以下に図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1には、本実施の形態に適用した画像形成装置10の概略構成を示している。なお、画像形成装置としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ或いはこれらの機能を併せ持つ複合機などの適用が可能であるが、以下では、これらの基本的機能を備えたプリンタを例に説明する。
画像形成装置10は、画像形成に用いる用紙12が装填される給紙部14、電子写真プロセスによって用紙12に画像を形成するプリントエンジン(画像形成部)16及び、用紙12の搬送を担う搬送部18によって形成されている。
プリントエンジン16は、感光体ドラム20が設けられた現像モジュール22が設けられている。この現像モジュール22には、感光体ドラム20の周囲に、クリーナ、除電器、帯電器(何れも図示省略)と共に、走査露光手段としてレーザービーム等を用いたROS(Raster Optical Scanner)24が設けられ、さらに現像器(図示省略)が設けられている。
現像モジュール22では、感光体ドラム20の周面を均一に帯電させた後、ROS24によって画像データに応じてレーザービームを走査しながら照射する。これにより、感光体ドラム20上に、画像データに応じた静電潜像を形成する。
また、現像モジュール22では、静電潜像を形成した感光体ドラム20の周面にトナーを供給することにより、トナー像(例えば黒(K)色のトナー像)を形成する(トナー現像)。
プリントエンジン16には、感光体ドラム20に対向して転写ベルト26が設けられており、感光体ドラム20と転写ベルト26の接触位置が転写位置となっている。
プリントエンジン16では、給紙部14から供給(給紙)される用紙12を、この転写位置で感光体ドラム20と転写ベルト24によって挟持する。このときに、プリントエンジン16では、用紙12と感光体ドラム20に形成したトナー像を重ねながら用紙12を感光体ドラム20と転写ベルト26によって挟持する。これにより、プリントエンジン16では、用紙12にトナー像を転写しながら送り出す。
なお、本実施の形態では、プリントエンジン16として例えば、黒(K)色のトナーを用いた単色画像を形成するようにしているが、プリントエンジン16としては、カラー画像の形成が可能なものであっても良い。
このときには、K色に加えて、Y(イエロー)、M(マゼンタ)C(シアン)の各色の現像モジュール又は現像器を用い、印刷用として入力される画像データ(カラー画像データ)を、RIP処理することによりY、M、C、Kの各色成分のデータ(ラスタデータ)を生成し、それぞれのラスタデータを用いて、感光体ドラムを走査露光すると共に、Y、M、C、Kの各色のトナーを用いてY、M、C、Kの各色のトナー像を形成し、これらのトナー像を中間転写体に重畳しながら転写するか、直接、用紙12に重畳しながら転写して、フルカラーのトナー像を形成するものであれば良い。
プリントエンジン16には、定着モジュール(定着器)28が設けられている。この定着モジュール28は、図示しないヒータによって所定の温度に加熱された定着ローラ30を備えており、トナー像が転写された用紙12を、定着ローラ30によって挟持することにより加圧しながら加熱する。
これにより、トナーが溶融して用紙12に定着され、画像データに応じた画像が用紙12に形成される。
一方、給紙部14には、それぞれに多数枚の用紙12を積層して収容可能とする複数の給紙トレイ32を備えている。なお、本実施の形態では、比較的小サイズの用紙12を収容する給紙トレイ32A、32Bと、比較的大きいサイズの用紙12まで収容が可能となっている給紙トレイ32C、32Dを設けているが、以下では、総称して給紙トレイ32とする。
なお、給紙トレイ32の数及び収容可能な用紙12のサイズはこれに限るものではない。また、画像形成装置10には、手差しトレイを設けて、この手差しトレイから用紙12の給紙が可能となっているものであっても良い。
給紙トレイ32には、取出しローラ及びフィードローラが設けられており取出しローラによって最上層の用紙12を取出し、この用紙12をフィードローラによって給紙トレイ32から送り出す。
搬送部18は、給紙トレイ32のそれぞれから送り出された用紙12をプリントエンジン16の転写位置(感光体ドラム20と転写ベルト26の間)へ搬送する給紙用搬送路34、定着モジュール28から送り出される用紙12を、画像形成装置10外へ向けて案内搬送する排紙用搬送路36を備えている。
給紙トレイ32から送り出された用紙12は、給紙用搬送路34に沿って搬送されてプリントエンジン16へ給紙される。なお、手差しトレイを用いて給紙するときには、用紙12が手差しトレイから、給紙用搬送路34の途中に挿入されるようになっている。
給紙用搬送路34には、転写位置の近傍で、転写位置よりも用紙12の搬送方向上流側2、レジローラ(レジストローラ)38が設けられており、搬送部18では、感光体ドラム20への画像形成に同期させたタイミングでレジローラ38を駆動して、用紙12を転写位置へ送り出すようにしている。
画像が形成されて定着モジュール28から送り出される用紙12は、排紙用搬送路36に沿って搬送されることにより、例えば、図示しない排紙トレイ上に排出される。なお、画像形成装置10には、各種の後処理を行う後処理装置を設けることができ、このときには、用紙12が排紙用搬送路36に沿って搬送されて後処理装置へ送り込まれる。
画像形成装置10には、定着モジュール28よりも用紙12の搬送方向下流側に、切換部40が設けられ、この切換部40から分岐して反転部42及び両面用搬送路44が設けられている。
切換部40は、定着モジュール28から送り出された用紙12の搬送方向を切換えて反転部42へ案内する。これにより反転部42へ送り込まれた用紙12が、反転部42から給紙用搬送路34へ戻されることにより、画像形成装置10から送り出される用紙12の画像形成面を反転することができる。
また、画像形成装置10では、用紙12の表裏両面に画像を形成する両面印刷が可能となっており、両面印刷を行うときには、1面目の画像形成が終了した用紙12を反転部42から両面搬送路44へ送り込む。両面搬送路44は、反転部42と給紙用搬送路34を連結しており、両面搬送路44は送り込まれた用紙12は、両面搬送路44から給紙用搬送路34へ戻されることにより、2面目への画像形成が可能となる。
一方、画像形成装置10は、CPU、ROM、RAM等がバスによって接続された一般的構成のマイクロコンピュータを備えており、このマイクロコンピュータと各種のハードウェアによって、図2に示す画像処理部50及びプリントコントローラ52が形成されている。画像処理部50では、各種の画像処理を行うと共に、ROS24によって感光体ドラム20を走査露光するためのラスタデータ(ビットマップデータ)を生成するRIP処理を行う。
プリントコントローラ52は、画像処理部50の作動制御と共に、給紙部14、プリントエンジン16及び搬送部18を形成する各種のデバイスの作動制御を行うことにより、用紙12に画像を形成する。
画像形成装置10では、図示しないネットワークインターフェイス等を介して、パーソナルコンピュータやワークステーション等の画像処理端末と接続され、この画像処理端末から用紙12に形成する画像データと共に、各種の印刷設定を含む印刷ジョブが入力される。
画像処理部50では、印刷ジョブが入力されると、印刷ジョブの画像データに対して印刷設定に基づいた画像処理を行うと共に、RIP処理を行う。なお、画像形成装置10が画像読取部(スキャナ部)を備えた複写機であるときには、画像読取部から画像データが画像処理部50に入力される。
プリントコントローラ52は、印刷ジョブの印刷設定に基づいて印刷処理を実行することにより、プリントコントローラ52では、印刷ジョブの印刷設定又は画像データに基づいた用紙12のサイズ、紙質(紙種)から、給紙トレイ32を選択し、選択した給紙トレイ32から用紙12を取り出して、画像形成処理を行う。また、プリントコントローラ52では、両面印刷が指定されていると、1面目に画像を形成した用紙12を、両面用搬送路44から給紙用搬送路へ送り込むことにより2面目への画像形成を行う。
また、プリントコントローラ52では、紙種ごとにパラメータが設定されており、該パラメータによって各種デバイスを制御しながら画像形成を行うことにより、用紙12に高品質の画像を形成することができるようになっている。
画像形成装置10には、操作パネル54が設けられており、この操作パネル54がプリントコントローラ52に接続している。この操作パネル54は、各種の情報を表示するディスプレイと共に、ディスプレイの表示に基づいたキー入力が可能となっている。
なお、このような操作パネル54としては、例えば、ディスプレイと操作キーが一体となったタッチパネルなどを用いることができる。
画像形成装置10では、各種のUI(ユーザーインターフェイス)を操作パネル54に表示し、このUIを用いて各種の設定や設定情報の確認が可能となっている。プリントコントローラ52には、このUIが記憶されており、このUIを用いた各種の設定情報の表示、設定の入力が可能となっている。また、プリントコントローラ52では、入力された設定情報を記憶し、記憶している設定情報に基づいた各種のデバイスの制御を行うようになっている。
なお、このような画像形成装置10の基本構成は、従来公知の一般的構成を適用できる。すなわち、画像形成装置10は、電子写真プロセスによって用紙12に画像を形成する任意の構成を適用することができる。
ところで、画像形成装置10では、用紙12をセンター基準で搬送して画像形成を行う。このとき、画像形成装置10では、ROS24から感光体ドラム20へレーザービームを照射するときの主走査方向が、用紙12の搬送方向と直交する搬送幅方向であることから、プリントコントローラ52では、用紙12のサイズ(搬送幅方向のサイズ)に応じて、レーザービームの照射開始位置を制御する。
これにより、画像形成装置10では、用紙12の幅方向に沿った所定位置に画像を形成できるようになっている。
一方、プリントエンジン16には、感光体ドラム20を回転駆動するメインモータ56が設けられており、プリントコントローラ52は、メインモータ56の作動を制御して、感光体ドラム20を予め設定された一定速度で回転駆動するようになっている。
また、制御する搬送部18には、レジローラ38を回転駆動するレジモータ58と共に、レジセンサ60、プリレジセンサ62が設けられている。
図3に示すように、レジセンサ60は、レジローラ38よりも用紙12の搬送方向の上流側に配置され、プリレジセンサ62は、さらに上流側に配置されている。
プリントコントローラ52(図2参照)は、プリレジセンサ62及びレジセンサ60によって転写位置へ搬送される用紙12の先端を検出し、レジセンサ60によって先端を検出した用紙12を、感光体ドラム20に形成したトナー像の転写位置への移動に同期して、転写位置へ送り込むようにレジモータ58を駆動する。
これにより、プリントコントローラ52は、用紙12の搬送方向に沿った一定位置に画像が形成されるようにしている。すなわち、プリントコントローラ52は、レジセンサ60によって先端(搬送方向の先端)を検出した用紙12の搬送方向の先端側の一定位置に、感光体ドラム20上の走査(副走査)開始位置が重なるようにしている。
一方、レジセンサ60とプリレジセンサ62の間には、サイドレジ検知ユニット64が設けられている。
図2及び図4に示すように、サイドレジ検知ユニット64は、サイドレジホームセンサ66、サイドレジセンサ68及びモータ70を含んで形成されている。
図4に示すように、サイドレジ検知ユニット64は、略帯板状のベースプレート72を備えている。このベースプレート72は、用紙12(図4では図示省略)の搬送路(給紙用搬送路34)に対向し、長手方向が用紙12の搬送方向と直交する幅方向に沿って配置される。なお、以下では、用紙12の搬送幅方向を矢印X方向で示す。
ベースプレート72には、長手方向の中間部にモータ72が取付けられ、このモータ70の図示しない駆動軸に取付けられたプーリ74が回転自在に配置されている。
また、ベースプレート72には、プーリ74に対向するプーリ76が、長手方向の一端側に回転自在に取付けられ、このプーリ74、76の間に無端のタイミングベルト78が巻き掛けられている。
これにより、モータ70が回転駆動することにより、モータ70の回転駆動量に応じて、プーリ74、76の間でタイミングベルト78が、用紙12の搬送幅方向に沿って移動するようになっている。
また、ベースプレート72には、プーリ74側とプーリ76側に対で折り返し部80が形成されている。この折り返し部80の間には、一対のシャフト82が互いに並行となるように掛け渡されている。すなわち、シャフト82は、長手方向が用紙12の搬送幅方向に沿うように配置されている。
一対のシャフト82の間には、スライダ84が掛け渡されている。一対のシャフト82のそれぞれがスライダ84に挿通され、これにより、スライダ84が用紙12の搬送幅方向に沿って移動可能に支持されている。
このスライダ84は、タイミングベルト78に連結されており、これにより、モータ70が駆動することにより、スライダ84が用紙12の幅方向に沿って移動されるようになっている。
スライダ84には、センサベース86が取付けられており、このセンサベース86には、用紙12の搬送路に対向する面にサイドレジセンサ68が取付けられている。
また、ベースプレート72には、スライダ84の移動方向の一端側であるプーリ76側にサイドレジホームセンサ66が取付けられている。
本実施の形態では、サイドレジホームセンサ66の一例として、投光部と受光部が対向する光電式センサを用いており、センサベース86には、サイドレジホームセンサ66に対向する舌片88が設けられている。この舌片88は、センサベース86に取付けられたサイドレジセンサ68が、プーリ76側の所定位置に移動することにより、サイドレジホームセンサ66の投光部と受光部の間に入りこんで、サイドレジホームセンサ66に検出される。
画像形成装置10では、サイドレジセンサ68のホームポジション(原位置、以下HPと標す)が設定されており、サイドレジ検知ユニット64は、サイドレジホームセンサ66が舌片88を検出しているときに、サイドレジセンサ68の位置がHPと一致するように取付けられている。
また、サイドレジ検知ユニット74は、サイドレジセンサ68は、HPから用紙12の搬送路のセンター側へ移動するように取付けられる。
サイドレジ検知ユニット64に設けているモータ70としては、ステッピングモータやパルスモータなどが用いられ、プリントコントローラ70では、モータ70の回転角の正確な検出を行うことにより、スライダ84に設けているサイドレジセンサ68の移動量の正確な計測が可能となっている。
プリントコントローラ52では、このサイドレジ検知ユニット64のサイドレジセンサ68を用いて、転写位置へ送り込む用紙12のそれぞれの幅方向の端部の位置を検出し、検出した用紙12の幅方向の端部の位置に合わせ、感光体ドラム20を走査露光するときの主走査開始位置を設定するようにしている。
すなわち、図5(A)に示すように、プリントコントローラ52では、1件分の印刷ジョブを実行するとき、サイドレジセンサ68をHPへ移動する。すなわち、モータ70を駆動して、サイドレジホームセンサ66が舌片88を検出する位置へ、スライダ84を移動する。
なお、HPとしては、HPでのサイドレジホームセンサ66とサイドレジセンサ68の相対位置が一定であるので、サイドレジホームセンサ66の位置をHPすることができるので、以下では、サイドレジホームセンサ66の位置をHPとして説明する。
この後に、図5(B)に示すように、各ページ(各用紙12)の給紙に先立って、サイドレジセンサ68を、予め設定している待機位置WPへ移動する。この待機位置WPとしては、予め用紙12の幅方向のサイズがわかっていることから、用紙12のサイズに応じて設定した位置を用いることができる。
さらに、プリントコントローラ52では、用紙12に形成するための画像露光に先立って、モータ70を駆動し、サイドレジセンサ68を用紙12へ向けて移動する。
サイドレジセンサ68としては、例えば投光部から発した光が、用紙12で反射して受光部に達することにより用紙12を検出するなどの反射型センサを用いることができる。
プリントコントローラ52では、このサイドレジセンサ68を用いて、搬送路上での用紙12の幅方向の端部(端部12A、サイドレジ位置)を検出する。このときのサイドレジセンサ68の移動量から、例えば、HPと用紙12の端部12Aの距離xSを演算し、この距離xSに基づいて、主走査開始位置を設定する(サイドレジ調整値)。
すなわち、待機位置WPへ移動するときの移動量(モータ70の回転角)から、距離x0を計測することができる。また、各ページごとでWPから用紙12の端部12Aを検出するときの移動量から距離Δxを計測することができ、この距離x0と距離Δxからサイドレジ調整に用いる距離xSを得ることができる。
画像形成装置10では、このようにしてサイドレジ調整を行うことにより、用紙12上の一定位置に精度良く画像を形成できるようになっている。
一方、 図2に示すように、プリントコントローラ52には、NvRAM等の不揮発性メモリを用いたメモリ90が設けられている。このメモリ90には、予め設定されているサイドレジ調整値が記憶されている。
画像形成装置10では、各給紙トレイ32の所定位置に用紙12を装填することにより、用紙12の幅方向のセンターが搬送路のセンターと略一致した状態で搬送されて給紙されるが、給紙トレイ32の間や、両面搬送路44からの給紙、図示しない手差しトレイからの給紙などの間においては、転写位置へ給紙するときの用紙12のセンター位置に僅かながらズレが生じていることがある。
また、画像形成装置10では、A4サイズ、B5サイズなどの各種サイズの用紙12を縦送り、横送りして画像形成が可能となっていると共に、コート紙、非コート紙、普通紙、再生紙、上質紙、厚紙、薄紙、色紙、OHP用紙などの紙質や紙種(以下、紙種、紙質を総称して紙種とする)の異なる用紙12への画像形成が可能となっている。
同一の給紙トレイ32から取出した用紙12であっても、紙種や送り方向が異なると、転写位置へ給紙するときの用紙12のセンター位置に僅かながらズレが生じることがある。
ここから、メモリ90には、各給紙トレイ32と、両面用搬送路44(両面印刷を行うときの2面目のページ)のぞれぞれについて、用紙サイズ、送り方向、紙種ごとに設定しているサイドレジ調整値のデフォルト値(以下、デフォルト値)が記憶されるようになっている。
プリントコントローラ52では、サイドレジセンサ68を用いたサイドレジ調整を行わないときに、メモリ90に記憶しているデフォルト値を用いるようにしている。すなわち、プリントコントローラ52では、サイドレジセンサ68を用いた適正なサイドレジ調整が困難であると判断されるときには、メモリ90に記憶しているデフォルト値を用いてサイドレジ調整を行うようにしている。
このデフォルト値は、用紙12上で幅方向(画像形成時の主走査方向)に沿ったズレが、実質的に画像の仕上がり品質に影響を及ぼさない範囲である1mm以下となるように計測されたサイドレジ調整値となっている。
プリントコントローラ52では、予め設定しているUIを用いて、任意のタイミングで操作パネル54からデフォルト値を入力してメモリ90に書き込むことができるようになっている。なお、このようなデフォルト値は、定期的ないし所定量の用紙12を処理するごとになどで計測されて入力されることが好ましい。
このように構成されている画像形成装置10では、印刷ジョブが入力されると、画像処理部50で印刷設定に基づいた画像処理を行うと共に、各ページの画像データをRIP処理して感光体ドラム20の走査露光に用いるラスタデータを生成する。
また、プリントコントローラ52では、印刷設定ないし画像データに基づいて、画像を形成する用紙12のサイズ、紙種等を判断し、用紙12を取出す給紙トレイ32を選択し、選択した給紙トレイ32から用紙12を取り出して給紙を行う。
これと共に、画像形成装置10では、感光体ドラム20を走査露光した後、トナー現像を施す。これにより、用紙12が転写位置へ送り込まれることにより、この用紙12に感光体ドラム20上のトナー像が重ねられて、該トナー像が用紙12に転写される。
トナー像が転写された用紙12は、定着モジュール28へ送り込まれることにより、定着ローラ30によって加圧されながら加熱される。これにより、トナーが溶融して定着され、画像データに応じた画像が用紙12に形成されて排出される。
一方、プリントコントローラ52では、感光体ドラム20への走査露光開始などの予め設定しているタイミングに同期して、レジモータ58を駆動し、用紙12を転写位置へ送り込む。
これにより、画像形成装置10では、用紙12の搬送方向に対して適性な位置に画像を形成するようにしている。
ところで、画像形成装置10では、サイドレジ調整を行うことにより、用紙12の幅方向に沿った適正な位置に画像が形成されるようにしていいる。すなわち、画像形成装置10では、用紙12の搬送方向に沿った画像位置の調整(レジ調整)と共に、用紙12の搬送幅方向に沿った画像位置の調整(サイドレジ調整)を行うことにより、高品質の仕上がりが得られるようにしている。
ここで、図6を参照しながら画像形成装置10におけるサイドレジ調整を説明する。画像形成装置10では、このサイドレジ調整によって設定された調整値に基づいて、ROS24の主走査開始位置を設定して、感光体ドラム20の走査露光を行うようにしている。
このフローチャートは、印刷ジョブの印刷設定に基づいて、給紙トレイ32の選択が行われると実行され、最初のステップ100では、サイドレジ検知ユニット64に設けているモータ70を駆動して、サイドレジセンサ68をHP(ホームポジション)へ移動する。次のステップ102では、HPに設けているサイドレジホームセンサ66が、舌片88を検出したか否か、すなわち、サイドレジセンサ68はHPに移動したか否かを確認する。
ここで、サイドレジセンサ68が、HPに達して、サイドレジホームセンサ66が舌片88を検出すると、ステップ102で肯定判定してモータ70を停止して、ステップ104へ移行する。
このステップ104では、先ず、1ページ目に対する印刷設定を読み込み、ステップ106では、読み込んだ印刷設定に基づいて、メモリ90からサイドレジ調整値のデフォルト値を読み込む。
すなわち、メモリ90には、各給紙トレイ32及び両面印刷を行うときの2面目に対して、用紙12のサイズ、送り方向及び紙種ごとに設定されたサイドレジ調整値のデフォルト値が記憶されており、ステップ106では、印刷設定に基づいて、メモリ90に記憶されているデフォルト値を読込み、ステップ108では、読み込んだデフォルト値を、該当ページの用紙12に対するサイドレジ調整値に設定する。
また、ステップ110では、サイドレジセンサ68をHPに移動するときにHPへの移動を検知できないなどのHPの異常が発生しているか否かを確認し、ホーム異常が発生していない通常状態では、ステップ110で肯定判定してステップ112へ移行する。このステップ112では、モータ70を駆動してサイドレジセンサ68を待機位置(WP)へ移動する。
これと共に、ステップ114では、プリレジセンサ62が、画像形成を行う用紙12の先端を検出したか否かを確認する。
すなわち、プリントコントローラ52では、給紙トレイ32から用紙12の取出しなどの用紙12の搬送処理に並行して、メモリ90に記憶しているデフォルト値をサイドレジ調整値として設定する作業を行う。
ここで、プリレジセンサ62が画像形成を行う用紙12の先端を検出するとステップ114で肯定判定してステップ116で移行し、モータ70を駆動して、サイドレジセンサ68の移動を開始し、ステップ118では、サイドレジセンサ68によって用紙12の幅方向の端部を検出したか否かを確認する。
これにより、用紙12の幅方向に沿って移動するサイドレジセンサ68が用紙12の幅方向の端部12Aを検出すると、ステップ118で肯定判定してステップ120へ移行する。このステップ120では、サイドレジセンサ68が用紙12の端部12Aを検出するまでの移動量からサイドレジ位置を算出する。
すなわち、HPに対する用紙12の端部12Aの距離xSを算出して、この算出結果に基づいて、用紙12の幅方向の一定位置(予め設定した位置)に画像を形成するためのサイドレジ調整量を設定する。
この後、ステップ122では、実際のサイドレジ調整量を、サイドレジセンサ68の検出結果に基づいた値に設定する。すなわち、サイドレジ調整値をデフォルト値から、サイドレジセンサ68の検出結果に基づいた値に変更する。
一方、画像形成装置10では、プリレジセンサ92によって検出された用紙12が、さらに、搬送されてレジセンサ60によって検出されると、所定のタイミングで転写位置へ送り込まれる。
また、プリントコントローラ52では、印刷ジョブを実行することにより、転写位置へ給紙される用紙12に形成する画像のラスタデータに基づいて、感光体ドラム20を走査露光する。このとき、プリントコントローラ52では、該当する用紙12に対して設定されているサイドレジ調整値に基づいて感光体ドラム20上への主走査開始位置を制御する。
また、プリントコントローラ52では、サイドレジ調整値を、サイドレジセンサ68によって検出する用紙12の端部12Aの位置に基づいて設定しており、これにより、用紙12の幅方向に沿った一定位置に、画像が形成されるように感光体ドラム20を走査露光することができ、高い印刷品質が得られる。
一方、図6に示すフローチャートでは、ステップ122でサイドレジ調整値の変更を行うと、ステップ124へ移行して全ページの印刷処理(プリント処理)が終了したか否かを確認する。ここで、全ページの印刷処理が終了していないときには、ステップ124で否定判定してステップ104へ戻り、次のページに対する印刷設定を読込み、ステップ106では、読み込んだ印刷設定に基づいたデフォルト値を、サイドレジ調整値に設定する。
このとき、両面印刷の2面目であるときには、両面印刷用(両面用搬送路44)に対して設定されているデフォルト値を読み込んで、サイドレジ調整値に設定する。
このように、画像形成装置10では、両面印刷を行うときも、サイドレジ調整を行うので、用紙12の表裏面に形成した画像位置にズレ等が生じてしまうのを確実に防止することができる。
一方、画像形成に先立ってサイドレジセンサ68をHPに移動するときに、HPへの移動を的確に検出できないときがある。このようなときには、ステップ102で否定判定されてステップ126へ移行し、サイドレジのホーム異常と判定される。
プリントコントローラ52では、サイドレジ調整を行うときに、サイドレジ調整値としてデフォルト値を設定すると(ステップ104〜108)、ステップ110で否定判定して、サイドレジセンサ68による用紙12の検出を行わず、ステップ124へ移行する。
これにより、感光体ドラム20を走査露光するときのサイドレジ調整値としては、サイドレジセンサ68の検出結果ではなく、デフォルト値が用いられる。
また、サイドレジセンサ68を用いて用紙12を検出するときに、用紙12の検出不良が生じるとステップ118で否定判定してステップ128へ移行し、サイドレジ検知の異常と判定される。
これにより、サイドレジセンサ68を用いたサイドレジ調整値の設定を行わずにステップ124へ移行する。
さらに、サイドレジセンサ68が用紙12の端部12Aを検出するのが遅れるなどすると、サイドレジセンサ68をサイドレジ調整値の設定が、感光体ドラム20へ走査露光開始に間に合わないことがある。
このようなときには、先に、サイドレジ調整値としてメモリ90に記憶されているデフォルト値が設定されているので、このデフォルト値を用いた走査露光が行われる。
メモリ90に記憶されているデフォルト値は、サイドレジセンサ68を用いたときに比べると、用紙12に形成した画像位置の精度が落ちることがあるが、用紙12の供給先、サイズ、送り方向及び紙種などの用紙12の搬送幅方向に沿った位置ズレを生じさせる可能性のある要素ごとに設定しているので、その差が極めて少なくなるようにしている。
これにより、印刷品質の低下が生じることがない。すなわち、画像形成装置10では、サイドレジセンサ68を用いたサイドレジ調整が困難であっても、走査開始位置が適正な位置から大きくずれてしまって、用紙12に画像を形成したときに印刷品質が低下してしまうのを確実に防止して、安定した仕上がり品質が得られる。
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、サイドレジセンサ68を用いたサイドレジ位置の検出に、サイドレジ検知ユニット64を用いたが、サイドレジセンサ68の移動機構は、これに限るものではなく、用紙12のサイドレジ位置を的確に検出するものであれば、任意の移動機構を適用することができる。
また、本実施の形態では、画像形成装置10を用いたが、本発明は、これに限らず、センター基準で用紙12を搬送しながら、電子写真プロセスによって該用紙12に画像を形成する任意の構成の画像形成装置に適用することができる。