JP7525147B2 - マウス大腸蟯虫の検出方法 - Google Patents
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〔1〕以下の工程(a)~(c)を含むことを特徴とする、マウス大腸蟯虫の検出方法。
(a)被験マウスの糞を含む液を、ビーズ存在下でホモジナイズ処理した後、アルコール沈殿処理を行うことにより糞試料を調製する工程;
(b)調製した糞試料と、以下のプライマーセット(i)及びプローブ(ii)とを用いてPCR(Polymerase Chain Reaction)を行う工程;
(i)配列番号1に示されるヌクレオチド配列と少なくとも90%の同一性を有する、マウス大腸蟯虫のリボソームDNAにおけるITS-2(Internal Transcribed Spacer 2)領域のDNAを増幅可能なプライマーセットであって、1又は2以上のLNA(locked nucleic acid)を含むフォワードプライマーと、1又は2以上のLNAを含むリバースプライマーとからなる、前記プライマーセット
(ii)前記プライマーセットにより増幅される、マウス大腸蟯虫のリボソームDNAにおけるITS-2領域のDNAにハイブリダイズするプローブであって、5’末端が蛍光物質で標識され、3’末端がクエンチャー物質で標識され、かつ、1又は2以上のLNAを含む、前記プローブ
(c)蛍光物質由来の蛍光シグナルを検出する工程;
〔2〕フォワードプライマーが、配列番号2に示されるヌクレオチド配列を含むフォワードプライマーであって、配列番号2の7番目のヌクレオチド残基及び16番目のヌクレオチド残基が、それぞれLNAである、前記フォワードプライマーであり、
リバースプライマーが、配列番号3に示されるヌクレオチド配列を含むリバースプライマーであって、配列番号3の10番目のヌクレオチド残基及び18番目のヌクレオチド残基が、それぞれLNAである、前記リバースプライマーであり、
プローブが、配列番号4に示されるヌクレオチド配列又はその相補配列を含むプローブであって、配列番号4の7番目のヌクレオチド残基及び15番目のヌクレオチド残基が、それぞれLNAである、前記プローブ
であることを特徴とする上記〔1〕に記載の検出方法。
〔3〕アルコール沈殿処理がエタノール沈殿処理であることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載の検出方法。
〔4〕以下のプライマーセット(i)及びプローブ(ii)を含むことを特徴とする、上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の検出方法に用いるためのキット。
(i)配列番号1に示されるヌクレオチド配列と少なくとも90%の同一性を有する、マウス大腸蟯虫のリボソームDNAにおけるITS-2(Internal Transcribed Spacer 2)領域のDNAを増幅可能なプライマーセットであって、1又は2以上のLNA(locked nucleic acid)を含むフォワードプライマーと、1又は2以上のLNAを含むリバースプライマーとからなる、前記プライマーセット
(ii)前記プライマーセットにより増幅される、マウス大腸蟯虫のリボソームDNAにおけるITS-2領域のDNAにハイブリダイズするプローブであって、5’末端が蛍光物質で標識され、3’末端がクエンチャー物質で標識され、かつ、1又は2以上のLNAを含む、前記プローブ
〔5〕フォワードプライマーが、配列番号2に示されるヌクレオチド配列を含むフォワードプライマーであって、配列番号2の7番目のヌクレオチド残基及び16番目のヌクレオチド残基が、それぞれLNAである、前記フォワードプライマーであり、
リバースプライマーが、配列番号3に示されるヌクレオチド配列を含むリバースプライマーであって、配列番号3の10番目のヌクレオチド残基及び18番目のヌクレオチド残基が、それぞれLNAである、前記リバースプライマーであり、
プローブが、配列番号4に示されるヌクレオチド配列又はその相補配列を含むプローブであって、配列番号4の7番目のヌクレオチド残基及び15番目のヌクレオチド残基が、それぞれLNAである、前記プローブ
であることを特徴とする上記〔4〕に記載のキット。
上記工程(a)~(c)を含み、かつ、工程(c)の後、蛍光物質由来の蛍光シグナルが検出された場合、前記被験マウスは、マウス大腸蟯虫に感染している又は感染している可能性が高いと判定する工程(p)を含む、マウス大腸蟯虫感染の判定方法;や、
上記プライマーセット(i)及びプローブ(ii)を含む、かかる判定方法に用いるためのマウス大腸蟯虫感染判定用キット;
を挙げることができる。
(i)配列番号1に示されるヌクレオチド配列と少なくとも90%の同一性を有する、マウス大腸蟯虫のリボソームDNAにおけるITS-2領域のDNA(以下、「本件ITS-2領域DNA」ということがある)を増幅可能なプライマーセットであって、1又は2以上のLNA(Locked Nucleic Acid)を含むフォワードプライマー(以下、「本件フォワードプライマー」ということがある)と、1又は2以上のLNAを含むリバースプライマー(以下、「本件リバースプライマー」ということがある)とからなる、前記プライマーセット(以下、「本件プライマーセット」ということがある)
(ii)本件プライマーセットにより増幅される本件ITS-2領域DNAにハイブリダイズするプローブであって、5’末端が蛍光物質で標識され、3’末端がクエンチャー物質で標識され、かつ、1又は2以上のLNAを含む、前記プローブ(以下、「本件プローブ」ということがある)
[PCR用プライマー及びプローブ]
マウス大腸蟯虫のリボソームDNAにおけるITS-2領域のDNA(表1参照)(以下、「マウス大腸蟯虫リボソームDNA由来ITS-2領域のDNA」ということがある)をPCRにより検出するために、LNAを含むプライマーである本件フォワードプライマー及び本件リバースプライマーからなる本件プライマーセット(表2参照)(味の素バイオファーマ社製)と、LNAを含み、かつ、5’末端及び3’末端がそれぞれ蛍光物質(FAM)及びクエンチャー物質(IBFQ)で標識されたプローブである本件プローブ(表2参照)(IDT社製)とを用いた。なお、比較対照として、本件プライマーセットとヌクレオチド配列が同一であり、かつ、LNAを含まないプライマーセットである対照プライマーセット(すなわち、対照フォワードプライマー及び対照リバースプライマーからなるもの)を用いた(表2参照)。
PCRの陽性コントロール用鋳型DNAとして、配列番号1のヌクレオチド配列(すなわち、マウス大腸蟯虫リボソームDNA由来ITS-2領域のDNA)の1~95番目のヌクレオチド残基を含む2本鎖ポリヌクレオチド(表3参照)(本明細書において、「陽性コントロール用ITS-2領域のDNA」ということがある)を合成した。
マウス大腸蟯虫に感染したマウスの糞から定法にしたがって精製されたゲノムDNA(本明細書において、「マウス大腸蟯虫感染マウスの糞由来ゲノムDNA」ということがある)を、実験動物中央研究所により分与された。
図1及び2において、鋳型DNA(陽性コントロール用ITS-2領域のDNA、又はマウス大腸蟯虫感染マウスの糞由来ゲノムDNA)を、270μMのdNTPs(タカラバイオ社製)、150nMの対照フォワードプライマー及び対照リバースプライマー、並びに5ユニットのTaqDNAポリメラーゼ(New England Biolabs社製)を含有するPCR混合物に添加した。なお、図1Bにおいて、プライマーの濃度は9.1~300nMに変更した。以下の表4に示す条件で、PCRサーマルサイクラー(Dicer TP600;タカラバイオ社製)を用いてPCRを行った。得られたPCR産物を、2%アガロースゲル電気泳動し、エチジウムブロマイド(EtBr)で20分間染色することによりDNAを可視化した。画像解析装置(FluorChemFC2;Alpha Innotech Corporation社製)を用いて可視化したDNAの画像を取得し、Metamorphイメージングソフトウェア(Molecular Devices社製)を用いてDNA(バンド)のシグナル強度を測定した。
PCR産物のDNAシークエンシングは、文献「Watanabe, K.,et al. Sci Rep. 2018. doi:10.1038/s41598-018-34290-1」記載の方法に従って、3130xlジェネティックアナライザー(Thermo Fisher Scientific社製)を用いて行った。
SYBRGreenアッセイ(文献「Aihara,M., et al.Gene. 2012;501: 118-126.」参照)においては、1×QuantiTect SYBR green buffer(Qiagen社製)及び18.8nMの2種類のプライマーセット(対照フォワードプライマー及び対照リバースプライマーからなる対照プライマーセット、又は、本件フォワードプライマー及び本件リバースプライマーからなる本件プライマーセット)を含有するqPCR混合物に、鋳型DNA(100コピーの陽性コントロール用ITS-2領域のDNA[図3A及びB]、又はマウス大腸蟯虫感染マウスの糞由来ゲノムDNA[図3C])を添加した。TaqManプローブアッセイにおいては、1×Sso-Advanced universalprobe supermix(Bio-Rad Laboratories社製)、100nMの本件プローブ、及び9.4nMの2種類のプライマーセット(対照フォワードプライマー及び対照リバースプライマーからなる対照プライマーセット、又は、本件フォワードプライマー及び本件リバースプライマーからなる本件プライマーセット)を含有する標準qPCR混合物に、鋳型DNA(100コピーの陽性コントロール用ITS-2領域のDNA[図3A及びB]、又はマウス大腸蟯虫感染マウスの糞由来ゲノムDNA[図3C])を添加した。次に、以下の表5に示す条件で、CFX384 Touchリアルタイム解析システム(Bio-Rad社製)を用いた定量PCRを行った。蛍光レベル(RFU:relativefluorescence unit)の閾値を100未満に設定することにより(図3A参照)、すべての試料のサイクル閾値(Ct値)を決定した。1.37~3000コピーの陽性コントロール用ITS-2領域のDNAを3段階で希釈した液を用いて検量線を作成し、かかる検量線を基に、マウス大腸蟯虫感染マウスの糞由来ゲノムDNAに含まれるマウス大腸蟯虫リボソームDNA由来ITS-2領域のDNAのコピー数(図3Cの縦軸)を測定した。
マウス大腸蟯虫に感染していないことが確認されたマウスのケージから糞の塊を採取し、コニカルチューブに回収した。糞の塊を串(skewer)で細かくした後、TE緩衝液(Tris-EDTA緩衝液[pH8.0])を添加し、糞懸濁液を調製した。溶媒1mL当たり25mgの糞を含む糞懸濁液1mLを、直径が0.3mmの球状のガラスビーズ250mgを含むセーフロックチューブ(Safe-Lock Tube)に加え、ビーズクラッシャー(μT-12、TAITEC社製)を用いて3200rpm、30秒間ホモジナイズ処理をした。その後、8~200μgの糞を含む液に、最終濃度1ng/μLの陽性コントロール用ITS-2領域のDNAを加え、95℃で5分加熱処理した後、11,000×gで5分間遠心処理により得られた上清(図4A)を鋳型とし、上記[PCR]の項目に記載の方法に従ってPCRを行った。また、かかる上清を95℃で5分間加熱処理したもの(図4B)や、上清を95℃で5分間加熱処理し、さらに、1%のBSA処理したもの(図4Cの「BSA」)、0.1%のTritonX-100処理したもの(図4Cの「TritonX」)、又は0.1%のTween-20処理したもの(図4Cの「Tween20」)を鋳型とし、上記[PCR]の項目に記載の方法に従ってPCRを行った。さらに、上記上清を、エタノール沈殿処理したもの(図4D)を鋳型とし、上記[PCR]の項目に記載の方法に従ってPCRを行った。エタノール沈殿処理は、上記上清に、1/10倍の3Mの酢酸ナトリウムと、2倍の氷冷100%エタノールを添加し、-30℃で1時間冷却処理した後、11,000×gで15分、4℃で遠心処理することにより行った。また、得られた沈殿物(DNA)を70%エタノールで洗浄し、15分乾燥処理した後、TE緩衝液(pH8.0)に溶解した。なお、コントロールとして、陽性コントロール用ITS-2領域のDNAそれ自体を鋳型とし、上記[PCR]の項目に記載の方法に従ってPCRを行った。
マウス大腸蟯虫に感染していないことが確認されたマウスのケージから糞の塊を採取し、コニカルチューブに回収した。糞の塊を串(skewer)で細かくした後、TE緩衝液(Tris-EDTA緩衝液[pH8.0])を添加し、糞懸濁液を調製した。溶媒1mL当たり25mgの糞を含む糞懸濁液を、直径が0.3mmの球状のガラスビーズ250mgを含むセーフロックチューブ(Safe-Lock Tube)に加え、ビーズクラッシャー(μT-12、TAITEC社製)を用いて3200rpm、30秒間ホモジナイズ処理をした。その後、4μgの糞を含む液に、0.5~13.3ngのマウス大腸蟯虫感染マウスの糞由来ゲノムDNAを加え、95℃で5分加熱処理した後、11,000×gで5分間遠心処理により上清を回収した。回収した上清を、上記[陽性コントロール用ITS-2領域のDNAを含む糞試料を用いたPCR]の項目に記載の方法に従ってエタノール沈殿処理を行い、糞試料を調製した。調製した糞試料を鋳型とし、上記[定量PCR]の項目に記載の方法に従って定量PCRを行った。
マウス大腸蟯虫感染が不明なマウスを、1ケージ当たり3~5匹で飼育した8種類のケージ(#1~8)から糞の塊を採取し、コニカルチューブに回収した。糞の塊を串(skewer)で細かくした後、TE緩衝液(Tris-EDTA緩衝液[pH8.0])を添加し、糞懸濁液を調製した。溶媒1mL当たり25mgの糞を含む糞懸濁液を、直径が0.3mmの球状のガラスビーズ250mgを含むセーフロックチューブ(Safe-Lock Tube)に加え、ビーズクラッシャー(μT-12、TAITEC社製)を用いて3200rpm、30秒間ホモジナイズ処理をした。その後、25mgの糞を含む液を95℃で5分加熱処理した後、11,000×gで5分間遠心処理により上清を回収した。回収した上清を、上記[陽性コントロール用ITS-2領域のDNAを含む糞試料を用いたPCR]の項目に記載の方法に従ってエタノール沈殿処理を行い、糞試料を調製した。調製した糞試料を鋳型とし、上記[定量PCR]の項目に記載の方法に従って定量PCRを行った。
[PCR条件の検討]
マウス大腸蟯虫リボソームDNA由来ITS-2領域のDNAを検出するためのPCRの条件を最適化するために、陽性コントロール用ITS-2領域のDNAを鋳型とし、(LNAを含まない)対照フォワードプライマー及び対照リバースプライマーを用いたPCRにより検討を行った。まず、100コピーの鋳型DNA(すなわち、陽性コントロール用ITS-2領域のDNA)を使用し、対照フォワードプライマー及び対照リバースプライマーのアニール温度を51.0~69.0℃の範囲内で検討した結果、アニーリング温度が58.9℃のとき、鋳型DNA由来のシングルバンドが検出された(図1A参照)。また、対照フォワードプライマー及び対照リバースプライマーの濃度を9.1~300nMの範囲内で検討した結果、対照フォワードプライマー及び対照リバースプライマーの濃度が150nM及び300nMのとき、鋳型DNA由来のバンドが検出されたのに対して、これらプライマーの濃度が75nM以下のときは、鋳型DNA由来のバンドは検出されなかった(図1B参照)。また、鋳型DNAのコピー数が10~1000の範囲内のとき、コピー数を定量できるPCRのサイクル数を20~35の範囲内で検討した結果、PCRのサイクル数が30サイクルのとき、決定係数(R2)が最も高く、定量性が高いことが示された(図1C及び1D参照)。
LNAに基づくTaqManアッセイにより、黄色ブドウ球菌(S. aureus)による白チーズの汚染の検出レベルが向上したことが報告されている(文献「Kadiroglu,P., et al. J Microbiol Methods. 2014. doi:10.1016/j.mimet.2014.06.022」参照)。そこで、マウス大腸蟯虫感染マウスの糞中のマウス大腸蟯虫由来ゲノムDNAを感度よく定量するために、本件プライマーセット、すなわち、LNA含有プライマーセットと、本件プローブ、すなわち、LNA含有TaqManプローブとを用いたTaqManプローブアッセイを行った。なお、比較対照として、対照プライマーセット及び本件プローブを用いたTaqManプローブアッセイや、本件プライマーセット又は対照プライマーセットを用いたSYBR Greenアッセイも行った。
実験マウスのマウス大腸蟯虫感染を、糞からゲノムDNAを精製することなく簡便に検出できるかどうかを検証するために、陽性コントロール用ITS-2領域のDNAを含む糞含有液から遠心処理により得られた上清を用いてPCRを行った。その結果、糞量が8μgのときは、陽性コントロール用ITS-2領域のDNA由来のバンドが検出されたものの、糞量が40~200μgのときは、かかるバンドが検出されなかった(図4A参照)。この結果は、糞存在下で陽性コントロール用ITS-2領域のDNAの回収率が遠心処理により低下(例えば、陽性コントロール用ITS-2領域のDNAが沈殿物に付着することによるロス)したり、糞に含まれる少なくとも1つの可溶性成分(例えば、多糖類やカルシウムイオン等)がPCR反応を阻害する可能性を示唆している。
次に、エタノール沈殿処理によりマウス大腸蟯虫感染マウスの糞由来ゲノムDNAを含む糞試料を調製し、かかる糞試料を鋳型として、本件プライマーセット及び本件プローブを用いたTaqManプローブアッセイを行った。その結果、4μgの糞存在下において、検出されたマウス大腸蟯虫リボソームDNA由来ITS-2領域のDNAのコピー数は、糞非存在下において、検出されたマウス大腸蟯虫リボソームDNA由来ITS-2領域のDNAのコピー数の約50%であった(図5A参照)。また、糞量の増加に伴い、検出されたマウス大腸蟯虫リボソームDNA由来ITS-2領域のDNAのコピー数は低下したものの、比率の変動率はほぼ一定であった(図5A参照)。また、0.5~13.3ngの範囲のマウス大腸蟯虫感染マウスの糞由来ゲノムDNAと、検出されたマウス大腸蟯虫リボソームDNA由来ITS-2領域のDNAのコピー数との決定係数(R2)は0.984であり、相関関係が認められた(図5B参照)。この結果は、エタノール沈殿処理によりマウス大腸蟯虫感染マウスの糞由来ゲノムDNAを含む糞試料を調製し、本件プライマーセット及び本件プローブを用いたTaqManプローブアッセイを行うと、マウス大腸蟯虫感染マウスの糞中のマウス大腸蟯虫ゲノムDNAを定量的に検出できることを示している。
次に、マウス大腸蟯虫感染が不明なマウスを8種類のケージ(#1~8)で飼育し、これらケージ内の糞からエタノール沈殿処理により糞試料を調製し、本件プライマーセット及び本件プローブを用いたTaqManプローブアッセイを行った。その結果、2種類のケージ(#7及び#8)で飼育したマウス由来の糞試料から、マウス大腸蟯虫リボソームDNA由来ITS-2領域のDNAが検出された(図6A及びB参照)。一方、残りの6種類のケージ(#1~6)で飼育したマウスの糞試料からは、マウス大腸蟯虫リボソームDNA由来ITS-2領域のDNAは検出されなかった(図6A及びB参照)。さらに、位相差顕微鏡を用いて、結腸内容物及び糞を直接観察した結果、マウス大腸蟯虫リボソームDNA由来ITS-2領域のDNAが検出されたマウス(ケージ#8で飼育したマウス)の結腸には、マウス大腸蟯虫の個体(成虫)が認められ(図6Ca参照)、糞にはマウス大腸蟯虫の卵も観察された(図6Cb参照)。一方、マウス大腸蟯虫リボソームDNA由来ITS-2領域のDNAが検出されなかったマウス(ケージ#1~6で飼育したマウス)の結腸及び糞からは、マウス大腸蟯虫の個体や卵は認められなかった。以上の結果から、マウスの糞からアルコール(例えば、エタノール)沈殿処理により糞試料を調製し、本件プライマーセット及び本件プローブを用いたTaqManプローブアッセイを行うと、比較的簡便にマウス由来の糞試料を調製できるとともに、当該糞試料中に含まれるマウス大腸蟯虫由来のゲノムDNAを感度よく検出できることを示している。
Claims (3)
- 以下の工程(a)~(c)を含むことを特徴とする、マウス大腸蟯虫の検出方法。
(a)被験マウスの糞を含む液を、ビーズ存在下でホモジナイズ処理した後、アルコール沈殿処理を行うことにより糞試料を調製する工程;
(b)調製した糞試料と、以下のプライマーセット(i)及びプローブ(ii)とを用いてPCR(Polymerase Chain Reaction)を行う工程;
(i)配列番号1に示されるヌクレオチド配列と少なくとも90%の同一性を有する、マウス大腸蟯虫のリボソームDNAにおけるITS-2(Internal Transcribed Spacer 2)領域のDNAを増幅可能なプライマーセットであって、配列番号2に示されるヌクレオチド配列を含み、かつ、配列番号2の7番目のヌクレオチド残基及び16番目のヌクレオチド残基が、それぞれLNA(locked nucleic acid)であるフォワードプライマーと、配列番号3に示されるヌクレオチド配列を含み、かつ、配列番号3の10番目のヌクレオチド残基及び18番目のヌクレオチド残基が、それぞれLNAであるリバースプライマーとからなる、前記プライマーセット
(ii)前記プライマーセットにより増幅される、マウス大腸蟯虫のリボソームDNAにおけるITS-2領域のDNAにハイブリダイズするプローブであって、5’末端が蛍光物質で標識され、3’末端がクエンチャー物質で標識され、かつ、配列番号4に示されるヌクレオチド配列又はその相補配列を含み、配列番号4の7番目のヌクレオチド残基及び15番目のヌクレオチド残基が、それぞれLNAである、前記プローブ
(c)蛍光物質由来の蛍光シグナルを検出する工程; - アルコール沈殿処理がエタノール沈殿処理であることを特徴とする請求項1に記載の検出方法。
- 以下のプライマーセット(i)及びプローブ(ii)を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の検出方法に用いるためのキット。
(i)配列番号1に示されるヌクレオチド配列と少なくとも90%の同一性を有する、マウス大腸蟯虫のリボソームDNAにおけるITS-2(Internal Transcribed Spacer 2)領域のDNAを増幅可能なプライマーセットであって、配列番号2に示されるヌクレオチド配列を含み、かつ、配列番号2の7番目のヌクレオチド残基及び16番目のヌクレオチド残基が、それぞれLNA(locked nucleic acid)であるフォワードプライマーと、配列番号3に示されるヌクレオチド配列を含み、かつ、配列番号3の10番目のヌクレオチド残基及び18番目のヌクレオチド残基が、それぞれLNAであるリバースプライマーとからなる、前記プライマーセット
(ii)前記プライマーセットにより増幅される、マウス大腸蟯虫のリボソームDNAにおけるITS-2領域のDNAにハイブリダイズするプローブであって、5’末端が蛍光物質で標識され、3’末端がクエンチャー物質で標識され、かつ、配列番号4に示されるヌクレオチド配列又はその相補配列を含み、配列番号4の7番目のヌクレオチド残基及び15番目のヌクレオチド残基が、それぞれLNAである、前記プローブ
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| BioTechniques,2005年,Vol.38, No.4, ,p.605-610 |
| Database DDBJ/EMBL/GenBank [online], Accession No. EU263107.2, 03-JUN-2008 uploaded, [2024年04月24日検索], Definition: Aspiculuris tetraptera internal transcribed spacer 1, partial sequence; 5.8S ribosomal RNA gene, complete sequence; and internal transcribed spacer 2, partial sequence,<https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/EU263107> |
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