JP7516114B2 - 画像読取装置及び画像形成システム - Google Patents
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Description
本発明はシートの画像を読み取る画像読取装置及び画像形成システムに関する。
従来、用紙に画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置が用紙に形成した画像をラインセンサーによって読み取る読取装置と、を備えた画像形成システムが開示されている(特許文献1参照)。この画像形成システムは、読取装置により用紙の表裏両面に形成された識別標識としてのトンボを含む画像の読み取りを行い、読み取り結果に基づいて画像形成装置における画像形成位置の補正処理を行う。
一般に、シートの画像を光学的に読み取る画像読取装置においては、反り(カール)が生じた状態のシートの画像を読み取る際、良好な読取精度を得ることが難しい。
そこで、本発明は、画像の読取精度を向上させることが可能な画像読取装置及び画像形成システムを提供することを目的としている。
本発明の一態様は、シートに画像を形成する画像形成装置から排出されたシートの画像情報を読み取る画像読取装置であって、シートを挟持して搬送する回転体対と、前記回転体対によって搬送されたシートからの光が透過する第1透光板と、第1読取位置において、前記回転体対によって搬送されたシートの第1面の画像情報を、前記第1透光板を介して読み取る第1読取手段と、シート搬送方向に直交する幅方向において前記第1読取手段とは異なる位置に配置され、前記シート搬送方向における前記第1読取位置よりも上流の第2読取位置において、前記回転体対によって搬送されたシートの前記第1面の画像情報を、前記第1透光板を介して読み取る第2読取手段と、前記第1読取位置において、前記第1透光板と間隙を存して対向した第1回転体と、前記第2読取位置において、前記第1透光板と間隙を存して対向した第2回転体と、前記回転体対によって搬送されたシートからの光が透過する第2透光板と、前記シート搬送方向において前記第1読取位置よりも下流の第3読取位置において、シートの前記第1面とは反対側の第2面の画像情報を、前記第2透光板を介して読み取る第3読取手段と、前記幅方向において前記第3読取手段とは異なる位置に配置され、前記シート搬送方向において前記第3読取位置よりも上流の第4読取位置において、シートの前記第2面の画像情報を、前記第2透光板を介して読み取る第4読取手段と、前記第3読取位置において、前記第2透光板と間隙を存して対向した第4回転体と、前記第4読取位置において、前記第2透光板と間隙を存して対向した第5回転体と、を備えた、ことを特徴とする画像読取装置である。
本発明によれば、画像の読取精度を向上させることが可能となる。
以下、各実施の形態に係る画像読取装置及び画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、本技術の適用範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<第1の実施の形態>
[画像形成システムの概略構成]
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム100Sを示す概略図である。画像形成システム100Sは、画像形成装置100と、調整ユニット400と、フィニッシャ600とを備えている。本実施の形態では、画像形成装置として、電子写真方式のレーザービームプリンタである画像形成装置100を例に説明をするが、これに限らず、画像形成装置は、インクジェット式のプリンタや、昇華型のプリンタであってもよい。また、調整ユニット400は、本実施の形態の画像読取装置である。
[画像形成システムの概略構成]
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム100Sを示す概略図である。画像形成システム100Sは、画像形成装置100と、調整ユニット400と、フィニッシャ600とを備えている。本実施の形態では、画像形成装置として、電子写真方式のレーザービームプリンタである画像形成装置100を例に説明をするが、これに限らず、画像形成装置は、インクジェット式のプリンタや、昇華型のプリンタであってもよい。また、調整ユニット400は、本実施の形態の画像読取装置である。
画像形成装置100の筐体101には、画像形成エンジン102と、画像形成システム100Sの動作を制御するプリンタコントローラ103(図2参照)を収容する制御ボード収納部(不図示)と、が搭載されている。画像形成部としての画像形成エンジン102は、画像形成プロセスにより記録材に画像を形成する光学処理機構10及び定着処理機構20と、記録材として用いられる矩形状のシート1の給送及び搬送を行う給送処理機構30及び搬送処理機構40と、を含む。記録材としては、普通紙や厚紙等の紙、コート紙やエンボス紙等の表面処理が施された紙、プラスチックフィルム、布等のシートが使用可能である。
光学処理機構10は、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの各色のトナー像を形成するステーション120,121,122,123と、中間転写ベルト106とを備えている。各ステーション120~123では、ドラム状の感光体である感光ドラム105の表面を一次帯電器111が帯電させる。レーザスキャナ部107は、画像データに基づいて生成されレーザスキャナ部107に送信される指令信号に基づいて感光ドラム105の露光処理を行う。レーザスキャナ部107は、不図示の半導体レーザから放射されるレーザ光をオン、オフに駆動するレーザドライバを有する。レーザスキャナ部107は、半導体レーザからのレーザ光を回転多面鏡により主走査方向(シートの幅方向)に振り分けつつ反射ミラー109を介して感光ドラム105に導く。これにより、感光ドラム105の表面には、画像データに対応する静電潜像が形成される。
現像器112は、トナーを含む現像剤を内部に収容し、帯電したトナー粒子を感光ドラム105に供給する。表面電位分布に応じてトナー粒子がドラム表面に付着することにより、感光ドラム105に担持された静電潜像はトナー像として可視化される。感光ドラム105に担持されたトナー像は、トナーの正規帯電極性とは逆極性の電圧が印加される中間転写ベルト106に転写(一次転写)される。カラー画像を形成する場合、4つのステーション120~123によって形成されたトナー像が中間転写ベルト106の上で互いに重なるように多重転写されることで、中間転写ベルト106上にフルカラーのトナー像が形成される。
一方、給送処理機構30は、画像形成装置100の筐体101に対して引出可能に挿入されたシート収納庫113から転写ローラ114へ向けて1枚ずつシート1を給送する。中間転写体である中間転写ベルト106に担持されたトナー像は、転写ローラ114によってシート1に転写(二次転写)される。
中間転写ベルト106の周りには、画像形成を行う際の印字開始位置を決めるための画像形成開始位置検出センサ115、シート1の給送タイミングを図るための給送タイミングセンサ116、及び濃度センサ117が配置されている。濃度センサ117は、中間転写ベルト106に担持されたテスト用のパッチ画像の濃度を測定する。プリンタコントローラ103は、濃度センサ117の検知結果に基づいて光学処理機構10の動作条件(例えば、一次帯電器111の帯電目標電位や現像器112のバイアス電圧の設定)を調整する。
本実施の形態の定着処理機構20は、第1定着器150及び第2定着器160によって構成されている。第1定着器150は、シート1に熱を加えるための定着ローラ151、シート1を定着ローラ151に圧接させるための加圧ベルト152、及び第1定着器150による定着処理の完了を検知する第1定着後センサ153を含む。定着ローラ151は中空ローラであり、内部にヒータを有する。第1定着器150は、回転体対である定着ローラ151及び加圧ベルト152によってシート1を挟持して搬送しながら、シート上のトナー像に熱及び圧力を加える。これによりトナー粒子が溶融し、その後固着することで、シート1に画像が定着する。
第2定着器160は、第1定着器150よりもシート1の搬送経路における下流側に配置されている。第2定着器160は、第1定着器150による定着処理が施された画像の光沢度を高めたり、シート1に対する画像の定着性を確保したりする機能を有する。第2定着器160は、第1定着器150と同様に、シート1を搬送しながら加熱及び加圧する回転体対としての定着ローラ161及び加圧ローラ162と、第2定着器160による定着処理の完了を検知する第2定着後センサ163とを有している。
なお、シート1の種類によっては第2定着器160を通す必要が無い場合がある。画像形成装置100は、このような場合に、エネルギー消費量低減の目的で第2定着器160を経由させずシート1を排出するための迂回搬送路130を有している。第1定着器150から送り出されたシート1は、第1切替フラッパ131によって第2定着器160又は迂回搬送路130のいずれかに誘導される。
第2定着器160又は迂回搬送路130を通過したシート1は、第2切替フラッパ132によって排出搬送路139又は反転搬送路135のいずれかに誘導される。反転搬送路135に搬入されたシート1は、反転センサ137によってシート1の位置を検出され、反転部136が行うスイッチバック動作によって副走査方向(シートの搬送される方向)の下流端(先端)と上流端(後端)とが入れ替えられる。両面印刷の場合、表面(第2面)に画像が形成されたシート1は、反転部136によって先後端を入れ替えられた状態で、再搬送路138を介して再び転写ローラ114へ向けて搬送され、表面とは反対の裏面(第1面)に画像を形成される。
片面印刷の画像形成が終了したシート1又は両面印刷における裏面の画像形成が終了したシート1は、排出搬送路139に設けられた排出ローラ139a(排出部)によって画像形成装置100の外部に排出される。なお、反転搬送路135と排出搬送路139の間には、反転部136によってスイッチバックしたシート1を排出搬送路139へ向けて誘導可能な切替フラッパ134が設けられ、画像形成装置から排出される際のシート1の表裏を選択可能に構成されている。なお、画像形成装置100の上部には、原稿から画像情報を読み取る画像読取装置190が設置されている。
図2に示すように、画像形成装置100は、画像形成システム100S(図1参照)の動作を統括制御する制御手段としてのプリンタコントローラ103と、画像形成エンジン102(図1参照)を制御するエンジン制御部312と、を備えている。プリンタコントローラ103は、少なくとも1つのプロセッサ(以下、CPU)301と、メモリ302と、外部インタフェース(以下、I/F)303と、が実装された制御ボードである。メモリ302は、一過性の記憶媒体及び非一過性の記憶媒体を含み、プログラム及びデータの保管場所となると共に、CPU301がプログラムを実行する際の作業スペースとなる。
エンジン制御部312は、プリンタコントローラ103からの指令信号等に基づいて、画像形成エンジン102に上述の画像形成プロセスを行わせてシートに画像を形成させる。例えば、エンジン制御部312は、第1定着後センサ153、第2定着後センサ163及び反転センサ137の検知信号に基づいて、シートを搬送するローラを駆動する搬送モータ311、第1切替フラッパ131及び第2切替フラッパ132の動作を制御する。
画像形成装置100には、画像形成システム100Sのユーザインタフェースとなる操作部180が設けられている(図1参照)。操作部180は、ユーザに対して情報を表示する表示手段としてのディスプレイを備えている。また、操作部180は、ユーザが画像形成システム100Sに対して指令やデータを入力可能な入力手段として、例えば、テンキー及び印刷実行ボタン等の物理キーや、ディスプレイのタッチパネル機能を備えている。操作部180の操作により、ユーザは、あるシート収納庫113(図1参照)にセットされているシートの名称、坪量及び表面処理の有無等のシート属性を表す情報をプリンタコントローラ103に入力することができる。入力されたシート属性は、メモリ302に格納されているシートライブラリ900に登録される。
プリンタコントローラ103は、外部インタフェース(I/F)303を介して外部の有線又は無線通信網に接続され、外部のコンピュータ(不図示)との間で通信可能である。また、プリンタコントローラ103は、画像形成装置100に接続されて画像形成システム100Sを構成する装置(本実施の形態では、調整ユニット400及びフィニッシャ600)の制御回路とも接続される。プリンタコントローラ103は、これらの装置と通信を行って、画像形成装置100とその他の装置との動作を協調させる。なお、調整ユニット400の制御構成については後述する。
[調整ユニットの概略構成]
次に、図1に示す本実施の形態の画像読取装置であり、画像形成装置100から排出されたシートの画像情報を読み取る調整ユニット400の概略構成について説明する。一般に、電子写真方式やインクジェット方式等、裁断済みのシートに対して画像の形成を行う印刷方式を用いた画像形成装置は、矩形状のシートの一辺を基準としてシートに画像の形成を行う。このため、シートの輪郭(外縁)とシートに形成された画像との位置精度や、シートの表面の画像と裏面の画像との相対的な位置精度、所謂表裏見当精度は、通常、シートの裁断精度(長さ、幅、直角性、平行性)に大きく影響を受ける。
次に、図1に示す本実施の形態の画像読取装置であり、画像形成装置100から排出されたシートの画像情報を読み取る調整ユニット400の概略構成について説明する。一般に、電子写真方式やインクジェット方式等、裁断済みのシートに対して画像の形成を行う印刷方式を用いた画像形成装置は、矩形状のシートの一辺を基準としてシートに画像の形成を行う。このため、シートの輪郭(外縁)とシートに形成された画像との位置精度や、シートの表面の画像と裏面の画像との相対的な位置精度、所謂表裏見当精度は、通常、シートの裁断精度(長さ、幅、直角性、平行性)に大きく影響を受ける。
本実施の形態の画像形成システム100Sは、画像形成装置100がシートに画像を形成する際に、シートの輪郭に対する画像の位置や倍率等を調整することで、シートの表面の画像と裏面の画像との相対位置の調整(表裏見当)を行う。具体的には、画像形成システム100Sは、表裏見当を行う際、まず画像形成装置100によって、シートの表面及び裏面にテストパターン820(図6(a)及び(b)参照)を形成する。例えば、テストパターン820は、シートの外縁近傍に形成された複数の長方形の画像(パッチ画像)を含む。
その後、調整ユニット400は、シートのテストパターン(画像情報)820やシートの輪郭を読み取り、読取結果に基づいた情報を画像形成装置100へ送信(フィードバック)する。画像形成装置100は、調整ユニット400から受け取った情報に基づいて表裏見当を行う。本実施の形態の画像形成システム100Sは、このような表裏見当を行うことにより、シートの裁断にばらつきがある場合でも、表裏見当精度を向上させることができる。
このような本実施の形態の画像形成システム100Sにおいて、調整ユニット400は、水平方向(図1の左右方向、Y方向)における画像形成装置100とフィニッシャ600との間に設置されている。即ち、本実施の形態における調整ユニット400の上流装置は画像形成装置100であり、調整ユニット400の下流装置はフィニッシャ600である。フィニッシャ600は、シートの余白の裁断処理、綴じ処理及びサドル処理等の処理を施す処理部601を有し、処理を施したシート又はシート束を(処理が不要な場合は上流装置から受け取ったシートを)画像形成システム100Sの成果物として排出する。
なお、調整ユニット400の上流装置及び下流装置は画像形成システム100Sの構成によって変化する。例えば、調整ユニット400は画像形成装置100に直接的に接続されるとは限らず、画像形成装置100と調整ユニット400との間に中間ユニットが配置され、中間ユニットから調整ユニット400がシートを受け取る構成としてもよい。中間ユニットの例としては、画像形成されたシートの画像面に透明なトナーを付着させて光沢を付与するコーティング処理を行う装置が挙げられる。また、調整ユニット400の下流側にフィニッシャ600以外のシート処理装置が連結される場合がある。このようなシート処理装置の例としては、シート束に表紙となるシートを差し込むインサーター、大量の成果物を収容した状態で台車によって移動可能なスタッカーが挙げられる。
図3に示すように、調整ユニット400は、画像形成装置100から排出されたシートを調整ユニット400の内部に受け入れる受入口441と、シートをフィニッシャ600(図1参照)に向けて排出する第1排出口(排出口)442と、を備える。また、調整ユニット400は、受入口441と第1排出口442とを略水平方向(Y方向)に沿って略直線状に接続するように形成されたスルーパス430と、スルーパス430の途中から分岐して上方に向けて形成された排出パス432と、を備えている。また調整ユニット400は、受入口441から受け入れたシートを排出パス432を介して装置外へ排出する第2排出口443と、調整ユニット400の上部に設けられ、第2排出口443から排出されたシートが積載される排出トレイ423と、を備えている。スルーパス430は、本実施の形態の第1シート搬送路(シート搬送路)であり、排出パス432は、本実施の形態の第2シート搬送路であり、排出トレイ423は、本実施の形態のシート積載手段である。
スルーパス430には、受入口441に臨んで配置され、受入口441から受け入れたシートを調整ユニット400の内部に向けて搬送する入口搬送ローラ対401が設けられている。また、スルーパス430には、シートを第1排出口442からフィニッシャ600に向けて搬送する出口搬送ローラ対406と、が設けられている。また、スルーパス430には、搬送方向Y2における入口搬送ローラ対401と出口搬送ローラ対405との間に配置され、シートの読み取りを行う表裏見当部700が設けられている。表裏見当部700には、スルーパス430に沿って複数のローラ対が配置されており、表裏見当部700は、これら複数のローラ対によってシートを挟持しながらシートを出口搬送ローラ対406に向けて搬送方向(シート搬送方向)Y2に搬送する。
入口搬送ローラ対401及び出口搬送ローラ対405は、それぞれ、互いに対向配置されて駆動手段としての搬送モータ452(図2参照)によって回転する一対のローラ(回転体)によって構成されている。入口搬送ローラ対401は、画像形成装置100から排出されたシートを挟持しながらスルーパス430に沿って表裏見当部700へ向けて搬送方向(シート搬送方向)Y2に搬送する。出口搬送ローラ対405は、表裏見当部700で読み取りが行われたシートを挟持しながらスルーパス430に沿って搬送し、第1排出口442からフィニッシャ600へ向けて排出する。
スルーパス430から排出パス432への分岐部431には、シートの搬送経路を、スルーパス430の下流部と排出パス432との間で切替可能な案内部材である切替フラッパ422が配置されている。調整ユニット400には、排出パス432に沿って複数個所に、シートを搬送するための搬送ローラ対415,416,417,418が配置されている。これら搬送ローラ対415~418は、シートを排出パス432に沿って第2排出口443に向けて搬送し、搬送したシートを第2排出口443から排出トレイ423に排出する。
図4(a)、(b)に示すように、表裏見当部700は、スルーパス430に沿って配置され、シートを挟持しながら搬送方向Y2に搬送する、上流搬送ローラ対402、中間搬送ローラ対403及び下流搬送ローラ対404を有する。また、表裏見当部700は、シートの輪郭及び下面の画像情報を読み取る第1読取部500Aと、搬送方向Y2における第1読取部500Aの下流に配置され、シートの輪郭及び上面の画像情報を読み取る第2読取部500Bと、を有している。なお、シートの画像情報を読み取る順番はこれに限らず、シートの上面の画像情報を読み取る読取部の下流にシートの下面の画像情報を読み取る読取部が配置されていてもよい。
回転体対としての上流搬送ローラ対402は、搬送方向Y2において入口搬送ローラ対401と第1読取部500Aとの間に配置されている。中間搬送ローラ対403は、搬送方向Y2において第1読取部500Aと第2読取部500Bとの間に配置されている。下流搬送ローラ対404は、搬送方向Y2において第2読取部500Bと出口搬送ローラ対405との間に配置されている。
上流搬送ローラ対402、中間搬送ローラ対403及び下流搬送ローラ対404は、それぞれ、互いに対向配置されて主走査方向に沿って配置された回転軸線を中心として回転可能な一対のローラ(回転体)を有している。なお、主走査方向(シートの幅方向)は、図4(b)に示すX方向である。
上流搬送ローラ対402、中間搬送ローラ対403及び下流搬送ローラ対404は、それぞれ、搬送モータ452(図2参照)によって駆動される。また、上流搬送ローラ対402、中間搬送ローラ対403及び下流搬送ローラ対404は、それぞれ、シートを挟持可能な上流ニップ部(ニップ部)N2、中間ニップ部N3及び下流ニップ部N4を形成している。
上流搬送ローラ対402は、入口搬送ローラ対401によって搬送されたシートを上流ニップ部N2で挟持しながら搬送方向Y2に搬送する。中間搬送ローラ対403は、上流搬送ローラ対402によって搬送されたシートを中間ニップ部N3で挟持しながら搬送方向Y2に搬送する。下流搬送ローラ対404は、中間搬送ローラ対403によって搬送されたシートを下流ニップ部N4で挟持しながら搬送方向Y2に搬送する。
なお、上流搬送ローラ対402、中間搬送ローラ対403及び下流搬送ローラ対404は、それぞれ一対のローラのみで構成されていてもよいし、主走査方向に間隙を存して配置された複数のローラ対(回転体対)から構成されていてもよい。
第1読取部500Aは、第1読取手段としての裏面CIS511と、第1透光板としての第1透明ガイド513と、第1回転体としての第1ガイドローラ515と、第2回転体としての第2ガイドローラ516と、を有している。
裏面CIS511は、搬送方向Y2において上流搬送ローラ対402の下流側かつスルーパス430の下方側、即ちスルーパス430に沿って搬送されるシートの下面(裏面、第1面)側に配置されたコンタクトイメージセンサである。裏面CIS511は、光源としてのLEDアレイ7aと、CMOS等の撮像素子からなるセンサアレイ7bと、搬送されるシートからの反射光をセンサアレイ7bに結像するレンズアレイ7cと、をそれぞれ備える。レンズアレイ7cは、等倍光学系を構成する複数の屈折率分布型レンズからなる。これらLEDアレイ7a、センサアレイ7b及びレンズアレイ7cは、主走査方向において裏面CIS511がシートを読み取り可能な範囲の全域に亘り、主走査方向に沿って配列されている。なお、裏面CIS511がシートを読み取り可能な範囲(読取範囲)の主走査方向における長さは、画像形成装置100(調整ユニット400)が搬送可能な最大サイズのシートの幅以上となっている。
このように構成されて、裏面CIS511は、第1読取位置P1において、スルーパス430に沿って上流搬送ローラ対402によって搬送されたシートの輪郭及び画像情報をシートの下面から読み取る。なお、第1読取位置P1は、具体的には、シートの下面からのLEDアレイ7aの反射光を裏面CIS511のセンサアレイ7bに導くためのレンズアレイ7cの光軸位置である。
一般に、高精度な表裏見当を行うためには、複数枚のシートの読み取りを行い、平均化された結果に基づいて表裏見当を行う必要がある。本実施形態では、コンタクトイメージセンサを用いることでセンサを移動させることなくシートを搬送しながらシートの読み取りを行うことが可能となり、複数枚のシートの読み取りを行う場合であっても、読み取りに要する時間を短縮可能となっている。また、等倍光学系のイメージセンサを用いることで、縮小光学系のセンサ(CCD等)に比べて、装置の小型化が可能となっている。
第1透明ガイド513は、透光性を有する材料、例えば、透明なガラス等によって主走査方向及び副走査方向に沿って平板状に形成されており、裏面CIS511から発せられた光及びシートの下面からの反射光を透過させる。第1透明ガイド513は、裏面CIS511に対向し、スルーパス430の下方側に配置されている。また、第1透明ガイド513は、搬送方向Y2において、その上流端が上流搬送ローラ対402よりも下流、かつ第2ガイドローラ516よりも上流に位置している。このように構成されて、第1透明ガイド513は、スルーパス430に沿って搬送されるシートの下面に当接して、シートを案内する。
第1ガイドローラ515は、スルーパス430の上方側に、第1透明ガイド513を挟んで裏面CIS511に対向配置されている。言い換えると、第1ガイドローラ515は、第1透明ガイド513を挟んで裏面CIS511とは反対側に対向している。また、言い換えると、図4(b)に示すように、スルーパス430に沿って搬送されるシートの面と直交する方向(上下方向)から視て、第1ガイドローラ515は、第1読取位置P1と搬送方向Y2に重なるように配置されている。
この第1ガイドローラ515は、主走査方向に沿って配置された回転軸線C1を中心として回転可能に支持された回転体であり、シートとの摩擦抵抗を減少させるため、搬送モータ452(図2参照)によって駆動されて図4(a)のR1方向へ回転する。
また、この第1ガイドローラ515は、裏面CIS511がシートの輪郭を読み取る際の背景となる。このため、第1ガイドローラ515は、シートとのコントラストが明確となるように明度の低い色、例えば黒色又は灰色のゴム等によって、主走査方向において裏面CIS511がシートを読み取り可能な範囲の全域に亘り、主走査方向に沿って形成されている。
第2ガイドローラ516は、スルーパス430の上方側において、第1ガイドローラ515に対する搬送方向Y2の上流側に配置されている。この第2ガイドローラ516は、主走査方向に沿って配置された回転軸線C2を中心として回転可能に支持された回転体であり、シートとの摩擦抵抗を減少させるため、搬送モータ452によって駆動されてR1方向へ回転する。このように構成されて、第1ガイドローラ515及び第2ガイドローラ516は、スルーパス430に沿って搬送されるシートの上面に当接してシートを案内する。
第1ガイドローラ515及び第2ガイドローラ516は、第1透明ガイド513に対し、搬送されるシートが通過可能な所定の間隙を存して対向している。例えば、第1ガイドローラ515及び第2ガイドローラ516は、それぞれ第1透明ガイド513からの距離Lg(図5参照)が、画像形成装置100(調整ユニット400)が搬送可能な最大厚のシートの厚さ以上となるように配置されている。また、例えば、第1ガイドローラ515及び第2ガイドローラ516は、それぞれ第1透明ガイド513からの距離Lgが、最大厚シートの厚さの3倍以下となるように配置されている。具体的には、上記最大厚のシートが0.35mmである場合、距離Lgは0.35mm以上、1.05mm以下となる。
このため、スルーパス430に沿って搬送されるシートは、第1ガイドローラ515と第1透明ガイド513との間の第1読取位置P1において、ニップされずにシートの厚さ方向の位置が制限される。これにより、シートが搬送される際のシートと第1透明ガイド513との間の摩擦による摩耗粉の発生を抑制し、シートの保護及び読取精度の向上を図っている。なお、厚さ方向とは、主走査方向(第1ガイドローラ515の回転軸線方向)、副走査方向のいずれとも直交する方向であり、本実施の形態のスルーパス430においては、略上下方向となる。また、第1ガイドローラ515と第1透明ガイド513との間の距離及び第2ガイドローラ516と第1透明ガイド513との間の距離は、略同じ距離となっている。
上流搬送ローラ対402によってスルーパス430に沿って搬送されたシートは、シートの厚さ方向の位置が制限された状態で搬送されながら裏面CIS511によって裏面の読み取りが行われる。また、この第1ガイドローラ515及び第2ガイドローラ516は、一部が上流搬送ローラ対402を構成する一対のローラの上流ニップ部N2における共通接線であるニップ線Npよりも裏面CIS511側(下方側)に突出するように配置されている。これにより、第1読取位置P1を通過するシートは第1ガイドローラ515に当接しながら搬送されやすくなり、第1読取位置P1においてシートの厚さ方向の位置、即ち裏面CIS511の焦点深度方向の位置が安定し、読取精度を向上させることができる。
なお、表裏見当部700は、上記距離Lgが、画像形成装置100(調整ユニット400)が搬送可能な最大厚のシートの厚さ以上、かつ当該最大厚のシートの厚さの3倍以下となる範囲で、調整可能に構成されていてもよい。また、第1透明ガイド513は、裏面CIS511とは別個に設けられているものに限定されず、例えば、センサアレイを収容する筐体の一部として裏面CISの筐体と一体的に形成されていてもよい。
また、第1読取部500Aは、上流搬送ローラ対402と裏面CIS511との間に配置され、スルーパス430に沿って搬送されるシートの先端を検出するためのシート検出センサS700(図2参照)を有している。シート検出センサS700の光軸位置にシート先端が到達するとシート検出センサS700から検出信号が出力され、裏面CIS511によるシートの読み取り開始タイミングが決定される。
第2読取部500Bは、第3読取手段としての表面CIS521と、第2透光板としての第2透明ガイド523と、第4回転体としての第4ガイドローラ525と、第5回転体としての第5ガイドローラ525と、を有している。
第2読取部500Bの各構成は、第1読取部500Aの各構成に対応している。具体的には、表面CIS522は裏面CIS511に対応し、第2透明ガイド523は第1透明ガイド513に対応する。また、第4ガイドローラ525は、第1ガイドローラ515に対応し、第5ガイドローラ526は、第2ガイドローラ516に対応する。これら第1読取部500Aと第2読取部500Bとで対応する構成同士は同様の機能を有すると共に上下対称となるように配置されており、第1読取部500Aと共通する第2読取部500Bの内容については説明を省略する。
表面CIS521は、搬送方向Y2において中間搬送ローラ対403の下流側かつスルーパス430の上方側、即ちスルーパス430に沿って搬送されるシートの上面(表面、第2面)側に配置されたコンタクトイメージセンサである。表面CIS521は、第2読取位置P2において、スルーパス430に沿って中間搬送ローラ対403によって搬送されたシートの輪郭及び画像情報をシートの上面から読み取る。なお、第2読取位置P2は、具体的には、シートの上面からのLEDアレイ7aの反射光を表面CIS521のセンサアレイ7bに導くためのレンズアレイ7cの光軸位置である。
第4ガイドローラ525は、スルーパス430の下方側に、第2透明ガイド523を挟んで表面CIS521に対向配置されており、主走査方向に沿って配置された回転軸線C4を中心として回転可能に支持されている。この第4ガイドローラ525は、シートとの摩擦抵抗を減少させるため、搬送モータ452(図2参照)によって駆動されて図4(a)のR2方向へ回転する。
第5ガイドローラ526は、スルーパス430の上方側において、第4ガイドローラ525に対する搬送方向Y2の上流側に配置されており、主走査方向に沿って配置された回転軸線C5を中心として回転可能に支持されている。この第5ガイドローラ526は、シートとの摩擦抵抗を減少させるため、搬送モータ452によって駆動されてR2方向へ回転する。このように構成されて、第4ガイドローラ525及び第5ガイドローラ526は、スルーパス430に沿って搬送されるシートの下面に当接してシートを案内する。中間搬送ローラ対403によってスルーパス430に沿って搬送されたシートは、シートの厚さ方向の位置が第4及び第5ガイドローラによって制限された状態で搬送されながら表面CIS521によって表面の読み取りが行われる。
第1読取部500A及び第2読取部500Bによって読み取られたシートは、下流搬送ローラ対404によって分岐部431に向けて搬送される。なお、本実施の形態において、各ローラ対401~405は、互いのニップ線が一致するように配置されているがこれに限らず、これらのニップ線は一致せず互いに交差して又は平行となるように配置されていてもよい。また、第1、第2、第4、第5ガイドローラは、少なくとも一部が直前の搬送ローラ対のニップ線よりもシートの読み取りを行う読取手段側に配置されていればよい。例えば、上流搬送ローラ対のニップ線と中間搬送ローラ対のニップ線とが一致しない場合において、第4ガイドローラは、少なくとも一部が中間搬送ローラ対のニップ線よりも表面CIS521側に配置されていればよい。また、上流搬送ローラ対402から下流搬送ローラ対404までのシートの搬送路には、シートを案内する図示しない回転体やガイド部材が設けられていてもよい。
[シートの読み取り及び読取結果のフィードバック]
次に、図1、図2、図5及び図6を参照して、この表裏見当部700によるシートの読み取りと、読取結果のフィードバックについて説明する。プリンタコントローラ103がメモリ302に保持しているシートライブラリ900(図2参照)は、画像形成装置100が記録材として使用可能なシートの一覧を、副/主走査方向長さ及び坪量等の属性情報と関連付けて保存したデータである。このシートライブラリ900には、各シートに対して画像形成プロセスを実行する際に用いられる幾何調整値が含まれている。幾何調整値は、画像形成プロセスを実行する際に、シートの輪郭に対する画像の位置や倍率等を補正するためのパラメータである。
次に、図1、図2、図5及び図6を参照して、この表裏見当部700によるシートの読み取りと、読取結果のフィードバックについて説明する。プリンタコントローラ103がメモリ302に保持しているシートライブラリ900(図2参照)は、画像形成装置100が記録材として使用可能なシートの一覧を、副/主走査方向長さ及び坪量等の属性情報と関連付けて保存したデータである。このシートライブラリ900には、各シートに対して画像形成プロセスを実行する際に用いられる幾何調整値が含まれている。幾何調整値は、画像形成プロセスを実行する際に、シートの輪郭に対する画像の位置や倍率等を補正するためのパラメータである。
図5(a)に示すように、シートライブラリ900の内容は、操作部180(図1参照)にライブラリ表示画面1001を表示させることで確認可能である。また、ライブラリ表示画面1001の「印字位置調整」ボタン1002を操作すると、図5(b)に示す幾何調整値の補正方法の選択画面1003が表示される。ユーザが「手動で調整」の選択肢1004を選んだ場合、ユーザは操作部180に設けられたテンキー181(図1参照)等を用いて数値を入力することで幾何調整値を直接指定することができる。
一方、ユーザが「テストページを読みこんで調整」の選択肢1005を選んだ場合、画像形成システム100S(図1参照)は、シートの読取結果に基づいて表裏見当を行う表裏見当処理を実行する。表裏見当処理において、画像形成装置100は、シートに対し表裏見当用のテストパターン820(図6参照)を形成する。また、表裏見当処理において、調整ユニット400の表裏見当部700(図1参照)は、画像形成装置100から搬送されたシートの読み取りを行って読取結果を画像形成装置100にフィードバックする。画像形成装置100は、調整ユニット400からのフィードバックに基づいて、幾何調整値の調整(補正)を行う。
具体的には、本実施形態に係る画像形成装置100は、表裏見当処理が開始されると、まず表裏見当処理の対象として指定されたシートを収納しているシート収納庫113からシート1を給送する。その後、画像形成装置100は、画像形成エンジン102によって、シート面の四隅付近に長方形のパッチ画像が配置されたテストパターン820(図6参照)をシートの両面に形成する。テストパターン820の形成を行った後、画像形成装置100は、シートを調整ユニット400に向けて排出する。なお、テストパターンは、複数の長方形のパッチ画像から構成されているものに限定されず、複数の正方形のパッチ画像から構成されていてもよい。また、テストパターンは、裁ち落とし位置目印あるいは折り位置目印である所謂トンボマークから構成されていてもよいし、他の形状の画像から構成されていてもよいし、これらの組合せであってもよい。また、テストパターンの色や濃度は均一であるものに限定されず、テストパターンは、複数色、複数濃度のパッチ画像を含んでいてもよい。
画像形成装置100からシートを受け取ると、調整ユニット400は、受け取ったシート1を各搬送ローラ対によって搬送しながら、表裏見当部700によってシート1の表面及び裏面をライン画像として読み取る。そして、読み取ったライン画像を調整ユニット400の画像処理部460(図2参照)が副走査方向(シート1の搬送方向)につなぎ合わせることにより、テストパターン820を含むシート1の表面及び裏面の画像データが合成される。このように、調整ユニット400は、表裏見当部700によって搬送されるシートを読み取る際、テストパターン820の画像情報を読み取っている。
調整ユニット400の画像処理部460は、シートの形状(輪郭)とシートに形成されたパッチ画像の形状およびこれらの位置関係を特定する。具体的には、合成された画像データから、シート1の表面及び裏面について、角部座標及びテストパターン820の各パッチ画像の座標を特定する。図6(a)、(b)に示すように、シート1の角部座標とは、X軸を主走査方向とし、Y軸を副走査方向としたときの、シート1の4つの角部の位置{(X01,Y01)~(X31,Y31),(X02,Y02)~(X32,Y32)}を表す。また、テストパターン820の座標とは、角部の座標と同じ座標系における、パッチ画像の特定部位の位置{(X41,Y41)~(X71,Y71),(X42,Y42)~(X72,Y72)}を表す。
シート1の角部座標からは、シートの主走査方向の長さ(短辺長さ)(A)及び副走査方向の長さ(長辺長さ)(B)及び角部の直角度等を幾何的に算出可能であるため、角部座標は、シート1の形状(輪郭)に関する情報を含んでいるといえる。また、角部座標及びテストパターン820の座標からは、シートの輪郭に対する画像の位置ずれや歪みを幾何的に算出可能であるため、角部座標及びテストパターン820の座標は、シートに対する画像の位置及び歪みに関する情報を含んでいるといえる。
画像処理部460は、更にシート1の角部座標とテストパターン820の座標とを用いて、このシート1に対する幾何調整値を決定(算出)する。例えば、画像処理部460は、幾何調整値として、リード位置、サイド位置、主走査倍率、副走査倍率を決定する。リード位置とは、シート1に対する副走査方向の画像位置を規定するパラメータである。サイド位置とは、シート1に対する主走査方向の画像位置を規定するパラメータである。主走査倍率とは、画像データを主走査方向に拡大又は縮小する倍率を規定するパラメータである。また、副走査倍率とは、画像データを副走査方向に拡大又は縮小する倍率を規定するパラメータである。幾何調整値は、画像形状の補正を行った場合に、テストパターン820からシートの端部までの距離(図6(a)、(b)の(C)~(J))が予め設定された値と等しくなるように決定される。
なお、ここでは幾何調整値としてリード位置・サイド位置・主走査倍率・副走査倍率の4つのパラメータを挙げたが、画像処理部460が他のパラメータを算出するようにしてもよい。他のパラメータとしては、例えば、画像の直角性の補正を行うためのパラメータ、画像の台形補正を行うためのパラメータ、シートに対する画像の回転角度を規定するパラメータ等が考えられる。
画像処理部460で決定された幾何調整値は、通信部450を通じて画像形成装置100のプリンタコントローラ103に送られてシートライブラリ900に登録される。画像形成装置100が画像形成ジョブを実行する場合、画像形状補正部320は、シートライブラリ900を参照して記録材として指定されているシートのシート情報910,911,912,…及び幾何調整値(図7(a)参照)を取得する。そして、画像形状補正部320は、取得したシートの幾何調整値に基づいて画像データを補正する。シートの表面及び裏面の画像データが補正されることにより、シートの表裏見当が行われる。
なお、ここではユーザからの明示的な指示に基づいて表裏見当用のテストパターン820が形成されて、調整ユニット400が幾何調整値を取得する場合を説明したが、これに限定されない。例えば、画像形成ジョブが投入された場合に、ジョブを実行する前の準備動作として、ジョブで指定されたものと同一のシートに対してテストパターン820を形成して幾何調整値を取得するようにしてもよい。また、大量の成果物を要求する画像形成ジョブの実行中に、一定枚数の成果物を出力する度にテストパターン820を形成するジョブを自動的に挿入して補正(キャリブレーション)を行うようにしてもよい。また、調整ユニット400がシートの読み取りを行う目的としては、幾何調整値を取得してシートに対する画像の位置ずれや歪みを補正することに限定されない。例えば、調整ユニットは、シートに対する画像の位置ずれや歪みが所定値以内に収まっていることを監視するために、連続的に搬送される成果物の画像が形成されたシートの読み取り(シートからの画像情報の読み取り)を行うようにしてもよい。
[制御方法]
以上のように構成された画像形成システム100Sにおいて、調整ユニット400でシートの搬送や読み取りを行う際の制御方法について、図2のブロック図、図8及び図9を参照しつつ図7のフローチャートに沿って説明する。
以上のように構成された画像形成システム100Sにおいて、調整ユニット400でシートの搬送や読み取りを行う際の制御方法について、図2のブロック図、図8及び図9を参照しつつ図7のフローチャートに沿って説明する。
以下の説明において、画像形成ジョブの内、成果物の出力を要求するものであって調整ユニット400がシートの読み取りを行わないジョブを「通常ジョブ」とする。また、画像形成ジョブの内、表裏見当を行うために調整ユニット400が表裏見当部700(図3参照)によってシートの読み取りを行うジョブを「表裏見当ジョブ」とする。なお、通常ジョブは、外部I/F303(図2参照)を介して外部のコンピュータから入力された場合、及び操作部180を介してユーザが複写動作の開始を指令した場合等に、プリンタコントローラ103に投入される。また、表裏見当ジョブは、上述したように、ユーザの明示的な指令によって実行される場合と、画像形成システム100Sが自発的に実行する場合とがあり得る。
画像形成ジョブの開始にあたり(S1)、プリンタコントローラ103はジョブが通常ジョブ及び表裏見当ジョブのいずれであるかを判別する(S2)。通常ジョブの場合(S2:Y)、画像形成装置100及び調整ユニット400は、シートの搬送に関与する部材(例えば、フラッパ等)をデフォルトの位置(ホームポジション)で待機させる。例えば、調整ユニット400は、シートをスルーパス430(図8(a)参照)に沿って第1排出口442へ案内するための位置に切替フラッパ422を位置決めする(S4)。つまり、図8(a)に示すように、切替フラッパ421は上方位置に保持される。
画像形成装置100は、画像形成ジョブによって出力することを要求された画像データに従ってシート1に画像を形成し(S5)、調整ユニット400は、画像が形成されたシート1を受け取る(S6)。すると、図8(a)、(b)に示すように、調整ユニット400は、シート1を各搬送ローラ対によって順に受け渡し、スルーパス430を通過させる。そして、調整ユニット400は、シート1を出口搬送ローラ対405によって第1排出口442からフィニッシャ600(図1参照)に排出する(S7)。フィニッシャ600は、シート1を受け取ると、シート1に処理部601で処理を施して、処理が施されたシートを積載トレイ602に成果物として積載する。
表裏見当ジョブの場合(S2:N)、調整ユニット400は、シートを排出パス432(図9(a)参照)へ案内するための位置に切替フラッパ421を位置決めする(S10)。つまり、図9(a)に示すように、切替フラッパ422は下方位置に保持される。
画像形成装置100は、表裏見当用のテストパターン820(図6参照)をシートに形成し(S11)、調整ユニット400は、テストパターン820が形成されたシートを受け取る(S12)。調整ユニット400は、スルーパス430に搬入されたシート1を、裏面CIS511及び表面CIS521の読取位置P1,P2(図4参照)を通過させる際、CIS511,521によってシート1の読み取りを行う(S13、図9(a)、(b))。なお、シート上のテストパターン820が裏面CIS511の第1読取位置P1に到達する前に、調整ユニット400の制御部451は、シート1の搬送速度をCIS511,521の読み取りに適した搬送速度まで減速するようにしてもよい。
裏面CIS511及び表面CIS521が読み取った画像データは画像処理部460によって処理され、幾何調整値が算出される。算出された幾何調整値は、通信部450を介して画像形成装置100に送信され、シートライブラリ900に格納される(S14)。
読取位置P1,P2を通過したシート1がスルーパス430から排出パス432への分岐部431に到達すると、調整ユニット400は、切替フラッパ422に案内されたシート1を排出パス432に沿って第2排出口443へ向けて搬送する。調整ユニット400は、排出パス432に沿って搬送したシート1を、第2排出口443から排出トレイ423に排出する(S15)。
平均化された幾何調整値に基づいて表裏見当を行うため、以上の処理は、ジョブで指定されたシート枚数の各シートに対して繰り返し実行され、最終シートに対する処理が完了した後(S8:Y)、ジョブが終了する(S9)。なお、図7に示す制御例では同一ジョブの処理中に、シート毎にジョブの種類を判別しているが、ジョブの開始時に種類を判別し、ジョブの処理中は判別を行わずに前のシートと同じ処理を適用するようにしてもよい。また、図7に示す制御例では、表裏見当を行うジョブにおいてシートの読み取り後にシートを排出トレイ423へ排出しているが、これに限定されない。画像形成システムは、表裏見当を行うジョブにおいてシートの読み取り後にシートをフィニッシャに排出する制御を実行可能であってもよい。例えば、画像形成装置が成果物の画像と余白に配置されるテストパターンとをシートに形成し、調整ユニットが当該シートを読み取った後でフィニッシャに排出し、フィニッシャがテストパターンと共に当該シートの余白を裁断するようにしてもよい。
[表裏見当部の詳細]
次に、図4及び図10を参照して、表裏見当部700の詳細について説明する。一般に、本実施の形態で用いられるコンタクトイメージセンサ等の等倍光学系のイメージセンサは、CCD等の縮小光学系のセンサと比較して焦点深度が浅い(ピント範囲が狭い)という特徴がある。このため、等倍光学系のイメージセンサを用いた画像読取装置は、センサの読取位置においてシートの焦点深度方向の位置の変化やばらつきを抑制するため、シートが通過する領域のシートの厚さ方向の寸法を狭くすることが求められる。言い換えると、等倍光学系のイメージセンサを用いた画像読取装置は、シートの第1面に当接してシートを案内する部材と第2面に当接してシートを案内する部材との距離を小さくすることが求められる。
次に、図4及び図10を参照して、表裏見当部700の詳細について説明する。一般に、本実施の形態で用いられるコンタクトイメージセンサ等の等倍光学系のイメージセンサは、CCD等の縮小光学系のセンサと比較して焦点深度が浅い(ピント範囲が狭い)という特徴がある。このため、等倍光学系のイメージセンサを用いた画像読取装置は、センサの読取位置においてシートの焦点深度方向の位置の変化やばらつきを抑制するため、シートが通過する領域のシートの厚さ方向の寸法を狭くすることが求められる。言い換えると、等倍光学系のイメージセンサを用いた画像読取装置は、シートの第1面に当接してシートを案内する部材と第2面に当接してシートを案内する部材との距離を小さくすることが求められる。
しかしながら、例えば搬送方向に長い範囲において第1面側の案内部材と第2面側の案内部材との厚さ方向の距離を小さくすると、シートと案内部材との摩擦抵抗が大きくなり、安定した搬送速度が得られないばかりか、シートの詰まりが発生する虞もある。このため、本実施の形態の表裏見当部700は、第1読取位置P1及び第2読取位置P2において透明ガイド513,523に対向するガイドローラ515,525によって、搬送方向Y2に狭い範囲でシートの厚さ方向の位置を制限している。
また、一般に、電子写真方式等、シートに画像を形成する際にシートに熱を加える画像形成装置においては、画像形成後に熱膨張によってシートに反り(カール)が生じやすい。このように、反りが生じているシートを搬送する際、ニップ間(隣接する搬送ローラ対間)等のシートの厚さ方向の位置が制限されていない部分において、シートの一部がシートの搬送経路から厚さ方向に離間する場合がある。例えば、本実施の形態において搬送されるシートの先端が上流搬送ローラ対402と第2ガイドローラ516との間に位置している状態では、シートはスルーパス430から厚さ方向(上方向)に離間するように、湾曲する場合がある(図10(a)参照)。また、反りが生じた状態で搬送されたシートの先端部は、第2ガイドローラ516の下端部、即ち第1透明ガイド513に最も近い部分よりも、第1透明ガイド513から離間した部分に当接しやすくなる(図10(a)参照)。
搬送されたシートの先端部が第2ガイドローラ516の下端部付近に接触した場合、シートは第2ガイドローラ516から大きな外力を受けずに安定して搬送される。しかしながら、シートの先端部が第2ガイドローラ516の第1透明ガイド513から離間した部分に当接すると、シートは第2ガイドローラ516から搬送方向Y2と反対方向の大きな外力を受けやすい。また、このように、シートが搬送方向Y2と反対方向の外力を受けると、シートが湾曲すること等によるシートの減速やシートの振動によりシートの搬送速度(シート先端の搬送方向Y2における移動速度)が変化(減少)する場合がある。また、シートが画像を読み取るセンサの読取位置に達した状態でシートの搬送速度が変化してしまうと、シートの良好な読取精度が得られない場合がある。
また、上述したように、本実施の形態の表裏見当部700において、シートは、第1及び第2ガイドローラと第1透明ガイド513との間で挟持されない。このため、第2ガイドローラ516の上流側で一部が厚さ方向に離間した状態のシートが、第1及び第2ガイドローラと第1透明ガイド513との間に突入すると、シートの湾曲部分がスルーパス430に沿うように矯正される(図10(a)~(c)参照)。言い換えると、シートの第2ガイドローラ516の上流側で厚さ方向に離間した部分が、第1透明ガイド513に近づくように移動する。また、シートの湾曲した部分がスルーパス430に沿うように矯正される際、シートの先端は、上流搬送ローラ対402(図4参照)による搬送速度よりも早く移動するように、シートの搬送速度が変化(増加)する。この場合も同様に、シートが画像を読み取るセンサの読取位置に達した状態でシートの搬送速度が変化してしまうと、シートの良好な読取精度が得られない場合がある。
上述した課題を解決するため、本実施の形態の表裏見当部700は、シートの先端が第1読取位置P1に達する前に、シートの湾曲した部分が矯正されやすくすることによって、シートの読取精度の向上を図っている。以下、反りが生じたシートの表裏見当部700における挙動と、シートの読取精度を向上させる構成について、図10(a)~(d)を参照して説明する。
図10(a)に示すように、第2ガイドローラ516の上流側で湾曲したシート1’の先端部が第2ガイドローラ516に達すると、シート1’は、第2ガイドローラ516の下端部よりも第2ガイドローラ516から離間した部分(点516’)に当接する。このとき、シート1’は、第2ガイドローラ516から搬送方向Y2とは反対方向の外力を受けて、シート1’の搬送速度(搬送方向Y2におけるシート先端1aの移動速度)が減少する場合がある。しかしながら、このときシート1’の先端1aはまだ第1読取位置P1には達していないため、シート1’の搬送速度の変化によるシート1’の読取精度への影響はない。
図10(b)に示すように、シート1’が更に搬送されると、第2ガイドローラ516によってシート1’の湾曲した部分が第1透明ガイド513に近づくように矯正されて、シート1’の搬送速度が増加する。同様に、このときシート1’の先端1aはまだ第1読取位置P1には達していないため、シート1’の搬送速度の変化によるシート1’の読取精度への影響はない。
更にシート1’が搬送され、図10(c)に示すようにシート1’の先端が第1読取位置P1に達した際、第2ガイドローラ516によりシート1’の湾曲が既に矯正されているので、シート1’の先端部は搬送方向Y2と反対方向の大きな外力を受けにくい。また、シート1’の先端1aが第1読取位置P1に達した際、第2ガイドローラ516によってシートの湾曲が既に矯正されているので、湾曲が矯正されることによるシート1’の搬送速度の変化が起きにくい。
また、第1ガイドローラ515と第2ガイドローラ516との搬送方向Y2における距離は、第2ガイドローラ516と上流搬送ローラ対402との搬送方向Y2における距離よりも小さい。即ち、第1ガイドローラ515の回転軸線C1と第2ガイドローラ516の回転軸線C2との搬送方向Y2における距離L1は、回転軸線C2と上流搬送ローラ対402の回転軸線との搬送方向Y2における距離L2よりも小さい。このように、第1ガイドローラ515と第2ガイドローラ516とは搬送方向Y2に近接して配置されており、反りが生じたシートが第1ガイドローラ515と第2ガイドローラ516との間で再び湾曲することを抑制している。
更にシート1’が搬送されると、図10(d)に示すように、シート1’は、安定した速度で搬送されながら、第1読取位置P1において良好な読取精度で読み取られる。なお、反りが生じたシートの第2読取部500Bにおける挙動と、第5ガイドローラ526を設けたことによってシートの読取精度を向上させる構成は、第1読取部500Aと同様であるため、説明を省略する。
また、本実施の形態においては、画像読取装置として、表裏見当を行うためのテストパターン820やシートの輪郭を読み取る調整ユニット400について説明をしたが、これに限定されない。画像読取装置としては、挟持しながら搬送されたシートの画像情報を読み取る読取手段を備えたものであればよく、シートの輪郭を読み取りしないものでもよいし、表裏見当を行うためのものでなくてもよい。例えば、画像読取装置としては、色味調整や濃度調整等を行うためシートに形成されたテストパターン(画像)の色情報(濃度情報)を読み取る読取手段としてのカラーセンサを備えたものであってもよいし、シートの第1面のみを読み取り可能であってもよい。また、画像読取装置としては、一般的な画像や原稿等を読み取って内容を電子データに変換することを目的とした画像読取装置であってもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、搬送方向Y2における第1ガイドローラ515の上流側に配置された第2ガイドローラ516により、シートの先端が第1読取位置P1に達する前にシートの湾曲(反り)を矯正することができる。また、搬送方向Y2における第4ガイドローラ525の上流側に配置された第5ガイドローラ526により、シートの先端が第2読取位置P2に達する前にシートの湾曲(反り)を矯正することができる。これにより、第1読取位置P1及び第2読取位置P2でのシートの(画像の)読取精度を向上させることができる。
なお、本実施の形態の調整ユニット400は、スルーパス430に配置された各搬送ローラ対やガイドローラは、いずれも搬送モータ452によって駆動されているが、これに限定されない。画像読取装置は、上述した各搬送ローラ対やガイドローラの駆動手段として、これらをそれぞれ独立して駆動可能な複数のモータを備えたものであってもよい。
また、本実施の形態の調整ユニット400は、全てのガイドローラの一部がニップ線Npよりも読取手段側に配置されているが、これに限定されない。画像読取装置は、少なくとも読取手段に対向するガイドローラが直前の搬送ローラ対によるニップ線よりも読取手段側に配置されていればよい。
また、本実施の形態の調整ユニット400は、第1透明ガイド513及び第2透明ガイド523が互いに平行な平板状に形成されているが、これに限定されない。例えば、第1透明ガイド513及び第2透明ガイド523のシートに当接可能な面が曲面となるように形成されていてもよいし、互いに平行とならず交差するように配置されていてもよい。
<第2の実施の形態>
以下、図11を参照して、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態に対し、表裏見当部の第1読取部及び第2読取部の構成が異なり、他の構成については第1の実施の形態と同様である。このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図面に同一の符号を付して説明を省略する。
以下、図11を参照して、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態に対し、表裏見当部の第1読取部及び第2読取部の構成が異なり、他の構成については第1の実施の形態と同様である。このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図面に同一の符号を付して説明を省略する。
第1の実施の形態の表裏見当部700では、上述したように、読取手段としての裏面CIS及び表面CISの読取範囲の主走査方向における長さが、画像形成装置100(調整ユニット400)が搬送可能な最大サイズのシートの幅以上となっている。
これに対し、本実施の形態の表裏見当部701では、読取範囲の主走査方向における長さが最大サイズのシートの幅未満の読取手段をシートの片面につき複数設けることで、最大サイズのシートを読み取り可能となっている。
具体的には、表裏見当部701は、シートの輪郭及び下面の画像情報を読み取る第1読取部501Aと、搬送方向Y2における第1読取部501Aの下流に配置され、シートの輪郭及び上面の画像情報を読み取る第2読取部501Bと、を有している。第1読取部501Aは、第1読取手段としての第1裏面CIS511aと、第2読取手段としての第2裏面CIS512aと、を有している。また、第1読取部501Aは、第1回転体としての第1ガイドローラ515と、第2回転体としての第2ガイドローラ516と、第3回転体としての第3ガイドローラ517と、を有している。
第1裏面CIS511a及び第2裏面CIS512aは、搬送方向Y2において上流搬送ローラ対402の下流側かつスルーパス430の下方側、即ちスルーパス430に沿って搬送されるシートの下面側に配置されたコンタクトイメージセンサである。第1裏面CIS511a及び第2裏面CIS512aは、いずれも読取範囲の主走査方向(第1ガイドローラ515の回転軸線方向)における長さL3が、最大サイズのシートの幅未満かつ最大サイズのシートの幅の2分の1よりも大きい。例えば、第1裏面CIS511a及び第2裏面CIS512aは、長さL3が210mm以上となっているA4サイズのシートを読み取るためのセンサである。具体的には、長さL3は、約220mmとなっている。
また、第1裏面CIS511a及び第2裏面CIS512aは、搬送方向Y2及び主走査方向の位置が異なっている。具体的には、第2裏面CIS512aは、搬送方向Y2における第1裏面CIS511aの上流側に位置していると共に、第1裏面CIS512aよりも主走査方向における一方側(X1方向側)に位置している。更に、第1裏面CIS511a及び第2裏面CIS512aは、それぞれの読取範囲が、搬送方向Y2から視て、主走査方向に一部が重なっており、主走査方向の中央部にシートの読み取りができない非読取領域が形成されないように配置されている。このように、流通量の多い安価なA4サイズのシートを読み取るためのCISを主走査方向の異なる位置にずらして配置することで、例えば、主走査方向の長さが13インチである所謂A3ノビサイズのシートを主走査方向の全域に亘って読み取り可能となる。
また主走査方向にて、第2裏面CIS512aと重なっていない第1裏面CIS511aの読取範囲の一方端から第1裏面CIS511aと重なっていない第2裏面CIS512aの読取範囲の他方端までの長さL4は、最大サイズのシートの幅よりも大きい。言い換えると、第1裏面CIS511a及び第2裏面CIS512aによってシートの読み取りが可能な範囲の主走査方向における一方端(X1方向端)から他方端(X2方向端)までの長さL4は、最大サイズのシートの幅よりも大きい。
このように構成されて、第1読取部501Aは、読取範囲の主走査方向における長さが最大サイズのシートの幅未満である第1裏面CIS511a及び第2裏面CIS512aを用いて、最大サイズのシートの読み取りを可能としている。
第2ガイドローラ516は、第1透明ガイド513を挟んで第2裏面CIS512aの反対側に対向配置されており、第2裏面CIS511aがシートの輪郭を読み取る際の背景となる。第2ガイドローラ516は、シートとのコントラストが明確となるように明度の低い色、例えば、黒色又は灰色のゴム等によって、主走査方向において第2裏面CIS511aがシートを読み取り可能な範囲の全域に亘り、主走査方向に沿って形成されている。
第3ガイドローラ517は、スルーパス430の上方側、即ち第2ガイドローラ516と同じ側において、第2ガイドローラ516に対する搬送方向Y2の上流側に配置されている。また、第3ガイドローラ517は、第1透明ガイド513に対し、搬送されるシートが通過可能な所定の間隙(Lg)を存して対向しており、第1透明ガイド513との間で搬送されるシートの厚さ方向の位置を制限する。第3ガイドローラ517は、第2の実施形態における第2ガイドローラ516と同様の働きをする。
このように構成されて、本実施の形態では、シートの先端が第2裏面CIS512aの読取位置に達した際、第3ガイドローラ517によってシートの湾曲が矯正されている。このため、第1裏面CIS511a及び第2裏面CIS512aの読取位置において、シートの搬送速度の変化が起きにくくなっている。
第2読取部501Bは、第3読取手段としての第1表面CIS521aと、第4読取手段としての第2表面CIS522aと、を有している。また、第2読取部501Bは、第4回転体としての第4ガイドローラ525と、第5回転体としての第5ガイドローラ526と、第6回転体としての第6ガイドローラ527と、を有している。
第2読取部501Bの各構成は、第1読取部501Aの各構成に対応している。具体的には、第1表面CIS521aは第1裏面CIS511aに対応し、第2表面CIS522aは第2裏面CIS512aに対応する。また、第5ガイドローラ526は、第2ガイドローラ516に対応し、第6ガイドローラ527は、第3ガイドローラ517に対応する。これら第1読取部501Aと第2読取部501Bとで対応する構成同士は同様の機能を有すると共に上下対称となるように配置されており、第1読取部501Aと共通する第2読取部501Bの内容については説明を省略する。
<第3の実施の形態>
以下、図12を参照して、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、第1の実施の形態に対し、表裏見当部の第1読取部及び第2読取部の構成が異なり、他の構成については第1の実施の形態と同様である。このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図面に同一の符号を付して説明を省略する。
以下、図12を参照して、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、第1の実施の形態に対し、表裏見当部の第1読取部及び第2読取部の構成が異なり、他の構成については第1の実施の形態と同様である。このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図面に同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態の表裏見当部702では、第2の実施の形態の表裏見当部701と同様に、読取範囲の主走査方向における長さが最大サイズのシートの幅未満の読取手段をシートの片面につき複数設けることで、最大サイズのシートを読み取り可能としている。
本実施の形態の表裏見当部702は、シートの輪郭及び下面の画像情報を読み取る第1読取部502Aと、搬送方向Y2における第1読取部502Aの下流に配置され、シートの輪郭及び上面の画像情報を読み取る第2読取部502Bと、を有している。本実施の形態の第1読取部502Aは、第2の実施の形態の第1読取部501Aに対し、第3ガイドローラ517が設けられていない点が異なるが、他の構成は第2の実施の形態の第1読取部501Aと同様であるため、説明を省略する。また、本実施の形態の第2読取部502Bは、第2の実施の形態の第2読取部501Bに対し、第6ガイドローラ527が設けられていない点と、第1及び第2表面CISの配置が異なるが、他の構成は第2の実施の形態の第2読取部501Bと同様である。
第2表面CIS522bは、搬送方向Y2における第1表面CIS521bの上流側に位置していると共に、主走査方向において第1表面CIS521bとは異なる位置に配置されている。更に、第1表面CIS521b及び第2表面CIS522bは、それぞれの読取範囲が、搬送方向Y2から視て、主走査方向に一部が重なるように配置されている。
また主走査方向にて、第1表面CIS521bと重なっていない第2表面CIS522bの読取範囲の一方端から第2表面CIS522bと重なっていない第1表面CIS521bの読取範囲の他方端までの長さは、最大サイズのシートの幅よりも大きい。言い換えると、第1表面CIS521b及び第2表面CIS522bによってシートの読み取りが可能な範囲の主走査方向における一方端(X1方向端)から他方端(X2方向端)までの長さは、最大サイズのシートの幅よりも大きい。
このように構成されて、第2読取部502Bは、読取範囲の主走査方向における長さが最大サイズのシートの幅未満である第1表面CIS521b及び第2表面CIS522bを用いて、最大サイズのシートの読み取りを可能としている。
また、第1表面CIS521bは、第2表面CIS522bよりも主走査方向における他方側(X2方向側)に位置している。また、第1読取部502Aにおいて、第1裏面CIS511aは、第2裏面CIS512aよりも主走査方向における一方側(X1方向側)に位置している。言い換えると、第1読取部502Aと第2読取部502Bとは、搬送方向Y2における下流側のCISと上流側のCISとが、主走査方向において反対側に(千鳥状に)位置している。
上述したように、本実施の形態の表裏見当部702は、第2の実施の形態の表裏見当部701と異なり、第3ガイドローラ517及び第6ガイドローラ527が設けられていない。このため、第2裏面CIS512a及び第2表面CIS522bの読取位置にシートの先端が達した際にシートの搬送速度が変化して、第2裏面CIS512a及び第2表面CIS522bの読取位置において良好な読取精度が得られない場合がある。言い換えると、シートの裏面の読み取りにおいては、主走査方向の一方側(X1方向側)の読取精度が他方側(X2方向側)よりも高く、シートの表面の読み取りにおいては、主走査方向の他方側の読取精度が一方側よりも高い。
例えば、下流側のCISによる読取誤差を最大Aμm(例えば50μm)、上流側のCISによる読取誤差を最大Bμm(例えば150μm)とすると、第1裏面CIS511a及び第1表面CIS521bでの読取誤差は最大Aμmとなる(A<B)。また、第2裏面CIS512a及び第2表面CIS522bでの読取誤差は最大Bμmとなる。このとき、主走査方向の一方側(X1方向側)の表裏の読取誤差(ずれ量)は、第1裏面CIS511aでの読取誤差と第2表面CIS522bでの読取誤差の和となり、最大(A+B)μmとなる。また、主走査方向の他方側(X2方向側)の表裏の読取誤差は、第2裏面CIS512aでの読取誤差と第1表面CIS521bでの読取誤差の和となり、同様に最大(A+B)μmとなる。具体的には、上記読取誤差は、テストパターン820からシートの先端までの距離(D)及び(H)の読取誤差である(図6参照)。
なお、仮に搬送方向Y2における下流側のCISと上流側のCISとが、主走査方向において同じ側に位置している場合、主走査方向における一方側又は他方側の表裏の読取誤差は、最大でBμmの2倍となる(2*B>A+B)。
このように、本実施の形態の表裏見当部702は、第1読取部502Aと第2読取部502Bにおいて、搬送方向Y2における下流側のCISと上流側のCISとが、主走査方向において反対側に位置していることで、表裏の読取誤差の最大値を抑制している。なお、本実施の形態において、第2表面CIS522bは、第1表面CIS521bよりもX1方向側に位置し、第2裏面CIS512aは、第1裏面CIS511aよりもX2方向側に位置しているが、これに限定されない。第1読取部と第2読取部において、搬送方向Y2における下流側のCISと上流側のCISとが、主走査方向に反対側に配置されていればよく、例えば、第2裏面CIS512a及び第1表面CIS521bが共にX1方向側に位置していてもよい。
<第4の実施の形態>
以下、図13を参照して、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は、第3の実施の形態に対し、第1及び第2裏面CISと、第1及び第2表面CISと、の形状が異なり、他の構成については第3の実施の形態と同様である。このため、第3の実施の形態と同様の構成については、図面に同一の符号を付して説明を省略する。
以下、図13を参照して、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は、第3の実施の形態に対し、第1及び第2裏面CISと、第1及び第2表面CISと、の形状が異なり、他の構成については第3の実施の形態と同様である。このため、第3の実施の形態と同様の構成については、図面に同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態の第1読取手段としての第1裏面CIS511cは、外形の一部が搬送方向Y2に突出した突出部6bを有している。突出部6bには、制御部451(図2参照)と接続するためのフレキシブルフラットケーブル(FFC)が挿入されるコネクタ部6cが設けられている。
本実施の形態において、第1裏面CIS511c、第2裏面CIS512c、第1表面CIS521c及び第2表面CIS522cは、それぞれ配置が異なるが同一のコンタクトイメージセンサが用いられている。
第1裏面CIS511c及び第2裏面CIS512cは、それぞれの突出部6bが共に主走査方向の外側に配置されるように配置されている。このように配置されることで、第1裏面CIS511c及び第2裏面CIS512cは、互いにより搬送方向Y2に近づけて配置することが可能となる。
また、同様に、第1表面CIS521c及び第2表面CIS522cは、それぞれの突出部6bが共に主走査方向の外側に配置されるように配置されている。このように配置されることで、第1表面CIS521c及び第2表面CIS522cは、互いにより搬送方向Y2に近づけて配置することが可能となる。これにより、本実施の形態の表裏見当部703は、搬送方向Y2において装置を小型化することが可能となる。
1…シート/100…画像形成装置/100S…画像形成システム/102…画像形成部/400…画像読取装置(調整ユニット)/402…回転体対(上流搬送ローラ対)/452…駆動手段(搬送モータ)/511…読取手段(第1裏面CIS)/512…読取手段(第2裏面CIS)/513…透光板(第1透明ガイド)/515…第1回転体(第1ガイドローラ)/516…第2回転体(第2ガイドローラ)/517…第3回転体(第3ガイドローラ)/521…読取手段(第1表面CIS)/522…読取手段(第2表面CIS)/523…透光板(第2透明ガイド)/525…第4回転体(第4ガイドローラ)/526…第5回転体(第5ガイドローラ)/C1…回転軸線/L1…距離/L2…距離/L3…距離/L4…距離/Lg…距離/N2…ニップ部(上流ニップ部)/Np…共通接線(ニップ線)/X1…回転軸線方向/Y2…搬送方向
Claims (15)
- シートに画像を形成する画像形成装置から排出されたシートの画像情報を読み取る画像読取装置であって、
シートを挟持して搬送する回転体対と、
前記回転体対によって搬送されたシートからの光が透過する第1透光板と、
第1読取位置において、前記回転体対によって搬送されたシートの第1面の画像情報を、前記第1透光板を介して読み取る第1読取手段と、
シート搬送方向に直交する幅方向において前記第1読取手段とは異なる位置に配置され、前記シート搬送方向における前記第1読取位置よりも上流の第2読取位置において、前記回転体対によって搬送されたシートの前記第1面の画像情報を、前記第1透光板を介して読み取る第2読取手段と、
前記第1読取位置において、前記第1透光板と間隙を存して対向した第1回転体と、
前記第2読取位置において、前記第1透光板と間隙を存して対向した第2回転体と、
前記回転体対によって搬送されたシートからの光が透過する第2透光板と、
前記シート搬送方向において前記第1読取位置よりも下流の第3読取位置において、シートの前記第1面とは反対側の第2面の画像情報を、前記第2透光板を介して読み取る第3読取手段と、
前記幅方向において前記第3読取手段とは異なる位置に配置され、前記シート搬送方向において前記第3読取位置よりも上流の第4読取位置において、シートの前記第2面の画像情報を、前記第2透光板を介して読み取る第4読取手段と、
前記第3読取位置において、前記第2透光板と間隙を存して対向した第4回転体と、
前記第4読取位置において、前記第2透光板と間隙を存して対向した第5回転体と、を備えた、
ことを特徴とする画像読取装置。 - 前記シート搬送方向において、前記第1回転体と前記第2回転体との距離は、前記回転体対と前記第2回転体との距離よりも短い、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。 - 前記第1回転体の一部と前記第2回転体の一部とは、前記回転体対のニップ部における共通接線よりも前記第1読取手段及び前記第2読取手段側に配置されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。 - 前記第1回転体及び前記第2回転体を回転させる駆動手段を備えた、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像読取装置。 - 前記第1回転体と前記第1透光板との間の距離及び前記第2回転体と前記第1透光板との間の距離は、前記画像読取装置が搬送可能な最大厚のシートの厚さよりも大きい、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像読取装置。 - 前記第1回転体と前記第1透光板との間の距離及び前記第2回転体と前記第1透光板との間の距離は、同じ距離となっている、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像読取装置。 - 前記第1及び第2読取手段は、それぞれ、前記幅方向における読取範囲の長さが、前記画像読取装置が搬送可能な最大サイズのシートの幅未満であり、
前記第1及び第2読取手段の読取範囲は、前記シート搬送方向から視て、前記幅方向に一部が重なるように配置されている、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像読取装置。 - 前記幅方向において、前記第2読取手段と重なっていない前記第1読取手段の読取範囲の一方端から、前記第1読取手段と重なっていない前記第2読取手段の読取範囲の他方端までの長さは、前記最大サイズのシートの幅よりも大きい、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像読取装置。 - 前記シート搬送方向における前記第2回転体の上流側に位置し、前記第2回転体と同じ側において前記第1透光板と間隙を存して対向した第3回転体を備えた、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像読取装置。 - 前記第3及び第4読取手段は、それぞれ、前記幅方向における読取範囲の長さが、前記画像読取装置が搬送可能な最大サイズのシートの幅未満であり、
前記第3及び第4読取手段の読取範囲は、前記シート搬送方向から視て、前記幅方向に一部が重なるように配置されている、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像読取装置。 - 前記幅方向に前記第3読取手段と重なっていない前記第4読取手段の読取範囲の一方端から、前記幅方向に前記第4読取手段と重なっていない前記第3読取手段の読取範囲の他方端までの長さは、前記最大サイズのシートの幅よりも大きい、
ことを特徴とする請求項10に記載の画像読取装置。 - 前記第1読取手段は、前記第2読取手段よりも前記幅方向の一方側に位置し、
前記第3読取手段は、前記第4読取手段よりも前記幅方向の他方側に位置している、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像読取装置。 - シート搬送方向における前記第4回転体の上流側に位置し、前記第4回転体と同じ側において前記第2透光板と間隙を存して対向した第6回転体と、を備えた、
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像読取装置。 - シートに画像を形成する画像形成部を有する画像形成装置と、
前記画像形成装置から排出されたシートの画像情報を読み取る請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像読取装置と、を備えた、
ことを特徴とする画像形成システム。 - 前記画像形成装置は、前記画像読取装置によって読み取られた画像情報に基づいて、シートに画像を形成する際のシートに対する画像の位置を補正する、
ことを特徴とする請求項14に記載の画像形成システム。
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Patent Citations (4)
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