JP2022109634A - 画像検出装置および画像検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像検出タイミングを補正した場合において画像の正常な検出を確実に行える画像検出装置を提供する。【解決手段】画像検出装置は、液体共振式レンズ14を含む画像検出光学系と、画像検出光学系を通して駆動信号Cfの検出位相に対応する画像Iを検出する画像検出部2と、合焦位置の変動波形が示す位相遅延の正負に基づいて、検出位相の設定許容範囲を駆動信号Cfの周期前半または周期後半に決定する範囲決定部621と、検出位相を設定許容範囲内に設定する検出位相設定部622と、画像検出部2による画像検出タイミングを、検出位相から位相遅延に相当する角度分ずらしたタイミングに制御する検出制御部623と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、液体共振式レンズを含む画像検出装置および画像検出方法に関する。
従来、液体共振式レンズを有する焦点距離可変レンズ装置が知られている(例えば特許文献1)。この焦点距離可変レンズ装置では、周期的な駆動信号を液体共振式レンズに入力することにより、液体共振式レンズの内部の液体に定在波を生じさせている。液体共振式レンズの液体は、同心円状の粗密によってレンズとしての屈折性能を得ており、その焦点深度は周期的に変化する。
例えば、特許文献1には、液体共振式レンズを含む画像検出装置が開示されている。この画像検出装置では、対象物に対する合焦位置が液体共振式レンズの焦点深度と共に周期的に変化するため、駆動信号の任意の位相(検出位相)でパルス照明を行うことにより、当該位相に対応する合焦位置で合焦した画像を検出する。また、この画像検出装置では、互いに合焦位置が異なる複数の画像を検出し、対象物の注目部位が合焦している画像の合焦位置を当該注目部位の高さとして算出することで、対象物の変位や表面形状などを測定できる。
前述の画像検出装置では、液体共振式レンズが温度変化の影響を受けることにより、合焦位置の変動波形に位相遅延が生じることがある。そこで、検出位相に位相遅延を反映することで画像検出タイミングを補正することが行われるが、このような補正を行った場合、画像検出タイミングが駆動信号の周期切替点(360°)付近に位置することがある。
ここで、前述の画像検出装置では、画像検出タイミングを駆動信号の周期に同期させるために、画像検出タイミングを制御する画像検出信号(例えばパルス照明を制御する照明信号)が駆動信号の周期を跨がないことが望まれる。そこで、画像検出信号は、駆動信号の周期を跨がないように、駆動信号の周期切替点において強制的にオフにされる。
よって、画像検出タイミングが周期切替点の直前に位置した場合、画像検出信号が周期切替点で強制的にオフされることにより画像検出信号のパルス幅が不足し、照明ムラの発生など、画像を正常に検出できなくなってしまう。また、画像検出タイミングが周期切替点の直後に位置した場合、画像検出信号をオンすることができず、画像検出タイミングの制御不能につながる可能性がある。
ここで、前述の画像検出装置では、画像検出タイミングを駆動信号の周期に同期させるために、画像検出タイミングを制御する画像検出信号(例えばパルス照明を制御する照明信号)が駆動信号の周期を跨がないことが望まれる。そこで、画像検出信号は、駆動信号の周期を跨がないように、駆動信号の周期切替点において強制的にオフにされる。
よって、画像検出タイミングが周期切替点の直前に位置した場合、画像検出信号が周期切替点で強制的にオフされることにより画像検出信号のパルス幅が不足し、照明ムラの発生など、画像を正常に検出できなくなってしまう。また、画像検出タイミングが周期切替点の直後に位置した場合、画像検出信号をオンすることができず、画像検出タイミングの制御不能につながる可能性がある。
本発明は、画像検出タイミングを補正する場合において画像の正常な検出を確実に行える画像検出装置および画像検出方法を提供することを目的とする。
本発明の画像検出装置は、液体共振式レンズを含み、前記液体共振式レンズに入力される駆動信号に応じて合焦位置が周期的に変化する画像検出光学系と、前記画像検出光学系を通して前記駆動信号の検出位相に対応する画像を検出する画像検出部と、前記合焦位置の変動波形が示す位相遅延の正負に基づいて、前記検出位相の設定許容範囲を前記駆動信号の周期前半または周期後半に決定する範囲決定部と、前記検出位相を前記設定許容範囲内に設定する検出位相設定部と、前記画像検出部による画像検出タイミングを、前記検出位相から前記位相遅延に相当する角度分ずらしたタイミングに制御する検出制御部と、を備える。
本発明の画像検出装置において、前記検出位相設定部は、前記合焦位置の可変範囲内に等間隔で配置される複数の検出合焦位置を算出し、前記検出合焦位置のそれぞれに対応する前記駆動信号の位相を前記検出位相としてそれぞれ設定することが好ましい。
本発明の画像検出方法は、液体共振式レンズを含み、前記液体共振式レンズに入力される駆動信号に応じて合焦位置が周期的に変化する画像検出光学系と、前記画像検出光学系を通して前記駆動信号の検出位相に対応する画像を検出する画像検出部と、を備える画像検出装置において実施される画像検出方法であって、前記合焦位置の変動波形が示す位相遅延の正負に基づいて、前記検出位相の設定許容範囲を前記駆動信号の周期前半または周期後半に決定する範囲決定ステップと、前記検出位相を前記設定許容範囲内に設定する検出位相設定ステップと、前記画像検出部による画像検出タイミングを、前記検出位相から前記位相遅延に相当する角度分ずらしたタイミングに制御する検出制御ステップと、を含む。
本発明の画像検出装置では、検出位相に対応する画像検出タイミングについて合焦位置の変動波形の位相遅延を考慮した補正が行われるため、検出位相から想定される通りの合焦状態の画像を検出できる。また、位相遅延の正負に基づいて決定された設定許容範囲内に検出位相が設定されるため、検出位相に位相遅延を反映することで補正された画像検出タイミングであっても、駆動信号の周期切替点の付近に位置することがなく、画像の正常な検出を確実に行うことができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態にかかる画像検出装置1の全体構成が示されている。画像検出装置1は、焦点距離が周期的に変化する液体共振式レンズ14を通してワークWを撮像することで、ワークWの画像Iを検出する装置である。
図1には、本実施形態にかかる画像検出装置1の全体構成が示されている。画像検出装置1は、焦点距離が周期的に変化する液体共振式レンズ14を通してワークWを撮像することで、ワークWの画像Iを検出する装置である。
(画像検出装置1の構成)
図1に示すように、画像検出装置1は、ワークWの表面に交差する光軸A上に配置される画像検出光学系10と、ワークWにパルス照明を照射するパルス照明部3と、画像検出光学系10を通してワークWを撮像する撮像部4と、画像検出光学系10に含まれる液体共振式レンズ14の動作を制御するレンズ制御部6と、レンズ制御部6を操作する制御装置7と、を備えている。
図1に示すように、画像検出装置1は、ワークWの表面に交差する光軸A上に配置される画像検出光学系10と、ワークWにパルス照明を照射するパルス照明部3と、画像検出光学系10を通してワークWを撮像する撮像部4と、画像検出光学系10に含まれる液体共振式レンズ14の動作を制御するレンズ制御部6と、レンズ制御部6を操作する制御装置7と、を備えている。
画像検出光学系10は、物体側(前側)から順に、対物レンズ11、結像レンズ12、第1リレーレンズ13、液体共振式レンズ14、および、第2リレーレンズ15を有する。
対物レンズ11は、1以上のレンズによって構成されており、ワークWに対向して配置される。この対物レンズ11は、ワークWで反射された光を平行光束に変換して結像レンズ12に入射させる。
結像レンズ12は、1以上のレンズによって構成されており、対物レンズ11から入射される平行光束を集光して中間像を形成する。
第1リレーレンズ13および第2リレーレンズ15は、それぞれ、1以上のレンズによって構成されている。第1リレーレンズ13および第2リレーレンズ15は、リレーシステムを構成しており、結像レンズ12によって形成される中間像をリレーし、当該中間像を撮像部4の撮像面に再結像させる。なお、結像レンズ12の後側焦点と、第1リレーレンズ13の前側焦点とは、同じ位置に配置される。
対物レンズ11は、1以上のレンズによって構成されており、ワークWに対向して配置される。この対物レンズ11は、ワークWで反射された光を平行光束に変換して結像レンズ12に入射させる。
結像レンズ12は、1以上のレンズによって構成されており、対物レンズ11から入射される平行光束を集光して中間像を形成する。
第1リレーレンズ13および第2リレーレンズ15は、それぞれ、1以上のレンズによって構成されている。第1リレーレンズ13および第2リレーレンズ15は、リレーシステムを構成しており、結像レンズ12によって形成される中間像をリレーし、当該中間像を撮像部4の撮像面に再結像させる。なお、結像レンズ12の後側焦点と、第1リレーレンズ13の前側焦点とは、同じ位置に配置される。
液体共振式レンズ14は、焦点距離可変レンズとして構成されている。具体的には、液体共振式レンズ14は、液体が充填された円筒形のケースと、圧電材料で形成された円筒状の振動部材とを有する。この振動部材は、ケース内の液体に浸漬された状態でレンズ制御部6に信号線を介して接続されており、レンズ制御部6から入力される駆動信号Cf(正弦波状の交流信号)に応じて振動する。駆動信号Cfの周波数が共振周波数に調整されると、液体共振式レンズ14の内部の液体に定在波が生じ、当該液体の屈折率が周期的に変化する。
また、液体共振式レンズ14のケースは、光が通過するための窓部を有しており、ケース内の液体の屈折率が周期的に変化することにより、液体共振式レンズ14の焦点距離が周期的に変化する。この液体共振式レンズ14によれば、対物レンズ11から合焦位置Hまでの合焦距離Dfは、対物レンズ11の焦点距離を基本としつつ、液体共振式レンズ14の焦点距離の変化と共に周期的に変化する。
また、液体共振式レンズ14のケースは、光が通過するための窓部を有しており、ケース内の液体の屈折率が周期的に変化することにより、液体共振式レンズ14の焦点距離が周期的に変化する。この液体共振式レンズ14によれば、対物レンズ11から合焦位置Hまでの合焦距離Dfは、対物レンズ11の焦点距離を基本としつつ、液体共振式レンズ14の焦点距離の変化と共に周期的に変化する。
なお、画像検出光学系10は、テレセントリックな光学系として構成されており、液体共振式レンズ14の前側主点が対物レンズ11の射出瞳と共役になるように配置されている。このような配置によれば、対物レンズ11の射出瞳がテレセントリックにリレーされるため、合焦位置Hが変化しても、撮像部4に入射する像の倍率は一定になる。
また、本実施形態では、光軸Aに平行な軸をZ軸としており、合焦位置Hの位置は、Z座標(Z値)によって表される。
また、本実施形態では、光軸Aに平行な軸をZ軸としており、合焦位置Hの位置は、Z座標(Z値)によって表される。
パルス照明部3は、パルス光を出射する光源31と、光源31から出射されたパルス光をワークWに導くためのビームスプリッタ32とを有する。
光源31は、LEDなどの発光素子によって構成される。この光源31は、レンズ制御部6により制御され、駆動信号Cfの任意の位相(検出位相θd)に対応したタイミング(画像検出タイミング)でパルス光を出射する。
ビームスプリッタ32は、対物レンズ11と結像レンズ12との間に配置されており、光源31から出射されたパルス光を対物レンズ11側に反射する。ビームスプリッタ32で反射された光は、対物レンズ11を介してワークWに照射される。
また、ビームスプリッタ32は、ワークWで反射されて対物レンズ11を通過した光を透過させる。
光源31は、LEDなどの発光素子によって構成される。この光源31は、レンズ制御部6により制御され、駆動信号Cfの任意の位相(検出位相θd)に対応したタイミング(画像検出タイミング)でパルス光を出射する。
ビームスプリッタ32は、対物レンズ11と結像レンズ12との間に配置されており、光源31から出射されたパルス光を対物レンズ11側に反射する。ビームスプリッタ32で反射された光は、対物レンズ11を介してワークWに照射される。
また、ビームスプリッタ32は、ワークWで反射されて対物レンズ11を通過した光を透過させる。
撮像部4は、既存のCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなど、任意の形式の撮像素子を有する。撮像部4は、レンズ制御部6により制御されることでワークWの画像を検出し、所定の信号形式の画像Iとして制御装置7へ出力する。
なお、本実施形態において、パルス照明部3および撮像部4は、検出位相θdに対応する画像Iを検出するための画像検出部2を構成する(図2参照)。
なお、本実施形態において、パルス照明部3および撮像部4は、検出位相θdに対応する画像Iを検出するための画像検出部2を構成する(図2参照)。
図2には、本実施形態のレンズ制御部6および制御装置7の構成が示されている。
レンズ制御部6は、液体共振式レンズ14、パルス照明部3および撮像部4をそれぞれ制御する専用ユニットである。なお、レンズ制御部6は、複数のIC等によってハードウェア的に構成されてもよいし、CPUを備えるコンピュータを中心に構成され、CPUが記憶部64に格納されたプログラムを実行することにより実現されてもよい。
レンズ制御部6は、液体共振式レンズ14を制御する駆動制御部61と、パルス照明部3を制御する発光制御部62と、撮像部4を制御する撮像制御部63と、記憶部64とを有する。
レンズ制御部6は、液体共振式レンズ14、パルス照明部3および撮像部4をそれぞれ制御する専用ユニットである。なお、レンズ制御部6は、複数のIC等によってハードウェア的に構成されてもよいし、CPUを備えるコンピュータを中心に構成され、CPUが記憶部64に格納されたプログラムを実行することにより実現されてもよい。
レンズ制御部6は、液体共振式レンズ14を制御する駆動制御部61と、パルス照明部3を制御する発光制御部62と、撮像部4を制御する撮像制御部63と、記憶部64とを有する。
駆動制御部61は、液体共振式レンズ14に駆動信号Cfを出力するとともに、駆動信号Cfに基づいて振動する液体共振式レンズ14の振動状態Vfを検出する。駆動制御部61は、液体共振式レンズ14の振動状態Vfを参照して駆動信号Cfの周波数を調整することで、駆動信号Cfの周波数を液体共振式レンズ14の現在の共振周波数にロックする。
なお、液体共振式レンズ14の振動状態Vfは、具体的には、駆動信号Cfにより液体共振式レンズ14に供給される駆動電圧、駆動電流、有効電力、および、駆動電圧と駆動電流との位相差である電圧電流位相差のうち、いずれか1以上を単独または組み合わせることにより検出可能である。
また、駆動制御部61は、駆動信号Cfの周期に同期した同期信号Synをレンズ制御部6内に出力する。この同期信号Synは、例えば駆動信号Cfが0レベルに交差するタイミング(図3では合焦位置Hの変動波形Mfが正のピークになるタイミング)でオンになるパルス信号である。
なお、液体共振式レンズ14の振動状態Vfは、具体的には、駆動信号Cfにより液体共振式レンズ14に供給される駆動電圧、駆動電流、有効電力、および、駆動電圧と駆動電流との位相差である電圧電流位相差のうち、いずれか1以上を単独または組み合わせることにより検出可能である。
また、駆動制御部61は、駆動信号Cfの周期に同期した同期信号Synをレンズ制御部6内に出力する。この同期信号Synは、例えば駆動信号Cfが0レベルに交差するタイミング(図3では合焦位置Hの変動波形Mfが正のピークになるタイミング)でオンになるパルス信号である。
発光制御部62は、パルス照明部3に対してパルス信号である照明信号Ciを出力する。照明信号Ciは、駆動信号Cfの検出位相θdに対応する画像検出タイミングTでオンになり、パルス照明部3は、照明信号Ciがオンの間、ワークWにパルス照明を照射する。
また、発光制御部62は、検出位相θdの設定許容範囲Wdを決定する範囲決定部621と、設定許容範囲Wd内に検出位相θdを設定する検出位相設定部622と、検出位相θdに基づいて画像検出タイミングTを制御する検出制御部623と、を含んでいる(例えば図8参照)。各機能の詳細については後述する。
撮像制御部63は、撮像部4に対してパルス信号である露光信号Ccを出力する。撮像部4は、露光信号Ccがオンの間だけ露光を継続し、ワークWの画像Iを検出する。
また、発光制御部62は、検出位相θdの設定許容範囲Wdを決定する範囲決定部621と、設定許容範囲Wd内に検出位相θdを設定する検出位相設定部622と、検出位相θdに基づいて画像検出タイミングTを制御する検出制御部623と、を含んでいる(例えば図8参照)。各機能の詳細については後述する。
撮像制御部63は、撮像部4に対してパルス信号である露光信号Ccを出力する。撮像部4は、露光信号Ccがオンの間だけ露光を継続し、ワークWの画像Iを検出する。
ここで、図3に示すように、照明信号Ciは、同期信号Synの所定パルス数分、駆動信号Cfの検出位相θdに対応する画像検出タイミングTでオンになることを繰り返し、露光信号Ccは、同期信号Synの所定パルス数分、オンを継続する。すなわち、撮像部4が露光を継続する間、パルス照明部3が所定回数分のパルス照明を行う。これにより、検出位相θdに対応する1フレーム分の画像Iが検出される。検出位相θdに対応する画像Iは、合焦位置Hが検出合焦位置Hdであるときの合焦状態を示す。
なお、本実施形態において、発光制御部62は、照明信号Ciが駆動信号Cfの周期を跨がないようにするために、駆動信号Cfの周期切替点(360°または0°)において照明信号Ciを強制的にオフする機能を有する。
図2において、制御装置7は、汎用のパーソナルコンピュータによって構成された装置であり、CPUなどの演算回路がメモリに記録された専用のソフトウェアを読み込み実行することで、所期の機能を実現する。具体的には、制御装置7は、レンズ制御部6に各種設定を行うレンズ操作部71と、撮像部4から画像Iを取り込んで処理する画像処理部72と、画像Iに基づいた分析を行う分析部73として機能する。
また、制御装置7は、ユーザインターフェイスとしての操作インターフェイス74を備えている。操作インターフェイス74は、例えば、ディスプレイなどの表示部と、キーボードなどの操作部とを有する。
また、制御装置7は、ユーザインターフェイスとしての操作インターフェイス74を備えている。操作インターフェイス74は、例えば、ディスプレイなどの表示部と、キーボードなどの操作部とを有する。
(校正用データの取得)
本実施形態では、後述の画像検出方法を実施するための準備として、校正用データの取得工程を行う。校正用データとは、駆動信号Cfの位相と合焦位置Hとの対応関係を示すデータである。
なお、校正用データの取得方法については、従来技術(例えば特開2020-106841号公報)を参照可能であるため、ここでは簡単な説明を行う。
本実施形態では、後述の画像検出方法を実施するための準備として、校正用データの取得工程を行う。校正用データとは、駆動信号Cfの位相と合焦位置Hとの対応関係を示すデータである。
なお、校正用データの取得方法については、従来技術(例えば特開2020-106841号公報)を参照可能であるため、ここでは簡単な説明を行う。
まず、図4に示すように、画像検出装置1の画像検出領域に所定の校正治具9をセットする。この校正治具9は、光軸Aに対する傾斜角θが既知となる校正面91を有する。この校正面91は、Z軸に直交する一方向(例えばX軸)に沿って既知のピッチの回折格子を有する。
そして、画像検出装置1は、駆動信号Cfの位相が0°~360°の範囲で0.5°毎に検出位相θdを設定し、駆動信号Cfの位相が各検出位相θdになるタイミングを画像検出タイミングTとして、各画像Iを検出する。これにより、合焦位置Hの互いに異なる合計720枚の画像Iが検出される。
そして、画像検出装置1は、駆動信号Cfの位相が0°~360°の範囲で0.5°毎に検出位相θdを設定し、駆動信号Cfの位相が各検出位相θdになるタイミングを画像検出タイミングTとして、各画像Iを検出する。これにより、合焦位置Hの互いに異なる合計720枚の画像Iが検出される。
その後、分析部73が各画像Iに基づく分析を行い、駆動信号Cfの位相と合焦位置Hとの対応関係を示す校正用データを生成する。具体的には、各画像Iから合焦領域(例えば校正面91の合焦した格子領域)を検出し、各合焦領域の画素座標や校正治具9の傾斜角θ等に基づいて、各合焦領域が対応するZ値、すなわち合焦位置Hを算出する。そして、各画像Iに対応する駆動信号Cfの位相と、各画像Iに対応する合焦位置Hとに基づいて、データ点をプロットし、近似曲線を算出することにより校正用データが生成される。
図5の実線は、校正用データの一例を示すグラフである。図5の実線で示すように、合焦位置Hは、駆動信号Cfの位相に応じて周期的に変動する変動波形Mfを示す。
ここで、図5の点線は、駆動信号Cfから計算される理想波形Mfiである。駆動信号Cfの変動波形Mfは、理想波形Mfiに対してずれを有する。このずれは、液体共振式レンズ14のレンズ特性が温度変化の影響によって変化することにより、通常に発生するものである。
ここで、図5の点線は、駆動信号Cfから計算される理想波形Mfiである。駆動信号Cfの変動波形Mfは、理想波形Mfiに対してずれを有する。このずれは、液体共振式レンズ14のレンズ特性が温度変化の影響によって変化することにより、通常に発生するものである。
駆動信号Cfの変動波形Mfのずれには、振幅Dの偏りBが含まれる。
分析部73は、校正用データに基づいて合焦位置Hの可変範囲Rhを求め、この可変範囲Rhの中間位置をZ値の0に設定することで、偏りBを補正する。
分析部73は、校正用データに基づいて合焦位置Hの可変範囲Rhを求め、この可変範囲Rhの中間位置をZ値の0に設定することで、偏りBを補正する。
また、駆動信号Cfの変動波形Mfのずれには、位相遅延が含まれる。位相遅延の詳細については後述するが、図5は、合焦位置Hの変動波形Mfに負遅延が生じている例を示している。
分析部73は、校正用データに基づいて、駆動信号Cfの周期開始位相(0°)から変動波形Mfの正ピークまでの位相幅θwを求め、制御装置7の記憶部(不図示)に記憶する。この位相幅θwは、後述の画像検出方法において、変動波形Mfの位相遅延の正負を判定するために利用される。
分析部73は、校正用データに基づいて、駆動信号Cfの周期開始位相(0°)から変動波形Mfの正ピークまでの位相幅θwを求め、制御装置7の記憶部(不図示)に記憶する。この位相幅θwは、後述の画像検出方法において、変動波形Mfの位相遅延の正負を判定するために利用される。
(画像検出方法)
本実施形態における画像検出方法について、図6のフローチャートおよび図7~図13のグラフに基づいて説明する。なお、以下では、m+1個の検出位相θdn(n=0、1、2・・・m)を設定し、各検出位相θdnに対応する画像I(画像群)を検出する場合について説明する。また、図7~図13において、縦軸は、合焦位置Hの可変範囲Rhを―1.0≦Rh≦1.0としたときの検出合焦位置Hdを示している。
本実施形態における画像検出方法について、図6のフローチャートおよび図7~図13のグラフに基づいて説明する。なお、以下では、m+1個の検出位相θdn(n=0、1、2・・・m)を設定し、各検出位相θdnに対応する画像I(画像群)を検出する場合について説明する。また、図7~図13において、縦軸は、合焦位置Hの可変範囲Rhを―1.0≦Rh≦1.0としたときの検出合焦位置Hdを示している。
まず、レンズ制御部6は、制御装置7から、位相幅θw、ピッチ数m、検出範囲(上限割合Pt、下限割合Pb)を取得し、記憶部64に記憶する(ステップS1)。位相幅θwは、前述の校正用データから算出された値であり、ピッチ数m、上限割合Ptおよび下限割合Pbは、例えば操作インターフェイス74を介して入力された値である。
なお、ピッチ数mは、Z軸における検出合焦位置Hdn(n=0、1、2・・・m)間のピッチの数である。検出範囲は、合焦位置Hの可変範囲Rhに対して検出合焦位置Hdnが配置される範囲であり、上限割合Ptおよび下限割合Pbによって範囲指定される。上限割合Ptは、0<Pt≦1.0の範囲内の任意の値に設定され、下限割合Pbは、-1.0≦Pb<0の範囲内の任意の値に設定される。
次いで、範囲決定部621は、ステップS1で取得された位相幅θwに基づいて、駆動信号Cfの変動波形Mfの位相遅延の正負を判定し、この判定結果に基づいて検出位相θdnの設定許容範囲Wdを決定する(ステップS2;範囲決定ステップ)。
ここで、図7は、駆動信号Cfの変動波形Mfの位相遅延を説明するためのグラフである。図7において、変動波形Mf-Aは、理想波形Mfiに対して正遅延(正の位相遅延)しており、変動波形Mf-Bは、理想波形Mfiに対して負遅延(負の位相遅延)している。
変動波形Mf-Aでは、駆動信号Cfの周期開始位相(0°)から変動波形Mf-Aの正ピークまでの位相幅θwが0°≦θw≦180°になる。
一方、変動波形Mf-Bでは、駆動信号Cfの周期開始位相(0°)から変動波形Mf-Bの正ピークまでの位相幅θwが180°<θw<360°になる。
なお、本実施形態において、位相遅延に相当する角度(遅延角度θp)は、正遅延の場合、θp=θwであり、負遅延の場合、θp=-(360°-θw)である。
変動波形Mf-Aでは、駆動信号Cfの周期開始位相(0°)から変動波形Mf-Aの正ピークまでの位相幅θwが0°≦θw≦180°になる。
一方、変動波形Mf-Bでは、駆動信号Cfの周期開始位相(0°)から変動波形Mf-Bの正ピークまでの位相幅θwが180°<θw<360°になる。
なお、本実施形態において、位相遅延に相当する角度(遅延角度θp)は、正遅延の場合、θp=θwであり、負遅延の場合、θp=-(360°-θw)である。
ステップS2では、範囲決定部621は、位相幅θwが0°≦θw≦180°である場合、正遅延と判定し、設定許容範囲Wdを駆動信号Cfの周期前半(例えば0°以上180°以下の範囲)に設定する(図8参照)。
一方、範囲決定部621は、位相幅θwが180°<θw<360°である場合、負遅延と判定し、設定許容範囲Wdを駆動信号Cfの周期後半(例えば180°以上360°以下の範囲)に設定する(図9参照)。
なお、図8および図9には、合焦位置Hの理想波形Mfiを例示している。
一方、範囲決定部621は、位相幅θwが180°<θw<360°である場合、負遅延と判定し、設定許容範囲Wdを駆動信号Cfの周期後半(例えば180°以上360°以下の範囲)に設定する(図9参照)。
なお、図8および図9には、合焦位置Hの理想波形Mfiを例示している。
次いで、検出位相設定部622は、駆動信号Cfの検出位相θdnに関する開始位相θd0および終了位相θdmを設定許容範囲Wdに設定する(ステップS3)。
例えば、設定許容範囲Wdが駆動信号Cfの周期前半である場合(正遅延の場合;図8の場合)、開始位相θd0および終了位相θdmは、以下の式(1)および式(2)によって算出される。
一方、駆動信号Cfの周期後半に設定許容範囲Wdが設定されている場合(負遅延の場合;図9の場合)、開始位相θd0および終了位相θdmは、以下の式(3)および式(4)によって算出される。
なお、Ptは、ステップS1で取得された検出範囲の上限割合であり、Pbは、ステップS1で取得された検出範囲の下限割合である。
例えば、設定許容範囲Wdが駆動信号Cfの周期前半である場合(正遅延の場合;図8の場合)、開始位相θd0および終了位相θdmは、以下の式(1)および式(2)によって算出される。
次いで、検出位相設定部622は、Z軸において互いに隣り合う検出合焦位置Hdn間のピッチである検出ピッチΔHを算出する(ステップS4)。検出ピッチΔHは、以下の式(5)~(7)によって算出される。なお、以下の式(5)~(7)において、Hd0は、開始位相θd0に対応する検出合焦位置Hdであり、Hdmは、終了位相θdmに対応する検出合焦位置Hdである。
次いで、検出位相設定部622は、検出合焦位置Hdnに対応する検出位相θdnを算出する(ステップS5)。各検出位相θdnは、以下の式(8)~式(9)によって算出される。
以上のステップS3~S5により、図8または図9に示すような検出位相θdn(n=0、1、2・・・m)が設定され、記憶部64に記憶される(検出位相設定ステップ)。
次いで、検出制御部623は、遅延クロック数Wcn(n=0、1、2・・・m)を算出する(ステップS6)。なお、遅延クロック数Wcnは、レンズ制御部6内のクロック信号のクロック数であり、検出位相θdnから遅延角度θpに相当する分ずらしたタイミングを指定するためのクロック数である。
例えば、駆動信号Cfの周期前半に設定許容範囲Wdが設定されている場合(正遅延の場合;図10の場合)、遅延クロック数Wcnは、以下の式(10)によって算出される。
一方、駆動信号Cfの周期後半に設定許容範囲Wdが設定されている場合(負遅延の場合;図11の場合)、遅延クロック数Wcnは、以下の式(11)によって算出される。
例えば、駆動信号Cfの周期前半に設定許容範囲Wdが設定されている場合(正遅延の場合;図10の場合)、遅延クロック数Wcnは、以下の式(10)によって算出される。
なお、上記式(10)および式(11)において、Fcは、クロック信号の周波数[Hz]であり、Ftは、駆動信号Cfの周波数[Hz]である。クロック信号の周波数は、駆動信号Cfの周波数よりも十分に大きいものとする。
また、図10および図11は、駆動信号Cfから計算される合焦位置Hの理想波形Mfiを実線で示し、位相遅延を有する実際の変動波形Mfを破線で示している。
また、図10および図11は、駆動信号Cfから計算される合焦位置Hの理想波形Mfiを実線で示し、位相遅延を有する実際の変動波形Mfを破線で示している。
次いで、検出制御部623および撮像制御部63は、検出合焦位置Hdnに対応する画像Inを検出するための画像検出制御を行う(ステップS7;検出制御ステップ)。
例えば、検出制御部623は、駆動信号Cfの周期開始位相(0°)から遅延クロック数Wcnだけ進んだタイミングで照明信号Ciをオンにする。これにより、パルス照明部3は、検出位相θdnに遅延角度θpを反映したタイミング(画像検出タイミングTn)でパルス照明を行う(図12または図13参照)。また、撮像制御部63は、所定回数だけパルス照明が行われる間、撮像部4の露光を継続させる。
このステップS7では、n=0からn=mまで、前述の制御を繰り返し行う。これにより、各検出合焦位置Hdn(n=0、1、2・・・m)で合焦した状態の各画像In(画像群)が検出される。
以上により、図6のフローチャートが終了する。
例えば、検出制御部623は、駆動信号Cfの周期開始位相(0°)から遅延クロック数Wcnだけ進んだタイミングで照明信号Ciをオンにする。これにより、パルス照明部3は、検出位相θdnに遅延角度θpを反映したタイミング(画像検出タイミングTn)でパルス照明を行う(図12または図13参照)。また、撮像制御部63は、所定回数だけパルス照明が行われる間、撮像部4の露光を継続させる。
このステップS7では、n=0からn=mまで、前述の制御を繰り返し行う。これにより、各検出合焦位置Hdn(n=0、1、2・・・m)で合焦した状態の各画像In(画像群)が検出される。
以上により、図6のフローチャートが終了する。
その後、分析部73は、前述の画像検出方法により検出された画像群を分析することにより、ワークWの注目部位の高さを測定したり、ワークWの表面形状を測定したりすることができる。なお、この測定方法については、従来技術と同様であるため、ここでの説明を省略する。
[本実施形態の効果]
本実施形態では、検出位相θdに対応する画像検出タイミングTについて合焦位置Hの変動波形Mfの位相遅延を考慮した補正が行われるため、検出位相θdから想定される通りの合焦状態の画像を検出できる。また、本実施形態では、位相遅延の正負に基づいて決定された設定許容範囲Wd内に検出位相θdが設定されるため、検出位相θdに位相遅延を反映することで補正された画像検出タイミングTであっても、駆動信号Cfの周期切替点(360°)の付近に位置することがない(図10または図11参照)。
本実施形態では、検出位相θdに対応する画像検出タイミングTについて合焦位置Hの変動波形Mfの位相遅延を考慮した補正が行われるため、検出位相θdから想定される通りの合焦状態の画像を検出できる。また、本実施形態では、位相遅延の正負に基づいて決定された設定許容範囲Wd内に検出位相θdが設定されるため、検出位相θdに位相遅延を反映することで補正された画像検出タイミングTであっても、駆動信号Cfの周期切替点(360°)の付近に位置することがない(図10または図11参照)。
ここで、駆動信号Cfの周期切替点の付近には、画像Iの正常な検出が困難となる位相範囲DBが存在する。この位相範囲DBは、周期切替点を含む所定の位相範囲である。例えば、位相範囲DBのうち周期切替点の前側の幅は、照明信号Ciのパルス幅と同程度である。また、位相範囲DBのうち周期切替点の後側の幅は、照明信号Ciのオフ制御にかかる時間と同程度である。
図14および図15は、本実施形態の比較例を説明するためのグラフである。
図14は、合焦位置Hの変動波形Mfに正遅延が生じている場合において、駆動信号Cfの周期後半に検出位相θd(r)が設定された比較例を示している。この比較例では、画像検出タイミングT(r)が位相範囲DB内の周期切替点前に位置し、照明信号Ciが周期切替点で強制的にオフされることにより、照明信号Ciのパルス幅が不足し、照明ムラの発生など、画像Iを正常に検出できなくなってしまう。
図15は、位相幅θwが負遅延を示す場合において、駆動信号Cfの周期前半に検出位相θd(r)が設定された比較例を示している。この比較例では、画像検出タイミングT(r)が位相範囲DB内の周期切替点後に位置することで、照明信号Ciをオンすることができず、画像検出タイミングT(r)の制御不能につながる可能性がある。
図14は、合焦位置Hの変動波形Mfに正遅延が生じている場合において、駆動信号Cfの周期後半に検出位相θd(r)が設定された比較例を示している。この比較例では、画像検出タイミングT(r)が位相範囲DB内の周期切替点前に位置し、照明信号Ciが周期切替点で強制的にオフされることにより、照明信号Ciのパルス幅が不足し、照明ムラの発生など、画像Iを正常に検出できなくなってしまう。
図15は、位相幅θwが負遅延を示す場合において、駆動信号Cfの周期前半に検出位相θd(r)が設定された比較例を示している。この比較例では、画像検出タイミングT(r)が位相範囲DB内の周期切替点後に位置することで、照明信号Ciをオンすることができず、画像検出タイミングT(r)の制御不能につながる可能性がある。
前述の各比較例と比べて、本実施形態の画像検出タイミングTは、駆動信号Cfの周期切替点の付近に位置することがなく、すなわち、画像Iの正常な検出が困難となる位相範囲DB内に位置することがない。よって、本実施形態では、画像Iの正常な検出を確実に行うことができる。
また、本実施形態では、検出合焦位置Hdn(n=0、1、2・・・m)が単一変化する複数の画像I(画像群)を検出する場合について説明している。このような場合、位相遅延の正負に基づいて設定許容範囲Wdを駆動信号Cfの周期前半または周期後半に決定することにより、位相範囲DB内に重ならず、かつ、検出合焦位置Hdnが単一変化する位相範囲を、検出範囲としてより広く確保できる。
また、本実施形態では、合焦位置Hの可変範囲Rh内に等間隔で配置される複数の検出合焦位置Hdn(n=0、1、2・・・m)を算出し、検出合焦位置Hdnのそれぞれに対応する駆動信号Cfの位相を検出位相θdn(n=0、1、2・・・m)としてそれぞれ設定する。各検出位相θdnに基づいて画像検出タイミングTnを制御することにより、検出合焦位置Hdnのピッチが均一である画像群が検出される。
従来では、等位相間隔で画像の検出を行っていたため、検出合焦位置のピッチが不均一になっていたが、本実施形態のように検出合焦位置Hdnのピッチを均一にすることで、ワークWの変位や表面形状などをより高精度に測定できる。
従来では、等位相間隔で画像の検出を行っていたため、検出合焦位置のピッチが不均一になっていたが、本実施形態のように検出合焦位置Hdnのピッチを均一にすることで、ワークWの変位や表面形状などをより高精度に測定できる。
(変形例)
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、合焦位置Hの可変範囲Rh内に検出合焦位置Hdが等間隔で配置され、各検出合焦位置Hdに基づいて検出位相θdが設定されるが、本発明はこれに限られない。すなわち、前記実施形態では、複数の検出位相θdが任意の間隔で設定されてもよく、例えば等位相間隔で設定されてもよい。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、合焦位置Hの可変範囲Rh内に検出合焦位置Hdが等間隔で配置され、各検出合焦位置Hdに基づいて検出位相θdが設定されるが、本発明はこれに限られない。すなわち、前記実施形態では、複数の検出位相θdが任意の間隔で設定されてもよく、例えば等位相間隔で設定されてもよい。
また、前記実施形態では、一連の画像群を検出するために複数の検出位相θdを設定する場合について説明しているが、1つの検出位相θdを設定する場合にも本発明を適用できる。例えば、前述のステップS2で設定許容範囲Wdを決定した後、この設定許容範囲Wd内に少なくとも1つの検出位相θdを設定すればよい。
前記実施形態では、範囲決定部621の替わりに、分析部73が位相幅θwに基づいて位相遅延の正負を判定し、この判定結果を範囲決定部621に提供してもよい。
前記実施形態では、検出位相θdに対応する画像Iを検出すためにパルス照明を利用しているが、本発明はこれに限られない。
例えば、変形例として、パルス照明部3の替わりに連続照明部を利用してもよい。この変形例において、撮像部4は、極短い露光時間を設定可能な高速シャッターを有し、画像検出タイミングTに合わせて露光を行うことにより、検出位相θdに対応する画像Iを検出することができる。この変形例では、発光制御部62の替わりに、撮像制御部63が、本発明の範囲決定部、検出位相算出部および検出制御部として機能する。また、この変形例では、撮像部4を制御する露光信号Ccが本発明の画像検出信号に相当する。
例えば、変形例として、パルス照明部3の替わりに連続照明部を利用してもよい。この変形例において、撮像部4は、極短い露光時間を設定可能な高速シャッターを有し、画像検出タイミングTに合わせて露光を行うことにより、検出位相θdに対応する画像Iを検出することができる。この変形例では、発光制御部62の替わりに、撮像制御部63が、本発明の範囲決定部、検出位相算出部および検出制御部として機能する。また、この変形例では、撮像部4を制御する露光信号Ccが本発明の画像検出信号に相当する。
1…画像検出装置、10…画像検出光学系、11…対物レンズ、12…結像レンズ、13…第1リレーレンズ、14…液体共振式レンズ、15…第2リレーレンズ、2…画像検出部、3…パルス照明部、31…光源、32…ビームスプリッタ、4…撮像部、6…レンズ制御部、61…駆動制御部、62…発光制御部、621…範囲決定部、622…検出位相設定部、623…検出制御部、63…撮像制御部、64…記憶部、7…制御装置、71…レンズ操作部、72…画像処理部、73…分析部、74…操作インターフェイス、9…校正治具、91…校正面、A…光軸、Cc…露光信号、Cf…駆動信号、Ci…照明信号、D…振幅、Df…合焦距離、H…合焦位置、Hd…検出合焦位置、I…画像、m…ピッチ数、Mf…変動波形、Mfi…理想波形、Pb…下限割合、Pt…上限割合、Rh…可変範囲、Syn…同期信号、T…画像検出タイミング、Vf…振動状態、W…ワーク、Wc…遅延クロック数、Wd…設定許容範囲、ΔH…検出ピッチ、θ…傾斜角、θd…検出位相、θp…遅延角度。
Claims (3)
- 液体共振式レンズを含み、前記液体共振式レンズに入力される駆動信号に応じて合焦位置が周期的に変化する画像検出光学系と、
前記画像検出光学系を通して前記駆動信号の検出位相に対応する画像を検出する画像検出部と、
前記合焦位置の変動波形が示す位相遅延の正負に基づいて、前記検出位相の設定許容範囲を前記駆動信号の周期前半または周期後半に決定する範囲決定部と、
前記検出位相を前記設定許容範囲内に設定する検出位相設定部と、
前記画像検出部による画像検出タイミングを、前記検出位相から前記位相遅延に相当する角度分ずらしたタイミングに制御する検出制御部と、
を備える、画像検出装置。 - 前記検出位相設定部は、前記合焦位置の可変範囲内に等間隔で配置される複数の検出合焦位置を算出し、前記検出合焦位置のそれぞれに対応する前記駆動信号の位相を前記検出位相としてそれぞれ設定する、請求項1に記載の画像検出装置。
- 液体共振式レンズを含み、前記液体共振式レンズに入力される駆動信号に応じて合焦位置が周期的に変化する画像検出光学系と、前記画像検出光学系を通して前記駆動信号の検出位相に対応する画像を検出する画像検出部と、を備える画像検出装置において実施される画像検出方法であって、
前記合焦位置の変動波形が示す位相遅延の正負に基づいて、前記検出位相の設定許容範囲を前記駆動信号の周期前半または周期後半に決定する範囲決定ステップと、
前記検出位相を前記設定許容範囲内に設定する検出位相設定ステップと、
前記画像検出部による画像検出タイミングを、前記検出位相から前記位相遅延に相当する角度分ずらしたタイミングに制御する検出制御ステップと、を含む、画像検出方法。
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