JP7530305B2 - 画像検出装置および画像検出方法 - Google Patents
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Description
ここで、前述の画像検出装置では、画像検出タイミングを駆動信号の周期に同期させるために、画像検出タイミングを制御する画像検出信号(例えばパルス照明を制御する照明信号)が駆動信号の周期を跨がないことが望まれる。そこで、画像検出信号は、駆動信号の周期を跨がないように、駆動信号の周期切替点において強制的にオフにされる。
よって、画像検出タイミングが周期切替点の直前に位置した場合、画像検出信号が周期切替点で強制的にオフされることにより画像検出信号のパルス幅が不足し、照明ムラの発生など、画像を正常に検出できなくなってしまう。また、画像検出タイミングが周期切替点の直後に位置した場合、画像検出信号をオンすることができず、画像検出タイミングの制御不能につながる可能性がある。
図1には、本実施形態にかかる画像検出装置1の全体構成が示されている。画像検出装置1は、焦点距離が周期的に変化する液体共振式レンズ14を通してワークWを撮像することで、ワークWの画像Iを検出する装置である。
図1に示すように、画像検出装置1は、ワークWの表面に交差する光軸A上に配置される画像検出光学系10と、ワークWにパルス照明を照射するパルス照明部3と、画像検出光学系10を通してワークWを撮像する撮像部4と、画像検出光学系10に含まれる液体共振式レンズ14の動作を制御するレンズ制御部6と、レンズ制御部6を操作する制御装置7と、を備えている。
対物レンズ11は、1以上のレンズによって構成されており、ワークWに対向して配置される。この対物レンズ11は、ワークWで反射された光を平行光束に変換して結像レンズ12に入射させる。
結像レンズ12は、1以上のレンズによって構成されており、対物レンズ11から入射される平行光束を集光して中間像を形成する。
第1リレーレンズ13および第2リレーレンズ15は、それぞれ、1以上のレンズによって構成されている。第1リレーレンズ13および第2リレーレンズ15は、リレーシステムを構成しており、結像レンズ12によって形成される中間像をリレーし、当該中間像を撮像部4の撮像面に再結像させる。なお、結像レンズ12の後側焦点と、第1リレーレンズ13の前側焦点とは、同じ位置に配置される。
また、液体共振式レンズ14のケースは、光が通過するための窓部を有しており、ケース内の液体の屈折率が周期的に変化することにより、液体共振式レンズ14の焦点距離が周期的に変化する。この液体共振式レンズ14によれば、対物レンズ11から合焦位置Hまでの合焦距離Dfは、対物レンズ11の焦点距離を基本としつつ、液体共振式レンズ14の焦点距離の変化と共に周期的に変化する。
また、本実施形態では、光軸Aに平行な軸をZ軸としており、合焦位置Hの位置は、Z座標(Z値)によって表される。
光源31は、LEDなどの発光素子によって構成される。この光源31は、レンズ制御部6により制御され、駆動信号Cfの任意の位相(検出位相θd)に対応したタイミング(画像検出タイミング)でパルス光を出射する。
ビームスプリッタ32は、対物レンズ11と結像レンズ12との間に配置されており、光源31から出射されたパルス光を対物レンズ11側に反射する。ビームスプリッタ32で反射された光は、対物レンズ11を介してワークWに照射される。
また、ビームスプリッタ32は、ワークWで反射されて対物レンズ11を通過した光を透過させる。
なお、本実施形態において、パルス照明部3および撮像部4は、検出位相θdに対応する画像Iを検出するための画像検出部2を構成する(図2参照)。
レンズ制御部6は、液体共振式レンズ14、パルス照明部3および撮像部4をそれぞれ制御する専用ユニットである。なお、レンズ制御部6は、複数のIC等によってハードウェア的に構成されてもよいし、CPUを備えるコンピュータを中心に構成され、CPUが記憶部64に格納されたプログラムを実行することにより実現されてもよい。
レンズ制御部6は、液体共振式レンズ14を制御する駆動制御部61と、パルス照明部3を制御する発光制御部62と、撮像部4を制御する撮像制御部63と、記憶部64とを有する。
なお、液体共振式レンズ14の振動状態Vfは、具体的には、駆動信号Cfにより液体共振式レンズ14に供給される駆動電圧、駆動電流、有効電力、および、駆動電圧と駆動電流との位相差である電圧電流位相差のうち、いずれか1以上を単独または組み合わせることにより検出可能である。
また、駆動制御部61は、駆動信号Cfの周期に同期した同期信号Synをレンズ制御部6内に出力する。この同期信号Synは、例えば駆動信号Cfが0レベルに交差するタイミング(図3では合焦位置Hの変動波形Mfが正のピークになるタイミング)でオンになるパルス信号である。
また、発光制御部62は、検出位相θdの設定許容範囲Wdを決定する範囲決定部621と、設定許容範囲Wd内に検出位相θdを設定する検出位相設定部622と、検出位相θdに基づいて画像検出タイミングTを制御する検出制御部623と、を含んでいる(例えば図8参照)。各機能の詳細については後述する。
撮像制御部63は、撮像部4に対してパルス信号である露光信号Ccを出力する。撮像部4は、露光信号Ccがオンの間だけ露光を継続し、ワークWの画像Iを検出する。
また、制御装置7は、ユーザインターフェイスとしての操作インターフェイス74を備えている。操作インターフェイス74は、例えば、ディスプレイなどの表示部と、キーボードなどの操作部とを有する。
本実施形態では、後述の画像検出方法を実施するための準備として、校正用データの取得工程を行う。校正用データとは、駆動信号Cfの位相と合焦位置Hとの対応関係を示すデータである。
なお、校正用データの取得方法については、従来技術(例えば特開2020-106841号公報)を参照可能であるため、ここでは簡単な説明を行う。
そして、画像検出装置1は、駆動信号Cfの位相が0°~360°の範囲で0.5°毎に検出位相θdを設定し、駆動信号Cfの位相が各検出位相θdになるタイミングを画像検出タイミングTとして、各画像Iを検出する。これにより、合焦位置Hの互いに異なる合計720枚の画像Iが検出される。
ここで、図5の点線は、駆動信号Cfから計算される理想波形Mfiである。駆動信号Cfの変動波形Mfは、理想波形Mfiに対してずれを有する。このずれは、液体共振式レンズ14のレンズ特性が温度変化の影響によって変化することにより、通常に発生するものである。
分析部73は、校正用データに基づいて合焦位置Hの可変範囲Rhを求め、この可変範囲Rhの中間位置をZ値の0に設定することで、偏りBを補正する。
分析部73は、校正用データに基づいて、駆動信号Cfの周期開始位相(0°)から変動波形Mfの正ピークまでの位相幅θwを求め、制御装置7の記憶部(不図示)に記憶する。この位相幅θwは、後述の画像検出方法において、変動波形Mfの位相遅延の正負を判定するために利用される。
本実施形態における画像検出方法について、図6のフローチャートおよび図7~図13のグラフに基づいて説明する。なお、以下では、m+1個の検出位相θdn(n=0、1、2・・・m)を設定し、各検出位相θdnに対応する画像I(画像群)を検出する場合について説明する。また、図7~図13において、縦軸は、合焦位置Hの可変範囲Rhを―1.0≦Rh≦1.0としたときの検出合焦位置Hdを示している。
変動波形Mf-Aでは、駆動信号Cfの周期開始位相(0°)から変動波形Mf-Aの正ピークまでの位相幅θwが0°≦θw≦180°になる。
一方、変動波形Mf-Bでは、駆動信号Cfの周期開始位相(0°)から変動波形Mf-Bの正ピークまでの位相幅θwが180°<θw<360°になる。
なお、本実施形態において、位相遅延に相当する角度(遅延角度θp)は、正遅延の場合、θp=θwであり、負遅延の場合、θp=-(360°-θw)である。
一方、範囲決定部621は、位相幅θwが180°<θw<360°である場合、負遅延と判定し、設定許容範囲Wdを駆動信号Cfの周期後半(例えば180°以上360°以下の範囲)に設定する(図9参照)。
なお、図8および図9には、合焦位置Hの理想波形Mfiを例示している。
例えば、設定許容範囲Wdが駆動信号Cfの周期前半である場合(正遅延の場合;図8の場合)、開始位相θd0および終了位相θdmは、以下の式(1)および式(2)によって算出される。
例えば、駆動信号Cfの周期前半に設定許容範囲Wdが設定されている場合(正遅延の場合;図10の場合)、遅延クロック数Wcnは、以下の式(10)によって算出される。
また、図10および図11は、駆動信号Cfから計算される合焦位置Hの理想波形Mfiを実線で示し、位相遅延を有する実際の変動波形Mfを破線で示している。
例えば、検出制御部623は、駆動信号Cfの周期開始位相(0°)から遅延クロック数Wcnだけ進んだタイミングで照明信号Ciをオンにする。これにより、パルス照明部3は、検出位相θdnに遅延角度θpを反映したタイミング(画像検出タイミングTn)でパルス照明を行う(図12または図13参照)。また、撮像制御部63は、所定回数だけパルス照明が行われる間、撮像部4の露光を継続させる。
このステップS7では、n=0からn=mまで、前述の制御を繰り返し行う。これにより、各検出合焦位置Hdn(n=0、1、2・・・m)で合焦した状態の各画像In(画像群)が検出される。
以上により、図6のフローチャートが終了する。
本実施形態では、検出位相θdに対応する画像検出タイミングTについて合焦位置Hの変動波形Mfの位相遅延を考慮した補正が行われるため、検出位相θdから想定される通りの合焦状態の画像を検出できる。また、本実施形態では、位相遅延の正負に基づいて決定された設定許容範囲Wd内に検出位相θdが設定されるため、検出位相θdに位相遅延を反映することで補正された画像検出タイミングTであっても、駆動信号Cfの周期切替点(360°)の付近に位置することがない(図10または図11参照)。
図14は、合焦位置Hの変動波形Mfに正遅延が生じている場合において、駆動信号Cfの周期後半に検出位相θd(r)が設定された比較例を示している。この比較例では、画像検出タイミングT(r)が位相範囲DB内の周期切替点前に位置し、照明信号Ciが周期切替点で強制的にオフされることにより、照明信号Ciのパルス幅が不足し、照明ムラの発生など、画像Iを正常に検出できなくなってしまう。
図15は、位相幅θwが負遅延を示す場合において、駆動信号Cfの周期前半に検出位相θd(r)が設定された比較例を示している。この比較例では、画像検出タイミングT(r)が位相範囲DB内の周期切替点後に位置することで、照明信号Ciをオンすることができず、画像検出タイミングT(r)の制御不能につながる可能性がある。
従来では、等位相間隔で画像の検出を行っていたため、検出合焦位置のピッチが不均一になっていたが、本実施形態のように検出合焦位置Hdnのピッチを均一にすることで、ワークWの変位や表面形状などをより高精度に測定できる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、合焦位置Hの可変範囲Rh内に検出合焦位置Hdが等間隔で配置され、各検出合焦位置Hdに基づいて検出位相θdが設定されるが、本発明はこれに限られない。すなわち、前記実施形態では、複数の検出位相θdが任意の間隔で設定されてもよく、例えば等位相間隔で設定されてもよい。
例えば、変形例として、パルス照明部3の替わりに連続照明部を利用してもよい。この変形例において、撮像部4は、極短い露光時間を設定可能な高速シャッターを有し、画像検出タイミングTに合わせて露光を行うことにより、検出位相θdに対応する画像Iを検出することができる。この変形例では、発光制御部62の替わりに、撮像制御部63が、本発明の範囲決定部、検出位相算出部および検出制御部として機能する。また、この変形例では、撮像部4を制御する露光信号Ccが本発明の画像検出信号に相当する。
Claims (3)
- 液体共振式レンズを含み、前記液体共振式レンズに入力される駆動信号に応じて合焦位置が周期的に変化する画像検出光学系と、
前記画像検出光学系を通して前記駆動信号の検出位相に対応する画像を検出する画像検出部と、
前記合焦位置の変動波形が示す位相遅延の正負に基づいて、前記検出位相の設定許容範囲を前記駆動信号の周期前半または周期後半に決定する範囲決定部と、
前記検出位相を前記設定許容範囲内に設定する検出位相設定部と、
前記画像検出部による画像検出タイミングを、前記検出位相から前記位相遅延に相当する角度分ずらしたタイミングに制御する検出制御部と、
を備える、画像検出装置。 - 前記検出位相設定部は、前記合焦位置の可変範囲内に等間隔で配置される複数の検出合焦位置を算出し、前記検出合焦位置のそれぞれに対応する前記駆動信号の位相を前記検出位相としてそれぞれ設定する、請求項1に記載の画像検出装置。
- 液体共振式レンズを含み、前記液体共振式レンズに入力される駆動信号に応じて合焦位置が周期的に変化する画像検出光学系と、前記画像検出光学系を通して前記駆動信号の検出位相に対応する画像を検出する画像検出部と、を備える画像検出装置において実施される画像検出方法であって、
前記合焦位置の変動波形が示す位相遅延の正負に基づいて、前記検出位相の設定許容範囲を前記駆動信号の周期前半または周期後半に決定する範囲決定ステップと、
前記検出位相を前記設定許容範囲内に設定する検出位相設定ステップと、
前記画像検出部による画像検出タイミングを、前記検出位相から前記位相遅延に相当する角度分ずらしたタイミングに制御する検出制御ステップと、を含む、画像検出方法。
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