが交互に設定されている場合について説明する。制御装置80は、微細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作とを交互に実行可能である。例えば図19の例に示すように、水槽12内への給水量の総量を9Lとした場合、槽洗浄工程が開始されると、制御装置80は、微細気泡水給水期間Tfにおいて、微細気泡水用給水弁21を開いて約20秒間で約2Lの給水をした後に、微細気泡水用給水弁21を閉鎖する。その後、制御装置80は、通常水給水期間Tsにおいて、通常水用給水弁41を開いて約30秒間で約1.5Lの給水をした後に、通常水用給水弁41を閉鎖する。そして、制御装置80は、各給水期間Tf、Tsの合計が予め設定された所定期間に至るまで、微細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作とを繰り返し交互に実行し、槽洗浄工程が終了される。このとき、制御装置80は、槽洗浄期間Tにて、排水弁151を開放した状態を維持している。
このように、微細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作とを、給水開始から所定条件を満たすまで給水を複数回に分けて間欠的に実行することで、通常水洗浄動作が実行されている期間つまり微細気泡水用給水弁21が閉鎖している期間に、加圧溶解装置50において空気導入部56から加圧タンク51内へ空気を補充することができる。これにより、加圧溶解装置50の下流側に設けられた微細気泡発生器60に対して、より多くの空気成分が溶解した水を供給することができる。よって、微細気泡水に含まれるマイクロバブルの濃度を高濃度の状態で維持することができる。その結果、高い洗浄効果を得ることができる。
この場合、通常水給水期間Tsを微細気泡水給水期間Tfよりも長い期間に設定することができる。これにより、微細気泡水用給水弁21が閉鎖している期間を長く設けることで、加圧溶解装置50において空気導入部56から加圧タンク51内へ空気を補充する時間を増やすことができる。よって、微細気泡水に含まれるマイクロバブルの濃度を高濃度の状態で効果的に維持することができる。
また、図19の例では、複数回設けられた各給水期間Tf、Tsは、それぞれ同じ給水条件としているが、これに限らず、各給水期間Tf、Tsにおいて行われる給水条件を変化させても良い。例えば、n回目の微細気泡水給水期間Tfよりもn―1回目又はn+1回目の微細気泡水給水期間Tfを短い期間あるいは長い期間に設定することができる。また、n回目の通常水給水期間Tsよりもn―1回目又はn+1回目の通常水給水期間Tsを短い期間あるいは長い期間に設定することができる。
以上説明した実施形態によれば、洗濯機10は、水槽12と、回転槽13と、微細気泡水経路R1と、微細気泡水用給水弁21と、加圧溶解装置50と、微細気泡発生器60と、制御装置80と、を備える。回転槽13は、水槽12内に回転可能に設けられている。微細気泡水経路R1は、外部の水源に接続されて、外部の水源から供給される水にマイクロバブルを含ませた微細気泡水を水槽12内でかつ回転槽13の外周面131に当たる位置に供給可能である。微細気泡水用給水弁21は、微細気泡水経路R1を開閉可能である。
加圧溶解装置50は、微細気泡水経路R1の経路上に設けられて、外部の水源から供給された水をその水の圧力で加圧して空気成分を溶解させる。微細気泡発生器60は、微細気泡水経路R1の経路上でかつ加圧溶解装置50の下流に設けられて、微細気泡水経路R1を局所的に絞ることで、加圧溶解装置50から流出する水にマイクロバブルを析出させる。制御装置80は、微細気泡水用給水弁21を開閉可能である。そして、制御装置80は、微細気泡水用給水弁21を開いて、微細気泡水経路R1から供給される微細気泡水を回転槽13の外周面131に当てて、回転槽13の外周面131を洗浄する微細気泡水洗浄動作を実行可能である。
加圧溶解装置50は、加圧溶解装置50の下流側に供給される水に対して、加圧溶解装置50を通らない通常の水に比べて多量の空気成分を溶存させた水を供給することができる。微細気泡のうちマイクロオーダーのマイクロバブルを多量に生成するためには、水に含まれる溶存空気の量を増大させることが有効である。そして、マイクロバブルは、汚れを吸着し、剥がしとる作用を発揮する。そこで、加圧溶解装置50を備えることによって、加圧溶解装置50の下流に設けられた微細気泡発生器60を通過した水に含まれる微細気泡のうちマイクロバブルの発生量を格段に増加させることができる。これによれば、水槽12及び回転槽13の洗浄にマイクロバブルを多量に含んだ微細気泡水を用いることで、汚れを効果的に除去するとともに、除去した汚れの再付着を抑制する効果を得ることができる。その結果、微細気泡を含む微細気泡水による槽洗浄効果の向上を図ることができる。
また、洗濯機10は、注水ケース22を更に備える。注水ケース22は、洗濯処理剤を内部に収容可能である。そして、微細気泡水経路R1は、注水ケース22を通る経路で構成されている。これによれば、洗濯機10内に微細気泡水経路R1を構成する専用の部材を設ける必要がなく、洗濯機10内に配置された各構成のレイアウトが複雑化することを防ぎ、省スペース化を図ることができる。
また、洗濯機10は、通常水経路R2及び通常水用給水弁41を更に備える。通常水経路R2は、微細気泡水経路R1とは異なる経路であって、外部の水源から供給される水を加圧溶解装置50及び微細気泡発生器60を通さずに、水槽12内でかつ回転槽13の外周面131に当たる位置に供給可能である。通常水用給水弁41は、制御装置80によって駆動されて、通常水経路R2を開閉可能である。制御装置80は、通常水用給水弁41を開いて通常水経路R2から供給される水を回転槽13の外周面131に当てて、回転槽13の外周面131を洗浄する通常水洗浄動作を更に実行可能である。これによれば、複数の給水経路R1、R2から水槽12及び回転槽13の洗浄のための給水を行うことができる。これにより、水槽12及び回転槽13の外周面131の複数の箇所に対して水を作用させることができる。これにより、洗浄効果を向上することができる。
また、洗濯機10は、温風供給機構30を更に備える。温風供給機構30は、水槽12に接続されて、水槽12内の空気を排出する排気ダクト311を有する。通常水経路R2は、排気ダクト311を含む経路で構成されており、排気ダクト311内を流れる水によって、排気ダクト311を洗浄可能に構成されている。これによれば、通常水経路R2からの給水時に排気ダクト311の内周面に付着したリント等を洗い流すことができる。これにより、排気ダクト311内の清潔を保つことができるため、温風供給機構30のメンテナンス性を向上することができる。
制御装置80は、予め設定された所定期間内において、微細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作とを同時に実行可能である。これによれば、微細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作とを同時に実行することで、水槽12内に供給する水量を最大化することで洗浄性能の最大化を図ることができる。
制御装置80は、予め設定された所定期間内において、微細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作とを異なる時期に実行可能である。これによれば、細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作とを異なる時期に実行することで、水槽12内への給水量の総量を増加させることなく微細気泡水による洗浄効果を効率良く得ることができる。
制御装置80は、微細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作とを交互に実行可能である。これによれば、例えば微細気泡水洗浄動作と通常水洗浄動作とを複数回繰り返し実行することで、使用水量は抑えつつ、洗浄効果をより効果的に得ることができる。
また、微細気泡水経路R1によって水槽12内に供給される水の単位時間当たりの水量Vfは、通常水経路R2によって水槽12内に供給される水の単位時間当たりの水量Vsよりも多く設定されている。これによれば、洗浄効果の高い洗浄気泡水の水槽12内に供給される水の単位時間当たりの水量を多くすることで、短時間で効率的に水槽12及び回転槽13等の洗浄を行うことができる。その結果、洗濯運転に要する時間を長期化することなく、洗浄効果を得ることができる。
更に、微細気泡水経路R1の出口123と通常水経路R2の出口121とは、少なくとも、回転槽13の回転軸に沿って相互にずれた位置、又は回転軸を挟む位置、のいずれか一方又は両方を満たす位置に配置されている。これによれば、微細気泡水経路R1からの給水と通常水経路R2からの給水とにおいて、回転槽13の外周面131の複数の箇所に対して水を接触させて、回転槽13の外周面131に付着した汚れ等を効率良く取り除くことができる。
微細気泡水経路R1の出口123は、微細気泡水経路R1の出口123から流出した水が回転槽13の外周面131に対して当該外周面131の接線方向に沿って当たる位置に設けられている。これによれば、微細気泡水経路R1を流れた微細気泡水を回転槽13の外周面131に効果的に作用させることができる。これにより、微細気泡水に含まれるマイクロバブルによる汚れをはぎとる作用を与えやすくして、効率的に洗浄効果を高めることができる。
制御装置80は、微細気泡水洗浄動作の実行に伴って、微細気泡水経路R1の出口123から流出した水に対向する方向へ回転槽13を回転させる処理を実行可能である。これによれば、微細気泡水経路R1を通過した微細気泡水を回転槽13の回転方向とは反対方向に水槽12内に供給することで、微細気泡水に含まれるマイクロバブルによる汚れをはぎとる作用を与えやすくして、より一層洗浄効果を高めることができる。
通常水経路R2の出口121は、通常水経路R2の出口121から流出した水が回転槽13の外周面131に対して当該外周面131の接線方向に沿って当たる位置に設けられている。これによれば、通常水経路R2を流れた水を回転槽13の外周面131に効果的に作用させることができる。これにより、洗浄効果の向上を図ることができる。
制御装置80は、通常水洗浄動作の実行に伴って通常水経路R2の出口121から流出が向かう方向へ回転槽13を回転させる処理を実行可能である。これによれば、通常水経路R2を通過した水を回転槽13の回転方向と同じ方向に水槽12内に供給することで、水槽12及び回転槽13から除去された汚れを発散させることなく、回転槽13の進む方向に沿って円滑に流すことができる。
また、洗濯機10は、排水経路D及び排水弁151を更に備える。排水経路Dは、水槽12内に貯留された水を外部に排水するためのものである。排水弁151は、制御装置80によって駆動されて排水経路Dを開閉する。そして、制御装置80は、排水弁151を開いた状態で微細気泡水洗浄動作を実行可能である。これよれば、水槽12及び回転槽13から除去した汚れを含んだ水を円滑に水槽12外へ排水することによって、回転槽13内に収容された洗濯物への汚れの再付着を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。