JP7519118B2 - サウナシステム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1(特開2015-524692号公報)には、サウナ室内の空気を循環させる循環空気送風装置と、空気を加熱する加熱装置と、空気を加湿する加湿装置とを備えるミストサウナ装置が開示されている。
しかしながら、特許文献2の構成であっても、結露を完全になくすことはできず、結露により天井や壁面に傷みが発生するという課題があった。
このため、サウナ室内の空気を循環させようとする場合において、省電力で空気の循環を行いたいという課題もあった。
この構成を採用することによって、サウナ室内で蒸気が上下方向に(すなわち、天井と床との間を往復して)循環されるため、サウナ室の天井や壁面での結露を防止することができる。また、上下方向に蒸気を循環させるため、無作為方向に蒸気を循環させる場合と比べて、省電力化を実現することができる。
さらに、この構成によれば、サウナ室内の蒸気が冷却塔に接することによって冷やされ、冷やされた蒸気は下降する。このためサウナ室内で蒸気が上下方向に循環することとなる。また、冷却塔に接して温度が低下した蒸気に含まれる水分の一部が冷却塔を流下する水と一緒に流下するため、サウナ室の天井や壁面での結露を防止することができる。さらに、蒸気を循環させるための電力を使用しないサウナシステムを実現することができる。
この構成によれば、受皿部から落下する水は時計回り又は反時計回りに傾斜して落下する。このとき、この落下する水に接するサウナ室内の蒸気も受皿部から落下する水に追従し、時計回り又は反時計回りに回転する方向の流れとなり、冷却塔を中心として回転する方向に蒸気を循環することができる。
この構成によれば、水供給管から流出する水を確実に受皿部を介して下に落下させることができる。
この構成によれば、サウナ室内の上部の蒸気が超音波霧化装置によって結露して、液滴として下降(落下)する。このためサウナ室内で蒸気が上下方向に循環することとなる。したがって、サウナ室の天井や壁面での結露を防止することができる。
この構成によれば、蒸気をサウナ室の下方から供給させることで、温度が高い蒸気は確実にサウナ室内を上昇していくためサウナ室内の温度平均化を図ることができ、また蒸気をいったん下向きにしてセラミックプレートに当てているため、蒸気供給管からの蒸気を人体に直接当てることが無く火傷などを防止できる。また、セラミックプレートが蒸気によって加熱されることでセラミックプレートから照射される遠赤外線の効果も得られる。
また、「上下方向の循環」とは、流体循環発生装置100によって流体が移動(上昇又は下降)し、サウナ室10、44の壁面側で逆方向の移動(下降又は上昇)するように、サウナ室10、44の天井と床との間で蒸気が循環することを意味する。
図1に第1実施形態のサウナ室10全体の平面図を示す。
本実施形態におけるサウナ室10は、平面視正八角形状である。ただし、サウナ室10の形状としては平面視正八角形状に限定するものではない。
サウナ室10の正八角形の頂点から八角形の中心に向かう直線で区切られた空間12が、サウナ利用者一人が居住する一人用の空間12として構成されている。それぞれの空間12同士はカーテン等で仕切られている。
複数の利用者一人用の空間12のそれぞれの下方には、蒸気発生装置30が設けられている。
ただし、複数の利用者一人用の空間12のうちの一つは、後述する水の貯留槽21として構成されており、この部分だけは蒸気発生装置30が設けられていない。
より具体的には、正八角形の中心には冷却塔20が配置されている。冷却塔20は、上部から下部に向けて水を流すことによって冷却塔20近傍の蒸気を冷却して、結露の防止及びサウナ室10内の蒸気の対流を実現する。
貯留槽21にはオーバーフロー配管(図示せず)が設けられており、貯留槽21内は常に一定の水位になるように構成されている。
利用者一人用の空間12の床面は、所定幅の木材を一定間隔をあけて配置した簀の子14により構成されている。
簀の子14から所定距離下方にはコンクリート製の下床17が設けられており、簀の子14と下床17との間が蒸気発生空間15となる。それぞれの蒸気発生空間15内には、蒸気発生装置30が設けられており、蒸気発生装置30で発生した蒸気は、簀の子14の隙間から上昇する。
蒸気供給管32には、長さ方向に沿って複数の排出孔33が下方に向けて形成されており、この排出孔33から下方に向けて蒸気が排出される。
本実施形態のように、利用者が利用する空間12の下方で蒸気を発生させて簀の子14の隙間から上昇させることによって、一般的なミストサウナでよく見受けられる足元が冷えて頭が熱いという状態にはならず、高さ方向に均一な温度分布として快適なサウナ空間とすることができる。
また、蒸気供給管32の排出孔33は、正面視すると左右両側の斜め下に形成されている。このため、図3に示すように、蒸気は斜め下向きに排出されて、セラミックプレート34で所定の角度で反射する。このため、広範囲にわたって蒸気を供給することができる。
なお、蒸気供給管32の排出孔33は鉛直下向きに形成し、セラミックプレート34の表面に対して垂直に蒸気をあててもよい。
本実施形態における冷却塔20は、全体が透明なアクリルによって構成されているが、特に材質はアクリルに限定するものではなく、また透明でなくてもよい。ただし、透明な材質を使用することで、水が流れ落ちる際の光の反射によって美しさを演出することができる。
また、本実施形態における冷却塔20の外観形状は、様々な意匠が施されており美術品のような形状ではあるが、このような形状に限定するものではない。
冷却塔20には、上下方向に沿って所定間隔をあけて複数の受皿部24が設けられており、複数の受皿部24の外周縁を複数の支持柱26が支持するように設けられている。また、それぞれの受皿部24には、水供給管22から流出する水を落下させるため複数の通水孔28が形成されている。
また、支持柱26から外側に向けて広がるフランジ部27が上下方向に沿って複数個所に設けられている。フランジ部27は、装飾的な目的もあるが、特に階段状に形成した箇所29を設けることによって、支持柱26を伝わって流れ落ちてきた水をゆっくり流し、蒸気との接触面積を増やすことによって、蒸気が水に接触する機会を増やして蒸気の冷却効率を向上させる。
図7に受皿部の平面図の一例を示す。本実施形態の通水孔28は、複数の通水孔28の傾斜が反時計回りとなるように形成されている。したがって、受皿部24の複数の通水孔28から落下する水は反時計回りを描いて落下する。このため、通水孔28を落下する水に接触する蒸気も反時計回りに回転する動きが付加される。
また、受皿部24の通水孔28の傾斜と、これら複数の支持柱26及び/又はフランジ部27の表面に斜めに溝を形成する構成と、フランジ部27において階段状に形成した箇所29をそれぞれが反時計回りになるような向きに配置する構成とを組み合わせた構成でもよい。
サウナ室10の中央に配置した冷却塔20において水を下へ流すことにより、水に接した蒸気は冷却され、重くなった蒸気は下降する。また蒸気発生装置30で発生した蒸気は暖かいため上昇する。このため、サウナ室10内では、中央部で下降して外側で上昇するような上下方向の蒸気の循環サイクルが生じる。
このように蒸気が循環することによって一般的なミストサウナでみられるような、足元が寒く頭が熱いというような不都合が解消され、快適なサウナ空間を提供できる。
本実施形態では円筒を横置きにした形状のサウナ室44の実施形態について説明する。
図10に本実施形態のサウナ建造物の外観形状を示し、図11にサウナ室44内部の正面図を示し、図12にサウナ室44内部の側面図を示す。
本実施形態のサウナ建造物40は、円筒を横置きにした形状であり、他の建物とは独立して設置可能となるように、ボイラー等も全て内蔵するように構成されている。サウナ建造物40の一方の端面には利用者の出入口用のドア42が設けられている。
また、サウナ建造物40は円筒を横置きにした形状のため、地面に固定するために固定ブロック48をもうけ、サウナ建造物40を固定ブロック48の上に設置している。
座部50と底面部52は、所定幅の木材を一定間隔をあけて配置した簀の子により構成されている。
蒸気発生装置30は、蒸気供給管32と、蒸気供給管32の下方に配置されたセラミックプレート34と、を有している。また蒸気供給管32はボイラー等の蒸気発生装置(図示せず)に接続されており、蒸気発生装置によって生成された蒸気が蒸気供給管32に供給される。
本実施形態のように、利用者が利用する空間の下方で蒸気を発生させて座部50及び底面部52の簀の子の隙間から上昇させることによって、一般的なミストサウナでよく見受けられる足元が冷えて頭が熱いという状態にはならず、高さ方向に均一な温度分布として快適なサウナ空間とすることができる。
このため、図11に示すように、蒸気は斜め下向きに排出されて、セラミックプレート34で中心から外側に向けて幅広く反射する。したがって、セラミックプレート34から蒸気が底面部52だけでなく座部50の方向に斜めに噴射させるため、蒸気供給管32が幅方向中心に設けられていてもサウナ室44全体に蒸気を供給できる。
冷却塔20への水供給管22は、冷却塔20の上部に設けてもよいし、第1実施形態と同様に下部から冷却塔20内部を貫通して配置してもよい。また水供給管22の上端の開口部から水が常時流れ出るように設定されている。
冷却塔20から流れ落ちた水は、第1実施形態のように貯留部を設けてもよいが、貯留部を設けるスペースがとれない場合は、冷却塔20の下方に排水口(図示せず)を設け、貯留せずに排水口からサウナ室44の外部に排水する。
ただし、本実施形態では冷却塔20を長さ方向の後方側に配置するため、冷却塔20を中心にして蒸気を反時計回りに循環させる構成は無くてもよい。
このように蒸気が循環することによって一般的なミストサウナでみられるような、足元が寒く頭が熱いというような不都合が解消され、快適なサウナ空間を提供できる。
本実施形態では、第1実施形態において流体循環発生装置100が冷却塔20と水供給管22とを有する代わりに、第1輸送管60と第2輸送管62とを有する場合について説明する。第1輸送管60と第2輸送管62と以外の構成については、第1実施形態と同様なので、説明を省略する場合がある。
第1輸送管60は、平面視正八角形状のサウナ室10の平面視中心に位置しており、サウナ室10の下部からサウナ室10の室温よりも低温の気体(空気)を上向きに吐出する構成である。
図10では、第1輸送管60の吐出口は、座部50よりも上部に位置しているが、これに限定されるものではない。
第2輸送管62の吸入口は第1輸送管60の吐出口に対向して、第1輸送管60の吐出口よりも上に位置していればよいが、サウナ室10の天井に近い位置である程好適である。
本実施形態では、第2実施形態において流体循環発生装置100が冷却塔20と水供給管22とを有する代わりに、第3実施形態における第1輸送管60と第2輸送管62とを有する場合について説明する。第1輸送管60と第2輸送管62と以外の構成については、第2実施形態と同様なので、説明を省略する場合がある。
本実施形態では、第1輸送管60と第2輸送管62とが、サウナ室44の長さ方向の後方側に配置しており、第3実施形態と同様に、第1輸送管60がサウナ室44の下部からサウナ室44よりも低温の気体(空気)を上向きに吐出しており、第2輸送管62がサウナ室44の上部からサウナ室44内の気体(空気)を吸入する構成である。
本実施形態では、第1実施形態において流体循環発生装置100が冷却塔20と水供給管22とを有する代わりに、超音波霧化装置70を有する場合について説明する。超音波霧化装置70以外の構成については、第1実施形態と同様なので、説明を省略する場合がある。
超音波霧化装置70は、サウナ室10の上部であって、平面視正八角形状のサウナ室10の平面視中心に位置しており、サウナ室10内の蒸気を結露させ、サウナ室10の上部から液滴を落下させることによって、サウナ室10内で蒸気を循環させる構成である。
超音波霧化装置70は、サウナ室10の内部又は外部に設けられた図示しない電源に接続されている。
また、超音波霧化装置70は、サウナ室10の天井に近い位置である程好適である。
本実施形態では、第2実施形態において流体循環発生装置100が冷却塔20と水供給管22とを有する代わりに、第5実施形態における超音波霧化装置70を有する場合について説明する。超音波霧化装置70以外の構成については、第2実施形態と同様なので、説明を省略する場合がある。
本実施形態では、超音波霧化装置70が、サウナ室44の上部であって、サウナ室44の長さ方向の後方側に配置しており、第5実施形態と同様に、超音波霧化装置70が、サウナ室44内の蒸気を結露させ、サウナ室44の上部から液滴を落下させることによって、サウナ室44内で蒸気を循環させる構成である。
超音波霧化装置70は、サウナ室44の内部又は外部(一例として、機械室47内)に設けられた図示しない電源に接続されている。
また、超音波霧化装置70の真下には、落下した液滴を貯留する図示しない貯留槽が設けられていてもよい。この場合、当該貯留槽には、水位が常に一定となるような図示しないオーバーフロー配管が設けられていてもよい。
12 空間
14 簀の子
15 蒸気発生空間
17 下床
20 冷却塔
21 貯留槽
22 水供給管
24 受皿部
26 支持柱
27 フランジ部
28 通水孔
29 階段状の箇所
30 蒸気発生装置
32 蒸気供給管
33 排出孔
34 セラミックプレート
40 サウナ建造物
42 ドア
44 サウナ室
45 内側ドア
46 出入口用空間
47 機械室
48 固定ブロック
50 座部
52 底面部
55 ミスト供給管
60 第1輸送管
62 第2輸送管
70 超音波霧化装置
100 流体循環発生装置
Claims (6)
- 利用者が出入り可能な空間を有するサウナ室と、
前記サウナ室内に蒸気を供給する蒸気供給管と、
前記サウナ室内の所定箇所に配置された流体循環発生装置と、を具備しており、
前記流体循環発生装置は、上部から下部に向けて水が流下する冷却塔と、前記冷却塔の上部に水を供給する水供給管と、を有しており、
前記流体循環発生装置は、前記サウナ室内で蒸気を上下方向に循環させる構成であることを特徴とするサウナシステム。 - 前記冷却塔は、
上下方向に所定間隔をあけて配置された複数の受皿部と、
複数の前記受皿部の外周縁を支持する複数の支持柱と、を有しており、
複数の前記受皿部には、前記水供給管から流出する水を落下させるための通水孔が複数形成されていることを特徴とする請求項1記載のサウナシステム。 - 複数の前記受皿部における複数の前記通水孔は、平面視すると時計回り又は反時計回りとなるように上下方向の軸線が傾斜して形成されていることを特徴とする請求項2記載のサウナシステム。
- 前記水供給管は、複数の前記受皿部の中心を貫通して下方から上方に向けて配置され、最上部の前記受皿部の上方に開口部が設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のサウナシステム。
- 利用者が出入り可能な空間を有するサウナ室と、
前記サウナ室内に蒸気を供給する蒸気供給管と、
前記サウナ室内の所定箇所に配置された流体循環発生装置と、を具備しており、
前記流体循環発生装置は、前記サウナ室の上部に設けられた超音波霧化装置を有しており、
前記超音波霧化装置は、前記サウナ室内の蒸気を結露させ、前記サウナ室の上部から液滴を落下させることによって、前記サウナ室内で蒸気を上下方向に循環させる構成であることを特徴とするサウナシステム。 - 利用者が出入り可能な空間を有するサウナ室と、
前記サウナ室内に蒸気を供給する蒸気供給管と、
前記サウナ室内の所定箇所に配置された流体循環発生装置と、を具備しており、
前記サウナ室の床面が簀の子状に形成されており、
前記蒸気供給管は、前記簀の子状の床面の下方に配置されて蒸気を下方に向けて吐出するように蒸気の排出孔が形成され、
前記蒸気供給管の下方に配置されて蒸気供給管の排出孔から吐出された蒸気が当接するセラミックプレートを有しており、
前記流体循環発生装置は、前記サウナ室内で蒸気を上下方向に循環させる構成であることを特徴とするサウナシステム。
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