JP7538022B2 - 掘削工法 - Google Patents
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Description
また、本構成によれば、受け替えフレームに第1鉄骨フレーム部を備えることで、複数の仮設柱どうしを強固に接続することができ、受け替えフレームの強度を高めることができる。
更に、本構成によれば、受け替えフレームに第2鉄骨フレーム部を備えることで、仮設柱と既存柱とを強固に接続することができ、受け替えフレームの強度を高めることができる。
本発明の第4特徴構成は、前記設置工程では、前記既存柱の直下から外れた地盤部分に基礎構造体を構築し、
前記仮設柱を、アンカーボルトを用いて前記基礎構造体に連結する点にある。
本発明に係る第1実施形態の掘削工法の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の掘削工法は、図1に示すように既存柱1が立設されている地盤2を掘削し、図6に示すように基礎構造体3を補強する場合に用いる掘削工法である。既存柱1は、建築物の一部を構成するものであり、地盤2に埋設された基礎構造体3上に立設されている。既存柱1は、鉄骨、詳しくはH型鋼によって構成されている。基礎構造体3は、鉄筋コンクリートによって構成されている。
仮設柱6は、平面視で掘削対象範囲2Aから外れた地盤2に固定される。本実施形態では、第1仮設柱7は、掘削対象範囲2Aに対して第1方向Xの一方側の地盤2に固定され、第2仮設柱8は、掘削対象範囲2Aに対して第1方向Xの他方側の地盤2に固定される。このように、仮設柱6は、地盤2における掘削対象範囲2Aから第1方向Xに外れた地盤部分2Bに固定される。
図2に示すように、受け替えフレーム9は、複数の仮設柱6の柱頭部6Aどうしを接続する水平姿勢の第1鉄骨フレーム部11を有する。詳しくは、受け替えフレーム9は、2本の第1仮設柱7の柱頭部6Aどうしを接続する1本の第1鉄骨フレーム部11と、2本の第2仮設柱8の柱頭部6Aどうしを接続する1本の第1鉄骨フレーム部11との、計2本の第1鉄骨フレーム部11を有している。
設置工程では、既存柱1を支持自在な受け替え構造体4を設置する工程である。設置工程では、図3に示すように、地盤2に第1仮設柱用基礎構造体16を構築してその第1仮設柱用基礎構造体16上に受け替え構造体4を設置する。つまり、まず、地盤2における掘削対象範囲2Aから第1方向Xに外れた地盤部分2Bであって掘削対象範囲2Aに隣接する部分を掘削して第1仮設柱用基礎構造体16を打設する。次に、受け替え構造体4の仮設柱6をアンカーボルト等の部材を用いて第1仮設柱用基礎構造体16に連結すると共に、受け替え構造体4の受け替えフレーム9を仮設柱6及び既存柱1に連結して、受け替え構造体4を設置する。
掘削工程では、掘削対象範囲2Aを掘削する工程である。掘削工程では、図4に示すように、掘削対象範囲2Aを掘削して掘削対象範囲2Aの土砂や岩石を掘り取ると共に、掘削対象範囲2Aに打設されている基礎構造体3を除去する。このように、掘削対象範囲2Aを掘削することで、既存柱1から伝達される荷重が受け替え構造体4によって負担される状態となり、受け替え構造体4にて荷重を適切に負担しながら掘削することができる。
補強工程では、掘削対象範囲2Aにコンクリートを打設して建築物の基礎として機能する新たな基礎構造体(以下、第2基礎構造体と称する)18を構築する工程である。補強工程では、図5に示すように、掘削工程において掘削されている掘削対象範囲2Aにコンクリートを打設して第2基礎構造体18を構築し、既存柱1をアンカーボルト等の部材を用いて第2基礎構造体18に連結する。そして、第2基礎構造体18は、第1基礎構造体17と隣接する掘削対象範囲2Aに構築されるため、建築物の基礎として機能する第2基礎構造体18と第1基礎構造体17とが一体化される。
撤去工程では、受け替え構造体4を撤去する工程である。撤去工程では、図6に示すように、受け替えフレーム9を既存柱1及び仮設柱6から外すと共に仮設柱6を第1仮設柱用基礎構造体16から外して受け替え構造体4を撤去する。このように、受け替え構造体4を撤去することで、既存柱1から伝達される荷重が第2基礎構造体18によって負担される状態となる。
第2実施形態では、受け替え構造体4の構成や、地盤2における受け替え構造体4を支持する箇所が、第1実施形態と異なる。第2実施形態では、第1実施形態と異なる点を主に説明し、同じ構成については説明を省略する場合がある。
図7に示すように、受け替えフレーム9は、第2方向Yに並ぶ仮設柱6の柱頭部6Aどうしを接続する水平姿勢の第6鉄骨フレーム部(図示せず)と、第6鉄骨フレームの中間部と既存柱1の柱脚部1Bとを接続する水平姿勢の第7鉄骨フレーム部20とを有する。
設置工程では、図7に示すように、地盤2における既存柱1の直下から外れた部分を掘削対象範囲2Aの下端よりも下方側まで掘削し、その掘削した穴に第2仮設柱用基礎構造体21を構築するためのコンクリートを打設した後に仮設柱6を挿入して仮設柱6を地盤2に固定する。図7に示す例では、第2仮設柱用基礎構造体21は、掘削対象範囲2Aの下端より下方側に構築されている。そして、受け替えフレーム9を仮設柱6及び既存柱1に連結して、受け替え構造体4を設置する。
掘削工程では、図8に示すように、掘削対象範囲2Aを掘削して掘削対象範囲2Aの土砂や岩石を掘り取ると共に、掘削対象範囲2Aにある基礎構造体3を除去し、既存柱1を受け替え構造体4のみで支持するようにする。
また、本実施形態では、掘削工程において、図8において掘削対象範囲2Aの左側に示すように、既存柱1を有する建築物の基礎として広範囲に亘ってコンクリートを打設するために、掘削対象範囲2Aに隣接する部分も掘削している。
補強工程では、図9に示すように、掘削対象範囲2Aにコンクリートを打設して第2基礎構造体18を構築し、既存柱1をアンカーボルト等の部材を用いて第2基礎構造体18に連結する。また、補強工程では、掘削工程において掘削した穴における第2仮設柱用基礎構造体21を打設していない部分にもコンクリートを打設する。
撤去工程では、図10に示すように、受け替えフレーム9を既存柱1や仮設柱6から取り外すと共に仮設柱6における掘削対象範囲2Aから上方に突出している部分を切断して、仮設柱6の一部を第2基礎構造体18内や第2仮設柱用基礎構造体21内に残した状態で受け替えフレーム9を撤去する。このように、受け替え構造体4を撤去することで、既存柱1から伝達される荷重が第2基礎構造体18によって負担される状態となる。
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
1B 柱脚部
2A 掘削対象範囲
4 受け替え構造体
6 仮設柱
6A 柱頭部
9 受け替えフレーム
11 第1鉄骨フレーム部
12 第2鉄骨フレーム部
13 第3鉄骨フレーム部
Claims (4)
- 既存柱の直下から外れた地盤部分から前記既存柱を支持自在な受け替え構造体を設置する設置工程と、前記設置工程の後に前記既存柱の直下の掘削対象範囲を掘削する掘削工程とを実行し、
前記受け替え構造体は、地盤に固定される複数の仮設柱と、当該仮設柱の柱頭部と前記既存柱とを接続する受け替えフレームとを有して、前記既存柱から伝達される長期荷重及び短期荷重を負担自在に構成され、
平面視で隣り合う2本の前記既存柱が並ぶ方向を第2方向とし、平面視で前記第2方向と直交する方向を第1方向として、
前記受け替えフレームは、前記第2方向に沿う水平姿勢の第1鉄骨フレーム部と前記第1方向に沿う水平姿勢の第2鉄骨フレーム部とで形成された平面視で矩形状のフレーム部分を有し、
前記矩形状のフレーム部分の四隅に前記仮設柱が接続されると共に前記矩形状のフレーム部分の前記第1方向の中間部で前記第2方向の両端部に前記既存柱が接続されるように、前記第1鉄骨フレーム部が前記第2方向に並ぶ前記複数の仮設柱の柱頭部どうしを接続し、前記第2鉄骨フレーム部が前記第1方向に並ぶ前記仮設柱の柱頭部と前記既存柱の柱脚部とを接続している掘削工法。 - 前記仮設柱は、平面視で前記掘削対象範囲から外れた地盤に固定される請求項1に記載の掘削工法。
- 前記受け替えフレームは、前記仮設柱の柱頭部と前記既存柱の柱脚部の上方側とを斜めに接続する斜め姿勢の第3鉄骨フレーム部を有する請求項1又は2に記載の掘削工法。
- 前記設置工程では、前記既存柱の直下から外れた地盤部分に基礎構造体を構築し、
前記仮設柱を、アンカーボルトを用いて前記基礎構造体に連結する請求項1から3の何れか一項に記載の掘削工法。
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