JP7519508B1 - 負荷駆動装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 0007519508000001
【課題】回路規模の拡大を抑制しつつ、回路の異常の有無を判定する。
【解決手段】スイッチ装置1は、駆動信号に基づいてオン/オフ制御されるスイッチSW(SWh、SWc、SWf)と、スイッチSW(SWh、SWc、SWf)に直列に接続された発光素子L(Lh、Lc、Lf)と、発光素子L(Lh、Lc、Lf)の駆動用電力を供給する電力供給源PSとスイッチSW(SWh、SWc、SWf)との間の電圧を取得する監視回路43と、を有する。監視回路43により、駆動対象のスイッチSW(SWh、SWc、SWf)がオンのときに取得した電圧Vonと、駆動対象のスイッチSW(SWh、SWc、SWf)がオフのときに取得した電圧と、に基づいて、スイッチSW(SWh、SWc、SWf)と発光素子L(Lh、Lc、Lf)のうちの少なくとも一方における異常を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、LED回路の故障を検知する機能を持つ負荷駆動装置に関するものである。
特許文献1には、照明制御システムが開示されている。
特開2018-55795号公報
特許文献1には、負荷(照明機器)が並列に接続された回路に対して、制御内容に対応するPWM信号を出力し、回路におけるPWM信号に基づく電圧値から、負荷の接続状況や、短絡の有無、などの異常の有無を判定することが開示されている。
特許文献1では、次の方法で、PWM信号に基づく電圧値を取得することを開示している。(a)電流検知回路を設けて、回路上を流れる電流値を検出し、検出した電流値を電圧値に変換する。
ここで、これらの機能の実現に集積回路(マイコン)を用いると、マイコンが大型化するため、回路規模が大きくなる。また、これらの機能をディスクリート回路で実現しようとすると、(a)の場合には、シャント抵抗やオペアンプが必要であり、回路規模が大きくなる。
そこで、回路規模の拡大を抑制しつつ、回路の異常の有無を判定できるようにすることが求められている。
駆動信号に基づいてオン/オフ制御される駆動用スイッチと、
前記駆動用スイッチに直列に接続された負荷と、
前記負荷の駆動用電力を供給する電力供給源と、前記駆動スイッチとの間の任意の箇所の電圧を取得する監視回路と、を有し、
前記監視回路が、
前記駆動用スイッチがオンのときに取得した電圧と、前記駆動用スイッチがオフのときに取得した電圧と、に基づいて、前記駆動用スイッチと前記負荷のうちの少なくとも一方における異常を検出する、構成の負荷駆動装置とした。
本発明によれば、回路規模の拡大を抑制しつつ、回路の異常の有無を判定できる。
スイッチ装置の概略図である。 スイッチの制御信号を説明する図である。 監視回路のマイコンで検出される電圧値の波形を説明する図である。 異常の種類と、閾値との関係を説明する図である。 閾値テーブルを説明する図である。 マイコンが実施する通常処理のフローチャートである 異常判定処理のフローチャートである。 変形例にかかる異常判定処理のフローチャートである。
以下、本発明にかかる負荷駆動装置が、機器の動作モードの切替えに用いられるスイッチ装置1である場合を例に挙げて説明する。
図1は、スイッチ装置1の概略図である。
スイッチ装置1は、機器の動作モードを切り替える際にユーザにより使用される。動作モードを切り替える対象の機器は、択一的に選択される動作モードを複数有している。
この種の機器は、一例としてエアーコンディショナーである。エアーコンディショナーは、択一的に選択される動作モードとして、「暖房」、「冷房」、「送風」、「停止」などの動作モードを有している。
図1に示すように、スイッチ装置1は、複数の操作ボタンP(Ph、Pc、Pf、Ps)を有している。操作ボタンP(Ph、Pc、Pf、Ps)の各々には、暖房(Heater)、冷房(Cooler)、送風(Fan)、停止(Stop)などの動作モードを指定する機能が、ひとつずつ割り当てられている。
以下の説明においては、操作ボタンを特に区別しない場合には、単純に操作ボタンPと表記する。
スイッチ装置1では、エアーコンディショナーを駆動するために、駆動用の動作モードに対応する操作ボタンP(Ph、Pc、Pf)がオン操作されると、オン操作により選択された動作モードを報知するための発光素子L(Lh、Lc、Lf)が点灯される。これにより、ユーザが、点灯した発光素子L(Lh、Lc、Lf)を確認することで、ユーザが、選択した動作モードを視覚的に把握できるようにしている。
また、駆動用の動作モードに対応する別の操作ボタンP(Ph、Pc、Pf)が、新たにオン操作されると、既に選択されていた動作モードを報知するための発光素子L(Lh、Lc、Lf)が消灯し、新たに選択された動作モードを報知するための他の発光素子L(Lh、Lc、Lf)が点灯される。
以下の説明においては、発光素子を特に区別しない場合には、単純に発光素子Lと表記する。
スイッチ装置1の図示しない本体ケースの内部には、図示しないプリント基板や、電力供給源PSが収容されている。プリント基板上の回路3は、電力供給源PS(直流電源)に接続された第1接続線31と、グランドGDに接続された第2接続線32(32h、32c、32f)と、を有する。
電力供給源PSは、例えば、電力の充放電が可能なバッテリである。電力供給源PSは、回路3に給電するための電力供給源である。電力供給源PSから回路に供給される出力電圧は、バッテリ電圧、またはバッテリ電圧に連動して変動する電圧である。
回路3では、第1接続線31に、3つの第2接続線32(32h、32c、32f)が並列に接続されている。
各第2接続線32(32h、32c、32f)では、発光素子L(Lh、Lc、Lf)とスイッチSW(SWh、SWc、SWf)が直列に並んでいる。各第2接続線32(32h、32c、32f)では、発光素子L(Lh、Lc、Lf)のほうが、スイッチSW(SWh、SWc、SWf)よりも、第1接続線31側に位置している。
回路3(第1接続線31、第2接続線32)では、電流の通流方向におけるスイッチSW(SWh、SWc、SWf)の上流側に、発光素子L(Lh、Lc、Lf)が位置している。
ここで、発光素子L(Lh、Lc、Lf)は、例えばLED(light emitting diode)である。発光素子L(Lh、Lc、Lf)は、電力供給源PSから駆動用電力が供給される負荷の一例である。
第2接続線32(32h、32c、32f)では、発光素子L(Lh、Lc、Lf)と、グランドGDとの間にスイッチSW(SWh、SWc、SWf)が位置している。
スイッチSW(SWh、SWc、SWf)は、発光素子L(Lh、Lc、Lf)への給電/非給電の切り替えに用いられる駆動用スイッチである。
本実施形態のスイッチSW(SWh、SWc、SWf)は、一例として、NPN型のトランジスタである。スイッチSW(SWh、SWc、SWf)は、ベースBに駆動電圧を入力するとオンする電界効果トランジスタ等でもよい。
回路3では、スイッチSW(SWh、SWc、SWf)がオンされると、電力供給源PS側に位置するコレクタCから、グランドGD側に位置するエミッタEに向けて電流が流れる。これにより、オンされたスイッチSW(SWh、SWc、SWf)の上流側に位置する発光素子L(Lh、Lc、Lf)を電流が流れて、発光素子L(Lh、Lc、Lf)が電流量に応じた発光量で発光する。
プリント基板には、回路3に加えて、操作ボタンP(Ph、Pc、Pf、Ps)のオン操作を検知する検知回路41と、操作された操作ボタンP(Ph、Pc、Pf)に対応する発光素子L(Lh、Lc、Lf)を点灯させるための点灯制御回路42と、回路3の第1接続線31上の任意の位置における電圧値を取得する監視回路43と、が設けられている。
図2は、スイッチSWの制御信号を説明する図である。
本実施形態では、スイッチSW(SWh、SWc、SWf)のオン/オフを、駆動信号としてのPWM信号(パルス幅変調信号)により制御する。図2に示すように、PWM信号は、スイッチSWのベースBに印加される電圧がHighレベルになる期間(パルス幅H)と、Lowレベルになる期間(パルス幅L)が、パルス周期Tの範囲内で調整可能な制御信号である。
PWM信号のデューティ比D=(パルス幅H/パルス周期T)を変更することで、スイッチSW(SWh、SWc、SWf)のオン期間とオフ期間の比率を調整して、スイッチSW(SWh、SWc、SWf)のコレクタC側からエミッタE側に流れる電流量を調整できる。
なお、本実施形態では、後記するフィードバック電圧の平均値V_aveの算出に、スイッチSW(SWh、SWc、SWf)がオンである期間のフィードバック電圧(電圧値)と、スイッチSW(SWh、SWc、SWf)がオフである期間のフィードバック電圧(電圧値)を用いている。
そのため、PWM信号のデューティ比は、0%よりも大きい下限値と、100%よりも小さい上限値との間で設定されることが好ましい。また、PWM信号のデューティ比の上下限値を設定しない場合は、デューティ比が0%および100%のときを避けてフィードバック電圧を取得することが好ましい。
ここで、発光素子L(Lh、Lc、Lf)を流れる電流量のデューティ制御により、発光素子L(Lh、Lc、Lf)の発光量を調節できるようになっている。図2の場合は、パルス幅H’は、パルス幅Hよりも大きい。そのため、パルス幅H’のときのデューティ比D’は、パルス幅Hのときのデューティ比Dよりも大きい。そのため、パルス幅H’のときのほうが、パルス幅Hのときよりも多くの電流が、発光素子L(Lh、Lc、Lf)を流れるので、発光素子L(Lh、Lc、Lf)の発光量が大きくなる。
スイッチSW(SWh、SWc、SWf)のベースBへのPWM信号の入力は、プリント基板上のマイコンMC(プロセッサ)などの制御装置により制御される。
本実施形態では、操作ボタンP(Ph、Pc、Pf、Ps)がオン操作されると、オン操作された操作ボタンP(Ph、Pc、Pf、Ps)に対応する検知回路41から、監視回路43が備えるマイコンMCにオン信号が入力される。マイコンMCは、オン操作された操作ボタンP(Ph、Pc、Pf、Ps)を特定する。特定した操作ボタンP(Ph、Pc、Pf)が、エアーコンディショナーを駆動する動作モードの操作ボタンである場合には、特定した操作ボタンP(Ph、Pc、Pf)に対応するスイッチSWに、PWM信号を出力して、スイッチSWをオンさせる。
また、PWM信号が出力されている状態で、エアーコンディショナーを停止させるための操作ボタンPsがオン操作されると、オン操作されていた操作ボタンP(Ph、Pc、Pf)に対応するスイッチSWへのPWM信号の出力が停止される。これにより、エアーコンディショナーの動作が停止する。
回路3には、スイッチSWのオン/オフ制御(PWM制御)を行っている間の電圧値に基づいて、回路3における異常の有無を検出するための監視回路43が接続されている。
本実施形態では、回路3における電力供給源PSと、第1接続線31と第2接続線32(32h、32c、32f)との接続点Cnとの間に、監視回路43側の配線25が接続されている。
回路3では、接続点Cnの電力供給源PS側(上流側)と、グランドGD側(下流側)に、それぞれ抵抗Ra、Rb(Rbh、Rbc、Rbf)が設けられている。
下流側の抵抗Rb(Rbh、Rbc、Rbf)は、第2接続線32(32h、32c、32f)に、それぞれ設けられている。
第2接続線32に監視回路43側の配線25を接続することも可能であるが、本実施形態では、第1接続線31に監視回路43側の配線25を接続することで、一つの監視回路43で、各第2接続線32(32h、32c、32f)上の素子(発光素子L、スイッチSW)の異常の有無を検知できるようにしている。
監視回路43は、異常の検出処理を行うためのマイコンMC(プロセッサ)を有している。マイコンMCは、配線25を介して、第1接続線31に接続されている。マイコンMCと第1接続線31との間には、抵抗Rcが設けられている。配線25における抵抗RcとマイコンMCの間では、抵抗Rdの他端が接続している。抵抗Rdの一端は、グランドGDに接続している
監視回路43では、2つの抵抗Rc、Rdにより構成される抵抗分圧回路が、第1接続線31とマイコンMCとの間に設けられている。前記した電力供給源PSは、一例として、予め決められた電圧、例えば16Vを回路3に供給可能である。抵抗分圧回路は、回路3側の電圧を、マイコンMCで検出可能な電圧に降下させるために設けられている。
以下の説明においては、抵抗を特に区別しない場合には、単純に抵抗Rと表記する。
図1に示すようにマイコンMCは、入出力ポートI/Oと、CPUなどの処理部50と、RAMやROMなどで構成される記憶部60と、を有する。入出力ポートI/Oと、処理部50と、記憶部60は、バス65を介して互いに接続されている。
入出力ポートI/Oには、操作ボタンP(Ph、Pc、Pf、Ps)のオン操作を検知する検知回路41が接続されている。操作ボタンP(Ph、Pc、Pf、Ps)の何れかがオン操作されると、オン操作された操作ボタンP(Ph、Pc、Pf、Ps)に接続する接続線から信号が入力される。
入出力ポートI/Oには、スイッチSW(SWh、SWc、SWf)のベースBが、接続線45を介して接続している。スイッチSW(SWh、SWc、SWf)の何れかをオンさせて駆動する際には、駆動対象のスイッチSWの接続線45に、処理部50で生成されたPWM信号が出力される。
入出力ポートI/Oには、監視回路43の配線25が抵抗Rcを介して接続されている。入出力ポートI/Oには、何れかのスイッチSW(SWh、SWc、SWf)が駆動されている間、抵抗分圧回路(抵抗Rc、Rd)で降圧された電圧が入力される。
入出力ポートI/Oには、電力供給源PSの出力電圧を取得する電圧センサ46が、接続線47を介して接続されている。電圧センサ46は、電力供給源PSの出力電圧を常時モニタしている。
電圧センサ46が検出した電力供給源PSの出力電圧を示す信号が、入出力ポートI/Oを介してマイコンMC(処理部50)に入力される。
処理部50は、記憶部60に記憶されたプログラムで規定された演算処理を実施する。
記憶部60には、処理部50で実施される演算処理のプログラムや、演算処理の過程で生じた情報が記憶される。
前記したように、スイッチSWのオン/オフ制御は、PWM信号のデューティ比Dを調整することによって実施される。
例えば、回路3では、スイッチSWhがオンになると、電力供給源PSから、オンされたスイッチSWhを持つ第2接続線32hのグランドGDに向けて電流が流れる。回路3内を電流がグランドGDに向けて流れると、監視回路43のマイコンMCが検知する電圧値は、電力供給源PSの出力電圧、および回路3の各素子における電圧降下に応じて増減する。
図3は、監視回路43のマイコンMCで検出される電圧値の波形を説明する図である。
具体的には、図2および図3に示すように、スイッチSWをオンするためにHigh信号がスイッチSWに入力されている期間(スイッチSWのオン期間)では、マイコンMCが検出する電圧値Vonは、電圧降下によりLow信号がスイッチSWに入力されている期間(スイッチSWのオフ期間)での電圧値Voffよりも低くなる。
処理部50では、スイッチSWのオン/オフ制御が実施されている間に、回路3における異常の有無を判定する処理(異常判定処理)が実行される。すなわち、スイッチSWのオン/オフ制御に並行して、異常判定処理が実行される。
異常判定処理の実行に際して処理部50では、同じパルス周期TにおけるスイッチSWオンされている間の電圧値Vonと、スイッチSWがオフされている間の電圧値Voffを、それぞれ取得する。
一例として、処理部50は、スイッチSWがオンされている期間の中間点での電圧値を、電圧値Vonとして取得する。さらに、処理部50は、スイッチSWがオフされている期間の中間点での電圧値を電圧値Voffとして取得する。
図3の(A)の場合には、処理部50は、スイッチSWのオンによる電圧低下のタイミングtaから、スイッチSWのオフによる電圧上昇のタイミングtcまで期間における中間点tbでの電圧値を、電圧値Vonとして取得する。
同様に、処理部50は、スイッチSWのオフによる電圧上昇のタイミングtcから、スイッチSWのオンによる電圧の降下のタイミングteまでの期間における中間点tdでの電圧値を、電圧値Voffとして取得する。
スイッチSWのオン/オフの切り替えの直後では、検出される電圧値の振れが大きくなる可能性がある。中間点の電圧値を、電圧値Von、Voffとして取得することで、切り替え直後の電圧値の振れや遅れ等の影響を低減できる。また、中間点の電圧値に代えて、PWM信号の立ち上がり/立下りエッジを基準として、スイッチSWのオン/オフの切り替えに必要な所定時間経過後の電圧値を取得してもよい。
処理部50は、取得した電圧値Von、Voffの平均値V_aveを、スイッチSWのオン/オフ制御時における回路3のフィードバック電圧の平均値として算出する。
図3の(A)の時刻ta~teまでの間のパルス周期の場合、時刻tbの電圧値Voffと、時刻tdの電圧値Vonの平均値が、フィードバック電圧の平均値V_aveとして算出される。
処理部50は、算出した平均値V_aveと、異常判定用の閾値Thとの比較により、回路3における異常の有無を判定する。
図4は、異常のカテゴリー(種類)と閾値との関係を説明する図である。図4では、フィードバック電圧の平均値V_aveと、異常の有無と、異常のカテゴリー(種類)を区別するための各閾値との関係の一例が纏められている。
図5は、閾値テーブルを説明する図である。図5では、電力供給源PSの出力電圧と、異常判定用の各閾値との関係の一例が纏められている。
前記したように、本実施形態では、複数の素子(発光素子L、スイッチSW、抵抗R)が回路3上に設けられている(図1参照)。回路3の各第2接続線32(32h、32c、32f)では、発光素子LとスイッチSWが、それぞれ一つずつ設けられている。第1接続線31における監視回路43との接続点Cn1の上流側に一つの抵抗Raが設けられている。
本実施形態では、複数の素子(発光素子L、スイッチSW、抵抗Ra)における異常の有無を、前記した異常判定処理により確認する。
ここで、判定結果を示すラベルとして「正常」と「異常」が用意されている。
「正常」とは、3つの発光素子Lと、3つのスイッチSWと、1つの抵抗Raの何れにおいても、短絡故障や開放故障が発生していないことを意味する。
「異常」とは、回路上の素子(発光素子L、スイッチSW、抵抗Ra)の何れかに、短絡故障や開放故障が発生していることを意味する。
本実施形態では、どの素子(発光素子L、スイッチSW、抵抗Ra)に同様な故障が生じているのかを区別するために、「異常」のカテゴリーが、「異常1」、「異常2」、「異常3」、「異常4」の4つのカテゴリーに細分化されている。
ここで、短絡故障とは、短絡故障が生じている素子(発光素子L、スイッチSW、抵抗Ra)の上流側と下流側とが電気的に接続された状態となっており、素子(発光素子L、スイッチSW、抵抗Ra)の上流側から下流側に、電流が常に流れ得る状態を意味する。
開放故障とは、開放故障が生じている素子(発光素子L、スイッチSW、抵抗Ra)の上流側から下流側に電流が流れない状態を意味する。
「異常1」は、駆動対象の発光素子と、駆動対象のスイッチの少なくとも一方に開放故障が生じている場合を示すカテゴリーである。
ここで、駆動対象のスイッチとは、PWM信号によるオン/オフ制御が行われているスイッチを意味する。駆動対象の発光素子とは、オン/オフ制御が行われているスイッチに直列に配置された発光素子であって、発光させる対象となっている発光素子を意味する。
「異常2」は、駆動対象の発光素子に短絡故障が生じている場合を示すカテゴリーである。
「異常3」は、スイッチの少なくとも一つに短絡故障が生じている場合を示すカテゴリーである。
「異常4」は、抵抗Raに開放故障が生じている場合を示すカテゴリーである。
本実施形態では、処理部50が、スイッチSWのPWM制御を行っているときに取得したフィードバック電圧の平均値V_aveと、閾値との比較により、異常の有無の判定と、異常がある場合の異常のカテゴリーの特定を、行えるようにしている。
図5に示す閾値テーブルでは、異常の有無と、異常がある場合にカテゴリー(異常1~異常4)を特定するための複数の閾値が予め設定されている。
一例として、閾値テーブルでは、電力供給源PSの基準となる出力電圧V_stdに対して、閾値(第1閾値Th1、第2閾値Th2、第3閾値Th3、第4閾値Th4)が設定されている。
ここで、監視回路43で検出できる電圧値(フィードバック電圧)は、回路3に異常が発生している場合に、正常であるときの電圧値の範囲を外れることになる。
そのため、素子の総てが正常である場合の電圧値の範囲の上側と下側に、正常範囲からの逸脱を判定するための第1閾値Th1(上限の閾値)と、第2閾値Th2(下限の閾値)が設定されている。
第1閾値Th1は、駆動対象のスイッチSWと、このスイッチSWに直列に設けられた発光素子L(駆動対象の発光素子L)における開放故障の有無を確認するための閾値でもある。
例えば、駆動対象のスイッチSWと、駆動対象の発光素子Lのうちの少なくとも一方に開放故障が生じた場合、電力供給源PSからグランドGDまでの経路が繋がらないため、回路3には電流が流れない状態となる。そうすると、発光素子LやスイッチSWを電流が流れることに起因する電圧降下が発生しないため、監視回路43が取得するフィードバック電圧(回路3の電圧値)は、発光素子やスイッチに開放故障が生じていない場合(正常の場合)に比べて高い値となる。
本実施形態では、フィードバック電圧の平均値V_aveが、第1閾値Th1よりも大きい場合(Th1<V_ave)に、マイコンMCの処理部50が、異常のカテゴリーを「異常1」であると認定する。
本実施形態では、発光素子LやスイッチSWの何れにも故障(開放故障、短絡故障)が生じていない場合のフィードバック電圧の上限と、発光素子やスイッチに開放故障が生じている場合のフィードバック電圧の下限とに基づいて、第1閾値Th1を決定している。
具体的には、故障が生じていない場合のフィードバック電圧の上限と、発光素子やスイッチに開放故障が生じている場合のフィードバック電圧の下限との中間値を、第1閾値Th1としている。
ここで、故障が生じていない場合のフィードバック電圧の上限と、発光素子やスイッチに開放故障が生じている場合のフィードバック電圧の下限は、一例として、素子(発光素子L、スイッチSW、抵抗R)のばらつきを考慮した回路モデルを用いてシミュレーションなどにより算出した値である。
第2閾値Th2は、素子が正常であると判定できる下限の閾値であると共に、駆動対象の発光素子Lにおける短絡故障の発生を確認するための閾値である。
駆動対象の発光素子Lが短絡(ショート)すると、この発光素子Lに直列に配置されたスイッチSWをオンにしたときのフィードバック電圧が、短絡が生じていない場合に比べて、発光素子の順方向電圧分だけ低い値となる。それに伴い、平均値V_aveも低い値となる。
このときのフィードバック電圧の低下の程度は、駆動対象のスイッチSWが短絡故障した場合や、駆動対象でないスイッチSWや発光素子Lが短絡故障した場合に比べて小さい。そのため、駆動対象の発光素子が短絡故障したときが、フィードバック電圧の低下が最も少ない。
なお、スイッチSWをオンにしたときのフィードバック電圧とは、短絡が生じた発光素子Lに直列配置されたスイッチに、PWM信号のHighを入力しているときの回路3のフィードバック電圧(電圧値)である。
本実施形態では、フィードバック電圧の平均値V_aveが、第1閾値Th1以下(V_ave≦Th1)、かつ第2閾値Th2以上(Th2≦V_ave)である場合に、マイコンMCの処理部50が、異常が発生していない、すなわち「正常」と判定する。
一方、フィードバック電圧の平均値V_aveが、第2閾値Th2よりも小さい場合(Th2>V_ave)には、何らかの異常が発生していることになる。
第3閾値Th3は、検知された異常が、駆動対象の発光素子Lでの短絡故障(カテゴリーが「異常2」である故障)であるのか、それとも、「異常2」以外のカテゴリーに属する異常(「異常3」)であるのかを判別するための閾値である。
駆動対象のスイッチSWに直列に設けられた発光素子(駆動対象の発光素子L)が短絡故障すると、駆動対象のスイッチSWをオンにしたとき(PWM信号がHighの時)のフィードバック電圧が、短絡故障が生じていない場合に比べて、発光素子の順方向電圧分だけ低い値となる。
図3に示すように、駆動対象の発光素子Lに短絡故障が生じていない場合(図3の(A)参照)に比べて、短絡故障が生じている場合(図3の(B)参照)のほうが、スイッチSWをオンにした時の電圧値Vonの低下の程度が、△V分だけ小さい。
これに対して、「異常3」のカテゴリーに属する故障の場合には、スイッチSWをオンにした時の電圧値Vonに対する影響と、スイッチSWをオフにしたときの電圧値Voffに対する影響は、略同じとなる。そのため、フィードバック電圧の低下の程度は、駆動対象の発光素子Lに短絡故障した場合(異常2)のほうが、駆動対象のスイッチSWが短絡故障した場合や、駆動対象でないスイッチSWが短絡故障した場合(異常3)に比べて小さい。
言い換えると、「異常2」のカテゴリーに属する異常のほうが、「異常3」のカテゴリーに属する異常よりもフィードバック電圧の低下の程度が小さい。
本実施形態では、フィードバック電圧の平均値V_aveが、第2閾値Th2よりも小さく(V_ave<Th2)、かつ第3閾値Th3以上(Th3≦V_ave<Th2)である場合に、マイコンMCの処理部50が、異常のカテゴリーを「異常2」であると認定する。
ここで、駆動対象であるスイッチSWが短絡故障した場合のフィードバック電圧の低下の程度が最も小さい。そして、駆動対象でないスイッチSWの短絡故障の箇所が増えるにつれて、フィードバック電圧の低下の程度が大きくなる。
そのため、本実施形態では、駆動対象の発光素子Lでの短絡故障が発生した時のフィードバック電圧と、駆動対象のスイッチSWが短絡故障したときのフィードバック電圧との中間値を、第3閾値Th3としている。
なお、中間値の算出に用いた電圧値は、素子(発光素子L、スイッチSW、抵抗R)のばらつきを考慮した回路モデルを用いたシミュレーションなどにより算出した値である。
第4閾値Th4は、検知された異常が、監視回路43における上流側の抵抗Raの開放故障(カテゴリーが「異常4」である故障)であるのか、それとも、スイッチSWの少なくとも一つの短絡故障(カテゴリーが「異常3」である故障)であるのかを判別するための閾値である。
第1接続線31上の抵抗Raに開放故障が生じていると、電力供給源PSから監視回路43までの経路が繋がらない。かかる場合、監視回路43が検出するフィードバック電圧は、駆動対象のスイッチSWのオン/オフに関わらず、0Vに近い低い値となる。
このときのフィードバック電圧は、駆動対象でない複数のスイッチの総てが短絡しているときの電圧値よりも低い値となる。
本実施形態では、駆動対象でない複数のスイッチの総てが短絡しているときの電圧値よりも低い値であって、0Vよりも高い値を、第4閾値Th4として設定している。
一例として本実施形態では、駆動対象でない複数のスイッチの総てが短絡しているときのフィードバック電圧値と、0Vの中間値を、第4閾値Th4として設定している。
そのため、フィードバック電圧の平均値V_aveが、第4閾値Th4よりも小さい(V_ave<Th4)場合に、マイコンMCの処理部50が、異常のカテゴリーを「異常4」であると認定する。
そして、フィードバック電圧の平均値V_aveが、第3閾値Th3よりも小さく(V_ave<Th2)、かつ第4閾値Th4以上(Th4≦V_ave<Th3)である場合に、マイコンMCの処理部50が、異常のカテゴリーを「異常3」であると認定する。
ここで、電力供給源PSの出力電圧は、電力供給源PSから駆動用電力が供給される負荷の総数や、各負荷における電力消費量によって、基準となる出力電圧から振れる場合がある。
そのため、本実施形態では、上記した閾値Th1からTh4が、出力電圧の変動幅を考慮した異なる電圧値毎に用意されている。
図5に示す閾値テーブルでは、基準となる出力電圧V_stdを中心として、±1.0ボルトの範囲内での振れに対応する閾値を0.5ボルト刻みで用意している。
この閾値テーブルでは、基準となる出力電圧V_stdから0.5ボルト刻みで、プラス側に0.5ボルト、1.0ボルト触れた場合と、マイナス側に0.5ボルト、1.0ボルト触れた場合に対応する閾値(第1閾値Th1±a、Th1±b、第2閾値Th2±a、Th2±b、第3閾値Th3±a、Th3±b、第4閾値Th4±a、Th4±b)が規定されている。
この閾値テーブルで規定された各閾値の値は、素子(発光素子L、スイッチSW、抵抗R)のばらつきを考慮した回路モデルを用いたシミュレーションなどにより算出した値に基づき設定された値である。
図6は、処理部50が実施する通常処理のフローチャートである。
以下、エアーコンディショナーの動作モードの操作ボタンP(Ph、Pc、Pf、Ps)を備えるスイッチ装置1において、動作モードとして「冷房」を選択する操作ボタンScがオンされた場合を例に挙げて、処理部50で実施される通常処理と、異常判定処理を説明する。
エアーコンディショナーを動作させるための何れかの操作ボタンがオンされると(ステップS101、Yes)、処理部50は、オン操作された操作ボタンに対応するスイッチのPWM制御を開始する(ステップS102)。
「冷房」を指定する操作ボタンPcがオンされた場合には、この操作ボタンPcに対応するスイッチSWcのベースBに、処理部50から制御信号が入力される。前記したように、制御信号は、予め決められたパルス周期T内で、High信号とLow信号が設定されたデューティ比Dで変動するPWM信号である(図2参照)。
スイッチSWcがオンされると、電力供給源PS(直流電源)とグランドGDとが、スイッチSWcが設けられた第2接続線32cを介して接続される(図1参照)。これにより、電力供給源PSから第2接続線32cのグランドGDに向けて電流が流れて、スイッチSWcに対して直列に設けられた発光素子Lcが、デューティ比Dに応じた発光量で発光することになる。
スイッチのPWM制御(ステップS102)が開始されると、回路3における異常の有無を検出するための異常検出処理が実施される(ステップS103)。
図7は、処理部50が実施する異常判定処理のフローチャートである。
異常判定処理では、監視回路43の処理部50が、スイッチSWがオンである期間におけるフィードバック電圧V_onを取得する(ステップS201)。
ここで、スイッチSWがHigh信号の入力でオンする仕様の場合、スイッチSWがオンである期間は、スイッチSWに入力されるPWM信号がHighである期間に相当する(図2参照)。
また、フィードバック電圧V_onは、スイッチSWがオンである期間の中間点において、監視回路43(処理部50)が取得した電圧値である。
例えば、図3の(A)の場合には、スイッチSWのオンによる電圧下降のタイミングtaから、スイッチのオフによる電圧上昇のタイミングtcまでの期間における中間点tbでの電圧値が、電圧値Vonとして取得される。
続いて、処理部50が、スイッチSWがオフである期間におけるフィードバック電圧V_offを取得する(ステップS202)。
ここで、スイッチSWがLow信号の入力でオフする仕様の場合、スイッチSWがオフである期間は、スイッチSWに入力されるPWM信号がLowである期間に相当する。ここで、フィードバック電圧V_offは、スイッチSWがオフである期間の中間点において、監視回路43が取得した電圧値である。
例えば、図3の(A)の場合には、スイッチSWのオフによる電圧上昇のタイミングtcから、スイッチのオンによる電圧降下のタイミングteまでの期間における中間点tdでの電圧値が、電圧値Voffとして取得される。
続いて、処理部50は、スイッチSWがオンである期間におけるフィードバック電圧V_onと、スイッチSWがオフである期間におけるフィードバック電圧V_offとの平均値V_aveを算出する(ステップS203)。
続いて、制御部は、フィードバック電圧の平均値V_aveと、第1閾値Th1とを比較する(ステップS204)。
平均値V_aveが、第1閾値Th1よりも大きい(V_ave>Th1)場合(ステップS204、Yes)、ステップS205の処理に移行する。この場合には、回路3に「異常1」に帰属される異常があることになるので、ステップS205では、処理部50が、「異常1」の場合に対して決められた異常時処理を実施する。
具体的には、処理部50が、マイコンMCが接続された外部の制御装置や機器に、「異常1」に帰属される異常が生じていることを示す信号を出力する。処理部50が、点灯可能な総ての発光素子を点灯状態にさせて、異常の発生を視覚的に把握させるための処理などが実施される。
一方、平均値V_aveが第1閾値Th1以下(Th1≧V_ave)である場合(ステップS204、No)、ステップS206の処理に移行する。ステップS206では、処理部50が、フィードバック電圧の平均値V_aveと、第2閾値Th2とを比較する。
平均値V_aveが、第2閾値Th2以上(Th2≦V_ave)である場合(ステップS206、Yes)、平均値V_aveは、第1閾値Th1以下、第2閾値Th2以上の値であり、フィードバック電圧の平均値V_aveは、正常と見なすことができる電圧範囲内に収まっていることになる。
かかる場合、回路3に異常がないことになるので、ステップS207において、「正常」と判定された場合の処理(正常時処理)が実施される。
一例として、正常時処理では、マイコンMCが接続された外部の制御装置や機器に、回路3が「正常」であることを示す出力する。なお、このステップS207の処理は省略しても良い。
一方、平均値V_aveが、第2閾値Th2よりも小さい(V_ave<Th2)場合(ステップS206、No)、ステップS208の処理に移行して、処理部50が、フィードバック電圧の平均値V_aveと、第3閾値Th3とを比較する。
平均値V_aveが、第3閾値Th3以上である(V_ave≧Th3)場合(ステップS208、Yes)、ステップS209の処理に移行する。この場合には、回路3に「異常2」に帰属される異常があることになるので、ステップS209では、処理部50が、「異常2」の場合に対して決められた異常時処理を実施する。
一方、平均値V_aveが、第3閾値Th3よりも小さい(V_ave<Th3)場合(ステップS208、No)には、ステップS210の処理に移行する。
ステップS210では、処理部50が、フィードバック電圧の平均値V_aveと、第4閾値Th4とを比較する。
平均値V_aveが、第4閾値Th4以上である(V_ave≧Th4)場合(ステップS210、Yes)、ステップS211の処理に移行する。この場合には、回路3に「異常3」に帰属される異常があることになるので、ステップS211では、処理部50が、「異常3」の場合に対して決められた異常時処理を実施する。
一方、平均値V_aveが、第4閾値Th4よりも小さい(V_ave<Th4)場合(ステップS210、No)、ステップS212の処理に移行する。この場合には、回路3に「異常4」に帰属される異常があることになるので、ステップS212では、処理部50が、「異常4」の場合に対して決められた異常時処理を実施する。
ステップS205、S207、S209、S211、S212の何れかの処理が実施されると、異常判定処理を終了して、図2におけるステップS104の処理に移行する。
図6のフローチャートに戻って、ステップS104では、処理部50が、他の操作ボタンの操作の有無を確認する。他の操作ボタンが操作されていない場合(ステップS104、No)。エアーコンディショナーの動作モードにおける冷房モードの選択が継続していることになる。
かかる場合には、ステップS103の処理に移行して、前記した異常検出処理が実行される。そのため、他の操作ボタンが操作されるまでの間は、異常判定処理が繰り返し実施されることになる。
そして、他の操作ボタンが操作されると(ステップS104、Yes)、ステップS105において処理部50が、操作された操作ボタンが、動作停止用の操作ボタンPsであるか否かを確認する。動作停止用の操作ボタンPsである場合、スイッチSWのPWM制御を終了する(ステップS106)。これにより、エアーコンディショナーの運転動作が終了することになる。
動作停止用の操作ボタンPsでない他の操作ボタンが操作された場合(ステップS105、No)、ステップS102の処理に移行する。これにより、新たに操作された他の操作ボタンに対応するスイッチSWのベースBに、マイコンMC(処理部50)から制御信号(PWM信号)が入力される。
例えば、新たに操作された他の操作ボタンが、「送風」に対応する操作ボタンPfである場合には、スイッチSWfのベースBに制御信号が入力されて、スイッチSWfのPWM制御が実施されることになる。
このように、監視回路43を用いて、制御対象のスイッチSWがオンのときの電圧値Vonと、制御対象のスイッチSWがオフのときの電圧値Voffから、フィードバック電圧の平均値V_aveを算出する。そして、算出した平均値V_aveと、閾値Th1、Th2、Th3、Th4との比較により、回路3における異常の有無の判定を行える。そして、異常がある場合には、異常のカテゴリーの認定が行われる。
スイッチSWのオン/オフ制御(スイッチング制御)により発光素子の駆動を制御する場合、回路3を流れる電流の量(電流値)が、オン/オフ比に応じて変動する。そのため、電流値に基づき異常の有無を検出する場合には、電流値が低い場合にも対応できるようにするために増幅回路が必要となる。
上記のように、電圧の場合、スイッチSWがオンのときと、オフのときで、電圧値が異なるものの、電流値の場合よりも負荷の駆動の影響を受け難い。これにより、異常の有無を適切に検出できる。
なお、スイッチSWがオフの時の電圧値だけを見ると、「異常2」「異常3」との区別をつけることができない。本実施形態では、制御対象のスイッチSWがオンのときの電圧値Vonと、制御対象のスイッチSWがオフのときの電圧値Voffの両方を用いることで、「異常2」と「異常3」との区別をつけることができる。すなわち、本実施形態では、二つの電圧値Von、Voffの両方に基づく平均値V_aveを用いているので、異常のカテゴリーを細分化して認定できるようにしている。
[変形例1]
図8は、変形例にかかる異常判定処理のフローチャートである。
変形例1にかかる異常判定処理では、電力供給源PSの実際の出力電圧に応じて、異常判定用の閾値Th1~Th4を変更するという点において、図7に示した異常判定処理と相違する。
そのため、変形例1にかかる異常判定処理では、フィードバック電圧の平均値V_aveを算出するステップS303と、平均値V_aveと第1閾値とを比較するステップS306との間に、電力供給源PSの実際の出力電圧を取得するステップS304と、取得した実際の出力電圧に基づいて閾値(第1閾値~第4閾値)を決定するステップS305を有している。
変形例1にかかる異常判定処理のステップS301~S303、S306~S314は、それぞれ、図7に示した異常判定処理のステップS201~S203、S204~212と同じ処理であるので、ここでは、ステップS304、S305について具体的に説明する。
前記したようにマイコンの入出力ポートI/Oには、電力供給源PSの実際の出力電圧を示す信号が、電圧センサ46から連続的に入力されている。
そのため、ステップS303において、フィードバック電圧の平均値V_aveが算出されると、処理部50が、電圧センサ46から入力される信号に基づいて、現時点における電力供給源PSの実際の出力電圧を取得する(ステップS304)。
続いて、処理部50は、閾値テーブル(図5)を参照して、現時点の出力電圧から、閾値(第1閾値~第4閾値)を決定する。
例えば、現時点の出力電圧が、電力供給源PSの基準となる出力電圧V_stdよりも、マイナス側に0.5V低い場合には、処理部50は、閾値Th1-a、閾値Th2-a、閾値Th4-a、閾値Th4-aを、それぞれ、回路3の異常の有無を判定するための閾値(第1閾値、第2閾値、第3閾値、第4閾値)として決定する。
前記したように、電力供給源PSの出力電圧は、電力供給源PSから駆動用電力が供給される負荷の総数や、各負荷における電力消費量によって、基準となる出力電圧から振れる場合がある。
電力供給源PSの出力電圧が、基準となる出力電圧から振れると、監視回路43(マイコンMC)で検出するフィードバック電圧にも、出力電圧の振れの影響が及ぶ。
上記したように、出力電圧の振れの影響を抑えるための調整用の閾値を、シミュレーションなどにより決定しておき、調整用の閾値を、閾値テーブルにおいて、振れの程度と関係づけて規定しておく。これにより、実際の出力電圧に基づき閾値テーブルを参照することで、その時点で最適の閾値を選択できる。
これにより、異常の有無の判定と、異常が発生した場合の以上のカテゴリー分けをより適切に行えるようになる。
前記した実施形態および変形例のスイッチ装置1では、監視回路43が、第1接続線31とマイコンMC(制御装置)とを繋ぐ配線25と、配線25上に設けられた抵抗分圧回路(抵抗Rc、Rd)と、一対の抵抗Ra、Rb(Rbh、Rbc、Rbf)と、を含んで構成される。
すなわち、監視回路43としての機能を、一括して作成した集積回路ではなく、単体素子(抵抗R、スイッチSW、発光素子L)の組み合わせにより実現した。
これらの単体素子、その中でも抵抗Ra、Rb、Rc、Rdは、設置に必要な面積が小さく、かつプリント基板上の任意の位置に分散して配置することができる。
よって、監視回路43の構成要素は、プリント基板上の空いたスペースに分散して配置することができ、監視回路43を、ディスクリート回路として設けることができる。すなわち、プリント基板上の設置の自由度が向上する。
集積回路の場合には、設置に必要な面積が大きいので、プリント基板や、スイッチ装置1が大型化する可能性がある。上記の通り、監視回路43を、ディスクリート回路として設けることができるので、プリント基板やスイッチ装置1の大型化を抑制できる。
さらに、監視回路43により電圧を検知する構成としたので、電流を検知する場合のように、シャント抵抗やオペアンプを必要としない。そのため、電流を検知する場合には、回路規模が大きくなってしまう。上記の通り、電圧を検知する構成とし、ディスクリート回路で監視回路43を実現したので、回路規模の拡大を抑制しつつ、回路3の異常の有無の判定を行うことができる。
単体素子(抵抗R、スイッチSW、発光素子L)は、部品単価が、集積回路よりも安いので、スイッチ装置1の作成コストの低減が期待できる。
前記した実施形態および変形例では、スイッチSWがオンの期間の中間点における電圧値Vonと、スイッチSWがオフの期間の中間点における電圧値Voffから、フィードバック電圧値の平均値V_aveを算出する場合を例示した。
スイッチSWがオンの期間の電圧値を加算した値と、スイッチSWがオフの期間の電圧値を加算した値から、フィードバック電圧値の平均値V_aveを算出しても良い。すなわち、図3の(A)の場合には、時刻taから時刻tcまでの間に取得された電圧値Vonの合計値と、時刻tcから時刻teまでの間に取得された電圧値Voffの合計値から、フィードバック電圧値の平均値V_aveを算出しても良い。
また、パルス周期T毎にフィードバック電圧値の平均値V_aveを算出して合算し、合算した値を、パルス周期Tの総数で除算した値を、フィードバック電圧の平均値V_aveとしても良い。
なお、スイッチSWがオンの期間の電圧値とスイッチSWがオフの期間の電圧値双方を用いることができれば、フィードバック電圧値の平均値V_aveのみに限定されない。
例えば、平均値V_aveに代え、スイッチSWがオンの期間の電圧値とスイッチSWがオフの期間の電圧値との加算値(合計値)V_totalを閾値との比較に用いてもよい。また、スイッチSWがオンの期間の電圧値とスイッチSWがオフの期間の電圧値との比を閾値との比較に用いてもよい。
また、スイッチSWがオンの期間の電圧値と、スイッチSWがオフの期間の電圧値それぞれを、個別に閾値と比較してもよい。例えば、スイッチSWがオンの期間の電圧値を用いて異常1,2,4のいずれかが発生していると仮判定し、スイッチSWがオフの期間の電圧値を用いて異常3,4のいずれかが発生していると仮判定する。これら仮判定の組み合わせで最終的な異常内容を特定することもできる。
[変形例2]
前記した変形例1では、電力供給源PSの実際の出力電圧に基づき、閾値を変更する場合を例示した。電力供給源PSの実際の出力電圧に基づき、駆動対象のスイッチSWの制御信号のデューティ比を変更するようにしても良い。
例えば、電力供給源PSの出力電圧が低くなるにつれて、デューティ比が、スイッチSWのオン期間が長くなる高い値に設定されるようにしても良い。
例えば、電力供給源の出力電圧が低下した場合、出力電圧の低下の程度によっては、LED素子に供給される電流量が低下して、LED素子の輝度が低下する可能性がある。出力電圧の低下の程度に応じて、スイッチのオン期間が長くなるようにデューティ比を調整することで、輝度の変動を抑制できる。
[変形例3]
前記した変形例2の場合において、電力供給源PSの出力電圧の変動に追従してデューティ比を変化させると、出力電圧の変動幅が大きい場合、デューティ比の変化幅も大きくなる。
そうすると、例えば駆動対象のスイッチSWのオン期間が急に短くなった場合には、発光素子Lの発光量が急激に低下し、駆動対象のスイッチSWのオン期間が急に長くなった場合には、発光素子Lの発光量が急激に上昇する。
そこで、電力供給源PSの出力電圧の変化量ΔVが、予め決めた閾値Thxよりも大きい場合、現時点のデューティ比から、変化後の出力電圧に対応するデューティ比まで、段階的にデューティ比が変化するようにしても良い。
ここで、電力供給源PSの出力電圧が、AボルトからBボルトまで低下して、出力電圧の変化量ΔV(B-A)が閾値Thx以上(ΔV≧Thx)であった場合を例に挙げて説明する。
この場合、デューティ比を段階的に変化させない場合には、出力電圧がAボルトであるときのデューティ比D_Aを、出力電圧がBボルトであるときのデューティ比D_Bに速やかに変更することになる。
これに対して、デューティ比を段階的に変化させる場合には、変化量ΔVを抑制するフィルタFxを用いると共に、フィルタFxが徐々にゼロ(=0)になるように設定することで、デューティ比Dが、出力電圧の変化後のデューティ比に向けて徐々に変化するようにする。
具体的には、電力供給源PSの出力電圧が変化した直後のフィルタFxの値を、変化量ΔFを抑制する方向の最大値に設定して、デューティ比Dの決定に用いる変化量ΔVが小さい値となるようにする。そして、予め決定された時間間隔でデューティ比の再設定を実行し、デューティ比を再設定する度に、フィルタFxの値をゼロ(=0)に近づくように予め決められた傾きで変更する。
これにより、デューティ比Dが、出力電圧がAボルトであるときのデューティ比D_Aを、出力電圧がBボルトであるときのデューティ比D_Bに徐々に変更することができるので、発光素子の発光量の急激な変化を抑制できる。
前記した実施形態および変形例では、PWM信号がHighのときにスイッチSWがオンになり、PWM信号がLowのときにスイッチSWがオフになる場合を例示した。PWM信号がLowのときにスイッチSWがオンになり、PWM信号がHighのときにスイッチSWがオフになる仕様のスイッチであっても良い。
前記した実施形態および変形例では、負荷がLEDである場合を例示した。本発明における負荷は、発光素子のみに限定されない。負荷は、一定の電気抵抗値を得る目的で使用される電子部品である抵抗素子、ソレノイド、ヒータ用の電熱線などであっても良い。
そのため、本明細書における用語「駆動用電力の供給」は、負荷が「ヒータ線」である場合には、ヒータ線に電力を供給することを意味する。負荷が「抵抗素子」である場合には、抵抗素子に電力を供給することを意味する。負荷が「発光素子」である場合には、発光素子に電力を供給することを意味する。
また、前記した実施形態および変形例では、エアーコンディショナーへの適用例を示したがこれに限られない。負荷を有する他の機器、例えばシフトボタン等への適用も可能である。
前記した実施形態および変形例では、各第2接続線32(32h、32c、32f)において、発光素子L(Lh、Lc、Lf)のほうが、スイッチSW(SWh、SWc、SWf)よりも、第1接続線31側に位置している場合を例示した。スイッチSW(SWh、SWc、SWf)のほうが、発光素子L(Lh、Lc、Lf)よりも、第1接続線31側に位置していても良い。
また、監視回路43が、第1接続線31に接続されている場合を例示した。第2接続線32(32h、32c、32f)の各々に、監視回路43を接続しても良い。
前記した実施形態および変形例では、処理部50が、回路3における異常の有無の判断と、異常がある場合に、異常の種類の特定までを行う場合を例示した。
処理部50は、判断と異常の種類の特定を行わずに、入出力ポートI/Oを介して接続された外部の処理装置(制御装置)に、フィードバック電圧の平均値V_aveと、閾値Th(第1閾値Th1、第2閾値Th2、第3閾値Th3、第4閾値Th4)との比較結果を出力してもよい。この場合には、外部の処理装置(制御装置)において、回路3における異常の有無の判断と、異常がある場合に、異常の種類の特定までを行うことになる。この外部の処理装置は、同じプリント基板上に設けられている必要は無く、有線または無線などを介してマイコンMCと情報交換可能な装置であれば良い。
以上の通り、実施形態に係るスイッチ装置1(負荷駆動装置)は、以下の構成を有している。
(1)スイッチ装置1は、
駆動信号に基づいてオン/オフ制御されるスイッチSW(駆動用スイッチ)と、
スイッチSWに直列に接続された発光素子Lと、
発光素子L(負荷)の駆動用電力を供給する電力供給源PS(駆動用電源)と、スイッチSWとの間の任意の箇所の電圧を取得する監視回路43と、を有する。
監視回路43により、駆動対象のスイッチSWがオンのときに取得した電圧値Vonと、駆動対象のスイッチSWがオフのときに取得した電圧と、に基づいて、スイッチSWと発光素子Lのうちの少なくとも一方における異常を検出する異常の検出処理を実施する。
スイッチSWのオン/オフ制御(スイッチング制御)により発光素子の駆動を制御する場合、回路3を流れる電流の量(電流値)が、オン/オフ比に応じて変動する。そのため、電流値に基づき異常の有無を検出する場合には、電流値が低い場合にも対応できるようにするために増幅回路が必要となる。
上記のように、電圧を用いて異常の有無を検出する場合、スイッチSWがオンのときと、オフのときで、電圧値が異なるものの、電流値の場合よりも負荷の駆動の影響を受け難い。これにより、異常の有無を適切に検出できる。
(2)上記の(1)において、
スイッチ装置1の回路3は、電力供給源PSに接続する第1接続線31と、発光素子LとスイッチSWが直列に並んだ第2接続線32(32h、32c、32f)と、を有する。
第1接続線31には、複数の第2接続線32(32h、32c、32f)が並列に接続されている。
監視回路43は、複数あるスイッチSW(SWh、SEc、SWf)のうちの1つのスイッチSWのオン/オフ制御を行っている間での電圧値に基づき、異常の検出処理を実施する。
監視回路43で検出される電圧は、異常が生じている素子(発光素子L、スイッチSW、抵抗Ra)の場所や、異常が生じている素子(発光素子L、スイッチSW、抵抗Ra)の数に応じて異なる値となる。
よって、異常の有無の判定と、異常がある場合のカテゴリー分けに用いるための閾値を、異常が生じている素子の場所や、異常が生じている素子の総数応じて複数用意しておくことで、異常の発生の有無と、どのような異常であるのかを示す異常のカテゴリーの特定を適切に行うことができる。
特に、複数の第2接続線32(32h、32c、32f)が、第1接続線31に並列に接続されているので、複数あるスイッチSWのうちの1つのスイッチのオン/オフ制御を行っている間での電圧値に基づき、総ての第2接続線32(32h、32c、32f)上の発光素子LとスイッチSWにおける異常の有無を検出できる。
(3)上記の(1)または(2)において、
異常の検出処理では、(a)取得した電圧の平均値V_aveと閾値Th1~Th4との比較、または(b)取得した電圧の加算値V_totalと閾値Th1~Th4の比較が実施される。
取得した電圧の平均値V_aveは、スイッチSWがオンのときに取得した電圧値Vonと、スイッチSWがオフのときに取得した電圧値Voffを平均した値である。
取得した電圧の加算値V_totalは、スイッチSWがオンのときに取得した電圧値Vonと、スイッチSwがオフのときに取得した電圧値Voffを加算した値である。
例えば、回路3上の素子(スイッチSW、発光素子L)に開放故障が生じているときには、スイッチがオンのときに取得した電圧値Vonが高くなり、素子(スイッチSW、発光素子L)に短絡故障が生じているときには、スイッチがオフのときに取得した電圧値Voffが低くなる。
そして、回路3のどの素子(スイッチSW、発光素子L、抵抗Ra)にどのような異常が生じているのかにより、取得される電圧値が異なる値となる。
そのため、VonおよびVoffの双方に基づく平均値V_ave等の値と異常のカテゴリーを特定するための閾値ともなる閾値Th1、Th2、Th3、Th4との比較により、回路3に発生した異常が、どの素子において、どのような異常が生じているのかを特定できる。
(4)上記の(1)から(3)の何れか一において、
電力供給源PSの出力電圧は、バッテリ電圧、またはバッテリ電圧に連動して変動する電圧である。閾値は、出力電圧に応じて変更される。
出力電圧に応じて、閾値を変更することで、出力電圧の変動による影響を抑えつつ、異常の有無の判断精度を向上させることができる。
(5)上記の(1)から(4)の何れか一において、
駆動信号は、監視回路43が備えるマイコンMC(制御装置)が出力するPWM信号である。
負荷である発光素子Lは、PWM信号のデューティ比に応じて発光量が変化する。
上記のように構成すると、発光素子Lの発光量に応じて回路3を流れる電流の量(電流値)が変動するものの、異常の有無を、発光素子Lの発光量に応じた影響が略ない電圧に基づき検出するので、異常の有無を適切に検出できる。
(6)上記の(4)において、
PWM信号のデューティ比は、0%よりも大きい下限値と、100%よりも小さい上限値との間、好ましくは5%と95%の間で、で設定される。
このように構成すると、下限値と上限値を、電圧値の取得に必要な最小限の期間に基づき設定することで、スイッチがオンされている場合と、スイッチがオフされている場合の何れにおいても、異常の有無の判断に用いる電圧値を適切に取得できる。
ここで、デューティ比Dが、0%や100%に近づきすぎると、監視回路43(マイコンMC)でのフィードバック電圧の取得精度、スイッチSWの応答が間に合わないといった影響が及ぶ可能性がある。よって、5%以上の下限値と、95%以下の上限値の間で、デューティ比Dを設定することで、スイッチSWを確実にオン/オフ制御しつつ、スイッチSWがオンのときの電圧値Vonと、スイッチSWがオフのときの電圧値Voffを、精度良く取得できる。ひいては、デューティ比Dを大きく変更しても、異常の有無の判断に必要な電圧値VonおよびVoffの双方を確実に取得できるので、異常の有無の判断機会を確保できる。
(7)上記の(5)または(6)において、
電力供給源PSの出力電圧が低くなるにつれて、デューティ比が、スイッチSWのオン期間が長くなる高い値に設定される。
例えば、電力供給源の出力電圧が低下した場合、出力電圧の低下の程度によっては、LED素子に供給される電流量が低下して、LED素子の輝度が低下する可能性がある。
上記のように、出力電圧の低下の程度に応じて、スイッチのオン期間が長くなるようにデューティ比を調整することで、輝度の変動を抑制できる。
上記のように構成すると、電力供給源の出力電圧の急激な変動が生じた場合にも、発光素子の輝度の変動を抑制できる。
(8)上記の(1)から(7)の何れか一において、
第2接続線32(32h、32c、32f)は、択一的にオンされる操作ボタンPと同数設けられている。
例えば、エアーコンディショナーの動作モードの切り替えに用いられるスイッチ装置1は、
暖房、冷房、送風などを、択一的に選択される動作モードとして備えている。
第2接続線32(32h、32c、32f)の負荷が発光素子Lである場合、発光素子Lは、択一的に選択されている動作モード(「暖房」、「冷房」、「送風」)を特定するために点灯される。そして、スイッチSWは、発光素子Lを点灯するために、操作ボタンPのオン操作に連動して、監視回路43のマイコンMC(処理部50)から駆動信号が入力されてオンされる。
そのため、スイッチSWや発光素子Lに異常が生じた場合に、異常の発生を速やかに検知して、異常の内容を特定できることが好ましい。上記のスイッチ装置1は、上記の操作ボタンPのうちの何れかが択一的にオンされている。オンされている操作ボタンPに対応するスイッチSWのオン/オフ時のフィードバック電圧を検出することで、複数あるスイッチSWと、複数ある発光素子Lの何れにおいて異常が生じているのかを速やかに特定できる。
(9)上記の(1)から(9)の何れか一において、
第1接続線31では、第2接続線32(32h、32c、32f)との接続点Cnと、電力供給源PSとの間に、監視回路43の配線25が接続されている。
このように構成すると、どの第2接続線32(32h、32c、32f)のスイッチSWがオン/オフ駆動されている場合であっても、総ての第2接続線32(32h、32c、32f)に設けられたスイッチSWや発光素子Lにおける異常を検出できる。
(10)上記の(9)において、
回路3では、第1接続線31と第2接続線32(32h、32c、32f)との接続点Cnの上流側と下流側に、抵抗Ra、Rb(Rbh、Rbc、Rbf)がそれぞれ設けられている。
回路3では、接続点Cnの上流側の抵抗Raと、接続点Cnとの間に、
監視回路が接続されている。
このように構成すると、接続点Cnの上流側の抵抗Raと、下流側の抵抗Rb(Rbh、Rbc、Rbf)との間に、監視回路43の配線25が接続される。これにより、マイコンMCを有する監視回路43で、スイッチSWのオン/オフ時の電圧を検出することで、総ての第2接続線32(32h、32c、32f)に設けられたスイッチSWや発光素子L、抵抗Raにおける異常を検出できる。
以上、本発明の実施形態および変形例を説明したが、本発明は、これらのものに限定されるものではなく、発明の技術的な思想の範囲内で適宜変更可能である。
1 :スイッチ装置(負荷駆動装置)
25 :配線
3 :回路
31 :第1接続線
32(32c、32f、32h) :第2接続線
41 :検知回路
42 :点灯制御回路
43 :監視回路
45、47 :接続線
46 :電圧センサ
50 :処理部
60 :記憶部
Cn、Cn1 :接続点
L(Lc、Lf、Lh) :発光素子
SW(SWc、SWf、SWh) :スイッチ(駆動用スイッチ)
P(Pc、Pf、Ph) :操作ボタン
MC :マイコン
PS :電力供給源(駆動用電源)
V_ave :フィードバック電圧の平均値
V_off :電圧(スイッチがオフの時の電圧)
V_on :電圧(スイッチがオンの時の電圧)
V_std :基準となる出力電圧

Claims (10)

  1. 駆動信号に基づいてオン/オフ制御される駆動用スイッチと、
    前記駆動用スイッチに直列に接続された負荷と、
    前記負荷の駆動用電力を供給する電力供給源と、前記駆動用スイッチとの間の任意の箇所の電圧を取得する監視回路と、を有し、
    前記監視回路により、
    前記駆動用スイッチがオンのときに取得した電圧と、前記駆動用スイッチがオフのときに取得した電圧と、に基づいて、前記駆動用スイッチと前記負荷のうちの少なくとも一方における異常を検出する、負荷駆動装置。
  2. 請求項1おいて、
    前記電力供給源に接続する第1接続線と、
    前記負荷と前記駆動用スイッチが直列に並んだ第2接続線と、を有し、
    前記第1接続線には、複数の前記第2接続線が並列に接続されており、
    前記監視回路は、
    複数ある駆動用スイッチのうちの1つの駆動用スイッチのオン/オフ制御を行っている間での電圧値に基づき、前記異常を検出する、負荷駆動装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記異常の検出は、取得した電圧の平均値と閾値との比較、または取得した電圧の加算値と閾値との比較により実施され、
    前記電圧の平均値は、前記駆動用スイッチがオンのときに取得した電圧と、前記駆動用スイッチがオフのときに取得した電圧を平均した値であり、
    前記電圧の加算値は、前記駆動用スイッチがオンのときに取得した電圧と、前記駆動用スイッチがオフのときに取得した電圧を加算した値である、負荷駆動装置。
  4. 請求項3において、
    前記電力供給源の出力電圧は、バッテリ電圧、または前記バッテリ電圧に連動して変動する電圧であり、前記閾値は、前記出力電圧に応じて変更される、負荷駆動装置。
  5. 請求項4において、
    前記駆動信号は、PWM信号であり、
    前記負荷は、前記PWM信号のデューティ比に応じて発光量が変化するLED素子を含む、負荷駆動装置。
  6. 請求項5において、
    前記PWM信号のデューティ比は、0%よりも大きい下限値と、100%よりも小さい上限値との間で設定される、負荷駆動装置。
  7. 請求項6において、
    前記電力供給源の出力電圧が低くなるにつれて、前記デューティ比が、前記駆動用スイッチのオン期間が長くなる高い値に設定される、負荷駆動装置。
  8. 請求項2において、
    前記第2接続線は、択一的にオンされる操作ボタンと同数設けられている、負荷駆動装置。
  9. 請求項2または請求項8において、
    前記第1接続線では、前記第2接続線との接続点と、前記電力供給源との間に、前記監視回路が接続されている、負荷駆動装置。
  10. 請求項9において、
    前記第1接続線と前記第2接続線との接続点を間に挟んだ一方側と他方側に、抵抗が設けられており、
    前記監視回路の処理装置は、前記第1接続線における前記抵抗と前記接続点との間に接続されている、負荷駆動装置。


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