JP7541444B2 - 汚染土壌の洗浄分級処理システム及び汚染土壌の洗浄分級処理方法 - Google Patents
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本発明の汚染土壌の洗浄分級処理システム(以下、「洗浄分級処理システム」と略す。)は、解砕機と、湿式ふるい機と、分級機と、コリジョンジェット処理装置と、陽イオン添加機とを備える。以下、本発明の洗浄分級処理システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態では、供給源100から搬送された汚染土壌A1は、図示しない受入・分別処理施設(前処理施設)で粒径別、濃度別に分別された後に、図示しない洗浄分級施設において洗浄分級され、放射能濃度が8000Bq/kg以下の土壌とされ、放射能濃度が8000Bq/kgを超える汚染土壌とに分別される。
供給源100は、受入・分別処理施設で分別された汚染土壌A1を解砕機10に供給する。供給源100としては、特に限定されず、例えば、汚染土壌A1を運搬する輸送車両や、輸送機等が挙げられる。
第1陽イオン添加機41は、水を添加した汚染土壌A1に陽イオンIを添加する。第1陽イオン添加機41は、解砕機10よりも前段(供給源100側)で汚染土壌A1に陽イオンIを添加する。第1陽イオン添加機41としては、特に限定されず、陽イオンIを含有する薬剤を収容する容器等が挙げられる。
第1陽イオン添加機41は、解砕機10にて汚染土壌A1を解砕する前に、汚染土壌A1に陽イオンIを添加して、砂分A5に対する細粒子分A6の密着力を低下させる。
細粒子分A6は、放射能濃度が高いため、砂分A5から細粒子分A6を剥がすことで、砂分A5の除染率を高めることができる。
陽イオンIを含む陽イオン源としては、例えば、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等の薬剤が挙げられる。
解砕機10は、水W及び陽イオンIを添加した汚染土壌A1を解砕して、汚染土壌A1の解砕物と水Wとの混合物A2とする装置である。汚染土壌A1の解砕物は、礫A3(径2mm超)と、砂分A5(径0.075mm超2mm以下)と、細粒子分A6(径0.075mm以下のシルトと粘土)とを含む。
解砕機10としては、特に限定されず、例えば、水W及び陽イオンIの存在下にて、塊になった汚染土壌A1を砕くことができればよく、従来公知の解砕機等が挙げられる。
湿式ふるい機20は、汚染土壌A1の解砕物と水Wとの混合物A2を分級処理し、礫A3を分離したスラリー状の土砂A4とする装置である。このスラリー状の土砂A4には、汚染土壌A1の解砕物の一部が含まれる。即ち、スラリー状の土砂A4には、汚染土壌A1が含まれる。湿式ふるい機20としては、異物を選別して、礫・粗砂等の礫A3とそれ以外のスラリー状の土砂A4とに分級することができる装置であれば特に限定されないが、例えば、振動ふるい機が挙げられる。湿式ふるい機20は、内部に網面を備える。
第2陽イオン添加機42は、中継槽60の前段(湿式ふるい機20の後段)で、スラリー状の土砂A4に陽イオンIを添加する。第2陽イオン添加機42を備えることで、除染率をさらに高めることができる。
このように、洗浄分級処理システムは、第2陽イオン添加機42を備えることが好ましい。
第2陽イオン添加機42からスラリー状の土砂A4に添加する陽イオンIは、第1陽イオン添加機41から添加する陽イオンIと同様である。
第2陽イオン添加機42からスラリー状の土砂A4に添加する陽イオン源としては、第1陽イオン添加機41から汚染土壌A1に添加する陽イオン源と同様の薬剤が挙げられる。
中継槽60としては、送液機を有する水槽等が挙げられる。送液機としては、スラリー状の土砂A4を水Wとともに吸い上げるサンドポンプ等が挙げられる。水槽としては、スラリー状の土砂A4を貯留できれば特に限定されず、例えば、コンクリート製の容器等が挙げられる。スラリー状の土砂A4をサンドポンプで水槽へ送液し、水槽内でスラリー状の土砂A4を撹拌する。スラリー状の土砂A4は、サンドポンプ内の乱流によって加えられる剪断力と、水槽内で撹拌されることにより加えられる剪断力とにより、砂分A5の表面に固着した細粒子分A6を効率的に剥がすことができる。
中継槽の数は、例えば、2個~10個が好ましく、3個~8個がより好ましい。中継槽の数が上記下限値以上であると、除染率をより高められる。中継槽の数が上記上限値以下であると、洗浄分級処理システムをコンパクトにしやすく、コスト面で有利である。
コリジョンジェット処理装置50は、スラリー状の土砂A4を水中サンドポンプにより吸い上げ、圧縮空気とともにノズルから噴射させ、被衝突物に衝突させる。被衝突物としては、鉄、ステンレス等の金属板等が挙げられる。
コリジョンジェット処理装置50としては、水中サンドポンプとコンプレッサーとノズルとを備え、ノズルの噴射口の先に鉄板を備える装置が挙げられる。被衝突物が金属板の場合、金属板の厚さは、特に限定されないが、例えば、5~20mmが好ましい。また、コリジョンジェット処理装置を多段階で備えることで、除染率をより高める効果を発揮できる。コリジョンジェット処理装置の数は、例えば、2個~5個が好ましい。コリジョンジェット処理装置の数が上記下限値以上であると、除染率をより高められる。コリジョンジェット処理装置の数が上記上限値以下であると、洗浄処理システムをコンパクトにしやすく、コスト面で有利である。
分級機30は、スラリー状の土砂A4を、砂分A5と細粒子分A6とに分級処理する。分級機30としては、特に限定されず、例えば、沈降分離式分級機や、遠心分離式湿式分級機等が挙げられる。沈降分離式分級機は、スラリー状の土砂A4内に上昇流を発生させ、早く沈む成分を砂分A5、遅く沈む成分を細粒子分A6とする。
遠心分離式湿式分級機は、例えば、円筒状に形成されるとともに、その底部が円錐形状に形成された容器からなり、スラリー状の土砂A4を導入する上部流入口と、アンダーフローを取り出す下部流出口と、オーバーフローを取り出す上部流出口とを備えている。上部流入口から入ったスラリー状の土砂A4は、円筒容器の円周方向に高速で供給されることにより、回転運動を起こし、回転流となって、円錐頂部に向かって進む。この時、スラリー状の土砂A4中の比重の重い粒子は遠心力により周壁に集まり、次第にアンダーフロー出口(下部流出口)に向かい、濃縮して排出される。一方、液体と比重の軽い粒子は、円筒容器の中央部を渦流となって上昇し、オーバーフロー出口(上部流出口)から排出される。
凝集沈殿装置70は、分級機30で分級処理した細粒子分A6を凝集沈殿させて第1処理水TW1と沈殿汚泥A7とに分離する。凝集沈殿装置70としては、細粒子分A6を含む懸濁水に凝集剤を添加、撹拌し、懸濁水中の微細な浮遊物を大きな沈殿汚泥A7として沈殿させ、清澄な第1処理水TW1と沈殿汚泥A7とに分離することができる装置であれば、特に限定されない。
加圧式濾過装置80は、沈殿汚泥A7を脱水処理して第2処理水TW2と濃縮残渣A8とに分離する。加圧式濾過装置80としては、例えば、公知の加圧式濾過装置(ベルトプレスやフィルタープレス)等であり、濾布等からなるフィルターとプレス機を備えたもの等が挙げられる。
本発明の汚染土壌の洗浄分級処理方法(以下、「洗浄分級処理方法」と略す。)は、水を添加した汚染土壌を解砕する第1工程と、汚染土壌と水との混合物を分級処理し、礫を分離したスラリー状の土砂とする第2工程と、スラリー状の土砂を、砂分と細粒子分とに分級処理する第3工程と、第3工程までに、汚染土壌に陽イオンを添加する第4工程と、第3工程と第4工程との間に、スラリー状の土砂にコリジョンジェット処理を施す第5工程とを有する。
本実施形態の洗浄分級処理方法について、洗浄分級処理システム1を用いた洗浄分級処理方法を例にして説明する。
まず、第4a工程S4aで、水Wを添加した汚染土壌A1に陽イオンIを添加する。第1工程S1で汚染土壌A1を解砕する前に、汚染土壌A1に陽イオンIを添加して、砂分A5に対する細粒子分A6の密着力を低下させる。
第1工程S1では、所定量の水W及び陽イオンIを添加した汚染土壌A1を、解砕機10で解砕する。汚染土壌A1を、解砕機10で解砕することにより、汚染土壌A1を砕いて、汚染土壌A1の解砕物と水Wとの混合物A2が得られる。この際、汚染土壌A1に陽イオンIが添加されているため、砂分A5に対する細粒子分A6の密着力が低下して、砂分A5と細粒子分A6とが分離しやすくなる。
第2工程S2では、第1工程S1で得られた、汚染土壌A1の解砕物と水Wとの混合物A2を湿式ふるい機20でふるい分けし、汚染土壌A1の解砕物と水Wとの混合物A2に含まれる異物を選別して、礫A3(例えば、有機物)等とそれ以外のスラリー状の土砂A4とに分級する。礫A3等を分離して除去しておくことにより、第6工程S6以降での処理効率を向上できる。
第4b工程S4bでは、第2工程S2で得られたスラリー状の土砂A4に、陽イオンIを添加する。スラリー状の土砂A4には、汚染土壌A1が含まれているため、第4b工程S4bでは、汚染土壌A1に陽イオンIが添加されることとなる。第4b工程S4bを備えることで、砂分A5に対する細粒子分A6の密着力が低下して、本工程以降において、砂分A5から細粒子分A6を分離しやすくなる。
第6工程S6では、第4b工程S4bを経たスラリー状の土砂A4をサンドポンプで水槽へ送液し、水槽内でスラリー状の土砂A4を撹拌する。スラリー状の土砂A4は、サンドポンプ内の乱流によって加えられる剪断力と、水槽内で撹拌されることにより加えられる剪断力とにより、砂分A5の表面に固着した細粒子分A6を効率的に剥がすことができる。
第5工程S5では、第6工程S6を経たスラリー状の土砂A4にコリジョンジェット処理を施す。スラリー状の土砂A4にコリジョンジェット処理を施すと、サンドポンプ内での乱流発生による剪断力と、被衝突物への衝突とによって、砂分A5の表面に固着した細粒子分A6を効率的に剥がせる。このため、砂分A5の除染率を高めることができる。
第3工程S3では、第5工程S5でコリジョンジェット処理が施されたスラリー状の土砂A4を分級処理して、砂分A5と細粒子分A6とに分ける。このとき砂分A5及び細粒子分A6には、放射性物質が含まれている。
そして、放射性物質は細粒子分A6に多く付着、吸着しているため、第3工程S3で分級処理して、細粒子分A6を除去することで、多くの放射性物質を洗浄処理土から除去できる。この分級の処理回数は、1回以上であればよく、2回以上行ってもよい。
第7工程S7では、凝集沈殿装置70を用いて、第3工程S3で分級処理した細粒子分A6を含む懸濁水に凝集剤を添加、撹拌し、懸濁水中の微細な浮遊物を大きな沈殿汚泥A7として沈殿させ、清澄な第1処理水TW1と沈殿汚泥A7とに分離する。このとき、細粒子分A6が放射性物質(処理溶液中の放射性セシウム等)を吸着し、凝集沈殿により沈殿汚泥A7となる。第1処理水TW1は、適宜適切な処理を施された後、水Wとして再利用可能である。
第8工程S8では、加圧式濾過装置80を用いて、沈殿汚泥A7を脱水処理して第2処理水TW2と濃縮残渣A8とに分離する。第2処理水TW2は、適宜適切な処理を施された後、水Wとして再利用可能である。濃縮残渣A8は、熱処理や化学処理を行う熱処理施設等や最終処分場にて処分される。
本実施形態の洗浄分級処理システム1によれば、第1陽イオン添加機41及び第2陽イオン添加機42を備えるため、砂分A5に固着した細粒子分A6をより剥がしやすくできる。
本実施形態の洗浄分級処理システム1によれば、中継槽60を備えるため、サンドポンプによる剪断力と、水槽内での撹拌力によって、砂分A5に固着した細粒子分A6をより剥がしやすくできる。
本実施形態の洗浄分級処理方法によれば、第4a工程S4a及び第4b工程S4bを有するため、砂分A5に固着した細粒子分A6をより剥がしやすくできる。
本実施形態の洗浄分級処理方法によれば、第6工程S6を有するため、サンドポンプによる剪断力と、水槽内での撹拌力によって、砂分A5に固着した細粒子分A6をより剥がしやすくできる。
洗浄分級処理システム1は、コリジョンジェット処理装置50の直前に中継槽60が設けられている。しかし、本発明の洗浄分級処理システムは、中継槽60が設けられていなくてもよい。コリジョンジェット処理の効率をより高められることから、洗浄分級処理システムは、中継槽60が設けられていることが好ましい。
洗浄分級処理システム1は、第1陽イオン添加機41と第2陽イオン添加機42とを備える。しかし、本発明の洗浄分級処理システムは、分級機30の前段に陽イオン添加機が設けられていればよく、第1陽イオン添加機41及び第2陽イオン添加機42のいずれか一方のみでもよく、コリジョンジェット処理装置50の後段に陽イオン添加機が設けられていてもよい。ただし、より多くの細粒子分を砂分から剥がすことができることから、洗浄分級処理システムは、コリジョンジェット処理装置50の前段に陽イオン添加機を備えることが好ましく、第1陽イオン添加機41と第2陽イオン添加機42とを備えることがより好ましい。
処理対象とする汚染土壌A1に改質材が含まれていれば、重金属汚染の場合においても本発明を適用可能である。
Claims (2)
- 水を添加した汚染土壌を解砕する解砕機と、
解砕した前記汚染土壌と前記水との混合物を分級処理し、礫を分離したスラリー状の土砂とする湿式ふるい機と、
前記スラリー状の土砂を、砂分と細粒子分とに分級処理する分級機と、
前記解砕機の前段に設けられ、前記水を添加した汚染土壌に陽イオンを添加する第1陽イオン添加機と、
前記分級機の前段でかつ前記湿式ふるい機の後段に設けられ、前記スラリー状の土砂に陽イオンを添加する第2陽イオン添加機と、
前記第2陽イオン添加機の後段で、かつ、前記分級機の前段に設けられ、前記スラリー状の土砂を圧縮空気とともにノズルから噴射させ、被衝突物に衝突させる処理装置と、を備え、
前記汚染土壌は、吸水性高分子ポリマーを含む放射能汚染土壌である、汚染土壌の洗浄分級処理システム。 - 水を添加した汚染土壌を解砕する第1工程と、
解砕した前記汚染土壌と前記水との混合物を分級処理し、礫を分離したスラリー状の土砂とする第2工程と、
前記スラリー状の土砂を、砂分と細粒子分とに分級処理する第3工程と、
前記第1工程の前段で、前記水を添加した汚染土壌に陽イオンを添加する第4a工程と、
前記第3工程の前段でかつ前記第2工程の後段で、前記スラリー状の土砂に陽イオンを添加する第4b工程と、
前記第4b工程と前記第3工程との間に、前記スラリー状の土砂を圧縮空気とともにノズルから噴射させ、被衝突物に衝突させる処理を施す第5工程と、を有し、
前記汚染土壌は、吸水性高分子ポリマーを含む放射能汚染土壌である、汚染土壌の洗浄分級処理方法。
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